JP2020515281A - ベーキング基材 - Google Patents

Abstract

本発明は、非粘着性コーティングを備えているエンボス構造（６）を上面（２）に有するシート型材料からなるベーキング基材（１）において、下面（３）が少なくとも領域の一部で平滑であり、少なくとも平滑な領域（１３）が少なくとも領域の一部で滑り止めコーティング（１１）を有することを特徴とする、ベーキング基材（１）に関する。

Description

本発明は、非粘着性コーティングを備えているエンボス構造を上面に有するシート型材料からなるベーキング基材（Ｂａｃｋｕｎｔｅｒｌａｇｅ）に関する。

欧州特許第２０４４８４２号明細書には、両側でエンボス加工されている湾曲した起伏の形態のプロファイリングを有するベーキング基材が開示されている。その結果、被ベーキング品（Ｂａｃｋｇｕｔ）はプロファイリングの上面に置かれ、プロファイリングの隙間によってさらにその周りを空気が流れることができるようになる。そのようなベーキング基材は有用であることがわかっているが、ユーザーにとって上面と下面の見分けは困難であり、そしてベーキング基材は支持体上で滑りやすくなる可能性がある。

ベーキング基材の滑動抵抗を高めるために、欧州特許出願公開第２９８４９３３号明細書には、エラストマー製の滑り止めコーティングを下面の少なくとも領域の一部に適用することが提案されている。この滑り止めコーティングはシート型材料を補強するため、この材料はいくらか剛性が高くなる。シート型材料として、平滑表面を形成する紙またはフィルムが使用されることから、被調理品（Ｇａｒｇｕｔ）の下面の周りの空気の流れは達成されない。

したがって、本発明の課題は、ベーキング時の改善された取り扱いを可能にするシート型材料からなるベーキング基材を提供することである。

この課題は、請求項１の特徴を有するベーキング基材により解決される。

本発明によるベーキング基材は、エンボス構造、例えば、湾曲部、カップ状の隆起部（Ｋａｌｏｔｔｅｎ）、線状部、突起部または他のパターンを上面に有するシート型材料からなり、この構造により、被ベーキング品が上に置かれたときに、上面の接していない領域、凹部または窪みの周りの空気の流れが可能になる。ベーキング基材のシート型設計に基づき、上面と同様のエンボス構造を有する下面は、少なくとも領域の一部が平滑、つまり平坦であり、少なくとも平滑な領域には、少なくとも領域の一部に滑り止めコーティングが備わっている。その結果、ベーキング基材が下に置かれたときに、滑り止めコーティングを有する平滑な領域は、下にある表面に対して面状に置くことが可能であるため、改善された接着を保証することができる。これにより取り扱いが最適化されることになる。なぜなら、ベーキング基材は、下にある表面に比較的滑り難くして置くことができるにもかかわらず、上面にエンボス構造の利点を有するからである。

有利には、滑り止めコーティングは、ベーキングトレイまたは作業面に対して特に良好な接着特性を有するシリコーンおよび／またはエラストマーを含む。

下面の滑り止めコーティングは、平滑な領域にのみ任意に設けられていてよく、そのため平滑な領域に隣接して設けられている構造化領域はコーティングされていない。こうして、接着性の向上も保証する領域のみに滑り止めコーティングが施されていることから、材料の節約が可能になる。下面の平滑な領域はベーキング基材に関わる一番下の領域でもあり、エンボス構造はもっぱら排他的に上方向に延びる。ベーキング基材のエンボスは、片側にのみ、つまり、平滑または平坦である下面から上向きに導入されている。「上向き」および「下向き」という用語は、定義された上面および下面を有するベーキング基材の通常の使用に関するものである。

下面の滑り止めコーティングは、様々な形態で、例えば、ストリップ、スポットまたはグリッドとして適用されることができる。下面の平滑な領域は、下にある表面に対して面状に置くことを可能にするために、本質的にそれぞれ少なくとも１ｍｍ^２、有利には少なくとも４ｍｍ^２の面積を有し得る。

下面に全面コーティングが適用される場合、２〜１０ｇ／ｍ^２の塗布量を適用する必要があり、適用されたコーティングの一部は、ベーキング基材のエンボス構造に基づき支持体と接触しない。それにもかかわらず、製造を簡素化するために非粘着コーティングの全面コーティングが可能である。

シート型材料は、有利には紙、特にエンボス加工された羊皮紙または耐油紙からなる。シート型材料として、不織布、金属フィルム、特にアルミニウムフィルムまたは多層複合材料を使用することも可能である。有利には、使用される紙の秤量は、３０〜５５ｇ／ｍ^２、特に３５〜４５ｇ／ｍ^２であり、非接着機能をもたらす０．４ｇ／ｍ^２〜０．６ｇ／ｍ^２の薄いシリコーン層が少なくとも上面に任意に施されていてもよい。

