JP2020512421A - ファウリングリリースコーティング系 - Google Patents

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Abstract

ファウリングリリースコーティングを含む感圧接着性ホイル、および感圧接着性ホイルの縁部に塗布されるように操作可能な縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物を含む、ファウリングリリースコーティング系。本発明は、その少なくとも一部の上に前記ファウリングリリースコーティング系を有する水中構造体、およびファウリングリリースコーティング系の塗布の方法にも及ぶ。本発明による感圧接着性ホイルは、多層構造体を含んでもよい。

Description

本発明は、ファウリングリリースコーティング系(fouling release coating system)、ファウリングリリースコーティング系が塗布された水中構造体、およびファウリングリリースコーティング系の塗布の方法に関する。
ファウリングリリースコーティング系は、水中構造体、例えば船、桟橋、パイプ等の表面への蔓脚類、イガイ類および藻類等の汚損生物の接着を防止するように設計されている。このような汚損生物の存在は、このような構造体に有害な可能性があり、特に、水中設備の操作および性能の悪化、ならびに、操縦性の低下および過度の燃料消費を含む船舶の性能の低下につながる可能性がある。汚損生物は、水中構造体の大がかりなクリーニング操作も課す。
汚損生物の接着を防止および低減するための種々のコーティング系が、これまでに開発されてきた。コーティング系は、簡便な高速塗布が可能であること、水中構造体への良好な接着が実証されていること、ならびに、優れた耐久性および最終的な使途に適した特性を有すること等、ある特定の特性を有する必要がある。
当技術分野において公知のコーティング系は、自己研磨性のファウリング防止コーティングを含む。このような組成物は、塗料マトリックスに導入された1種またはそれより多種の殺生物剤から主に構成されており、汚損生物の接着からの良好な防護をもたらすが、コーティングは、海水と相互作用して殺生物剤を放出する。この系列のコーティングは、海洋生物および水生生物に対するこのような殺生物剤の有毒性のため、課題が認識されている。
当技術分野において公知の代替的なコーティング系は、物理的な表面現象を使用して、接着プロセスを妨げる。このようなコーティング系は汚染作用がなく、長期間持続するものであり、コーティングの表面が低い表面エネルギーおよび低い弾性率を有し、その表面への汚損生物の接着を防止および/または低減するような物理的特性を有する。このような汚損生物がそれに接着したとしても、水中での動きまたは穏やかなクリーニング等による弱い力によって、該生物を除去することができる。
したがって、ファウリングリリースコーティング系が水中構造体に塗布された場合、コーティング系の低摩擦表面は、コーティングが汚損生物の接着に対して耐性を有し、コーティングのクリーニングが容易であることを意味する。このようなコーティング系は、あらゆる種類の付着からの普遍的な防護を提供し、水中構造体の性能の最適化をもたらす。例えば、水中構造体が船殻である場合、コーティング系は、より低い燃費ならびに向上した業務活動、船の速度および操縦性をもたらすことができる。
実用において、表面エネルギーが低いファウリングリリースコーティング系は大抵の場合、ファウリングリリーストップコートに接合された丈夫な架橋熱可塑性層(ファウリングリリースタイコート)を含む、複数のコーティング層を採用する。機械的特性は、ファウリングリリースタイコート層によって付与されるが、ファウリングリリーストップコートは、ファウリングリリース特性をもたらす。
コーティングされるべき表面に自己接着性ホイルを単一のステップで接着することによって、構造体上の所望の場所に直接しっかりと固定することができる、多層ファウリングリリースコーティング系が開発されてきた。多層ホイルのうちの1より多いホイルを使用して、コーティングされるべき表面を十分に被覆することができる。しかしながら、特に構造体が起伏のあるまたは不均一な構造を有する場合、このようなホイルを構造体の表面上に整列させることが困難なことがある。さらに、汚損生物の接着の防止および/または低減には必須であるホイルの表面の低い摩擦係数特性に起因して、塗布するときにホイルを重ね合わせて、隣接するホイル間の隙間をなくすこともできない。したがって、構造体におけるファウリング防止による防護においては、隣接するホイルの縁部の間に間隙が存在し、この間隙には、汚損生物が容易に沈降および接着し、ファウリングリリースコーティング系のファウリング防止性を著しく低下させることがある。
上記の課題または他の課題のうちの1つまたはそれより多くに対処することが、本発明の態様の一目的である。
本発明の第1の態様によれば、
(a)ファウリングリリースコーティングを含む感圧接着性ホイル、および
(b)感圧接着性ホイルの縁部に塗布されるように操作可能な縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物
を含むコーティング系が提供される。
好適には、ファウリングリリースコーティングは、使用されるときに、感圧接着性ホイルの最も外側の表面上に位置する。
感圧接着性ホイル(a)
本発明による感圧接着性ホイルは、多層構造体を含んでもよい。
好適には、感圧接着性ホイルは、
(i)接着層、
(ii)接着層(i)に対しておよびそれを覆うように塗布された構造用層、
(iii)必要に応じて、構造用層(ii)に対しておよびそれを覆うように塗布された中間シリコーンタイコート、および
(iv)構造用層(ii)に対しておよびそれを覆うように塗布された、または存在する場合には中間シリコーンタイコート(iii)に対しておよびそれを覆うように塗布された、シリコーンファウリングリリーストップコート
を含む。
接着層(i)
本発明による感圧接着性ホイルは、接着層(i)を含んでもよい。感圧接着性ホイルは、接着層(i)によって、所望の場所で構造体にしっかりと固定されていてもよい。接着層(i)は、一方の側では船殻等の構造体への接着をもたらし、他方の側では構造用層(ii)への接着をもたらす。好適には、接着層(i)は、構造体および構造用層(ii)の両方へ強固に接着する。
接着層(i)は、1種またはそれより多種の接着剤を含んでもよい。接着層(i)は、1種またはそれより多種の感圧性接着剤を含んでもよい。適切な感圧性接着剤は、(a)コーティングされるべき構造体および構造用層(ii)の両方への持続的な接着を少なくとも5年間にわたって生み出すこと、ならびに、(b)水生条件、特に海洋条件に耐えることが可能である、任意の感圧性接着剤であってよい。適切な感圧性接着剤の例としては、限定されるわけではないが、次のもののうちの1つまたはそれより多くが挙げられる:アクリル感圧接着性樹脂、エポキシ感圧接着性樹脂、アミノ系感圧接着性樹脂、ビニル系感圧接着性樹脂、シリコーン系感圧接着性樹脂またはこれらの組合せ。
好適には、感圧性接着剤は、アクリル感圧性接着剤、最も好適にはアクリル酸感圧性接着剤である。アクリル酸感圧性接着剤は、アクリルポリマーおよび1種またはそれより多種の架橋剤から形成することができる。適切なアクリルポリマーの例としては、限定されるわけではないが、アクリル酸および/もしくはアクリル酸エステル等のモノマー型アクリル酸および/もしくはその誘導体またはこれらの組合せから形成されたポリマーが挙げられる。アクリル酸感圧性接着剤は、市販のアクリルポリマー材料を含んでもよい。適切なアクリルポリマー材料は、Henkelから市販されているLoctite DuroTak(登録商標)(アクリルベースポリマー)である。適切な架橋剤の例としては、限定されるわけではないが、少なくとも1個のイソシアネート官能基を含む化合物およびアルミニウムアセチルアセトナート等の金属塩を含む金属有機硬化剤のうちの1つまたはそれより多くが挙げられる。アクリル酸感圧性接着剤は、Bayerから市販されているDesmodur(登録商標)(イソシアネート架橋剤)等、市販の架橋剤を含んでもよい。
感圧性接着剤は、溶剤系感圧性アクリル接着剤であってもよく、好適には、−10〜60℃、例えば3〜30℃の低温での利用を可能にする溶剤系感圧性アクリル接着剤である。
接着層(i)は、任意の適切な厚さを有し得る。接着層(i)の厚さは、本発明による感圧接着性ホイルおよびファウリングリリースコーティング系の最終的な使途ならびに接着層(i)に使用される感圧性接着剤の種類等の要因に依存する。好適には、接着層(i)は、5〜250μm(マイクロメートル)、好適には60〜150μmの厚さを有する。
本発明による感圧接着性ホイルの構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)(後述する)を含む場合、接着層(i)は、40〜200μm(マイクロメートル)、好適には60〜100μmの厚さを有し得る。接着層(i)の厚さは、本発明による感圧接着性ホイルおよびファウリングリリースコーティング系の最終的な使途ならびに接着層(i)に使用される感圧性接着剤の種類等の要因に依存する。接着層(i)は典型的には、感圧接着性ホイルの8〜30重量%(wt%)に相当する。
構造用層(ii)
本発明による感圧接着性ホイルは、構造用層(ii)を含んでもよい。構造用層(ii)は、接着層(i)に対しておよびそれを覆うように塗布されてもよい。構造用層(ii)は、一方の側では接着層(i)への接着をもたらし、他方の側では必要に応じた中間シリコーンタイコート(iii)、または中間シリコーンタイコート(iii)が存在しない場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)への接着をもたらす。
本発明による感圧接着性ホイルの構造用層(ii)は、合成材料層(iia)または熱可塑性層(iib)を含んでもよい。
合成材料層(iia)
好適には、合成材料層(iia)は、不透過性、耐水性、柔軟性および伸びという優れた特性を有する。
合成材料層(iia)は、1種またはそれより多種の樹脂を含んでもよい。適切な樹脂の例としては、限定されるわけではないが、次のもののうちの1つまたはそれより多くが挙げられる:ポリウレタン樹脂、ポリウレタンアクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エラストマー樹脂、フルオロ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂またはこれらの組合せ。
合成材料層(iia)は、2つまたはそれより多い副層等の1つまたはそれより多くの副層を含んでもよい。樹脂は、副層のうちの2つまたはそれより多くの層等、副層のうちの1つまたはそれより多くの中に存在してもよい。前記副層のそれぞれの性質および成分は、さらなる固着およびバリア特性を合成材料層(iia)にもたらすことができる。
好適には、合成材料層(iia)は、オレフィン系エラストマーを含むエラストマー樹脂等のエラストマー樹脂を含む。オレフィン系エラストマーの適例としては、ポリプロピレン系エラストマー、ポリエチレン系エラストマーまたはこれらの組合せが挙げられる。好適には、オレフィン系エラストマーは、次のもののうちの1つまたはそれより多くから選択される:無配向ポリプロピレン、二軸配向ポリプロピレン、ブローポリプロピレンまたはこれらの組合せ。エラストマーは、応力下で弾性変形を受ける機械的特性を有するが、この物質は、恒久的な変形なしでその以前のサイズに戻る。したがって、オレフィン系エラストマーの使用により、しわの形成なしに良好な加工性を伴いながら、平らな表面と曲がった表面の両方に塗布することが可能である感圧接着性ホイルを提供することができる。ポリプロピレン系エラストマーは、接着層(i)および必要に応じた中間シリコーンタイコート層(iii)、ならびに必要に応じた中間シリコーンタイコート層(iii)が存在しない場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)への良好な固着もさらに可能にする。
本明細書において使用されている「層の良好な固着」という用語は、層(i)および(iia)、層(iia)および(iii)、ならびに必要に応じた中間シリコーンタイコート層(iii)が存在しない場合、本発明による感圧接着性ホイルおよびファウリングリリースコーティング系の意図された最終的な使途の期間中および条件下において、層(iia)および(iv)が分裂しないことを意味する。
合成材料層(iia)は、接着層(i)および中間シリコーンタイコート(iii)または中間シリコーンタイコート層(iii)が存在しない場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の接着を強化するために、その片面または両面、好適には両面を処理されてもよい。適切な処理方法は、当業者に周知である。適切な処理方法の例としては、コロナ処理、プラズマ処理および/またはプライマー処理が挙げられる。合成材料層(iia)は、好適には、コロナ処理および/またはプラズマ処理を使用して処理することができる。このような処理方法により、合成材料層(iia)の表面上にエポキシ官能基、アクリル官能基、カルボキシル官能基、アミノ官能基、ウレタン官能基および/またはシリコーン官能基の形成がもたらされる。層(iia)の表面(複数可)上に官能基を設けることにより、表面エネルギーが増大する。好適には、合成材料層(iia)は、Nガスを使用するプラズマ処理によって両面を処理されて、合成材料層(iia)の両面上にアミド、アミンおよびイミド官能基を提供する。
好適には、合成材料層(iia)はポリプロピレン系エラストマーを含み、Nガスを使用するプラズマ処理によって両面を処理されて、アミド、アミンおよびイミド官能基を合成材料層(iia)の両面上に提供する。
合成材料層(iia)は、多孔性材料を含んでもよい。移動し、感圧接着性ホイルの元々の特性を改変する可能性がある任意の成分に対して合成材料層(iia)が多孔性である場合、合成材料層(iia)の厚さを調整すること、および/またはバリア層を合成材料層(iia)の中に、もしくはその表面(複数可)に追加することが必要であり得る。合成材料層(iia)の厚さは、合成材料層(iia)の性質に依存する。合成材料層(iia)の厚さが薄すぎる場合、必要に応じた中間シリコーンタイコート層(iii)またはシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)または水分子に由来する任意の成分からの移動は合成材料層(iia)を通過して、感圧接着性ホイルの元々の特性を改変することがある。合成材料層(iia)は、任意の適切な厚さを有し得る。好適には、合成材料層(iia)の厚さは、10〜3000μm(マイクロメートル)、好適には30〜1000μm、例えば50〜300μmである。
熱可塑性層(iib)
熱可塑性層(iib)は、熱可塑性ポリウレタンまたは極性基によってグラフト化されたポリオレフィンから選択される極性熱可塑性ポリマーを含んでもよい。
本明細書において使用されている「極性熱可塑性ポリマー」という用語または類似の用語は、炭素および水素に加えて、その分子構造中の少なくとも1個の原子が窒素、酸素およびハロゲンから選択される、熱可塑性ポリマーを意味する。
