JP2020517655A - Cd73阻害剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、CD73の活性を阻害し、癌を治療するのに有用である、5−[5]−[2−シクロアルキル]−6−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。

Description

本発明は、CD73の活性を阻害し、かつ癌を治療するのに有用である、5−[5]−[2−シクロアルキル]−6−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン化合物、またはその薬学的に許容される塩、および当該化合物を含む医薬組成物に関する。
5’−ヌクレオチダーゼまたはエクト−5’ヌクレオチダーゼ(EC3.1.3.5)としても公知のCD73は、5’モノヌクレオチドをヌクレオシドに転換する酵素である。CD73は多くの組織において発現し、癌組織において上方調節され、CD73経路はアデノシン受容体シグナル伝達を介して抗腫瘍T細胞免疫を制限することにより腫瘍成長を促進する(Zhang B,Cancer Research 2010;70:6407−6411、Antonioli L,et al.,Drug Discovery Today 2017;22:1686−1696)。
CD73欠損マウスは、抗腫瘍免疫が増大しており、実験的転移に耐性がある(Stagg J,et al.,Cancer Research 2011;71:2892−2900)。腫瘍CD73によって産生された細胞外アデノシンは、腫瘍微小環境において蓄積し、抗腫瘍T細胞免疫を損ない(Zhang B,Cancer Research 2010;70:6407−6411、Antonioli L,et al.,Drug Discovery Today 2017;22:1686−1696)、腫瘍による免疫逃避、腫瘍細胞の増殖、移動、血管新生、転移および化学療法抵抗性と関連している(Inoue Y,et al.,Oncotarget 2017;8:8738−8751)。
CD73発現の上昇は、免疫抑制の増大と関係していることも報告されている(Jin D,et al.,Cancer Res.70:2245−2255(2010)、Beavis PA,et al.,Trends Immunol 33:231−7(2012 )、Beavis,PA,et al.,Cancer Immunol Res.3:506−17(2015)、Loi S,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 110:11091−11096(2013))。
したがって、CD73経路は免疫抑制効果を発揮し、CD73経路を遮断することが癌を治療する上で有用であり得ることが示唆されてきた(Antonioli L,et al.,Oncoimmunol.2016;5:e1216292,doi:10.1080/2162402X.2016.1216292、Antonioli L,et al.,Trends in Cancer 2016;2:95−109、Allard D,et al.,Immunotherapy 2016;8:145−163)。CD73阻害剤は、癌の治療について臨床試験中である(Hay CM,et al.,Oncoimmunol.2016;5(8):e1208875、Allard D,et al.,Immunotherapy 2016;8:145−163)。
より詳しくは、癌の治療のために、代替のCD73阻害剤を提供する必要性が残っている。特に、経口的に利用可能な小分子CD73阻害剤についての必要性が残っており、当該小分子CD73阻害剤は腫瘍微小環境においてより完全な標的阻害を呈する。
したがって、本発明は、癌を治療するために有用であり得るCD73阻害化合物を提供する。本発明は、式Iの化合物であって、
式中、nが、0〜3であり、
は−H、−F、−gem−ジフルオロ、−gem−ジメチル、−C1〜4アルキル、−CHF、−CHFCHまたは−CHCHFであり、

が、−H、−CH、−F、−Cl、−CN、または−OCHから選択される、化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物であって、式中、nが0であり、Rが−C1〜4アルキルであり、Rが−CHである、化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
別の実施形態において、本化合物は、
またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態において、本化合物は、
またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態において、本化合物は、
またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態において、本化合物は、
またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態において、本化合物は、
またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態において、本化合物は、
またはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式Iの化合物は、下記式の化合物であって、
式中、Rが−CHCHもしくは−CH(CHである、化合物、またはその薬学的に許容される塩である。別の実施形態において、Rは−CHCH、またはその薬学的に許容される塩である。別の実施形態において、Rは−CH(CH、またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態において、式Iの化合物は式:
もしくは
であり、式中、Rは、CHCHまたはCH(CH、またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態において、式Iの化合物は、下記式の化合物であって、
式中、Rは−CHCHまたは−CH(CHである、化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態において、本発明は、化合物:
またはその薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態において、本発明は、化合物:
またはその薬学的に許容される塩を提供する。
別の実施形態において、本発明は、化合物:
またはその薬学的に許容される塩を提供する。
別の実施形態において、本発明は、化合物:
またはその薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態において、本発明は、5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンである化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
別の実施形態において、本発明は、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンである化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態において、本発明は、5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンまたはその薬学的に許容される塩と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
別の実施形態において、本発明は、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンと、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
一実施形態において、本発明は、癌を治療するための方法であって、癌を治療することを必要とする患者へ、有効量の5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
別の実施形態において、本発明は、癌を治療するための方法であって、癌を治療することを必要とする患者へ、有効量の5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
一実施形態において、本発明は、療法における使用のための、5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンまたはその薬学的に許容される塩を提供する。
別の実施形態において、本発明は、療法における使用のための、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン、または薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態において、本発明は、療法における使用のための、5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン、または薬学的に許容される塩を提供する。
別の実施形態において、本発明は、療法における使用のための、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン、または薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態において、本発明は、5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン、またはその薬学的に許容される塩を含む、癌を治療する上での使用のための医薬組成物を提供する。
別の実施形態において、本発明は、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン、またはその薬学的に許容される塩を含む、癌を治療する上での使用のための医薬組成物を提供する。
一実施形態において、本発明は、癌の治療のための薬剤の製造における、5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンまたはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
別の実施形態において、本発明は、癌の治療のための薬剤の製造における、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンまたはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
一実施形態において、本発明は、4−クロロ−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メチル−ピリダジンの調製および使用を提供し、これは以下のように構造的に表すことができ、
癌の治療のための化合物または薬剤の製造において有用である。別の実施形態において、本発明は、化合物または薬剤の製造における使用のための4−クロロ−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メチル−ピリダジンを提供する。
一実施形態において、本発明は、4,4,5,5−テトラメチル−2−(2−置換−シクロプロピル)−1,3,2−ジオキサボロランの調製および使用を提供し、これは以下のように構造的に表すことができ、
式中、R=CHCHまたはCH(CHであり、これは、癌の治療のための薬剤の製造において有用である。一実施形態において、R=CHCHである。別の実施形態において、R=CH(CHである。別の実施形態において、本発明は、化合物または薬剤の製造における使用のための、4,4,5,5−テトラメチル−2−(2−置換−シクロプロピル)−1,3,2−ジオキサボロランを提供する。
一実施形態において、本発明は、2−[(1S,2S)−2−エチル−シクロプロピル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの調製および使用を提供し、これは以下のように構造的に表すことができる。
癌の治療のための化合物または薬剤の製造に有用である。別の実施形態では、本発明は、化合物または薬剤の製造に使用するための2−[(1S、2S)−2−エチルシクロプロピル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを提供する。
一実施形態では、本発明は、2−[(1S、2S)−2−イソプロピルシクロプロピル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの調製および使用を提供し、これは以下のように構造的に表すことができ、
これは、癌の治療のための化合物または薬剤の製造において有用である。別の実施形態において、本発明は、化合物または薬剤の製造における使用のための2−[(1S,2S)−2−イソプロピルシクロプロピル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを提供する。
一実施形態において、本発明は、(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)(1S,2S)−2−エチルシクロプロパンカルボキシラートを用いた、2−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランのキラル合成に準備し、これは以下のように構造的に表すことができ、
式中、R=CHCHまたはCH(CHであり、これは癌の治療のための化合物または薬剤の製造において有用である。別の実施形態において、本発明は、化合物または薬剤の製造における使用のための(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)(1S,2S)−2−エチルシクロプロパンカルボキシラートを提供する。
一実施形態において、本発明は、(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロパンカルボキシラートを用いた2−[(1S,2S)−2−イソプロピルシクロプロピル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランのキラル合成に準備し、これは以下のように構造的に表すことができ、

