JP2020506940A - Oga阻害化合物 - Google Patents

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ヴィチュロ,カルロス マニュエル マルティネス
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Abstract

本発明は、式(I)および(II)のO−GlcNAc加水分解酵素(OGA)阻害剤に関する。本発明はまた、そのような化合物を含む医薬組成物、そのような化合物および組成物を調製する方法、およびOGAの阻害が有益となる障害、例えばタウオパチー、特に、アルツハイマー病または進行性核上性麻痺;およびタウ病変を伴う神経変性疾患、特に、C9ORF72の変異を原因とする筋萎縮性側索硬化症または前頭側頭葉型認知症を予防および処置するための、そのような化合物および組成物の使用も対象とする。【化1】【化2】

Description

本発明は、式(I)
Figure 2020506940

(式中、各基は本明細書に定義されているとおりである)に示す構造を有するO−GlcNAc加水分解酵素(OGA)阻害剤に関する。本発明はまた、そのような化合物を含む医薬組成物、そのような化合物および組成物を調製する方法、およびOGAの阻害が有益となる障害、例えばタウオパチー、特に、アルツハイマー病または進行性核上性麻痺;およびタウ病変を伴う神経変性疾患、特に、C9ORF72の変異を原因とする筋萎縮性側索硬化症または前頭側頭葉型認知症を予防および処置するための、そのような化合物および組成物の使用も対象とする。
O−GlcNAc化とは、N−アセチル−D−グルコサミン残基がセリン残基およびスレオニン残基のヒドロキシル基へと転移してO−GlcNAc化タンパク質を産生する、タンパク質の可逆的修飾である。1000を超えるそのような標的タンパク質が、真核生物の細胞質基質および核の両方の中に確認されている。この修飾は、転写、細胞骨格プロセス、細胞周期、プロテアソーム分解、および受容体シグナリングを含む広範な細胞プロセスを調節すると考えられている。
O−GlcNAc転移酵素(OGT)およびO−GlcNAc加水分解酵素(OGA)は、O−GlcNAcを標的タンパク質に付加(OGT)または標的タンパク質から除去(OGA)すると説明されているただ2つのタンパク質である。OGAは、1994年に初めて脾臓標本から精製され、1998年に髄膜腫により発現する抗原として同定され、MGEA5と命名された。これは細胞の細胞質基質コンパートメントの中で、単量体として916アミノ(102915ダルトン)からなるものである。これは、タンパク質の輸送および分泌に重要であるER関連およびゴルジ体関連のグリコシル化プロセスとは区別されるべきであり、これらはOGAとは異なり、至適pHが酸性であるが、OGAは中性pHで最高活性を示す。
OGAの、2つのアスパラギン酸触媒中心を有する触媒領域は、2つの柔軟な領域と隣接している酵素のそのときの末端部に存在する。C−末端部は、ストーク領域が先にあるHAT(ヒストンアセチル転移酵素領域)と推定されている領域からなる。HAT領域が触媒作用的に活性であることは、まだこれから証明されなければならない。
O−GlcNAc化タンパク質ならびにOGTおよびOGA自体は、特に脳および神経細胞に豊富にあり、これは、この修飾が中枢神経系において重要な役割を果たすことを示唆している。実際、諸研究により、O−GlcNAc化は、神経細胞伝達、記憶形成および神経変性疾患の一因となる重要な調節機序であることが立証された。さらに、いくつかの動物モデルにおいて、OGTは胚発生に必須であり、ogt欠損マウスは胚性致死性であることが示されている。OGAもまた哺乳類の発生に不可欠である。2つの別々の研究により、OGAホモ接合型欠損マウスが生後24〜48時間を過ぎると生存しないことが示されている。Ogaが欠失すると、仔においてグリコーゲン動員が不足し、このため、ホモ接合型ノックアウト胎仔由来のMEFにおいてゲノム不安定性に関連する細胞周期停止が生じた。ヘテロ接合型の動物は、成体になるまで生存したが、転写および代謝の両方に変化が見られた。
O−GlcNAcの循環の撹乱は、糖尿病などの慢性の代謝性疾患、およびがんに影響を及ぼすことが知られている。Ogaのヘテロ接合性はApc−/+マウスがんモデルにおいて腸腫瘍発生を抑制した。また、Oga遺伝子(MGEA5)は、ヒト糖尿病感受性遺伝子座であることが立証されている。
さらに、O−GlcNAc修飾は、神経変性疾患の発症および進行に関与するいくつかのタンパク質に確認されており、アルツハイマー病では、タウによる神経原線維変化(NFT)タンパク質の形成についてO−GlcNAcレベルの変化量間の相関性が示唆されている。加えて、
パーキンソン病では、αシヌクレインのO−GlcNAc化が説明されている。
中枢神経系において、タウの6種のスプライスバリアントが報告されている。タウは17番染色体上にコードされ、中枢神経系に発現するその最長のアミノ酸数441のスプライスバリアントがその主なものである。これらのアイソフォームは、N−末端側の2つのインサート(エクソン2および3)および微小管結合領域内にあるエクソン10によって異なるものになる。エクソン10はタウオパチーにおいてかなり重要である。なぜなら、以下で説明するように、それは、タウを凝集しやすくする多重変異をもつためである。タウタンパク質は、神経細胞の微小管細胞骨格に結合し、安定化させる。これは軸索コンパートメントに沿った細胞小器官の細胞内輸送の調節に重要である。このように、タウは軸索の形成およびその保全性の維持に重要な役割を果たす。さらに、樹状突起スパインの生理学における役割も示唆されている。
タウの凝集は、種々のいわゆるタウオパチー、例えば、PSP(進行性核上性麻痺)、ダウン症候群(DS)、FTLD(前頭側頭葉型認知症)、FTDP−17(17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症)、ピック病(PD)、CBD(大脳皮質基底核変性症)、嗜銀顆粒病(AGD)およびAD(アルツハイマー病)の根底にある原因の1つである。さらに、タウ病変は、C9ORF72の変異を原因とする筋萎縮性側索硬化症(ALS)またはFTLDのようなさらなる神経変性疾患に伴う。これらの疾患では、タウは過剰なリン酸化によって翻訳後修飾され、これにより、タウは微小管から引き離され、凝集しやすくなると考えられる。O−GlcNAc残基を担持するセリン残基またはスレオニン残基はリン酸化しにくいため、タウのO−GlcNAc化はリン酸化の程度を調節する。これは効果的にタウを微小管から離れにくくし、凝集して毒性の神経原線維変化(最終的には神経毒性および神経細胞の細胞死に至る)を起こすことを低減する。この機序はまた、神経細胞から放出されるタウ凝集体が脳内の相互連結した回路によって細胞から細胞へと拡散することも低減し得る。最近では、この拡散が、タウが関連する認知症において病状を促進すると言われている。実際、AD患者の脳から単離された過リン酸化タウは、O−GlcNAc化のレベルを有意に減少させていたことが示された。
JNPL3タウトランスジェニックマウスに投与したOGA阻害剤は、NFTの形成および神経細胞脱落を低減することに成功し、明らかな有害作用はなかった。この所見は、FTDに見られる変異型タウの発現を誘導することができる別のタウオパチーの齧歯類モデル(tg4510)において確認された。OGAの低分子阻害剤の投与は、タウ凝集の形成の低減に有効であり、皮質萎縮および脳室拡大を減弱させた。
さらに、アミロイド前駆体タンパク質(APP)のO−GlcNAc化は、非アミロイド形成経路によるプロセシングに有利に働き、可溶性のAPP断片を産生し、AD関連のアミロイドβ(Aβ)を形成する切断を回避する。
OGAの阻害によってタウのO−GlcNAc化を維持することは、上記の神経変性疾患におけるタウのリン酸化およびタウ凝集を低減し、それにより、神経変性タウオパチー疾患の進行を減弱または停止するための有望な手法である。
国際公開第2004/005293号パンフレットは、ニコチン受容体調節剤としてのN−アリールジアザスピロ環式化合物、ならびに特定の化合物、例えば、2−(6−メトキシ−3−ピリダジニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2−(6−クロロ−3−ピリジニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2−(5−メトキシ−3−ピリジニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2−(3−ピリダジニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2−(2−ピラジニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2−(5−ピリミジニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、および2−(3−ピリジニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナンを開示しており;欧州特許第2301936号明細書は、スピロジアミン−ジアリールケトオキシム化合物をMCH受容体拮抗剤として記載し、特に、2−(4−メトキシフェニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2−(2−クロロフェニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2−(6−フルオロ−3−ピリジニル)−2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン、6−(6−フルオロ−3−ピリジニル)−2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン、2−(6−フルオロ−3−ピリジニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2−(フェニルメチル)−2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン、2−(3−クロロフェニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2−(フェニルメチル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2−フェニル−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2−(4−クロロフェニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナンを、合成中間体として開示しており;国際公開第2010/108268号パンフレットは、SCD阻害化合物を記載し、2−(2−クロロフェニル)−および2−(3−クロロフェニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナンを合成中間体として開示しており;国際公開第2017/001660号パンフレットは、抗菌活性を有するスピロ二環式誘導体化合物を記載し、2−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタンおよび4−(2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタ−2−イル)−ベンゾニトリルを中間体として開示しており;国際公開第2010/089127号パンフレットは、スピロ二環式誘導体化合物をブラジキニン受容体調節剤として開示し、2−(4−ピリジニル)−および2−(フェニルメチル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナンを中間体として記載しており;国際公開第2013/066729号パンフレットは、ピリミジノン誘導体をIRAK阻害剤として開示し、2−(2−ピリミジニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン[1450891−68−5]および2−[(3−クロロ−2−フルオロフェニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン(遊離塩基および塩酸塩)を合成中間体として記載しており;国際公開第2014/023723号パンフレットは、6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン[1609025−57−1]を中間体として開示しており;Sippy et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2009,19(6),1682−1685は、N−(3−ピリジニル)−スピロ環式ジアミンおよびそのnACh受容体への親和性を記載している。2−(フェニルメチル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナンは中間体として開示され、2−(6−クロロ−3−ピリジニル)−および2−(3−ピリジニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナンは、結合親和性が弱いことがわかり;Orain et al.Synlett,26(13)、1815−1818は、保護されたスピロ環式ジアミン骨格、例えば、6−(フェニルメチル)−2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン[135380−28−8]の合成に関し;Weinberg et al.Tetrahedron 2013,69(23),4694−4707は、スピロ環式ジアミン骨格の合成を記載しており、その特定の例は、2−(6−クロロ−3−ピリジニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン[646056−57−7]である。
Trapannone et al.Biochem.Soc.T.2016,44(1),88−93には、O−GlcNAc加水分解酵素阻害剤に関するレビューが含まれている。
次の化合物:
2−[(3−クロロ−2−フルオロフェニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、2−[[4−(メチルチオ)フェニル]メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、2−[(3−クロロ−4−ピリジニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:2)、2−[(2−クロロ−5−フルオロフェニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、2−[(2−クロロ−5−メトキシフェニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、2−[(4−エトキシフェニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、2−[(4−ブロモフェニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、N−[2−(2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナ−2−イルメチル)フェニル]−アセトアミド塩酸塩(1:1)、2−[1−(3−フルオロフェニル)エチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、2−[(5−メチル−2−ピリジニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、2−[1−(2,5−ジフルオロフェニル)エチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、2−[(2−ブロモ−4−メチルフェニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、2−[(4−クロロ−2−メチルフェニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、2−[(3−クロロ−5−エトキシ−4−プロポキシフェニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、2−[(4−ブロモ−2−クロロフェニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、2−[(4−ブロモ−2−メチルフェニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、5−(2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナ−2−イルメチル)−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−2−ピリジンアミン塩酸塩(1:1)、2−[(4−クロロフェニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、塩酸塩(1:1)、2−[(3−ブロモ−4−エトキシ−5−メトキシフェニル)メチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)、2−[4−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、および2−[1−(3−メチルフェニル)エチル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン塩酸塩(1:1)は市販されている。
有利なバランスの性質をもつOGA阻害剤、例えば、効力が改善され、選択性、脳透過性がより優れ、および/または副作用プロファイルがより優れたOGA阻害剤が依然として求められている。今般、本発明による化合物は、OGA阻害活性および良好なバランスの性質を示すことが発見された。
本発明は、式(I)
Figure 2020506940

[式中、
mおよびnは、それぞれ独立に、0または1を表し、ただし、それらは両方とも同時に0ではなく;
は、共有結合またはCHR(式中、
Rは、水素、または1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキルである)であり;
は、フェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリダジン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、およびピラジン−2−イルからなる群から選択される6員のアリール基またはヘテロアリール基を表し、その各々が、ハロ;シアノ;1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキル;C3〜7シクロアルキル;1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキルオキシ;およびNRaa(式中、Rは、水素、または1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキルであり、Raaは、水素、1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキル、および−C(=O)C1〜4アルキルからなる群から選択される)からなる群からそれぞれ独立に選択される1個、2個または3個の置換基で、任意選択により置換されていてもよく;
は、CHR(式中、Rは、水素、または1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキルである)であり;および
は、(b−1)、(b−2)、(b−3)、(b−4)、(b−5)、(b−6)、(b−7)、(b−8)、(b−9)、(b−10)、(b−11)および(b−12):
Figure 2020506940

