JP2020514278A - Pd−l1発現に基づく腫瘍および免疫細胞イメージング - Google Patents

Pd−l1発現に基づく腫瘍および免疫細胞イメージング Download PDF

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Abstract

本開示の主題は、プログラム死リガンド1(PD?L1)を検出することができる造影剤を含む組成物、キット、および方法を提供する。本開示の造影剤を使用して、被験体におけるがん、感染症、および炎症などの疾患ならびに障害を検出することができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2016年12月23日に出願された米国特許仮出願第62/438,575号、および2017年6月14日に出願された米国特許仮出願第62/519,534の利益を主張する。
連邦政府による資金提供を受けた研究開発
本発明は、国立衛生研究所(NIH)によって授与されたNIH R01CA16631の下で政府支援を受けてなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
分子イメージングは、腫瘍免疫微小環境の状況をレポートし、免疫調節療法の有効性を高めるための免疫療法戦略を導くことができる。免疫調節療法の標的について迅速にレポートすることができる造影剤は少ない。
自分自身の免疫系を抑制してがん細胞を殺す免疫療法は、様々ながんの治療において中心的な役割を果たしている(Topalianら、2016)。著しく改善された治療結果にもかかわらず、多くのがんは免疫調節療法に反応しない。免疫組織化学(IHC)を介して作用する既存のコンパニオン診断は、動的な腫瘍免疫環境のスナップショットのみを提供し、多くの場合、治療応答を正確には予測しない(MansfieldおよびDong、2016)。非侵襲的イメージング技術は、腫瘍生物学の定量的でリアルタイムの評価を提供し、薬物開発を導くことができる(Willmannら、2008)。
陽電子放出断層撮影法(PET)、最も分子的かつ定量的な並進イメージング技術は、所与の患者の全ての病変における全体的な標的発現の反復測定に使用されてきた。エストロゲン受容体(ER)陽性乳がんを検出するための[18F]フルオロエストラジオール(18F-FES)などの分子標的PETトレーサーは、治療に対する応答および無増悪生存期間を予測することができる(Petersonら、2008およびLindenら、2006)。PETトレーサー、ならびに、限定されないが、磁気共鳴イメージング(MRI)、蛍光イメージング、近赤外(NIR)イメージング、光音響イメージング、およびラマンイメージングを含む他のイメージング方法論の造影剤は、免疫調節療法に関連する標的発現の迅速かつリアルタイムの評価を提供することができ、進行中の臨床試験に大きな利益をもたらし得る。
プログラム死リガンド1(PD-L1)は、いくつかのがんで過剰発現される免疫チェックポイントタンパク質であり、腫瘍の免疫抑制に寄与している。腫瘍PD-L1発現は、PD-1およびPD-L1標的療法に対する腫瘍反応を示している。放射性標識抗PD-L1抗体を使用して、ヒト腫瘍異種移植片および同系腫瘍モデルにおいて非侵襲的にPD-L1発現を評価することができることが示されている(Heskampら、2015;Mauteら、2015;Chatterjeeら、2016;Dengら、2016;Hettichら、2016;Josefsonら、2016年)。放射性標識抗体コンジュゲートは、腫瘍特異的タンパク質のイメージングにますます使用されているが、コントラストおよび病変検出を向上させるために、最大で数日に及ぶ長いクリアランス時間が必要とされる(Pandit-Taskarら、2015;Oostingら、2016)。
いくつかの態様では、本開示の主題は、プログラム死リガンド1(PD-L1)に対して結合特異性を有するペプチドとレポーティング部位とのコンジュゲート、および任意にリンカーを含む造影剤であって、リンカーが、存在する場合には、ペプチドとレポーティング部位とを連結し、リンカーが存在しない場合には、レポーティング部位がペプチドのアミノ酸の第一級アミンを介してペプチドに直接結合している造影剤を提供する。他の態様では、レポーティング部位はペプチドに直接組み込まれ、例えば、ここで、レポーティング部位は、放射標識ヨードチロシンまたはフルオロチロシンなどのペプチドの放射標識アミノ酸を含む。
特定の態様では、PD-L1に対して結合特異性を有するペプチドは、PD-L1のアミノ酸Y56、E58、A113、M115、およびY123と相互作用する。
特定の態様では、ペプチドはWL12であり、造影剤は、式(I)、式(II)、および式(III)からなる群より選択される化合物である:

DK-A-221-(L)-Rpt (II);または
DK-A-222-(L)-Rpt (III);
(式中、nは、0および1からなる群より選択される整数である;Lはリンカーである;およびRptはレポーティング部位である;ならびに式中、レポーティング部位またはリンカーは、存在する場合、式(I)、式(II)、または式(III)の造影剤を含むペプチドのアミノ酸の第一級アミン基に結合している)。
特定の態様では、式(I)の化合物はWL12 DOTAである:
他の態様では、本開示の主題は、以下の工程を含む、プログラム死リガンド1(PD-L1)を検出するためのイメージング方法を提供する:(a)プログラム死リガンド1(PD-L1)に対して結合特異性を有するペプチドとレポーティング部位とのコンジュゲート、および任意にリンカーを含む造影剤であって、リンカーが、存在する場合には、ペプチドとレポーティング部位とを連結し、リンカーが存在しない場合には、レポーティング部位がペプチドのアミノ酸の第一級アミンを介してペプチドに直接結合している造影剤の有効量を提供する工程と;(b)1つもしくは複数の細胞または組織を造影剤と接触させる工程と;(c)画像を作成してPD-L1を検出する工程。特定の態様では、造影剤は、式(I)の化合物であるか、またはPD-L1のY56、E58、A113、M115およびY123と相互作用するペプチドである。
特定の態様では、本開示の造影剤を使用して、被験体におけるがん、感染症、および炎症などの疾患ならびに障害を検出することができる。
なおもさらなる態様では、本開示の主題は、プログラム死リガンド1(PD-L1)を検出するためのキットを提供し、キットは、プログラム死リガンド1(PD-L1)に対して結合特異性を有するペプチドとレポーティング部位とのコンジュゲート、および任意にリンカーを含む造影剤であって、リンカーが、存在する場合には、ペプチドとレポーティング部位とを連結し、リンカーが存在しない場合には、レポーティング部位がペプチドのアミノ酸の第一級アミンを介してペプチドに直接結合している造影剤を含む。
本開示の主題の特定の態様は上文に述べられており、本開示の主題によって全体的にまたは部分的に取り上げられるが、本明細書で以下に最も良く説明されるように、添付の実施例および図に関連して説明を進めると、他の態様が明らかになるであろう。
このように本開示の主題を一般的な用語で説明してきたが、ここで添付の図面を参照し、これらは必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない:
PD-L1に結合するWL12を示す図である。図1Aは、WL12およびその類似体の構造図ならびにWL12のアミノ酸配列を示す(WL12アミノ酸配列=シクロ-(-Ac-Tyr-NMeAla-Asn-Pro-His-Leu-Hyp-Trp-Ser-Trp(メチル)-NMeNle-NMeNle-Lys-Cys-)-Gly-NH2)。図1Bは、WL12のPD-L1への予測結合様式を示す。WL12は、PD-L1の溝内にベータシート状構造を形成する。WL12はシアンで示されている。PD-L1の表面図は灰色で、リボンおよび主要側鎖はマゼンタで示している;図1Cは、WL12が、PD-1のPD-L1への結合を模倣することを示す。PD-1の構造は青緑色で示されている。PD-1の2つの主要な相互作用するベータ鎖は、PD-L1に結合したWL12によって採用される立体配座とよく重なる; ペプチドWL12の遠紫外CDスペクトルを示す図である。 WLのエレクトロスプレーイオン化(ESI)質量スペクトルを示す図である;理論化学式:C911282220。実測値m/z:1882.7-(M+1)+1、941.9-(M+2)+2/2。予想値:1882.19; WL12DのRP-HPLC精製を示す図である; PDL1-PDの低分解能質量スペクトルを示す図である;理論化学式:C911282220精密質量:2339.14、分子量:2340.65、実測値m/z:2340.9-(M+1)+1、1171.1-(M+2)+2/2および781.1-(M+2)+3/3; [PDL1-PD-Cu2+]のRP-HPLC精製を示す図である; [PDL1-PD-Cu2+]錯体の低分解能質量スペクトルを示す図である;理論化学式:C1101562629S精密質量:2400.05、分子量:2402.18、実測値m/z:2402.6-(M+1)+1、1201.9-(M+2)+2/2; PD-L1結合ペプチドWL12のin vitroでの特性評価を示す図である;図8Aは、PD-1:PD-L1相互作用を阻害するためのWL12類似体の親和性を実証する競合阻害アッセイを示す;図8Bは、可変PD-L1発現を示すin vitro試験に使用された細胞株のフローサイトメトリーヒストグラムを示す;図8Cは、[64Cu]W12が、過剰のペプチド(PEP)によって遮断され得る高いPD-L1発現を有する細胞への結合の増加を実証することを示す; PD-L1のPD-1への結合の代表的な曲線を示す図である;K=69.66±11.65nM(95%CI 44.82〜94.48nM); WL12D-Cu2+錯体を用いた、PD-L1のPD-1への結合の阻害についての代表的な曲線を示す図である;IC50=2.97nM(95%CI 2.17〜40.5nM)K=1.38nM(95%CI 1.01〜1.89nM); 64Cu]WL12放射性トレーサー(赤)および「非放射性」WL12-Cu2+錯体のRP-HPLCクロマトグラムを示す図である; PDL1-PDと[PDL1-PD-Cu2+]との混合物のRP-HPLCクロマトグラムを示す図である; 取り込みアッセイに使用した様々な細胞株の平均蛍光強度値を示す図である; 細胞株MFI対%IDの相関関係を示す図である; 64Cu]WL12を用いた腫瘍PD-L1発現の迅速なin vivo検出を示す図である;hPD-L1(赤矢印)およびCHO腫瘍(青矢印)を有するNSGマウスに、150μCiの[64Cu]WL12を静脈内投与し、放射性トレーサー注射の10、30、60および120分後に画像を取得した。図15Aは、hPD-L1腫瘍における[64Cu]WL12の特異的蓄積を実証する断面(上)および3Dボリュームレンダリング(下)画像を示す;図15Bは、PD-L1 IHCがhPD-L1腫瘍において強い免疫反応性(茶色)を実証することを示す; NSGマウスのhPD-L1腫瘍における[64Cu]WL12の特異的取り込みを示す図である;hPD-L1およびCHO腫瘍を保有し、トレーサー注射の24時間後に[64Cu]WL12を注射されたNSGマウスの代表的なボリュームレンダリングPET-CT画像。CHO(青矢印)腫瘍と比較してhPD-L1(赤矢印)腫瘍における取り込みの増加は、放射性トレーサーのPD-L1媒介取り込みを確認する; hPD-L1およびCHO腫瘍を有するNSGマウスにおける[64Cu]WL12のex vivo生体内分布分析を示す図である;NSGマウスに20μCiの[64Cu]WL12を静脈内投与し、注射の60および120分後に組織を採取した。ブロッキング試験のために、マウスに放射性トレーサー注射で過剰のペプチド(pep)を投与した; 以下を示す図である:(図18A)W112-IR800CWコンジュゲート(化学式:C1371772434、分子量:2864.34)の構造、(図18B)色素とペプチドとのコンジュゲーションを示すピーク(挿入図)下で記録した、UV-VisスペクトルでのWL12-IR800CWのHPLCクロマトグラム;(図18C)予想分子量と相関する、WL12-IR800CWコンジュゲートのESI-MSスペクトル; CHOおよびhPDL1腫瘍を有するマウスにおけるWL12-IR800CWの評価を示す図である:(図19A)コンジュゲート注射の24時間後に記録した、5nモルのWL12-IR800CWを注射したマウスおよびex vivo臓器の代表的画像、(図19B、ブロッキング)24h piで取得した、25nモルの未修飾WL12および5nモルのWL12-IR800CWを注射したマウスの代表的画像;(図19C)1nモル、3nモル、および5nモルのコンジュゲートで処理し、WL12で遮断したマウスから得た、選択された臓器および腫瘍におけるWL12-IR800CWのex vivo生体内分布の定量(番号は対応する臓器を示す、n=4); ヒトNSCLCおよびTNBC異種移植片における[111In]アテゾリズマブの取り込みが完全には発現依存的ではないことを示す図である。(A)可変PD-L1発現を示す様々なTNBCおよびNSCLC細胞株のフローサイトメトリー分析;(B)がん細胞株への[111In]AtzMabの結合はPD-L1発現依存的である;(C)PD-L1低SUM149と比較した、PD-L1高MDAMB231 TNBC異種移植片における[111In]AtzMabの取り込みの増加;(D)PD-L1低H1155と比較した、PD-L1高H2444 NSCLC異種移植片における[111In]AtzMabの取り込みの増加。対応する組織像を示す。Chatterjeeら、Oncotarget、2016から; 64Cu]WL12-PETが腫瘍中のAtzMab蓄積を検出することを示す図である;(A)全身[64Cu]WL12画像は、60分p.i.によるhPD-L1腫瘍に対する放射能の特異的蓄積を示す;(B)[64Cu]WL12取り込みは、トレーサー注射の24時間前に20mg/Kg用量のAtzMabを投与されたマウスのhPD-L1腫瘍において有意に減少する;(C)対応する生体内分布試験により、[64Cu]WL12が腫瘍へのAtzMab PD-L1エンゲージメントを検出する可能性が確認された;(D)WL12はAtzMabのPD-L1への結合を阻害する。WL12の連続希釈液と共にインキュベートしたhPD-L1細胞を、Cy5-AtzMabまたは市販のBD抗体BD-MIH1-PEで染色した。平均蛍光強度(MFI)対ペプチド濃度プロットは、Cy5-AtzMabおよびBD-MIH1-PEについて、それぞれ2.5nMおよび37.8nMのIC50を示す; 64Cu]WL12-PETが、トリプルネガティブ乳がん異種移植片におけるAtzMabの蓄積を検出することを示す図である;[64Cu]WL12取り込みは、トレーサー注射の24時間前に20mg/Kg用量のAtzMabを投与されたマウスのMDAMB231腫瘍において有意に減少する; 以下を示す図である:(A)Wl12-IR800コンジュゲートの構造(化学式:C1371772434、分子量:2864.34);(B)色素とペプチドとのコンジュゲーションを示すピーク(挿入図)下で記録されたUV-VisスペクトルでのWL12-IR800のHPLCクロマトグラム;(C)予想分子量と相関する、WL12-IR800のESI-MSスペクトル; CHOおよびhPDL1腫瘍を有するマウスにおけるWL12-IR800の評価を示す図である;(A)コンジュゲート注射の24時間後に記録した5nモルのWL12-IR800を注射されたマウスおよびex vivo臓器の代表的画像;(B、ブロッキング)24h piで取得した、25nモルの未修飾WL12および5nモルのWL12-IR800を注射したマウスの代表的な画像;(C)1nモル、3nモルおよび5nモルのコンジュゲートで処理し、WL12で遮断したマウスから得た、選択された臓器および腫瘍におけるWL12-IR800のex vivo生体内分布の定量化(番号は対応する臓器を示す、n=4); CHOおよびCHO-hPDL1腫瘍モデルにおける[68Ga]WL12の評価を示す図である;(A)CHO-hPDL1(赤矢印、高PD-L1発現)およびCHO(黒矢印、低PD-L1発現)腫瘍(n=3)における[68Ga]WL12取り込みのPET-CT(ボリュームレンダリング)画像は、PD-L1が媒介する放射性トレーサーの取り込みを確認する;(B)同じ腫瘍モデルにおける[68Ga]WL12の注射の1時間後のex vivo生体内分布分析。ブロッキング用量コホートに50マイクログラムの非放射性ペプチドを同時注射した; CHOおよびCHO-hPDL1腫瘍モデルにおける[18F]WL12の評価を示す図である;(A)CHO-hPD-L1(赤い矢印、高PD-L1発現)およびCHO(青い矢印、低PD-L1発現)腫瘍(n=3)における[18F]WL12取り込みのPET-CT(ボリュームレンダリング)画像は、PD-L1が媒介する放射性トレーサーの取り込みを確認する; MDAMB231およびSUM149腫瘍を有するマウスに20mg/Kg用量のアテゾリズマブを注射したことを示す図である;mAb投与の20時間後、マウスに20μCiの[64Cu]WL12を注射し、生体内分布試験をトレーサー注射の24時間後に実施した。データは、腫瘍におけるPD-L1へのアテゾリズマブの結合が[64Cu]WL12によって定量化され得ることを実証している; PD-L1治療用抗体アテゾリズマブについての用量依存性PD-L1占有率決定を示す図である。MDAB231乳房腫瘍を有するマウスに様々な用量のアテゾリズマブを注射し、24時間後、マウスに[64Cu]WL12を注射し、トレーサー注射の2時間後に生体内分布試験を行った。データは、腫瘍中の[64Cu]WL12蓄積が抗体用量の増加と共に減少することを示す; [64Cu]WL12によって測定されたアテゾリズマブのPD-L1占有率の時間および用量依存性変化を示す図である。MDAMB231担腫瘍マウスに1または10mg/Kg用量のアテゾリズマブを投与した。mAb投与の24または120時間後に、マウスに[64Cu]WL12を注射し、放射能の腫瘍蓄積を生体内分布試験によって測定した。予想されたように、10mg/Kg用量では、24時間および120時間の両方でPD-L1の完全な遮断が観察された。1mg/kg用量では、[64Cu]WL12の蓄積の増加が120時間で見られるが、24時間では見られず、低mAb用量が用いられる場合の経時的な腫瘍からのアテゾリズマブの流出を示唆している。これらのデータは、本開示のペプチドを使用して腫瘍におけるPD-L1治療用mAb滞留時間が分析され得ることを示唆する; DK-A-221およびDK-A-222の化学構造を示す図である; DK222 PD-L1結合ペプチドに関するデータを示す図である。NOTAコンジュゲートDK222を合成し、CHO/CHO-HPD-L1腫瘍を有するマウスにおいて評価した。イメージング(A)および生体内分布(B)データは、[64Cu]DK222の優れた薬物動態を示す; CHO/CHO-hPD-L1腫瘍を有するNSGマウスにおける[64Cu]DK222の生体内分布を示す図である; WL12が、PD-1とPD-L1治療薬との間の相互作用をin vitroで阻害することを実証する図である。図33Aは、PD-L1(緑色およびシアン)へのWL12の結合様式が、PD-1のAtzMab(赤色およびシアン)、AveMab(橙色およびシアン)およびDurMab(青色およびシアン)への結合様式と重なることを示す。相互作用しない残基は灰色で示されている。共通の結合領域(シアン)を包含する多様な接触は、異なる治療用mAbの多様な結合メカニズムを説明する。図33Bは、競合的阻害を通して実証されるように、WL12が、Cy-5にコンジュゲートしたAtzMab、AveMabおよびDurMabをPD-L1に対して阻害することを示す。平均蛍光強度はフローサイトメトリーによって決定した。図33Cは、PD-L1陽性HCC827、H226、hPD-L1、およびMDAMB231細胞への[64Cu]WL12結合が、PBS対照と比較して、60nMのAtzMab、AveMabおよびDurMabの存在下で阻害されることを示す。PD-L1陰性CHOおよびSUM149細胞における[64Cu]WL12結合も示される。****、P<0.0001;NS、非有意; (図34A)PD-1とのPD-L1相互作用界面を囲む分子表面の図である。PD-1競合治療薬との相互作用に関与する一般的な残基はシアンで示され、PD-1相互作用に特異的な分子接触は紫色で示され、相互作用しない残基は灰色で示されている。分子間相互作用の重なりを説明するために、結合したPD-1の構造は紫色で示され、WL12の予測される立体配座は緑色で示されている;(図34B)WL12が、hPD-L1細胞において、Cy5にコンジュゲートしたPD-1-Fcタンパク質のPD-L1への結合を阻害することを示す図である。フローサイトメトリーにより決定された平均蛍光強度;(図35C)WL12(5nM)が、HCC827細胞およびH226細胞において、Cy5にコンジュゲートしたAtzMab、AveMabおよびDurMab(2nM)のPD-L1への結合を阻害することを示す図である。フローサイトメトリーにより測定された平均蛍光強度ならびに図35Dは、図34Bおよび図35Cからのフローサイトメトリーによって決定された平均蛍光強度を示す; PD-L1 mAbによるPD-L1エンゲージメントが、可変PD-L1発現がある異種移植片で[64Cu]WL12を用いて腫瘍において定量化されることを実証する図である。図35A〜図35Hは、放射性トレーサー注射の24時間前に20mg/kgのAtzMabで処理したマウスにおけるH226(図35A、図35B)、HCC827(図35C、図35D)、およびhPD-L1/CHO(図35G、図35H)異種移植片での[64Cu]WL12の取り込みの減少を、生理食塩水処理対照と比較して示す。全身の、ボリュームレンダリングされた[64Cu]WL12 PET-CT画像(図35A、図35D、図35G)およびex vivo生体内分布(図35B、図35E、図35H)。図35C、図35Fおよび図35Iは、PD-L1についてのIHC染色が対応する腫瘍から示されることを示す****、P<0.0001。***、P<0.001;NS、非有意; 以下を示す図である:図36A、様々な細胞株におけるPD-L1発現および対応する平均蛍光強度値。