癌の治療のための化合物または薬剤の製造において有用である。別の実施形態において、本発明は、化合物または薬剤の製造における使用のための(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロパンカルボキシラートを提供する。
CD73タンパク質は、脳、甲状腺、副腎、骨髄、リンパ節、扁桃、脾臓、心筋、平滑筋、肺、咽頭鼻部、肝臓、胆嚢、膵臓、唾液腺、口腔粘膜、食道、胃、十二指腸、小腸、結腸、直腸、腎臓、膀胱、精巣、前立腺、卵管、膣、乳房、子宮頸部、子宮、子宮内膜、卵巣、軟部組織および皮膚を含む多くの組織において発現する(proteinatlas.org/ENSG00000135318−NT5E/tissue)。CD73は、複数の種類の腫瘍において過剰発現する(Antonioli L,et al.,Nat.Rev.Cancer 13,842−857(2013)、Antonioli L,et al.,Trends Cancer 2:95−109(2016)。CD73は、肝細胞、膵管腺癌、肝外胆管細胞癌を含む、正常なおよび病理学的なヒト肝胆道膵臓組織においても発現する(Sciarra,A.,et al.,Cancer Immunol Immunother 2019;doi.org/10.1007/s00262−018−2290−1)。
CD73の発現および活性の上昇は、腫瘍の浸潤性および転移と、ならびに患者のより短い生存期間と関係している(Jin D,et al.,Cancer Research 2010;70:2245−2255)。CD73発現の上昇は予後不良と関係づけられてきた(Inoue K,et al.,Oncotarget 8:8738−8751(2017)、Turcotte K,et al.,Cancer Res.5:4494−4503(2015)、Lu YT,et al.,World J.Gastroenterol.19:1912−1918(2013)、Wu XR,et al.,J.Surg.Oncol.106:130−137(2012)、Buisseret S,et al.,Ann.Oncol.29:1056−1062(2017)、Leclerc R,et al.,Clin.Cancer Res.22:158−66(2016))。
トリプルネガティブ乳癌におけるCD73発現は、臨床成績不良、およびアントラサイクリン化学療法に対する耐性の上昇と関係している(Allard B,et al.,Expert Opin.Ther.Targets 2014;18:863−881)。CD73は、頭頸部扁平上皮癌の予後不良と関係している(Ren Z−H,et al.,Oncotargets 2016;7:61690−61702)。CD73の発現は、腎細胞癌の進行とも関係している(Yu Y,et al.,Oncol.Lett.2015;9:2485−2494)。
CD73は、子宮内膜腫瘍(Aliagas E,et al.,Mediators of Inflammation 2014;doi:10.1155/2014/509027)、前立腺腫瘍組織(Leclerc BG,et al.,Clin.Cancer Res.2016;22:158−166)、非小細胞肺癌組織(Inoue Y,et al.,Oncotarget 2017;8:8738−8751)において過剰発現する。CD73は、乳癌、結腸直腸癌、卵巣癌、胃癌、および胆嚢癌を含む腫瘍において過剰発現することが報告されてきた(Gao Z−W and Zhang H−Z,Biomed Res.Int.2014;doi:10.1155/2014/460654)。CD73は、膠芽腫、黒色腫、乳癌、卵巣癌、髄芽腫、および膀胱癌の細胞株を含む癌細胞株において過剰発現することが報告されてきた(Gao Z−W and Zhang H−Z,Biomed Res.Int.2014;doi:10.1155/2014/460654) 。
CD73−アデノシンは、卵巣癌患者における免疫応答および生存を低減させることが報告されてきた(Gaudreau P−O,et al.,Oncoimmunology 2016;5(5):e1127496)。
選択的CD73阻害剤α,β−メチレンアデノシン5’−二リン酸を用いたインビボでのCD73遮断は、EG7(リンパ腫)、MC38(結腸)、AT−3(乳房)およびB16F10(黒色腫)の腫瘍細胞を皮下注射した同系マウスにおける腫瘍成長を低減させることが報告されてきた(Stagg J,et al.,Cancer Research 2011;71:2892−2900、Forte G,et al.,J.Immunol.2012;189:2226−2233)。抗CD73抗体療法は、乳房腫瘍の成長および転移を阻害することが報告されてきた(Stagg J,et al.,PNAS 2010;107:1547−1552、Terp MG,J.Immunol.2013;191:4165−4173)。
さらに、アデノシンおよびCD73酵素活性は癌患者において上昇することが報告されており(Huang N,et al.,Cancer Res.75:1538(2015)、免疫チェックポイント阻害剤に応答しない患者は、応答する患者よりも高いアデノシンレベルを有することが報告されてきた(Giannakis HX,et al.,J.Clin.Oncol.35:15 Suppl.3036−3036(2017))。
発癌活性化およびエストロゲン受容体欠損は、CD73発現の上昇と関係することが報告されてきた(Reinhardt J,et al.,Cancer Res.77:4697−4709(2017)、Spychala J,et al.,Clin.Cancer Res.10:708−17(2004)、Ascierto and McArthur J.,Transl.Med.15:173(2017)、Young A,et al,Cancer Res.77:4684−4696(2017))。
CD73阻害剤治療から利益を得ることができる対象には、非小細胞肺癌、膀胱癌、および黒色腫のような、抗PD1/PDL−1阻害剤に耐性があるまた不応性の腫瘍に罹患している対象、非小細胞肺癌、膀胱癌、黒色腫、結腸および膵臓のようなEGFR/BRAF/Kras変異癌に罹患している患者、トリプルネガティブ乳癌のようなエストロゲン受容体(−)癌に罹患している患者、膵癌および結腸直腸癌のような、CD73の発現レベルが高い対象が含まれる。所望の場合、このような対象は、IHCアッセイによって測定されるように、腫瘍内の高いCD73発現レベルの存在に基づいて、または、RT−PCRアッセイによって検出されるような腫瘍内のEGFRおよびBRAFの変異の存在に基づいて、または、IHCアッセイもしくはRT−PCRアッセイによって検出されるような腫瘍内のエストロゲン受容体の欠損に基づいて、または、LC−MSアッセイによって検出されるような腫瘍内もしくは血漿中の高レベルのアデノシンおよびAMPの存在に基づいて、本明細書に開示する化合物またはその薬学的に許容される塩を用いた療法のために選択することができる。薬力学的評価のために、本明細書に説明するLC−MS系エクスビボアッセイを使用して、血中でのAMPからアデノシンへの転換に対するCD73阻害剤の効果を測定することができる。
本発明は、患者における癌を治療する方法であって、癌を治療することを必要とする患者へ、有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供する。
本発明は、癌を治療する方法であって、癌を治療することを必要とする対象へ、有効量の本明細書の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供し、癌は、膀胱癌、乳癌、胆管癌、結腸直腸癌、結腸癌、胃癌、胆嚢癌、膠芽腫、頭頸部癌、肝癌、肺癌、リンパ腫、髄芽腫、黒色腫、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、または腎癌である。一実施形態において、乳癌はトリプルネガティブ乳癌である。別の実施形態において、肺癌は非小細胞肺癌である。1つの好ましい実施形態において、化合物は、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンである。
一実施形態において、患者は、血清CD73活性が判定された患者である。1つの好ましい実施形態において、「CD73活性を判定すること」は、CD73活性が存在するかどうかを判定することを意味する。CD73発現またはCD73活性のレベルを判定する方法は、当業者に公知であり、例えば、S Morello,et al.,J.Trans.Med.2017;15:244を参照されたい。別の好ましい実施形態において、「CD73活性を判定すること」は、CD73によるAMPからアデノシンへの転換のレベルを定量化することを意味し、CD73活性のレベルを定量化することを容易にするLC−MS系アッセイが本明細書で提供される。
別の実施形態において、患者は、組織内のCD73発現が判定された患者である。別の実施形態において、組織は腫瘍組織である。組織におけるCD73発現のレベルを判定するための方法は、当業者に公知であり、例えば、ウェスタンブロット法または免疫組織化学的手法を使用する(X−R Wu,et al.,J.Surg.Oncol.2012;106:130−137)。
本発明は、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩が投与された患者からの組織内でCD73発現を判定することを含む方法も提供する。好ましい実施形態において、組織は腫瘍組織である。
本発明は、本明細書の式Iの化合物による化合物またはその薬学的に許容される塩が投与された患者からの血清中のCD73活性を判定することを含む方法も提供する。この方法は感度が高く、腫瘍生検を包含せず、抗体または免疫組織化学的手法を包含せず、CD73活性の定量化を容易にする(例えば、EC50の計算を容易にすることによる)。1つの好ましい実施形態において、化合物は、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンである。別の好ましい実施形態において、本方法は、放射標識アデノシン一リン酸(AMP)を使用してCD73活性をアッセイすることと、質量分析を使用して放射標識AMPの濃度を測定することと、をさらに含む。別の好ましい実施形態において、放射標識AMPは13C5_15N5−AMPである。
別の好ましい実施形態において、本方法は、(a)患者へ投与された種々の濃度の化合物を含有するように構成された複数の容器(例えば、マイクロタイタープレート)の各々において患者からの血清を提供することと、(b)複数の容器内の各容器において13C10_15N5_AMPを提供することと、(c)混合(例えば、振盪)を容易にする条件下で複数の容器をインキュベートすることと、(d)複数の容器を遠心分離することと、(e)各容器からの上清を新たな個々の容器へ移すことと、(f)新たな個々の容器の各々において、内部標準を含有する抽出溶液を提供することと、(g)新たな個々の容器を遠心分離することと、(h)上清を新たな各個々の容器から個々の分析容器へと移すことと、(i)本明細書において説明するように(「アデノシンおよびアデノシン精製物のための質量分析」)、LC/MSによる13C10_15N5_アデノシン、13C10_15N4_イノシンおよび15N4ヒポキサンチンについての各個々の分析容器中の上清をアッセイすることと、(j)EC50を計算することと、を含む。1つの好ましい実施形態において、化合物は、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンである。好ましい実施形態において、内部標準は、13C5−AMP、13C5−アデノシン、15N4−イノシン、および13C5−ヒポキサンチンである。
本発明は、療法における本明細書の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用も提供する。一実施形態において、療法は癌の治療である。別の実施形態において、癌は、膀胱癌、乳癌、胆管癌、結腸直腸癌、結腸癌、胃癌、胆嚢癌、膠芽腫、頭頸部癌、肝癌、肺癌、リンパ腫、髄芽腫、黒色腫、卵巣癌、膵癌、前立腺癌または腎癌である。一実施形態において、乳癌はトリプルネガティブ乳癌である。別の実施形態において、肺癌は非小細胞肺癌である。1つの好ましい実施形態において、化合物は、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンである。
本発明は、癌の治療のための薬剤の製造のための、本明細書の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用も提供する。一実施形態において、癌は、膀胱癌、乳癌、胆管癌、結腸直腸癌、結腸癌、胃癌、胆嚢癌、膠芽腫、頭頸部癌、肝癌、肺癌、リンパ腫、髄芽腫、黒色腫、卵巣癌、膵癌、前立腺癌または腎癌である。一実施形態において、乳癌はトリプルネガティブ乳癌である。別の実施形態において、肺癌は非小細胞肺癌である。1つの好ましい実施形態において、化合物は、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンである。
一実施形態において、本発明は、有効量の本明細書の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の抗腫瘍薬と同時の、別々の、または連続した組み合わせで投与することを含む、癌を治療する方法を提供する。抗腫瘍薬の非限定的な例としては、ラムシルマブ、ネシツムマブ、オララツマブ、ゲムシタビン、ペメトレキセド、ガルニセルチブ、アベマシクリブ、ゲフィチニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、シスプラチン、カルボプラチン、ダカルバジン、リポソームドキソルビシン、ドセタキセル、シクロホスファミドおよびドキソルビシン、ナベルビン、エリブリン、パクリタキセル、注射懸濁液のためのパクリタキセルタンパク質結合粒子、イクサベピロン、カペシタビン、FOLFOX(ロイコボリン、フルオロウラシル、およびオキサリプラチン)、FOLFIRI(ロイコボリン、フルオロウラシル、およびイリノテカン)、セツキシマブ、EGFR阻害薬、Raf阻害薬、B−Raf阻害薬、ERK阻害薬、CDK4/6阻害薬、イドレラミン2,3−ジオキシゲナーゼ阻害薬、TGFβ阻害薬、ならびにTGFβ受容体阻害薬が挙げられる。
別の実施形態において、本発明は、有効量の本明細書の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の免疫腫瘍薬と同時の、別々の、または連続した組み合わせにおいて投与することを含む、癌を治療する方法を提供する。1つの好ましい実施形態において、免疫腫瘍薬は、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体、抗CD137アゴニスト抗体、または抗CTLA4抗体である。免疫腫瘍薬の非限定的な例としては、ニボルマブ、イピリムマブ、ピジリズマブ、ペンブロリズマブ、トレメリムマブ、ウレルマブ、リリルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、および抗PD−L1抗体LY3300054(その重鎖および軽鎖の配列はそれぞれ、WO2017/034916およびUS2017/0058033において配列番号10および配列番号11において明らかにされる)。1つの好ましい実施形態において、免疫腫瘍薬は抗PD−1抗体である。別の好ましい実施形態において、免疫腫瘍薬は抗PD−L1抗体である。別の好ましい実施形態において、化合物は、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンであり、免疫腫瘍薬はLY3300054である。
一実施形態において、本発明は、有効量の本明細書の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、別の薬剤と同時の、別々の、または連続した組み合わせにおいて投与することを含む、非小細胞肺癌を治療する方法を提供する。1つの好ましい実施形態において、他の薬剤はオシメルチニブ、セツキシマブまたはアベマシクリブである。別の好ましい実施形態において、他の薬剤はオシメルチニブである。別の好ましい実施形態では、他の薬剤はセツキシマブである。別の好ましい実施形態では、他の薬剤はアベマシクリブである。
別の実施形態において、本発明は、有効量の本明細書の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、別の薬剤と同時の、別々の、または連続した組み合わせにおいて投与することを含む、黒色腫を治療する方法を提供する。1つの好ましい実施形態において、他の薬剤は、BRAF阻害剤、抗PD−1抗体、または抗PD−L1抗体である。別の好ましい実施形態において、他の薬剤は、BRAF阻害剤である。別の好ましい実施形態において、他の薬剤は、抗PD−1抗体である。別の好ましい実施形態において、他の薬剤は、抗PD−L1抗体である。別の好ましい実施形態において、抗PD−L1抗体は、LY3300054である。別の好ましい実施形態において、化合物は、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンであり、他の薬剤は抗PD−L1抗体はLY3300054である。
別の実施形態において、本発明は、有効量の本明細書の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、別の薬剤と同時の、別々の、または連続した組み合わせにおいて投与することを含む、結腸直腸癌を治療する方法を提供する。1つの好ましい実施形態において、他の薬剤はアベマシクリブである。別の好ましい実施形態において、化合物は、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンであり、他の薬剤はアベマシクリブである。
別の実施形態において、本発明は、有効量の本明細書の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、別の薬剤と同時の、別々の、または連続した組み合わせにおいて投与することを含む、膵癌を治療する方法を提供する。1つの好ましい実施形態において、他の薬剤はアベマシクリブである。別の好ましい実施形態において、化合物は、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンであり、他の薬剤はアベマシクリブである。
別の実施形態において、本発明は、有効量の本明細書の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、別の薬剤と同時の、別々の、または連続した組み合わせにおいて投与することを含む、トリプルネガティブ乳癌の治療方法を提供する。1つの好ましい実施形態において、化合物は、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンである。
本発明は、CD73酵素活性を阻害することを必要とする患者へ、有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、患者におけるCD73酵素活性を阻害する方法も提供する。本発明は、AMPからアデノシンへの転換を阻害することを必要とする患者へ、有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、患者におけるAMPからアデノシンへの転換を阻害する方法も提供する。
別の実施形態において、本発明は、有効量の本明細書の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、アデノシンを調節する1つ以上の薬剤と同時の、別々の、または連続した組み合わせにおいて投与することを含む、癌を治療する方法を提供する。アデノシンを調節する薬剤の非限定的な例としては、抗CD73抗体およびアデノシン受容体アンタゴニストが挙げられる。
本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む医薬組成物も提供する。本発明はさらに、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と混合することを含む、医薬組成物を調製するための方法を提供する。本発明は、式Iの化合物の合成のための新規の中間体および方法も包含する。
先に使用したように、および本発明の明細書のいたるところで、次の用語は、特に明記しない限り、次の意味を有すると理解されるものとする。
「薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤」とは、哺乳動物、例えばヒトへの生物学的に活性のある薬剤の送達のために当技術分野で概して受け入れられている媒体である。
「治療」、「治療する」、「治療すること」などの用語は、障害の進行を遅らせるまたは逆転させることを含むことを意味する。これらの用語には、障害または容態が実際に除去されていない場合でも、障害または容態の進行自体が遅くなったり逆転させたりしていない場合でも、障害または容態の1つ以上の症状を緩和、寛解、減衰、除去、または軽減することも含まれる。
「有効量」は、治療している臨床医によって患者の生物学的もしくは医学的応答または患者に対する所望の治療効果を誘起させるであろう、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物の量を意味する。一実施形態において、本化合物またはその薬学的に許容される塩は、インビトロまたはエクスビボCD73酵素アッセイにおいてAMPからアデノシンへの転換を阻害する。別の実施形態において、化合物またはその薬学的に許容される塩は、異なる用量の化合物を用いて治療された動物からのマウス全血中でのAMPからアデノシンへの転換を阻害する。
「gem−ジフルオロ」は、同じ炭素へ結合した2つのフッ素原子を指す。
「gem−ジメチル」は、同じ炭素へ結合した2つのメチル基を指す。
本明細書で使用される場合、「患者」という用語はヒトを指す。
有効量は、当業者のような担当診断医により、公知の技法の使用によって、および同様の状況下で得られた結果を観察することによって、容易に決定され得る。患者のための有効量を決定する際には、患者の種、患者のサイズ、年齢、および全体的な健康状態;関与する特定の疾患または障害;疾患または障害の程度または関与または重症度;個々の患者の応答;投与される特定の化合物;投与の様式;投与される製剤の生物学的利用率特性;選択された投薬計画;付随する薬物の使用;ならびに他の関連する状況を含むが、これらに限定されない、多数の要因が担当診断医によって考慮される。
本発明の化合物は、広い薬用量範囲にわたって使用することができる。例えば、1日あたりの薬用量は通常、体重1kgあたり約0.01〜約50mgの範囲内に収まる。
本発明の化合物は、好ましくは、経口経路、静脈内経路、および経皮経路を含む、化合物を生物学的に利用可能にするいずれかの経路によって投与される医薬組成物として製剤される。より好ましくは、そのような組成物は経口投与用である。そのような医薬組成物およびそれらを調製するための方法は、当該技術分野において周知である。(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(D.B.Troy,Editor,21st Edition,Lippincott,Williams & Wilkins,2006を参照されたい)。
本発明の化合物が塩を形成することができることは当業者によって理解するであろう。本発明の化合物は、塩基性複素環を含有し、したがって、多数の無機酸および有機酸のいずれかと反応して、薬学的に許容される酸付加塩を形成する。このような薬学的に許容される酸付加塩およびそれらを調製するための一般的な方法論は、当技術分野において周知である。例えば、P.Stahl et al.,HANDBOOK OF PHARMACEUTICAL SALTS:PROPERTIES,SELECTION AND USE,(VCHA/Wiley−VCH,2008)を参照されたい。
