JP2020517563A - ガラス用組成物、アルカリ土類アルミノシリケートガラス、その製造方法及び応用 - Google Patents
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Abstract
Description
主な化学反応:4HF+SiO2=SiF4+2H2O
副次的な化学反応:RO+2H+=R2++H2O(Rは、アルカリ土類金属などを表す)
kは定数、ρは密度、Eは弾性率、lは支持間隔、tはガラス基板の厚さである。ここで、(ρ/E)は、比弾性率の逆数である。比弾性率とは、材料の弾性率と密度の比率を指し、「比弾性係数」又は「比剛性」とも呼ばれ、材料の構造設計をするための重要な基準の1つである。比弾性率が高いと、同じ剛性で材料の重量が軽くなるか、同じ質量で剛性が高くなることを意味する。上記式から分かるように、l、tが一定の場合、ρを減少させて、Eを増大することにより、垂れ下がり量を低下させることができ、したがって、基板ガラスをできるだけ低密度及び高弾性率にし、つまり、できるだけ高比弾性率にするべきである。薄化後のガラスは、厚さが急激に減少するため機械的強度が低下し、より変形しやすくなる。密度を下げ、比弾性率及び強度を高め、ガラスの脆性を減らすことは、ガラス生産者にとって重点として検討すべき要素になる。
式I=[SiO2−P1×Al2O3−P2×BaO−P3×(MgO+ZnO)−P4×(CaO+SrO)−P5×TiO2]×100により算出され、
ただし、P1=4、P2=−2、P3=3.5、P4=3、P5=−25であり、
SiO2、Al2O3、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、TiO2は、それぞれの成分が成分全量に占めるモル百分率を表す。
ただし、Tm、Tl、Taは、それぞれガラス粘度200Pに対応した溶融温度、ガラスの液相線温度、ガラスのアニール点の温度である。当業者にとって明らかなように、D値が小さいほど、ガラスの耐結晶化性が高く、ガラス形成安定性が高いほど、製造の難度が低く、D値が高いほど、ガラスの耐結晶化性が低く、ガラス形成安定性が低いほど、製造がより困難である。
(1)本発明は、環境に優しく、毒性物質をまったく含有せず、一好適実施形態によれば、清澄剤として使用される酸化第1スズSnOは、容易に入手可能な物質であり、有害な性質を持たないことが知られており、ガラス清澄剤として単独で使用した場合に清澄ガスを発生するための幅広い温度の範囲があり、このようなガラスの気泡の除去に適している。
(2)本発明の一つの好ましい実施形態によれば、ガラス組成物には、SiO2、Al2O3、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO及びTiO2が特定の含有量で含まれており、SiO2+Al2O3>80モル%、I値>0、0.8≧(MgO+BaO)/R’O≧0.34、0.6≦Al2O3/R’O≦1にすることによって、製造されたガラスは、高歪点、高ヤング率、高比弾性率、高ビッカース硬度、高化学的安定性、高ガラス形成安定性、低成形温度、低溶融温度及び低液相線温度などの優れた特性を有し、具体的には、得られたアルカリ土類アルミノシリケートガラスは、密度が2.67g/cm3未満であり、ヤング率が75GPaより大きく、比弾性率が29GPa/(g/cm3)より大きく、50〜350℃での熱膨張係数が39×10-7/℃未満であり、屈折率nDが1.53より大きく、粘度35000Pに対応した成形温度Twが1320℃未満であり、粘度200Pに対応した溶融温度Tmが1650℃未満であり、液相線温度T1が1220℃未満であり、歪点Tstが750℃以上、アニール点Taが790℃以上であり、ガラス形成安定係数D値が1.0未満であり、1200℃での表面張力が350mN/m未満であり、ビッカース硬度が6.4GPaよりも大きく、1キログラム当たりのガラス基板において気泡径が0.1mmより大きい気泡が認められない。
(3)本発明の組成物の成分には、多量のSiO2及びAl2O3を含み、且つ成分には、B2O3を含まないため、高い歪点が確保され、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO+TiO2を一定の割合で配合して使用することによって、溶融温度を効果的に低下させ、ガラス形成安定性を向上させて、ガラス製造の困難性を軽減させ、生産ラインの歩留まりの大幅な向上を可能にし、また、燃料や電力の生産コストを削減させる。
本発明の組成物では、好ましくは、各成分の総モル数を基準にして、酸化物換算で、SiO2+Al2O3は、80mol%より大きい。
式I=[SiO2−P1×Al2O3−P2×BaO−P3×(MgO+ZnO)−P4×(CaO+SrO)−P5×TiO2]×100により算出され、
ただし、P1=4、P2=−2、P3=3.5、P4=3、P5=−25であり、
