JP2020507608A - 3’デアミノ−3’−(2”−ピロリン−1”−イル)−5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリンおよび調製方法 - Google Patents

3’デアミノ−3’−(2”−ピロリン−1”−イル)−5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリンおよび調製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020507608A
JP2020507608A JP2019544029A JP2019544029A JP2020507608A JP 2020507608 A JP2020507608 A JP 2020507608A JP 2019544029 A JP2019544029 A JP 2019544029A JP 2019544029 A JP2019544029 A JP 2019544029A JP 2020507608 A JP2020507608 A JP 2020507608A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
pyrrolino
pharmaceutically acceptable
group
deoxyanthracycline
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019544029A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020507608A5 (ja
JP7159177B2 (ja
Inventor
リチャード オルソン,
リチャード オルソン,
ジェラルド ウォルシュ,
ジェラルド ウォルシュ,
Original Assignee
モノパー セラピューティクス インコーポレイテッド
モノパー セラピューティクス インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by モノパー セラピューティクス インコーポレイテッド, モノパー セラピューティクス インコーポレイテッド filed Critical モノパー セラピューティクス インコーポレイテッド
Publication of JP2020507608A publication Critical patent/JP2020507608A/ja
Publication of JP2020507608A5 publication Critical patent/JP2020507608A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7159177B2 publication Critical patent/JP7159177B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/20Carbocyclic rings
    • C07H15/24Condensed ring systems having three or more rings
    • C07H15/252Naphthacene radicals, e.g. daunomycins, adriamycins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • A61K31/7028Compounds having saccharide radicals attached to non-saccharide compounds by glycosidic linkages
    • A61K31/7034Compounds having saccharide radicals attached to non-saccharide compounds by glycosidic linkages attached to a carbocyclic compound, e.g. phloridzin
    • A61K31/704Compounds having saccharide radicals attached to non-saccharide compounds by glycosidic linkages attached to a carbocyclic compound, e.g. phloridzin attached to a condensed carbocyclic ring system, e.g. sennosides, thiocolchicosides, escin, daunorubicin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/20Carbocyclic rings
    • C07H15/24Condensed ring systems having three or more rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H19/00Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof
    • C07H19/02Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing nitrogen
    • C07H19/04Heterocyclic radicals containing only nitrogen atoms as ring hetero atom

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン誘導体、それらの医学的使用、およびそれらを作製するプロセス。2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンおよび13−デオキシアントラサイクリンを、単独投与されたときの各薬物の効果の総計と比べて効力および効能が増加する相乗性治療的効果をもたらす量で同時にまたは順次に患者に投与することができる。強力な抗がん治療的効果をもたらすための2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンおよび13−デオキシアントラサイクリンの組成物または調製物も提供される。

