発明の詳細な説明
本発明は、式(I):
[式中、
Bは、ベンゾトリアゾリル、フェニル、トリアゾロピリジニル、−O(CH
2)−トリアゾリルまたは−(CH
2)
2−トリアゾリルであり、前記ベンゾトリアゾリル、フェニル、トリアゾロピリジニル、−O(CH
2)−トリアゾリルもしくは−(CH
2)
2−トリアゾリルはそれぞれ非置換であるか、または−C
1−3アルキル、−O−C
1−3アルキル、CN、−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−OR
4およびハロから独立に選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換され;
Dは、−C(O)OH、−C(O)NR
6R
7、−C(O)NHSO
2CH
3、−SO
2NHC(O)CH
3、5−(トリフルオロメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−2−イル、−NR
6−C(O)−R
7、−NR
6−C(O)−NR
6R
7;−NR
6−C(O)−O−R
7またはテトラゾリルであり;
R
1は独立に、水素、−OH、−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキルOR’、F、−C
3−6スピロシクロアルキル、オキセタンであるか、または2個のR
1基は、それらが結合している炭素と一緒になってシクロプロピル基を形成し;
R’は、水素または−C
1−3アルキルであり;
R
2は、水素、−C
1−4アルキル、−CF
3、またはハロであり;
R
3は、−(CH
2)
mであり;
R
4は、水素または−C
1−3アルキルであり;
あるいは、R
2が−C
1−4アルキルである場合、R
3は−(CH
2)
m−であり、かつ、mは2または3であり、R
2およびR
3は一緒になって、それらが結合しているフェニル環と縮合したシクロアルキル環を形成し;
Aは、
であり;
R
5は、水素、−C
1−5アルキルまたは−(CH
2)
n−C
3−5シクロアルキルであり;
R
6は、水素または−C
1−4アルキルであり;
R
7は、水素、−C
1−5アルキル、−C
3−7シクロアルキル、−C
4−8ヘテロシクロアルキル、−C
1−5アルコキシ、−C
1−3アルキル−O−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−NH−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−SO
2C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−C
4−8ヘテロシクロアルキル、−C
1−3アルキル−C(O)NR
4R
6、またはヘテロアリールであり、ここで、−C
1−5アルキル、−C
3−7シクロアルキル、−C
4−7ヘテロシクロアルキル、−C
1−5アルコキシ、−C
1−3アルキル−O−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−NH−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−C(O)NR
4R
6、もしくはヘテロアリールのそれぞれは非置換であるか、または−OH、−CO
2H、−C(O)NR
4R
6、−C(O)OR
4、−N−C(O)−C
1−3アルキル、F、−CN、−CH−F
2、−CF
3、−(CH
2)
n−O−(CH
2)
m−CH
3、および−C
3−7シクロアルキル、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する5〜6員ヘテロアリール環から選択される1もしくは2個の置換基で置換され;
あるいはR
6およびR
7は、それらが結合している窒素原子と一緒になって5〜8員複素環式環、8〜11員二環式複素環式環または9〜10員架橋二環式複素環式環を形成し、ここで、各5〜8員環、8〜11員二環式環、または9〜10員架橋二環式環は、場合により1個の−C(O)または1個の−S(O)
2を含んでよく、かつ、各5〜8員環、8〜11員二環式環、または9〜10員架橋二環式環は、場合により、1、2もしくは3個の酸素環原子、1、2もしくは3個の硫黄環原子、または1、2もしくは3個の窒素環原子を含んでよく、かつ、各5〜8員環、8〜11員二環式環、もしくは9〜10員架橋二環式環は非置換であるか、または−C
1−5アルキル、−C
3−7シクロアルキル、−C
4−7ヘテロシクロアルキル、−(CH
2)フェニル、ハロゲン、−NR
3R
4、−CHF
2、−CF
3、および−(CH
2)
n−O−(CH
2)
m−CH
3から独立に選択される1、2もしくは3個の置換基で置換され;
R
8は、水素または−C
1−4アルキルであり;
R
9は、水素または−C
1−4アルキルであり;
mは、1、2または3であり;
nは、0、1、2または3であり;かつ
Xは、独立にCHまたはNである]
の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。
「アルキル」は、指定数の炭素員原子を有する一価飽和炭化水素鎖を意味する。例えば、C1−4アルキルは、1〜4個の炭素員原子を有するアルキル基を指す。アルキル基は直鎖または分岐であり得る。代表的な分岐アルキル基は、1、2、または3個の分岐を有する。アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、(n−プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、およびt−ブチル)、ペンチル(n−ペンチル、tert−ペンチル、イソ−ペンチル)、およびヘキシル(n−ヘキシル、イソヘキシル、ter−ヘキシル)を含む。
「シクロアルキル」は、指定数の炭素員原子を有する一価飽和または不飽和炭化水素環を指す。例えば、C3−6シクロアルキルは、3〜6個の炭素員原子を有するシクロアルキル基を指す。不飽和シクロアルキル基は、環内に1以上の炭素−炭素二重結合を有する。シクロアルキル基は芳香族でない。シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、およびシクロヘキセニルを含む。
「C4−7ヘテロシクロアルキル」は、窒素、酸素、および硫黄を含む4個までのヘテロ原子を含有する4〜7員環を指す。例としては、アゼチジン、チエタン、チエタン1−オキシド、チエタン1,1−ジオキシド、テトラヒドロフラン、ピロリジン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン1−オキシド、テトラヒドロチオフェン1,2−ジオキシド、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン1−オキシド、チオモルホリン1,1−ジオキシド、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン1−オキシド、テトラヒドロチオピラン1−1ジオキシド、ピペリジン−2−オン、アゼパン−2−オン、ピロリジン−2−オン、アゼパン、オキセパン、オキサゼパン、チエパン、チエパン1−オキシド、チエパン1,1−ジオキシド、およびチアゼパンである。
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、サイズがそれ以外のものに限定されない限り、5〜6個の環原子を含有する芳香族単環式ラジカルを含んでなる基または部分を表す。この用語はまた、アリール環部分とヘテロシクロアルキル環部分の縮合体またはヘテロアリール環部分とシクロアルキル環部分の縮合体を含有する9〜10員の二環式複素環式アリール基も包含する。
ヘテロアリールの具体例としては、限定されるものではないが、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル(ピリジル)、オキソ−ピリジル(ピリジル−N−オキシド)、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾチエニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ベンズイミダゾリル、ジヒドロベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ジヒドロベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、ベンゾトリアゾリル、トリアゾロピリジニル、プリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、1,5−ナフチリジニル、1,6−ナフチリジニル、1,7−ナフチリジニル、1,8−ナフチリジニル、およびプテリジニルが挙げられる。
二環式ヘテロアリール基としては、6,5−縮合ヘテロアリール(9員ヘテロアリール)および6,6−縮合ヘテロアリール(10員ヘテロアリール)基が含まれる。6,5−縮合ヘテロアリール(9員ヘテロアリール)基の例としては、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、イソインドリニル、インダゾリル、インドリジニル、イソベンゾフリル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、ベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンズチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、1,3-ベンゾキサチオール−2−オン−イル(2−オキソ−1,3−ベンゾキサチオリル)、プリニルおよびイミダゾピリジニルが挙げられる。
6,6−縮合ヘテロアリール(10員ヘテロアリール)基の例としては、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル(naphthridinyl)(1,5−ナフチリジニル、1,6−ナフチリジニル、1,7−ナフチリジニル、1,8−ナフチリジニル)、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、テトラヒドロキノリニル、シンノリニル、およびプテリジニルが挙げられる。
「オキソ」は、二重結合酸素部分を表し;例えば、炭素原子に直接結合していれば、カルボニル部分(C=O)を形成する。「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OHラジカルを意味するものとする。本明細書で使用する場合、用語「シアノ」は、基−CNを指す。
本明細書で使用する場合、用語「ハロゲン」および「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、ならびにそれぞれフルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを含む。
基に関して「置換された」とは、その基内の員原子と結合した1以上の水素原子が定義された置換基の群から選択される置換基で置換されていることを示す。用語「置換された」は、そのような置換が置換された原子および置換基の許容される価数に従う、ならびにその置換の結果安定な化合物(すなわち、転位、環化、または脱離によるなどの変換を自発的に受けないもの、および反応混合物からの単離に耐えるに十分ロバストであるもの)が生じるという暗黙の規定を含むと理解されるべきである。基が1以上の置換基を含み得ると記載される場合、その基内の1以上(必要に応じて)の員原子が置換されてよい。加えて、その基内の単一の員原子は、そのような置換がその原子の許容される価数に従う限り、2個以上の置換基で置換されてよい。本明細書で好適な置換基は、本明細書では置換されたまたは場合により置換されてよい各基に関して定義される。
用語「独立に」は、2個以上の置換基がいくつかのあり得る置換基から選択される場合に、それらの置換基が同じであっても異なっていてもよいことを意味する。すなわち、各置換基は、列挙されたあり得る置換基の全群から別個に選択される。
本発明はまた、式(I)の化合物の種々の異性体およびそれらの混合物も含む。「異性体」は、同じ組成および分子量を有するが、物理的特性および/または化合的特性が異なる化合物を意味する。構造の違いは、構成(幾何異性体)または偏光面の回転能(立体異性体)の違いであり得る。式(I)に従う化合物は、キラル中心とも呼ばれる1以上の不斉中心を含み、従って、個々の鏡像異性体、ジアステレオ異性体、もしくはその他の立体異性形、またはそれらの混合物として存在し得る。このような異性形は総て、それらの混合物も含めて本発明に含まれる。
