JP2020508549A - 鉄フロー電池用電解質 - Google Patents

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Abstract

鉄レドックスフロー電池システムを動作する方法は、鉄レドックスフロー電池セルのめっき電極をめっき電解質に流体的に接続させる工程;鉄レドックスフロー電池セルのレドックス電極をレドックス電解質に流体的に接続させる工程;めっき電解質およびレドックス電解質の一方または両方に延性めっき添加剤を流体的に接続させる工程;並びに、めっき電極におけるめっき応力の増加に応答して、めっき電解質に対する延性めっき添加剤の量を増加させる工程を含むことができる。このようにして、延性のあるFeを負極上にめっきすることができ、鉄レドックスフロー電池の性能、信頼性および効率を維持することができる。さらに、鉄をより迅速に製造し、めっき電極でめっきすることができるので、全ての鉄フロー電池の充電率を高めることができる。【選択図】図1

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2017年2月17日に出願された「鉄フロー電池用電解質(electrolyte)」という名称の米国特許出願第15/436,593号の国際出願である。米国特許出願第15/436,593号は、2014年3月7日に出願された「鉄レドックスフロー電池のための安定な電解質を調製する方法」という名称の米国特許出願第14/201,244号の一部継続出願であり、現在の米国特許第9,865,895号である。米国特許出願第14/201,244号は、2013年3月12日に出願された「全ての鉄レドックスフロー電池のための安定な電解質を調製する方法」という名称の米国仮特許出願第61/778,143号の優先権を主張する。上記で参照された出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
政府支援の承認
本発明は、DOE ARPA−E局により授与された契約No.DE−AR0000261に基づき、政府の支援を受けてなされたものであり、政府は本発明に対して一定の権利を有する。
背景と概要
還元−酸化(レドックス)フロー電池は、エネルギーを化学形態で貯蔵し、貯蔵した化学エネルギーを自発的な逆レドックス反応を介して電気形態に変換する電気化学的貯蔵デバイスである。フロー電池における反応は可逆的であるので、逆に言えば、分配された化学エネルギーは、逆レドックス反応を誘起する電流の印加により回復できる。単一のレドックスフロー電池セルは、通常、負極、膜バリア、正極、および電気活性材料を含む電解質を含有する。複数のセルを直列または並列に組み合わせて、フロー電池により高い電圧または電流を生成することができる。電解質は、通常、外部タンクに貯蔵され、電池の両側を通ってポンプで送られる。充電電流を印加すると、電解質は正極で電子を失い、負極で電子を得る。膜バリアは、イオン伝導を可能にしながら、正の電解質と負の電解質が混合するのを防ぐ。放電電流を印加すると、電極上で逆レドックス反応が起こる。電池全体(across battery)の電位差は、電解質内の化学的レドックス反応によって維持され、反応が維持されている間、導体を通して電流を誘導することができる。レドックス電池によって蓄積されるエネルギーの量は、電解質の総量および電気活性材料の溶解度に依存して、放電のために電解質中で利用可能な電気活性材料の量によって制限される。
ハイブリッドフロー電池は、電極上の固体層としての一つまたは複数の電気活性材料の堆積物によって区別される。ハイブリッド電池は、例えば、充電反応全体を通して基板上に固体としてめっきする化学物質を含む場合があり、その放出された化学種は、放電全体を通して電解質によって溶解される場合がある。ハイブリッド電池システムでは、レドックス電池によって蓄積されるエネルギーは、充電中にめっきされる金属の量によって制限される場合があり、したがって、めっきシステムの効率、ならびにめっきに利用可能な体積および表面積によって決定される場合がある。
ハイブリッドフロー電池システムでは、負極をめっき電極と呼び、正極をレドックス電極と呼ぶことがある。電池のめっき側内の電解質をめっき電解質と呼び、電池のレドックス側の電解質をレドックス電解質と呼ぶことがある。
アノードは、電気活性材料が電子を失う電極をいう。充電中、負極は電子を獲得し、したがって電気化学反応のカソードとなる。放電中、負極は電子を失い、したがって当該反応のアノードとなる。したがって、充電中、めっき電解質およびめっき電極をそれぞれ、電気化学反応のカソード液(catholyte)およびカソードと呼ぶことがある。レドックス電解質およびレドックス電極をそれぞれ、電気化学反応のアノード液(anolyte)およびアノードと呼ぶことがある。あるいは、放電中、めっき電解質およびめっき電極をそれぞれ、電気化学反応のアノード液およびアノードと呼ぶことがあり、レドックス電解質およびレドックス電極をそれぞれ、電気化学反応のカソード液およびカソードと呼ぶことがある。
ハイブリッドレドックスフロー電池の一例は、充電中に、負極上でFe2+が2つの電子を受け取り、鉄金属として堆積し、放電中に、鉄金属が2つの電子を失い、Fe2+として再溶解する、反応のための電解質として、鉄を使用する。正極上では、充電中に、2つのFe2+が2つの電子を失い、2つのFe3+を形成し、放電中に、2つのFe3+が2つの電子を獲得し、2つのFe2+を形成する。
Fe2++2e⇔Fe(負極)
2Fe2+⇔2Fe3++2e(正極)
この反応に使用される電解質は、容易に入手可能であり、低コストで製造することができる(FeCl等)。また、めっき電解質とレドックス電解質に同じ電解質を使用でき、その結果、相互汚染の可能性を排除できるため、再生利用価値が高い。ハイブリッドレドックスフロー電池に用いられる他の化合物と異なり、鉄はめっき中に樹枝状晶を形成しないため、安定した電極形態を提供する。さらに、鉄レドックスフロー電池は、有毒な原材料の使用を必要とせず、同様のレドックスフロー電池電解質とは異なり、比較的中性のpHで動作する。従って、それは、製造中の現在の全ての先進電池システムの中で最も環境的に有害でない。
本発明者らは、上記システムの様々な問題点を認識している。すなわち、低温または高充電電流などの特定の極端な充電条件下では(これにより、急速充電条件のために、負極でFeが急速に生成する。)、鉄めっきにストレスがかかり、負極に亀裂および剥離が生じる可能性がある。したがって、より高いめっき応力は、負極を劣化させ、レドックスフロー電池セルの容量および効率を低下させる可能性がある。
上記の問題に少なくとも部分的に対処する一つのアプローチは、以下を含む鉄レドックスフロー電池システムを動作する方法(a method of operating)である。鉄レドックスフロー電池セルのめっき電極をめっき電解質に流体的に接続する(coupling)工程;鉄レドックスフロー電池セルのレドックス電極をレドックス電解質に流体的に接続する工程;延性めっき添加剤をめっき電解質およびレドックス電解質の一方または両方に流体的に接続する工程;並びに、めっき電極におけるめっき応力の増加に応答して、めっき電解質に対する延性めっき添加剤の量を増加させる工程。
別の実施形態では、鉄レドックスフロー電池システムを動作する方法が、鉄レドックスフロー電池(IFB)セルに印加される充電電流密度が閾値充電電流密度を超えて増加するのに応答して、延性めっき添加剤の濃度をめっき電極に流体的に接続されるめっき電解質中の閾値濃度を超えて上昇させる工程を含むことができる。
別の実施形態では、レドックスフロー電池システムは、以下を含むことができる。めっき室およびレドックス室を含むレドックスフロー電池セル;めっき室内のめっき電解質に流体的に接続しためっき電極;レドックス室内のレドックス電解質に流体的に接続したレドックス電極;めっき電解質およびレドックス電解質の一方または両方に流体的に接続した延性めっき添加剤;並びに、充電電流密度が閾値充電電流密度を超えて増加するのに応答して、めっき室およびレドックス室の一方または両方における延性めっき添加剤の濃度を上昇させる実行可能な命令を含む、制御装置。
このようにして、延性のあるFeを負極上にめっきすることができ、鉄レドックスフロー電池の性能、信頼性および効率を維持することができる。さらに、鉄をより迅速に製造し、めっき電極でめっきすることができるので、全ての鉄フロー電池の充電率を高めることができる。
特許又は出願ファイルには、カラーで作成された少なくとも一つの図面が含まれる。カラー図面を含むこの特許又は特許出願公開の写しは、請求及び必要な手数料の納付があったときは、特許庁(Office)によって提供される。
図1は、開示されたハイブリッドフロー電池システムの例示的実施形態である。
図2は、図1の開示されたハイブリッドフロー電池システムの断面を示す。
図3は、鉄イオンのプルーベ・ダイヤグラムである。
図4は、開示された方法を使用するハイブリッドフロー電池システム内の例示的な制御手順(routine)を示す。
図5は、鉄および4種の異なる酸性化合物から形成される例示的化合物を示す。