Description

関連出願の相互参照
2017年2月16日に出願された米国特許出願第15/434,617号の優先権を主張し、これによって、該米国特許出願の全内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
本開示は、13−デオキシアントラサイクリンに関し、より詳細には3’−デアミノ−3’−(2”−ピロリン−1”−イル)−5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリンおよびそれらを作製および使用するプロセスに関する。本開示はまた、2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンと13−デオキシアントラサイクリンの相乗的組合せにも関する。
開示内容の背景
アントラサイクリン抗生物質であるドキソルビシンは、最も広く使用され、非常に強力な抗がん剤の1つである。それは、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄芽球性白血病、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、軟部組織および骨肉腫、乳癌、卵巣癌、移行細胞膀胱癌、甲状腺癌、胃癌、ホジキン病、悪性リンパ腫、および気管支癌の処置において有用である広域スペクトルの抗がん活性を有する(ドキソルビシン添付文書、Pfizer Inc.、New York、NY)。アントラサイクリン抗生物質の構造に固有の並外れた殺腫瘍性の潜在能力をさらに開拓するために、何千という合成誘導体が、様々な担持高分子に連結されたそれらの類似体を含めて記述されてきた。
Nagyら(Proc. Natl. Acad. Sci.、93巻、2464〜2469頁、1996年)は、ドキソルビシン(化合物I)を3’−デアミノ−3’−(2”−ピロリン−1”−イル)ドキソルビシン(化合物II;2−ピロリノドキソルビシン)に改変することによって、ヒトおよびマウスのがん細胞に対する抗がん効力が、ドキソルビシンの抗がん効力よりin vitroで500〜1000倍に増加したと述べている。
Figure 2020507608
ドキソルビシンは、細胞の核に急速に侵入し、塩基対間への非共有結合性インターカレーションにより高親和性でDNAに結合し、生体高分子の合成の阻害を引き起こす。ドキソルビシンの生物学的効果は、この酵素(トポイソメラーゼII)の再ライゲーションステップを撹乱させ、三成分のドキソルビシン−DNA−トポイソメラーゼII(トポII)切断可能複合体を形成するトポイソメラーゼII(トポII)毒として作用するその能力に関連するということが一般には認められている。2−ピロリノ−ドキソルビシンは、同じ様式で作用するように見える(Stepankovaら、Biochemical Pharmacology、82巻:227〜235頁、2011年)。これらのアントラサイクリンによるDNA修飾における差異はわずかしかなく、結果としてDNAの立体配座変化が生じる。同様に、DNAの2−ピロリノドキソルビシン修飾がトポイソメラーゼIIの触媒活性を阻害する能力は、ドキソルビシンの能力と大幅に異ならない(Stepankovaら、上記)。
しかし、ドキソルビシンの効力を2−ピロリノ化合物に変換することによって増加させると、2−ピロリノ化合物は細胞傷害性に非特異的になった。したがって、2−ピロリノドキソルビシンは、抗がん効果のために必要とされる用量でまたはそれ未満の用量で毒性または致死性を示す(Jungwirth, Aら、International Journal of Oncology、10巻:877〜884頁、1997年;およびSzepeshazi, Kら、Clinical Cancer Research、7巻:2854〜2861頁、2001年)。その結果、2−ピロリノドキソルビシンは、がんを処置する薬物として有用でなかった。Jungwirthら(上記)およびSzepeshaziら(上記)は、2−ピロリノドキソルビシンを、14位のOHにおいてソマトスタチンまたは黄体形成ホルモン放出ホルモン類似体とコンジュゲートすることによって改変することを示唆した。しかし、これらの改変によって、得られた化合物がある特定の腫瘍に特異的になり、それによって親化合物の広域スペクトル活性が低減された。
Proc. Natl. Acad. Sci.、93巻、2464〜2469頁、1996年 Stepankovaら、Biochemical Pharmacology、82巻:227〜235頁、2011年 Jungwirth, Aら、International Journal of Oncology、10巻:877〜884頁、1997年 Szepeshazi, Kら、Clinical Cancer Research、7巻:2854〜2861頁、2001年
開示内容の概要
本発明によれば、アントラサイクリンの良好な安全性プロファイルおよび広域スペクトルの特徴を保持しながら、広域スペクトルの抗がん効力を増大させる、2−ピロリノ部分を有するアントラサイクリン化合物が提供される。特に、本発明による化合物は、式X:
Figure 2020507608
[式中、
、R、およびRはそれぞれ個別に、HまたはOHであり、
は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
は、OまたはNHであり、
は、2−ピロリノ−ダウノサミンまたは2−ピロリノ−エピダウノサミンである]
により表されるもの、それらの薬学的に許容される塩、それらの重水素化形態、それらのプロドラッグ、それらの異性体、それらの溶媒和物、およびそれらの混合物である。
好ましくは、化合物は、2−ピロリノ−13−デオキシドキソルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシダウノルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシエピルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシカルミノマイシンおよび2−ピロリノ−13−デオキシイダルビシン、ならびにそれらの5−イミノ(R=NH)類似体からなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体である。
本発明は、式Xの化合物と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物にも関する。
本発明の別の態様は、細胞の増殖を抑制する方法であって、それを必要とする哺乳動物に治療有効量の式Xの化合物または式Xの化合物を含む組成物を投与するステップを含む方法に関する。
本発明は、第1の化合物と第2の化合物とを含む治療有効量の相乗的組合せ調製物であって、
第1の化合物が、式X:
Figure 2020507608
[式中、
、R、およびRはそれぞれ個別に、HまたはOHであり、
は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
は、OまたはNHであり、
は、2−ピロリノ−ダウノサミンまたは2−ピロリノ−エピダウノサミンである]
を有する2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、そのプロドラッグ、その重水素化形態、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であり、
第2の化合物が、式:
Figure 2020507608
[式中、
、RおよびRはそれぞれ独立して、HおよびOHからなる群から選択され、
は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
は、OおよびNHからなる群から選択され、
は、糖部分である]
を有する13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、そのプロドラッグ、その重水素化形態、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であり、
治療有効量の相乗的組合せ調製物が、細胞の増殖を抑制する、相乗的組合せ調製物にさらに関する。
好ましくは、第1の化合物は、2−ピロリノ−13−デオキシドキソルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシダウノルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシエピルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシカルミノマイシンおよび2−ピロリノ−13−デオキシイダルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体であり、第2の化合物は、13−デオキシドキソルビシン、13−デオキシダウノルビシン、13−デオキシエピルビシン、13−デオキシカルミノマイシン、13−デオキシイダルビシン、13−デオキシアナマイシンおよび13−デオキシアムルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体である。
本発明のさらに別の態様は、上に開示された相乗的組合せ調製物と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物である。
本発明は、細胞の増殖を、上に定義された第1の化合物と上に定義された第2の化合物の相乗的組合せ調製物で抑制する方法であって、それを必要とする哺乳動物に治療有効量の相乗的組合せ調製物、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、またはその溶媒和物を投与するステップを含む方法にも関する。
第2の化合物がその治療有効量より少ない量で存在する相乗的組合せ調製物を製剤化および投与することができる。第1の化合物がその治療有効量より少ない量で存在する相乗的組合せ調製物を製剤化および投与することもできる。例として、第2の化合物がその治療有効量より少ない量で存在するとき、第2の化合物対第1の成分の重量比は、代表的には約0.005〜約0.10:1、より代表的には約0.01〜約0.10:1であり得る。また、例として、第1の化合物がその治療有効量より少ない量で存在するとき、第1の化合物対第2の成分の重量比は、代表的には約0.005〜約0.10:1、より代表的には約0.01〜約0.10:1であり得る。
本開示のさらに他の目的および利点は、好ましい実施形態だけが、単に最良の態様の例示として示され、説明されているにすぎない以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになる。理解されるように、本開示は、他のおよび異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、本開示から逸脱することなく、様々な明らかな点で改変可能である。したがって、説明は、本質的に例示するものであって、限定するものでないとみなされるべきである。
発明の詳細な説明
以下の説明は、本開示のいくつかの実施形態を詳述するが、本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方式で実施可能であるので、その適用において、添付の実施例および実験に記載されている化合物の組成物および組合せの詳述に限定されるものではないことを理解すべきである。
本開示に従って採用される2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン化合物は、次式X:
Figure 2020507608
[式中、R、R、およびRはそれぞれ個別に、HまたはOHであり、Rは、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、Rは、OまたはNHであり、Rは、2−ピロリノ−ダウノサミンまたは2−ピロリノ−エピダウノサミンである]
を有する。より代表的な2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンは、2−ピロリノ−13−デオキシドキソルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシダウノルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシエピルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシカルミノマイシンおよび2−ピロリノ−13−デオキシイダルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体(R=NH)である。
アルキル基は、代表的には1〜6個の炭素原子を含有し、直鎖でも、分枝鎖でもよい。好適なアルキル基の例としては、メチル、エチル、i−プロピル、n−プロピル、ブチル、n−ブチル、ペンチル、およびヘキシルが挙げられる。
