JP2020514344A - 重水素化イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン化合物及び癌の治療におけるその使用 - Google Patents

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Abstract

本明細書は、概して、式(I)の化合物:(式中、R1は、本明細書に定義した意味を有する)、及び薬学的に許容し得るその塩に関する。本明細書はまた、癌を含めたATM介在疾患を治療又は予防するための、式(I)の化合物及びその塩の使用に関する。本明細書はさらに、置換されたイミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン化合物及び薬学的に許容し得るその塩を含む医薬組成物;及びこうした化合物及び塩を含むキットに関する。

Description

本明細書は、重水素化イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン化合物及び薬学的に許容し得るその塩に関する。これらの化合物及び塩は、血管拡張性失調症変異(「ATM」)キナーゼを選択的に調節するので、本明細書はまた、癌を含めたATM介在疾患を治療又は予防するための、重水素化イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン化合物及びその塩の使用にも関する。本明細書はさらに、重水素化イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン化合物及び薬学的に許容し得るその塩を含む医薬組成物;並びにこうした化合物及び塩を含むキットに関する。
ATMキナーゼは、元々、血管拡張性失調症で変異した遺伝子の産物と特定された、セリントレオニンキナーゼである。血管拡張性失調症は、ヒト染色体11q22−23上に位置し、約350kDaの大きなタンパク質をコードし、ATMキナーゼの活性及び機能を調節するFRAP−ATM−TRRAP及びFATCドメインに隣接するホスファチジルイノシトール(「PI」)3−キナーゼ様セリン/トレオニンキナーゼドメインの存在が特徴である。ATMキナーゼは、二本鎖切断によって誘発されるDNA損傷応答の主役と特定されている。これは、DNA損傷後の細胞完全性を維持するために、主として、S/G2/M細胞周期移行において、また、剥離した(collapsed)複製フォークで機能して、細胞周期チェックポイント、クロマチン修飾、HR修復、及び生存促進性シグナル伝達カスケードを開始する(非特許文献1)。
ATMキナーゼシグナル伝達は、概して、2つのカテゴリー:二本鎖切断により、Mre11−Rad50−NBS1複合体と共にシグナルを発し、DNA損傷チェックポイントを活性化する標準の経路と、他の形態の細胞ストレスによって活性化される、活性化のいくつかの非標準の機序とに分けることができる(非特許文献2)。
ATMキナーゼは、二本鎖切断に応答して迅速かつ確実に活性化され、800を超える基質をリン酸化し(非特許文献3)、多数のストレス応答経路を連係させる(非特許文献4)ことが可能であると報告されている。ATMキナーゼは、大部分は細胞の核内に、不活性なホモ二量体型で存在するが、DNA二本鎖切断を感知すると、Ser1981で、それ自体が自己リン酸化され(標準の経路)、完全なキナーゼ活性をもつ単量体への解離がもたらされる(非特許文献5)。これは、重要な活性化事象であり、したがって、ATM phospho−Ser1981は、腫瘍の経路依存性についての直接的薬力学的と患者選択との両方のバイオマーカーである。
ATMキナーゼは、電離放射線及びトポイソメラーゼ−II阻害剤(ドキソルビシン、エトポシド)などの一般的な抗癌治療によって引き起こされる直接的な二本鎖切断に応答するだけでなく、複製中の一本鎖切断から二本鎖切断への転換を介して、トポイソメラーゼ−I阻害剤(例えばイリノテカン及びトポテカン)にも応答する。ATMキナーゼ阻害は、これらのいずれの薬剤の活性も増強することができ、その結果、ATMキナーゼ阻害剤は、癌の治療に有用であることが期待される。
(特許文献1)は、いくつかのイミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン化合物を報告し、これを、PI3−キナーゼαと哺乳類ラパマイシン標的(「mTOR」)キナーゼの二重阻害剤であると言及している。(特許文献1)で報告された化合物としては、以下のものが挙げられる:
(特許文献2)は、ある種のイミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン化合物を報告し、これを、PI3−キナーゼα阻害剤であると言及している。(特許文献2)で報告された化合物としては、以下のものが挙げられる:
(特許文献1)及び(特許文献2)の化合物は、PI3−キナーゼα、及び場合によってはmTORキナーゼに対する活性を有すると報告されているが、ATMキナーゼなどの様々なキナーゼ酵素に対して、より有効である新規化合物を開発する必要性が、依然として存在する。高度に選択的な様式で(すなわち、他の生物学的標的よりも効率的にATMを調節することによって)、ATMキナーゼのようなある種のキナーゼ酵素に逆らって作用する新規化合物の必要性が、さらに存在する。
本明細書の他の箇所で(例えば、実験セクションに記載された細胞ベースのアッセイにおいて)実証された通り、本明細書の化合物は、概して、非常に強力なATMキナーゼ阻害活性を有するが、PI 3−キナーゼα、mTORキナーゼ、並びに血管拡張性失調症及びRad3関連タンパク質(ataxia telangiectasia and Rad3−related protein)(「ATR」)キナーゼなどの他のチロシンキナーゼ酵素に対する活性は、かなり弱い。したがって、本明細書の化合物は、ATMキナーゼを阻害するだけでなく、ATMキナーゼの高度に選択的な阻害剤であるとみなすことができる。
その高度に選択的な性質の結果として、本明細書の化合物は、ATMキナーゼが関与する(例えば、癌の治療における)疾患の治療に特に有用であることが期待されるが、ここでは、クラスPI3−キナーゼα、mTORキナーゼ、及びATRキナーゼなどの他のチロシンキナーゼ酵素の阻害が原因で生じる可能性があるオフターゲット効果又は毒性を最小限にすることが望ましい。
医療用化合物は、許容されるレベルで患者に投与されることを可能にする薬物動態特性を有することが望ましい。劣った薬物動態特性は、薬物候補が臨床開発で失敗する原因である可能性がある。劣った薬物動態特性の例は、薬物が体から急速に排除されることを引き起こし、したがって、その治療効果を低下させる可能性がある、急速な代謝である。より高頻度又は高濃度の薬物投与によって、急速な薬物クリアランスに打ち勝つことが可能であるかもしれないが、こうした手法は、患者の服薬遵守を低下させる、及び/又は患者を副作用増加のリスクにさらす可能性がある。急速な代謝の問題に対処する別の手法は、薬物分子中の1つ又は複数の炭素結合水素原子を重水素と置換することである(非特許文献6)。重水素は、水素と比較してより強い、炭素との結合を形成し、場合によっては、その結合安定性の増大が、例えば、その代謝のある種の経路を遅らせることによって、薬物の薬物動態特性に影響を与えることができる。薬物分子中の1つ又は複数の炭素結合水素原子の、重水素との置換は、無視できる立体効果を与えるので、重水素による水素の置き換えは、その非重水素化等価物と比較した場合の薬物の生物学的活性に影響を与えることは予想されなかったであろう。しかし、ごくわずかの割合の重水素化薬物しか、これまでに承認されておらず、薬物の薬物動態特性に対する重水素修飾の影響は、重水素原子が代謝の公知の部位で組み込まれた場合でも、予測可能ではない。
本明細書の化合物は、患者への投与に適したプロファイルを示すであろう薬物動態特性を示すことが予想される。
中国特許第102372711A号明細書 中国特許第102399218A号明細書
Lavin,M.F.;Rev.Mol.Cell Biol.2008,759−769 Cremona et al.,Oncogene 2013,3351−3360 Matsuoka et al.,Science 2007,1160−1166 Kurz and Lees Miller,DNA Repair 2004,889−900 Bakkenist et al.,Nature 2003,499−506 A.B.Foster,Trends in Pharmacological Sciences,1984(5),524−527
同時係属中の出願PCT/EP2016/071782号明細書は、ATMキナーゼの選択的モジュレーターである、置換されたイミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン化合物を記載している;これらのモジュレーターの誘導体を、本明細書で記載する。簡単に言えば、本明細書は、一つには、式(I)の化合物:
(式中、Rは、H又はDである)
又は薬学的に許容し得るその塩を記載する。
本明細書はまた、一つには、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、薬学的に許容し得る少なくとも1種の賦形剤とを含む医薬組成物を記載する。
本明細書はまた、一つには、治療法における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩を記載する。
本明細書はまた、一つには、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩を記載する。
本明細書はまた、一つには、癌の治療のための医薬品の製造における、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩の使用を記載する。
本明細書はまた、一つには、こうした治療を必要とする温血動物における癌を治療するための方法であって、治療有効量の式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩を、前記温血動物に投与することを含む方法を記載する。
本発明の多くの実施態様は、本明細書全体を通して詳述され、当業者に明らかであろう。本発明は、そのいずれかの特定の実施態様に限定されると解釈されるべきではない。
第1の実施態様では、式(I)の化合物:
(式中、Rは、H又はDである)
又は薬学的に許容し得るその塩が提供される。
「ヒドロ(hydro)」又は「H」基は、水素原子と等価である。ヒドロ基が付着している原子は、置換されていないとみなすことができる。
本明細書に記載した式(I)の化合物において、特に「D」又は「重水素」と指定された位置は、0.015%である重水素の天然の存在量よりも少なくとも3000倍多い存在量の重水素(すなわち、重水素の少なくとも45%の取り込み)を有することが理解されよう。他の実施態様では、式(I)の化合物は、少なくとも3500(それぞれの指定された重水素原子での52.5%の重水素取り込み)、少なくとも4000(60%の重水素取り込み)、少なくとも4500(67.5%の重水素取り込み)、少なくとも5000(75%の重水素)、少なくとも5500(82.5%の取り込み)、少なくとも6000(90%の重水素取り込み)、少なくとも6333.3(95%の重水素取り込み)、少なくとも6466.7(97%の重水素取り込み)、少なくとも6600(99%の重水素取り込み)、又は少なくとも6633.3(99.5%の重水素取り込み)の、それぞれの指定された重水素原子についての同位体濃縮係数を有する。例えば、式(I)の化合物は、少なくとも6466.7(97%の重水素取り込み)の、それぞれの指定された重水素原子についての同位体濃縮係数を有することができる。重水素取り込みは、H NMR分光法などの当技術分野で公知の技術によって測定することができる。
用語「薬学的に許容し得る」は、ある物体(例えば、塩、剤形、又は賦形剤が、患者における使用に適していることを明記するために使用される。薬学的に許容し得る塩の例示的リストは、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,P.H.Stahl and C.G.Wermuth,editors,Weinheim/Zuerich:Wiley−VCH/VHCA,2002において参照することができる。式(I)の化合物の適切な薬学的に許容し得る塩は、例えば、酸付加塩である。式(I)の化合物の酸付加塩は、該化合物を、当業者に公知の条件下で、適切な無機又は有機酸と接触させることによって形成することができる。酸付加塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、及びリン酸からなる群から選択される無機酸を使用して形成することができる。酸付加塩はまた、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸、安息香酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、及びパラ−トルエンスルホン酸からなる群から選択される有機酸を使用して形成することができる。
したがって、一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供され、ここでは、該薬学的に許容し得る塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸、安息香酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、又はパラ−トルエンスルホン酸塩である。一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供され、ここでは、該薬学的に許容し得る塩は、メタンスルホン酸塩である。一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供され、ここでは、該薬学的に許容し得る塩は、モノ−メタンスルホン酸塩、すなわち、式(I)の化合物−対−メタンスルホン酸の、化合物の化学量論は、1:1である。
一実施態様では、4,6−ジジュウテロ(Dideutero)−7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−8−[6−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]−3−ピリジル]イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン、又は薬学的に許容し得るその塩が提供される。
一実施態様では、4,6−ジジュウテロ−7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−8−[6−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]−3−ピリジル]イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンが提供される。
一実施態様では、4,6−ジジュウテロ−7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−8−[6−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]−3−ピリジル]イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンの薬学的に許容し得る塩が提供される。