本発明による感圧接着性ホイルの構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)を含む場合、中間シリコーンタイコート(iii)がホイル中に存在し、熱可塑性層(iib)に対しておよびそれを覆うように接着していなければならない。したがって、熱可塑性層(iib)は、一方の側の接着層(i)および他方の側の中間シリコーンタイコート(iii)への接着をもたらす。
驚くべきことに、このような極性の熱可塑性ポリマーは、接着層(i)と中間シリコーンタイコート(iii)との良好な接着をもたらすことが発見された。さらに、このような極性の熱可塑性ポリマーは、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)中に必要に応じて存在する浸出液が、下に位置する接着層(i)を通り抜けて移動し、その後、構造体の表面への接着層(i)の接着を変更することを防止および/または低減する。この構造体の表面への接着は、ポリマーの熱可塑性特性、および、構造体の表面のでこぼこに適合するポリマーの能力によって、さらに改善される。
熱可塑性層(iib)は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含んでもよい。適切な熱可塑性ポリウレタンの例としては、脂肪族熱可塑性ポリウレタンおよび芳香族熱可塑性ポリウレタンの両方が挙げられる。好適には、脂肪族熱可塑性ポリウレタンは、ハードセグメントが脂肪族である、ソフトおよびハードセグメントから構成された線状セグメント化ブロックコポリマーを含む。好適には、芳香族熱可塑性ポリウレタンは、ハードセグメントが芳香族である、ソフトおよびハードセグメントから構成された線状セグメント化ブロックコポリマーを含む。脂肪族熱可塑性ポリウレタンの適例としては、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12 MDI)等のイソシアネートを主体とした脂肪族熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。市販の脂肪族熱可塑性ポリウレタンは、PET,.006上の49510(Argotec)を含む。芳香族熱可塑性ポリウレタンの適例としては、メチレンジフェニル4,4’−ジイソシアネート(MDI)等のイソシアネートをベースにした芳香族熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。好適には、熱可塑性ポリウレタンは芳香族熱可塑性ポリウレタンであるが、日光曝露における色および清澄度の保持が優先事項である場合、好適には、脂肪族熱可塑性ポリウレタンが利用される。
熱可塑性層(iib)は、極性基によってグラフト化されたポリオレフィンを含んでもよい。好適には、ポリオレフィンは、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)であってもよい。ポリオレフィンの極性基は、窒素、酸素およびハロゲンから選択される少なくとも1個の原子を含んでもよく、例えば、カルボン酸または酸無水物を含有する基等である。好適には、利用されるポリオレフィンは、ポリプロピレンである。好適には、極性基によってグラフト化されたポリオレフィンは、アクリル酸によってグラフト化されたポリプロピレンである(PP−g−AA)。
PP−g−AAは、易酸化性が高い第三級水素を含有する、ポリプロピレン骨格を含む。このポリマーにおいて、ある程度の量のポリプロピレン単位が、1個またはそれより多くのアクリル酸単位のブロックによってグラフト化されている。本明細書において使用されている「グラフト化される」という用語は、アクリル酸ブロックが、ポリプロピレン単位の炭素原子と結合を形成することを意味する。1個のアクリル酸ブロックは、1個またはそれより多くのポリプロピレン高分子中の1個、2個またはそれより多くのポリプロピレン単位にグラフト化することができる。好適には、ポリマーのポリプロピレン単位のうちの5mol%未満が、アクリル酸ブロックによってグラフト化されている。アクリル酸によってグラフト化された多くの商用ポリプロピレンが存在し、例えば、CP28UB Embossing11(Profol)が挙げられる。
熱可塑性層(iib)は、任意の適切な厚さを有し得る。好適には、熱可塑性層(iib)の厚さは、30〜300μm(マイクロメートル)である。熱可塑性層(iib)は、典型的には、感圧接着性ホイルの6〜40重量%(wt%)に相当する。
中間シリコーンタイコート(iii)
本発明による感圧接着性ホイルは、中間シリコーンタイコート(iii)を必要に応じて含む。中間シリコーンタイコート(iii)は、構造用層(ii)に対しておよびそれを覆うように塗布されてもよい。
本発明による感圧接着性ホイルの構造用層(ii)が合成材料層(iia)を含む場合、感圧接着性ホイルは、中間シリコーンタイコート(iii)を必要に応じて含む。
構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、中間シリコーンタイコート(iii)は、存在する場合には、一方の側では合成材料層(iia)への接着をもたらし、他方の側ではシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)への接着をもたらして、合成材料層(iia)とシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)との接合をもたらす。
構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、中間シリコーンタイコート層(iii)は、1種またはそれより多種のシリコーン成分を含んでもよい。中間シリコーンタイコート層(iii)は、重縮合系によって硬化可能な2種のシリコーン成分、より好適には、二成分ポリシロキサンまたはシランシリコーンを含んでもよい。
好適には、構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、中間シリコーンタイコート層(iii)は、次の化学構造:
X−CHCHCHSi(OR)3−nR’
(式中、n=0、1または2である)
を有するオルガノ官能性シランを含む。
ORは、メトキシ、エトキシまたはアセトキシ基等の加水分解性基、好適にはアセトキシ基を表す。
Xは、エポキシ、アミノ、メタクリロキシまたはスルフィド基等のオルガノ官能基を表す。好適には、Xは、中間シリコーンタイコート(iii)へのシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の接着を増進するようなさらなる酸または有機酸を含む、オルガノ官能基を表す。さらなる酸は、好適には有機酸、例えば酢酸等のカルボン酸である。
構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、中間シリコーンタイコート層(iii)は、任意の適切な厚さを有し得る。厚さは、中間シリコーンタイコート層(iii)が、感圧接着性ホイルを製造するためのプロセス中の加熱ステップ後に乾燥しているような場合の厚さであり、例えば、中間シリコーンタイコート層(iii)が製造プロセス中にオーブンから出て、構造用層(iia)上への良好な固着を有しているときの厚さである。それは、中間シリコーンタイコート(iii)が、中間シリコーンタイコート層(iii)上にコーティングされたシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)上に満足に固着することも可能にする。好適には、中間シリコーンタイコート層(iii)は、10〜120μm(マイクロメートル)、好適には20〜80μm、例えば30〜60μmの厚さを有する。中間シリコーンタイコート(iii)の厚さが120μm超である場合、中間シリコーンタイコート(iii)は、加熱ステップ後に乾燥しておらず、この結果、中間シリコーンタイコート(iii)が、除去可能なライナー(ia)(後述する)にくっついており、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)のコーティングである次のステップを実施することができない。中間シリコーンタイコート(iii)の厚さが20μm未満である場合、中間シリコーンタイコート(iii)およびシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の組合せを感圧接着性ホイルから除去し、ファウリングリリース特性を喪失させることができる。
本発明による感圧接着性ホイルの構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)を含む場合、中間シリコーンタイコート(iii)が、感圧接着性ホイル中に存在しなければならない。
構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)である場合、中間シリコーンタイコート(iii)が存在しなければならず、一方の側では熱可塑性層(iib)への接着をもたらし、他方の側ではシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)への接着をもたらして、熱可塑性層(iib)とシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)との接合をもたらす。適切な中間シリコーンタイコート(iii)は、当業者に周知であり、例えば、US4861670に開示されたものである。中間シリコーンタイコート(iii)は、市販のシリコーンタイコートを含んでもよい。シリコーンタイコートの適例は、PPGから市販されているSIGMAGLIDE(登録商標)790である。
構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)である場合、中間シリコーンタイコート(iii)は、加硫可能なシリコーンを含んでもよい。
構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)である場合、中間シリコーンタイコート層(iii)は、任意の適切な厚さを有し得る。好適には、中間シリコーンタイコート層(iii)は、10〜100μm(マイクロメートル)、好適には20〜50μmの厚さを有する。中間シリコーンタイコート(iii)は、典型的には、感圧接着性ホイルの12〜16重量%(wt%)に相当する。
シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)
本発明による感圧接着性ホイルは、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)を含む。感圧接着性ホイルの構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、感圧接着性ホイルの外面が、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)であるファウリングリリースコーティングを有する外面を含むように、合成材料層(iia)に対しておよびそれを覆うように塗布することができ、または存在する場合には中間シリコーンタイコート(iii)に対しておよびそれを覆うように塗布することができる。
本明細書における「外面」または類似の用語への言及は、使用されるときに、最も外側の表面を指す。
構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、1種またはそれより多種のシリコーン樹脂を含んでもよい。このようなシリコーン樹脂は、縮合型シリコーン樹脂または付加型シリコーン樹脂であってもよい。シリコーン樹脂は、1種またはそれより多種のシリコーン成分を含んでもよい。一成分シリコーン樹脂を単独で乾燥させてもよく、また、二成分シリコーン樹脂を硬化剤と混ぜ合わせてもよい。
好適には、シリコーン樹脂は、縮合型反応中に硬化剤と反応することができる反応性基を含有するポリシロキサン樹脂等、エラストマーシリコーン樹脂である。この種類の樹脂は、低い表面エネルギーという良好な特性を与える。適切なポリシロキサンの例としては、典型的には、式:
Figure 2020512421
のポリジアルキルシロキサン、ポリジアリールシロキサンまたはポリアルキルシロキサンが挙げられる。
好適には、構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、1種またはそれより多種のファウリングリリース剤を含む。適切なファウリングリリース剤は、当業者に周知である。ファウリングリリース剤の適例としては、限定されるわけではないが、次のもののうちの1つまたはそれより多くが挙げられる:シリコーン油、液体パラフィン、界面活性剤ワックス、石油、動物性脂肪、脂肪酸またはこれらの組合せ。
存在する場合、ファウリングリリース剤は、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の表面エネルギーを低下させ、感圧接着性ホイルは、延長された期間にわたって良好なファウリングリリース特性を維持する。ファウリングリリース剤は、マトリックスとしてシリコーン樹脂の表面に移動し、ファウリングリリース成分によってシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の表面を被覆して、表面エネルギーの低減によって水中構造体上のファウリングを低減および防止する。
好適には、ファウリングリリース剤は、非加水分解性シリコーン油等のシリコーン油である。好適には、非加水分解性シリコーン油は、フェニルメチルジメチルシロキサンコポリマーおよび/またはフェニルメチルシロキサンホモポリマー等、ホモポリマーシロキサン油またはコポリマーシロキサン油である。
好適には、ファウリングリリース剤は、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)のシリコーン樹脂と反応しない。したがって、ファウリングリリース効果は、長期間にわたって維持される。
ファウリングリリース剤は、任意の適切な量でシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)中に存在することができる。好適には、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、0.1〜100wt%、例えば1〜90wt%またはさらに2〜50wt%のファウリングリリース剤を含む。この範囲内である場合、感圧接着性ホイルは、水中構造体上のファウリングを低減および/または防止するための良好なファウリングリリース特性を有する。0.1wt%未満である場合、ファウリングリリース特性が得られず、水中構造体上で、ファウリングの量を低減および/または防止することができない。値が上記範囲外である場合、ファウリングリリース剤は、感圧接着性ホイルから放出され、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)が中間シリコーンタイコート(iii)上に固着するという問題、または中間シリコーンタイコート(iii)が存在しない場合、合成材料層(iia)上に固着するという問題を引き起こす可能性がある。