キラル中心はまた、アルキル基などの置換基中にも存在してよい。式(I)、または本明細書に示される任意の化学構造中に存在するキラル中心の立体化学が明示されていない場合には、その構造はいずれの立体異性体もおよびそれらのあらゆる混合物も包含することが意図される。よって、1以上のキラル中心を含有する式(I)に従う化合物は、ラセミ混合物、鏡像異性体的に富化された混合物、または鏡像異性体的に純粋な個々の立体異性体として使用してもよい。
1以上の不斉中心を含む式(I)に従う化合物の個々の立体異性体は、当業者に公知の方法により分割され得る。例えば、このような分割は、(1)ジアステレオ異性体塩、複合体もしくはその他の誘導体の形成;(2)立体異性体特異的試薬との選択的反応、例えば、酵素的酸化もしくは還元;または(3)キラル環境中での、例えば、キラルリガンドが結合したシリカなどのキラル支持体上もしくはキラル溶媒の存在下でのガス−液体もしくは液体クロマトグラフィーによって行うことができる。当業者ならば、所望の立体異性体が上記の分離手順の1つによって別の化学実体に変換される場合に、所望の形態を遊離させるためにさらなる工程が必要とされることを認識するであろう。あるいは、特定の立体異性体は、光学的に活性な試薬、基質、触媒もしくは溶媒を用いた不斉合成によるか、またはある鏡像異性体を他へ不斉変換により変換することによって合成され得る。
本発明の範囲内にある化合物に関して、実施例で使用される構造規則は次の通りである:(a)絶対立体化学は構造により規定される;(b)「or」で注釈される場合、立体化学は、分離されているものの未知である;および(c)「&」で注釈される場合、立体化学は相対的であり、ラセミ型である。
本明細書において式(I)の化合物またはその塩という場合には、遊離塩基[もしくは適当であれば酸]としての、またはその塩としての、例えば、その薬学上許容可能な塩としての式(I)の化合物を含むと理解されるべきである。よって、一つの実施形態では、本発明は、式(I)の化合物を対象とする。別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の塩を対象とする。さらなる実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の薬学上許容可能な塩を対象とする。別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物またはその塩を対象とする。さらなる実施形態では、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を対象とする。
式(I)の化合物は、塩基性アミン基およびカルボン酸基の両方を有し、結果として、分子内塩としても知られる両性イオンの形態となり得る。よって、ある実施形態では、式(I)の化合物は両性イオン形態である。
本明細書で使用する場合、「薬学上許容可能な」とは、健全な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激作用、またはその他の問題もしくは合併症なく、妥当な利益/リスク比に見合ってヒトおよび動物の組織との接触に使用するのに好適な化合物、材料、組成物、および投与形を意味する。
薬学上許容可能な塩としては、とりわけ、Berge, J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19に記載されているもの、またはP H Stahl and C G Wermuth編, Handbook of Pharmaceutical Salts; Properties, Selection and Use, Second Edition Stahl/Wermuth: Wiley- VCH/VHCA, 2011 (http://www.wiley.com/WileyCDA/WileyTitle/productCd-3906390519.html参照)に挙げられているものが含まれる。
当業者ならば、式(I)に従う化合物の薬学上許容可能な塩が調製可能であることを認識するであろう。これらの薬学上許容可能な塩は、化合物の最終単離および精製中にin situで、またはその遊離酸もしくは遊離塩基の形態の精製化合物をそれぞれ好適な塩基もしくは酸でそれぞれ処理することによって調製され得る。
式(I)の化合物が2以上の塩基性部分を含む場合には、塩形成の化学量論は、1、2またはそれを超える当量の酸を含み得ると理解される。このような塩は、1、2またはそれを超える酸対イオン、例えば、二塩酸塩を含む。
例えば、対イオンが1を超える酸性部分を含む場合には、準化学量論塩を含め、式(I)の化合物の薬学上許容可能な塩の化学量論形態および非化学量論形態が本発明の範囲内に含まれる。
代表的な薬学上許容可能な酸付加塩としては、限定されるものではないが、4−アセトアミド安息香酸塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、安息香酸塩、重硫酸塩、二酒石酸塩、酪酸塩、エデト酸カルシウム、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩(カンシル酸塩)、カプリン酸塩(デカン酸塩)、カプロン酸塩(ヘキサン酸塩)、カプリル酸塩(オクタン酸塩)、桂皮酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、ジグルコン酸塩、2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩、ジコハク酸塩、ドデシル硫酸塩(エストール酸塩)、エデト酸塩(エチレンジアミン四酢酸塩)、エストール酸塩(ラウリル硫酸塩)、エタン−1,2−ジスルホン酸塩(エジシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、ギ酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸塩)、ゲンチジン酸塩(2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩)、グルコヘプトン酸塩(グルセプト酸塩)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、馬尿酸塩、ヒドラバミン(N,N’−ジ(デヒドロアビエチル)−エチレンジアミン)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩(ナパジシル酸塩)、ナフタレン−2−スルホン酸塩(ナプシル酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、p−アミノベンゼンスルホン酸塩、p−アミノサリチル酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パントテン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルエチルバルビタール酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、ステアリン酸塩、スバセチン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(8−クロロテオフィリン酸塩)、チオシアン酸塩、トリエチオジド、ウンデカン酸塩、ウンデシレン酸塩、および吉草酸塩が挙げられる。
代表的な薬学上許容可能な塩基付加塩としては、限定されるものではないが、アルミニウム、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(TRIS、トロメタミン)、アルギニン、ベネタミン(N−ベンジルフェネチルアミン)、ベンザチン (N,N’−ジベンジルエチレンジアミン)、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、ビスマス、カルシウム、クロロプロカイン、コリン、クレミゾール(1−pクロロベンジル−2−ピロリルジン−1’−イルメチルベンズイミダゾール)、シクロヘキシルアミン、ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、ジエチルトリアミン、ジメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ドーパミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、L−ヒスチジン、鉄、イソキノリン、レピジン、リチウム、リシン、マグネシウム、メグルミン(N−メチルグルカミン)、ピペラジン、ピペリジン、カリウム、プロカイン、キニーネ、キノリン、ナトリウム、ストロンチウム、t−ブチルアミン、および亜鉛が含まれる。
本明細書で使用する場合、用語「式(I)の化合物」は、式(I)に従う1以上の化合物を意味する。式(I)の化合物は固体または液体形態で存在し得る。固体状態では、それは結晶形態もしくは非結晶形態、またはそれらの混合物として存在し得る。当業者ならば、薬学上許容可能な溶媒和物が結晶化の際に結晶格子に溶媒分子が組み込まれた結晶性化合物から形成され得ることを認識するであろう。溶媒和物は、限定されるものではないが、エタノール、イソプロパノール、DMSO、酢酸、エタノールアミン、もしくは酢酸エチルなどの非水性溶媒を含んでよく、またはそれらは結晶格子に組み込まれる溶媒として水を含み得る。結晶格子に組み込まれる溶媒が水である溶媒和物は一般に水和物と呼ばれる。水和物は、化学量論的水和物ならびに種々の量の水を含有する組成物を含む。本発明はこのような総ての溶媒和物を含む。
当業者ならば、その種々の溶媒和物を含め結晶形で存在する本発明の特定の化合物は多形(すなわち、種々の結晶構造で存在する能力)を呈する場合があることをさらに認識するであろう。これらの種々の結晶形は一般に「多形体」として知られる。本発明はこのような総ての多形体を含む。多形体は同じ化学組成を有するが、充填、幾何学的配置、および結晶固体状態の他の記述的特性が異なる。従って、多形体は、形状、密度、硬度、変形性、安定性、および溶解特性などの、異なる物理特性を持ち得る。多形体は一般に、異なる融点、IRスペクトル、およびX線粉末回折図形を示し、同定に使用することができる。当業者ならば、例えば、その化合物の作製に使用される反応条件または試薬を変更または調整することによって、異なる多形体が作製できることを認識するであろう。例えば、温度、圧力、または溶媒を変化させると多形体が得られる。加えて、ある多形体は特定の条件下で別の多形体に自発的に変換し得る。
本発明はまた、式(I)および下記に列挙されたものと同一であるが、1以上の原子が自然界に通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子で置換されているという事実に関して、同位体標識化合物も含む。本発明の化合物およびそれらの薬学上許容可能な塩に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素、および塩素の同位体、例えば、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125が挙げられる。
前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物および前記化合物の薬学上許容可能な塩も本発明の範囲内にある。本発明の同位体標識化合物、例えば、3H、14Cなどの放射性同位体が組み込まれているものは、薬物および/または基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム化、すなわち、3H、および炭素−14、すなわち、14C同位体は、それらの調製のしやすさおよび検出能のために特に好ましい。11Cおよび18F同位体はPET(陽電子放射断層撮影法)において特に有用であり、125I同位体はSPECT(単光子放射コンピューター断層撮影法)において特に有用であり、総てが脳撮像法において有用である。さらに、重水素、すなわち2Hなどのより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えば、in vivo半減期の延長または用量要求の低減をもたらすある種の治療的利点を与え得るので、状況によっては好ましいことがある。本発明の式(I)および下記の同位体標識化合物は一般に、非同位体標識試薬を容易に入手可能な同位体標識試薬に置き換えることにより、以下のスキームおよび/または実施例に開示される手順を行うことで調製することができる。
代表的な実施形態
一つの実施形態は、式(I):
[式中、
Bは、ベンゾトリアゾリル、フェニル、トリアゾロピリジニル、−O(CH
2)−トリアゾリルまたは−(CH
2)
2−トリアゾリルであり、前記ベンゾトリアゾリル、フェニル、トリアゾロピリジニル、−O(CH
2)−トリアゾリルもしくは−(CH
2)
2−トリアゾリルはそれぞれ非置換であるか、または−C
1−3アルキル、−O−C