SiO2、Al2O3、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、TiO2は、それぞれの成分が成分全量に占めるモル百分率を表す。
ただし、P1=4、P2=−2、P3=3.5、P4=3、P5=−25であり、
SiO2、Al2O3、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、TiO2は、それぞれの成分が成分全量に占めるモル百分率を表す。
ただし、Tm、Tl、Taは、それぞれガラス粘度200Pに対応した溶融温度、ガラスの液相線温度、ガラスのアニール点の温度を表す。
以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。以下の実施例では、特に断らない限り、使用される各材料は、市販品として入手可能であり、特に断らない限り、使用される方法は、本分野での常法である。
ASTM E−228に準じて横型膨張計を用いて50〜350℃でのガラスの熱膨張係数を測定し、単位は、10-7/℃である。
ASTM C−623に準じて、材料力学試験機を用いてガラスのヤング率を測定し、単位は、GPaである。
ASTM E−384に準じて、ビッカース硬度計を用いてガラスのビッカース硬度を測定し、単位は、GPaである。
ASTM C−336に準じて、アニール点歪点測定装置を使用して、ガラスのアニール点及び歪点を測定し、単位は、℃である。
ASTM C−965に準じて、回転高温粘度計を使用して、ガラスの高温での温度-粘度曲線を測定し、200P粘度に対応した溶融温度Tmの単位は、℃、35000P粘度に対応した成形温度Twの単位は、℃である。
ASTM C−829に準じて、温度勾配炉法を使用して、ガラスの結晶化の上限温度(液相線温度)を測定する。
高温表面張力計を使用して、1200℃での表面張力を測定し、単位は、mN/mである。
WAY−2Sアッベデジタル屈折計を使用して、波長587.6nm(ナトリウム黄色光)での屈折率nDを室温で測定する。
1キログラムあたりのガラス基板において気泡径が0.1mmより大きい気泡の数は、1キログラムあたりのアルカリ土類アルミノシリケートガラス基板において気泡径が0.1mmより大きい気泡の数のことであり、測定方法は、以下のとおりである。精度0.01gの電子天秤を用いてガラスサンプルの重量を秤量し、光学顕微鏡を用いて気泡の数を統計的に数え、1キログラムあたりのガラスにおける気泡径が0.1mmより大きい気泡の数を算出した。
表1〜4に示されるように、各成分を秤量して、均一に混合し、混合材料を白金坩堝に投入して、次に1620℃の抵抗炉で4時間加熱し、白金棒を用いて撹拌しながら気泡を排出した。溶融したガラス溶融物をステンレス鋳鉄金型に注入して、所望の板状のガラス製品を成形し、次に、ガラス製品をアニール炉で2時間アニールし、電源をオフさせて25℃まで炉冷させた。ガラス製品について切断、研磨、仕上げを行って、次に脱イオン水で洗浄して乾燥させ、テスト要求を満たすガラス完成品を得た。各ガラス完成品の各特性について測定し、結果をそれぞれ表1〜4に示した。
Claims (14)
- 各成分の総モル数を基準にして、酸化物換算で、SiO2:68〜73mol%、Al2O3:11.5〜15mol%、MgO:2〜6mol%、CaO:2.5〜7.5mol%、SrO:0〜3mol%、BaO:2〜7mol%、ZnO:0〜4mol%及びTiO2:0.05〜1.5mol%を含有することを特徴とするガラス用組成物。
- 各成分の総モル数を基準にして、酸化物換算で、SiO2+Al2O3は、80mol%より大きいことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- 各成分の総モル数を基準にして、前記組成物における各成分の含有量は、モル百分率で計算すると、I値が0より大きいことを満たし、好ましくは0.5〜50、より好ましくは0.59〜33.85、さらに好ましくは0.59〜21.6、一層好ましくは2〜13.5であり、I値は、式I=[SiO2−P1×Al2O3−P2×BaO−P3×(MgO+ZnO)−P4×(CaO+SrO)−P5×TiO2]×100により算出され、
ただし、P1=4、P2=−2、P3=3.5、P4=3、P5=−25であり、
