JP2020513549A - 癌予後の決定法 - Google Patents

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Abstract

癌、例えば非小細胞肺癌(NSCLC)などの癌に対する攻撃性、予後及び治療応答を決定する方法が本明細書において提供され、前記方法は、対象からのエキソソームサンプル中の1又は複数の差次的に発現されるタンパク質マーカーの発現レベルの決定を含む。癌を治療する方法及び薬剤も提供される。

Description

本発明は癌に関する。より特定には、本発明は、癌、特に肺癌の予後の決定方法に関する。
肺癌は、多くの国において癌死亡及び疾病負荷の主要原因である。一例として、オーストラリアにおける肺癌は、何れかの原因から、男性において14人に1人の死亡及び女性においては25人に1人の死亡を占めている。患者の応答性及び非応答性カテゴリーへの分類は、現在、肺癌に関しては不可能である。
手術は、外科的切除に十分に適している人々における早期肺癌のための最適な治療として見なされている。それにもかかわらず、治療目的で治療された人々は依然として再発の有意な可能性を有するので、臨床病期分類は不完全である。例えば、ステージI、II又はIII A期の非小細胞肺癌(NSCLC)においては、ステージIB期の患者の約40〜50%、ステージII期の55〜70%、及びステージIII A期のNSCLC患者のそれ以上の割合が、治癒の可能性がある手術にもかかわらず、それら疾病を再発し、そして死亡している。最近では、より活性的なプラチナベースの併用治療法、及び切除されたNSCLCのための補助的化学療法の有効性を実証する多数の大規模臨床試験は、完全に切除されたNSCLCの患者の結果を改善するための補助的化学療法の使用を導いて来た。
現在、病理学的(TNM)病期分類は、肺癌の再発の可能性を決定する最も重要な予後因子である。ゲノムバイオマーカーは、それらの潜在的な予後値(3−5)について調査されているが、しかし現時点では、FDA承認された試験が患者においてますます利用されている(例えば、Oncotype DX)乳癌とは異なり、診療所においては日常的に使用されていない。同様に、タンパク質発現及びプロテオミクスを含む他のバイオマーカーが肺癌への使用のために提案されて来たが、まだ日常的には、臨床学的に適用されていない。
従って、明らかに治療可能な肺癌の一次治療として完全な切除又は化学放射線療法を受け、最終的に逆戻りし、そして再発するNSCLC患者のかなりの割合として、治療目的での治療の後、正確な予後バイオマーカーのための緊急の必要性がある。どの患者が補助化学療法の恩恵を受けることができ、そして誰が何の恩恵も受けずに化学療法関連の潜在的悪影響を受けることになるかを決定する際に、予後因子が臨床医を導くために必要とされる。
上記に加えて、従来の確認された予後バイオマーカーは、一般的に侵襲性生検の実施を必要とする。しかしながら、NSCLC患者においては、併存症及び一般的な健康上の問題により、患者の20%がそのような生検には不適切である。さらに、生検自体が傷害及び炎症を引起す可能性があり、NSCLC患者の罹患率及び死亡率の一因となっている。このために、血液試験などの低侵襲性サンプリングからの患者の転帰を評価するための改善された方法が必要とされる。
本発明は、概して、対象における癌進行の予後マーカーとしての1つ以上のエキソソームタンパク質の発現レベルの決定に関する。いくつかの態様において、本発明はまた、概して、そのようなエキソソームタンパク質を用いて治療の選択又は意思決定を通知するための癌の治療にも関する。特定の形態において、癌は肺癌、例えば非小細胞肺癌である。
第1の態様において、本発明は、対象のエキソソームサンプル中の1又は複数のマーカーの発現レベルを決定する工程を含む、対象における癌の攻撃性の決定方法を提供し、ここで前記マーカーは、表1及び/又は表2に列挙されるそれらのタンパク質のうち1つ以上を含み、そして前記1又は複数のマーカーの発現レベルが、癌の攻撃性のレベルを示すか、又はそれと相関する。
第2の態様において、本発明は、対象のエキソソームサンプル中の1又は複数のマーカーの発現レベルを決定する工程を含む、対象における癌の予後の決定方法を提供し、ここで前記マーカーは、表1及び/又は表2に列挙されるそれらのタンパク質のうち1つ以上を含み、そして前記1又は複数のマーカーの発現レベルが、前記癌についてのより少ないか又はより好ましい予後を示すか又はそれと相関する。
上記態様の方法の一実施形態において、1又は複数のマーカーの比較的減少した発現レベルが、より好ましい予後及び/又は低い攻撃性の癌を示すか、又はそれと相関し; 及び/又は1又は複数のマーカーの比較的増加した発現レベルが、あまり好ましくない予後及び/又は高い攻撃性の癌を示すか、又はそれと相関する。
適切には、第1及び第2の態様の方法はさらに、(i)高い攻撃性の癌又は低い攻撃性の癌;及び/又は(ii)それほど好ましくない予後又はより好ましい予後を有するとして前記対象を診断するさらなる工程を含む。
前述の態様の方法の一実施形態において、前記癌の予後又は攻撃性が、前記対象における癌の転移の可能性を決定するために、少なくとも部分的に使用される。適切には、前記1又は複数のマーカーの比較的減少した発現レベルが、前記癌の転移の減少した可能性を示すか又はそれと相関し; 及び/又は前記1又は複数のマーカーの比較的増加した発現レベルが、前記癌の転移の増加した可能性を示すか又はそれと相関する。
第3の態様において、本発明は、対象のエキソソームサンプル中の1又は複数のマーカーの発現レベルを決定する工程を含む、対象における抗癌治療に対する癌の応答性の予測方法を提供し、ここで前記マーカーは、表1及び/又は表2に列挙されるそれらのタンパク質のうち1つ以上を含み、そして前記1又は複数のマーカーの改変された、又は調節された発現レベルが、抗癌治療に対する癌の比較的増加したか又は低減された応答性を示すか又はそれと相関する。
第1、第2及び第3の態様の発明に関して、前記方法は、適切には、対象における癌を治療するさらなる工程を含む。
第4の態様において、本発明は、対象における癌の治療方法であって、対象のエキソソームサンプル中の1又は複数のマーカーの発現レベルを決定する工程の提供含み、対象における癌の治療方法を提供し、ここで前記マーカーは、表1及び/又は表2に列挙されるそれらのタンパク質のうち1つ以上を含み、及び行われた決定に基づいて、抗癌治療を開始するか、継続するか、修正するか、又は中止する。
適切には、第3及び第4の態様の方法に関して、前記抗癌治療が、1又は複数のマーカーの発現及び/又は活性を低減する、治療的有効量の抗癌剤の対象への投与を含む。
第3及び第4の態様の方法の1つの実施形態によれば、前記抗癌治療が、前記癌の転移を予防するか、又は阻害する、治療的有効量の抗癌剤の対象への投与を含む。
第3及び第4の態様の方法に関して、抗癌剤は、適切には、抗体又は小分子(例えば、有機又は無機小分子アンタゴニスト)である。
適切には、前述の態様の方法はさらに、対象からエキソソームサンプルを得る工程をさらに含む。
前述の態様の方法に関して、1又は複数のマーカーは適切には、ガレクチン−3−結合タンパク質、移行性小胞体ATPアーゼ、中性α−グルコシダーゼAB、60kDa熱ショックタンパク質、リシルオキシダーゼホモログ2、テネイシンC、脂肪酸シンターゼ、アグリン、アスパルチルアミノペプチダーゼ、プロテアソームサブユニットα1型、プロテアソームサブユニットα2型、プロテアソームサブユニットα3型、プロテアソームサブユニットα4型、プロテアソームサブユニットα5型、プロテアソームサブユニットα6型、プロテアソームサブユニットβ1型、プロテアソームサブユニットβ2型、プロテアソームサブユニットβ3型、プロテアソームサブユニットβ4型、プロテアソームサブユニットβ5型、プロテアソームサブユニットβ6型、プロテアソームサブユニットβ7型、プロテアソームサブユニットβ8型、トロンボスポンジン−1、潜在的トランスフォーミング増殖因子β結合タンパク質3、及びそれらの何れかの組合せから成る群から選択される。1つの特定の実施形態において、1又は複数のマーカーは、ガレクチン−3−結合タンパク質、移行性小胞体ATPアーゼ、テネイシンC、プロテアソームサブユニットα2型、トロンボスポンジン−1及びそれらの何れかの組合せから成る群から選択される。
適切には、前述の態様の方法はさらに、エキソソームサンプル中の1又は複数のマーカーの発現レベルと、それぞれ1又は複数のマーカーの参照エキソソーム発現レベルとを比較する工程をさらに含む。
第5の態様において、本発明は、
(a)表1及び/又は表2に列挙されるマーカーを発現する細胞と、候補薬剤とを接触すること;及び
(b)前記候補薬剤がマーカーの発現及び/又は活性を調節するか否かを決定することを含む、対象における癌の治療への使用のための薬剤の同定又は製造方法を提供する。
特定の実施形態において、前記候補薬剤が、マーカーの発現及び/又は活性を、少なくとも部分的に、低減するか、排除するか、抑制するか又は阻害する。
適切には、前述の側面の癌は、肺癌であるか、又はそれを含む。好ましくは、肺癌は、扁平上皮癌、腺癌、大細胞癌、小細胞癌及び中皮腫を含む。さらにより好ましくは、肺癌は、非小細胞肺癌である。
適切には、上記態様の対象は、哺乳類、好ましくはヒトである。
別段の定めが無い限り、用語「含む(comprise、comprises及びcomprising)」、又は類似する用語は、列挙された要素又は特徴のリストが、それらの記載又は列挙された要素を単に含まないが、しかし列挙されていないか又は記載されていない他の要素又は特徴を含み得るように、非排他的包含を意味する。
不定冠詞「a」及び「an」は、本明細書においては、単数又は複数の要素又は特徴を示すか又は包含するために使用され、そして「1つ(one)」又は「単一(single)」の要素又は特徴を意味又は定義するものとして解釈されるべきではなく、例えば、「a」細胞とは、1つの細胞、1つ以上の細胞及び複数の細胞を含む。
図1は、エキソソームがNSCLC細胞から分泌されることを示す。A:エキソソームのタンパク質同定は、エキソソームマーカーの存在、及び非エキソソームカルネキシンの非存在を実証する。B:NSCLCにより分泌されるエキソソームは、予想されるサイズ分布を有する。C:低酸素は、エキソソームの分泌を増加させるが、しかしエキソソームサイズ範囲を変更しない。D:低酸素は、NSCLC細胞のエキソソーム分泌を有意に増加させる。CL:細胞溶解物;E:エキソソーム溶解物。 図1は、エキソソームがNSCLC細胞から分泌されることを示す。A:エキソソームのタンパク質同定は、エキソソームマーカーの存在、及び非エキソソームカルネキシンの非存在を実証する。B:NSCLCにより分泌されるエキソソームは、予想されるサイズ分布を有する。C:低酸素は、エキソソームの分泌を増加させるが、しかしエキソソームサイズ範囲を変更しない。D:低酸素は、NSCLC細胞のエキソソーム分泌を有意に増加させる。CL:細胞溶解物;E:エキソソーム溶解物。 図1は、エキソソームがNSCLC細胞から分泌されることを示す。A:エキソソームのタンパク質同定は、エキソソームマーカーの存在、及び非エキソソームカルネキシンの非存在を実証する。B:NSCLCにより分泌されるエキソソームは、予想されるサイズ分布を有する。C:低酸素は、エキソソームの分泌を増加させるが、しかしエキソソームサイズ範囲を変更しない。D:低酸素は、NSCLC細胞のエキソソーム分泌を有意に増加させる。CL:細胞溶解物;E:エキソソーム溶解物。 図2は、低酸素がエキソソーム含有量を変えることを示す。エキソソームは、酸素正常状態(21%CO2)又は低酸素(2%CO2)の条件下で24時間、培養された細胞からの、ならし培地から収穫された。A:走査型電子顕微鏡は、従来のエキソソーム形態を実証する。B:定量的質量分析は、低酸素下で上方制御される55のタンパク質を明らかにした、n=5、FDR1%。C、D:タンパク質標的がウェスタンブロット及びELISAにより検証された。 図3は、上方制御されたタンパク質が患者の疾患の進行と相関することを示す。A:NSCLC患者から単離されたエキソソームは、予想されるサイズ範囲及び形態を示す。B、C:インビトロで同定された低酸素タンパク質マーカーは、最初の18ヶ月以内に再発した患者において上方制御される。D:12ヶ月以内に再発する患者を同定するための複合タンパク質サイン(GANAB、VCP及びガレクチン−3−結合タンパク質)のROC曲線。E:エキソソーム含有量に関連した患者の無病生存期間。上記マーカーのうち少なくとも2つを有した患者は、それらのエキソソームにおいてマーカーを1つしか発現していないか、又は全く発現していない患者に比較して、急速に進行した。 図3は、上方制御されたタンパク質が患者の疾患の進行と相関することを示す。A:NSCLC患者から単離されたエキソソームは、予想されるサイズ範囲及び形態を示す。B、C:インビトロで同定された低酸素タンパク質マーカーは、最初の18ヶ月以内に再発した患者において上方制御される。D:12ヶ月以内に再発する患者を同定するための複合タンパク質サイン(GANAB、VCP及びガレクチン−3−結合タンパク質)のROC曲線。E:エキソソーム含有量に関連した患者の無病生存期間。上記マーカーのうち少なくとも2つを有した患者は、それらのエキソソームにおいてマーカーを1つしか発現していないか、又は全く発現していない患者に比較して、急速に進行した。 図3は、上方制御されたタンパク質が患者の疾患の進行と相関することを示す。A:NSCLC患者から単離されたエキソソームは、予想されるサイズ範囲及び形態を示す。B、C:インビトロで同定された低酸素タンパク質マーカーは、最初の18ヶ月以内に再発した患者において上方制御される。D:12ヶ月以内に再発する患者を同定するための複合タンパク質サイン(GANAB、VCP及びガレクチン−3−結合タンパク質)のROC曲線。E:エキソソーム含有量に関連した患者の無病生存期間。上記マーカーのうち少なくとも2つを有した患者は、それらのエキソソームにおいてマーカーを1つしか発現していないか、又は全く発現していない患者に比較して、急速に進行した。 図4は、低酸素エキソソームにおいて同定された他の上方制御されたタンパク質が予後値を有することを示す。TNCは低酸素下で上方制御され、そして急速に進行するNSCLC患者のエキソソームにおいてより豊富である。 図5は、患者のサインに使用されるタンパク質の個々のROC及び生存曲線を示す。 図6は、NSCLC細胞由来のエキソソームのタンパク質組成に対する低酸素誘発の変化を示す。a:単離されたエキソソームの形態が透過型電子顕微鏡を用いて評価された。酸素正常状態及び低酸素状態のSKMES1由来のエキソソーム(サイズバー200nm)の画像はまた、エキソソーム濃度の明らかな上方制御を示す。b:4つの異なるNSCLC細胞系から単離されたエキソソームのTRPSを用いてのナノ粒子分析は、大部分のエキソソームが30~150nmのサイズ範囲を有することを実証する。c:定量的質量分析は、H358及びSKMES1エキソソームにおいて一般的に上方制御される32個のタンパク質を同定した(FDR<0.1%;n=5)。d、e:質量分析の結果は、VCPのウェスタンブロット分析(FLOT1がローディングコントロールとして使用される)、及びH358、SKMES1、H23及びH1975 NSCLC細胞系におけるMAC2BP、TNC、PSMA2及びTHBS1についてのELISAを用いて確認された(● − H358、■−SKMES1、▲ −H23、◆−H1975)。*p<0.05、**p<0.01。 図6は、NSCLC細胞由来のエキソソームのタンパク質組成に対する低酸素誘発の変化を示す。