JP2020503412A - ターボ機械用の低粘度潤滑油組成物 - Google Patents

ターボ機械用の低粘度潤滑油組成物 Download PDF

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Abstract

本開示は、主成分として潤滑油ベースストックと、副成分として1以上の潤滑油添加剤とを含む組成を有する低粘度潤滑タービン油に関する。潤滑タービン油は、40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度、約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度、および約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有する。本開示は、低粘度潤滑タービン油によって潤滑されたターボ機械におけるエネルギー効率を改善するための方法にも関する。さらに、本開示は、低粘度潤滑タービン油によって潤滑されたターボ機械における堆積制御および潤滑油添加剤溶解力を維持するか、または改善しながらも、エネルギー効率を改善するための方法に関する。なおさらに、本開示は、低粘度潤滑タービン油における極性添加剤の溶解性、相溶性および分散性を改善するための方法に関する。【選択図】図1

Description

(分野)
本開示は、低粘度潤滑タービン油(又は低粘度潤滑タービンオイル(low viscosity lubricating turbine oil))に関する。本開示は、低粘度潤滑タービン油によって潤滑されたターボ機械(又はターボマシン(turbomachine))におけるエネルギー効率(又はエネルギー・エフィシエンシー(energy efficiency))を改善する(又は向上させる(improving))のための方法にも関する。さらに、本開示は、低粘度潤滑タービン油によって潤滑されたターボ機械における堆積(物)制御(又はデポジット・コントロール(deposit control))および潤滑油添加剤溶解力(又は潤滑オイル・アディティブ・ソルベンシー(lubricating oil additive solvency))を維持するか、または改善し(又は向上させ)ながらも、エネルギー効率を改善する(又は向上させる)ための方法に関する。なおさらに、本開示は、低粘度潤滑タービン油における極性添加剤(又はポーラー・アディティブ(polar additives))の溶解性(又は溶解度又はソルビリティ(solubility))、相溶性(又は相溶度又は適合性又は適合度又はコンパチビリティ(compatibility))および分散性(又は分散度又はディスパーザンシー(dispersancy))を改善する(又は向上させる)ための方法に関する。
(背景)
発電用途で使用されるタービン油は、タービン軸受の熱除去および温度減少に関する重要な役割を果たす。タービン軸受温度の低下は、エネルギー効率の増加とタービンからの追加的な電気発生を意味する。このようなタービン軸受温度の低下によって、必要とされるシステム冷却量を減少させることが可能となり、したがって、追加的な省エネをもたらすことができる。
発電用途において、同一燃料インプットで、より多くの電気(KW)アウトプットをもたらすエネルギー効率が必要とされている。1年あたり8000時間作動する発電プラントでは、少なくとも10%のタービン軸受効率の改善に基づき、同一燃焼速度で164kWの追加的アウトプットが達成可能であり、これによって、約0.1%の全システム効率利益がもたらされる。0.05%/kWの改善は、潜在的に、販売可能なエネルギーで、タービンあたり66,000ドルの年間値を提供する。
1つの可能な解決策において、これらのエネルギー効率増加は、より低粘度のタービン潤滑油への変更によって達成され得る。現在、装置製作者(EB)および相手先ブランド製造業者(OEM)は、40℃において32cStの最小タービン潤滑油粘度を必要とする。しかしながら、より低粘度のタービン潤滑油における問題は、それらがタービン用途での許容範囲内の使用のための物理的特性制限を満たさないということである。
タービン潤滑油技術(又はタービン潤滑オイル・テクノロジー(turbine lubricant oil technology))における進歩(又はアドバンス(advances))にもかかわらず、タービンのエネルギー効率(又はエネルギー・エフィシエンシー(energy efficiency))を有効に改善する(又は向上させる)タービン軸受(又はタービン・ベアリング(turbine bearing))用の潤滑油(又は潤滑オイル(oil lubricant))が必要とされている。加えて、堆積(物)制御(又はデポジット・コントロール(deposit control))および潤滑油添加剤溶解力(又は潤滑オイル・アディティブ・ソルベンシー(lubricating oil additive solvency))を維持するか、または改善し(又は向上させ)ながらも、エネルギー効率を有効に改善する(又は向上させる)タービン油潤滑剤(又はタービン・オイル・ルブリカント(turbine oil lubricant))が必要とされている。
(要旨)
本開示は、一部において、主成分(又はメジャー成分又はメジャー・コンポーネント)として潤滑油ベースストックと、副成分(又はマイナー成分又はマイナー・コンポーネント)として1以上の潤滑油添加剤とを含む組成(又は組成物)を有する潤滑油(又は潤滑オイル)に関する。
当該潤滑油は、
ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度(又はキネマチック・ビスコシティ)、
ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度(又はデンシティ)、および
ASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失(又は絶対エバポレーション・ロス)
を有する。この潤滑油は、好ましくは、潤滑タービン油(又は潤滑タービン・オイル)である。
本開示は、一部において、潤滑油として配合油(又は配合された油(又はオイル))を使用することによって、潤滑油によって潤滑されたターボ機械(又はターボマシン)におけるエネルギー効率(又はエネルギー・エフィシエンシー)を改善する(又は向上させる)ための方法にも関する。この配合油(又は配合された油)は、主成分(又はメジャー成分又はメジャー・コンポーネント)として潤滑油ベースストックと、副成分(又はマイナー成分又はマイナー・コンポーネント)として1以上の潤滑油添加剤とを含む組成(又は組成物)を有する。
当該配合油は、
ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度、
ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度、および
ASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失
を有する。
一実施形態において、ターボ機械(又はターボマシン)に関して、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有するが、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度またはASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有さない潤滑油を使用して達成されるエネルギー効率と比較して(又は比較した場合)、エネルギー効率は改善される(又は向上する)。
一実施形態において、ターボ機械(又はターボマシン)に関して、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有するが、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度またはASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有さない潤滑油を使用して達成される軸受温度と比較して(又は比較した場合)、軸受温度(又はベアリング温度)は低下(又は低減)する。
一実施形態において、ターボ機械(又はターボマシン)に関して、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有するが、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度またはASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有さない潤滑油を使用して達成されるエネルギー効率、堆積(物)制御および潤滑油添加剤溶解力と比較して(又は比較した場合)、エネルギー効率は改善され(又は向上し)、そして、堆積(物)制御および潤滑油添加剤溶解力は維持されるか、または改善される(又は向上する)。
本開示は、一部において、非極性潤滑油ベースストックにおける極性潤滑油添加剤の溶解性、相溶性および/または分散性を改善する(又は向上させる)方法にも関する。
当該方法は、
主成分(又はメジャー成分又はメジャー・コンポーネント)として非極性潤滑油ベースストックと、副成分(又はマイナー成分又はマイナー・コンポーネント)として1以上の極性潤滑油添加剤とを含む潤滑油を提供すること(又は工程又はステップ);および
潤滑油において、少なくとも1つのコベースストック(又は共ベースストック又は共通ベースストック)をブレンド(又は混合又は配合)すること(又は工程又はステップ)
を含む。
潤滑油は、
ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度、
ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度、および
ASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失
を有する。
なおさらに、本開示は、一部において、ターボ機械(又はターボマシン)における有意なエネルギー効率の増加(又はゲイン(gain))を達成するための方法に関する。
当該方法は、主成分(又はメジャー成分又はメジャー・コンポーネント)として非極性潤滑油ベースストックと、副成分(又はマイナー成分又はマイナー・コンポーネント)として1以上の極性潤滑油添加剤とを含む潤滑油を選択すること(又は工程又はステップ)を含む。
この潤滑油は、
約3.0J/g・℃〜約3.3J/g・℃の比熱、
ASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失、および
ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度
を有する。
さらに、この方法は、省エネの可能性(又はエネルギー・セービング・ポテンシャル(energy saving potential))を最大化するために非極性潤滑油ベースストックまたはその組合せを選択すること(又は工程又はステップ)を含む。例えば、潤滑油は、次式:
潤滑効率係数=[19.200(比熱)]−[6.679(蒸発損失)]−[1.028(動粘度)]−12.178
に従って、少なくとも約10、好ましくは少なくとも約12、より好ましくは少なくとも約14の潤滑効率係数(又はルブリケーティング・エフィシエンシー・ファクター(Lubricating Efficiency Factor))を有する。
驚くべきことに、本開示に従って、タービンの用途(又は適用又はアプリケーション(application))での許容範囲内の使用(又はアクセプタブル・ユース(acceptable use))のために必要とされる物理的特性(又はフィジカル・プロパティ(physical properties))を有する低粘度(low viscosity)のタービン潤滑油(又はタービン潤滑オイル)を配合することが可能であることが見出された。本開示のタービン潤滑油は、40℃において約16cSt〜約22cStの動粘度(又はキネマチック・ビスコシティ(kinematic viscosity))を有する。それとは対照的に、従来のタービン潤滑油は、40℃において32cStの最小の粘度を必要とする。
また、驚くべきことに、本開示に従って、40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度、約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度、および約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有する潤滑油を使用して、ターボ機械(又はターボマシン)におけるエネルギー効率の改善が得られ得ることも見出された。
さらに、驚くべきことに、本開示に従って、40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度、約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度、および約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有する潤滑油を使用して、ターボ機械(又はターボマシン)において軸受温度(又はベアリング温度)を低下(又は低減)させることができることも見出された。
なおさらに、驚くべきことに、本開示に従って、40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度、約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度、および約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有する潤滑油を使用して、ターボ機械(又はターボマシン)においてエネルギー効率を改善(又は向上)させることができ、そして、堆積(物)制御(又はデポジット・コントロール)および潤滑油添加剤溶解力(又は潤滑オイル・アディティブ・ソルベンシー)を維持または改善(又は向上)させることができることも見出された。
特に、驚くべきことに、本開示に従って、粘度低下のみでは、タービン油中での有意なエネルギー効率改善を達成するために不十分であることが見出された。粘度と揮発性および密度必要条件とのバランスを保つことは、改善されたエネルギー効率結果を達成するために重要である。
本開示の他の対象および利点は、以下の詳細な説明から明白になるであろう。
実施例に従って決定された、ベース油および添加剤系を含む配合物ならびに配合物の特性の表である。 実施例に従って調製された、ベース油および添加剤を含む詳細な配合物の表である。 実施例に従って決定された、配合物の潤滑効率係数および関連特性を示す表である。
(詳細な説明)
本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲内の全ての数値では、示された値が「約」または「およそ」によって修飾され、かつ当業者によって予想されるであろう実験的誤差および変動が考慮される。
本開示によると、強化された温度低下およびエネルギー効率の利益は、本明細書のパラグラフ[00273]に記載の軸受効率リグ試験において試験される時、従来のタービン油と比較して達成される。本開示の低粘度タービン油は、撹拌および他の粘着性損失を減少させる。本開示の低密度タービン油によって改善された熱伝達が得られ、その結果、現在入手可能なタービン油に対して、同一ポンプフロー速度において、熱除去の強化およびより低い軸受温度がもたらされる。本開示のタービン油は、油膜、揮発性および引火の課題のバランスを保つという技術的課題を克服する。本開示のタービン油によって、金属間接触の可能性を最小化して、水力学的軸受潤滑が達成される。より平滑な表面によって、ジャーナル軸受クリアランス、より薄い油へのより少ないシャフトが可能となる。加えて、スズバビット合金軸受によって、一時的境界潤滑が可能となる。
一実施形態において、本開示は、ISO VG32、46および68の典型的なタービン油粘度範囲外であり、かつなおタービン用途での許容範囲内の使用の物理的特性制限内である低粘度/低密度炭化水素の混合物、例えば、ベースストックおよびコベースストックを使用して、予想外のエネルギー効率利益を提供する。
本開示のタービン油は、従来のタービン油粘度範囲外であり、かつ重要なことに、タービン用途での許容範囲内の使用の物理的特性制限内である。従来のタービン油の性能特徴を維持しながら、粘度を減少させることによって、本開示は、性能に対する損害または機械的破損のリスク増加を生じることなく、発電所で追加的省エネをもたらす。
本開示のタービン油の重要な性能基準としては、次の必要条件:215℃よりも高い引火点;4%未満の絶対最大蒸発損失;低粘度候補と低比熱/低密度とのバランスを保つこと;ならびに全ての軸受保護および潤滑油必要条件の維持を満たしながら、例えば、少なくとも10%、好ましくは、少なくとも12%、より好ましくは、少なくとも14%のエネルギー効率の改善を示すことである。
粘度減少と揮発性および密度必要条件とのバランスを保つことは、予想外の効率結果を達成するために重要である。より低密度を有する本開示のタービン油は、全体的により良好なエネルギー効率増加をもたらす。これは、その比熱容量および全体的な熱制御と関連する潤滑油の密度のためであると考えられる。加えて、これらの性能特性をさらに強化し、かつタービン用途における信頼性のために必要な添加剤溶解力および堆積物制御を提供するために、グループVベースストックを添加することが可能である。
本明細書で使用される場合、タービンまたはターボ機械は、典型的に翼部が装備されたホイールまたはローターが水、蒸気、ガス、空気または他の流体の急速可動流によって回転させられる連続動力を生じる機械を意味する。タービンまたはターボ機械は、ブレードが付属するシャフトまたはドラムである、ローターアセンブリと呼ばれる、少なくとも1つの可動部分を有する。それらが移動して、そしてローターに回転エネルギーを与えるように、可動流体がブレード上で作用する。好ましいターボ機械は、ガスタービンであるか、あるいは、ガスタービンおよび水蒸気タービン(steam turbine)を含む複合サイクル(又はコンバイン・サイクル(combined cycle))である。
ターボ機械において、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有するが、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度またはASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有さない潤滑油を使用して達成されるエネルギー効率と比較して、改善されたエネルギー効率を得ることが可能であることが見出された。
また、ターボ機械において、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有するが、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度またはASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有さない潤滑油を使用して達成される軸受温度と比較して、軸受温度を低下させることが可能であることが見出された。
さらに、ターボ機械において、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有するが、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度またはASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有さない潤滑油を使用して達成されるエネルギー効率、堆積(物)制御および潤滑油添加剤溶解力と比較して、エネルギー効率を改善することが可能であり、かつ堆積(物)制御および潤滑油添加剤溶解力を維持または改善することが可能であることが見出された。
本明細書に記載の通り、本開示の低粘度タービン潤滑油は、タービン用途における許容範囲内の使用のために必要な物理的特性を有する。そのような物理的特性としては、例えば、密度、絶対蒸発損失、ノアック(Noack)揮発性、引火点および比熱が含まれる。
本開示のタービン潤滑油は、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有する。それとは対照的に、従来のタービン潤滑油は、40℃において32cStの最小粘度を必要とする。好ましくは、本開示のタービン潤滑油は、40℃において約17cSt〜約21cStの動粘度、より好ましくは、40℃において約18cSt〜約20cStの動粘度を有する。
本開示によると、本開示のタービン潤滑油は、タービン用途における許容範囲内の使用のために必要な密度を有する。本開示のタービン潤滑油は、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度を有する。好ましくは、本開示のタービン潤滑油は、約0.81g/ml〜約0.89g/mlの密度、より好ましくは、約0.82g/ml〜約0.88g/mlの密度を有する。
また、本開示によると、本開示のタービン潤滑油は、タービン用途における許容範囲内の使用のために必要な絶対蒸発損失を有する。タービン潤滑油は、ASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有する。好ましくは、本開示のタービン潤滑油は、約3%未満の150℃における絶対蒸発損失、より好ましくは、約2%未満の150℃における絶対蒸発損失を有する。
さらに、本開示に従って、本開示のタービン潤滑油は、タービン用途における許容範囲内の使用のために必要なノアック(Noack)揮発性を有する。本開示のタービン潤滑油は、ASTM D5800による約15%未満のノアック(Noack)揮発性を有する。好ましくは、本開示のタービン潤滑油は、約12%未満のノアック(Noack)揮発性、より好ましくは、約10%未満のノアック(Noack)揮発性を有する。
なおさらに、本開示に従って、本開示のタービン潤滑油は、タービン用途における許容範囲内の使用のために必要な引火点を有する。本開示のタービン潤滑油は、ASTM D92による約215℃よりも高い引火点を有する。好ましくは、本開示のタービン潤滑油は、約220℃よりも高い引火点、より好ましくは、約225℃よりも高い引火点を有する。
なおさらに、本開示に従って、本開示のタービン潤滑油は、タービン用途における許容範囲内の使用のために必要な比熱を有する。本開示のタービン潤滑油は、約3.0J/g・℃〜約3.3J/g・℃の比熱を有する。好ましくは、本開示のタービン潤滑油は、約3.05J/g・℃〜約3.25J/g・℃の比熱、より好ましくは、約3.1J/g・℃〜約3.2J/g・℃の比熱を有する。
所望のエネルギー効率、堆積物制御および潤滑油添加剤溶解力に加えて、本開示は、所望の反摩耗特性を有するタービン潤滑油組成物を提供する。反摩耗添加剤は、一般に、2つの固体表面が接触するタービン運転装置中での摩耗を減少させるために必要とされる。反摩耗化学薬品がない場合、表面は一緒に摩擦する可能性があり、片面または両面での材料損失を引き起こし、これは最終的に、装置故障および破損を導く可能性がある。反摩耗添加剤は、摩耗および材料損失を減少させる保護表層を生じることができる。最も一般に、興味深い材料は、スチールおよび他の鉄含有合金などの金属である。しかしながら、最新タービン装置中で耐久性表面を作成するために、セラミックス、ポリマーコーティング、ダイヤモンド様炭素、相当する複合材料などの他の材料も使用することができる。本開示のタービン潤滑油組成物は、そのような表面に反摩耗特性をもたらすことができる。
潤滑油ベースストックおよびコベースストック
広範囲の潤滑剤ベース油が当該技術分野において既知である。本開示において有用である潤滑剤ベース油は、天然油、鉱油および合成油であり、かつ非慣例的な油(またはその混合物)を未精製、精製または再精製の状態で使用することもできる(後者は再生利用または再処理油としても既知である)。未精製油は、天然または合成供給源から直接得られるものであり、かつ追加的な精製を行わずに使用される。これらには、乾留操作から直接得られる頁岩油、一次蒸留から直接得られる石油、およびエステル生成プロセスから直接得られるエステル油が含まれる。精製油は、少なくとも1つの潤滑油特性を改善するための1回以上の精製工程を受けることを除き、未精製油に関して議論された油に類似する。当業者は多くの精製プロセスに精通している。これらのプロセスには、溶媒抽出、二次蒸留、酸抽出、塩基抽出、ろ過およびパーコレーションが含まれる。再精製油は、精製油に類似であるが、以前に供給ストックとして使用されたことのある油を使用する方法により得られる。
グループI、II、III、IVおよびVは、潤滑剤ベース油のガイドラインを作成するためにAmerican Petroleum Institute(API Publication 1509;www.API.org)によって開発および定義された広範囲のベース油ストックの分類である。グループIベースストックは、約80〜120の粘度指数を有し、約0.03%より多い硫黄および/または約90%未満の飽和を含有する。グループIIベースストックは、約80〜120の粘度指数を有し、約0.03%以下の硫黄および約90%以上の飽和を含有する。グループIIIストックは、約120よりも高い粘度指数を有し、約0.03%以下の硫黄および約90%より多い飽和を含有する。グループIVは、ポリアルファオレフィン(PAO)を含む。グループVベースストックは、グループI〜IVに含まれないベースストックを含む。以下の表1に、これらの5つのグループのそれぞれの特性を要約する。
Figure 2020503412
天然油には、動物油、植物油(例えば、ヒマシ油およびラード油)、ならびに鉱油が含まれる。好ましい熱酸化安定性を有する動物および植物油を使用することができる。天然油の中で、鉱油が好ましい。鉱油は、それらの原油産地によって、例えば、それらがパラフィン系、ナフテン系または混合パラフィン−ナフテン系であるかどうかによって大きく異なる。石炭または頁岩から誘導される油も有用である。天然油は、それらの製造および精製のために使用される方法によって、例えば、それらの蒸留範囲によって、およびそれらが直留であるか、または分解されたか、水素化精製されたか、または溶媒抽出されたかどうかによっても異なる。
グループIIおよび/またはグループIII水素化処理または水素化分解ベースストックも周知のベースストック油である。
合成油には、炭化水素油が含まれる。炭化水素油には、重合および共重合オレフィン(例えば、ポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレンイソブチレンコポリマー、エチレン−オレフィンコポリマーおよびエチレン−アルファオレフィンコポリマー)などの油が含まれる。ポリアルファオレフィン(PAO)油ベースストックは、一般に使用される合成炭化水素油である。例として、C、C10、C12、C14オレフィンまたはそれらの混合物から誘導されるPAOが利用されてもよい。例えば、米国特許第4,956,122号明細書、同第4,827,064号明細書および同第4,827,073号明細書を参照されたい。
既知の材料であり、かつExxonMobil Chemical Company、Chevron Phillips Chemical Company、BPおよび他などの供給元から商業的規模で一般に入手可能であるPAOの数平均分子量は、典型的に250〜3,000の範囲であるが、PAOは約150cSt(100℃)までの粘度で製造されてもよい。PAOは、典型的に、アルファオレフィンの比較的低分子量の水素化ポリマーまたはオリゴマーから構成され、これらには、限定されないが、C〜約C32アルファオレフィンが含まれ、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどのC〜約C16アルファオレフィンが好ましい。好ましいポリアルファオレフィンは、ポリ−1−オクテン、ポリ−1−デセンおよびポリ−1−ドデセンならびにそれらの混合物および混合オレフィン誘導ポリオレフィンである。しかしながら、C12〜C18の範囲のより高級なオレフィンの二量体が、十分低揮発性の低粘度ベースストックを供給するために使用されてもよい。粘度グレードおよび出発オリゴマー次第で、PAOは、主に、1.5cSt〜12cStの粘度範囲を有する、わずかな量のより低級および/またはより高級なオリゴマーによる出発オレフィンの二量体、三量体および四量体であってもよい。特定の用途のPAO流体は、3cSt、3.4cStおよび/または3.6cStならびにそれらの組合せを含んでもよい。必要に応じて、1.5cSt〜およそ150cSt以上の粘度範囲を有するPAO流体の混合物が使用されてもよい。他に明示されない限り、本明細書に引用される全ての粘度は100℃において測定される。
PAO流体は、例えば、三塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、または三フッ化ホウ素と水との錯体、エタノール、プロパノールまたはブタノールなどのアルコール、酢酸エステルまたはプロピオン酸エチルなどのカルボン酸またはエステルを含むフリーデル−クラフツ触媒などの重合触媒の存在下でのアルファオレフィンの重合によって都合よく製造されてもよい。例えば、米国特許第4,149,178号明細書または同第3,382,291号明細書によって開示された方法が本明細書において都合よく使用されてもよい。PAO合成についての他の説明は、米国特許第3,742,082号明細書、同第3,769,363号明細書、同第3,876,720号明細書、同第4,239,930号明細書、同第4,367,352号明細書、同第4,413,156号明細書、同第4,434,408号明細書、同第4,910,355号明細書、同第4,956,122号明細書および同第5,068,487号明細書に見られる。C14〜C18オレフィンの二量体は、米国特許第4,218,330号明細書に記載される。
他の有用な潤滑性油ベースストックとしては、水素異性化ワックス状ストック(例えば、ガス油、スラックワックス、燃料水素化分解装置残留物などのワックス状ストック)、水素異性化フィッシャー−トロプシュワックス、気体−液体(GTL)ベースストックおよびベース油、および他の異性化ワックス水素異性化ベースストックおよびベース油、またはそれらの混合物を含む異性化ワックスベースストックおよびベース油が含まれる。フィッシャー−トロプシュワックスは、フィッシャー−トロプシュ合成の高沸点残留物であり、非常に低い硫黄含有量を有する高パラフィン系炭化水素である。そのようなベースストックの製造のために使用される水素化処理では、特別な潤滑油水素化分解(LHDC)触媒の1種などの非晶質水素化分解/水素異性化触媒、または結晶質水素化分解/水素異性化触媒、好ましくは、ゼオライト系触媒が使用されてもよい。例えば、1つの有用な触媒は、その開示が全体として参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,075,269号明細書に記載されるZSM−48である。水素化分解/水素異性化蒸留物および水素化分解/水素異性化ワックスの製造方法は、例えば、米国特許第2,817,693号明細書、同第4,975,177号明細書、同第4,921,594号明細書および同第4,897,178号明細書、ならびに英国特許第1,429,494号明細書、同第1,350,257号明細書、同第1,440,230号明細書および同第1,390,359号明細書に記載される。上記特許はそれぞれ、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。特に好ましい方法は、参照によって本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開第464546号明細書および同第464547号明細書に記載される。フィッシャー−トロプシュワックス供給材料を使用する方法は、その開示が全体として参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,594,172号明細書および同第4,943,672号明細書に記載される。
気体−液体(GTL)ベース油、フィッシャー−トロプシュワックス誘導ベース油、および他のワックス誘導水素異性化(異性化ワックス)ベース油は本開示において都合よく使用され得、かつ100℃において約2cSt〜約50cSt、好ましくは、約2cSt〜約30cSt、より好ましくは、約3cSt〜約25cStの有用な動粘度、例えば、GTL4の場合、100℃において約4.0cSTの動粘度および約141の粘度指数を有し得る。これらの気体−液体(GTL)ベース油、フィッシャー−トロプシュワックス誘導ベース油、および他のワックス誘導水素異性化ベース油は、約−20℃以下の有用な流動点を有し得、およびいくつかの条件下においては、約−25℃以下の都合のよい流動点を有し得るが、有用な流動点は約−30℃〜約−40℃以下である。気体−液体(GTL)ベース油、フィッシャー−トロプシュワックス誘導ベース油、およびワックス誘導水素異性化ベース油の有用な組成は、例えば、全体として参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,080,301号明細書、同第6,090,989号明細書および同第6,165,949号明細書に記載される。
ヒドロカルビル芳香族は、ベース油またはベース油成分として使用され得、かつベンゼノイド部分またはナフテノイド部分またはそれらの誘導体などの芳香族部分から誘導されるその重量の少なくとも約5%を含有するいずれかのヒドロカルビル分子であることも可能である。これらのヒドロカルビル芳香族には、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、アルキルビフェニル、アルキルジフェニルオキシド、アルキルナフトール、アルキルジフェニルスルフィド、アルキル化ビスフェノールA、アルキル化チオジフェノールなどが含まれる。芳香族は、モノアルキル化、ジアルキル化、ポリアルキル化などされ得る。芳香族は、単官能化または多官能化され得る。ヒドロカルビル基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基および他の関連ヒドロカルビル基の混合物から構成されることも可能である。ヒドロカルビル基は、約C〜約C60の範囲であり得るが、約C〜約C20の範囲がしばしば好ましい。ヒドロカルビル基の混合物がしばしば好ましく、およびそのような置換基の3個までが存在してもよい。ヒドロカルビル基は、任意選択的に、硫黄、酸素および/または窒素含有置換基を含有し得る。芳香族基は、分子の少なくとも約5%が上記種類の芳香族部分から構成されることを条件として、天然(石油)供給源から誘導されることも可能である。ヒドロカルビル芳香族成分に関して、約2cSt〜約50cStの100℃における粘度が好ましく、約3cSt〜約20cStの粘度がより好ましい。一実施形態において、アルキル基が主に1−ヘキサデセンから構成されるアルキルナフタレンが使用される。芳香族の他のアルキレートが有利に使用されることも可能である。例えば、ナフタレンまたはメチルナフタレンは、オクテン、デセン、ドデセン、テトラデセンまたはより高級なオレフィンなどのオレフィン、同様のオレフィンの混合物などによってアルキル化し得る。アルキル化ナフタレンおよび類似体は、環構造のアルファおよびベータ炭素位上のアルキル基の異性体分布を有する組成物を含み得る。ナフタレン環のアルファおよびベータ位上の基の分布は、100:1〜1:100、より多くは50:1〜1:50の範囲であり得る。潤滑油組成物中のヒドロカルビル芳香族の有用な濃度は、用途次第で、約2〜約25%、好ましくは約4%〜約20%、より好ましくは約4%〜約15%であり得る。
本開示のヒドロカルビル芳香族などのアルキル化芳香族は、芳香族化合物の周知のフリーデル−クラフツアルキル化法によって製造されてもよい。Friedel−Crafts and Related Reactions,Olah,G.A.(ed.),Inter−science Publishers,New York,1963を参照されたい。例えば、ベンゼンまたはナフタレンなどの芳香族化合物は、フリーデル−クラフツ触媒の存在下で、オレフィン、ハロゲン化アルキルまたはアルコールによってアルキル化される。Friedel−Crafts and Related Reactions,Vol.2,part 1,chapters 14,17および18、Olah,G.A.(ed.),Inter−science Publishers,New York,1964を参照されたい。多くの均質または不均質固体触媒が当業者に知られている。触媒の選択は、出発材料の反応性および製品の要求品質次第である。例えば、AlCl、BFまたはHFなどの強酸が使用されてもよい。いくつかの場合、FeClまたはSnClなどのより穏やかな触媒が好ましい。より新しいアルキル化技術では、ゼオライトまたは固体超酸が使用される。
エステルは有用なベースストックを構成する。付加的な溶解作用およびシール適合性特徴は、モノアルカノールとの二塩基酸のエステルおよびモノカルボン酸のポリオールエステルなどのエステルの使用によって確保され得る。前者の種類のエステルには、例えば、フタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、アジピン酸、リノール酸二量体、マロン酸、アルキルマロン酸、アルケニルマロン酸などのジカルボン酸と、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールなどの様々なアルコールとのエステルが含まれる。これらの種類のエステルの具体的な例としては、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、フマル酸ジ−n−ヘキシル、セバシン酸ジオクチル、アゼライン酸ジイソオクチル、アゼライン酸ジイソデシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、セバシン酸ジエイコシルなどが含まれる。
特に有用な合成エステルは、1種以上の多価アルコール、好ましくは、ヒンダードポリオール(ネオペンチルポリオール、例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールおよびジペンタエリトリトールなど)を、少なくとも約4個の炭素原子を含有するアルカノン酸、好ましくは、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エイコサン酸およびベヘン酸を含む飽和直鎖脂肪酸、もしくは相当する分枝鎖脂肪酸、もしくはオレイン酸などの不飽和脂肪酸、またはこれらの材料のいずれかの混合物などのC〜C30酸と反応させることによって得られるものである。
適切な合成エステル成分には、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトールおよび/またはジペンタエリトリトールと、約5〜約10個の炭素原子を含有する1種以上のモノカルボン酸とのエステルが含まれる。これらのエステルは商業的に広く入手可能であり、例えば、ExxonMobil Chemical CompanyのMobil P−41およびP−51エステルである。
ココナツ、ヤシ、ナタネ、ダイズ、ヒマワリなどの再生可能な材料から誘導されるエステルも有用である。これらのエステルは、モノエステル、ジエステル、ポリオールエステル、複合エステルまたはそれらの混合物であってもよい。これらのエステルは商業的に広く入手可能であり、例えば、ExxonMobil Chemical CompanyのMobil P−51エステルである。
再生可能なエステルを含有するタービン油配合物は本開示に含まれる。そのような配合物に関して、エステルの再生可能な含有量は、典型的に、約70重量パーセントより多く、好ましくは約80重量パーセントより多く、および最も好ましくは約90重量パーセントより多い。
潤滑粘度の他の有用な流体としては、高性能の潤滑特性を提供するために、好ましくは触媒によって処理された、または合成された非従来型または非慣例型ベースストックが含まれる。