(式中、
は、O、NR1z(式中、R1zは水素またはC1〜4アルキルである)またはSであり、
およびZは、それぞれ独立にCHまたはNを表し、
はC1〜4アルキルであり、
、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素またはC1〜4アルキルを表す)からなる群から選択される複素環または複素環系を表し;または
−L−Rは、式(b−13)
Figure 2020506940

(式中、Rは水素またはC1〜4アルキルである)の基である]
のスピロ二環式化合物およびその立体異性体型、ならびにその薬学的に許容される塩ならびに溶媒和物に関する。
本発明の実例となるものとして、薬学的に許容される担体および上記の化合物のいずれかを含む医薬組成物がある。本発明の例として、上記の化合物のいずれかと薬学的に許容される担体とを混合することによって作製される医薬組成物がある。本発明を例示するものとして、上記の化合物のいずれかと薬学的に許容される担体とを混合するステップを含む医薬組成物を作製する方法がある。
本発明を例示するものとして、O−GlcNAc加水分解酵素(OGA)の阻害によって媒介される障害を予防または処置する方法であって、上記の化合物または医薬組成物のいずれかの予防有効量または治療有効量の投与を、それを必要とする対象に行うステップを含む方法がある。
本発明をさらに例示するものとして、OGAを阻害する方法であって、上記の化合物または医薬組成物のいずれかの予防有効量または治療有効量の投与を、それを必要とする対象に行うステップを含む方法がある。
本発明の一例として、タウオパチー、特に、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉型認知症、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、および嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチー;またはタウ病変を伴う神経変性疾患、特に、C9ORF72の変異を原因とする筋萎縮性側索硬化症または前頭側頭葉型認知症から選択される神経変性疾患から選択される障害を予防または処置する方法であって、上記の化合物または医薬組成物のいずれかの予防有効量または治療有効量の投与を、それを必要とする対象に行うステップを含む方法がある。
本発明の別の例として、タウオパチー、特に、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉型認知症、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、および嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチー;またはタウ病変を伴う神経変性疾患、特に、C9ORF72の変異を原因とする筋萎縮性側索硬化症または前頭側頭葉型認知症から選択される神経変性疾患の予防または処置を必要とする対象における、これらの疾患の予防または処置に使用するための、上記のいずれかの化合物がある。
本発明は、上記に定義したとおりの式(I)の化合物、ならびにその薬学的に許容される付加塩および溶媒和物を対象とする。式(I)の化合物は、O−GlcNAc加水分解酵素(OGA)の阻害剤であり、タウオパチー、特に、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉型認知症、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、および嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチーの予防または処置に有用であり得、またはタウ病変を伴う神経変性疾患、特に、C9ORF72の変異を原因とする筋萎縮性側索硬化症または前頭側頭葉型認知症から選択される神経変性疾患の予防または処置に有用であり得る。
特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)[式中、mは1であり、nは0または1であり、特に、mおよびnは1である]の化合物、ならびにその互変異性体および立体異性体型、ならびにその薬学的に許容される塩ならびに溶媒和物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)[式中、mは0であり、nは1である]の化合物、ならびにその互変異性体および立体異性体型、ならびにその薬学的に許容される塩ならびに溶媒和物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)[式中、Lは共有結合である]の化合物、ならびにその互変異性体および立体異性体型、ならびにその薬学的に許容される塩ならびに溶媒和物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)[式中、LはCHRである]の化合物、ならびにその互変異性体および立体異性体型、ならびにその薬学的に許容される塩ならびに溶媒和物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)[式中、Rはピリジン−4−イル、ピリミジン−4−イルまたはピラジン−2−イルであり、その各々が、C1〜4アルキルおよびC3〜7シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個または2個の置換基で任意選択により置換されている]の化合物、ならびにその互変異性体および立体異性体型、ならびにその薬学的に許容される塩ならびに溶媒和物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)[式中、Rは、ピリジン−4−イルまたはピラジン−2−イルであり、その各々が、C1〜4アルキルおよびC3〜7シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個または2個の置換基で任意選択により置換されている]の化合物、ならびにその互変異性体および立体異性体型、ならびにその薬学的に許容される塩ならびに溶媒和物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)[式中、Rは、C1〜2アルキルおよびC1〜2アルキルオキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1個または2個の置換基で、それぞれ置換されているピリジン−4−イル、ピリジン−3−イルまたはピリジン−2−イルである]の化合物、ならびにその互変異性体および立体異性体型を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)[式中、Lは結合である]の化合物、ならびにその互変異性体および立体異性体型、ならびにその薬学的に許容される塩ならびに溶媒和物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)[式中、LはCHまたはCH(CH)であり、Rは、式(b−1)、(b−2)、(b−3)、(b−8)、(b−11)または(b−12)の基である]の化合物、ならびにその互変異性体および立体異性体型、ならびにその薬学的に許容される塩ならびに溶媒和物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)[式中、LはCHまたはCH(CH)であり、Rは、式(b−1)または(b−8)の基である]の化合物、ならびにその互変異性体および立体異性体型、ならびにその薬学的に許容される塩ならびに溶媒和物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)[式中、LはCHまたはCH(CH)であり、Rは式(b−1)(式中、ZはOであり、ZはCHであり、RはC1〜4アルキルであり、Rは水素である)の基である]の化合物、ならびにその互変異性体および立体異性体型、ならびにその薬学的に許容される塩ならびに溶媒和物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)[式中、
は共有結合であり;
は、各々がC1〜2アルキルおよびC1〜2アルキルオキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1個または2個の置換基で置換されている、ピリジン−4−イル、ピリジン−3−イルまたはピリジン−2−イルであり;
はCHまたはCH(CH)であり;
およびRは式(b−1)(式中、ZはOであり、ZはCHであり、RはC1〜4アルキルであり、Rは水素である)の基である]の化合物、ならびにその互変異性体および立体異性体型、ならびにその薬学的に許容される塩ならびに溶媒和物を対象とする。
本明細書に記載の式(II)
Figure 2020506940