一実施態様では、4−ジュウテロ(Deutero)−7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−8−[6−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]−3−ピリジル]イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン、又は薬学的に許容し得るその塩が提供される。
一実施態様では、4−ジュウテロ−7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−8−[6−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]−3−ピリジル]イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンが提供される。
一実施態様では、4−ジュウテロ−7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−8−[6−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]−3−ピリジル]イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンの薬学的に許容し得る塩が提供される。
本明細書に記載する化合物及び塩は、溶媒和形態及び非溶媒和形態で存在することができる。例えば、溶媒和形態は、水和形態、例えば、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、又はその代替数量の水和物であり得る。本発明は、すべてのこうした溶媒和及び非溶媒和形態の式(I)の化合物を、特にこうした形態が、例えば本明細書に記載する試験を使用して測定された場合に、ATMキナーゼ阻害活性を有する限りは包含する。
本明細書に記載する化合物及び塩の原子は、その同位体として存在することができる。本発明は、ある原子が1以上のその同位体によって置き換えられたすべての式(I)の化合物(例えば、1以上の炭素原子が11C若しくは13C炭素同位体である、又は、1以上の水素原子がH若しくはH同位体である、式(I)の化合物)を包含する。
本明細書に記載する化合物及び塩は、互変異性体の混合物として存在することができる。「互変異性体」は、水素原子の転位に起因して平衡状態で存在する構造異性体である。本発明は、式(I)の化合物のすべての互変異性体を、特にこうした互変異性体がATMキナーゼ阻害活性を有する限りは含む。
本明細書に記載する化合物及び塩は、結晶性であり得、また、1以上の結晶形を呈することができる。本発明は、ATMキナーゼ阻害活性を有する、あらゆる結晶又は非結晶形態の式(I)の化合物、又はこうした形態の混合物を包含する。
結晶性材料を、X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、フーリエ変換赤外拡散反射分光法(Diffuse Reflectance Infrared Fourier Transform)(DRIFT)分光法、近赤外線(NIR)分光法、溶液及び/又は固体状態の核磁気共鳴分光法などの、従来の技術を使用して特徴付けることができることが、一般に知られている。結晶性材料の含水量は、カールフィッシャー分析によって決定することができる。
そのATMキナーゼ阻害活性の結果として、式(I)の化合物及び薬学的に許容し得るその塩は、治療法において、例えば、癌を含めた、ATMキナーゼによって少なくともある程度介在される疾患又は医学的状態の治療において有用であることが期待される。
「癌」が言及される場合、これには、非転移性癌と転移性癌との両方が含まれ、その結果、癌を治療することは、原発腫瘍と腫瘍転移との両方の治療を含む。
「ATMキナーゼ阻害活性」は、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩の存在に対する直接的又は間接的応答としての、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩の非存在下でのATMキナーゼの活性に対するATMキナーゼの活性の低下を指す。こうした活性の低下は、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、ATMキナーゼとの直接的相互作用が原因、又は、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、ひいてはATMキナーゼ活性に影響を与える1以上の他の因子との相互作用が原因であり得る。例えば、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩は、ATMキナーゼに直接的に結合することによって、又は別の因子にATMキナーゼ活性を(直接的又は間接的に)低下させることによって、又は細胞又は生物内に存在するATMキナーゼの量を(直接的又は間接的に)低下させることによって、ATMキナーゼを低下させることができる。
用語「治療法」は、その症状の1つ、いくつか、又はすべてを完全に又は部分的に緩和するために、又は根底にある病的状態を治す若しくは相殺するために疾患に対処するという、その通常の意味を有するものとする。用語「治療法」には、それに反する特定の指示が存在しない限り、「予防法」も含まれる。用語「治療的」及び「治療的に」は、それに対応する方式で解釈されるべきである。
用語「予防法」は、その通常の意味を有するものとし、疾患の発症を予防するための一次予防法、及び、疾患が既に発症しており、患者が疾患の増悪若しくは悪化又は疾患の新しい症状の発症から一時的又は永続的に保護される二次予防法が含まれる。
用語「治療」は、「治療法」と同義的に使用される。同様に、用語「治療する」は、「治療法を適用すること」(ここでは、「治療法」は、本明細書に定義した通りである)とみなすことができる。
一実施態様では、治療法における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供される。
一実施態様では、医薬品の製造のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩の使用が提供される。
一実施態様では、ATMキナーゼによって介在される疾患の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供される。一実施態様では、ATMキナーゼによって介在される前記疾患は、癌である。一実施態様では、前記癌は、大腸癌、膠芽腫、胃癌、卵巣癌、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、頭頸部扁平上皮癌、乳癌、肝細胞癌、小細胞肺癌、及び非小細胞肺癌からなる群から選択される。一実施態様では、前記癌は、大腸癌、膠芽腫、胃癌、卵巣癌、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、頭頸部扁平上皮癌、及び肺癌からなる群から選択される。一実施態様では、前記癌は、大腸癌である。
一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供される。
一実施態様では、ハンチントン病の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供される。
一実施態様では、神経保護剤としての使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供される。
「神経保護剤」は、神経細胞の構造及び/又は機能の相対的保持を助ける薬剤である。
一実施態様では、ATMキナーゼによって介在される疾患の治療のための医薬品の製造のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩の使用が提供される。一実施態様では、ATMキナーゼによって介在される前記疾患は、癌である。一実施態様では、前記癌は、大腸癌、膠芽腫、胃癌、卵巣癌、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、頭頸部扁平上皮癌、乳癌、肝細胞癌、小細胞肺癌、及び非小細胞肺癌からなる群から選択される。一実施態様では、前記癌は、大腸癌、膠芽腫、胃癌、卵巣癌、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、頭頸部扁平上皮癌、及び肺癌からなる群から選択される。一実施態様では、前記癌は、大腸癌である。
一実施態様では、癌の治療のための医薬品の製造のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩の使用が提供される。
一実施態様では、ハンチントン病の治療のための医薬品の製造のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩の使用が提供される。
一実施態様では、神経保護剤としての使用のための医薬品の製造のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩の使用が提供される。
一実施態様では、こうした治療を必要とする温血動物において、ATMキナーゼの阻害が有益である疾患を治療するための方法であって、治療有効量の式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩を、前記温血動物に投与することを含む方法が提供される。一実施態様では、前記疾患は、癌である。一実施態様では、前記癌は、大腸癌、膠芽腫、胃癌、卵巣癌、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、頭頸部扁平上皮癌、乳癌、肝細胞癌、小細胞肺癌、及び非小細胞肺癌からなる群から選択される。一実施態様では、前記癌は、大腸癌、膠芽腫、胃癌、卵巣癌、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、頭頸部扁平上皮癌、及び肺癌からなる群から選択される。一実施態様では、前記癌は、大腸癌である。
あらゆる実施態様では、ATMキナーゼの阻害が有益である疾患は、ハンチントン病であり得る。
一実施態様では、こうした治療を必要とする温血動物における神経細胞の構造及び/又は機能の相対的保持を助けるための治療の方法であって、治療有効量の式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩を、前記温血動物に投与することを含む方法が提供される。
用語「治療有効量」は、対象において「治療法」を提供する、又は対象における疾患又は障害を「治療する」のに有効である、本明細書の実施態様のいずれかに記載した通りの式(I)の化合物の量を指す。癌の場合では、治療有効量は、上の「治療法」、「治療」、及び「予防法」の定義において記載した通りの、対象における観察可能又は測定可能な変化のいずれかを引き起こすことができる。例えば、有効量は、癌若しくは腫瘍細胞の数を減少させる;癌全体の大きさを低下させる;例えば軟部組織及び骨を含めた末梢器官への腫瘍細胞浸潤を抑制又は停止させる;腫瘍転移を抑制又は停止させる;腫瘍成長を抑制又は停止させる;癌に伴われる1以上の症状をある程度緩和する;罹患率及び死亡率を低下させる;生活の質を向上させることができる;又はこうした効果の組み合わせである。有効量は、ATMキナーゼ活性の阻害に応答して、疾患の症状を軽減するのに十分な量であり得る。癌治療法については、インビボの有効性は、例えば、生存期間、無増悪期間(time to disease progression)(TTP)、奏効率(RR)、奏効期間、及び/又は生活の質を評価することによって測定することができる。当業者によって認識される通り、有効量は、投与経路、賦形剤使用量、及び他の薬剤との同時使用量に応じて変動し得る。例えば、組み合わせ治療法が使用される場合、本明細書に記載する式(I)の化合物又は薬学的に許容し得る塩の量と、医薬として活性な他の薬剤の量は、合わせられた場合に、動物の患者における標的とされる障害を治療するのに協働的に有効である。この状況では、合わせられた量は、これらが、合わせられた場合に、上に記載した通りにATM活性の阻害に応答して疾患の症状を軽減するのに十分であるならば、「治療有効量」である。一般的に、こうした量は、例えば、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩について本明細書に記載する投薬量範囲、及び医薬として活性な他の化合物の認可された又は他に公表された投薬量範囲から開始することによって、当業者によって決定することができる。
「温血動物」には、例えば、ヒトが含まれる。
一実施態様では、こうした治療を必要とする温血動物における癌を治療するための方法であって、治療有効量の式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩を、前記温血動物に投与することを含む方法が提供される。一実施態様では、前記癌は、大腸癌、膠芽腫、胃癌、卵巣癌、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、頭頸部扁平上皮癌、乳癌、肝細胞癌、小細胞肺癌、及び非小細胞肺癌からなる群から選択される。一実施態様では、前記癌は、大腸癌、膠芽腫、胃癌、卵巣癌、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、頭頸部扁平上皮癌、及び肺癌からなる群から選択される。一実施態様では、前記癌は、大腸癌である。
一般的な意味で癌が言及される、あらゆる実施態様では、前記癌は、大腸癌、膠芽腫、胃癌、卵巣癌、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、頭頸部扁平上皮癌、乳癌、肝細胞癌、小細胞肺癌、及び 非小細胞肺癌からなる群から選択され得る。前記癌はまた、大腸癌、膠芽腫、胃癌、卵巣癌、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、頭頸部扁平上皮癌、及び肺癌からなる群から選択され得る。
一般的な意味で癌が言及される、あらゆる実施態様では、次の実施態様を適用することができる:
一実施態様では、癌は、大腸癌である。
一実施態様では、癌は、膠芽腫である。
一実施態様では、癌は、胃癌である。
一実施態様では、癌は、食道癌である。
一実施態様では、癌は、卵巣癌である。
一実施態様では、癌は、子宮内膜癌である。
一実施態様では、癌は、子宮頸癌である。
一実施態様では、癌は、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫である。
一実施態様では、癌は、慢性リンパ性白血病である。
一実施態様では、癌は、急性骨髄性白血病である。
一実施態様では、癌は、頭頸部扁平上皮癌である。
一実施態様では、癌は、乳癌である。一実施態様では、癌は、トリプルネガティブ乳癌である。
「トリプルネガティブ乳癌」は、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、及びHer2/neuに対する遺伝子を発現しない、いずれかの乳癌である。
一実施態様では、癌は、肝細胞癌である。
一実施態様では、癌は、肺癌である。一実施態様では、肺癌は、小細胞肺癌である。一実施態様では、肺癌は、非小細胞肺癌である。