図6は、異なる鉄濃度を有する二種の電解質のFe電位対PHをグラフで示す。
図7は、数種の酸の、Fe:酸濃度に対するクーロン効率をグラフで示す。
図8は、4種類の酸添加剤の、クーロンめっき効率対pH比をグラフで示す。
図9は、開示されたシステム用の電解質プローブの例示的実施形態を示す。
図10は、例示的な電解質の色をpHの関数としてグラフで示す。
図11は、例示的なレドックスフロー電池システムの概略図である。
図12は、例示的なレドックスフロー電池セルアセンブリの概略図である。
図13及び図14は、めっき電極の写真である。
図15は、レドックスフロー電池システムの動作方法の一例を示すフローチャートである。
図16は、充電電流密度対電解質温度のプロットである。
詳細な説明
上述したように、全鉄レドックスフロー電池(IFB)に使用されるめっき電解質は、充電中に、負極から二つの電子を受け取り、Feを形成し、基板上に固化することができるように、十分な量のFe2+を提供することができる。放電中、固化したFeは、2つの電子を失い、イオン化してFe2+となり、電解質中に溶解して戻る。上記反応の平衡電位は−0.44Vであり、したがって、この反応は目的のシステムに対して負端子を提供する。IFBの正側では、充電中に、電解質はFe2+を提供し、電子を失い、Fe3+に酸化する。放電中、電解質によって提供されるFe3+は、電極から提供される電子を吸収することによってFe2+となる。この反応の平衡電位は+0.77Vであり、目的のシステムに対してより正の端子を作製する。
IFBは、非再生電解質を利用する他の電池タイプとは対照的に、その電解質を充電および再充電する能力を提供する。充電は、電極間に電流を印加することによって達成される。めっき電極は、電子がレドックス電極を介して電解質に送達できるように、電圧源の負側に接続されてもよい。したがって、Fe2+はFe3+に酸化され、その後の放電のために電解質によって溶解される。負極に提供された電子は、電解質によって提供されたFe2+を還元して、めっき基板にFeを形成し、それを放電のために電極上にめっきさせることができる。
Feは酸化のためにめっき電解質中に残り、Fe3+は還元のためにレドックス電解質中に残る間、放電を維持することができる。後者は、電解質の濃度または体積を電池の正側に増加させて、電解化学物質の外部タンクを介してFe3+イオンを提供することによって維持することができる。制限因子は、より一般的には、電池の負側に固化するFe量であり、その結果、鉄がめっきすることができる基板の表面積および体積、ならびにめっき効率に比例する。充電は同じ機構によって制限され、イオンが還元に利用可能であれば、Feとして固化し、同様に、必要に応じて追加の電解質を提供する外部タンクによって補助されてもよい。
上記反応において、めっき電解化学物質はFe2+を提供し、レドックス電解化学物質は当該システムの充電状態に依存してFe3+およびFe2+を提供する。めっき電解質およびレドックス電解質中の鉄イオンの使用は、電池の両側に同じ電解化学物質を使用する能力を提供し、最終的にシステムの効率を低下させ、最終的に電解質の置換をもたらす、電解質の相互汚染を最小化する。同様のシステムでは、電解質の再生利用価値が低いと、メンテナンス費用が高くなることがある。さらに、FeClおよびFeClなどの安価な材料を用いて、電解質を製造することは、費用効果が高い。
鉄の電子配置は、基板上でほぼ均一な固体構造に固化することを可能にする。同様のレドックス電池で通常用いられる金属(亜鉛等)では、めっき中に固体構造が樹枝状晶を形成する場合がある。IFBの安定した電極形態は、他のフロー電池と比較して、電池の効率を高める。さらに、電池には有害な原材料が使用されておらず、通常pH1〜3で動作する電解質を使用しているため、現在生産されている最新の電池システムの中では最も環境への負荷が少ない。
しかし、IFBは性能と効率の損失に寄与するいくつかの重要な問題を持っている。特に、電池効率の損失は、電解質が膜バリアを通過することによって生じる。レドックス電解質中の第二鉄イオンは、濃度勾配によってめっき電解質に向かって駆動される。膜バリアを透過した第二鉄イオンは、負側の鉄金属と反応し、クーロン効率の損失を生じる可能性がある。(酸性度が高い)レドックス側から(酸性度が低い)めっき側に侵入した第二鉄イオンは、Fe(OH)の生成及び沈殿(precipitation)を引き起こす可能性がある。この沈殿は、イオン交換膜の有機官能基を汚したり、微孔性膜の小さな細孔を詰まらせたりする可能性がある。いずれの場合も、膜のオーム抵抗は時間とともに上昇し、電池性能は低下する。付加的なクーロン効率の損失は、1)Hの還元とそれに続くHの生成、2)酸性電解質から放出されるHイオンがめっきした鉄金属と反応してHを生成すること、に起因する可能性がある。副反応は、充電中に電池の負側に水素ガスを発生させる可能性がある。
酸化および第二鉄イオンのクロスオーバに起因するFe(OH)沈殿物の形成は、バリアファウリングを引き起こす可能性がある。結果として生じるセパレータ細孔の閉塞は、高い電池オーム抵抗および低い電池性能を引き起こす可能性がある。加えて、レドックス電極(Fe2+/Fe3+対)は、炭素電極表面上に蓄積する不動態化酸化膜のために、サイクル中に性能損失を経験する可能性がある。
図1は、IFBの実施形態の一例を示している。めっき電解質は、めっき電解質タンク100に貯蔵され、レドックス電解質は、レドックス電解質タンク101に貯蔵され、めっき電解質およびレドックス電解質は、FeClまたはFeClなどの水に溶解する適切な塩であることができる。めっき電解質とレドックス電解質の両方で、モル濃度が異なる同一の塩を使用することができ、IFBの特徴は、異なる反応性化合物を有する電池では利用できない。両方のタンクは、フロー電池の正反応器124(レドックス室)および負反応器122(めっき室)に流体的に接続されてもよい。正反応器124は、正極116(レドックス電極)に流体的に接続され、負反応器122は、負極114(めっき電極)に流体的に接続される。充電中、電流または電圧源が、レドックスフロー電池セルの負端子および正端子にわたって印加される;電子はめっき電解質の還元によりめっきが行われる負極に供給され、電子はレドックス電解質の酸化により正極から供給される。
負反応器および正反応器、並びにそれらのそれぞれの電解質を隔てるバリア120は、レドックス電解質とめっき電解質との間に配置され、電解質のクロスオーバを防止し、イオン伝導性を提供するために、イオン交換膜または微孔性膜などの膜バリアとして具現化することができる。センサ102および104は、pHを含む電解質の化学的特性を決定するために使用することができ、光学センサとして具現化することができる。プローブ126および128は、追加的または代替的に、電解質の(後述する)化学的特性を決定するために使用することができる。他の実施形態は、めっき電解質プローブ、めっき電解質センサ、レドックス電解質プローブ、レドックス電解質センサ、またはこれらのいくつかの組み合わせを有していてもよい。プローブは、負反応器122および正反応器124内のIFBの反応部分内に配置することもできる。酸添加剤は、追加タンク106および108内に配置することができる。これらは異なる添加剤を含み、異なる手順によって制御することができる。他の実施形態では、IFBは、正側添加剤または負側添加剤のいずれかを有してもよく、両方を有していなくてもよい。正側添加剤は、正添加剤ポンプ112によって正反応器124内に加速することができる。;負添加剤は、負添加剤ポンプ110によって、負反応器122内に加速することができる。あるいは、電解質添加剤は、タンク100および102内にポンプで送り込むことができる。正添加剤および負添加剤ポンプ110および112は、それらに通信可能に接続された制御システムを介して作動させることができる。制御システムは、プローブ126、プローブ128、センサ102、センサ104、またはそれらの任意の組み合わせに応答できる。電解質を、ポンプ130によって反応器から汲み上げることができる。
図2は、ハイブリッド全鉄フロー電池の例示的なセルの断面図を示す。最上層は、炭素、グラファイトまたはグラファイト複合材料で構成されたレドックスプレートを示す。レドックス電極は、レドックスプレートに隣接(adjacent)しており、グラファイトまたは炭素繊維で構成されていてもよい。膜はレドックス電極およびめっき電極に直接隣接しており、それらの中の電解質を分離する。例示的なめっき電極は、充電中にFeが固化する基板構造を含むことができる。複数のセルで構成されるIFBでは、隣接するセルの次のレドックスプレートは、めっき電極に隣接する裏面であってもよい。
IFBにおけるサイクル性能損失は、電解質の安定性の性質に起因する可能性がある。図3は、電解質の安定性の問題を説明するのに役立つプルーベ・ダイヤグラムを示す。図3の縦軸は、標準水素電極に対する電位(voltage potential)を表し、横軸はpHを表す。充電中、Fe2+は2つの電子を受け取って、Feとなる。ただし、反応はHの還元とそれに続くHの形成と競合する。その結果、電解質は、電池の負側のpH3〜6の範囲で安定化する傾向がある。