[式中、すべての変数は、式(I)の化合物について記載されているとおりである]の化合物およびその立体異性体は、合成中間体として有用であり、さらに、それらの一部はOGA阻害活性を示す。したがって、さらなる態様において、本発明は、式(II)の化合物およびその立体異性体型、ならびにその薬学的に許容される塩ならびに溶媒和物に関する。さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載しているように、医薬としてのOGA阻害剤として使用するための、特にタウオパチーの処置に使用するための、式(II)の化合物およびその立体異性体型、ならびにその薬学的に許容される塩ならびに溶媒和物に関する。
定義
「ハロ」は、フルオロ、クロロおよびブロモを指すものとし、「C1〜4アルキル」は、1個、2個、3個または4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和アルキル基、例えばそれぞれ、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、ブチル、1−メチル−プロピル、2−メチル−1−プロピル、および1,1−ジメチルエチルなどを指すものとし、「C1〜4アルキルオキシ」は、C1〜4アルキルが上に定義されているとおりであるエーテル基を指すものとする。
本明細書で使用する「対象(subject)」という用語は、処置、観察または実験の目的物(object)となる、または目的物となった、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。したがって、本明細書で使用する場合、「対象」という用語は、患者、および本明細書において定義される疾患または病態を発症するリスクのある無症候性または症状が出る前の個体を包含する。
「治療有効量」という用語は、本明細書で使用する場合、研究者、獣医師、医師または他の臨床医によって求められている、組織系、動物またはヒトにおける生物学的または医学的反応(処置されている疾患または障害の症状の軽減を含む)を誘発する活性化合物または医薬剤の量を意味する。「予防有効量」という用語は、本明細書で使用する場合、予防されている疾患または障害の発症の可能性を実質的に低減する活性化合物または医薬剤の量を意味する。
本明細書で使用する場合、「組成物」という用語は、特定成分を特定量で含む生成物、および特定成分の特定量での組合せから直接的または間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。
上記および下記で、「式(I)の化合物」という用語は、その付加塩、溶媒和物および立体異性体を含むものとする。
上記および下記で、「立体異性体」または「立体化学的異性体型」という用語は、互換的に使用される。
本発明は、純粋な立体異性体として、または2種以上の立体異性体の混合物として、式(I)の化合物のすべての立体異性体を含む。
エナンチオマーは、重ね合わせることができない互いの鏡像となっている立体異性体である。エナンチオマーの対の1:1混合物は、ラセミ体またはラセミ混合物である。ジアステレオマー(またはジアステレオ異性体)は、エナンチオマーではない立体異性体であり、すなわち鏡像の関係にない。化合物が二重結合を含有する場合、置換基はE配置またはZ配置となり得る。化合物が二置換シクロアルキル基を含有する場合、置換基は、cis配置またはtrans配置となり得る。したがって、本発明は、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、cis異性体、trans異性体、およびこれらの混合物を含む。
絶対配置は、カーン・インゴルド・プレローグ表示法に従って特定される。不斉原子における配置は、RまたはSで指定される。絶対配置が不明である分割化合物は、平面偏光を回転させる方向に応じて(+)または(−)で示すことができる。
ある特定の立体異性体が同定される場合、これは、前記立体異性体が他の異性体を実質的に含まない、すなわち、他の異性体を50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、より一層好ましくは5%未満、特に2%未満、最も好ましくは1%未満しか伴わないことを意味する。したがって、式(I)の化合物が例えば(R)と特定される場合、これは、この化合物が(S)異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が例えばEと特定される場合、これは、この化合物がZ異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が例えばcisと特定される場合、これは、この化合物がtrans異性体を実質的に含まないことを意味する。
医療で使用される場合、本発明の化合物の付加塩は、毒性のない「薬学的に許容される付加塩」を指す。しかしながら、他の塩が、本発明による化合物またはその薬学的に許容される付加塩の調製に有用となることがある。本化合物の薬学的に許容される好適な付加塩としては、例えば、本化合物の溶液を、塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、またはリン酸などの薬学的に許容される酸の溶液と混合することによって形成され得る酸付加塩が挙げられる。さらに、本発明の化合物が酸部分を有する場合、その薬学的に許容される好適な付加塩としては、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩;および好適な有機配位子と形成される塩、例えば第四級アンモニウム塩を挙げることができる。
薬学的に許容される付加塩の調製に使用することができる代表的な酸としては、以下に限定されるものではないが、酢酸、2,2−ジクロロアクティック酸(2,2−dichloroactic acid)、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、
L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−樟脳酸、樟脳スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸(D−glucoronic acid)、L−グルタミン酸、β−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、およびウンデシレン酸が挙げられる。薬学的に許容される付加塩の調製に使用することができる代表的な塩基としては、以下に限定されるものではないが、アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、ジメチルエタノール−アミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレン−ジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミンおよび水酸化亜鉛が挙げられる。
化合物の名称は、Chemical Abstracts Service(CAS)によって取り決められた命名規則に従い、または国際純正・応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry:IUPAC)によって取り決められた命名規則に従い、生成させた。
最終化合物の調製
本発明による化合物は、一般に、それぞれが当業者に公知の一連の工程により調製することができる。具体的には、本化合物は、以下の合成方法に従って調製することができる。
式(I)の化合物は、当技術分野で公知の分割法に従って互いに分離することができるエナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成することができる。式(I)のラセミ化合物は、好適なキラル酸との反応により、対応するジアステレオマー塩形態に変換することができる。その後、前記ジアステレオマー塩形態は、例えば、選択的または分別結晶化により分離され、エナンチオマーはアルカリでそこから遊離される。式(I)の化合物のエナンチオマー形態を分離する代替方法には、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーが含まれる。前記純粋な立体化学的異性体型はまた、反応が立体特異的に起こるならば、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体型から誘導することもできる。
実験手順1
最終化合物の調製
本発明による化合物は、一般に、それぞれが当業者に公知の一連の工程により調製することができる。具体的には、本化合物は、以下の合成方法に従って調製することができる。
式(I)の化合物は、当技術分野で公知の分割法に従って互いに分離することができるエナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成することができる。式(I)のラセミ化合物は、好適なキラル酸との反応により、対応するジアステレオマー塩形態に変換することができる。その後、前記ジアステレオマー塩形態は、例えば、選択的または分別結晶化により分離され、エナンチオマーはアルカリでそこから遊離される。式(I)の化合物のエナンチオマー形態を分離する代替方法には、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーが含まれる。前記純粋な立体化学的異性体型はまた、反応が立体特異的に起こるならば、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体型から誘導することもできる。
実験手順1
式(I)[式中、LはCHRである]の最終化合物は、本明細書では(I−a)と称し、反応スキーム(1)に従って、式(II)の中間化合物を式(VI)のカルボニル化合物と反応させることにより、調製することができる。反応は、好適な反応不活性溶媒(例えばジクロロメタンなど)、金属水素化物(例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素ナトリウムなど)の中で行われ、好適な塩基(例えばトリエチルアミンなど)、および/またはルイス酸(例えば、チタンテトライソプロポキシドまたは四塩化チタンなど)の存在を、0℃もしくは室温または140℃などの温度条件下、例えば1時間または24時間、必要とし得る。反応スキーム(1)において、すべての変数は、式(I)と同様に定義されている。
Figure 2020506940
実験手順2
式(I)[式中、LはCHRであり、Lは共有結合である]の最終化合物は、本明細書では(I−b)と称し、反応スキーム(2)に従って、式(III)の中間化合物を式(VII)の化合物と反応させることにより、調製することができる。反応は、好適な反応不活性溶媒(例えば、イソプロパノールまたはアセトニトリルなど)、好適な塩基(例えばトリメチルアミンなど)の中で、100〜150℃などの温度条件下、例えば1時間または24時間、行われる。反応スキーム(2)において、すべての変数は、式(I)と同様に定義されている。
Figure 2020506940
実験手順3
式(I)[式中、LはCHRである]の最終化合物は、本明細書では(I−c)と称し、反応スキーム(3)に従って、式(II)の中間化合物を式(VIII)の化合物と反応させ、次に、形成されたイミン誘導体を式(IX)の中間化合物と反応させることによって調製することができる。反応は、好適な反応不活性溶媒(例えば無水ジクロロメタンなど)、ルイス酸(例えば、チタンテトライソプロポキシドまたは四塩化チタンなど)の中で、0℃または室温などの温度条件下、例えば1時間または24時間、行われる。反応スキーム(3)において、すべての変数は式(I)と同様に定義されており、RはC1〜4アルキルであり、ハロはクロロ、ブロモまたはヨードである。
Figure 2020506940
実験手順4
式(II)の中間化合物は、反応スキーム(4)に従って、式(IV)の中間化合物の保護基を切断して調製することができる。反応スキーム(4)において、すべての変数は式(I)と同様に定義されており、PGは、窒素官能基の好適な保護基、例えば、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)などである。このような保護基を除去する好適な方法は、当業者に広く知られており、以下に限定されるものではないが、Boc脱保護:反応不活性溶媒(例えばジクロロメタンなど)中、プロトン酸(例えばトリフルオロ酢酸など)での処理;エトキシカルボニル脱保護:反応不活性溶媒(例えば含水テトラヒドロフランなど)中、強塩基(例えば水酸化ナトリウムなど)での処理;ベンジル脱保護:反応不活性溶媒(例えばエタノールなど)中、好適な触媒(例えばパラジウム担持炭素など)の存在下での接触水素化;ベンジルオキシカルボニル脱保護:反応不活性溶媒(例えばエタノールなど)中、好適な触媒(例えばパラジウム担持炭素など)の存在下での接触水素化を含む。
Figure 2020506940
実験手順5
式(IV−a)の中間化合物は、反応スキーム(5)に従って、式(V)の中間化合物を式(X)のカルボニル化合物と反応させることにより、調製することができる。反応は、好適な反応不活性溶媒(例えばジクロロメタンなど)、金属水素化物(例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素ナトリウムなど)の中で行われ、好適な塩基(例えばトリエチルアミンなど)、および/またはルイス酸(例えば、チタンテトライソプロポキシドまたは四塩化チタンなど)の存在を、0℃もしくは室温または140℃などの温度条件下、例えば1時間または24時間、必要とし得る。反応スキーム(5)において、すべての変数は式(I)と同様に定義されており、LはCHRであり、PGは、窒素官能基の好適な保護基、例えば、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)などである。
Figure 2020506940
実験手順6
式(IV−b)の中間化合物は、反応スキーム(6)に従って、式(V)の中間化合物を式(XI)の化合物と反応させることにより、調製することができる。反応は、好適な反応不活性溶媒(例えば、イソプロパノールまたはアセトニトリルなど)、好適な塩基(例えばトリメチルアミンなど)の中で、100〜150℃などの温度条件下、例えば1時間または24時間、行われる。反応スキーム(6)において、すべての変数は、式(I)と同様に定義されており、Lは結合である。
Figure 2020506940
実験手順7
式(IV−c)の中間化合物は、反応スキーム(7)に従って、式(IV−b’)の中間化合物と式(XII)の化合物との「鈴木カップリング」反応によって調製することができる。反応は、好適な反応不活性溶媒(例えば1,4−ジオキサンなど)、および好適な触媒(例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)など)、好適な塩基(例えばNaCO(飽和水溶液)など)の中で、例えば150℃などの温度条件下、例えば15分間、マイクロ波照射下にて行われる。反応スキーム(7)において、すべての変数は式(I)と同様に定義されており、Lは結合であり、RはC1〜4アルキルで置換されているピラジル基であり、ハロは、クロロ、ブロモまたはヨードであり、AlkはC1〜4アルキルである。
Figure 2020506940
実験手順8
式(IV−d)の中間化合物は、反応スキーム(8)に従って、式(IV−b’)の中間化合物の水素化反応により、調製することができる。反応は、好適な反応不活性溶媒(例えばエタノールなど)、および好適な触媒(例えば10%パラジウム(0)担持炭素など)の中で、水素の存在下、例えば50℃などの温度条件下、例えば1分間、H−cube反応器に入れて行われる。反応スキーム(8)において、すべての変数は式(I)と同様に定義されており、Lは結合であり、Rはハロピラジル基であり、ハロは、クロロ、ブロモまたはヨードである。
Figure 2020506940
実験手順9
式(III)の中間化合物は、反応スキーム(9)に従って、式(V)の中間化合物を式(VI)の化合物と反応させることにより、調製することができる。反応は、好適な反応不活性溶媒(例えばジクロロメタンなど)、金属水素化物(例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素ナトリウムなど)の中で行われ、好適な塩基(例えばトリエチルアミンなど)、および/またはルイス酸(例えば、チタンテトライソプロポキシドまたは四塩化チタンなど)の存在を、0℃もしくは室温または140℃などの温度条件下、例えば1時間または24時間、必要とし得る。反応スキーム(9)において、すべての変数は、式(I)と同様に定義されている。
Figure 2020506940
式、(V)、(VI)、(VII)(VIII)、(IX)、(X)、(XI)および(XII)の中間体は市販されており、または当業者に公知の手順により調製することができる。
薬理学
本発明の化合物およびその薬学的に許容される組成物は、O−GlcNAc加水分解酵素(OGA)を阻害し、したがって、タウ病変が関わる疾患、別名タウオパチー、およびタウ封入体を伴う疾患の処置または予防に有用であり得る。このような疾患としては、以下に限定されるものではないが、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症複合、嗜銀顆粒病、慢性外傷性脳症、大脳皮質基底核変性症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ダウン症候群、家族性イギリス型認知症、家族性デンマーク型認知症、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(MAPTの変異を原因とする)、前頭側頭葉変性症(C9ORF72の変異を原因とする場合がある)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、グアドループ型パーキンソニズム、筋緊張性ジストロフィー、脳内鉄沈着を伴う神経変性症、ニーマン・ピック病C型、非グアム型神経原線維変化を伴う運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺、SLC9A6関連精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維変化のみの認知症、およびグリア細胞球状封入体を伴う白質タウオパチーが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「処置」という用語は、疾患の進行の遅延、中断、阻止もしくは停止、または症状の軽減があり得るすべてのプロセスを指すものとするが、必ずしも全症状の完全な排除を示すものではない。本明細書で使用する場合、「予防」という用語は、疾患の発症の遅延、中断、阻止または停止があり得るすべてのプロセスを指すものとする。
本発明はまた、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症複合、嗜銀顆粒病、慢性外傷性脳症、大脳皮質基底核変性症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ダウン症候群、家族性イギリス型認知症、家族性デンマーク型認知症、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(MAPTの変異を原因とする)、前頭側頭葉変性症(C9ORF72の変異を原因とする場合がある)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、グアドループ型パーキンソニズム、筋緊張性ジストロフィー、脳内鉄沈着を伴う神経変性症、ニーマン・ピック病C型、非グアム型神経原線維変化を伴う運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺、SLC9A6関連精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維変化のみの認知症、およびグリア細胞球状封入体を伴う白質タウオパチーからなる群から選択される疾患または病態の処置または予防に使用するための、一般式(I)による化合物、その立体異性体型またはその薬学的に許容される酸付加塩もしくは塩基付加塩にも関する。
本発明はまた、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症複合、嗜銀顆粒病、慢性外傷性脳症、大脳皮質基底核変性症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ダウン症候群、家族性イギリス型認知症、家族性デンマーク型認知症、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(MAPTの変異を原因とする)、前頭側頭葉変性症(C9ORF72の変異を原因とする場合がある)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、グアドループ型パーキンソニズム、筋緊張性ジストロフィー、脳内鉄沈着を伴う神経変性症、ニーマン・ピック病C型、非グアム型神経原線維変化を伴う運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺、SLC9A6関連精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維変化のみの認知症、およびグリア細胞球状封入体を伴う白質タウオパチーからなる群から選択される疾患または病態のリスクの処置、予防、改善、制御または低減に使用するための、一般式(I)による化合物、その立体異性体型またはその薬学的に許容される酸付加塩もしくは塩基付加塩にも関する。
特に、疾患または病態は、特にタウオパチーから選択することができ、より特定すると、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉型認知症、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、および嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチーから選択することができ、あるいは疾患または病態は、特に、タウ病変を伴う神経変性疾患、より特定すると、C9ORF72の変異を原因とする筋萎縮性側索硬化症または前頭側頭葉型認知症から選択される神経変性疾患とすることができる。
アルツハイマー病およびタウオパチー疾患における発症前状態:
近年、米国(US)国立老化研究所(National Institute for Aging)および国際ワーキンググループ(International Working Group)は、発症前(無症候性)段階のADをより明確に定義するためのガイドラインを提案した(Dubois B,et al.Lancet Neurol.2014;13:614−629;Sperling,RA,et al.Alzheimers Dement.2011;7:280−292)。仮説モデルは、Aβの蓄積およびタウ凝集が、明白な臨床的障害が発現する何年も前に始まることを前提とする。アミロイド蓄積、タウ凝集およびADの発症が上昇する重要な危険因子は、年齢(すなわち、65歳以上)、APOE遺伝子型、および家族歴である。臨床的に正常な75歳より高齢の個体のおよそ3分の1は、アミロイドおよびタウのPET画像診断(タウについては現在あまり進んでいない)で、Aβまたはタウの蓄積のエビデンスを示す。さらに、CSF測定値においてAβレベルの減少が観察され、一方、修飾を受けていないタウおよびリン酸化したタウのレベルはCSFにおいて上昇している。類似の所見が大規模な剖検調査に見られ、早くも20歳以下で脳内にタウ凝集体が検出されていることが示されている。アミロイド陽性(Aβ+)の臨床的に正常な個体は、一貫して、他のバイオマーカーで「AD様中間形質」のエビデンスを示し、これには、機能的磁気共鳴画像法(MRI)と安静時結合の両方における機能的ネットワーク活動の崩壊、フルオロデオキシグルコース18F(FDG)の代謝低下、皮質薄化、および萎縮の加速が含まれる。時系列データを積み上げると、やはり、Aβ+の臨床的に正常な個体は、認知機能低下ならびに軽度認知障害(MCI)およびAD認知症への進行のリスクが増大していることが強く示されている。アルツハイマー病の科学界には、これらのAβ+の臨床的に正常な個体が、AD病理の連続体の初期段階を呈しているという意見の一致がある。したがって、Aβの産生またはタウの凝集を減少させる治療剤の介入は、広範な神経変性が起こる前の病期で開始すると、より有効になりそうであると主張されてきた。複数の製薬会社が、現在、前駆性ADにおけるBACEの阻害を試験中である。
バイオマーカー研究の発展のお陰で、現在は、最初の症状が発生する前の発症前段階でのアルツハイマー病を特定することが可能である。発症前アルツハイマー病に関する様々な問題、例えば、定義および用語、範囲、自然経過、進行のマーカー、ならびに無症候性段階での疾患の検出の倫理的重大性などはすべて、Alzheimer’s & Dementia 12(2016)292−323にレビューされている。
発症前アルツハイマー病またはタウオパチーにおいて、個体は2つのカテゴリーで識別され得る。PETスキャンでアミロイドβまたはタウ凝集のエビデンスがある、またはCSF Aβ、タウおよびリン酸タウに変化のある、認知が正常な個体は、「アルツハイマー病の無症候性のリスク状態(AR−AD)」または「タウオパチーの無症候性状態」にあると定義される。家族性アルツハイマー病の完全浸透性優性常染色体の変異を有する個体は、「症状が出る前のアルツハイマー病」を有すると言われる。タウタンパク質内の優性常染色体の変異は、同様に、多様な形態のタウオパチーのためと説明されている。
したがって、ある実施形態では、本発明はまた、発症前アルツハイマー病、前駆性アルツハイマー病、またはタウオパチーの様々な形態に見られるタウ関連の神経変性のリスクの制御または低減に使用するための、一般式(I’)または(I)による化合物、その立体異性体型またはその薬学的に許容される酸付加塩もしくは塩基付加塩にも関する。上で既に述べたように、「処置」という用語は、必ずしも全症状の完全な排除を示すものではないが、上記の障害のいずれかの対症処置を指す場合もある。式(I)の化合物の有効性に鑑みて、上記の疾患のいずれか1つに罹患しているヒトを含む温血動物などの対象を処置する方法、または上記の疾患のいずれか1つに罹患しているヒトを含む温血動物などの対象を予防する方法が提供される。
前記方法は、式(I)の化合物、その立体異性体型、その薬学的に許容される付加塩または溶媒和物の予防有効量または治療有効量の、ヒトを含む温血動物などの対象への投与、すなわち全身投与または局所投与、好ましくは経口投与を含む。
したがって、本発明はまた、上記の疾患のいずれかを予防および/または処置する方法であって、本発明による化合物の予防有効量または治療有効量の投与を、それを必要とする対象に行うステップを含む方法にも関する。
本発明はまた、O−GlcNAc加水分解酵素(OGA)の活性を調節する方法であって、本発明による、および特許請求の範囲で定義される化合物、または本発明による、および特許請求の範囲で定義される医薬組成物の、予防有効量または治療有効量の投与を、それを必要とする対象に行うステップを含む方法にも関する。
処置方法はまた、1日に1〜4回摂取する投薬計画で活性成分を投与するステップを含んでもよい。これらの処置方法では、本発明による化合物は、投与前に製剤化されることが好ましい。本明細書で下記に記載するように、好適な医薬製剤は、容易に入手可能な周知の成分を使用して、既知の手順で調製される。
上記の障害のいずれか、またはそれらの症状を処置または予防するのに好適となり得る本発明の化合物は、単独で投与されても、1種または複数種の追加の治療剤と併用投与されてもよい。併用治療には、式(I)の化合物および1種または複数種の追加の治療剤を含有する単一医薬投与製剤の投与、ならびに式(I)の化合物および各追加の治療剤(それ自体個別の医薬投与製剤中)の投与が含まれる。例えば、式(I)の化合物および治療剤は、患者に、錠剤またはカプセル剤などの単一経口投与組成物で一緒に投与されてもよいし、各薬剤が個別の経口投与製剤で投与されてもよい。
当業者は、本明細書に記載の疾患または病態の別の命名法、疾病分類および分類体系に精通しているであろう。例えば、American Psychiatric AssociationのDiagnostic & Statistical Manual of Mental Disorders第5版(DSM−5(商標))は、神経認知障害群(NCD)(重度と軽度の両方)、特に、アルツハイマー病による神経認知障害などの用語を使用している。このような用語は、本明細書に記載する疾患または病態の一部の別の名称として当業者が使用する場合がある。
医薬組成物
本発明はまた、O−GlcNAc加水分解酵素(OGA)の阻害が有益となる疾患、例えば、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉型認知症、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、嗜銀顆粒病、C9ORF72の変異を原因とする筋萎縮性側索硬化症または前頭側頭葉型認知症などを予防または処置するための組成物も提供し、前記組成物は、治療有効量の式(I)による化合物および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む。
活性成分を単独で投与することは可能であるが、それを医薬組成物として提供することが好ましい。したがって、本発明はさらに、本発明による化合物を、薬学的に許容される担体または希釈剤とともに含む医薬組成物を提供する。担体または希釈剤は、組成物の他の成分と適合し、そのレシピエントに有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。
本発明の医薬組成物は、薬学の技術分野において周知の任意の方法によって調製することができる。治療有効量の特定の化合物は、活性成分として、塩基形態または付加塩形態で、薬学的に許容される担体と組み合わされて均質な混合物にされるが、これは投与に所望される製剤の形態に応じて多種多様な形態をとり得る。これらの医薬組成物は、好ましくは、経口、経皮もしくは非経口投与などの全身投与;または吸入、鼻腔スプレー、点眼剤による、もしくはクリーム、ゲル、もしくはシャンプーなどによる局所投与に好適な単位剤形であることが望ましい。例えば、組成物を経口剤形に調製する際に、例えば、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、および液剤などの経口液体製剤の場合には、水、グリコール類、油およびアルコールなど;または散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤の場合には、デンプン、糖、カオリン、滑沢剤、結合剤および崩壊剤などの固体担体など、通常の医薬媒体のいずれかを使用することができる。錠剤およびカプセル剤は、その投与が容易であるため、最も有利な経口単位剤形であり、その場合、固体医薬担体が当然使用される。非経口組成物の場合、担体は、通常、滅菌水を少なくとも大部分含むことになるが、例えば溶解性を助ける他の成分が含まれてもよい。例えば、担体が生理食塩水、ブドウ糖溶液、または生理食塩水とブドウ糖溶液との混合物を含む注射用溶液を調製することができる。注射用懸濁剤も調製することができ、その場合、適切な液体担体および懸濁化剤などを使用してもよい。経皮投与に好適な組成物においては、担体は、皮膚に大きな有害作用を引き起こさない任意の性質の少量の好適な添加剤と任意選択により組み合わせて、浸透促進剤および/または好適な湿潤剤を任意選択により含む。前記添加剤は、皮膚への投与を容易にすることができ、および/または所望の組成物の調製に役立ち得る。これらの組成物は、様々な方法で、例えば、経皮貼付剤として、スポットオン製剤として、または軟膏剤として投与することができる。
投与を容易にし、投与量を均一にするために、前述の医薬組成物を単位剤形に製剤化することは特に有利である。本明細書および特許請求の範囲で使用される単位剤形とは、単位投与量として好適な物理的に個別の単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と共同して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性成分を含有する。そのような単位剤形の例は、錠剤(分割錠剤またはコーティング錠剤を含む)、カプセル剤、丸剤、粉末パケット、ウエハー、注射用溶液または注射用懸濁剤、小さじ1杯分、大さじ1杯分など、およびそれらの分離複合剤である。
正確な投与量および投与頻度は、当業者に周知のとおり、使用される式(I)の特定の化合物、処置される特定の病態、処置される病態の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、障害の程度および全身の健康状態、ならびにその個体が摂取している場合がある他の薬剤に依存する。さらに、前記有効1日量は、処置された対象の応答に応じて、および/または本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて、減少または増加してもよいことは明らかである。
投与方式に応じて、医薬組成物は、活性成分を0.05〜99重量%、好ましくは0.1〜70重量%、より好ましくは0.1〜50重量%、および薬学的に許容される担体を1〜99.95重量%、好ましくは30〜99.9重量%、より好ましくは50〜99.9重量%含むことになり、パーセンテージはすべて組成物の総重量に基づく。
本化合物は、経口、経皮もしくは非経口投与などの全身投与;または吸入、鼻腔スプレー、点眼剤による、もしくはクリーム、ゲルもしくはシャンプーなどによる局所投与に使用することができる。本化合物は経口投与されるのが好ましい。正確な投与量および投与頻度は、当業者に周知のとおり、使用される式(I)による特定の化合物、処置される特定の病態、処置される病態の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、障害の程度および全身の健康状態、ならびにその個体が摂取している場合がある他の薬剤に依存する。さらに、前記有効1日量は、処置された対象の応答に応じて、および/または本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて、減少または増加してもよいことは明らかである。
単回剤形を製造するために担体材料と組み合わせることができる式(I)の化合物の量は、処置される疾患、哺乳動物種および特定の投与方式に応じて変動するであろう。しかし、一般的な指針として、本発明の化合物についての好適な単位用量は、例えば、好ましくは0.1mg〜約1000mgの間の活性化合物を含有し得る。好ましい単位用量は1mg〜約500mgの間である。より好ましい単位用量は1mg〜約300mgの間である。より一層好ましい単位用量は1mg〜約100mgの間である。このような単位用量は、1日2回以上、例えば、1日に2、3、4、5または6回、しかし好ましくは1日に1回または2回、70kgの成人に対する総投与量が、1回の投与につき、対象の体重1kg当たり0.001〜約15mgの範囲となるように投与することができる。好ましい投与量は、1回の投与につき、対象の体重1kg当たり0.01〜約1.5mgであり、このような治療は数週間または数カ月間、場合により数年間にわたり得る。しかし、当然のことながら、当業者によく理解されているように、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、使用する特定の化合物の活性;処置される個体の年齢、体重、全身の健康状態、性別および食事;投与時間および投与経路;排泄率;以前投与された他の薬物;ならびに治療を受ける特定の疾患の重症度を含む様々な要因に依存することになる。
典型的な投与量は、1mg〜約100mgの錠剤もしくは1mg〜約300mgの錠剤を1錠、1日1回もしくは1日数回服用、または活性成分の含量を比較的多く含有する徐放カプセル剤もしくは錠剤を1つ、1日1回服用とすることができる。徐放効果は、異なるpH値で溶解するカプセル材料により、浸透圧で徐々に放出するカプセルにより、または他の既知の任意の放出制御手段により得ることができる。
当業者には明らかなことであろうが、これらの範囲外の投与量を使用することが必要となる場合があり得る。さらに、臨床医または処置医が、個々の患者の応答に応じて、治療を開始、中断、調整または終了する方法および時点を知っているであろうことにも留意されたい。
本発明はまた、本発明による化合物、「リーフレット」とも呼ばれる処方情報、ブリスターパッケージまたはボトル、および容器を含むキットも提供する。さらに、本発明は、本発明による医薬組成物、「リーフレット」とも呼ばれる処方情報、ブリスターパッケージまたはボトル、および容器を含むキットを提供する。処方情報には、本発明による化合物または医薬組成物の投与に関して患者への注意または説明を含めるのが好ましい。特に、処方情報には、タウオパチーの予防および/または処置のために、それを必要とする対象において、本発明による化合物または医薬組成物がどのように使用されるべきかについて、前記本発明による化合物または医薬組成物の投与に関して患者への注意または説明が含められる。したがって、ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物もしくはその立体異性体型、もしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または前記化合物を含む医薬組成物、およびタウオパチーを予防または処置するための説明書を含むキットオブパーツを提供する。本明細書に記載するキットは、特に、市販用に好適な医薬パッケージとすることができる。
上記の組成物、方法およびキットについて、当業者には、それぞれに使用するのに好ましい化合物は、上記で好ましいと記載されている化合物であることが分かるであろう。組成物、方法およびキットについてさらに一層好ましい化合物は、下記の非限定的な実施例で提供される化合物である。
実験の部
以下、「m.p.」という用語は融点を意味し、「min」は分を意味し、「ACN」はアセトニトリルを意味し、「aq.」は水性を意味し、「Boc」はtertブチルオキシカルボニルを意味し、「DMF」はジメチルホルムアミドを意味し、「r.t.」または「RT」は室温を意味し、「rac」または「RS」はラセミを意味し、「sat.」は飽和を意味し、「SFC」は超臨界流体クロマトグラフィーを意味し、「SFC−MS」は超臨界流体クロマトグラフィー/質量分析を意味し、「LC−MS」は液体クロマトグラフィー/質量分析を意味し、「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーを意味し、「PrOH」はイソプロピルアルコールを意味し、「RP」は逆相を意味し、「R」は保持時間(単位は分)を意味し、「[M+H]」は化合物の遊離塩基のプロトン化質量を意味し、「wt」は重量を意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「EtOAc」は酢酸エチルを意味し、「DCM」はジクロロメタンを意味し、「MeOH」はメタノールを意味し、「soltn」または「sol.」は溶液を意味し、「EtOH」はエタノールを意味し、Pd(OAc)は酢酸パラジウム(II)を意味する。
「RS」という表記が本明細書で示されている場合は常に、別途指示しない限り、化合物が、示された中心でのラセミ混合物であることを意味する。一部の化合物では、中心の立体化学的配置は、混合物が分離された場合に「R」または「S」と指定されており、一部の化合物では、化合物自体は単一の立体異性体として単離され、鏡像異性的に/ジアステレオ異性的に純粋であるが、絶対立体化学が未確定の場合、示された中心での立体化学的配置は「*R」または「*S」と指定されている。本明細書で報告している化合物の鏡像体過剰率は、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によるラセミ混合物の分析と、その後の、分離されたエナンチオマーのSFC比較とにより決定した。
マイクロ波補助反応は、シングルモード式反応器:Initiator(商標)Sixty EXPマイクロ波反応器(Biotage AB)、またはマルチモード式反応器:MicroSYNTH Labstation(Milestone,Inc.)で行った。
薄層クロマトグラフィー(TLC)は、試薬級溶媒を使用して、シリカゲル60 F254プレート(Merck)で行った。オープンカラムクロマトグラフィーは、標準技術を使用して、シリカゲル、粒径60Å、メッシュ=230〜400(Merck)で行った。
自動フラッシュカラムクロマトグラフィーは、そのまま接続できるカートリッジを使用して、粒径15〜40μmの不定形シリカゲル(順相使い捨てフラッシュカラム)で、異なるフラッシュシステム:Armen Instrument製SPOTシステムもしくはLAFLASHシステム、またはInterchim製PuriFlash(登録商標)430evoシステム、またはAgilent製971−FPシステム、またはBiotage製Isolera 1SVシステムにて行った。
A.中間体の調製
中間体1の調製
Figure 2020506940