非従来型または非慣例型ベースストック/ベース油としては、1種以上の気体−液体(GLT)材料から誘導されたベースストックの混合物、ならびに天然ワックスもしくはワックス状供給材料、鉱油およびもしくは非鉱油ワックス状供給ストック、例えば、スラックワックス、天然ワックス、およびワックス状ストック、例えば、ガス油、ワックス状燃料水素化分解装置残留物、ワックス状ラフィネート、水素化分解生成物、熱分解生成物もしくは他の鉱物、鉱油、または非石油誘導ワックス状材料、例えば、石炭液化から受け取られたワックス状材料もしくは頁岩油から誘導された異性化/イソ脱ロウ化ベースストック、およびそのようなベースストックの混合物の1種以上が含まれる。
GTL材料は、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、プロピン、ブタン、ブチレンおよびブチンなどの供給ストックとしての気体状炭素含有化合物、水素含有化合物および/または要素からの1種以上の合成、組合せ、変換、転位、および/または分解/脱構築プロセスによって誘導される材料である。GTLベースストックおよび/またはベース油は、一般に、炭化水素、例えば、それら自体が供給ストックとしてより単純な気体状炭素含有化合物、水素含有化合物および/または他の要素から誘導されるワックス状合成炭化水素から誘導される潤滑粘度のGTL材料である。GTLベースストックおよび/またはベース油には、潤滑油沸騰範囲で沸騰する油であって、(1)合成されたGTL材料から、例えば、蒸留などによって分離/分留され、その後、流動点が減少した/低流動点の潤滑油を製造するために、触媒脱ロウプロセスまたは溶媒脱ロウプロセスの一方または両方を含む最終ワックス処理工程を受けるもの;(2)例えば、水素脱ロウまたは水素異性化された触媒および/または溶媒脱ロウされた合成ワックスまたはワックス状炭化水素を含む合成異性化ワックス;(3)水素脱ロウまたは水素異性化された触媒および/または溶媒脱ロウされたフィッシャー−トロプシュ(F−T)材料(すなわち、炭化水素、ワックス状炭化水素、ワックスおよび可能な類似のオキシジェネート);好ましくは、水素脱ロウまたは水素異性化され/続いて、触媒および/または溶媒脱ロウされたF−Tワックス状炭化水素、あるいは水素脱ロウまたは水素異性化され/続いて、触媒(または溶媒)脱ロウされたF−Tワックス、またはそれらの混合物が含まれる。
GTL材料から誘導されるGTLベースストックおよび/またはベース油、特に、水素脱ロウまたは水素異性化され/続いて、触媒および/または溶媒脱ロウされたワックスまたはワックス状供給材料、好ましくは、F−T材料誘導ベースストックおよび/またはベース油は、典型的に、約2mm/秒〜約50mm/秒の100℃における動粘度を有することを特徴とする(ASTM D445)。それらは、典型的に、−5℃〜約−40℃以下の流動点を有することをさらに特徴とする(ASTM D97)。またそれらは、典型的に、約80〜約140以上の粘度指数を有することを特徴とする(ASTM D2270)。
加えて、GTLベースストックおよび/またはベース油は、典型的に、高パラフィン(>90%飽和)であり、かつ非環式イソパラフィンと組み合わせて、単環式パラフィンおよび多環式パラフィンの混合物を含有していてもよい。そのような組合せにおけるナフテン系(すなわち、シクロパラフィン)含有量の比率は、使用される触媒および温度によって変動する。さらに、GTLベースストックおよび/またはベース油は、典型的に、非常に低い硫黄および窒素含有量を有し、一般に、これらの元素をそれぞれ、約10ppm未満、より典型的に約5ppm未満含有する。F−T材料、特にF−Tワックスから得られたGTLベースストックおよび/またはベース油の硫黄および窒素含有量は本質的にゼロである。加えて、リンおよび芳香族がないことによって、この材料は特に、低SAP製品の配合に適切である。
GLTベースストックおよび/またはベース油および/またはワックス異性体ベースストックおよび/またはベース油という用語は、製造プロセスで回収された広い粘度範囲のそのような材料の個々のフラクション、そのようなフラクションの2つ以上の混合物、ならびに標的の動粘度を示すブレンドを製造するための低粘度フラクションの1つまたは2つ以上と、高粘度フラクションの1つまたは2つ以上との混合物を包括するものとして理解される。
GLTベースストックおよび/またはベース油が誘導されるGLT材料は、好ましくは、FT材料(すなわち、炭化水素、ワックス状炭化水素、ワックス)である。
本開示において有用な配合された潤滑油で使用するためのベース油は、それらの優れた揮発性、安定性、粘性測定および清浄度特性のため、APIグループI、グループII、グループIII、グループIVおよびグループV油およびそれらの混合物、好ましくは、APIグループII、グループIII、グループIVおよびグループV油およびそれらの混合物、より好ましくは、グループIII〜グループVベース油に相当する様々な油のいずれかである。配合された潤滑油製品中にブレンドするために添加剤を希釈するために使用される量などの少量のグループIストックは、許容可能であるが、最少に保持されるべきであり、すなわち、「受け取られたまま」の基準で使用される添加剤用の希釈剤/キャリア油としてのそれらの使用に関連するのみの量である。グループIIストックに関しても、グループIIストックが、そのストック、すなわち、100<VI<120の範囲の粘度指数を有するグループIIストックと関連する、より高品質の範囲にあることが好ましい。
ベース油は、本開示のタービン油潤滑油組成物の主成分を構成し、および組成物の全重量に基づき、典型的に約80〜約99.8重量%、好ましくは約90〜約99.5重量%、より好ましくは約95〜約99重量%の範囲の量で存在する。ベース油は、工業用油およびターボ機械のための潤滑油として典型的に使用される合成または天然油のいずれかからも選択されてよい。ベース油は、都合よく、ASTM規格に従って、40℃で約7cSt〜約46cSt(またはmm/秒)、好ましくは、40℃で約10cSt〜約32cSt(またはmm/秒)、しばしば、より好ましくは、15cSt〜約22cStの動粘度を有する。必要に応じて、合成および天然ベース油の混合物が使用されてもよい。必要に応じて、グループI、II、III、IVおよび/またはVベースストックの混合物の二峰性、三峰性および追加的組合せが使用されてもよい。
コベースストック成分は、潤滑油中の極性添加剤の溶解性、相溶性および分散性を提供するために十分な量で存在する。コベースストック成分は、約1〜約99重量パーセント、好ましくは、約5〜約95重量パーセント、より好ましくは、約10重量パーセント〜約90重量パーセントの量で本開示の潤滑油中に存在する。
以下の表2は、本開示による例示的な潤滑ベース油の有用かつ好ましい量を要約する。
Figure 2020503412
潤滑油添加剤
本開示において有用な配合潤滑油は、限定されないが、抗摩耗添加剤、分散剤、清浄剤、粘度変性剤、腐食抑制剤、さび抑制剤、金属不活性化剤、極圧添加剤、抗焼付剤、ワックス変性剤、粘度変性剤、脱水添加剤、シール適合性剤、潤滑剤、抗汚染剤、発色剤、消泡剤、解乳化剤、高密度化剤、湿潤剤、ゲル化剤、粘着剤、着色剤および他を含む、1種以上の一般に使用される潤滑油性能添加剤を追加的に含有していてもよい。多くの一般に使用される添加剤に関しては、KlamannのLubricants and Related Products,Verlag Chemie,Deerfield Beach,FL;ISBN 0 89573 177 0を参照されたい。Noyes Data Corporation of Parkridge,NJ(1973)によって出版されたM.W.Ranney著「Lubricant Additives」も参照され、また全体として本明細書に組み込まれる米国特許第7,704,930号明細書も参照されたい。これらの添加剤は、5重量%〜50重量%の範囲であってよい様々な量の希釈剤油とともに一般に送達される。
本開示で有用な添加剤は、潤滑油中に可溶性である必要はない。油中に不溶性の添加剤は、本開示の潤滑油中で分散されることが可能である。
潤滑剤組成物中で本開示と組み合わせて使用される性能添加剤の種類および量は、例として本明細書に示される実施例によって限定されない。
抗摩耗添加剤
アルキルジチオホスフェート、アリールホスフェートおよびホスフィットは、本開示の潤滑油中で有用な例示的な抗摩耗添加剤である。例示的な抗摩耗添加剤は、本質的に金属を含み得ないか、またはそれらは金属塩を含有し得る。
ホスフェートエステルまたは塩は、それぞれのヒドロカルビル基が飽和である、モノヒドロカルビル、ジヒドロカルビルまたはトリヒドロカルビルホスフェートであり得る。一実施形態において、それぞれのヒドロカルビル基は、独立して、約8個〜約30個または約12個〜約28個または約14個〜約24個または約14個〜約18個の炭素原子を含有する。一実施形態において、ヒドロカルビル基はアルキル基である。ヒドロカルビル基の例としては、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル基およびその混合物が含まれる。
ホスフェートエステルまたは塩は、1種以上のリン酸または無水物と飽和アルコールとを反応させることによって調製されたリン酸エステルである。リン酸または無水物は、一般に、五酸化リン、三酸化リン、四酸化リン、亜リン酸、リン酸、リンハロゲン化物、低級リンエステルまたは五硫化リンを含む硫化リンなどの無機リン試薬である。低級リン酸エステルは、一般に、それぞれのエステル基中に1個〜約7個の炭素原子を含有する。アルコールは、リン酸エステルまたは塩を調製するために使用される。商業的に入手可能なアルコールおよびアルコール混合物の例としては、Alfol 1218(12個〜18個の炭素原子を含有する合成、第一級、直鎖アルコールの混合物);Alfol 20+アルコール(GLC(気体液体クロマトグラフ法)によって決定されるように、主にC20アルコールを有するC18〜C28第一級アルコールの混合物);およびAlfol 22+アルコール(主にC22アルコールを含有するC18〜C28第一級アルコール)が含まれる。Alfolアルコールは、Continental Oil Companyから入手可能である。別の商業的に入手可能なアルコール混合物の例は、Adol60(約75重量%の直鎖C22第一級アルコール、約15重量%のC20第一級アルコールならびに約8重量%のC18およびC24アルコール)である。Adolアルコールは、Ashland Chemicalによって市販されている。
自然発生トリグリセリドから誘導され、かつC8〜C18の範囲の鎖長である一価脂肪アルコールの様々な混合物がProcter & Gamble Companyから入手可能である。これらの混合物は、様々な量の12個、14個、16個または18個の炭素原子を含有する脂肪アルコールを含有する。例えば、CO−1214は、0.5%のC10アルコール、66.0%のC12アルコール、26.0%のC14アルコールおよび6.5%のC16アルコールを含有する脂肪アルコール混合物である。
商業的に入手可能なアルコール混合物の別の群としては、Shell Chemical Co.から入手可能な「Neodol」製品が含まれる。例えば、Neodol 23は、C12およびC13アルコールの混合物であり;Neodol 25は、C12〜C15アルコールの混合物であり;かつNeodol 45は、C14〜C15線形アルコールの混合物である。ホスフェートは、それぞれのヒドロカルビル基中に約14個〜約18個の炭素原子を含有する。ホスフェートのヒドロカルビル基は、一般に、約14個〜約18個の炭素原子を有する脂肪アルコールの混合物から誘導される。ヒドロカルビルホスフェートは、脂肪ビシナルジオールからも誘導され得る。脂肪ビシナルジオールは、一般的な商標名Adol 114およびAdol 158でAshland Oilから入手可能なものを含む。前者は、C11〜C14の直鎖アルファオレフィン留分から誘導され、かつ後者は、C15〜C18留分から誘導される。
ホスフェート塩は、酸性ホスフェートエステルと、アミン化合物または金属ベースとを反応させて、アミンまたは金属塩を形成することによって調製され得る。アミンは、モノアミンまたはポリアミンであり得る。有用なアミンとしては、米国特許第4,234,435号明細書に開示されるアミンが含まれる。
例示的なモノアミンは、一般に、1個〜約30個、または1個〜約12個、または1個〜約6個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基を含有する。本開示において有用な第一級モノアミンの例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、アリルアミン、ココアミン、ステアリルアミンおよびラウリルアミンが含まれる。第二級モノアミンの例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、メチルブチルアミン、エチルヘキシルアミンなどが含まれる。
アミンは、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミン、オレイルアミンなどを含む脂肪(C8〜C30)アミンである。また有用な脂肪アミンとしては、文字記号が、ココ、オレイル、タローまたはステアリル基などの脂肪基に関連する、Armeen C、Armeen O、Armeen OL、Armeen T、Armeen HT、Armeen SおよびArmeen SDなどの「Armeen」アミン(Akzo Chemicals、Chicago,Ill.から入手可能な製品)などの商業的に入手可能な脂肪アミンが含まれる。
他の有用なアミンとしては、式:
R’’(OR’)×NH2
[式中、R’は、約2個〜約6個の炭素原子を有する二価アルキレン基であり;xは、1〜約150または約1〜約5または1の数であり;かつR’’は、約5個〜約150個の炭素原子のヒドロカルビル基である]
によって表されるものなどの第一級エーテルアミンが含まれる。エーテルアミンの例は、Mars Chemical Company,Atlanta,Ga.によって製造および販売される名称SURFAM(登録商標)で入手可能である。好ましいエーテルアミンは、SURFAM P14B(デシルオキシプロピルアミン)、SURFAM P16A(線形C16)、SURFAM P17B(トリデシルオキシプロピルアミン)として識別されるものによって例証される。上記および以下で使用されるSURFAMSの炭素鎖長(すなわち、C14など)は概数であって、かつ酸素エーテル結合を含む。
例示的なアミンは、第三級脂肪族第一級アミンである。一般に、脂肪族基、好ましくは、アルキル基は、約4個〜約30個または約6個〜約24個または約8個〜約22個の炭素原子を含有する。通常、第三級アルキル第一級アミンは、モノアミンであり、アルキル基は、1個〜約27個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基である。そのようなアミンは、tert−ブチルアミン、tert−ヘキシルアミン、1−メチル−1−アミノ−シクロヘキサン、tert−オクチルアミン、tert−デシルアミン、tert−ドデシルアミン、tert−テトラデシルアミン、tert−ヘキサデシルアミン、tert−オクタデシルアミン、tert−テトラコサニルアミンおよびtert−オクタコサニルアミンによって例示される。第三級脂肪族アミンの混合物もリン酸塩の調製において使用されてよい。例示的なこの種類のアミン混合物は、C11〜C14第三級アルキル第一級アミンの混合物である「Primene 81R」およびC18〜C22第三級アルキル第一級アミンの類似の混合物である「Primene JMT」である(両方とも、Rohm and Haas Companyから入手可能である)。第三級脂肪族第一級アミンおよびそれらの調製方法は、当業者に既知である。
別の例示的なアミンは、複素環式ポリアミンである。複素環式ポリアミンとしては、アジリジン、アゼチジン、アゾリジン、テトラ−およびジヒドロピリジン、ピロール、インドール、ピペリジン、イミダゾール、ジ−およびテトラ−ヒドロイミダゾール、ピペラジン、イソインドール、プリン、モルホリン、チオモルホリン、N−アミノアルキルモルホリン、N−アミノアルキルチオモルホリン、N−アミノアルキル−ピペラジン、N,N’−ジアミノアルキルピペラジン、アゼピン、アゾシン、アゾニン、アゼシンおよび上記のテトラ−、ジ−およびペルヒドロ誘導体ならびにこれらの複素環式アミンの2種以上の混合物が含まれる。好ましい複素環式アミンは、複素環中に窒素、酸素および/または硫黄のみを含有する飽和5員および6員複素環式アミン、特に、ピペリジン、ピペラジン、チオモルホリン、モルホリン、ピロリジンなどである。ピペリジン、アミノアルキル置換ピペリジン、ピペラジン、アミノアルキル置換ピペラジン、モルホリン、アミノアルキル置換モルホリン、ピロリジンおよびアミノアルキル置換ピロリジンが特に好ましい。通常、アミノアルキル置換基は、複素環の窒素原子形成部分上の置換である。そのような複素環式アミンの具体的な例としては、N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノエチルピペラジンおよびN,N’−ジアミノエチルピペラジンが含まれる。ヒドロキシ複素環式ポリアミンも有用である。例としては、N−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキシルアミン、3−ヒドロキシシクロペンチルアミン、パラヒドロキシアニリン、N−ヒドロキシエチルピペラジンなどが含まれる。
リン酸エステルの金属塩は、金属ベースと酸性リンエステルとの反応によって調製される。金属ベースは、金属塩を形成することができるいずれの金属化合物でもあり得る。金属ベースの例には、金属酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩などが含まれる。金属ベースの金属は、第IA族、第IIA族、第IB族〜第VIIB族および第VIII族金属(元素周期表のCAS版)を含む。これらの金属には、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属が含まれる。一実施形態において、金属は、カルシウムまたはマグネシウムなどの第IIA族金属、亜鉛などの第IIB族金属、またはマンガンなどの第VII族B金属である。好ましくは、金属は、マグネシウム、カルシウム、マンガンまたは亜鉛である。リン酸と反応し得る金属化合物の例としては、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、水酸化銅、酸化銅などが含まれる。
本開示の潤滑油は、脂肪イミダゾリン、または脂肪カルボン酸と少なくとも1種のポリアミンとの反応生成物を含み得る。脂肪イミダゾリンは、8個〜約30個または約12個〜約24個の炭素原子を含有する脂肪置換基を有する。置換基は、飽和であっても、または不飽和であってもよく、例えば、好ましくは飽和のヘプタデセンイル誘導オリエル(olyel)基である。一態様において、脂肪イミダゾリンは、脂肪カルボン酸とポリアルキレンポリアミンとを反応させることによって調製され得る。脂肪カルボン酸は、一般に、約8個〜約30個、または約12個〜約24個、または約16個〜約18個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖脂肪カルボン酸の混合物である。カルボン酸には、2個〜約4個、好ましくは、2個のカルボニル基を有するポリカルボン酸またはカルボン酸または無水物が含まれる。ポリカルボン酸は、コハク酸および無水物、ならびに不飽和モノカルボン酸と(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸およびイタコン酸などの)不飽和カルボン酸とのディールズ−アルダー(Diels−Alder)反応生成物を含む。好ましくは、脂肪カルボン酸は、オクタン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、ドデカン酸およびトール油酸、好ましくは、ステアリン酸などの約8個〜約30個、好ましくは、約12個〜約24個の炭素原子を有する脂肪モノカルボン酸である。脂肪カルボン酸は、少なくとも1種のポリアミンと反応する。ポリアミンは、脂肪族であっても、脂環式であっても、複素環式であっても、または芳香族であってもよい。ポリアミンの例としては、アルキレンポリアミンおよび複素環式ポリアミンが含まれる。
本開示による抗摩耗添加剤は次の利点を有する。低濃度で使用される場合、それは非常に高い効率を有し、かつそれは塩素を含まない。リン酸エステルの中和に関して、後者が採用され、そして対応するアミンは撹拌下でゆっくりと添加される。中和の結果として生じる熱は、冷却によって除去される。本開示による抗摩耗添加剤は、可溶化剤としての脂肪物質(例えば、トール油脂肪酸、オレイン酸など)の補助によって、それぞれのベース液中に組み込まれることが可能である。使用されるベース液は、ナフテンまたはパラフィンベース油、合成石油(例えば、ポリグリコール、混合ポリグリコール)、ポリオレフィン、カルボン酸エステルなどである。
一実施形態において、本開示の潤滑油は、少なくとも1種のリン含有抗摩耗添加剤を含有することが可能である。そのような添加剤の例は、商品名IRGALUBE 349で既知であるものなどのアミンホスフェート抗摩耗添加剤および/または商品名IRGALUBE TPPTで既知であるものなどのトリフェニルホスホロチオネート抗摩耗添加剤である。そのようなアミンホスフェートは、潤滑油組成物の重量で0.01〜2重量%、好ましくは、0.2〜1.5重量%の量で存在し得るが、そのようなホスホロチオネートは、適切に、潤滑油組成物の重量で0.01〜3重量%、好ましくは、0.5〜1.5重量%の量で存在し得る。アミンホスフェートとホスホロチオネートの混合物が使用されてもよい。
中性有機ホスフェートは、組成物の重量で0〜4重量%、好ましくは、0.1〜2.5重量%の量で存在し得る。上記アミンホスフェートは、抗摩耗性能を送達することが可能である単一成分を形成するために一緒に混合することができる。中性有機ホスフェートも潤滑油の通常成分である。
本開示における使用のためのホスフェートとしては、ホスフェート、酸ホスフェート、ホスフィットおよび酸ホスフィットが含まれる。ホスフェートとしては、トリアリールホスフェート、トリアルキルホスフェート、トリアルキルアリールホスフェート、トリアリールアルキルホスフェートおよびトリアルケニルホスフェートが含まれる。これらの具体的な例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ベンジルジフェニルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、エチルジブチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフェニルフェニルホスフェート、プロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルフェニルホスフェート、トリブチルフェニルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリデシルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリミリスチルホスフェート、トリパルミチルホスフェート、トリステアリルホスフェートおよびトリオレイルホスフェートが挙げられる。
酸ホスフェートとしては、例えば、2−エチルヘキシル酸ホスフェート、エチル酸ホスフェート、ブチル酸ホスフェート、オレイル酸ホスフェート、テトラコシル酸ホスフェート、イソデシル酸ホスフェート、ラウリル酸ホスフェート、トリデシル酸ホスフェート、ステアリル酸ホスフェートおよびイソステアリル酸ホスフェートが含まれる。
ホスフィットとしては、例えば、トリエチルホスフィット、トリブチルホスフィット、トリフェニルホスフィット、トリクレジルホスフィット、トリ(ノニルフェニル)ホスフィット、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフィット、トリデシルホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリイソオクチルホスフィット、ジフェニルイソデシルホスフィット、トリステアリルホスフィットおよびトリオレイルホスフィットが含まれる。
酸ホスフィットとしては、例えば、ジブチルハイドロゲンホスフィット、ジラウリルハイドロゲンホスフィット、ジオレイルハイドロゲンホスフィット、ジステアリルハイドロゲンホスフィットおよびジフェニルハイドロゲンホスフィットが含まれる。
そのようなホスフェートによってアミン塩を形成するアミンとしては、例えば、一置換アミン、二置換アミンおよび三置換アミンが含まれる。一置換アミンの例としては、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミンおよびベンジルアミンが含まれ;そして二置換アミンの例としては、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、ジオレイルアミン、ジベンジルアミン、ステアリルモノエタノールアミン、デシルモノエタノールアミン、ヘキシルモノプロパノールアミン、ベンジルモノエタノールアミン、フェニルモノエタノールアミンおよびトリルモノプロパノールアミンが含まれる。三置換アミンの例としては、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリラウリルアミン、トリステアリルアミン、トリオレイルアミン、トリベンジルアミン、ジオレイルモノエタノールアミン、ジラウリルモノプロパノールアミン、ジオクチルモノエタノールアミン、ジヘキシルモノプロパノールアミン、ジブチルモノプロパノールアミン、オレイルジエタノールアミン、ステアリルジプロパノールアミン、ラウリルジエタノールアミン、オクチルジプロパノールアミン、ブチルジエタノールアミン、ベンジルジエタノールアミン、フェニルジエタノールアミン、トリルジプロパノールアミン、キシリルジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびトリプロパノールアミンが含まれる。ホスフェートまたはそれらのアミン塩は、組成物の全重量に対する重量で0〜5重量%、好ましくは、0.1〜2重量%の量でベース油に添加される。
アミンと反応する例示的なカルボン酸としては、例えば、脂肪族カルボン酸、ジカルボン酸(二塩基酸)および芳香族カルボン酸が含まれる。脂肪族カルボン酸は、8個〜30個の炭素原子を有し、かつ飽和であっても、または不飽和であってもよく、かつ線形であっても、または分枝鎖であってもよい。脂肪族カルボン酸の具体的な例としては、ペラルゴン酸、ラウリン酸、トリデカノン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、エイコサン酸、ベヘン酸、トリアコンタン酸、カプロレック(caproleic)酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノレン酸、エルカ酸およびリノール酸が含まれる。ジカルボン酸の具体的な例としては、オクタデシルコハク酸、オクタデセニルコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸が含まれる。芳香族カルボン酸の一例はサリチル酸である。カルボン酸と反応する例示的なアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン、ジプロピレントリアミン、ドデカンペンタミンおよびヘキサブチレンヘプタミンなどのポリアルキレン−ポリアミン;ならびにモノエタノールアミンおよびジエタノールアミンなどのアルカノールアミンが含まれる。これらの中で、イソステアリン酸およびテトラエチレンペンタミンの組合せ、ならびにオレイン酸およびジエタノールアミンの組合せが好ましい。カルボン酸とアミンとの反応生成物は、組成物の全重量に対する重量で0〜5重量%、好ましくは、0.03〜3重量%の量でベース油に添加されてよい。
他の例示的な抗摩耗添加剤としては、例えば、1個または2個の硫黄原子を有する混合材料、すなわち、モノチオ−またはジチオ化合物を含むホスフィット、チオホスフィット、ホスフェートおよびチオホスフェートが含まれる。本明細書で使用される場合、「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」という用語は、当業者に周知である一般的な意味で使用される。特に、それは、分子の残基に直接結合した炭素原子を有し、かつ主に炭化水素の特徴を有する基を意味する。
本開示の範囲内のホスフィットおよびチオホスフィットのいくつかの具体的な例としては、亜リン酸、モノ−、ジ−またはトリ−チオ亜リン酸、モノ−、ジ−またはトリ−プロピルホスフィット、あるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフィット;モノ−、ジ−またはトリ−ブチルホスフィットあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフィット;モノ−、ジ−またはトリ−アミルホスフィットあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフィット;モノ−、ジ−またはトリ−ヘキシルホスフィットあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフィット;モノ−、ジ−またはトリ−フェニルホスフィットあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフィット;モノ−、ジ−またはトリ−トリルホスフィットあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフィット;モノ−、ジ−またはトリ−クレジルホスフィットあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフィット;ジブチルフェニルホスフィットあるいはモノ−、ジ−またはトリ−ホスフィット、アミルジクレシルホスフィットあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフィット、ならびにクロロフェニルまたはクロロブチルなどの置換基を有する上記のいずれかが含まれる。
本開示の範囲内のホスフェートおよびチオホスフェートの具体的な例としては、リン酸、モノ−、ジ−またはトリ−チオリン酸、モノ−、ジ−またはトリ−プロピルホスフェートあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフェート;モノ−、ジ−またはトリ−ブチルホスフェートあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフェート;モノ−、ジ−またはトリ−アミルホスフェートあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフェート;モノ−、ジ−またはトリ−ヘキシルホスフェートあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフェート;モノ−、ジ−またはトリ−フェニルホスフェートあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフェート;モノ−、ジ−またはトリ−トリルホスフェートあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフェート;モノ−、ジ−またはトリ−クレジルホスフェートあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフェート;ジブチルフェニルホスフェートあるいはモノ−、ジ−またはトリ−ホスフェート、アミルジクレジルホスフェートあるいはモノ−、ジ−またはトリ−チオホスフェート、ならびにクロロフェニルまたはクロロブチルなどの置換基を有する上記のいずれかが含まれる。
これらのリン化合物は、周知の反応によって調製され得る。1つのルートは、アルコールまたはフェノールと三塩化リンとの反応、あるいはエステル交換反応による。アルコールおよびフェノールは、五酸化リンと反応し、アルキルまたはアリールリン酸およびジアルキルまたはジアリールリン酸の混合物が提供される。アルキルホスフェートは、対応するホスフィットの酸化によっても調製することができる。チオホスフェートは、ホスフィットと元素硫黄との反応によって調製することができる。いずれにしても、反応は適度な加熱によって実行可能である。さらに、種々のリンエステルは、他のリンエステルを出発材料として使用する反応によって調製することができる。したがって、中程度の鎖(C9〜C22)リンエステルは、熱エステル交換または酸もしくは塩基触媒エステル交換を使用することによって、ジメチルホスフィットと中程度の鎖のアルコールの混合物との反応によって調製された。例えば、米国特許第4,652,416号明細書を参照のこと。多くのそのような材料は商業的に入手可能であり;例えば、トリフェニルホスフィットは、Duraphos TPP(商標)としてAlbright and Wilsonから入手可能であり;ジ−n−ブチルハイドロゲンホスフィットは、Duraphos DBHP(商標)としてAlbright and Wilsonから入手可能であり;かつトリフェニルチオホスフェートは、Irgalube TPPT(商標)としてCiba Specialty Chemicalsから入手可能である。
ジアルキルホスホロジチオ酸のエステルの例としては、アルファ,ベータ−不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸メチル)と、任意選択的に、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドとのジアルキルホスホロジチオ酸の反応によって得られるエステルが含まれる。
上記で識別される金属ジチオホスフェートの1種以上は、全組成物の重量に基づき、約0〜約2%重量、より一般に、約0.1〜約1重量%で使用されてよい。
ジチオホスフェート中のヒドロカルビルは、アルキル、シクロアルキル、アルアルキルまたはアルカリール基、あるいは類似構造の置換炭化水素基であり得る。例示的なアルキル基としては、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、種々のアミル基、n−ヘキシル、メチルイソブチル、ヘプチル、2−エチルヘキシル、ジイソブチル、イソオクチル、ノニル、ベヘニル、デシル、ドデシル、トリデシルなどが含まれる。例示的な低級アルキルフェニル基としては、ブチルフェニル、アミルフェニル、ヘプチルフェニルなどが含まれる。シクロアルキル基も同様に有用であり、かつこれらとしては、主にシクロヘキシルおよび低級アルキル−シクロヘキシル基が含まれる。多くの置換炭化水素基、例えば、クロロペンチル、ジクロロフェニルおよびジクロロデシルも使用されてよい。
本開示において有用な金属塩が調製されるホスホロジチオ酸は周知である。ジヒドロカルビルホスホロジチオ酸および金属塩の例、ならびにそのような酸および塩の調製プロセスは、例えば、米国特許第4,263,150号明細書;同第4,289,635号明細書;同第4,308,154号明細書;および同第4,417,990号明細書に見出される。これらの特許は、参照によって本明細書に組み込まれる。
ホスホロジチオ酸は、アルコールまたはフェノールあるいはアルコールの混合物との硫化リンとの反応によって調製される。典型的な反応には、4モルのアルコールまたはフェノールおよび1モルの五硫化リンが関与し、そして約50℃〜約200℃の温度範囲内で実行され得る。したがって、O,O−ジ−n−ヘキシルホスホロジチオ酸の調製では、約100℃において約2時間、1モルの五硫化リンと4モルのn−ヘキシルアルコールとの反応を必要とする。硫化水素が放出され、そして残渣は所望の酸である。これらの酸の金属塩の調製は、当該技術において周知である金属化合物との反応によって作成され得る。
本開示において有用であるジヒドロカルビルジチオホスフェートの金属塩としては、第I族金属、第II族金属、アルミニウム、鉛、スズ、モリブデン、マンガン、コバルトおよびニッケルを含有するそれらの塩が含まれる。中でも、第II族金属、アルミニウム、スズ、鉄、コバルト、鉛、モリブデン、マンガン、ニッケルおよび銅が好ましい金属である。亜鉛および銅は特に有用な金属である。酸と反応し得る金属化合物の例としては、酸化リチウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、酸化銀、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化亜鉛、水酸化ストロンチウム、酸化カドミウム、水酸化カドミウム、酸化バリウム、酸化アルミニウム、炭酸鉄、水酸化銅、水酸化鉛、酪酸スズ、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、炭酸ニッケルなどが含まれる。
いくつかの場合、金属反応物と一緒に少量の酢酸金属または酢酸などの特定の成分を組み込むことによって反応は促進され、そして改善された生成物をもたらすであろう。例えば、必要量の酸化亜鉛と組み合わせた約5%までの酢酸亜鉛の使用によって、潜在的に改善された性能特性を有する亜鉛ホスホロジチオエートの形成が促進される。
特に有用な金属ホスホロジチオエートは、五硫化リンとアルコールの混合物との反応によって調製されるホスホロジチオ酸から調製することができる。加えて、そのような混合物の使用は、個々に油溶性ホスホロジチオ酸をもたらし得ない安価なアルコールの利用を可能にする。したがって、イソプロピルおよびヘキシルアルコールの混合物は、非常に有効な油溶性金属ホスホロジチオエートを製造するために使用され得る。同様の理由で、ホスホロジチオ酸の混合物を金属化合物と反応させて、安価な油溶性の塩を形成することが可能である。
アルコールの混合物は、種々の第一級アルコールの混合物、種々の第二級アルコールの混合物または第一級および第二級アルコールの混合物であり得る。有用な混合物の例としては、n−ブタノールおよびn−オクタノール;n−ペンタノールおよび2エチル−1−ヘキサノール;イソブタノールおよびn−ヘキサノール;イソブタノールおよびイソアミルアルコール;イソプロパノールおよび2−メチル−4−ペンタノール;イソプロパノールおよびsec−ブチルアルコール;イソプロパノールおよびイソオクチルアルコールなどが含まれる。
リン酸の有機トリエステルも潤滑油中に利用される。典型的なエステルとしては、トリアリールホスフェート、トリアルキルホスフェート、中性アルキルアリールホスフェート、アルコキシアルキルホスフェート、トリアリールホスフィット、トリアルキルホスフィット、中性アルキルアリールホスフィット、中性ホスホネートエステルおよび中性ホスフィンオキシドエステルが含まれる。一実施形態において、長鎖ジアルキルホスホネートエステルが使用される。より好ましくは、ジメチル−、ジエチル−およびジプロピル−オレイルホスホネートを使用することが可能である。リン酸の中性酸は、酸(HO−P)または酸の塩ではなくトリエステルである。
いずれかのC4〜C8アルキルまたはより高級なホスフェートエステルが本開示において利用されてもよい。例えば、トリブチルホスフェート(TBP)およびトリイソオクチルホスフェート(TOF)が使用可能である。配合された流体の密度、粘度などを調整するために、当業者は、特定のトリホスフェートエステルまたはエステルの組合せを容易に選択することが可能である。2種以上のトリアルキルホスフェートの混合物よりむしろ、ジブチルオクチルホスフェートなどの混合エステルが使用されてよい。
トリアルキルホスフェートは、配合物の比重を調整するためにしばしば有用であるが、特定のトリアルキルホスフェートが低温において液体であることが望ましい。したがって、C3〜C4アルキル基によって部分的にアルキル化された少なくとも1種を含有する混合エステル、例えば、4−イソプロピルフェニルジフェニルホスフェートまたは3−ブチルフェニルジフェニルホスフェートが非常に望ましい。米国特許第3,576,923号明細書において教示されるように、ブチレンまたはプロピレンによってフェノールを部分的にアルキル化して、混合フェノールを形成し、次いでそれをオキシ塩化リンと反応させることによって製造されたトリアリールホスフェートがさらにより望ましい。
クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、混合キシリルクレジルホスフェート、低級アルキルフェニル/フェニルホスフェート、例えば、混合イソプロピルフェニル/フェニルホスフェート、t−ブチルフェニルフェニルホスフェートなどのいずれの混合トリアリールホスフェート(TAP)エステルも使用されてよい。これらのエステルは、広範囲に、可塑剤、機能的流体、ガソリン添加剤、難燃性添加剤などとして使用される。