図36B、図36C、および図36D、トレーサー注射の24時間前に20mg/Kg用量のAtzMabを投与されたH226(B)、HCC827(C)またはhPD-L1/CHO(D)腫瘍を持つ担腫瘍マウスにおける[64Cu]WL12のex vivo生体内分布。示されたデータは平均±SEMである。****、P<0.0001;***、P<0.001;NS、非有意; 64Cu]WL12を用いて検出される腫瘍PD-L1発現の動的変化およびAtzMabによるそのエンゲージメントを実証する図である。図37Aは、ドキシサイクリンで6時間および72時間処理したA549-iPDL1細胞におけるPD-L1細胞表面発現の増加を示す。フローサイトメトリーヒストグラム。図37Bは、WL12(5nM)が、ドキシサイクリンで72時間処理したA549-iPD-L1細胞へのCy5にコンジュゲートしたAtzMab、AveMabおよびDurMab(2nM)の結合を阻害することを示す。図37Cは、A549-iPDL1細胞(72時間ドキシサイクリン)への[64Cu]WL12結合が、対照と比較して、60nMのAtzMabの存在下で有意に減少することを示す。図37Dおよび図37Eは、A549-iPDL1異種移植片における[64Cu]WL12取り込みが、生理食塩水対照と比較して、および親A549異種移植片と同様に、放射性トレーサー注射の24時間前に静脈内AtzMabを受けたマウスにおいて有意に低いことを示す。ボリュームレンダリングされた全身PET-CT画像(D)、およびex vivo定量化(図37E)。図37Fは、対応する腫瘍のPD-L1についてのIHC染色を示す。****、P<0.0001;NS、非有意; 72時間ドキシサイクリンを投与され、放射性トレーサー注射の24時間前に20mg/KgのAtzMabで処理されたA549-iPDL1およびA549対照担腫瘍マウスにおける[64Cu]WL12のex vivo生体内分布を示す図である。****、P<0.0001;NS、非有意; 64Cu]WL12を用いて定量化された3つの異なるPD-L1治療用mAbによる腫瘍PD-L1エンゲージメントを実証する図である。図39A〜図39E。MDAMB231異種移植片における[64Cu]WL12の取り込みは、放射性トレーサー注射の24時間前にAtzMab(20mg/kg)、AveMab(10mg/kg)、またはDurMab(10mg/kg)を投与されたマウスにおいて有意に減少する。生理食塩水(図39A)、AtzMab(図39B)、AveMab(図39C)、DurMab(図39D)処理マウスの、全身のボリュームレンダリングされた[64Cu]WL12 PET-CT画像、およびex vivo生体内分布(図39E)。図39Fは、対応する腫瘍におけるPD-L1のIHC染色を示す。****、P<0.0001;NS、非有意; 放射性トレーサー注射の24時間前にAtzMab(20mg/Kg)、AveMab(10mg/Kg)、またはDurMab(10mg/Kg)で処理したMDAMB231保持マウスにおける[64Cu]WL12のex vivo生体内分布を示す図である。****、P<0.0001;NS、非有意; 64Cu]WL12を使用して定量化されたAtzMabによる腫瘍PD-L1占有率に対する用量および時間の効果を実証する図である。図41Aは、AtzMab用量(mg/kg)の増加による、マウスのMDA-MB-231腫瘍における遊離PD-L1リガンドの減少を表す用量-ばく露関係を示す。0.06mg/kg、0.6mg/kgおよび3.2mg/kgのAtzMabを投与されたMDAMB231担腫瘍マウスの全身[64Cu]WL12 PET-CT画像(図41A)。図41Bおよび図41Cは、漸増用量のAtzMab(0.0009〜24mg/kg)で処理したマウスの腫瘍における[64Cu]WL12取り込みのex vivo定量化を示す。AtzMabを放射性トレーサー注射の24時間前に注射した(図41B)。0mg/kgで測定された中央値遊離PD-L1リガンドに対する遊離PD-L1リガンドの割合を計算した(図41C)。青い白丸:マウスにおける各用量レベルについて測定された遊離PD-L1リガンド。赤破線:平均モデル予測用量反応関係。図41Dおよび図41Eは、0.6または1mg/kgの用量のAtzMabにおける遊離PD-L1リガンドの増加を示すが、10または20mg/kgのAtzMab用量では示さない、経時的な腫瘍PD-L1占有に対するAtzMab(mg/kg)用量効果を示し、mAbの非線形動態を要約している。全身のボリュームレンダリングされた[64Cu]WL12 PET-CT画像(D)およびex vivo生体内分布(E)。****、P<0.0001;NS、非有意; トレーサー注射の24時間前の漸増量のAtzMab(0.0009〜12mg/Kg)での、MDAMB231担腫瘍マウスにおける[64Cu]WL12のex vivo生体内分布を示す図である; DK-A-221およびDK-A-222およびその類似体の構造図ならびにDK-A-221のアミノ酸配列を示す(DK-A-221アミノ酸配列=シクロ-(-Ac-Tyr-NMeAla-Asn-Pro-His-Glu-Hyp-Trp-Ser-Trp(カルボキシメチル)-NMeNle-NMeNle-Lys-Cys-)-Gly-NH2)。
この特許または出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を含むこの特許または特許出願公開のコピーは、請求に応じておよび必要な料金の支払いにより、官庁によって提供されるであろう。
本開示の主題は、添付の図面を参照して以下により完全に説明され、その中では、本開示の主題の全てではないがいくつかの実施形態が示されている。全体を通して、同じ番号は同じ要素を指す。本開示の主題は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない;むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供されている。実際、本明細書に記載の本開示の主題の多くの修正形態および他の実施形態は、本開示の主題が属する分野の当業者には思い浮かび、前述の説明および関連する図面に提示された教示の恩恵を受けるであろう。したがって、本開示の主題は開示された特定の実施形態に限定されるべきではなく、修正形態および他の実施形態は添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。
(I.造影剤を含む組成物)
いくつかの実施形態では、本開示の主題は、PD-L1などの免疫チェックポイントタンパク質を検出するための非常に特異的なペプチドベースの陽電子放出断層撮影(PET)造影剤を提供する。これらの造影剤を使用して、腫瘍PD-L1発現を、特異的におよび被験体への投与直後に検出することができる。
したがって、いくつかの実施形態では、本開示の主題は、プログラム死リガンド1(PD-L1)に対して結合特異性を有するペプチドとレポーティング部位とのコンジュゲート、および任意にリンカーを含む造影剤であって、リンカーが、存在する場合には、ペプチドとレポーティング部位とを連結し、リンカーが存在しない場合には、レポーティング部位がペプチドのアミノ酸の第一級アミンを介してペプチドに直接結合している造影剤を提供する。他の実施形態では、レポーティング部位はペプチドに直接組み込まれ、例えば、ここで、レポーティング部位は、放射標識ヨードチロシンまたはフルオロチロシンなどのペプチドの放射標識アミノ酸を含む。
いくつかの実施形態では、プログラム死リガンド1(PD-L1)に対して結合特異性を有するペプチドは、PD-L1の4つの特定のアミノ酸と相互作用し得る。特定の実施形態では、ペプチドは、PD-L1のアミノ酸Y56、E58、D61、およびA113と相互作用し得る。いくつかの実施形態では、PD-L1に対して結合特異性を有するペプチドは、PD-L1の5つの特定のアミノ酸と相互作用し得る。特定の実施形態では、ペプチドは、PD-L1のアミノ酸Y56、E58、A113、M115およびY123と相互作用し得る。いくつかの実施形態では、PD-L1と相互作用するペプチドはペプチドWL12である。ペプチドWL12は、シクロ-(-Ac-Tyr-NMeAla-Asn-Pro-His-Leu-Hyp-Trp-Ser-Trp(メチル)-NMeNle-NMeNle-Lys-Cys-)-Gly-NH2)(配列番号1)のアミノ酸配列を有し得る。いくつかの実施形態では、WL12は、PD-L1の4つのアミノ酸と相互作用し得る。特定の実施形態では、WL12は、PD-L1のアミノ酸Y56、E58、D61、およびA113と相互作用し得る。いくつかの実施形態では、WL12は、PD-L1の5つのアミノ酸と相互作用し得る。特定の実施形態では、WL12は、PD-L1のアミノ酸Y56、E58、A113、M115およびY123と相互作用し得る。他の実施形態では、PD-L1と相互作用するペプチドはDK-A-221である。ペプチドDK-A-221は、シクロ-(-Ac-Tyr-NMeAla-Asn-Pro-His-Glu-Hyp-Trp-Ser-Trp(カルボキシメチル)-NMeNle-NMeNle-Lys-Cys-)-Gly-NH2)(配列番号2)のアミノ酸配列を有し得る。いくつかの実施形態では、DK-A-221はPD-L1の4つのアミノ酸と相互作用し得る。特定の実施形態では、DK-A-221は、PD-L1のアミノ酸Y56、E58、D61、およびA113と相互作用し得る。いくつかの実施形態では、DK-A-221はPD-L1の5つのアミノ酸と相互作用し得る。特定の実施形態では、DK-A-221はPD-L1のアミノ酸Y56、E58、A113、M115およびY123と相互作用し得る。他の実施形態では、PD-L1と相互作用するペプチドはDK-A-222である。いくつかの実施形態では、DK-A-222はPD-L1の4つのアミノ酸と相互作用し得る。特定の実施形態では、DK-A-222は、PD-L1のアミノ酸Y56、E58、D61、およびA113と相互作用し得る。いくつかの実施形態では、DK-A-222は、PD-L1の5つのアミノ酸と相互作用し得る。特定の実施形態では、DK-A-222は、PD-L1のアミノ酸Y56、E58、A113、M115およびY123と相互作用し得る。
いくつかの実施形態では、PD-L1に対して結合特異性を有するペプチドは、配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有し得る。PD-L1に対して結合特異性を有するペプチドは、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有し得る。PD-L1に対して結合特異性を有するペプチドは、配列番号1に対して少なくとも85%の配列同一性を有し得る。PD-L1に対して結合特異性を有するペプチドは、配列番号2に対して少なくとも85%の配列同一性を有し得る。PD-L1に対して結合特異性を有するペプチドは、配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有し得る。PD-L1に対して結合特異性を有するペプチドは、配列番号2に対して少なくとも90%の配列同一性を有し得る。PD-L1に対して結合特異性を有するペプチドは、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有し得る。PD-L1に対して結合特異性を有するペプチドは、配列番号2に対して少なくとも95%の配列同一性を有し得る。PD-L1に対して結合特異性を有するペプチドは、配列番号1に対して100%の配列同一性を有し得る。PD-L1に対して結合特異性を有するペプチドは、配列番号2に対して100%の配列同一性を有し得る。
当該技術分野で知られている「パーセント同一性」という用語は、2つ以上のポリペプチド配列間または2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関係であり、配列を比較することによって決定される。当該技術分野において、「同一性」は、場合によっては、そのような配列のストリング間の一致によって決定されるように、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列間の配列関連性の程度も意味する。「同一性」および「類似性」は、以下に記載されるものを含むがこれらに限定されない既知の方法によって容易に計算することができる:Computational Molecular Biology (Lesk, A. M., ed.) Oxford University Press, New York (1988); Biocomputing: Informatics and Genome Projects (Smith, D. W., ed.) Academic Press, New York (1993); Computer Analysis of Sequence Data, Part I (Griffin, A. M., and Griffin, H. G., eds.) Humana Press, New Jersey (1994); Sequence Analysis in Molecular Biology (von Heinje, G., ed.) Academic Press (1987); and Sequence Analysis Primer (Gribskov, M. and Devereux, J., eds.) Stockton Press, New York (1991)。同一性を決定するための好ましい方法は、試験した配列間の最良の一致を与えるように設計されている。同一性および類似性を決定するための方法は、公的に利用可能なコンピュータープログラムに体系化されている。配列アラインメントおよびパーセント同一性計算は、LASERGENEバイオインフォマティクスコンピューティングスイートのMegalignプログラム(DNASTAR社、マディソン、ウィスコンシン州)を使用して実施することができる。配列の多重アラインメントは、Clustalアラインメント法(Higgins and Sharp (1989) CABIOS. 5:151-153)を用いて、ペアワイズアラインメントのデフォルトパラメータを含むデフォルトパラメータを用いて行うことができる。
本明細書中で使用される場合、用語「アミノ酸」および「残基」は交換可能であり、ペプチドまたはポリペプチドの文脈において使用される場合、天然に存在するアミノ酸および合成アミノ酸、ならびにアミノ酸類似体、アミノ酸模倣物および天然に存在するアミノ酸と化学的に類似している天然に存在しないアミノ酸を指す。
「天然に存在するアミノ酸」および「天然にコードされるアミノ酸」という用語は交換可能に使用され、遺伝コードによってコードされるアミノ酸、ならびに合成後に修飾される遺伝コードによってコードされるアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメート、およびO-ホスホセリンを指す。
「アミノ酸類似体」は、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造を有する化合物、すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基に結合しているα-炭素を有する化合物であり、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、またはメチオニンメチルスルホニウムである。そのような類似体は、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有することができるが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造を保持することになる。
用語「天然に存在しないアミノ酸」および「天然にコードされていないアミノ酸」は交換可能に使用され、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造を有するが、翻訳複合体によって成長中のポリペプチド鎖に組み込まれない化合物を指す。「天然に存在しないアミノ酸」は、天然にコードされたアミノ酸(20個の標準的アミノ酸を含むが、これらに限定されない)の修飾(例えば、翻訳後修飾)によって生じるアミノ酸であるが、それ自体が翻訳複合体によって成長中のポリペプチド鎖に天然に組み込まれるわけではないアミノ酸も含むが、これらに限定されない。ポリペプチド配列に挿入することができる、またはポリペプチド配列中の野生型残基を置換することができる天然に存在しないアミノ酸の例の非限定的なリストには、β-アミノ酸、ホモアミノ酸、環状アミノ酸および誘導体化側鎖を持つアミノ酸が含まれる。例としては、以下が含まれる(L型またはD型で;かっこ内で省略される):シトルリン(Cit)、ホモシトルリン(hCit)、Nα-メチルシトルリン(NMcCit)、Nα-メチルホモシトルリン(Nα-MeHoCit)、またはオルニチン(Orn)、Nα-メチルオルニチン(Nα-MeOrnまたはNMeOrn)、サルコシン(Sar)、ホモリジン(hLysまたはhK)、ホモアルギニン(hArgまたはhR)、ホモグルタミン(hQ)、Nα-メチルアルギニン(NMeR)、Nα-メチルロイシン(Nα-MeLまたはNMeL)、N-メチルホモリジン(NMeHoK)。Nα-メチルグルタミン(NMeQ)、ノルロイシン(Nle)、ノルバリン(Nva)、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(Tic)、オクタヒドロインドール-2-カルボン酸(Oic)、3-(1-ナフチル)アラニン(1-Nal)、3-(2-ナフチル)アラニン(2-Nal)、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(Tic)、2-インダニルグリシン(IgI)、パラ-ヨードフェニルアラニン(pI-Phe)、パラ-アミノフェニルアラニン(4AmPまたは4-アミノ-Phe)、4-グアニジノフェニルアラニン(Guf)、グリシルリジン(「K(Nε-グリシル)」または「K(グリシル)」または「K(gly)」と略される)、ニトロフェニルアラニン(nitrophe)、アミノフェニルアラニン(aminopheまたはアミノ-Phe)、ベンジルフェニルアラニン(benzylphe)、γ-カルボキシグルタミン酸(γ-carboxyglu)、ヒドロキシプロリン(hydroxypro)、p-カルボキシル-フェニルアラニン(Cpa)、α-アミノアジピン酸(Aad)、Nα-メチルバリン(NMeVal)、Nα-メチルロイシン(NMeLeu)、Nα-メチルノルロイシン(NMeNle)、シクロペンチルグリシン(Cpg)、シクロヘキシルグリシン(Chg)、アセチルアルギニン(acetylarg)、α,β-ジアミノプロピオン酸(Dpr)、α,γ-ジアミノ酪酸(Dab)、ジアミノプロピオン酸(Dap)、シクロヘキシルアラニン(Cha)、4-メチル-フェニルアラニン(MePhe)、β,β-ジフェニル-アラニン(BiPhA)、アミノ酪酸(Abu)、4-フェニル-フェニルアラニン(またはビフェニルアラニン;4Bip)、α-アミノ-イソ酪酸(Aib)、ベータ-アラニン、ベータ-アミノプロピオン酸、ピペリジン酸、アミノカプリン酸、アミノヘプタン酸、アミノピメリン酸、デスモシン、ジアミノピメリン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ヒドロキシリジン、allo-ヒドロキシリジン、イソデスモシン、allo-イソロイシン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、N-メチルバリン、4-ヒドロキシプロリン(Hyp)。γ-カルボキシグルタメート、ε-N,N,N-トリメチルリジン、-N-アセチルリジン、O-ホスホセリン、N-アセチルセリン、N-ホルミルメチオニン、3-メチルヒスチジン、5-ヒドロキシリジン、ω-メチルアルギニン、4-アミノ-O-フタル酸(4APA)、N-アセチルグルコサミニル-L-セリン、N-アセチルグルコシルアミニル-L-トレオニン、O-ホスホチロシンおよび他の類似のアミノ酸、ならびに具体的に挙げられたもののいずれかの誘導体化形態。
「ペプチド」または「タンパク質」は、ペプチド結合によって互いに結合した一連の少なくとも3つのアミノ酸を含む。用語「タンパク質」および「ペプチド」は交換可能に使用され得る。ペプチドは、個々のペプチドまたはペプチドの集合体を指し得る。また、本開示の造影剤中の1つまたは複数のアミノ酸は、例えば、炭水化物基、リン酸基、ファルネシル基、イソファルネシル基、スルホキシド基、脂肪酸基などの化学物質の付加、コンジュゲーションのためのリンカー、官能化、または他の修飾などによって修飾され得る。いくつかの実施形態では、他の修飾には、D-アミノ酸の取り込み、N-末端およびC-末端にコンジュゲートされた他の分子、蛍光プローブ、ポリ(エチレングリコール)などの生体分子、標的化リガンドなどのコンジュゲーション、レトロ逆位などが含まれ得る。いずれの修飾も、ペプチドの所望の生物活性を実質的に妨げるべきではない。
本開示の造影剤のいくつかの実施形態では、レポーティング部位は、キレート剤、放射性標識基質、蛍光染料、光音響レポーティング分子、およびラマン活性レポーティング分子からなる群より選択される。