「薬学的に許容される塩(salts)」または「薬学的に許容される塩(salt)」は、本発明の化合物の比較的非毒性の無機塩(salt)および有機塩(salt)または無機塩(salts)および有機塩(salts)を指す(S.M.Berge,et al.,“Pharmaceutical Salts”,Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol 66,No.1,January 1977)。
化合物名における「異性体1」の指定は、以下の「調製物および実施例」において説明する条件下で一対の鏡像異性体の混合物がキラルクロマトグラフィーによって分離されるとき、本発明の対応する中間体または化合物が2つの溶離する鏡像異性体の1番目であることを意味する。化合物名における「異性体2」の指定は、以下の「調製物および実施例」において説明する条件下で一対の鏡像異性体の混合物がキラルクロマトグラフィーによって分離されるとき、本発明の対応する中間体または化合物が2つの溶離する鏡像異性体の2番目であることを意味する。
本発明の化合物は、当技術分野で周知かつ認識されている合成方法によって調製することができる。これらの反応のステップに適した反応条件は、当技術分野で周知であり、溶媒および共試薬の適切な置換は、当技術分野の技術内である。同様に、合成中間体は、必要または所望に応じて種々の周知の技術によって単離および/または精製されることができることは当業者によって認識されるであろうし、頻繁に、後続の合成ステップにおいて種々の中間体を、ほとんどまたはまったく精製せずに直接使用することができることになる。さらに、当業者は、いくつかの状況において、複数の部分が導入される順序が重要ではないことを認識するであろう。本発明の化合物を製造するために必要とされるステップの特定の順序は、当業者によって十分に認識されているように、合成される特定の化合物、出発化合物、および置換された部分の相対的傾向に依存する。特に明記しない限り、すべての置換基はすでに定義したとおりであり、すべての試薬は当技術分野において周知であり認識されている。
本明細書で使用される場合、次の用語は示される意味を有する:「ACN」はアセトニトリルを指し、「DAST」は三フッ化ジエチルアミノ硫黄を指し、「DCM」はジクロロメタンを指し、「DMAP」は、4−ジメチルアミノピリジンを指し、「dmso」または「DMSO」は、ジメチルスルホキシドを指し、「ee」は鏡像体過剰率を指し、「ES/MS」は、エレクトロスプレー質量分析法を指し、「EtOAc」は酢酸エチルを指し、「EtO」はジエチルエーテルを指し、「FBS」は、ウシ胎児血清を指し、「GC−MS」はガスクロマトグラフィー−質量分析法を指し、「HBSS」はハンクの平衡塩溶液を指し、「IC50」は最大半値の阻害濃度を指し、「LAH」は水素化アルミニウムリチウムを指し、「LC−ES/MS」は液体クロマトグラフィーエレクトロスプレー質量分析法を指し、「MS」は質量分析法を指し、「MeOH」はメタノールを指し、「MTBE」はメチルtert−ブチルエーテルを指し、「nBuLi」は、n−ブチルリチウムを指し、「nm」はナノメートル(複数可)を指し、「NMR」は核磁気共鳴を指し、「OAc」はアセタートを指し、「psi」はポンド/平方インチを指し、「RT」は室温または外界温度を指し、「SCX」は、強カチオン交換を指し、「SFC」とは、超臨界流体クロマトグラフィーを指し、「SAr」は求核芳香族置換を指し、「TEA」はトリエチルアミンを指し、「THF」はテトラヒドロフランを指し、「t」は保持時間を指し、「w/w」は、溶液中の重量/重量比を指す。
本発明の化合物は、次のスキームにおいて示されるように合成することができる。
スキーム1は、式Iaの化合物の調製を図示している。周知の鈴木型条件を使用して、市販の(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)ボロン酸1を4,6−ジクロロ−3−メチル−ピリダジンへカップリングすることができる。3のクロロ部分と適切に置換されたトランス−シクロプロピルボロナートとのその後の鈴木カップリングを達成して、4を得ることができる。当業者は、化合物4の鏡像異性体が、当技術分野で周知のキラル分離技術を使用して分離することができることを認識するであろう。式Iaの化合物は、当技術分野で十分に説明されている一連の脱メチル化条件下で、4におけるメトキシ基の脱保護により調製することができる。
スキーム2は、式IIの化合物を調製するために必要とされる必須のシクロプロピルボロン酸エステルを図示する。当業者は、適切に置換されたアルキン5のヒドロホウ素化が一連の条件下で、特にCuまたはZrのような遷移金属触媒の存在下でもたらされ、アルケニルボロナート6を得ることができることを認識するであろう。アルケニルボロナートは、Simmons−Smithシクロプロパン化、Corey−Chaykovsky反応、および遷移金属触媒を用いた(例えば、Cu、Pd、またはNi)および用いない(例えば、熱的にまたは光化学的に)場合の両方のジアゾメタン(またはジアゾ化合物)によるシクロプロパン化の方法のような、当技術分野で周知の安定化カルベノイド型条件下でシクロプロパン化して、適切に置換されたトランス−シクロプロピルボロナート7を得ることができる。当業者は、熱力学的に好ましいシクロプロパン化生成物が7におけるトランス鏡像異性体の混合物であることを認識するであろう。
スキーム3は、式Ibの化合物のキラル合成を図示する。修飾されたSandmeyer条件(ラジカルSAr)下での適切に置換されたアミノ酸8のジアゾ化による9の生成は、当技術分野で周知である。アルコール10へのその後の還元は、水素化アルミニウムおよびジボランを還元剤として含む、当技術分野で周知の一連の還元剤を利用して達成することができる。塩基性条件下でのキラルエポキシド11への環化は、当技術分野で十分に説明されている。立体選択的なHorner−Wadsworth−Emmons反応は、キラルエポキシド11を適切なホスホン酸エステル(例えば、エチル2−ジエトキシホスホリルアセタートまたはトリエチルホスホノアセタート)および適切な塩基(例、アルキルリチウム、金属アルコキシド、または金属水素化物)を用いて処理することによって使用して、トランス−シクロプロパン誘導体12を得ることができる(例えば、L.Delhaye;A.Merschaert;P.Delbeke;W.Brione.Org.Proc.Res.&Dev.2007,11,689−692を参照されたい。)化合物12の対応する酸13への加水分解は、当技術分野で十分に説明されている広範な塩基性条件下で達成することができる。酸13と適切に置換されたN−ヒドロキシフタルイミドとのその後のカップリングは、当技術分野で十分に説明されており、適切な酸活性化剤、例えば、穏やかな非求核性塩基の存在下でカルボニルジイミダゾールを利用して、化合物14を調製する。N−ヒドロキシフタルイミドエステル14の脱カルボキシル化ボリル化は、遷移金属触媒の存在下で(例えば、鈴木−宮浦反応)、光分解条件下で、または、例えば、ピリジン−ボロンラジカルによって容易にされる、トランス−シクロプロパンボロナート15を得るためのラジカルカップリングにおけるN−ヒドロキシフタルイミドエステルとジホウ素との錯体形成を含む単一電子移動反応によることを含む、当技術分野で公知の多くの条件下で達成することができる。(例えば、W.−M.Cheng;S.Rui;B.Zhao;W.−L.Xing;Y.Fu.Org.Lett.2017,19,4291−4294を参照されたい。)ボロナート15と塩化アリール4とのカップリングおよびその後の脱メチル化は、スキーム1において説明されるものと同様に実施され、式Ibのキラル化合物型を得ることができる。
スキーム4は、式Icの化合物の合成を図示する。ジクロルピリダジン17の求核置換は、当技術分野において周知のラジカル条件(例えば、Minisci反応)下で実施して、置換ピリダジン19を得ることができる。ボロナート20と塩化アリール19とのカップリングおよびその後の脱メチル化は、スキーム1に説明するものと同様に実施して、式Icの化合物型を得ることができる。
スキーム5は、式Idの化合物の合成を図示する。2−クロロピリダジン21の置換は、当技術分野において一般的に公知の求核条件下で実施して、メトキシピリダジン22を提供することができる。22のその後の脱メチル化をスキーム1に説明されているものと同様に実施して、式Idの化合物型を得ることができる。
スキーム6は、式Ieの化合物の合成を図示する。式Icのシアン化は、遷移金属(例えば、Pd、Cu、Rh)触媒反応を含む、当技術分野において公知の種々の条件下で達成して、式Ieの化合物を提供することができる。
スキーム7は、式Ifの化合物の合成を図示する。アルケニルボロナートは、スキーム2に説明されているものと同様にシクロプロパン化されることができる。ボロナート25と塩化アリール3とのカップリングは、スキーム1に説明されているものと同様に実施して、キラル化合物26を得ることができる。ジエチルアセタール26からアルデヒド27へのマスキング解除は、適切な酸を用いた処理によって達成することができる。種々のフッ素化試薬(例えば、DAST、XtalFluor(登録商標)、Fluolead(商標)またはDeoxo−Fluor(登録商標))を用いたアルデヒド27の処理は、ジフルオロメチル28を提供することができる。28のその後の脱メチル化は、スキーム1に説明されたものと同様に実施して、式Ifの化合物型を得ることができる。
スキーム8は、式Igの化合物の合成を図示する。メタンスルホナート29は、フッ化カリウムまたはフッ化tertブチルアンモニウムのような試薬を用いる当業者に公知の置換技術を用いてフッ化物30へ転換することができる。スキーム1に説明されているものと同様に、その後の脱メチル化を実施して、式Igのキラル化合物を得ることができる。
調製物および実施例
次の調製例および実施例は、本発明をさらに示し、本発明の化合物の典型的な合成を表すが、いかなる方法においても本発明の範囲を制限すると解釈されるべきではない。試薬および出発材料は容易に入手可能であるか、または当業者によって容易に合成されることができる。調製物および実施例が、説明としてであって制限としてではなく明らかにされていること、および種々の変更は当業者によってなされることができることは理解されるべきである。
LC−ES/MSは、Agilent HP1100液体クロマトグラフィーシステムで実施される。エレクトロスプレー質量分析測定(ポジティブモードおよび/またはネガティブモードで取得)は、HP1100HPLCに接続されたMass Selective Detector四重極質量分析計で実施される。LC−MS条件(低pH):カラム:PHENOMENEX(登録商標)GEMINI(登録商標)NX C−18 2.1×50mm 3.0μm、勾配:5〜100%Bで3分間、次に100%Bで0.75分間カラム温度:50℃±10℃、流量:1.2mL/分、溶媒A:0.1%HCOOH含有脱イオン水、溶媒B:0.1%ギ酸含有ACN、波長214nm。代替LC−MS条件(高pH):カラム:WATERS(商標)XTERRA(登録商標)MS C−18カラム2.1×50mm、3.5μm;勾配:5%の溶媒Aで0.25分、3分間で5%〜100%の勾配の溶媒B、および100%の溶媒Bで0.5分間、または3分間で10%〜100%の溶媒B、および100%の溶媒Bで0.75分間;カラム温度:50℃±10℃;流量:1.2mL/分;溶媒A:10mM NHHCO pH9;溶媒B:ACN;波長:214nm。
分取逆相クロマトグラフィーは、Mass Selective Detector質量分析計およびLeap自動試料採取装置/分画収集装置を備えたAgilent1200LC−ES/MSで実施される。高pH方法は、75×30mmのPHENOMENEX(登録商標)GEMINI(登録商標)−NX、10×20mmのガードを備えた5μm粒径カラムで実行される。85mL/分の流量。溶離液は、ACN中の10mM重炭酸アンモニウム(pH10)である。
NMRスペクトルは、Bruker AVIII HD400MHz NMR Spectrometerで実施し、ppmで報告されるCDClまたは(CDSO溶液として得、残留溶媒[CDCl、7.26ppm、(CDSO、2.50ppm]を参照標準物質として使用する。ピーク多重度を報告するとき、次の略語を使用することができる:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、br−s(ブロード一重線)、dd(二重線の二重線)、dt(三重線の二重線)。カップリング定数(J)は、報告するとき、ヘルツ(Hz)で報告する。
調製物1
rac−トランス−2−(2−エチルシクロプロピル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
EtO(45.30mL)中の2−[(E)−ブタ−1−エニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.65g、9.06mmol)の溶液へPd(OAc)(0.20g、0.90mmol)を添加する。5分間超音波処理し、−5℃に冷却する。
250mL三角フラスコに、KOH(162mL)、次いでEtO(245mL)の40%水溶液を入れる。この二相混合物を氷浴/飽和NaCl水溶液浴中で−5℃に冷却する。N−ニトロソ−N−メチル尿素(36.1g、350mmol)を10分かけて少しずつ添加する。15分間攪拌し、ドライアイス浴/アセトン浴の中に入れる。エーテル層をメスシリンダー中にデカントし、EtO混合物(71mL、約10当量のCH)を上述の溶液に−5℃で添加する。2時間後、反応内容物を珪藻土で濾過し、MgSO上で乾燥させ、真空濃縮して、表題化合物(1.08g、58%)を得る。H NMR(d−DMSO)δ:−0.51(dt,J=9.3,5.7Hz,1H),0.33−0.37(m,1H),0.50−0.54(m,1H),0.76−0.84(m,1H),0.91(t,J=7.4Hz,3H),1.14(s,12H),1.21−1.30(m,2H)。
調製物1の代替手順
0℃で冷却した窒素下で、THF(41.3mL、41.3mmol)中のリチウムトリエチルボロヒドリドの1M溶液を、THF(3.4L)中のビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(11.1g、25.5mmol)の溶液に添加する。RTに加温し、アルミホイルでフラスコを遮光しながら1時間撹拌する。
−78℃の窒素下で冷却した別のフラスコ中で、1−ブタ−1−イン(50.6g、936mmol)を凝縮させ、ピナコールボラン(55.0g、425mmol)を添加する。得られた混合物を−78℃で30分間撹拌し、カニューレを介して第1のフラスコの内容物を添加する。TEA(5.93mL、42.6mmol)を添加し、20時間RTへ加温しながら反応混合物を撹拌する。カニューレを介して氷/水(1.5L)の混合物の添加によって反応をクエンチし、EtOAc(300mL)を添加し、RTで30分間撹拌する。得られた層を分離し、水相をEtOAc(2x200mL)で再抽出する。有機抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、2−[(E)−ブタ−1−エニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(53g、65%)を黄色の油として得る。GC−MS(m/z):182(M+)。
トルエン中のジエチル亜鉛の溶液(15重量%、550mL、611mmol)をクロロヨードメタン(55mL、755mmol)に−20℃で10分間かけて添加し、35分間撹拌する。トルエン(100mL)中の2−[(E)−ブタ−1−エニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(53g、277mmol)の溶液を、反応物の内部温度を−20℃に維持しながら20分間かけて滴下して添加する。0℃に加温しながら、混合物を2時間撹拌する。飽和NHCl水溶液(750mL)の緩徐な添加によって反応をクエンチする。有機層を分離し、EtOAc(2x250mL)で水相を再抽出する。有機抽出物を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、さらに精製することなく使用するのに適した油として表題化合物(48g、84%)を得る。GC−MS(m/z):180(M−16)。
調製物2
4,4,5,5−テトラメチル−2−[(E)−3−メチルブタ−1−エニル]−1,3,2−ジオキサボロラン
ピナコールボラン(9.5ml、64mmol)を氷冷3−メチルブタ−1−イン(4.91g、72.0mmol)へ5分間かけて滴下して添加する。圧力容器を密封し、RTまで加温し、18時間撹拌する。ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)クロリドヒドリド(2.0g、7.4mmol)およびTEA(1.1mL、7.9mmol)を添加する。圧力容器を密封し、60℃の油浴の中に入れて、10分間撹拌する。得られた赤色の溶液をRTへ2.5時間冷却する。この反応混合物をDCM(200mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(100mL)、飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、シリカゲルのパッドで濾過し(150mL)、シリカゲルをDCM(700mL)ですすぎ、真空濃縮して、表題化合物(11.5g、82%)を得る。ES/MS(m/z):196(M+H)。H NMR(CDCl)δ:1.03(d,J=6.7Hz,6H),1.29(s,12H),2.37(m,1H),5.40(dd,1H),6.64(dd,1H)。
調製物3
rac−トランス−2−[2−イソプロピルシクロプロピル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
少しずつ、N−ニトロソ−N−メチル尿素を、EtO(70mL)およびKOH水溶液(30.5g、435mmol、70mLのHO)の氷冷二相混合物へを添加する。固体が溶解するまで撹拌する(5分未満)。得られたジアゾメタン溶液を、EtO(70mL)中のPd(OAc)(237mg、1.05mmol)および4,4,5,5−テトラメチル−2−[(E)−3−メチルブタ−1−エニル]−1,3,2−ジオキサボロラン(4.00g、20.4mmol)の急速に撹拌されている氷冷懸濁液中へピペットで移す。添加が完了した後、反応混合物をRTへ加温し、珪藻土で濾過し、濾液を真空で濃縮する。得られた残渣をDCM中に溶解し、シリカゲルのプラグ(25g)で濾過し、真空濃縮して、表題化合物(4.32g、99%超)を得る。ES/MS(m/z):210(M+H)。H NMR(CDCl)δ:−0.35(m,1H),0.45(m,1H),0.65(m,1H),0.78(m,1H),0.98(m,7H),1.23(s,12H)。
調製物4
4−クロロ−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メチル−ピリダジン
圧力バイアルに、2,4−ジメトキシ−5−ピリミジニルボロン酸(6.75g、36.7mmol)、4,6−ジクロロ−3−メチル−ピリダジン(5.98g、36.7mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.55g、0.73mmol)、CsCO(29.9g、91.8mmol)を、1,4−ジオキサン/HO(151mL)の4:1混合物中で合わせる。脱気し、Nを充填し戻す。容器を密封し、70℃で3時間加熱する。残渣を珪藻土で濾過し、EtOAcですすぐ。有機混合物を水、続いて飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、蒸発乾固させる。得られた黒色の残渣を、0〜30%のDCM/(DCM中の33%のMeOH)の勾配を200mL/分の流量で15分間かけて用いる330gのREDISEP(登録商標)カラムを用いるシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製し、クロマトグラフィー画分の蒸発後に表題化合物(6.2g、63%)を得た。ES/MS(m/z)(35Cl/37Cl)267/269[M+1]H NMR(d−DMSO)δ:2.74(s,3H),4.00(s,3H),4.03(s,3H),8.20(s,1H),8.87(s,1H)。
調製物4の代替手順
1,4−ジオキサン(1175mL)およびHO(340mL)中の(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)ボロン酸(85g、439mmol)、4,6−ジクロロ−3−メチル−ピリダジン(75g、437mmol)およびCsCO(358g、1099mmol)の混合物に窒素流を5分間通過させる。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(6.6g、8.7mmol)を添加し、得られた混合物を75℃で16時間撹拌する。反応物をRTへ冷却し、この混合物を珪藻土で濾過し、このフィルターケークをEtOAcですすぐ。得られた層を分離し、有機相を飽和NaCl水溶液で2回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。得られた残渣に水(500mL)を添加し、RTで16時間撹拌し、得られた固体を濾過する。収集した固体をHOで洗浄し、真空下で16時間乾燥させて、所望の化合物(70g、54%)を褐色の固体として得る。ES/MS(m/z)(35Cl/37Cl)267/269[M+1]
次の例は、本質的に調製物4において説明したとおり調製することができる。
調製物6
トランス−5−[2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−2,4−ジメトキシ−ピリミジン
20mLの圧力バイアルに、4−クロロ−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メチル−ピリダジン(0.6g、2.0mmol)、ビス(ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(114mg、0.16mmol)、KCO(0.69g、4.9mmol)、HO(2.25mL)およびラセミ体のトランス−2−[2−エチルシクロプロピル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(0.66g、3.37mmol)を入れる。フラスコを脱気し、Nで充填し戻す。容器を密封し、90℃で一晩加熱する。反応混合物を珪藻土上で濾過し、有機層を水、続いて飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、真空濃縮する。得られた残渣を、275グラムのREDISEP(登録商標)Gold C18カラムを用いて、30〜50%の10mM NHHCO/ACNの勾配で20分間かけて150mL/分の流量で溶離する逆相クロマトグラフィーによって精製して、クロマトグラフィー画分の蒸発後、異性体の本質的にラセミ混合物である表題化合物(475mg、70%)を白色の固体として得た。
得られた異性体をSFC(カラム:PHENOMENEX(登録商標)LUX(登録商標)Cellulose−4、4.6x150mm、40%MeOH/COアイソクラティック、流量:5mL/分、UV250nm)による精製に供して、いずれも98%超の鏡像体過剰率である0.197gの異性体1:t=2.71分(UV)、および0.195gの異性体2:t3.55分(UV)を得た。ES/MS(m/z):301(M+H)。
調製物7
トランス−5−[2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−2,4−ジメトキシ−ピリミジン