1−3アルキル、CN、−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−OR
4およびハロから独立に選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換され;
Dは、−C(O)OH、−C(O)NR
6R
7、−C(O)NHSO
2CH
3、−SO
2NHC(O)CH
3、5−(トリフルオロメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−2−イル、−NR
6−C(O)−R
7、−NR
6−C(O)−NR
6R
7;−NR
6−C(O)−O−R
7またはテトラゾリルであり;
R
1は独立に、水素、−OH、−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキルOR’、F、−C
3−6スピロシクロアルキル、オキセタンであるか、または2個のR
1基は、それらが結合している炭素と一緒になってシクロプロピル基を形成し;
R’は、水素または−C
1−3アルキルであり;
R
2は、水素、−C
1−4アルキル、−CF
3、またはハロであり;
R
3は、−(CH
2)
mであり;
R
4は、水素または−C
1−3アルキルであり;
あるいは、R
2が−C
1−4アルキルである場合、R
3は−(CH
2)
m−であり、かつ、mは2または3であり、R
2およびR
3は一緒になって、それらが結合しているフェニル環と縮合したシクロアルキル環を形成し;
Aは、
であり;
R
5は、水素、−C
1−5アルキルまたは−(CH
2)
n−C
3−5シクロアルキルであり;
R
6は、水素または−C
1−4アルキルであり;
R
7は、水素、−C
1−5アルキル、−C
3−7シクロアルキル、−C
4−8ヘテロシクロアルキル、−C
1−5アルコキシ、−C
1−3アルキル−O−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−NH−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−SO
2C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−C
4−8ヘテロシクロアルキル、−C
1−3アルキル−C(O)NR
4R
6、またはヘテロアリールであり、ここで、−C
1−5アルキル、−C
3−7シクロアルキル、−C
4−7ヘテロシクロアルキル、−C
1−5アルコキシ、−C
1−3アルキル−O−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−NH−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−C(O)NR
4R
6、もしくはヘテロアリールのそれぞれは非置換であるか、または−OH、−CO
2H、−C(O)NR
4R
6、−C(O)OR
4、−N−C(O)−C
1−3アルキル、F、−CN、−CH−F
2、−CF
3、−(CH
2)
n−O−(CH
2)
m−CH
3、および−C
3−7シクロアルキル、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する5〜6員ヘテロアリール環から選択される1もしくは2個の置換基で置換され;
あるいはR
6およびR
7は、それらが結合している窒素原子と一緒になって5〜8員複素環式環、8〜11員二環式複素環式環または9〜10員架橋二環式複素環式環を形成し、ここで、各5〜8員環、8〜11員二環式環、または9〜10員架橋二環式環は、場合により1個の−C(O)または1個の−S(O)
2を含んでよく、かつ、各5〜8員環、8〜11員二環式環、または9〜10員架橋二環式環は、場合により、1、2もしくは3個の酸素環原子、1、2もしくは3個の硫黄環原子、または1、2もしくは3個の窒素環原子を含んでよく、かつ、各5〜8員環、8〜11員二環式環、もしくは9〜10員架橋二環式環は非置換であるか、または−C
1−5アルキル、−C
3−7シクロアルキル、−C
4−7ヘテロシクロアルキル、−(CH
2)フェニル、ハロゲン、−NR
3R
4、−CHF
2、−CF
3、および−(CH
2)
n−O−(CH
2)
m−CH
3から独立に選択される1、2もしくは3個の置換基で置換され;
R
8は、水素または−C
1−4アルキルであり;
R
9は、水素または−C
1−4アルキルであり;
mは、1、2または3であり;
nは、0、1、2または3であり;かつ
Xは、独立にCHまたはNである]
の化合物またはその薬学上許容可能な塩である。
一つの実施形態では、式(I)の化合物は、次のように置換される:
Bは、ベンゾトリアゾリル、フェニル、トリアゾロピリジニル、−O(CH
2)−トリアゾリルまたは−(CH
2)
2−トリアゾリルであり、前記ベンゾトリアゾリル、フェニル、トリアゾロピリジニル、−O(CH
2)−トリアゾリルもしくは−(CH
2)
2−トリアゾリルはそれぞれ非置換であるか、または−C
1−3アルキル、−O−C
1−3アルキル、CN、−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−OR
4およびハロから独立に選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換され;
Dは、−C(O)OH、−C(O)NR
6R
7、−C(O)NHSO
2CH
3、−SO
2NHC(O)CH
3、5−(トリフルオロメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−2−イル、またはテトラゾリルであり;
R
1は独立に、水素、−OH、−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキルOR’、F、−C
3−6スピロシクロアルキル、オキセタンであるか、または2個のR
1基は、それらが結合している炭素と一緒になってシクロプロピル基を形成し;
R’は、水素または−C
1−3アルキルであり;
R
2は、水素、−C
1−4アルキル、−CF
3、またはハロであり;
R
3は、−(CH
2)
mであり;
R
4は、水素または−C
1−3アルキルであり;
あるいは、R
2が−C
3−4アルキルである場合、R
3は−(CH
2)
m−であり、かつ、mは2または3であり、R
2およびR
3は一緒になって、それらが結合しているフェニル環と縮合したシクロアルキル環を形成し;
Aは、
であり;
R
5は、水素、C
1−5アルキルまたは−(CH
2)
n−C
3−5シクロアルキルであり;
R
6は、水素または−C
1−4アルキルであり;
R
7は、水素、−C
1−5アルキル、−C
3−7シクロアルキル、−C
4−8ヘテロシクロアルキル、−C
1−5アルコキシ、−C
1−3アルキル−O−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−NH−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−SO
2C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−C
4−8ヘテロシクロアルキル、−C
1−3アルキル−C(O)NR
3R
4、またはヘテロアリールであり、−C
1−5アルキル、−C
3−7シクロアルキル、−C
4−7ヘテロシクロアルキル、−C
1−5アルコキシ、−C
1−3アルキル−O−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−NH−C
1−3アルキル、−C
1−3アルキル−C(O)NR
3R
4、もしくはヘテロアリールのそれぞれは非置換であるか、または−OH、−C(O)、−N−C(O)−C
1−3アルキル、F、CN、−CH−F
2、−CF
3、−(CH
2)
n−O−(CH
2)
m−CH
3、および−C
3−7シクロアルキルから選択される1もしくは2個の置換基で置換され;
あるいはR
6およびR
7は、それらが結合している窒素原子と一緒になって5〜8員複素環式環、8〜11員二環式複素環式環または9〜10員架橋二環式複素環式環を形成し、ここで、5〜8員環、8〜11員二環式環、または9〜10員架橋二環式環は、場合により1個の−C(O)または1個の−S(O)
2を含んでよく、かつ、各5〜8員環、8〜11員二環式環、または9〜10員架橋二環式環は、場合により1、2もしくは3個の酸素環原子、1、2もしくは3個の硫黄環原子、または1、2もしくは3個の窒素環原子を含んでよく、かつ、各5〜8員環、8〜11員二環式環、もしくは9〜10員架橋二環式環は非置換であるか、または−C
1−5アルキル、−C
3−7シクロアルキル、−C
4−7ヘテロシクロアルキル、−(CH
2)フェニル、ハロゲン、−NR
3R
4、−CHF
2、−CF
3、および−(CH
2)
n−O−(CH
2)
m−CH
3から独立に選択される1、2もしくは3個の置換基で置換され;
R
8は、水素または−C
1−4アルキルであり;
R
9は、水素または−C
1−4アルキルであり;
mは、1、2または3であり;
nは、0、1、2または3であり;かつ、
Xは独立に、CHまたはNである、
またはその薬学上許容可能な塩。
一つの実施形態では、式(I)の化合物は、次のように置換される:
Bは、非置換であるかまたは−C
1−3アルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換されたベンゾトリアゾリルであり;
Dは、−C(O)OHであり;
R
1は独立に、水素または−C
1−3アルキルであり;
R
2は、メチルまたはクロロであり;
R
3は、−(CH
2)
mであり;
Aは、
であり;
R
5は、−C
1−5アルキルまたは−(CH
2)
n−C
3−5シクロアルキルであり;
R
8は、水素またはメチルであり;
R
9は、水素またはメチルであり;
mは、1であり;
nは、0または1であり;かつ
Xは、CHである、
またはその薬学上許容可能な塩。
本発明は以上に記載される実施形態および特定の基の総ての組合せを包含すると理解されるべきである。
本発明の化合物の具体例は下記を含む:
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4−メチル−3−オキソ−1,4−(S)−3−(3−((4−シクロプロピル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸;
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4−メチル−3−オキソ−1,4−(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−((6,6−ジメチル−3−オキソ−4−プロピル−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸;
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4−メチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン酸;
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4−メチル−3−オキソ−1,4−(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−((4−エチル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸;
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−((6−エチル−4−メチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸;
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン酸,0.3ギ酸塩;
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン酸;
3−(3−((4−シクロブチル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸;
3−(3−((4−(シクロプロピルメチル)−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸;
rel−3S−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(rel−(R)−3−(4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸;