a:単離されたエキソソームの形態が透過型電子顕微鏡を用いて評価された。酸素正常状態及び低酸素状態のSKMES1由来のエキソソーム(サイズバー200nm)の画像はまた、エキソソーム濃度の明らかな上方制御を示す。b:4つの異なるNSCLC細胞系から単離されたエキソソームのTRPSを用いてのナノ粒子分析は、大部分のエキソソームが30~150nmのサイズ範囲を有することを実証する。c:定量的質量分析は、H358及びSKMES1エキソソームにおいて一般的に上方制御される32個のタンパク質を同定した(FDR<0.1%;n=5)。d、e:質量分析の結果は、VCPのウェスタンブロット分析(FLOT1がローディングコントロールとして使用される)、及びH358、SKMES1、H23及びH1975 NSCLC細胞系におけるMAC2BP、TNC、PSMA2及びTHBS1についてのELISAを用いて確認された(● − H358、■−SKMES1、▲ −H23、◆−H1975)。*p<0.05、**p<0.01。 図6は、NSCLC細胞由来のエキソソームのタンパク質組成に対する低酸素誘発の変化を示す。a:単離されたエキソソームの形態が透過型電子顕微鏡を用いて評価された。酸素正常状態及び低酸素状態のSKMES1由来のエキソソーム(サイズバー200nm)の画像はまた、エキソソーム濃度の明らかな上方制御を示す。b:4つの異なるNSCLC細胞系から単離されたエキソソームのTRPSを用いてのナノ粒子分析は、大部分のエキソソームが30~150nmのサイズ範囲を有することを実証する。c:定量的質量分析は、H358及びSKMES1エキソソームにおいて一般的に上方制御される32個のタンパク質を同定した(FDR<0.1%;n=5)。d、e:質量分析の結果は、VCPのウェスタンブロット分析(FLOT1がローディングコントロールとして使用される)、及びH358、SKMES1、H23及びH1975 NSCLC細胞系におけるMAC2BP、TNC、PSMA2及びTHBS1についてのELISAを用いて確認された(● − H358、■−SKMES1、▲ −H23、◆−H1975)。*p<0.05、**p<0.01。 図7は、低酸素エキソソームサインがNSCLC患者における疾患進行を予測することを示す。a、b:エキソソームは、TEM(サイズバー200nm)及び20〜150nmのサイズ分布により示されるように、形態に基づいてNSCLC血漿から単離され得る。c:TRPSは、健康なコントロール、又は18ヶ月以内に進行する患者、又は18ヶ月で再発していない患者から血漿におけるエキソソーム濃度に差がないことを実証する。d:NSCLC患者から単離されたエキソソームは、再発しなかった患者及び健康なコントロールと比較して、18ヶ月で進行する患者においてVCPの富化を示す(FLOT1が負荷対象として使用される)。e:低酸素エキソソームサインは、18ヶ月で進行する患者に由来するエキソソームにおいて上方制御される。f:Youdenの指標閾値を越える低酸素タンパク質マーカーの数は、18ヶ月以内で進行する患者と、18ヶ月で再発する患者との間の明確な分離を実証する。g:Kaplan−Meierは、低酸素エキソソームサインからのタンパク質の豊富さに基づいて、患者DFSの明確な分離を示す(Youden指標値を超える3以上のマーカー)。h:ROC曲線は、低酸素エキソソームサインがNSCLC患者における疾患進行(<18ヶ月)の完全な予後マーカーであるが、一方では、エキソソームにサイン濃度は予後的価値を有さないことを実証する。i:Kaplan−Meier曲線は、低酸素エキソソームサインがまた、NSCLC患者における全体としての生存と相関することを実証する。 図7は、低酸素エキソソームサインがNSCLC患者における疾患進行を予測することを示す。a、b:エキソソームは、TEM(サイズバー200nm)及び20〜150nmのサイズ分布により示されるように、形態に基づいてNSCLC血漿から単離され得る。c:TRPSは、健康なコントロール、又は18ヶ月以内に進行する患者、又は18ヶ月で再発していない患者から血漿におけるエキソソーム濃度に差がないことを実証する。d:NSCLC患者から単離されたエキソソームは、再発しなかった患者及び健康なコントロールと比較して、18ヶ月で進行する患者においてVCPの富化を示す(FLOT1が負荷対象として使用される)。e:低酸素エキソソームサインは、18ヶ月で進行する患者に由来するエキソソームにおいて上方制御される。f:Youdenの指標閾値を越える低酸素タンパク質マーカーの数は、18ヶ月以内で進行する患者と、18ヶ月で再発する患者との間の明確な分離を実証する。g:Kaplan−Meierは、低酸素エキソソームサインからのタンパク質の豊富さに基づいて、患者DFSの明確な分離を示す(Youden指標値を超える3以上のマーカー)。h:ROC曲線は、低酸素エキソソームサインがNSCLC患者における疾患進行(<18ヶ月)の完全な予後マーカーであるが、一方では、エキソソームにサイン濃度は予後的価値を有さないことを実証する。i:Kaplan−Meier曲線は、低酸素エキソソームサインがまた、NSCLC患者における全体としての生存と相関することを実証する。 図7は、低酸素エキソソームサインがNSCLC患者における疾患進行を予測することを示す。a、b:エキソソームは、TEM(サイズバー200nm)及び20〜150nmのサイズ分布により示されるように、形態に基づいてNSCLC血漿から単離され得る。c:TRPSは、健康なコントロール、又は18ヶ月以内に進行する患者、又は18ヶ月で再発していない患者から血漿におけるエキソソーム濃度に差がないことを実証する。d:NSCLC患者から単離されたエキソソームは、再発しなかった患者及び健康なコントロールと比較して、18ヶ月で進行する患者においてVCPの富化を示す(FLOT1が負荷対象として使用される)。e:低酸素エキソソームサインは、18ヶ月で進行する患者に由来するエキソソームにおいて上方制御される。f:Youdenの指標閾値を越える低酸素タンパク質マーカーの数は、18ヶ月以内で進行する患者と、18ヶ月で再発する患者との間の明確な分離を実証する。g:Kaplan−Meierは、低酸素エキソソームサインからのタンパク質の豊富さに基づいて、患者DFSの明確な分離を示す(Youden指標値を超える3以上のマーカー)。h:ROC曲線は、低酸素エキソソームサインがNSCLC患者における疾患進行(<18ヶ月)の完全な予後マーカーであるが、一方では、エキソソームにサイン濃度は予後的価値を有さないことを実証する。i:Kaplan−Meier曲線は、低酸素エキソソームサインがまた、NSCLC患者における全体としての生存と相関することを実証する。 図7は、低酸素エキソソームサインがNSCLC患者における疾患進行を予測することを示す。a、b:エキソソームは、TEM(サイズバー200nm)及び20〜150nmのサイズ分布により示されるように、形態に基づいてNSCLC血漿から単離され得る。c:TRPSは、健康なコントロール、又は18ヶ月以内に進行する患者、又は18ヶ月で再発していない患者から血漿におけるエキソソーム濃度に差がないことを実証する。d:NSCLC患者から単離されたエキソソームは、再発しなかった患者及び健康なコントロールと比較して、18ヶ月で進行する患者においてVCPの富化を示す(FLOT1が負荷対象として使用される)。e:低酸素エキソソームサインは、18ヶ月で進行する患者に由来するエキソソームにおいて上方制御される。f:Youdenの指標閾値を越える低酸素タンパク質マーカーの数は、18ヶ月以内で進行する患者と、18ヶ月で再発する患者との間の明確な分離を実証する。g:Kaplan−Meierは、低酸素エキソソームサインからのタンパク質の豊富さに基づいて、患者DFSの明確な分離を示す(Youden指標値を超える3以上のマーカー)。h:ROC曲線は、低酸素エキソソームサインがNSCLC患者における疾患進行(<18ヶ月)の完全な予後マーカーであるが、一方では、エキソソームにサイン濃度は予後的価値を有さないことを実証する。i:Kaplan−Meier曲線は、低酸素エキソソームサインがまた、NSCLC患者における全体としての生存と相関することを実証する。 図8は、低酸素エキソソームサインがEMTを受けた肺細胞に由来することを示す。a:GSEAは、顕著な上皮間葉遷移遺伝子セットが低酸素NSCLC細胞由来のエキソソームと有意に関連していることを同定した。b:間質性表現型への発癌誘発性表現型移行を示す、正常肺上皮細胞(30KT)及び形質転換された肺間葉細胞(30KTp53/KRAS/LKB1)の免疫蛍光。c:細胞様怪物中のウェスタンブロットは、30KTp53/KRAS/LKB1細胞における上皮マーカーE−カドヘリンの損失及び間葉マーカービメンチンの獲得を実証する。d:上皮(30KT)及び間葉(30KTp53/KRAS/LKB1)肺細胞由来のエキソソームにおけるVCPのウェスタンブロット(CD9が、ローディングコントロールとして使用される)。e:上皮(30KT)及び間葉(30KTp53/KRAS/LKB1)肺細胞由来のエキソソームにおけるMAC2BP、 TNC、PSMA2及びTHBS1のELISA。*p<0.05、 **p<0.01、 ***p<0.001。f:原発腫瘍の免疫組織化学は、E−カドヘリン発現の損失が、高いサイングループに分類された患者と相関することを実証している(Youdenの指標値を越える3以上のマーカー)。 図8は、低酸素エキソソームサインがEMTを受けた肺細胞に由来することを示す。a:GSEAは、顕著な上皮間葉遷移遺伝子セットが低酸素NSCLC細胞由来のエキソソームと有意に関連していることを同定した。b:間質性表現型への発癌誘発性表現型移行を示す、正常肺上皮細胞(30KT)及び形質転換された肺間葉細胞(30KTp53/KRAS/LKB1)の免疫蛍光。c:細胞様怪物中のウェスタンブロットは、30KTp53/KRAS/LKB1細胞における上皮マーカーE−カドヘリンの損失及び間葉マーカービメンチンの獲得を実証する。d:上皮(30KT)及び間葉(30KTp53/KRAS/LKB1)肺細胞由来のエキソソームにおけるVCPのウェスタンブロット(CD9が、ローディングコントロールとして使用される)。e:上皮(30KT)及び間葉(30KTp53/KRAS/LKB1)肺細胞由来のエキソソームにおけるMAC2BP、 TNC、PSMA2及びTHBS1のELISA。*p<0.05、 **p<0.01、 ***p<0.001。f:原発腫瘍の免疫組織化学は、E−カドヘリン発現の損失が、高いサイングループに分類された患者と相関することを実証している(Youdenの指標値を越える3以上のマーカー)。 図9は、低酸素エキソソームサインが、NSCLC患者における疾患再発を予測するという確認を示す。a、b:指示された点で、cで追跡される2人の患者(確認コホート)の18F−FDG PET/CT画像。c:発見コホートの支持下で、18ヶ月後に再発する患者比較して18ヶ月以内に再発する患者、特に患者44と及び53におけるエキソソームに濃度は類似する。d:Youdenの指標閾値を越える低酸素タンパク質の数は、18ヶ月以内に進行する患者と、18ヶ月で再発しない患者との間の明確な区別を実証する。e:低存在量又は高存在量の低酸素エキソソームタンパク質を有するNSCLC患者のDFSのKaplan−Meierプロットは、DFSにおける明確な区別を示す。f:ROC曲線分析はまた、18ヶ月以内に進行するであろう患者の完全な分類を示す。g:Kaplan−Meierプロットは、このサインがまた、NSCLC患者における全生存の予後マーカーでもあることを確かめる。 図9は、低酸素エキソソームサインが、NSCLC患者における疾患再発を予測するという確認を示す。a、b:指示された点で、cで追跡される2人の患者(確認コホート)の18F−FDG PET/CT画像。c:発見コホートの支持下で、18ヶ月後に再発する患者比較して18ヶ月以内に再発する患者、特に患者44と及び53におけるエキソソームに濃度は類似する。d:Youdenの指標閾値を越える低酸素タンパク質の数は、18ヶ月以内に進行する患者と、18ヶ月で再発しない患者との間の明確な区別を実証する。e:低存在量又は高存在量の低酸素エキソソームタンパク質を有するNSCLC患者のDFSのKaplan−Meierプロットは、DFSにおける明確な区別を示す。f:ROC曲線分析はまた、18ヶ月以内に進行するであろう患者の完全な分類を示す。g:Kaplan−Meierプロットは、このサインがまた、NSCLC患者における全生存の予後マーカーでもあることを確かめる。 図10は、低酸素がNSCLC細胞からのエキソソーム分泌を増加することを示す。a:NSCLC細胞から単離されたエキソソームは、標準的エキソソームマーカーHSP70、FLOT1及びCD63を発現する。細胞マーカーCANXは、エキソソーム溶解物ではなく、細胞溶解物においてのみ見出される。b:低酸素は、NSCLC細胞系からのエキソソーム分泌を増加する。n = 3 ± SEM、 *p<0.05、 **p<0.01 、***p<0.001。 図11は、発見コホートは、エキソソームタンパク質がNSCLC患者における疾患進行と関連していることを実証していることを示す。a−e:低酸素エキソソームサインにおける各タンパク質の個々のKaplan−Meier及びROC曲線。 図11は、発見コホートは、エキソソームタンパク質がNSCLC患者における疾患進行と関連していることを実証していることを示す。a−e:低酸素エキソソームサインにおける各タンパク質の個々のKaplan−Meier及びROC曲線。 図11は、発見コホートは、エキソソームタンパク質がNSCLC患者における疾患進行と関連していることを実証していることを示す。a−e:低酸素エキソソームサインにおける各タンパク質の個々のKaplan−Meier及びROC曲線。 図11は、発見コホートは、エキソソームタンパク質がNSCLC患者における疾患進行と関連していることを実証していることを示す。a−e:低酸素エキソソームサインにおける各タンパク質の個々のKaplan−Meier及びROC曲線。 図12は、遺伝子セット富化分析(GSEA)は、低酸素NSCLC細胞由来のエキソソームにおいて有意に増加した遺伝子セットを同定したことを示す。a:EMT遺伝子セットにおいて同定されたタンパク質のヒートマップ。b−e:特徴的遺伝子セットに対する全エキソソームタンパク質発現データセットを用いてのGSEAは、低酸素エキソソームが解糖、MYC標的、E2F標的及び生体異物代謝に関連するタンパク質において富化されることを明らかにする(FDR<0.05)。NES−正規化された富化スコア。 図12は、遺伝子セット富化分析(GSEA)は、低酸素NSCLC細胞由来のエキソソームにおいて有意に増加した遺伝子セットを同定したことを示す。a:EMT遺伝子セットにおいて同定されたタンパク質のヒートマップ。b−e:特徴的遺伝子セットに対する全エキソソームタンパク質発現データセットを用いてのGSEAは、低酸素エキソソームが解糖、MYC標的、E2F標的及び生体異物代謝に関連するタンパク質において富化されることを明らかにする(FDR<0.05)。NES−正規化された富化スコア。 図12は、遺伝子セット富化分析(GSEA)は、低酸素NSCLC細胞由来のエキソソームにおいて有意に増加した遺伝子セットを同定したことを示す。a:EMT遺伝子セットにおいて同定されたタンパク質のヒートマップ。b−e:特徴的遺伝子セットに対する全エキソソームタンパク質発現データセットを用いてのGSEAは、低酸素エキソソームが解糖、MYC標的、E2F標的及び生体異物代謝に関連するタンパク質において富化されることを明らかにする(FDR<0.05)。NES−正規化された富化スコア。 図13は、低減されたE−カドヘリン発現がYoudenの指標閾値を超えるサインタンパク質の数と相関することを示す。a:サイン得点に対するIHC得点の表。b:低E−カドヘリンIHC得点は、18ヶ月以内に再発する患者とより顕著に関連する。 図14は、確認コホートにおける上方制御されたサインタンパク質DFSと相関することを示す。a:VCPのウェスタンブロットは、18ヶ月後に進行する患者に比較して、18ヶ月以内に進行する患者の上方制御を実証する(FLOT1がローディングコントロールとして使用される)。b:患者44及び53の個々のサイン値は、18ヶ月以内に進行する患者53が、患者44に比較してサインタンパク質のベースラインレベルを有意に増加させていることを示す。