4−クロロ−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メチル−ピリダジン(1.97g、7.39mmol)、rac−トランス−2−[2−イソプロピルシクロプロピル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(3.32g、15.8mmol)、ビス(ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(1.35g、1.85mmol)、1,4−ジオキサン(37mL)、および1M NaCO水溶液(18mL、18mmol)を合わせる。反応容器をNでパージし、90℃へ18時間加熱する。RTへ冷却し、EtOAc(150mL)で希釈し、層を分離する。有機層を1M NaCO水溶液、飽和NaCl水溶液で連続して洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濾液を真空濃縮する。得られた残渣を、60〜100%EtOAc/DCMの勾配で溶離するシリカ上でのクロマトグラフィーによって精製し、クロマトグラフィー画分の蒸発後、表題化合物を異性体の本質的にラセミ混合物(1.48g、64%)として得る。
異性体をSFC(カラム:PHENOMENEX(登録商標)LUX(登録商標)Cellulose−4、4.6x150mm、40%MeOH/COアイソクラティック、流量:5mL/分、UV250nm)による精製に供して、647mgの異性体1:t=2.56分および647mgの異性体2:t=3.75分を得る。ES/MS(m/z):315(M+H)。
調製物8
(1S,2S)−2−エチルシクロプロパンカルボン酸エチル
氷浴/水浴(内部温度:8℃)中で冷却した1,4−ジオキサン(400mL)中の2−ジエトキシホスホリル酢酸エチル(62.2g、277mmol)の溶液に、ヘキサン中のnBuLiの2.5M溶液(110mL、280mmol)を10分間かけて滴下して添加する。冷却浴を取り外し、RTで30分間撹拌する。カニューレを介して溶液を1Lの圧力容器へ移し、(2R)−2−エチルオキシラン(20g、280mmol)を添加する。得られた混合物を150℃(50psiの圧力)で17時間撹拌する。反応物をRTへ冷却し、水(250mL)を添加する。有機相を分離し、水相をMTBE(2x200mL)で再抽出する。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl水溶液(2x150mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、真空濃縮して、粗表題化合物(49.1g、定量的)を黄色の油として得、これはさらなる精製なしでの使用に適している。GC−MS(m/z):142(M+),97(M−45)。
調製物9
(1S,2S)−2−エチルシクロプロパンカルボン酸
(1S,2S)−2−エチルシクロプロパンカルボン酸エチル(39.44g、277.4mmol)、1,4−ジオキサン(315mL)および水酸化ナトリウムの25%水溶液(315mL)の混合物を100℃で16時間撹拌する。混合物をRTへ冷却し、MTBE(2x300mL)で抽出し、有機相を廃棄する。水相をHClの37%水溶液でpHが約1〜2になるまで酸性化し、MTBE(3x300ml)で抽出し、層を分離し、有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、真空濃縮して、表題化合物(25.1g、75%)を琥珀色の油として得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ:0.79−0.85(m,1H),1.00(t,J=7.5Hz,3H),1.22−1.26(m,1H),1.32−1.42(m,3H ),1.43−1.48(m,1H),9.0−12.0(br−s,1H)。
調製物10
(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)(1S,2S)−2−エチルシクロプロパンカルボキシラート
DCM(360mL)中の(1S,2S)−2−エチルシクロプロパンカルボン酸(25.1g、209mmol)、2−ヒドロキシイソインドリン−1,3−ジオン(34.8g、209mmol)およびDMAP(2.58g、20.9mmol)の懸濁液を0℃で撹拌して、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(29.3g、230mmol)を滴下して添加する。冷却浴を取り外し、反応液をRTで2時間撹拌する。懸濁液をシリカゲルプラグで濾過し、DCMで溶離する。溶媒を蒸発させ、得られた残渣を、15%ヘキサン/アセトンで溶離するシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製して、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物(51.56g、84%)を淡黄色の固体として得る。ES/MS(m/z):260(M+1)。
調製物11
2−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
流を、EtOAc(1L)中の(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)(1S,2S)−2−エチルシクロプロパンカルボキシラート(51g、173.1mmol)およびビス(ピナコラート)ジボロン(87.9g、346mmol)の溶液に5分間通過させる。イソニコチン酸エチル(5.34g、35mmol)を添加し、混合物を85℃で24時間撹拌する。得られた懸濁液を冷却し、濾過して固体を廃棄し、褐色の濾液を減圧下で濃縮する。得られた粗残渣をシリカゲルプラグ上で濾過し、2%EtOAc/ヘキサンで溶離する。溶媒を濾液から除去し、得られた残渣を、3%EtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲル上でのクロマトグラフィーを使用して再精製して、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後に、表題化合物(17.1g、49%)を無色の油として得る。GC−MS(m/z):180(M−16)。
調製物12
(2S)−2−クロロ−3−メチル−ブタン酸
L−バリン(286g、2.44mol)およびHClの5M水溶液(3.25L、16.3mol)の溶液を0℃で冷却する。内部温度を5℃未満に維持しながら、NaNOの4M水溶液(1L、4mol)を2時間かけて滴下して添加する。この反応物をRTへ加温しながら2時間撹拌し、RTでさらに16時間撹拌する。少しずつ30分間かけて、NaCO(242g、2.28mol)を添加する。得られた溶液をMTBE(3x1000mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を飽和NaCl水溶液(500mL)で洗浄し、有機抽出物をMgSO上で乾燥させ、真空濃縮する。得られた残渣を真空蒸留(15mbar/140℃)によって精製して、表題化合物(248g、68%)を油として得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ:1.1(dt,J=6.6,2.6Hz,6H)、2.34−2.42(m,1H),4.19−4.23(m,1H),10.0−12.0(br−s,1H)。
調製物13
(2S)−2−クロロ−3−メチル−ブタン−1−オール
2−メチルテトラヒドロフラン(500mL)中の(2S)−2−クロロ−3−メチル−ブタン酸(137g、1mol)の溶液を0℃に冷却する。内部温度を10℃未満に維持しながら、メチルテトラヒドロフラン(480mL、1.1mol)中のLAHの2.3M溶液を2.5時間かけて滴下して添加する。RTに加温し、混合物をRTで1時間、50℃で1時間撹拌する。この反応物を0℃に冷却し、HO(1.48mL)、NaOHの15%水溶液(1.48mL)およびHO(4.46mL)を順番に緩徐に添加する。混合物をRTに加温させ、珪藻土の床で濾過し、溶媒を真空蒸発させて、表題化合物(110g、81%)を無色の油として得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ:0.97−1.1(m,6H),1.94−2.18(m,1H),2.60−3.09(br−s,1H),3.71−3.78(m,1H),3.80−3.85(m,1H),3.90−3.96(m,1H)。
調製物14
(2R)−2−イソプロピルオキシラン
O(195mL)中のKOH(195g、3.48mol)の溶液を0℃に冷却し、内部温度を5℃未満に維持しながら、無水(2S)−2−クロロ−3−メチル−ブタン−1−オール(110g、801mmol)を20分間かけて添加する。この反応混合物をRTまで加温させる。100mbarでの真空蒸留によって反応混合物を精製し、23℃から50℃まで加温して、表題化合物(47g、64%)を無色の油として得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ:0.98(d,J=6.9Hz,3H),1.05(d,J=6.9Hz,3H),1.51(o,J=6.9Hz,1H),2.52−2.54(m,1H),2.70−2.75(m,2H)。
調製物15
(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロパンカルボン酸エチル
氷浴/水浴(内部温度:8℃)中で冷却した1,4−ジオキサン(870mL)中の2−ジエトキシホスホリル酢酸エチル(153mL、772mmol)の溶液に、ヘキサン中のnBuLiの2.5M溶液(310mL、780mmol)を25分間かけて滴下して添加する。RTに加温し、40分間撹拌するこの溶液を、カニューレを介して3L圧力容器へ移し、1,4−ジオキサン(180mL)中の(2R)−2−イソプロピルオキシラン(70g、772mmol)を添加する。この反応混合物を50psiの圧力で150℃、14時間撹拌する。この反応混合物をRTに冷却し、HO(700mL)を添加する。層を分離し、水相をMTBE(2x500mL)で再抽出する。有機相を合わせ、飽和NaCl水溶液(2x350mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、真空濃縮して、粗表題化合物(107.7g、99%超)を、さらなる精製なしでのその後の使用に適している黄色の油として得る。GC−MS(m/z):156(M+)。
調製例16(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロパンカルボン酸
NaOHの25%水溶液(800mL)を含有する1,4−ジオキサン(800mL)中の(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロパンカルボン酸エチル(107.7g、482.6mmol)の混合物を100℃で7時間撹拌する。この混合物をRTに冷却し、水(300mL)を添加し、MTBE(2x500mL)で抽出し、有機相を廃棄する。pHが約1〜2になるまで、水相を37%HCl水溶液(およそ500mL)で酸性化する。
酸性化された水性混合物をMTBE(2x600mL)で抽出し、有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、真空濃縮して、表題化合物(54.2g、75%)を琥珀色の油として得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ:0.81−0.86(m,1H),1.01(dd,J=5.9,3.7Hz,6H),1.04−1.13(m,1H),1.20−1.24(m,1H),1.28−1.37(m,1H),1.39−1.44(m,1H)。
調製物17
(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロパンカルボキシラート
DCM(690mL)中の(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロパンカルボン酸(54.2g、359mmol)、2−ヒドロキシイソインドリン−1,3−ジオン(59.8g、359mmol)およびDMAP(4.44g、35.9mmol)の懸濁液を0℃で撹拌する。N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(50.4g、395mmol)を滴下して添加し、RTに加温し、得られた反応混合物をRTで2時間撹拌する。HO(600mL)を添加し、相を分離する。水相をDCM(2x300mL)で抽出し、有機相を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。得られた固体残渣を、100%DCMで溶離するシリカ上でのクロマトグラフィーによって精製して、クロマトグラフィー画分の蒸発後、表題化合物(96g、88%)を淡黄色の固体として得た。ES/MS(m/z):274(M+1)。
調製物18
2−[(1S,2S)−2−イソプロピルシクロプロピル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
EtOAc(480mL)中の(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)(1S,2S)−2−イソプロピルシクロプロパンカルボキシラート(96g、316mmol)およびビス(ピナコラート)ジボロン(160g、630mmol)の溶液に窒素流を15分間通す。この混合物を85℃で撹拌し、イソニコチン酸エチル(24.38g、157mmol)を10分間かけて滴下して添加する。得られた混合物を85℃で16時間撹拌する。得られた懸濁液を冷却し、固体を濾過して廃棄し、褐色の濾液を減圧下で蒸発させる。粗残渣をシリカゲルプラグ上で濾過し、2%EtOAc/ヘキサンで溶離する。溶媒を濾液から除去し、得られた残渣を3%EtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲル上でのクロマトグラフィーを使用して再精製し、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物(25.3g、38%)を無色の油として得る。H NMR(400MHz,CDCl):−0.33−−0.38(m,1H),0.42−0.47(m,1H),0.63−0.67(m,1H),0.75−0.82(m,1H),0.89−1.02(m,1H),0.98(m,6H),1.24(s,12H)。
調製物19
4,4,5,5−テトラメチル−2−[(E)−4−メチルペンタ−1−エニル]−1,3,2−ジオキサボロラン
無水DCM(9.7mL)中に[(E)−4−メチルペンタ−1−エニル]ボロン酸(0.975g、7.62mmol)およびピナコール(1.11g、9.14mmol)を溶解する。MgSO(0.7313g、6.05mmol)を添加し、室温で3日間撹拌する。不溶性固体を濾過し、溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を透明な油として得る(1.6g、100%)。1H NMR(400.13MHz,DMSO):0.86(d,J=6.6Hz,6H),1.08(s,6H),1.19(s,12H),1.62−1.72(m,1H),2.01(td,J=6.9,1.4Hz,2H),3.92(s,1H),5.31(dt,J=17.9,1.3Hz,1H),6.47(dt,J=17.9,6.9Hz,1H)。
調製物20
tert−ブチル−[(2S)−オキシラン−2−イル]メトキシ]−ジフェニル−シラン
DMF(135mL)中の[(2R)−オキシラン−2−イル]メタノール(15.0g、202.6mmol)の氷冷溶液に、イミダゾール(33.34g、489.8mmol)を添加し、15分間撹拌する。tert−ブチル−クロロ−ジフェニル−シラン(77mL、302.5mmol)を30分間かけて滴下して添加し、室温まで一晩撹拌する。ヘキサン(1L)、エーテル(500ml)および水(1L)で希釈する。層を分離し、水層をエーテル(2x1L)で抽出する。有機物を合わせ、水(3x750mL)、飽和NaHCO、飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させる。溶媒を減圧下で蒸発させる。シリカゲルクロマトグラフィー:溶離剤ヘキサン中の0〜10%EtOAcによって精製して、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物(11.77g、18%)を油として得る。1H NMR(400.13MHz,CDCl):1.08(s,9H),2.64(dd,J=2.6,5.1Hz,1H),2.77(t,J=4.6Hz,1H),3.15(四重線,J=3.5Hz,1H),3.73(dd,J=4.7,11.8Hz,1H),3.88(dd,J=3.2,11.9Hz,1H),7.40−7.48(m,6H),7.71(m,4H)。
調製物21
(1S,2S)−2−(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボン酸エチル