本開示の造影剤のいくつかの実施形態では、レポーティング部位はキレート剤であり、キレート剤は、以下からなる群より選択される:DOTAGA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデセカン,1-(グルタル酸)-4,7,10-三酢酸)、DOTA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸)、DOTASA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-(2-コハク酸)-4,7,10-三酢酸)、CB-DO2A(10-ビス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザビシクロ[5.5.2]テトラデカン)、DEPA(7-[2-(ビス-カルボキシメチルアミノ)-エチル]-4,10-ビス-カルボキシメチル-1,4,7,10-テトラアザ-シクロドデカ-1-イル-酢酸))、3p-C-DEPA(2-[(カルボキシメチル)][5-(4-ニトロフェニル-1-[4,7,10-トリス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル]ペンタン-2-イル)アミノ]酢酸))、TCMC(2-(4-イソチオシアノトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザ-1,4,7,10-テトラ-(2-カルバモニルメチル)-シクロドデカン)、オキソ-DO3A(1-オキサ-4,7,10-トリアザシクロドデカン-5-S-(4-イソチオシアナトベンジル)-4,7,10-三酢酸)、p-NH-Bn-オキソ-DO3A(1-オキサ-4,7,10-テトラアザシクロドデカン-5-S-(4-アミノベンジル)-4,7,10-三酢酸)、TE2A((1,8--N,N´-ビス-(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン))、MM-TE2A、DM-TE2A、CB-TE2A(4,11-ビス(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン)、CB-TE1A1P(4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-1-(メタンホスホン酸)-8-(メタンカルボン酸)、CB-TE2P(1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-1,8-ビス(メタンホスホン酸)、TETA(1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-1,4,8,11-四酢酸)、NOTA(1,4,7-トリアザシクロノナン--N,N´、N´´-三酢酸)、NODA(1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4-ジアセテート);NODAGA(1,4,7-トリアザシクロノナン,1-グルタル酸-4,7-酢酸)、(NOTAGA)1,4,7-トリアゾナン-1,4-ジイル)二酢酸DFO(デスフェロキサミン)、NETA([4-[2-(ビス-カルボキシメチルアミノ)-エチル]-7-カルボキシメチル-[1,4,7]トリアゾナン-1-イル}-酢酸)、TACN-TM(-N,N´,N´´,トリス(2-メルカプトエチル)-1,4,7-トリアザシクロノナン)、ジアムサル(1,8-ジアミノ-3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ(6,6,6)エイコサン、3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ[6.6.6]エイコサン-1,8-ジアミン)、Sarar(1-N-(4-アミノベンジル)-3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ[6.6.6] ]エイコサン-1,8-ジアミン)、AmBaSar(4-((8-アミノ-3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ[6.6.6]イコサン-1-イルアミノ)メチル)安息香酸)、およびBaBaSar。
いくつかの実施形態では、ペプチド、リンカー、レポーターコンジュゲートは、クリックケミストリーによって調製される。例えば、Pomperらに対する国際特許出願公開WO/2017/027870を、トリアゾールコンジュゲート尿素、チオ尿素、カルバメートについて、ならびに1997年2月16日に公開された、PSMA標的化造影剤およびその使用のための「逆転」カルバメート、ならびに米国特許出願公開第20140341804号明細書を、2014年11月20日に公開されたPomperらに対する前立腺特異的膜抗原(Pmsa)のホモ多価およびヘテロ多価阻害剤ならびにその使用についてを参照し、これらの各々は、その全体が参照により組み込まれる。
特定の実施形態では、キレート剤は以下から選択される構造を有する:
さらに特定の実施形態では、レポーティング部位はキレート剤であり、キレート剤は、94mTc、99mTc、111In、67Ga、68Ga、86Y、90Y、177Lu、186Re、188Re、60Cu、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、55Co、57Co、47Sc、225Ac、213Bi、212Bi、212Pb、153Sm、166Ho、152Gd、82Rb、89Zr、および166Dyからなる群より選択される放射性金属をさらに含む。
本開示の造影剤の他の実施形態では、レポーティング部位は放射性標識基質であり、放射性標識基質は、11C、13N、15O、123I、124I、125I、126I、131I、75Br、76Br、77Br、80Br、80mBr、82Br、83Br、および211Atからなる群より選択される放射性同位体を含む。特定の実施形態では、放射性標識基質は18F標識基質を含む。さらに特定の実施形態では、18F標識基質は、2-フルオロ-PABA、3-フルオロ-PABA、2-フルオロ-マンニトール、およびN-スクシンイミジル-4-フルオロベンゾエートからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、基質は、例えば、NOTA、NODA、または当該技術分野で知られている任意の他の適切なキレート剤によるフッ化アルミニウムのキレート化に基づいて、AlF法を使用して18Fで標識される。例えば、以下を参照:Liu S., et al., “One-step radiosynthesis of 18F-AlF-NOTA-RGD2 for tumor angiogenisis PET imaging. Eur J Nucl Med Mol Imaging. 2011, 38(9):1732-41; McBride W.J., et al., “A novel method of 18F radiolabeling for PET. J Nucl Med. 2009;50:991-998; McBride W.J, D’Souza CA, Sharkey RM, Sharkey RM, Karacay H, Rossi EA, Chang C-H, Goldenberg DM. Improved 18F labeling of peptides with a fluoride-aluminum-chelate complex. Bioconjug Chem. 2010;21:1331-1340。
本開示の造影剤の他の実施形態では、レポーティング部位は蛍光染料であり、蛍光染料は、以下からなる群より選択される:カルボシアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、ツイカルボシアニン、メロシアニン、ポリメチン、クマリン、ローダミン、キサンテン、フルオレセイン、ホウ素-ジピロメタン(BODIPY)染料、またはその誘導体、BODIPY FL、BODIPY R6G、BODIPY TR、BODIPY TMR、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650、およびBODIPY 650/665を含むがこれらに限定されない、Cy5、Cy5.5、Cy7、VivoTag-680、VivoTag-S680、VivoTag-S750、AlexaFluor660、AlexaFluor680、AlexaFluor700、AlexaFluor750、AlexaFluor790、Dy677、Dy676、Dy682、Dy752、Dy780、DyLight547、Dylight647、HiLyte Fluor 647、HiLyte Fluor 680、HiLyte Fluor 750、IR800(ジメチル{4-[1,5,5-トリス(4-ジメチルアミノフェニル)-2,4-ペンタジエニリデン]-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン}過塩素酸アンモニウム)、IRDye 800CW、IRDye 800RS、IRDye 700DX、ADS780WS、ADS830WS、およびADS832WS。
本開示の造影剤の他の実施形態では、レポーティング部位は光音響レポーティング分子であり、光音響レポーティング分子は、染料またはナノ粒子からなる群より選択される。特定の実施形態では、染料は蛍光染料を含む。さらに特定の実施形態では、蛍光染料は、インドシアニングリーン(ICG)、Alexa Fluor 750、Evans Blue、BHQ 3、QXL 680、IRDye 880CW、MMPSense 680、メチレンブルー、PPCy-C8、およびCypate-C18からなる群より選択される。Wu et al., Int. J. Mol. Sci., 15, 23616-23639 (2014)を参照。
他の実施形態では、ナノ粒子は、金ナノスフェア、金ナノシェル、金ナノロッド、金ナノケージ、金ナノスター、および金ナノクラスターを含むが、これらに限定されないプラズモニックナノ粒子、量子ドット、ナノダイヤモンド、ポリピロールナノ粒子、硫化銅ナノ粒子、グラフェンナノシート、酸化鉄-金コア-シェルナノ粒子、Gdナノ粒子、単層カーボンナノチューブ、色素充填ペルフルオロカーボンナノ粒子、および超常磁性酸化鉄ナノ粒子からなる群より選択される。
本開示の造影剤の他の実施形態では、レポーティング部位はラマン活性レポーティング分子であり、ラマン活性レポーティング分子は、単層カーボンナノチューブ(SWNT)および表面増強ラマン散乱(SERS)剤からなる群より選択される。特定の実施形態では、SERS剤は、ラマン活性レポーター分子で標識された金属(例えば、金または銀)ナノ粒子を含む。さらに特定の実施形態では、ラマン活性レポーター分子は蛍光染料を含む。特定の実施形態では、蛍光染料は、Cy3、Cy5、ローダミン、およびカルコゲノピリリウム染料からなる群より選択される。
本開示の造影剤の他の実施形態では、リンカーは、以下からなる群より選択される:
(a)
(式中:Rptはレポーティング部位である;Wは、C-Cアルキレン、C-Cシクロアルキレン、およびアリーレンからなる群より選択される;Wは、-NR-(C=O)-、-NR-(C=S)-、-(C=O)-NR-、-(C=S)-NR-、および-S-からなる群より選択され、ここで各Rは、独立して、HまたはC-Cアルキルである;各Rは、独立して、Hまたは-COORであり、ここで各Rは、独立して、H、C-Cアルキル、C-C12アリールまたはC-C16アルキルアリールである;bは、0、1、2、および3からなる群より選択される整数である;dは、1、2、3、4、5、6、7、および8からなる群より選択される整数である;ならびに式中、波線は、リンカーとペプチドとの間の結合点を示す);
(b) Rpt-X-Y-Z-W-
(式中:Rptはレポーティング部位である;XおよびZは、それぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cヘテロアルキル、C-Cヘテロアルケニル、C-Cヘテロアルキニル、C-Cアルコキシ、もしくは結合であり得、それらの各々は0〜5個のRで置換され得る;YおよびWは、それぞれ独立して、-O-、-S(O)-、-NH-、-NR-、-CH=CH-、-CR=CH-、-CH=CR-、-NH-CO-、-NH-CO-、-NR-CO-、-NR-CO-、-CO-NH-、-CO-NH-、-CO-NR-、-CO-NR-、もしくは結合である;pは、0、1、もしくは2である;Rは、その出現ごとに、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロ環、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、もしくは任意に置換されたヘテロアリールである;Rは、その出現ごとに、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、もしくは任意に置換されたヘテロアリールである);または
(c)アミノ酸リンカー。
特定の実施形態では、造影剤は、式(I)、式(II)、および式(III)からなる群より選択される化合物である:
DK-A-221-(L)-Rpt(II);または
DK-A-222-(L)-Rpt(III);
(式中:nは、0および1からなる群より選択される整数である;Lはリンカーである;およびRptはレポーティング部位である;ならびに式中、レポーティング部位またはリンカーは、存在する場合、式(I)、式(II)、または式(III)の造影剤を含むペプチドの第一級アミン基に結合している)。
特定の実施形態では、リンカーは、存在する場合、式(I)の化合物の13オルニチン(Orn)一級アミン基に結合している。特定の実施形態では、レポーティング部位はDOTAGAキレート剤を含む。さらに特定の実施形態では、DOTAGAキレート剤は64Cu放射性金属をさらに含む。
さらに特定の実施形態では、式(I)の化合物は以下である:
当業者は、本開示の主題を検討すれば、本明細書に開示の造影剤と共に使用するのにキレート剤/放射性金属イオンの様々な組み合わせが適切であることを認識するであろう。代表的なキレート剤は、当該技術分野において知られている。非限定的な例として、特定のキレート剤およびリンカーは、米国特許出願公開第2015/0246144号および第2015/0104387号に開示されており、それらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、造影剤は、in vitro、in vivo、および/またはex vivoでPD-L1を検出することができる。いくつかの態様では、造影剤は、in vivoでPD-L1を検出することができる。PD-L1は様々な腫瘍によって発現され、その過剰発現は、腫瘍浸潤性細胞傷害性T細胞に応答した適応機構として腫瘍細胞において誘導される(Topalianら、2016)。当業者は、PD-L1が修飾および/または突然変異を含み得、それが本開示の造影剤によってなお検出され得る限り、本開示の方法に依然として適用可能であり得ることを認識するであろう。
いくつかの実施形態では、PD-L1とそのリガンドであるプログラム細胞死タンパク質1(PD-1)との相互作用を阻害する本開示の造影剤のIC50は、約100nM〜約1pMの範囲である。いくつかの実施形態では、IC50は100nM未満、他の実施形態では10nM未満、他の実施形態では8nM未満、他の実施形態では5nm未満、他の実施形態では4nm未満、他の実施形態では3nM未満である。
用語「結合親和性」は、2つ以上の化合物が非共有関係で互いにどれだけ強く会合しているかを表す特性である。結合親和性は、定性的に(「強い」、「弱い」、「高い」、もしくは「低い」など)または定量的に(Kの測定など)特性評価することができる。
(II.造影剤を用いる検出方法)
いくつかの実施形態では、本開示の主題は、PD-L1などの免疫チェックポイントタンパク質を検出するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示の主題は、がん、炎症、感染症などの、PD-L1の過剰発現をもたらす疾患、障害、または状態を検出する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示の主題は、以下の工程を含む、プログラム死リガンド1(PD-L1)を検出するためのイメージング方法を提供する:(a)プログラム死リガンド1(PD-L1)に対して結合特異性を有するペプチドとレポーティング部位とのコンジュゲート、および任意にリンカーを含む造影剤であって、直前に記載の通り、リンカーが、存在する場合には、ペプチドとレポーティング部位とを連結し、リンカーが存在しない場合には、レポーティング部位がペプチドのアミノ酸の第一級アミンを介してペプチドに直接結合している造影剤の有効量を提供する工程と;(b)1つもしくは複数の細胞または組織を造影剤と接触させる工程と;(c)画像を作成してPD-L1を検出する工程。
本明細書で使用される場合、用語「イメージング」または「画像を作成すること」は、化合物から放出されるエネルギーを測定することによって検出可能な化合物を視覚化する任意のイメージング技術の使用を指す。いくつかの実施形態では、「イメージング」という用語は、投与後の化合物の局在化後に化合物から放出されるエネルギーを測定することによって、被験体への投与後に検出可能な化合物を視覚化する任意のイメージング技術の使用を指す。いくつかの実施形態では、イメージング技術は、被験体の外部から検出することができる化合物を被験体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、画像は、被験体の様々な場所に蓄積する造影剤の空間分布の違いによって生成される。いくつかの実施形態では、造影剤の投与は注射によって行われる。
「造影剤」という用語は、例えば陽電子放出断層撮影法(PET)によって造影することができる化合物を含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「陽電子放出断層撮影イメージング」すなわち「PET」は、全ての陽電子放出断層撮影イメージングシステムまたは同等物、および陽電子放出断層撮影イメージングが可能な全ての装置を含む。本開示の主題の方法は、任意のそのような装置、もしくはPET装置もしくはその同等物の変形形態を使用して、または任意の既知PET方法論と併せて実施することができる。例えば、その各々が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,151,377;6,072,177;5,900,636;5,608,221;5,532,489;5,272,343;5,103,098号を参照。動物イメージングモダリティには、例えばマイクロPET(Corcorde Microsystems社)が含まれる。
レポーティング部位に応じて、本開示の造影剤を、PET、単光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)、近赤外(蛍光)、光音響、およびラマンイメージングにおいて使用することができる。
いくつかの実施形態では、イメージングは、検出システムを使用して、被験体もしくは患者全体、または被験体もしくは患者の特定の領域をスキャンし、シグナルを検出することを含む。検出された信号は、次いで画像に変換される。得られた画像は、例えば医師などの熟練した観察者によって解釈されるべきである。一般に、造影剤の投与後約1分〜約48時間でイメージングが行われる。イメージングの正確なタイミングは、当業者には容易に明らかになるように、投与される化合物のクリアランス速度などの要因によって決まる。イメージングの時間枠は、使用されている放射性ヌクレオチドに基づいて変わり得る。特定の実施形態では、イメージングは、投与後約1分〜約4時間の間に、例えば15分〜30分の間に、30分〜45分の間に、45分〜60分の間に、60分〜90分の間に、および60分〜120分の間に行われる。いくつかの実施形態では、PD-L1の検出は、造影剤を被験体に投与した後約60分経ったらすぐに行われる。いくつかの実施形態では、イメージングは、Zr-89で標識されたペプチドの注射の24時間後に行われてもよい。いくつかの実施形態では、イメージングは、I-124で標識されたペプチドの注射の24時間後に行われてもよい。
画像が得られたら、当業者は化合物の位置を決定することができる。この情報を使用して、当業者は、例えば、感染症、炎症、またはがんなどの状態が存在するかどうか、その状態の程度、または被験体が受けている治療の有効性を判断することができる。
いくつかの実施形態では、細胞または組織の造影剤との接触が、in vitro、in vivo、またはex vivoで行われる。「接触させる」とは、本開示の主題の少なくとも1つの造影剤が、少なくとも1つの細胞または組織と物理的に接触することをもたらす任意の作用を意味する。したがって、それは、少なくとも1つの造影剤と少なくとも1つの細胞または組織との接触をもたらすのに十分な量で、細胞(単数もしくは複数)または組織(単数もしくは複数)を造影剤にばく露させることを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、培養皿または管などの制御された環境に造影剤および細胞または組織を導入し、好ましくは混合することによって、in vitroまたはex vivoで実施することができる。いくつかの実施形態では、本方法はin vivoで実施することができ、その場合、接触は、被験体の少なくとも1つの細胞または組織を、本開示の主題の少なくとも1つの造影剤にばく露させること、例えば造影剤を任意の適切な経路を介して被験体に投与することなどを意味する。いくつかの実施形態では、細胞または組織と造影剤との接触は、被験体内で行われる。
造影剤の「有効量」という用語は、本明細書に記載の技術、例えば、陽電子放出断層撮影法(PET)を用いて画像化したときに読み取り可能なシグナルを提供するのに必要または十分な量である。有効量は、被験体の大きさおよび体重、病気の種類、または特定の化合物などの要因に応じて変わり得る。例えば、化合物の選択は、「有効量」を構成するものに影響を及ぼし得る。当業者は、本明細書に含まれる要因を調べ、過度の実験をすることなく化合物の有効量に関して決定を下すことができるであろう。
