JP2020506978A - アニオン交換膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

スチレン、ビニルベンジル−Rs及びビニルベンジル−Rxのターポリマーを含む膜を、強塩基(少なくとも12のpHを有する水酸化物含有溶液)中で少なくとも5分間処理して、膜を強化し、膜の溶解性を低下させ、2次元核磁気共鳴(NMR)を用いた分析により検出可能な結合を生じさせることを伴う、架橋アニオン交換膜を製造する方法。Rsは正に荷電した環状アミン基であり、RxはCl、OH、及びO−Rzから選択される少なくとも1つの基である。【選択図】なし

Description

(政府の利益に関する声明)
本発明は、少なくとも部分的には、ARPA−E契約番号DE−AR−0000345の下で米国政府の支援によりなされた。政府は本発明において一定の権利を有する。
本発明の分野はポリマーである。本特許に記載されている方法は、スチレン及びビニルベンジルクロライドを含有するイオン伝導性ポリマーの架橋に有用である。
米国特許第9,370,773号明細書及び第9,481,939号明細書に加えて米国特許出願公開第2016/0251766号明細書は、スチレン−ビニルベンジルクロライド(VBC)ポリマーを、正に荷電した環状アミンで官能化することによって合成された一連のアニオン交換膜を記載している。膜はCO電解槽で記録的な性能を示したが、膜は柔らかく容易に壊れたため、実際の使用に十分な機械的強度を得るために他のポリマー又は架橋剤で補強する必要があった。
追加の成分を添加することを必要とせずに、アニオン交換膜を架橋する及び/又はその機械的強度を改善する方法。一般に、この方法は以下のステップを含む。
(a)スチレン、ビニルベンジル−R及びビニルベンジル−Rのポリマーを含む膜を提供する工程であって、Rは正に荷電した環状アミン基であり、Rは負に荷電した対イオンに関連し、RはCl、OH、及びO−Rからなる群より選択される少なくとも1つの置換基であり、Rは、直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、及びヘテロアルキルアリールから選択され、前記ビニルベンジル−R基の総重量が前記ポリマー電解質膜の総重量の0.3%超である、工程
(b)前記ポリマー電解質膜を少なくとも12のpHを有する水酸化物含有溶液に少なくとも5分間浸漬する工程
好ましい実施態様では、ポリマー電解質膜を少なくとも13のpHを有する水酸化物含有溶液に少なくとも5分間浸漬する。より好ましい実施態様では、ポリマー電解質膜を少なくとも14のpHを有する水酸化物含有溶液に少なくとも5分間浸漬する。
好ましい実施態様では、ビニルベンジル−R基の総重量は、膜の総重量の15%〜90%である。
好ましい実施態様では、Rは、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピラゾリウム、ピロリジニウム、ピロリウム、ピリミジウム、ピペリジニウム、インドリウム、及びトリアジニウムからなる群より選択され、好ましくはイミダゾリウム及びピリジニウムである。
ポリマー組成物の好ましい実施態様において、Rはイミダゾリウムである。イミダゾリウムは、好ましくはアルキルイミダゾリウムであり、より好ましくはテトラメチルイミダゾリウムである。
ポリマー組成物の好ましい実施態様において、Rはピリジニウムである。ピリジニウムは、好ましくはアルキルピリジニウムである。
好ましい実施態様では、ポリマーは、1、000〜10,000,000原子単位(A.U.)、好ましくは10,000〜1,000,000A.U.、最も好ましくは25,000〜250,000A.U.の分子量を有する。
好ましい実施態様において、ポリマー組成物は膜の形態である。膜の好ましい厚さは、10〜300マイクロメートルである。
好ましくは、膜ポリマーの2D H/C−13HSQC核磁気共鳴スペクトルは、プロトンスペクトルのδ3.3〜5.4のピークと炭素−13スペクトルのδ69〜76のピークとの間で相関を示す。
好ましくは、膜ポリマーの2D H/C−13HSQC核磁気共鳴スペクトルは、プロトンスペクトルのδ4.4±1のピークと炭素−13スペクトルのδ71±2のピークとの間で相関を示す。
好ましくは、膜ポリマーの2D H/C−13HSQC核磁気共鳴スペクトルは、プロトンスペクトルのδ4.4±1のピークと炭素−13スペクトルのδ62±2のピークとの間で相関を示す。