「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸塩を作製することによって改変された、開示化合物の誘導体を指す。本開示の化合物は、多種多様な有機および無機酸との酸付加塩を形成し、製薬化学で使用されることが多い生理学的に許容される塩を含む。そのような塩も、本開示の一部である。そのような塩を形成するのに使用される代表的な無機酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、次リン酸などを含む。脂肪族のモノカルボン酸およびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸(phenyl substituted alkonic acids)、ヒドロキシアルカン酸およびヒドロキシアルカン二酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸などの有機酸に由来する塩も使用することができる。したがって、そのような薬学的に許容される塩は、酢酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリル酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、o−アセトキシ安息香酸塩、ナフタレン−2−安息香酸塩、臭化物、イソ酪酸塩、フェニル酪酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,4−二酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩(teraphthalate)、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、プロピオール酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、ピロ硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−ブロモベンゼンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(toleunesulfonate)、キシレンスルホン酸塩、酒石酸塩などを含む。
重水素化形態は、ジュウテリウムおよび/またはトリチウムを含めて、重水素を含有する。
本開示の化合物は、別段の指定がない限り、分子の様々な可能な原子における光学異性体および立体異性体すべてに関することが理解される。
「溶媒和物」は、溶媒と溶質の相互作用によって形成された化合物を指し、水和物を含む。溶媒和物は、通常、結晶構造内に溶媒分子を化学量論的または非化学量論的割合で含有する結晶質固体付加物である。
様々な窒素官能基(アミノ)を有する化合物のプロドラッグ形態は、各R基が個別に、水素、置換もしくは非置換アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロ環、アルキルアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、シクロアルキル、またはシクロアルケニル基であり得る、以下のタイプの誘導体を含むことができる。
(a)カルボキサミド、−NHC(O)R
(b)カルバメート、−NHC(O)OR
(c)(アシルオキシ)アルキルカルバメート、NHC(O)OROC(O)R
(d)エナミン、−NHCR(=CHCO2R)または−NHCR(=CHCONR2)
(e)シッフ塩基、−N=CR2。
13−デオキシアントラサイクリンの合成および精製は、米国特許第5,942,605号;同第5,948,896号;および同第7,244,829号で開示され、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。アントラサイクリンを2−ピロリノ−アントラサイクリンに変換するプロセスは、Nagyら(上記)および米国特許第6,184,374号に開示され、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
ドキソルビシン、ダウノルビシン、または他の同様のアントラサイクリンの13−デオキシ形態は、代謝によって心毒性の13−ジヒドロ形態に変換されず、したがって累積的で不可逆的な心毒性がないことが発見された。特に、WO99/08687、米国特許第5,948,896号および同第5,942,605号ならびにPCT/US99/04704を参照のこと。これらの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
5−イミノ−13−デオキシドキソルビシンは、第I相臨床試験で進行性腫瘍を有する患者において試験された(Holstein, SA Investigative New Drugs、2015年、33巻:594〜602頁)。この化合物は、様々な癌腫、肉腫、および膀胱がんにおいて抗がん活性を有した。さらに、この化合物は、アントラサイクリンより比較的軽度の毒性であり、忍容性が良好であった。今まで、そのような13−デオキシアントラサイクリン(deoxyanthracyline)抗がん剤が、2−ピロリノ類似体に変換された場合に増強された抗がん効果を有し、同時に許容される安全性プロファイルを有するかどうか不明であった。以上で指摘したように、2−ピロリノ−ドキソルビシンは、非常に強力であるが、抗がん効能を有するのに必要とされる用量またはその用量付近で毒性および致死性も示す。
式Xの2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンは、抗がん効能、抗腫瘍効能および/または新生物効能を示し、白血病、メラノーマ、肝腫瘍、乳房腫瘍、卵巣腫瘍、前立腺腫瘍、胃腫瘍、膵腫瘍、肺腫瘍、腎腫瘍、結腸腫瘍、および中枢神経系腫瘍を含めて、がん、新生物、または腫瘍を処置するためのすべてのタイプの治療にとって有用である。本開示の処置は、ヒトを含めて哺乳動物において正常細胞(乾癬皮膚細胞など)、がん、腫瘍、および新生物の増殖を式Xの化合物で抑制する方法を提供する。
本開示の医薬組成物は、式Xの1種または複数種の化合物、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、および/またはその溶媒和物を薬学的に許容される担体または賦形剤中に含む。本開示のこれらの医薬組成物は、抗がん治療および細胞増殖性障害の処置において有用である。薬学的に許容される担体または賦形剤は、医薬組成物、組合せ、混合物、および調製物のうちのある形態に化合物を製剤化する技術分野の当業者に周知である。薬学的に許容される担体は、ヒトを含めて哺乳動物への投与に適している1種または複数種の相溶性の固体または液体充填剤、希釈剤、またはカプセル化物質を指す。非経口投与に適している医薬組成物、組合せ、混合物、および調製物は、無菌の形態で製剤化され、許容される希釈剤または溶媒での無菌溶液または懸濁物とすることができる。
医薬組成物に含有されている活性成分の量は、投与経路やビヒクルなどの多くの要因に応じてかなり広範囲に変わり得る。本発明において、医薬組成物は、医薬製剤1mlまたは1グラム当たり約0.1〜1000mgの式Xの2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンを含有することができる。
使用方法では、式Xの2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、および/またはその溶媒和物が、それを必要とする患者に約0.1mg/m体表面積〜約1000mg/m体表面積、より代表的には約10mg/m体表面積〜約500mg/m体表面積の用量で投与される。2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンの用量は、必要に応じた頻度で投与され得る。実際の投与方法は、特定の製剤、組成物、組合せ、混合物、または調製物、処置されている特定のがんまたは増殖細胞障害、および処置されている特定の患者によって変わる。
組成物は、経口、非経口、局所的、または埋め込みを含めて医学的に許容される任意の様式で患者に投与することができる。経口投与は、組成物を錠剤、カプセル、ロゼンジ、懸濁物、溶液、乳濁液、粉末、シロップなどの形態で投与することを含む。好ましい投与経路は非経口投与経路である。
投与の実際の方法および順序は、利用されている式Xの化合物の特定の医薬製剤、処置されている特定のがん、処置されている病状の重症度、および処置されている特定の患者によって変わり得る。構成物の投与の投与量範囲は、年齢、状態、性別、および患者における疾患の程度によって変わることがあり、当業者によって決定され得る。
本発明に従って処置されるがんの例には、乳がん、膀胱がん、カルピ肉腫(Karpi's sarcoma)、急性リンパ芽球性白血病や急性骨髄芽球性白血病などの白血病、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、リンパ腫、軟部組織および骨肉腫、卵巣がん、移行細胞膀胱がんを含む膀胱がん、甲状腺がん、胃癌、ホジキン病、および気管支癌が挙げられる。
13−デオキシアントラサイクリンを2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンに変換することができるかどうかを試験するために、Nagyら(上記)の方法を使用して、糖のアミンを3’−デアミノ−3’−(2”−ピロリン−1”−イル)部分に変換した。一例として、5−イミノ−13−デオキシドキソルビシンIIIを2−ピロリノ−5−イミノ−13−デオキシドキソルビシンIVに変換した。化合物IVを、抗がん活性および効力についてin vitroおよびin vivoで試験した。化合物IIIから化合物IVへの変換を以下に示す。
Figure 2020507608
例として、13−デオキシアントラサイクリンから改善された効力および効能を有する式Xの2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンへの変換を、本開示を例示するためのものであって、限定するものではない以下の合成および生物学的試験に示す。
(実施例1)
5−イミノ−13−デオキシドキソルビシンHCl塩(III、62.4mg、0.1104mmol)を、フラスコ中で10mlのジメチルホルムアミド(DMF)および90mlのジクロロメタンに溶解させた。フラスコを窒素でパージし、次いで10mlのジクロロメタン中の4−ヨードブチルアルデヒド(0.697g、3.535mmol、33当量)を滴下して加えた。次に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.152g、205μL、1.178mmol、11当量)を注射器によって添加し、反応フラスコを箔で包み、室温で1.25時間撹拌した。反応が完了した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定する場合には、メタノール中1%トリフルオロ酢酸(TFA)を20mL添加した。溶液を、回転蒸発によってその元の体積の1/4に濃縮した。エーテル/ヘキサン溶液(1:5、100ml)を添加すると、そのとき、濃紫色の沈澱物が形成された。固体を沈降させ、淡紫色の母液をカニューレによってデカンテーションした。残っている固体を、追加の体積のエーテル/ヘキサン(1:5)で洗浄し、次いでアルミニウム箔で包んだフラスコ中、高真空下にて終夜乾燥した。2−ピロリノ−5−イミノ−13−デオキシドキソルビシンIVは紫色の粉末として、収量61.0mg(0.0878mmol、79.5%)であり、HPLCで測定して、純度92%であった。
(実施例2)
レサズリン蛍光アッセイを使用して、2−ピロリノ−5−イミノ−13−デオキシドキソルビシンIV、5−イミノ−13−デオキシドキソルビシンIII、およびドキソルビシンIのいくつかのがん細胞系に対する増殖阻害効力を評価した。増殖阻害効力は、細胞増殖を50%阻害するのに要した化合物の阻害濃度(IC50)として測定した。がん細胞を、適切な培地の96ウェルプレートに播種し(0.5〜1×10細胞/ウェル)、薬物と共に48時間インキュベートし、次いで非蛍光青色色素レサズリンで24時間処理した(最終濃度、0.01%)。BioTek SynergyHTマルチウェルプレート蛍光計を使用して、蛍光(Ex560nm/Em590nm)を記録した。健全な細胞は、レサズリンを蛍光淡紅色色素レゾルフィンに代謝する。したがって、蛍光は細胞生存率の代わりを務め、細胞傷害性剤の細胞培養に対する効果を決定するのに使用される。5つのヒトがん細胞系および1つのヒト正常細胞系における細胞傷害活性アッセイの結果を表1に要約する。2−ピロリノ−5−イミノ−13−デオキシドキソルビシンIVは、すべてのがん細胞に対して親化合物5−イミノ−13−デオキシドキソルビシンIIIより有意に強力であり、IC50値が、5−イミノ−13−デオキシドキソルビシンIIIのIC50値の27分の1から13分の1であった。2−ピロリノ−5−イミノ−13−デオキシドキソルビシンIVの活性は、ドキソルビシンIの活性より高く、IC50値が、平均するとドキソルビシンIのIC50値より低かった。