それらの多くの実施形態において本開示の方法により診断または治療を受ける被験体は、望ましくはヒト被験体であるが、本明細書に記載の方法は、「被験体」という用語に含まれることが意図される全ての脊椎動物種に関して有効であることを理解すべきである。したがって、「被験体」は、既存の疾患、障害、状態の診断または治療のためなどの医学的目的のためのヒト被験体、または医学的目的、獣医学的目的、もしくは開発的目的のための動物被験体を含み得る。適切な動物被験体には以下が含まれる:霊長類、例えば、ヒト、サル、類人猿、テナガザル、チンパンジー、オランウータン、マカクなどを含むがこれらに限定されない哺乳動物;畜牛、例えばウシ、牛など;ヒツジ、例えば羊など;ヤギ、例えば山羊など;ブタ、例えば豚および成豚など;ウマ科、例えばウマ、ロバ、シマウマなど;ネコ科動物、野生および飼い猫を含む;イヌ科、犬を含む;ウサギ目、ウサギ、ノウサギなどを含む;げっ歯類、マウス、ラット、モルモットなどを含む。動物は、遺伝子導入動物であり得る。いくつかの実施形態では、被験体は、胎児、新生児、幼児、若年、および成人の被験体を含むがこれらに限定されないヒトである。さらに、「被験体」は、疾患、障害、または状態に罹患しているかまたは罹患している疑いのある患者を含み得る。したがって、「被験体」および「患者」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。被験体は、動物疾患モデル(例えば、実験に使用されるラットまたはマウスなど)も含む。いくつかの実施形態では、被験体は、ヒト、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウマ、ヒツジ、ウシ、サル、トリ、または両生類である。
一般に、本開示の造影剤は、以下を含む任意の適切な投与経路によって、疾患、障害、または状態の検出のために被験体に投与され得る:経口、経鼻、経粘膜、眼内、直腸内、膣内、または非経口を含む、静脈内、筋肉内、皮下、髄内注射、ならびに髄腔内、直接脳室内、静脈内、関節内、胸骨内、滑液内、肝内、病巣内、頭蓋内、腹腔内、鼻腔内、または眼内注射、嚢内、局所的に、粉剤、軟膏剤または滴剤(点眼薬を含む)によるもの、口腔内および舌下に、経皮的に、吸入スプレーを介して、または当該技術分野で知られている他の送達様式。
本明細書で使用される「全身性投与」、「全身投与」、「末梢性投与」および「末梢投与」という語句は、それらが被験体または患者の系に入り、したがって代謝および他の類似のプロセスを受けるような組成物の投与、例えば、皮下投与または静脈内投与を意味する。
本明細書で使用される「非経口的投与」および「非経口投与」という語句は、通常は注射による、経腸投与および局所投与以外の投与様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、眼内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内および胸骨内注射ならびに注入を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、造影剤は少なくとも3:1の標的対非標的比を示す。いくつかの実施形態では、用語「標的」は、PD-L1タンパク質の過剰発現を示す細胞または組織を指し、用語「非標的」は、PD-L1タンパク質の過剰発現を示さない細胞または組織を指す。
いくつかの実施形態では、イメージング方法はがんを検出するために使用される。被験体または患者における「がん」は、がんを引き起こす細胞に典型的な特徴を有する細胞の存在、例えば、制御されない増殖、特殊機能の喪失、不死性、顕著な転移能、抗アポトーシス活性の有意な増加、急速な成長と増殖率、および特定の特徴的な形態と細胞マーカーを指す。状況によっては、がん細胞は腫瘍の形態をとる;そのような細胞は、動物内に局所的に存在し得るか、または独立した細胞、例えば白血病細胞として血流中を循環し得る。本明細書で使用されるがんは、芽腫、癌腫、神経膠腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、および肉腫を含むが、これらに限定されない、新しく診断されたまたは再発性のがんを含む。本明細書で使用されるがんは、頭部がん、頸部がん、頭頸部がん、肺がん、トリプルネガティブ乳がんなどの乳がん、前立腺がん、大腸がん、食道がん、胃がん、白血病/リンパ腫、子宮がん、皮膚がん、内分泌がん、泌尿器がん、膵臓がん、消化管がん、卵巣がん、子宮頸がん、腎がん、膀胱がん、脳腫瘍、および腺腫を含むが、これらに限定されない。いくつかの態様では、がんは、病期0がんを含む。いくつかの実施形態では、がんは、病期Iがんを含む。いくつかの態様では、がんは、病期IIがんを含む。いくつかの実施態様では、がんは、病期IIIがんを含む。いくつかの実施形態では、がんは、病期IVがんを含む。いくつかの実施形態では、がんは、難治性および/または転移性である。
本明細書で使用される「腫瘍」は、悪性であろうと良性であろうと、全ての新生物細胞の成長および増殖、ならびに全ての前がん性およびがん性の細胞および組織を指す。本明細書で使用される「固形腫瘍」は、通常、嚢胞や液体領域を含まない異常な組織塊である。固形腫瘍は、非限定的な例として、脳、結腸、乳房、前立腺、肝臓、腎臓、肺、食道、頭頸部、卵巣、子宮頸部、胃、結腸、直腸、膀胱、子宮、精巣、および膵臓に存在し得る。いくつかの実施形態では、イメージング方法は、固形腫瘍を検出するために使用される。さらに他の実施形態では、イメージング方法は転移性がんを検出するために使用される。
いくつかの実施形態では、イメージング方法は感染症を検出するために使用される。任意の真菌または細菌による感染症などの感染症は、本開示の主題を使用した検出のために企図されている。本明細書中で使用される場合、用語「感染」は、疾患を引き起こす生物による宿主生物の体組織の侵入、それらの増殖、ならびにこれらの生物およびそれらが産生する毒素に対する宿主組織の反応を指す。感染としては、院内感染、外科感染、ならびに腹膜炎、膵炎、胆嚢膿胸および胸膜膿胸などの重度の腹部感染、ならびに骨髄炎などの骨感染が挙げられるが、これらに限定されない。敗血症、敗血症および敗血症性ショックの検出、免疫抑制薬の使用に起因するまたは使用後の感染、がん化学療法、放射線、汚染された点滴、出血性ショック、虚血、外傷、がん、免疫不全、ウイルス感染、および糖尿病も考えられる。細菌および/または真菌感染などの微生物感染の例には、ヒト型結核菌、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、セラチア・マルセッセンス、緑膿菌、黄色ブドウ球菌およびコアグラーゼ陰性ブドウ球菌を含む黄色ブドウ球菌属、エンテロコッカス属、肺炎連鎖球菌、インフルエンザ菌、バクテロイデス属、アシネトバクター属、ヘリコバクター属、カンジダ属による感染が含まれるが、これらに限定されない。耐性微生物による感染、例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)およびバンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェシウム(VRE)が含まれる。いくつかの実施形態では、感染は細菌感染である。いくつかの実施形態では、感染は慢性細菌感染である。いくつかの実施形態では、細菌感染症は結核である。いくつかの実施形態では、感染症は播種性結核である。いくつかの実施形態では、感染症は、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、および/またはヒト免疫不全ウイルスであり得る。
いくつかの実施形態では、イメージング方法は炎症を検出するために使用される。炎症に関連する障害の例としては、喘息、自己免疫疾患、自己炎症性疾患、セリアック病、憩室炎、糸球体腎炎、化膿性汗腺炎、過敏症、炎症性腸疾患、間質性膀胱炎、中耳炎、骨盤内炎症性疾患、再かん流傷害、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、移植拒絶反応、全身性エリテマトーデスを含む狼瘡、および血管炎が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、炎症は、関節リウマチまたは全身性エリテマトーデスによって引き起こされる。
PD-L1は、活性化T細胞、B細胞、および骨髄細胞上に見出されるその受容体であるPD-1に結合し、活性化または阻害を調節する。したがって、PD-L1発現を検出する本開示の造影剤は、T細胞、B細胞、および骨髄細胞などの免疫細胞を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態では、本開示の造影剤は腫瘍中の免疫細胞を検出する。いくつかの実施形態では、本開示の造影剤は、被験体における免疫細胞の分布を全身的に検出する。いくつかの実施形態では、イメージング方法は、感染性細胞における免疫細胞応答を検出するために使用される。いくつかの実施形態では、イメージング方法は、炎症細胞における免疫細胞応答を検出するために使用される。
いくつかの実施形態では、本開示のイメージング方法は、PD-L1発現の治療誘導変化などのPD-L1発現の変化を検出および/または測定する。そのような方法は、特定の治療方法の有効性を確かめるためにおよび/または有効な治療用量範囲を決定するために使用することができる。
(III.造影剤を含むキット)
いくつかの実施形態では、上記の通り、本開示の主題は、プログラム死リガンド1(PD-L1)を検出するためのキットを提供し、キットは、プログラム死リガンド1(PD-L1)に対して結合特異性を有するペプチドとレポーティング部位とのコンジュゲート、および任意にリンカーを含む造影剤であって、リンカーが、存在する場合には、ペプチドとレポーティング部位とを連結し、リンカーが存在しない場合には、レポーティング部位がペプチドのアミノ酸の第一級アミンを介してペプチドに直接結合している造影剤を含む。
典型的には、本開示の主題のキットは、本開示の造影剤および少なくとも1つの本開示方法を実施する方法についての説明書を含む。造影剤は通常、PD-L1を少なくとも1個体の被験体または患者において少なくとも1回検出するのに十分な量でキット中に供給される。キットは、本開示の方法の少なくとも1つの実施形態を実施するのに必要な他の試薬および供給物のいくつかまたは全ても含み得る。
その最も単純な形態では、本開示の主題のキットは、本開示の主題の少なくとも1種類の造影剤を含有する容器を含む。いくつかの実施形態では、キットは複数の容器を含み、各容器は少なくとも1つの造影剤または本開示の方法の1つまたは複数の実施形態を実施するのに有用な他の物質を含み得る。
容器は、本開示の組成物または本開示の方法を実施するのに有用な他の物質を収容するのに適した任意の材料であり得る。したがって、容器はバイアルまたはアンプルであり得る。それは、ガラス、プラスチック、金属、または紙もしくは紙製品などの任意の適切な材料から製造することができる。実施形態では、それは、ストッパー、ストッパーおよびクリンプシール、もしくはプラスチック製もしくは金属製キャップなどによって密封することができるガラス製もしくはプラスチック製のアンプルまたはバイアルである。容器に含まれる造影剤の量は、本開示の主題に関連する多数のパラメータに基づいて、過度の実験をすることなく当業者によって選択され得る。
実施形態では、容器は、典型的には包装材料を含むより大きなユニットの構成要素として提供される(以下では簡潔さのためにキットと呼ぶ)。本開示のキットは、適切な包装および説明書、ならびに/または組成物の使用に関する他の情報を含み得る。通常、キットは、ボール紙やプラスチックなどの頑丈な材料で製造されており、説明書やその他の情報を直接印刷することができる。キットは、本発明の組成物を含む複数の容器を含み得る。そのようなキットでは、各容器は他の各容器と同じサイズであり、同じ量の組成物を含み得るか、あるいは、異なる容器は、異なるサイズであり得、および/または異なる量の組成物または異なる成分を有する組成物を含み得る。当業者は、容器サイズおよび内容物の多数の異なる構成が本発明によって想定されており、したがって、全ての置換が本明細書に具体的に列挙される必要があるわけではないことを容易に認識するであろう。
本明細書では特定の用語が使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的では使用されていない。別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、この本明細書に記載の主題が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
長年の特許法の慣習に従い、用語「a」、「an」、および「the」は、特許請求の範囲を含む本出願において使用されるとき、「1つまたは複数」を指す。したがって、例えば、文脈が明らかに反対でない限りなど(例えば、複数の被験体など)では、「被験体」への言及は複数の被験体を含む。
本明細書および特許請求の範囲を通して、「含む」、「備える」、および「含んでいる」という用語は、文脈上別段の要求がない限り、非排他的な意味で使用される。同様に、「含有する」という用語およびその文法的変形は、リスト内の項目の列挙が、列挙された項目に置換または追加され得る他の同様の項目を排除するものではないように、非限定的であることを意図する。
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的のために、別段に指示されない限り、量、大きさ、寸法、割合、形状、配合、パラメータ、百分率、パラメータ、量、特性、ならびに本明細書および特許請求の範囲で使用される他の数値は、「約」という用語がその値、量または範囲と共に明示的に現れなくても、全ての場合において「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、反対に示さない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメータは厳密ではなく、および厳密である必要はないが、おおよそおよび/またはより大きくても小さくてもよく、公差、換算係数、四捨五入、測定誤差など、ならびに、本開示の主題によって得られることが求められる所望の特性によって決まる当業者に知られている他の要因を反映する。例えば、値について言及する場合の「約」という用語は、特定量から、いくつかの実施形態では、±100%、いくつかの実施形態では±50%、いくつかの実施形態では±20%、いくつかの実施形態では±10%、いくつかの実施形態では±5%、いくつかの実施形態では±1%、いくつかの実施形態では±0.5%、いくつかの実施形態では±0.1%の変動を、そのような変形が開示の方法を実施するのに適切であるかまたは開示の組成物を採用するのに適切である場合に包含することを意味し得る。
さらに、「約」という用語は、1つまたは複数の数または数値範囲と関連して使用される場合、範囲内の全ての数を含む全てのそのような数を指すと理解されるべきであり、示された数値の上下に境界を広げることによってその範囲を修正する。端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含される全ての数、例えば、その範囲内に包含されるその小数を含む整数全体(例えば、1〜5の列挙は、1、2、3、4、および5、およびその小数、例えば、1.5、2.25、3.75、4.1などを含む)ならびにその範囲内の任意の範囲を含有する。
以下の実施例は、本開示の主題の代表的な実施形態を実施するための手引きを当業者に提供するために含まれている。本開示および当該技術分野の一般的な技術水準に照らして、以下の実施例は例示のみを意図しており、多数の変更、修正および代替を本開示の主題の範囲から逸脱することなく採用できることを、当業者は理解することができる。以下の合成の説明および特定の実施例は、例示の目的のためだけに意図されており、他の方法によって本開示の化合物を製造するいかなる様式においても限定的であると解釈されるべきではない。
(実施例1)
(非常に特異的なペプチドを用いる、PETでの迅速な腫瘍PD-L1検出)
1.1背景:腫瘍微小環境(TME)におけるPD-L1の増加は、能動免疫浸潤物によって発現されるプログラム細胞死タンパク質1(PD-1)受容体への結合を介した免疫浸潤物の不活性化による免疫抑制を引き起こす(Okazakiら、2007、およびTopalianら、2015)。腫瘍細胞上およびTME中のPD-L1発現は、患者の層別化および治療的モニタリングのための潜在的なバイオマーカーと考えられている(Herbstら、2014)。PD-L1 IHCに基づく補足的な診断試験が、米国食品医薬品局によって近年承認され、PD-L1がin vivoでのイメージングに適切な標的であり得ることを示唆している(Roachら、2016)。
現在、免疫組織化学(IHC)検出は、PD-L1/PD-1標的治療の治療モニタリングのために最も研究されている予測バイオマーカーであるが、このアプローチおよびPD-L1に対するその利用可能なFDA承認診断IHC試験には重大な限界があり、Roachら、2016;MansfieldおよびDong、2016;ならびにPhillipsら、2015、抗原陽性の定義の矛盾、検出抗体の不一致、アッセイ間の合意の不十分さ、ならびに正確性と信頼性を損なう腫瘍内および腫瘍間の不均一性、したがって治療上の意思決定の妨げとなっている。また、検査のために生検によって取得された組織サンプルは通常、非常に限られており、他の経路における標的化可能な発がん性突然変異(例えば、上皮増殖因子受容体(EGFR)、未分化リンパ腫キナーゼ、DNA修復遺伝子)を同定するための分子プロファイリングにとって必要となる場合があり、それは既存の治療法に対して感受性や抵抗性を与える。そのような貴重なサンプルは、PD-L1発現の信頼できる描写のために複数のPD-L1評価を行うことを非実用的にすることが多い。PD-L1の発現レベル、動態および分布の非侵襲的評価を可能にし、投与の60分以内のイメージングの標準的臨床ワークフロー内でそれらを行う新規PET造影剤は、PD-L1発現状態を評価するための利用可能な(IHCベースの)方法の欠点を克服するだろう。
腫瘍免疫微小環境の動的性質は、TMEの迅速な評価を可能にするPETトレーサーの開発の理論的根拠を提供する。これに関して、低分子量のペプチドベースのPETトレーサーは、それらの速いクリアランスおよび合成の扱いやすさのために、臨床適用にとって望ましい候補である(Reubiら、2008;Sunら、2016)。ソマトスタチン受容体およびケモカイン受容体4(CXCR4)を標的とするペプチドベースのPETトレーサーは、患者において高い標的対非標的比を生じる(Herrmannら、2016;Gourniら、2011)。
近年、PD-L1に特異的に結合するペプチドが報告されている(以下を参照:2016年3月17日に公開された、Millerらの国際PCT特許出願公開番号WO2016039749、Macrocyclic Inhibitors of the PD-1/PD-L1 and CD80 (B7-1)/PD-L1 Protein/Protein Interactions;2016年6月23日に公開された、Mapelliらの国際PCT特許出願公開番号WO2016/100285、Immunomodulators;2016年6月23日に公開された、Sunらの国際PCT特許出願公開番号WO2016/100608、Immunomodulators;2016年8月11日に公開された、Millerらの国際PCT特許出願公開番号WO2016/126646、Immunomodulators、その各々の全体が本明細書に組み込まれる);しかしながら、in vivoでPD-L1発現を検出するそれらの可能性は確立されていない。これらのPD-L1結合ペプチドは、腫瘍におけるPD-L1発現を迅速かつ高い特異性で検出する可能性があると仮定された。この仮説を検証するために、コンジュゲーションに最も適し、単一の第一級アミンを有する報告されているペプチドライブラリーからペプチド、WL12を選択し、そのPD-L1への結合様式を評価した。DOTAGAキレート剤を64Cuでの放射性標識のためにWL12に結合させて[64Cu]WL12を生成し(Eisenwienerら、2000)、PD-L1に対するペプチド誘導体の結合親和性を評価し、PD-L1発現が変動する細胞株における[64Cu]WL12のin vitro取り込みを評価した。概念実証として、[64Cu]WL12がin vivoでPETイメージングによってPD-L1発現を検出する能力を、構成的ヒトPD-L1発現(hPD-L1)を有するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)腫瘍および同質遺伝子陰性対照腫瘍(CHO)を持つNSGマウスにおいて評価した。[64Cu]WL12の組織分布および標的特異性は、ex vivo生体内分布およびブロッキング試験によって確認した。
(1.2結果および考察)
1.2.1:WL12は、PD-1と同様の様式でPD-L1に結合する。WL12のPD-L1への結合様式を評価するために、PD-1の代わりにWL12をドッキングするための、PD-1に結合したヒトPD-L1の共結晶構造(PDB ID:4ZQK)(Zakら、2015)を使用した。大環状分子WL12の構造的複雑性を考慮し、本発明者らは、最初に立体配座検索を行い、Glideを用いてPD-L1上のPD-1結合部位に配座異性体をドッキングした(Friesnerら、2004;Halgrenら、2004)。WL12は、2つの大環状鎖の骨格間に2つの水素結合を持つベータシート様構造を形成する(図1B)。この立体配座は、円偏光二色性実験によって支持されている(図2)。PD-1の構造を、結合されたWL12と重ね合わせると、これら2つの間の結合モードの類似性が明らかになる。PD-L1との結合界面を形成するPD-1の2本のベータ鎖は、WL12の偽鎖と重なる(図1C)。WL12のL-ロイシンは、PD-1のIle134と同じ小さい疎水性ポケットに挿入され、2つのノルロイシン残基のうちの1つは、PD-1のIle126と整列する。これらの疎水性相互作用に加えて、多数の水素結合がWL12とPD-L1との間に存在する。WL12上のアスパラギンのカルボキサミドはTyr123と水素結合を形成し、グリシンアミドはGly120の骨格と水素結合を形成し、セリンヒドロキシルはGln66と相互作用する。オルニチン残基は露出しており、PD-L1との結合には関与しない。任意の1つの特定の理論に縛られることを望むものではないが、これは、アミンカップリング法による適切な標識のコンジュゲーションが、WL12のPD-L1への結合を妨害しないことを示唆する。