塩化アセチル(6mL、84.38mmol)を、2−アミノ−5−ホルミルチアゾール(10g、78mmol)とジイソプロピルアミン(45mL、261.1mmol)とのDCM(100mL)溶液に、0℃で添加した。得られた混合物を室温まで加温し、さらに室温で17時間撹拌した。NHCl(飽和水溶液)を添加し、この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;乾式充填、EtOAc/DCM 0/100〜50/50)により精製し、所望の画分を真空中で濃縮して、中間体1を黄色固体(8.6g、収率65%)として得た。
中間体2、2aおよび2bの調製
Figure 2020506940

2−Boc−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン(CAS:236406−49−8;100mg、0.442mmol)と、4−クロロ−2,6−ジメチルピリジン(75.1mg、0.53mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(0.152mL、0.88mmol)とのイソプロパノール(1.5mL)中混合物を、封管中で、最初に120℃で30分間撹拌し、次いでマイクロ波照射下にて150℃で90分間撹拌した。次いで、溶媒を真空中で蒸発させ、このようにして得られた残渣をEtOAcに溶かし、NaHCO(飽和水溶液)で洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM 0/100〜15/85)により精製し、所望の画分を真空中で濃縮して、中間体2(78mg;収率53%)を無色シロップ状物として得た。
中間体2(3.43g)を、分取HPLC(固定相:Chiralpak AD−H 5μm 250*30mm、移動相:COが78%、EtOH/iPrOH 50/50v/v(+5%iPrNH)の混合物が22%)に供して、中間体2a(1.61g)および中間体2b(1.78g)を得た。
中間体3の調製
Figure 2020506940