一実施態様では、癌は、転移性癌である。一実施態様では、転移性癌は、中枢神経系の転移を含む。一実施態様では、中枢神経系の転移は、脳転移を含む。一実施態様では、中枢神経系の転移は、軟膜髄膜転移を含む。
「軟膜髄膜転移」は、癌が髄膜、すなわち脳及び脊髄を覆う組織の層に広がる場合に起こる。転移は、血液を通じて髄膜に広がる可能性もあるし、髄膜を流れる脳脊髄液(CSF)によって運ばれる脳転移から移動する可能性もある。一実施態様では、癌は、非転移性癌である。
本明細書に記載する抗癌治療は、単独の治療法として有用であり得るし、式(I)の化合物の投与に加えて、従来の手術、放射線療法、若しくは化学療法;又はこうした追加の治療法の組み合わせを含むこともできる。こうした従来の手術、放射線療法、又は化学療法は、式(I)の化合物での治療と同時に、連続して、又は別に施すことができる。
放射線療法には、1以上の次のカテゴリーの治療法が含まれ得る:
i.電磁放射線を使用する外部放射線療法、及び電磁放射線を使用する術中放射線療法;
ii.内部放射線療法又は密封小線源療法;(組織内放射線療法又は腔内放射線療法が含まれる);又は
iii.全身放射線療法(限定はされないが、ヨウ素131及びストロンチウム89が含まれる)。
したがって、一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、放射線療法が提供される。一実施態様では、癌は、膠芽腫である。一実施態様では、癌は、転移性癌である。一実施態様では、転移性癌は、中枢神経系の転移を含む。一実施態様では、中枢神経系の転移は、脳転移を含む。一実施態様では、中枢神経系の転移は、軟膜髄膜転移を含む。
一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が放射線療法と組み合わせて投与される、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供される。一実施態様では、癌は、膠芽腫である。一実施態様では、癌は、転移性癌である。一実施態様では、転移性癌は、中枢神経系の転移を含む。一実施態様では、中枢神経系の転移は、脳転移を含む。一実施態様では、中枢神経系の転移は、軟膜髄膜転移を含む。
一実施態様では、癌の同時、個別(separate)、又は連続治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、放射線療法が提供される。一実施態様では、癌は、膠芽腫、肺癌(例えば小細胞肺癌又は非小細胞肺癌)、乳癌(例えばトリプルネガティブ乳癌)、頭頸部扁平上皮癌、食道癌、子宮頸癌、及び子宮内膜癌から選択される。一実施態様では、癌は、膠芽腫である。一実施態様では、癌は、転移性癌である。一実施態様では、転移性癌は、中枢神経系の転移を含む。一実施態様では、中枢神経系の転移は、脳転移を含む。一実施態様では、中枢神経系の転移は、軟膜髄膜転移を含む。
一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が、放射線療法と同時に、別に、又は連続して投与される、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供される。一実施態様では、癌は、膠芽腫、肺癌(例えば小細胞肺癌又は非小細胞肺癌)、乳癌(例えばトリプルネガティブ乳癌)、頭頸部扁平上皮癌、食道癌、子宮頸癌、及び子宮内膜癌から選択される。一実施態様では、癌は、膠芽腫である。一実施態様では、癌は、転移性癌である。一実施態様では、転移性癌は、中枢神経系の転移を含む。一実施態様では、中枢神経系の転移は、脳転移を含む。一実施態様では、中枢神経系の転移は、軟膜髄膜転移を含む。
一実施態様では、こうした治療を必要とする温血動物における癌を治療する方法であって、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、放射線療法とを、前記温血動物に施すことを含む方法が提供される。一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、放射線療法は、抗癌効果をもたらすのに協働的に有効である。一実施態様では、癌は、膠芽腫、肺癌(例えば小細胞肺癌又は非小細胞肺癌)、乳癌(例えばトリプルネガティブ乳癌)、頭頸部扁平上皮癌、食道癌、子宮頸癌、及び子宮内膜癌から選択される。一実施態様では、癌は、膠芽腫である。一実施態様では、癌は、転移性癌である。一実施態様では、転移性癌は、中枢神経系の転移を含む。一実施態様では、中枢神経系の転移は、脳転移を含む。一実施態様では、中枢神経系の転移は、軟膜髄膜転移を含む。
一実施態様では、こうした治療を必要とする温血動物における癌を治療する方法であって、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩を、前記温血動物に投与することと、放射線療法を同時に、別に、又は連続して投与することを含む方法が提供される。一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、放射線療法は、抗癌効果をもたらすのに協働的に有効である。一実施態様では、癌は、膠芽腫である。一実施態様では、癌は、転移性癌である。一実施態様では、転移性癌は、中枢神経系の転移を含む。一実施態様では、中枢神経系の転移は、脳転移を含む。一実施態様では、中枢神経系の転移は、軟膜髄膜転移を含む。
あらゆる実施態様では、放射線療法は、上の項目(i)〜(iii)で列挙した、1以上のカテゴリーの放射線療法からなる群から選択される。
化学療法は、次のカテゴリーの抗腫瘍物質のうちの1つ以上を含むことができる:
i.抗悪性腫瘍薬及びその組み合わせ、例えばDNAアルキル化剤(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード(イホスファミド、ベンダムスチン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファンのような)、テモゾラミド(temozolamide)、及びニトロソウレア(カルムスチンのような));代謝拮抗剤(例えば、ゲムシタビン及び葉酸代謝拮抗剤、例えばフルオロピリミジン(5−フルオロウラシル及びテガフールのような)、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、及びヒドロキシ尿素);抗腫瘍抗生物質(例えば、アントラサイクリン(アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、リポソームドキソルビシン、ピラルビシン、ダウノマイシン、バルルビシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン、アムルビシン、及びミスラマイシンのような));有糸分裂阻害剤(例えば、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、及びビノレルビンのような)、並びにタキソイド(タキソール及びタキソテールのような)、並びにポロキナーゼ(polokinase)阻害剤);並びにトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エピポドフィロトキシン(エトポシド及びテニポシドのような)、アムサクリン、イリノテカン、トポテカン、及びカンプトテシン);DNA修復機構の阻害剤、例えばCHKキナーゼ;DNA依存性プロテインキナーゼ阻害剤;ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼの阻害剤(オラパリブを含めたPARP阻害剤);並びにHsp90阻害剤、例えばタネスピマイシン及びレタスピマイシン、ATRキナーゼの阻害剤(AZD6738など);並びにWEE1キナーゼの阻害剤(AZD1775/MK−1775など);
ii.抗血管新生薬、例えば血管内皮増殖因子の効果を抑制するもの、例えば抗−血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ、及び例えばVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、例えばバンデタニブ(ZD6474)、ソラフェニブ、バタラニブ(PTK787)、スニチニブ(SU11248)、アキシチニブ(AG−013736)、パゾパニブ(GW 786034)、及びセジラニブ(AZD2171);国際特許出願・国際公開第97/22596号パンフレット、同第97/30035号パンフレット、同第97/32856号パンフレット、及び同第98/13354号パンフレットに開示されているものなどの化合物;並びに他の機構によって働く化合物(例えばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能の阻害剤、及びアンジオスタチン)、又はアンジオポエチン及びその受容体(Tie−1及びTie−2)の阻害剤、PLGFの阻害剤、δ様リガンド(delta−like ligand)(DLL−4)の阻害剤;
iii.免疫療法手法(例えば、患者腫瘍細胞の免疫原性を増大させるためのエクスビボ及びインビボ手法が含まれる)、例えばインターロイキン2、インターロイキン4、又は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインでの遺伝子導入;T細胞アネルギー又は制御性T細胞機能を低下させるための手法;腫瘍に対するT細胞応答を増強する手法、例えば、CTLA4(例えばイピリムマブ及びトレメリムマブ)、B7H1、PD−1(例えばBMS−936558又はAMP−514)、PD−L1(例えばMEDI4736)に対するブロッキング抗体、及びCD137に対するアゴニスト抗体;サイトカイン導入樹状細胞などの、遺伝子導入された免疫細胞を使用する手法;サイトカイン導入腫瘍細胞株を使用する手法、腫瘍関連抗原に対する抗体、標的細胞型を除去する抗体(例えば、非結合抗CD20抗体、例えばリツキシマブ、放射標識された抗CD20抗体ベキサール及びゼヴァリン、及び抗CD54抗体キャンパス)を使用する手法;抗イディオタイプ抗体を使用する手法;ナチュラルキラー細胞機能を増強する手法;及び抗体−毒素複合体を利用する手法(例えば抗CD33抗体マイロターグ);モキセツムマブシュードトクス(moxetumumab pasudotox)などの免疫毒素;toll様受容体7又はtoll様受容体9のアゴニスト;
iv.ロイコボリンなどの有効性増強剤。
したがって、一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、少なくとも1種の追加の抗腫瘍物質が提供される。一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が、追加の抗腫瘍物質と組み合わせて投与される、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供される。一実施態様では、1種の追加の抗腫瘍物質が存在する。一実施態様では、2種の追加の抗腫瘍物質が存在する。一実施態様では、3種以上の追加の抗腫瘍物質が存在する。
一実施態様では、癌の同時、個別、又は連続治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、少なくとも1種の追加の抗腫瘍物質が提供される。一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が、追加の抗腫瘍物質と同時に、別に、又は連続して投与される、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供される。
一実施態様では、こうした治療を必要とする温血動物における癌を治療する方法であって、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、追加の抗腫瘍物質とを、前記温血動物に投与すること(ここでは、一定量の式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、追加の抗腫瘍物質は、抗癌効果をもたらすのに協働的に有効である)を含む方法が提供される。
一実施態様では、こうした治療を必要とする温血動物における癌を治療する方法であって、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩を、前記温血動物に投与することと、少なくとも1種の追加の抗腫瘍物質を前記温血動物に同時に、別に、又は連続して投与することと(ここでは、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、追加の抗腫瘍物質は、抗癌効果をもたらすのに協働的に有効である)を含む方法が提供される。
あらゆる実施態様では、追加の抗腫瘍物質は、上の項目(i)〜(iv)で列挙した、1以上の抗腫瘍物質からなる群から選択される。
一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、少なくとも1種の抗悪性腫瘍薬が提供される。一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が、少なくとも1種の抗悪性腫瘍薬と組み合わせて投与される、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供される。一実施態様では、抗悪性腫瘍薬は、上の項目(i)内の抗悪性腫瘍薬のリストから選択される。
一実施態様では、癌の同時、個別、又は連続治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、少なくとも1種の抗悪性腫瘍薬が提供される。一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が、少なくとも1種の抗悪性腫瘍薬と同時に、別に、又は連続して投与される、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供される。一実施態様では、抗悪性腫瘍薬は、上の項目(i)内の抗悪性腫瘍薬のリストから選択される。
一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、バルルビシン、イダルビシン、ドキソルビシン、ピラルビシン、イリノテカン、トポテカン、アムルビシン、エピルビシン、エトポシド、マイトマイシン、ベンダムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、カルムスチン、メルファラン、ブレオマイシン、オラパリブ、MEDI4736、AZD1775、及びAZD6738からなる群から選択される少なくとも1種の追加の抗腫瘍物質が提供される。
一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ドキソルビシン、ピラルビシン、イリノテカン、トポテカン、アムルビシン、エピルビシン、エトポシド、マイトマイシン、ベンダムスチンベンダムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、カルムスチン、メルファラン、ブレオマイシン、オラパリブ、AZD1775、及びAZD6738からなる群から選択される少なくとも1種の追加の抗腫瘍物質が提供される。