1.2.2:[64Cu]WL12は、in vitroでPD-L1特異的細胞取り込みを示す。13オルニチン(Orn)第一級アミンを利用してDOTAGAをコンジュゲートし、次いでこれを使用して非放射性C2+類似体(WL12-Cu)を調製し、64Cuで放射性標識した。得られたWL12Dおよび対応するWL12-CuをHPLCにより精製し、質量分析法により特性評価し(図2、図3、図4、図5、図6、および図7)、in vitro評価にかけた。PD-L1のPD-1との相互作用を阻害するWL12およびその誘導体の最大半分阻害濃度(IC50)を評価するために、蛍光共鳴エネルギー移動に依存する前述のin vitroアッセイを最適化した(Woodardら、2014)。WL12、WL12D、およびWL12-Cuについて、それぞれ22、23、および2.9nMのIC50値が観察された(図8A、図9、図10および下記の表1)。これらのデータは、13Orn側鎖をDOTAGAで修飾し、Cu2+にキレート化しても、WL12がPD-L1に対して高い結合親和性を保持していることを示している。
PD-L1特異性および細胞取り込みを実証するために、[64Cu]WL12を高い比放射能(1.9±0.1mCi/μg)および放射化学的純度(>95%)で生成した(図11および図12)。[64Cu]WL12と1時間インキュベートしたhPD-L1細胞は、陰性対照CHO細胞と比較して、インキュベートした用量の>50%の取り込みおよび結合放射能の43倍の増加を示した(図8C)。次いで、hPD-L1細胞を[64Cu]WL12単独で、または1μMのブロッキング用量のWL12の存在下でインキュベートすることによって結合特異性を試験した。結合した[64Cu]WL12の>95%の減少がペプチドの存在下で観察され、PD-L1への[64Cu]WL12の結合が特異的であることを示した(図8C)。内因性PD-L1発現を検出する[64Cu]WL12の能力を、それぞれ高いおよび低いPD-L1発現を示す2つのトリプルネガティブ乳がん(TNBC)細胞株、MDAMB231およびSUM149においてさらに試験した(図8B)。SUM149細胞と比較してMDAMB231細胞における放射能の2倍高い取り込みは、PD-L1に対する[64Cu]WL12の特異性をさらに確認した(図8C)。PD-L1発現についてのフローサイトメトリー分析は、次の順序で平均蛍光強度値を示した:hPD-L1> MDAMB231> SUM149> CHO、これは放射能の取り込みと相関した(r=0.9977、図13および図14)。まとめると、これらの結果は、[64Cu]WL12がin vitroでPD-L1発現依存的にがん細胞に結合することを実証している。
1.2.3:[64Cu]WL12は、高PD-L1発現の腫瘍に特異的に蓄積する。[64Cu]WL12のin vivo特異性および分布についての洞察を得るために、hPD-L1およびCHO腫瘍を持つマウスにおいてPET-CTイメージング試験を行った(n=4)。PETイメージング試験は、hPD-L1腫瘍における[64Cu]WL12の確実な取り込みを示した。hPD-L1腫瘍における取り込みの増加は10分という早さで観察され、注射後24時間まで保持され(図15Aおよび図16)、PD-L1発現はIHCによって確認された(図15B)。腫瘍に加えて、腎臓および肝臓でも高い取り込みが観察された。PETイメージング観察を確認するために、生体内分布試験を[64Cu]WL12の注射の1および2時間後に行った(それぞれn=3およびn=5)。PD-L1陽性腫瘍で観察された急速な取り込みを考慮すると、1時間および2時間での生体内分布は18F標識類似体の開発にとってより有益であると考えられた。イメージング試験と一致して、hPD-L1腫瘍は1時間で14.9±0.8の注射量/g(%ID/g)値の百分率で放射能の取り込みを示した。対照的に、対照CHO腫瘍取り込みは4.0±0.6%ID/gであった(図17)。腎臓および肝臓での取り込みも比較的高く、それぞれ34.4±3.1および24.2±2.5%ID/gの取り込み値であった。hPD-L1腫瘍の腫瘍対筋肉および腫瘍対血液比は、それぞれ25.6±1.9および4.7±1.2であり、[64Cu]WL12がPD-L1特異的画像を高いシグナル対ノイズ比で提供する能力と一致した(図15Aおよび図15B)。
2時間後に行われた生体内分布試験は、腎臓、肝臓および腫瘍における放射能の減少に向かう傾向を伴う同様のプロファイルを示した(図17)。In vivo特異性を実証するために、[64Cu]WL12を過剰のWL12(50μg、2mg/kg)と同時注射し、2時間で生体内分布試験を行った。hPD-L1腫瘍において%ID/g値の>75%の減少(P<0.0001)が観察され、対照CHO腫瘍における有意差は観察されなかった。腎臓でも摂取量の減少が見られた。他の組織では放射能の取り込みに有意差は見られなかった。肝臓への取り込みの増加、64Cuベースの造影剤でしばしば観察される傾向(Andersonら、2009)は、キレート剤からのCu2+の解離およびそれに続くアルブミンおよびセルロプラスミンなどの血漿タンパク質へのトランスキレート化に起因し得る(Smith-Jonesら、1991;Wadasら、2007;およびBoswellら、2004)。腎臓取り込みの増加は、ペプチドの腎臓クリアランスも主に示唆する。PD-L1を発現することが知られており、放射性標識抗体の取り込みの増加を示すことが報告されている組織である、脾臓、胸腺、および褐色脂肪において、低い取り込みが観察され(Chatterjeeら、2016;Hettichら、2016;およびJosefssonら、2016)、[64Cu]WL12が、マウスPD-L1に対して親和性が非常に低いまたは全く親和性がないことを示唆する。ヒトPD-L1に対する[64Cu]WL12特異性をさらに支持するものとして、腎臓を除いて、これらの組織では対照群とブロッキング用量群との間で有意な摂取差は認められなかった。イメージングおよび生体内分布試験は、共同で、[64Cu]WL12がヒトPD-L1に迅速かつ特異的に結合することを実証している。
1.2.4:CDの結果。水溶液中および膜模倣溶液中のWL12の二次構造を評価するために、CD分光法を水、DPC、およびSDSの組み合わせで行った。図2に示すように、Trp残基は、220〜240nmの領域でWL12ペプチドのCDスペクトルに大きな影響を及ぼす。界面活性剤を含まない溶液では、約220nmで最小値および約230nmでポジティブショルダーが観察された。界面活性剤を添加すると、両方のバンドがわずかに赤方偏移し、後者の強度の増加が認められる。これらのバンドはTrp-Trpカップリングに起因している。両方のTrp発色団は近接しており、それらは単一の吸収単位として振舞う。その結果、それらの励起状態は相互作用し、二量体系の励起状態は両方の単量体にわたって非局在化する。励起子効果と呼ばれるこの現象は、励起状態の2つの成分への分裂を引き起こし、そのうちの一方は2つの単量体励起の同相結合から、そしてもう一方は異相結合から生じる。(Grishina 1994、およびKelly 2000)。
無秩序ペプチドのCDスペクトルは、典型的には200nm未満の単一バンドによって特徴付けられ、一方αヘリックスは、208および222nmで2つのネガティブバンドを、192nmで1つのポジティブバンドを示し、βシート構造は通常217nmでネガティブバンドを、195nmでポジティブバンドを示す。それ故、WL12ペプチドのCDスペクトル上の〜205nmでの強いネガティブバンドおよび〜190nmでの強いポジティブバンドは、ランダムコイル構造およびより秩序のある構造の混合物を示唆し得る。CDスペクトルのデコンボリューションは、全ての測定条件下で高いβシート含量(〜40%)を示す。それにもかかわらず、WL12の遠紫外CDスペクトルへのTrp発色団の強い寄与は、二次構造含量の定量分析の精度に影響を及ぼし、その結果は慎重に解釈されるべきである。
1.3要約:要約すると、迅速な腫瘍PD-L1検出およびPD-L1選択性が、非常に特異的なPD-L1結合ペプチド[64Cu]WL12を用いて、in vitroおよびin vivoにおいてPETで実証された。[64Cu]WL12の薬物動態および生体内分布は、PD-L1検出が放射性トレーサー投与の60分以内に患者をイメージングする標準的な臨床ワークフロー内に適合させることが実現可能であることを示唆している。全ての悪性病変全体におけるPD-L1発現の迅速かつ非侵襲的な検出は、免疫調節療法について患者を層別化する前例のない機会を提供する。
(1.4材料および方法)
1.4.1材料:PD-L1結合ペプチド、WL12は、>95%の純度でCPC Scientific(カリフォルニア州サニーベール)によってカスタム合成された。別段に指定されない限り、他の全ての化学物質を、Sigma-AldrichまたはFisher Scientificから購入した。2,2´,2´´-(10-(2,6-ジオキソテトラヒドロ- 2H-ピラン-3-イル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリイル)三酢酸(DOTAGA無水物)および[64Cu]Cl2を、それぞれCheMatech Macrocycle Design Technologies(カタログ番号C109;ディジョン、フランス)およびウィスコンシン大学から購入した。特に指定しない限り、全ての細胞培養関連試薬をInvitrogenから購入した。ポリクローナル抗ヒトIgG-Eu3+クリプテート(カタログ番号61HFCKLA)およびXL665コンジュゲートマウスモノクローナル抗6ヒスチジン抗体(カタログ番号61HISXLA)を、Cisbio Assays(ベッドフォード、マサチューセッツ州)から購入した。組み換えヒトPD-1 Fcキメラタンパク質(カタログ番号1086-PD-050)および組み換えヒトPD-L1(B7-H1)-His-タグタンパク質(カタログ番号9049-B7)を、R&D systems(ミネアポリス、ミネソタ州)から得た。
1.4.2ドッキング試験:WL12のPD-L1へのドッキングを実施するために、PD-L1に結合したヒトPD-1の結晶構造(PDB ID:4ZQK)をテンプレートとして使用した。モデルは、MaestroのProtein Preparation Wizard in Maestro(Schrodinger Release 2016-2: Maestro, version 10.6, Schrodinger, LLC, New York, NY, 2016)を用いて最初に調製した(Sastryら、2013)。これは、結合次数および形式電荷の割り当て、水素原子の付加、および欠けている側鎖の付加を伴う。タンパク質内の水素結合ネットワークが最適化され(チオールおよびヒドロキシル基の再配向、Asn、GlnおよびHis側鎖のサンプリング、ならびにHis、AspおよびGluのプロトン化状態の予測を含む)、続いて簡単な最小化が行われる。PD-1の構造は削除された。Prime Conformational Search (Schrodinger Release 2016-2: Prime, version 4.4, Schrodinger, LLC, New York, NY, 2016)を用いて、WL12の構造について立体配座検索を行った。ドッキング実験のために、100個の最低エネルギー配座異性体を選択した。デフォルト設定および入力リング立体配座を使用して、Glide(Schrodinger Release 2016-2: Glide, version 7.1, Schrodinger, LLC, New York, NY, 2016)でドッキングを行った(Friesnerら、2004、Halgrenら、2004)。これらの計算に使用されたソフトウェアは、SBGridによって作成された(Morinら、2013)。
1.4.3円偏光二色性(CD)測定:界面活性剤を含まない水溶液中およびドデシルホスファチジルコリン(DPC)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)のミセル水溶液中およびモル比5:1の混合DPC:SDSミセル中のペプチドのCDスペクトルを、Jasco J-815分光偏光計(Jasco、Easton、MD)を用いて得た。全ての測定を、25℃で0.15mg/mLのペプチド溶液を用いて行った。実験を185〜260nmの範囲にわたって行い、3連で実施してシグナル対ノイズ比を増加させた。最終スペクトルをバックグラウンド減算によって補正し、平均残基モル楕円率、MRME(度×cm×dmol-1)対波長λ(nm)として分析した。二次構造の含量を、CONTIN法を用いてスペクトルから計算した(Sreeramaら、2000)。
1.4.4:WL12-DOTAGA(WL12D)の合成:3mgのペプチド(1.5μmol)を0.5mLのDMFに溶解させ、3.7mgの無水DOTAGA(0.5mLのDMF中7.51μmol)および20μLのジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)と混合させた。反応混合液を室温で2時間撹拌し、生成物を、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)システム(Varian ProStar)で、Agilent Technology 1260 Infinityフォトダイオードアレイ検出器(Agilent Technologies、Wilmington、DE)と共に、セミ分取C-18ルナカラム(5mm、10×250mm Phenomenex、トーランス、カリフォルニア州)および98%H2O(0.1%TFA)と2%MeOH(0.1%TFA)から開始して4mL/分の流速で60分で100%のMeOHに達するグラジエント溶出を用いて精製した。所望のWL12Dを44.5分で集め、蒸発させ、脱イオン水中に溶解させて凍結乾燥させ、3.1mg(1.3μmol)の生成物を白色粉末として得た(収率:82.9%、図2)。得られたコンジュゲートを、0.1%のギ酸を含む50%(v/v)のH2O-MeOHに可溶化し、電子スプレーイオン化質量分析法(ESI MS、Esquire 3000 Plus分光計、Bruker Daltonics、ビレリカ、マサチューセッツ州)によって分析した(図4)。理論化学式:C91H128N22O20S2。観測ESI-MS m/z:2340.9-(M+1)+1、1171.1-(M+2)+2/2および781.1-(M+2)+3/3。(予測値:2340.65)
1.4.5:WL12-Cu2+錯体の調製:1.5mgのWL12D(0.64μmol)を、200μLの酢酸ナトリウム(0.1M、氷酢酸でpH=4.5に調整)に溶解させ、55μLの0.02M CuCl2水溶液(1.1μmol)を添加した。得られた反応混合液を65℃で30分間インキュベートし、WL12Dについて記載したようにRP-HPLCにより精製し(図5)、凍結乾燥し、得られた淡青色粉末をESI MSにより分析した(図6)。次いで、放射標識の標準として、ならびにPD-L1およびPD-1競合結合アッセイの標準として、WL12-Cu2+錯体を用いてRP-HPLC条件を最適化した(図7)。理論化学式:C110H156N26O29S。観測ESI-MS m/z:2402.6 -(M+1)+1、1201.9 -(M+2)+2/2(予測値:2402.18)
1.4.6:PD-L1およびPD-1結合阻害アッセイ:PD-1へのPD-L1結合の競合的阻害アッセイを、Cisbio(Woodardら、2014)との議論において、前述の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ベースのアッセイから最適化した。全ての結合/阻害アッセイを21μLのFRETアッセイ緩衝液(dPBS、ウシ血清アルブミン(0.1%、w/v)、Tween-20(0.05%v/v)およびフッ化ナトリウム(400mM))中で実施した。アッセイ条件を、最初にPD-1およびPD-L1濃度について最適化した。10nM、20nMおよび40nMの最終濃度のPD-1-Igを、0.65〜320nMに及ぶ最終濃度(各濃度3連で)のPD-L1-His-タグとともに15分間インキュベートし、続いて、抗ヒトIgG-Eu3+クリプテート(IgG-Eu、最終濃度2nM)および抗6HIS-XL665モノクローナル抗体(抗6HIS-XL665、最終濃度40nM)を含有する10μLのFRET緩衝液を添加した。室温で1時間インキュベートした後、1μLのNaFアッセイ緩衝液を添加し(最終濃度、400mM)、プレートをPerkin Elmer Victor3 1420マルチラベルカウンター(Perkin Elmer、ウォルサム、マサチューセッツ州)を用いて読み取った。
競合的阻害アッセイのために、阻害剤(WL12、WL12DおよびWL12-Cu2+、範囲:1pM〜1mM)をPD-L1-His-タグ(最終80nM)と共に10μLのアッセイ緩衝液中で15分間プレインキュベートし、続いて、PD-1-Ig(最終濃度20nM)を含有する5μLのアッセイ緩衝液を添加し、15分間インキュベートした。次いで、IgG-Eu(最終濃度2nM)および抗6HIS-XL665(最終濃度40nM)を含む5μLのアッセイ緩衝液を加えた。室温で1時間インキュベートした後、1μLのNaFを添加し(最終濃度400mM)、プレートをPerkin Elmer Victor3 1420マルチラベルカウンターで読み取った。データをシグモイド用量反応曲線およびCheng-Prusoff式に適合させることによって、IC50およびKi値を算出し、80nMの濃度のPD-L1について、KD=70nMを導き出した。全ての実験を3連で行い、3回繰り返した。
1.4.7.[64Cu]WL12の生成:ウィスコンシン大学から購入した64CuCl2を少量まで蒸発させ、0.1M酢酸ナトリウム溶液で滴定することによって64Cu(OAc)に変換させた。放射標識のために、100μLの酢酸ナトリウム中の約10μgのWL12Dペプチドコンジュゲート(4.27nmol)を、約185MBq(約5mCi)の64Cu(OAc)と混合させ、65℃で30分間インキュベートした。得られた放射性トレーサーを、C-18(Luna、5μm、10x250mm;Phenomenex)セミ分取カラムで、放射性単一チャンネル放射線検出器を装備したVarian ProStarシステム(モデル105S;Bioscan、パウウェイ、カリフォルニア州)および280nmに設定したVarian ProStar UV吸光度検出器を使用して精製した。98%HO(0.1%TFA)と2%MeOH(0.1%TFA)で開始して5mL/分の流速で70分かけて90%MeOHに達するグラジエント溶出を適用した。[64Cu]WL12を〜56.2分で回収し(未標識ペプチドの保持時間:53.6分)、蒸発させ、5%DMSOを含有する生理食塩水で希釈し、2滴のTween 20をin vitroおよびin vivo評価に使用した。[64Cu]WL12が、52.09±6.3%の収率で、1.9±0.11mCi/μgの比放射能で得られた。
1.4.7.細胞系:チャイニーズハムスター卵巣細胞系CHO-K1(以後CHOと呼ぶ)およびトリプルネガティブ乳がん(TNBC)細胞系MDAMB231を、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC、マナッサス、バージニア州)から購入し、3ヶ月未満の間継代し、その後凍結細胞のバイアルから新しい培養を開始した。SUM149細胞株を、サウスカロライナ医科大学Stephen P. Ethier博士から賜り、ジョンズホプキンス遺伝資源施設においてSTRプロファイリングにより認証された。SUM149細胞は、5%FBS、1%P/Sおよび5μg/mLのインスリン、ならびに0.5μg/mLのヒドロコルチゾンを含むハムF-12培地で維持した。他の全ての細胞株を、5%CO2を含有する雰囲気中、37℃のインキュベーター内でATCC推奨の培地中で培養した。ヒトPD-L1(以後、hPD-L1と呼ぶ)を安定的に発現するCHO細胞系を、本発明者らの研究室(Chatterjeeら、2016)で作製し、10%FBS、1%P/Sおよび2%mg/mLのG418を含むF-12K培地中で維持した。
1.4.8.フローサイトメトリー:懸濁液中の細胞を遠心分離により回収し、接着細胞を、酵素を含まないPBSベースの細胞解離緩衝液(Thermo Fisher Scientific、ウォルサム、マサチューセッツ州)を用いて剥離した。回収した細胞をフローサイトメトリー緩衝液(2mMのEDTAおよび0.5%のFBSを含む1×PBS)で2回洗浄した。細胞を、フィコエリトリンとコンジュゲートした抗ヒトPD-L1抗体(BD-MIH-PE、クローン番号MIH1、カタログ番号557924、Becton Dickinson、フランクリンレイクス、ニュージャージー州と表示)で、製造業者のプロトコルに従って染色し、FACSCaliburで分析したフローサイトメーター(Becton Dickinson)で分析した。少なくとも20,000の事象が記録された。
1.4.9.In vitro結合:hPD-L1、CHO、MDAMB231およびSUM149細胞への[64Cu]WL12のin vitro結合を、1μCiの放射性トレーサーを1×10細胞と共に37℃で1時間インキュベートすることによって決定した。インキュベーション後、自動ガンマカウンター(1282 Compugmama CS、Pharmacia/LKB Nuclear社、ゲーサーズバーグメリーランド州)でカウントする前に、細胞を冷PBSで3回洗浄した。[64Cu]WL12のPD-L1特異的結合を実証するために、1μMのWL12ペプチドまたはヒト化抗PD-L1抗体アテゾリズマブでPD-L1ブロッキングを行った。平均蛍光強度値は、インキュベートされた用量の%(%ID)の取り込みと相関していた。全ての細胞取り込み試験を各細胞株について3連で行い、3回繰り返した。
1.4.10.動物モデル:動物実験を、JHU Animal Care and Use Committee(ACUC)によって承認されたプロトコルに従って行った。6〜8週齢の雌の非肥満性糖尿病重症複合免疫不全ガンマ(NSG)マウスを、JHU Immune Compromozed Americal Coreから入手した。マウスの上腹部の両側に10×10個のCHO-PDL1およびCHO細胞を皮下移植した。腫瘍が200〜300mmの体積に達したときに、マウスをイメージングまたは生体内分布実験に使用した。