下面のベーキング基材の適切なコーティングのために、滑り止めコーティングは、有利には離散的なパターンで印刷されていてもよい。下面のコーティングは、ベーキングトレイへの接着性を改善するために、磁性材料、例えば磁化鉄粉も任意に有し得る。

本発明を、いくつかの実施例に基づいて、添付の図面を参照しながら、以下で詳細に説明する。

本発明によるベーキング基材の使用時の斜視図を示す。 ベーキング基材の一実施例の下面の図を示す。 ベーキング基材の一実施例の下面の図を示す。 ベーキング基材の一実施例の下面の図を示す。 ベーキング基材の一実施例の下面の図を示す。 支持体に置いたときのベーキング基材の概略詳細図を示す。 支持体に置いたときのベーキング基材の概略詳細図を示す。 支持体に置いたときのベーキング基材の概略詳細図を示す。

ベーキング基材１は、選択的にロールから巻き出すことができるシート型材料を含むか、またはロール上のすぐに使えるカット部分として、もしくは折り畳まれた単一シートとして存在していてもよい。シート型材料は、有利には紙、特に羊皮紙からなるが、不織布、金属フィルムまたは複合材料から作製されていてもよい。ベーキング基材１は、被調理品を置くことができる上面２と、ベーキングトレイまたは他の被調理品用の台に置くことができる下面３とを含む。下面３には滑り止めコーティングを有する２つのストリップ４が設けられており、ベーキング基材１の支持体への改善された接着をもたらす。

図２は、ベーキング基材１の下面３を示す。下面には、長手方向に延びる２つのストリップ４の間に、エンボス構造によって作製されたハニカム形状のエンボス５を識別することができる。エンボス５は、ベーキング基材１の平坦ではない表面となり、これにより被ベーキング品の下面の周りの改善された空気の流れが可能になる。それにもかかわらず、ベーキング基材１の下面は、平坦なストリップ４を介して、下にある表面に滑り難くして置くことができる。

図３は、ベーキング基材の下面３を示し、この下面にはストリップ４ではなく、湾曲部、カップ状の隆起部または他の幾何学形状の形態の構造６のみが設けられており、構造６の間には平坦な領域７が設けられている。したがって、プロファイリングは、ベーキング基材１の面全体ではなく、少なくとも領域の一部で互いに間隔を空けた領域のみに広がって、平坦または平滑な領域が構造６の間に設けられている。これらの平坦で平滑な領域は、ベーキング基材の支持体への改善された接着性を確保するために滑り止めコーティングでコーティングされている。

図４は、図３に既に示した構造に加えて、滑り止めコーティングによって作製された横方向ストリップ８が下面３に設けられているベーキング基材の更なる実施例を示す。

図５では、図３のベーキング基材は、滑り止めコーティングによって作製されたスポット９が追加的に設けられるように変更されている。滑り止めコーティングには、ストリップまたはドットの代わりに他の幾何学形状、例えばグリッド構造を使用することも可能である。

図６に記載の本発明によらないベーキング基材の場合、例えば欧州特許第２０４４８４２号明細書に示されるように、ベーキング基材の面全体にわたって連続的に延びる構造６が設けられている。両側のエンボス加工によって波形構造が生まれる。図示される波形のベーキング基材が下面でコーティングされている場合、滑り止めコーティング１１を形成しているのは、わずかなスポット、すなわち、支持体１０に接するスポットのみである。それ以外のコーティングスポット１２は、支持体１０から離間して配置されていることから、接着特性の改善に寄与することはできない。

したがって、図７に示すように、本発明によるベーキング基材の場合、湾曲構造６の間に平滑な領域１３が位置し、これが支持体１０上の接触面積の増加を保証する。下面に配置されたコーティングは、平坦な領域における滑り止めコーティング１１として形成されており、平坦な領域１３における滑り止めコーティング１１の面積は、少なくとも１ｍｍ^２、有利には４ｍｍ^２超である。湾曲構造６は平坦な領域１３の間に配置されており、コーティングスポット１２は支持体１０から離間して設けられている。

図８に記載されるように、本発明によるベーキング基材の更なる実施例では、平坦な領域のみに滑り止めコーティング１１が備わっており、下面の湾曲構造６はコーティングされていない。その結果、支持体１０に接する領域のみに滑り止めコーティング１１が備わっているので、少量の材料を使用して支持体１０への改善された接着を達成することができる。滑り止めコーティング１１は、接着特性を改善するために、シリコーンエラストマーまたは他のエラストマーを含む。図７に示すように、滑り止めコーティングが全面に塗布される場合、滑り止めコーティングは５〜２０ｇ／ｍ^２の塗布量で塗布される。図８に示されるように、塗布が平滑な領域１３でのみ行われる場合、塗布量は、接着挙動に対する不利な影響を及ぼさずに、例えば１〜４ｇ／ｍ^２、特に１．５〜２．５ｇ／ｍ^２に減らすことができる。