本発明は、インビトロで同定された低酸素誘発されたエキソソームタンパク質が患者における癌進行及び攻撃性の正確な予後バイオマーカーであるという驚くべき発見に少なくとも部分的に基づかれている。
一態様において、本発明は、対象のエキソソームサンプル中の1又は複数のマーカーの発現レベルを決定する工程を含む、対象における癌の攻撃性の決定方法を提供し、ここで前記マーカーは、表1及び/又は表2に列挙されるそれらのタンパク質のうち1つ以上を含み、そして前記1又は複数のマーカーの発現レベルが、癌の攻撃性のレベルを示すか、又はそれと相関する。
関連する態様において、本発明は、対象のエキソソームサンプル中の1又は複数のマーカーの発現レベルを決定する工程を含む、対象における癌の予後の決定方法を提供し、ここで前記マーカーは、表1及び/又は表2に列挙されるそれらのタンパク質のうち1つ以上を含み、そして前記1又は複数のマーカーの発現レベルが、前記癌についてのより少ないか又はより好ましい予後を示すか又はそれと相関する。
上記態様に関して、1又は複数のマーカーは適切には、ガレクチン−3−結合タンパク質、移行性小胞体ATPアーゼ、中性α−グルコシダーゼAB、60kDa熱ショックタンパク質、リシルオキシダーゼホモログ2、テネイシンC、脂肪酸シンターゼ、アグリン、アスパルチルアミノペプチダーゼ、プロテアソームサブユニットα1型、プロテアソームサブユニットα2型、プロテアソームサブユニットα3型、プロテアソームサブユニットα4型、プロテアソームサブユニットα5型、プロテアソームサブユニットα6型、プロテアソームサブユニットβ1型、プロテアソームサブユニットβ2型、プロテアソームサブユニットβ3型、プロテアソームサブユニットβ4型、プロテアソームサブユニットβ5型、プロテアソームサブユニットβ6型、プロテアソームサブユニットβ7型、プロテアソームサブユニットβ8型、トロンボスポンジン−1、潜在的トランスフォーミング増殖因子β結合タンパク質3、及びそれらのいずれかの組合せから成る群から選択される。1つの特定の実施形態によれば、1又は複数のマーカーは、ガレクチン−3−結合タンパク質、移行性小胞体ATPアーゼ、テネイシンC、プロテアソームサブユニットα2型、トロンボスポンジン−1及びそれらのいずれかの組合せから成る群から選択される。
本明細書において一般的に使用される場合、(a)表1において上方制御されていると同定された55のマーカータンパク質;及び(b)表2において上方制御されていると同定された32のマーカータンパク質の1つ以上の発現レベルは、他に特定されない限り、前記タンパク質をコードする核酸(例えば、RNA、mRNA及びcDNA)、タンパク質自体又は両者の発現レベルを言及することができる。
本明細書において一般的に使用される場合、用語「癌(cancer)」、「腫瘍(tumor)」。「悪性(malignant)」及び「悪性腫瘍(malignancy)」とは、1つ以上の遺伝子突然変異、又は発癌、腫瘍マーカーの発現、腫瘍サプレッサー発現又は活性の損失、及び/又は異常又は異常細胞表面マーカー発現に関連する1つ以上の遺伝子変異又は他遺伝的変化をしばしば伴う、異常又は異常細胞増殖、分化及び/又は転位により特徴付けられる、疾患又は状態、又はその疾患又は状態に関連する細胞又は組織を指す。
「攻撃性(aggressiveness)」及び「攻撃的(aggressive)」とは、以下を含む特徴又は要因の組合せのうち1つ以上に起因して、癌が比較的不良な予後を有するという性質又は傾向を意味する:癌治療に利用可能な療法に対する少なくとも部分的な耐性;侵襲性;転移の可能性;治療後の再発;及び患者の生存の低い可能性(但し、それらだけには限定されない)。
特定の実施形態において、本明細書に提供されるタンパク質、例えば表1及び2に提供されるそれらは、攻撃的疾患、及び特に病理学的再発までの短い時間、及び/又はより短い患者の生存期間について予後的である。さらなる実施形態において、本明細書に提供されるタンパク質、例えば表1及び2に提供されるそれらは、転移性癌、及びより特定には、転移性NSCLCと相関するか、又はそれを示す。これに関して、例えばLTBP3を除いて、表2に提供される32のタンパク質がまた、表1に列挙されることは明らかであろう。
癌は、すべての主要な癌形、例えば肉腫、癌腫、リンパ腫、白血病及び芽細胞腫(但し、それらだけには限定されない)を含む、http://www.cancer.gov/cancertopics/alphalistでNCI癌指数に列挙されるような任意の攻撃的又は潜在的に攻撃的な癌、腫瘍又は他の悪性腫瘍を含む。それらは、以下を含む(但し、それらだけには限定されない):乳癌、肺腺癌及び中皮腫を含む肺癌、卵巣癌、子宮頚癌、子宮癌及び前立腺癌を含む生殖器系の癌、脳及び神経系の癌、頭頸部癌、結腸癌、結腸直腸癌及び胃癌を含む胃腸癌、肝臓癌、腎臓癌、皮膚癌、例えば黒色腫及び皮膚癌腫、リンパ性癌及び骨髄単球性癌を含む血球癌、内分泌系の癌、例えば膵臓癌及び下垂体癌、骨及び軟部組織癌を含む筋骨格系癌。
特定の実施形態において、癌は、以下を含む:乳癌、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮癌、前立腺癌、脳や神経系の癌、頭頸部癌、大腸癌、結腸直腸癌、胃癌、肝臓癌、腎臓癌、膀胱癌、皮膚癌、膵臓癌、下垂体癌又は副腎癌。より好ましくは、癌は、肺癌、例えばNSCLCであるか、又はそれを含む。
特定の実施形態によれば、本明細書に開示される側面の癌は、肺癌であるか、又はそれを含む。この目的のためには、肺癌は、任意の攻撃的肺癌、及び当業界において知られているサブタイプの癌、例えば非小細胞癌(すなわち、扁平上皮癌、腺癌及び大細胞癌)、小細胞癌及び中皮腫を含むことができることは明らかであろう。1つの好ましい実施形態によれば、肺癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)であるか、又はそれを含む。
用語「予後(prognosis)」及び「予後的(prognostic)」とは、臨床学的結果の予測(医学的治療を伴うか又は伴わない)、適切な治療方針の選択(又は治療が有効か否か)、及び/又は現在の治療のモニタリング、及び治療の実質的変更を提供できる、予後を行うことを含むために、本明細書において使用される。これは、追加のタンパク質及び/又は他の核酸バイオマーカーの発現レベルの決定と組み合わせられ得る。本発明の方法による1又は複数のマーカーの遺伝子及び/又はタンパク質発現レベルの決定に、少なくとも部分的に基づかれ得る。予後はまた、癌が都合よく治療されるか、又は他方では、解決された後、対象により罹患される癌の任意の持続的又は永久的な物理学的又は心理学的効果の予測、予想又は期待を含むことができる。さらに、予後は、転移の可能性又は再発の決定、治療的応答性、適切な治療計画の実施、治療後の癌再発の可能性、傾向又は可能性の決定、及び確立された治療(例えば、化学療法)に対する耐性の進行の予測のうち1つ以上を含むことができる。正の予後とは、典型的には、有益な臨床学的結果又は見通し、例えば対象の癌の再発を伴わない長期生存を指すが、一方では、負の予後は典型的には、負の臨床学的結果又は見通し、例えば癌再発又は進行を指すことが理解されるであろう。
2つの前述の態様の方法の一実施形態において、1又は複数のマーカーの比較的減少した発現レベルは、より好ましい予後及び/又は低い攻撃的の癌を示す上、又はそれと相関し;及び/又は1又は複数のマーカーの比較的増加した発現レベルは、あまり好ましくない予後及び/又は高い攻撃性の癌を示すか、又はそれと相関する。
1つの特定の実施形態によれば、癌の予後又は攻撃性は、前記対象における癌の転移の可能性を決定するために、少なくとも部分的使用される。
本明細書において使用される場合、「転移(metastasis)」又は「転移性(metastatic)」とは、典型的には、腫瘍、癌又は新生物の主要病巣から身体におけるは離れた部位への、循環系又はリンパ系を介して、又は自然の体腔を介して悪性腫瘍細胞又は新生物の移動又は転移、及び1つ以上の新規位置における1つ以上の二次腫瘍又はコロニーの続く進行を指す。「転移(metastases)」とは、転移の結果として形成される二次腫瘍又はコロニーを言及し、そして微小転移、及びリンパ節を含む局所転移、及び遠隔転移を包含する。
適切には、1又は複数のマーカーの比較的減少した発現レベルは、前記癌の転移の減少した可能性を示すか、又はそれと相関し; 及び/又は1又は複数のマーカーの比較的増加した発現レベルは、前記癌の転移の可能性の増加を示すか、又はそれと相関する。
1つの実施形態によれば、癌予後又は攻撃性は、対象が癌の治療から利益を得るか否かを決定するために、少なくとも部分的に使用される。例えば、好ましい予後及び/又は低い攻撃的の癌を有する患者は、癌の急速な局所的進行及び/又は転移に苦しむ可能性が低く、及び/又はより積極的なモニタリング及び/又は治療から免れることができる。
別の実施形態によれば、癌予後又は攻撃性は、対象に対する治療戦略を開発するために、少なくとも部分的に使用される。
1つの実施形態によれば、癌予後又は攻撃性は、対象における疾患の進行又は再発を決定するために、少なくとも部分的に使用される。
1つの実施形態によれば、癌予後又は攻撃性は、推定生存期間を決定するために、少なくとも部分的に使用される。
本発明のためには、「単離された(isolated)」とは、その天然の状態から除かれているか、又は他方では、ヒト操作を受けている材料を意味する。単離された材料は、その天然の状態で通常、それに付随する成分を実質的に又は本質的に有さないか、又はその天然の状態で通常、それに付随する成分と一緒に人工状態で存在するよう操作され得る。単離された材料は、天然型、化学合成型又は組換え型であり得る。
本明細書において使用される場合、「遺伝子(gene)」とは、1つ以上のアミノ酸コードヌクレオチド配列、及びプロモーターを含む1つ以上の非コードヌクレオチド配列、及びその5′未翻訳配列、イントロン、ポリアデニル化配列及び他の3′未翻訳配列(但し、それらだけには限定されない)を含むことができるゲノムの構造的遺伝的単位である核酸である。ほとんどの細胞生物においては、遺伝子は、二本鎖DNAを含む核酸である。
用語「核酸(nucleic acid)」とは、本明細書において使用される場合、一本鎖又は二本鎖DNA又はRNAを示す。DNAは、ゲノムDNA及びcDNAを包含する。RNAは、mRNA、RNA、RNAi、siRNA、cRNA及び自己触媒性RNAを含む。核酸はまた、DNA−RNAハイブリッドでもあり得る。核酸は、典型的には、A、G、C、T又はU塩基を含むヌクレオチドを、典型的には含むヌクレオチド配列を含む。しかしながら、ヌクレオチド配列は、他の塩基、例えばそれらだけには限定されないが、イノシン、メチルシトシン、メチルイノシン、メチルアデノシン及び/又はチオウリジンを含むことができる。
天然に存在する(例えば、対立遺伝子)変異体のヌクレオチド配列を含む核酸、及び本明細書に提供される1つ又は複数のマーカーをそれぞれコードする核酸のオルソログ(例えば、異なる種からの)を含む「変異体(variant)」核酸も含まれる。好ましくは、核酸変異体は、本明細書に開示されるヌクレオチド配列と、少なくとも70%又は75%、好ましくは少なくとも80%又は85%、又はより好ましくは少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98% 又は99%共有する。
核酸フラグメントも含まれる。「フラグメント(fragment)」は、それぞれヌクレオチド配列の100%未満を構成する、核酸のセグメント、ドメイン、部分又は領域である。非限定的な例は、増幅産物又はプライマーもしくはプローブである。特定の実施形態によれば、核酸フラグメントは、例えば前記核酸の少なくとも10、15、20、25、30 、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、 85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000及び7500の連続ヌクレオチドを含むことができる。
本明細書において使用される場合、「ポリヌクレオチド(polynucleotide)」は、80個又はそれ以上の連続ヌクレオチドを有する核酸であり、一方「オリゴヌクレオチド(oligonucleotide)」は、80個未満の連続ヌクレオチドを有する。「プローブ(probe)」は、例えばノーザン又はサザンブロットにおいて相補的配列を検出するために適切に標識された、一本鎖又は二本鎖のオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドであり得る。「プライマー(primer)」は、通常、一本鎖オリゴヌクレオチドであり、好ましくは15〜50の連続したヌクレオチドを有し、これは相補的核酸「鋳型」にアニーリングすることができ、そしてDNAポリメラーゼ、例えばTaqポリメラーゼ、RNA依存症DNAポリメラーゼ又はシーケナーゼ(sequenase)(商標)の作用により鋳型依存的に伸長され得る。「鋳型(template)」核酸は、核酸増幅にゆだねられる核酸である。
「タンパク質(protein)」とは、アミノ酸ポリマーを意味する。アミノ酸は、当業界において十分に理解されているように、天然又非天然のアミノ酸、D−又はL−アミノ酸であり得る。当業者により理解されているように、用語「タンパク質」はまた、その範囲内に、タンパク質のリン酸化形態(すなわち、リンタンパク質)及び/又はタンパク質のグリコシル化形態(すなわち、糖タンパク質)を含む。「ペプチド(peptide)」は、50個以下のアミノ酸を有するタンパク質である。「ポリペプチド(polypeptide)」は、50個超のアミノ酸を有するタンパク質である。
タンパク質「変異体(variant)」、例えば天然に存在する変異体(例えば、対立遺伝子変異体)、及び本明細書に提供される1又は複数のマーカー、例えば表1及び2に列挙されるそれらのオルソログ又はアイソフォームもまた提供される。好ましくは、タンパク質変異体は、本明細書に開示されるか、又は当業界において知られている1又は複数のマーカーのアミノ酸配列と、少なくとも70%又は75%、好ましくは少なくとも80%又は85%、又はより好ましくは少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98% 又は99%の配列同一性を共有する。このためには、表1及び2はまた、当業界において十分に理解され、そして本明細書中の参照により組込まれるように、列挙されるタンパク質マーカーのタンパク質配列の例を参照する受託番号を含む。
全アミノ酸配列の100%未満を含むペプチドフラグメントを含むタンパク質フラグメントも提供される。特定の実施形態によれば、タンパク質フラグメントは、例えば前記タンパク質の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150及び1200の連続アミノ酸を含むことができる。