HCl(0.59mL、4M 1,4−ジオキサン溶液)を、中間体2(78mg、0.24mmol)の1,4−ジオキサン(1.24mL)溶液に、室温で添加した。この混合物を室温で16時間撹拌した。揮発分を真空下で蒸発させ、このようにして得られた残渣をEtOAcでトリチュレートして、中間体3(57mg;収率80%;ビス−HCl塩)を帯褐色固体として得た。
中間体3aの調製
Figure 2020506940

HCl(2.5mL、4M 1,4−ジオキサン溶液)を、中間体2a(0.32g、0.97mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)溶液に、室温およびN雰囲気下で添加した。この混合物を室温で16時間撹拌した。揮発分を真空下で蒸発させて残渣を得、これをMeOHに溶かし、isolute SCX−2カートリッジに通過させた。生成物をNHの7N MeOH溶液で溶出した。揮発分を真空中で蒸発させて、中間体3a(0.23g、定量的)を淡黄色油状物として得た。
中間体3bの調製
Figure 2020506940

HCl(2.5mL、4M 1,4−ジオキサン溶液)を、中間体2b(0.38g、0.97mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)溶液に、室温およびN雰囲気下で添加した。この混合物を室温で16時間撹拌した。揮発分を真空下で蒸発させて残渣を得、これをMeOHに溶かし、isolute SCX−2カートリッジに通過させた。生成物をNHの7N MeOH溶液で溶出した。揮発分を真空中で蒸発させて、中間体3b(0.23g、収率88%)を淡黄色油状物として得た。
中間体4の調製
Figure 2020506940

2−Boc−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン(CAS:236406−49−8;250mg、1.05mmol)と、4−クロロ−2,6−ジメチルピリミジン(189mg、1.33mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(0.38mL、2.21mmol)とのイソプロパノール(3.75mL)中混合物を、封管中で最初に120℃で30分間撹拌し、次いでマイクロ波照射下にて150℃で90分間撹拌した。次いで、溶媒を真空中で蒸発させ、このようにして得られた残渣をEtOAcに溶かし、NaHCO(飽和水溶液)で洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM 0/100〜15/85)により精製し、所望の画分を真空中で濃縮して、中間体4(265mg;収率72%)を無色シロップ状物として得た。
中間体5の調製
Figure 2020506940

HCl(2mL、4M 1,4−ジオキサン溶液)を、中間体4(265mg、0.24mmol)の1,4−ジオキサン(1.24mL)溶液に、室温で添加した。この混合物を室温で16時間撹拌した。揮発分を真空下で蒸発させて、中間体5(214mg、定量的、HCl塩)を帯褐色固体として得た。
中間体6の調製
Figure 2020506940

ジイソプロピルエチルアミン(1.56mL、9.03mmol)を、2−Boc−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン(CAS:236406−49−8;1.52g、6.72mmol)と2,6−ジクロロピラジン(1.35g、9mmol)とのアセトニトリル(13.3mL)中撹拌溶液に、N雰囲気下で添加した。この混合物を、マイクロ波照射下にて150℃で15分間撹拌した。次いで、NHCl(飽和水溶液)を添加し、得られた混合物をDCMで抽出した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘプタン 0/100〜100/0)により精製し、所望の画分を真空中で濃縮して、中間体6(2.13g;収率94%)を橙色油状物として得た。
中間体7の調製
Figure 2020506940

中間体6(100mg、0.29mmol)を、カリウムシクロプロピルトリフルオロボレート(CAS:1065010−87−8;66mg、0.44mmol)と、Pd(OAc)(CAS 3375−31−3;2.67mg、0.012mmol)と、ブチルジ−1−アダマンチルホスフィン(CAS 321921−71−5;6.35mg、0.018mmol)と、炭酸セシウム(289mg、0.88mmol)とをトルエン(2mL)および水(0.38mL)に入れた脱酸素化混合物に、室温で添加した。この混合物を、封管中で100℃に16時間加熱した。水およびDCMを添加し、有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させた。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;MeOH/DCM、0/100〜5/95)により精製し、所望の画分を真空中で濃縮して、中間体7(81.8mg、収率80%)を得た。
中間体8の調製
Figure 2020506940

トリフルオロ酢酸(0.181mL、2.36mmol)を、中間体7(81.8mg、0.24mmol)のDCM(1.06mL)溶液に、室温でN雰囲気下にて添加した。この混合物を室温で14時間撹拌した。揮発分を真空下で蒸発させて、中間体8(100mg、収率96%、トリフルオロ酢酸塩)を得た。
中間体9の調製
Figure 2020506940

中間体6(89.6mg、0.26mmol)と、メチルボロン酸(CAS:13061−96−6;19mg、0.32mmol)と、Pd(PPh(CAS 14221−01−3、31mg、0.026mmol)と、炭酸ナトリウム(0.5mL、飽和水溶液)との1,4−ジオキサン(7.75mL)中混合物を、封管中で、マイクロ波照射下にて150℃に15分間加熱した。水およびDCMを添加し、有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させた。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;EtOAc/DCM、0/100〜100/0)により精製し、所望の画分を真空中で濃縮して、中間体9(53mg、収率63%)を黄色油状物として得た。
中間体10の調製
Figure 2020506940

トリフルオロ酢酸(0.127mL、1.66mmol)を、中間体9(53mg、0.17mmol)のDCM(0.5mL)溶液に、室温でN雰囲気下にて添加した。この混合物を室温で4時間撹拌した。揮発分を真空下で蒸発させて残渣を得、これをMeOHに溶かし、isolute SCX−2カートリッジに通過させた。生成物をNHの7N MeOH溶液で溶出した。揮発分を真空中で蒸発させて、中間体10(32mg、収率88%)を淡黄色油状物として得た。
中間体11の調製
Figure 2020506940

中間体6(122mg、0.36mmol)のエタノール(7.2mL)溶液を、H−Cube反応器(1mL/分、35mm Pd/Cカートリッジ、フルHモード、50℃、1サイクル)に入れて水素化した。溶媒を真空下で蒸発させた。このようにして得られた残渣を、水およびDCMに溶かした。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させて、中間体11(71mg、収率65%)を淡黄色油状物として得た。
中間体12の調製
Figure 2020506940

トリフルオロ酢酸(0.176mL、2.3mmol)を、中間体11(70mg、0.23mmol)のDCM(1mL)溶液に、室温でN雰囲気下にて添加した。この混合物を室温で16時間撹拌した。揮発分を真空下で蒸発させて残渣を得、これをMeOHに溶かし、isolute SCX−2カートリッジに通過させた。生成物をNHの7N MeOH溶液で溶出した。揮発分を真空中で蒸発させて、中間体12(37mg、収率79%)を無色油状物として得た。
中間体13の調製
Figure 2020506940

シアノ水素化ホウ素ナトリウム(417mg、6.63mmol)を、2−Boc−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン(CAS:236406−49−8;1g、4.42mmol)と、3’,4’−(メチレンジオキシ)アセトフェノン(CAS 3162−29−6;0.73g、4.42mmol)と、チタン(IV)イソプロポキシド(2.62mL、8.84mmol)と、トリエチルアミン(1.23mL、8.84mmol)との無水MeOH(10.7mL)中撹拌混合物に、N雰囲気下で添加した。この懸濁液を80℃で4日間撹拌した。次いで水を添加し、揮発分を真空下で蒸発させた。水を添加し、この混合物を、DCM中NHの10%MeOH溶液/DCMの1:2混合物で3回抽出した。まとめた有機抽出物をMgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM 0/100〜10/90)により精製し、所望の画分を真空中で濃縮して、中間体13(1.2g;収率62%、純度85%)を琥珀色油状物として得た。
中間体14の調製
Figure 2020506940

HCl(3mL、6Mイソプロパノール溶液)を、中間体13(0.6g、1.6mmol)のDCM(12.3mL)溶液に、室温で添加した。この混合物を室温で16時間撹拌した。揮発分を真空下で蒸発させて、粗製中間体14(630mg、HCl塩)を得た。
中間体15の調製
Figure 2020506940

ジイソプロピルエチルアミン(0.95mL、5.52mmol)を、2−Boc−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン(CAS:236406−49−8;0.25g、1.1mmol)のDCM(5.9mL)中撹拌懸濁液に、室温で添加した。この混合物を5分間撹拌し、次いで2,6−ジメチルイソニコチンアルデヒド(CAS 18206−06−9;179mg、1.3mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.35g、1.66mmol)を添加した。この混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、NaHCO(飽和水溶液)を添加した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;MeOH/DCM 0/100〜10/90)により精製し、所望の画分を真空中で濃縮して、中間体15(0.25g;収率65%)を無色シロップ状物として得た。
中間体16の調製
Figure 2020506940

HCl(1.8mL、4M 1,4−ジオキサン溶液)を、中間体15(249mg、0.27mmol)の1,4−ジオキサン(3.8mL)溶液に、室温で添加した。この混合物を室温で16時間撹拌した。揮発分を真空下で蒸発させて、中間体16(229mg、定量的、ビス−HCl塩)を帯褐色固体として得た。
中間体17、19、21、23、26、28、30、32、34、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87および89の調製。
表1の各中間体は、当業者に公知の標準的な反応条件下で、対応するBocで保護したアミン中間体から出発し、塩酸またはトリフルオロ酢酸を使用して、中間体3の調製について説明したものと同様の手順に従って調製した。
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
中間体18、20および38の調製
表2の各化合物を、当業者に公知の標準的な反応条件下で、対応するスピロジアミン中間体およびハロ置換された複素環式芳香族中間体から出発して、中間体2の調製について説明したものと同様の反応手順に従って調製した。
Figure 2020506940
中間体22の調製
Figure 2020506940

tert−ブチル2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボキシレート(CAS:236406−49−8;250mg、1.01mmol)と、6−クロロ−N−メチルピラジン−2−アミン(317mg、2.2mmol)と、ナトリウムtert−ブトキシド(318mg、3.3mmol)と、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシ−1,1’−ビフェニル(CAS:787618−22−8;51.5mg、0.11mmol)と、Pd(dba)(CAS:51364−51−3;50.6mg、0.055mmol)とのトルエン(7.5mL)中混合物を、封管中で、N雰囲気下にて100℃で16時間撹拌した。反応混合物を珪藻土で濾過し、濾液を蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ;MeOH/DCM 0/100〜5/95)により精製した。所望の画分を回収し、蒸発させて、中間体33(169.6mg、収率46%)を粘着性の褐色油状物として得た。
中間体24の調製
Figure 2020506940

トリメチルボロキシン(0.197mL、1.4mmol)を、中間体25(283mg、0.7mmol)と、XPHOS Pd G3(CAS:1445085−55−1;59mg、0.069mmol)と、炭酸セシウム(454mg、1.4mmol)との1,4−ジオキサン(4.76mL)中撹拌懸濁液に、封管中で、N雰囲気下にて添加した。この混合物を、マイクロ波照射下にて120℃で10分間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘプタン 0/100〜100/0)により精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、中間体24(253mg、収率94%)を無色油状物として得た。
中間体25の調製
Figure 2020506940

1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(CAS:95464−05−4;53.7mg、0.065mmol)を、tert−ブチル2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボキシレート(CAS:236406−49−8;294mg、1.3mmol)と、2−クロロ−4−ヨード−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(400mg、1.3mmol)と、炭酸セシウム(848mg、2.6mmol)とのトルエン(4mL)中撹拌懸濁液に、封管中で、N雰囲気下にて添加した。この混合物を100℃で16時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘプタン 0/100〜50/50)により精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、中間体25(283mg、収率53%)を淡黄色固体として得た。
中間体27の調製
Figure 2020506940

酢酸ナトリウム(72mg、0.88mmol)を、tert−ブチル2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボキシレート(CAS:236406−49−8;80mg、0.3mmol;HCl塩)と、1H−ベンゾイミダゾール−2−カルボキシアルデヒド(59mg、0.36mmol)とのMeOH(10mL)酢酸ナトリウム(72mg、0.88mmol)中混合物に、0℃で添加した。その後、反応生成物を室温で30分間撹拌し、次いで、反応混合物を0℃まで冷却し、酢酸(18.2mg、0.3mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(22mg、0.35mmol)を添加した。この混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、追加の酢酸(2eq)、1H−ベンゾイミダゾール−2−カルボキシアルデヒド(1eq)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.5eq)を0℃で添加し、この混合物を室温で終夜撹拌した。水を添加し、この混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。次いで、有機相を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗製材料をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、MeOH/DCM(9:1)対DCMが0/100から100/0への勾配)により精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、中間体27(60mg、収率55%)を黄色油状物として得た。
中間体29の調製
Figure 2020506940

tert−ブチル2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボキシレート(CAS:236406−49−8;166.8mg、0.73mmol)の無水DCM(2.7mL)溶液に、2−メチル−ベンゾチアゾール−5−カルボアルデヒド(196mg、1.1mmol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.32mL、1.1mmol)を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。追加のチタン(IV)イソプロポキシド(1.5eq)を添加し、この混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、反応生成物を0℃まで冷却し、メチルマグネシウムブロミド(2.63mL、3.69mmol;THF中1.4M)を滴加し、次いで無水THF(2.28mL)を滴加し、反応混合物を、0℃で5分間、および室温で1.5時間撹拌した。混合物を飽和NHClで希釈し、珪藻土で濾過し、この混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過した。溶媒を真空中で濃縮した。粗製材料を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、DCM/MeOH 9/19対DCMが0/100から40/60への勾配)により精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、中間体29(76mg、収率26%)を黄色固体として得た。
中間体31の調製
Figure 2020506940