本明細書に記載された特定の方法論、手順及び試薬は、本明細書に含まれる技術に精通した者の認識するとおり変更できるため、方法はこれらの特定の方法論、手順及び試薬に限定されないことが理解される。また、本明細書で使用される用語は特定の実施態様を説明する目的でのみ使用されており、方法の範囲を限定することを意図していないことも理解される。また、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形の言及を含むことにも留意されたい。したがって、例えば、「リンカー」への言及は、当業者に知られている1つ又は複数のリンカー及びその等価物への言及である。同様に、句「及び/又は」は、一方又は両方の述べられたケースが起こり得ることを示すために使用され、例えば、A及び/又はBは、(A及びB)及び(A又はB)を含む。
他に定義されない限り、本明細書で使用される技術的及び科学的用語は、その方法が関連する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。方法の実施態様並びにその様々な特徴及び有利な詳細は、非限定的な実施態様を参照してより完全に説明され、及び/又は添付の図面に示され、以下の説明に詳述される。図面に示される特徴は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、一実施態様の特徴は、本明細書で明示的に述べられていなくても、当業者が認識するように他の実施態様でも採用され得ることに留意されたい。
本明細書に列挙される任意の数値範囲は、任意のより低い値と任意のより高い値との間に少なくとも2単位の間隔があるという条件で、1単位の増分でより低い値からより高い値までのすべての値を含む。例として、成分の濃度、又は例えば大きさ、角度の大きさ、圧力、時間などのプロセス変数の値が、例えば、1〜98、具体的には20〜80、より具体的には30〜70であると述べられている場合、15〜85、22〜68、43〜51、30〜32などの値が、本明細書に明示的に列挙されていることを意図している。1未満の値については、1単位は、必要に応じて0.0001、0.001、0.01又は0.1であると見なされる。これらは具体的に意図されていることの単なる例であり、最低値と最高値との間の数値の全ての可能な組み合わせが同様に扱われる。
また、方法に関連する特定の用語が具体的に定義される「定義」がすぐ下に提供される。特定の方法、装置、及び材料が記載されているが、本明細書に記載されているものと類似又は同等の任意の方法及び材料を方法の実施又は試験に使用することができる。
定義
用語「ポリマー電解質膜」は、一般に複数の共有結合した負に荷電した基を有するポリマーを含むカチオン交換膜、及び一般に複数の共有結合した正に荷電した基を有するポリマーを含むアニオン交換膜の両方を指す。典型的なカチオン交換膜には、デラウェア州ウィルミントンのE.I. du Pont de Nemours and Company(デュポン社)から商品名NAFIONで入手可能なペルフルオロスルホン酸ポリマーなどのプロトン伝導膜が含まれる。
本明細書で使用される用語「アニオン交換膜電解槽」は、カソードからアノードを分離するアニオン伝導性ポリマー電解質膜を有する電解槽を指す。
本明細書で使用される用語「ポリマーフィルムライナー」は、厚さ2mm以下である単層又は多層のポリマーフィルムを指す。
本明細書で使用される「HER」とも呼ばれる用語「水素発生反応」は、電気化学反応2H+2e→Hを指す。
本明細書で使用される用語「MEA」は、膜電極接合体を指す。
用語「ミリポア水」は、ミリポア濾過システムによって製造される、少なくとも18.2mΩ・cmの抵抗率を有する水である。
本明細書で使用される用語「イミダゾリウム」は、イミダゾール基を含む正に荷電した配位子を指す。これはイミダゾールそのもの又は置換イミダゾールを含む。以下の形の配位子が具体的に含まれる。
〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン化物、直鎖アルキル、分岐アルキル、環式アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール、及び本明細書に記載のビニルベンジルコポリマーなどのそれらのポリマーから選択される。
本明細書で使用される用語「ピリジニウム」は、ピリジン基を含む正に荷電した配位子を指す。これはピリジンそのもの又は置換ピリジンを含む。以下の形の配位子が具体的に含まれる。