エキソソームは、エンドサイトーシス起源の小さな(すなわち、典型的には30〜150nm)、細胞由来の膜小胞であることが当業者により理解されるであろう。それらは、脂質、核酸及びタンパク質を含み、そして原形質膜との融合に基づいて細胞外環境に放出される。一般的に、CD63、CD9、HSP70、フロチリン−1及びTSG101を含むマーカータンパク質の存在、並びにそれらの形態及びサイズにより特徴付けられる。
本発明の方法において、1つ以上のエキソソームを含むエキソソームサンプルは、それらだけには限定されないが、血液、血清、血漿、腹水、嚢胞液、胸水、腹水、脳脊髄液、涙液、尿、唾液、痰、乳頭吸引液、リンパ液、気道、腸管、尿生殖路の体液、母乳、臓器内システム液、又はそれらの組合せを含むほとんどの生体を含むか、又はそれらから得られる。このためには、エキソソームサンプルは、体液、又はサンプル、例えば上記に提供されたそれらから、汚染性タンパク質、リポタンパク質、等の除去を促進するために、単離されるか又は精製される。
このためには、エキソソーム又はエキソソームタンパク質は、当業界において知られている何れかの手段、例えばそれらだけには限定されないが、超遠心分離、サイズ排除クロマトグラフィー、エキソソーム沈殿(例えば、System BiosciencesからのExoQuick)、エキソソームの親和性に基づく捕捉(例えば、CD63、CD81、CD82、CD9、Alix、アネキシン、EpCAM、及びRab5に対する抗体を用いた親和性精製)及びそれらの組合せにより単離され得る。
当業者により理解されるように、本明細書に提供される1つ以上のタンパク質の遺伝子及び/又はタンパク質発現レベルは、比較的(i)より高いか又は大きい可能性があるか;又は(ii)コントロール又は参照サンプルにおける発現レベル、又は閾値発現レベルと比較して、より低いか、低減されるか、又は減じられ得る。一実施形態において、発現レベルは、それが参照集団の発現レベルの平均及び/又は中央値を超える場合、より高い、増加したか又はより大きいとして分類され得る。1つの実施形態によれば、発現レベルは、それが参照集団の発現レベルの平均及び/又は中央値未満である場合、より低い、低減されたか又は減じられたとして分類され得る。これに関して、参照集団は、発現レベルが決定される前記哺乳類と同じ癌タイプ、サブグループ、病期及び/又はグレードを有するコントロールグループであり得る。
本明細書において使用される場合、用語「より高い(higher)」、「増加した(increased」」及びより大きい(greater)」は、コントロール又は参照レベルもしくは量と比較される場合、エキソソームサンプル中の核酸及び/又はタンパク質の増加した量又はレベルを指す。1又は複数のマーカーの核酸及び/又はタンパク質の発現レベルは、相対的又は絶対的であり得る。いくつかの実施形態において、1又は複数のマーカーの遺伝子及び/又はタンパク質発現は、その発現レベルが、コントロール又は参照レベルもしくは量において、それぞれの又は対応するタンパク質の遺伝子及び/又はタンパク質発現のレベルよりも約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、150%、200%、300%、400%、又は少なくとも約500%高い場合、より高い、増加したか又は大きい。
本明細書において使用される場合、用語「より低い(lower)」、「減少された(reduced)」及び「減じられた(decreased)」とは、コントロール又は参照レベルもしくは量に比較される場合、例えばエキソソームサンプルにおける核酸及び/又はタンパク質のより低い量又はレベルを言及する。本明細書に提供される1又は複数のマーカーの核酸及び/又はタンパク質の発現レベルは、相対的又は絶対的であり得る。いくつかの実施形態によれば、1又は複数のマーカーの遺伝子及び/又はタンパク質発現は、その発現レベルが、コントロール又は参照レベルもしくは量においてそれぞれ又は対応するタンパク質の遺伝子及び/又はタンパク質発現のレベル又は量の約1%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%又は10%未満、又はさらに、約5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.01%、0.001%、又は0.0001%未満である場合、より低い、減少されたか又は減じられる。
用語「コントロールサンプル(control sample)」とは典型的には、癌を有さない非疾患(健康)の個人からの生物学的サンプル、例えばエキソソームサンプルを指す。一実施形態において、コントロールサンプルは、癌に罹患していないことが知られている対象、又はより早い時点で対象から得られたサンプル由来であり得る。他方では、コントロールサンプルは、癌から寛解している対象由来であり得る。コントロールサンプルはプールされたサンプル、平均サンプル又は個々のサンプルであり得る。内部コントロールは、試験されているのと同じ生物学的サンプル(例えば、エキソソームサンプル)からのマーカーである。
本明細書において使用される場合、遺伝子及び/又はタンパク質発現レベルは、その絶対量又は相対量であり得る。従って、いくつかの実施形態によれば、本明細書において提供される1又は複数のマーカーの遺伝子及び/又はタンパク質発現レベルは、発現のコントロールレベル、例えば対象のエキソソームサンプルにおける1又は複数の「ハウスキーピング(housekeeping)」遺伝子及び/又はタンパク質の遺伝子及び/又はタンパク質発現のレベルに比較される。
さらなる実施形態によれば、1又は複数のマーカーの遺伝子及び/又はタンパク質発現レベルは、発現の閾値レベル、例えば、エキソソームサンプルにおける遺伝子及び/又はタンパク質発現のレベルに比較される。発現の閾値レベルは、一般的に、本発明の1又は複数のマーカーの遺伝子及び/又はタンパク質発現の定量化されたレベルである。典型的には、発現の閾値レベルを越えるか又は下回る、エキソソームサンプルにおける1又は複数のマーカーの遺伝子及び/又はタンパク質発現レベルは、特定の疾患状態又は結果の予測である。閾値レベルの発現の性質及び数値(存在するなら)は、典型的には、例えば対象における予後及び/又は抗癌療法に対する応答の決定に使用される、1つ以上の遺伝子又はその産物の発現を決定するために選択された方法に基づいて変わるであろう。
当業者は、当業界において知られている遺伝子又はタンパク質発現を測定する任意の方法、例えば本明細書に記載されるそれらの方法を用いて、予後及び/又は抗癌療法に対する応答の決定に使用され得る、エキソソームサンプルにおける遺伝子及び/又はタンパク質発現の閾値レベルを決定することができるであろう。一実施形態において、閾値レベルは、発現レベルが決定される前記対象と同じ癌タイプ、サブグループ、病期及び/又はグレードを有する、参照集団における1又は複数のマーカーの平均及び/又は中央値遺伝子及び/又はタンパク質発現レベル(中央値又は絶対値)である。さらに、発現の閾値レベルの概念は、単一の値又は結果に限定されるべきではない。これに関して、発現の閾値レベルは、例えば対象の癌の転移の高い、中程度の又は低い可能性を意味し得る複数の閾値発現レベルを包含することができる。
一実施形態において、本明細書に提供される1又は複数のマーカーのより低い遺伝子及び/又はタンパク質発現レベルは、抗癌治療に対する癌の比較的増加した応答性を示すか、又はそれと相関する。別の実施形態において、本明細書に提供される1又は複数のマーカーのより近い遺伝子及び/又はタンパク質発現レベルは、抗癌治療に対する癌の比較的減少した応答性を示すか、又はそれと相関する。
用語「決定する(determining)」、「測定する(measuring)」、「評価する(evaluating)」、「査定する(assessing)」及び「アッセイする(assaying)」とは、本明細書においては互換的に使用され、そして当業界において知られている何れかの形の測定、例えばこの後に記載されるそれらを含むことができる。
本明細書に提供される1又は複数のマーカーの対応する核酸、例えばRNA、mRNA及びcDNAの決定、査定、評価、アッセイ又は測定は、当業界において知られている何れかの技法により実施され得る。それらは、核酸配列増幅、核酸ハイブリダイゼーション、ヌクレオチド配列決定、質量分析及びそれらの組み合わせの何れかを含む技法であり得る。
核酸増幅技法は典型的には、1つ以上のプライマーを、適切な条件下で「鋳型」ヌクレオチド配列にアニーリングし、ポリメラーゼを用いて、標的に相補的なヌクレオチド配列を合成し、それにより、標的ヌクレオチド配列を増幅する反復サイクルを含む。核酸増幅技法は、当業者に周知であり、そしてそれらに限定されないが、以下を含む:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR);鎖置換増幅(SDA);ローリングサークル複製(RCR);核酸配列に基づく増幅(NASBA);Qβレプリカーゼ増幅;ヘリカーゼ依存性増幅(HAD);ループ媒介等温増幅(LAMP);ニッキング酵素増幅反応(NEAR)及びリコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)。本明細書において一般的に使用される場合、「増幅産物(amplification product)」とは、核酸増幅技法により生成される核酸産物を指す。
PCRは、以下を含む:定量的及び半定量的PCR、リアルタイムPCR、対立遺伝子特異的PCR、メチル化特異的PCR、非対称PCR、ネステッドPCR、マルチプレックスPCR、タッチダウンPCR、デジタルPCR、及び「基本的な」PCR増幅に対する他の変形及び改変。
核酸増幅技法は、細胞又は組織源から抽出され、単離されるか、又は他の方法で得られたDNA又はRNAを用いて実施され得る。他の実施形態によれば、核酸増幅は、適切に処理された細胞又は組織サンプルに対して直接的に実施され得る。
核酸ハイブリダイゼーションは典型的には、ヌクレオチド配列を、典型的にはプローブの形で、標的ヌクレオチド配列に適切な条件下でハイブリダイズさせることを含み、それにより、ハイブリダイズされたプローブ標的ヌクレオチド配列が続いて検出される。非制限的な例としては、ノーザンブロッティング、スロットブロッティング、インサイチュハイブリダイゼーション及び蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)検出が挙げられるが、但しそれらだけには限定されない。核酸ハイブリダイゼーションは、細胞又は組織源からの抽出、単離、増幅又は他の方法で得られたDNA又はRNAを用いて、又は適切に処理された細胞又は組織サンプルに対して直接的に実施され得る。
核酸増幅及び核酸ハイブリダイゼーションの組合せが利用され得ることもまた理解されるであろう。
1又は複数のエキソソームタンパク質のタンパク質レベルの決定、評価、査定、アッセイ又は測定は、エキソソームの表面上であるか、又は内部発現されているかにかかわらず、そのようなタンパク質、又は対象のエキソソームサンプルから単離され、抽出されるか、又は他方では他の手段で得られたタンパク質を検出できる、当業界において知られている任意の技法により実施され得る。それらの技法は、それらだけには限定されないが、タンパク質を結合する1つ以上の抗体を用いる抗体ベースの検出、電気泳動、等電点電気泳動、タンパク質配列決定、クロマトグラフィー技法及び質量分析、並びにそれらの組合せを含む。抗体ベースの検出は、それらだけには限定されないが、蛍光標識抗体を用いたフローサイトメトリー、ELISA、免疫ブロッティング、免疫沈降、ラジオイムノアッセイ(RIA)及び免疫細胞化学を含み得る。
本明細書に提供される1又は複数のマーカーも発現は、核酸増幅及び/又は核酸ハイブリダイゼーション等によるその核酸レベル、及びそのタンパク質レベルの両者の決定を含むことができることは理解されるであろう。従って、対象のエキソソームサンプルからの1又は複数のマーカーの発現の検出及び/又は測定は、本明細書に記載されるそれらの方法又はそれらの組合せのいずれか(例えば、それらだけには限定されないが、mRNAレベル又はその増幅されたcDMAコピーの測定、及び/又はそのタンパク質産物により)により実施され得る。
上記を考慮して、本明細書に提供される1又は複数のマーカーの発現レベルは、核酸、例えばRNA、mRNA及びcDNA、及び/又はタンパク質を含む、発現された遺伝子又はその遺伝子産物の絶対又は相対量であり得ることはさらに理解されるであろう。
適切には、前述の側面の方法はさらに、(i)高い攻撃性の癌又は低い攻撃的の癌;及び/又は(ii)より好ましくない予後又はより好ましい予後を有するように前記対象を診断する工程を含む。
さらなる態様において、本発明は、対象のエキソソームサンプル中の1又は複数のマーカーの発現レベルを決定する工程を含む、対象における抗癌治療に対する癌の応答性の予測方法を提供し、ここで前記マーカーは、表1及び/又は表2に列挙されるそれらのタンパク質のうち1つ以上を含み、及び前記1又は複数のマーカーの改変された又は調節された発現レベルが、抗癌治療に対する癌の比較的増加したか又は減少した応答性を示すか又はそれと相関する。
当業者により理解されるように、遺伝子又はタンパク質の発現レベルは、発現レベルが、コントロール又は参照サンプル、又は発現レベル、例えば閾値レベルと比較して、より高い/増加したか、又はより低い/低減される場合、「改変される(altered)」又は「調製される(medulated)」と見なされ得る。一実施形態において、発現レベルは、参照集団の平均及び/又は中央相対発現レベルよりも大きい場合、高いと分類され得、そして発現レベルは、参照集団の平均及び/又は中央相対発現レベルよりも小さい場合、低いと分類され得る。これに関して、参照集団は、発現レベルが決定される前記哺乳類と同じ癌タイプ、サブグループ、病期及び/又はグレードを有する対象グループであり得る。さらに、発現レベルは、相対的又は絶対的であり得る。
適切には、1又は複数のマーカーは、ガレクチン−3−結合タンパク質、移行性小胞体ATPアーゼ、中性α−グルコシダーゼAB、60kDa熱ショックタンパク質、リシルオキシダーゼホモログ2、テネイシンC、脂肪酸シンターゼ、アグリン、アスパルチルアミノペプチダーゼ、プロテアソームサブユニットα1型、プロテアソームサブユニットα2型、プロテアソームサブユニットα3型、プロテアソームサブユニットα4型、プロテアソームサブユニットα5型、プロテアソームサブユニットα6型、プロテアソームサブユニットβ1型、プロテアソームサブユニットβ2型、プロテアソームサブユニットβ3型、プロテアソームサブユニットβ4型、プロテアソームサブユニットβ5型、プロテアソームサブユニットβ6型、プロテアソームサブユニットβ7型、プロテアソームサブユニットβ8型、トロンボスポンジン−1、潜在的トランスフォーミング増殖因子β結合タンパク質3、及びそれらのいずれかの組合せから成る群から選択される。1つの特定の実施形態によれば、1又は複数のマーカーは、ガレクチン−3−結合タンパク質、移行性小胞体ATPアーゼ、テネイシンC、プロテアソームサブユニットα2型、トロンボスポンジン−1及びそれらの何れかの組合せから成る群から選択される。
一実施形態において、1又は複数のマーカーのより高い発現レベルは、抗癌治療に対する癌の比較的増加した応答性を示すか、又はそれと相関する。他の実施形態において、1又は複数のマーカーのより高い発現レベルは、抗癌治療に対する癌の比較的減少した応答性を示すか、又はそれと相関する。