化合物を、正常な非がん細胞系である正常なヒト線維芽細胞(HADF)に対しても試験した。2−ピロリノ−5−イミノ−13−デオキシドキソルビシンIVは、HADF(正常)細胞に対する細胞傷害性がドキソルビシンIの半分であった(39.75/18.9)。これらの研究の結果を表1に示す。
化合物を、ドキソルビシン(化合物I)に感受性を示す子宮線維肉腫細胞系MES−SA、およびドキソルビシンに耐性を示す子宮線維肉腫細胞系MES−SA/MX2に対してさらに試験した。これらの結果を表2に示す。
表1.レサズリンアッセイを使用した、化合物IV、化合物III、および化合物Iのヒトがん細胞系および正常細胞系に対する抗増殖活性(IC50)。IC50値は、それぞれが3連で行われた別々の3つのアッセイの平均値(±SEM)である。
Figure 2020507608
化合物IVは、がん細胞の細胞増殖を阻害するのに、平均すると化合物IIIより20倍強力(10.09/0.49)であり、化合物Iより18倍強力(9.06/0.49)であることが示されている。化合物IVは、平均すると、正常な非がん細胞系に対するよりがん細胞に対して81倍強力(39.75/0.49)である。化合物IIIは、平均すると、正常型細胞に対するよりがん細胞に対して5.8倍だけ強力(58.9/10.09)であり、化合物Iは、2倍だけ強力(18.9/9.06)である。したがって、正常細胞に対する、化合物IVのがん細胞への選択性は、化合物IIIに比べて14倍高く(81/5.8)、化合物Iと比べて40倍(81/2)高いことが示されている。この結果は予期しなかったものであり、正常細胞に対するがん細胞への選択性をほとんどまたは全く示さない化合物II(2−ピロリノドキソルビシン)について報告された結果と著しい対比をなしている。はるかに予想外であり、予測できなかったのは、正常細胞に対する、化合物IVのがん細胞への選択性が、化合物I(ドキソルビシン)と比べて40倍高いことが示されていることであった。したがって、有用な治療的実用性を示さない極めて強力な毒素IIをもたらすドキソルビシン(I)の2−ピロリノ類似体の形成と比べて、5−イミノ−13−デオキシドキソルビシン(III)の2−ピロリノ類似体の形成は、強力かつ安全なアントラサイクリンをもたらした。
表2.ドキソルビシンに感受性および耐性を示すヒトがん細胞系に対する化合物IV、化合物III、および化合物Iの抗増殖活性(IC50)。IC50値は、それぞれが3連で行われた別々の3つのアッセイの平均値(±SEM)である。
Figure 2020507608
ドキソルビシン感受性線維肉腫株において、化合物IVは化合物IIIより強力であり、効力の点で化合物Iにほぼ等しい。耐性線維肉腫株において、化合物Iは、予想されるように感受性線維肉腫株における効力の14分の1(7.8/0.55)の効力を示す。一方、化合物IVは、耐性線維肉腫株における効力が、感受性線維肉腫株と比較してほぼ等しい。したがって、化合物IVは、アントラサイクリン耐性細胞系において化合物Iより12倍強力であり、これによって、がんの処置において、がん組織は、化合物IVに耐性を示すようにならないことが示唆される。この特徴は、化合物IIIおよびIに比べて化合物IVにおける有意の改善の結果である。
(実施例3)
肉腫の原発腫瘍増殖モデルに対するin vivo薬物活性を評定するために、ルシフェラーゼを発現するように設計された市販のヒトHT1080線維肉腫細胞(HT1080−luc;PerkinElmer)を使用して、実験を実施した。化合物IIIおよび化合物IVのHT1080−lucに対する阻害効力を、実施例2に記載されている方法によってin vitroで測定した。IC50±SEM(μM)は、化合物IVの場合、3.51±1.79であり、化合物IIIの場合、10.0±6.1であった。HT1080−luc腫瘍は、6週齢の雌性SCIDマウス(Harlan)において、各側腹部への1×10個の細胞の同所性皮下注射によって開始された。腫瘍を6日間樹立させた後、マウスを3つの処置群のうちの1つにランダム化し、1週間当たり3回、緩衝生理食塩水(PBS)中の2.4mg/kgの化合物IVまたは化合物III、またはビヒクル(PBS)を腹腔内注射することによって処置した。結果を表3に示す。in vivo生物発光画像処理の結果に基づいて、化合物IVで処置されたマウスにおける腫瘍進行は、20日目に、PBSのみの処置を受けたマウスにおける腫瘍進行に対して、統計的に有意に低減した。化合物IIIでは、腫瘍進行は有意に低減しなかった。20日目に、腫瘍重量は、化合物IVの場合、53%低減したが、同じ所与の用量の化合物IIIの場合には36%低減したのみであった。これらの結果は、化合物IIIと比べて、所与の用量における化合物IVの効能の増加を示し、上に示されたin vitroの結果と一致している。化合物IVは、マウスによって良好な忍容性が認められ、死亡、ならびに下垂、脊椎前彎、嗜眠、および体重減少などの毒性の明瞭な徴候がなかった。これは、その有効用量範囲において致死性を示すことがある2−ピロリノドキソルビシンとは対照的である。
表3.20日目における平均腫瘍重量。アスタリスク(*)は、PBS処置対照からの有意の減少を示す(p<0.05)。値は、平均値±平均値の標準誤差である。
Figure 2020507608
式Xの2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンの抗細胞増殖性治療的効果は、式Yの13−デオキシアントラサイクリンと式Xの2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンを組み合わせることによって有意に増加する。この増加した治療的効果は、2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンと13−デオキシアントラサイクリンとの予想外の相乗作用の結果である。本開示に従って採用される13−デオキシアントラサイクリン化合物は、次式Y:
Figure 2020507608
[式中、R、R、およびRはそれぞれ個別に、HまたはOHであり、Rは、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、Rは、OまたはNHであり、Rは、第一級アミン基を有するまたはアミン基を有しない糖である]を有するものであり、それらの薬学的に許容される塩、それらの重水素化形態、それらのプロドラッグ、それらの異性体、および/またはそれらの溶媒和物を有する。より代表的な13−デオキシアントラサイクリンは、13−デオキシドキソルビシン、13−デオキシダウノルビシン、13−デオキシエピルビシン、13−デオキシカルミノマイシン、13−デオキシイダルビシン、13−デオキシアナマイシンおよび13−デオキシアムルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体(R=NH)である。
上記の式Yのアルキル基は、上に開示されたものと同じである。
さらに、2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンと13−デオキシアントラサイクリンの組合せを採用する本開示の処置は、抗がん、抗腫瘍および/または新生物効能を示し、白血病、メラノーマ、肝腫瘍、乳房腫瘍、卵巣腫瘍、前立腺腫瘍、胃腫瘍、膵腫瘍、肺腫瘍、腎腫瘍、結腸腫瘍、および中枢神経系腫瘍を含めて、炎症、乾癬、がん、新生物、または腫瘍などの細胞増殖障害を処置するためのすべてのタイプの治療にとって有用である。本開示の処置は、ヒトを含めて哺乳動物においてがん、腫瘍、新生物、および正常細胞の増殖を抑制する方法を提供する。
本開示による構成要素の代表的な組成物、組合せ、混合物、または調製物は、式Xの化合物、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、および/またはその溶媒和物を、式Yの化合物、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、および/またはその溶媒和物と組み合わせたものである。より代表的な組成物、組合せ、混合物、または調製物は、2−ピロリノ−13−デオキシドキソルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシダウノルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシエピルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシカルミノマイシンおよび2−ピロリノ−13−デオキシイダルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択される2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、および/またはその溶媒和物と、13−デオキシドキソルビシン、13−デオキシダウノルビシン、13−デオキシエピルビシン、13−デオキシイダルビシン、13−デオキシアナマイシン、13−デオキシカルミノマイシン、13−デオキシアムルビシンおよびそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択される13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、および/またはその溶媒和物とである。
組成物、組合せ、混合物、または調製物の構成要素は、同時に、別々に、順次に、または連続的に患者に投与することができる。上記構成要素は、経口、非経口、局所的、または埋め込みを含めて、医学的に許容される任意の許容される様式で患者に投与することができる。経口投与は、錠剤、カプセル剤、ロゼンジ、懸濁物、溶液、乳濁液、粉末、シロップなどの形態の組成物、組合せ、混合物、または調製物の構成要素を投与することを含む。好ましい投与経路は非経口投与経路である。
上記構成要素の投与の実際の方法および順序は、利用されている式Xの2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンの特定の医薬製剤および式Yの13−デオキシアントラサイクリンの特定の医薬製剤、処置されている特定のがんまたは細胞増殖障害、処置されている病状の重症度、および処置されている特定の患者によって変わり得る。構成要素の投与の投与量範囲は、年齢、状態、性別、および患者における疾患の程度によって変わることがあり、当業者によって決定され得る。
本開示の医薬組成物は、式Yの13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、および/またはその溶媒和物と混合した式Xの2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、および/またはその溶媒和物を、薬学的に許容される担体または賦形剤中に含む。本開示のこれらの医薬組成物は、抗がん治療および細胞増殖障害の処置において有用である。
薬学的に許容される担体または賦形剤は、医薬組成物、組合せ、混合物、および調製物の形態の化合物を製剤化する技術分野の当業者に周知である。薬学的に許容される担体は、ヒトを含めて哺乳動物への投与に適している1種または複数種の相溶性の固体または液体充填剤、希釈剤、またはカプセル化物質を指す。非経口投与に適している医薬組成物、組合せ、混合物、および調製物は、無菌の形態で製剤化され、許容される希釈剤または溶媒中の無菌溶液または懸濁物であってよい。
医薬組成物に含有されている活性成分の量は、投与経路やビヒクルなどの多くの要因に応じてかなり広範囲に変わり得る。本発明において、医薬組成物は、約0.1〜1000mgの式Xの2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、および/またはその溶媒和物と、約0.1〜1000mgの式Yの13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、および/またはその溶媒和物とを含有することができる。
主題の開示の方法では、式Xの2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、および/またはその溶媒和物が、それを必要とする患者に約0.1mg/m体表面積〜約1000mg/m体表面積、より代表的には約10mg/m体表面積〜約500mg/m体表面積の用量で、より代表的には非経口投与経路によって投与される。本開示の式Yの13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、および/またはその溶媒和物は、それを必要とする患者に約0.1mg/m〜約1000mg/m、より代表的には約10mg/m〜約500mg/mの用量で、より代表的には非経口投与経路によって投与される。2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンおよび13−デオキシアントラサイクリンは、単一の組成物、組合せ、混合物、もしくは調製物として一緒に投与することができ、またはどちらの順序でも別々に、どちらの順序でも順次に、もしくはどちらの順序でも連続して投与することができる。一緒に投与されないとき、第2の化合物は、代表的には第1の化合物の投与から72時間以内に投与される。