金属アルキルチオホスフェート、より特に、金属成分が亜鉛である金属ジアルキルジチオホスフェートまたは亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(ZDDP)は、本開示の潤滑油の有用な成分であることが可能である。ZDDPは、第一級アルコール、第二級アルコール、またはそれらの混合物から誘導することができる。ZDDP化合物は一般に、次式:
Zn[SP(S)(OR)(OR)]
[式中、RおよびRは、C1〜C18アルキル基、好ましくは、C2〜C12アルキル基である]
である。これらのアルキル基は、直鎖であっても、または分枝鎖であってもよい。ZDDPで使用されるアルコールは、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、第二級ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、例えば、4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、アルキル化フェノールなどであることが可能である。第二級アルコールまたは第一級および第二級アルコールの混合物が好ましくなることが可能である。アルキルアリール基も使用されてよい。
商業的に入手可能な好ましい亜鉛ジチオホスフェートには、例えば、The Lubrizol Corporationから商標名「LZ 677A」、「LZ 1095」および「LZ 1371」、例えば、Chevron Oroniteから商標名「OLOA 262」、ならびに例えば、Afton Chemicalから商標名「HITEC 7169」で入手可能なものなどの第二級亜鉛ジチオホスフェートが含まれる。
それらの存在は、本開示の利点を得るために要求されないが、ZDDPは、典型的に、潤滑油の全重量に基づき、約0〜約3重量パーセント、好ましくは、約0.05重量パーセント〜約2重量パーセント、より好ましくは、約0.1重量パーセント〜約1.5重量パーセント、なおより好ましくは、約0.1重量パーセント〜約1重量パーセントの量で使用されるが、多かれ少なかれ、しばしば有利に使用されることができる。第二級ZDDPが好ましく、かつ潤滑油の全重量の重量パーセントの0〜1重量パーセントの量で存在し得る。
極圧、抗スカッフィングおよび抗焼き付き剤
極圧剤、ならびに硫化物、スルホキシド、スルホン、チオホスフィネート、チオカルボネート、硫化油脂、硫化オレフィンなどの硫黄ベースの極圧剤;リン酸エステル(例えば、トリクレジルホスフェート(TCP)など)、亜リン酸エステル、リン酸エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン塩などのリンベースの極圧剤;塩素化炭化水素などのハロゲンベースの極圧剤;チオリン酸塩(例えば、亜鉛ジチオホスフェート(ZnDTP)など)およびチオカルバミン酸塩などの有機金属極圧剤などを使用することができる。
リン酸エステル、チオリン酸エステルおよびそのアミン塩は、潤滑性能を強化するように機能し、そして従来から使用される既知の化合物から極圧剤として選択されることが可能である。約3個〜約30個の炭素原子を含有するアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基またはアラルキル基を有するリン酸エステル、チオリン酸エステルまたはそのアミン塩が一般に利用される。
リン酸エステルの例としては、トリイソプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、エチルジブチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリステアリルホスフェートおよびトリオレイルホスフェートなどの脂肪族リン酸エステル;ならびにベンジルフェニルホスフェート、アリルジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフェニルフェニルホスフェート、プロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルフェニルホスフェートおよびトリブチルフェニルホスフェートなどの芳香族リン酸エステルが含まれる。好ましくは、リン酸エステルはトリアルキルフェニルホスフェートである。
チオリン酸エステルの例としては、トリイソプロピルチオホスフェート、トリブチルチオホスフェート、エチルジブチルチオホスフェート、トリヘキシルチオホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルチオホスフェート、トリラウリルチオホスフェート、トリステアリルチオホスフェートおよびトリオレイルチオホスフェートなどの脂肪族チオリン酸エステル;ならびにベンジルフェニルチオホスフェート、アリルジフェニルチオホスフェート、トリフェニルチオホスフェート、トリクレジルチオホスフェート、エチルジフェニルチオホスフェート、クレジルジフェニルチオホスフェート、ジクレジルフェニルチオホスフェート、エチルフェニルジフェニルチオホスフェート、ジエチルフェニルフェニルチオホスフェート、プロピルフェニルジフェニルチオホスフェート、ジプロピルフェニルフェニルチオホスフェート、トリエチルフェニルチオホスフェート、トリプロピルフェニルチオホスフェート、ブチルフェニルジフェニルチオホスフェート、ジブチルフェニルフェニルチオホスフェートおよびトリブチルフェニルチオホスフェートなどの芳香族チオリン酸エステルが含まれる。好ましくは、チオリン酸エステルはトリアルキルフェニルチオホスフェートである。
上記ホスフェートおよびチオホスフェートのアミン塩も利用可能である。リン酸およびチオリン酸の酸性アルキルまたはアリールエステルのアミン塩も利用可能である。好ましくは、アミン塩は、トリアルキルフェニルホスフェートのアミン塩またはアルキルホスフェートのアミン塩である。
リン酸エステル、チオリン酸エステルおよびそのアミン塩からなる群から選択される化合物のいずれの組合せも利用され得る。
リン酸エステルおよび/またはそのアミン塩は、潤滑性能を強化するように機能し、かつ極圧剤として従来から利用されている周知の化合物から選択することができる。約3個〜約30個の炭素原子を含有するアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基またはアラルキル基を有するリン酸エステルまたはそのアミン塩が一般に利用される。
リン酸エステルの例としては、トリイソプロピルホスフィット、トリブチルホスフィット、エチルジブチルホスフィット、トリヘキシルホスフィット、トリ−2−エチルヘキシルホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリステアリルホスフィットおよびトリオレイルホスフィットなどの脂肪族リン酸エステル;ならびにベンジルフェニルホスフィット、アリルジフェニルホスフィット、トリフェニルホスフィット、トリクレジルホスフィット、エチルジフェニルホスフィット、トリブチルホスフィット、エチルジブチルホスフィット、クレジルジフェニルホスフィット、ジクレジルフェニルホスフィット、エチルフェニルジフェニルホスフィット、ジエチルフェニルフェニルホスフィット、プロピルフェニルジフェニルホスフィット、ジプロピルフェニルフェニルホスフィット、トリエチルフェニルホスフィット、トリプロピルフェニルホスフィット、ブチルフェニルジフェニルホスフィット、ジブチルフェニルフェニルホスフィットおよびトリブチルフェニルホスフィットなどの芳香族リン酸エステルが含まれる。ジラウリルホスフィット、ジオレイルホスフィット、ジアルキルホスフィットおよびジフェニルホスフィットも好ましく利用される。好ましくは、リン酸エステルはジアルキルホスフィットまたはトリアルキルホスフィットである。
リン酸塩はポリアミンから誘導され得る。ポリアミンは、アルコキシル化ジアミン、脂肪ポリアミンジアミン、アルキレンポリアミン、ヒドロキシ含有ポリアミン、縮合ポリアミンアリールポリアミンおよび複素環式ポリアミンを含む。これらのアミンの例としては、それぞれ、ジアミン1モルあたり3および10モルのエチレンオキシドを含有するN−タロートリメチレンジアミンのエチレンオキシド縮合生成物であるEthoduomeen T/13およびT/20が含まれる。
別の実施形態において、ポリアミンは脂肪ジアミンである。脂肪ジアミンには、モノ−またはジ−アルキル、対称または非対称エチレンジアミン、プロパンジアミン(1,2もしくは1,3)および上記のポリアミン類似体が含まれる。適切な市販の脂肪ポリアミンは、Duomeen C(n−ココ−1,3−ジアミノプロパン)、Duomeen S(n−大豆−1,3−ジアミノプロパン)、Duomeen T(n−タロー−1,3−ジアミノプロパン)およびDuomeen O(n−オレイル−1,3−ジアミノプロパン)である。「Duomeens」は、Armak Chemical Co.,Chicago,Ill.から商業的に入手可能である。
そのようなアルキレンポリアミンとしては、メチレンポリアミン、エチレンポリアミン、ブチレンポリアミン、プロピレンポリアミン、ペンチレンポリアミンなどが含まれる。ピペラジンおよびN−アミノアルキル−置換ピペラジンなどのより高級な同族体および関連複素環式アミンも含まれる。そのようなポリアミンの具体的な例は、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどである。上記アルキレンアミンの2種以上を縮合することによって得られる、より高級な同族体は、上記ポリアミンの2種以上の混合物と同様に有用である。
一実施形態において、ポリアミンはエチレンポリアミンである。そのようなポリアミンは、Kirk Othmer’s“Encyclopedia of Chemical Technology”,第2版,第7巻,第22−37頁,Interscience Publishers,New York(1965)のEthylene Aminesという表題の下で詳細に記載される。エチレンポリアミンは、しばしば、環式縮合生成物を含むポリアルキレンポリアミンの複合混合物である。
ポリアミン混合物の他の有用な種類は、残渣として、しばしば「ポリアミンボトム」と呼ばれるものを残す、上記ポリアミン混合物のストリッピングから得られるものである。一般に、アルキレンポリアミンボトムは、約200℃未満で沸騰する材料を2%未満、通常、1%未満(重量で)有することを特徴とすることができる。Freeport,Tex.のDow Chemical Companyから得られるそのようなエチレンポリアミンボトムの典型的な試料は、「E−100」として指定される。これらのアルキレンポリアミンボトムとしては、ピペラジンなどの環式縮合生成物、およびジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのより高級類似体が含まれる。これらのアルキレンポリアミンボトムは、単独でアシル化剤と反応することができるか、またはそれらは、他のアミン、ポリアミンもしくはその混合物と一緒に使用することができる。別の有効なポリアミンは、少なくとも1個の第一級または第二級アミノ基を含有する少なくとも1種のポリアミン反応物との少なくとも1種のヒドロキシ化合物との間の縮合反応である。ヒドロキシ化合物は、好ましくは、多価アルコールおよびアミンである。多価アルコールは以下に説明される。一実施形態において、ヒドロキシ化合物は多価アミンである。多価アミンとしては、2個〜約20個または2個〜約4個の炭素原子を有するアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなど)と反応した上記モノアミンのいずれも含まれる。多価アミンの例としては、トリ(ヒドロキシプロピル)アミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンおよびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、好ましくは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(THAM)が含まれる。
多価アルコールまたはアミンと反応して、縮合生成物または縮合アミンを形成するポリアミンは上記されている。好ましいポリアミンとしては、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)および上記の「アミンボトム」などのポリアミンの混合物が含まれる。
極圧添加剤の例としては、ジアルキルスルフィド、ジベンジルスルフィド、ジアルキルポリスルフィド、ジベンジルジスルフィド、アルキルメルカプタン、ジベンゾチオフェンおよび2,2’−ジチオビス(ベンゾチアゾール)などの硫黄ベースの極圧添加剤;トリアルキルホスフェート、トリアリールホスフェート、トリアルキルホスホネート、トリアルキルホスフィット、トリアリールホスフィットおよびジアルキルヒドロジンホスフィットなどのリンベースの極圧添加剤、ならびに亜鉛ジアルキルジチオホスフェート、ジアルキルチオリン酸、トリアルキルチオホスフェートエステル、酸性チオホスフェートエステルおよびトリアルキルトリチオホスフェートなどのリンおよび硫黄ベースの極圧添加剤が含まれる。極圧添加剤は、都合よく潤滑油組成物の重量で0〜2%の範囲内の量で、個々に、または混合物の形態で使用可能である。
分散剤
機械運転の間、油不溶性の酸化副産物が生じる。分散剤は、これらの副産物を溶液中に保持することを促進し、したがって、金属表面上でのそれらの堆積が低減する。潤滑油の配合物中で使用される分散剤は、本質的に無灰型または灰分形成型であってよい。好ましくは、分散剤は無灰である。いわゆる無灰分散剤は、燃焼時に実質的に灰分を形成しない有機材料である。例えば、非金属含有またはホウ酸化された金属を含まない分散剤が無灰であると思われる。対照的に、上記の金属含有清浄剤は燃焼時に灰分を形成する。
適切な分散剤は、典型的に、比較的高分子量の炭化水素鎖に結合した極性基を含有する。極性基は、典型的に、窒素、酸素またはリンの少なくとも1種の元素を含有する。典型的な炭化水素鎖は、50〜400個の炭素原子を含有する。
分散剤の特に有用な種類は、典型的に長鎖ヒドロカルビル置換コハク酸化合物、通常、ヒドロカルビル置換無水コハク酸とポリヒドロキシまたはポリアミノ化合物との反応によって製造される(ポリ)アルキルコハク酸誘導体である。油中での溶解性を与える分子の親油性部分を構成する長鎖ヒドロカルビル基は、通常、ポリイソブチレン基である。この種類の分散剤の多くの例は、商業的におよび文献において周知である。そのような分散剤を記載する代表的な米国特許は、米国特許第3,172,892号明細書、同第3,2145,707号明細書、同第3,219,666号明細書、同第3,316,177号明細書、同第3,341,542号明細書、同第3,444,170号明細書、同第3,454,607号明細書、同第3,541,012号明細書、同第3,630,904号明細書、同第3,632,511号明細書、同第3,787,374号明細書および同第4,234,435号明細書である。他の種類の分散剤は、米国特許第3,036,003号明細書、同第3,200,107号明細書、同第3,254,025号明細書、同第3,275,554号明細書、同第3,438,757号明細書、同第3,454,555号明細書、同第3,565,804号明細書、同第3,413,347号明細書、同第3,697,574号明細書、同第3,725,277号明細書、同第3,725,480号明細書、同第3,726,882号明細書、同第4,454,059号明細書、同第3,329,658号明細書、同第3,449,250号明細書、同第3,519,565号明細書、同第3,666,730号明細書、同第3,687,849号明細書、同第3,702,300号明細書、同第4,100,082号明細書、同第5,705,458号明細書に記載される。分散剤のさらなる記載は、例えば、この目的のために参照される欧州特許出願公開第471 071号明細書に見出され得る。
ヒドロカルビル置換コハク酸およびヒドロカルビル置換無水コハク酸誘導体は、有用な分散剤である。特に、炭化水素置換期中に好ましくは少なくとも50個の炭素原子を有する炭化水素置換コハク酸化合物と、少なくとも1当量のアルキレンアミンとの反応によって調製されたスクシンイミド、コハク酸エステルまたはコハク酸エステルアミドは特に有用である。
スクシンイミドは、ヒドロカルビル置換無水コハク酸とアミンとの縮合反応によって形成される。モル比は、ポリアミド次第で変動可能である。例えば、ヒドロカルビル置換無水コハク酸対TEPAのモル比は、約1:1〜約5:1で変動可能である。代表的な例は、米国特許第3,087,936号明細書、同第3,172,892号明細書、同第3,219,666号明細書、同第3,272,746号明細書、同第3,322,670号明細書および同第3,652,616号明細書、同第3,948,800号明細書、ならびにカナダ国特許第1,094,044号明細書に示される。
コハク酸エステルは、ヒドロカルビル置換無水コハク酸とアルコールまたはポリオールとの縮合反応によって形成される。モル比は、使用されるアルコールまたはポリオール次第で変動可能である。例えば、ヒドロカルビル置換無水コハク酸およびペンタエリスリトールの縮合生成物は有用な分散剤である。
コハク酸エステルアミドは、ヒドロカルビル置換無水コハク酸とアルカノールアミンとの縮合反応によって形成される。例えば、適切なアルカノールアミンとしては、エトキシル化ポリアルキルポリアミン、プロポキシル化ポリアルキルポリアミンおよびポリエチレンポリアミンなどのポリアルケニルポリアミンが含まれる。一例は、プロポキシル化ヘキサメチレンジアミンである。代表例は、米国特許第4,426,305号明細書に示される。
前段で使用されるヒドロカルビル置換無水コハク酸の分子量は、典型的に800〜2,500以上の範囲である。上記生成物は、硫黄、酸素、ホルムアルデヒド、オレイン酸などのカルボン酸などの種々の試薬とその後反応させ得る。上記生成物は、一般に分散剤反応生成物1モルあたり約0.1〜約5モルのホウ素を有するホウ酸化分散剤を形成するために、ホウ酸、ホウ酸エステルまたは高度にホウ酸化された分散剤などのホウ素化合物と、その後反応させることも可能である。
マンニッヒ塩基分散剤は、アルキルフェノール、ホルムアルデヒドおよびアミンの反応から製造される。参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,767,551号明細書を参照されたい。オレイン酸およびスルホン酸などのプロセス助剤および触媒も反応混合物の一部であり得る。アルキルフェノールの分子量は、800〜2,500の範囲である。代表例は、米国特許第3,697,574号明細書、同第3,703,536号明細書、同第3,704,308号明細書、同第3,751,365号明細書、同第3,756,953号明細書、同第3,798,165号明細書および同第3,803,039号明細書に示される。
本開示において有用な典型的な高分子量脂肪酸変性マンニッヒ縮合生成物は、高分子量アルキル置換ヒドロキシ芳香族またはHNR基含有反応物から調製することができる。
ヒドロカルビル置換アミン無灰分散剤添加剤は当業者に周知であり、例えば、米国特許第3,275,554号明細書、同第3,438,757号明細書、同第3,565,804号明細書、同第3,755,433号明細書、同第3,822,209号明細書および同第5,084,197号明細書を参照されたい。
好ましい分散剤としては、モノスクシンイミド、ビススクシンイミドおよび/またはモノおよびビススクシンイミドの混合物からのそれらの誘導体を含む、ホウ酸化および非ホウ酸化スクシンイミドが含まれ、ヒドロカルビルスクシンイミドは、約500〜約5000、または約1000〜約3000、または約1000〜約2000のMnを有するポリイソブチレンなどのヒドロカルビレン基、またはそのようなヒドロカルビレン基の混合物から誘導され、これはしばしば高末端ビニル基を有する。他の好ましい分散剤としては、コハク酸エステルおよびアミド、アルキルフェノール−ポリアミン結合マンニッヒ付加物、それらのキャップ形成誘導体および他の関連化合物が含まれる。
ポリメタクリレートまたはポリアクリレート誘導体は、別の種類の分散剤である。これらの分散剤は、典型的に、窒素含有モノマーと、エステル基中に5〜25個の炭素原子を含有するメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルとを反応させて調製する。代表的な例は、米国特許第2,100,993号明細書および同第6,323,164号明細書に示される。ポリメタクリレートおよびポリアクリレート分散剤は、通常、多機能性粘度変性剤として使用される。より低分子量のものは、潤滑油分散剤または燃料清浄剤として使用されることができる。
本開示において有用な例示的な好ましい分散剤としては、ポリアルケニル置換モノ−またはジカルボン酸、無水物またはエステルから誘導されるものが含まれ、この分散剤は、少なくとも900の数平均分子量を有するポリアルケニル部分を有し、かつポリアルケニル部分(中間官能性分散剤)あたり1.3より高く1.7まで、好ましくは、1.3より高く1.6まで、最も好ましくは、1.3より高く1.5までの官能基(モノ−またはジカルボン酸製造部分)を有する。官能性(F)は、次式に従って決定することができる:
F=(SAP×M)/((112,200×A.I.)−(SAP×98))
式中、SAPは、けん化価(すなわち、ASTM D94に従って決定される、スクシン含有反応生成物の1グラム中の酸基の完全中和において消費されるKOHのミリグラム数)であり;Mは、出発オレフィンポリマーの数平均分子量であり;かつA.I.は、スクシン含有反応生成物のパーセント活性成分である(残りは、未反応オレフィンポリマー、無水コハク酸および希釈剤である)。
分散剤のポリアルケニル部分は、少なくとも900、適切には、少なくとも1500、好ましくは、1800〜3000、例えば、2000〜2800、より好ましくは、約2100〜2500、最も好ましくは、約2200〜約2400の数平均分子量を有し得る。分散剤の分子量は、一般に、ポリアルケニル部分の分子量に関して表される。これは、分散剤の正確な分子量の範囲が、分散剤を誘導するために使用されるポリマーの種類、官能基の数および利用される求核基の種類を含む多数のパラメーターに依存するためである。
ポリマー分子量、特にMは、種々の既知の技術によって決定可能である。1つの都合のよい方法は、分子量分布の情報もさらに提供するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)である(W.W.Yau,J.J.KirklandおよびD.D.Bly,“Modern Size Exclusion Liquid Chromatography”,John Wiley and Sons,New York,1979を参照のこと)。特により低分子量のポリマーのために、分子量を決定するための別の有用な方法は、蒸気圧浸透圧測定法(例えば、ASTM D3592)である。
分散剤中のポリアルケニル部分は、好ましくは、重量平均値分子量(M)対数平均値分子量(M)の比率によって決定される、多分散性とも呼ばれる狭い分子量分布(MWD)を有する。2.2未満、好ましくは、2.0未満のM/Mを有するポリマーが最も望ましい。適切なポリマーは、約1.5〜2.1、好ましくは、約1.6〜約1.8の多分散性を有する。
分散剤の形成において利用される適切なポリアルケンとしては、ホモポリマー、インターポリマーまたはより低分子量の炭化水素が含まれる。そのようなポリマーの1系統は、エチレンおよび/または少なくとも1種の次式:
C=CHR
[式中、Rは、1個〜26個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基であり、かつポリマーが炭素−炭素不飽和および高度の末端エテニリデン不飽和を含有する]
を有するC3〜C26アルファオレフィンのポリマーを含む。好ましくは、そのようなポリマーは、エチレン、およびRが1個〜18個の炭素原子を有するアルキル、より好ましくは、1個〜8個の炭素原子を有するアルキル、なおより好ましくは、1個〜2個の炭素原子を有するアルキルである上記式の少なくとも1種のアルファオレフィンのインターポリマーを含む。
別の有用な種類のポリマーは、イソブテンおよびスチレンなどのモノマーのカチオン重合によって調製されたポリマーである。この種類からの共通のポリマーとしては、35〜75重量%のブテン含有量および30〜60重量%のイソブテン含有量を有するC4精製所流の重合によって得られるポリイソブテンが含まれる。ポリ−n−ブテンを製造するためのモノマーの好ましい供給源は、ラフィネートIIなどの石油供給原料流である。これらの原料は、米国特許第4,952,739号明細書など、当該技術において開示されている。好ましい実施形態では、純粋なイソブチレン流またはラフィネートI流から調製されたポリイソブチレンを利用して、末端ビニリデンオレフィンを有する反応性イソブチレンポリマーを調製する。利用されてよいポリイソブテンポリマーは、一般に、1500〜3000のポリマー鎖をベースとする。
分散剤は、好ましくは、非ポリマー(例えば、モノ−またはビス−スクシンイミド)である。そのような分散剤は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2008/0020950号明細書に開示されるものなどの従来プロセスによって調製可能である。
分散剤は、米国特許第3,087,936号明細書、同第3,254,025号明細書および同第5,430,105号明細書に一般に開示されるような従来手段によってホウ酸化させることが可能である。
分散剤は、0〜10重量%または0.01〜8重量%、好ましくは、約0.1〜5重量%、またはより好ましくは、0.5〜3重量%の量で使用されてよい。あるいはそのような分散剤は、0〜8重量%、好ましくは、約0.01〜5重量%、またはより好ましくは、0.1〜3重量%の量で使用されてよい。活性成分基準で、そのような添加剤は、0〜10重量%、好ましくは、約0.3〜3重量%の量で使用されてよい。分散剤原子の炭化水素部分は、C60〜C1000、またはC70〜C300、またはC70〜C200の範囲であり得る。これらの分散剤は、中性および塩基性窒素の両方、ならびに両方の混合物を含有し得る。分散剤は、ボレートおよび/または環式カルボネートによってエンドキャップされることが可能である。仕上げ油中の窒素含有量は、重量で約0〜重量で約2000ppm、好ましくは、重量で約100ppm〜重量で約1200ppmで変動可能である。塩基性窒素は、重量で約0〜重量で約1000ppm、好ましくは、重量で約100ppm〜重量で約600ppmで変動可能である。
本明細書に記載される分散剤は、本開示の組成物に対して有利に有用である。さらに、一実施形態において、1種以上の分散剤を使用する本開示の組成物の調製は、本開示の成分と、任意のベースストックおよび潤滑油添加剤を、混合物中、そのような成分の融点、特に、1種以上のM−カルボキシレート(M=H、金属、2種以上の金属、それらの混合物)の融点よりも高い温度で組み合わせることによって達成される。
本明細書で使用される場合、分散剤濃度は、「送達されたまま」の基準で与えられる。典型的に、活性分散剤はプロセス油によって送達される。「送達されたまま」の分散剤は、典型的に、「送達されたまま」の分散剤製品中、約20重量パーセント〜約80重量パーセント、または約40重量パーセント〜約60重量パーセントの活性分散剤を含有する。
清浄剤
本開示において有用な例示的な清浄剤としては、例えば、アルカリ金属清浄剤、アルカリ土類金属清浄剤または1種以上のアルカリ金属清浄剤および1種以上のアルカリ土類金属清浄剤の混合物が含まれる。典型的な清浄剤は、分子の長鎖疎水性部分と、分子のより小さいアニオン性または疎油性の親水性部分とを含むアニオン性材料である。清浄剤のアニオン性部分は、典型的に、有機酸、例えば、硫黄含有酸、カルボン酸(例えば、サリチル酸)、リン含有酸、フェノールまたはそれらの混合物から誘導される。対イオンは典型的にアルカリ土類またはアルカリ金属である。本明細書に記載の通り、清浄剤は過塩基化されることが可能である。
清浄剤は、好ましくは、有機または無機酸の金属塩、フェノールの金属塩、あるいはその混合物である。金属は、好ましくは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属およびその混合物から選択される。有機または無機酸は、脂肪族有機または無機酸、脂環式有機または無機酸、芳香族有機または無機酸およびその混合物から選択される。
金属は、好ましくは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属およびその混合物から選択される。より好ましくは、金属は、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)およびその混合物から選択される。
有機酸または無機酸は、好ましくは、硫黄酸、カルボン酸、リン含有酸およびその混合物から選択される。
好ましくは、有機または無機酸の金属塩、あるいはフェノールの金属塩は、カルシウムフェナート、スルホン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、マグネシウムフェナート、スルホン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、過塩基化清浄剤およびその混合物を含む。
実質的に化学量論的量の金属を含有する塩は中性塩として記載され、かつ0〜80の全アルカリ価(TBN、ASTM D2896によって測定される)を有する。多くの組成物は過塩基性であり、過剰量の金属化合物(例えば、金属水酸化物または酸化物)と(二酸化炭素などの)酸性気体とを反応させることによって達成される金属塩基を大量に含有する。有用な清浄剤は、中性であるか、わずかに過塩基性であるか、または高度に過塩基性であり得る。これらの清浄剤は、中性、過塩基性、高度に過塩基性のカルシウムサリチレート、スルホネートおよびフェネートおよび/またはマグネシウムサリチレート、スルホネート、フェネートの混合物において使用可能である。TBNの範囲は、低、中程度および高TBN製品まで変動可能であり、0程度の低TBNから600程度の高TBNまで含まれる。好ましくは、清浄剤によってもたらされるTBNは、1〜20である。より好ましくは、1〜12である。スルホネート、フェネート、サリチレートおよびカルボキシレートを含むカルシウムおよびマグネシウム金属ベース清浄剤の混合物と一緒に、低、中程度、高TBNの混合物を使用することができる。金属比1の清浄剤混合物を、金属比2の清浄剤および金属比5の清浄剤との組合せで使用することができる。ホウ酸化清浄剤も使用することができる。
別の有用な種類の清浄剤は、アルカリ土類フェネートである。これらの清浄剤は、アルカリ土類金属水酸化物または酸化物(例えば、CaO、Ca(OH)、BaO、Ba(OH)、MgO、Mg(OH))をアルキルフェノールまたは硫化アルキルフェノールと反応させることによって製造可能である。有用なアルキル基としては、直鎖または分枝鎖C1〜C30アルキル基、好ましくは、C4〜C20またはそれらの混合物が含まれる。適切なフェノールの例としては、イソブチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノールなどが含まれる。なお、出発アルキルフェノールが、それぞれ独立して直鎖または分岐鎖である2個以上のアルキル置換基を含有してもよく、かつこれを0.5〜6重量%使用し得ることに留意するべきである。非硫化アルキルフェノールが使用される場合、硫化生成物は、当該技術分野において周知の方法によって得られてもよい。これらの方法には、アルキルフェノールおよび硫化剤(硫黄元素、二塩化硫黄などのハロゲン化硫黄などを含む)の混合物を加熱し、次いで、硫化フェノールをアルカリ土類金属塩基と反応させることが含まれる。
本開示によると、カルボン酸の金属塩が清浄剤として好ましい。これらのカルボン酸清浄剤は、塩基性金属化合物と少なくとも1種のカルボン酸を反応させ、および反応生成物から水分を除去することによって調製され得る。これらの化合物は、望ましいTBNレベルを生じるように過塩基性であってもよい。サリチル酸から製造された清浄剤は、カルボン酸から誘導される清浄剤の好ましい1種である。有用なサリチレートとしては、長鎖アルキルサリチレートが含まれる。組成物の有用な系統群の1種は、次式:
Figure 2020503412
[式中、Rは、1個〜約30個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは1〜4の整数であり、かつMはアルカリ土類金属である]
である。好ましいR基は、少なくともC11、好ましくはC13以上のアルキル鎖である。Rは、清浄剤の機能を妨害しない置換基によって任意選択的に置換されていてもよい。Mは、好ましくは、カルシウム、マグネシウム、バリウムまたはそれらの混合物である。より好ましくは、Mはカルシウムである。
ヒドロカルビル置換サリチル酸は、コルベ反応によってフェノールから調製され得る(米国特許第3,595,791号明細書を参照されたい)。ヒドロカルビル置換サリチル酸の金属塩は、水またはアルコールなどの極性溶媒中での金属塩の複分解によって調製され得る。
アルカリ土類金属ホスフェートが清浄剤として使用されてもよく、これは当該技術分野において既知である。
清浄剤は、単一清浄剤、またはハイブリッドもしくは複合清浄剤として既知であるものであってよい。後者の清浄剤は、別々の材料をブレンドすることを必要とせずに、2種の清浄剤の特性を提供することができる。米国特許第6,034,039号明細書を参照されたい。
好ましい清浄剤としては、スルホン酸カルシウム、スルホン酸マグネシウム、スルホン酸カルシウム、カルシウムフェネート、マグネシウムフェネートおよび他の関連成分(ホウ酸化清浄剤を含む)ならびにそれらの混合物が含まれる。好ましい清浄剤の混合物としては、スルホン酸マグネシウムおよびサリチル酸カルシウム、スルホン酸マグネシウムおよびスルホン酸カルシウム、スルホン酸マグネシウムおよびカルシウムフェナート、カルシウムフェナートおよびサリチル酸カルシウム、カルシウムフェナートおよびスルホン酸カルシウム、カルシウムフェナートおよびサリチル酸マグネシウム、カルシウムフェナートおよびマグネシウムフェナートが含まれる。過塩基化清浄剤も好ましい。
それらの存在は、本開示の利点を得るために要求されないが、本開示の潤滑油中の清浄剤濃度は、潤滑油の全重量に基づき、0〜約6.0重量パーセント、好ましくは、0〜5.0重量パーセント、より好ましくは、約0.01重量パーセント〜約3.0重量パーセントの範囲であることが可能である。
本明細書で使用される場合、清浄剤濃度は、「送達されたまま」の基準で与えられる。典型的に、活性清浄剤はプロセス油によって送達される。「送達されたまま」の清浄剤は、典型的に、「送達されたまま」の清浄製品中、約20重量パーセント〜約100重量パーセント、または約40重量〜約60重量パーセントの活性清浄を含有する。
粘度変性剤
本開示の潤滑剤組成物中に、粘度変性剤(粘度指数向上剤(VI向上剤)および粘度向上剤としても知られている)を含むことが可能である。
粘度変性剤は、高温および低温運転性能を潤滑剤に提供する。これらの添加剤は、高温における剪断安定性および低温における容認できる粘度を与える。
適切な粘度変性剤としては、高分子量炭化水素、ポリエステル、ならびに粘度変性剤および分散剤の両方として機能する粘度変性剤分散剤が含まれる。これらのポリマーの典型的な分子量は、約10,000〜1,500,000、より典型的に約20,000〜約1,200,000、さらにより典型的に約50,000〜1,000,000である。
適切な粘度変性剤の例は、メタクリレート、ブタジエン、オレフィンまたはアルキル化スチレンの直鎖または星型ポリマーおよびコポリマーである。ポリイソブチレンは一般に使用される粘度変性剤である。別の適切な粘度変性剤は、ポリメタクリレート(例えば、種々の鎖長のアルキルメタクリレートのコポリマー)であり、それらの配合物のいくつかは流動点降下剤としても機能する。他の適切な粘度変性剤としては、エチレンおよびプロピレンのコポリマー、スチレンおよびイソプレンの水素化ブロックコポリマー、ならびにポリアクリレート(例えば、種々の鎖長のアクリレートのコポリマー)が含まれる。具体例としては、50,000〜200,000の分子量のスチレン−イソプレンまたはスチレン−ブタジエンベースのポリマーが含まれる。
オレフィンコポリマーは、Chevron Oronite Company LLCから商標名「PARATONE(登録商標)」(例えば、「PARATONE(登録商標)8921」および「PARATONE(登録商標)8941」)、Afton Chemical Corporationから商標名「HiTEC(登録商標)」(例えば、「HiTEC(登録商標)5850B」)、The Lubrizol Corporationから商標名「Lubrizol(登録商標)7067C」で商業的に入手可能である。水素化ポリイソプレン星型ポリマーは、Infineum International Limitedから、例えば、商標名「SV200」および「SV600」で商業的に入手可能である。水素化ジエン−スチレンブロックコポリマーは、Infineum International Limitedから、例えば、商標名「SV50」で商業的に入手可能である。
ポリメタクリレートまたはポリアクリレートポリマーは、Evnoik Industriesから「Viscoplex(登録商標)」の商標名(例えば、「Viscoplex 6−954」)で入手可能である線形ポリマー、またはLubrizo Corporationから「Asteric(商標)」の商標名(例えば、Lubrizol 87708およびLubrizol 87725)で入手可能である星型ポリマーであることが可能である。
本開示において有用な例示的なビニル芳香族含有ポリマーは、主にビニル芳香族炭化水素モノマーから誘導され得る。本開示において有用な例示的なビニル芳香族含有コポリマーは次の一般式:
A−B
[式中、Aは、主に、ビニル芳香族炭化水素モノマーから誘導されるポリマーブロックであり、かつBは、主に、共役ジエンモノマーから誘導されるポリマーブロックである]
によって表され得る。
それらの存在は、本開示の利点を得るために要求されないが、粘度変性剤は、潤滑油組成物の全重量に基づき、約10重量パーセント未満、好ましくは、約7重量パーセント未満、より好ましくは、約4重量パーセント未満の量で使用され得、そして特定の例においては、2重量パーセント未満、好ましくは、約1重量パーセント未満、より好ましくは、約0.5重量パーセント未満の量で使用され得る。粘度変性剤は、典型的に、多量の希釈剤油中の濃縮液として添加される。
本明細書で使用される場合、粘度変性剤濃度は、「送達されたまま」の基準で与えられる。典型的に、活性ポリマーはプロセス油によって送達される。「送達されたまま」の粘度変性剤は、典型的に、「送達されたまま」のポリマー濃縮液中、20重量パーセント〜75重量パーセントのポリメタクリレートまたはポリアクリレートポリマーのための活性ポリマー、あるいは8重量〜20重量パーセントのオレフィンコポリマー、水素化ポリイソプレン星型ポリマーまたは水素化ジエン−スチレンブロックコポリマーのための活性ポリマーを含有する。
酸化防止剤
酸化防止剤は、使用間のベース油の酸化分解を遅らせる。そのような分解は、金属表面上の沈着物、スラッジの存在または潤滑油中の粘度増加をもたらし得る。当業者は、潤滑油組成物において有用な多種多様な酸化防止剤を知っている。例えば、Klamann in Lubricants and Related Products,前掲書および米国特許第4,798,684号明細書および同第5,084,197号明細書を参照のこと。
酸化防止剤の2つの一般的な種類は、不活性化合物を形成するために開始剤、ペルオキシラジカルおよびヒドロペルオキシドと反応するものと、活性の低い化合物を形成するためにこれらの材料を分解させるものである。例は、ヒンダード(アルキル化)フェノール、例えば、6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェノール[2,6−ジ(tert−ブチル)−p−クレゾール、DBPC]および芳香族アミン、例えば、N−フェニル−アルファ−ナフタルアミンである。これらは、延長された使用が意図されるタービン、循環および作動油中に使用される。