前述の態様の発明に関して、当該方法は適切には、対象における癌のさらなる治療工程を含む。
本発明のさらなる態様は、対象における癌の治療に関する。
1つの特定の態様において、癌治療は、対象のエキソソームサンプル中の1又は複数のマーカーの発現レベルの決定と組合して実施され、ここで前記マーカーは、表1及び/又は表2に列挙されるそれらのタンパク質のうち1つ以上を含み、及び行われた決定に基づいて、抗癌治療を開始するか、継続するか、修正するか、又は中止する。
適切には、1又は複数のマーカーは、ガレクチン−3−結合タンパク質、移行性小胞体ATPアーゼ、中性α−グルコシダーゼAB、60kDa熱ショックタンパク質、リシルオキシダーゼホモログ2、テネイシンC、脂肪酸シンターゼ、アグリン、アスパルチルアミノペプチダーゼ、プロテアソームサブユニットα1型、プロテアソームサブユニットα2型、プロテアソームサブユニットα3型、プロテアソームサブユニットα4型、プロテアソームサブユニットα5型、プロテアソームサブユニットα6型、プロテアソームサブユニットβ1型、プロテアソームサブユニットβ2型、プロテアソームサブユニットβ3型、プロテアソームサブユニットβ4型、プロテアソームサブユニットβ5型、プロテアソームサブユニットβ6型、プロテアソームサブユニットβ7型、プロテアソームサブユニットβ8型、トロンボスポンジン−1、潜在的トランスフォーミング増殖因子β結合タンパク質3、及びそれらの何れかの組合せから成る群から選択される。1つの特定の実施形態において、1又は複数のマーカーは、ガレクチン−3−結合タンパク質、移行性小胞体ATPアーゼ、テネイシンC、プロテアソームサブユニットα2型、トロンボスポンジン−1及びそれらの何れかの組合せから成る群から選択される。
これに関して、抗癌剤に対する癌の応答性を予測するための本明細書に記載されるそれらの方法はさらに、治療的有効量の抗癌治療剤、例えば抗癌剤を哺乳類に投与する工程も含むことができる。好ましい実施形態において、抗癌治療剤は、本明細書に記載される1又は複数のマーカーの遺伝子及び/又はタンパク質発現レベルが抗癌剤に対する癌の比較的増加した応答性を示すか、又はそれと相関する場合に投与される。
適切には、前記薬剤は、医薬的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物として対象に投与される。これに関しては、任意の投与形及び投与経路、例えば本明細書に提供されるそれらが、本発明の組成物を対象に提供するために使用され得る。
癌治療は、小有機又は無機分子などの薬物療法、放射線療法、手術、栄養療法、リラクゼーション又は瞑想療法、その他の自然療法又は総合療法を含むが、但しそれらだけには限定されない。一般的に、薬物(例えば、有機又は無機の小分子)、生体分子(例えば、抗体、siRNAなどの阻害性核酸)又は化学療法剤は、本明細書では「抗癌治療剤(anti-cancer therapeutic agents)」又は「抗癌剤(anti-cancer agents)」と呼ばれる。
癌の治療方法は、予防的(prophylactic)、予防的(preventative)又は治療的であり、そして哺乳類、特にヒトにおける癌の治療のために適切である。本明細書において使用される場合、「治療する(treating)」又は「治療(treatment)」とは、癌及び/又はその症状が少なくとも発症し始めた後、癌の症状を少なくとも改善する、治療的介入、作用方針又はプロトコールを指す。本明細書において使用される場合、「予防する(preventing)」、「予防する(prevent)」又は「予防(prevention)」とは、癌又は症状の発生又は進行を予防し、阻害し又は遅延するために、癌及び/又は癌の症状の開始の前に開始される治療的介入、作用方針又はプロトコールを指す。
用語「治療的有効量(therapeutically effective amount)」とは、その薬剤により治療される対象において所望の効果を達成するために十分な特定薬物の量を記載する。例えば、これは、癌又は癌関連疾患、障害又は状態を低減し、軽減し、及び/又は予防するために必要な化学療法剤の量であり得る。いくつかの実施形態によれば、「治療的有効量」は、癌の症状を低減するか又は排除するのに十分である。他の実施形態によれば、「治療的有効量」は、所望する生物学的効果を達成するのに十分な量、例えば癌の増殖及び/又は転移を低減するか又は防止するのに有効である量である。
理想的には、薬剤の治療的有効量は、対象において実質的な細胞毒性効果を引起さないで、所望する結果を誘発するのに十分な量である。癌を低減し、軽減し、及び/又は予防するのに有用な薬剤の有効量は、治療されている対象、任意の関連する疾患、障害及び/又は状態(例えば、任意の関連する転移の数及び位置)のタイプ及び重症度、並びに治療用組成物の投与方法に依存するであろう。
適切には、抗癌治療剤は、医薬的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物として哺乳類に投与される。
「医薬的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤(pharmaceutically acceptable carrier、diluent or excipient)」とは、全身投与に完全に使用され得る固体又は液体の充填剤、希釈剤又はカプセル化物質を意味する。特定の投与経路に依存して、当業界において良く知られている種々の担体が使用され得る。それらの担体は、糖、デンプン、セルロース及びその誘導体、麦芽、ゼラチン、タルク、硫酸カルシウム、リポソーム及び他の脂質ベースの担体、植物油、合成油、ポリオール、アルギン酸、リン酸緩衝液、乳化剤、等張食塩水、及び塩、例えば塩酸塩、臭化物及び硫酸塩を含む鉱酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩などの有機酸塩、及び発熱物質を含まない水から成る群から選択され得る。
医薬的に許容できる担体、希釈剤及び賦形剤を記載する有用な参考文献は、Remington’s Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Co. N.J. USA, 1991)であり、これは参照により本明細書に組込まれる。
何れかの安全な投与経路が、本発明の組成物を患者に提供するために使用され得る。例えば、経口、直腸、非経口、舌下、頬側、静脈内、関節内、筋肉内、皮内、皮下、吸入、眼内、腹腔内、脳室内、経皮及び同様のものが使用され得る。筋肉内及び皮下注射は、例えば、免疫療法用組成物、タンパク質性ワクチン及び核酸ワクチンの投与に適している。
剤形は、錠剤、分散剤、懸濁剤、注射剤、液剤、シロップ剤、トローチ剤、カプセル剤、坐剤、エアロゾル剤、経皮パッチ剤及び同様のものを含む。それらの剤形はまた、この目的のために特別に設計された注射又は移植制御放出装置、又はこの様式でさらに作用するよう改変された他の形のインプラントを含むことができる。治療薬の制御された放出は、アクリル樹脂、ワックス、高級脂肪族アルコール、ポリ乳酸及びポリグリコール酸並びに特定のセルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む疎水性ポリマーにより治療薬を被覆することによりもたらされ得る。さらに、制御された放出は、他のポリマーマトリックス、リポソーム及び/又は微小球体を用いることによりもたらされ得る。
経口又は非経口投与のために適切な本発明の組成物は、それぞれ所定量の1以上の本発明の治療剤を含む、カプセル剤、サシェ剤又は錠剤などの個別の単位として、粉末又は顆粒として、又は水性液体、非水性液体、水中油エマルジョン又は油水水液体エマルジョン中において、溶液又は懸濁液として提供され得る。そのような組成物は、任意の製薬方法により調製され得るが、しかしすべての方法は、1以上の必要な成分を構成する担体と、上記のような1以上の薬剤とを組み合わせる工程を含む。一般的に、組成物は、本発明の薬剤と、液体担体又は微粉化された固体担体、又は両者とを均一且つ、密接に混合し、そして次に、必要な場合、生成物を所望の形状に成形することにより製造される。
上記組成物は、剤形と適合できる態様で、及び医薬的に有効であるような量で投与され得る。本発明においては、患者に投与される用量は、適切な期間にわたって有益な応答を患者にもたらすのに十分であるべきである。投与される薬剤の量は、年齢、性別、体重及びその一般的な健康状態、施術者の判断に依存し得る要因を含めて、治療されるべき対象に依存し得る。
特定の実施形態において、抗癌治療及び/又は薬剤は、1又は複数のマーカーの作用を阻害すること、及び/又はその発現を低減することに向けられ得る。
他の実施形態において、抗癌治療及び/又は薬剤は、癌の転移を予防し、又は阻害することに向けられ得る。
別の実施形態において、抗癌治療及び/又は薬剤は、本発明の1又は複数のマーカー以外の遺伝子又は遺伝子産物に向けられ得る。例として、抗癌治療は、1又は複数のマーカーと、直接的に又は間接的に相互作用することが知られている遺伝子又は遺伝子産物を標的とし得る。
特定の実施形態によれば、本発明は、癌治療に関する「コンパニオン診断(companion diagnostic)を提供し、それにより、本発明の1又は複数のマーカーの発現レベルは、前記癌治療の安全及び/又は効果的な投与のために使用される情報を臨床医等に提供する。
適切には、癌は、上記タイプのものであるが、但しそれらだけには限定されない。
前述の態様を参照すると、この方法は適切には、対象から、例えばそれらの生物学的サンプルから、及び/又は前述の単離方法を用いて、エキソソームサンプルを取得する初期工程を含む。
さらなる態様において、本発明は、
(a)表1及び/又は表2に列挙されるマーカーを発現する細胞と、候補薬剤とを接触すること;及び
(b)前記候補薬剤がマーカーの発現及び/又は活性を調節するか否かを決定することを含む、対象における癌の治療への使用のための薬剤の同定又は製造方法を提供する。
特定の実施形態において、前記候補薬剤は、マーカーの発現及び/又は活性を、少なくとも部分的に、低減するか、排除するか、抑制するか又は阻害する。
適切には、薬剤は、有意なオフターゲット(off-target)効果及び/又は非特異的効果をほとんどか又は全く有さない。
好ましくは、薬剤は、抗体又は小分子である。
適切には、マーカーは、ガレクチン−3−結合タンパク質、移行性小胞体ATPアーゼ、中性α−グルコシダーゼAB、60kDa熱ショックタンパク質、リシルオキシダーゼホモログ2、テネイシンC、脂肪酸シンターゼ、アグリン、アスパルチルアミノペプチダーゼ、プロテアソームサブユニットα1型、プロテアソームサブユニットα2型、プロテアソームサブユニットα3型、プロテアソームサブユニットα4型、プロテアソームサブユニットα5型、プロテアソームサブユニットα6型、プロテアソームサブユニットβ1型、プロテアソームサブユニットβ2型、プロテアソームサブユニットβ3型、プロテアソームサブユニットβ4型、プロテアソームサブユニットβ5型、プロテアソームサブユニットβ6型、プロテアソームサブユニットβ7型、プロテアソームサブユニットβ8型、トロンボスポンジン−1、潜在的トランスフォーミング増殖因子β結合タンパク質3、及びそれらの何れかの組合せから成る群から選択される。1つの特定の実施形態によれば、1又は複数のマーカーは、ガレクチン−3−結合タンパク質、移行性小胞体ATPアーゼ、テネイシンC、プロテアソームサブユニットα2型、トロンボスポンジン−1及びそれらの何れかの組合せから成る群から選択される。
抗体阻害剤に関連する実施形態によれば、抗体は、ポリクローナル又はモノクローナル、天然又は組換えのものであり得る。抗体産生、精製及び使用に適用できる周知のプロトコールは、例えばColigan et al., CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY (John Wiley & Sons NY, 1991-1994)のチャプター2、及びHarlow, E. & Lane, D. Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988(それらの両者は参照により本明細書に組込まれる)に見出され得る。
一般的に、本発明の抗体は、マーカーの単離されたタンパク質、フラグメント、変異体又は誘導体に結合するか、又はそれと接合する。例えば、抗体は、ポリクローナル抗体であり得る。そのような抗体は、マーカータンパク質産生の単離されたタンパク質、フラグメント、変異体又は誘導体を、マウス又はウサギを含む生産種中に注射し、ポリクローナル抗血清を得ることにより調製され得る。ポリクローナル抗体の生成方法は、当業者に良く知られている。使用され得る典型的なプロトコールは、Coligan et al., CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY, 前掲及びHarlow & Lane, 1988, 前掲に記載されている。
モノクローナル抗体は、例えば参照により本明細書に組込まれる、Kohler & Milstein, 1975, Nature 256, 495による論文に記載される標準方法を用いて、又は例えば1つ以上の単離されたマーカータンパク質産物及び/又はそのフラグメント、変異体及び/又は誘導体により接種された生産種に由来する脾臓又は他の抗体産生細胞を不死化することにより、Coligan et al., CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY, 前掲に記載されるようなより最近の改良法により製造され得る。
典型的に、候補阻害剤抗体の阻害活性は、抗体の存在下でマーカータンパク質の発現レベル及び/又は活性を検出するか、又は測定するインビトロ及び/又はインビボアッセイにより評価され得る。
いくつかの実施形態において、モジュレーター、例えば阻害剤は、合理的に設計され得る。それらの方法は、マーカーの構造分析、及びマーカーの活性に結合し、それと相互作用するか、又は他方では、それを調節する分子の設計及び/又は構築を含むことができる。それらの方法は特に、候補モジュレーターとマーカーとの間の相互作用のコンピューター支援三次元モデリングを含む。
他の実施形態において、モジュレーター、例えば有機小分子阻害剤は、潜在的新薬又はリード化合物を見出すために数百の分子標的のいずれか1つでの生物学的活性についてスクリーニング又は試験され得る、数十文〜数百万の候補阻害剤(合成小有機分子を含む化合物、又は阻害ペプチド又はタンパク質などの天然の産物)の大化合物のライブラリーのスクリーニングを含むことができる。スクリーニング方法は、コンピューターベースの(「イン・シリコ(in silico)」)スクリーニング及びインビトロアッセイに基づくハイスループットスクリーニングを含むことができるが、但しそれらだけには限定されない。
典型的に、この最初のスクリーニングプロセスからの活性化合物又は「ヒット(hits)」は、次に、活性化合物をさらに特徴づけるために一連の他のインビトロ及び/又はインビボ試験を通して順次試験される。各段階での連続的に少数の「成功した(successful)」化合物が続く試験のために選択され、最終的に、ヒト臨床試験において試験されるのに進むために選択される1つ以上の薬物候補が導かれる。
臨床レベルでは、候補薬物のスクリーニングは、対象が試験化合物に暴露される前後、試験対象からサンプルを得ることを含む。次に、エキソソームサンプル等のサンプルにおけるマーカータンパク質のレベルが、候補薬物への暴露の後、マーカータンパク質のレベル及び/又は活性が変化するか否かを決定するために測定され、そして分析される。例として、サンプル中のタンパク質産物レベルは、質量分析、ウェスタンブロット、ELISA、電気化学、及び/又は当業者に公知の何れか他の適切な手段により決定され得る。