構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、任意の適切な厚さを有し得る。厚さは、その範囲内である場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)が、感圧接着性ホイルを製造するためのプロセス中の加熱ステップ後に乾燥しているような場合の厚さ、例えば、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)がこのような製造プロセス中にオーブンから出て、水中構造体上への汚損生物の接着を低減および/または防止するためのファウリングリリース特性を有しているときの厚さである。好適には、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、80〜800μm(マイクロメートル)、好適には120〜300μm、例えば180〜250μmの(乾燥フィルム)厚さを有する。80μm未満である場合、ファウリングリリース特性は、水中構造体上への汚損生物の接着(これにより、水の摩擦が増大し、可動式の水中構造体の速度および操縦性を低下させる)を低減および/または防止するのに十分ではない可能性がある。
本発明による感圧接着性ホイルの構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)である場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、感圧接着性ホイルの外面が、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)であるファウリングリリースコーティングを有する外面を含むように、中間シリコーンタイコート(iii)を覆うように塗布することができる。
本明細書における「外面」または類似の用語への言及は、使用されるときに、最も外側の表面を指す。
構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)である場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、ポリジアルキルシロキサン、例えばポリジメチルシロキサン等のポリシロキサンを含んでもよい。シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、一成分シリコーンまたは二成分シリコーンを含んでもよい。好適には、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、二成分系である。シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、少なくとも1種の反応性シリコーン、少なくとも1種の縮合触媒および少なくとも1種の架橋剤の生成物を含んでもよく、また、該生成物であってもよい。
好適には、反応性シリコーンは、式:
Figure 2020512421
(式中、各Rは、ヒドロキシルラジカルである)のポリジアルキルシロキサン、ポリジアリールシロキサンまたはポリアルキルアリールシロキサンのうちの少なくとも1つであるか、または式:
Figure 2020512421
(式中、各Rは独立に、炭化水素またはフッ素化炭化水素ラジカルを表し、各Rおよび各Rは独立に、炭化水素ラジカルを表し、aは、0または1であり、mは、周囲温度および圧力の条件下における化合物の粘度が最大50,000センチポアズまでであるような値を有する)を有する。適切な炭化水素ラジカルの例としては、限定されるわけではないが、次のもののうちの1つまたはそれより多くを挙げることができる:C〜C20アルキル、C〜C20アリール、C6〜20アルカリール、ビニル、イソプロペニル、アリル、ブテニルおよびヘキセニル。適切なフッ素化炭化水素ラジカルの例は、3,3,3−トリフルオロプロピルである。好適には、炭化水素ラジカルは、フェニルまたはC〜Cアルキル、より好適にはメチルである。好適には、各R、各Rおよび各Rは、アルキル、より好適にはメチルである。
シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、平均分子量が異なる2種またはそれより多種の反応性シリコーンの生成物を含んでもよく、また、該生成物であってもよく、この生成物は、単一の単峰性組成物を上回る利点を有することが公知の二峰性組成物をもたらす。
適切な縮合触媒は、当業者に周知である。適切な縮合触媒は、室温で加硫可能な(RTV)材料の縮合硬化を促進するのに有用であることが公知のものであってよい。適切な縮合触媒の例としては、スズ、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウム化合物を挙げることができる。適切な縮合触媒の例としては、限定されるわけではないが、次のもののうちの1つまたはそれより多くを挙げることができる:ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズメトキシド、ジブチルスズビス(アセチルアセトナート)、1,3−ジオキシプロパンチタンビス(アセチルアセトナート)、ナフテン酸チタン、テトラブチルチタネート、ジルコニウムオクタノエートおよびアルミニウムアセチルアセトナート。有機酸と鉛、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、アンチモンおよびビスマスのような金属との様々な塩を使用することもできる。好適には、縮合触媒は、スズおよび/またはチタン化合物である。
適切な架橋剤は、当業者に周知である。適切な架橋剤には、三官能性および四官能性シランが挙げられる。この文脈での「官能性」という用語は、シリコーン−酸素結合の存在を意味する。適切な架橋剤の例としては、次のもののうちの1つまたはそれより多くが挙げられる:メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、テトラエチルシリケート、テトラ−n−プロピルシリケートおよびこれらの組合せ。好適には、テトラアルキルシリケート等の四官能性シランが使用される。
構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)である場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、添加剤または添加剤の組合せをさらに含んでもよい。適切な添加剤は、当業者に周知である。適切な添加剤の例は、充填剤である。適切な充填剤は、当業者に周知である。充填剤の適例としては、強化用および増量用(非強化用)充填剤が挙げられる。適切な強化用充填剤は、300nm(ナノメートル)より著しく大きい平均サイズを典型的には有する比較的大きな凝集粒子の形態で市販されていることがある。好適には、強化用充填剤は、ヒュームドシリカおよび沈降シリカ(それぞれ、90〜325および8〜150m/gの範囲の表面積を有する)を含む、シリカ充填剤である。強化用充填剤は、それを疎水性にするための処理剤によって前処理されてもよい。適切な処理剤は、次のもののうちの1つまたはそれより多くから選択することができる:シクロオクタメチルテトラシロキサン等の環状シリコーン、1,3−ジビニル−1,1,3−テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザンまたはこれらの組合せ。好適には、処理剤は、ヘキサメチルジシラザンである。
増量用(非強化用)充填剤の適例としては、限定されるわけではないが、次のもののうちの1つまたはそれより多くが挙げられる:二酸化チタン、リトポン、酸化亜鉛、ケイ酸ジルコニウム、酸化鉄、ケイ藻土、炭酸カルシウム、ガラス繊維または球、酸化マグネシウム、酸化クロム(III)、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、破砕された石英、か焼クレー、タルク、カオリン、アスベスト、炭素、黒鉛、コルク、綿、合成繊維およびこれらの組合せ。
構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)である場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の様々な構成要素の相対的比率は、幅広い上下限内で変更されてよい。充填剤は、任意の適切な量でシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)中に存在してもよい。充填剤は、反応性シリコーン100重量部当たり5〜200重量部、好適には10〜150重量部で存在してもよい。縮合触媒は、任意の適切な量でシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)中に存在してもよい。縮合触媒は、反応性シリコーンおよび充填剤の組合せを主体とした熱可塑性層(iib)の0.001〜2.5wt%の量で存在してもよい。架橋剤は、任意の適切な量でシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)中に存在してもよい。架橋剤は、反応性シリコーンおよび充填剤の組合せを主体とした熱可塑性層(iib)の0.25〜5.0wt%の量で存在してもよい。シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、適切な付加硬化性シリコーンコーティング材料をさらに含んでもよい。適切な付加硬化性コーティング材料は、当業者に周知である。
構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)である場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、加硫可能なシリコーンおよび浸出液を含んでもよい。浸出液は、シリコーンポリマーの中を通って非常にゆっくり放出され、一般には、望ましくない生物の集積をさらに減速することを可能にし、したがって、加硫可能なシリコーンのファウリングリリース特性をさらに改善する。押出し液の適例としては、大気圧において少なくとも250℃の沸点を有する化合物が挙げられる。押出し液の適例としては、限定されるわけではないが、次のもののうちの1つまたはそれより多くが挙げられる:シリコーン油、低分子量ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイソシアネート、ポリウレタン、ポリエポキシドおよびこれらの組合せ。好適には、押出し液は、シリコーン油である。シリコーン油は一般に、ヒドロカルビル基がヘテロ原子で置換されていてもよい、ポリジヒドロカルビルシロキサンからなる。ヒドロカルビル基は、アルキル基、特にメチル基であってもよく、また、すべてもしくは一部が、アリール基、特にフェニル基であってもよい。
構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)である場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、任意の適切な乾燥フィルム厚さを有し得る。好適には、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、10〜600μm(マイクロメートル)、好適には20〜500μm、例えば30〜400μmまたはさらに150〜250μmの乾燥フィルム厚さを有する。シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、典型的には、感圧接着性ホイルの25〜45重量%(wt%)に相当する。
市販のシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の例は、PPGから入手可能なSIGMAGLIDE(登録商標)890である。
除去可能なライナー(ia)
本発明による感圧接着性ホイルは、除去可能なライナー(ia)を必要に応じてさらに含んでもよい。
構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、除去可能なライナー(ia)が、接着層(i)上に必要に応じて塗布されてもよい。好適には、除去可能なライナー(ia)が存在する。ライナー(ia)は、構造体の表面への感圧接着性ホイルの塗布前に除去されてもよい。除去可能なライナー(ia)は、シリコーン化された紙またはシリコーン化された合成層を含んでもよい。中間シリコーンタイコート(iii)が存在しない場合、除去可能なライナー(ia)は、2つの機能的な役割、すなわち、(1)接着層(ii)のためのライナーの役割、および、(2)感圧接着性ホイルがロール状に巻かれている場合には、中間シリコーンタイコート(iii)またはシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)のための防護材料の役割を担うことができる。
好適には、構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、除去可能なライナー(ia)は、付加型のシリコーン化された系によってコーティングされた、クレーコーティングされた裏当て紙である。クレーコーティングされた紙は、好適には3重量%またはそれより多い湿分率、例えば6〜10重量%の水を含有する。紙中に含有される湿分は、中間シリコーンタイコート(iii)の硬化中に形成される生成物である酢酸イオンCHCOO−の加水分解に寄与する。酢酸イオンは、このプロセス中に破壊されなければならず、ライナー中に含有される湿分は、この酢酸イオンの加水分解に関与する。シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)を含む最後の堆積物の速度論および後硬化が、酢酸イオンの存在に影響されることが周知であるため、クレーコーティングされた除去可能なライナーの特性は、重要である。ここで、湿らせた紙ライナーは、中間シリコーンタイコート(iii)中の残留酢酸の量を低減させ、したがって、有利なことに、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の良好な硬化速度の回復を可能にすることが、観察されてきた。実際、好適には中間シリコーンタイコート(iii)の硬化中に、層(ia)、(i)、(iia)および(iii)を含む感圧接着性ホイルは、中間シリコーンタイコート(iii)が、アセテートの量を低減することができる除去可能なライナー(ia)と接触するように、ロール状に巻かれている。ロールが解かれたとき、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、酢酸の量が低減された中間シリコーンタイコート(iii)上にコーティングされてもよい。シリコーン化された合成またはポリエチレン紙が除去可能なライナー(ia)として使用される場合、酢酸イオンは、組成物がロール状に巻かれているときには加水分解されず、これにより、プロセスステップ後に乾燥していないシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の硬化は減速し、ロールの深さによって、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の厚さにある程度のばらつきが生じる可能性がある。