有用な酸化防止剤としては、ヒンダードフェノールが含まれる。これらのフェノール系酸化防止剤は、無灰分(金属を含まない)フェノール系化合物または特定のフェノール化合物の中性もしくは塩基性金属塩であり得る。典型的なフェノール系酸化防止剤化合物は、立体障害ヒドロキシル基を含有するヒンダードフェノールであり、かつこれらには、ヒドロキシル基が互いにoまたはp位にあるジヒドロキシアリール化合物のそれらの誘導体が含まれる。典型的なフェノール系酸化防止剤としては、C6+アルキル基で置換されたヒンダードフェノール、およびこれらのヒンダードフェノールのアルキレン結合誘導体が含まれる。この種類のフェノール系材料の例は、2−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール;2−t−ブチル−4−オクチルフェノール;2−t−ブチル−4−ドデシルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−ドデシルフェノール;2−メチル−6−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール;および2−メチル−6−t−ブチル−4−ドデシルフェノールである。他の有用なヒンダードモノフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ヒンダード2,6−ジアルキル−フェノール系プロピオン酸エステル誘導体が含まれ得る。ビス−フェノール系酸化防止剤も、本開示と組み合わせて有利に使用され得る。オルト結合フェノールの例としては、2,2’−ビス(4−ヘプチル−6−t−ブチル−フェノール);2,2’−ビス(4−オクチル−6−t−ブチル−フェノール);および2,2’−ビス(4−ドデシル−6−t−ブチル−フェノール)が含まれる。パラ結合ビスフェノールとしては、例えば、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)および4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)が含まれる。
フェノールベースの酸化防止剤のさらなる例としては、2−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、3−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン(「Antage DBH」の商標名でKawaguchi Kagaku Co.によって製造される)、2,6−ジ−t−ブチルフェノールおよび2,6−ジ−t−ブチル−4−アルキルフェノール、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールおよび2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−アルコキシフェノール、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノールおよび2,6−ジ−t−ブチル−4−エトキシフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトオクチル−lアセテート、アルキル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、例えば、n−オクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(「Yonox SS」の商標名でYoshitomi Seiyaku Co.によって製造される)、n−ドデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートおよび2’−エチルヘキシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート;2,6−ジ−t−ブチル−アルファ−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−アルキル−6−t−ブチルフェノール)化合物、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(「Antage W−400」の商標名でKawaguchi Kagaku Co.によって製造される)および2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(「Antage W−500」の商標名でKawaguchi Kagaku Co.によって製造される);ビスフェノール、例えば、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチル−フェノール)(「Antage W−300」の商標名でKawaguchi Kagaku Co.によって製造される)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)(「Ionox 220AH」の商標名でLaporte Performance Chemicalsによって製造される)が含まれる。
フェノールベースの酸化防止剤の他の例としては、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−(ジ−p−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、ヘキサメチレングリコールビス[3,(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](「Irganox L109」の商標名でCiba Speciality Chemicals Co.によって製造される)、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−y−5−メチルフェニル)プロピオネート](「Tominox 917」の商標名でYoshitomi Seiyaku Co.によって製造される)、2,2’−チオ[ジエチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](「Irganox L115」の商標名でCiba Speciality Chemicals Co.によって製造される)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ]エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(「Sumilizer GA80」の商標名でSumitomo Kagaku Co.によって製造される)および4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(「Antage RC」の商標名でKawaguchi Kagaku Co.によって製造される)、2,2’−チオビス(4,6−ジ−t−ブチルレゾルシノール);ポリフェノール、例えば、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナト]メタン(「Irganox L101」の商標名でCiba Speciality Chemicals Co.によって製造される)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(「Yoshinox 930」の商標名でYoshitomi Seiyaku Co.によって製造される)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(「Irganox 330」の商標名でCiba Speciality Chemicalsによって製造される)、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)酪酸]グリコールエステル、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−メチル−4−(2’’,4’’−ジ−t−ブチル−3’’−ヒドロキシフェニル)メチル−6−t−ブチルフェノールおよび2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール;およびフェノール/アルデヒド縮合物、例えば、p−t−ブチルフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物およびp−t−ブチルフェノールとアセトアルデヒドとの縮合物が含まれる。
フェノール系酸化防止剤としては、硫化および非硫化フェノール系酸化防止剤が含まれる。「フェノール型」または「フェノール系酸化防止剤」という用語は、本明細書で使用される場合、それ自体が単核、例えば、ベンジル、または多核、例えば、ナフチルおよびスピロ芳香族化合物であり得る芳香族環に結合した1個または2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を含む。したがって、「フェノール型」には、フェノール自体、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ナフトールなど、ならびにそのアルキルまたはアルケニルおよび硫化アルキルまたはアルケニル誘導体、ならびにアルキレン架橋、硫黄架橋または酸素架橋によって結合したそのようなビフェノール化合物を含むビスフェノール型化合物が含まれる。アルキルフェノールとしては、アルキルまたはアルケニル基が3〜100個の炭素、好ましくは、4〜50個の炭素を含有するモノ−およびポリ−アルキルまたはアルケニルフェノール、ならびにその硫化誘導体が含まれる。芳香族環中に存在するアルキルまたはアルケニル基の数は、芳香族環に結合したヒドロキシル基の数を数えた後に残る1から芳香族環の利用可能な不満足原子価までの範囲である。
したがって、一般に、フェノール系酸化防止剤は、次の一般式:
(R)x−Ar−(OH)y
[式中、Arは、
Figure 2020503412
からなる群から選択され、Rは、C3〜C100アルキルもしくはアルケニル基、硫黄置換アルキルもしくはアルケニル基、好ましくは、C4〜C50アルキルもしくはアルケニル基または硫黄置換アルキルもしくはアルケニル基、より好ましくは、C3〜C100アルキルもしくは硫黄置換アルキル基、最も好ましくは、C4〜C50アルキル基であり、Rは、C1〜C100アルキレンもしくは硫黄置換アルキレン基、好ましくは、C2〜C50アルキレンもしくは硫黄置換アルキレン基、より好ましくは、C2〜C20アルキレンもしくは硫黄置換アルキレン基であり、yは、少なくとも1からArの利用可能な原子価までであり、xは、0からAr−yの利用可能な原子価までの範囲であり、zは、1〜10の範囲であり、nは、0〜20の範囲であり、かつmは、0〜4であり、かつpは、0または1であり、好ましくは、yは、1〜3の範囲であり、xは、0〜3の範囲であり、zは、1〜4の範囲であり、かつnは、0〜5の範囲であり、かつpは0である]
によって表され得る。
好ましいフェノール系酸化防止剤化合物は、立体障害ヒドロキシル基を含有するヒンダードフェノールおよびフェノール系エステルであり、かつこれらには、ヒドロキシル基が互いにoまたはp位にあるジヒドロキシアリール化合物のそれらの誘導体が含まれる。典型的なフェノール系酸化防止剤としては、C1+アルキル基で置換されたヒンダードフェノール、およびこれらのヒンダードフェノールのアルキレン結合誘導体が含まれる。この種類のフェノール系材料の例は、2−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール;2−t−ブチル−4−オクチルフェノール;2−t−ブチル−4−ドデシルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−ドデシルフェノール;2−メチル−6−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール;2−メチル−6−t−ブチル−4−ドデシルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4メチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール;および2,6−ジ−t−ブチル4アルコキシフェノール;ならびに
Figure 2020503412
である。
フェノール型酸化防止剤は、潤滑産業界で周知であり、かつEthanox(登録商標)4710、Irganox(登録商標)1076、Irganox(登録商標)L1035、Irganox(登録商標)1010、Irganox(登録商標)L109、Irganox(登録商標)L118、Irganox(登録商標)L135などの市販品の例は当業者によく知られている。上記は、使用可能なフェノール系酸化防止剤の種類の例としてのみ提示されており、制限するものではない。
有効量の1種以上の触媒的酸化防止剤も使用されてよい。触媒的酸化防止剤は、有効量のa)1種以上の油溶性多金属有機化合物と、有効量のb)1種以上の置換N、N’−ジアリール−o−フェニレンジアミン化合物またはc)1種以上のヒンダードフェノール化合物;あるいはb)およびc)の両方の組合せを含む。触媒的酸化防止剤は、全体として参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第8,048,833号明細書により完全に記載される。
使用されてよい非フェノール系酸化防止剤としては芳香族アミン酸化防止剤が含まれ、これらは、そのまま、またはフェノールと組み合わせて使用されてよい。非フェノール系酸化防止剤の典型的な例としては、式:
10
[式中、Rは脂肪族、芳香族または置換芳香族基であり、Rは芳香族または置換芳香族基であり、かつR10は、H、アルキル、アリールまたはR11S(O)12であり、R11は、アルキレン、アルケニレンまたはアルキレン基であり、R12は、高級アルキル基、またはアルケニル、アリールもしくはアルカリール基であり、かつxは0、1または2である]
の芳香族モノアミンなどのアルキル化および非アルキル化芳香族アミンが含まれる。脂肪族基Rは、1〜約20個の炭素原子を含有してもよく、好ましくは約6〜12個の炭素原子を含有する。脂肪族基は、飽和脂肪族基である。好ましくは、RおよびRは両方とも芳香族または芳香族基であり、かつ芳香族基は、ナフチルなどの縮合環芳香族基であってもよい。芳香族基RおよびRは、Sなどの他の基と一緒に結合していてもよい。
芳香族アミン酸化防止剤は、次の分子構造:
Figure 2020503412
[式中、Rは水素またはC1〜C14直鎖もしくはC3〜C14分枝鎖アルキル基、好ましくは、C1〜C10直鎖もしくはC3〜C10分枝鎖アルキル基、より好ましくは、直鎖もしくは分枝鎖C6〜C8アルキル基であり、かつnは、1〜5の範囲の整数、好ましくは1である]
によって記載される、フェニルαナフチルアミンを含む。特定の例はIrganox L06である。
典型的な芳香族アミン酸化防止剤は、少なくとも約6個の炭素原子のアルキル置換基を有する。脂肪族基の例としては、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシルが含まれる。一般に、脂肪族基は、約14個より多い炭素原子を含まないであろう。本組成物中で有用であるアミン酸化防止剤の一般的な種類は、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジン、イミドジベンジルおよびジフェニルフェニレンジアミンが含まれる。芳香族アミンの2種以上の混合物も有用である。ポリマーアミン酸化防止剤も使用可能である。本開示において有用な芳香族アミン酸化防止剤の特定の例としては、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン;t−オクチルフェニル−アルファ−ナフチルアミン;フェニル−アルファナフチルアミン;およびp−オクチルフェニル−アルファ−ナフチルアミンが含まれる。
アミンベースの酸化防止剤のさらなる例としては、(商標名「Nonflex OD−3」でSeiko Kagaku Co.によって製造される)p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、p,p’−ジ−アルファ−メチルベンジル−ジフェニルアミンおよびN−p−ブチルフェニル−N−p’−オクチルフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン;モノ−t−ブチルジフェニルアミンおよびモノオクチルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン;ジ(2,4−ジエチルフェニル)アミンおよびジ(2−エチル−4−ノニルフェニル)アミンなどのビス(ジアルキルフェニル)アミン;オクチルフェニル−1−ナフチルアミンおよびN−t−ドデシルフェニル−1−ナフチルアミンなどのアルキルフェニル−1−ナフチルアミン;1−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン、N−ヘキシルフェニル−2−ナフチルアミンおよびN−オクチルフェニル−2−ナフチルアミンなどのアリールナフチルアミン、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミンおよびN,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンなどのフェニレンジアミン、ならびに(Hodogaya Kagaku Co.によって製造される:Phenothiazine)フェノチアジンおよび3,7−ジオクチルフェノチアジンなどのフェノチアジンが含まれる。
硫黄含有酸化防止剤は、硫黄を含有するいずれかおよび全ての酸化防止剤であってよく、例えば、チオジプロピオン酸ジアルキル、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリルおよびチオジプロピオン酸ジステアリル、ジアルキルジチオカルバミン酸誘導体(金属塩を除く)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、メルカプトベンゾチアゾール、無水リン酸とオレフィンとの反応生成物およびジセチルスルフィドが含まれる。これらの中でも、チオジプロピオン酸ジラウリルおよびチオジプロピオン酸ジステアリルなどのチオジプロピオン酸ジアルキルが好ましい。
硫黄ベースの酸化防止剤の例としては、ジドデシルスルフィドおよびジオクタデシルスルフィドなどのジアルキルスルフィド;ジドデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネートおよびドデシルオクタデシルチオジプロピオネートなどのチオジプロピオン酸エステル、ならびに2−メルカプトベンズイミダゾールが含まれる。硫化アルキルフェノールおよびそのアルカリまたはアルカリ土類金属塩も有用な酸化防止剤である。
潤滑剤組成物において有用である他の酸化抑制剤は、塩素化脂肪族炭化水素、例えば、塩素化ワックス;有機スルフィドおよびポリスルフィド、例えば、ベンジルジスルフィド、ビス(クロロベンジル)ジスルフィド、ジブチルテトラスルフィド、オレイン酸の硫化メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテンおよび硫化テルペン;ホスホ硫化炭化水素、例えば、リンスルフィドとテレビン油またはオレイン酸メチルとの反応生成物、主に二炭化水素および三炭化水素亜リン酸エステルを含むリンエステル、例えば、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジヘプチル、亜リン酸ジシクロヘキシル、亜リン酸ペンチルフェニル、亜リン酸ジペンチルフェニル、亜リン酸トリデシル、亜リン酸ジステアリル、亜リン酸ジメチルナフチル、亜リン酸オレイル4−ペンチルフェニル、ポリプロピレン(分子量500)置換亜リン酸フェニル、ジイソブチル置換亜リン酸フェニル;チオカルバミン酸金属、例えば、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛およびヘプチルフェニルジチオカルバミン酸バリウム;ジチオリン酸第II族金属、例えば、ジシクロヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジオクチルジチオリン酸亜鉛、ジ(ヘプチルフェニル)ジチオリン酸バリウム、ジノニルジチオリン酸カドミウム、および五硫化リンとイソプロピルアルコール、4−メチル−2−ペンタノールおよびn−ヘキシルアルコールの等モル混合物との反応物である。
本明細書に開示される潤滑油組成物において使用され得る酸化防止剤の別の種類は、油溶性の銅化合物である。いずれの油溶性の適切な銅化合物も潤滑油にブレンドされてよい。適切な銅酸化防止剤の例としては、ジヒドロカルビルチオ−またはジチオリン酸銅あるいは(自然由来または合成)カルボン酸の銅塩が含まれる。他の適切な銅の塩としては、銅ジチオカルバメート、スルホネート、フェナートおよびアセチルアセトネートが含まれる。アルケニルコハク酸または無水物から誘導される塩基性、中性または酸性の銅Cu(I)およびまたはCu(II)塩も特に有用であることが知られている。
好ましい酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、アリールアミンが含まれる。これらの酸化防止剤は、種類ごとに個別に、または互いに組み合わせて使用されてよい。それらの存在は、本開示の利点を得るために要求されないが、酸化防止剤添加剤は、約0.01〜5重量パーセント、好ましくは、約0.1〜3重量パーセント、より好ましくは、0.1〜2重量パーセント、より好ましくは、0.1〜1.5重量パーセントの量で使用され得る。
流動点降下剤(PPD)
必要に応じて、従来の流動点降下剤(潤滑油流動性向上剤としても知られている)を本開示の組成物に添加してもよい。これらの流動点降下剤は、流体が流動し得るか、または流れ出ることが可能であろう最低温度を低下させるために、本開示の潤滑組成物に添加されてよい。適切な流動点降下剤の例としては、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアリールアミド、ハロパラフィンワックスおよび芳香族化合物の縮合生成物、ビニルカルボキシレートポリマー、ならびにジアルキルフマレート、脂肪酸のビニルエステルおよびアリルビニルエーテルのターポリマーが含まれる。米国特許第1,815,022号明細書、同第2,015,748号明細書、同第2,191,498号明細書、同第2,387,501号明細書、同第2,655,479号明細書、同第2,666,746号明細書、同第2,721,877号明細書、同第2,721,878号明細書および同第3,250,715号明細書には、有用な流動点降下剤および/またはそれらの調製が記載されている。それらの存在は、本開示の利点を得るために要求されないが、PPDは、0〜5重量%、好ましくは約0.01〜1.5重量%の量で使用されてよい。
シール適合性剤
シール適合性剤は、流体中で化学反応を、またはエラストマー中で物理変化をもたらすことによって、エラストマー性シールを膨張させることを促進する。潤滑油に適切なシール適合性剤には、有機ホスフェート、芳香族エステル、芳香族炭化水素、エステル(例えば、ブチルベンジルフタレート)、ポリブテニル無水コハク酸およびLubrizol 730型シール膨潤添加剤などのスルホラン型シール膨潤添加剤が含まれる。それらの存在は、本開示の利点を得るために要求されないが、シール適合性添加剤は、0〜3重量%、好ましくは約0.01〜2重量%の量で使用されてよい。
消泡剤
消泡剤は、潤滑油組成物に都合よく添加されてもよい。これらの薬剤は、安定した気泡の形成を遅らせる。気泡抑制剤には、アルキルが一般にメチル、エチルプロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルであると理解されるアルキルメタクリレートのポリマー、特に有用なポリアクリル酸アルキルポリマー、および100cSt〜100,000cStの粘度範囲のジメチルシロキサンポリマーと呼ばれる材料を形成するジメチルシリコーンのポリマーが含まれる。他の添加剤は、種々の炭素含有部分と後で反応するシリコーンポリマーなどの脱泡剤であって、最も広く使用される脱泡剤である。かなり、より高い濃度が必要とされるが、有機ポリマーも脱泡剤として使用されることがある。
消泡剤は商業的に入手可能であり、および解乳化剤などの他の添加剤と一緒に従来通り少量で使用されてもよい。それらの存在は、本開示の利点を得るために要求されないが、通常、これらの組み合わされた添加剤の量は1重量%未満であり、しばしば0.1重量%未満である。
解乳化剤
解乳化剤は、潤滑油組成物に都合よく添加されてもよい。解乳化剤は、乳濁液(例えば、油中水)を分離するために使用される。例示的な解乳化成分は、欧州特許出願公開第A−330,522号明細書に記載される。それは、ビスエポキシドと多価アルコールとの反応によって得られる付加物とアルキレンオキシドを反応させることによって得られる。解乳化剤は、商業的に入手可能であり、かつ消泡剤などの他の添加剤と一緒に従来通り少量で使用され得る。それらの存在は、本開示の利点を得るために要求されないが、通常、組み合わせたこれらの添加剤の量は、1重量パーセント未満であり、しばしば、0.1重量パーセント未満である。
解乳化剤としては、アルコキシル化フェノールおよびフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ならびに金属ジノニルナフタレンスルホネートなどの合成アルキルアリールスルホネートが含まれる。解乳化剤は、主要量の約450〜5000以上の範囲のいずれかの値のあらかじめ選択された分子量を有する水溶性ポリオキシアルキレングリコールである。本開示の組成物中で有用である水溶性ポリオキシアルキレングリコールの特に好ましい系統群は、ランダムなアルコキシル化生成物を形成するアルキレンオキシドの混合物によるn−ブタノールのアルコキシル化から製造されるものでもあり得る。
本開示において有用であるポリオキシアルキレングリコールは、触媒として水酸化カリウムなどの強塩基を利用しながら、付加重合でブロックコポリマーを形成するように、アルコールまたはグリコールエーテルおよび1種以上のアルキレンオキシドモノマー、例えば、エチレンオキシド、ブチレンオキシドまたはプロピレンオキシドに受けさせることによってヒドロキシ末端基を有するポリアルキレンオキシドを調製するための周知のプロセスによって製造され得る。そのようなプロセスにおいて、重合は、一般に、モノマーに対して0.3〜1.0モル%の水酸化カリウムの触媒濃度で、かつ100℃〜160℃程度の高温で実行される。触媒である水酸化カリウムは、大部分は、そのようにして得られたポリマー溶液中のアルコキシドの形態の生成したポリアルキレンオキシドの鎖末端に結合しているということは周知の事実である。
本開示の組成物において有用な可溶性ポリオキシアルキレングリコールの特に好ましい系統群は、ランダムなアルコキシル化生成物を形成するアルキレンオキシドの混合物によるn−ブタノールのアルコキシル化から製造されるものでもあり得る。
抑制剤および抗さび添加剤
抗さび添加剤(または腐食抑制剤)は、水、空気または他の汚染物質による化学的攻撃に対して、潤滑された金属表面を保護する添加剤である。多種多様なこれらは商業的に入手可能である。
抗さび添加剤の1種は、金属表面を優先的に湿潤し、油の膜によってそれを保護する極性化合物である。別の種類の抗さび添加剤は、油のみが金属表面に接触するように、油中水エマルジョンにそれを組み込むことによって、水を吸収する。さらに別の種類の抗さび添加剤は、非反応性表面を生じるように化学的に結合する。適切な添加剤の例には、ジチオリン酸亜鉛、金属フェノレート、塩基性金属スルホネート、脂肪酸およびアミンが含まれる。それらの存在は、本開示の利点を得るために要求されないが、抑制剤および抗さび添加剤は、0〜約5重量パーセント、好ましくは0.01〜約1.5重量パーセントの量で使用されてよい。
抗さび添加剤としては、(短鎖)アルケニルコハク酸、その部分的エステルおよびその窒素含有誘導体;ならびに金属ジノニルナフタレンスルホネートなどの合成アルカリルスルホネートが含まれる。抗さび剤としては、例えば、8〜30個の炭素原子を有するモノカルボン酸、アルキルまたはアルケニルスクシネートまたはその部分的エステル、12〜30個の炭素原子を有するヒドロキシ脂肪酸およびその誘導体、8〜24個の炭素原子を有するサルコシンおよびその誘導体、アミノ酸およびその誘導体、ナフテン酸およびその誘導体、ラノリン脂肪酸、メルカプト脂肪酸およびパラフィンオキシドが含まれる。
モノカルボン酸(C8〜C30)の例としては、例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、オレイン酸、ドコサン酸、エルカ酸、エイコセン酸、牛脂脂肪酸、ダイズ脂肪酸、ココナッツ油脂肪酸、リノール酸(linolic acid)、リノール酸(linoleic acid)、トール油脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ラウリルサルコシン酸、ミリスチルサルコシン酸、パルミチルサルコシン酸、ステアリルサルコシン酸、オレイルサルコシン酸、アルキル化(C8〜C20)フェノキシ酢酸、ラノリン脂肪酸およびC8〜C24メルカプト脂肪酸が含まれる。
多塩基価カルボン酸の例としては、例えば、CAS番号27859−58−1に指定されるアルケニル(C10〜C100)コハク酸ならびにそのエステル誘導体、二量体酸、N−アシル−N−アルキルオキシアルキルアスパラギン酸エステルが含まれる(米国特許第5,275,749号明細書)。
抗さび添加剤として、またはアミドを生じる上記カルボキシレートとの反応生成物としてなど機能するアルキルアミンの例は、第一級アミン、例えば、ラウリルアミン、ココナッツ−アミン、n−トリデシルアミン、ミリスチルアミン、n−ペンタデシルアミン、パルミチルアミン、n−ヘプタデシルアミン、ステアリルアミン、n−ノナデシルアミン、n−エイコシルアミン、n−ヘンエイコシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリコシルアミン、n−ペンタコシルアミン、オレイルアミン、牛脂−アミン、水素化牛脂−アミンおよびダイズ−アミンによって表される。第二級アミンの例としては、ジラウリルアミン、ジ−ココナッツ−アミン、ジ−n−トリデシルアミン、ジミリスチルアミン、ジ−n−ペンタデシルアミン、ジパルミチルアミン、ジ−n−ペンタデシルアミン、ジステアリルアミン、ジ−n−ノナデシルアミン、ジ−n−エイコシルアミン、ジ−n−ヘンエイコシルアミン、ジ−n−ドコシルアミン、ジ−n−トリコシルアミン、ジ−n−ペンタコシル−アミン、ジオレイルアミン、ジ−牛脂−アミン、ジ−水素化牛脂−アミンおよびジ−ダイズ−アミンが含まれる。
上記N−アルキルポリアルキレンジアミンの例としては、エチレンジアミン、例えば、ラウリルエチレンジアミン、ココナッツエチレンジアミン、n−トリデシルエチレンジアミン、ミリスチルエチレンジアミン、n−ペンタデシルエチレンジアミン、パルミチルエチレンジアミン、n−ヘプタデシルエチレンジアミン、ステアリルエチレンジアミン、n−ノナデシルエチレンジアミン、n−エイコシルエチレンジアミン、n−ヘンエイコシルエチレンジアミン、n−ドコシルエチレンジアミン、n−トリコシルエチレンジアミン、n−ペンタコシルエチレンジアミン、オレイルエチレンジアミン、牛脂−エチレンジアミン、水素化牛脂−エチレンジアミンおよびダイズ−エチレンジアミン;プロピレンジアミン、例えば、ラウリルプロピレンジアミン、ココナッツプロピレンジアミン、n−トリデシルプロピレンジアミン、ミリスチルプロピレンジアミン、n−ペンタデシルプロピレンジアミン、パルミチルプロピレンジアミン、n−ヘプタデシルプロピレンジアミン、ステアリルプロピレンジアミン、n−ノナデシルプロピレンジアミン、n−エイコシルプロピレンジアミン、n−ヘンエイコシルプロピレンジアミン、n−ドコシルプロピレンジアミン、n−トリコシルプロピレンジアミン、n−ペンタコシルプロピレンジアミン、ジエチレントリアミン(DETA)またはトリエチレンテトラミン(TETA)、オレイルプロピレンジアミン、牛脂−プロピレンジアミン、水素化牛脂−プロピレンジアミンおよびダイズ−プロピレンジアミン;ブチレンジアミン、例えば、ラウリルブチレンジアミン、ココナッツブチレンジアミン、n−トリデシルブチレンジアミン−、ミリスチルブチレンジアミン、n−ペンタデシルブチレンジアミン、ステアリルブチレンジアミン、n−エイコシルブチレンジアミン、n−ヘンエイコシルブチレンジアミン、n−ドコシルブチレンジアミン、n−トリコシルブチレンジアミン、n−ペンタコシルブチレンジアミン、オレイルブチレンジアミン、牛脂−ブチレンジアミン、水素化牛脂−ブチレンジアミンおよびダイズブチレンジアミン;ならびにペンチレンジアミン、例えば、ラウリルペンチレンジアミン、ココナッツペンチレンジアミン、ミリスチルペンチレンジアミン、パルミチルペンチレンジアミン、ステアリルペンチレンジアミン、オレイル−ペンチレンジアミン、牛脂−ペンチレンジアミン、水素化牛脂−ペンチレンジアミンおよびダイズペンチレンジアミンが含まれる。
金属不動態化剤、不活性化剤および腐食抑制剤
この種類の成分としては、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールおよびその誘導体、メルカプトベンゾチアゾール、アルキルチアゾールおよびベンゾトリアゾールが含まれる。本開示において使用され得る抗腐食剤として有用なセバシン酸以外の二塩基酸の例は、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカンジ酸、3−メチルアジピン酸、3−ニトロフタル酸、1,10−デカンジカルボン酸およびフマル酸である。抗腐食剤の組合せは、35重量%までの量で任意に硫化されてもよい、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和モノカルボン酸またはそのエステルである。好ましくは、酸は、C4〜C22直鎖不飽和モノカルボン酸である。モノカルボン酸は、硫化オレイン酸であってもよい。しかしながら、他の適切な材料はオレイン酸自体;吉草酸およびエルカ酸である。抗腐食剤の組合せの成分は、以前に定義されたトリアゾールを含む。好ましいトリアゾールは、本開示の組成物に含まれ得るトリルトリアゾールであり、金属不活性化剤または金属受動態化剤として有用なトリアゾール、チアゾールおよび特定のジアミン化合物が含まれる。例としては、トリアゾール、ベンゾトリアゾールおよび置換ベンゾトリアゾール、例えば、アルキル置換誘導体が含まれる。アルキル置換基は、一般に、1.5個まで、好ましくは、8個までの炭素原子を含有する。トリアゾールは、ハロゲン、ニトロ、アミノ、メルカプトなど芳香族環上に他の置換基を含有してもよい。適切な化合物の例は、ベンゾトリアゾールおよびトリトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、ヘキシルベンゾトリアゾール、オクチルベンゾトリアゾール、クロロベンゾトリアゾールおよびニトロベンゾトリアゾールである。ベンゾトリアゾールおよびトリトリアゾールが特に好ましい。
例示的な置換基としては、例えば、直鎖または分枝鎖であるアルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシルまたはn−エイコシル;直鎖または分枝鎖であるアルケニル、例えば、プロプ−2−エニル、ブト−2−エニル、2−メチル−プロプ−2−エニル、ペント−2−エニル、ヘキサ−2,4−ジエニル、デク−10−エニルまたはエイコス−2−エニル;例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロデシル、アダマンチルまたはシクロドデシルであるシクロアルキル;例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、ベンズヒドリルまたはナフチルメチルであるアラルキル;例えば、フェニルまたはナフチルであるアリール;例えば、モルホリン、ピロリジン、ピペリジンまたはペルヒドロアゼピン環である複素環式基;例えば、メチレン、エチレン、1:2−または1:3−プロピレン、1:4−ブチレン、1:6−ヘキシレン、1:8−オクチレン、1:10−デシレンおよび1:12−ドデシレンが含まれるアルキレン部分が含まれる。
例示的なアリーレン部分としては、例えば、フェニレンおよびナフチレン、1−(または4)−(ジメチルアミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(ジエチルアミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(ジ−isoプロピルアミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(ジ−n−ブチルアミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(ジ−n−ヘキシルアミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(ジ−isoオクチルアミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(ジ−(2−エチルヘキシル)アミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(ジ−n−デシルアミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(ジ−n−ドデシルアミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(ジ−n−オクタデシルアミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(ジ−n−エイコシルアミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−[ジ−(プロプ−2’−エニル)アミノメチル]トリアゾール、1−(または4)−[ジ−(ブト−2’−エニル)アミノメチル]トリアゾール、1−(または4)−[ジ−(エイコス−2’−エニル)アミノメチル]トリアゾール、1−(または4)−(ジ−シクロヘキシルアミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(ジ−ベンジルアミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(ジ−フェニルアミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(4’−モルホリノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(1’−ピロリジノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(1’−ピペリジノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(1’−ペルヒドロアゼピノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(2’,2’’−ジヒドロキシエチル)アミノメチル]トリアゾール、1−(または4)−(ジブトキシプロピル−アミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(ジブチルチオプロピル−アミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(ジ−ブチルアミノプロピル−アミノメチル)トリアゾール、1−(または4)−(1−メタノミン)−N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−メチルベンゾトリアゾール、N,N−ビス−(1−または4−トリアゾリルメチル)ラウリルアミン、N,N−ビス−(1−または4−トリアゾリルメチル)オレイルアミン、N,N−ビス−(1−または4−トリアゾリルメチル)エタノールアミンおよびN,N,N’,N’−テトラ(1−または4−トリアゾリルメチル)エチレンジアミンが含まれる。