これに関して、マーカーの発現レベル及び/又は活性を減じ、排除し、抑制するか、又は阻害できるとして同定される候補薬剤は、次に、癌に罹患している患者に投与され得る。例えば、マーカーの活性及び/又は発現を阻害するか又は低減する候補薬物の投与は、バイオマーカーの増加した活性が、少なくとも部分的に癌の進行及び/又は発症の原因である場合、癌を治療し、及び/又は癌のリスクを低減することができる。
上記側面に関して、用語「対象(subject)」とは、ヒトを含む哺乳類、パフォーマンス動物(例えば、ウマ、ラクダ、グレイハウンド)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ウマ)及びコンパニオン動物(例えば、ネコ及びイヌ)を含むが、但しそれらだけには限定されない。好ましくは、対象はヒトである。
本明細書に言及される全てのコンピュータープログラム、アルゴリズム、特許及び科学文献は、参照により本明細書に組込まれる。
本発明に関して、遺伝子又はタンパク質について本明細書に提供されるデータベース受託番号又は固有の識別子、例えば表1及び2に提供されるそれら、並びに遺伝子及び/又はタンパク質配列又はそれに関連する配列は、参照により本明細書に組込まれる。
本発明の好ましい実施形態が十分に理解され、そして実用的効果がもたらされるように、以下の非制限的な実施例を参照する。
実施例1
最近のデータは、腫瘍低酸素が転移性播種を促進する因子の分泌のための強力な推進力であることを示唆している8,9。転移の促進に関与されると思われる分泌された因子の重要な要素は、エキソソームの放出である。増加する証拠は、腫瘍由来のエキソソームにより担持されるプロテオーム及びゲノム情報の豊富な配列が、癌細胞が周囲の間質及び悪性細胞の行動を変える新規メカニズムであることを示差している10。エキソソームは、心血管新生11、免疫抑制12に関連するシグナル伝達プロセスに影響を与え、そして薬剤耐性及び発癌性転移を誘発する13-15.さらに、全身性変化を誘発するエキソソームの能力は、転移性播種を促進すると思われ、これは、患者の死因の大部分を占める16
エキソソームによる発癌タンパク質の転移もまた報告されている14。グルオーマ細胞におけるエキソソーム転移は、変異型上皮成長因子受容体(EGFRvIII )アイソフォームの送達を通して腫瘍形成を促進し、抗アポトーシス遺伝子の増加した発現及び増強された増殖をもたらすことが最近実証されている14。同様に、変異型のKRASを有する結腸癌細胞は、変異型KRASの野生型細胞へのエキソソーム転移を介して野性方KRAS結腸細胞の三次元増殖を増強することができる。さらに、非転移性メラノーマ細胞は、高度に転移性のメラノーマ細胞に由来するエキソソームの取り込みにより、より転移性になるように誘導され得る17。しかしながら、この転移能力の変化が永久的であるか否かは、不明のままである。
エキソソームのタンパク質及びRNA含有量は、典型的にはそれらが由来する細胞型、組織、及び微小環境に応じて著しく変動する。この理由のために、癌分泌エキソソーム及びそれらの分子量は、癌における潜在的なバイオマーカー源及び治療標的を表す。従って、この実施例の全体的な目的は、エキソソームを使用して患者らの血液からNSCLC患者における疾患の進行を非侵襲的に予測するための手段を確立することであった。
現在、種々の固形悪性腫瘍のための非侵襲的且つ、有益な診断マーカーを開発する、満たされていない大きな必要性が存在する。腫瘍由来のエキソソームに含まれるプロテオーム及びRNA情報は、非侵襲的診断ツールとしてのエキソソームの使用に大きな関心を寄せている。エキソソーム単離技法は現在、十分に確立されているので、そしてエキソソームは、血清、尿及び唾液を含む体液中で安定しているので、それらは疾患の進行の信頼できるバイオマーカーとして大きな可能性を示す23。エキソソームがそれらの起源の細胞の分子サインを提供できることを考えると、プロテオーム及びRNA分析はまた、発癌性突然変異を決定するための効率的手段を提供し得る。最近、エキソソームベースのタンパク質、この場合、グリピカン−1(Glypican-1)の存在が、膵臓癌患者における短い無病生存期間を予測できることが示されている24
さらに、患者由来のエキソソームは、疾患についての進行及び治療の選択肢の理解に有用であると証明することができる。これは、メラノーマ患者から単離されたエキソソームで既に実証されており、これは、高いタンパク質含有量、及びTYRP2、VLA4及びHSP70の増加した発現を示し;それらのタンパク質は、不良な予後の患者において富化されていた16。さらに、多数の異なるグループが、以下を同定した:微小胞中のレトロトランスポゾンRNA転写物、一本鎖DNA(ssDNA)、ミトコンドリアDNA、及び癌遺伝子増幅(すなわち、cMyc)、並びにエキソソーム中の二本鎖DNA(dsDNA)25。エキソソームにおける発癌遺伝子の中で、cMet(メラノーマ)16、突然変異したKRAS、及び膵臓癌におけるp5326がこれまでに報告されている。従って、腫瘍細胞によるそれらの既知の放出と結びついたそれらの特異的エキソソーム生体分子の存在を考えると、エキソソームは、シンプレックス又は多重化された診断バイオマーカー27のための臨床的に有用な富化された鋳型を証明することができ、これは28により再考されている。
材料及び方法
細胞株及び細胞培養物
ヒト非小細胞肺癌(NSCLC)細胞株を、American Type Culture Collection (ATCC)から購入した。全ての細胞株は、シュートタンデムリピート(STR)プロファイリングにより確認され、そしてマイコプラズマに対して陰性であることが見出された。全ての細胞は、5%CO2の加湿インキュベーターにおいて37℃で維持された。SKMES1細胞は、10%FBS(Gibco, Thermo Fisher Scientific)及びペニシリン−ストレプトマイシンにより補充されたDMEMにおいて培養された。全ての他の細胞は、10%FBS及びペニシリン−ストレプトマイシンにより補充されたRPMIにおいて培養された。低酸素実験のために、細胞は、2%CO2及び5%CO2の加湿されたインキュベーターにおいて37℃で培養された。
エキソソーム単離
血清培地は、PBSにより細胞を2度洗浄し、そして15mlの無血清培地と交換することにより除去された。培地は、酸素正常状態(21%のO2)又は低酸素(2%のO2)で24時間、調整された。調整された培地を、ファルコン管中に等分し、そし浮遊細胞及び残骸は、4℃で10分間、300xgで遠心分離することにより除去された。得られる上清液は、0.22μmのフィルターを通して濾過し、残存する大きな粒子を除去された。清澄化された、ならし培地は、Centricon Plus-70 Centrifugal Filter (Ultracel-PL Membrane, 100 kDa)装置を用いて、4℃で、300〜500μlに濃縮された。次に、エキソソームは、OptiPrep(登録商標)密度勾配を用いて精製された。濃縮された培地は、不連続イオジキサノール勾配上に重層され、そして100,000 gavg (k-factor: 277.5)で4℃で16時間、遠心分離された。エキソソーム含有画分は、調整可能な抵抗パルスセンシング(TRPS)により同定され、そしてPBS中で20mlに希釈し、そして4℃で2時間、100,000gavgで遠心分離された。得られるペレットは、さらなる分析のためにPBSにおいて再懸濁された。
電子顕微鏡法
エキソソームは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて可視化された。3μlのエキソソーム懸濁液は、50〜100μlの2%パラホルムアルデヒドにおいて固定された。次に2μlのマイクロフィルターアリコートは、2つのFormvar−炭素被覆された電子顕微鏡グリッドのそれぞれに移され、そして次に、20分間、覆われた。グリッドは洗浄され、そして50μlのシュウ酸ウラニル溶液(pH7)に、5分間、次に50μlのメチルセルロースUA(それぞれ、4%酢酸ウラニル及び2%メチルセルロースの100μl/900μlの比での混合物)に、氷上で10分間、移された。グリッドは取り外され、乾燥した後、80kVでJEM 1.011透過型電子顕微鏡で観察された。
調整可能な抵抗パルスセンシング(TRPS)
エキソソーム濃度及びサイズは、45mmのストレッチでNP100ナノポアを用いてTRPS (qNano, Izon Science Ltd)により分析された。エキソソーム濃度及びサイズは、既知の濃度で70nmのカルボキシル化ポリスチレンビーズを用いた多重圧力較正を用いて標準化された。
ウェスタンブロッティング
以下の抗体は、ウェスタンブロットに使用された:TSG101 (Santa Cruz, sc-6037)、CD63 (Abcam, ab8219)、フロチリン−1 (BD Transduction Laboratories, 610821)、HSP70 (Transduction Laboratories, 610608)、カルネキシン(Cell Signaling Technology, 2679S)、VCP (Abcam, ab11433)、GANAB (Abcam, ab179805)。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)接合された二次抗体を、Thermo Scientificから購入した。サンプルは、還元サンプル緩衝液[0.25Mトリス塩酸(pH6.8)、40%グリセロール、8%SDS、5%2−メルカプトエタノール及び0.04%ブロモフェノールブルー]、又は非還元サンプル緩衝液(2−メチルカプトエタノールを含まない)に溶解され、そして95℃で10分間、煮沸された。タンパク質は、SDS−PAGEにより分離され、そしてポリ弗化ビニリデン膜に移され、PBS−T(0.5%のTween−20)中、5%脱脂粉乳でブロックし、そして抗体によりプローブされた。タンパク質は、X線フィルム及び増強された化学発光試薬(Amersham ECL Select)を用いて検出された。
ELISA
Douset ELISAを、R&D systemsから購入し、そして製造業者の指示に従って使用した。簡単に説明すると、捕捉抗体は、PBSにおいて作業濃度に希釈され、そして96ウェルマイクロプレートに、室温で一晩静置された。次に、捕捉抗体は除かれ、そしてプレートを洗浄緩衝液により3度、洗浄された。次に、プレートは、試薬希釈剤により2時間ブロックされ、その後、洗浄緩衝液により3度、洗浄された。次に、標準及びサンプルは、プレートにおいて2時間インキュベートされ、その後、前と同様に洗浄された。次に、プレートは、検出抗体と共に2時間インキュベートされ、そして次に、前と同様に洗浄された。次に、ストレプトアビジン−HRPは、20分間、添加し、そして続いて、プレートを再び洗浄された。20分間、基質溶液の添加により発色させ、その後、反応を停止溶液の添加により停止させた。各ウェルの光学密度は、450nmで設定されたマイクロプレートリーダー、及び540nmでの波長補正により決定された。
TNC ELISAキットを、RayBiotechから購入し、そして製造業者の指示に従って使用した。
血漿
血漿は、氷上で解凍され、そして4℃で10分間、1,500gで遠心分離された。上清液は除かれ、そしてさらに、大きな小胞は、4℃で20分間、10.000gで別の遠心分離工程で除去された。次に、500μlは、qEVサイズ排除カラム(Izon)上に重層され、続いてPBSにより溶出された。エキソソーム陽性画分は、プールされ、そしてAmicon(登録商標)Ultra-4 10 kDa遠心フィルターユニットにより、50〜100μlの最終体積に濃縮された。
質量分析
破壊されたエキソソームからのタンパク質は、タンパク質分解消化され、そしてWaters NanoAcquity UltraHighPressure 液体クロマトグラフィーと組合わされたLTQ-OrbitrapElite機器で分析された。定量的に異なるエキソソー内の識別できる個別のタンパク質の数は、多くの目的別のソフトウェアパッケージを介して処理された。
統計学的分析
GraphPad Prismバージョン6.0及びMedCalcバージョン16.8.4が、すべての計算に使用された。対応のないスチューデントt検定が用いられ、エキソソーム由来のタンパク質の発現値の差が計算された。受信者操作特性(ROC)曲線が用いられ、予測値の感度及び特異度が決定された。閾値は、Youdenインデックスを用いて選択された。ロックランク検定を用いての単変量分析が使用され、無病生存率が評価された(Kaplan-Meier曲線)。
結果
本研究は、エキソソームがNSCLC細胞系H358、SKMES1、H23及びH1975により分泌されたことを最初に実証した。図1aは、上記プロトコールを用いて単離されたエキソソームからの標準的エキソソームタンパク質の存在、及び小胞体タンパク質カルネキシンの不在を示す。さらに、単離されたエキソソームは、純粋なエキソソーム調製物と一致する予想される形態及びサイズプロフィールを示す(図1b及び2a)。
次に、それらのNSCLC細胞系は、低酸素条件下で培養され、そしてエキソソーム分泌に対する効果をモニターされた。図1c、1d及び2aにおいて観察され得るように、低酸素条件は、調べられた4つの細胞系のそれぞれからのエキソソームの分泌を誘発したが、しかしエキソソームのサイズ範囲及び形態は変わらなかった。
次に、本研究は、低酸素がNSCLC細胞系により分泌されたエキソソームのタンパク質含有量又はサインを改変したか否かの決定を試みた。定量的質量分析は、H358及びSKMES−1細胞系からのエキソソームが低酸素状態でそれぞれ83及び156の上方制御されたタンパク質を有し、そのうち55の上方制御されたタンパク質が両細胞株に共通したことを実証した(図2b、表1)。次に、本研究は、この質量分析データを検証しようとした。このために、質量分析により同定された2つの上方制御されたタンパク質、すなわち中性α−グルコシダーゼAB(GANAB)及び移行小胞体ATPアーゼ(VCP)は、ウェスタンブロット及びELISAにより、4つのNSCLC細胞由来の低酸素エキソソームにおいて上方制御されることが示され(図2c及び2d)、それにより、質量分析データを支持する。
次に、本研究は、低酸素により上方制御されたそれらのタンパク質がNSCLCにおける患者の疾患進行と相関したか否かの決定を試みた。図3aに見られるように、NSCLC患者の血漿から単離されたエキソソームは、典型的なサイズ範囲及び形態を示す。次に、GANAB、VCP、ガレクチン−3結合タンパク質、TNC及びPMSA 2の低酸素エキソソームタンパク質マーカーは、不良予後のNSCLC患者(すなわち、治療の最初の12ヶ月以内に進行するか又は再発する)において有意に上方制御されたことが示された(図3c)。図3dにおけるROC曲線はさらに、GANAB、VCP及びガレクチン−3−結合タンパク質の組合わされたタンパク質サインが、不良な予後のNSCLC患者の同定に関して高い全体的精度を有することを実証する。これは、GANAB、VCP及びガレクチン−3−結合タンパク質の少なくとも2つのタンパク質の上方制御されたエキソソーム発現を有するNSCLC患者が、それらのエキソソームにおいて高く発現されたそれらのマーカーの1つのみを有するか、又はまったく有さないそれらの患者よりも、有意に短い無病生存期間を実証することを示す図3eにより支持される。