充電中、電池の正側のFe2+は一電子を失い、Fe3+を形成し、Fe3+は、Fe2+よりもはるかに低い対数酸解離定数(pKa)を有するイオンである。したがって、より多くの第一鉄イオンが第二鉄イオンに酸化されると、電解質は1未満または1に近いpHで安定化する傾向がある。
電池動作中のバリアの両側の濃度勾配は、レドックス電解質からめっき電解質へのFe3+の量を駆動する。めっき電解質からレドックス電解質へのpHの(1から3〜6への)劇的な変化により、FeOH2+およびFe(OH)種が形成し、沈殿する。これらの沈殿物は、イオン交換膜の有機官能基を被毒したり、あるいは、微孔性膜の小さな細孔を詰まらせたりして、膜を劣化させる。その結果、電池のオーム抵抗が上昇する。沈殿物は、酸で電池を洗浄することによって除去できるが、継続的なメンテナンスは、商業的用途における電池使用を制限し、電解質の定期的な調製にも依存する。しかしながら、開示された方法は、これらの反応を示し、これらの反応に寄与する電解質pHの指示(indication)に応答して、電解質に特定の有機酸を添加することにより、上記反応を抑制する。
酸性添加剤は、図4に示す例示的な方法を使用して添加することができる。電解質は、200でIFB内のそれぞれの電極を介してポンピングすることができる。202で、Feプローブを使用して、電池のpHを電解質中で測定し、めっき電極中のAg/AgClまたはH2電極などの参照電極に対する電解質電位を測定することができる。あるいは、pHは、さらに議論される方法を介して、光学センサを使用して、電解質の反射スペクトルを測定することによって監視することができる。さもなければ、特定されていない他のpH感知装置をpH測定のために使用することもできる。温度及び他の動作条件を監視するセンサはまた、制御システムに通信可能に接続され、開示された方法内で電解質pHと共に使用されてもよい。これらの追加のセンサによって提供される情報は、本明細書でシステム制御変数として使用される場合、用語「pH」の動作定義に含まれ得ることに留意されたい。
開示されたシステムにおいて、センサおよび/またはプローブは、電解質のpHを制御システムに伝達することができる。めっき電解質のpHがpH>4などの閾値を超えることが判明した場合、制御システムは、204でめっき電解質に添加できる事前設定された量の調製酸の放出を作動することができる。レドックス電解質のpHがpH>1などの閾値を超えることが判明した場合、制御システムは、レドックス電解質への事前設定された量の調製酸の放出を作動させることができる。負側および正側に添加される酸添加剤は、同一であっても異なっていてもよく、塩酸、ホウ酸、アスコルビン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、イソアスコルビン酸、マロン酸、グリコール酸、またはそれらの任意の組合せを含むが、これらに限定されない。このプロセスは、202に戻り、再びpHを測定し、pHが閾値を下回るまで、このプロセスを繰り返すことができる。pHが閾値を下回る場合、IFBは充電または放電を継続できる。
開示された実施形態では、電解質に特定の化学物質(酸添加剤)を添加することにより、上記問題のある反応を抑制することができる。電解質への酸添加剤は、レドックス電解質からめっき電解質へのFe3+クロスオーバを安定化することができ、したがって、当該実施形態で使用される酸添加剤は、特定の化学的特性を有する。短鎖(<6C)および−OH基および/または−COOH基を有する有機化学物質である化学添加剤は、これらのイオンと大きな錯体を形成することによって、第二鉄/第一鉄イオンを安定化することが求められている。より短い炭素鎖は、これらの有機酸がバッテリ充電中に炭素形成の副反応を有する可能性があるため、バッテリ全体のクーロン効率に及ぼすこれらの有機酸の負の効果を最小にすることが求められる。添加について検討した酸とその特性の一部を以下の表1に示す。
第一鉄/第二鉄イオンとの錯体構造のいくつかの例を図5に示す。
本発明者らは、H−セル装置を使用して、これらの添加剤およびFeめっきクーロン効率による電解質安定性を測定した。浴は、0.5mol/lのFeClおよび種々の比率の有機酸の1種を含む脱イオン蒸留水と、試薬グレードの化学物質とから調製した。浴の初期pHは2〜3の範囲で、調整しなかった。グラファイト棒をめっき電極として使用して、グラファイトプレートをレドックス電極として使用した。電着は、10mA/cm2の定電流密度で行い、浴は室温に保った。H還元電流は、Fe堆積よりも高い貴電位で拡散制限電流に達し、したがって、攪拌と共に増加するので、浴攪拌は電流効率を減少させるため、浴を攪拌しなかった。Fe2+からFeのみが堆積したと仮定して、電流効率を所定の電荷量で得られた堆積物の重量から評価した。堆積物中の炭素および酸素含有量が比較的低いため、この仮定は妥当である。
種々の溶液pHおよび異なるFe対有機酸比でのIFB電解質中の鉄表面の平衡電位を図6に示す。示されるように、Fe平衡電位は、pH1〜pH4の間でわずかに減少し、次いで、平衡電位は、pHとともに著しく上昇する。この上昇は、より高いpHレベルで鉄表面上に形成される酸化鉄の薄層に起因する。IFBを作動させる場合、電解質のpHが4から5に変化すると、電池めっき平衡電位は、50mV悪化する可能性があり、その結果、IFB性能は50mV悪化する可能性がある。
pHの関数としてのFe電位は、図6にグラフで表される。図6に示される関係は、開示されたシステムにおいてpHを測定するために制御システムによって使用できる。一実施形態では、制御システムは、Fe電位を測定し、図6に示す関係、または対応するFe濃度についての同様の関係を使用して、pHを決定することができる。pH測定は、図4に記載された方法で使用することができ、他の実施形態では、制御システムは、図6に示された関係によって決定される所望のFe電位を達成するために、酸添加剤の添加を開始または増加させることができる。
これらの有機酸を種々の比率で使用したFeめっきのクーロン効率を図7に示す。図7に示した関係は、開示された実施形態のいくつかにおいて、使用される酸添加剤の化学組成を決定できる。例えば、85%を超えるクーロンめっき効率が望まれ、酸添加剤としてマロン酸が使用される場合、制御システムは、20%を超えるFe/酸比を維持することができる。この比は、電解質の体積および組成に基づいてもよい所定の最大量の酸添加剤を介して維持することができる。図7に示すように、ホウ酸、アスコルビン酸、L−アスコルビン酸、グリコール酸、酢酸およびマロン酸は全て、高いFe対酸比において、高いFeめっきクーロン効率を示す。(鉄酸比がより低い)より多くの酸が電解質に添加されると、めっきクーロン効率は低下する。これは、充電中に有機酸から炭素が生成するためである。このチャートは、電池に使用される有機酸の範囲を定義するために使用された。
さらに、いくつかのFe:有機酸比について同じHセル試験を実施して、図8に示すようなめっき側の種々のpHでのクロスオーバ第二鉄イオンの安定性を調査した。開示されたシステムのいくつかの実施形態では、図8の結果を制御システムによって使用して、所望のクーロン効率を達成するために電解液の所望のpHを決定した。一例として、図8は、異なるめっき溶液のpHレベルに対する鉄めっきのクーロン効率をグラフで示す。表2と図8に示すように、酢酸およびグリコール酸(不図示)のみでは、高pHでのクロスオーバ第二鉄イオンを安定化させることはできない。しかしながら、アスコルビン酸またはイソアスコルビン酸のみでは、クーロン効率の低下につながるC形成のために、有機酸として使用するには理想的ではない。炭素形成は、アスコルビン酸のみを含む浴からめっきした鉄膜上での電子顕微鏡走査によって検出した。
したがって、開示されたシステムのいくつかの実施形態では、有機酸添加剤の組み合わせを利用して、性能、効率、および安定性について最適な鉄めっき浴を達成することができる。例示的な実施形態では、FeClおよびNaClの電解質液、第一の酸(ホウ酸等)を、H2副反応抑制および高いクーロン効率のために添加することができる。さらに、第二の酸(アスコルビン酸等)を第二鉄イオンの安定性のために添加することができ、第三の酸(グリコール酸等)を炭素形成を最小限にするために添加することができる。
pHに対する電解質感度を緩和するために、例示的な電池は、図9に示す鉄電位プローブを使用することができる。プローブは、Ag/AgClワイヤまたはH2電極などの参照電極と組み合わせてクリーンな鉄ワイヤで製造することができる。プローブは、Fe電位を経時的に監視することができる電解質タンク内に配置することができる。電解質のFe電位が上昇する(drift up)と、計算された少量の酸を電解質に加えてpHを調整することができる。管理しているpHに応じて添加する電解質添加剤の量を調節することにより、電解質を、より正確に、レドックスのための、理想的なpHおよび組成に維持することができる。