1.4.11.マウス異種移植片のPET-CTイメージング:マウスに、200μLの生理食塩水中の150μCiの[64Cu]WL12を静脈内に注射し(n=3)、スキャナーに置く前に3%イソフルラン下で麻酔した。イメージング中、マウスを1%イソフルオランレベルに維持した。PET画像を、10分間/ベッドで2つのベッド位置で、ARGUS小動物PET/CTスキャナー(Sedecal、マドリード、スペイン)にて取得した。解剖学的コレジストレーション用に、各PETスキャンの終わりにCTスキャン(512投影)を実施した。PETデータを、二次元規則サブセット-期待値最大化アルゴリズム(2D-OSEM)を用いて再構成し、デッドタイムおよび放射性崩壊について補正した。既知放射能量から得られた較正係数に基づいて、cc当たりの%ID値を計算した。最終的なデータの視覚化および画像生成は、Amira(登録商標)(FEI、ヒルズボロ、オレゴン州)を用いて達成した。
1.4.12.Ex vivo生体内分布:それぞれ高いおよび低いPD-L1発現(n=5)を有するhPD-L1およびCHO腫瘍を持つマウスに、40μCiの[64Cu]WL12を静脈内注射した。[64Cu]WL12注射の1時間後および2時間後に、血液、腫瘍、および選択された組織を採取し、秤量し、自動ガンマカウンター(Perkin Elmer-2480自動ガンマカウンター-Wizard2 3´´Wallac)でカウントした。ブロッキング試験用に、マウスに2mg/kg(50μg)の未修飾ペプチドを放射性トレーサーと共に同時注射した。組織1グラム当たりの注射量の百分率(%ID/g)値を、3連で測定したシグナル減衰補正および外部[64Cu]標準に対する正規化に基づいて計算した。示された生体内分布データは、平均値±平均値の標準誤差(SEM)である。
1.4.13.データ分析:Prism 6ソフトウェア(GraphPadソフトウェア、ラホーヤ、カリフォルニア州)を使用して対応のない両側t検定を使用し、統計分析を行った。P値<0.05が有意であると考慮し、比較対照を低いPD-L1発現を有する細胞株または腫瘍とした。フローサイトメトリーデータを、FlowJoソフトウェア(Tree Star、アシュランド、オレゴン州)を用いて分析した。IC50およびKi値を、Prism 6ソフトウェア(GraphPad)を用いて計算した。
(実施例2)
(PD-L1指向性PETからPD-L1標的薬開発)
2.1概要:がん免疫療法(CIT)は、さまざまな悪性腫瘍で持続的な反応をもたらすことによって患者の生存率を高めている。しかしながら、免疫チェックポイント標的療法で治療された患者のほぼ70%が単剤療法に反応しない(Lipsonら、2015;Topalianら、2015)。精密免疫療法に対する応答の決定要因を同定するという、満たされていない要求がある。チェックポイント併用療法は生存期間を延ばすが、多くの場合、免疫関連有害事象(irAE)の増加を犠牲にし、併用戦略に関する知識の増加が毒性を軽減するために必要であることを示唆している(Marroneら、2016)。免疫チェックポイント治療のための新しいバイオマーカーと、その幅広さおよび耐久性を高めてirAEを減らすそれらの組み合わせとを特定するための集中的研究が大いに求められている。したがって、本開示の主題の一態様は、PD-L1標的治療薬の開発および評価においてPD-L1ベースのPETイメージングを使用するための戦略を開発することである。進行期患者において侵襲性で非実用的である血漿または組織(生検)ベースのバイオマーカーに頼る現在の戦略とは異なり、本発明は、PD-L1標的治療薬(抗体、ペプチド、小分子)の用量対占有関係を、関連するin vivoモデルの腫瘍においてPD-L1 PETイメージングを使用して確立する。
2.1.1.PD-L1動態のPETベースの定量化によって可能になる進歩:NSCLC、TNBCおよび結腸腫瘍内のPD-L1標的治療AtzMabおよびそのマウスキメラ(PRO)の蓄積が、完全にはPD-L1発現依存性ではないことが最近発見されたが、高いPD-L1発現を有するH2444 NSCLC異種移植片が、IHCおよびフローサイトメトリーにより検出されたように、低いPD-L1発現を有する乳がん異種移植片において見られるものに対してかなり少量の放射性標識AtzMabを蓄積したためである(Chatterjeeら、2016)。同様に、同系マウス腫瘍モデルにおいて、全身注射された放射性標識PROは主に腫瘍血管系と関連し、腫瘍において腫瘍実質組織への拡散をほとんどまたは全く示さなかった(Dengら、2016)。そのような所見は、腫瘍内の間質圧の上昇を含む病態生理学的特徴に起因する可能性があり(Baxterら、1989;Baxterら、1990)、腫瘍内の治療薬の蓄積を妨げ、それは治療抵抗性の重要な一因である(Goelら、2011)。また、そのような効果は、主に腫瘍細胞および腫瘍免疫浸潤物に作用するPD-L1標的治療薬の腫瘍細胞への接近を潜在的に妨げる可能性がある。したがって、WL12/[18F]WL12などのペプチドまたは類似の放射性標識ペプチドは、それらの非常に小さい分子サイズのために、抗体よりも効果的かつ効率的に腫瘍組織に浸透して標的細胞に到達し得る。したがって、適切な分析および補正を使用することによって、[18F]WL12測定または同様の放射性標識ペプチドを使用して行われた測定は、標的腫瘍細胞において腫瘍組織内の所望の占有を達成するために必要な治療用mAb用量の同定/最適化に役立ち得る。
したがって、PD-L1指向性PETは、PD-L1標的薬開発に適用されてきた。その潜在的価値を評価するために、革新的な戦略において、[64Cu]WL12を用いて、PETで見られる腫瘍における用量対mAb局在に関して、治療用PD-L1抗体アテゾリズマブ(AtzMab)の腫瘍PD-L1エンゲージメント特性を評価および比較した。本明細書に開示される前臨床所見は、臨床的に実用的な所見を有するであろう。患者では、同様のPD-L1 PETベースのイメージング測定を使用して治療用量強化を誘導し、治療効果を改善することができる可能性がある(Yangら、2013;Oude Munninkら、2016)。また、そのようなPD-L1 PET測定は、腫瘍部位におけるそれらの潜在的なターゲットエンゲージメントの定量化を可能にすることによって、新規PD-L1標的治療薬の将来の開発を導くことができる可能性がある。
2.1.2.薬物開発および評価におけるPD-L1 PETの使用における革新:本開示の革新的なPD-L1ペプチドベースのPETイメージング戦略は、現在および将来の抗PD-L1治療薬の、それが最も関連している腫瘍でのターゲットエンゲージメント効力(すなわち占有および滞留時間)の評価を可能にする。動的PD-L1密度/代謝回転、および血清mAb濃度に影響を与えるPD-L1発現腫瘍量の程度は、腫瘍かん流の完全性および結果として生じる腫瘍内mAb蓄積と共に、治療効果に著しく影響を与える。放射性標識抗体は、必要なmAb投与レベルを定義し、標的表面分子占有率を計算するために以前から使用されてきたが(Dengら、2016)、そのアプローチの重要な制限は、腫瘍作用部位におけるPD-L1占有率を予測できるだけである。本開示のアプローチはこの問題に効果的に取り組み、腫瘍部位でのPD-L1占有を定量化する。したがって、有効なmAb投与量および到達した累積量に対する主要な腫瘍生理学的パラメータの寄与を考慮することに加えて、本発明者らは、本発明者らの新規のPETトレーサーベースの測定が、なぜPD-L1陽性腫瘍を持つ一部の患者がCITに反応しないのかについての現在の理解を向上させ、腫瘍における望ましい占有レベルに達するための投与量増加戦略を導く可能性があることを期待している。
(2.1.3.PD-L1標的治療薬の開発および評価におけるPD-L1-PETの有用性を評価する:)
(2.1.3.1論拠)
PD-L1およびPD-1を標的とする治療用抗体は、PD-L1陽性腫瘍を有する患者のごく一部で非常に優れた有効性を示している。現在使用されている用量では、レスポンダーおよび非レスポンダー集団は、PBMCにおける約65%のPD-L1占有率を示しているが、PBMCにおけるPD-L1占有率と腫瘍における占有率との関係は、動的であり、よくわかっていない(Brahmerら、2012)。また、腫瘍モデルにおける試験は、いくつかの腫瘍において、PD-L1抗体が腫瘍血管系に限定されることを見出した(Dengら、2016)。放射性標識AtzMabを用いた予備的結果は、NSCLC異種移植片におけるこれらの発見を総括した(Chatterjeeら、2016)。まとめると、これらの所見は、腫瘍におけるPD-L1占有率およびその用量依存性、ならびに腫瘍における抗PD-L1抗体の滞留時間の理解を向上させることが、より良い情報に基づくPD-L1指向治療に必要であることを示唆する。任意の1つの特定の理論に縛られることを望むものではないが、PD-L1 PETは、抗PD-L1抗体(またはペプチドおよび小分子)のそのようなPK測定を標的結合および滞留時間に関して評価するための貴重なツールを提供すると考えられる。また、PET情報に基づく投与は、PD-L1 PETによって定量化することができ、腫瘍のPD-L1発現および免疫細胞浸潤における治療誘導性変化と相関させることができる腫瘍内の免疫プロファイルの変化をもたらすと考えられる。
2.1.3.2代表的データ:利用可能な抗PD-L1抗体およびPD-1誘導体の放射標識バージョンは、非侵襲的にPD-L1発現を検出するために使用されてきた(Chatterjeeら、2016;Dengら、2016;Hettichら、2016;Josefssonら、2016;Lesniakら、2016;Heskampら、2015;Mauteら、2015)。そのために、治療用抗体AtzMabをそのヒトおよびマウスの交差反応性について選択し、そのPD-L1検出の特異性を、免疫無防備状態マウスおよび4T1同系乳房腫瘍モデルにおけるヒトTNBCおよびNSCLC異種移植片において、PET、SPECTおよび光学イメージングによって実証した(Chatterjeeら、2016;Lesniakら、2016)(図20A、図20B、図20C、および図20D)。AtzMabは、ヒトおよびマウスの両方のPD-L1に高い親和性で結合し、解離定数(Kd)はそれぞれ0.43nMおよび0.13nMである。(Irvingら、2012;Powlesら、2014)AtzMabは、進行性または転移性の膀胱がん、(Powlesら、2014)黒色腫、(Hamidら、2013)NSCLC、(Spigelら、2013)RCC、(Choら、2013)TNBCおよび他のいくつかのがんの治療について臨床評価段階にある。
腫瘍内の放射性標識AtzMabの蓄積は、両方のがんタイプ(NSCLCおよびTNBC)においてPD-L1特異的であることが見出された(Chatterjeeら、2016;Lesniakら、2016年)。[111In]AtzMabの腫瘍内蓄積も、完全にはPD-L1発現依存性ではないことがわかり、これは、間質液圧、腫瘍対流、および血管外遊出の空間的変動が寄与する要因のいくつかであることを示唆しており、これは抗体でしばしば観察される問題である(Baxterら、1989)。MDAMB231 TNBC異種移植片は、皮下および同所性H2444 NSCLC腫瘍よりも高い組織蓄積を示し(グラム当たりの注射量の百分率;%ID/g)、これはフローサイトメトリーおよびIHC分析の両方により高いPD-L1発現を示した(Chatterjeeら、2016)。本発明者らの新規ペプチドベースのPD-L1 PETトレーサーの特異性および柔軟性を利用することによって、本発明者らは、in vivoでのPD-L1発現腫瘍内のAtzMab蓄積の動態を分析し、腫瘍内の抗体分布に影響を与える多数の要因を説明する、全く異なるアプローチにより、様々なPD-L1標的化抗体に適用することができる。
2.1.3.3 PD-L1 PETによる腫瘍中のPD-L1治療用抗体の蓄積:PD-L1に対するWL12の特異性を評価している間、WL12は、PD-L1上の同じ結合部位に対してAtzMabと競合することが発見された。これは、PD-L1指向性PETを使用して、AtzMab療法を必要とされる腫瘍部位で評価するための新規かつ以前には予想されていなかった手段を提供する。腫瘍におけるPD-L1抗体の分布の理解の向上は、臨床的な抗体投与および治療的モニタリングに影響を与える可能性がある。したがって、腫瘍内のPD-L1へのAtzMabの結合を評価する[64Cu]WL12-PETの能力を試験した。[64Cu]WL12-PETおよび生体内分布試験によって定量化されるように、hPD-L1腫瘍における放射能の蓄積は、AtzMab(20mg/kg)を注射されたマウスにおいて80%減少した(図21A、図21B、および図21C)。腎臓以外の他の組織における放射能摂取量は減少したが有意差は観察されず、[64Cu]WL12結合がヒトPD-L1に特異的であることを示した(Lesniakら、2016)。In vitro結合試験により、本発明者らは、非標識WL12がCy5コンジュゲートAtzMabのPD-L1への結合を濃度依存的に阻害し、IC50が37.8nMであり、両方のリガンドがPD-L1結合について競合するが(図21D)、AtzMabは[64Cu]WL12結合の阻害においてWL12よりも強力であり、AtzMab投与時に腫瘍中の未占有PD-L1レベルを検出することを可能にするはずであることを確認した。まとめると、これらの結果は、WL12とAtzMabの結合部位が重なり合うことを実証し、PD-L1発現腫瘍におけるAtzMabターゲットエンゲージメントおよび滞留時間(ターゲットエンゲージメント効力)を評価するための[64Cu]WL12-PETの潜在的有用性を示す。このアプローチの適用性は、PD-L1発現が自然に増加しているがん細胞株にも拡大された。トリプル乳がん異種移植片において、高PD-L1発現MDAMB231異種移植片中のAtzMab蓄積を検出する[64Cu]WL12の能力が観察された(図22)。20mg/KgのAtzMab用量を受けたマウスにおけるPD-L1 PET造影剤の取り込みの有意な減少も観察された。
Avelumab(AvMab)などの他のPD-L1標的治療用抗体と同様の適用が考えられる。AvMabは、NSCLC(NCT02395172)、進行性RCCおよび胃がんを含むいくつかのがんにおいて現在複数の第III相臨床試験中のヒトIgG1抗体である。AvMabと複合体を形成したPD-L1の結晶構造を分析したところ、AvMabは、WL12と同様に、PD-L1上の同じアミノ酸のいくつか(R113、D61、およびE58)と相互作用することがわかり(Liuら、2016)、これは、AvMabおよびおそらく他のPD-L1指向性治療用mAbによるin vivoターゲットエンゲージメントを評価するためのWL12ベースのトレーサーの潜在的に有利な有用性を示している。これらの研究は、PD-L1-PETが進行中のPD-L1 mAb療法をそのターゲットエンゲージメント能に関して評価する可能性を検証するものである。
(実施例3)
(セラノスティック抗体によるPD-L1エンゲージメントの非侵襲的定量化)
3.1概要:プログラム死リガンド-1(PD-L1)を標的とした抗体治療薬は、免疫チェックポイント阻害剤を含む臨床試験のほぼ4分の1に採用されている。総PD-L1レベル、それらのPD-L1治療薬による占有率、ならびに最適な免疫応答を確実にするための腫瘍内のターゲットエンゲージメントの程度と持続時間とに対する投与の関連性は、未知のままである。腫瘍内のPD-L1の占有率は、PD-L1の発現の動的変化、ならびに血漿および腫瘍抗体濃度を変化させる腫瘍の内因性および外因性パラメータによって影響を受ける可能性がある。しかしながら、そのような重要な変動は、末梢薬物動態学的および薬力学的評価によっては捉えられていない。PD-L1治療薬の用量-薬物ばく露関係におけるギャップに対処するために、PD-L1発現の動的変化の定量化を可能にする放射性標識PD-L1結合ペプチドを調べた。構造分析は、ペプチドおよび治療用モノクローナル抗体(mAb)のPD-L1との相互作用における重なりを示し、腫瘍中の治療用mAbの占有率を陽電子放出断層撮影(PET)を用いて測定することを可能にした。複数の異種移植片モデルにおいて、PETイメージングおよび生体内分布試験は、変動するPD-L1発現、およびPD-L1治療用抗体によるその飽和が定量化され得ることを示した。さらに、3つの異なる抗体による腫瘍におけるPD-L1占有率を測定し、腫瘍におけるPD-L1占有率に対する用量および時間の影響を定量した。ペプチドベースのPD-L1 PETは、免疫関連有害事象を減らすことを目的として、用量および治療計画を最適化するためのツールとして有望である。
より具体的には、本開示の主題は、ために定量的陽電子放出断層撮影(PET)イメージングを使用して、in vivoで腫瘍におけるPD-L1発現レベルおよびPD-L1 mAbターゲットエンゲージメントを特性評価する必要性に取り組む。それは腫瘍における標的発現の反復測定(Wilmanら、2008)および薬物開発および評価に有効であるが、腫瘍学における受容体占有研究にはめったに使用されず(Rathkopfら、2013)、特にPD-L1またはPD-1 mAbsの薬物動態学的および薬力学的評価については実現されていない(Petersonら、2008;Lindenら、2006)。
ヒトPD-L1に対して高い親和性および特異性で結合し、放射性トレーサー投与の120分以内に高コントラスト画像を生成する、64Cuで放射性標識された小型ペプチド、[64Cu]WL12が近年開発された(Chatterjeeら、2017)。この実施例は、PD-L1検出のための[64Cu]WL12-PETを記載し、肺がんおよび乳がんの実験モデルにおけるPD-L1発現の動的変化を定量化する。3つの異なるFDA承認mAb、アテゾリズマブ、アベルマブおよびデュルバルマブ(DurMab)によるPD-L1エンゲージメントを評価する[64Cu]WL12 PETの能力を評価した。さらに、腫瘍におけるPD-L1エンゲージメントの程度および持続時間に対するPD-L1 mAb用量の関連性を非侵襲的に評価した。
3.2背景:がん免疫療法(CIT)は、さまざまな悪性腫瘍に対して持続的な反応を示す。好ましいCIT標的の1つは、チェックポイントタンパク質プログラム死リガンド1(PD-L1)である。PD-L1は、腫瘍浸潤性細胞傷害性T細胞を回避する手段として多くの腫瘍によって発現され(Topalianら、2016)、PD-1受容体への直接結合を介して免疫抑制を引き起こす(Okazakiら、2007;Topalianら、2015)。PD-L1:PD-1相互作用を阻害する複数のPD-L1標的化モノクローナル抗体治療薬(mAb)が臨床試験中であり、これらの治療を受けている患者の30%近くが持続的な反応を示す(Topalianら、2015;Lipsonら、2015)。しかしながら、これら成功にもかかわらず、臨床上の課題を引き起こし、チェックポイント療法を進める臨床医の能力を制限する、遅延または混合腫瘍退縮などの異常な反応パターンに寄与する生物学的メカニズムの不完全な理解がある。
抗PD-L1 mAbの治療作用は、主に腫瘍の微小環境内で起こると考えられている(Toparianら、2015)。しかしながら、薬力学(PD)データは限られている;それらは作用部位(腫瘍)でのターゲットエンゲージメントを反映しておらず、限られた数の試験でしか報告されておらず、それらは末梢血単核球(PBMC)を用いて得られている。PD-L1抗体BMS-936559については、0.1〜10mg/kgに及ぶ用量について64〜70%の均一な標的占有率が報告されている(Brahmerら、2012年)。最も関連性のある部位、すなわち腫瘍におけるPD-L1 mAbの配置、および最適な免疫応答を確実にするためのターゲットエンゲージメントの程度および持続時間への投与の関連性について、多くのことが未知のままである。
PD-L1/PD-1標的治療の治療モニタリングのための最も研究されている予測バイオマーカーは、PD-L1免疫組織化学(IHC)(Gibneyら、2016)。しかしながら、その方法は、利用可能性が限られている生検標本を必要とし、時間的に動的な免疫腫瘍微小環境(TME)、ならびにPD-L1発現の腫瘍内および腫瘍間異質性を正しく反映し得ないため、重大な制限を有する(Mansfieldら、2016;McLaughlinら、2016)。原発性および転移性腫瘍におけるPD-L1発現レベル、動態、およびPD-L1治療薬の体内動態の非侵襲的評価、ならびにイメージングの標準的な臨床ワークフローの範囲内でそうするための満たされていない必要性がある。
(3.3結果)
3.3.1:WL12およびPD-L1 mAbとのPD-L1相互作用の構造分析およびin vitro検証。WL12は、PD-L1:PD-1相互作用を高親和性(IC50:20nM)で阻害する14アミノ酸ペプチドである(Chatterjeeら、2017)。初期の分子モデリング解析は、重要な分子相互作用に寄与する、PD-L1:WL12およびPD-L1:PD-1の、PD-L1の4つのアミノ酸(Y56、E58、D61およびA113)での相互作用面における重なりを示唆した(Chatterjeeら、2017)。治療用抗体アテゾリズマブ(AtzMab)と複合体を形成しているPD-L1の埋没面(2,106Å)は、PD-1のそれ(1,970Å)よりも大きい(Leeら、2017)。任意の1つの特定の理論に縛られることを望むものではないが、PD-L1上のWL12相互作用面も臨床的に入手可能な治療用mAbのそれと重なると考えられ、その理由はPD-L1:PD-1相互作用を阻害するようにそれらが同様に設計されているためである。それを試験するために、WL12の予測される結合立体配座をPD-L1 mAbのそれと比較した。全てのmAb、ならびにPD-1およびWL12でのAA接触の重なりは、PD-L1残基Y56、E58、A113、M115およびY123からなる共通の結合ドメインを明らかにする。PD-L1分子表面の視覚化(図33A、図34A)において明らかにされているように、重複領域(シアン)は深いポケットを形成し、全ての相互作用点に対するアンカー点として作用する。表面積に関して、AtzMab(赤)は、PD-1(紫色)、WL12(緑)、アベルマブ(AveMab、オレンジ)、およびデュルバルマブ(DurMab、青)からの相互作用表面と重なり合う共通結合コアの全ての側面上の残基との分子接触を生成する抗体からのループを持つPD-L1表面とより相互作用する。