2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンの抗がん/抗増殖性治療的効果は、13−デオキシアントラサイクリンによって、毒性の増加なしに有意に増加する。同様に、13−デオキシアントラサイクリンの抗がん/抗増殖性治療的効果は、2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンによって、毒性の増加なしに有意に増加する。この毒性の増加がないことは、2つのタイプの化合物間の相乗作用も一因である。2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンおよび13−デオキシアントラサイクリンの用量は、必要に応じた頻度で投与することができる。投与の実際の方法および順序は、特定の製剤、組成物、組合せ、混合物、または調製物、処置されている特定のがん、および処置されている特定の患者によって変わる。
本開示の式Xの2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンと式Yの13−デオキシアントラサイクリンの組合せの増強された抗細胞増殖作用は、例として、本発明を例示するものであるが限定するものではない以下の生物学的試験で示される。
(実施例4)
線維肉腫細胞系HT1080を使用して、実施例2に記載されているように化合物IVおよび化合物IIIのIC50およびIC10(細胞増殖を10%阻害するのに要する化合物の阻害濃度)を測定した。IC50濃度は、化合物の治療量を表す。IC10は、化合物の非治療的無効量を表す。細胞を継代培養し、96ウェルプレートに5,000細胞/ウェルで播種し、プレートを24時間インキュベートした。インキュベートした後、培地を変え、48時間インキュベートした後、化合物IVおよび化合物IIIのIC50およびIC10を測定した。次いで、IC10濃度の化合物IIIの存在下での化合物IVのIC50およびIC10濃度の化合物IVの存在下での化合物IIIのIC50を、48時間インキュベートした後に測定した。インキュベートした後、20μMの1×PBS中0.1%AlamarBlueを各ウェルに添加した。次いで、プレートを最終の24時間インキュベートした。プレートを、マイクロプレートリーダーにて485/528のex/emで読み取った。
表4.HT1080細胞における化合物IVおよび化合物IIIのIC50およびIC10(マイクロモル濃度)、IC10の化合物IIIの存在下での化合物IVのIC50、およびIC10の化合物IVの存在下での化合物IIIのIC50
Figure 2020507608
化合物IVは、非治療量の化合物IIIの存在下で12倍強力(12.5/1.01)であり、化合物IIIは、非治療量の化合物IVの存在下で35倍強力(63.7/1.78)である。これらの結果は、化合物IVおよびIIIが互いと相乗作用を示すというはっきりした証拠を与える。この結果は、両化合物ともアントラサイクリンであり、同じ機序で働き、したがって組み合わされた場合、相加的にすぎないと予想されるので、予想外である。すなわち、当業者であれば、一方の化合物のIC10濃度が他方の化合物の効力に影響をほとんどまたは全く及ぼさないと予想する。したがって、式Xの2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンと式Yの13−デオキシアントラサイクリンの組合せは、単独で使用される化合物に比べて増加した効力および効能を有する改善された組成物を提供する。
相乗的相互作用は、2つの薬物の組合せの投与の薬理効果が別々に投与された2つの薬物の相加効果より大きいとき生ずる。例えば、30%応答を引き起こす第1の薬物の用量が100単位であり、30%応答を引き起こす第2の薬物の用量が10単位であると仮定する。100単位の第1の薬物に10単位の第2の薬物を加えたものが60%応答を引き起こす場合、2つの薬物間に相加効果がある。しかし、100単位の第1の薬物に10単位の第2の薬物を加えたものが90%応答を引き起こす場合、2つの薬物間に相乗効果または超相加効果がある。化合物が相加的方法で相互作用する場合、当業者は、IC10濃度の化合物IIIの存在下で、化合物IVのIC50が12.53マイクロモル濃度から10マイクロモル濃度に減少すると予想する。しかし、化合物IVのIC50は1マイクロモル濃度に減少した。同様に、当業者は、IC10濃度の化合物IVの存在下で、化合物IIIのIC50が63.37マイクロモル濃度から50マイクロモル濃度に減少すると予想する。しかし、化合物IIIのIC50は1.78マイクロモル濃度に減少した。したがって、本開示の式Xの2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンおよび式Yの13−デオキシアントラサイクリンは、増強した様式でまたは互いと相乗的に作用して、がん細胞の増殖を抑制するための極めて強力かつ有効な組成物、組合せ、混合物または調製物をもたらす。
本開示に沿う場合において、本開示の化合物は、単独でまたは適切な関係で使用することができ、薬学的に許容される担体および他の薬学的に活性な化合物と組み合わせて使用することもできる。活性剤は、医薬組成物中に任意の適当な量で存在することができる。
本明細書に記載される薬学的に許容される担体、例えばビヒクル、補助剤、賦形剤、または希釈剤は、当業者にとって周知である。代表的には、薬学的に許容される担体は、活性化合物に対して化学的に不活性であり、使用条件下で有害な副作用も毒性も示さない。薬学的に許容される担体は、ポリマーおよびポリマーマトリックスを含むことができる。
担体の選択は、組成物を投与するのに使用される特定の方法によって、ある程度決定される。それに応じて、本発明の医薬組成物の好適な製剤が多種多様に存在する。経口、エアロゾル、非経口、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、髄腔内、直腸、および腟内投与のための以下の製剤は、例示にすぎず、決して限定するものではない。
経口投与に適している製剤は、(a)水、食塩水、またはオレンジジュースなどの希釈剤に溶解させた有効量の化合物などの液体溶液;(b)それぞれが所定量の活性成分を固形物または顆粒として含有する、カプセル、サシェ、錠剤、ロゼンジ、およびトローチ;(c)粉末;(d)適切な液体中の懸濁物;ならびに(e)好適な乳濁液からなることができる。液体製剤は、薬学的に許容される界面活性剤、懸濁化剤、または乳化剤を添加してまたは添加することなく、水、シクロデキストリン、ジメチルスルホキシド、ならびにアルコール、例えばエタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、およびポリエチレンアルコール(ポリエチレングリコールを含む)などの希釈剤を含むことができる。カプセル形態には、例えば界面活性剤、滑沢剤、ならびにラクトース、スクロース、リン酸カルシウム、およびトウモロコシデンプンなどの不活性な充填剤を含有する、通常の硬質または軟質シェルゼラチンタイプのものがあり得る。錠剤形態は、以下のラクトース、スクロース、マンニトール、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸、微結晶性セルロース、アカシア、ゼラチン、グアーゴム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、ならびに他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、湿潤剤、保存剤、矯味剤(flavoring agent)、および薬理学的に適合性の担体のうちの1つまたは複数を含むことができる。ロゼンジ形態は、矯味矯臭剤、通常スクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に活性成分を含んでいてもよく、同様に、香錠は、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシア(acadia)などの不活性基剤中に活性成分を含んでいてもよく、乳濁液およびゲルは、不活性基剤中の活性成分に加えて、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアなどを含んでいてもよく、乳濁液およびゲルは、活性成分に加えて、当技術分野において公知であるような担体を含有していてもよい。
化合物単独または他の好適な成分と組み合わせた化合物を、吸入投与するためのエアロゾル製剤にすることができる。これらのエアロゾル製剤を、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、および窒素などの許容される加圧噴射剤中に入れることができる。それらは、非加圧調製物用の医薬品(ネブライザーまたはアトマイザーにおける医薬品など)として製剤化されてもよい。
非経口投与に適している製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および意図されているレシピエントの血液と製剤を等張にする溶質を含有することができる水性および非水性の等張無菌注射液、ならびに懸濁化剤、可溶化剤、粘稠化剤、安定剤、および保存剤を含むことができる水性および非水性の無菌懸濁物が含まれる。化合物は、無菌の液体または液体混合物など(薬学的に許容される界面活性剤(石けんもしくは洗浄剤など)、懸濁化剤(ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、もしくはカルボキシメチルセルロースなど)、または乳化剤、および他の医薬補助剤を添加したまたは添加していない、水、食塩水、水性デキストロースおよび関連糖液、エタノール、イソプロパノール、もしくはヘキサデシルアルコールなどのアルコール、プロピレングリコールなどのグリコールまたはポリ(エチレングリコール)400などのポリエチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールなどのグリセロールケタール、エーテル、油、脂肪酸、脂肪酸エステルもしくはグリセリド、またはアセチル化脂肪酸グリセリドが挙げられる)の医薬担体中の生理学的に許容される希釈剤中のものとして投与することができる。
非経口製剤で使用することができる油には、石油系油、動物性油、植物性油、または合成油が含まれる。油の具体例としては、ピーナッツ、ダイズ、ゴマ、綿実、トウモロコシ、オリーブ、ワセリン、および鉱物が挙げられる。非経口製剤における使用に適した脂肪酸には、オレイン酸、ステアリン酸、およびイソステアリン酸が含まれる。オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルが好適な脂肪酸エステルの例である。非経口製剤における使用に適した石けんには、脂肪アルカリ金属塩、アンモニウム塩、およびトリエタノールアミン塩が含まれ、好適な洗浄剤には、(a)例えばジメチルジアルキルアンモニウムハライドやアルキルピリジニウムハライドなどの陽イオン洗浄剤、(b)例えば、アルキルスルホネート、アリールスルホネートおよびオレフィンスルホネート、アルキルスルフェート、オレフィンスルフェート、エーテルスルフェートおよびモノグリセリドスルフェート、ならびにスルホスクシネートなどの陰イオン洗浄剤、(c)例えば、脂肪アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、およびポリオキシエチレンポリプロピレンコポリマーなどの非イオン性洗浄剤、(d)例えば、アルキルβ−アミノプロピオネートや2−アルキルイミダゾリン第四級アンモニウム塩などの両性洗浄剤、および(e)それらの混合物が含まれる。
非経口製剤は、代表的には、溶液中に約0.5重量%〜約25重量%の活性成分を含有する。好適な保存剤および緩衝剤をそのような製剤で使用することができる。注射部位における刺激を最小限に抑制するまたはなくすために、そのような組成物は、約12〜約17の親水性−親油性バランス(HLB)を有する1種または複数種の非イオン界面活性剤を含有することができる。そのような製剤中の界面活性剤の量は、約5重量%〜約15重量%に及ぶ。好適な界面活性剤には、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノオレエート、および、プロピレンオキシドとプロピレングリコールの縮合によって形成される、疎水性基剤とエチレンオキシドの高分子量付加物など)が含まれる。
薬学的に許容される賦形剤も、当業者に周知である。賦形剤の選択は、特定の化合物、および組成物を投与するのに使用される特定の方法によって、ある程度決定される。それに応じて、本開示の医薬組成物の好適な製剤が多種多様に存在する。以下の方法および賦形剤は、例示にすぎず、決して限定するものではない。薬学的に許容される賦形剤は、好ましくは活性成分の作用に干渉せず、有害な副作用を引き起こさない。好適な担体および賦形剤には、水、アルコール、およびプロピレングリコールなどの溶媒、固体吸収剤および希釈剤、表面活性剤、懸濁化剤、打錠結合剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、および着色剤が含まれる。