1,4−ジオキサン(40mL)中のナトリウムtert−ブトキシド(3.67g、37.82mmol)の懸濁液に、ホスホノ酢酸トリエチル(7.5mL、38mmol)を室温で緩徐に添加する。1時間後、tert−ブチル−[[(2S)−オキシラン−2−イル]メトキシ]−ジフェニル−シラン(11.77g、33.76mmol)を添加し、密封した圧力容器中で140℃で一晩加熱する。ホスホノ酢酸トリエチル(2mL)をさらに添加し、160℃で1時間加熱する。この混合物を冷却させて、DCM(300ml)および水(150mL)で希釈する。層を分離し、水層をDCM(3x150mL)で抽出する。有機物を合わせ、飽和NaHCO水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させる。珪藻土で濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、(1S,2S)−2−[[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシメチル]シクロプロパンカルボン酸エチル(18.45g)を油として得る。THF(75mL)中に溶解し、室温でフッ化テトラブチルアンモニウム(1M THF、67mL、67mmol、1.0M)を添加する。48時間撹拌し、130mbarおよび30℃で溶媒を除去する。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン中の0〜50%EtOAcによって精製して、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物(3.35g、62%)を油として単離する。ES/MS(m/z):142(M+1)。1H NMR(400.13MHz,CDCl):0.90−0.86(m,1H),1.23(dd,J=4.5,8.9Hz,1H),1.28(t,J=7.2Hz,4H),1.56−1.60(m,1H),1.69−1.77(m,2H),2.06(s,2H),3.50(dd,J=6.9,11.5Hz,1H),3.64(dd,J=6.0,11.4Hz,1H),4.14(qd,J=7.1,2.9Hz,3H)。
調製物22
(1S,2S)−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチル
DCM(425mL)中の(1S,2S)−2−(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボン酸エチル(12.25g、84.9mmol)の氷冷溶液に、クロロクロム酸ピリジニウム(26.09g、118.6mmol)を一度に添加する。30分後、氷浴を取り外し、室温で4時間撹拌する。水(200mL)を添加し、珪藻土で濾過する。さらなる水(100mL)およびDCM(800mL)ですすぐ。珪藻土ケークをDCM中に懸濁し、濾過する。この操作を2回繰り返す。有機物を合わせ、水層を分離し、有機物をシリカのパッドで濾過する。さらなるDCMですすぎ、溶媒を減圧下で蒸発させて、表題化合物(11.0g、91%)を油として得る。1H NMR(400.13MHz,CDCl):1.30(t,J=7.3Hz,3H),1.57−1.50(m,1H),1.60−1.65(m,2H),2.26−2.30(m,1H),2.45(td,J=9.0,4.2Hz,1H),4.13−4.22(m,3H),9.32(d,J=4.2Hz,1H)。
調製物23
(1S,2S)−2−(ジフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸エチル
DCM(220mL)中の(1S,2S)−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチル(11.00g、77.38mmol)の氷冷溶液に、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(24mL、172.3mmol)を3分間かけて添加する。1時間後、氷浴から取り外し、室温で2時間撹拌する。三フッ化ジエチルアミノ硫黄(3.5mL)を添加し、さらに1時間撹拌する。この混合物を氷浴中で冷却し、飽和NaHCO水溶液中へと注意深く注ぐ。層を分離し、水層をDCM(2x50mL)で抽出する。
有機物を合わせ、MgSOで乾燥させる。この試料をシリカの小さなパッドで濾過し、溶媒を減圧下(250mbarおよび30℃)で蒸発させて、表題化合物(11.10g、87%)を油として得る。1H NMR(400.13MHz,CDCl):1.14−1.19(m,1H),1.29(m,1H),1.30(t,J=7.2Hz,3H),1.97−1.89(m,2H),4.22(q,J=7.2Hz,3H),5.79(td,JH−F=56.8Hz,J=3.6Hz,1H)。
調製物24
(1S,2S)−2−(ジフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸
MeOH(75mL)中の(1S、2S)−2−(ジフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸エチル(11.10g、67.62mmol)の溶液に1N NaOH(75mL)を添加し、RTで一晩撹拌する。DCM(70mL)を添加し、層を分離する。水層をDCM(70mL)で抽出する。水層を氷浴中で冷却し、35%HClの添加によってpHを1に調整する。DCM(50mL)を添加し、2つの層を分離する。水層をDCMで抽出する。有機物を合わせ、MgSOで乾燥させ、溶媒を減圧下(200mbar、30℃)で蒸発させて、表題化合物(6.25g、68%)を油として得る。1H NMR(400.13MHz,CDCl):1.26(dt,J=8.4,5.9Hz,1H),1.34−1.39(m,1H),1.92−1.96(m,1H),2.01−2.07(m,1H),5.82(td,JH−F=59Hz,J=3.2Hz,1H)。
調製物25
トランス−ベンジル−2−アセチルシクロプロパンカルボキシラート
CO(36.2g、261.93mmol)をアセトニトリル(400mL)中のベンジルブロモアセタート(40g、174.618mmol)、メチルビニルケトン(43mL、523.85mmol)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(2.3g、20.9mmol)の混合物へ添加する。N下、80℃で一晩撹拌する。冷却させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させる。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤0〜50%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物(13.4g、35%)を得る。1H NMR(400.13MHz,d−DMSO):1.33−1.39(m,2H),2.08−2.13(m,1H),2.24(s,3H),2.54−2.59(m,2H),5.13(s,2H),7.39−7.37(m,6H)。
調製物26
トランス−ベンジル−2−(1,1−ジフルオロエチル)シクロプロパンカルボキシラート
EtOH(0.05当量)をトランス−ベンジル−2−アセチルシクロプロパンカルボキシラート(2.76g、12.6mmol)および三フッ化ビス(2−メトキシエチル)アミノ硫黄(23.2mL、126mmol)の混合物へ0℃で添加する。室温に加温させて、50℃で40時間加熱する。DCMで希釈し、混合物を氷浴中で冷却して、飽和NaHCO水溶液を緩徐に添加する。層を分離し、水層をDCM(2x100mL)で抽出する。有機物を合わせ、無水NaSO上で乾燥させる。減圧下で溶媒を蒸発させます。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤:10%MTBE/ヘキサン)によって精製して、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物(2.30g、76%)を無色の油として得る。1H NMR(400.13MHz,d−DMSO):1.19(t,J=7.5Hz,2H),1.67(t,J H−F=16Hz,3H),1.93−1.98(m,1H),2.00−2.08(m,1H),5.13(s,2H),7.38−7.40(m,5H)。
調製物27
トランス−2−(1,1−ジフルオロエチル)シクロプロパンカルボン酸
10%Pd/C(1.53g、14.4mmol)をEtOAc中のトランス−ベンジル−2−(1,1−ジフルオロエチル)シクロプロパンカルボキシラート(6.56g、27.3mmol)の溶液(136mL、0.2M)に加える。バルーンを使用して、H下でRTで3時間撹拌する。珪藻土で濾過し、EtOAcですすぐ。溶媒を減圧下で蒸発させて、表題化合物(4.03g、98%)を無色の油として得る。1H NMR(400.13MHz,d−DMSO):1.10(t,J=7.4Hz,2H),1.66(t,J H−F=18.4Hz,3H),1.72−1.77(m,1H),1.96−1.99(m,1H),12.49(s,1H)。
調製物28
5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−2,4−ジメトキシ−ピリミジン
4−クロロ−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メチル−ピリダジン(16g、54.0mmol)、2−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(17g、83.22mmol)、NaCOの2M水溶液(70mL、140mmol)および1,4−ジオキサン(290mL)の混合物にNを10分間発泡させることによって、この混合物を脱気する。ビス(ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(2.0g、2.74mmol)を添加し、得られた混合物を90℃で16時間撹拌する。この反応混合物をRTに冷却し、HOで希釈し、EtOAcで抽出する。得られた相を分離し、有機相を無水MgSO上で乾燥させ、真空濃縮する。得られた残渣を、60〜100%ヘキサン/EtOAcの勾配で溶離するシリカ上でのクロマトグラフィーによって精製して、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物(12.95g、77%)を琥珀色の油として得る。油はRTで静置して凝固させると、オフホワイト色の固体になる。ES/MS(m/z):301(M+1)。
調製物29
5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−2,4−ジメトキシ−ピリミジン
4−クロロ−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メチル−ピリダジン(19.1g、70.6mmol)、KPO(45.9g、212mmol)、1,4−ジオキサン(300mL)およびHO(75mL)を混合し、この混合物をNで10分間脱気する。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(7.98g 10.6mmol)を添加する。窒素でさらに2分間発泡させて、2−[(1S,2S)−2−イソプロピルシクロプロピル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(22.2g、106mmol)を一度に添加する。得られた混合物を80℃で16時間撹拌する。この反応物をRTに冷却し、HOを添加し、EtOAcで抽出する。有機層を分離し、無水MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残渣を、85%ヘキサン/EtOAcで溶離するシリカ上でのクロマトグラフィーによって精製して、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物(21.5g、92%)を琥珀色の油として単離する。この油はRTで静置すると凝固して、オフホワイト色の固体になる。ES/MS(m/z):315(M+1)。
調製物30
4−[(1S,2S)−2−(ジフルオロメチル)シクロプロピル]−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メチル−ピリダジン
ジメチル亜鉛(トルエン中の2M、1.5mL、3.0mmol)を、THF(6mL)中の3−クロロ−4−[(1S,2S)−2−(ジフルオロメチル)シクロプロピル]−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)ピリダジン(502mg、1.46mmol)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(53mg、0.07mmol)の脱気した懸濁液に添加する。。密封したバイアル中で60℃で2時間加熱する。室温まで冷却させる。飽和NHCl水溶液を添加し、DCM(3x)で抽出する。有機物を合わせ、無水MgSO上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤:EtOAc)によって精製して、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物を黄色の残渣(433mg、91.8%)として得る。ES/MS(m/z):323(M+1)。
調製物31
3,6−ジクロロ−4−シクロプロピル−ピリダジン
水(300mL)中の3,6−ジクロロピリダジン(10.00g、67.12mmol)の懸濁液に、10mLの濃HSOおよびシクロプロパンカルボン酸(5.85mL、73.7mmol)を添加し、70℃で加熱し、Nで脱気する。10mLのHO中のAgNO(2.28g、13.4mmol)の溶液を30秒間かけて添加し、続いて150mLのHO中の(NH(46g、201.577mmol)の溶液を30分間かけて滴下して添加する。1時間後、この混合物をRTに冷却し、氷へと注ぎ、濃NHOHの添加によってpHを9に調整する。EtOAcで希釈し、有機層を分離する。さらなるEtOAcで水層を抽出する。有機物を合わせ、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発させる。逆相クロマトグラフィー(C18 Gold 415g、10mM重炭酸アンモニウム中の25〜100%の勾配のACN、150mL/分、30分間)によって精製して、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物(6.83g、54%)を白色の固体として単離する。ES/MS(m/z):(35Cl/37Cl)189/191。
次の例は、本質的に調製物22において説明されているとおり調製することができる。
調製物43
3−クロロ−4−シクロプロピル−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)ピリダジン
(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)ボロン酸(4.60g、25.0mmol)、3,6−ジクロロ−4−シクロプロピル−ピリダジン(5.2g、28mmol)およびKCO(4.4g、32mmol)、1,4−ジオキサン(125mL)およびHO(42mL)を混合し、この混合物をNで10分間脱気する。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(1.5g、1.8mmol)を添加し、Nでさらに脱気する。得られた混合物を60℃で1時間撹拌する。この反応物をRTに冷却し、HOを添加し、EtOAcで抽出する。有機層を分離する。水層をさらなるEtOAcで抽出する。有機物を合わせ、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた残留物を、70%ヘキサン/(3:2のアセトン:DCM)で溶離するシリカ上でのクロマトグラフィーによって精製し、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物(2.4g、33%)を淡黄色の固体として単離する。ES/MS(m/z):(35Cl/37Cl)293/295[M+1]
次の例は、本質的に調製物6において説明したとおり調製することができる。
調製物52
4−シクロブチル−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メトキシ−ピリダジン
シクロブチルカルボン酸からの調製物21および33の後に、3−クロロ−4−シクロブチル−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)ピリダジンを得た。
3−クロロ−4−シクロブチル−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)ピリダジン(0.42g、1.4mmol)を、MeOH(12mL)中にNa(0.16g、6.8mmol)を溶解することによって調製されたNaOMeの溶液に添加する。蓋をしたバイアル中でこの混合物を60℃で一晩加熱する。この混合物をRTに冷却させ、50%飽和NaCl水溶液を添加し、DCM(3x)で抽出する。有機物を合わせ、無水MgSO上で乾燥させる。減圧下で溶媒を除去し、表題化合物(0.38g、93%)を白色の固体として得る。ES/MS(m/z):303(M+1)。
次の例は、本質的に調製物52において説明されているとおり調製することができる。
調製物59
トランス−tert−ブチル−ジメチル−[2−[2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロプロピル]エトキシ]シラン