〜R11は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン化物、直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール、及び本明細書に記載のビニルベンジルコポリマーなどのそれらのポリマーから選択される。
本明細書で使用される用語「ホスホニウム」は、リンを含む正に荷電した配位子を指す。これは置換リンを含む。以下の形の配位子が具体的に含まれる。
(R12131415
12〜R15は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン化物、直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール、及び本明細書に記載のビニルベンジルコポリマーなどのそれらのポリマーから選択される。
本明細書で使用される用語「正に荷電した環状アミン」は、環状アミンを含む正に荷電した配位子を指す。これは、具体的には、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピラゾリウム、ピロリジニウム、ピロリウム、ピリミジウム、ピペリジニウム、インドリウム、トリアジニウム、及び本明細書に記載のビニルベンジルコポリマーなどのそれらのポリマーを含む。
本明細書で使用される用語「単純アミン」は、以下の形の種を指す。
N(R161718
16〜R18は、それぞれ独立して、水素、直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、及びヘテロアルキルアリールから選択されるが、ポリマーではない。
本明細書で使用される用語「HSQC」は、異種核単一量子相関核磁気共鳴(NMR)分光法を指す。
具体的な説明
具体例1
この例の目的は、アニオン交換膜を架橋する方法を実証することであった。
工程1
以下の例のように、スチレン、ビニルベンジル−R及びビニルベンジル−Rを含むポリマーを含むポリマー膜を調製すること。ここで、Rは、正に荷電した環状アミン基であり、Rは、負に荷電した対イオンに関連し、RはCl、OH、及びO−R19からなる群より選択される少なくとも1つの置換基であり、R19は、直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、及びヘテロアルキルアリールから選択され、ビニルベンジル−R基の総重量はポリマー電解質膜の総重量の0.3%超である。
(a)最初に、阻害剤フリーのビニルベンジルクロライド(VBC)を、体積Vの4−ビニルベンジルクロライド(Sigma−Aldrich社、セントルイス、ミズーリ州)、及びV/4に等しい体積の4%水酸化ナトリウム水溶液を分液漏斗に添加し、その後漏斗を撹拌して水とVBCを混合し、次いでVBCを静かに移すことにより調製した。水層が明らかな色の変化を示さなくなるまで、この処理を5回繰り返した。水層のpHが中性になるまで、水酸化ナトリウム溶液の代わりに純水を使用してこの手順を繰り返した。洗浄されたVBCを秤量する前に一晩冷凍庫に入れて、残留水が主に氷の形であることを確認し、次いで氷をろ過又はデカンテーションによりVBCから分離した。
(b)次に、阻害剤フリーのスチレンを、スチレン(Sigma−Aldrich社)をSigma−Aldrich 311340阻害剤除去剤を充填した60mLシリンジ(HSW、トゥットリンゲン、ドイツ)を通すことによって調製した。
(c)次いで、ポリ(4−ビニルベンジルクロライド−co−スチレン)を、阻害剤フリースチレン(Sigma−Aldrich社)(172.3g、1.65mol)及び上記調製した4−ビニルベンジルクロライド(Sigma−Aldrich社)(143.1g、0.94mol)のクロロベンゼン(Sigma−Aldrich社)(250g)溶液を、オイルバス中、60〜65℃で22時間、窒素ガス下、開始剤としてAIBN(α、α’−アゾイソブチロニトリル、Sigma−Aldrich社)(2.9635g、総モノマー重量に基づき0.94重量%)を用いて加熱することにより合成した。コポリマーをメタノール中で沈殿させ、次いでミリポア水で十分に洗浄し、60℃で一晩乾燥させた。