好適には、構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、除去可能なライナー(ia)は、15gm、例えば25gmまたはさらに40〜165gmの重量を有する。重量がこの範囲内である場合、接着層(i)からの除去可能なライナー(ia)の除去可能性は満足のいくものであり、良好な作業効率を可能にする。重量が上記範囲より低い場合、ライナー(ia)のいくつかの部分が接着層(i)に付着したままになる可能性がある除去可能なライナー(ia)の引裂きに起因して、除去可能なライナー(ia)を除去することが困難になる。
構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)である場合、除去可能なライナー(ia)が、接着層(i)上に必要に応じて塗布されてもよい。好適には、除去可能なライナー(ia)が存在する。ライナー(ia)は、構造体の表面への感圧接着性ホイルの塗布前に除去されてもよい。
構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)である場合、除去可能なライナー(ia)は、好適には4重量%超、例えば6重量%超の水を含有する、湿らせた紙を含んでもよい。これは、中間シリコーンタイコート(iv)が加硫可能なシリコーンを含む場合、特に有利であり、特に、酢酸が中間シリコーンタイコート(iv)の硬化中に放出される場合、除去可能なライナー(ia)(上記のように含水量を有する)は、特に有利である。続いて、中間シリコーンタイコート(iii)中に生じた酢酸が、ファウリングリリーストップコート(iv)の硬化速度を劇的に減速させる。しかしながら、ライナー(ia)は、中間シリコーンタイコート(iii)中の残留酢酸の量を低減し、したがって、有利なことに、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の良好な硬化速度の回復を可能にすることが、観察されてきた。実際、中間シリコーンタイコート(iii)のコーティングの最中に、層(ia)、(i)、(iib)および(iii)を含む感圧接着性ホイルは、中間シリコーンタイコート(iii)が、酢酸を吸収することができるライナー(ia)と接触するように、ロール状に巻かれている。ロールが解かれたとき、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、次いで、酢酸の量が低減された中間シリコーンタイコート(iii)上に塗布されてもよい。
フィルム層(v)
感圧接着性ホイルは、フィルム層(v)をさらに含んでもよい。フィルム層(v)は、除去可能なポリマーおよび/または防護フィルムであってよい。除去可能なポリマーおよび/または防護フィルムは、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)を防護するために、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)に対しておよびそれを覆うように塗布することができる。除去可能なポリマーおよび/または防護フィルムは、特に感圧接着性ホイルの接着層(i)がコーティングされるべき構造体の表面に塗布されたらすぐに、除去されてもよい。
好適には、構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、フィルム層(v)が存在する。
構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、フィルム層(v)は、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレンまたは別の材料を含んでもよい。
好適には、構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、フィルム層(v)はポリエステルまたはポリプロピレンフィルムである。
有利なことに、フィルム層(v)は、層(ia)、(i)、(iia)、(iv)および(v)を含む感圧接着性ホイルがロール状に巻かれている場合、接着層(i)までのシリコーンおよび/または浸出液の移動を防止し、フィルム層(v)が存在しない場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、除去可能なライナー(ia)と接触するであろう。これは、層(i)、(iia)、必要に応じて(iii)、(iv)および(v)を含む感圧接着性ホイルがロール状に巻かれている場合にも同様に当てはまり、フィルム層(v)が存在しない場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、接着層(i)と直接接触するであろう。
構造用層(ii)が合成材料層(iia)である場合、フィルム層(v)は、一つまたはそれより多くの機能、好適には二つの機能またはそれより多くの機能を有する。一つの機能は、操作および塗布中の引っかきおよびスカフからのシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の防護であり得る。フィルム層(v)は、感圧接着性ホイルの接着層(i)がコーティングされるべき表面に塗布された直後に除去されなければならない。第2の機能は、規定の処理済み表面を有するフィルム層(v)を、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)に移転することであり得る。好適には、除去可能なポリマーフィルム(v)は、完全には乾燥していないシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の上にラミネートされる。続いて、後硬化を使用して、感圧接着性ホイルのシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の特定の表面を作り出す。フィルム層(v)の外観が極めて滑らかなフィルムである場合、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)は、格別に滑らかである。好適には、フィルム層(v)は、ポジ型のレリーフによって構造化されている。フィルム層(v)およびシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の接触により、前記ポジ型のレリーフのネガ像がファウリングリリーストップコート(iv)の表面上に転写されて、前記シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の処理済み表面が用意される。処理済みの面の目的は、抗力抵抗性およびファウリングリリース特性を改善することである。第3の機能は、感圧接着性ホイルがロール状に巻かれている場合、中間シリコーンタイコート(iii)およびシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)から、感圧接着性ホイルの元々の特性を改変し得る除去可能なライナー(ia)の中を通って、成分が移動することを防止することであり得る。
好適には、構造用層(ii)が熱可塑性層(iia)である場合、感圧接着性ホイルは、層(ia)、(i)、(iia)、iii)、(iv)および(v)を含み、そして、ロール状に巻かれて貯蔵され得る。
感圧接着性ホイルの構造用層(ii)が熱可塑性材料(iib)である場合、フィルム層(v)は、好適には、ポリエステルまたはポリプロピレンフィルムである。層(ia)、(i)、(iib)、(iii)、(iv)および(v)を含む感圧接着性ホイルがロール状に巻かれ、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)が除去可能なライナー(ia)と接触する場合、有利なことに、フィルムは、接着層(i)へのシリコーンおよび/または押出し液の移動を防止する。
有利には、構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)である場合、フィルム層(v)は、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の硬化および/または乾燥の完了前に、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)に対しておよびそれを覆うように塗布されて、これにより、シリコーンファウリングリリーストップコート(iv)の表面の構造を非常に滑らかなものまたはエンボス加工されたものにすることができる。
好適には、構造用層(ii)が熱可塑性層(iib)である場合、感圧接着性ホイルは、層(ia)、(i)、(iib)、(iii)、(iv)および(v)を含み、そして、ロール状に巻かれて貯蔵され得る。
本発明による感圧接着性ホイルは、任意の適切な厚さを有し得る。厚さは、本発明において主張されている特性が影響を受けないことを条件にして、感圧接着性ホイル中の各層の厚さに依存する。好適には、感圧接着性ホイルは、50〜5000μm(マイクロメートル)、好適には100〜2000μm、例えば200〜700μmの厚さを有する。
感圧接着性ホイルは、ファウリングリリース組成物に対する任意の適切な接着強度を有し得る。感圧接着性ホイルの接着強度は、(最大)0.1N/mmまたはそれ未満、好適には0.01N/mmまたはそれ未満、例えば0.002N/mmであってよい。感圧接着性ホイルのシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)と、汚損生物との間の接着強度が低いほど、ファウリングリリース特性の観点において、感圧接着性ホイルはより効率的になる。低い接着強度は、低い抗力特性にとっても有益であり得る。
接着強度を測定するための技法は、当業者に周知である。本発明による感圧接着性ホイル上への汚損生物の接着強度は、ADEMBA DM10等の動力計によって測定することができる。この方法は、次の通りであってよい:汚損生物に圧力をかけて、感圧接着性ホイルのシリコーンファウリングリリーストップコート(iv)からそれを放出する。
感圧接着性ホイルは、任意の適切な衝撃吸収率を有し得る。好適には、感圧接着性ホイルは、少なくとも10%の衝撃吸収率を有する。値がこの範囲内である場合、感圧接着性ホイルは、ファウリングを低減および防止するための効率的な接合を有する。
好適には、感圧接着性ホイルは、構造体のすべての不規則な形状への良好な適合を可能にするのに十分なほどに柔軟である。柔軟性を測定するための技法は、当業者に周知である。柔軟性は、ISO527−3/2/300の方法に従って10%伸びにおける感圧接着性ホイルの引張強度を試験することによって測定されてもよい。
好適には、本発明による感圧接着性ホイルの10%伸びにおける引張強度は、100N/15mmもしくはそれ未満、例えば80N/15mmもしくはそれ未満またはさらに60N/15mmもしくはそれ未満である。10%伸びにおける引張強度がこの範囲内である場合、感圧接着性ホイルを構造体の形状の上に満足感と共に塗布することができる。10%伸びにおける引張強度が上記範囲外になるほどに高いと、不規則な構造体からの感圧接着性ホイルの浮き上がりが起きる可能性があり、したがって、望ましくない。
感圧接着性ホイルの破断点伸びは、各層(i)〜(iv)の伸びに依存する。好適には、23℃における破断点伸びは、少なくとも15%、より好適には少なくとも50%である。破断点伸びがこの範囲内である場合、感圧接着性ホイルは、水中構造体の表面上に満足感と共に塗布され得、そして、塗布の最中には良好な再加工性をもたらすことができる。破断点伸びが15%未満の伸びである場合、感圧接着性ホイルの低い伸びおよび破断に起因して、作業効率が低下する可能性がある。
感圧接着性ホイルの破断点引張強度は、層(i)〜(iv)のそれぞれの伸びに依存する。好適には、23℃における破断点引張強度は少なくとも10N/15mm、より好適には、少なくとも20N/15mmである。破断点引張強度がこの範囲内である場合、感圧接着性ホイルは水中構造体の表面上に満足感と共に塗布され得、そして、塗布の最中には良好な再加工性をもたらすことができる。破断点引張強度が10N/15mm未満である場合、感圧接着性ホイルの急速な破断に起因して、作業効率が低下する可能性があり、したがって、望ましくない。
好適には、Finat試験法FRM1に従って23℃で測定されたときに、接着層(ii)と水中構造体との間での300mm/分の速度における感圧接着性ホイルの接着の180°剥離強度は、少なくとも10N/25mm、好適には25N/25mm、例えば少なくとも40N/25mmである。剥離強度が高いほど、水中表面から感圧接着性ホイルがひとりでに浮き上がる危険性がより低くなる。
感圧接着性ホイルは、任意の適切な構造体に塗布することができる。一般に、このような構造体は、数多くの異なる材料、例えば、鋼、アルミニウムおよび鉄等の金属から形成され得る。さらに、適切な構造体は、コンクリート構造体であってもよい。適切な構造体は、当業者に周知であり、適切な構造体の例としては、限定されるわけではないが、商用船舶またはヨット等の海洋船舶およびこれらの船殻、発電所のためのパイプラインおよび養殖業において使用される構造体等のオンショア構造体、ならびに、オフショア構造体が挙げられる。適切な構造体には、静的な水中構造体と水中用設備等の動的な水中構造体の両方、さらには石油リグプラットフォーム等の輸送可能な水中構造体も含まれる。
本発明による感圧接着性ホイルは、任意の適切な方法によって構造体に塗布することができる。適切な塗布方法は、手動式のまたは自動式の手段による構造体への直接塗布を含む。好適には、構造体の表面のすべてまたは一部を被覆することができる。
本発明による感圧接着性ホイルは、周囲温度で塗布されてもよい。感圧接着性ホイルは、任意の適切な温度で塗布することができる。好適には、感圧接着性ホイルは、−10℃〜60℃、例えば3℃〜30℃の温度で塗布される。
コーティングされるべき構造体は、コーティングされるべき構造体の表面に感圧接着性ホイルを塗布する前に、複数の適切なコーティング層を含む適切なコーティング層によって予備コーティングされてもよい。適切なコーティング層は、当業者に周知であり、ファウリング防止コーティング層または腐食防止層等のコーティング層を含んでもよい。
本発明による感圧接着性ホイルは、(コーティングされるべき表面のさらなる準備なしで)コーティングされるべき構造体に直接塗布されてもよく、また、構造体の表面が、感圧接着性ホイルの塗布前にさらなる準備を必要としてもよい。感圧接着性ホイルの塗布前に、コーティングされるべき構造体は、適切な洗剤または溶媒を用いて、すすぎ等によってクリーニングされ得る。洗剤または溶媒の性質は、コーティングされるべき構造体の性質およびコーティングされるべき構造体の表面上の汚染物質の種類等の要因に依存する。洗剤または溶媒の適例は、当業者に周知である。好適には、コーティングされるべき構造体は、感圧接着性ホイルの塗布前にキシレンによってすすがれる。
縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物(b)
本発明による縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、
反応性シリコーンポリマー、
非反応性シリコーンポリマーおよび
架橋剤
を含んでもよい。