rel−3S−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(rel−(S)−3−(4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸;
rel−(3R)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(3−(4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸;
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(3−(4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸;
3−((1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メトキシ)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン酸;
3−(4−クロロ−3−((6,6−ジメチル−3−オキソ−4−プロピル−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸;および
3−(4−クロロ−3−((4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸;
またはその薬学上許容可能な塩。
化合物の製造
当業者ならば、本明細書に記載の置換基が本明細書に記載の合成方法に適合しなければ、その置換基はその反応条件に安定な好適な保護基で保護してよいことを認識するであろう。保護基は所望の中間体または目的化合物を得るための一連の反応の適切な時点で除去することができる。好適な保護基ならびにこのような好適な保護基を用いて種々の置換基を保護および脱保護するための方法は当業者に周知であり、その例はT. Greene and P. Wuts, Protecting Groups in Chemical Synthesis (第3版), John Wiley & Sons, NY (1999)に見出すことができる。いくつかの例では、置換基は、使用する反応条件下で反応性のあるように特に選択することができる。これらの状況下で、これらの反応条件は、選択された置換基を中間化合物として有用であるかまたは目的化合物において所望の置換基である別の置換基に変換する。
一般式(I)の化合物およびそれらの薬学上許容可能な誘導体および塩の合成は、下記のスキーム1〜12に概略を示すように達成することができる。以下の説明において、基は特に断りのない限り式(I)の化合物に関して上記で定義された通りである。略号は実施例の節に定義される。出発材料は市販されているかまたは市販の出発材料から当業者に公知の方法を用いて作製される。
条件:a)DPPA、TEA、t−BuOH;b)NaH、R1I、DMF;c)TFA、DCM;d)NBS、DMF;e)SnCl2−2H2O、EtOH;f)NaNO2、H2SO4
スキーム1は、トリアゾール7の製造の一般スキームを示す。スキーム1において、R
1はC
1−3アルキルまたは−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−OR
4である。市販の3−メチル−2−ニトロ安息香酸で始め、DPPAを用いたクルチウス転位により中間体2が得られる。当業者には、化合物2が適当なアニリン化合物から製造可能であることが認識されるであろう。ヨウ化アルキルを用いたこのカルバメートのアルキル化により中間体3が得られる。TFAを用いたアミンの脱保護およびNBSを用いた臭素化により中間体5が得られる。ニトロのアニリンへの還元およびジアゾ化および環化により必要なトリアゾール7が得られる。
条件:a)n−BuLi、DMF、THF b)NaH、PMBCl、DMF c)t−BuLiまたはn−BuLi、THF d)TiCl4、DCM(または)(i)DBU、Cl3CCN、CH3CN;ii)Tf2NH、iii)DDQ、DCM/H2O e)SO2Cl、DCM f)R13H、DIPEA、CH3CN;(または)R13H、NaH、DMF g)LiOH、MeOH、THF。
スキーム2は、式(I)に従う(amLording to Formula (I))化合物の製造の一般スキームを表す。スキーム2において、R2およびAは従前に定義される通りである。トリアゾール1は市販されているか、または容易に入手可能な材料から合成され得る。反応条件はスキームに上記される通りであるが、当業者は、使用する反応条件および/または試薬において特定の改変が可能であることを認識するであろう。
トリアゾール1を好適な溶媒の存在下でn−ブチルリチウムおよびDMFで処理すると、所望のアルデヒド生成物2が得られる。アルデヒド2のカップリング相手は、まず、ベンジルアルコール3をそのパラメトキシベンジルエーテルとして保護することによって得られる。別の保護基も可能であることが認識されるであろう。アルデヒド2とブロミド4のカップリングは、ブロミドをまずt−ブチルリチウムまたはn−ブチルリチウムで処理した後にアルデヒドを添加することによって達成する(amLomplished)ことができる。しかしながら、当業者は、置換フェニルアルデヒドなどの他のアルデヒドも適用可能であることを認識するであろう。中間体アルコール6は、アルコール5をルイス酸の存在下、適当なシリルケトンアセタールで処理するか、ワンポットブレンステッド塩基/ブレンステッド酸系とその後のDDQによる脱保護によって生じる。ベンジルアルコール6は、塩化チオニルを用いて必要なクロリド7に変換することができる。合成の完了は、クロリドの置換とその後のエステルの加水分解による8の生成によって達成することができる。また、中間体5はブロミド1をアルデヒド9とカップリングすることによって製造され得ることも認識されるであろう。
条件:a)NaBH4、MeOH、THF;b)PMBCl、NaH;c)n−BuLi、DMF;d)t−BuLi、4、THF;e)(i)Cl3CCN、DBU、アセトニトリル;(ii)Tf2NH、Me2C=C(OR2)OTMS、アセトニトリル;f)DDQ;g)デス・マーチン・ペルヨージナン、DCM;h)キラルSFC;(i)NaBH4、MeOH;j)(i)SOCl2、DCM;(ii)A、K2CO3、NaI、アセトニトリル;k(iii)NaOH、MeOH/H2O
スキーム3は、式(I)に従う(amLording to Formula (I))化合物の製造の一般スキームを表す。スキーム2において、R2およびAは従前に定義される通りである。6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン1は市販されている。トリアゾール5は市販されているか、または容易に入手可能な材料から合成され得る。反応条件はスキームに上記される通りであるが、当業者は、使用する反応条件および/または試薬において特定の改変が可能であることを認識するであろう。
市販のインダノン1で出発し、NaBH
4で還元すると、所望のアルコール中間体2が生成する。中間体2ヒドロキシル基は、NaHおよびPMBClで処理することによりPMBエーテルとして保護してよく、中間体3が得られる。当業者には、保護基は変更可能であり、PMBに限定されないことが認識されるであろう。ブチルリチウムおよびDMFで処理することにより中間体3を必要なアルデヒドにさらに変換すると、中間体4が得られる。4と5のカップリングは、5をt−ブチルリチウムおよび中間体4で処理することによって達成され、アルコール6が形成する。アルコール6は、まずCl
3CCNおよびDBUで、次いで、Tf
2NHの存在下、必要な市販のシリルケトンアセタールで処理することによって7に変換された(coverted)。中間体7をDDQで脱保護すると、中間体8が形成された。8をデス・マーチン・ペルヨージナンで酸化するとアルコール9が得られ、次に、キラルSFCにより分割して単一の鏡像異性体として純粋な異性体10を得た。中間体10をNaBH4で還元するとアルコール11が得られた。中間体11をまずSOCl
2、次いで、ラクタムAおよびK
2CO
3、NaIで処理した後、NaOHで加水分解するとラセミ酸が形成され、次にこれにキラルSFCを行い、所望の酸が単一の異性体12として得られた。
条件:a)NH4OH;b)K2CO3、THF/H2O;c)t−BuOK、DMSO
スキーム4は、スルホンアミド5の製造の一般スキームを表す。ここで、出発材料として示されている(R)−2−エチルオキシランおよび置換2−フルオロベンゼン−1−スルホニルクロリドは市販されている。反応条件はスキームに上記される通りであるが、当業者は、使用する反応条件および/または試薬において特定の改変が可能であることを認識するであろう。(R)−2−エチルオキシランのエポキシド開環により、単一の鏡像異性体として純粋な2が得られる。塩基性条件下、適当なアミノアルコールを用いたスルホンアミドの形成により中間体4が得られ、次いで、フルオリド3をカリウムtert−ブトキシドに置き換えることによって必要な中間体5が得られる。
条件:a)Boc)2O、DCM b)TEMPO、KBr、NaHCO3、NaOCl、DCM C)アミン、NaCNBH3、ACOH、MeOH d)Et3N、2−塩化クロロアセチル、DCM e)NaH、DMF f)HCl、ジオキサン、DCM
スキーム5は、式(I)に従う(amLording to Formula (I))化合物の製造の一般スキームを表す。3−アミノ−2,2−ジメチルプロパン−1−オール1は市販されている。反応条件はスキームに上記される通りであるが、当業者は、使用する反応条件および/または試薬において特定の改変が可能であることを認識するであろう。
アミン1をそのBocカルバメートとしての保護し、次いで、TEMPOを用いてアルコールをアルデヒドに酸化すると中間体3が得られる。適当なアミンを用いた還元的アミノ化により化合物4が得られる。化合物4をトリエチルアミンの存在下で塩化2−クロロアセチルと反応させると化合物5が得られる。環化はNaHで上手くいき、ラクタム6が得られる。HClでBoc基を除くとラクタム7が塩酸塩として得られる。
条件:a)Et3N、2−塩化クロロアセチル、THF b)NaH、DMF c)HCl、ジオキサン、DCM
スキーム6は、化合物1−メチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩の製造の一般スキームを表す。(3−(メチルアミノ)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル1は市販されている。反応条件はスキームに上記される通りであるが、当業者は、使用する反応条件および/または試薬において特定の改変が可能であることを認識するであろう。市販の出発材料1をトリエチルアミンの存在下で塩化2−クロロアセチルでアルキル化すると化合物2が得られる。塩基としてNaHを用いて環化するとラクタム3が得られる。Boc基をHClで脱保護するとラクタム4が塩酸塩として得られる。
条件:a)(Boc)2O、DCM;b)K2CO3、2−ニトロベンゼン−1−スルホニルクロリド、DCM;c)R5I、K2CO3、DMF、90℃;d)PhSH、K2CO3、DMF;e)Et3N、塩化2−クロロアセチル、DCM;f)NaH、DMF;g)HCl、ジオキサン、DCM
スキーム7は、式(I)に従う(amLording to Formula (I))化合物の製造の一般スキームを表す。2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン1は市販されている。反応条件はスキームに上記される通りであるが、当業者は、使用する反応条件および/または試薬において特定の改変が可能であることを認識するであろう。モノアミン1をそのBocカルバメートとして保護し、次いで、塩基性条件下で2−ニトロベンゼン−1−スルホニルクロリドを用いてスルホンアミドを形成させると化合物3が得られる。化合物3を高温下、入手可能な適当なヨウ化アルキルで処理すると化合物4が得られ、次いで、脱保護するとアミン5が得られる。化合物5をトリエチルアミンの存在下で塩化2−クロロアセチルと反応させると化合物6が得られる。環化はNaHで上手くいき、ラクタム7が得られ、次にこれをHClで脱保護すると、ラクタム8を塩酸塩として得ることができる。
条件:a)ヨードエタン、臭化テトラブチルアンモニウム、K2CO3;b)ラネー−Ni、Boc無水物、MeOH;c)HCl、ジオキサン、DCM