図9の実施形態は、めっき電極内の対応するpHおよびFe上の電位を測定するために使用することができるFe電位プローブである。電位プローブは、金属中の電子が既知の速度で酸化しないか、または酸化するように、鉄または他の不活性もしくは準不活性金属で構成されたワイヤであり得る、不活性電極9206を有してもよい。参照電極9204は、銀(Ag)およびAgClなどのAg塩またはH2参照電極を含むワイヤであってもよい。例えば、一実施形態では、Fe上の溶液電位を測定するために、Feプローブをめっき電解質中に配置することができる。さらに、Feは、電池のめっき側のpHおよび溶液電位を表してもよい。電極は、低導電性または非導電性の任意の材料から構成され得る絶縁体9202によって互いに電気的に絶縁されてもよい。熱収縮9200は、Feおよび参照電極を設定距離に保つように機能する。
開示されたシステムの他の実施形態では、電解質のpHは、プローブとは独立して、またはプローブと組み合わせて使用することができるセンサによっても監視することができる。一実施形態では、光学センサは、液体を通る周囲光の吸収スペクトルを測定して、対応するpHを決定することができる。鉄イオンの安定性を高めるために、キレート有機酸を電解質に添加した場合、光学センサを使用して、電池の充電状態を監視することもできる。これは、キレート鉄錯体が異なるpHで異なる色を示すためである。例えば、キレート剤としてアスコルビン酸を使用する場合、鉄溶液の色は緑色から紫色に、次いで黒色に変化し、pH2からpH6に変化する。
センサに通信可能に接続された制御システムは、図10に示されるpH対色関係を使用してpHを決定することができる。ここで、グラフで示されるpH−色関係は、縦軸が炭素原子当たりのH結合の平均数を表し、横軸がhの対数表現である。示されるように、低pH(C当たりのより多いH結合数)では、溶液は緑色または淡色であり、遊離Hの数が増加すると(pHが上昇すると)、溶液は紫色になり、最終的に遊離H+の平均数が最大のときに黒色になる。電解質を透過および/または電解質によって反射される、既知の光源からの光または周囲光の波長を測定することによって、電解質のpHを決定することができる。
例示的な実施形態では、白色光を電解質の表面に入射させることができる。センサ内で分光器を利用して、電解質によって反射される光の波長を決定することができる。反射および/または透過波長が、例えば(紫の色相に対応する)450nm未満であることが判明した場合、酸添加剤をこの溶液に添加して、電解質pHを低下させることができる。さらに、分光器は電解質の吸収スペクトルを監視し続け、反射および/または透過波長が(緑の色相に対応する)510nmなどの閾値を超えることが判明した場合、酸添加剤の添加を終了することができる。
IFBの負側では、充電中にFe2+が二つの電子を受け入れて、Feを形成する。電池の負側での競合反応(Hが1つの電子を受け取り、Hを形成する)は、IFBの負側の電解質がpH2からpH6までのサイクルにわたって上昇する傾向をもたらすので、開示されたシステムの実施形態は、上記のプローブおよびセンサを使用して、pH変化を監視することができる。
先に図6に示したように、pH変化は、より高いpHレベルで上昇するFe平衡電位のために、電池の最大100mVの見かけ上の性能損失をもたらし得る。性能損失を軽減するために、上述のような、開示されたFe電位プローブまたは光学センサの実施形態を使用して、電池の充電状態および電解質のpHレベルを監視することができる。
電池のめっき電解質の操作ウィンドウは、pH3〜4の間である。したがって、一実施形態では、Fe電位プローブまたは光学センサのいずれかがpHレベル4を超える場合、めっき電解質液に事前に計算した少量の酸を加え、めっき電極を最適なpH範囲に戻すことができる。その結果、電池性能を安定化させることができる。
ここで、図11を参照すると、制御システム1190、ならびに、めっき電解質タンク100、レドックス電解質タンク101、および追加のタンク106と108に、流体的に接続されたレドックスフロー電池セルを含む、別の例のレドックスフロー電池システム1100の概略図が示されている。追加タンク106および108は、それぞれ、以下に説明するように、(上述のような)めっきおよびレドックス電解質のpHを変更するための酸添加剤、または、めっき電極114で迅速な延性Fe生成のための延性めっき添加剤(DPA)などの添加剤を貯蔵するための、1つまたは複数の貯蔵タンクを含むことができる。DPAは、添加剤ポンプ110および112を介して、めっき電解質タンク100およびレドックス電解質タンク101にそれぞれ送達され得る。さらに、追加のタンク106および108のそれぞれが、複数の種類の添加剤を貯蔵するための一つまたは複数の貯蔵タンクを表す場合、添加剤ポンプ110および112はそれぞれ、同様に、相互汚染を低減するために、追加のタンクの一つから複数の種類の添加剤のうちの一種を送達するためのそれぞれ専用の複数のポンプを表すことができる。他の実施形態では、酸添加剤またはDPAなどの添加剤が、めっき電解質タンク100および/またはレドックス電解質タンク101に直接添加されてもよい。そのような例では、追加の貯蔵タンク106および108、ならびにポンプ110および112は存在しなくてもよい。負および正の電流コレクタ1180および1182は、充電中に電圧または電流源に導電的に接続されてもよく、放電中に負荷に電力を供給するために導電的に接続されてもよい。充電中、制御システム1190は、電流コレクタ1180および1182を介して、レドックスフロー電池セルに供給される充電電流密度(CCD)を調整するために、電圧または電流源に導電的に接続されてもよい。
さらに、レドックスフロー電池システム1100は、めっき電解質およびレドックス電解質にそれぞれ熱的に接続されたヒータ1132および1134を含むことができる。図11の例では、ヒータ1132および1134は、めっき室122およびレドックス室124に熱的に接続されている。別の例では、ヒータ1132および1134は、めっき電解質タンク100およびレドックス電解質タンク101内に配置されてもよい。ヒータ1132および1134は、制御システム1190によって制御されて、めっきおよびレドックス電解質にそれぞれ供給される温度および熱量を調節することができる。センサ1138および1136は、温度センサ、pHセンサおよび導電性センサを含むことができ、それぞれ、めっき及びレドックス電解質の状態を示す、信号を制御システム1190にそれぞれ送信することができる。さらに、センサ1138および1136は、めっき電極114におけるめっき応力の指示を提供できるセンサを含むことができる。例えば、めっき応力は、より高い温度では、めっき応力がより低くなり得るため、電解質温度によって示すことができる。さらに、特にDPAが電解質に添加される場合、電解質組成は、めっき応力レベルに影響を及ぼす可能性がある。さらに、センサ1138および1136は、スパイラル収縮計、曲げストリップセンサ、及び内部応力センサなどの、めっき電極114における内部めっき応力のより直接的な測定を提供するセンサを含むことができる。別の例では、電解質中の遊離したFe粒子またはフレークは、めっき電極114におけるめっき応力の定量化または推定を補助するために、めっき電解質タンク100(負電解質タンク)の出口で収集することができる。特に、(図11には示されていない)磁化トラップを、めっき電解質タンクの出口に配置して、内部めっき応力の結果として、めっき電極から脱離する遊離したFe粒子またはフレークを、固定または捕捉することができる。トラップで収集されたFe粒子のより高い堆積率は、めっき電極114でのより高いめっき応力を示すことができ、一方、トラップで収集されたFe粒子のより低い堆積率は、めっき電極114でのより低いめっき応力を示すことができる。めっき電極114におけるめっき応力をリアルタイムで推定または決定するために、他の方法または他のセンサの種類を使用してもよい。したがって、制御システム1190は、センサ1138、1136、128、126、102および104のうちの一つまたは複数から送信された信号にそれぞれ応答して、ヒータ1132および1134、添加剤ポンプ110および112、電解質ポンプ130、不活性ガス計量装置1148等を作動することができる。
あるいは、めっき応力は、フロー電池の動作条件に基づいて、経験的に推定またはモデル化することができる。例えば、めっき応力は、充電電流密度、電解質温度、電解質組成、電解質pH、電解質中の添加剤濃度などの1つまたは複数の関数として決定することができる。例えば、めっき応力は、図16のプロット1600に示されるように、電解質温度および充電電流密度に相関してもよい。領域1620は、フロー電池動作条件(電解質温度、および充電電流密度)に対応し、その結果、より高いめっき応力を生じ、めっきされた電極の亀裂のリスクが増大する。対照的に、領域1640は、めっき応力がより低いフロー電池動作条件に対応し、その結果、(めっき電極の亀裂発生のリスクがより低い)電極の延性めっきをもたらす。換言すれば、傾向線(trend line)1630は、それを上回ると、めっき応力が増加してめっき電極品質が低下し、それを下回ると、めっき電極品質が低下する、閾値電解質温度の関数として、閾値充電電流密度をプロットしている。所定の電解質温度に対して、(傾向線1630によって示されるように)閾値充電電流密度を超えて、レドックスフロー電池を動作させると、電極の亀裂および応力めっきより大きくなる可能性がある。所定の充電電流密度に対して、(傾向線1630によって示されるように)閾値電解質温度を超える動作は、より低い応力の延性めっきをもたらす可能性がある。