(d)次に、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾール(TCI、日本)(3.700g、0.0298mol)、上記合成したポリ(4−VBC−co−St)(10g)、無水エタノール(17g、Sigma−Aldrich社)、無水トルエン(12.5g、Sigma−Aldrich社)を窒素流の保護下で混合した。混合物を撹拌し、78℃で約1時間加熱した。溶液が透明になったとき、反応温度を55℃に低下させ、71時間維持して、負の塩化物対イオンを有するイミダゾリウム置換カチオン性ポリマーを得た。塩化物イオンは、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾールとベンジルクロライド基との間のイミダゾリウム形成四級化反応の生成物であった。
(e)次いで、上記で調製したポリマー溶液をポリエチレンテレフタレート(PET)ポリマーフィルムライナー上に直接流延することによって、膜を生成した。ライナー上の溶液の厚さは、調整可能なドクターブレードを備えたフィルムアプリケーター(MTI社、リッチモンド、カルフォルニア州)により制御した。その後、ポリマー膜を、温度を70℃に上げながら真空オーブン中で乾燥し、1時間保持した。温度を徐々に下げた真空オーブン中でさらに1時間経過させた後に、ポリマー膜をオーブンから取り出した。
工程2:架橋
上記ポリマー膜を、室温で一晩、1M KOH溶液に浸漬した。その間に膜はライナーから落ちた。それぞれ少なくとも2時間の浸漬でKOH溶液を2回交換して、膜の塩化物イオンが完全に水酸化物イオンに交換され、ポリマー膜が水酸化物の形に変換されたことを確認した。
工程2の前のNMR分析は、得られたポリマー中の約20%のVBC基がこの工程の終わりにビニルベンジルイミダゾリウムクロライドに変換されなかったことを示す。計算は、ビニルベンジル−Cl基の総重量は、ポリマー電解質膜の総重量の約6%であることを示す。
工程2の前に、ポリマーは、多くの溶媒に可溶であったが、工程2の後に、ポリマー膜は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、イソプロパノール、1−プロパノール、クロロホルム、アセトン、トルエン及びエタノールに不溶であった。このことは、残留ビニルベンジルクロライド及び/又は浸漬溶液からの水酸化物の一部が何らかの他の種と反応して架橋を形成したことを示唆する。
他の測定では、ビニルベンジル−R基の総重量が約0.3%未満である場合、膜は依然としてDMFに可溶であることが分かり、このことは架橋が制限されていることを示唆する。
電気化学インピーダンス分光法を用いてフィルムの導電率も測定した。ここで作製した特定のフィルムは、1M KOH中、60℃で73mS/cmの導電率を有していた。工程1(d)の官能化時間を変えることによって製造されたフィルムは、1M KOH中、60℃で40〜95mS/cmの導電率を有していた。
膜のヤング率も、6重量%エチレングリコールに一晩、次いで1M KOHに20時間浸漬した後に測定した。膜は、33MPaの引張強度及び58%の破断点伸びを示した。より少ないビニルベンジル−R基を有する他の膜は、約15MPaまで低下したヤング率を示した。
上記の架橋は、膜を1M KOH(pH=14)に室温で一晩浸漬することにより行った。他の実験では、上記のように調製した膜は、初期ではジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、イソプロパノール、及びエタノールに可溶であることが分かった。膜を室温で30分間、1M KOHに浸漬したとき、膜は依然としてこれらの溶媒の全てに可溶であったが、膜を1M KOH中、50℃で12分間処理した場合、膜は不溶であった。他の試験は、膜は、1M KOH(pH14)中、50℃、約5分間で溶解性を失い始めたことを示した。膜は、依然として0.1M KOH(pH13)中、及び0.01M KOH(pH12)中、30分間で可溶であったが、2時間後に不溶であった。この結果を一般化すると、ポリマー膜がpH12以上のヒドロキシ含有溶液に少なくとも5分間曝露されると、いくらかの架橋が生じると言える。