酢酸(0.051mL、0.88mmol)を、tert−ブチル2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボキシレート(CAS:236406−49−8;100mg、0.44mmol)と2−メチル−ベンゾチアゾール−5−カルボアルデヒド(78mg、0.44mmol)とのMeOH(15mL)中混合物に、0℃で添加した。その後、反応生成物を0℃で30分間撹拌し、次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(32mg、0.51mmol)を添加した。この混合物を室温で終夜撹拌した。NaHCO(飽和水溶液)を添加し、この混合物をEtOAcで抽出した。次いで、有機相を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗製材料を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、DCMから、DCM/MeOH 9:1への勾配)により精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、中間体31(131mg、収率76%)を無色油状物として得た。
中間体33の調製
Figure 2020506940

tert−ブチル2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボキシレート(CAS:236406−49−8;100mg、0.44mmol)と、2−クロロ−6−エチルピラジン(127mg、0.89mmol)と、ナトリウムtert−ブトキシド(127mg、1.32mmol)と、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシ−1,1’−ビフェニル(CAS:787618−22−8;20.6mg、0.044mmol)と、Pd(dba)(CAS:51364−51−3;20.23mg、0.022mmol)とのトルエン(3mL)中混合物を、封管中で、N雰囲気下にて100℃で16時間撹拌した。反応混合物を珪藻土で濾過し、濾液を蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ;MeOH/DCM 0/100〜5/95)により精製した。所望の画分を回収し、蒸発させて、中間体33(90mg、収率61%)を褐色油状物として得た。
中間体35の調製
Figure 2020506940

1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(CAS:95464−05−4;29mg、0.035mmol)を、tert−ブチル2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボキシレート(CAS:236406−49−8;189mg、0.83mmol)と、4−ヨード−2−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(200mg、0.69mmol)と、炭酸セシウム(454mg、1.39mmol)とのトルエン(2.2mL)中撹拌懸濁液に、封管中で、N雰囲気下にて添加した。この混合物を100℃で16時間撹拌した。次いで、混合物を室温まで冷却し、EtOAcで2回抽出し、水で洗浄した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘプタン 20/80〜100/0)により精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、中間体35(175mg、収率65%)を黄色油状物として得た。
中間体36の調製
Figure 2020506940

炭酸カリウム(53mg、0.38mmol)を、2−(クロロメチル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(50mg、0.2mmol)と、tert−ブチル2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボキシレート(CAS:236406−49−8;87mg、0.38mmol)とのDMF(0.6mL)中撹拌溶液に添加した。この混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘプタン 0/100〜100/0)により精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、中間体36(35mg、収率44%)を無色油状物として得た。
中間体40の調製
Figure 2020506940

tert−ブチル2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボキシレート(CAS:236406−49−8;201mg、0.88mmol)のTHF(3.9mL)溶液を、3−クロロ−2,5−ジメチルピラジン(0.2mL、1.66mmol)と、RUPHOS Pd G3(CAS:1445085−77−7;86.7mg、0.1mmol)と、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル(37.4mg、0.08mmol)と、ナトリウムtert−ブトキシド(130mg、1.36mmol)との撹拌混合物に、封管中で、N雰囲気下にて添加した。この混合物を90℃で63時間撹拌した。混合物を水で処理し、DCMで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘプタン 0/100〜100/0)により精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、中間体40(225mg、収率77%)を黄色油状物として得た。
中間体42の調製
Figure 2020506940

Pd2(dba)3(37.6mg、0.039mmol)およびBINAP(CAS:98327−87−8;38.3mg、0.06mmol)を、tert−ブチル2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボキシレート(CAS:236406−49−8;170mg、0.75mmol)と、5−ブロモピリミジン(137mg、0.86mmol)と、炭酸セシウム(411mg、1.26mmol)とのトルエン中撹拌混合物に、室温で、N2流を混合物にバブリングしながら添加した。次いで、反応混合物を、封管中で、N雰囲気下にて90℃で16時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次いで、これを珪藻土で濾過し、珪藻土パッドをEtOAcで洗浄した。まとめた有機濾液を真空中で蒸発させて、粗製中間体42(262mg、収率66%、純度58%)を橙色シロップ状物として得た。この化合物をそれ以上精製せずに次の反応工程に使用した。
中間体44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、82、84、86、88および90の調製。
表3の各化合物は、当業者に公知のバックワルドカップリング反応条件下で、tert−ブチル2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボキシレート(CAS:236406−49−8)および対応するハロ置換された複素環式芳香族中間体から出発し、中間体42の調製について説明したものと同様の反応手順に従って調製した。使用したパラジウム触媒、ホスフィン、塩基および溶媒を、以下の表に示す。
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
中間体80の調製
Figure 2020506940

2−エチル−6−メチルピリジン(500mg、4.1mmol)と、ビス(ピナコラート)ジボロン
(1g、4.1mmol)と、4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ビピリジン(22mg、0.082mmol)とのオクタン(20mL)中混合物を、室温で15分間撹拌した。次いで、1,5−シクロオクタジエン−イリジウム(I)クロリドダイマー(CAS:12112−67−3;27.7mg、0.041mmol)を添加し、この混合物を80℃で6時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、DCM(50mL)で希釈した。水(15mL)を添加し、この混合物を15分間撹拌した。水相をジクロロメタン(6×50mL*6)で抽出した。まとめた有機相を無水MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、中間体80(800mg、収率96%)を黒色油状物として得た。
中間体81の調製
Figure 2020506940

中間体80(500mg、2mmol)と、tert−ブチル2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボキシレート(CAS:236406−49−8;457mg、2mmol)と、Cu(OAc)(81mg、0.4mmol)と、ピリジン(480mg、6mmol)とのDMF(10mL)中混合物を、80℃で終夜撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して粗製中間体81を得、これを分取HPLC(カラム:Xtimate C18 150*25mm*5um;条件:水(0.225%FA)−CAN;開始B:18、終了B:48;勾配 時間(分):7;100%B 保持時間(分):2;流速(ml/分):25により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させて、中間体81(100mg、収率13%)を橙色油状物として得た。
中間体92の調製
Figure 2020506940

水素化トリエチルホウ素リチウム(2.8mL、2.8mmol;1M THF溶液)を、−78℃に冷却した中間体1(200mg、0.93mmol)のTHF(4.6mL)溶液に添加した。この混合物を室温まで加温し、次いで、さらに室温で16時間撹拌した。水およびEtOAcを添加し、有機相を分離し、廃棄した。水性相を蒸発乾固し、得られた固体を水で洗浄し、濾過し、乾燥し、逆相HPLC(固定相:C18 XBridge 30×100mm 5um)、移動相:0.1% NHCOH/NHOHの水溶液pH9が90%とCHCNが10%から、0.1% NHCOH/NHOHの水溶液pH9が0%とCHCNが100%への勾配)により精製した。所望の画分を真空中で濃縮して、中間体92を白色固体(50mg、収率31%)として得た。
中間体93の調製
Figure 2020506940

スルホニルクロリド(0.042mL、0.51mmol)を、中間体92(100mg、0.48mmol)のDCM(3.05mL)溶液に、0℃で添加した。この混合物を室温まで加温し、次いで、さらに室温で1時間撹拌した。揮発分を真空中で蒸発させて、中間体93を黄色固体(98mg、収率91%)として得た。
B.最終化合物の調製
生成物1の調製
Figure 2020506940

ジイソプロピルエチルアミン(0.21mL、1.23mmol)を、中間体3(57mg、0.25mmol)のDCM(1.31mL)中撹拌懸濁液に、室温で添加し、この混合物を室温で5分間撹拌した。次いで、中間体1(50mg、0.3mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(78.3mg、0.37mmol)を添加し、この混合物をさらに室温で16時間撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)で反応停止した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM、0/100〜25/75)により精製した。所望の画分を真空中で濃縮して残渣を得、これをジイソプロピルエーテルでトリチュレートして、生成物1(38mg、収率40%)を白色固体として得た。
生成物2の調製
Figure 2020506940

HCl(2mL、4M 1,4−ジオキサン溶液)を、中間体2a(263mg、0.79mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中撹拌溶液に、室温で添加した。この溶液を室温で16時間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させて残渣を得、これをMeOHに溶かし、isolute SCX−2カートリッジに通過させた。生成物をNHの7N MeOH溶液で溶出した。揮発分を真空中で蒸発させた。このようにして得られた残渣をDCM(4mL)に溶解し、次いで、中間体1(190mg、1.12mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(261mg、1.23mmol)をN雰囲気下で添加し、この混合物を、さらに室温で60時間撹拌した。次いで、NaHCO(飽和水溶液)およびDCMを混合物に添加した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、NHの7N MeOH溶液/DCM、0/100〜10/90)により精製した。所望の画分を真空中で濃縮して、生成物2(23mg、収率7.5%)を淡黄色油状物として得た。
生成物3の調製
Figure 2020506940

HCl(2.2mL、4M 1,4−ジオキサン溶液)を、中間体2b(289mg、0.87mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中撹拌溶液に、室温で添加した。この溶液を室温で16時間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させて残渣を得、これをMeOHに溶かし、isolute SCX−2カートリッジに通過させた。生成物をNHの7N MeOH溶液で溶出した。揮発分を真空中で蒸発させた。このようにして得られた残渣をDCM(4mL)に溶解し、次いで、中間体1(176mg、1.03mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(259mg、1.22mmol)をN雰囲気下で添加し、この混合物を、さらに室温で60時間撹拌した。次いで、NaHCO(飽和水溶液)およびDCMを混合物に添加した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、NHの7N MeOH溶液/DCM、0/100〜10/90)により精製した。所望の画分を真空中で濃縮して、生成物3(30mg、収率9%)を淡黄色油状物として得た。
生成物4の調製
Figure 2020506940

酢酸(0.03mL、0.52mmol)を、中間体3a(55g、0.24mmol)と、6−キノキサリンカルボキシアルデヒド(CAS:130345−50−5;49mg、0.31mmol)とのMeOH(1mL)中撹拌溶液に、室温で添加した。この溶液を、室温で2.5時間撹拌した。次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(37mg、0.59mmol)を添加し、この混合物を、さらに室温で60時間撹拌した。次いで、NaHCO(飽和水溶液)およびDCMを混合物に添加した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。粗生成物をRP HPLC(固定相:C18 XBridge 30×100mm 5μm)、移動相:NHCOHの10mM水溶液pH9が81%とCHCNが19%から、NHCOHの10mM水溶液pH9が64%とCHCNが36%への勾配)により精製した。所望の画分を回収し、EtOAcおよびDCM/2−PrOH(9/1)で抽出した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮した。粗生成物をイオン交換クロマトグラフィー(ISOLUTE SCX−2、MeOH、次いでNHの7N MeOH溶液)により精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、生成物4(20.3mg、収率23%)を黄色油状物として得た。
生成物5の調製
Figure 2020506940

酢酸(0.03mL、0.52mmol)を、中間体3b(54mg、0.23mmol)と、6−キノキサリンカルボキシアルデヒド(CAS:130345−50−5;53mg、0.33mmol)とのMeOH(1mL)中撹拌溶液に、室温で添加した。この溶液を室温で2.5時間撹拌した。次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(43mg、0.68mmol)を添加し、この混合物を、さらに室温で60時間撹拌した。次いで、NaHCO(飽和水溶液)およびDCMを混合物に添加した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。粗生成物をRP HPLC(固定相:C18 XBridge 30×100mm 5μm)、移動相:NHCOHの10mM水溶液pH9が81%とCHCNが19%から、NHCOHの10mM水溶液pH9が64%とCHCNが36%への勾配)により精製した。所望の画分を回収し、EtOAcおよびDCM/2−PrOH(9/1)で抽出した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮した。粗生成物をイオン交換クロマトグラフィー(ISOLUTE SCX−2、MeOH、次いでNHの7N MeOH溶液)により精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、生成物5(16.5mg、収率19%)を黄色油状物として得た。
生成物6の調製
Figure 2020506940

チタンテトライソプロポキシド(0.1mL、0.34mmol)を、中間体3a(71mg、0.31mmol)と1−(キノキサリン−6−イル)エタノン(CAS:83570−42−7;63mg、0.37mmol)とのTHF(1.5mL)中撹拌懸濁液に、室温およびN雰囲気下で添加した。この混合物を、封管中で、80℃で16時間撹拌した。次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(30mg、0.48mmol)を添加し、この混合物を、さらに80℃で16時間撹拌した。次いで、NaHCO(飽和水溶液)およびDCMを混合物に添加した。溶媒を真空中で蒸発させ、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、NHの7N MeOH溶液/DCM、0/100〜10/90)により、次いでRP HPLC(固定相:C18 XBridge 30×100mm 5μm;移動相:NHCOHの10mM水溶液pH9が81%とCHCNが19%から、NHCOHの10mM水溶液pH9が64%とCHCNが36%への勾配)により精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、生成物6(15mg、収率13%)を黄色油状物として得た。
生成物7の調製
Figure 2020506940