潤滑油中に使用することができる金属不活性化剤としては、例えば、4−メチルベンゾトリアゾールおよび4−エチルベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾールおよび4−アルキルベンゾトリアゾール;5−メチルベンゾトリアゾール、5−エチルベンゾトリアゾールなどの5−アルキルベンゾトリアゾール;1−ジオクチルアミノメチル−2,3−ベンゾトリアゾールなどの1−アルキルベンゾトリアゾール;1−アルキルトルトリアゾール、例えば、1−ジオクチルアミノメチル−2,3−トルトリアゾールなどのベンゾトリアゾール誘導体;ベンズイミダゾール、ならびに例えば、2−(オクチルジチオ)−ベンズイミダゾール、2−(デシルジチオ)ベンズイミダゾールおよび2−(ドデシルジチオ)−ベンズイミダゾールなどの2−(アルキルジチオ)−ベンズイミダゾールなどのベンズイミダゾール誘導体;2−(オクチルジチオ)−トルイミダゾール、2−(デシルジチオ)−トルイミダゾールおよび2−(ドデシルジチオ)−トルイミダゾールなどの2−(アルキルジチオ)−トルイミダゾール;インダゾール、および4−アルキルインダゾール、5−アルキルインダゾールなどのトルイミダゾールのインダゾール誘導体;ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール誘導体(「Thiolite B−3100」の商標名でChiyoda Kagaku Co.によって製造される)、ならびに2−(ヘキシルジチオ)ベンゾチアゾールおよび2−(オクチルジチオ)ベンゾチアゾールなどの2−(アルキルジチオ)ベンゾチアゾール;2−(ベンジルジチオ)トルチアゾールおよび2−(オクチルジチオ)トルチアゾールなどの2−(アルキル−ジチオ)トルチアゾール、2−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジブチルジチオカルバミル)−ベンゾトリアゾールおよび2−N,N−ジヘキシル−ジチオカルバミル)ベンゾトリアゾールなどの2−(N,N−ジアルキルジチオカルバミル)ベンゾチアゾール;2−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)トルチアゾール、2−(N,N−ジブチルジチオカルバミル)トルチアゾール、2−(N,N−ジヘキシル−ジチオカルバミル)−トルチアゾールなどの2−(N,N−ジアルキルジチオカルバミル)トルチアゾールのベンゾチアゾール誘導体;2−(オクチルジチオ)ベンゾキサゾール、2−(デシルジチオ)−ベンゾキサゾールおよび2−(ドデシルジチオ)ベンゾキサゾールなどの2−(アルキルジチオ)ベンゾキサゾール;2−(オクチルジチオ)トルオキサゾール、2−(デシルジチオ)トルオキサゾール、2−(ドデシルジチオ)トルオキサゾールなどの2−(アルキルジチオ)トルオキサゾールのベンゾキサゾール誘導体;2,5−ビス(ヘプチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス−(ノニルジチオ)−1,−3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ドデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールおよび2,5−ビス−(オクタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールなどの2,5−ビス(アルキルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール;2,5−ビス(N,N−ジエチルジチオカルバミル)−1,3,−4−チアジアゾール、2,5−ビス(N,N−ジブチルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾールおよび2,5−ビス(N,N−ジオクチルジチオカルバミル)1,3,4−チアジアゾールなどの2,5−ビス(N,N−ジアルキル−ジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾール;2−N,N−ジブチルジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾールおよび2−N,N−ジオクチル−ジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾールなどの2−N,N−ジアルキルジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾールのチアジアゾール誘導体、ならびに1−ジオクチルアミノメチル−2,4−トリアゾールなどの1−アルキル−2,4−トリアゾールのトリアゾール誘導体、あるいはその濃縮物および/または混合物が含まれる。
それらの存在は、本開示の利点を得るために要求されないが、金属不活性化剤および腐食抑制剤添加剤は、全潤滑油組成物の0〜約1重量パーセント、好ましくは、0.01重量パーセント〜約0.5重量パーセントで存在し得る。
摩擦変性剤
摩擦変性剤は、そのような材料を含有するいずれかの潤滑剤または流体によって潤滑された表面の摩擦係数を変更することができる、いずれかの材料である。摩擦減少剤、または潤滑剤もしくは油性剤、および潤滑された表面の摩擦係数を変性するためにベース油、配合潤滑剤組成物または機能的な流体の能力を変更する他のそのような薬剤としても知られている摩擦変性剤は、必要に応じて、本開示のベース油または潤滑剤組成物と一緒に効果的に使用されてもよい。摩擦係数を低下する摩擦変性剤は、本開示のベース油および潤滑油組成物と組み合わせて特に都合がよい。
例示的な摩擦変性剤としては、例えば、有機金属化合物もしくは材料、またはそれらの混合物が含まれてよい。本開示の潤滑タービン油配合物において有用である例示的な有機金属摩擦変性剤としては、例えば、モリブデンアミン、モリブデンジアミン、有機タングステネート、モリブデンジチオカルバメート、ジチオリン酸モリブデン、モリブデンアミン錯体、モリブデンカルボキシレートなど、およびそれらの混合物が含まれる。同様のタングステンをベースとする化合物が好ましくなり得る。
本開示の潤滑タービン油配合物において有用な他の例示的な摩擦変性剤としては、例えば、アルキル化脂肪酸エステル、アルカノールアミド、ポリオール脂肪酸エステル、ホウ酸化グリセロール脂肪酸エステル、脂肪アルコールエーテルおよびそれらの混合物が含まれる。
例示的なアルコキシル化脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、脂肪酸ポリグリコールエステルなどが含まれる。これらは、ポリオキシプロピレンステアレート、ポリオキシブチレンステアレート、ポリオキシエチレンイソステアレート、ポリオキシプロピレンイソステアレート、ポリオキシエチレンパルミテートなどを含むことができる。
例示的なアルカノールアミドには、例えば、ラウリン酸ジエチルアルカノールアミド、パルミチン酸ジエチルアルカノールアミドなどが含まれる。これらは、オレイン酸ジエチルアルカノールアミド、ステアリン酸ジエチルアルカノールアミド、オレイン酸ジエチルアルカノールアミド、ポリエトキシル化ヒドロカルビルアミド、ポリプロポキシル化ヒドロカルビルアミドなどを含むことができる。
例示的なポリオール脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセロールモノオレエート、飽和モノ−、ジ−およびトリグリセリドエステル、グリセロールモノステアレートなどが含まれる。これらは、ポリオールエステル、ヒドロキシル含有ポリオールエステルなどを含むことができる。
例示的なホウ酸化グリセロール脂肪酸エステルには、例えば、ホウ酸化グリセロールモノオレエート、ホウ酸化飽和モノ−、ジ−およびトリグリセリドエステル、ホウ酸化グリセロールモノステアレートなどが含まれる。グリセロールポリオールに加えて、これらは、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ソルビタンなどを含むことができる。これらのエステルは、ポリオールモノカルボキシレートエステル、ポリオールジカルボン酸エステル、場合によって、ポリオールトリカルボキシレートエステルであることができる。好ましくは、グリセロールモノオレエート、グリセロールジオレエート、グリセロールトリオレエート、グリセロールモノステアレート、グリセロールジステアレート、ならびにグリセロールトリステアレートおよび相当するグリセロールモノパルミテート、グリセロールジパルミテートおよびグリセロールトリパルミテートおよびそれぞれのイソステアラート、リノーレエートなどであり得る。場合により、グリセロールエステル、ならびにこれらのいずれかを含有する混合物が好ましくなる可能性がある。根本ポリオールとしてグリセロールを特に使用して、ポリオールのエトキシル化、プロポキシル化、ブトキシル化脂肪酸エステルが好ましくなる可能性がある。
例示的な脂肪アルコールエーテルとしては、例えば、ステアリルエーテル、ミリスチルエーテルなどが含まれる。C3〜C50の炭素数を有するものを含むアルコールは、エトキシル化、プロポキシル化またはブトキシル化して、相当する脂肪酸アルキルエーテルを形成することができる。根本アルコール部分は、好ましくは、ステアリル、ミリスチル、C11〜C13炭化水素、オレイル、イソステアリルなどであることができる。
これらの他の摩擦変性剤は、脂肪ホスフィットおよび脂肪イミダゾリンに加えて任意選択的であろう。そのような他の摩擦変性剤添加剤の有用なリストが、米国特許第4,792,410号明細書に含まれる。米国特許第5,110,488号明細書は、摩擦変性剤として有用な脂肪酸の金属塩、特に亜鉛塩を開示している。脂肪酸も有用な摩擦変性剤である。本開示のために適切な他の摩擦変性剤のリストには、次のものが含まれる:(i)脂肪ホスホネート;(ii)脂肪酸アミド;(iii)脂肪エポキシド;(iv)ホウ酸化脂肪エポキシド;(v)脂肪アミン;(vi)グリセロールエステル;(vii)ホウ酸化グリセロールエステル;(viii)アルコキシル化脂肪アミン;(ix)ホウ酸化アルコキシル化脂肪アミン;(x)脂肪酸の金属塩;(xi)硫化オレフィン;(xii)カルボン酸または同等物およびポリアルキレン−ポリアミンの縮合生成物;(xiii)アルキルサリチレートの金属塩;(xiv)アルキルリン酸のアミン塩;(xv)脂肪酸エステル;(xvi)カルボン酸または同等物とポリオールおよびその混合物との縮合生成物。
これらの種類の摩擦変性剤のそれぞれの代表は既知であり、そして商業的に入手可能である。例えば、(i)は、一般に、次式:
(RO)PHO、
(RO)(HO)PHO、および
P(OR)(OR)(OR)
(これらの構造中、「R」という用語は慣習的にアルキル基を意味するが、水素であってもよい)の成分を含む。もちろん、アルキル基が実際にはアルケニルであることも可能であり、したがって、「アルキル」および「アルキル化」という用語は、本明細書で使用される場合、成分中に飽和アルキル基以外も包含するであろう。成分は、それを実質的に親油性にさせるために十分なヒドロカルビル基を有するべきである。いくつかの実施形態において、ヒドロカルビル基は実質的に非分枝鎖である。多くの適切なそのような成分は、商業的に入手可能であり、かつ米国特許第4,752,416号明細書に記載されるよう合成されてもよい。いくつかの実施形態において、成分は、それぞれのR基中に8個〜24個の炭素原子を含有する。他の実施形態において、成分は、それぞれの脂肪基中に12個〜22個の炭素原子、または16個〜20個の炭素原子を含有する脂肪ホスフィットであってもよい。一実施形態において、脂肪ホスフィットはオレイル基から形成することが可能であり、したがって、それぞれの脂肪族基中に18個の炭素原子を有する。
(iv)のホウ酸化脂肪エポキシドは、カナダ国特許第1,188,704号明細書から既知である。これらの油溶性ホウ素含有組成物は、80℃〜250℃の温度において、ホウ酸または三酸化ホウ素と、少なくとも1種の次式:
Figure 2020503412
[式中、R、R、RおよびRのそれぞれは水素または脂肪族基であるか、または、そのいずれか2つが、それらが結合するエポキシ炭素原子(単数または複数)と一緒に、環式基を形成する]
を有する脂肪エポキシドとを反応させることによって調製される。脂肪エポキシドは、好ましくは、少なくとも8個の炭素原子を含有する。
ホウ酸化脂肪エポキシドは、2つの材料の反応を伴う、それらの調製方法によって特徴づけることができる。試薬Aは、三酸化ホウ素、またはメタホウ酸(HBO)、オルトホウ酸(HBO)およびテトラホウ酸(H)を含む様々な形態のホウ酸のいずれかであることが可能である。ホウ酸、特にオルトホウ酸が好ましい。試薬Bは、上記の式を有する少なくとも1種の脂肪エポキシドであることが可能である。式中、それぞれのR基は、最も多くは、水素または脂肪族基であり、少なくとも1つがヒドロカルビルまたは少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族基である。試薬A対試薬Bのモル比は、一般に、1:0.25〜1:4である。1:1〜1:3の比率が好ましく、約1:2が特に好ましい比率である。ホウ酸化脂肪エポキシドは、単に2種の試薬をブレンドし、そしてそれらを、反応が生じるために十分な期間で、80℃〜250℃、好ましくは、100℃〜200℃の温度で加熱することによって調製可能である。所望であれば、反応は、実質的に不活性な、通常、液体の有機希釈剤の存在下で実行され得る。反応の間、水が発生し、これは蒸留によって除去されてよい。
上記試薬Bに相当する(iii)非ホウ酸化脂肪エポキシドも摩擦変性剤として有用である。
ホウ酸化アミンは一般に、米国特許第4,622,158号明細書から既知である。ホウ酸化アミン摩擦変性剤((ix)ホウ酸化アルコキシル化脂肪アミンを含む)は、上記の通り、ホウ素化合物と相当するアミンとの反応によって都合よく調製される。アミンは、単純な脂肪アミン、またはヒドロキシ含有第三級アミンであることが可能である。ホウ酸化アミンは、上記の通り、アミン反応物にホウ素反応物を添加し、そして得られた混合物を、撹拌しながら、50℃〜300℃、好ましくは、100〜250℃または130℃〜180℃で加熱することによって調製可能である。反応完了を示す、反応混合物からの副産物の水の発生が止まるまで反応を続ける。
ホウ酸化アミンを調製するために有用なアミンの中でも、商標名「ETHOMEEN」によって既知であり、かつAkzo Nobelから入手可能な市販のアルコキシル化脂肪アミンがある。これらのETHOMEEN(商標)材料の代表的な例は、ETHOMEEN(商標)C/12(ビス[2−ヒドロキシエチル]−ココアミン);ETHOMEEN(商標)C/20(ポリオキシエチレン[10]−ココアミン);ETHOMEEN(商標)S/12(ビス[2−ヒドロキシエチル]−ソイアミン);ETHOMEEN(商標)T/12(ビス[2−ヒドロキシエチル]−タロー−アミン);ETHOMEEN(商標)T/15(ポリオキシエチレン−[5]タローアミン);ETHOMEEN(商標)O/12(ビス[2−ヒドロキシエチル]オレイル−アミン);ETHOMEEN(商標)18/12(ビス[2−ヒドロキシエチル]−オクタデシルアミン);およびETHOMEEN(商標)18/25(ポリオキシエチレン[15]−オクタデシルアミン)である。脂肪アミンおよびエトキシル化脂肪アミンも米国特許第4,741,848号明細書に記載されている。(ENT12(商標)として市販される)ジヒドロキシエチルタローアミンは、この種のアミンに含まれる。
(viii)アルコキシル化脂肪アミンおよび(v)脂肪アミン自体(オレイルアミンおよびジヒドロキシエチルタローアミンなど)は、一般に、本開示における摩擦変性剤として有用である。このようなアミンは商業的に入手可能である。
グリセロールのホウ酸化および非ホウ酸化脂肪酸性エステルは、両方とも摩擦変性剤として使用されることができる。(vii)グリセロールのホウ酸化脂肪酸エステルは、グリセロールの脂肪酸エステルをホウ酸によってホウ酸化し、反応水を除去することによって調製される。好ましくは、それぞれのホウ素が、反応混合物中に存在する1.5〜2.5のヒドロキシル基と反応するように、十分なホウ素が存在する。反応は、60℃〜135℃の範囲の温度で、メタノール、ベンゼン、キシレン、トルエンまたは油などのいずれかの適切な有機溶媒の不在下または存在下で実行され得る。
(vi)グリセロールの脂肪酸エステル自体は、当該技術において周知である様々な方法によって調製可能である。グリセロールモノオレエートおよびグリセロールタローエートなどのこれらのエステルの多くが商業規模で製造される。有用なエステルは油溶性であり、好ましくは、天然生成物中に見出され、かつ以下に詳細に説明されるようなC8〜C22脂肪酸またはそれらの混合物から調製される。グリセロールの脂肪酸モノエステルが好ましいが、モノおよびジエステルの混合物が使用されてもよい。例えば、市販のグリセロールモノオレエートは、45重量%〜55重量%のモノエステルおよび55重量%〜45重量%のジエステルの混合物を含有し得る。
脂肪酸は、上記のグリセロールエステルを調製するために使用可能であり;それらは、それらの(x)金属塩、(ii)アミドおよび(xii)イミダゾリンを調製するためにも使用可能である。これらはいずれも摩擦変性剤として使用可能である。好ましい脂肪酸は、10個〜24個または12個〜18個の炭素原子を含有するものである。酸は、分枝鎖または直鎖、飽和または不飽和であることが可能である。いくつかの実施形態において、酸は直鎖の酸である。他の実施形態において、酸は分枝鎖である。適切な酸としては、デカン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、ラウリン酸およびリノレン酸、ならびに天然生成物タロー、パーム油、オリーブ油、落花生油、コーン油、ココナッツ油および牛脚油からの酸が含まれる。特に好ましい酸はオレイン酸である。好ましい金属塩としては、亜鉛およびカルシウム塩が含まれる。例は、過塩基性カルシウム塩および塩基性オレイン酸亜鉛塩錯体、例えば、一般式Znオレエートによって表すことができるオレイン酸亜鉛である。好ましいアミドは、アンモニアとの縮合、あるいはエチルアミンおよびジエタノールアミンなどの第一級または第二級アミンとの縮合によって調製されるものである。脂肪イミダゾリンは、ジアミン、またはポリエチレンポリアミンなどのポリアミンと酸の環式縮合物である。イミダゾリンは、一般に、次の構造:
Figure 2020503412
[式中、Rはアルキル基であり、かつR’は、水素またはヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり、−(CHCHNH)n−基を含む]
によって表される。好ましい実施形態において、摩擦変性剤は、C10〜C24脂肪酸とポリアルキレンポリアミンとの縮合物、特にイソステアリン酸とテトラエチレンペンタミンとの縮合物である。
カルボン酸とポリアルキレンアミンとの縮合物(xiii)は、一般に、イミダゾリンまたはアミドであり得る。それらは、上記のカルボン酸のいずれかと、本明細書に記載のポリアミンのいずれかとから誘導され得る。
硫化オレフィン(xi)は、摩擦変性剤として使用される周知の市販材料である。特に好ましい硫化オレフィンは、米国特許第4,957,651号明細書および同第4,959,168号明細書の詳細な教示に従って調製されるものである。上記特許には、(1)多価アルコールの少なくとも1種の脂肪酸エステル、(2)少なくとも1種の脂肪酸、(3)少なくとも1種のオレフィンおよび(4)一価アルコールの少なくとも1種の脂肪酸エステルからなる群から選択される2種以上の反応物の共硫化混合物が記載される。反応物(3)のオレフィン成分は、少なくとも1種のオレフィンを含む。このオレフィンは、好ましくは、通常、4個〜40個の炭素原子、好ましくは、8個〜36個の炭素原子を含有するであろう脂肪族オレフィンである。末端オレフィンまたはアルファ−オレフィンが好ましく、特に12個〜20個の炭素原子を有するものが好ましい。これらのオレフィンの混合物は商業的に入手可能であり、かつそのような混合物は本開示での使用のために考察される。2種以上の反応物の共硫化混合物は、適切な反応物を硫黄の供給源と反応させることによって調製される。硫化される混合物は、10〜90重量部の反応物(1)、または0.1〜15重量部の反応物(2);あるいは10〜90重量部、しばしば、15〜60重量部、よりしばしば、25〜35重量部の反応物(3)または10〜90重量部の反応物(4)を含有することが可能である。混合物は、本開示において、反応物(3)と、反応物(1)、(2)および(4)として識別される反応物の群の他の少なくとも1種を含む。硫化反応は、一般に、撹拌しながら、高温で、任意選択的に不活性雰囲気下および不活性溶媒の存在下で実行される。本開示のプロセスにおいて有用な硫化剤としては、好ましい元素硫黄、硫化水素、ハロゲン化硫黄+硫化ナトリウムおよび硫化水素と硫黄または二酸化硫黄の混合物が含まれる。典型的に、しばしば、オレフィン結合1モルあたり0.5〜3モルの硫黄が利用される。硫化オレフィンは、植物油、ラード油、オレイン酸およびオレフィン混合物などの硫化油も含み得る。
アルキルサリチル酸の金属塩(xiii)としては、長鎖(例えば、C12〜C16)アルキル置換サリチル酸のカルシウムおよび他の塩が含まれる。
アルキルリン酸のアミン塩(xiv)としては、下記の通り、アミンとのリン酸のオレイルおよび他の長鎖エステルの塩が含まれる。この点に関して有用なアミンは、商標名Primene(商標)で販売される第三級脂肪族第一級アミンである。
いくつかの実施形態において、摩擦変性剤は、脂肪酸または脂油、脂肪酸の金属塩、脂肪酸アミド、硫化脂油または脂肪酸、アルキルホスフェート、アルキルホスフェートアミン塩;カルボン酸およびポリアミンの縮合物、ホウ酸化脂肪エポキシド、脂肪イミダゾリンまたはその組合せである。
他の実施形態において、摩擦変性剤は、イソステアリン酸およびテトラエチレンペンタミンの縮合物、イソステアリン酸および1−[トリス(ヒドロキシメチル)]メチルアミンの縮合物、ホウ酸化ポリテトラデシルオキシラン、オレイン酸亜鉛、ヒドロキシエチル−2−ヘプタデセニルイミダゾリン、ジオレイル水素ホスフェート、C14〜C18アルキルホスフェートまたはそのアミン塩、硫化植物油、硫化ラード油、硫化オレイン酸、硫化オレフィン、オレイルアミド、グリセロールモノオレエート、ダイズ油またはその混合物であり得る。
なお別の実施形態において、摩擦変性剤は、グリセロールモノオレエート、オレイルアミド、イソステアリン酸および2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールの反応生成物、ソルビタンモノオレエート、9−オクタデセン酸、イソステアリルアミド、イソステアリルモノオレエートまたはその組合せであり得る。
それらの存在は、本開示の利点を得るために要求されないが、摩擦変性剤は、潤滑油組成物の0〜2重量%、好ましくは、0.01重量%〜1.5重量%で使用され得る。これらの範囲は、組成物中に存在する個々の摩擦変性剤の量に、または2種以上の摩擦変性剤の混合物を含み得る、組成物中の全摩擦変性剤成分に適用されてよい。
多くの摩擦変性剤は乳化剤の役割も果たす傾向がある。これは、しばしば、摩擦変性剤がしばしば、非極性脂肪尾部および極性頭部基を有するという事実による。乳化度または減少した解乳化度は、そのような組成物に関して流体が接触し得るいずれの水からも分離されたままである、および混和しないままであることが望ましい作動流体中での望ましくない結果である。本開示の摩擦変性剤は、作動流体の抗摩耗性能を改善するために使用され得るが、いくつかの実施形態においては、流体の解乳化に悪影響を及ぼし得るレベルで摩擦変性剤を使用することは避けるように注意しなければならない。
本開示の潤滑油は、摩擦変性剤の存在下または不在下において、所望の特性、例えば、摩耗制御を示す。
それらの存在は、本開示の利点を得るために要求されないが、摩擦変性剤の有用な濃度は、0.01重量パーセント〜5重量パーセントまたは約0.1重量パーセント〜約2.5重量パーセント、または約0.1重量パーセント〜約1.5重量パーセント、または約0.1重量パーセント〜約1重量パーセントの範囲であり得る。モリブデン含有材料の濃度は、しばしば、Mo金属濃度に関して記載される。Moの有利な濃度は、25ppm〜700ppm以上の範囲であり得、しばしば、50〜200ppmが好ましい範囲である。全種類の摩擦変性剤は、単独で、または本開示の材料との混合物で使用されてよい。しばしば、2種以上の摩擦変性剤の混合物、または別の表面活性材料との摩擦変性剤の混合物も望ましい。
モリブデン含有化合物(摩擦低下剤)
本開示において有用な例示的なモリブデン含有摩擦低下剤としては、例えば、活性リンおよび活性硫黄を実質的に含まないものとして定義される油溶性第二級ジアリールアミンであるMolyvan(商標)855などの油溶性分解性有機モリブデン化合物が含まれる。Molyvan(商標)855は、Vanderbilt’s Material Data and Safety Sheetには、1.04の密度および47.12cStの100℃における粘度を有する有機モリブデン化合物として記載されている。一般に、有機モリブデン化合物は、それらの優れた溶解性および有効性のため、好ましい。
別の例示的なモリブデン含有化合物は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,055,174号明細書に記載のスルホン化オキシモリブデンジアルキルジチオホスフェートであるMolyvan(商標)Lである。
R.T.Vanderbilt Company,Inc.,New York,N.Y.,USAによって製造されるMolyvan(商標)Aも、約28.8重量%のMo、31.6重量%のC、5.4重量%のHおよび25.9重量%のSを含有する例示的なモリブデン含有化合物である。Molyvan(商標)855、Molyvan(商標)822、Molyvan(商標)856およびMolyvan(商標)807も有用である。
Asahi Denki Corporationから入手される、より溶解性のMoジチオカルバメート含有潤滑油添加剤であり、かつ約20.2重量%のMo、43.8重量%のC、7.4重量%のHおよび22.4重量%のSから構成されるSakura Lube(商標)500も有用である。1:1.07のモリブデン対硫黄比を有する低硫黄モリブデンジチオホスフェートであるSakura Lube(商標)300は、本開示で有用な好ましいモリブデン含有化合物である。
約50重量%のモリブデンジトリデシルジチオカルボメートおよび約50重量%の芳香油の混合物であり、約38.4SUSの比重を有し、かつ約4.6重量%のモリブデンを含有し、R.T.Vanderbiltによって製造され、かつ酸化防止剤および抗摩耗添加剤として販売されるMolyvan(商標)807も有用である。
他の供給源は、Aldrich Chemical Company,Milwaukee,Wis.によって販売される約8重量%のMoを含有するモリブデンMo(Co)およびモリブデンオクトエートMoO(C15CO、ならびにShephard Chemical Company,Cincinnati,Ohioによって販売されるモリブデンナフテンチオクトエートである。
硫化モリブデンおよび酸化モリブデンなどの無機モリブデン化合物は、Molyvan(商標)855、Molyvan(商標)822、Molyvan(商標)856およびMolyvan(商標)807として記載される有機化合物よりも実質的に好ましくない。
本開示において有用な例示的なモリブデン含有化合物は、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0119682号明細書において開示される。
有機モリブデン窒素錯体もこれらの配合物において有利であり得る。「有機モリブデン窒素錯体」という用語は、米国特許第4,889,647号明細書に記載される有機モリブデン窒素錯体を包含する。錯体は、脂油、ジタノールアミンおよびモリブデン供給源の反応生成物である。錯体として特定の化学構造が指定されない。米国特許第4,889,647号明細書は、典型的な反応生成物の赤外スペクトルを報告しており;そのスペクトルでは、1740cm−1でエステルカルボニル結合および1620cm−1でアミドカルボニル結合が識別される。脂油は、少なくとも12個の炭素原子から最大22個以上の炭素原子を含有する高級脂肪酸のグリセリルエステルである。モリブデン供給源は、モリブデン酸アンモニウム、酸化モリブデンおよび混合物などの酸素含有化合物である。
本開示において使用可能である他の有機モリブデン錯体は、欧州特許第1040115号明細書および国際公開第99/31113号パンフレットに記載の三核モリブデン硫黄化合物および米国特許第4,978,464号明細書に記載のモリブデン錯体である。
それらの存在は、本開示の利点を得るために要求されないが、モリブデン含有添加剤は、0〜5.0質量パーセントで使用されてよい。より好ましい量は、質量で最高3,000ppmまで、より好ましくは、質量で約100ppm〜約2,500ppm、より好ましくは、質量で約300〜約2,000ppm、より好ましくは、質量で300〜約1,500ppmのモリブデンである。
ホウ酸化エステル化合物
本開示において有用な例示的なホウ素含有化合物としては、例えば、ホウ酸エステル、ホウ酸、酸化ホウ素などの他のホウ素化合物が含まれる。ホウ素化合物は加水分解的に安定しており、そして改善された抗摩耗性のために利用され、そして銅軸受および他の金属エンジン構成部品のためのさびおよび腐食抑制剤として機能する。ホウ酸化エステル化合物は、腐食を抑制するために有効である濃度で存在する、鉄または非鉄金属(例えば、銅、青銅、黄銅、チタン、アルミニウムなど)あるいは両方の腐食を防ぐための金属の腐食に対する抑制剤として作用する。
スルホン酸、カルボン酸およびその混合物の塩基性塩を製造するための技術を記載する特許としては、米国特許第5,354,485号明細書;同第2,501,731号明細書;同第2,616,911号明細書;同第2,777,874号明細書;同第3,384,585号明細書;同第3,320,162号明細書;同第3,488,284号明細書;および同第3,629,109号明細書が含まれる。これらの特許の開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。ホウ酸化過塩基性組成物を調製するための方法は、米国特許第4,744,920号明細書;同第4,792,410号明細書;および国際公開第88/03144号パンフレットに見出される。これらの参照文献の開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。アルカリまたはアルカリ土類金属の油溶性の中性または塩基性の塩もホウ素化合物と反応し得る。
本開示において利用される例示的なホウ酸は、(「MCP1286」)およびMOBIL ADC700の製品名でExxon−Mobil USAによって製造される。試験データによると、D−445法を使用する100℃における粘度は2.9cStであり;D−445法を使用する40℃における粘度は11.9であり;D−93法を使用する引火点は146であり;D−97法を使用する流動点は−69であり;そしてICP法によって決定されるホウ素のパーセントは5.3%であることが示される。抗摩耗/抗スカッフ添加剤および摩擦低下剤として販売されるホウ酸化エステル(Vanlube(商標)289)は、本開示において有効な好ましいホウ酸エステルである。
本開示において有効な例示的なホウ酸エステルは、約1モルの脂油、約1.0〜2.5モルのジエタノールアミンを反応させ、続いて、約0.1〜3質量パーセントのホウ素を得るためのホウ酸とのその後の反応によって得られる反応生成物である。反応生成物が、以下の2種の主要成分の一方または両方を含み得ると考えられ、さらにリストされる成分は、反応が完全水和へと押し進められる場合に可能な成分である:
Figure 2020503412
[式中、R=HまたはCであり、式中、x=1〜60、かつy=3〜121である]
Figure 2020503412
[式中、Yは脂油残基を表す]。
好ましい脂油は、少なくとも12個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のグリセリルエステルであり、かつ22個以上の炭素原子を含有し得る。そのようなエステルは、一般に植物および動物油として知られている。特に有用な植物油は、ココナッツ、コーン、綿実、アマニ、ピーナッツ、大豆およびひまわりの種から誘導される油である。同様に、タローなどの動物脂油が使用されてもよい。
ホウ素の供給源は、ホウ素を与え、かつホウ酸エステル組成物を形成するように脂油およびジエタノールアミンの中間反応生成物と反応することが可能であるホウ酸または材料である。
上記有機ホウ酸エステル組成物が上記で特に議論されるが、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0119682号明細書に明らかにされるものなどの他の有機ホウ酸エステル組成物も、本開示において同様の効果で機能することは理解されるべきである。加えて、ホウ酸カリウムなどのホウ酸塩の分散体も有用であり得る。
本開示において有用な他の例示的な有機ボレート組成物は、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2008/0261838号明細書に開示される。
加えて、本開示において有用な他の例示的な有機ボレート組成物が開示されており、例えば、ホウ酸化混合ヒドロキシエステル、アルコキシル化アミドおよびアミンについての米国特許第4,478,732号明細書、米国特許第4,406,802号明細書、米国特許第4,568,472号明細書;ホウ酸化ヒドロキシエチルイミダゾリンについての米国特許第4,298,486号明細書;ホウ酸化アルキルアミンおよびアルキルジアミンについての米国特許第4,328,113号明細書;GMOを含めて、ホウ酸化ヒドロキシル含有エステルについての米国特許第4,370,248号明細書;ホウ酸化ヒドロキシル含有ヒドロカルビルオキサゾリンについての米国特許第4,374,032号明細書;ホウ酸化ソルビタンエステルについての米国特許第4,376,712号明細書;ホウ酸化エトキシル化アミンについての米国特許第4,382,006号明細書;エトキシル化アミドおよびそれらのボレートについての米国特許第4,389,322号明細書;ヒドロカルビル近接ジオールおよびアルコールならびにエステル混合物およびそれらのボレートについての米国特許第4,472,289号明細書;加水分解ヒドロカルビルエポキシドのボレートについての米国特許第4,522,734号明細書;エーテルジアミンボレートについての米国特許第4,537,692号明細書;近接ジオールおよびヒドロキシル置換エステルおよびそれらのボレートを含有する混合物についての米国特許第4,541,941号明細書;種々のヒドロキシルおよび/または窒素含有ボレートについての米国特許第4,594,171号明細書;ならびに種々のホウ酸化アルコール/ジオールについての米国特許第4,692,257号明細書である。これらの特許は、参照によって本明細書に組み込まれる。
それらの存在は、本開示の利点を得るために要求されないが、ホウ素含有化合物は、0〜10.0%、より好ましくは、約0.01〜約5%、最も好ましくは、約0.1%〜約3.0%で使用され得る。有効元素ホウ素の範囲は、最高1000ppmまたは1%未満の元素ホウ素である。したがって、元素ホウ素の好ましい濃度は、100〜1000ppm、より好ましくは、100〜300ppmである。
潤滑油組成物が上記で議論された添加剤の1種以上を含有する場合、添加剤は、その意図された機能を実行するために十分な量で組成物中にブレンドされる。本開示において有用なそのような添加剤の典型的な量を以下の表3に示す。
多くの添加剤は、特定量のベース油希釈剤と一緒に、1種以上の添加剤を一緒に含有する濃縮物として添加剤製造業者から出荷されることに留意されたい。したがって、以下の表3の重量、ならびに本明細書に記載される他の量は、活性成分(すなわち、成分の非希釈剤部分)の量に関する。以下に示す重量パーセント(重量%)は、潤滑油組成物の全重量に基づく。
Figure 2020503412
上記添加剤は全て商業的に入手可能な材料である。これらの添加剤は独立して添加されてもよいが、通常、潤滑油石油添加剤の供給元から入手可能なパッケージ中に前もって組み合わせられている。種々の成分、割合および特徴を有する添加剤パッケージが利用可能であり、そして適切なパッケージの選択は、最終組成物の必要な使用を考慮に入れるであろう。
次の非限定的な実施例は、本開示を説明するために提供される。
(実施例)
図1および2に記載された成分を含有する配合物を調製した。本明細書において使用される全ての成分は商業的に入手可能である。
配合物中で使用されるベース油を図1および2で説明する。配合物中で使用される添加剤および添加剤系を図2に説明する。
配合物中で使用されるベース油は、広範囲の化学薬品種およびAPIベースストック群を包含する。ベース油としては、フィッシャー−トロプシュ(GTL)プロセスから製造されるもの、低粘度ポリアルファオレフィン(PAO)、合成エステル(フタレートおよびポリオール)ならびにアルキル化ナフタレン(AN)が含まれる。
配合物中で使用される添加剤系は、従来の量の従来の添加剤を含んだ。配合物中で使用される従来の添加剤は、酸化防止剤、分散剤、流動点降下剤、清浄剤、腐食抑制剤、金属不活性化剤、シール適合性添加剤、消泡剤、抑制剤、抗さび添加剤、任意選択的な摩擦変性剤、任意選択的な抗摩耗添加剤および他の任意選択的な潤滑油性能添加剤の1種以上であった。
比較のために、周知の製造業者のタービン油明細も図1に記載する。これは、40℃において28.8cStの最少許容粘度を含む、潤滑油のために必要とされる特性の狭い範囲を示す。
配合物の特性は、図1および3において識別されるASTM手順に従って決定された。配合物の特性は、図1および3に明らかにされる。
図1および3において、軸受温度の低下は、算出された効率利点を意味し、これは、低損失「軸受試験リグ試験(又はベアリング試験リグ試験又はベアリング・テスト・リグ・テスト(bearing test rig test))」を使用して評価された。軸受試験リグ試験では、フラディド潤滑(flooded lubrication)による、規模を縮小された標準4チルトパッド軸受を使用した。軸受箱には、潤滑油入口および排出温度を測定するための抵抗温度検出器を装着した。シャフト速度および軸受荷重を、発電タービンの典型的な運転条件と一貫する特定の組合せで適用した。次いで、比速度および荷重における測定された潤滑油入口および排出温度を使用して、試験潤滑油の電力損失を計算した。
3つの異なる市販の添加剤系を使用し、複合サイクル蒸気およびガスタービンの適用に対して、ガスタービンの使用などの異なるタービン適用のための性能特性を付与した。潤滑油粘度を低下させることは、一般に、けん引力およびチャーニング損失を低下させることがよく知られており、そしてこれは、全膜フラディドコンタクト(タービン軸受として)の効率を決定する最も重要な要素であり得る。
実際に、この試験(実施例4)において最低粘度潤滑油は、市販製品の典型的な粘度(比較例1)と比較してわずかな効率利点を示したが、最低粘度潤滑油が最も有意なエネルギー節約を与えなかった。驚くべきことに、図1に示されるように、本発明の実施例1〜3は全て実施例4よりもはるかに高い効率利点を示した。
候補のための重要な性能基準には、次の必要条件:215℃よりも高い引火点;4%未満の絶対最大蒸発損失;低粘度候補と低比熱/低密度とのバランスを保つこと;ならびに全ての軸受保護および潤滑油必要条件を維持することを満たしながら、15%よりも高い効率改善を示すことが含まれた。
以前の理解に反して、これらの結果は、タービン油に関して、粘度低下のみでは有意な効率改善を達成するために不十分であることを示す。粘度と揮発性および密度の必要条件とのバランスを保つことは、意外な効率結果を達成するために重要である。データの統計分析を使用して、次のように決定される新規パラメーターの潤滑効率係数に関する相関を発展させた。
潤滑効率係数=[19.200(比熱)]−[6.679(蒸発損失)]−[1.028(動粘度)]−12.178
10よりも高い潤滑効率係数を有する候補が、図1および3に示す軸受試験結果において全体的により良好な効率増加を示した。加えて、グループVベースストックは、これらの性能寄与をさらに強化するため、そしてタービン適用における信頼度のために必要な添加剤溶解力および堆積物制御を提供するために添加されてよい。
PCTおよびEP条項(又は請求項又はクレーム):