市販のtert−ブチル−ジメチル−[(E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブタ−3−エノキシ]シランから、本質的に調製物3において説明したとおり調製することができる。1H NMR(400.13MHz,CDCl3):3.70−3.66(m,2H),1.51−1.38(m,2H),1.23(s,12H),1.04−0.96(m,1H),0.91(s,9H),0.71−0.67(m,1H),0.46−0.41(m,1H),0.07(s,6H),−0.38(dt,J=9.3,5.8Hz,1H)。
調製物60
トランス−tert−ブチル−ジメチル−[2−[2−[6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メチル−ピリダジン−4−イル]シクロプロピル]エトキシ]シラン
本質的に調製物4において説明したとおり調製することができる。ES/MS(m/z):417(M+1)。
調製物61
トランス−2−[2−[6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メチル−ピリダジン−4−イル]シクロプロピル]エタノール
DCM(3mL)中のフッ化テトラブチルアンモニウム(5mL、5mmol、THF中1M)およびトランス−tert−ブチル−ジメチル−[2−[2−[6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メチル−ピリダジン−4−イル]シクロプロピル]エトキシ]シラン(1.15g、8.9mmol)を入れ、60℃で1時間撹拌する。室温に冷却する。DCM(80mL)で希釈し、飽和NHCl(3x30mL)で洗浄する。有機物を合わせ、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤0〜30%MeOH/EtOAc)によって精製して、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物(0.53g、53%)を白色の固体として得る。ES/MS(m/z):317(M+1)。1H NMR(399.80MHz,CDCl3):8.92(s,1H),7.29(m,1H)、4.03(s,3H),4.02(s,3H),3.81(t,J=6.2Hz,2H),2.76(s,3H),1.73−(m,3H),1.26(m,2H),1.03(m,2H)。
調製物62
トランス−2−[2−[6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メチル−ピリダジン−4−イル]シクロプロピル]エチルメタンスルホナート
DCM(8mL)中のトランス−2−[2−[6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メチル−ピリダジン−4−イル]シクロプロピル]エタノール(0.390g、1.22mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.4mL、2mmol)の溶液に、塩化メタンスルホニル(0.2mL、3mmol)を0℃でN下で添加する。0℃で40分間撹拌する。50mLのDCMで希釈し、5%NaHCO(2x30mL)および水(30mL)で洗浄する。有機物を合わせ、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤:0〜20%MeOH/EtOAc)によって精製して、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物を褐色の固体(0.280g、58%)として得る。ES/MS(m/z):395(M+1)。1H 1H NMR(399.80MHz,CDCl3):8.98(s,1H),7.38(s,1H),4.37(t,J=6.2Hz,2H),4.07(s,3H),4.05(s,3H),3.01(s,3H),2.81(s,3H),2.04(m,1H),1.90−1.78(m,2H),1.27(m,1H),1.06(t,J=7.1Hz,2H)。
調製物63
トランス−2,4−ジメトキシ−5−[6−メチル−5−[2−(2−フルオロエチル)シクロプロピル]ピリダジン−3−イル]ピリミジン
THF(3mL)中のトランス−2−[2−[6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メチル−ピリダジン−4−イル]シクロプロピル]エチルメタンスルホナート(0.280g、0.71mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム水和物(3mL、3mmol、THF中1M)を添加する70℃で2時間加熱する。RTに冷却する。EtOAcで希釈し、飽和NaCl水溶液で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤:0〜20%MeOH/EtOAc)によって精製して、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物を淡黄色の油(0.170g、71%)として得る。ES/MS(m/z):319(M+1)。1H NMR(399.80MHz,CDCl3):9.01(m,1H),7.39(s,1H),4.67−4.52(dt,J H−F 48Hz,J=6.7Hz,2H),4.08(s,3H),4.07(s,3H),2.83(s,3H),2.00−1.94(m,3H),1.27(m,1H),1.06(m,2H)。
キラル分離:Lux Cellulose−4カラム、250x21mm、流量70g/分、溶離剤:40%MeOH/CO
鏡像異性体1 99%超の鏡像体過剰率、rt2.59分(Lux Cellulose−4、4.6×150mm、40%のMeOH/CO、5mL/分、225nm)。鏡像異性体2 99%超の鏡像体過剰率。rt3.34分(Lux Cellulose−4、4.6×150mm、40%MeOH/CO、5mL/分、225nm)。
実施例1
5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン
HClの1M水溶液(4mL)中に5−[5−[(−2−エチルシクロプロピル)−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−2,4−ジメトキシ−ピリミジン異性体1(197mg、0.66mmol)を溶解し、得られた混合物を70℃へ一晩加熱する。この反応混合物をRTに冷却し、−78℃のアセトン/ドライアイス浴中で凍結させ、凍結乾燥により溶媒を除去して、表題化合物(0.176g、97%)を淡黄色の固体として得る。ES/MS(m/z):273(M+H)。
H NMR(d−DMSO)δ:1.00(t,J=7.3Hz,3H),1.11−1.16(m,1H),1.27−1.33(m,2H),1.47−1.52(m,2H),1.92−1.96(m,1H),2.80(s,3H),8.00(s,1H),8.41(d,J=5.5Hz,1H),11.73(s,1H),11.99−11.91(m,1H)。
実施例1〜5の代替手順
5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−2,4−ジメトキシ−ピリミジン(16.2g、51.5mmol)およびHClの1M水溶液(135mL、135mmol)の懸濁液を45℃で16時間撹拌する。RTに冷却し、KHPOの2M水溶液を添加してpHを約6にし(約150mL)、RTで16時間撹拌する。得られた固体を濾過して収集し、水で洗浄し、真空オーブン中で45℃で16時間乾燥させて、表題化合物(13.8g、93%)を白色の固体として得る。ES/MS(m/z):273(M+1)。
5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの結晶化5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−をメタノール中に溶解し、50℃で1時間撹拌し、外界温度に冷却させて、溶液から結晶化する。固体を真空濾過により単離し、70℃で真空下で短時間乾燥させる。
実施例2
5− [5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン
トランス−5−[5−[2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−2,4−ジメトキシ−ピリミジン異性体1(628mg、2.00mmol)をMeOH(3mL)中に溶解する。HClの1M水溶液(5mL)を添加し、70℃に3時間で加熱する。RTに冷却し、反応混合物をMeOH洗浄SCXカラム(20g、Silicycle SILIABOND Tosic Acid)にロードし、SCXカラムをMeOH(140mL)で洗浄し、所望の生成物を2M NH/MeOH(140ml)で溶離する。NH/MeOH画分を濃縮して、表題化合物をクリーム色の固体として得る(546mg、95%)。ES/MS(m/z):287(M+H)。H NMR(d−DMSO)δ:0.99(m,9H),1.24(m,1H),1.81(m,1H),2.72(s,3H),7.67(s,1H),8.23(s,1H),11.43(bs,2H)。
実施例1〜5の代替手順
5− [5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−2,4−ジメトキシ−ピリミジン(21.5g、65.6mmol)および1MのHCl水溶液(165mL、135mmol)の懸濁液を45℃で16時間撹拌する。RTに冷却し、MTBEで抽出する。有機相を廃棄し、pH約6(約150mL)になるまでKHPOの2M水溶液を水相に添加する(およそ150mL)。得られた混合物をRTで16時間撹拌する。得られた固体を濾過して収集し、水で洗浄し、真空オーブン中で45℃で16時間乾燥させて、表題化合物(14.3g、76%)を白色の固体として得る。ES/MS(m/z):287(M+1)。
実施例3
5−[5−[2−(ジフルオロメチル)シクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン
5−[5−[2−(ジフルオロメチル)シクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンは、本質的に実施例1において説明したとおり調製することができる。
次の実施例は、本質的に実施例1において説明したとおり調製することができる。
実施例7
5−(6−クロロ−5−シクロプロピル−ピリダジン−3−イル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン
MeOH(17mL)中の3−クロロ−4−シクロプロピル−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)ピリダジン(1.0g、3.4mmol)の溶液に1M HCl(14mL、14mmol)を添加し、50℃で一晩撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、表題化合物(0.9g、100%)を白色の固体として得る。ES/MS(m/z):(35Cl/37Cl)265/267
次の実施例は、本質的に実施例7において説明したとおり調製することができる。
実施例16
4−シクロプロピル−6−(2,4−ジオキソ−1H−ピリミジン−5−イル)ピリダジン−3−カルボニトリル
DMF(1mL、12.9mmol)中の5−(6−クロロ−5−シクロプロピル−ピリダジン−3−イル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(A、57mg、0.22mmol、100質量%)の溶液をNで脱気する。Zn(CN)(20mg、0.22mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(5mg、0.0054mmol)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(6mg、0.011mmol)を添加し、Nでさらに脱気する。キャップをしっかりと閉め、120℃で一晩加熱する。RTに冷却し、珪藻土で濾過する。逆相クロマトグラフィー(C18 Gold 15.5g、10mM重炭酸アンモニウム中の5〜20%ACNの勾配、20CV)によって精製して、表題化合物(0.032g、58%)を淡黄色の固体として単離する。ES/MS(m/z):256(M+1)。
次の実施例は、本質的に実施例16において説明したとおり調製することができる。
実施例23
5−(5−シクロブチル−6−メトキシ−ピリダジン−3−イル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン
1M HCl(5.2mL、5.2mmol)を4−イクロブチル−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−3−メトキシ−ピリダジン(0.39g、1.3mmol)に添加し、50℃で6時間、次いでRTで一晩撹拌する。溶媒を減圧下で除去する。SCXカートリッジ(10g、溶離剤60mL DCM、60mL DCM中の50%MeOH、および120mLのDCM中のMeOH中の50%7M NH)を通過させて精製し、表題化合物(0.337g、96%)を白色の固体として得る。ES/MS(m/z):275(M+1)。
次の実施例は、本質的に実施例23において説明したとおり調製することができる。
実施例30
5−[5−[(1S,2R)−2−(2−フルオロエチル)シクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン
HCl(HO中の1M、2mL、2mmol)をトランス2,4−ジメトキシ−5−[6−メチル−5−[2−(2−フルオロエチル)シクロプロピル]ピリダジン−3−イル]ピリミジン(0.043g、0.14mmol)の鏡像異性体1に添加し、50℃で一晩加熱する。溶媒を減圧下で除去する。SCXカートリッジを通過させて精製して(12g、溶離剤70mLのMeOH、70mLのMeOH中の2M NH)で精製して、表題化合物(0.037g、89%)を白色の固体ES/MS(m/z):291(M+1)として得る。
生物学的アッセイ
次のアッセイは、本発明の例示化合物がCD73活性の阻害剤であり、癌を治療する上で有用であることを実証している。
CD73タンパク質の発現および精製
C末端6−HISタグ付きヒトCD73(アミノ酸1〜547)を、細胞にCD73遺伝子を一過性にトランスフェクトすることによって、HEK293F哺乳動物細胞において発現させ、Ni2+アフィニティーおよびSuperdex200サイズ排除クロマトグラフィーを使用して精製する。C末端6−HISタグ付きマウスCD73(アミノ酸1〜549)を、先に説明したとおり発現させ精製する。C末端6−HISタグ付きラットCD73(アミノ酸1〜549)を、先に説明したとおり発現させ精製する。
アデノシンについての質量分析およびアデノシン精製
Agilent 300 RapidFire自動抽出システム(Agilent、カリフォルニア州サンタクララ市)を、エレクトロスプレーイオン化(ESI)インターフェイスソースを備えたSciex 6500トリプル四重極質量分析計(AB Sciex、マサチューセッツ州フレイミングハム町)に連結された3つのHPLC四元ポンプで使用する。RapidFire Mass Specシステムに、再利用可能なRapidFire HILIC(H1)固相抽出(SPE)カートリッジ(G9203−80109)をロードする。
試料のローディングおよび洗浄に使用される溶媒Aは、5%(v/v)ACNを含有する50mMギ酸アンモニウム(pH4.0)である。試料の溶離に使用される溶媒Bは、70%ACN/30%MeOH中の0.3%ギ酸+2%水酸化アンモニウムである。試料は、マルチウェルプレートから直接、真空下で収集ループ上へと10μLを吸引することによって連続的に分析される。10μLの試料をHILICカートリッジ上にロードし、四元ポンプ1によって、溶媒Aを1.25mL/分の流量で3000ミリ秒間使用して洗浄する。保持された分析物は、四元ポンプ3によって、溶媒Bを1.25mL/分の流量で3000ミリ秒間使用して、質量分析計へ溶離する。このシステムを四元ポンプ1によって、溶媒Aを1.25mL/分の流量で3000ミリ秒間使用して再平衡化する。
トリプル四重極質量分析計にエレクトロスプレーイオン化(ESI)ソースを装備し、ポジティブモード(M+H)+において選択した反応モニタリング(SRM)を使用して分析物を監視する。アデノシンをm/z268.05/136.0で、アデノシン一リン酸をm/z348.1/136.0で監視する。内部標準としてそれぞれ13C5アデノシンおよび15N5 AMPを使用して、アデノシンおよびアデノシン一リン酸についての面積比の値を計算する。
ヒトCD73生化学アッセイ