チタンテトライソプロポキシド(0.08mL、0.27mmol)を、中間体3b(57mg、0.25mmol)と1−(キノキサリン−6−イル)エタノン(CAS:83570−42−7;50mg、0.29mmol)とのTHF(1.5mL)中撹拌懸濁液に、室温およびN雰囲気下で添加した。この混合物を、封管中で、80℃で16時間撹拌した。次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(28mg、0.45mmol)を添加し、この混合物を、さらに80℃で16時間撹拌した。次いで、NaHCO(飽和水溶液)およびDCMを混合物に添加した。溶媒を真空中で蒸発させ、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、NHの7N MeOH溶液/DCM、0/100〜10/90)により、次いでRP HPLC(固定相:C18 XBridge 30×100mm 5μm;移動相:NHCOHの10mM水溶液pH9が81%とCHCNが19%から、NHCOHの10mM水溶液pH9が64%とCHCNが36%への勾配)により精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、生成物7(10mg、収率10%)を黄色油状物として得た。
生成物8の調製
Figure 2020506940

シアノ水素化ホウ素ナトリウム(20mg、0.32mmol)を、中間体3(50mg、0.22mmol)と、3’,4’−(メチレンジオキシ)アセトフェノン(CAS 3162−29−6;35mg、0.22mmol)と、トリエチルアミン(0.06mL、0.423mmol)と、チタンテトライソプロポキシド(0.128mL、0.43mmol)との無水MeOH(0.53mL)中撹拌混合物に、室温で添加した。次いで、この混合物を80℃で72時間撹拌した。反応混合物を水で反応停止し、揮発分を真空下で蒸発させた。次いで水を添加し、この混合物をEtOAcで3回抽出した。まとめた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。粗生成物をRP HPLC(固定相:C18 XBridge 30×100mm 5μm;移動相:NHCOHの10mM水溶液pH9が67%とCHCNが33%から、NHCOHの10mM水溶液pH9が50%とCHCNが50%への勾配)により精製した。所望の画分を真空中で濃縮して、生成物8(22mg、収率27%)を油状物として得た。
生成物9の調製
Figure 2020506940

ジイソプロピルエチルアミン(0.16mL、0.93mmol)を、中間体5(50mg、0.19mmol)のDCM(1mL)中撹拌懸濁液に、室温で添加し、この混合物を、さらに室温で5分間撹拌した。次いで、中間体1(38mg、0.22mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(59mg、0.28mmol)を添加し、この混合物を、さらに室温で16時間撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)で反応停止した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM、0/100〜25/75)により精製した。所望の画分を真空中で濃縮して残渣を得、これをジイソプロピルエーテルでトリチュレートして、生成物9(36mg、収率50%)を白色固体として得た。
生成物10の調製
Figure 2020506940

シアノ水素化ホウ素ナトリウム(18mg、0.28mmol)を、中間体5(50mg、0.19mmol)と、3’,4’−(メチレンジオキシ)アセトフェノン(CAS 3162−29−6;30mg、0.19mmol)と、トリエチルアミン(0.05mL、0.372mmol)と、チタンテトライソプロポキシド(0.11mL、0.372mmol)との無水MeOH(0.45mL)中撹拌混合物に、室温で添加した。次いで、この混合物を80℃で72時間撹拌した。反応混合物を水で反応停止し、揮発分を真空下で蒸発させた。次いで水を添加し、この混合物をEtOAcで3回抽出した。まとめた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。粗生成物をRP HPLC(固定相:C18 XBridge 30×100mm 5μm;移動相:NHCOHの10mM水溶液pH9が67%とCHCNが33%から、NHCOHの10mM水溶液pH9が50%とCHCNが50%への勾配)により精製した。所望の画分を真空中で濃縮して、生成物10(20mg、収率28%)を無色油状物として得た。
生成物11の調製
Figure 2020506940

中間体1(28mg、0.16mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(56mg、0.26mmol)を中間体12(30mg、0.15mmol)のDCM(1mL)中撹拌溶液に、室温で添加した。この混合物を、さらに室温で60時間撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)で反応停止し、DCMで抽出した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。粗生成物をRP HPLC(固定相:C18 XBridge 30×100mm 5μm;移動相:NHCOHの10mM水溶液pH9が81%とCHCNが19%から、NHCOHの10mM水溶液pH9が64%とCHCNが36%への勾配)により精製した。所望の画分を回収し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させて、生成物11(7mg、収率13%)を白色固体として得た。
生成物12の調製
Figure 2020506940

トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(70mg、0.31mmol)を、中間体10(32mg、0.15mmol)と中間体1(29mg、0.17mmol)とのDCM(1mL)中撹拌溶液に、室温およびN雰囲気下で添加した。この混合物を、さらに室温で17時間撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)で反応停止し、DCMで抽出した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。粗生成物をRP HPLC(固定相:C18 XBridge 30×100mm 5μm;移動相:NHCOHの10mM水溶液pH9が81%とCHCNが19%から、NHCOHの10mM水溶液pH9が64%とCHCNが36%への勾配)により精製した。所望の画分を回収し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させて、生成物12(29mg、収率53%)を淡黄色油状物として得た。
生成物13の調製
Figure 2020506940

トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(34mg、0.16mmol)を、中間体8(20mg、0.08mmol)と中間体1(19.8mg、0.12mmol)とのDCM(1mL)中撹拌溶液に、室温およびN雰囲気下で添加した。この混合物を、さらに室温で17時間撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)で反応停止し、DCMで抽出した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。粗生成物をRP HPLC(固定相:C18 XBridge 30×100mm 5μm;移動相:NHCOHの10mM水溶液pH9が74%とCHCNが26%から、NHCOHの10mM水溶液pH9が58%とCHCNが42%への勾配)により精製した。所望の画分を回収し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させて、生成物13(15.5mg、収率53%)を淡黄色油状物として得た。
生成物14の調製
Figure 2020506940

ジイソプロピルエチルアミン(0.17mL、0.98mmol)を、中間体8(70mg、0.19mmol)のDCM(1mL)中撹拌懸濁液に、室温で添加し、この混合物を室温で5分間撹拌した。次いで、6−キノキサリンカルボキシアルデヒド(CAS:130345−50−5;38mg、0.22mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(62mg、0.29mmol)を添加し、この混合物を、さらに室温で16時間撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)で反応停止した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM、0/100〜10/90)により精製した。所望の画分を真空中で濃縮して、生成物14(43mg、収率57%)を白色固体として得た。
生成物15の調製
Figure 2020506940

チタンテトライソプロポキシド(0.09mL、0.31mmol)および6−キノキサリンカルボキシアルデヒド(CAS:130345−50−5;49mg、0.31mmol)を、中間体8(50mg、0.2mmol)のDCM(0.63mL)中撹拌混合物に、室温で添加した。この混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、反応混合物を0℃まで冷却し、メチルマグネシウムブロミド(0.73mL、1.02mmol;1.4M THF溶液)を添加し、次いでTHF(0.6mL)を添加した。この混合物を0℃で5分間、次いで室温で3時間撹拌した。反応混合物をNHCl(飽和水溶液)で反応停止し、DCMで抽出した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM、0/100〜10/90)により精製した。所望の画分を真空中で濃縮して、生成物15(20mg、収率24%)を粘着性の褐色固体として得た。
生成物16の調製
Figure 2020506940

N−(2−クロロピリミジン−5−イル)アセトアミド(CAS 1353776−97−2;0.89mg、0.36mmol)を、中間体14(130mg、0.42mmol)とジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.91mmol)とのイソプロパノール(1.7mL)中撹拌溶液に、室温で添加した。この混合物を100℃で16時間撹拌し、次いで、揮発分を真空中で蒸発させた。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM、0/100〜10/90)により精製した。所望の画分を真空中で濃縮して粗生成物を得、これをさらにRP HPLC(固定相:C18 XBridge 30×100mm 5μm;移動相:NHCOHの10mM水溶液pH9が90%とCHCNが10%から、NHCOHの10mM水溶液pH9が0%とCHCNが100%への勾配)により精製した。所望の画分を真空中で濃縮して、生成物16(40mg、収率27%)を固体として得た。
生成物17の調製
Figure 2020506940

ジイソプロピルエチルアミン(0.15mL、0.89mmol)を、中間体16(50mg、0.18mmol)のDCM(1mL)中撹拌懸濁液に、室温で添加し、この混合物を室温で5分間撹拌した。次いで、中間体1(36mg、0.21mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(56mg、0.27mmol)を添加し、この混合物を、さらに室温で16時間撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)で反応停止した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。このようにして得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM、0/100〜25/75)により精製した。所望の画分を真空中で濃縮して粗生成物を得、これをさらにRP HPLC(固定相:C18 XBridge 30×100mm 5μm;移動相:NHCOHの10mM水溶液pH9が81%とCHCNが19%から、NHCOHの10mM水溶液pH9が64%とCHCNが36%への勾配)により精製した。所望の画分を真空中で濃縮して、生成物17(19.5mg、収率27%)を無色油状物として得た。
生成物18の調製
Figure 2020506940