製剤は、アンプルやバイアルなどの単位用量(unit-does)または複数用量密封容器で呈示することができ、注射剤用の無菌液体賦形剤、例えば水を使用直前に添加することのみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵することができる。即時注射液および懸濁物は、無菌粉末、顆粒、および錠剤から調製することができる。注射可能な組成物のための有効な医薬担体の要件は、当業者に周知である。Pharmaceutics and Pharmacy Practice、J.B. Lippincott Co., Philadelphia, PA、BankerおよびChalmers編、238〜250頁(1982年)、ならびにASHP Handbook on Injectable Drugs、Toissel、第4版、622〜630頁(1986年)を参照のこと。
局所投与に適している製剤には、矯味矯臭剤、通常スクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に活性成分を含むロゼンジ;ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアなどの不活性基剤中に活性成分を含む香錠;および好適な液体担体中に活性成分を含む洗口剤;ならびに活性成分に加えて、当技術分野において公知である担体などを含有するクリーム、乳濁液、およびゲルが含まれる。
さらに、直腸投与に適している製剤は、乳化基剤または水溶性基剤などの様々な基剤と混合することによって坐剤として呈示することができる。腟内投与に適している製剤は、活性成分に加えて、当技術分野において適切であることが公知である担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、またはスプレー製剤として呈示することができる。
当業者は、本開示の化合物を動物へ体外から投与する好適な方法が利用可能であり、特定の化合物を投与するのに1つより多い経路を使用することができるが、特定の経路が別の経路より即時および有効な反応を提供することができるということを認識する。
本開示の例示的実施形態には、以下が含まれる。
実施形態A. 式:
Figure 2020507608
[式中、
、R、およびRはそれぞれ個別に、HまたはOHであり、
は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
は、OまたはNHであり、
は、2−ピロリノ−ダウノサミンまたは2−ピロリノ−エピダウノサミンである]
により表される化合物、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物。
実施形態B. 前記化合物が、2−ピロリノ−13−デオキシドキソルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシダウノルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシエピルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシカルミノマイシンおよび2−ピロリノ−13−デオキシイダルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体である、実施形態Aの化合物。
実施形態C. 実施形態AまたはBの化合物と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物。
実施形態D. 細胞の増殖を抑制する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、式:
Figure 2020507608
[式中、
、R、およびRはそれぞれ個別に、HまたはOHであり、
は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
は、OまたはNHであり、
は、2−ピロリノ−ダウノサミンまたは2−ピロリノ−エピダウノサミンである]
を有する2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンを含む化合物、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物の治療有効量を投与するステップを含む、方法。
実施形態E. 前記化合物が、2−ピロリノ−13−デオキシドキソルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシダウノルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシエピルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシカルミノマイシンおよび2−ピロリノ−13−デオキシイダルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体である、実施形態Dの方法。
実施形態F. 第1の化合物と第2の化合物とを含む治療有効量の相乗的組合せ調製物であって、第1の化合物が、式:
Figure 2020507608
[式中、
、R、およびRはそれぞれ個別に、HまたはOHであり、
は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
は、OまたはNHであり、
は、2−ピロリノ−ダウノサミンまたは2−ピロリノ−エピダウノサミンである]
を有する2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であり、
第2の化合物が、式:
Figure 2020507608
[式中、
、RおよびRはそれぞれ独立して、HおよびOHからなる群から選択され、
は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
は、OおよびNHからなる群から選択され、
は、糖部分である]
を有する13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であり、
前記治療有効量が、細胞の増殖を抑制する、相乗的組合せ調製物。
実施形態G. 前記第1の化合物が、2−ピロリノ−13−デオキシドキソルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシダウノルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシエピルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシカルミノマイシンおよび2−ピロリノ−13−デオキシイダルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体であり、前記第2の化合物が、13−デオキシドキソルビシン、13−デオキシダウノルビシン、13−デオキシエピルビシン、13−デオキシカルミノマイシン、13−デオキシイダルビシン、13−デオキシアナマイシンおよび13−デオキシアムルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体である、実施形態Fの相乗的組合せ調製物。
実施形態H. 実施形態FまたはGの相乗的組合せ調製物と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物。
実施形態I. 細胞の増殖を第1の化合物と第2の化合物の相乗的組合せ調製物で抑制する方法であって、前記方法は、それを必要とする哺乳動物に治療有効量の前記相乗的組合せ調製物を投与するステップを含み、前記第1の化合物が、式:
Figure 2020507608
[式中、
、R、およびRはそれぞれ個別に、HまたはOHであり、
は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
は、OまたはNHであり、
は、2−ピロリノ−ダウノサミンまたは2−ピロリノ−エピダウノサミンである]
を有する2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であり、
前記第2の化合物が、式:
Figure 2020507608
[式中、
、RおよびRはそれぞれ独立して、HおよびOHからなる群から選択され、
は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
は、OおよびNHからなる群から選択され、
は、糖部分である]
を有する13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であり、
前記治療有効量が、細胞の増殖を抑制する、方法。
実施形態J. 前記第1の化合物が、2−ピロリノ−13−デオキシドキソルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシダウノルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシエピルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシカルミノマイシンおよび2−ピロリノ−13−デオキシイダルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体であり、第2の化合物が、13−デオキシドキソルビシン、13−デオキシダウノルビシン、13−デオキシエピルビシン、13−デオキシカルミノマイシン、13−デオキシイダルビシン、13−デオキシアナマイシンおよび13−デオキシアムルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体である、実施形態Iの方法。
実施形態K. 前記第2の化合物が、その治療有効量より少ない量で存在する、実施形態FまたはGの相乗的組合せ調製物。
実施形態L. 第2の化合物対第1の成分の重量比が、約0.005〜約0.10:1である、実施形態Kの相乗的組合せ調製物。
実施形態M. 第2の化合物対第1の成分の重量比が、約0.01〜約0.10:1である、実施形態Kの相乗的組合せ調製物。
実施形態N. 前記第1の化合物が、その治療有効量より少ない量で存在する、実施形態FまたはGの相乗的組合せ調製物。
実施形態O. 第1の化合物対第2の成分の重量比が、約0.005〜約0.10:1である、実施形態Nの相乗的組合せ調製物。
実施形態P. 第1の化合物対第2の成分の重量比が、約0.01〜約0.10:1である、実施形態Nの相乗的組合せ調製物。
実施形態Q. 前記第2の化合物が、その治療有効量より少ない量で投与される、実施形態IまたはJの方法。
実施形態R. 第2の化合物対第1の成分の重量比が、約0.005〜約0.10:1である、実施形態Qの方法。
実施形態S. 第2の化合物対第1の成分の重量比が、約0.01〜約0.10:1である、実施形態Qの方法。
実施形態T. 前記第2の化合物が、その治療有効量より少ない量で投与される、実施形態IまたはJの方法。
実施形態U. 第1の化合物対第2の成分の重量比が、約0.005〜約0.10:1である、実施形態Tの方法。
実施形態V. 第1の化合物対第2の成分の重量比が、約0.01〜約0.10:1である、実施形態Qの方法。
本明細書で使用される「含む(comprising)」(およびその文法的変化形)という用語は、「有する(having)」または「含む(including)」の包括的意味で使用され、「のみからなる(consisting only of)」の排他的意味では使用されない。本明細書で使用される「a」、「an」および「the」という用語は、別段の指示がない限り、単数形と同様に複数形を包含すると理解される。
前述の記載は、本開示を例示および説明するものである。さらに、本開示は、好ましい実施形態を示し、説明するものにすぎないが、前述のように、好ましい実施形態が、様々な他の組合せ、改変、および環境で形成されることが可能であり、上記の教示および/または関連する技術の技能もしくは知識に相応した変更または改変が、本明細書に表現される本発明の概念の範囲内において可能であることを理解すべきである。本明細書中、上に記載された実施形態はさらに、出願人が知っている最良の態様を説明することが意図され、ならびに、他の当業者が本開示をそのような実施形態または他の実施形態において、特定の用途または使用に必要とされる様々な改変を行いながら利用することを可能にすることが意図される。したがって、記載は、本発明を本明細書に開示される形態に限定することは意図されていない。また、添付の特許請求の範囲は、代替実施形態を含むように解釈されることが意図されている。
本明細書に引用されたすべての刊行物および特許出願は、参照により、またあらゆる目的で、それぞれ個別の刊行物または特許出願が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されているかのように本明細書に組み込まれる。本開示と参照により本明細書に組み込まれる任意の刊行物または特許出願の間における矛盾がある場合、本開示が優先する。