2次元(2D)プロトン/C−13NMRスペクトルを、上記の手順と同等の手順において1−メチルイミダゾールをテトラメチルイミダゾールの代わりとした試料について測定した。この試料のNMRスペクトルは、HSQC(異核種単一量子相関)機能を備えたBruker 500MHz装置で取得した。この手法は、一次元NMRスペクトル(この場合、炭素−13及びプロトン)をそれぞれx軸及びy軸として使用した2次元相関プロットを生成する。この方法は、有機分子のピークの帰属及び結合パターンを解明するのに役立つ。これは、例えば、プロトンスペクトルのピークと炭素−13スペクトルのピークとの間の結合関係を示すことによって達成される。2次元スペクトルは、炭素−13シグナルを生じさせるピークと、その炭素に結合した水素からのプロトンスペクトルシグナルとの間の相関を示す。ある場合には、HSQCは、プロトンスペクトルにおいて強く重なり合ったシグナルが、一次元スペクトルのみが分析される場合にはそのような情報が隠されるとしても、実際には2種類以上の化学官能性から生じることを解明する助けとなり得る。
膜をKOH中に浸漬した後のNMRスペクトルは、ポリマー中のベンジルエーテル置換基Rの形成と一致し、及びジベンジルエーテル架橋と一致する、テトラメチルシラン基準に対するプロトンNMRスペクトルのδ4.3〜4.4の化学シフト及び炭素−13NMRスペクトルのδ71〜74の化学シフトにおける相関ピークを示す。これは、おそらく次のような機構を介して、KOH処理がポリマー中に架橋を生成することができることを示唆する。
OH+−CHCl→−CHOH(ベンジルアルコール)+Cl
−CHOH+−CHCl→−CHOCH−(ジベンジルエーテル)+HCl
OH+HCl→HO+Cl
上記メカニズムのさらなる支持は、プロトンNMRスペクトルのδ4.4及び炭素−13NMRスペクトルのδ62でベンジルアルコール単位(R=OH)から生じる2−D NMR信号の観測に見出すことができる。これらは、水又は水酸化物を用いた(プロトンNMRスペクトルのδ4.7及び炭素−13NMRスペクトルのδ46で2−D NMRによって見られる)ビニルベンジルクロライド単位の反応から形成される。
プロトンNMRスペクトルのδ4.4及びC−13NMRのδ71、並びにδ3.4(プロトン)及びδ65(炭素−13)の相関ピークも観察された。このことは、工程1(c)においてクロロベンゼンの代わりにエタノールを溶媒として用いた場合のビニルベンジル−OCHCH(R19=エチル)単位を示唆する。また、アイオノマー中のベンジルメチルエーテル単位である、−ビニルベンジル−OCH(R19=メチル)の存在に帰属されるδ3.2(プロトン)及びδ57(炭素−13)の相関ピークが、メタノール溶媒に暴露された一部の試料で観測可能であった。
しかしながら、プロトンNMRピークは、どの溶媒が使用され、どの程度膜が溶媒中で膨潤したかという、ポリマー化学構造環境に応じて±1ppmほどシフトし得るのに対し、炭素−13NMRスペクトルは±2ppm程度シフトし得ることに留意されたい。したがって、プロトンNMRピーク位置には±1ppmの不確実さがあり、炭素−13NMRスペクトルには±2ppmの不確実さがある。
本発明の特定の要素、実施態様及び用途を示し説明してきたが、本開示の範囲から逸脱することなく、特に前述の教示に照らして当業者によって修正されうるため、本発明はそれらに限定されないことが理解される。
上記の例は単に例示的なものであり、本発明の電気化学装置の全ての可能な実施態様、用途又は修正の網羅的なリストであることを意味しない。したがって、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本発明の記載された方法及びシステムの様々な修正及び変形は当業者には明らかである。本発明を特定の実施態様に関連して説明してきたが、特許請求の範囲に記載の発明がそのような特定の実施態様に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。実際、化学分野の当業者又は関連分野の当業者に明らかな、本発明を実施するための記載された態様の様々な改変は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。

Claims (20)

  1. 架橋アニオン交換膜を製造する方法であって、
    (a)スチレン、ビニルベンジル−R及びビニルベンジル−Rのターポリマーを含むポリマー膜を提供する工程であって、Rは正に荷電した環状アミン基であり、RはCl、OH、及びO−Rからなる群より選択される少なくとも1つの成分であり、Rは、直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、及びヘテロアルキルアリールから選択され、前記ビニルベンジル−R基の総重量が前記ポリマーの総重量の1%超である、工程と、