スキーム8は、6−エチル−1−メチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩の製造の一般スキームを表す。マロノニトリル1は市販されている。反応条件はスキームに上記される通りであるが、当業者は、使用する反応条件および/または試薬において特定の改変が可能であることを認識するであろう。マロノニトリルを塩基性条件下、ヨードエタンで処理すると化合物2が得られる。水素化とその後の精製を補助するためのBoc保護により化合物3が生成する。Boc基をHClで除去するとジアミン4が塩酸塩として得られる。上記のスキーム8と同じ手順に従い、ラクタム6−エチル−1−メチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩が生成され得る。
スキーム9は、式(I)に従う化合物の製造の一般スキームを表す。R
1 R
2、およびR
6は従前に定義される通りである。市販のカルボン酸33をBH
3・Me
2Sのような好適な還元剤で還元すると中間体22が得られる。中間体23は、強塩基およびR
2に関して定義されているような好適な保護基を用いた22のアルキル化により製造される。中間体26は、DCM中デス・マーチン・ペルヨージナンを用いたアセチレンアルコールの酸化によって製造される。当業者ならば、また、この変換を行うために他の好適なアルコール酸化法を用いることも想定できるであろう。次に、23に対して金属ハロゲン交換反応を行い、その後、アルデヒド26を加えると第2級ベンジルアルコール24が得られる。このベンジルアルコール26のブロミド27への変換は、トリフェニルホスフィンおよび四臭化炭素などのブロミド源を用いて達成される。27を、イソブチレートから誘導されたものなどのエノラートと反応させると、立体障害エステル28が得られる。1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)などの添加剤の使用がこの反応の有効性を向上させ得る。TMS保護アセチレンを含むジアルキル化エステル28は、炭酸カリウム水溶液で脱シリル化し、アジ化ナトリウムおよびヨウ化エチルを銅触媒とともに用いたクリック反応を行うと、29などのトリアゾールを得ることができる。保護されたベンジルアルコールを硝酸セリウムアンモニウムで脱保護すると30を得ることができる。当業者ならば、また、この反応を行うために他の好適な酸化または酸性法を用いることも想定できるであろう。ベンジルクロリド31は、塩化チオニルなどの塩素化試薬を用いたベンジルアルコールの活性化によって製造される。次に、第二級アミンまたはスルホンアミドなどの好適な求電子物質でクロリドを置換すると32が得られる。
条件:a)p−ジオキサン中4M HCl;b)キラルSFC;c)NaBH4、MeOH d)SOCl2、DCM;e)(i)K2CO3、NaI、MeCN/THF;(ii)NaOH、MeOH/H2O;(iii)キラルSFC
スキーム10は、式(I)に従う化合物の製造の一般スキームを表す。出発材料1および3はそれぞれスキーム6およびスキーム3に従って合成される。反応条件はスキームに上記される通りであるが、当業者は、使用する反応条件および/または試薬において特定の改変が可能であることを認識するであろう。Boc保護ラクタムアミン1をp−ジオキサン中4M HClで処理すると、対応するアミンHCl塩2が得られる。ラセミビスアリールインダノン3をキラルSFCでキラル分割すると、両方の鏡像異性体4が得られる。各鏡像異性体4をNaBH
4で処理するとヒドロキシインダン5が得られ、これをさらにSOCl
2で処理すると、対応するクロリド6が得られる。このビスアリールインダンクロリド6を、MeCN/THF中、上記のラクタムアミン2およびK
2CO
3、NaIと反応させると、対応するラクタムアミン置換ビスアリールインダンエステルが得られる。このエステルをMeOH/H
2O中NaOHでさらに加水分解し、次いで、キラルSFC分割を行うと、目的生成物7が得られる。
条件:a)BH3−Me2S、THF;b)NaH、DMF、PMB−Cl;c)nBuLi、THF、DMF;d)(i)1−メチルイミダゾール、((1−メトキシ−2−メチルプロパ−1−エン−1−イル)オキシ)トリメチルシラン、LiCl、DMF、(ii)NaOH、KHF2、H2O、HCl;e)3−ブロモプロパ−1−イン、NaH、DMF;f) DDQ、DCM/H2O
スキーム11は、式(I)に従う化合物の製造の一般スキームを表す。反応条件はスキームに上記される通りであるが、当業者は、使用する反応条件および/または試薬において特定の改変が可能であることを認識するであろう。ボラン−硫化メチル錯体の溶液を用い、カルボン酸1をTHF中でベンジルアルコールに還元すると2を得ることができる。強塩基および好適な保護基を用いたアルコールのアルキル化により中間体3が得られる。n−ブチルリチウムおよびDMFを用いたこのブロミドのホルミル化により4が得られる。中間体5は、アルデヒド4を、塩化リチウムの存在下、適当なシリルケテンアセタールで処理することによって生じる。中間体6は、このアルコールを水素化ナトリウムのような強塩基で処理し、次いで、3−ブロモプロパ−1−インを添加することによって製造され得る。ベンジルアルコールの脱保護はDDQなどの酸化試薬を用いて達成し、7を得ることができる。
条件:a)EtI、NaN3、CuI、i−PrOH/THF/H2O;b)SOCl2、DCM;c)(i)DIEA、DMF;(ii)NaOH、MeOH/H2O
スキーム12は、式(I)に従う化合物の製造の一般スキームを表す。スキーム13において、R2、R6およびAは従前に定義される通りである。出発材料1および4はそれぞれスキームおよびスキーム6に従って合成される。反応条件はスキームに上記される通りであるが、当業者は、使用する反応条件および/または試薬において特定の改変が可能であることを認識するであろう。i−PrOH/THF/H2O中、EtI、NaN3、CuI、DIEAを用いた出発材料エーテル結合アルキン1のクリックケミストリーの適用により、対応するエーテル結合トリアゾール2が得られた。このエーテル結合トリアゾールベンジルアルコール2をSOCl2で処理すると、対応する塩化ベンジル3が得られた。塩化ベンジル3をDMF中、ラクタムアミン4およびDIEAと反応させると、対応するラクタムアミン置換エーテル結合ビスアリールエステルが得られた。このエステルをMeOH/H2O中NaOHでさらに加水分解すると、目的生成物5が得られた。
生物活性
上述のように、式Iに従う化合物はNrf2アクチベーターであり、COPD、喘息、ALI、ARDS、線維症、慢性および急性喘息、環境暴露続発性肺疾患、急性肺感染症、慢性肺感染症、α1アンチトリプシン病、嚢胞性線維症、自己免疫疾患、糖尿病性腎症、慢性腎疾患、敗血症誘発性急性腎障害、急性腎障害(AKI)、腎移植の際に見られる腎疾患または機能不全、肺動脈性高血圧症、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、心不全、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、心筋修復、心臓リモデリング、心不整脈、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、フリードライヒ運動失調症(FA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、炎症性腸疾患、結腸癌、新生血管(萎縮型)AMDおよび新生血管(滲出型)AMD、眼損傷、フックス変性症(FECD)、ブドウ膜炎または他の炎症性眼病態(condtions)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、毒素誘発性肝疾患(例えば、アセトアミノフェン誘発性肝疾患)、ウイルス性肝炎、硬変、乾癬、皮膚炎/放射線の局所的影響、放射線被曝による免疫抑制、子癇前症、および高所病を含む呼吸器系および非呼吸器系障害などの酸化ストレス成分を呈するヒト疾患の治療または予防に有用である。
式Iに従う化合物の生物活性は、候補化合物のNrf2拮抗薬としての活性を決定するための任意の好適なアッセイ、ならびに組織およびin vivoモデルを用いて決定することができる。
式(I)の化合物の生物活性は下記の試験によって実証される。
BEAS−2B NQO1 MTTアッセイ
DTジアホラーゼとも呼ばれるNAD(P)H:キノンオキシドレダクターゼ1(NQO1)は、キノンの強制的NAD(P)H依存性二電子還元を触媒し、一電子還元から生じるフリーラジカルおよび反応性酸素種の毒性および新生物作用から細胞を保護するホモ二量体FAD含有酵素である。NQO1の転写はNRF2によって微調節され、従って、NQO1活性は、NRF2の活性化の良好なマーカーである。1日目に、冷凍BEAS−2B細胞(ATCC)を水浴中で解凍し、計数し、250,000細胞/mLの濃度で再懸濁させる。50マイクロリットルの細胞を384ウェル黒色透明底プレートに播種する。プレートを37℃、5%CO2で一晩インキュベートする。2日目に、プレートを遠心分離し、50nLの化合物または対照を細胞に加える。次に、プレートを37℃、5%CO2で48時間インキュベートする。4日目に、プレートから培地を吸引し、粗細胞溶解液は、10mLの溶解バッファー当たり13uLの1×Cell Signaling Technologies溶解バッファーを1錠のComplete,Mini,EDTA不含プロテアーゼ阻害剤タブレット(Roche)とともに加えることにより作製する。溶解後、プレートを室温で20分間インキュベートした。Cell Titer Gloアッセイ(Promega)で使用するために2マイクロリットルの溶解液を取り出し、NQO1活性の測定のためにMTTカクテルを調製する(Prochaska et. al. 1998)。50マイクロリットルのMTTカクテルを各ウェルに加え、プレートを遠心分離し、Envisionプレートリーダー(Perkin Elmer)にて吸光度570nm標識を用いて30分間分析する。生成物の形成を動力学的に測定し、NQO1比活性誘導のpEC50を、化合物濃度の対数に対して吸光度の変化(ΔOD/分)をプロットした後に3パラメーターフィッティングを行うことによって計算する。
pEC50は、EC50の負の対数である。
本明細書に記載の総ての例がBEAS−2B細胞においてNQO1特異的酵素活性を有しており、EC50は特に断りのない限り>10μM〜<1nMの間であった(下表参照)。EC50<1nM(+++++)、EC50 10nM〜1nM(++++)、EC50 10〜100nM(+++)、EC50 100nM〜1μM(++)、EC50 1〜10μM(+)。
使用方法
式(I)の化合物は、COPD、喘息、ALI、ARDS、線維症、慢性喘息、急性喘息、環境暴露続発性肺疾患、急性肺感染症、慢性肺感染症、α1アンチトリプシン病、嚢胞性線維症、自己免疫疾患、糖尿病性腎症、慢性腎疾患、敗血症誘発性急性腎障害、急性腎障害(AKI)、腎移植の際に見られる腎疾患または機能不全、肺動脈性高血圧症、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、心不全、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、心筋修復、心臓リモデリング、心不整脈、駆出率が保たれた心不全、駆出率が低下した心不全、糖尿病性 心筋症、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、フリードライヒ運動失調症(FA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、炎症性腸疾患、結腸癌、新生血管(萎縮型)AMDおよび新生血管(滲出型)AMD、眼損傷、フックス変性症(FECD)、ブドウ膜炎または他の炎症性眼病態、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、毒素誘発性肝疾患(例えば、アセトアミノフェン誘発性肝疾患)、ウイルス性肝炎、硬変、乾癬、皮膚炎/放射線の局所的影響、放射線被曝による免疫抑制、子癇前症、および高所病を含む呼吸器系および非呼吸器系障害の処置において有用であり、前記障害はそれを必要とするヒトに式(I)の化合物を投与することによって処置される。よって、別の側面において、本発明は、このような病態を処置する方法を対象とする。
一つの実施形態では、式(I)の化合物は、COPD、慢性喘息および急性喘息を含む喘息を含む呼吸器系障害の処置において有用である。
一つの実施形態では、式(I)の化合物は、高血圧症、心不全、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、心筋修復、心臓リモデリング、心不整脈、駆出率が保たれた心不全、駆出率が低下した心不全および糖尿病性心筋症の処置において有用である。
本発明の治療方法は、式Iに従う化合物またはその薬学上許容可能な塩の安全かつ有効な量を、それを必要とする患者に投与することを含んでなる。