一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供され、ここでは、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩は、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、バルルビシン、イダルビシン、ドキソルビシン、ピラルビシン、イリノテカン、トポテカン、アムルビシン、エピルビシン、エトポシド、マイトマイシン、ベンダムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、カルムスチン、メルファラン、ブレオマイシン、オラパリブ、MEDI4736、AZD1775、及びAZD6738からなる群から選択される少なくとも1種の追加の抗腫瘍物質と組み合わせて投与される。
一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、ドキソルビシン、イリノテカン、トポテカン、エトポシド、マイトマイシン、ベンダムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、カルムスチン、メルファラン、ブレオマイシン、及びオラパリブからなる群から選択される少なくとも1種の追加の抗腫瘍物質が提供される。
一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供され、ここでは、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩は、ドキソルビシン、イリノテカン、トポテカン、エトポシド、マイトマイシン、ベンダムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、カルムスチン、メルファラン、ブレオマイシン、及びオラパリブからなる群から選択される少なくとも1種の追加の抗腫瘍物質と組み合わせて投与される。
一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、ドキソルビシン、イリノテカン、トポテカン、エトポシド、マイトマイシン、ベンダムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、カルムスチン、メルファラン、及びブレオマイシンからなる群から選択される少なくとも1種の追加の抗腫瘍物質が提供される。
一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供され、ここでは、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩は、ドキソルビシン、イリノテカン、トポテカン、エトポシド、マイトマイシン、ベンダムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、カルムスチン、メルファラン、及びブレオマイシンからなる群から選択される少なくとも1種の追加の抗腫瘍物質と組み合わせて投与される。
一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供され、ここでは、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩は、ドキソルビシン、ピラルビシン、アムルビシン、及びエピルビシンからなる群から選択される少なくとも1種の追加の抗腫瘍物質と組み合わせて投与される。一実施態様では、癌は、急性骨髄性白血病である。一実施態様では、癌は、乳癌(例えばトリプルネガティブ乳癌)である。一実施態様では、癌は、肝細胞癌である。
一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、イリノテカンが提供される。一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供され、ここでは、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩は、イリノテカンと組み合わせて投与される。一実施態様では、癌は、大腸癌である。
一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、FOLFIRIが提供される。一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供され、ここでは、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩は、FOLFIRIと組み合わせて投与される。一実施態様では、癌は、大腸癌である。
FOLFIRIは、ロイコボリンと、5−フルオロウラシルと、イリノテカンとの組み合わせを含む投薬計画である。
一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供され、ここでは、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩は、オラパリブと組み合わせて投与される。一実施態様では、癌は、胃癌である。
一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供され、ここでは、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩は、トポテカンと組み合わせて投与される。一実施態様では、癌は、小細胞肺癌である。一実施態様では、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩が提供され、ここでは、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩は、免疫療法と組み合わせて投与される。一実施態様では、免疫療法は、上の項目(iii)に列挙した1以上の薬剤である。一実施態様では、免疫療法は、抗PD−L1抗体(例えばMEDI4736)である。
さらなる実施態様によれば、以下を含むキットが提供される:
a)第1の単位剤形中の式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩;
b)さらなる単位剤形中のさらなる追加の抗腫瘍物質;
c)前記第1の単位剤形及びさらなる単位剤形を含有するための容器手段;及び任意選択で
d)使用のための説明書。一実施態様では、抗腫瘍物質は、抗悪性腫瘍薬を含む。
抗悪性腫瘍薬が言及される、あらゆる実施態様では、抗悪性腫瘍薬は、上の項目(i)で列挙した1以上の薬剤である。
式(I)の化合物及び薬学的に許容し得るその塩は、薬学的に許容し得る1以上の賦形剤を含む医薬組成物として投与することができる。
したがって、一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、薬学的に許容し得る少なくとも1種の賦形剤とを含む医薬組成物が提供される。
ある特定の組成物への包含のために選択される賦形剤は、投与の様式及び提供される組成物の形態などの因子に依存することとなる。薬学的に許容し得る適切な賦形剤は、当業者に周知であり、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients,Sixth edition,Pharmaceutical Press,edited by Rowe,Ray C;Sheskey,Paul J;Quinn,Marianに記載されている。薬学的に許容し得る賦形剤は、例えば、アジュバント、希釈剤、担体、安定剤、着香料、着色料、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤(glidant)、増粘剤、及びコーティング剤として機能することができる。当業者は、薬学的に許容し得るある種の賦形剤が、どれほど多くの賦形剤が組成物中に存在するか、また、他のどの賦形剤が組成物中に存在するかに応じて、2以上の機能を果たすことができる、また、他の機能を果たすことができることを認識しているであろう。
該医薬組成物は、経口使用のために(例えば、錠剤、ロゼンジ、ハード若しくはソフトカプセル、水性若しくは油性の懸濁剤、乳剤、分散性の散剤又は顆粒剤、シロップ又はエリキシルとして)、局所使用のために(例えば、クリーム、軟膏、ゲル、又は水性若しくは油性の液剤又は懸濁剤として)、吸入による投与のために(例えば微粉化された粉末又は液体エアロゾルとして)、吸入による投与のために(例えば微粉化された粉末として)、又は非経口投与のために(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、又は筋肉内投薬のための、無菌の水性若しくは油性の溶液として)、又は直腸内投薬のための座剤として、適した形態であり得る。該組成物は、当技術分野で周知の従来の手順によって得ることができる。経口使用を目的とする組成物は、追加の成分、例えば、1以上の着色剤、甘味料、着香剤、及び/又は保存剤を含有することができる。
式(I)の化合物は、通常、2.5〜5000mg/m(動物の体面積)、又は約0.05〜100mg/kgの範囲内の単位用量として、温血動物に投与されることとなり、これは、通常、治療有効用量を提供する。錠剤又はカプセル剤などの単位剤形は、通常、例えば0.1〜250mgの活性成分を含有することとなる。1日量は、必然的に、治療される受容者、個々の投与経路、同時に施されるいずれかの治療法、及び治療される病気の重症度に応じて変動することとなる。したがって、いずれかの特定の患者を治療している医師は、最適投薬量を決定することができる。
本明細書に記載する医薬組成物は、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩を含み、したがって、治療法において有用であることが期待される。
したがって、一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、薬学的に許容し得る少なくとも1種の賦形剤とを含む、治療法における使用のための医薬組成物が提供される。
一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、薬学的に許容し得る少なくとも1種の賦形剤とを含む、ATMキナーゼの阻害が有益である疾患の治療における使用のための医薬組成物が提供される。
一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、薬学的に許容し得る少なくとも1種の賦形剤とを含む、癌の治療における使用のための医薬組成物が提供される。
一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、薬学的に許容し得る少なくとも1種の賦形剤とを含む、ATMキナーゼの阻害が有益である癌の治療における使用のための医薬組成物が提供される。
一実施態様では、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、薬学的に許容し得る少なくとも1種の賦形剤とを含む、大腸癌、膠芽腫、胃癌、卵巣癌、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、頭頸部扁平上皮癌、乳癌、肝細胞癌、小細胞肺癌、又は非小細胞肺癌の治療における使用のための医薬組成物が提供される。
本発明の種々の実施態様を、以下の実施例によって例示する。本発明は、実施例に限定されると解釈されるべきではない。実施例の調製中、一般に:
i.操作は、他に記述がない限り、周囲温度で、すなわち約17から30℃の範囲内で、かつ、窒素などの不活性気体の雰囲気中で実施し;
ii.蒸発は、真空中で、回転蒸発によって又はGenevac装置を利用して実施し、濾過による残留固体の除去後に精製手順を実施し;
iii.フラッシュクロマトグラフィー精製は、充填されたMerck順相Si60シリカカートリッジ(粒度分布:15〜40又は40〜63μm)(Merck,Darmstad,Germanyから入手)、silicycleシリカカートリッジ、又はgraceresolvシリカカートリッジを使用して、自動Armen Glider Flash:Spot II Ultimate(Armen Instrument,Saint−Ave,France)又は自動Presearch combiflash companionで実施し;
iv.分取クロマトグラフィーは、溶出剤として、水(1%アンモニアを含有)とアセトニトリルとの漸減的極性混合物、又は水(0.1%ギ酸を含有)とアセトニトリルとの漸減的極性混合物を使用して、ZMD又はZQ ESCi質量分析計及びWaters X−Terra又はWaters X−Bridge又はWaters SunFire逆相カラム(C−18、5ミクロンのシリカ、直径19mm又は50mm、長さ100mm、40mL/分の流速)を備え付けた、Waters装置(600/2700又は2525)で実施し;
v.収率は、存在する場合、必ずしも、達成可能な最大値ではなく;
vi.式(I)の最終生成物の構造は、核磁気共鳴(NMR)分光法によって確認され、NMR化学シフト値は、δスケールで測定した。プロトン磁気共鳴スペクトルは、Bruker advance 700(700MHz)、Bruker Avance 500(500MHz)、Bruker 400(400MHz)、又はBruker 300(300MHz)装置を使用して決定し;19F NMRは、282MHz又は376MHzで決定し;13C NMRは、75MHz又は100MHzで決定し;測定は、他に指定がない限り、およそ20〜30℃で行い;次の略語を使用し:s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線;dd、二重線の二重線;ddd、二重線の二重線の二重線;dt、三重線の二重線;bs、広域シグナル(broad signal);
vii.式(I)の最終生成物はまた、液体クロマトグラフィー(LCMS)後の質量分析によって特徴付け;LCMSは、95%A+5%Cから95%B+5%Cの溶媒系(ここでは、A=水、B=メタノール、C=1:1メタノール:水(0.2%炭酸アンモニウムを含有)である)を4分にわたって使用して、2.4mL/分の流速で、Waters ZQ ESCi又はZMD ESCi質量分析計及びX Bridge 5μm C−18カラム(2.1×50mm)を備え付けたWaters Alliance HT(2790&2795)を使用して;又は、95%D+5%Eから95%E+5%Dの溶媒系(ここでは、D=水(0.05% TFAを含有)、E=アセトニトリル(0.05% TFAを含有)である)(酸性条件)を4分にわたって、又は90%F+10%Gから95%G+5%Fの溶媒系(ここでは、F=水(6.5mM炭酸水素アンモニウムを含有、かつアンモニアの添加によりpH10に調整)、G=アセトニトリルである)(塩基性条件)を4分にわたって使用して、Phenomenex Gemini−NX C18 3.0×50mm、3.0μMカラム又は等価物(塩基性条件)又はShim pack XR−ODS 3.0×50mm、2.2μMカラム又はWaters BEH C18 2.1×50mm、1.7μMカラム又は等価物を備え付けた、DAD検出器、ELSD検出器、及び2020EV質量分析計(又は等価物)を連結したShimadzu UFLC又はUHPLCを使用することによって実施し;
viii.中間体は、概して、十分には特徴付けせず、純度を、薄層クロマトグラフィー、質量スペクトル、HPLC、及び/又はNMR分析によって評価し;