したがって、制御システム1190は、閾値を超えて増加または減少する一つまたは複数のフローバッテリ動作条件に応答して、ヒータ1132および1134、添加剤ポンプ110および112、電解質ポンプ130、不活性ガス計量装置1148などを作動させることができる。例えば、制御システム1190は、ヒータ1132および1134を作動させて、電解質温度が閾値電解質温度未満に低下するのに応答して、生成され電解質に伝達される熱量を増加させることができる。別の例として、制御システム1190は、レドックスフロー電池電流コレクタに接続された電圧または電流源に導電的に接続されてもよい。充電電流密度が閾値充電電流密度を超えて増加することに応答して、制御システム1190は、電圧または電流源によって供給される電流を減らして、電極の亀裂をもたらす可能性のある高応力めっきのリスクを低減することができる。充電電流密度が閾値充電電流密度未満に減少するように、電圧または電流源によって供給される電流を減少させることは、めっき電極におけるめっきの延性を向上させる可能性がある。別の例では、制御システム1190は、添加剤ポンプ110および/または112を作動させて、めっき電極でのより高いめっき応力の指示(例えば、閾値電解質温度を下回る温度低下、閾値充電電流密度を超える充電電流密度上昇、めっき電解質タンクの出口で回収されるFe粒子の閾値速度を超える速度上昇等)に応答して、フロー電池システムへのDPAの添加速度を増加させることができる。さらに、めっき電解質タンク100およびレドックス電解質タンク101に、直接、DPAおよび他の電解質添加剤を添加する場合、制御システム1190は、めっき電極でのより高いめっき応力の指示に応答して、めっき電解質タンク100および/またはレドックス電解質タンク101へのDPAの添加量または添加速度を増加させることができる。
不活性ガス源1140および不活性ガス計量装置1148を介して、めっき電解質タンク100およびレドックス電解質タンク101に、不活性ガスを導入することができる。めっき電解質タンク100およびレドックス電解質タンク101のガスヘッド空間1110および1112に、不活性ガスをそれぞれ送達することができる。不活性ガスは、めっきおよびレドックス電解質タンク内の酸素の存在を置換および緩和するのに役立ち、それによって、めっきおよびレドックス電解質並びにそれらの中の電解質添加剤(DPAなど)の酸化および劣化を低減することができる。
電池の負極としてFeめっきを使用する場合、電池を急速に充放電することが望ましい。さらに、電池を急速に充電しながら、滑らかで延性のある軟らかいFeの堆積を達成することが望ましい。;言い換えると、より高いめっきおよび脱めっき(deplating)電流密度でFeを堆積させる。金属イオンがより高い電流で電極上にめっきされると、結果として得られる金属は、内部めっき応力で形成されることができる。これらのめっき応力が、十分に高い場合、電極の剥離、亀裂および破壊の影響を受けやすい脆いめっき電極になる可能性がある。めっき電極の剥離または亀裂が発生すると、めっき電極から金属が失われ、レドックスフロー電池セルの放電容量が低下する。さらに、めっき電極から剥離する金属がレドックス反応から分離されるため、レドックスフロー電池システムの効率が低下する。めっき電極DPAは、めっき電解質およびレドックス電解質の一方または両方に導入されて、レドックスフロー電池セルの高充電率充電中のめっき電極におけるめっき応力を緩和するのに役立つことができる。DPAをめっき電解質および/またはレドックス電解質と、流体的に接触させることにより、めっき電極におけるめっき応力を緩和することができる。
例えば、鉄レドックスフロー電池(IFB)セルでは、電解質中の鉄イオンを還元してめっき電極にめっきする際に、めっき電解質中にDPAが存在することにより、充電中のめっき応力を低減することができる。めっき応力を低減することにより、より高い延性とより平滑な表面特性を有する鉄めっき電極を形成することができる。その結果、高いめっき応力によって引き起こされる、電極表面における鉄の亀裂または破壊および剥離は、めっき室および/またはレドックス室にDPAを供給することで、緩和することができる。鉄レドックスフロー電池システムの場合、めっき電解質およびレドックス電解質は、Build of Materials(BOM)電解質としても知られる、ホウ酸、HBO、塩化カリウム、KClおよび塩化第一鉄、FeClを含むことができる。BOM電解質成分の濃度は、1〜2M FeCl、2〜3M KCl、および0.4M HBOを含むことができる。BOM電解質を用いた鉄レドックスフロー電池システムのDPAのいくつかの例は、塩化マンガン、MnCl2、塩化インジウム、InCl、または塩化ビスマス、BiClを含む。図11を参照して上述したように、温度、pH、電解質組成、および充電電流密度(CCD)などのレドックスフロー電池システムの動作条件も、めっき応力に影響を与える可能性がある。
ここで図12を参照すると、正極1234、負極1230、導電性セパレータ1220を含む、例示的なフロー電池セルアセンブリ1200の分解斜視図が示されている。一例において、多孔性セパレータは、図1および図11を参照して上述したように、膜バリアを含んでもよく、導電性セパレータは、圧縮成形複合材を含んでもよい。めっきおよびレドックス電解質は、フロー電池セルの上側および下側にそれぞれ配置された二組の入口および出口電解質ポート1250を介して、フロー電池セルに、およびフロー電池セルから供給できる。導電性セパレータおよび多孔性セパレータは、レドックス電解質をめっき電解質から物理的に分離し、その間のイオン電荷通信を可能にする。フロー電池セルアセンブリは、フロー電池セルの各端部における、プレート1242および1244と、ねじ付きボルトおよびナットを含むことができる、ファスナ1240と、の組み合わせを用いて固定及びシールすることができる。上述のように、負(めっき)電極は、めっき金属がその上にめっきされるプラスチックまたはカーボンメッシュを含むことができる。膜分離器は、二つの電解質(めっきおよびレドックス)室を分離する。負および正の電流コレクタは、2つの圧力プレートの隣に配置され、2つの圧力プレートから絶縁されている。圧力プレートは、フロープレートの両側(either side)に配置され、ねじ、ボルト、またはタイロッドなどの複数のファスナを使用して、それらの間の構成要素をシールして、一緒に固定される。
フロー電池セルアセンブリ1200は、図11に示すレドックスフロー電池システムなどのIFBシステムを用いてDPAを評価するための電極めっき試験を実施するために利用された。試験中、めっきおよびレドックス電解質の酸化を軽減するために、不活性アルゴンガスがめっき電解質タンク100およびレドックス電解質タンク101を通してパージされた。不活性ガスをパージし、めっきおよびレドックス電解質の酸化を軽減することは、電解質に含まれるDPAの酸化を軽減することを含む。DPAの酸化および劣化は、充電中にめっき電極におけるめっき応力を低下させる効果を低減する可能性がある。ポンプを使用して、レドックスフロー電池セルへのアノード液およびカソード液の流量(flow rate)を調節し、電流コレクタの裏側に熱的に接続されたヒータ1132および1134を使用して、レドックスフロー電池セルを、レドックスフロー電池セルから流出するアノード液およびカソード液の温度によって示されるように、所望の温度まで加熱した。より大きな電池スタックの場合、ヒータ1132および1134は、めっきおよびレドックス電解質タンクに配置してもよい。電池の充放電には、電源とDCロードバンクを使用した。
ここで、図13および図14を参照すると、表3に要約されているように、様々なめっき条件下での、IFBめっき電極の写真1310、1320、1410、1420、1430および1440が示されている。充電電流密度(CCD)が60mA/cm2、温度が60℃、電解質pHが1.5、DPAを含まないBOM電解質を含む試験1の基本条件では、めっき写真1310は、めっき応力がより高いことを示す、表面が粗く亀裂が入っためっき電極を示している。試験2の条件下では、電解質pHを1.5から3(弱酸性)に上昇させ、一方、CCD、温度および電解質組成は、基本条件のまま維持した。また、写真1320は、めっき応力がより高いことを示す、粗い亀裂のある表面を有するめっき電極を示している。このように、他の条件を基本条件に維持しながら、pHを1.5から3に上昇させても、めっき応力は軽減されない。