このアッセイの目的は、CD73酵素活性の阻害剤を特定し、特徴付けることとする。2μMアデノシン一リン酸(Sigma#01930)、10mMトリスpH7.5、100mM NaCl、0.01%BSA、0.2mM オクチルグルコシド、および50pM CD73タンパク質を含有する反応混合物(20μL)を384ウェルプレート(Nunc#264573)に入れる。RTで30分間のインキュベーション後、2%ギ酸および10μM 13C5−アデノシン(13C5で標識したリボース)(Cambridge Isotope Laboratories−#CLM−3678−0)を含有する20μLの停止溶液を添加すること、続いて40μLのdHOの添加によって反応を終止させる。アデノシン−13C5およびアデノシンリボース−13C5(内部標準)のレベルは、先に説明したとおり質量分析を利用して決定する。シグナル比(アデノシンピーク積分/アデノシン内部標準ピーク積分)を使用して、各反応を定量化する。式{%阻害=100x[1−(X−MIN)/(MAX−MIN)]}を使用することによって阻害百分率を計算し、式中、Xはウェルシグナル比に等しく、MAXはDMSO対照のシグナル比中央値に等しく、MINは公知の競合的阻害剤の10XIC50超の存在下での酵素活性のシグナル比に等しい。スクリーニング目的のために、各化合物を1%DMSO中の50μMで検査する。0.0025〜50μMの10種類の濃度で各化合物を検査することによって、各化合物のIC50を決定する(1:3希釈スキームを使用)。
5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンについてのIC50は、0.028μMである。
5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンについてのIC50は、0.043μMである。
本明細書に開示する実施例の化合物はすべて、0.062μM未満のIC50を呈する。
ヒトCD73機序アッセイ
このアッセイの目的は、関心対象の化合物の作用の機序を決定することとする。このアッセイは、ヒトCD73生化学アッセイについて先に示したとおり行う。各化合物を、1:3希釈スキームを使用して0.023〜50μMの8種類の異なる濃度で検査するが、3倍希釈スキームを使用して0.023〜50μMの8種類の異なる濃度のAMPで検査する。GraphPad Prism7.00を使用して、さまざまな阻害剤および基質濃度の面積比をプロットし、専用の混合モデル阻害を使用して当てはめて、阻害についてのVmax、Km、Ki、およびアルファ値を決定する{(Vmax見かけ=Vmax/(1+[I]/(Alpha×Ki))、Km見かけ=Km×(1+[I]/Ki)/(1+[I]/(Alpha×Ki))、Y=Vmax見かけ×X/(Km見かけ+X)、式中、Alpha、Vmax、Km、Kiは各化合物で共有される}。
5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンおよび5−[5−[(1S,2R) −2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンは各々、酵素−リン酸複合体へ結合するがアポ酵素自体へは結合しない非競合的阻害剤である。
表1に示すように、AMPの基質濃度を上げると、IC50値が低減するので、非競合的阻害剤、例えば、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオネムの効力が高まる。
マウスCD73機序アッセイ
このアッセイの目的は、マウスCD73酵素活性の阻害に関して阻害剤を評価することとする。このアッセイは、3μMのAMPおよび50pMのマウスCD73酵素を使用することを除き、ヒトCD73生化学アッセイについて先に説明したとおり行う。
5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンについてのIC50は、0.175μMである。
Calu6ヒト細胞アッセイ
このアッセイの目的は、細胞に基づくアッセイにおいてCD73に対して化合物を検査することとする。Calu6細胞(1500個/ウェル)を、100μLの培地(MEM(Gibco#11095−072)+1%ピルビン酸ナトリウム(Gibco#11360−070)+1%NEAA(Gibco#11140−050)+10%FBS(Hyclone#SH30071)を含有する96ウェルポリ−D−リジンコーティング済みプレート(BD#356640)中で成長させる。プレートをRTで30分間インキュベートし、続いて37℃/5%COで一晩インキュベートする。細胞をアッセイ緩衝液(10mM トリスHCl pH7.2、10mM D−グルコース、1mM KCl、125mM NaCl、2mM MgCl)(90μL/ウェル)で2回洗浄する。次に、90μLのアッセイ緩衝液を各ウェルに添加し、続いて1ウェルあたり10μLのAMPおよび化合物プレミックス(50μM AMP、1%DMSO中のさまざまな濃度の化合物)を添加する。プレートを室温で60分間インキュベートする。次に、ウェルあたり10μLの上清を取り出して新たなプレートに入れ、続いて20μLの停止液(2%ギ酸、1.2μMアデノシンリボース−13C5(Cambridge Isotope Laboratories−#CLM−3678−0)および質量分析用の90μLのddH2Oを添加する。アデノシン−13C5およびアデノシンリボース−13C5(内部標準)のレベルは、ヒトCD73生化学アッセイについて先に説明したとおり、質量分析(Agilent RapidFire)を利用することによって決定する。阻害百分率も先に説明したとおり計算する。
5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンについてのIC50は、0.0073uMである(実施例2の化合物)。
5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンについてのIC50は、0.028uMである。
エクスビボ標的阻害アッセイ
このアッセイの目的は、エクスビボに基づくアッセイにおいてマウスの血中マウスCD73に対する化合物を検査することとする。腫瘍がおよそ400mmに達した後、動物(6匹/群)に20%HPBCD(2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン)(pH2)中に配合した各化合物を経口投与する。経口投与を介した化合物処置へ供した動物から収集した全血を用いたエクスビボアッセイについて説明したとおり、処置後、血液をヘパリン管中に収集し、13C10−15N5−AMPから標識したアデノシン、イノシン、およびヒポキサンチンへの転換のエクスビボ分析に使用する。
5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンは、表2に示すように、本化合物の異なる用量で処置した動物からのマウス全血中のAMPからアデノシン、イノシン、およびヒポキサンチンへの転換を阻害する。
5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンについてのIC50は、0.0073uMである。
ヒトCD73アッセイのCalu6腫瘍に基づくインビボ標的阻害
このアッセイの目的は、インビボ標的阻害アッセイにおいて、ヒト癌Calu6細胞に由来する異種移植腫瘍におけるヒトCD73に対する化合物を検査することとする。Calu6細胞(ATCC)を、10%ウシ胎児血清を補充したHBSS培地中で成長させる。コンフルエントに至っていない細胞をトリプシンで収穫し、血清を含んでいない成長培地で2回すすぐ。HBSSとMATRIGEL(登録商標)(BD Biosciences,ニュージャージー州フランクリンレイクス地区)の1:1の混合物中の5x10個をヌードマウス(The Harlon Laboratory)の後部脇腹に注射することによって、皮下腫瘍の成長を開始させる。平均腫瘍量がおよそ400〜500mmに達したとき、腫瘍の大きさおよび体重によって動物を無作為化し、示すとおり、個々の処置群へと入れる。処置後、腫瘍試料(各50〜80mg)を収集し、後で説明するような内部標準を含有する1mLの氷冷抽出緩衝液中で加工する。
ホイル片および液体Nを乳鉢へ入れて予冷する。腫瘍組織をホイル片上に落とし、液体Nを添加する。別のホイル片を腫瘍組織の上に置き、腫瘍が完全に接地するまで乳棒でたたく。50〜100mgの腫瘍組織をチューブ(Fishers Scientific,カタログ番号02−681−302)の中に入れ、ドライアイスの上に置く。1個の金属ビーズ(Qiagenカタログ番号69989)ならびに13−アデノシン、13−AMP、15−GTP、15−イノシン5’−一リン酸、および13C−15N−ヒポキサンチン(Cambridge Isotope LabおよびCayman Chemical)の内部標準を含有する80%のメタノール1mlをチューブに添加し、LC/MS分析に使用するまで試料を‐80℃で保存する。
経口投与を介した化合物処置へ供した動物から収集した全血を用いるエクスビボアッセイについて説明したとおり、血液をヘパリン管中に収集し、1315N5−AMPから標識アデノシン、イノシン、およびヒポキサンチンへの転換のエクスビボ分析のために使用する。
表3に示すように、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンは、異なる用量の化合物を用いて処置したCalu6腫瘍におけるAMPからアデノシンへの転換を阻害する。
T細胞抑制アッセイ
カルボキシフルオレセインジアセタートスクシンイミジルエステル(CFSE)を標識剤として使用しヒトPBMCまたは単離されたCD4細胞(0.5×10〜1×10個)を、5%HI FBS(Gibco#10082)を含有する標識緩衝液(RPMI1640w/L−グルタミン、GIBCOカタログ番号11875)で洗浄し、1mlの標識緩衝液中に懸濁する。細胞を、50μM CFSE(Biolegendカタログ番号423801)を含有する110μlのPBSと混合し、室温で5分間インキュベートする。標識細胞を、5%HI FBS(Gibco#10082)を含有するPBSで1回、1xペニシリン/ストレプトマイシンを含有する)T細胞清浄成長培地(X−Vivo15、Lonza、カタログ番号04−744Q)で1回洗浄し、PMBCおよびCD4細胞に使用する培地中で懸濁する。
T細胞の活性化および処理
CFSE標識ヒトPBMC(600,000個/mL)またはCD4細胞(500,000個/mL)をDynabeads(登録商標)Human T−Activator CD3/CD28(Gibco、カタログ番号11131D)と、1:1の細胞/ビーズとヒトIL−2(60IU/ml、Roche、カタログ番号11011456001)との比で混合する。細胞を、37℃の水浴中に10分に入れ、T細胞を予め活性化する。PBMC(125μl/ウェル)またはCD4細胞(100μl/ウェル)を96ウェルプレート(Costar 3799,Corning Inc.)に移す。PBMCを使用して化合物を検査するために、種々の濃度の検査化合物を、400〜600μMのAMPを含有する細胞正常成長培地(125μL)中で調製する。CD4細胞を使用して化合物を検査するために、種々の濃度の検査化合物を、200〜250μMのAMPを含有する細胞正常成長培地(100μL)中で調製する。処理された細胞を、37℃、5%COで68〜70時間培養する。
処理したPBMCを含有する培地(160μl)をプレートに移し、サイトカインアッセイに使用する残りの培地を、代謝産物のLC−MS分析のための試料の調製のために、AcroPrep96プレート(AcroPrep96フィルタープレート、Omega 3K NTRL 350ulウェル、Pall Life Scienceカタログ番号8033)に移す。
CD4細胞を含有する培地(100μl)をAcroPrepプレートに移してこれで別のプレートへと、1500gで2時間の遠心分離を介して濾過する。濾過した培地(50μL/ウェル)を代謝産物のLC−MS分析のために、等容積の80%メタノール、1%NHOH、および内部標準(250ng/mLの13C5−AMPおよび250ng/mLの13C5−アデノシン)と混合する。
処理したPBMCまたはCD4細胞を収集してフローサイトメトリーのために染色して、T細胞増殖を定量化する。
フローサイトメトリー
PBMCまたはCD4細胞を、DPBSで1:200に希釈したZombie Aqua(Biolegend、カタログ番号423102、ロット番号B195875)で15分間染色し、続いてフロー染色緩衝液(DPBS−2%HIFBS−0.5%BSA)中で1:5に希釈したヒトFc受容体結合阻害剤(eBioscienceカタログ番号No.14−9161−73)で氷上で15分間ブロッキングする。PBMCを、APC/Cy7抗ヒトCD3(Biolegendカタログ番号300426、1:20希釈)、APC抗ヒトCD4(Biolegend、カタログ番号317416、1:20希釈)、およびPacific Blue抗ヒトCD8a(Biolegend、カタログ番号300927、1:20希釈)のカクテルで染色し、CD4細胞を氷上で30分間、フロー染色緩衝液中のAPC抗ヒトCD4(Biolegend、カタログ番号317416、1:20希釈)で染色する。
フローデータはBD FACS Verseによって獲得する。各蛍光チャネルを適切に補正する。データはFloJo第7.6.5で加工し、次のゲート処理戦略を用いる:FSC対SSCドットプロットでゲート処理されたリンパ球、SSC対Zombie Aquaドットプロットでゲート処理されたリンパ球の生細胞、APC−Cy7対Zombie Aquaドットプロットでゲート処理されたリンパ球の生細胞のCD3細胞、APC対Pacific Blueドットプロットでゲート処理されたCD3細胞のCD4細胞およびCD8細胞、APC対CFSE(FITC)およびPacific Blue対CFSE(FITC)ドットプロットでさらにゲート処理されたCD4細胞およびCD8細胞である。CD4細胞およびCD8細胞の増殖を、増殖ツールによって分析する。増殖指数(PI)を、総細胞数/出発細胞数として定義し、化合物救出%を(PIAMPなし化合物なし−PI試料)/(PIAMPなし化合物なし−PIAMPあり化合物なし)×100として計算する。
表4に示すように、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンによるCD73の阻害は、T細胞増殖のアデノシン媒介阻害を救出し、このことは、成長培地中のアデノシンレベルの用量依存的低減がと相関している。
サイトカイン分析
処理したPBMC由来の培養液を、サイトカインELISAキットの1xELISA/ELISPOT希釈液で1:7.5、1:2.5、1:50に希釈し、Human TNF alpha ELISA Ready−SET−GO!キット(eBioscience カタログ番号88−7346−22)を使用してTNFαを、Human IL−1β ELISA ready−SET−GO!キット(第2世代)(eBioscience、カタログ番号88−7261−22)を使用してIL−1βを、Human IFN gamma ELISA ready−SET−GO!キット(eBioscience、カタログ番号88−7316−22)ベースの製造元のマニュアルを用いてIFNγを分析する。
表5に示すように、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンによるCD73の阻害は、CD4T細胞のTNF−αレベルを上昇させる。
表6に示すように、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンによるCD73の阻害は、CD4T細胞のTNF−αレベルを上昇させる。
インビボモデル
所望の場合、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩のCD73阻害効果の前臨床モデリングを、例えば、当技術分野において、例えば、Rongvaux A,et al.,Annual Rev.Immunology 2013;31:635−74において、およびそこに引用されている文献において、Sanmamed MF,et al.,Annals of Oncology 2016;27:1190−1198、およびそこに引用されている文献において明らかにされている方法によって実施することができる。
ヒト血清中のCD73活性を測定するためのLC/MSに基づくアッセイ
新鮮な正常ヒト血液を室温で1,500gで15分間遠心分離し、血清を含有する上部画分を収集する。収集した血清(25ul/ウェル)を、種々の濃度の実施例2の化合物および一定濃度のレバミソール(1,500uM)を含有する96ディープウェルプレート(DWP)(Analytical Sales & Services Inc.カタログ番号968820)へ移す。氷上で60分間のインキュベーション後、13C5−15N5−AMP(50uM)をプレートの各ウェルに入れ、プレートを室温で15分間インキュベートする。次に、このプレートを200uL/ウェルの17.3TCAを添加してドライアイス上に置き、続いてプレート振盪機(Qiagen)で26fpsで3分間振盪する。次に、プレートを4℃で2940gで20分間遠心する。遠心分離後、各ウェルからの100μl/ウェルの上清を新たな96ディープウェルプレートに移し、氷上で18.4ul/ウェルの2.5M NaCOと混合し、続いて内部標準(IS)(13C5―AMP、13C5−アデノシン、13C5−ヒポキサンチン、および15N4−イノシン)を含有する200μlの抽出溶液を添加する。4℃、2940gで20分間のさらなる遠心分離後、200ul/ウェルの上清を、先に説明したとおりLC/MSによる13C10−15N5−アデノシン、13C10−15N5−イノシンおよび15N5−ヒポキサンチンの分析のために使用する。EC50計算のために、血清中のCD73阻害剤の濃度を、インシリコモデルにまたは実験的に由来する非結合画分(%)で補正する。
表7は、5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(実施例2の化合物)によるヒト血清中のCD73活性の阻害についてのデータを含む。
表8は、本明細書に開示するある特定の化合物によるヒト血清中のCD73活性の阻害についてのデータを含む。