主成分(又はメジャー成分又はメジャー・コンポーネント(major component))として潤滑油ベースストック(又は潤滑オイル・ベースストック(lubricating oil base stock))と、
副成分(又はマイナー成分又はマイナー・コンポーネント(minor component))として1つ(又は1種)以上の潤滑油添加剤(又は潤滑オイル・アディティブ(lubricating oil additive))と
を含む組成(又は組成物又はコンポジション(composition))を有する潤滑油(又は潤滑オイル(lubricating oil))であって、
当該潤滑油が、
ASTM D445による40℃における16cSt〜22cStの動粘度(又はキネマチック・ビスコシティ(kinematic viscosity))、
ASTM D1298による0.8g/ml〜0.9g/mlの密度(又はデンシティ(density))、および
ASTM D972による4%未満の150℃における絶対蒸発損失(又は絶対エバポレーション・ロス(absolute evaporation loss))
を有する、
潤滑油。

潤滑油(又は潤滑オイル(lubricating oil))として配合油(又は配合された油又は配合オイル(formulated oil))を使用することによって、この潤滑油によって潤滑されたターボ機械(又はターボマシン(turbomachine))におけるエネルギー効率(又はエネルギー・エフェシエンシー(energy efficiency))を改善する(又は向上させる)(improving)ための方法であって、
当該配合油が、
主成分(又はメジャー成分又はメジャー・コンポーネント(major component))として潤滑油ベースストック(又は潤滑オイル・ベースストック(lubricating oil base stock))と、
副成分(又はマイナー成分又はマイナー・コンポーネント(minor component))として1つ(又は1種)以上の潤滑油添加剤(又は潤滑オイル・アディティブ(lubricating oil additive))と
を含む組成(又は組成物又はコンポジション(composition))を有し、
当該配合油が、
ASTM D445による40℃における16cSt〜22cStの動粘度(又はキネマチック・ビスコシティ(kinematic viscosity))、
ASTM D1298による0.8g/ml〜0.9g/mlの密度(又はデンシティ(density))、および
ASTM D972による4%未満の150℃における絶対蒸発損失(又は絶対エバポレーション・ロス(absolute evaporation loss))
を有する、
方法。