前述の構造分析を裏付けるために、Cy5標識AtzMab、AveMabおよびDurMabを、市販のCy5蛍光N-ヒドロキシスクシンイミドエステルへの抗体のコンジュゲーションによって調製し、続いてPD-L1を構成的に発現するCHO細胞(Cho-hPD-L1)およびPD-L1を自然に発現するMDAMB231乳がん細胞(Chatterjeeら、2016)におけるWL12との競合阻害アッセイを行った。2〜5nMの阻害濃度で、PD-L1へのCy5-PD-L1 mAb結合のWL12用量依存的阻害が観察された(図33B)。HCC827およびH226非小細胞肺がん(NSCLC)細胞も試験した。それぞれがPD-L1を天然に発現し、5nMのWL12の存在下で蛍光型のAtzMab、AveMabおよびDurMabと共にインキュベートした。フローサイトメトリーは、結合蛍光の有意な減少(P<0.001)を示し、抗体-PD-L1相互作用を破壊するWL12の能力をさらに実証した(図34Cおよび34D)。CXCR4特異的抗体であるMDX1338を使用した場合、結合蛍光の変化が観察されないことにより、WL12:PD-L1相互作用の特異性のさらなる確認を得た。PD-L1陽性(HCC827、H226、MDAMB231およびhPD-L1)ならびにPD-L1陰性(Sum149およびCHO)細胞を、64Cuで放射性標識したWL12類似体([64Cu]WL12)と共にインキュベートした。WL12類似体は、hPD-L1/CHO細胞においてin vitroおよびin vivoで高い親和性(IC50<20nM)および選択性でPD-L1に結合することが以前に実証されたが、可変発現を有するヒトがん細胞株においては検証されていない(Chatterjeeら、2017)。PD-L1陰性細胞と比較して、PD-L1陽性細胞における[64Cu]WL12の高い発現依存性取り込みが観察された(P<0.0001)。さらに、PD-L1結合特異性についてのさらなるチェックとして、PBS処理対照と比較して60nM mAbsで処理した場合、全てのPD-L1陽性細胞における[64Cu]WL12取り込みの有意な遮断(P<0.0001)が観察された(図33C)。結果は、[64Cu]WL12を使用して、腫瘍中の遊離PD-L1レベルを検出し、PD-L1 mAbによるPD-L1エンゲージメントをモニターすることができることを示している。
3.3.2 AtzMabによる腫瘍PD-L1エンゲージメントの定量化。腫瘍における治療用mAbによるPD-L1エンゲージメントを非侵襲的にin vivoで評価するために、NSCLC異種移植片モデルを試験した。これらのモデルは、NSCLCのほぼ50%がPD-L1陽性であり、PD-L1 IHCが免疫チェックポイント療法を受けているNSCLC患者の予測バイオマーカーとして使用されるという理由で選択された(Mansfieldら、2016)。低および中程度のPD-L1発現をそれぞれ示すH226およびHCC827細胞由来異種移植片を有するNOD scidガンママウス(図36A)を、静脈内投与されたAtzMabの単回用量(20mg/kg、24時間)でそれらを処理した。[64Cu]WL12注射の2時間後に取得したPET画像は、H226と比較して、HCC 827腫瘍における[64Cu]WL12のより高い蓄積を示した。AtzMab処理マウスの腫瘍における放射能の蓄積の明らかな減少があり、処理対照と比較して利用可能なPD-L1部位のレベルの減少を示している(図35Aおよび図35B)。PETイメージングの結果は、生体内分布のex vivo測定によってさらに確認され(図35Dおよび図35E、図36Bおよび図36C)、これは食塩水対照と比較したAtzMab処理マウスにおける1グラムあたりの注射量の[64Cu]WL12パーセントの有意な減少を示した(%ID/g):H226を有するマウスにおいて34%(P<0.0001)およびHCC827異種移植片において47%(P<0.001)。PD-L1発現レベルは、異種移植片のPD-L1 IHCによって確認された(図35Cおよび図35F)。結果は、[64Cu]12を使用して、AtzMabによる腫瘍でのPD-L1のin vivo標的化を定量化することができることを実証する。
腫瘍中の異なるPD-L1レベルを標的とすることに対するAtzMabの単回投与の効果を評価するために、NSCLC細胞よりも4〜10倍高いPD-L1発現を有するCHO-hPDL1細胞株由来の腫瘍において、PETおよび生体内分布試験を行った(図36)。AtzMab(20mg/kg、24時間)で処理したCHO-hPDL1/CHO担腫瘍マウスは、対照と比較して、CHO-hPDL1腫瘍における[64Cu]WL12取り込みの有意な減少を示した(図35G)。生体内分布試験は、AtzMab処理腫瘍と比較してCHO-hPDL1腫瘍における[64Cu]WL12結合の77%の減少を示し(図35H、図36D)(P<0.0001)、AtzMabによる腫瘍PD-L1標的化の測定を実証した。PD-L1陰性CHO腫瘍において低レベルの[64Cu]WL12取り込みが観察されたが、これはAtzMabで処理したhPD-L1腫瘍のそれと類似していた。これらの観察結果は、hPD-L1およびCHO腫瘍におけるそれぞれ強いおよび弱い免疫反応性の観察によって確認された(図35I)。結果は、[64Cu]WL12-PETが腫瘍における段階的なレベルのPD-L1発現を検出することができ、単一の20mg/kgのAtzMab用量が腫瘍における広範囲のPD-L1レベルに関与し得ることを実証する。
3.3.3.PD-L1発現における動的変化の定量化。PD-L1は、様々なサイトカイン、特にPD-L1発現における動的および時空的不均一性に寄与するインターフェロンガンマ(IFNγ)に応答して上方制御されることが知られている(Taubeら、2015;Taubeら、2012)。腫瘍内の誘導性PD-L1発現をin vivoで定量化する[64Cu]WL12のロバスト性を評価し、AtzMab処理によるそのような上方制御されたPD-L1の遮断が[64Cu]WL12-PETによってモニターできるかどうかを判断した(図37A、図37B、図37C、図37D、図37E、および図37F)。
そうするために、ドキシサイクリン誘導性PD-L1発現を有するA549 NSCLC細胞株(A549-iPD-L1)を作製した。A549はベースラインでPD-L1を低発現するKras G12S肺腺がん細胞株である。それを、オールインワンレンチウイルスpINDUCER20ベクター(Meerbreyら、2011)中PD-L1で形質導入し、G418で選択し、フローサイトメトリーによりPD-L1誘導を確認し(図37A)、in vitroおよびin vivoでの試験で使用した。ドキシサイクリン処理したA549-iPDL1細胞へのCy5-PD-L1-mAbの結合は、WL12によって遮断され、WL12の特異性を立証した(図37B)。また、細胞の[64Cu]WL12とのインキュベーションは、ドキシサイクリン処理細胞対未処理細胞およびPD-L1が低いA549細胞における放射能取り込みの5.5倍の増加を示した(P<0.0001)。ドキシサイクリン処理A549-iPDL1細胞への[64Cu]WL12結合は、60nMのAtzMab、AveMabおよびDurMabの存在下で有意に減少した(65%、P>0.0001)(図37C)。これらのin vitro試験は、72時間のドキシサイクリン処理後のA549-iPDL1 NSCLC腫瘍における[64Cu]WL12の蓄積が、A549対照腫瘍におけるよりも65%高かったことを示すin vivo試験によって立証された(P>0.0001)。腫瘍における[64Cu]WL12取り込みの増加は、[64Cu]WL12-PETおよび生体内分布試験によって定量化されるように、対照A549腫瘍と比較して、20mg/kgのAtzMab処理群で>75%減少した(図37Dおよび図37E)。腫瘍のIHC分析は、A549-iPDL1では強いPD-L1シグナルを示したが、A549腫瘍では示さず、イメージングおよび生体内分布の結果を確認した(図37F)。まとめると、これらの結果は、PD-L1発現レベルの動的変化を検出する[64Cu]WL12の可能性、およびAtzMabによるその遮断を実証している。したがって、標準的な臨床業務フロー内でのPD-L1発現の動的変化を定量化する上でPETが重要な役割を果たすことが期待され、治療法の決定に情報を提供するための新しい方法を提供する。
3.3.4.異なる抗体による腫瘍PD-L1エンゲージメントの定量化。放射性標識抗PD-L1抗体が開発され、ヒト腫瘍異種移植片および同系マウス腫瘍モデルにおけるPD-L1発現を非侵襲的に評価するそれらの可能性が実証されている(Chatterjeeら、2016;Heskampら、2015;Mauteら、2015;Dengら、2016;Hettichら、2016;Josefssonら、2016年)。そのような放射性標識抗体コンジュゲートは現在、PD-L1を検出し(NCT02453984)、他の腫瘍特異的タンパク質をイメージングし(Gebhartら、2016)、抗体動態を決定するために臨床的に使用されているが、それらの日常的な臨床応用は限られている。コントラストと病変の検出を強化するために(Pandit-Taskarら、2015;Oostingら、2016)、より速いクリアランス時間(時間対日数)を有する放射性トレーサーが必要である(Wu、2014)。さらなる制限は、放射性標識抗体を用いてなされた観察は調査中の抗体に非常に特異的であり、価数、形状、大きさ、等電点、および投与量などの抗体特性によって決まり、それぞれがその薬物動態に影響を与える。mAbのそのような固有の生物物理学的特徴も、血漿半減期、組織ばく露、および最終的には有効性に影響を与える。(i)PD-L1抗体のターゲットエンゲージメントを説明し、(ii)mAbの特性を考慮に入れ、(iii)全ての抗体に適用可能である新しいアプローチが必要である。
3つのFDA承認抗体、AtzMab、AveMabおよびDurMabのそれぞれによる、腫瘍における非侵襲的なPD-L1エンゲージメントを定量化する[64Cu]WL12-PETの能力を評価した。MDAMB231腫瘍を有するNSGマウスをAtzMab、またはAveMab、またはDurMabで処理し、そして24時間後にそれらを[64Cu]WL12-PETでイメージングした(図39A、図39B、図39C、および図39D)。全ての処理マウスにおいて、生理食塩水対照と比較して腫瘍においてシグナルが低く、腫瘍PD-L1エンゲージメントからの低レベルの遊離PD-L1およびmAbによる放射性トレーサー遮断が確認された。腫瘍のex vivo定量化はそれらの所見を立証し、注射後120分で、mAb処理マウスの腫瘍における[64Cu]WL12の取り込みが、食塩水対照(図39E)と比較して約60%少ないことを実証した。生理食塩水対照のIHC分析は、腫瘍において中程度から高いPD-L1強度を示した(図39F)。結果は、PD-L1治療用mAbによる腫瘍PD-L1エンゲージメントが、各抗体の異なる生物物理学的性質、血漿および組織動態にかかわらず、[64Cu]WL12-PETによって定量化できることを実証している。
3.3.5.腫瘍におけるPD-L1占有に対する用量の影響。腫瘍における抗体動態は、腫瘍の内因性パラメータと外因性パラメータの両方によって支配されている(Agoram、2009)。近年、PD-L1発現自体以外の因子が、NSCLC、TNBCおよび結腸腫瘍内のPD-L1標的治療薬AtzMabおよびそのマウスキメラ(PRO304397)の蓄積を減少させることができることが発見された(Chatterjeeら、2016)。さらに、1mg/kg未満の用量では、全身注射された放射性標識抗PD-L1抗体PRO304397は主に腫瘍血管系と関連し、PD-L1発現同系マウス腫瘍モデルにおいて腫瘍実質組織への最小拡散を示した(Dengら、2016)。これらの知見は、腫瘍内の間質性圧力の上昇などの要因に起因する可能性があり(Baxterら、1989;Baxterら、1990)、これは、耐性の一因となる、腫瘍におけるmAbの蓄積を妨げる(Goelら、2011)。そのような効果はまた、標的とされた腫瘍細胞および免疫浸潤物への大きなPD-L1指向剤の接近を妨げるかもしれない。PD-L1およびPD-1治療薬の占有率の測定は腫瘍では報告されておらず、PBMCを使用した評価に限定されている。
腫瘍における腫瘍PD-L1占有に対する用量の効果を評価するために、MDAMB231腫瘍を有するマウスに、0.009〜24mg/kg体重の漸増用量のAtzMabを注射した。24時間後、[64Cu]WL12の注射の2時間後にイメージングおよび生体内分布の試験を行った。0.06mg/kgを受けたマウスのPET画像は、未処理対照と比較して[64Cu]WL12取り込みに差がなく、腫瘍でのAtzMabによるPD-L1占有率が低いことを示した(図41A)。0.6および3.2mg/kgの投与量では、腫瘍においてシグナル強度が比例して減少し、3.2mg/kgの投与量については、抗体による腫瘍へのほぼ100%のターゲットエンゲージメントが示された。
次いで、腫瘍中に蓄積された放射能(%ID/g)を用い、抑制性シグモイドEmaxモデルを適合させた。%ID/gデータは、本発明者らの実験で使用されたAtzMabの用量と、ペプチド放射性トレーサー[64Cu]WL12を使用して検出された腫瘍における遊離PD-L1リガンドの減少との間の関係を適切に当てはめ、説明した(図41Bおよび図41C)。腫瘍における最大PD-L1エンゲージメントの50%(ID50)またはベースラインからの遊離PD-L1リガンドの最大部分減少(Imax)の原因であるAtzMabの用量は、0.43mg/kgであると推定された(表2)。Imaxの90%および96%に関与するID90およびID96は、それぞれ0.87mg/kgおよび1.19mg/kgに相当した。これらの用量レベルは、PRO304397についてDengetらによって報告された1mg/kgの用量に匹敵する(Dengら、2016)。抗PD-L1抗体およびキメラ抗PD-L1抗体PRO304397(21)について同様の平均Vssを50mL/kgと仮定すると、ID50、ID90およびED96から生じる予想平均血漿濃度は、暫定的にそれぞれ59nM(8.6mcg/mL)、120nM(17.4mcg/mL)および164nM(23.8mcg/mL)であると推定された。これらの結果は、用量選択および最適化のために腫瘍で行われた測定値を使用する可能性を示している。
抗体とそれらの標的との相互作用は、抗体結合がPD-L1の安定化または内在化および抗治療抗体の開発などのPD-L1の自然の動態に影響を及ぼし得るという点で、小分子の相互作用とは異なり、抗体の腫瘍および血清動態に重大な影響を与え得る(Tabriziら、2006)。AtzMabの初期の薬物動態試験では、0.6〜1mg/kg未満の非線形PKおよび1mg/kg超の用量の線形PKが報告されており、ATAを発症した患者では血清抗体濃度の低下傾向が認められた(Strohら、2017)。しかしながら、腫瘍におけるPD-L1抗体のPKおよび占有率に対するそのような腫瘍内因性および外因性パラメータの影響は知られていない。
腫瘍における抗体動態の時間的変化を検出する[64Cu]WL12-PETの能力を調べるために、MDAMB231腫瘍を有するNSGマウスに、それぞれ非線形および線形動力学を生じる0.6および10または20mg/kgの用量のAtzMabを注射し、PETイメージングおよび生体内分布試験を24および120時間で行った。24時間では、未処理対照と比較して、3つの用量群全てにおいて腫瘍取り込み値にも反映された[64Cu]WL12取り込みの有意な減少があった(図41Dおよび図41E)。120時間では、24時間と比較して0.6mg/kg用量群で[64Cu]WL12取り込みが有意に増加した。対照的に、10または20mg/kgの治療群では、[64Cu]WL12取り込みに有意な時間的差異はなかった。120時間では、腫瘍における[64Cu]WL12取り込みは、0.06mg/kg処理および食塩水対照群で同様であり、腫瘍からの薬物の排除を示唆し、低用量でのAtzMabの非線形PKを反映していた。結果は、マウスモデルにおいて、PD-L1エンゲージメントの用量依存的および時間依存的変化の両方が[64Cu]WL12-PETによって評価され得ることを示す。
3.3.6.論考
免疫チェックポイント治療薬は何百もの臨床試験で試験されており、そのうちの約25%がPD-L1を標的としている。PD-L1治療を受けている患者のわずか30%のみが治療に反応するため、反応の分子的および細胞的根拠ならびにこれらの療法に対する耐性は、転写、遺伝、およびエピジェネティック試験を用いて調査されている。腫瘍における有効性に関連する薬物蓄積および標的飽和に対する用量の関連性は知られていない。加えて、大きなサイズの抗体治療薬は腫瘍浸透を制限し、作用部位での薬力学的評価に特有の課題を提起する。腫瘍内因性および腫瘍外因性の両方のパラメータを考慮し、腫瘍においてリアルタイムでPD-L1飽和/占有データを提供し、広く適用することができる有効な方法は不足していた。この知識の欠如は、用量選択、用量最適化、治療開発、および毒性を低減するための治療最適化を妨げる。本発明者らの現在の研究では、放射性標識PD-L1結合ペプチドは、可変で動的なPD-L1発現レベルを非侵襲的に検出することができ、腫瘍内因性パラメータ(PD-L1発現、再利用、間質圧)および外因性パラメータ(抗体アイソタイプ、動態、ATA、異化)を考慮しながら、腫瘍の占有率を測定するために使用でき、したがって、腫瘍におけるPD-L1:PD-1相互作用阻害PD-L1抗体の治療活性をモニターするための普遍的な手段を提供することが示された。
腫瘍におけるPD-L1発現を評価するためにIHCベースの臨床試験が以前から開発されているが(Herbstら、2014;Roachら、2016;Mengら、2015)、PD-L1 IHCは、単一病変のごく一部(0.1%)のみを考慮に入れる。腫瘍微小環境におけるPD-L1発現は空間的および時間的に不均一であり、免疫療法反応は本質的に遅延し、複雑かつアブスコパルであるため、そのようなアプローチには重大な制限がある。また、試験用に生検によって取得された組織サンプルは、典型的には非常に限られており、既存の療法に対する感受性または耐性を付与する他の経路(例えば、BRCA1、BRCA2、PARP)における標的化可能な発がん性変異を同定するための分子プロファイリングに必要とされ得る(Nolanら、2017)。そのような貴重なサンプルは、PD-L1発現の信頼できる描写のために複数のPD-L1評価を行うことを非実用的にすることが多い(Gibneyら、2016)。これらの問題は、免疫チェックポイント治療法が広く研究されている集団である転移性疾患を有する患者において悪化している。そのような要因は、免疫療法を進める上での我々の限られた成功に寄与する。PD-L1発現およびより広い腫瘍免疫微小環境の両方の動的性質は、TMEの迅速な評価を可能にするPET放射性トレーサーの開発を必要とする。[64Cu]WL12を用いた本開示の研究は、PD-L1発現における可変的かつ動的な変化が、標準的な臨床作業フロー内で定量化でき、患者選択およびモニタリング治療にとって重要な臨床的意義をもたらすことを実証する。
PD-L1治療用抗体は、がん免疫療法において重要な薬剤となっている。小分子については、in vitro結合親和性測定および占有試験は、CNS疾患における用量選択および薬理学的反応の予測のために日常的に使用されている(Leeら、2006)。しかしながら、抗体などの大きな分子は、in vitroでの結合親和性に基づいてin vivoでの受容体占有率を予測することにおいて特有の課題を提起する(Agoram、2009)。腫瘍中の抗体濃度は、抗原密度および代謝回転、腫瘍量、および腫瘍内へのmAbの浸透を制限する腫瘍かん流などのいくつかの腫瘍固有パラメータによって影響を受ける。mAbの腫瘍濃度および血漿濃度は、親和性、用量、患者の多様性、悪液質、および抗治療抗体の開発などの腫瘍外因性因子によってさらに影響を受ける(Shengら、2017)。既存のPK/PD予測モデルは、最適用量を予測するのに、in vitroおよびPBMCに基づく測定に依存している(Dengら、2016)。しかしながら、本開示の主題は、PETを使用し、腫瘍においてリアルタイムで非侵襲的に治療用抗体によるPD-L1占有を測定することができることを実証している。
末梢薬力学評価およびPK/PDモデリングによって支持されるアテゾリズマブなどの放射標識抗体は、腫瘍において所望のPD-L1占有率を達成するのに必要なmAb投与レベルを予測するために日常的に使用されている(Dengら、2016)。抗体の血漿中および腫瘍中濃度は抗体のアイソタイプおよび電荷や価数などの生物物理学的特性の影響を受けるため、これらの測定および数学モデリング由来の占有予測は、多くの場合所与の抗体に特異的であり、したがって、そのような観察の他のPD-L1 mAbへの一般化は限定される(Kamath、2016)。ますます拡大している数々のPD-L1治療用mAbについて、抗体動態および腫瘍でのターゲットエンゲージメント能を評価するために使用することができるツールが必要とされている。本開示の主題はこの必要性に対処する。WL12-PETを用いたin vitroおよびin vivoデータと組み合わせたin silicoモデリング試験は、腫瘍におけるPD-L1飽和/占有を定量化できることを実証しており、これは臨床試験における全てのPD-L1治療用mAbに適用できる概念である。
まとめると、本開示のデータは、腫瘍におけるPD-L1発現の動的変化、および治療用抗体によるPD-L1飽和/占有が、2つの特徴、すなわち抗体特性とは無関係であること、および腫瘍の内因性および外因性のパラメータを考慮することによって、非侵襲的に定量化できることを実証する。3つの異なる治療用抗体、AtzMab、AveMab、DurMabについて、用量を腫瘍でのPD-L1占有率と関連づける本開示の結果は、治療反応および投薬効果に関連性があると予想される。
3.3.7.概要。
本開示の主題は、放射性標識PD-L1結合ペプチドが、可変で動的なPD-L1発現レベルを非侵襲的に検出することができ、腫瘍内因性パラメータ(PD-L1発現、再利用、間質圧)および外因性パラメータ(抗体アイソタイプ、動態、ATA、異化)を考慮しながら、腫瘍の占有率を測定するために使用でき、したがって、腫瘍におけるPD-L1:PD-1相互作用阻害PD-L1抗体の治療活性をモニターするための普遍的な手段を提供することを実証する。
64Cu]WL12を用いた試験は、PD-L1発現における可変的かつ動的な変化が、標準的な臨床作業フロー内で定量化でき、患者選択およびモニタリング治療にとって重要な臨床的意義をもたらすことを実証する。