本明細書で使用する場合、病態に関して「治療」とは、(1)その病態またはその病態の生物学的徴候のうち1以上を改善または予防すること、(2)(a)その病態につながるもしくはその病態の原因である生物学的カスケードの1以上の点、または(b)その病態の生物学的徴候のうち1以上に干渉すること、(3)その病態に関連する症状もしくは影響のうち1以上を軽減すること、または(4)その病態もしくはその病態の生物学的徴候のうちの1以上の進行を緩徐化することを意味する。
当業者ならば、「予防」が絶対的な用語でないことを認識するであろう。医学では、「予防」は、病態もしくはその生物学的徴候の可能性もしくは重症度を実質的に減らすため、またはこのような病態もしくはその生物学的徴候の発生を遅延させるための薬物の予防的投与を意味すると理解される。
本明細書で使用する場合、本発明の化合物または他の薬学上活性な薬剤に関して「安全かつ有効な量」は、健全な医学的判断の範囲内で患者の病態を治療するのに十分であるが、重篤な副作用を回避するのに十分低い化合物の量(妥当な利益/リスク比で)を意味する。化合物の安全かつ有効な量は、選択される特定の化合物(例えば、化合物の効力、有効性、および半減期を考慮);選択される投与経路;治療される病態;治療される病態の重症度;治療される患者の齢、大きさ、体重、および健康状態;治療される患者の病歴;治療の期間;併用療法の性質;所望の治療効果;および類似の因子によって異なるが、やはり当業者によって慣例的に決定できる。
本明細書で使用する場合、「患者」は、ヒトまたはその他の動物を意味する。
本発明の化合物は、全身投与および局所投与の療法を含むいずれの好適な投与経路によって投与してもよい。全身投与としては、経口投与、非経口投与、経皮投与、直腸投与、および吸入による投与が含まれる。非経口投与は、腸内、経皮、または吸入以外の投与経路を意味し、一般に注射または注入による。非経口投与としては、静脈内、筋肉内、および皮下注射または注入が含まれる。吸入は、口腔を介する吸入か鼻腔を介する吸入を問わず、患者の肺への投与を意味する。局所投与としては、皮膚への適用、ならびに眼内、耳内、腟内、および鼻腔内投与が含まれる。
本発明の化合物は、1回で投与してもよいし、または複数の用量が所与の期間に種々の時間間隔で投与される投与計画に従って投与してもよい。例えば、用量は1日に1回、2回、3回、または4回投与してよい。用量は所望の治療効果が達成されるまで、または所望の治療効果を維持するために無期限に投与してよい。本発明の化合物に好適な投与計画は、その化合物の、吸収、分布、および半減期などの薬物動態特性によって決まり、当業者ならば決定することができる。加えて、本発明の化合物の好適な投与計画は、そのような計画が投じられる期間を含め、治療される病態、治療される病態の重症度、治療される患者の齢および健康状態、治療される患者の病歴、併用療法の性質、所望の治療効果、および当業者の知識および専門技術の範囲内の類似の因子によって決まる。このような当業者には、好適な投与計画がその投与計画に対する個々の患者の応答が得られた際に、または個々の患者が変化を必要とする場合には経時的に調整を必要とする場合があることが理解されるであろう。
典型的な1日用量は、選択される特定の投与経路によって異なり得る。経口投与の典型的な用量は、1mg〜1,000mg/人/日の範囲である。好ましい用量は1日1回1〜500mgであり、より好ましくは1〜100mg/人/日である。IV用量は0.1〜1,000mg/日の範囲であり、好ましくは0.1〜500mg/日であり、より好ましくは0.1〜100mg/日である。吸入1日用量は10μg〜10mg/日の範囲であり、好ましくは10μg〜2mg/日、より好ましくは50μg〜500μg/日である。
加えて、本発明の化合物は、プロドラッグとして投与してもよい。本明細書で使用する場合、本発明の化合物の「プロドラッグ」は、患者に投与した際に、in vivoで最終的に本発明の化合物を遊離する本化合物の機能的誘導体である。本発明の化合物のプロドラッグとしての投与は、当業者が以下の1以上を行うことができるようにする:(a)in vivoにおいて本化合物の発現を改変すること;(b)in vivoにおいて本化合物の作用期間を改変すること;(c)in vivoにおいて本化合物の輸送または分布を改変すること;(d)in vivoにおいて本化合物の溶解度を改変すること;および(e)本化合物で直面する副作用または他の問題点を克服すること。プロドラッグを調製するために使用される典型的な機能的誘導体は、in vivoにおいて化学的または酵素的に決断される化合物の修飾を含む。リン酸塩、アミド、エーテル、エステル、チオエステル、炭酸塩、およびカルバミン酸塩の調製を含むこのような修飾は当業者に周知である。
組成物
本発明の化合物は,必ずではないが通常、患者に投与する前に医薬組成物として処方される。よって、別の側面において、本発明は、本発明の化合物と1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤とを含んでなる医薬組成物を対象とする。
本発明の医薬組成物はバルク形態で調製および包装されてよく、この場合、本発明の化合物の安全かつ有効な量が抽出され、その後、粉末またはシロップとともに患者に与えることができる。あるいは、本発明の医薬組成物は単位投与形で調製および包装されてよく、この場合、物理的に別個の各単位は本発明の化合物の安全かつ有効な量を含有する。単位投与形で調製される場合、本発明の医薬組成物は一般に1mg〜1000mgを含有する。
本発明の医薬組成物は一般に、1種類の本発明の化合物を含有する。しかしながら、特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、2種類以上の本発明の化合物を含有する。例えば、特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、2種類の本発明の化合物を含有する。加えて、本発明の医薬組成物は、場合により、1種類以上の付加的な薬学上有効な化合物を含んでなり得る。
本明細書で使用する場合、「薬学上許容可能な賦形剤」は、医薬組成物への形状または稠度の付与に関与する薬学上許容可能な材料、組成物またはビヒクルを意味する。各賦形剤は、混合した際に、患者に投与した場合に本発明の化合物の有効性を実質的に低下させる相互作用および薬学上許容可能でない医薬組成物をもたらす相互作用が回避されるように、その医薬組成物の他の成分と適合しなければならない。加えて、各賦形剤は、当然のことながら、それを薬学上許容可能とするために十分に高純度でなければならない。
本発明の化合物および薬学上許容可能な1または複数の賦形剤は一般に、所望の投与経路による患者への投与に適合した投与形に処方される。例えば、投与形には、(1)錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤、トローチ剤、散剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁液、溶液、エマルション、サシェ剤、およびカシェ剤などの経口投与に適合した投与形;(2)無菌溶液、懸濁液、および再構成用散剤などの非経口投与に適合した投与形;(3)経皮パッチなどの経皮投与に適合した投与形;(4)坐剤などの直腸投与に適合した投与形;(5)ドライパウダー、エアロゾル、懸濁液、および溶液などの吸入に適合した投与形;ならびに(6)クリーム、軟膏、ローション、溶液、ペースト、スプレー、フォーム、およびゲルなどの局所投与に適合した投与形が含まれる。
好適な薬学上許容可能な賦形剤は、選択される特定の投与形によって異なる。加えて、好適な薬学上許容可能な賦形剤は、それらが組成物中で働き得る特定の機能のために選択され得る。例えば、ある種の薬学上許容可能な賦形剤は、均一な投与形の製造を助けるそれらの能力のために選択され得る。ある種の薬学上許容可能な賦形剤は、安定な投与形の製造を助けるそれらの能力のために選択され得る。ある種の薬学上許容可能な賦形剤は、患者に投与された際に本発明の1または複数の化合物をある器官または身体部分から別の器官または身体部分に運搬または輸送するのを助けるそれらの能力のために選択され得る。ある種の薬学上許容可能な賦形剤は、患者のコンプライアンスを高めるそれらの能力のために選択され得る。
好適な薬学上許容可能な賦形剤としては、下記の種の賦形剤:希釈剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、造粒剤、被覆剤、湿潤剤、溶媒、補助溶媒、沈殿防止剤、乳化剤、甘味剤、香味剤、矯味剤、着色剤、固化防止剤、保湿剤(hemectants)、キレート剤、可塑剤、増粘剤、抗酸化剤、保存剤、安定剤、界面活性剤、および緩衝剤が含まれる。当業者ならば、ある種の薬学上許容可能な賦形剤が2つ以上の機能を果たす場合があり、どのくらいの賦形剤が処方物中に存在するか、および他にどんな成分が処方物中に存在するかによって別の機能を果たす場合があることを認識するであろう。
当業者は、本発明で使用するための適当な量で好適な薬学上許容可能な賦形剤を選択できるだけの知識と技量を有する。加えて、薬学上許容可能な賦形剤を記載し、好適な薬学上許容可能な賦形剤の選択に有用であり得る、当業者に利用可能ないくつかの情報源がある。例としては、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company)、The Handbook of Pharmaceutical Additives (Gower Publishing Limited)、およびThe Handbook of Pharmaceutical Excipients (the American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Press)が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、当業者に公知の技術および方法を用いて調製される。当技術分野で慣用される方法のいくつかはRemington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company)に記載されている。
一つの側面では、本発明は、安全かつ有効な量の本発明の化合物と希釈剤または増量剤とを含んでなる、錠剤またはカプセル剤などの固体経口投与形を対象とする。好適な希釈剤および増量剤としては、ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、およびアルファー化デンプン)、セルロースおよびその誘導体(例えば、微晶質セルロース)、硫酸カルシウムおよび第二リン酸カルシウムが含まれる。経口固体投与形は、結合剤をさらに含んでなり得る。好適な結合剤としては、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、およびアルファー化デンプン)、ゼラチン、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、トラガカントガム、グアーガム、ポビドン、およびセルロースおよびその誘導体(例えば、微晶質セルロース)が含まれる。経口固体投与形は、崩壊剤をさらに含んでなり得る。好適な崩壊剤としては、クロスポビドン、グリコール酸ナトリウムデンプン、クロスカルメロース、アルギン酸、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムが含まれる。経口固体投与形は、滑沢剤をさらに含んでなり得る。好適な滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、およびタルクが含まれる。
別の側面では、本発明は、皮下、筋肉内、静脈内または皮内を含む、患者への非経口的投与に適合した投与形を対象とする。非経口投与に適合した医薬処方物としては、抗酸化剤、バッファー、静菌剤、および処方物を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る水性および非水性無菌注射溶液、ならびに沈殿防止剤および増粘剤を含み得る水性および非水性無菌懸濁液が含まれる。これらの処方物は単位用量容器または複数用量容器、例えば、密閉アンプルおよびバイアルで提供されてよく、使用直前に無菌液体担体、例えば、注射水の添加を必要とするだけのフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存してもよい。即時調合注射溶液および懸濁液は、無菌散剤、顆粒剤、および錠剤から調製可能である。
別の側面では、本発明は、吸入による患者への投与に適合した投与形を対象とする。例えば、本発明の化合物は、ドライパウダー、エアロゾル、懸濁液、または溶液として肺に吸入され得る。
吸入による肺送達のためのドライパウダー組成物は、一般に、微粉粉末としての本発明の化合物を微粉粉末としての1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤とともに含んでなる。ドライパウダーで使用するために特に適した薬学上許容可能な賦形剤は当業者に公知であり、ラクトース、デンプン、マンニトール、および単糖、二糖、および多糖を含む。