中間体93(228.5mg、0.74mmol、純度85%)を、2−(4−フルオロフェニル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン(CAS:1368001−80−2、135.3mg、0.61mmol)とDIPEA(0.53mL、3.1mmol)との1,2−ジクロロエタン(3.4mL)溶液に、0℃で添加した。この混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、溶媒を真空中で濃縮した。残渣を逆相HPLC(固定相:C18 XBridge 30×100mm 5um)、移動相:NHCOHの10mM水溶液pH9が67%とCHCNが33%から、NHCOHの10mM水溶液pH9が50%とCHCNが50%への勾配)により精製して、生成物18(17mg、収率7.4%)を淡い固体として得た。
生成物19、21、22、23、25、26、28、33、34、35および40の調製。
表4の各化合物は、対応するアミン中間体およびアルデヒド中間体から出発し、DCM中トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを使用して、生成物1の調製について説明したものと同様の還元的アミノ化手順に従って調製した。
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
生成物39、43〜46および49〜69の調製。
表5の各化合物は、対応するアミンおよび中間体1から出発し、MeOH中、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、酢酸ナトリウムおよび酢酸を使用して、生成物5の調製について説明したものと同様の還元的アミノ化手順に従って調製した。
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
生成物20、24および27の調製。
表6の各化合物は、中間体5および対応するアルデヒド中間体から出発し、MeOH/THF中、チタンテトライソプロポキシドおよびメチルマグネシウムブロミドを使用して、生成物15の調製について説明したものと同様の還元的アミノ化手順に従って調製した。対応する化合物を単離した後、これらをHCl(4N 1,4−ジオキサン溶液)で処理することによってHCl塩に変換した。
Figure 2020506940
生成物29および36〜38の調製。
表7の各化合物は、中間体3bおよび対応するケトン中間体から出発し、MeOH中、チタンテトライソプロポキシドおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウムを使用して、生成物6の調製について説明したものと同様の還元的アミノ化手順に従って調製した。
Figure 2020506940
生成物30〜32の調製。
次の各化合物は、4−クロロ−2,6−ジメチルピリミジンおよび対応するアミン中間体から出発し、1,4−ジオキサン中DIPEAを使用して、生成物16の調製について説明したものと同様の還元的アミノ化手順に従って調製した。対応する化合物を単離した後、これらをHCl(4N 1,4−ジオキサン溶液)で処理することによってHCl塩に変換した。生成物30および31については、反応は1,4−ジオキサン/DMFの3/1混合物中で行った。対応する生成物を単離した後、これらをHCl(4N 1,4−ジオキサン溶液)で処理することによってHCl塩に変換した。
Figure 2020506940
生成物41および42の調製。
生成物40(175mg)を、キラルSFC(固定相:CHIRALPAK(登録商標)AD−H 5μm 250*30mm、移動相:50%CO、50%EtOH(0.3%iPrNH))に供して、生成物41(77mg)および生成物42(80mg)を得た。
生成物47および48の調製。
生成物46(90mg)を、キラルSFC(固定相:Lux Cellulose−2 5μm 250*21.2mm、移動相:60%CO、40%EtOH(0.3%iPrNH))に供して、生成物47(42mg)および生成物48(40mg)を得た。
表9は、実験の部で例示した方法に従って調製したすべての化合物の概要を示す。塩形態が示されていない場合、その化合物は遊離塩基として得られたものである。「Exp.No.」は実施例番号を指し、そのプロトコルに従って化合物を合成した。「Co.No.」は化合物番号を意味する。
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
C.分析の部
融点
値はピーク値であり、得られる値にはこの分析法に通常付随する実験的不確実性が伴っている。
DSC823e(A):いくつかの化合s物については、融点を、DSC823e(Mettler−Toledo)装置で決定した。融点を10℃/分の温度勾配で測定した。最高温度を300℃とした。値はピーク値である(A)。
Mettler Toledo MP50(B):いくつかの化合物については、融点を、Mettler MP50装置の開口毛細管中で決定した。融点を1℃/分、3℃/分、5℃/分または10℃/分の温度勾配で測定した。最高温度を300℃とした。融点をデジタル表示器で読み取った。
LCMS
一般手順
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定は、それぞれの方法に記載したLCポンプ、ダイオードアレイ(DAD)検出器またはUV検出器、およびカラムを使用して行った。必要ならば、追加の検出器を含めた(下の方法の表を参照されたい)。
カラムからの流れを、大気圧イオン源を装備した質量分析計(MS)に導入した。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)および/または精密質量モノアイソトピック分子量の特定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、データ取込時間など)を設定することは当業者の知識の範囲内である。データ取得は、適切なソフトウェアを用いて行った。
各化合物は、それらの実測保持時間(R)およびイオンで表される。データの表に異なる指定がなければ、報告される分子イオンは、[M+H](プロトン化分子)および/または[M−H](脱プロトン化分子)に対応する。化合物が直接イオン化できなかった場合、付加体の種類を明記する(すなわち[M+NH、[M+HCOO]、[M+CHCOO]など)。複数の同位体パターンをもつ分子(Br、Clなど)については、報告される値は、最低同位体質量について得られた値である。すべての結果は、使用される方法に通常付随する実験的不確実性を伴って得られた。
以下、「QTOF」四重極飛行時間、「rt」室温、「BEH」架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド、「UPLC」超高速液体クロマトグラフィー、「DAD」ダイオードアレイ検出器。
Figure 2020506940
Figure 2020506940
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Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
旋光度
旋光度は、ナトリウムランプを備えたPerkin−Elmer 341旋光計で測定し、次のように報告した:[α]°(λ、c g/100ml、溶媒、T℃)。
[α]λ =(100α)/(l×c):式中、lは経路長(単位:dm)であり、cは温度T(℃)および波長λ(単位:nm)における試料の濃度(単位:g/100ml)である。使用した光の波長が589nm(ナトリウムD線)である場合、代わりに記号Dが使用され得る。旋光度の符号(+または−)は、常に記載されるべきである。この式を使用する場合、濃度および溶媒を旋光度の後の括弧内に常に記載する。旋光度は度を使用して報告し、濃度の単位は記載されない(g/100mLであると想定する)。
Figure 2020506940
SFCMS法:
SFC−MS法の一般手順A
SFC測定は、二酸化炭素(CO)およびモディファイヤを供給するバイナリポンプ、オートサンプラー、室温から80℃までカラムを加熱するための切替弁を備えたカラムオーブン、400barまで耐用する高圧フローセルを備えたダイオードアレイ検出器で構成される分析用超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)システムを使用して行った。カラムからの流れを、大気圧イオン源を装備した質量分析計(MS)に導入した。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、データ取込時間など)を設定することは当業者の知識の範囲内である。データ取得は、適切なソフトウェアを用いて行った。
Figure 2020506940
Figure 2020506940
NMR
いくつかの化合物について、400MHzで動作するBruker DPX−400分光器で、および500MHzで動作するBruker Avance Iで、溶媒としてクロロホルム−d(重水素化クロロホルム、CDCl)を使用して、H NMRスペクトルを記録した。化学シフト(δ)は、内部標準として使用したテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で報告する。
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
D.薬理学的実施例
1)OGA−生化学的アッセイ
このアッセイは、フルオレセインモノ−β−D−N−アセチル−グルコサミン(FM−GlcNAc)の、組換えヒト髄膜腫発現抗原5(MGEA5)(O−GlcNAcアーゼ(OGA)とも呼ばれる)による加水分解を阻害すること(Mariappa et al.2015,Biochem J 470:255)に基づくものである。FM−GlcNAcが加水分解されると(マーカー遺伝子技術、cat# M1485)、β−D−N−グルコサミンアセテートおよびフルオレセインが形成される。フルオレセインの蛍光は、励起波長485nmおよび発光波長538nmで測定することができる。酵素活性が増加すると、蛍光シグナルが増加する。全長OGA酵素は、OriGene(cat# TP322411)から購入した。この酵素を、25mM Tris.HCl、pH7.3、100mMグリシン、10%グリセリンに入れ、−20℃で保管した。Thiamet GおよびGlcNAcStatinを、参照化合物として試験した(Yuzwa et al.2008 Nature Chemical Biology 4:483;Yuzwa et al.2012 Nature Chemical Biology 8:393)。アッセイは、0.005% Tween−20を添加した200mMクエン酸/リン酸緩衝液中で行った。NaHPO 2HO(Sigma、#C0759)35.6gを水1Lに溶解して200mM溶液を得た。クエン酸(Merck、#1.06580)19.2gを水1Lに溶解して100mM溶液を得た。リン酸ナトリウム溶液のpHをクエン酸溶液で7.2に調整した。反応を停止するための緩衝液は500mM炭酸緩衝液pH11.0からなるものである。FM−GlcNAc 734mgをDMSO 5.48mLに溶解して250mM溶液を得、−20℃で保管した。OGAは濃度2nMで、FM−GlcNAcは最終濃度100uMで使用した。希釈物は、アッセイ緩衝液に入れて調製した。
化合物50nlをDMSOに溶解して、Black Proxiplate(商標)384 Plusアッセイプレート(Perkin Elmer、#6008269)に分注し、次にfl−OGA酵素混合物3μlを添加した。プレートを室温で60分間プレインキュベートし、次いで、FM−GlcNAc基質混合物2μlを添加した。最終DMSO濃度は1%を超えなかった。プレートを1000rpmで1分間手短に遠心分離し、室温で6時間インキュベートした。反応を停止するために、停止緩衝液5μlを添加し、プレートを再度1000rpmで1分間遠心分離した。Thermo Scientific Fluoroskan AscentまたはPerkinElmer EnVisionの中で、励起波長485nmおよび発光波長538nmで蛍光を測定した。
分析のため、最小二乗和法により、最良適合曲線をフィットさせる。これによりIC50値およびヒル係数が得られた。高対照(阻害剤なし)および低対照(標準阻害剤の飽和濃度)を使用して、最小値および最大値を決定した。
2)OGA−細胞アッセイ
P301L変異型ヒトタウ(アイソフォーム2N4R)へ誘導可能なHEK293細胞は、Janssenで樹立した。Thiamet−Gを、プレートバリデーション(高対照)のため、および参照化合物(参照EC50アッセイバリデーション)としての両方に使用した。OGAの阻害は、以前に記述されているように(Dorfmueller et al.2010 Chemistry & biology,17:1250)、O−GlcNAc化残基を検出するモノクローナル抗体(CTD110.6;Cell Signaling、#9875)を使用して、O−GlcNAc化タンパク質を免疫細胞化学的(ICC)に検出することによって評価する。OGAを阻害すると、O−GlcNAc化タンパク質レベルが増加することになり、その結果、実験ではシグナルが増加する。細胞核をHoechstで染色して、細胞培養の品質管理を行い、即時の化合物毒性があれば、そのおおよその推定を行う。ICC写真はPerkin Elmer Opera Phenixプレート顕微鏡で画像化し、付属のソフトウェアPerkin Elmer Harmony 4.1で定量化する。
細胞は、標準手順に従って、高グルコースDMEM(Sigma、#D5796)中で増殖させた。細胞アッセイの2日前に、細胞を分離し、計数し、アッセイ培地(GlcNAc化の基底レベルを低減するために低グルコース培地を使用する)100μl中、細胞密度12,000細胞/cm(4,000細胞/ウェル)で、ポリ−D−リシン(PDL)をコートした96ウェル(Greiner、#655946)プレートに播種する(Park et al.2014 The Journal of biological chemistry 289:13519)。化合物の試験日に、アッセイプレートから培地を除去し、新鮮アッセイ培地90μlを補充した。化合物10μlを最終濃度10倍でウェルに添加した。プレートを遠心分離し、直後に細胞インキュベーターに入れて6時間インキュベートした。DMSO濃度を0.2%に設定した。培地は吸引を適用して廃棄する。細胞を染色するために、培地を除去し、細胞をD−PBS(Sigma、#D8537)100μlで1回洗浄した。次の工程から先は、特に言及しない限り、アッセイ体積は常に50μlとし、インキュベーションは、撹拌せずに室温で行った。細胞を、4%パラホルムアルデヒド(PFA、Alpha aesar、#043368)PBS溶液50μlの中に室温で15分間固定した。次いで、PFA PBS溶液を廃棄し、細胞を10mM Tris緩衝液(LifeTechnologies、#15567−027)、150mM NaCl(LifeTechnologies、#24740−0110、0.1% Triton X(Alpha aesar、#A16046)、pH7.5(ICC緩衝液)の中で1回洗浄してから、同じ緩衝液中で10分間透過化処理した。次に、5%ヤギ血清(Sigma、#G9023)を含有するICCに試料を入れ、室温で45〜60分間ブロックする。次いで、試料を、一次抗体(1/1000 市販品供給元より、上記参照)を用いて4℃で終夜インキュベートし、次にICC緩衝液に入れて5分間3回洗浄した。試料を、二次蛍光抗体(1/500希釈、Lifetechnologies、#A−21042)を用いて、および核をHoechst 33342で染色して、ICC(Lifetechnologies、#H3570)中1μg/mlの最終濃度で1時間インキュベートした。分析の前に、試料をICC系緩衝液中で、5分間2回手作業で洗浄した。
画像化は、水浸20×対物レンズを使用するPerkin Elmer Phenix Operaを使用して実施し、ウェル当たり9視野を記録する。488nmでの強度読み取り値を、ウェル中の総タンパク質のO−GlcNAc化レベルの測定値として使用する。化合物の潜在的毒性を査定するために、Hoechst染色を使用して核を計数した。IC50値は、パラメトリックな非線形回帰モデルフィッティングを使用して計算する。最大阻害として、200uM濃度のThiamet Gが各プレートに存在する。さらに、Thiamet Gの濃度反応を各プレートで計算する。
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940
Figure 2020506940

Claims (14)

  1. 式(I)
    Figure 2020506940
    [式中、
    mおよびnは、それぞれ独立に、0または1を表し、ただし、それらは両方とも同時に0ではなく;
    は、共有結合またはCHR(式中、
    Rは、水素、または1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキルである)であり;
    は、フェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリダジン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、およびピラジン−2−イルからなる群から選択される6員のアリール基またはヘテロアリール基を表し、その各々が、ハロ;シアノ;1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキル;C3〜7シクロアルキル;1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキルオキシ;およびNRaa(式中、Rは、水素、または1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキルであり、Raaは、水素、1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキル、および
    −C(=O)C1〜4アルキルからなる群から選択される)からなる群からそれぞれ独立に選択される1個、2個または3個の置換基で、任意選択により置換されていてもよく;
    は、CHR(式中、Rは、水素、または1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキルである)であり;および
    は、(b−1)、(b−2)、(b−3)、(b−4)、(b−5)、(b−6)、(b−7)、(b−8)、(b−9)、(b−10)、(b−11)および(b−12):
    Figure 2020506940
    (式中、
    は、O、NR1z(式中、R1zは水素またはC1〜4アルキルである)またはSであり、
    およびZは、それぞれ独立にCHまたはNを表し、
    はC1〜4アルキルであり、
    、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素またはC1〜4アルキルを表す)からなる群から選択される複素環または複素環系を表し;または
    −L−Rは、式(b−13)
    Figure 2020506940
    (式中、Rは水素またはC1〜4アルキルである)の基である]
    の化合物もしくはその立体異性体型、またはその薬学的に許容される付加塩もしくは溶媒和物。
  2. mが1であり、nが0または1である、請求項1に記載の化合物。
  3. がCHまたはCH(CH)であり、Rが式(b−1)、(b−2)、(b−3)、(b−8)、(b−11)または(b−12)の基である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. がCHまたはCH(CH)であり、Rが式(b−1)または(b−8)の基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. がCHまたはCH(CH)であり、Rが式(b−1)[式中、ZがOであり、ZがCHであり、RがC1〜4アルキルであり、Rが水素である]の基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. が、ピリジン−4−イル、ピリミジン−4−イルまたはピラジン−2−イルであり、その各々が、C1〜4アルキルおよびC3〜7シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個または2個の置換基で任意選択により置換されており、他のすべての変数は請求項1〜5のいずれか一項に記載されているとおりである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. が結合である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 予防有効量または治療有効量の請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  9. 薬学的に許容される担体を、予防有効量または治療有効量の請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物と混合するステップを含む、請求項8に記載の医薬組成物を調製する方法。
  10. 医薬として使用するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、または請求項8に記載の医薬組成物。
  11. タウオパチー、特に、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉型認知症、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、および嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチー;またはタウ病変を伴う神経変性疾患、特に、C9ORF72の変異を原因とする筋萎縮性側索硬化症または前頭側頭葉型認知症から選択される神経変性疾患の処置または予防に使用するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、または請求項8に記載の医薬組成物。
  12. アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉型認知症、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、および嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチー;またはタウ病変を伴う神経変性疾患、特に、C9ORF72の変異を原因とする筋萎縮性側索硬化症または前頭側頭葉型認知症から選択される神経変性疾患を予防または処置する方法であって、予防有効量または治療有効量の、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物または請求項8に記載の医薬組成物の投与を、それを必要とする対象に行うステップを含む方法。
  13. O−GlcNAc加水分解酵素を阻害する方法であって、予防有効量または治療有効量の、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物または請求項8に記載の医薬組成物の投与を、それを必要とする対象に行うステップを含む方法。
  14. OGA阻害剤として使用するための、式(II)
    Figure 2020506940
    [式中、
    mおよびnは、それぞれ独立に、0または1を表し、ただし、それらは両方とも同時に0ではなく;
    は、共有結合またはCHR(式中、
    Rは、水素、または1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキルである)であり;および
    は、フェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリダジン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、およびピラジン−2−イルからなる群から選択される6員のアリール基またはヘテロアリール基を表し、その各々が、ハロ;シアノ;1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキル;C3〜7シクロアルキル;1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキルオキシ;およびNRaa(式中、Rは、水素、または1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキルであり、Raaは、水素、1個、2個または3個の独立に選択されるハロ置換基で任意選択により置換されているC1〜4アルキル、および
    −C(=O)C1〜4アルキルからなる群から選択される)からなる群からそれぞれ独立に選択される1個、2個または3個の置換基で、任意選択により置換されていてもよい]
    の化合物もしくはその立体異性体型、またはその薬学的に許容される付加塩もしくは溶媒和物。
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