ix.X線粉末回折スペクトルは、結晶性材料の試料をBrukerシリコン単結晶(SSC)ウェーハ台に乗せ、スライドガラスを用いて試料を薄層に広げることによって(Bruker D4 Analytical装置を使用して)決定した。この試料を、(計数統計を向上させるために)30回転/分で回転させ、1.5418オングストロームの波長をもつ、40kV及び40mAで作動させた銅のロングファインフォーカス管によって生じたX線を照射した。平行にされたX線源を、V20に設定した自動可変拡散スリットに通過させ、反射した放射線を、5.89mm散乱防止スリットと9.55mm検出器スリットを通過するように方向付けた。試料を、シータ−シータモードで2度から40度2シータの範囲にわたって、0.00570° 2シータ増分につき0.03秒間(連続スキャンモード)、曝露させた。実行時間は、3分と36秒であった。この装置には、位置敏感型検出器(Lynxeye)を備え付けた。制御及びデータ取り込みは、Diffrac+ソフトウェアと共に動作させるDell Optiplex 686 NT 4.0 Workstationを用いた;
x.示差走査熱量測定は、TA Instruments Q1000 DSCで実施した。典型的には、蓋を備え付けた標準のアルミニウムパンに含有されている5mg未満の材料を、10℃/分の一定の加熱速度で、25℃から300℃の温度範囲にわたって加熱した。窒素を使用するパージ気体を、流速50ml/分で使用した。
xi.次の略語が使用されており:h=時間;r.t.=室温(約18〜25℃);conc.=濃縮された;FCC=シリカを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィー;DCM=ジクロロメタン;DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン;DMA=N,N−ジメチルアセトアミド;DMF=N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO=ジメチルスルホキシド;Et2O=ジエチルエーテル;EtOAc=酢酸エチル;EtOH=エタノール;K2CO3=炭酸カリウム;MeOH=メタノール;MeCN=アセトニトリル;MTBE=メチルtertブチルエーテル;MgSO4=無水硫酸マグネシウム;Na2SO4=無水硫酸ナトリウム;THF=テトラヒドロフラン;sat.=飽和水溶液;また
xii.IUPAC名は、「Canvas」又は「IBIS」、AstraZeneca所有のプログラムを使用して作成した。導入部に記述した通り、本発明の化合物は、イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン・コアを含む。しかし、ある実施例では、IUPAC名は、コアをイミダゾ[5,4−c]キノリン−2−オンと記載する。イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン・コアとイミダゾ[5,4−c]キノリン−2−オン・コアは、末梢の基により、命名規則は異なるとは言っても、同じものである。
実施例1:4,6−ジジュウテリオ(Dideuterio)−7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−8−[6−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]−3−ピリジル]イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
炭素担持ロジウム(5%)(210mg、0.10mmol)と7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−8−[6−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]−3−ピリジル]イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(200mg、0.42mmol)とを250mL 3つ口フラスコ内の乾燥THF(20mL)に入れた混合物を、排気し、窒素を2回再充填した。このフラスコを排気し、重水素気体(2.26E+04mg、5610.44mmol)雰囲気中に置き、周囲温度及び圧力で、4.5h撹拌し、この期間中に、重水素気体を3回交換した(重水素化率99.8%)。触媒をセライトを通した濾過によって除去し、THFで洗浄した。濾液を真空中で40℃で蒸発させて、油とし、これを凝固させて、オフホワイトの固体(202mg)とした。トルエンを添加し(3mL)、次いで、減圧下で除去した。この固体を、アセトニトリル(3mL)で粉末化し、濾過し、アセトニトリルで洗浄した後に、真空中で40℃で一晩乾燥させて、オフホワイトの固体として所望の材料(85mg、0.177mmol)をもたらした。NMRスペクトル:H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ1.33−1.43(2H,m),1.49(4H,p),1.64(6H,d),1.85−1.98(2H,m),2.34(4H,m),2.39(2H,t),3.50(3H,s),4.36(2H,t),5.28(1H,p),6.98(1H,dd),8.04(1H,dt),8.32(1H,d),8.50(1H,ddd).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=480.
およそδ7.92及びδ8.91でのピークの欠如は、イミダゾ[4,5−c]キノロンコアの4及び6位置での重水素の取り込みを示した。
7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−8−[6−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]−3−ピリジル]イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンの調製を、下に記載する:
7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−8−[6−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]−3−ピリジル]イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
3−(ピペリジン−1−イル)プロパン−1−オール(1.051g、7.34mmol)をTHF(15mL)に入れたものを、水素化ナトリウム(0.587g、14.67mmol)のスラリー(THF(15mL)中)にゆっくりと添加し、この溶液を50℃で40分間撹拌した。7−フルオロ−8−(6−フルオロ−3−ピリジル)−1−イソプロピル−3−メチル−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(2.0g、5.64mmol)の混合物(THF(15mL)中)を添加し、反応物を50℃で6h撹拌し、次いで、室温まで冷却させ、水で急冷した。静置すると、固体の沈殿が認められ、濾過によって収集した。この材料を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(溶出勾配0から10% MeOH(DCM中))によって、次いで、溶出剤として水(0.1% NH3を含有)とMeCNの極性混合物を漸減的に使用する分取HPLC(redisep gold C18カラム、80g)によって精製し、所望の材料をもたらした。生成物を、沸騰しているEtOHから再結晶させて、白色固体として所望の材料をもたらした(1.512g、56.1%)。NMRスペクトル:H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ1.34−1.44(2H,m),1.50(4H,p),1.65(6H,d),1.91(2H,p),2.29−2.37(4H,m),2.39(2H,q),3.51(3H,s),4.37(2H,t),5.29(1H,p),6.99(1H,dd),7.92(1H,d),8.05(1H,dt),8.33(1H,d),8.50(1H,s),8.91(1H,s).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=478.
所望の材料は、次の通りにメタンスルホン酸塩として単離することもできる。メタンスルホン酸(0.026g、0.27mmol)(DCM(0.5mL)中)を、周囲温度で、単離された遊離塩基(127mg、0.27mmol)に添加した。得られた溶液を、周囲温度で15分間撹拌し、次いで、真空中で濃縮し、残渣を真空中で乾燥させて、白色固体として所望のメタンスルホン酸塩をもたらした(336mg、100%)。NMRスペクトル:H NMR(500MHz,CDCl)δ1.78(6H,d),1.86−1.99(4H,m),2.11−2.25(2H,m),2.37−2.48(2H,m),2.6−2.74(2H,m),2.84(3H,s),3.22−3.31(2H,m),3.59(3H,s),3.69(2H,d),4.48−4.56(2H,m),5.17−5.27(1H,m),6.90(1H,dd),7.90(1H,dt),7.96(1H,d),8.23(1H,d),8.39(1H,d),8.76(1H,s),10.75(1H,s).
質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=478.
7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−8−[6−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]−3−ピリジル]イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンは、下に記載する方法を使用して、8−ブロモ−7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンから直接的に調製することもできる。
3−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)プロパン−1−スルホン酸(0.555mg、2.07mmol)を、不活性雰囲気中で、四塩化一パラジウム(IV)二ナトリウム(0.304g、1.03mmol)(水(12mL)中)に添加した。得られた混合物を、周囲温度で10分間撹拌し、次いで、反応混合物を、7−フルオロ−8−(6−フルオロ−3−ピリジル)−1−イソプロピル−3−メチル−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(35.0g、103.50mmol)と、2−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(62.2g、129.37mmol)と、炭酸カリウム(42.9g、310.49mmol)とをジオキサン(450mL)と水(90mL)に入れたものに、不活性雰囲気中で、周囲温度で、一度に添加した。得られた溶液を、80℃で16h撹拌し、反応物を蒸発させた。この未精製材料を、DCM(500mL)に溶解し、ブライン(2×100mL)で洗浄し、有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。この未精製生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(溶出勾配0から10%(0.1%アンモニアをMeOHに入れたもの)(DCM中))によって精製して、茶色の固体として所望の材料をもたらした(40.5g、82%)。この材料を、類似の調製物から得られた材料と合わせ(合計51.3g)、MeCN(100mL)中でスラリー化させた。沈殿を濾過によって収集し、MeCN(100mL)で洗浄し、真空中で乾燥させて、白色固体としての所望の材料とした(32.0g、62.4%)。解析データは、以前に調製された試料からのデータと一致していた。
中間体A1:7−フルオロ−8−(6−フルオロ−3−ピリジル)−1−イソプロピル−3−メチル−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
ジクロロビス(ジ−tert−ブチル(3−スルホプロピル)ホスホニオ)パラデート(II)(0.05M水溶液、11.83mL、0.59mmol)を、8−ブロモ−7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(4.0g、11.83mmol)と、(6−フルオロピリジン−3−イル)ボロン酸(2.0g、14.19mmol)と、2M炭酸カリウム溶液(17.74mL、35.48mmol)(1,4−ジオキサン(50mL)及び水(12.5mL)中)との脱気混合物に添加した。混合物を、窒素でパージし、80℃で1h加熱し、次いで、冷却させ、減圧下で濃縮して、除去した。残りの溶液を、DCM(250mL)で希釈し、水(200mL)で洗浄し、有機層を相分離カートリッジで乾燥させ、蒸発させて、未精製生成物をもたらした。この未精製生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(溶出勾配0から10%MeOH(DCM中))によって精製して、白色固体として所望の材料をもたらした(3.70g、88%)。NMRスペクトル:H NMR(500MHz,CDCl3)δ1.77(6H,dd),3.58(3H,d),5.20(1H,s),7.11(1H,ddd),7.93(1H,d),8.06−8.14(1H,m),8.22(1H,d),8.46−8.51(1H,m),8.72(1H,s).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=355.3.
ジクロロビス(ジ−tert−ブチル(3−スルホプロピル)ホスホニオ)パラデート(II)(0.05M水溶液)は、下に記載する通りに調製することができる:
脱気水(30mL)を、テトラクロロパラジウム(II)酸ナトリウム(0.410g、1.39mmol)及び3−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)プロパン−1−スルホン酸(0.748g、2.79mmol)に、不活性雰囲気中で、周囲温度で添加した。懸濁液を、5分間撹拌し、次いで、固体を濾過によって除去し、廃棄して、赤茶色の溶液として所望の試薬を残した。
中間体A2:8−ブロモ−7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
水酸化ナトリウム(11.29g、282.28mmol)の水(600mL)溶液を、8−ブロモ−7−フルオロ−1−イソプロピル−3H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(61g、188.19mmol)、臭化テトラブチルアンモニウム(6.07g、18.82mmol)、及びヨウ化メチル(23.53mL、376.37mmol)をDCM(1300mL)に入れた撹拌混合物に添加し、混合物を周囲温度で17h撹拌した。同じプロセスを、同一規模で繰り返し、反応混合物を合わせ、濃縮し、MeOH(750mL)で希釈した。沈殿を濾過によって収集し、MeOH(500mL)で洗浄し、固体を真空中で乾燥させて、白色固体として所望の材料をもたらした(108g、85%)。NMRスペクトル:H NMR(400MHz,CDCl3)δ 1.76(6H,d),3.57(3H,s),5.13(1H,t),7.83(1H,d),8.41(1H,d),8.69(1H,s).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=380.