    (b)前記ポリマー膜を少なくとも12のpHを有する水酸化物含有溶液に少なくとも5分間浸漬する工程と
    を含む、方法。
  2. 工程(b)が、前記ポリマー膜を少なくとも13のpHを有する水酸化物含有溶液に少なくとも5分間浸漬することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(b)が、前記ポリマー膜を少なくとも14のpHを有する水酸化物含有溶液に少なくとも5分間浸漬することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 溶媒から作られたポリマー溶液をポリマーフィルムライナー上に流延することによって前記ポリマー膜を形成する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ポリマー膜の前記ビニルベンジル−R基の総重量が、前記ポリマー膜の総重量の15%〜90%である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記架橋されたイオン交換膜の厚さが10〜300マイクロメートルである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ポリマー膜の前記ビニルベンジル−R基の総重量が、前記ポリマー膜の総重量の0.3%〜25%である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ポリマー膜の前記ビニルベンジル−R基の総重量が、前記膜の総重量の1%〜15%である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記正に荷電した環状アミン基が、イミダゾリウム又はピリジニウムである、請求項1に記載の方法。
  10. 前記正に荷電した環状アミン基が、アルキルピリジニウムである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記正に荷電した環状アミン基が、テトラメチルイミダゾリウムである、請求項9に記載の化合物。
  12. 前記架橋アニオン交換膜が、2D核磁気共鳴分光法によって測定されるベンジルエーテル基の存在によって特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
  13. 2Dプロトン/炭素−13核磁気共鳴分光測定が、ジメチルスルホキシドに浸漬することによって膨潤させた前記架橋アニオン交換膜の固体試料について実施される、請求項12に記載の方法。
  14. 架橋されたアニオン交換膜の2D H/C−13HSQC核磁気共鳴スペクトルが、プロトンスペクトルのδ3.3〜δ5.4の化学シフトを有するピークと、炭素−13スペクトルのδ69〜δ76の化学シフトを有するピークとの間で相関を示す、請求項1に記載の方法。
  15. 前記架橋されたアニオン交換膜の前記2D H/C−13HSQC核磁気共鳴スペクトルが、プロトンスペクトルのδ4.4±1のピークと、炭素−13スペクトルのδ71±2のピークとの間で相関を示す、請求項14の記載の方法。
  16. 前記架橋されたアニオン交換膜の2D H/C−13HSQC核磁気共鳴スペクトルが、プロトンスペクトルのδ4.4±1の化学シフトのピークと、炭素−13スペクトルのδ62±2の化学シフトのピークとの間で相関を示す、請求項1の記載の方法。
  17. 前記架橋されたアニオン交換膜の2D H/C−13HSQC核磁気共鳴スペクトルが、プロトンスペクトルのδ3.2±1の化学シフトのピークと、炭素−13スペクトルのδ57±2の化学シフトのピークとの間で相関を示す、請求項1の記載の方法。
  18. 前記架橋されたアニオン交換膜が、エタノール、ジメチルスルホキシド、及びジメチルホルムアミドからなる群より選択される任意の溶媒又は溶媒混合物に不溶性である、請求項1に記載の方法。
  19. 前記架橋されたアニオン交換膜が、1M KOH中、60℃で少なくとも40mS/cmの水酸化物イオン伝導度を有する、請求項1に記載の方法。
  20. 前記架橋されたアニオン交換膜が、少なくとも15MPaのヤング率を有する、請求項1に記載の方法。
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