Claims (20)

  1. 式:
    Figure 2020507608
    により表される化合物、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であって、式中、
    、R、およびRはそれぞれ個別に、HまたはOHであり、
    は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
    は、OまたはNHであり、
    は、2−ピロリノ−ダウノサミンまたは2−ピロリノ−エピダウノサミンである、
    化合物、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物。
  2. 前記化合物が、2−ピロリノ−13−デオキシドキソルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシダウノルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシエピルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシカルミノマイシンおよび2−ピロリノ−13−デオキシイダルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体である、請求項1に記載の化合物。
  3. 請求項1に記載の化合物と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物。
  4. 請求項2に記載の化合物と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物。
  5. 細胞の増殖を抑制する方法であって、前記方法は、それを必要とする哺乳動物に、2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む化合物、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物の治療有効量を投与するステップを含み、前記2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリンは、式:
    Figure 2020507608
    を有し、式中、
    、R、およびRはそれぞれ個別に、HまたはOHであり、
    は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
    は、OまたはNHであり、
    は、2−ピロリノ−ダウノサミンまたは2−ピロリノ−エピダウノサミンである、
    方法。
  6. 前記化合物が、2−ピロリノ−13−デオキシドキソルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシダウノルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシエピルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシカルミノマイシンおよび2−ピロリノ−13−デオキシイダルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体である、請求項5に記載の方法。
  7. 第1の化合物と第2の化合物とを含む治療有効量の相乗的組合せ調製物であって、前記第1の化合物が、式:
    Figure 2020507608
    を有する2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であって、式中、
    、R、およびRはそれぞれ個別に、HまたはOHであり、
    は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
    は、OまたはNHであり、
    は、2−ピロリノ−ダウノサミンまたは2−ピロリノ−エピダウノサミンである、
    2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であり、
    前記第2の化合物が、式:
    Figure 2020507608
    を有する13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であって、式中、
    、RおよびRはそれぞれ独立して、HおよびOHからなる群から選択され、
    は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
    は、OおよびNHからなる群から選択され、
    は、糖部分である、
    13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であり、
    前記治療有効量が、細胞の増殖を抑制する、相乗的組合せ調製物。
  8. 前記第1の化合物が、2−ピロリノ−13−デオキシドキソルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシダウノルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシエピルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシカルミノマイシン、および2−ピロリノ−13−デオキシイダルビシンからなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物およびその混合物、ならびにそれらの5−イミノ類似体であり、前記第2の化合物が、13−デオキシドキソルビシン、13−デオキシダウノルビシン、13−デオキシエピルビシン、13−デオキシカルミノマイシン、13−デオキシイダルビシン、13−デオキシアナマイシンおよび13−デオキシアムルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物である、請求項7に記載の相乗的組合せ調製物。
  9. 請求項7に記載の相乗的組合せ調製物と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物。
  10. 請求項8に記載の相乗的組合せ調製物と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物。
  11. 細胞の増殖を第1の化合物と第2の化合物の相乗的組合せ調製物で抑制する方法であって、前記方法は、それを必要とする哺乳動物に治療有効量の前記相乗的組合せ調製物を投与するステップを含み、前記第1の化合物が、式:
    Figure 2020507608
    を有する2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であって、式中、
    、R、およびRはそれぞれ個別に、HまたはOHであり、
    は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
    は、OまたはNHであり、
    は、2−ピロリノ−ダウノサミンまたは2−ピロリノ−エピダウノサミンである、
    2−ピロリノ−13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であり、
    前記第2の化合物が、式:
    Figure 2020507608
    を有する13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であって、式中、
    、RおよびRはそれぞれ独立して、HおよびOHからなる群から選択され、
    は、H、OH、アルキル、およびO−アルキルからなる群から選択され、
    は、OおよびNHからなる群から選択され、
    は、糖部分である、
    13−デオキシアントラサイクリン、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であり、
    前記治療有効量が、前記細胞の増殖を抑制する、方法。
  12. 前記第1の化合物が、2−ピロリノ−13−デオキシドキソルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシダウノルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシエピルビシン、2−ピロリノ−13−デオキシカルミノマイシンおよび2−ピロリノ−13−デオキシイダルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物であり、前記第2の化合物が、13−デオキシドキソルビシン、13−デオキシダウノルビシン、13−デオキシエピルビシン、13−デオキシカルミノマイシン、13−デオキシイダルビシン、13−デオキシアナマイシンおよび13−デオキシアムルビシン、ならびにそれらの5−イミノ類似体からなる群から選択されるアントラサイクリンの誘導体、その薬学的に許容される塩、その重水素化形態、そのプロドラッグ、その異性体、その溶媒和物、およびその混合物である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第2の化合物が、その治療有効量より少ない量で存在する、請求項7に記載の相乗的組合せ調製物。
  14. 前記第2の化合物対前記第1の成分の重量比が、約0.005〜約0.10:1である、請求項13に記載の相乗的組合せ調製物。
  15. 前記第1の化合物が、その治療有効量より少ない量で存在する、請求項7に記載の相乗的組合せ調製物。
  16. 前記第1の化合物対前記第2の成分の重量比が、約0.005〜約0.10:1である、請求項15に記載の相乗的組合せ調製物。
  17. 前記第2の化合物が、その治療有効量より少ない量で投与される、請求項11に記載の方法。
  18. 前記第2の化合物対前記第1の成分の重量比が、約0.005〜約0.10:1である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記第2の化合物が、その治療有効量より少ない量で投与される、請求項11に記載の方法。
  20. 前記第1の化合物対前記第2の成分の重量比が、約0.005〜約0.10:1である、請求項19に記載の方法。
JP2019544029A 2017-02-16 2018-02-16 3’デアミノ-3’-(2”-ピロリン-1”-イル)-5-イミノ-13-デオキシアントラサイクリンおよび調製方法 Active JP7159177B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/434,617 2017-02-16
US15/434,617 US10450340B2 (en) 2017-02-16 2017-02-16 3′-deamino-3′-(2″-pyrroline-1″-yl)-5-imino-13-deoxyanthracyclines and methods of preparation
PCT/US2018/000090 WO2018151872A1 (en) 2017-02-16 2018-02-16 3'deamino-3'-(2"-pyrroline-1"-yl)-5-imino-13-deoxyanthracyclines and methods of preparation