中間体A3:8−ブロモ−7−フルオロ−1−イソプロピル−3H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
トリエチルアミン(164mL、1173.78mmol)を、6−ブロモ−7−フルオロ−4−(イソプロピルアミノ)キノリン−3−カルボン酸(128g、391.26mmol)(DMF(1500mL)中)に、一度に添加し、混合物を、30分間、不活性雰囲気中で、周囲温度で撹拌した。ジフェニルリン酸アジド(101mL、469.51mmol)を添加し、溶液を、周囲温度でさらに30分間、次いで、60℃で3h撹拌した。反応混合物を、氷水に注ぎ、沈殿を濾過によって収集し、水(1L)で洗浄し、真空中で乾燥させて、黄色固体として所望の材料をもたらした(122g、96%)。NMRスペクトル:H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ 1.62(6H,d),5.12−5.19(1H,m),7.92(1H,d),8.57(1H,d),8.68(1H,s),11.58(1H,s).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=324.
中間体A4:6−ブロモ−7−フルオロ−4−(イソプロピルアミノ)キノリン−3−カルボン酸
2N水酸化ナトリウム溶液(833mL、1666.66mmol)を、6−ブロモ−7−フルオロ−4−(イソプロピルアミノ)キノリン−3−カルボン酸エチル(148g、416.66mmol)(THF(1500mL)中)に、15℃で、何度かに分けて添加し、得られた混合物を、60℃で5h撹拌した。反応混合物を濃縮し、水(2L)で希釈し、この混合物を2M塩酸で酸性化した。沈殿を、濾過によって洗浄し、水(1L)で洗浄し、真空中で乾燥させて、白色固体として所望の材料をもたらした(128g、94%)。NMRスペクトル:H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ1.24−1.36(6H,m),4.37(1H,s),7.78(1H,t),8.55(1H,s),8.90(1H,s).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=327.
中間体A5:6−ブロモ−7−フルオロ−4−(イソプロピルアミノ)キノリン−3−カルボン酸エチル
DIPEA(154mL、884.07mmol)を、プロパン−2−アミン(39.2g、663.05mmol)及び6−ブロモ−4−クロロ−7−フルオロキノリン−3−カルボン酸エチル(147g、442.04mmol)(DMA(600mL)中)に、周囲温度で、何度かに分けて添加し、得られた混合物を、100℃で4h撹拌した。反応混合物を、氷水に注ぎ、沈殿を濾過によって収集し、水(1L)で洗浄し、真空中で乾燥させて、薄茶色の固体として所望の材料をもたらした(148g、94%)。NMRスペクトル:H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ1.26−1.33(9H,m),4.17−4.25(1H,m),4.32−4.37(2H,m),7.28(1H,d),8.50(1H,d),8.59(1H,d),8.86(1H,s).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=355.
中間体A6:6−ブロモ−4−クロロ−7−フルオロキノリン−3−カルボン酸エチル
DMF(0.535mL、6.91mmol)を、不活性雰囲気中で、10℃で、6−ブロモ−7−フルオロ−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸エチル(200g、460.56mmol)(塩化チオニル(600mL)中)に添加し、得られた混合物を、70℃で3h撹拌した。混合物を、蒸発乾固させて、残渣をトルエン(300mL)と共沸させて、未精製生成物をもたらした。未精製生成物を、ヘキサンからの結晶化によって精製して、白色固体として所望の材料をもたらした(147g、96%)。NMRスペクトル:H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.49(3H,t),4.51−4.56(2H,m),7.91(1H,d),8.71(1H,d),9.26(1H,s).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=334.
中間体A7:6−ブロモ−7−フルオロ−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸エチル
DBU(76mL、506.32mmol)を、不活性雰囲気中で、エチル−2−(5−ブロモ−2,4−ジフルオロ−ベンゾイル)−3−[(4−メトキシフェニル)メチルアミノ]プロパ(prop)−2−エノアート(enoate)(230g、506.32mmol)(アセトン(800mL)中)に、5分かけて10℃でゆっくりと添加し、得られた混合物を、周囲温度で16h撹拌した。沈殿を、濾過によって収集し、Et2O(3×500mL)で洗浄し、真空中で乾燥させて、白色固体として所望の材料をもたらした(166g、75%)。NMRスペクトル:H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ1.29(3H,t),3.72(3H,s),4.22−4.27(21H,m),5.57(2H,s),6.92−6.95(2H,m),7.24(2H,d),7.79(1H,d),8.40(1H,d),8.89(1H,s).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=434.
中間体A8:エチル−2−(5−ブロモ−2,4−ジフルオロ−ベンゾイル)−3−[(4−メトキシフェニル)メチルアミノ]プロパ−2−エノアート
3−(ジメチルアミノ)アクリル酸(E)−エチル(80mL、555.50mmol)を、不活性雰囲気中で、周囲温度で、DIPEA(132mL、757.50mmol)と5−ブロモ−2,4−ジフルオロ−塩化ベンゾイル(129g、505.00mmol)とをトルエン(600mL)に入れた混合物に滴下した。得られた溶液を、70℃で17h撹拌し、次いで冷却させた。(4−メトキシフェニル)メタンアミン(66.0mL、505.29mmol)を、この混合物に、何度かに分けて添加し、反応物を、周囲温度で3h撹拌した。反応混合物を、DCM(2L)で希釈し、水(4×200mL)、飽和ブライン(300mL)で連続的に洗浄し、有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、薄茶色の固体として所望の材料をもたらし(230g、100%)、これを、さらなる精製を行わずに次のステップで使用した。NMRスペクトル:H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.09(3H,t),3.82(3H,s),4.00−4.10(2H,m),4.55(2H,t),6.84−6.96(3H,m),7.20−7.29(2H,m),7.55(1H,d),8.18(1H,t).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=454.
中間体A9:5−ブロモ−2,4−ジフルオロ−塩化ベンゾイル
塩化チオニル(55.4mL、759.50mmol)を、不活性雰囲気中で、DMF(7.84mL、101.27mmol)と5−ブロモ−2,4−ジフルオロ安息香酸(120g、506.33mmol)とをトルエン(600mL)に入れた混合物に、15℃で5分かけて何度かに分けて添加した。得られた混合物を、70℃で4h撹拌し、次いで蒸発乾固させ、残渣を、トルエンと共沸させて、茶色の油として所望の材料をもたらし(129g、100%)、これを、精製せずに次のステップで直接使用した。NMRスペクトル:H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.04−7.09(1H,m),8.34−8.42(1H,m).
中間体A3 8−ブロモ−7−フルオロ−1−イソプロピル−3H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンはまた、下に記載する通りに調製することもできる:
6−ブロモ−7−フルオロ−4−(イソプロピルアミノ)キノリン−3−カルボキサミド(16.6g、50.89mmol)と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(15.22mL、101.79mmol)とをメタノール(200mL)に入れた撹拌懸濁液に、1,3,5−トリクロロ−1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオン(5.91g、25.45mmol)を、5℃で、何度かに分けて添加した。得られた懸濁液を、周囲温度で1h撹拌した。反応物を濾過し、固体を真空オーブン内で2h乾燥させて、淡黄色固体として所望の材料をもたらした(14.18g、86%)。濾液を2日間静置し、次いで濾過した後、追加の材料が得られた。単離された追加の固体を、EtOH(50mL)中で30分間加熱し、次いで、冷却させ、濾過して、白色固体(2.6mg)として追加の所望の材料を提供した。解析データは、先に記載された代替調製物から得られるデータと一致していた。
中間体A10:6−ブロモ−7−フルオロ−4−(イソプロピルアミノ)キノリン−3−カルボキサミド
プロパン−2−アミン(2.80ml、32.62mmol)を、6−ブロモ−4−クロロ−7−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミド(10g、29.65mmol)と炭酸カリウム(8.20g、59.31mmol)とをアセトニトリル(250mL)に入れた懸濁液に添加し、混合物を95℃で4h撹拌した。さらなるプロパン−2−アミン(2mL)を添加し、混合物を95℃でさらに4h、次いで周囲温度で一晩撹拌した。この混合物に水を添加し、固体を濾過によって収集し、真空中で乾燥させて、所望の材料(8.25g、85%)をもたらした。NMRスペクトル:H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ 1.25(6H,d),4.17(1H,d),7.51(1H,s),7.69(1H,d),8.11(2H,s),8.61(1H,s),8.67(1H,d).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=236.
中間体A11:6−ブロモ−4−クロロ−7−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミド
DMF(0.5mL)を、6−ブロモ−7−フルオロ−4−オキソ−1H−キノリン−3−カルボン酸(22.5g、78.66mmol)を塩化チオニル(140g、1179.85mmol)に入れた撹拌懸濁液に添加し、混合物を2h加熱還流した。反応物を、冷却させ、真空中で濃縮し、残渣をトルエンと2回共沸させて、黄色固体をもたらした。この固体を、水酸化アンモニウム(147mL、1179.85mmol)の溶液に、0℃で何度かに分けて添加した。白色懸濁液を、15分間撹拌し、次いで、固体を濾過し、水で洗浄し、真空中で乾燥させて、白色粉末として所望の材料をもたらした(23.80g、100%)。NMRスペクトル:H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ8.92(1H,s),8.59(1H,d),8.21(1H,s),8.09(1H,d),7.98(1H,s).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=304.8.
中間体A12:6−ブロモ−7−フルオロ−4−オキソ−1H−キノリン−3−カルボン酸
水酸化ナトリウム(18.34g、458.44mmol)の水(100mL)溶液を、6−ブロモ−7−フルオロ−4−オキソ−1H−キノリン−3−カルボン酸エチル(28.8g、91.69mmol)をEtOH(500mL)に入れた撹拌懸濁液に、周囲温度で添加した。次いで、反応混合物を、75℃で2h撹拌し、冷却させ、pHを、2N塩酸を使用して4に調整した。沈殿を、濾過によって収集し、水で洗浄し、真空中で乾燥させて、白色粉末として所望の材料をもたらした(23.30g、89%)。NMRスペクトル:H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ14.78(1H,s),13.45(1H,s),8.93(1H,s),8.46(1H,d),7.70(1H,d).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=287.8.