試験3の条件下では、CCDを60mA/cm2から15mA/cm2に下げ、試験1の基本条件で、温度、pHおよび電解質組成を保持した。写真1410および1420に示すように、基本条件(写真1310)に比べて、めっき電極の表面は、はるかに平滑で、亀裂または粗さがなく、延性に優れためっき電極であるとともに、めっき応力も低下していた。したがって、試験1の基本条件で、温度、pHおよび電解質組成を維持しながら、CCDを60mA/cm2から15mA/cm2に減らすと、めっき応力が低減し、平滑で延性のあるめっき電極を得ることができる。試験4の条件下では、試験1の基本条件で、CCD、温度およびpHを維持しながら、DPA、MnClをBOM電解質に6g/Lの濃度で添加する。写真1430および1440に示すように、基本条件(写真1310)と比較して、めっき電極の表面は、はるかに平滑で、亀裂または粗さがなく、延性に優れためっき電極であるとともに、めっき応力も低下していた。したがって、基本条件で、CCD、温度およびpHを維持しながら、DPA(6g/LのMnCl)を添加することにより、めっき応力を低減し、平滑で延性のあるめっき電極を得ることができる。
IFBめっき試験に基づいて,電解質組成およびpHを維持しながら、レドックスフロー電池セル温度を上昇させると、めっき応力を低下させることができ、一方、電解質組成およびpHを維持しながら、レドックスフロー電池セル温度を低下させると、めっき応力を増加させることができる。レドックスフロー電池セル温度は、めっき電解質温度、レドックス電解質温度、めっき室温度、レドックス室温度などのうちの1つまたは複数を含むことができる。さらに、電解質組成、pHおよび温度を維持しながら、充電中に、より高い充電電流密度をレドックスフロー電池セルに印加すると、めっき電極により高いめっき応力を誘導することができ、電解質組成、pHおよび温度を維持しながら、充電中に、より低い充電電流密度をレドックスフロー電池セルに印加すると、めっき電極におけるめっき応力をより低くすることができる。さらに、めっきおよびレドックス電解質が、BOM電解質(例えば、FeCl、KCl、およびHBO)を含む場合、電解質のpHを上昇させても、めっき応力が著しく低下することはない。
しかしながら、MnClなどのDPAを添加することにより、充電電流密度が閾値充電電流密度よりも大きい場合を含めて、めっき電極におけるめっき応力を低減することができる。一例において、閾値充電電流密度は、実際のレドックスフロー電池用途のための典型的な充電電流密度である、60mA/cm2を含むことができる。より高い充電電流密度は、レドックスフロー電池のより速い充電を可能にする。閾値濃度[DPA]THを超えるDPA濃度[DPA]の上昇は、また、めっき応力を減少させ、めっき延性を上昇させるのに役立つことができる。例えば、MnClの濃度[MnCl]を6g/Lの閾値濃度[MnClTHを超えて上昇させると、BOM電解質を有するIFBシステムに対するめっき応力が減少し、めっき延性が向上する。例として、[MnClTHは、0.03M〜3Mの範囲であり得る。InClがDPAとして使用される場合、[InClTHは、0.03M〜3Mの範囲であり得る。BiClがDPAとして使用される場合、[BiCl]は、0.03M〜3Mの範囲であり得る。さらに、DPAよりも多くの組み合わせが、めっきの延性を向上させるために使用できる。
表4および5は、DPA添加剤を評価するためのIFBめっき試験の別のセットのためのフロー電池セル動作条件を示す。各めっき試験は、表4に示す電解質組成を使用して実施した。めっき試験に使用した、電解質温度、充放電電流密度、流量、めっき密度および電極基板表面積を表5に示す。上述したように、IFB電池において延性のある銀のFeめっきを達成することが望ましい。なぜなら、応力(非平滑)Feめっきは、電極の亀裂をもたらし、電極が成長して、膜セパレータに穴をあける可能性があるので、IFBを短絡させるリスクが増大するからである。延性めっきに及ぼす電解質温度と充電電流密度の影響を調査するために、充電電流密度を14から90mA/cmまで、電解質温度を室温(25℃)から60℃まで変化させて、一連のめっき試験を実施した。

ここで、表6に、めっき試験結果を要約した表を示す。表6に示す画像は、より低い温度(例えば、25℃および40℃)でのめっきが、電極のより暗く(dark)、より高い応力めっきをもたらし、一方、より高い温度(50℃および60℃)でのめっきは、電極のより平滑な銀めっきをもたらしたことを明確に示す。第二に、より低い温度では、めっきされた電極は暗く、応力がかけられていたが、それらは必ずしも亀裂を生じなかった。例えば、25℃では、充電電流密度が14mA/cmのときに、Feめっきに亀裂は生じなかったが、充電電流密度を25mA/cmに上げると、Feめっきに亀裂が生じた。同様に、40℃では、Feめっきは、充電電流密度が25mA/cmでより平滑になり、45mA/cmでより暗く、より応力がかかり、54mA/cmで亀裂を生じ始めた。第三に、50℃および60℃の両方で、Feめっきは、より低い電解質温度でのどのめっきよりも著しく優れていた。より高い電解質温度でのめっきは、より均一で、銀色でかつ平滑である傾向があり、めっき電極形態(応力、平滑性、亀裂等)は、充電電流密度に対してはるかに低い感度を示した。実際、IFBシステムは、通常、50℃〜60℃程度の高温で動作するため、この特性は有利である。最後に、50℃および45mA/cmでpHを1.5から4まで変化させた。IFBセルを分解したところ、低pH(1.5)と高pH(4)で動作しためっき試験の間に、めっき品質の差は認められなかった。
表4〜6のめっき試験結果に基づいて、図16に示すように、めっき密度対電解質温度を相関させてプロットした。相関モデル傾向線1630は、IFB制御システム1190アルゴリズムによって参照され、延性めっき領域1640内でIFBシステムの動作を維持するために、電解質温度、電解質組成、および/または充電電流密度を応答的に調整して、電極めっき品質を向上させることができ、めっき電極の亀裂およびより高い応力めっきのリスクを低減することができる。
ここで、図15を参照すると、レドックスフロー電池システムを動作させる方法1500の例示的なフローチャートが示されている。方法1500は、レドックスフロー電池システムの制御システム1190に搭載された実行可能な命令を含むことができる。方法1500は工程1510で始まり、pH、CCD、電解質組成、温度、めっき応力指示器などのレドックスフロー電池システム動作条件が、推定および/または決定される。一例として、制御システム1190は、センサ102、104、126、128、136および138から送信された、様々なレドックスフロー電池動作条件を示す、信号を受信することができる。制御システム1190は、さらに、これらの送信された信号に基づいて、計算を実行して、めっき応力または他の動作条件を推定またはモデル化することができる。方法1500は、工程1520に進み、めっき電解質およびレドックス電解質が、めっき電極およびレドックス電極と流体的に接触する。めっきおよびレドックス電解質を、めっきおよびレドックス電極にそれぞれ流体的に接触させる工程は、めっきおよびレドックス電解質を、めっきおよびレドックス電解質タンク100および101から、それぞれめっきおよびレドックス室122および124に、再循環させるために、ポンプ130を動作する工程を含むことができる。次に、方法1500は、工程1530に進み、一つまたは複数の延性めっき添加剤(DPA)をめっき電解質および/またはレドックス電解質に流体的に接触させる。図11を参照して上述したように、DPAを電解質と流体的に接触させる工程は、追加タンク106および108から、ポンプ110および112を介して、DPAをレドックスフロー電池セルに供給する工程を含むことができる。工程1540において、不活性ガスを、めっきおよびレドック室に供給して、めっきおよびレドックス電解質を浄化することができる。図12を参照して上述したように、不活性ガスは、アルゴンガスを含むことができ、酸素を置換し、電解質の酸化を低減するために、めっき電解質タンク100およびレドックス電解質タンク101のヘッドスペース内に計量供給することができる。窒素およびヘリウムなどの他の不活性ガスを使用することもできる。
方法1500は、工程1550に進み、めっき電極におけるめっき応力が評価される。めっき応力は、1つまたは複数のセンサまたは測定方法を使用して、直接測定されてもよく、あるいは、1つまたは複数のセンサまたは測定方法によって、間接的に推定されてもよく、あるいは、フロー電池動作条件に基づく、経験モデルを通して、間接的に推定されてもよい。上述したように、直接測定法には、スパイラル収縮計、屈曲ストリップセンサ、および内部応力センサが含まれ、工程1550において、めっき応力が増大したかどうか、および/または、めっき応力が閾値めっき応力より大きいかどうかを検出することができる。別の例では、電解質中の遊離したFe粒子またはフレークが、めっき電極114におけるめっき応力の定量または推定を補助するために、めっき電解質タンク100(負電解質タンク)の出口で収集されてもよい。あるいは、めっき応力は、測定されたフロー電池動作条件からの経験的モデルに基づいて、間接的に推定することができる。さらなる例として、工程1552において、方法1500は、充電電流密度、CCDが、閾値充電電流密度、CCDTHより大きいかどうかを判定することができる。CCDの値が大きいと、めっき応力が大きくなる可能性があり、めっき電極の亀裂、剥離、および破壊のリスクが増大する。一例において、CCDTHは60mA/cm2を含むことができる。CCD≦CCDTHの場合、方法1500は、工程1554に進み、制御システム1190は、温度、Tが、閾値温度、TTH未満であるかどうかを判定することができる。温度は、センサ1138、1136、128、126、102および104によって示されるように、めっき電解質温度、レドックス電解質温度、めっきタンク温度、レドックスタンク温度、およびめっき室またはレドックス室からの電解質の出口温度を含む、レドックスフロー電池システム温度の一つまたは組み合わせを含むことができる。