本発明に従って使用するためのドライパウダー組成物は、吸入装置を介して投与される。一例として、このような装置は、例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジ、または例えばラミネートアルミ箔のブリスターを包含し得る。種々の実施形態では、各カプセル、カートリッジまたはブリスターは、本明細書に示される教示に従った組成物の用量を含有し得る。吸入装置の例としては、本明細書に示される装置の総てを含め、単位用量または複数用量の送達に意図されるものを含み得る。一例として、複数用量送達の場合には、処方物は予め計量可能である(例えば、Diskus(登録商標)の場合、GB2242134、米国特許第6,032,666号、同第5,860,419号、同第5,873,360号、同第5,590,645号、同第6,378,519号および同第6,536,427号を参照、またはDiskhalerの場合、GB2178965、2129691および2169265、米国特許第4,778,054号、同第4,811,731号、同第5,035,237号参照)か、または使用時に計量される(例えば、Turbuhalerの場合、EP69715、または米国特許第6,321,747号に記載の装置)。単位用量装置の一例は、Rotahaler(GB2064336参照)である。一つの実施形態では、Diskus(登録商標)吸入装置は、その長さに沿って複数の凹部がとられたベースシートと、各容器がその中に本化合物を場合により本明細書に教示される他の賦形剤および添加剤とともに含有する吸入可能な処方物を備えた複数の容器を画定するために、前記ベースシートに対して剥離可能に封止されたリッドシートとから形成される細長いストリップを含んでなる。この剥離可能なシールは特注シールであり、一つの実施形態では、この特注シールは気密性シールである。好ましくは、このストリップは、巻いてロールとするのに十分に柔軟である。このリッドシートとベースシートは好ましくは、互いに封止されない先端部分を有し、それらの先端部分のうち少なくとも一つは巻き上げ手段に取り付けられるように構成される。また、好ましくは、ベースシートとリッドシートの間のこの特注シールは、それらの全幅を超えて延長する。リッドシートは好ましくは、ベースシートの初端から長手方向にベースシートから剥がされ得る。
ドライパウダー組成物はまた、その組成物の2つの異なる成分の個別包含を可能とする吸入装置で提供してもよい。よって、例えば、これらの成分は同時に投与可能であるが、別々に、例えば、WO03/061743A1、WO2007/012871A1および/またはWO2007/068896、ならびに米国特許第8,113,199号、同第8,161,968号、同第8,511,304号、同第8,534,281号、同第8,746,242号および同第9,333,310号に記載されているように、例えば、別個の医薬組成物で保存される。
一つの実施形態では、成分の個別包含を可能とする吸入装置は、例えばELLIPTA(登録商標)に見られるように、2つの剥離可能なブリスターストリップを備え、各ストリップはその長さに沿って配置されたブリスターポケット、例えば、各ブリスターストリップ内の複数の容器の中に予め計量された用量を含有するという吸入装置である。前記装置は、装置が作動される度に各ストリップのポケットを剥離開封し、各ストリップのそれぞれ新たに露出される用量が、その装置のマウスピースと連絡するマニホールドに隣接するようにブリスターを位置させる。患者がマウスピースで吸入すると、各用量は同時にその結合ポケットからマニホールドへ引き出され、マウスピースを経て患者の気道へ入る。異なる成分の個別包含を可能とするさらなる装置は、InnovataのDUOHALER(商標)である。加えて、吸入装置の種々の構造が、装置からの1または複数の医薬組成物の、同時送達に加えて逐次または個別送達を提供する。
エアロゾルは、本発明の化合物を液化噴射剤中に懸濁または溶解させることによって形成され得る。好適な噴射剤としては、ハロ炭素、炭化水素、およびその他の液化ガスが含まれる。代表的な噴射剤としては、トリクロロフルオロメタン(噴射剤11)、ジクロロフルオロメタン(噴射剤12)、ジクロロテトラフルオロエタン(噴射剤114)、テトラフルオロエタン(HFA−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFA−152a)、ジフルオロメタン(HFA−32)、ペンタフルオロエタン(HFA−12)、ヘプタフルオロプロパン(HFA−227a)、ペルフルオロプロパン、ペルフルオロブタン、ペルフルオロペンタン、ブタン、イソブタン、およびペンタンが含まれる。本発明の化合物を含んでなるエアロゾルは一般に、定量吸入器(metered dose inhaler)(MDI)を介して患者に投与される。このようなデバイスは当業者に公知である。
エアロゾルは、界面活性剤、滑沢剤、補助溶媒およびその他の賦形剤など、処方物の物理的安定性を向上させるため、バルブ性能を向上させるため、溶解度を高めるため、または味を改善するために複数用量吸入器とともに一般に併用される付加的な薬学上許容可能な賦形剤を含有し得る。
本発明の化合物を含んでなる懸濁液および溶液はまた、ネブライザーを介して患者に投与されてもよい。噴霧化に使用される溶媒または懸濁剤は、水、生理食塩水、アルコールまたはグリコール、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど、またはそれらの混合物といった薬学上許容可能ないずれの液体であってもよい。生理食塩水は、投与後に薬理活性をほとんどまたは全く示さない塩を使用する。アルカリ金属塩もしくはアンモニウムハロゲン塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム)などの両有機塩、またはカリウム、ナトリウムおよびアンモニウム塩などの有機塩、または例えば、アスコルビン酸、クエン酸、酢酸、酒石酸などの有機酸がこの目的で使用できる。
他の薬学上許容可能な賦形剤を前記懸濁液または溶液に加えてもよい。本発明の化合物は、無機酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸および/もしくはリン酸;有機酸、例えば、アスコルビン酸、クエン酸、酢酸、および酒石酸など;錯化剤、例えば、EDTAもしくはクエン酸およびそれらの塩;またはビタミンEもしくはアスコルビン酸などの抗酸化剤の添加によって安定化され得る。これらは、本発明の化合物を安定化させるために単独で使用しても併用してもよい。塩化ベンザルコニウムまたは安息香酸およびそれらの塩などの保存剤を添加してもよい。特に、懸濁液の物理的安定性を向上させるために界面活性剤を添加してもよい。これらには、レシチン、ジオクチルスルホコハク酸二ナトリウム、オレイン酸およびソルビタンエステルが含まれる。
式(I)の化合物およびその薬学上許容可能な塩は、アレルギー性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患の予防または治療に有用であり得る1以上の他の薬剤、例えば、抗原免疫療法、抗ヒスタミン薬、コルチコステロイド(例えば、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、二プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フロ酸モメタゾン、トリアムシノロン、フルニソリド)、NSAID、ロイコトリエンモジュレーター(例えば、モンテルカスト、ザフィルルカスト、プランルカスト)、iNOS阻害剤、トリプターゼ阻害剤、IKK2阻害剤、p38阻害剤、Syk阻害剤、エラスターゼ阻害剤などのプロテアーゼ阻害剤、インテグリン拮抗薬(例えば、β−2インテグリン拮抗薬)、アデノシンA2a作動薬、クロモグリク酸ナトリウムなどのメディエーター放出阻害剤、5−リポキシゲナーゼ阻害剤(ジフロ)、DP1拮抗薬、DP2拮抗薬、PI3Kδ阻害剤、ITK阻害剤、LP(リゾホスファチジン)阻害剤またはFLAP(5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質)阻害剤(例えば、3−(3−(tert−ブチルチオ)−1−(4−(6−エトキシピリジン−3−イル)ベンジル)−5−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)−1H−インドール−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸ナトリウム)、気管支拡張薬(例えば、ムスカリン性拮抗薬、β−2作動薬)、メトトレキサート、および類似の薬剤;モノクローナル抗体療法、例えば、抗IgE、抗TNF、抗IL−5、抗IL−6、抗IL−12、抗IL−1および類似の薬剤;サイトカイン受容体療法、例えば、エタネルセプトおよび類似の薬剤;抗原非特異的免疫療法(例えば、インターフェロンまたはその他のサイトカイン/ケモカイン、ケモカイン受容体モジュレーター,例えば、CCR3、CCR4またはCXCR2拮抗薬、その他のサイトカイン/ケモカイン作動薬または拮抗薬、TLR作動薬および類似の薬剤)と併用可能である。
好適には、喘息の処置には、本発明の化合物または医薬処方物は、例えばコルチコステロイドなどの抗炎症薬、またはその医薬処方物とともに投与してよい。例えば、本発明の化合物は、コルチコステロイドなどの抗炎症薬とともに、吸入用のドライパウダー処方物などの単一の処方物中に製剤化してよい。あるいは、本発明の化合物を含んでなる医薬処方物は、コルチコステロイドなどの抗炎症薬を含んでなる医薬処方物とともに、同時または逐次のいずれかで投与してよい。一つの実施形態では、本発明の化合物を含んでなる医薬処方物およびコルチコステロイドなどの抗炎症薬を含んでなる医薬処方物をそれぞれ、吸入による両処方物の同時投与に好適な装置に保持させてもよい。
本発明の化合物とともに投与するのに好適なコルチコステロイドとしては、限定されるものではないが、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(beclomethasone diproprionate)、ブデソニド、シクレソニド、フロ酸モメタゾン、トリアムシノロン、フルニソリドおよびプレドニシロン(prednisilone)が含まれる。本発明の一つの実施形態では、吸入により本発明の化合物とともに投与するためのコルチコステロイドとしては、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(beclomethasone diproprionate)、ブデソニド、シクレソニド、フロ酸モメタゾン、およびフルニソリドが含まれる。
好適には、COPDの処置には、本発明の化合物または医薬処方物は、1以上の気管支拡張薬またはその医薬処方物とともに投与してよい。例えば、本発明の化合物は、1以上の気管支拡張薬とともに、吸入用のドライパウダー処方物などの単一の処方物中に製剤化してよい。あるいは、本発明の化合物を含んでなる医薬処方物は、1以上の気管支拡張薬を含んでなる医薬処方物とともに、同時または逐次のいずれかで投与してよい。さらなる選択肢では、本発明の化合物と気管支拡張薬を含んでなる処方物は、さらなる気管支拡張薬を含んでなる医薬処方物とともに投与してよい。一つの実施形態では、本発明の化合物を含んでなる医薬処方物および1以上の気管支拡張薬を含んでなる医薬処方物はそれぞれ、吸入による両処方物の同時投与に好適な装置に保持させてもよい。さらなる実施形態では、気管支拡張薬とともに本発明の化合物を含んでなる医薬処方物およびさらなる気管支拡張薬を含んでなる医薬処方物はそれぞれ、吸入による両処方物の同時投与に好適な1以上の装置に保持させてもよい。
本発明の化合物とともに投与するために好適な気管支拡張薬としては、限定されるものではないが、β2−アドレナリン受容体作動薬および抗コリン作動薬が含まれる。β2−アドレナリン受容体作動薬の例としては、例えば、ビランテロール、サルメテロール、サルブタモール、フォルモテロール、サルメファモール、フェノテロール カルモテロール、エタンテロール、ナミンテロール、クレンブテロール、ピルブテロール、フレルブテロール、レプロテロール、バムブテロール、インダカテロール、テルブタリンおよびその塩、例えば、サルメテロールのキシナホ酸(1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸)塩、サルブタモールの硫酸塩またはフォルモテロールのフマル酸塩が含まれる。好適な抗コリン作動薬としては、ウメクリジニウム(例えば、臭化物として)、イプラトロピウム(例えば、臭化物として)、オキシトロピウム(例えば、臭化物として)およびチオトロピウム(例えば、臭化物として)が含まれる。本発明の一つの実施形態では、本発明の化合物は、ビランテロールなどのβ2−アドレナリン受容体作動薬、およびウメクリジニウムなどの抗コリン作動薬とともに投与してよい。