反応性シリコーンポリマーは、1種またはそれより多種のポリシロキサンを含んでもよい。このようなポリシロキサンは、適切な酸性縮合触媒の存在下における、ケイ素に結合したヒドロキシル基を含む連鎖停止単位を有するケイ素化合物の縮合重合から得られたポリシロキサンを含み得る。好適には、ケイ素化合物は、重合してジヒドロキシルポリジメチルシロキサンを生成する、ヒドロキシルによって末端がブロックされたポリジメチルシロキサンを含む。この反応は、例えば塩基性物質によって触媒され得る。
本明細書において使用される場合、「ヒドロキシ」および「ヒドロキシル」という用語は、互換的に使用されている。
反応性シリコーンポリマーは、ジオルガノシロキサン残基および末端オルガノシロキサン残基、ならびに必要に応じて、分岐状オルガノシロキサン残基によって規定される構造を有するポリシロキサンを含んでもよい。このようなポリシロキサンは、ジメチルジクロロシラン等のオルガノケイ素化合物および水ならびにその後の重合から得られた、ポリシロキサンを含む。さらに、オルガノケイ素化合物を加水分解して、シラノール基を末端に有するポリマーを形成することができる。酸を形成する基を有するこのようなシラン前駆物質を使用して、シリコーンポリマー鎖に分岐を導入することができる。
反応性シリコーンポリマーは、主にジメチルシロキサン単位を含むポリオルガノシロキサン、特に、酸性縮合触媒の存在下におけるケイ素に結合したヒドロキシル基を有する少なくとも2個のシロキサン単位を含む前駆物質シロキサンの重合によって調製されたものを含んでもよい。
反応性シリコーンポリマーは、1種またはそれより多種のポリシロキサン、好適には1種またはそれより多種のポリオルガノシロキサンを含んでもよい。ポリオルガノシロキサンの適例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジメチルフェニルシロキサンまたはこれらの組合せ等のアルキルおよび/またはアリール置換ポリオルガノシロキサンが挙げられる。ポリオルガノシロキサンは、線状であってもよく、分岐状であってもよい。反応性シリコーンポリマーは、ヒドロキシル官能性シリコーンポリマーであってもよい。好適には、ポリオルガノシロキサンは、ジヒドロキシルポリジメチルシロキサン、ジヒドロキシルポリジエチルシロキサンおよびジヒドロキシルポリメチルフェニルシロキサンを含むジヒドロキシルポリオルガノシロキサン等のヒドロキシル末端化ポリオルガノシロキサンを含む、ヒドロキシル官能性ポリオルガノシロキサンである。好適には、反応性シリコーンポリマーは、ジヒドロキシルポリジメチルシロキサン、最も好適には線状ジヒドロキシルポリジメチルシロキサンである。
反応性シリコーンポリマーは、市販のポリシロキサン材料を含んでもよい。適切なポリシロキサン材料の例としては、限定されるわけではないが、次のもののうちの1つまたはそれより多くが挙げられる:KCC Siliconeから市販されているSF2001EDK005およびSF2001EDK020等のSF2001Eシリーズ;Gelestから市販されているDMS−S27およびDMS−S42等のDMS−Sシリーズ;BlueStar Siliconesから市販されているBluesil FLD48V750、Bluesil 48V3500およびBluesil 48V10000等のBluesil FLDシリーズ、Xiameter Siliconesから市販されているONX−0750ポリマー750cS、OHX−4010ポリマー4000cS、OHC−0135ポリマー12500cS等のOHX Polymer Series、またはこれらの組合せ。
好適には、反応性シリコーンポリマーは、線状ジヒドロキシルポリジメチルシロキサンである。
本明細書において使用されている「反応性シリコーンポリマー」という用語は、本発明による縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物中に存在する架橋剤と反応するように操作可能なシリコーンポリマーを意味し、例えば、反応性シリコーンポリマーは、ヒドロキシル(OH)基等の反応性官能基を含んでもよく、したがって、ヒドロキシル官能性シリコーンポリマーをもたらすことができる。
反応性シリコーンポリマーは、任意の適切な重量平均分子量(Mw)を有し得る。好適には、反応性シリコーンポリマーは、15,000〜80,000ダルトン(Da=g/モル)、好適には15,000〜60,000Daまたはさらに15,000〜45,000DaのMwを有する。
重量平均分子量(Mw)は、任意の適切な方法によって測定することができる。重量平均分子量を測定するための技法は、当業者に周知である。本明細書において与えられたMwの値および範囲は、ASTM D6579−11(「Standard Practice for Molecular Weight Averages and Molecular Weight Distribution of Hydrocarbon, Rosin and Terpene Resins by Size Exclusion Chromatography」。UV検出器:254nm、溶媒:安定化されていないTHF、保持時間マーカー:トルエン、試料濃度:2mg/ml)に従ったポリスチレン標準物質を使用するゲル浸透クロマトグラフィーによって決定された場合の値および範囲である。
反応性シリコーンポリマーは、任意の適切なヒドロキシル(OH)含量を有し得る。好適には、反応性シリコーンポリマーは、反応性シリコーンポリマーの0.01〜0.4%、例えば0.1〜0.2%のヒドロキシル含量を有する。ヒドロキシル(OH)含量を測定するための方法は、「Characterisation of silicone prepolymers and disparity in results; G. B. Shah; eXPRESS Polymer Letters 2巻、11号(2008年)829〜834頁」において記述されているように、当業者に周知である。
反応性シリコーンポリマーは、任意の適切な粘度を有し得る。反応性シリコーンポリマーは、好適にはASTM D2196−10に従って測定され、20℃にて1.5s−1のせん断速度で700〜20,000mPa・sの粘度を有し得る。好適には、反応性シリコーンポリマーは、20℃にて1.5s−1のせん断速度で5000〜20,000mPa・s、好適には20℃にて1.5s−1のせん断速度で5000〜18,000mPa・sの粘度を有する。
粘度を測定するための方法は、当業者に周知である。好適には、粘度は、ASTM D2196−10(「Standard Test Methods for Rheological Properties of Non-Newtonian Materials by Rotational (Brookfield type) Viscometer」)に従って、Brookfield RVスピンドルs7を使用して、6rpmおよび1.5s−1のせん断速度で測定される。
反応性シリコーンポリマーは、任意の適切な比重測定値を有し得る。好適には、反応性シリコーンポリマーは、25℃において0.9〜1.0g/cm、例えば0.97〜0.98g/cmの比重測定値を有する。
反応性シリコーンポリマーは、任意の適切な屈折率を有し得る。好適には、反応性シリコーンポリマーは、1350〜1500、好適には1350〜1450、例えば1375〜1425の屈折率を有し得る。
反応性シリコーンポリマーは、任意の適切な量で縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物中に存在してもよい。好適には、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の総固形分重量に対して50〜95wt%、例えば60〜85wt%の反応性シリコーンポリマーを含む。
本発明の縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、非反応性シリコーンポリマーを含んでもよい。非反応性シリコーンポリマーは、任意の適切な方法によって製造することができる。非反応性シリコーンポリマーは、ポリシロキサンの組合せに由来する(ホモ)ポリマーおよび/またはコポリマーを含んでよい。適切なポリシロキサンの例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンまたはこれらの組合せ等のポリオルガノシロキサンが挙げられる。好適には、非反応性ポリマーは、ポリ(ジメチルシロキサン−co−メチルフェニルシロキサン)等のポリオルガノシロキサンのコポリマーである。
非反応性シリコーンポリマーは、市販のポリシロキサン材料を含んでもよい。適切なポリシロキサン材料の例としては、限定されるわけではないが、次のもののうちの1つまたはそれより多くが挙げられる:Gelestから市販されているDMS T21、DMS T22、DMS T23、DMS T25およびDMS T31等のDMS Tシリーズ(ポリジメチルシロキサン);Gelestから市販されているPMM1025およびPMM5021等のPMMシリーズ(ポリ(ジメチルシロキサン−co−メチルフェニルシロキサン));KCC Siliconeから市販されているSF1000N等のSFシリーズ(ポリジメチルシロキサン);KCC Siliconeから市販されているSF5000PおよびSF5400P等のSFシリーズ(ポリ(ジメチルシロキサン−co−メチルフェニルシロキサン));Wacker Siliconesから市販されているAK−100、AK−200、AK−350およびAK−500等のAKシリーズ(ポリジメチルシロキサン);Wacker Siliconesから市販されているBelsil DM1000(ポリジメチルシロキサン);Wacker Siliconesから市販されているAP−100、AP−200、AP−500およびAP−1000等のAPシリーズ(ポリ(ジメチルシロキサン−co−メチルフェニルシロキサン));Momentive Performance Chemicalsから市販されているSilopren W1000等のSilopren Wシリーズ(ポリジメチルシロキサン);Momentive Performance Chemicalsから市販されている14PDMS−E500および14PDMS−E1000等のElement 14シリーズ(ポリジメチルシロキサン);Dow Corningから市販されているDow Corning200 fluid(ポリジメチルシロキサン);Dow Corningから市販されているXiameter PMX−200 silicone fluid(ポリジメチルシロキサン);Dow Corningから市販されているSilicon510 FluidおよびSilicon550 Fluid等のSilicon fluid シリーズ(ポリ(ジメチルシロキサン−c−メチルフェニルシロキサン));Bluestar Siliconesから市販されているBluesil Fluid FLD47V1000(ポリジメチルシロキサン);Bluestar Siliconesから市販されているMirasil DM1000(ポリジメチルシロキサン);Bluestar Siliconesから市販されているRhodorsil oil510およびRhodorsil oil550等のRhodorsilシリーズ(ポリ(ジメチルシロキサン−co−メチルフェニルシロキサン));Clearco Silicone Fluidsから市販されているPSF100、PSF200、PSF350およびPSF500等のPSFシリーズ(ポリジメチルシロキサン)ならびにClearco Silicone Fluidsから市販されているPM−125等のPhenylMethyl Silicone Fluids(ポリ(ジメチルシロキサン−co−メチルフェニルシロキサン))、またはこれらの組合せ。
好適には、非反応性シリコーンポリマーは、ポリ(ジメチルシロキサン−co−ポリメチルフェニルシロキサン)である。
本明細書において使用されている「非反応性シリコーンポリマー」という用語は、本発明による縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物中に存在する架橋剤と反応しないシリコーンポリマーを意味する。非反応性シリコーンポリマーは、反応性シリコーンポリマーと架橋剤との反応に干渉しない程度に非反応性である。
非反応性シリコーンポリマーは、任意の適切な重量平均分子量(Mw)を有し得る。好適には、非反応性シリコーンポリマーは、6000〜28,0000ダルトン(Da=g/モル)、好適には10,000〜28,000Daまたはさらに15,000〜25,000DaのMwを有する。
重量平均分子量(Mw)は、任意の適切な方法によって測定することができる。重量平均分子量を測定するための技法は、当業者に周知である。本明細書において与えられたMwの値および範囲は、ASTM D6579−11(「Standard Practice for Molecular Weight Averages and Molecular Weight Distribution of Hydrocarbon, Rosin and Terpene Resins by Size Exclusion Chromatography」。UV検出器:254nm、溶媒:安定化されていないTHF、保持時間マーカー:トルエン、試料濃度:2mg/ml)に従ったポリスチレン標準物質を使用するゲル浸透クロマトグラフィーによって決定された場合の値および範囲である。
非反応性シリコーンポリマーは、任意の適切な粘度を有し得る。非反応性シリコーンポリマーは、好適にはASTM D2196−10に従って測定された、20℃にて1.5s−1のせん断速度で100〜1000mPa・sの粘度を有し得る。好適には、非反応性シリコーンポリマーは、20℃にて1.5s−1のせん断速度で300〜1000mPa・s、好適には500〜1000mPa・sの粘度を有する。
粘度を測定するための方法は、当業者に周知である。好適には、粘度は、ASTM D2196−10(「Standard Test Methods for Rheological Properties of Non-Newtonian Materials by Rotational (Brookfield type) Viscometer」)に従って、Brookfield RVスピンドルs7を使用して、6rpmおよび1.5s−1のせん断速度で測定される。
非反応性シリコーンポリマーは、任意の適切な比重測定値を有し得る。好適には、非反応性シリコーンポリマーは、25℃において0.95〜1.0g/cm、例えば0.96〜0.98g/cmの比重測定値を有し得る。
非反応性シリコーンポリマーは、任意の適切な屈折率を有し得る。好適には、非反応性シリコーンポリマーは、1400〜1600、好適には1400〜1500の屈折率を有し得る。
非反応性シリコーンポリマーは、任意の適切な量で縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物中に存在してもよい。好適には、コーティング組成物は、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の総固形分重量に対して4〜25wt%、例えば4〜15wt%またはさらに5〜10wt%の非反応性シリコーンポリマーを含む。
本発明の縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、さらなる非反応性材料をさらに含んでもよい。適切な非反応性材料の例としては、流動パラフィンおよび/またはワックス状パラフィン等のパラフィン、ならびに水素化処理された重質ナフサ(石油)が挙げられる。