抗体についての既存のPK/PD予測モデルは、最適用量を予測するのに、in vitroおよびPBMCに基づく測定に依存している(Dengら、2016)。しかしながら、本開示の主題は、PETを使用し、腫瘍においてリアルタイムで非侵襲的に治療用抗体によるPD-L1占有を測定することができることを実証している。
ますます拡大している数々のPD-L1治療用mAbについて、抗体動態および腫瘍でのターゲットエンゲージメント能を評価するために使用することができるツールが必要とされている。本開示の主題はこの必要性に対処する。WL12-PETを用いたin vitroおよびin vivoデータと組み合わせたin silicoモデリング試験は、腫瘍におけるPD-L1飽和/占有を定量化できることを実証しており、これは臨床試験における全てのPD-L1治療用mAbに適用できる概念である。
(参考文献)
本明細書で言及されている全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、本開示の主題が関連する当業者のレベルを示している。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献(例えば、ウェブサイト、データベースなど)は、その内容全体が、あたかもそれぞれ個々の刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されたのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書では多数の特許出願、特許、および他の参考文献を参照しているが、そのような参考文献は、これらの文書のいずれも当該技術分野における共通の一般的知識の一部を形成することを承認するものではないことが理解されよう。本明細書と任意の組み込まれた参考文献との間に矛盾がある場合、本明細書(その任意の修正を含み、これは組み込まれた参考文献に基づくことができる)が優先するものとする。本明細書では、別段の指示がない限り、技術上許容されている用語の標準的な意味を使用する。本明細書では、様々な用語の標準的な略語が使用されている。

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前述の主題を、理解を明確にする目的で例示および実施例によってある程度詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更および修正を実施できることが当業者には理解されよう。

配列表:
配列番号1
WL12アミノ酸配列=シクロ-(-Ac-Tyr-NMeAla-Asn-Pro-His-Leu-Hyp-Trp-Ser-Trp(メチル)-NMeNle-NMeNle-Lys-Cys-)-Gly-NH2)

配列番号2
DK-A-221アミノ酸配列=シクロ-(-Ac-Tyr-NMeAla-Asn-Pro-His-Glu-Hyp-Trp-Ser-Trp(カルボキシメチル)-NMeNle-NMeNle-Lys-Cys-)-Gly-NH2

Claims (53)

  1. プログラム死リガンド1(PD-L1)に対して結合特異性を有するペプチドとレポーティング部位とのコンジュゲート、および任意にリンカーを含む造影剤であって、前記リンカーが、存在する場合には、前記ペプチドと前記レポーティング部位とを連結し、前記リンカーが存在しない場合には、前記レポーティング部位が前記ペプチドのアミノ酸の第一級アミンを介して前記ペプチドに直接結合している、造影剤。
  2. PD-L1に対して結合特異性を有する前記ペプチドが、PD-L1のアミノ酸Y56、E58、A113、M115、およびY123と相互作用する、請求項1に記載の造影剤。
  3. プログラム死リガンド1(PD-L1)に対して結合特異性を有する前記ペプチドが、ペプチドWL12、DK-A-221、またはDK-A-222に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項1または2に記載の造影剤。
  4. プログラム死リガンド1(PD-L1)に対して結合特異性を有する前記ペプチドが、ペプチドWL12、DK-A-221、またはDK-A-222に対して少なくとも85%の配列同一性を有する、請求項3に記載の造影剤。
  5. プログラム死リガンド1(PD-L1)造影剤に対して結合特異性を有する前記ペプチドが、ペプチドWL12、DK-A-221、またはDK-A-222に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項4に記載の造影剤。
  6. プログラム死リガンド1(PD-L1)に対して結合特異性を有する前記ペプチドが、ペプチドWL12、DK-A-221、またはDK-A-222に対して100%の配列同一性を有する、請求項5に記載の造影剤。
  7. 前記レポーティング部位が、キレート剤、放射性標識基質、蛍光染料、光音響レポーティング分子、およびラマン活性レポーティング分子からなる群より選択される、請求項1に記載の造影剤。
  8. 前記レポーティング部位がキレート剤であり、前記キレート剤が、以下からなる群より選択される、請求項7に記載の造影剤:DOTAGA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデセカン,1-(グルタル酸)-4,7,10-三酢酸)、DOTA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸)、DOTASA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-(2-コハク酸)-4,7,10-三酢酸)、CB-DO2A(10-ビス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザビシクロ[5.5.2]テトラデカン)、DEPA(7-[2-(ビス-カルボキシメチルアミノ)-エチル]-4,10-ビス-カルボキシメチル-1,4,7,10-テトラアザ-シクロドデカ-1-イル-酢酸))、3p-C-DEPA(2-[(カルボキシメチル)][5-(4-ニトロフェニル-1-[4,7,10-トリス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル]ペンタン-2-イル)アミノ]酢酸))、TCMC(2-(4-イソチオシアノトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザ-1,4,7,10-テトラ-(2-カルバモニルメチル)-シクロドデカン)、オキソ-DO3A(1-オキサ-4,7,10-トリアザシクロドデカン-5-S-(4-イソチオシアナトベンジル)-4,7,10-三酢酸)、p-NH-Bn-オキソ-DO3A(1-オキサ-4,7,10-テトラアザシクロドデカン-5-S-(4-アミノベンジル)-4,7,10-三酢酸)、TE2A((1,8--N,N´-ビス-(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン))、MM-TE2A、DM-TE2A、CB-TE2A(4,11-ビス(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン)、CB-TE1A1P(4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-1-(メタンホスホン酸)-8-(メタンカルボン酸)、CB-TE2P(1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-1,8-ビス(メタンホスホン酸)、TETA(1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-1,4,8,11-四酢酸)、NOTA(1,4,7-トリアザシクロノナン-N,N´、N´´-三酢酸)、NODA(1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4-ジアセテート);NODAGA(1,4,7-トリアザシクロノナン,1-グルタル酸-4,7-酢酸)、(NOTAGA)1,4,7-トリアゾナン-1,4-ジイル)二酢酸DFO(デスフェロキサミン)、NETA([4-[2-(ビス-カルボキシメチルアミノ)-エチル]-7-カルボキシメチル-[1,4,7]トリアゾナン-1-イル}-酢酸)、TACN-TM(-N,N´,N´´,トリス(2-メルカプトエチル)-1,4,7-トリアザシクロノナン)、ジアムサル(1,8-ジアミノ-3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ(6,6,6)エイコサン、3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ[6.6.6]エイコサン-1,8-ジアミン)、Sarar(1-N-(4-アミノベンジル)-3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ[6.6.6] ]エイコサン-1,8-ジアミン)、AmBaSar(4-((8-アミノ-3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ[6.6.6]イコサン-1-イルアミノ)メチル)安息香酸)、およびBaBaSar。
  9. 前記キレート剤が、以下からなる群より選択される、請求項7に記載の造影剤:
  10. 前記レポーティング部位がキレート剤であり、前記キレート剤が、94mTc、99mTc、111In、67Ga、68Ga、86Y、90Y、177Lu、186Re、188Re、60Cu、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、55Co、57Co、47Sc、225Ac、213Bi、212Bi、212Pb、153Sm、166Ho、152Gd、82Rb、89Zr、および166Dyからなる群より選択される放射性金属をさらに含む、請求項7に記載の造影剤。
  11. 前記レポーティング部位が放射性標識基質であり、前記放射性標識基質が、11C、13N、15O、123I、124I、125I、126I、131I、75Br、76Br、77Br、80Br、80mBr、82Br、83Br、18F、および211Atからなる群より選択される放射性同位体を含む、請求項7に記載の造影剤。
  12. 前記放射性標識基質が18F標識基質を含む、請求項11に記載の造影剤。
  13. 前記18F標識基質が、2-フルオロ-PABA、3-フルオロ-PABA、2-フルオロ-マンニトール、およびN-スクシンイミジル-4-フルオロベンゾエートからなる群より選択される、請求項12に記載の造影剤。
  14. 前記レポーティング部位が前記ペプチドに直接組み込まれている、請求項1に記載の造影剤。
  15. 前記レポーティング部位が、前記ペプチドの放射性標識アミノ酸を含む、請求項14に記載の造影剤。
  16. 前記放射性標識アミノ酸が、ヨードチロシンおよびフルオロチロシンからなる群より選択される、請求項15に記載の造影剤。
  17. 前記レポーティング部位が蛍光染料であり、前記蛍光染料が、以下からなる群より選択される、請求項7に記載の造影剤:カルボシアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、ツイカルボシアニン、メロシアニン、ポリメチン、クマリン、ローダミン、キサンテン、フルオレセイン、ホウ素-ジピロメタン(BODIPY)染料、Cy5、Cy5.5、Cy7、VivoTag-680、VivoTag-S680、VivoTag-S750、AlexaFluor660、AlexaFluor680、AlexaFluor700、AlexaFluor750、AlexaFluor790、Dy677、Dy676、Dy682、Dy752、Dy780、DyLight547、Dylight647、HiLyte Fluor 647、HiLyte Fluor 680、HiLyte Fluor 750、IR Dye 800、IRDye 800CW、IRDye 800RS、IRDye 700DX、ADS780WS、ADS830WS、およびADS832WS。
  18. 前記レポーティング部位が光音響レポーティング分子であり、前記光音響レポーティング分子が、染料またはナノ粒子からなる群より選択される、請求項7に記載の造影剤。
  19. 前記染料が蛍光染料を含む、請求項18に記載の造影剤。
  20. 前記蛍光染料が、インドシアニングリーン(ICG)、Alexa Fluor 750、Evans Blue、BHQ 3、QXL 680、IRDye 880CW、MMPSense 680、メチレンブルー、PPCy-C8、およびCypate-C18からなる群より選択される、請求項19に記載の造影剤。
  21. 前記ナノ粒子が、以下からなる群より選択される、請求項18に記載の造影剤:プラズモニックナノ粒子、量子ドット、ナノダイヤモンド、ポリピロールナノ粒子、硫化銅ナノ粒子、グラフェンナノシート、酸化鉄-金コア-シェルナノ粒子、Gdナノ粒子、単層カーボンナノチューブ、色素充填ペルフルオロカーボンナノ粒子、および超常磁性酸化鉄ナノ粒子。
  22. 前記レポーティング部位がラマン活性レポーティング分子であり、前記ラマン活性レポーティング分子が単層カーボンナノチューブ(SWNT)および表面増強ラマン散乱(SERS)剤からなる群より選択される、請求項7に記載の造影剤。
  23. 前記SERS剤が、ラマン活性レポーター分子で標識された金属ナノ粒子を含む、請求項22に記載の造影剤。
  24. 前記ラマン活性レポーター分子が蛍光染料を含む、請求項23に記載の造影剤。
  25. 前記蛍光染料が、Cy3、Cy5、ローダミン、およびカルコゲノピリリウム染料からなる群より選択される、請求項24に記載の造影剤。
  26. 前記リンカーが、以下からなる群より選択される、請求項7に記載の造影剤:
    (a)
    (式中:
    Rptは前記レポーティング部位である;
    は、C-Cアルキレン、C-Cシクロアルキレン、およびアリーレンからなる群より選択される;
    は、-NR-(C=O)-、-NR-(C=S)-、-(C=O)-NR-、-(C=S)-NR-、および-S-からなる群より選択され、ここで各Rは、独立して、HまたはC-Cアルキルである;
    各Rは、独立して、Hまたは-COORであり、ここで各Rは、独立して、H、C-Cアルキル、C-C12アリールまたはC-C16アルキルアリールである;
    bは、0、1、2、および3からなる群より選択される整数である;
    dは、1、2、3、4、5、6、7、および8からなる群より選択される整数である;ならびに
    式中、波線は、前記リンカーと前記ペプチドとの間の結合点を示す);
    (b) Rpt-X-Y-Z-W-
    (式中:
    Rptは前記レポーティング部位である;
    XおよびZは、それぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cヘテロアルキル、C-Cヘテロアルケニル、C-Cヘテロアルキニル、C-Cアルコキシ、もしくは結合であり得、それらの各々は0〜5個のRで置換され得る;
    YおよびWは、それぞれ独立して、-O-、-S(O)-、-NH-、-NR-、-CH=CH-、-CR=CH-、-CH=CR-、-NH-CO-、-NH-CO-、-NR-CO-、-NR-CO-、-CO-NH-、-CO-NH-、-CO-NR-、-CO-NR-、もしくは結合である;
    pは、0、1、もしくは2である;
    は、その出現ごとに、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロ環、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、もしくは任意に置換されたヘテロアリールである;Rは、その出現ごとに、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、もしくは任意に置換されたヘテロアリールである);または
    (c)アミノ酸リンカー。
  27. 前記造影剤が、式(I)、式(II)、または式(III)の化合物からなる群より選択される、請求項1に記載の造影剤:
    DK-A-221-(L)-Rpt(II);または
    DK-A-222-(L)-Rpt(III);
    (式中:
    nは、0および1からなる群より選択される整数である;
    Lはリンカーである;および
    Rptはレポーティング部位である;ならびに
    式中、前記レポーティング部位またはリンカーは、存在する場合、式(I)、式(II)または式(III)の前記造影剤を含む前記ペプチドのアミノ酸の第一級アミン基に結合している)。
  28. 前記リンカーが、存在する場合、式(I)の化合物の13オルニチン(Orn)一級アミン基に結合している、請求項27に記載の造影剤。
  29. 前記レポーティング部位がDOTAGAキレート剤を含む、請求項27に記載の造影剤。
  30. 前記DOTAGAキレート剤が、64Cu放射性金属をさらに含む、請求項29に記載の造影剤。
  31. 式(I)の化合物が以下である、請求項27に記載の造影剤:
  32. 以下の工程を含む、プログラム死リガンド1(PD-L1)を検出するためのイメージング方法:
    (a)請求項1〜27のいずれか一項に記載の造影剤の有効量を提供する工程と;
    (b)1つもしくは複数の細胞または組織を前記造影剤と接触させる工程と;
    (c)画像を作成してPD-L1を検出する工程。
  33. 前記1つもしくは複数の細胞または組織の前記造影剤との接触が、in vitro、in vivo、またはex vivoで行われる、請求項32に記載のイメージング方法。
  34. 前記1つもしくは複数の細胞または組織の前記造影剤との接触が、被験体において行われる、請求項33に記載のイメージング方法。
  35. 前記被験体が、ヒト、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウマ、ヒツジ、ウシ、サル、トリ、または両生類である、請求項34に記載のイメージング方法。
  36. 前記PD-L1の検出が、前記被験体への前記造影剤の投与後約60〜120分以内に起こる、請求項32に記載のイメージング方法。
  37. 前記イメージング方法が、がんを検出するために使用される、請求項32に記載のイメージング方法。
  38. 前記がんが、以下からなる群より選択される、請求項37に記載の造影剤:芽腫、癌腫、神経膠腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、頭部がん、頸部がん、頭頸部がん、肺がん、乳がん、トリプルネガティブ乳がん、前立腺がん、大腸がん、食道がん、胃がん、白血病/リンパ腫、子宮がん、皮膚がん、内分泌がん、泌尿器がん、膵臓がん、消化管がん、卵巣がん、子宮頸がん、腎がん、膀胱がん、脳腫瘍、腺腫、および転移性がん。
  39. 前記イメージング方法が固形腫瘍を検出するために使用される、請求項32に記載のイメージング方法。
  40. 前記固形腫瘍が、脳、結腸、乳房、前立腺、肝臓、腎臓、肺、食道、頭頸部、卵巣、子宮頸部、胃、直腸、膀胱、子宮、精巣、および膵臓からなる群より選択される臓器にある、請求項39に記載のイメージング方法。
  41. 前記イメージング方法が感染症を検出するために使用される、請求項32に記載のイメージング方法。
  42. 前記感染症が微生物感染症である、請求項41に記載のイメージング方法。
  43. 前記微生物感染症が、ヒト型結核菌、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、セラチア・マルセッセンス、緑膿菌、黄色ブドウ球菌およびコアグラーゼ陰性ブドウ球菌を含む黄色ブドウ球菌属、エンテロコッカス属、肺炎連鎖球菌、インフルエンザ菌、バクテロイデス属、アシネトバクター属、ヘリコバクター属、カンジダ属、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)およびバンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェシウム(VRE)からなる群より選択される1つまたは複数の微生物による感染症からなる群より選択される、請求項42に記載のイメージング方法。
  44. 前記イメージング方法が炎症を検出するために使用される、請求項32に記載のイメージング方法。
  45. 前記炎症が、喘息、自己免疫疾患、自己炎症性疾患、セリアック病、憩室炎、糸球体腎炎、化膿性汗腺炎、過敏症、炎症性腸疾患、間質性膀胱炎、中耳炎、骨盤内炎症性疾患、再かん流傷害、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、移植拒絶反応、狼瘡、全身性エリテマトーデス、および血管炎からなる群より選択される障害に関連する、請求項44に記載の造影剤。
  46. 前記炎症が、関節リウマチまたは全身性エリテマトーデスによって引き起こされる、請求項45に記載のイメージング方法。
  47. 前記イメージング方法が、腫瘍中の1つまたは複数の免疫細胞を検出するために使用される、請求項32に記載のイメージング方法。
  48. 前記イメージング方法が、腫瘍内または被験体内の免疫細胞の全身分布を検出するために使用される、請求項32に記載のイメージング方法。
  49. 前記イメージング方法が、感染症に対する免疫細胞応答を検出するために使用される、請求項32に記載のイメージング方法。
  50. 前記イメージング方法が、炎症性疾患に対する免疫細胞の腫瘍内応答または正常組織内応答を検出するために使用される、請求項32に記載のイメージング方法。
  51. 前記イメージング方法が、前記被験体におけるPD-L1発現レベルを検出する、請求項32に記載のイメージング方法。
  52. 前記イメージング方法が、抗体またはペプチドまたは低分子量剤により、前記被験体の腫瘍部位または正常組織におけるPD-L1の占有またはターゲットエンゲージメントを測定する、請求項32に記載のイメージング方法。
  53. 請求項1〜27のいずれか一項に記載の造影剤を含む、プログラム死リガンド1(PD-L1)を検出するためのキット。
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