非極性潤滑油ベースストック(又はノンポーラー・潤滑オイル・ベースストック(nonpolar lubricating oil base stock))における極性潤滑油添加剤(又はポーラー・潤滑オイル・アディティブ(polar lubricating oil additive))の溶解性(又は溶解度又はソルビリティ(solubility))、相溶性(又は相溶度又は適合性又は適合度又はコンパチビリティ(compatibility))および/または分散性(又は分散度又はディスパーザンシー(dispersancy))を改善する(又は向上させる)(improving)の方法であって、
当該方法は、
主成分(又はメジャー成分又はメジャー・コンポーネント(major component))として非極性潤滑油ベースストック(又はノンポーラー・潤滑オイル・ベースストック(nonpolar lubricating oil base stock))と、副成分(又はマイナー成分又はマイナー・コンポーネント(minor component))として1つ(又は1種)以上の極性潤滑油添加剤(又はポーラー・潤滑オイル・アディティブ(polar lubricating oil additive))とを含む潤滑油(又は潤滑オイル(lubricating oil))を提供すること(又は工程又はステップ)(providing);および
潤滑油において、少なくとも1つ(又は1種)のコベースストック(又はコ・ベースストック又は共ベースストック又は共通ベースストック(co-base stock))をブレンド(又は混合又は配合又はブレンド)すること(又は工程又はステップ)(blending)
を含み、
当該潤滑油が、
ASTM D445による40℃における16cSt〜22cStの動粘度(又はキネマチック・ビスコシティ(kinematic viscosity))、
ASTM D1298による0.8g/ml〜0.9g/mlの密度(又はデンシティ(density))、および
ASTM D972による4%未満の150℃における絶対蒸発損失(又は絶対エバポレーション・ロス(absolute evaporation loss))
を有する、
方法。