SiO2、Al2O3、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、TiO2は、それぞれの成分が成分全量に占めるモル百分率を表すことを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。 - 各成分の総モル数を基準にして、モル%換算で、0.8≧(MgO+BaO)/R’O≧0.34、好ましくは、0.75≧(MgO+BaO)/R’O≧0.45、より好ましくは、0.7≧(MgO+BaO)/R’O≧0.5であり、ただし、R’O=MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- 各成分の総モル数を基準にして、モル%換算で、0.6≦Al2O3/R’O≦1、好ましくは、0.65≦Al2O3/R’O≦0.95、より好ましくは、0.7≦Al2O3/R’O≦0.85、さらに好ましくは、0.7<Al2O3/R’O<0.8であり、ただし、R’O=MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
- 各成分の総モル数を基準にして、酸化物換算で、ZnOの含有量は、0.4〜3mol%であり、
好ましくは、各成分の総モル数を基準にして、酸化物換算で、Al2O3の含有量は、11.7〜12.8mol%であり、
好ましくは、各成分の総モル数を基準にして、酸化物換算で、SiO2の含有量は、68〜72.2mol%であり、
好ましくは、各成分の総モル数を基準にして、酸化物換算で、MgOの含有量は、2.35〜5mol%であり、
好ましくは、各成分の総モル数を基準にして、酸化物換算で、CaOの含有量は、3.4〜7.3mol%であり、
好ましくは、各成分の総モル数を基準にして、酸化物換算で、SrOの含有量は、0〜2.61mol%であり、
好ましくは、各成分の総モル数を基準にして、酸化物換算で、BaOの含有量は、2.3〜5.8mol%であり、
好ましくは、各成分の総モル数を基準にして、酸化物換算で、TiO2の含有量は、0.05〜1.2mol%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。 - 前記組成物は、清澄剤をさらに含有し、前記清澄剤は、好ましくは硫酸塩、硝酸塩、酸化第2スズ、酸化第1スズ、塩化物及びフッ化物のうちの少なくとも1種であり、各成分の総モル数を基準にして、酸化物換算で、前記清澄剤の含有量は、0.04〜0.15mol%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
- アルカリ土類アルミノシリケートガラスの製造方法であって、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のガラス用組成物に対して、溶融処理、成形処理、アニール処理及び機械加工処理を順次行うことを含むことを特徴とする製造方法。 - 請求項8に記載の方法により製造されたアルカリ土類アルミノシリケートガラス。
- 前記アルカリ土類アルミノシリケートガラスは、密度が2.67g/cm3未満であり、ヤング率が75GPaより大きく、比弾性率が29GPa/(g/cm3)より大きく、屈折率nDが1.53より大きいことを特徴とする請求項9に記載のアルカリ土類アルミノシリケートガラス。
- 50〜350℃での熱膨張係数は、39×10-7/℃未満であり、粘度35000Pに対応した成形温度Twは、1320℃未満であり、粘度200Pに対応した溶融温度Tmは、1650℃未満であり、液相線温度Tlは、1220℃未満であり、歪点Tstは、750℃以上であり、アニール点Taは、790℃以上であることを特徴とする請求項9又は10に記載のアルカリ土類アルミノシリケートガラス。
- ガラス形成安定性因子Dは、1.0未満、好ましくは0.5〜0.95、より好ましくは0.59〜0.84、さらに好ましくは0.62〜0.74であり、D値は、式D=(Tl−Ta)/(Tm−Tl)により算出され、ただし、Tm、Tl、及びTaは、それぞれガラスの粘度200Pに対応した溶融温度、ガラスの液相線温度、ガラスのアニール点の温度を表すことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のアルカリ土類アルミノシリケートガラス。
- 1200℃での表面張力は、350mN/m未満であり、ビッカース硬度は、6.4GPaより大きく、1キログラムあたりのガラス基板において気泡径が0.1mmより大きい気泡が認められないことを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載のアルカリ土類アルミノシリケートガラス。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のガラス用組成物又は請求項9〜13のいずれか1項に記載のアルカリ土類アルミノシリケートガラスの、ディスプレイデバイス及び/又は太陽電池の製造における応用、好ましくは、フラットパネルディスプレイ製品のガラス基板材料及び/又は画面表面保護用ガラスフィルムの材料、フレキシブルディスプレイ製品のガラス基板材料及び/又は表面パッケージガラス材料及び/又は画面表面保護用ガラスフィルムの材料、フレキシブル太陽電池のガラス基板材料の製造における応用。
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