Claims (23)

  1. 下記式

    (式中、nが0〜3であり、
    が、−H、−F、−gem−ジフルオロ、−gem−ジメチル、
    −C1〜4アルキル、−CHF、−CHFCHまたは−CHCHFであり、
    −Rが、−H、−CH、−F、−Cl、−CN、または−OCHから選択される。)
    の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  2. 下記式

    である、請求項1の式に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  3. 下記式

    である、請求項1もしくは請求項2の式に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  4. 下記式

    である、請求項1〜3のいずれか1項の式に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  5. 下記式

    である、請求項1〜4のいずれか1項の式に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  6. 式中、nが0であり、Rが−C1〜4アルキルであり、Rが−CHである、請求項1〜5のいずれか1項の式に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  7. 式中、Rがイソプロピルである、請求項6の式に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  8. 下記式



    である、請求項1の式に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  9. 下記式

    である、請求項1〜8のいずれか1項の式に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  10. 5−[5−[(1S,2R)−2−イソプロピルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンである、請求項1〜9のいずれか1項の式に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  11. 下記式

    である、請求項1〜8のいずれか1項の式に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  12. 5−[5−[(1S,2S)−2−エチルシクロプロピル]−6−メチル−ピリダジン−3−イル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンである、請求項1〜8または11のいずれか1項に記載の式の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の式の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬的組成物。
  14. 癌を治療する方法であって、癌を治療することを必要とする患者へ、有効量の請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
    前記癌が、膀胱癌、乳癌、胆管癌、結腸直腸癌、結腸癌、胃癌、胆嚢癌、膠芽腫、頭頸部癌、肝癌、肺癌、リンパ腫、髄芽腫、黒色腫、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、または腎癌である、方法。
  15. 前記患者が、血清CD73活性が判定された患者である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記患者が、組織のCD73発現が判定された患者である、請求項14に記載の方法。
  17. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与された患者の血清中のCD73活性を判定することを含む、方法。
  18. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与された患者からの組織内のCD73発現を判定することを含む、方法。
  19. 療法における使用のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式による化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  20. 癌の前記治療における使用のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式による化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  21. 前記癌が、膀胱癌、乳癌、胆管癌、結腸直腸癌、結腸癌、胃癌、胆嚢癌、膠芽腫、頭頸部癌、肝癌、肺癌、リンパ腫、髄芽腫、黒色腫、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、または腎癌である、請求項20に記載の使用のための化合物。
  22. 癌の前記治療のための薬剤の製造のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式による化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
  23. 前記癌が、膀胱癌、乳癌、胆管癌、結腸直腸癌、結腸癌、胃癌、胆嚢癌、膠芽腫、頭頸部癌、肝癌、肺癌、リンパ腫、髄芽腫、黒色腫、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、または腎癌である、請求項22に記載の使用。
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