GANAB、VCP及びガレクチン−3−結合タンパク質のエキソソームタンパク質マーカーに加えて、NSCLC細胞系において同定された元の55の低酸素タンパク質サインからの追加のタンパク質もまた予後的価値があるものであり得る。例えば、図4は、テナシンC(TNC)タンパク質レベルがまた、治療の後に進行する可能性が高いNSCLC患者のエキソソームにおいて上方制御されることを実証する。さらに、図4におけるROC曲線は、不良予後のNSCLC患者の同定に関して相当の精度を、それ自体で実証することを示す。
図3d及び3eに示される、GANAB、VCP及びガレクチン−3−結合タンパク質(MAC2BP)の患者エキソソームタンパク質に関するそのデータについての個々のタンパク質ROC及び生存曲線を図5に提供する。このデータは、それら自体でも、それらの3種のタンパク質のそれぞれが、NSCLC患者における疾患進行に関して正確な予後マーカーであることを裏付けている。
結論
それらのデータは、インビトロで低酸素エキソソームにおいて同定された上記タンパク質マーカーが、NSCLC癌患者における疾患進行又は再発についての潜在的な予後バイオマーカーを表すことを示している。従って、そのようなエキソソームバイオマーカーは、種々の固形悪性腫瘍についての信頼でき且つ、非侵襲的な予後マーカーを表し得る。
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実施例2
有意な治療上の進歩にもかかわらず、肺癌は、依然として世界的に癌関連死の主な原因のままである1。非小細胞肺癌(NSCLC)患者は、5年生存率が15%と非常に低い2。生検は、NSCLCの診断及びサブタイプ分類に使用され、そしてTNM病期分類は、生存を予測し、そして臨床的介入を導くための最も重要な要素である2。しかしながら、初期段階及び局所領域限定のNSCLC患者のかなりの割合が、外科放射線療法又は化学放射線療法による根治的治療にもかかわらず、治療抵抗性疾患を有し、又は転移性疾患を発症し、このことは、TNM病期分類のみでは、疾患管理の指針として不十分であることを実証している。従って、現在の治療に対して反応が悪く、そして治療介入の調整を可能にするそれらの患者を同定するための満たされていない必要性が存在する。予後のバイオマーカー、特に非侵襲性バイオマーカーは、治療の強化又は補助の治療介入を必要とする患者の臨床医によるトリアージを可能にすることができる。
エキソソームと呼ばれる小さな細胞外小胞は、膵臓癌における転帰を同定するための非侵襲性方法として役立つことが示されている3。エキソソームは、分泌され、直接30〜150nmのサイズ範囲を有する膜に囲まれた小胞である4。多小胞体の内側への出芽に起因するエキソソームは、それらの起源の細胞に由来する種々の核酸、脂質及びタンパク質を含む4。原形質膜との融合に基づいて、エキソソームは、細胞外環境に放出され、そして環境系に入ることができる4。患者の体液からのエキソソーム単離は、現在利用できる臨床技術と比較して、より詳細にNSCLCを特徴付けるのに役立ち得る新規マーカーの潜在的供給源として役立つのは、この理由のためである。
低酸素が、腫瘍発生の初期に起こり、そして攻撃的、侵襲的及び転移的表現型を引起すことは良く知られている5,6。我々は、低酸素条件に暴露されたNSCLC細胞は、起源の細胞の攻撃的な表現型を示す、明確なプロテオームプロフィールを有するエキソソームを分泌するだろうと仮定した。低酸素がエキソソームタンパク質含有量の変化を引起すか否かに対処するために、確立された方法を用いて、正常酸素(21%のO2)又は低酸素(2%のO2)条件下で培養されたヒトNSCLC細胞系(H358、SKMES1、H23及びH1975)により分泌されたエキソソームを単離した(図6A&B、及び図10)7、8。調整可能抵抗パルスセンシング(TRPS)により測定される場合、エキソソームは、典型的なサイズ分布を示し、そして標準的なエキソソームマーカーHSP70、FLOT1及びCD63を含んだ(図6B;図10A)。興味深いことには、透過型電子顕微鏡(TEM)及びTRPSナノ粒子分析は、NSCLC細胞が低酸素に応答してエキソソーム分泌を増強したことを示した(図6A&B;図10B)。腺癌H358及び扁平上皮癌SKMES1細胞由来の酸素正常状態及び低酸素由来のエキソソームのプロテオームを、質量分析法を用いて評価した。スペクトル計数による無標識定量化は、H358及びSKMES1エキソソームの両者において、低酸素下で上方制御された32個のタンパク質を同定した(16個の細胞質、10個の分泌及び6個の膜貫通)(図6C;表2&3)。癌の進行との以前の関連性に基づいて、それらのタンパク質のうち5つ(2つの細胞質[VCP9, PSMA210]、2つの分泌[TNC11,12, THBS113]及び1つの膜貫通タンパク質[MAC2BP14])に基づくエキソソームサインを選択した。全ての5つのタンパク質は、追加の低酸素NSCLC細胞系由来のエキソソームにおいて高い存在量で含まれていることが確認された(図1D&E)。
次に、低酸素誘発されたエキソソーム変化が、早期NSCLCにおける疾患進行のための予後マーカーとして利用され得ると仮定した。エキソソームを、診断時にサンプリングされた32人の患者の治療を受けていない未病期I−III のNSCLC発見コホートの血漿から単離した(図7A&B)。低酸素はNSCLC細胞からのエキソソーム分泌を増加するが(図10B)、驚くべきことには、NSCLC患者の血漿におけるエキソソーム濃度が、カテゴリー変数として18ヶ月以内に臨床的再発についての予後値を有さないことを見出した(図7C)。興味深いことには、組合わされた5つのタンパク質エキソソームサイン(VCP、MAC2BP、TNCPSMA2及びTHBS1)は、再発したNSCLC対象由来のエキソソームにおいて特異的に増加した(図7D)。エキソソームサインからの各タンパク質は、個々に、疾患再発の卓越した予後バイオマーカーであった(図11)。興味深いことには、我々は、Youdenの閾値を越えたそれらの5つのエキソソームタンパク質の存在量に基づいて、無病生存期間(DFS)を明確に区別することができた(≦=再発なし;≧3=再発)(図7F&G)。重要なことには、受信者動作特性(ROC)曲線は、それらの5つのエキソソームタンパク質が、この発見コホート内で100%の特異性及び感度で疾患の進行を予測する能力を有することを実証している(図7F)。さらに、エキソソームサインは、発見コホートにおける患者の全生存期間(OS)を分離することができ(図7I)、このことは、再発及びOSの両者がエキソソームサインの存在量に関連していることを示唆する。
エキソソームサインの予後価値に基づいて、このエキソソームサインを支える潜在的なメカニズムを調べた。最近、エキソソームのタンパク質含有量が起源の細胞の表現型を反映することができることを実証し15、正常酸素又は低酸素状態に由来するエキソソームにおける総タンパク質存在量に対する遺伝子セット濃縮分析(GSEA)を実施した。多数の遺伝子セットが、解糖、MYC標的、E2F標的及び生体異物代謝を含む、低酸素条件下で単離されたNSCLC細胞由来のエキソソームにおいて、有意に富化された(図12)。興味深いことには、低酸素エキソソームに富むトップランクの遺伝子セットは、EMTと関連していた(図3A;図12A)。低酸素が癌細胞におけるEMTの強力な誘導物質であると考えると16、間葉系表現型のみがエキソソームサイン分泌を引起すのに十分であり得ることを仮定した。5つのエキソソームタンパク質が正常又は形質転換された肺上皮細胞により分泌されるか否かを決定するために、同質遺伝子型ヒト気管支上皮細胞(HBEC)系からエキソソームを単離した。驚くべきことには、p53ノックダウン、Kras v12過剰発現及びLKB1ノックダウン(30KTp53/KRAS/LKB1)17を通して発癌誘発性EMT(図8B&C)を受けたHBECは、正常酸素条件下でさえ、増加したエキソソームサインタンパク質を分泌した(図8D&E)。エキソソームサインを分泌する間葉性肺癌細胞の関連性を検証するために、次に我々は、発見コホートからの患者の腫瘍生検におけるE−カドヘリン発現を分析した。腫瘍生検の免疫組織化学は、2以下のエキソソームサイン標点を有する患者に比較して(図8F)、3以上の高いエキソソームサイン標点を有する患者からの腫瘍における低減されたE−カドヘリン発現の有意な相関(R2=0.458、p<0.001)(図13)を明らかにした。それらのデータは、発癌的に形質転換された肺細胞におけるEMTが、NSCLC患者においてインビボの両者で、エキソソームサインに見出される増加したタンパク質レベルの原因であるという考えを支持する。
伸長された間葉系細胞への上皮細胞の表現型の脱分極は、癌細胞の攻撃的且つ転移性の表現型のみならず、また化学療法耐性も促進する17,18。従って、独立した検証のために、併用化学療法(シスプラチン/エトポシド又はカルボプラチン/パクリタキセルの何れか)とのコンフォーマルRT(60Gy/30画分、6週間)から成る、標準治療の化学放射線療法を受ける20人の局所的に進行したNSCLC対象(確認コホート)を評価した。患者は、ベースライン、10日目、24日目及び90日目で、18F−FDG及びPET/CT及び標準CTスキャンを用いて、12ヶ月、3ヶ月間隔及びその後、6ヶ月間隔でモニターされた(図9A&B;表5)。エキソソーム濃度は、TRPSを用いてベースラインで測定された。18ヶ月以内に再発した対象は、循環エキソソーム存在量に有意な差異はなかった(図9C)。発見コホートと一致して、エキソソームタンパク質サインは、18ヶ月以内に再発しなかったそれらと比較して、18ヶ月以内に再発した対象において有意な増加及び予後値を示した(図9D:図14)。発見コホートで確立された同じ閾値及びアルゴリズム(≦マーカー=18ヶ月以内での再発のリスクが低い;≧3=18ヶ月以内に再発するリスクが高い)を用いて、そのサインは、18ヶ月以内に再発した患者と18ヶ月後に再発した患者とを明確に分けた(図9D&E)。ROC曲線分析はさらに、疾患再発に対するエキソソームサインの特異性及び感度を確認した(図9F)。発現コホートとのさらなる一致において、エキソソームサインは、OSに基づいて患者を分類し、このことは、エキソソームタンパク質サインが、早期に再発し、及び全生存率が低い対象の理想的な分類であることを示唆する。
EMTと転移及び化学療法耐性との関連を考慮すると16-20、それらのデータは、この研究におけるNSCLC患者の両方のコホートに見られる無病生存期間についてのメカニズムを同定する。この研究は、低酸素/EMT関連エキソソームバイオマーカーが、早期再発及び不十分な臨床成績のリスクの点で早期NSCLC患者の同定に非常に有望であることを示している。低酸素は、発達中のEMTプログラム16の誘導を含む、腫瘍増殖及び転移の促進において多様な機能を有し、それにより、癌細胞における転移及び化学療法耐性を促進する16-20、22。重要なことには、NSCLCにおける低酸素症及び/又はEMTを非侵襲的に且つ確実に検出する能力は、早期NSCLCにおける潜在的予後スクリーニングとして役立ち、根治療法を促進し、そして全体的死亡率を低減する。我々の結果は、NSCLCにおける疾患進行のマーカーとしての新しく発見されたエキソソームタンパク質サインのための強力な初期証拠を提供する。さらなる研究が、エキソソームサインが化学放射線療法の設定における予測バイオマーカーであるか否か、又はエキソソームサインが一般的に、NSCLCの設定において予後バイオマーカーであるか否かを決定するために実証されるであろう。TNM病期分類は、患者の管理において有意な利益を提供し、そしてNSCLC患者の臨床的管理において重要であり続けるであろうが、エキソソームサインは、TNM病期分類を補足し、そして臨床成績を改善するための治療介入の特異的な調整を可能にする可能性を有する。
材料及び方法
細胞培養
ヒト非細胞肺癌(NSCLC)細胞株(腺扁平上皮癌)H358、SKMES1、H23及びH1975を、ATCCから購入した。細胞株認証は、ショートタンデムリピートプロファイリングを用いて実施された。NSCLCは、10%ウシ胎児血清、100 U/mLのペニシリン及び100mg/mLのストレプトマイシンにより補充されたDMEM又はRPMIに維持され、そして5%CO2下で37℃でインキュベートされた。同質遺伝子型正常ヒト気管支上皮細胞(HBEC)は、Dr. Jill Larsenからの寄贈であった19,23。HBECは、EGF(5μg/l)及びウシ下垂体抽出物(50mg/l)により補充されたケラチノサイト無血清培地(KSFM)において、5%CO2下で37℃で培養された。NSCLC細胞株からの細胞ならし培地(CCM)は、無血清培地中、酸素正常状態(21%のO2)又は低酸素(2%のO2)条件下で培養された細胞から回収された。CCMは、100,000gavgでの一晩の遠心分離を通してウシエキソソーム枯渇KSFM中、正常酸素又は低酸素条件下でコンディショニングされたHBEC細胞から回収された。
抗体及び試薬
以下の抗体が、ウェスタンブロットのために使用された:カルネキシン(Cell Signaling Technology、2679S)、CD9(Abcam、ab92726)、CD63(Abcam、ab8219)、フロチリン−1(BD Transduction Laboratories、610821)、HSP70(トランスダクションラボラトリーズ、610608)、TSG101(サンタクルーズ、sc-6037)、VCP(Abcam、ab11433)。ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合二次抗体を、Thermo Scientificから購入した。AC2BP、PSMA2、及びTHBS1 ELISA DuoSetsは、R&D Systemsから購入し、TNC ELISAキットはAbcamから購入した。qEVカラムを、Izonから購入し、そして4℃でPBS(0.1%アジ化ナトリウム)において貯蔵した。OptiPrep(登録商標)を、Sigma−Aldrichから購入した。qPCRは、以前に記載されているようにして実施された24
患者
独立した確認コホートは、治験目的の化学療法RTの前、その間及び後、ERB承認の逐次的FDG PET/CTの前向き試験に参加するためのインフォームドコンセントを提供した20人の患者を含んだ。以前に報告されたように、この試験の適格性は、0〜1の米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)(ECOG)の性能状態と共に、病期分類18F−FDG PET/CT、ステージI−III のNSCLCの組織学的又は細胞学的確認を含んだ25。除外基準は、以前の胸部放射線療法及び完全な外科的腫瘍切除を含んだ。患者は、2つの標準化されたプロトコールに従って、同時化学放射線療法を受けた。RTは、6週間にわたって30画分の60Gyから成った。2つの化学療法レジメンの1つが投与された:年配の患者又は重大な併存症を有する患者について毎週、カルボプラチン[曲線下面積、2回の静脈内]及びパクリタキセル[45mg/m2、静脈内];又は若年の罹患者については、1、8、29及び36日目にシスプラチン「50mg/m2、静脈内」及び1週と5週の間にエトポシド[50mg/m2、静脈内]の何れか。18F−FDG PET/CTスキャンは、ベースライン、10日目、24日目及び90日目で取得された。継続的なモニタリングを、標準的CTイメージングを用いて、12ヶ月間、3日間間隔で、その後、6ヶ月間隔で実施した。
エキソソーム単離及び分析