レドックスフロー電池セル温度が上昇するとめっき応力が低下し、TTHを下回るとめっき応力が高くなり、めっき電極の剥離、亀裂、破壊のリスクが高まる。従って、閾値温度は、レドックスフロー電池システムの温度に対応し、この温度未満では、高いめっき応力によるめっき電極の劣化が増進する。一例では、閾値温度は50℃であることができる。他の例では、プロット1600によって示されるように、閾値温度は、傾向線1630によって示されるように、充電電流密度が増大するにつれて上昇することができる。さらに、閾値温度は、DPA濃度が低下するにつれて上昇することができる。さらに、閾値充電電流密度は、電解質温度が上昇するにつれて増大することができ、DPA濃度が上昇するにつれて増大することができる。同様に、閾値DPA濃度は、電解質温度が上昇するにつれて低下することができ、充電電流密度が増大するにつれて上昇することができる。
T≧TTHの場合、方法1500は工程1556に進み、制御システム1190は、延性めっき添加剤の濃度[DPA]が閾値濃度[DPA]TH未満であるかどうかを判定する。DPAをめっき電解質およびレドックス電解質と流体的に接触させて、レドックスフロー電池システムの充電中にめっき電極でのめっき応力を低減させるのを助けることができる。レドックスフロー電池セル電解質中のDPA濃度の上昇は,めっき電極での延性めっきを増加させることができる。例えば、図11〜14を参照して上述したように、IFB電池システムにおけるBOM電解質にMnClを添加することにより、より高いめっき応力に起因するめっき電極の劣化を軽減することができる。BOM電解質を有するIFB電池システムの場合、[DPA]THは6g/Lであることができる。さらに、方法1500は、レドックスフロー電池セルに計量されたDPAの流量を評価し、DPAの流量が閾値流量未満であるかどうかを決定することができる。DPAの流量は、レドックスフロー電池セルとの間の電解質流量、充放電電流密度などに基づいて、めっき室内のDPA濃度の概算推定値を提供する。[DPA]≧[DPA]THの場合、方法1500は終了する。
工程1550において、めっき応力が、閾値めっき応力よりも大きく、工程1552において、CCD>CCDTH、工程1554において、T<TTH、または[DPA]<[DPA]TH(またはDPAの流量<閾値流量)であることに応答して、方法1500は工程1560に進み、制御システム1190は、延性めっきを増加させる(またはめっき応力を低減させる)動作を行う。一例では、工程1562において、制御システム1190は、工程1550において、めっき応力が閾値めっき応力よりも大きく、工程1552においてCCD>CCDTH、工程1554においてT<TTH、または[DPA]<[DPA]TH(またはDPAの流量<閾値流量)であることに応答して、[DPA]を[DPA]THを超えて増加させることができる。[DPA]を増加させることは、電解質へのDPAの流量を増加させることを含むことができる。例えば、制御システム1190は、めっきおよびレドックス室の一方または両方へのDPAの供給速度を増加させるために、計量添加剤ポンプ110および/または112の計量速度を上昇させることができる。さらに、制御システム1190は、レドックスフロー電池セルの温度およびpHを維持しながら、[DPA]THを超えて[DPA]を増加させることができる。制御システム1190は、レドックスフロー電池システムにおける[DPA]を示す一つまたは複数のセンサ102、104、128、126、1138、1136からの信号を受信することができる。
方法1500は工程1564に進み、制御システム1190は、工程1550において、めっき応力が閾値めっき応力より大きく、工程1552において、CCD>CCDTH、工程1554において、T<TTH、または[DPA]<[DPA]TH(またはDPAの流量<閾値流量)であることに応答して、レドックスフロー電池セルに供給されるCCDを減少させることができる。CCDを減少させることは、充電中のめっき電極におけるめっき応力を減少させるのに役立つことができる。一例において、CCDは、制御システム1190によって、CCDTH未満に低減されてもよい。さらに、CCDは、レドックスフロー電池セルの温度および電解質組成を維持しながら低減されてもよい。充電中にCCDを低下させることは電池セルの充電速度を低下させるので、温度を上昇させる、または[DPA]を増加させるなどのめっき応力を減少させる他の方法が、制御システム1190によって優先されて、レドックスフロー電池セルの有用性が維持されてもよい。さらに、工程1566において、制御システム1190は、工程1550において、めっき応力が閾値めっき応力より大きく、工程1552において、CCD>CCDTH、工程1554において、T<TTH、または[DPA]<[DPA]TH(またはDPAの流量<閾値流量)であることに応答して、レドックスフロー電池システムの温度を上昇させることによって、めっき応力を低下させることができる。制御システム1190は、レドックスフロー電池セルに熱的に接続されたヒータ1132および1134を制御することによって電解質温度を調節することができる。例えば、ヒータ1132および1134に供給される電圧を高くすることにより、レドックスフロー電池セルに送達される熱量を増加させることができ、その温度を上昇させることができる。いくつかの例では、温度を閾値温度、TTHを超えて高くしてもよい。さらに、温度を電解質組成およびpHを維持しながら上昇させてもよい。工程1566の後、方法1500は終了する。
このようにして、鉄レドックスフロー電池システムの動作方法は、以下の工程を含むことができる。鉄レドックスフロー電池セルのめっき電極をめっき電解質に流体的に接続する工程;鉄レドックスフロー電池セルのレドックス電極をレドックス電解質に流体的に接続する工程;延性めっき添加剤をめっき電解質およびレドックス電解質の一方または両方に流体的に接続する工程;並びに、めっき電極におけるめっき応力の増大に応答して、めっき電解質に対する延性めっき添加剤の流量を増加する工程。さらに、この方法は、めっき電極におけるめっき応力の増大に応答して、レドックス電解質に対する延性めっき添加剤の流量を増加させる工程を含むことができる。さらに、この方法は、めっき電極におけるめっき応力の増大に応答して、めっき電解質温度を上昇させる工程を含むことができる。また、この方法は、めっき電極におけるめっき応力の増大に応答して、レドックス電解質温度を上昇させる工程、並びに、めっき電解質組成およびめっき電解質pHを維持しながら、めっき電極におけるめっき応力の増大に応答して、めっき電解質温度を上昇させる工程を含むことができる。
レドックス電解質組成およびレドックス電解質pHを維持しつつ、めっき電極におけるめっき応力の増大に応答して、レドックス電解質温度を上昇させることができる。さらに、この方法は、めっき電極のめっき応力の増大に応答して、レドックスフロー電池に印加される充電電流密度を低下させる工程を含むことができる。レドックスフロー電池セルに印加される充電電流密度は、めっき電解質組成およびめっき電解質温度を維持しながら、めっき電極のめっき応力の増大に応答して、低下させることができる。さらに、めっき電解質およびレドックス電解質の一方または両方を不活性ガスでパージしてもよい。さらに、延性めっき添加剤をめっき電解質およびレドックス電解質の一方または両方に流体的に接続させる工程は、MnClをめっき電解質およびレドックス電解質の一方または両方に供給する工程を含むことができ、そこで、めっき電解質およびレドックス電解質は、FeCl、KClおよびHBOを含む。
別の実施形態では、鉄レドックスフロー電池システムの動作方法は、鉄レドックスフロー電池(IFB)セルに印加される充電電流密度が、閾値充電電流密度を超えて増加するのに応答して、延性めっき添加剤の濃度を、めっき電極に流体的に接続されためっき電解質中の閾値濃度を超えて上昇させる工程を含むことができる。さらに、この方法は、IFBセルに印加される充電電流密度が、閾値充電電流密度を超えて増大するのに応答して、延性めっき添加剤の濃度およびめっき電極組成を維持しながら、IFBセルの温度を上昇させる工程を含むことができる。さらに、この方法は、IFBセルに印加される充電電流密度が、閾値充電電流密度閾値未満に低下するのに応答して、延性めっき添加剤の濃度を低下させる工程を含むことができる。