さらなる非反応性材料は、市販の非反応性材料を含んでもよい。適切な非反応性材料の例としては、限定されるわけではないが、次のもののうちの1つまたはそれより多くが挙げられる:Exxon Mobileから市販されているIsopar H、Isopar K、Isopar LおよびIsopar M等のIsopar FluidならびにGlobal Comodity USAから市販されている石油ワックスまたはワセリン。
本発明による縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、架橋剤を含んでもよい。縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、1種またはそれより多種の架橋剤を含んでもよい。適切な架橋剤は、当業者に周知である。適切な架橋剤の非限定的な例としては、メチルトリアセトキシシラン等のアセトキシシランならびにメチルエチルケトキシムシランおよびメチルイソブチルケトキシムシラン等のオキシミノシランを含む、シラン系化合物が挙げられる。三官能性シラン系化合物は、特に適切である。この文脈で使用される「官能性」という用語は、シリコーン−酸素結合の存在を意味する。適切なオキシミノシランは、メチルエチルケトキシムまたはメチルイソブチルケトキシムのいずれか(しかし両方ではない)と、メチル、ビニルもしくはフェニル基(三官能性オキシムシラン)、2個のメチル基もしくはメチルおよびビニル基(二官能性オキシムシラン)のいずれかを含んでもよく、また、中心ケイ素原子に結合した非オキシム基を含まなくてもよい(四官能性オキシムシラン)。架橋剤として適切なさらなる三官能性シランとしては、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシランまたはこれらの組合せが挙げられる。
市販の架橋剤の適例としては、限定されるわけではないが、次のもののうちの1つまたはそれより多くが挙げられる:Gelestから市販されているSIV9209.0(ビニルトリイソプロペンオキシシラン)、SIV9220.0(ビニルトリメトキシシラン)およびSIV9280.0(ビニルトリス(メチルエチルケトキシミノ(シラン));Evonikから市販されているDynasylan MTMS(メチルトリメトキシシラン)、Dynasylan VTMO(ビニルトリメトキシシラン);Dow Corningから市販されているZ−6300シラン(ビニルトリメトキシシラン);Honeywellから市販されているOS−1000(メチルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン)、OS−2000(ビニルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン);Shinetsuから市販されているKBM−1003(ビニルトリメトキシシラン);Momentiveから市販されているSilquest A−171(ビニルトリメトキシシラン)、架橋剤3034(エチルトリアセトキシシラン)、Silquest B−3448(ビニルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン)およびSilquest B−3449(メチルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン);Rheinmetal/Nitrochemieから市販されているVinox/VAS(ビニルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン)、Wasox/MOS(メチルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン)、LM−100(ジアセトンオキシモメトキシビニルシラン)、LM−400(トリアセトンオキシモエチルシラン)、ETA(エチルトリアセトキシシラン)、MTA(メチルトリアセトキシシラン)、PTA(プロピルトリアセトキシシラン)およびVTA(ビニルトリアセトキシシラン);Wacker Chemieから市販されているGeniosil XL10(ビニルトリメトキシシラン)、シランM1−トリメトキシ(メチルトリメトキシシラン)、Geniosil GF62(ビニルトリアセトキシシラン)および架橋剤ES−23(エチルトリアセトキシシラン)、またはこれらの組合せ。
好適には、架橋剤は、エチルトリアセトキシシランまたはビニルケトキシムシランを含む である。
架橋剤は、任意の適切な量で縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物中に存在してもよい。好適には、コーティング組成物は、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の総固形分重量に対して2〜15wt%、例えば3〜13wt%またはさらに4〜12wt%の架橋剤を含む。
縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、触媒をさらに含んでもよい。室温加水分解または縮合反応における使用に適した触媒等、適切な触媒は、当業者に周知である。触媒の適例としては、有機金属化合物および金属塩が挙げられる。金属塩の適例としては、カルボン酸ビスマス(脂肪酸のビスマス塩)、カルボン酸亜鉛、カルボン酸ストロンチウム等の金属カルボン酸塩、およびチタン酸ビスマス等の金属チタン酸塩、またはこれらの組合せが挙げられる。ビスマストリス(ネオデカノエート)およびビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)等のカルボン酸ビスマスは、特に適切であり得る。適切な有機金属化合物の例としては、ジアルキルスズジカルボキシレートまたはジアルキルスズジケトネート等のジオルガノスズ化合物を含む、オルガノスズ化合物が挙げられる。好適には、触媒は、ジオルガノスズ触媒、最も好適にはジブチルスズジラウレートである。
市販の触媒の適例としては、限定されるわけではないが、次のもののうちの1つまたはそれより多くが挙げられる:Acimaから市販されているMetatin Catalyst 712 ES(ジ−n−ブチルスズジラウレート)、Metatin Catalyst 812 ES(ジ−n−オクチルスズジラウレート)、Metatin 702(ジ−n−ブチルスズジアセテート)、Metatin Catalyst 725(ジ−n−ブチルスズイソデカノエート)およびMetatin Catalyst 740(ジ−n−ブチルスズジケトネート)等のMetatinシリーズ;TibChemicals/Evonikから市販されているTegostab BL277(ジブチルスズジラウレート);TibChemicals/Evonikから市販されているTibKat 226(ジ−n−ブチルスズジケトネート)、TibKat 223(ジ−n−ブチルスズジケトネート)、TibKat 318(ジ−n−オクチルスズジネオデカノエート)、TibKat 716(ビスマストリス(ネオデカノエート))およびTibKat 720(ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート))等のTibKatシリーズ;OMG Borchersから市販されているBorchikat 24(ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)およびBorchikat 0244(ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート(および亜鉛ビス(2−エチルヘキサノエート))等のBorchikatシリーズ;OMG Borchersから市販されているOctasoligen Sr10(ストロンチウムビス(2−エチルヘキサノエート));King Industriesから市販されているK−Kat348(ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート))、K−Kat XC−B221(カルボン酸ビスマス);K−Kat XK−651(カルボン酸ビスマス)、K−Kat 670(亜鉛化合物および活性有機材料)およびK−Kat XK−648(アミン塩/亜鉛錯体)等のK−Kat Series、ならびにKenrich Petrochemicalsから市販されているTyzor PitaおよびTyzor Pita SM等のTyzor Series、またはこれらの組合せ。
触媒は、任意の適切な量で縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物中に存在してもよい。好適には、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の総固形分重量に対して最大1wt%、好適には最大0.5wt%の触媒を含む。
本発明による縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、添加剤または添加剤の組合せをさらに含んでもよい。適切な添加剤は、当業者に周知である。適切な添加剤の例としては、限定されるわけではないが、次のものが挙げられる:消泡剤(deformer);顔料;チキソトロープ剤;殺生物剤;フレグランス;疎水性シリカ等の充填剤;接着剤;バッファー;分散剤;界面活性剤;脱気剤;表面制御添加剤;松根油等の界面活性成分;疎水化剤;湿潤添加剤;レオロジー剤;へこみ防止添加剤(anti-cratering additives);放射線硬化添加剤;腐食防止添加剤;pH調節剤;落書き防止添加剤(anti-graffiti additives)またはこれらの組合せ。
好適には、レオロジー調整剤(レオロジー剤)は、当業者に周知である。レオロジー調整剤の適例としては、限定されるわけではないが、次のものが挙げられる:ヒュームドシリカ;沈降シリカ;ベントナイトクレー;クレー;ナノクレー;ヒマシ油およびその誘導体;ポリアミドワックス;微粉化されたアミドワックスまたはこれらの組合せ。レオロジー調整剤は、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の総固形分重量に対して最大2wt%の量で縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物に使用することができる。
適切な顔料は、当業者に周知である。適切な顔料は、例えば、シリコーンカラーペーストであってよい。顔料は、任意の適切な量で縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物に使用することができる。顔料は、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の総固形分重量に対して3〜7wt%の量で縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物に使用することができる。
好適には、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の総体積の最大10vol%、例えば0.8〜4vol%、例えば0.9〜2vol%の顔料体積濃度(PVC)を含むことができる。顔料体積濃度の測定方法は、当業者に周知である。顔料体積濃度は、顔料および充填剤の体積を、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の固形分の総体積で除したものを指し、固形分の総体積は、顔料および充填剤の体積+不揮発性固体バインダーの体積である。
本発明の縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、さらなる溶媒を含有しなくてもよい。好適には、コーティング組成物の固形分含量は、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の総重量に対して少なくとも80wt%、例えば最大90wt%またはさらに最大100wt%である。
本発明の縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、1種またはそれより多種の溶媒をさらに含んでもよい。溶媒は、好適には、1種またはそれより多種の有機溶媒を含む。適切な有機溶媒には、限定されるわけではないが、次のもののうちの1つまたはそれより多くが挙げられる:ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ソルベントナフサ100、150、200; Exxon−Mobil Chemical CompanyからSOLVESSOの商標で入手可能なもの;メチルイソブチル等のケトンまたはこれらの組合せ。好適には、溶媒は、キシレンである。存在する場合、溶媒は好適にはコーティング組成物の総固形分重量に対して0〜20wt%、例えば0〜10wt%の量でコーティング組成物に使用することができる。
本発明による縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、任意の適切な粘度を有し得る。縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の粘度は、本発明による縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物およびファウリングリリースコーティング系の最終的な使途等の要因に依存する。本発明による縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、任意の適切な粘度を有し得る。縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、好適にはASTM D2196−10に従って測定された、20℃にて1.5s−1のせん断速度で1500〜10000mPa・sの粘度を有し得る。好適には、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、20℃にて1.5s−1のせん断速度で1500〜5000mPa・s、好適には1500〜2500mPa・sの粘度を有する。
粘度は、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の第1および第2の成分(下記において詳述する)の最初の混合から10分以内、例えば5分以内またはさらに2分以内に測定することができる。粘度は、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の第1および第2の成分の最初の混合から1分以内に測定することができる。
粘度を測定するための方法は、当業者に周知である。好適には、粘度は、ASTM D2196−10(「Standard Test Methods for Rheological Properties of Non-Newtonian Materials by Rotational (Brookfield type)Viscometer」)に従って、Brookfield RVスピンドルs7を使用して、6rpmおよび1.5s−1のせん断速度で測定される。
縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、感圧接着性ホイルの縁部に塗布されてもよい。縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、感圧接着性ホイルの1つまたはそれより多くの縁部に塗布されてもよい。好適には、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、2つまたはそれより多くの感圧接着性ホイルの間の境界に沿って塗布されてもよい。好適には、感圧接着性ホイルの縁部のすべてまたは一部を被覆することができる。
本明細書において使用されている「感圧接着性ホイルの縁部に塗布される」および類似の用語は、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物が、ホイルの縁部と構造体との間の境界にわたって延在するように感圧接着性ホイルの縁部領域に塗布され、その結果、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物が、コーティングされるべき構造体に塗布されてもよいことを意味する。これはまた、隣接するホイルの縁部間の隙間の重なりにまで及ぶ。
本発明による縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、任意の適切な方法によって感圧接着性ホイルの縁部に塗布することができる。前記縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物を塗布する方法は、当業者に公知である。適切な塗布方法には、限定されるわけではないが、次のものが挙げられる:ブラシコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、浸漬、キャスティング、ナイフ塗りおよび/または塗装。
縁部シーラント用コーティング組成物は、感圧接着性ホイルがコーティングされるべき構造体に塗布されて接着した後に、感圧接着性ホイルの縁部に塗布することができる。
縁部シーラント用コーティング組成物は、感圧接着性ホイルの塗布と併せて、感圧接着性ホイルの縁部に塗布することができる。
縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、周囲温度で塗布することができる。
縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、単一の層として感圧接着性ホイルの縁部に塗布されてもよく、また、多層系の一部として塗布されてもよい。縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、プライマーの上に塗布されてもよく、また、プライマー層自体として塗布されてもよい。縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、トップコート層を形成することができる。縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、1回塗布してもよく、また、複数回塗布してもよい。
縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、任意の適切な乾燥フィルム厚さまで、感圧接着性ホイルの縁部に塗布することができる。縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の乾燥フィルム厚さは、本発明による縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物およびファウリングリリースコーティング系の最終的な使途等の要因に依存する。縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、最大2mmの乾燥フィルム厚さまで塗布することができる。好適には、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、100〜500μm、例えば100〜300μmまたはさらに150〜200μmの乾燥フィルム厚さまで塗布される。
縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、第1の成分組成物および第2の成分組成物を有する二成分(2K)組成物の形態であってもよい。好適には、これらの第1および第2の成分組成物は、構造体への塗布前に一緒にして接触させる。第1の成分組成物は、反応性シリコーンポリマーおよび非反応性シリコーンポリマーを含んでもよく、第2の成分は、架橋剤を含んでもよい。第1および第2の成分組成物の両方が、典型的には、各組成物成分内での反応性を最小化するように選択される、さらなる成分を含む。
縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、一成分(1K)組成物の形態であってもよい。
縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、一成分(1K)または二成分(2K)組成物として貯蔵されてもよい。一成分(1K)組成物の形態である場合、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は塗布前に、水分を含まない環境において、2種の成分の混合後に少なくとも1年間にわたって−10〜40℃の温度で貯蔵することができる。
縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、2〜12時間の期間にわたって、周囲温度で硬化させることができる。硬化時間は、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の乾燥フィルム厚さおよび硬化環境の湿度を含むいくつかの要因に依存する。
縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、熱硬化プロセスによって硬化させることができる。好適には、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、60〜130℃、例えば90〜120℃の温度で硬化させることができる。好適には、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物を、5〜15分の期間にわたって熱硬化させる。他の硬化方法は、50〜80℃、例えば55〜65℃の温度でIR(赤外線)利用技法を使用することを含む。
本発明による縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物は、(コーティングされるべきホイルのさらなる準備なしで)感圧接着性ホイルの縁部に直接塗布されてもよく、また、本発明による感圧接着性ホイルは、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の塗布前にさらなる準備を必要としてもよい。縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の塗布前に、感圧接着性ホイルは、適切な洗剤または溶媒を用いて、すすぎ等によってクリーニングされ得る。洗剤または溶媒の性質は、コーティングされるべきホイルの表面上の汚染物質の種類等の要因に依存する。洗剤または溶媒の適例は、当業者に周知である。好適には、コーティングされるべき感圧接着性ホイルは、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の塗布前にキシレンによってすすがれる。
本明細書における「外面」または類似の用語への言及は、使用されるときに、最も外側の表面を指す。
好適には、1つまたはそれより多くの感圧接着性ホイルを構造体に塗布し、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物を、感圧接着性ホイルと構造体との間に、感圧接着性ホイルの縁部まで塗布する。
本発明の第2の態様によれば、その少なくとも一部の上にコーティング系を有する水中構造体であって、コーティング系が、
(a)水中構造体に接着されている感圧接着性ホイルであって、該感圧接着性ホイルが、ファウリングリリースコーティングを有する外面を含む、感圧接着性ホイル、および
(b)感圧接着性ホイルの縁部を覆うように塗布されて硬化させた、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物
を含む、水中構造体が提供される。
本発明の第3の態様によれば、水中構造体をコーティングする方法であって、
(a)ファウリングリリースコーティングを有する外面を含む感圧接着性ホイルを、水中構造体に接着すること、および
(b)感圧接着性ホイルの縁部を覆うように縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物を塗布し、該縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物を硬化させること
を含む、方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、ファウリングリリースコーティング系における縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の使用であって、コーティング系が、ファウリングリリースコーティングを含む感圧接着性ホイルを含み、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物が、感圧接着性ホイルの縁部を覆うように塗布され、硬化される、使用が提供される。
好適には、感圧接着性ホイルは、水中構造体に接着される。
定義
本明細書において使用されている「アルカ(alk)」または「アルキル」という用語は、他に定義されていない限り、直鎖状、分枝鎖状、環状もしくは多環式部分またはこれらの組合せであり、1〜20個の炭素原子、好適には1〜10個の炭素原子、より好適には1〜8個の炭素原子、さらにより好適には1〜6個の炭素原子、なおもさらにより好適には1〜4個の炭素原子を含有する、飽和炭化水素ラジカルに関する。これらのラジカルは、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR27、C(O)SR27、C(S)NR2526、アリールまたはHet(ここで、R19〜R27はそれぞれ独立に、水素、アリールもしくはアルキルを表す)で必要に応じて置換されていてもよく、そして/あるいは、1個もしくはそれより多くの酸素もしくは硫黄原子によってまたはシラノもしくはジアルキルシロキサン基によって割り込まれていてもよい。このようなラジカルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−メチルブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル、シクロヘキシル、3−メチルペンチル、オクチル等から独立に選択することができる。
本明細書において使用されている「アリール」という用語は、芳香族炭化水素から1個の水素を除去して得られる有機ラジカルに関し、各環に最大7員の任意の単環式、二環式または多環式炭素環を含み、ここで、少なくとも1個の環は芳香族である。これらのラジカルは、ヒドロキシ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR27、C(O)SR27、C(S)NR2526またはアリール(ここで、R19〜R27はそれぞれ独立に、水素、アリールまたは低級アルキルを表す)で必要に応じて置換されていてもよく、そして/あるいは、1個もしくはそれより多くの酸素もしくは硫黄原子によってまたはシラノもしくはジアルキルシルコン(dialkylsilcon)基によって割り込まれていてもよい。このようなラジカルの例は、フェニル、p−トリル、4−メトキシフェニル、4−(tert−ブトキシ)フェニル、3−メチル−4−メトキシフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、3−ニトロフェニル、3−アミノフェニル、3−アセトアミドフェニル、4−アセトアミドフェニル、2−メチル−3−アセトアミドフェニル、2−メチル−3−アミノフェニル、3−メチル−4−アミノフェニル、2−アミノ−3−メチルフェニル、2,4−ジメチル−3−アミノフェニル、4−ヒドロキシフェニル、3−メチル−4−ヒドロキシフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、3−アミノ−1−ナフチル、2−メチル−3−アミノ−1−ナフチル、6−アミノ−2−ナフチル、4,6−ジメトキシ−2−ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリルまたはアセナフチル等から独立に選択することができる。
本明細書における「水生」という用語の使用は、淡水および塩水条件の両方を含めて、水、水に近いこと、または、水中で起きることに関すると理解すべきである。同様に、本明細書において使用されている「海洋」という用語は、海水に関連するまたは海水において見受けられる条件に関すると理解すべきである。
本明細書において使用されている「水中構造体」という用語および類似の用語は、水(塩水または淡水)中に全体的にもしくは部分的に水没させた、または一時的にもしくは断続的に水没させた物品を含む。
本明細書における「外面」または類似の用語への言及は、使用されるときの、最も外側の表面を指す。
本明細書において使用される場合、他に明示的に指定されていない限り、値、範囲、量または百分率を表す数等のすべての数は、この「約」という用語が明示的に出現していない場合であっても、あたかも「約」という語で始まるかのように読むことが可能である。また、本明細書に記載されたいずれの数値範囲も、それに包摂されるすべての部分範囲を含むことが意図されている。
本明細書において使用される場合、そうではないと明示的に記載されていない限り、単数形は複数形を含み、複数形は単数形を包含する。例えば、単数形、すなわち、「1つ(a)」または「1つ(an)」の使用は、「1つまたはそれより多く」を含む。さらに、本明細書において使用される場合、「および/または」が、ある特定の場合において明示的に使用されることがあるとしても、「または」の使用は、そうではないと明示的に記載されていない限り、「および/または」を意味する。本明細書において使用される場合、「ポリマー」という用語は、オリゴマーならびにホモポリマーおよびコポリマーの両方を指し、「ポリ」という接頭辞は、2つまたはそれより多いことを指す。例えば〜を含むおよび類似の用語は、限定されるわけではないが、例として〜を含むことを意味する。
本明細書に内包される特徴のすべては、任意の組合せで、上記態様のいずれかと組み合わせることができる。
本発明をより深く理解するため、およびどのようにして本発明を実施することができるかを示すために、次に、単なる例として、下記の実験データについて言及する。
コーティング組成物
コーティング組成物1〜8を、2種の成分組成物から調製した。コーティング組成物1〜8を、表1の配合に従って調製した。すべての量は、重量百分率(wt%)として与えられている。