エキソソームは、以前に記載されているようにして、単離され、そして分析された7,17,26。インビトロ細胞培養からのエキソソーム単離のために、CCMは、4℃で10分間、300gで遠心分離され、そして0.22μmのフィルターを通して濾過され、浮遊細胞及び大きな細胞外小胞が除去された。次に、清澄化されたCCMは、500μlに濃縮され、そして不連続イオジキサノール密度勾配上に重層され、そして4℃で16時間、100,000gavgで遠心分離された。エキソソーム含有画分は、PBSにより20mlに希釈され、そして4℃で2時間、100,000gavgで遠心分離された。得られるペレットは、PBSに再懸濁され、そして使用まで−80℃で貯蔵された。ヒト血漿からのエキソソームに単離のために、3mlの血漿は、室温で解凍され、そしてそれぞれ、1,500g及び10,000gでの10分及び20分間の遠心分離により残存するペレット及び大きな小胞を除くことにより調製された。続いて、調製された血漿は、2mMのEDTAを含むPBSにより20mlに希釈され、そして4℃で2時間、100,000gavgで遠心分離された。得られるペレットは、500μlのPBSに再懸濁され、そしてサイズ排除カラム上に装填され、続いてPBSにより溶出された。エキソソーム含有画分が回収され、そしてAmicom(登録商標)Ultra−4 10kDA公称分子量遠心フィルターユニットを用いて、100μlに濃縮された。濃縮されたエキソソームは、使用まで−80℃で貯蔵された。細胞培養物及びヒト血漿からのエキソソーム単離は、以前に記載されているようにして、ウェスタンブロット、可変抵抗パルスセンシング(TRPS)及び透過型電子顕微鏡を用いて確認された7,17、26
ウェスタンブロット分析
ウェスタンブロットは、以前に記載されているようにして実施された7,24。簡単に説明すると、タンパク質は、SDS−PAGEにより分離され、フッ化ポリビニリデン膜に移され、PBS−T(0.5% Tween−20)中、5%脱脂粉乳中でブロックされ、そして抗体によりプローブされた。タンパク質バンドは、増強された化学発光試薬(Amersham ECL Select)により検出された。タンパク質バンドは、ImageJにより定量化され、そして装填コントロールに対して標準化された。ゲル間の変動性を制御するために、患者のVCPのレベルは、ローディングコントロールとしてフロチリン−1に標準化される前、同じゲルからの低酸素由来のSKMES1エキソソーム5μgに対して校正された。
免疫組織化学
IHC分析は、自動染色及び最適化された方法を用いて、ホルマリン固定されたパラフィン包埋(FFPG)サンプルについて実施された。腫瘍細胞内のE−カドヘリンの発現を評価するために、免疫染色された腫瘍細胞は、それらの染色強度に関してスコアを付けられた;O(負)、1+(弱い)、2+(中程度)及び3+(強い)。
質量分析
エキソソーム調製物は、2%SDS、プロテアーゼ阻害剤(SigmaAldrich, P8340)及び50mMのトリス・HCl(pH8.9)の存在下で10mMのジチオトレイトール(4℃ 1時間、22℃ 2時間)の添加により還元された。次に、サンプルは、ヨードアセトアミドの添加によりアルキル化され、そしてメタノールは、トリプシン(1:100の酵素:基質)により−20℃で一晩、共沈された。ペレットは、10%アセトニトリル、40mMの炭酸水素アンモニウムに再懸濁され、そして2時間後に添加される追加のトリプシン(1:100の酵素:基質)により、37℃で8時間、消化された。
酸性化された消化物(トリフルオロ酢酸)のLCMS分析は、Elite Orbitrap ETD 質量分析計(Thermo Fisher Scientific)の前にNanoAcquity UPLC (Waters)を接続することにより実施された。2μgの消化物は、20mm x 180μm のSymmetry C18トラップ(Waters)上に充填され、そして一連の洗浄勾配(緩衝液A:水性0.1%蟻酸;緩衝液B:アセトニトリル中、0.1%蟻酸)、5分にわたって2%Bから5%B、75分にわたって30%B、10分間にわたって50%B、5分間にわたって95%Bを用いて、200 mm x 75 μm、 BEH130 1.7 μmカラム (Waters)上に充填され、そして6分間、維持され、2%B中で再平衡化された。カラムからの溶出液は、100μmのP200P被覆ミリカエミッター(New Objective)及びNanospray−Flex 源(Proxeon Biosystems A/S)を通して質量分析計に導入された。電源電圧1.8kV、加熱された毛細管温度275℃、120000分解能AGC 1E6でのオービットラップにおいて取得されたトップ15方法MSの使用、イオントラップAGC 1E4におけるMS2、50msの最大注入時間。445.120024のMS1ロック質量を使用した。
タンパク質同定及び無標識定量化は、MaxQuant(バージョン1.4.1.2)を用いて実施された27。MaxQuantを用いて、Xcalibur 生ファイル (Thermo Fisher Scientific, Germany)からピークリストを抽出し、そして組込まれたデータベース検索エンジンAndromeda28を用いて、ペプチド対スペクトルの一致(PSM)を割り当てた。検索されたデータベースは、ホモサピエンスの完全なプロテオームから成った(2013年8月、www.uniprot.orgからダウンロードされた88、378の標準配列)。逆配列及びMaxQuant汚染物質データベースもまた検索した。無標識定量化を行い、機器タイプをOrbitrapに設定し、前駆体の質量許容差を最初の検索のために、20ppmに、主な検索のために4.5ppmの設定し、フラグメントイオン質量許容度を0.5Daに設定し、酵素特異性をトリプシン/Pに設定し、最大2つの見逃し切断(cleavage)が許容され、カルバミドメチルシステインが、固定された修飾として特定され、そしてタンパク質N末端のアセチル化、アスパラギン/グルタミンの脱アミド化、及びメチオニンの酸化が、可変修飾として特定された。2回目のペプチド検索及び実施間の一致は、デフォルト設定により可能にされた。同定のために、PSM及びタンパク質レベルFDRを、0.01に設定した。デフォルト設定は、すべての他のパラメーターに適用された。タンパク質の推論及びスペクトル計数による無標識定量化(標準化を含む)は、以前に記載されているようにして実施された29
遺伝子セット富化解析
遺伝子セット富化解析(GSEA)30、バージョン2.2.3を使用して、以前に記載されたようにして、低酸素SKMES1細胞から単離されたエキソソームにおける富化経路を同定した15。酸素正常状態又は低酸素SKMES1エキソソーム由来のエキソソーム中の全タンパク質の非log2形質転換タンパク質強度値は、Molecular Signatures Database (MSigDB)を用いて解析された。Hallmark遺伝子セットデータベース(バージョン5.2)、Signal2Noiseランキング測定基準、1000遺伝子セット順列、及び加重富化統計を用いて分析が行われた。結果は、偽発見率(FDR)<0.05で有意と見なされた。
統計学的分析
GraphPad Prismバージョン6.0、EdgeRバージョン2.6.1031、MedCalcバージョン16.8.4、及びSPSS統計が、すべての計算のために使用された。対応のないスチューデントt検定を用いて、インビトロでエキソソームからのタンパク質の発現値の差が計算された。Mann Whitney検定が、患者由来のエキソソームに使用された。負の二項式の正確検定を用いて、質量分析由来のスペクトル計数が評価され、ここでFDRを制御するために、Benjamini-Hochberg調整が適用された。受信者オペレーター特性(ROC)曲線を用いて、予後値の感度及び特異性が決定された。閾値は、Youdenインデックスを用いて選択された。ログラング検定(log-rank test)を用いての単変量分析を用いて、無病生存率が評価された(Kaplan-Meier曲線)。0.05未満のp値での差は有意であると見なされ(*p<0.05、 **p<0.01、***p<0.001)、但し、それぞれ、スペクトル数及びGSEAデータについての0.001及び0.05のFDR閾値を除く。
本明細書を通して、その目的は、本発明をいずれか1つの実施形態又は特定の特徴の集まりに制限することなく、本発明の好ましい実施形態を説明することであった。従って、本開示に照らして、例示された特定の実施形態において本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正及び改変を行うことができることを当業者は理解するであろう。
本明細書で言及されるすべてのコンピュータープログラム、アルゴリズム、特許及び科学文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
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Claims (22)

  1. 対象における癌の攻撃性の決定方法であって、前記対象のエキソソームサンプル中の1又は複数のマーカーの発現レベルを決定する工程を含み、ここで前記マーカーは、表1及び/又は表2に列挙されるそれらのタンパク質のうち1つ以上を含み、及び前記1又は複数のマーカーの発現レベルが、前記癌の攻撃性のレベルを示すか、又はそれと相関する、方法。
  2. 対象における癌の予後の決定方法であって、前記対象のエキソソームサンプル中の1又は複数のマーカーの発現レベルを決定する工程を含み、ここで前記マーカーは、表1及び/又は表2に列挙されるそれらのタンパク質のうち1つ以上を含み、及び前記1又は複数のマーカーの発現レベルが、前記癌についてのより好ましくないか又はより好ましい予後を示すか又はそれと相関する、方法。
  3. 1又は複数のマーカーの比較的低減された発現レベルが、より好ましい予後及び/又は低い攻撃性の癌を示すか、又はそれと相関し;及び/又は1又は複数のマーカーの比較的増加した発現レベルが、あまり好ましくない予後及び/又は高い攻撃性の癌を示すか、又はそれと相関する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. (i)高い攻撃性の癌又は低い攻撃性の癌;及び/又は(ii)それほど好ましくない予後又はより好ましい予後を有するとして前記対象を診断するさらなる工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記癌の予後又は攻撃性が、前記対象における癌の転移の可能性を決定するために、少なくとも部分的に使用される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記1又は複数のマーカーの比較的低減された発現レベルが、前記癌の転移の低減された可能性を示すか又はそれと相関し;及び/又は前記1又は複数のマーカーの比較的増加した発現レベルが、前記癌の転移の増加した可能性を示すか又はそれと相関する、請求項5に記載の方法。
  7. 対象における抗癌治療に対する癌の応答性の予測方法であって、対象のエキソソームサンプル中の1又は複数のマーカーの発現レベルを決定する工程を含み、ここで前記マーカーは、表1及び/又は表2に列挙されるそれらのタンパク質のうち1つ以上を含み、及び前記1又は複数のマーカーの改変された又は調節された発現レベルが、抗癌治療に対する癌の比較的増加した又は低減された応答性を示すか又はそれと相関する、方法。
  8. 対象における癌を治療するさらなる工程を含む、請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
  9. 対象における癌の治療方法であって、前記対象のエキソソームサンプル中の1又は複数のマーカーの発現レベルを決定する工程を含み、ここで前記マーカーは、表1及び/又は表2に列挙されるそれらのタンパク質のうち1つ以上を含み、及び行われた決定に基づいて、抗癌治療を開始するか、継続するか、修正するか、又は中止することを含む方法。
  10. 前記抗癌治療が、1又は複数のマーカーの発現及び/又は活性を低減する、治療的有効量の抗癌剤の前記対象への投与を含む、請求項7〜9の何れか1項に記載の方法。
  11. 前記抗癌治療が、前記癌の転移を予防するか、又は阻害する、治療的有効量の抗癌剤の前記対象への投与を含む、請求項7〜10の何れか1項に記載の方法。
  12. 前記抗癌剤が、抗体又は小分子である、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記対象からエキソソームサンプルを得る工程をさらに含む、請求項1〜12の何れか1項に記載の方法。
  14. 前記エキソソームサンプル中の1又は複数のマーカーの発現レベルと、それぞれ1又は複数のマーカーの参照エキソソーム発現レベルとを比較する工程をさらに含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記癌が肺癌であるか、又はそれを含む、請求項1〜14の何れか1項に記載の方法。
  16. 前記肺癌が、非小細胞癌であるか、又はそれを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 対象における癌の治療への使用のための薬剤の同定又は製造方法であって、
    (a)表1及び/又は表2に列挙されるマーカーを発現する細胞と、候補薬剤とを接触すること;及び
    (b)前記候補薬剤が前記マーカーの発現及び/又は活性を調節するか否かを決定する工程を含む、方法。
  18. 前記候補薬剤が、前記マーカーの発現及び/又は活性を、少なくとも部分的に、低減するか、排除するか、抑制するか又は阻害する、請求項17に記載の方法。
  19. 請求項10〜16の何れか1項に記載の方法に従って使用するための、請求項17又は18に記載の方法により製造された薬剤。
  20. 前記1又は複数のマーカーが、ガレクチン−3−結合タンパク質、移行性小胞体ATPアーゼ、中性α−グルコシダーゼAB、60kDa熱ショックタンパク質、リシルオキシダーゼホモログ2、テネイシンC、脂肪酸シンターゼ、アグリン、アスパルチルアミノペプチダーゼ、プロテアソームサブユニットα1型、プロテアソームサブユニットα2型、プロテアソームサブユニットα3型、プロテアソームサブユニットα4型、プロテアソームサブユニットα5型、プロテアソームサブユニットα6型、プロテアソームサブユニットβ1型、プロテアソームサブユニットβ2型、プロテアソームサブユニットβ3型、プロテアソームサブユニットβ4型、プロテアソームサブユニットβ5型、プロテアソームサブユニットβ6型、プロテアソームサブユニットβ7型、プロテアソームサブユニットβ8型、トロンボスポンジン−1、潜在的トランスフォーミング増殖因子β結合タンパク質3、及びそれらの何れかの組合せから成る群から選択される、請求項1〜18の何れか1項に記載の方法、又は請求項19に記載の薬剤。
  21. 前記1又は複数のマーカーが、ガレクチン−3−結合タンパク質、移行性小胞体ATPアーゼ、テネイシンC、プロテアソームサブユニットα2型、トロンボスポンジン−1及びそれらの何れかの組合せから成る群から選択される、請求項20に記載の方法又は薬剤。
  22. 前記1又は複数のマーカーが、ガレクチン−3−結合タンパク質、移行性小胞体ATPアーゼ、テネイシンC、プロテアソームサブユニットα2型、中性αグルコシダーゼAB及びそれらのいずれかの組合せから成る群から選択される、請求項20に記載の方法又は薬剤。
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