中間体A13:6−ブロモ−7−フルオロ−4−オキソ−1H−キノリン−3−カルボン酸エチル
2−[(4−ブロモ−3−フルオロ−アニリノ)メチレン]プロパン二酸ジエチル(90g、249.88mmol)をジフェニルエーテル(600mL、3.79mol)に入れた溶液を、240℃で2.5h撹拌した。混合物を70℃に冷却させ、固体を濾過によって収集し、真空オーブン内で乾燥させて、白色固体として所望の材料をもたらし(50g、64%)、これを、さらなる精製を行わずに使用した。NMRスペクトル:H NMR(500MHz,DMSO−d6,(100℃))δ1.26−1.33(3H,m),4.25(2H,q),7.52(1H,d),8.37(1H,d),8.48(1H,s),12.05(1H,s).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=314.
中間体A14:2−[(4−ブロモ−3−フルオロ−アニリノ)メチレン]プロパン二酸ジエチル
4−ブロモ−3−フルオロアニリン(56.6g、297.87mmol)と2−(エトキシメチリデン)プロパン二酸1,3−ジエチル(72.45g、335.06mmol)とをEtOH(560mL)に入れた溶液を、80℃で4h撹拌した。反応混合物を、冷却させ、固体を濾過によって収集し、オーブンで乾燥させて、オフホワイトの固体として所望の材料をもたらし(90g、84%)、これを、さらなる精製を行わずに使用した。NMRスペクトル:H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ1.26(6H,q),4.14(2H,q),4.22(2H,q),7.18−7.25(1H,m),7.57(1H,dd),7.64−7.7(1H,m),8.33(1H,d),10.62(1H,d).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=360.
8−[6−[3−(ジメチルアミノ)プロポキシ]−3−ピリジル]−7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンは、下に記載する方法を使用して、8−ブロモ−7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンから直接的に調製することもできる。
3−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)プロパン−1−スルホン酸(0.467mg、1.77mmol)を、不活性雰囲気中で、四塩化一パラジウム(IV)二ナトリウム(0.261g、0.89mmol)(水(50mL)中)に添加した。得られた混合物を、周囲温度で20分間撹拌し、次いで、反応混合物を、8−ブロモ−7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンと、N,N−ジメチル−3−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]オキシプロパン−1−アミン(42.4g、110.89mmol)と、炭酸カリウム(36.8g、266.13mmol)とをジオキサン(500mL)と水(100mL)に入れたものに、不活性雰囲気中で、周囲温度で、一度に添加した。得られた溶液を、80℃で2h撹拌した。反応溶液を、真空中で濃縮し、DCMで希釈した。有機相を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、未精製生成物をもたらした。この未精製物を、シリカ(溶出勾配0から2%MeOH(7MNHをMeOHに入れたもの)(DCM中))によって精製して、固体をもたらし、これを、MeCNで粉末化して、黄色固体として所望の材料をもたらした(25.00g、64.4%)。この純粋な材料を、類似の様式で調製した追加の材料と合わせ(合計38.6g)、MeCN(100mL)中で10分間加熱し、次いで、0℃に冷却させ、2h撹拌した。固体を真空中で濾過し、真空オーブン内で16h乾燥させて、淡黄色の結晶性固体(35.5g)として所望の材料をもたらした。解析データは、以前に調製された材料からのデータと一致していた。
中間体B1:2−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン
n−ブチルリチウム(139mL、347.59mmol)を、5−ブロモ−2−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]ピリジン(80g、267.37mmol)と2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(64.7g、347.59mmol)とをTHF(400mL)に入れたものに滴下し、不活性雰囲気中で10分かけて、−78℃に冷却した。得られた混合物を、周囲温度まで温め、12h撹拌した。反応混合物を、塩化アンモニウムの飽和水溶液(100mL)で急冷し、この混合物を減圧下で濃縮した。この混合物を、EtOAc(2×500mL)で抽出し、有機層を、飽和ブライン(2×100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、黄色の油として所望の材料をもたらした(92g、99%)。この生成物を、さらなる精製を行わずに、次のステップで直接使用した。NMRスペクトル:H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.34(12H,s),1.60(5H,p),1.93−2.08(3H,m),2.39−2.53(6H,m),4.34(2H,dt),6.67−6.77(1H,m),7.92(1H,dd),8.50−8.56(1H,m).
中間体B2:5−ブロモ−2−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]ピリジン
水素化ナトリウム(20.91g、522.77mmol)を、3−(ピペリジン−1−イル)プロパン−1−オール(35.8g、250.02mmol)(THF(400mL)中)に、不活性雰囲気中で、周囲温度で、何度かに分けて添加した。得られた懸濁液を、50℃で30分間撹拌し、次いで冷却させ、5−ブロモ−2−フルオロピリジン(40.0g、227.29mmol)を添加した。この溶液を50℃で2h撹拌し、次いで冷却させた。この反応を、水素化ナトリウム(5.23g、130.69mmol)、3−(ピペリジン−1−イル)プロパン−1−オール(8.95g、62.50mmol)、THF(100mL)、及び5−ブロモ−2−フルオロピリジン(10g、56.82mmol)を使用して、類似の様式で繰り返した。2つの反応混合物を合わせ、氷水(1000mL)に注いだ。溶媒を、減圧下で濃縮し、DCM(3×150mL)で抽出し、有機層を、飽和ブライン(3×150mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、茶色の油として所望の材料をもたらした(96g、113%)。この材料を、さらなる精製を行わずに使用した。NMRスペクトル:H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.43−1.49(2H,m),1.61(5H,p),1.99(2H,dq),2.46(6H,dd),4.31(2H,t),6.65(1H,d),7.64(1H,dd),8.19(1H,d).質量スペクトル:m/z(ES+)[M+H]+=299.
生物アッセイ
本発明の化合物の効果を測定するために、次のアッセイを使用した:a)ATM細胞効力(cellular potency)アッセイ;b)PI3K細胞効力アッセイ;c) mTOR細胞効力アッセイ;d)ATR細胞効力アッセイ。これらのアッセイの説明中、概して:
i.次の略語を使用する:4NQO=4−ニトロキノリンN−オキシド;Ab=抗体;BSA=ウシ血清アルブミン;CO2=二酸化炭素;DMEM=ダルベッコ変法イーグル培地;DMSO=ジメチルスルホキシド;EDTA=エチレンジアミン四酢酸;EGTA=エチレングリコール四酢酸;ELISA=酵素結合免疫吸着検定法;EMEM=イーグル最小必須培地;FBS=ウシ胎児血清;h=時間;HRP=西洋ワサビペルオキシダーゼ;i.p.=腹腔内;PBS=リン酸緩衝生理食塩水;PBST=リン酸緩衝生理食塩水/Tween;TRIS=Tris(ヒドロキシメチル)アミノメタン;MTS試薬:[3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム、分子内塩、及び電子結合試薬(フェナジンメトサルフェート)PMS;s.c.=皮下に。
ii.IC50値は、Genedataのスマートフィッティングモデル(smart fitting model)を使用して算出した。IC50値は、生物活性の50%を抑制する試験化合物の濃度であった。
アッセイa):ATM細胞効力
原理:
細胞照射は、DNA二本鎖切断、及びセリン1981の急速な分子間自己リン酸化を誘発し、これは二量体解離を引き起こし、細胞のATMキナーゼ活性を起動する。細胞内のほとんどのATM分子は、0.5Gyと同程度に低い放射線の照射の後、この部位で迅速にリン酸化され、細胞内のほんのわずかなDNA二本鎖切断の導入後に、リン酸化部位特異的抗体の結合が検出可能となる。
pATMアッセイの原理は、細胞内のATMの阻害剤を特定することである。HT29細胞を、X線照射の前に、試験化合物と共に1時間インキュベートする。1h後、細胞を固定し、pATM(Ser1981)に対して染色する。arrayscanイメージングプラットフォームで蛍光を読み取る。
方法詳細:
HT29細胞(ECACC #85061109)を、1% Lグルタミンと10% FBSを含有する40μl EMEM培地中、3500細胞/ウェルの密度で384ウェルアッセイプレート(Costar #3712)に播種し、一晩接着させた。翌朝、式(I)の化合物(100% DMSO中)を、超音波分注によってアッセイプレートに添加した。37℃及び5% CO2での1hインキュベーション後、プレート(一度に最大6枚まで)を、約600cGy相当を用いるX−RAD 320装置(PXi)を使用して照射した。プレートをさらに1h、インキュベーターに戻した。次いで、細胞を、20μlの3.7%ホルムアルデヒドのPBS溶液を添加し、室温で20分間インキュベートし、その後、Biotek EL405プレートウォッシャーを使用して50μl/ウェルのPBSで洗浄することによって固定した。次いで、20μlの0.1% Triton X100(PBS中)を添加し、室温で20分間インキュベートして、細胞を透過処理した。次いで、プレートを、Biotek EL405プレートウォッシャーを使用して50μl/ウェルのPBSで1回洗浄した。
Phospho−ATM Ser1981抗体(Millipore #MAB3806)を、0.05%ポリソルベート/Tweenと3% BSAを含有するPBSで10000倍希釈し、20μlを各ウェルに添加し、室温で一晩インキュベートした。翌朝、プレートを、Biotek EL405プレートウォッシャーを使用して50μl/ウェルのPBSで3回洗浄し、次いで、0.05%ポリソルベート/Tweenと3% BSAを含有するPBSで500倍希釈したAlexa Fluor(登録商標)488ヤギ抗ウサギIgG(Life Technologies,A11001)及び0.002mg/ml Hoeschst色素(Life technologies #H−3570)を含有する、20μlの二次Ab溶液を添加した。室温での1hインキュベーション後、プレートを、Biotek EL405プレートウォッシャーを使用して50μl/ウェルのPBSで3回洗浄し、プレートを密閉し、読み取りまで、4℃のPBS中で維持した。プレートを、10×対物レンズと共にXF53フィルターを使用するArrayScan VTI装置を使用して読み取った。2種のレーザーの設定を使用して、Hoeschst(405nm)での核染色と、pSer1981(488nm)の二次抗体染色を分析した。
アッセイb):ATR細胞効力
原理:
ATRは、複製が阻止される間、DNA損傷に応答してセリン又はトレオニン残基上の多数の基質をリン酸化する、PI3−キナーゼ関連のキナーゼである。Chk1、すなわちATRの下流プロテインキナーゼは、DNA損傷チェックポイント制御における主要な役割を果たす。Chk1の活性化は、Ser317及びSer345(後者が、ATRによるリン酸化/活性化に対する優先的な標的とみなされる)のリン酸化を含む。これは、式(I)の化合物及びUV模倣体(mimetic)4NQO(Sigma #N8141)での処理後のHT29細胞におけるChk1(Ser 345)のリン酸化の低下を測定することによってATRキナーゼの阻害を測定するための、細胞ベースのアッセイであった。
方法詳細:
HT29細胞(ECACC #85061109)を、1% Lグルタミンと10% FBSを含有する40μl EMEM培地中、6000細胞/ウェルの密度で384ウェルアッセイプレート(Costar #3712)に播種し、一晩接着させた。翌朝、式(I)の化合物(100% DMSO中)を、超音波分注によってアッセイプレートに添加した。37℃及び5% CO2での1hインキュベーション後、40nlの3mM 4NQO(100% DMSO中)を、最小対照ウェル(これは、無応答対照を作製するために、4NQOで処理しないままであった)を除いて、超音波分注によって、すべてのウェルに添加した。プレートをさらに1h、インキュベーターに戻した。次いで、細胞を、20μlの3.7%ホルムアルデヒドのPBS溶液を添加し、室温で20分間インキュベートすることによって固定した。次いで、20μlの0.1% Triton X100(PBS中)を添加し、室温で20分間インキュベートして、細胞を透過処理した。次いで、プレートを、Biotek EL405プレートウォッシャーを使用して50μl/ウェルのPBSで1回洗浄した。
Phospho−Chk1 Ser 345 抗体(Cell Signalling Technology #2348)を、0.05%ポリソルベート/Tweenを含有するPBSで150倍希釈し、15μlを各ウェルに添加し、室温で一晩インキュベートした。翌朝、プレートを、Biotek EL405プレートウォッシャーを使用して50μl/ウェルのPBSで3回洗浄し、次いで、PBSTで500倍希釈したAlexa Fluor(登録商標)488ヤギ抗ウサギIgG(Molecular Probes #A−11008)及び0.002mg/ml Hoeschst色素(Molecular Probes #H−3570)を含有する、20μlの二次Ab溶液を添加した。室温での2hインキュベーション後、プレートを、Biotek EL405プレートウォッシャーを使用して50μl/ウェルのPBSで3回洗浄し、次いでプレートを、読み取りまで、黒色プレートシールで密閉した。プレートを、10×対物レンズと共にXF53フィルターを使用するArrayScan VTI装置を使用して読み取った。2種のレーザーの設定を使用して、Hoeschst(405nm)での核染色と、pChk1(488nm)の二次抗体染色を分析した。
アッセイc):PI3K細胞効力
原理:
このアッセイを使用して、細胞におけるPI3K−α阻害を測定した。PDK1は、PKBの活性化に不可欠である、プロテインキナーゼB(Akt1)の下流活性化ループキナーゼと特定された。脂質キナーゼであるホスホイノシチド3キナーゼ(PI3K)の活性化は、PDK1によるPKBの活性化にとって重要である。
受容体チロシンキナーゼのリガンド刺激後、PI3Kは活性化され、これはPIP2をPIP3に転換させ、これがPDK1のPHドメインに結合され、PDK1の原形質膜への動員がもたらされ、ここでは、これが、活性化ループ内のThr308で、AKTをリン酸化する。
この細胞ベースの作用様式アッセイの目的は、PI3K活性を阻害することによってPDK活性、又はPDK1の膜への動員を阻害する化合物を特定することである。化合物での2hの処理後のBT474c細胞におけるphospho−Akt(T308)のリン酸化は、PDK1の直接的尺度及びPI3K活性の間接的尺度である。
方法詳細:
BT474細胞(ヒト乳管癌、ATCC HTB−20)を、10% FBSと1%グルタミンを含有するDMEM培地中、5600細胞/ウェルの密度で黒色384ウェルプレート(Costar #3712)に播種し、一晩接着させた。
翌朝、化合物(100% DMSO中)を、超音波分注によってアッセイプレートに添加した。37℃及び5% CO2での2hインキュベーション後、培地を吸引し、細胞を、25mM Tris、3mM EDTA、3mM EGTA、50mMフッ化ナトリウム、2mM オルトバナジン酸ナトリウム、0.27Mスクロース、10mM β−グリセロリン酸塩、5mMピロリン酸ナトリウム、0.5% Triton X−100、及びcompleteプロテアーゼ阻害剤カクテル錠(Roche #04 693 116 001、溶解緩衝液50mlにつき1錠使用)を含有する緩衝液で溶解した。
20分後、細胞溶解物を、抗−全AKT抗体(PBS緩衝液中)であらかじめコーティングされたELISAプレート(Greiner # 781077)に移し、非特異的結合を、0.05% Tween20を含有する1% BSA(PBS中)でブロックした。プレートを、4℃で一晩インキュベートした。翌日、プレートを、0.05% Tween20を含有するPBS緩衝液で洗浄し、マウスモノクローナル抗phospho AKT T308と共に、2h、さらにインキュベートした。プレートを、上の通りに再び洗浄し、その後、ウマ抗マウス−HRP結合二次抗体を添加した。室温での2hインキュベーション後、プレートを洗浄し、QuantaBlu基質作業溶液(Thermo Scientific#15169、供給業者の説明書に従って調製)を、各ウェルに添加した。60分後に、生成物の蛍光発生を、ウェルへの停止溶液の添加によって停止させた。325nmの励起波長と420nmの発光波長をそれぞれ使用するTecan Safireプレートリーダーを使用して、プレートを読み取った。指定された場合を除いて、Cell SignallingのPath Scan Phospho AKT(Thr308)サンドイッチELISAキットに含有されている試薬(#7144)を、このELISAアッセイに使用した。
アッセイd):mTOR細胞効力
原理:
このアッセイを使用して、細胞におけるmTOR阻害を測定した。Acumen Explorerを使用する、phospho−AKT細胞ベースの作用機序アッセイの目的は、PI3Kα又はmTOR−Rictor(ラパマイシン非感受性mTORコンパニオン)の阻害剤を特定することである。これは、化合物での処理後のMDA−MB−468細胞におけるSer473でのAktタンパク質のリン酸化(AKTは、シグナル伝達経路において、PI3Kαの下流に位置する)のいずれかの低下によって測定される。
方法詳細:
MDA−MB−468細胞(ヒト乳腺癌#ATCC HTB 132)を、10% FBSと1%グルタミンを含有する40μlのDMEM培地中、1500細胞/ウェルで、Greiner 384ウェル黒色平底プレートに播種した。細胞プレートを、37℃インキュベーター内で18hインキュベートし、その後、超音波分注を使用して、式(I)の化合物(100% DMSO中)を与えた。化合物は、ランダム化されたプレートマップに、12点の濃度範囲で与えた。100% DMSOの添加(最大シグナル)、又はpAKTシグナルを完全に消去する参照化合物(PI3K−β阻害剤)の添加(最小対照)によって、対照ウェルを作製した。次いで、化合物を、2つのアッセイプロトコルA又はBのうちの1つによって試験した:
プロトコルA:
プレートを、37℃で2hインキュベートした;次いで、細胞を、10μlの3.7%ホルムアルデヒド溶液の添加によって固定した。30分後、プレートを、Tecan PW384プレートウォッシャーを使用して、PBSで洗浄した。ウェルをブロックし、0.5% Tween20と1% Marvel(商標)(乾燥粉乳)を含有する40μlのPBSの添加で、細胞を透過処理し、室温で60分間インキュベートした。プレートを、0.5%(v/v)Tween20を含有するPBSで洗浄し、20μlウサギ抗phospho AKT Ser473(Cell Signalling Technologies,#3787)(同じPBS−Tween中)+1% Marvel(商標)を添加し、4℃で一晩インキュベートした。
プレートを、Tecan PW384を使用して、PBS+0.05% Tween20で3回洗浄し、PBSで希釈した20μlの二次抗体Alexa Fluor 488抗ウサギ(Molecular Probes,#A11008)+0.05% Tween20(1% Marvel(商標)を含有)を、各ウェルに添加し、室温で1hインキュベートした。プレートを、前と同様に3回洗浄し、次いで、20μl PBSを各ウェルに添加し、プレートを黒色プレートシーラーで密閉した。
プレートを、可能な限り早く、Acumenプレートリーダーで読み取り、488nmレーザーでの励起後に、緑色蛍光を測定した。このシステムを使用して、IC50値をもたらし、対照ウェルによって、プレートの質を決定した。アッセイ性能を見るために、毎回、参照化合物を利用した。
プロトコルB:
次いで、細胞プレートを37℃で2hインキュベートし、その後、20μl 3.7%ホルムアルデヒド(PBS中)/A(1.2%最終濃度)の添加によって固定し、それに続いて30分の室温インキュベーションを行い、次いで、BioTek ELx406プレートウォッシャーを使用して、150μl PBS/Aで2×洗浄した。細胞を、透過処理し、20μlのアッセイ緩衝液(0.1% Triton X−100(PBS中)/A+1% BSA)で、室温で1hブロックし、次いで、50μl PBS/Aで1×洗浄した。一次phospho−AKT(Ser473) D9E XP(登録商標)ウサギモノクローナル抗体(#4060,Cell Signaling Technology)を、アッセイ緩衝液で1:200希釈し、ウェルあたり20μlを添加し、プレートを4℃で一晩インキュベートした。細胞プレートを200μl PBS/Tで3×洗浄し、次いで、Alexa Fluor(登録商標)488ヤギ抗ウサギIgG二次抗体(#A11008,Molecular Probes,Life Technologies)のアッセイ緩衝液で1:750希釈した20μlを、1:5000希釈のHoechst 33342と共に、ウェルごとに添加した。室温での1hインキュベーション後、プレートを、200μl PBS/Tで3×洗浄し、40μl PBS w/o Ca、Mg、及びNa Bicarb(Gibco #14190−094)をウェルごとに添加した。
染色された細胞プレートを、黒色シールで覆い、次いで、10×対物レンズを用いるCell Insightイメージングプラットフォーム(Thermo Scientific)で読み取った。一次チャネル(Hoechst青色蛍光(blue fluorescence)405nM、BGRFR_386_23)を、Autofocusに対して使用し、事象の数を計数した(これは、試験された化合物の細胞毒性に関する情報を提供する)。二次チャネル(Green 488nM、BGRFR_485_20)は、pAKT染色を測定した。データを分析し、Genedata Screener(登録商標)ソフトウェアを使用してIC50を算出した。
表2は、試験a)、b)、c)、及びd)における実施例を試験した結果を示す。結果は、いくつかの試験の幾何平均であり得る。
表3は、試験a)、b)、c)、及びd)における中国特許第102399218A号明細書(段落0249、0252、及び0102)並びに中国特許第102372711A号明細書(段落0101及び0268)のいくつかの化合物についての比較データを示す。結果は、いくつかの試験の幾何平均であり得る。

Claims (9)

  1. 式(I)の化合物:
    (式中、Rは、H又はDである)又は薬学的に許容し得るその塩。
  2. 4,6−ジジュウテロ−7−フルオロ−1−イソプロピル−3−メチル−8−[6−[3−(1−ピペリジル)プロポキシ]−3−ピリジル]イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン、又は薬学的に許容し得るその塩である、請求項1に記載の式(I)の化合物。
  3. 請求項1又は2に記載の、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩と、薬学的に許容し得る少なくとも1種の賦形剤を含む医薬組成物。
  4. 治療法における使用のための、請求項1又は2に記載の、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩。
  5. 癌の治療における使用のための、請求項1又は2に記載の、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩。
  6. 前記式(I)の化合物が、放射線療法と同時に、別に、又は連続して投与される、請求項5に記載の、癌の治療における使用のための式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩。
  7. 前記式(I)の化合物が、ドキソルビシン、イリノテカン、トポテカン、エトポシド、マイトマイシン、ベンダムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、カルムスチン、メルファラン、及びブレオマイシンからなる群から選択される少なくとも1種の追加の抗腫瘍物質と同時に、別に、又は連続して投与される、請求項5に記載の、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩。
  8. 癌の治療のための医薬品の製造における、請求項1又は2に記載の、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩の使用。
  9. こうした治療を必要とする温血動物における癌を治療するための方法であって、前記温血動物に、請求項1又は2に記載の、治療有効量の式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩を投与することを含む方法。
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