ベーキング基材の実施例：
表面の一部または全面にエンボス加工され、秤量が３５〜５０ｇ／ｍ^２、有利には３９〜４１ｇ／ｍ^２の耐油紙の上面がシリコーン処理されており、このコーティングは、秤量が約０．３〜１ｇ／ｍ^２、有利には０．４〜０．６ｇ／ｍ^２の白金シリコーンからなる。下面の一部または全面がプラスチック材料でコーティングされている。プラスチック材料は、有利にはシリコーンエラストマーからなり、柔らかく、弾性があり、平滑な表面を有する。その結果、セルロース（紙）および他の基材、例えば金属またはプラスチックなどにも良好に接着することになる。このようにしてコーティングされた耐油紙は、２２０℃を超える耐熱性を備えている。コーティング量の選択は、コーティングされた領域のセルロース繊維が連続シリコーンエラストマーフィルムで覆われるように行われ、このために、紙製品の場合、５〜２０ｇ／ｍ^２の塗布量が必要である。プラスチックまたはアルミニウムフィルムなどの平滑で非繊維性（非吸収性）の基材の場合、塗布濃度をより低くするだけで効果を得ることができる。シリコーンの代わりに、上記の特性を有する他のエラストマーを使用することもできる。

上記の実施例とは異なる方法で、２０％〜８０％の割合の永久磁性または磁化可能な材料を有するコーティング材料を任意に使用することもでき、この材料は磁化可能な材料、例えば鉄または鋼へのベーキング基材の半永久的な接着をもたらす。

総面積に対するベーキング基材１の平滑な領域１３の割合は、例えば５％〜８０％、特に５０％〜７０％であってよい。

１ ベーキング基材
２ 上面
３ 下面
４ ストリップ
５ エンボス
６ プロファイリング
７ 領域
８ 横方向ストリップ
９ スポット
１０ 支持体
１１ 滑り止めコーティング
１２ コーティングスポット
１３ 領域

Claims (13)

1. 非粘着性コーティングを備えているエンボス構造（６）を上面（２）に有するシート型材料からなるベーキング基材（１）において、下面（３）が少なくとも領域の一部で平滑であり、少なくとも平滑な領域（１３）が少なくとも領域の一部で滑り止めコーティング（１１）を有することを特徴とする、ベーキング基材（１）。
2. 前記滑り止めコーティング（１１）は、シリコーンエラストマーおよび／または他のエラストマーを含むことを特徴とする、請求項１記載のベーキング基材。
3. 被ベーキング品に接する面積を減少させるために、湾曲部が前記上面（２）に設けられていることを特徴とする、請求項１または２記載のベーキング基材。
4. 前記滑り止めコーティング（１１）は、前記下面（３）の前記平滑な領域（１３）のみに設けられており、構造化された領域は実質的にコーティングされていないことを特徴とする請求項１から３までのいずれか１項記載のベーキング基材。
5. 前記滑り止めコーティング（１１）は、ストリップ、スポットまたはグリッドとして前記下面（３）に適用されていることを特徴とする、請求項１から４までのいずれか１項記載のベーキング基材。
6. 各平滑な領域（１３）は、少なくとも１ｍｍ^２、有利には少なくとも４ｍｍ^２の面積を有することを特徴とする、請求項１から５までのいずれか１項記載のベーキング基材。
7. １〜１０ｇ／ｍ^２の塗布量で、前記下面（３）の全面にコーティングが設けられていることを特徴とする、請求項１から５までのいずれか１項記載のベーキング基材。
8. 前記シート型材料は、紙、特にエンボス加工された耐油紙から作製されていることを特徴とする、請求項１から７までのいずれか１項記載のベーキング基材。
9. 前記紙は、３０〜５５ｇ／ｍ^２、特に３５〜４５ｇ／ｍ^２の秤量を有することを特徴とする請求項８記載のベーキング基材。
10. 前記滑り止めコーティング（１１）は印刷されていることを特徴とする、請求項１から９のいずれか１項記載のベーキング基材。
11. 非粘着性コーティングが前記上面（２）に０．３〜１ｇ／ｍ^２、特に０．４〜０．６ｇ／ｍ^２の量で適用されていることを特徴とする、請求項１から１０までのいずれか１項記載のベーキング基材。
12. 前記滑り止めコーティング（１１）の前記下面（３）に磁性材料が設けられていることを特徴とする、請求項１から１１までのいずれか１項記載のベーキング基材。
13. 前記ベーキング基材（１）の耐熱性が少なくとも２２０℃であることを特徴とする、請求項１から１２までのいずれか１項記載のベーキング基材。

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