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020507608A true JP2020507608A (ja) 2020-03-12
JP2020507608A5 JP2020507608A5 (ja) 2021-04-01
JP7159177B2 JP7159177B2 (ja) 2022-10-24

Family

ID=61692048

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019544029A Active JP7159177B2 (ja) 2017-02-16 2018-02-16 3’デアミノ-3’-(2”-ピロリン-1”-イル)-5-イミノ-13-デオキシアントラサイクリンおよび調製方法

Country Status (11)

Country Link
US (1) US10450340B2 (ja)
EP (1) EP3582788A1 (ja)
JP (1) JP7159177B2 (ja)
KR (1) KR20190117609A (ja)
CN (1) CN110573165B (ja)
AU (1) AU2018220520A1 (ja)
BR (1) BR112019017166A2 (ja)
CA (1) CA3053417A1 (ja)
IL (1) IL268680B (ja)
MX (1) MX2019009733A (ja)
WO (1) WO2018151872A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002518293A (ja) * 1998-03-03 2002-06-25 ジェム ファーマスーティカル インク 5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリン誘導体、その使用、及び、その調製方法
JP2007261976A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Meiji Seika Kaisha Ltd 抗腫瘍性アンスラサイクリン系抗生物質の製造法
JP2009534426A (ja) * 2006-04-21 2009-09-24 ジェム ファーマシューティカルズ, エルエルシー タキサン類と13−デオキシアントラサイクリン類とを併用する抗癌治療
JP2010215662A (ja) * 1997-08-13 2010-09-30 Gem Pharmaceuticals Inc 13−デオキシアントラサイクリン誘導体及びその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5843903A (en) 1995-11-27 1998-12-01 The Administrators Of The Tulane Educational Fund Targeted cytotoxic anthracycline analogs
US7244829B2 (en) 2004-11-08 2007-07-17 Gem Pharmaceuticals, Llc Compositions and processes for preparing 13-deoxy-anthracyclines
US9904704B2 (en) 2014-04-22 2018-02-27 Openx Software Limited System and method for controlling audience data and tracking

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010215662A (ja) * 1997-08-13 2010-09-30 Gem Pharmaceuticals Inc 13−デオキシアントラサイクリン誘導体及びその製造方法
JP2002518293A (ja) * 1998-03-03 2002-06-25 ジェム ファーマスーティカル インク 5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリン誘導体、その使用、及び、その調製方法
JP2007261976A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Meiji Seika Kaisha Ltd 抗腫瘍性アンスラサイクリン系抗生物質の製造法
JP2009534426A (ja) * 2006-04-21 2009-09-24 ジェム ファーマシューティカルズ, エルエルシー タキサン類と13−デオキシアントラサイクリン類とを併用する抗癌治療

Also Published As

Publication number Publication date
CA3053417A1 (en) 2018-08-23
IL268680B (en) 2022-02-01
WO2018151872A1 (en) 2018-08-23
EP3582788A1 (en) 2019-12-25
MX2019009733A (es) 2020-02-07
US10450340B2 (en) 2019-10-22
JP7159177B2 (ja) 2022-10-24
RU2019128837A3 (ja) 2021-06-17
BR112019017166A2 (pt) 2020-04-14
RU2019128837A (ru) 2021-03-16
IL268680A (en) 2019-10-31
AU2018220520A1 (en) 2019-09-05
CN110573165B (zh) 2023-07-11
CN110573165A (zh) 2019-12-13
KR20190117609A (ko) 2019-10-16
US20180230175A1 (en) 2018-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010270124A (ja) 抗癌組み合わせ
US7655695B2 (en) Illudin analogs useful as anticancer agents
BRPI0715745A2 (pt) compostos e mÉtodos para inibir a interaÇço de proteÍnas bcl com parceiros ligantes
KR20010102364A (ko) 상승작용성 항종양 조성물
US8044048B2 (en) Derivatives of sulindac, use thereof and preparation thereof
JP2008536853A (ja) 癌治療のための、組み合わせ、方法および組成物
KR102271848B1 (ko) 암 치료용 약학적 배합물
CZ298842B6 (cs) Nukleofilne substituované ecteinascidiny a N-oxidecteinascidiny
JPH08502488A (ja) 前立腺癌および初期神経悪性疾患に対するベンゾキノイドアンサマイシンの殺腫瘍活性
EP2242360B1 (en) Doxorubicin adjuvants to reduce toxicity and methods for using the same
CA2380078C (en) Combination therapy using pentafluorobenzenesulfonamides
ES2261448T3 (es) Terapia combinada contra tumores que comprende derivados de distamicina acriloil sustituidos e inhibidores topoisomerasa i y ii.
JP7159177B2 (ja) 3’デアミノ-3’-(2”-ピロリン-1”-イル)-5-イミノ-13-デオキシアントラサイクリンおよび調製方法
KR20180118226A (ko) 증식성 질환을 위한 조합 치료
RU2803586C2 (ru) 3'-дезамино-3'-(2"-пирролин-1"-ил)-5-имино-13-дезоксиантрациклины и способы получения
EP3880207A1 (en) Combination of a mcl-1 inhibitor and midostaurin, uses and pharmaceutical compositions thereof
TWI695839B (zh) 雙(羥甲基)吡咯并酞嗪混成物、其之製備方法與用途
EP1611889A1 (en) Antibacterial agent and anticancer agent
EP3782620A1 (en) Pharmaceutical composition comprising derivative compound of 1,2-naphthoquinone for preventing or treating solid cancer or blood cancer
US20240083883A1 (en) Rad51 binding inhibitors and methods of use thereof
EP2902027A1 (en) Drug composition for treating tumors and application thereof
US20070286906A1 (en) Dihydrobenzoquinone compounds
KR20060007368A (ko) N-(3-클로로-1h-인돌-7-일)-4-설파모일벤젠설폰아미드를포함하는 약제 조성물 및 세포 증식 억제제
WO2005011673A1 (en) Use of antitumoral compounds
ITMI20002366A1 (it) Composizioni chemioterapeutiche loro impiego nel trattamento del cancro e metodo per ridurre la tossicita' di chemioterapie combinate

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210216

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220311

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220613

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221012

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7159177

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150