別の実施形態では、レドックスフロー電池システムは、以下のものを含むことができる:めっき室およびレドックス室を含むレドックスフロー電池セル;めっき室内のめっき電解質に流体的に接続しためっき電極;レドックス室のレドックス電解質に流体的に接続したレドックス電極;めっき電解質およびレドックス電解質の一方または両方に流体的に接続した延性めっき添加剤;並びに、閾値充電電流密度を超えて増大する充電電流密度に応答して、めっき室およびレドックス室の一方または両方における延性めっき添加剤の濃度を上昇させる実行可能な命令を含む制御装置。さらに、実行可能な命令は、めっき室およびレドックス室の温度を維持しながら、閾値充電電流密度を超えて増大する充電電流密度に応答して、めっき室およびレドックス室の一方または両方における延性めっき添加剤の濃度を上昇させることを含むことができる。さらに、実行可能な命令は、めっき電解質およびレドックス電解質のpHを維持しながら、閾値充電電流密度を超えて増大する充電電流密度応答して、めっき室およびレドックス室の一方または両方における延性めっき添加剤の濃度を上昇させることを含むことができる。いくつかの例では、レドックスフロー電池システムは、めっき室に熱的に接続されたヒータを含むことができ、実行可能な命令は、閾値充電電流密度を超えて増大する充電電流密度に応答して、ヒータからめっき室に供給される熱量を増加することを含むことができる。
また、めっき電解液の組成を維持しつつ、閾値充電電流密度を超えて増大する充電電流密度に応答して、ヒータからめっき室に供給される熱量を増加させてもよい。さらに、実行可能な命令は、閾値充電電流密度未満に減少する充電電流密度に応答して、めっき室およびレドックス室の一方または両方における延性めっき添加剤の濃度を減少させることを含むことができる。一例において、めっき電解質およびレドックス電解質は、FeCl、KCl、およびHBOのうちの1つまたは複数を含むことができ、延性めっき添加剤は、MnClを含むことができる。
本明細書に開示される構成および手順は、本質的に例示的であり、これらの特定の実施形態は、多数の変形が可能であるため、限定的な意味で考慮されるべきではないことが理解されよう。例えば、上記技術は、他の種類のフロー電池に適用することができる。本開示の主題は、本明細書に開示された、種々のシステムおよび構成、ならびに他の特徴、機能、および/または特性の全ての新規かつ非自明な組合せおよび部分組合せを含む。
以下の特許請求の範囲(claim)は、特に、新規かつ非自明であるとみなされる特定の組合せ及び部分組合せを指摘している。これらの特許請求の範囲は、「an」の要素、「a first」の要素またはそれらと同等物を指す場合がある。このような特許請求の範囲は、2つ以上のこのような要素を必要とすることも除外することもない、1つまたは複数のこのような要素の組み込みを含むと理解されるべきである。開示された特徴、機能、要素及び/又は特性の他の組合せ並びに部分組合せは、現特許請求の範囲の補正、又はこの出願若しくは関連出願における新規特許請求の範囲の提示によってクレームすることができる。
このような特許請求の範囲は、原特許請求の範囲より広い、狭い、等しい、または異なるにかかわらず、本開示の主題に含まれるものとみなされる。

Claims (20)

  1. 鉄レドックスフロー電池セルのめっき電極をめっき電解質に流体的に接続させる工程;
    鉄レドックスフロー電池セルのレドックス電極をレドックス電解質に流体的に接続させる工程;
    めっき電解質およびレドックス電解質の一方または両方に延性めっき添加剤を流体的に接続させる工程;並びに
    めっき電極におけるめっき応力の増加に応答して、めっき電解質に送達される延性めっき添加剤の第1の量を増加させる工程、
    を含む、鉄レドックスフロー電池システムの動作方法。
  2. さらに、前記めっき電極におけるめっき応力の増加に応答して、レドックス電解質に送達される延性めっき添加剤の第2の量を増加させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  3. さらに、前記めっき電極におけるめっき応力の増加に応答して、めっき電解質温度を上昇させる工程を含む、請求項2に記載の方法。
  4. さらに、前記めっき電極におけるめっき応力の増加に応答して、レドックス電解質温度を上昇させる工程を含む、請求項3に記載の方法。
  5. さらに、めっき電解質組成およびめっき電解質pHを維持しながら、前記めっき電極におけるめっき応力の増加に応答して、めっき電解質温度を上昇させる工程を含む、請求項4に記載の方法。
  6. さらに、レドックス電解質組成およびレドックス電解質pHを維持しながら、前記めっき電極におけるめっき応力の増加に応答して、レドックス電解質温度を上昇させる工程を含む、請求項5に記載の方法。
  7. さらに、前記めっき電極のめっき応力の増加に応答して、レドックスフロー電池セルに印加される充電電流密度を減少させる工程を含む、請求項6に記載の方法。
  8. さらに、めっき電解質組成およびめっき電解質温度を維持しながら、前記めっき電極のめっき応力の増加に応答して、レドックスフロー電池セルに印加される充電電流密度を減少させる工程を含む、請求項7に記載の方法。
  9. さらに、前記めっき電解質および前記レドックス電解質の一方または両方を不活性ガスでパージする工程を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記めっき電解質および前記レドックス電解質の一方または両方に前記延性めっき添加剤を流体的に接続させる工程が、前記めっき電解質および前記レドックス電解質の一方または両方にMnClを供給する工程を含み、前記めっき電解質および前記レドックス電解質が、FeCl、KCl、およびHBOを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 鉄レドックスフロー電池(IFB)セルに印加される充電電流密度が、閾値充電電流密度を超えて増加するのに応答して、延性めっき添加剤の濃度を、めっき電極に流体的に接続されためっき電解質中の閾値濃度を超えて上昇させる工程を含む、鉄レドックスフロー電池システムの動作方法。
  12. さらに、前記IFBセルに印加される充電電流密度が、閾値充電電流密度を超えて増加するのに応答して、前記めっき電解質の組成および前記延性めっき添加剤の濃度を維持しながら、前記IFBセルの温度を上昇させる工程を含む、請求項11に記載の方法。
  13. さらに、前記IFBセルに印加される充電電流密度が、前記閾値充電電流密度未満に減少するのに応答して、前記延性めっき添加剤の濃度を減少させる工程を含む、請求項12に記載の方法。
  14. めっき室とレドックス室とを含む、レドックスフロー電池セル;
    めっき室内のめっき電解質に流体的に接続しためっき電極;
    レドックス室内のレドックス電解質に流体的に接続したレドックス電極;
    めっき電解質およびレドックス電解質の一方または両方に流体的に接続した延性めっき添加剤;並びに
    充電電流密度が閾値充電電流密度を超えて増加するのに応答して、めっき室およびレドックス室の一方または両方における延性めっき添加剤の濃度を上昇させる実行可能な命令を含む、制御装置、
    を含む、レドックスフロー電池システム。
  15. 前記実行可能な命令が、さらに、前記めっき室および前記レドックス室の温度を維持しながら、前記充電電流密度が閾値充電電流密度を超えて増加するのに応答して、前記めっき室および前記レドックス室の一方または両方における前記延性めっき添加剤の濃度を上昇させることを含む、請求項14に記載のレドックスフロー電池システム。
  16. 前記実行可能な命令が、さらに、前記めっき電解質および前記レドックス電解質のpHを維持しながら、前記充電電流密度が閾値充電電流密度を超えて増加するのに応答して、前記めっき室および前記レドックス室の一方または両方における前記延性めっき添加剤の濃度を上昇させることを含む、請求項15に記載のレドックスフロー電池システム。
  17. さらに、前記めっき電解質に熱的に接続されたヒータを備え、前記実行可能な命令が、さらに、前記充電電流密度が前記閾値充電電流密度を超えて増加するのに応答して、前記ヒータから前記めっき電解質に供給される熱量を増加させることを含む、請求項16に記載のレドックスフロー電池システム。
  18. 前記実行可能な命令が、さらに、前記めっき電解質の組成を維持しながら、前記充電電流密度が前記閾値充電電流密度を超えて増加するのに応答して、前記ヒータから前記めっき電解質に供給される熱量を増加させることを含む、請求項17に記載のレドックスフロー電池システム。
  19. 前記実行可能な命令が、さらに、前記充電電流密度が前記閾値充電電流密度未満に減少するのに応答して、前記めっき室及び前記レドックス室の一方又は両方における前記延性めっき添加剤の濃度を減少させることを含む、請求18に記載のレドックスフロー電池システム。
  20. 前記めっき電解質および前記レドックス電解質が、FeCl、KClおよびHBOのうちの1種または複数種を含み、
    前記延性めっき添加剤が、MnCl、InClおよびBiClのうちの1種または複数種を含む、請求項19に記載のレドックスフロー電池システム。
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