コーティング組成物1
直径12.5cmの溶解装置用ディスクを取り付けた高速溶解装置を用いて、20kgの量で、第1の成分組成物を調製した。10kgの線状ジヒドロキシルポリジメチルシロキサンを20L金属容器に加え、混合しながら1.29kgのシリコーンカラーペーストおよび1.7kgの非反応性ポリ(ジメチルシロキサン−co−メチルフェニルシロキサン)を加え、中速の1500rpmで均一化した。次いで、0.2kgのナノクレーを容器に加え、容器の壁をキシレンによってすすぎ、混合物を高速の2000〜2500rpmで分散させた。粒の微細度が(Hegman粒ゲージによって測定された場合に)25μm以下に到達したとき、分散プロセスを完了した。分散後の温度は、65℃であった。残りの量の6.71kgの線状ジOH官能性PDMSポリマーを容器に加え、1500rpmで均一化した。最終温度は、45℃であった。
4kgの量で、第2の成分組成物を調製した。5リットルのプラスチック容器において、3,992kgのエチルトリアセトキシシランを秤量し、これに、0.008kgのジブチルスズジラウレートを加え、混合物を均一化した。
次いで、1kgの量で、第1および第2の成分組成物を混ぜ合わせた。0.915kgの第1の成分組成物を0.085kgの第2の成分組成物と合わせ、この混合物を高速溶解装置によって均一化した。水分の排除により、この混合物は、一成分(1K)組成物として貯蔵することが可能であり、使える状態である。
コーティング組成物2
コーティング組成物1に従って、1kgの量で、コーティング組成物2を調製した。しかしながら、第1および第2の成分組成物を、化学量論がコーティング組成物1の化学量論の半分になるように混合した。
コーティング組成物3
コーティング組成物1に従って、1kgの量で、コーティング組成物3を調製した。コーティング組成物3の調製において、第1の成分組成物の製造後に、メチルイソブチルケトン中のeconeaの20wt%溶液を第1の成分組成物に加えた。この溶液を、第1の成分組成物の20wt%で加え、1000rpmで均一化した。
コーティング組成物4
コーティング組成物1に従って、1kgの量で、コーティング組成物4を調製した。コーティング組成物4の調製において、46.9wt%のeconeaを第2の成分組成物に加え、1000rpmでの分散によって均一化し、均一な液体を生じさせた。
コーティング組成物5
コーティング組成物1に従って、1kgの量で、コーティング組成物5を調製した。コーティング組成物5の調製において、13.6wt%のselektopeを第2の成分組成物に加え、1000rpmでの分散によって溶解させ、透明な溶液を生じさせた。
コーティング組成物6
コーティング組成物1に従って、1kgの量で、コーティング組成物6を調製した。
コーティング組成物7
コーティング組成物1に従って、1kgの量で、コーティング組成物7を調製した。
コーティング組成物8
コーティング組成物1に従って、1kgの量で、コーティング組成物8を調製した。コーティング組成物8の調製において、第1の成分組成物の製造後に、3.75wt%の松根油を第1の成分組成物に加え、1000rpmで均一化した。
Figure 2020512421
コーティング組成物1〜8の特性を、下記の方法によって試験した。結果を表2に示す。
試験方法
試験構造体の調製:長方形ステンレス鋼パネル(14×20cm)をクリーニングし、脱脂した。クリーニング済みパネルを、150μmの乾燥フィルム厚さまでPPGのSigmaShield610(登録商標)によってコーティングした。周囲条件において少なくとも1日硬化させた後、感圧接着性ホイルを、コーティング済みパネルに付着させた。ホイル間に2cmの間隔を保って、ホイル間に人工的な合わせ目(隙間)を作り出した。コーティング組成物1〜8をブラシによってホイルの縁部に塗布し、ホイルの外面上のファウリングリリースコーティングの上に1cmだけわずかに重なるようにした。
コーティング組成物1〜8を、下記の手順に従って接着(乾式および湿式)およびファウリングリリース性能(ソフトファウリング除去およびハードファウリング除去)について試験した。
接着(乾式):試験パネル上の縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の表面にクロスカットの切り込みを入れるために鋭利なナイフを使用して、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物のクロスカット接着を測定した。表面には、爪で引っかくことおよびスパチュラでこすることによって表面上に傷を付け、接着の程度を評価した。5が最良である0(コーティング組成物の完全な層間剥離)〜5(コーティング組成物を除去することができない)の格付けを使用して、接着(乾式)を定量的に評価した。
接着(湿式):試験パネルを水道水に少なくとも1日浸漬し、次いで水から取り出し、接着(乾式)に関する評価方法、および、5が最良である0(コーティング組成物の完全な層間剥離)〜5(コーティング組成物を除去することができない)の格付けを使用して、接着(湿式)について定量的に評価した。
ファウリングリリース性能(ソフトファウリング除去):試験パネルをKats(オランダ)で海水中に水没させ、喫水線より20cm(センチメートル)、50cm、110cmおよび140cm下の深さで静止したいかだの上に置いた。ソフトファウリングは、ぬめりおよび藻類等の汚損生物の接着を含む。海水からパネルを取り出した後、試験パネルのファウリングさせた表面を柔らかい濡れたブラシによってふき、すぐに検査した。試験パネルは、最初の水没から4か月後に最初に評価し、次いで最初の水没から12か月に至るまでに数回評価した。各検査において、ファウリングリリース性能(ソフトファウリング除去)を評価して、各深さにおけるパネルの平均値を取得し、これらの値を平均して、総合的なファウリングリリース性能(ソフトファウリング除去)を得た。総合的なファウリングリリース性能(ソフトファウリング除去)を、下に詳述するように0が最良である0〜4の格付けを使用して評価した。
0:ソフト汚損生物が、試験パネルの表面上に残留していない。
1:試験パネルの表面の10%未満に、ソフト汚損生物が付着している。
2:試験パネルの表面の10〜20%に、ソフト汚損生物が付着している。
3:試験パネルの表面の20〜50%に、ソフト汚損生物が付着している。
4:試験パネルの表面の50%超に、ソフト汚損生物が付着している。
ファウリングリリース性能(ハードファウリング除去):試験パネルをKats(オランダ)で海水中に水没させ、喫水線より20cm、50cm、110cmおよび140cm下の深さで静止したいかだの上に置いた。ハードファウリングは、蔓脚類、チューブワームおよびイガイ類等の汚損生物の接着を含む。海水からパネルを取り出した後、試験パネルのファウリングさせた表面を柔らかい濡れたブラシによってふき、すぐに検査した。試験パネルは、4〜10か月の期間中に数回評価され、各検査においては、ファウリングリリース性能(ハードファウリング除去)を評価して、各深さにおけるパネルの平均値を取得し、これらの値を平均して、総合的なファウリングリリース性能(ハードファウリング除去)を得た。総合的なファウリングリリース性能(ハードファウリング除去)を、0が最良である0〜4の格付けを使用して評価した。
0:ハード汚損生物が、試験パネルの表面上に残留していない。
1:試験パネルの表面の3%未満に、ハード汚損生物が付着している。
2:試験パネルの表面の3〜10%に、ハード汚損生物が付着している。
3:試験パネルの表面の10〜20%に、ハード汚損生物が付着している。
4:試験パネルの表面の20%超に、ハード汚損生物が付着している。
結果を下記表2に示す。
Figure 2020512421
本出願との関連で本明細書と同時にまたは本明細書に先行して出願されており、本明細書と一緒にして公衆に閲覧されるように公開されている、すべての書類および文献に留意し、すべてのこのような書類および文献の内容は、参照により本明細書に援用される。
本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)において開示された特徴のすべて、および/または、そのように開示されたあらゆる方法もしくはプロセスのステップのすべては、このような特徴および/またはステップのうちの少なくともいくつかが相互に排他的である組合せを除いて、任意の組合せで組み合わせることができる。
本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)において開示された各特徴は、そうではないと明示的に記載されていない限り、同じ、等価なまたは類似の目的に役立つ代替的な特徴によって置きかえることができる。したがって、そうではないと明示的に記載されていない限り、開示された各特徴は、一般的な一連の等価なまたは類似の特徴の一例にすぎない。
本発明は、上記実施形態(複数可)の詳細に制限されない。本発明は、本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約書または図面を含む)において開示された特徴のうちの任意の新規の1つもしくは任意の新規の組合せに及び、または、そのように開示されたあらゆる方法もしくはプロセスのステップのうちの任意の新規の1つもしくは任意の新規の組合せに及ぶ。

Claims (17)

  1. (a)ファウリングリリースコーティングを含む感圧接着性ホイル、および
    (b)前記感圧接着性ホイルの縁部に塗布されるように操作可能な縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物
    を含む、ファウリングリリースコーティング系。
  2. 前記感圧接着性ホイルが、
    (i)接着層、
    (ii)前記接着層(i)に対しておよびそれを覆うように塗布された構造用層、
    (iii)必要に応じて、前記構造用層(ii)に対しておよびそれを覆うように塗布された中間シリコーンタイコート、および
    (iv)前記構造用層(ii)に対しておよびそれを覆うように塗布された、または存在する場合には前記中間シリコーンタイコート(iii)に対しておよびそれを覆うように塗布された、シリコーンファウリングリリーストップコート
    を含む、請求項1に記載のファウリングリリースコーティング系。
  3. 前記構造用層(ii)が、合成材料層(iia)または熱可塑性層(iib)のいずれかを含む、請求項2に記載のファウリングリリースコーティング系。
  4. 前記縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物が、反応性シリコーンポリマー、非反応性シリコーンポリマーおよび架橋剤を含む、先行する請求項のいずれかに記載のファウリングリリースコーティング系。
  5. 前記反応性シリコーンポリマーが、ヒドロキシル官能性ポリオルガノシロキサンを含む、請求項4に記載のファウリングリリースコーティング系。
  6. その少なくとも一部の上にファウリングリリースコーティング系を有する水中構造体であって、前記ファウリングリリースコーティング系が、
    (a)前記水中構造体に接着された感圧接着性ホイルであって、前記感圧接着性ホイルがファウリングリリースコーティングを有する外面を含む、感圧接着性ホイル、および
    (b)前記感圧接着性ホイルの縁部を覆うように塗布されて硬化した、縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物
    を含む、水中構造体。
  7. 前記感圧接着性ホイルが、
    (i)接着層、
    (ii)前記接着層(i)に対しておよびそれを覆うように塗布された構造用層、
    (iii)必要に応じて、前記構造用層(ii)に対しておよびそれを覆うように塗布された中間シリコーンタイコート、および
    (iv)前記構造用層(ii)に対しておよびそれを覆うように塗布された、または存在する場合には前記中間シリコーンタイコート(iii)に対しておよびそれを覆うように塗布された、シリコーンファウリングリリーストップコート
    を含む、請求項6に記載の水中構造体。
  8. 前記構造用層(ii)が、合成材料層(iia)または熱可塑性層(iib)のいずれかを含む、請求項7に記載の水中構造体。
  9. 前記縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物が、反応性シリコーンポリマー、非反応性シリコーンポリマー、および架橋剤を含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の水中構造体。
  10. 前記反応性シリコーンポリマーが、ヒドロキシル官能性ポリオルガノシロキサンを含む、請求項9に記載の水中構造体。
  11. 水中構造体をコーティングする方法であって、前記方法が、
    (a)感圧接着性ホイルを前記水中構造体に接着する工程であって、前記感圧接着性ホイルがファウリングリリースコーティングを有する外面を含む、工程、および
    (b)前記感圧接着性ホイルの縁部を覆うように縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物を塗布し、それを硬化させる工程
    を含む、方法。
  12. 前記感圧接着性ホイルが、
    (i)接着層、
    (ii)前記接着層(i)に対しておよびそれを覆うように塗布された構造用層、
    (iii)必要に応じて、前記構造用層(ii)に対しておよびそれを覆うように塗布された中間シリコーンタイコート、および
    (iv)前記構造用層(ii)に対しておよびそれを覆うように塗布された、または存在する場合には前記中間シリコーンタイコート(iii)に対しておよびそれを覆うように塗布された、シリコーンファウリングリリーストップコート
    を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記構造用層(ii)が、合成材料層(iia)または熱可塑性層(iib)のいずれかを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物が、反応性シリコーンポリマー、非反応性シリコーンポリマー、および架橋剤を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記反応性シリコーンポリマーが、ヒドロキシル官能性ポリオルガノシロキサンを含む、請求項14に記載の方法。
  16. ファウリングリリースコーティング系における縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の使用であって、前記コーティング系が、ファウリングリリースコーティングを含む感圧接着性ホイルを含み、前記縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物が、前記感圧接着性ホイルの縁部を覆うように塗布され、硬化される、使用。
  17. 前記感圧接着性ホイルが、水中構造体に接着される、請求項16に記載の縁部シーラントファウリングリリースコーティング組成物の使用。
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