ターボ機械(又はターボマシン(turbomachine))において、エネルギー効率(又はエネルギー・エフィシエンシー(energy efficiency))を改善する(又は向上させる(improving))ための方法であって、
当該方法は、
主成分(又はメジャー成分又はメジャー・コンポーネント(major component))として非極性潤滑油ベースストック(又はノンポーラー・潤滑オイル・ベースストック(nonpolar lubricating oil base stock))と、副成分(又はマイナー成分又はマイナー・コンポーネント(minor component))として1つ(又は1種)以上の極性潤滑油添加剤(又はポーラー・潤滑オイル・アディティブ(polar lubricating oil additive))とを含む潤滑油(又は潤滑オイル(lubricating oil))を選択すること(又は工程又はステップ)(selecting)を含み、
潤滑油が、
3.0J/g・℃〜3.3J/g・℃の比熱(specific heat)、
ASTM D972による4%未満の150℃における絶対蒸発損失(又は絶対エバポレーション・ロス(absolute evaporation loss))、および
ASTM D445による40℃における16cSt〜22cStの動粘度(又はキネマチック・ビスコシティ(kinematic viscosity))
を有し、
潤滑油が、次式:
潤滑効率係数=[19.200(比熱)]−[6.679(蒸発損失)]−[1.028(動粘度)]−12.178
に従って、少なくとも10の潤滑効率係数(又は潤滑効率ファクター又はルブリケーティング・エフィシエンシー・ファクター(Lubricating Efficiency Factor))を有するように、非極性潤滑油ベースストックが選択される、
方法。

潤滑油が、
ASTM D5800による15%未満のノアック揮発性(又はノアック揮発度又はノアック・ボラティリティ(Noack volatility))、
ASTM D92による215℃よりも高い引火点(又はフラッシュ・ポイント(flash point))、および
3.0J/g・℃〜3.3J/g・℃の比熱(specific heat)
をさらに有する、条項1の潤滑油および条項2〜4の方法。

潤滑油が潤滑タービン油(又は潤滑タービンオイル(lubricating turbine oil))である、条項1の潤滑油および条項2〜4の方法。

潤滑油ベースストックが、グループIベース油(又はグループI・ベースオイル)、グループIIベース油(又はグループII・ベースオイル)、グループIIIベース油(又はグループIII・ベースオイル)、グループIVベース油(又はグループIV・ベースオイル)、グループVベース油(又はグループV・ベースオイル)、またはその混合物を含む、条項1の潤滑油および条項2〜4の方法。

潤滑油が、少なくとも1つ(又は1種)のコベースストック(又はコ・ベースストック又は共ベースストック又は共通ベースストック(co-base stock))をさらに含む、条項1の潤滑油および条項2〜4の方法。

1つ(又は1種)以上の潤滑油添加剤(又は潤滑オイル・アディティブ(lubricating oil additive))が、消泡剤(又はアンチフォーム・エージェント(antifoam agent))、解乳化剤(又は脱乳化剤又はデエマルジファイヤー(demulsifier))、酸化防止剤(又は抗酸化剤又はアンチオキシダント(antioxidant))、抗摩耗剤(又はアンチウィアー・エージェント(antiwear agent))または抗錆添加剤(又はアンチラスト・アディティブ(antirust additive))を含む、条項1の潤滑油および条項2〜4の方法。
10
1つ(又は1種)以上の潤滑油添加剤(又は潤滑オイル・アディティブ)が、粘度変性剤(又はビスコシティ・モディファイヤ(viscosity modifier))、清浄剤(又はデタージェント(detergent))、分散剤(又はディスパーザント(dispersant))、流動点降下剤(又はポア・ポイント・デプレサント(pour point depressant ))、腐食抑制剤(又はコロージョン・インヒビター(corrosion inhibitor))、金属不活性化剤(又はメタル・デアクティベーター(metal deactivator))または抑制剤(又はインヒビター(inhibitor))をさらに含む、条項1の潤滑油および条項2〜4の方法。
11
潤滑油が、軸受効率試験リグ試験(又はベアリング・エフィシエンシー・テスト・リグ・テスト(bearing efficiency test rig test))によって評価した場合、ISO VG32に配合された同一の潤滑油と比較して(又は比較した場合)、少なくとも10%のエネルギー効率(又はエネルギー・エフィシエンシー)の改善(又は向上(improvement))を示すように、潤滑油ベースストック(又は潤滑オイル・ベースストック)が選択される、条項1の潤滑油および条項2〜4の方法。
12
潤滑油が、次式:
潤滑効率係数=[19.200(比熱)]−[6.679(蒸発損失)]−[1.028(動粘度)]−12.178
に従って、少なくとも10の潤滑効率係数(又は潤滑効率ファクター又はルブリケーティング・エフィシエンシー・ファクター)を有するように、潤滑油ベースストックが選択される、条項1の潤滑油および条項2〜4の方法。
13
ターボ機械(又はターボマシン)において、ASTM D445による40℃における16cSt〜22cStの動粘度(又はキネマチック・ビスコシティ)を有するが、ASTM D1298による0.8g/ml〜0.9g/mlの密度(又はデンシティ)またはASTM D972による4%未満の150℃における絶対蒸発損失(又は絶対エバポレーション・ロス)を有さない潤滑油を使用して達成されるエネルギー効率(又はエネルギー・エフィシエンシー)と比較して(又は比較した場合)、エネルギー効率が改善される(又は向上する)、条項1の潤滑油および条項2〜4の方法。
14
ターボ機械(又はターボマシン)において、ASTM D445による40℃における16cSt〜22cStの動粘度(又はキネマチック・ビスコシティ)を有するが、ASTM D1298による0.8g/ml〜0.9g/mlの密度(又はデンシティ)またはASTM D972による4%未満の150℃における絶対蒸発損失(又は絶対エバポレーション・ロス)を有さない潤滑油を使用して達成される軸受温度(又はベアリング温度(bearing temperature))と比較して(又は比較した場合)、軸受温度が低下(又は低減)する、条項1の潤滑油および条項2〜4の方法。
15
ターボ機械(又はターボマシン)において、ASTM D445による40℃における16cSt〜22cStの動粘度(又はキネマチック・ビスコシティ)を有するが、ASTM D1298による0.8g/ml〜0.9g/mlの密度(又はデンシティ)、またはASTM D972による4%未満の150℃における絶対蒸発損失(又は絶対エバポレーション・ロス)を有さない潤滑油を使用して達成されるエネルギー効率(又はエネルギー・エフィシエンシー)、堆積(物)制御(又はデポジット・コントロール(deposit control))および潤滑油添加剤溶解力(又は潤滑オイル・アディティブ・ソルベンシー(lubricating oil additive solvency))と比較して(又は比較した場合)、エネルギー効率が改善され(又は向上し)、そして、堆積(物)制御および潤滑油添加剤溶解力が維持または改善される(又は向上する)、条項1の潤滑油および条項2〜4の方法。
本明細書に引用される全ての特許および特許出願、試験手順(ASTM法、UL法など)および他の文献は、そのような開示が本開示と一致する限り、およびそのような組み込みが容認される全ての権限に関して、参照によって完全に組み込まれる。
数値的な下限および数値的な上限が本明細書に記載される場合、いずれかの下限からいずれかの上限までの範囲が考慮される。本開示の例示的な実施形態が詳細に記載されているが、様々なその他の修正形態は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者にとって明らかであり、かつ当業者によって容易になされ得ることが理解されるであろう。したがって、添付された特許請求の範囲は、本明細書で明らかにされた実施例および記載に限定されるように意図されず、むしろ、請求項が、本開示が関連する当業者によって、その均等物として扱われ得る全ての特徴を含めて、本開示に存在する特許取得可能な新規性の全ての特徴を包含すると解釈される。
本開示は、多数の実施形態および個々の実施例を参照して上記された。上記の詳細な説明を考慮に入れて、当業者は多くの変形形態を提案するであろう。全てのそのような明白な変形形態は、添付の請求項の全ての意図された範囲内にある。

Claims (42)

  1. 主成分として潤滑油ベースストックと、副成分として1以上の潤滑油添加剤とを含む組成を有する潤滑油であって、
    当該潤滑油が、
    ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度、
    ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度、および
    ASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失
    を有する、
    潤滑油。
  2. ASTM D5800による約15%未満のノアック(Noack)揮発性、
    ASTM D92による約215℃よりも高い引火点、および
    約3.0J/g・℃〜約3.3J/g・℃の比熱
    をさらに有する、請求項1に記載の潤滑油。
  3. ターボ機械において、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有するが、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度またはASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有さない潤滑油を使用して達成されるエネルギー効率と比較して、エネルギー効率が改善される、請求項1に記載の潤滑油。
  4. ターボ機械において、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有するが、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度またはASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有さない潤滑油を使用して達成される軸受温度と比較して、軸受温度が低下する、請求項1に記載の潤滑油。
  5. ターボ機械において、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有するが、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度またはASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有さない潤滑油を使用して達成されるエネルギー効率、堆積制御および潤滑油添加剤溶解力と比較して、エネルギー効率が改善され、堆積制御および潤滑油添加剤溶解力が維持または改善される、請求項1に記載の潤滑油。
  6. 潤滑タービン油である、請求項1に記載の潤滑油。
  7. 前記潤滑油ベースストックが、グループIベース油、グループIIベース油、グループIIIベース油、グループIVベース油、グループVベース油、またはその混合物を含む、請求項1に記載の潤滑油。
  8. 少なくとも1つのコベースストックをさらに含む、請求項1に記載の潤滑油。
  9. 前記1以上の潤滑油添加剤が、消泡剤、解乳化剤、酸化防止剤、抗摩耗剤または抗錆添加剤を含む、請求項1に記載の潤滑油。
  10. 前記1以上の潤滑油添加剤が、粘度変性剤、清浄剤、分散剤、流動点降下剤、腐食抑制剤、金属不活性化剤または抑制剤をさらに含む、請求項9に記載の潤滑油。
  11. 前記潤滑油ベースストックが、前記潤滑油の全重量に基づいて、約90重量%〜約99重量%の量で存在する、請求項1に記載の潤滑油。
  12. 前記1以上の潤滑油添加剤が、前記潤滑油の全重量に基づいて、約0.1重量%〜約10重量%の量で存在する、請求項1に記載の潤滑油。
  13. 前記潤滑油が、軸受効率試験リグ試験によって評価した場合、ISO VG32に配合された同一の潤滑油と比較して、少なくとも10%のエネルギー効率の改善を示すように、前記潤滑油ベースストックが選択される、請求項1に記載の潤滑油。
  14. 前記潤滑油が、次式:
    潤滑効率係数=[19.200(比熱)]−[6.679(蒸発損失)]−[1.028(動粘度)]−12.178
    に従って、少なくとも10の潤滑効率係数を有するように、前記潤滑油ベースストックが選択される、請求項1に記載の潤滑油。
  15. 潤滑油として配合油を使用することによって、潤滑油によって潤滑されたターボ機械におけるエネルギー効率を改善するための方法であって、
    前記配合油が、主成分として潤滑油ベースストックと、副成分として1以上の潤滑油添加剤とを含む組成を有し、
    前記配合油が、
    ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度、
    ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度、および
    ASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失
    を有する、
    方法。
  16. 前記潤滑油が、
    ASTM D5800による約15%未満のノアック(Noack)揮発性、
    ASTM D92による約215℃よりも高い引火点、および
    約3.0J/g・℃〜約3.3J/g・℃の比熱
    をさらに有する、請求項15に記載の方法。
  17. ターボ機械において、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有するが、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度またはASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有さない潤滑油を使用して達成されるエネルギー効率と比較して、エネルギー効率が改善される、請求項15に記載の方法。
  18. ターボ機械において、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有するが、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度またはASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有さない潤滑油を使用して達成される軸受温度と比較して、軸受温度が低下する、請求項15に記載の方法。
  19. ターボ機械において、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有するが、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度またはASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有さない潤滑油を使用して達成されるエネルギー効率、堆積制御および潤滑油添加剤溶解力と比較して、エネルギー効率が改善され、堆積制御および潤滑油添加剤溶解力が維持または改善される、請求項15に記載の方法。
  20. 前記潤滑油が潤滑タービン油である、請求項15に記載の方法。
  21. 前記潤滑油ベースストックが、グループIベース油、グループIIベース油、グループIIIベース油、グループIVベース油、グループVベース油、またはその混合物を含む、請求項15に記載の方法。
  22. 前記潤滑油が、少なくとも1つのコベースストックをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  23. 前記1以上の潤滑油添加剤が、消泡剤、解乳化剤、酸化防止剤、抗摩耗剤、または抗錆添加剤を含む、請求項15に記載の方法。
  24. 前記1以上の潤滑油添加剤が、粘度変性剤、清浄剤、分散剤、流動点降下剤、腐食抑制剤、金属不活性化剤または抑制剤をさらに含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記潤滑油ベースストックが、前記潤滑油の全重量に基づいて、約90重量%〜約99重量%の量で存在する、請求項15に記載の方法。
  26. 前記1以上の潤滑油添加剤が、前記潤滑油の全重量に基づいて、約0.1重量%〜約10重量%の量で存在する、請求項15に記載の方法。
  27. 前記ターボ機械が、ガスタービンであるか、あるいはガスタービンおよび水蒸気タービンを含む複合サイクルである、請求項15に記載の方法。
  28. 前記潤滑油が、軸受効率試験リグ試験によって評価した場合、ISO VG32に配合された同一の潤滑油と比較して、少なくとも10%のエネルギー効率の改善を示すように、前記潤滑油ベースストックが選択される、請求項15に記載の方法。
  29. 前記潤滑油が、次式:
    潤滑効率係数=[19.200(比熱)]−[6.679(蒸発損失)]−[1.028(動粘度)]−12.178
    に従って、少なくとも10の潤滑効率係数を有するように、前記潤滑油ベースストックが選択される、請求項15に記載の方法。
  30. 非極性潤滑油ベースストックにおける極性潤滑油添加剤の溶解性、相溶性および/または分散性を改善する方法であって、当該方法は、
    主成分として非極性潤滑油ベースストックと、副成分として1以上の極性潤滑油添加剤とを含む潤滑油を提供すること;および
    前記潤滑油において、少なくとも1つのコベースストックをブレンドすること
    を含み、
    前記潤滑油が、
    ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度、
    ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度、および
    ASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失
    を有する、
    方法。
  31. 前記潤滑油が、
    ASTM D5800による約15%未満のノアック(Noack)揮発性、
    ASTM D92による約215℃よりも高い引火点、および
    約3.0J/g・℃〜約3.3J/g・℃の比熱
    をさらに有する、請求項30に記載の方法。
  32. ターボ機械において、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有するが、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度またはASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有さない潤滑油を使用して達成される溶解性、相溶性および/または分散性と比較して、溶解性、相溶性および/または分散性が改善される、請求項30に記載の方法。
  33. ターボ機械において、ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度を有するが、ASTM D1298による約0.8g/ml〜約0.9g/mlの密度またはASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失を有さない潤滑油を使用して達成される溶解性、相溶性および/または分散性ならびに堆積制御と比較して、溶解性、相溶性および/または分散性が改善され、堆積制御が維持または改善される、請求項30に記載の方法。
  34. 前記潤滑油がタービン潤滑油である、請求項30に記載の方法。
  35. 前記潤滑油ベースストックが、グループIベース油、グループIIベース油、グループIIIベース油、グループIVベース油、グループVベース油、またはその混合物を含む、請求項30に記載の方法。
  36. 前記少なくとも1つのコベースストックが極性のコベースストックである、請求項30に記載の方法。
  37. 前記1以上の潤滑油添加剤が、消泡剤、解乳化剤、酸化防止剤、抗摩耗剤または抗錆添加剤を含む、請求項30に記載の方法。
  38. 前記1以上の潤滑油添加剤が、粘度変性剤、清浄剤、分散剤、流動点降下剤、腐食抑制剤、金属不活性化剤または抑制剤をさらに含む、請求項30に記載の方法。
  39. 前記潤滑油ベースストックが、前記潤滑油の全重量に基づいて、約80重量%〜約99重量%の量で存在する、請求項30に記載の方法。
  40. 前記1以上の潤滑油添加剤が、前記潤滑油の全重量に基づいて、約0.1重量%〜約10重量%の量で存在する、請求項30に記載の方法。
  41. ターボ機械においてエネルギー効率を改善するための方法であって、
    当該方法は、主成分として非極性潤滑油ベースストックと、副成分として1以上の極性潤滑油添加剤とを含む潤滑油を選択することを含み、
    前記潤滑油が、
    約3.0J/g・℃〜約3.3J/g・℃の比熱、
    ASTM D972による約4%未満の150℃における絶対蒸発損失、および
    ASTM D445による40℃における約16cSt〜約22cStの動粘度
    を有し、
    前記潤滑油が、次式:
    潤滑効率係数=[19.200(比熱)]−[6.679(蒸発損失)]−[1.028(動粘度)]−12.178
    に従って、少なくとも10の潤滑効率係数を有するように、前記非極性潤滑油ベースストックが選択される、
    方法。
  42. 前記ターボ機械が、ガスタービンであるか、あるいはガスタービンおよび水蒸気タービンを含む複合サイクルである、請求項41に記載の方法。
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