これらの化合物はまた、シクロスポリン、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、プレドニゾン、アザチオプリン、シロリムス、ダクリズマブ、バシリキシマブおよびOKT3を含む、移植を補助する薬剤とも併用可能である。
それらはまた、糖尿病に対する薬剤:メトホルミン(ビグアニド)、メグリチニド、スルホニル尿素、DPP−4阻害剤、チアゾリジンジオン、αグルコシダーゼ阻害剤、アミリン模倣剤、インクレチン模倣剤およびインスリンとも併用可能である。
これらの化合物は、利尿剤、ACE阻害剤、ARBS、カルシウムチャネル遮断薬、およびβ遮断薬などの抗高血圧薬と併用可能である。
本発明の一つの実施形態は、1または2種類の他の治療薬を含んでなる組合せを包含する。適当であれば、他の1または複数の治療成分は、その治療成分の活性および/または安定性および/または物理的特性、例えば溶解度を至適化するために塩、例えば、アルカリ金属塩もしくはアミン塩または酸付加塩、またはプロドラッグ、またはエステル、例えば、低級アルキルエステル、または溶媒和物、例えば、水和物の形態で使用されてよいことが当業者には自明である。また、適当であれば、治療成分は光学的に純粋な形態で使用されてよいことも自明である。
上記で言及した組合せは、医薬処方物の形態で使用するために提供され得ることが好都合であり、従って、上記で定義された組合せを薬学上許容可能な希釈剤または担体とともに含んでなる医薬処方物は、本発明のさらなる側面に相当する。
このような組合せの個々の化合物は、別個のまたは組合せられた医薬処方物で逐次または同時に投与され得る。一つの実施形態では、個々の化合物は組合せ医薬処方物で同時に投与される。既知の治療薬の適当な用量は当業者には容易に認識される。
よって、本発明は、さらなる側面において、本発明の化合物の組合せを別の治療上有効な薬剤とともに含んでなる医薬組成物を提供する。
以下の実施例で本発明を説明する。これらの実施例は本発明の範囲を限定することを意図せず、本発明の化合物、組成物、および方法を製造および使用するために当業者に指針を与える。本発明の特定の実施形態が記載されるが、当業者ならば、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく種々の変更および改変が行えることを認識するであろう。
温度は総て摂氏度で示し、溶媒は総て利用可能な最高純度であり、反応は総て、要すれば、アルゴン(Ar)または窒素(N2)雰囲気中、無水条件下で行う。
AnaltechシリカゲルGFおよびE.Merckシリカゲル60 F−254薄層プレートを薄層クロマトグラフィーに使用した。フラッシュおよび重力の両クロマトグラフィーは、E. Merck Kieselgel 60(230〜400メッシュ)シリカゲルで行った。本適用で精製に使用したCombiFlash(登録商標)システムはIsco,Inc.から購入した。CombiFlash(登録商標)精製は、プレパックシリカゲルカラム、UV波長254nmを備えた検出器および種々の溶媒または溶媒の組合せを用いて行った。
分取HPLCは、可変波長UV検出を用いるGilson分取システムまたは質量検出および可変波長UV検出の両方を用いるAgilent Mass Directed AutoPrep(MDAP)システムまたはUV/PDA検出を用いるWaters分取システムまたはShimadzu PREP LC 20APを用いて行った。種々の逆相カラム、例えば、Luna 5m C18(2) 100A、SunFire C18、XBridge C18、Atlantics T3を、精製に使用する条件に依存するカラム支持体を選択して精製に使用した。本化合物はCH3CNおよび水の勾配を用いて溶出する。中性条件はCH3CNおよび水の勾配を改質剤の添加無く使用し、酸性条件は酸改質剤、0.1%TFA(CH3CNおよび水の両方に添加)または0.1%ギ酸を使用し、塩基性条件は塩基性改質剤、0.1%NH4OH(水に添加)または10mM重炭酸アンモニウムを使用した。
分析的HPLCは、0.02または0.1%TFA改質剤(各溶媒に添加)を含むCH3CNおよび水勾配を用いる逆相クロマトグラフィーを用い、可変波長UV検出を備えたAgilentシステム、Shimadzu/Sciex LCMSを用いて行った。LC−MSは、PE Sciexシングル四重極150EX LC−MS、またはWaters ZQシングル四重極LC−MSまたはAgilent 1200系SL(検出器:Agilent 6140シングル四重極およびAgilent 1200 MWD SL)機のいずれかを用いて測定した。本化合物は、0.02%TFAもしくは0.1%ギ酸などの酸改質剤または5mM重炭酸アンモニウム(アンモニア水でpH10に調整)などの塩基改質剤を低パーセンテージで含むCH3CNおよび水の勾配用いて溶出する逆相カラム、例えば、Thermo Hypersil Gold C18を用いて分析した。明示されている場合、「酸性法」は、Waters Acquity UPLC HSS C18;1.8μ;2.1×50mm 50℃を用いた、水およびCH3CN中0.1%ギ酸(1.8分 流速0.9mL/分)を意味し、「塩基性法」は、Waters Acquity UPLC BEH C18;1.7μ;2.1×50mm 50℃を用いた、95:5 H2O+0.1%NH4OH:CH3CN(pH=9.4)および水勾配(1.8分 流速0.9mL/分)を意味し、「一晩塩基性法」は、Waters Acquity UPLC BEH C18;1.7μ;2.1×50mm 50℃を用いた、95:5 H2O+0.1%NH4OH:CH3CN(pH=9.4)および水勾配(16分 流速0.8mL/分)を意味する。
分取キラルSFCは、Thar/Waters分取SFCシステムを一波長UV検出またはPDA検出器とともに使用して行った。種々のキラルSFCカラム、例えば、Chiralpak IA、IC、AY、AD、OD、OJ、C2を精製に使用した。本化合物は、超臨界流体CO2および補助溶媒、例えば、MeOH、EtOH、IPA、および化合物の選択性に基づいた種々の比でのこれら溶媒の組合せを用いて溶出する。改質剤(0.1%のTFA、NH4OH、DEA)が必要に応じて使用される。
分析的キラルSFCは、Thar/Waters SFCシステムを可変波長UV検出またはPDA検出器とともに用いて行った。種々のキラルSFCカラム、例えば、Chiralpak IA、IB、IC、ID、AY、AD、AS、CCL4を精製に使用した。本化合物は、超臨界流体CO2および補助溶媒、例えば、MeOH、EtOH、IPA、および化合物の選択性に基づいた種々の比でのこれら溶媒の組合せを使用して溶出する。改質剤(0.1%のTFA、NH4OH、DEA)が必要に応じて使用される。
セライト(登録商標)は、酸で洗浄した珪藻土シリカから構成される濾過助剤であり、Manville Corp.、デンバー、コロラド州の登録商標である。Isolute(登録商標)は、官能基を有するシリカゲルに基づく吸着剤であり、Biotage AB Corp.、スウェーデンの登録商標である。
核磁気共鳴スペクトルは、Bruker AVANCE 400またはBrucker DPX400またはVarian MR400 400MHz分光計を用いて400MHzで記録した。CDCl3はジュウテリオクロロホルムであり、DMSO−D6はヘキサジュウテリオジメチルスルホキシドであり、MeODはテトラジュウテリオメタノールであり、CD2Cl2はジュウテリオジクロロメタンである。化学シフトは、内部標準テトラメチルシラン(TMS)から低磁場側へ100万分の1(δ)で報告するか、またはNMR溶媒(例えば、CDCl3中CHCl3)中の残余プロトンシグナルに対して較正する。NMRデータの略号は次の通りである:s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、dd=二重の二重線、dt=二重の三重線、app=明瞭、br=幅広。Jは、ヘルツで測定されたNMR結合定数を示す。
マイクロ波照射による反応混合物の加熱は、Biotage Initiator(登録商標)またはCEMマイクロ波反応器にて行い、一般に高吸光度設定を用いた。
ポリマーに基づく官能基(酸、塩基、金属キレーターなど)を含有するカートリッジまたはカラムを化合物の後処理の一部として使用できる。酸性反応混合物または生成物を中和または塩基性化するためには、「アミン」カラムまたはカートリッジを使用する。これらには、Applied Separationsから入手可能なNH2アミノプロピルSPE−ed SPEカートリッジおよびUnited Chemical Technologies,Inc.から入手可能なジエチルアミノSPEカートリッジを含まれる。
実施例1
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4−メチル−3−オキソ−1,4−(S)−3−(3−((4−シクロプロピル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸
ジクロロメタン(DCM)(1000mL)中、3−メチル−2−ニトロ安息香酸(100g、552mmol)の溶液に、25℃で塩化オキサリル(72.5mL、828mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を、CH2Cl2(100mL)に溶解させた。溶媒を周囲温度で水酸化アンモニウム(1000mL、7704mmol)に加え、30分間撹拌した。次に、この反応混合物を酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濃縮し、67g(60.6%)の標題化合物を得た。LC−MS m/z 181.1(M+H)+、1.40(保持時間)。
水(12mL)中、NaOH(2.220g、55.5mmol)の混合物に、0℃でBr2(0.322mL、6.26mmol)を加えた。次に、3−メチル−2−ニトロベンズアミド(1g、5.55mmol)を一度に加え、この混合物を水浴中でゆっくり温めた。この材料はすぐに暗色になり、50〜55℃(内部温度)で油滴が分離し始めた。温度を徐々に70℃に上げ、この温度で1時間維持した。4mLの水中、0.7gの水酸化ナトリウムの溶液をゆっくり加え、さらに1時間、温度を80℃に上げた。反応物を周囲温度に冷却し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濃縮し、0.7g(90%)の標題化合物を得た。LC−MS m/z 153.1(M+H)+、1.65(保持時間)。
NBS(51.5g、289mmol)、3−メチル−2−ニトロアニリン(44g、289mmol)および酢酸(450mL)の混合物を110℃で1時間撹拌した。この混合物を周囲温度に冷却し、水(100mL)に注いだ。固体を回収し、55g(78%)の標題化合物を得た。LC−MS m/z 230.9(M+H)+、1.78(保持時間)。
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(200mL)中、4−ブロモ−3−メチル−2−ニトロアニリン(20g、87mmol)の溶液に、25℃でNaH(3.81g、95mmol)を加えた。この反応混合物を25℃で30分間撹拌した。次に、ヨードメタン(12.90g、91mmol)を加えた。この反応混合物を12時間撹拌した。この反応混合物を水に注ぎ、固体を回収し、18g(59.4%)の標題化合物を得た。LC−MS m/z 247.0(M+H)+、1.90(保持時間)。
4−ブロモ−N
1
,3−ジメチルベンゼン−1,2−ジアミン
エタノール(600mL)中、4−ブロモ−N,3−ジメチル−2−ニトロアニリン(30g、122mmol)の溶液に、塩化スズ(II)(93g、490mmol)を加えた。この反応混合物を75℃で2時間撹拌した。次に、溶媒を、40%NaOHを使用することによりpH=14に調整した。これを酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濃縮し、26g(39.5%)の標題化合物を得た。
5−ブロモ−1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール
0℃で17mlの10%H2SO4中、4−ブロモ−N1,3−ジメチルベンゼン−1,2−ジアミン(30g、139mmol)に、亜硝酸ナトリウム(13.47g、195mmol)を20分かけて少量ずつ加えた。この反応混合物をさらに30分間撹拌した後、200mLの水を加えた。生じた沈澱を濾取し、水で洗浄し、乾燥させた。母液を16時間静置したところ、第2バッチの沈澱が生じ、これを従前のように回収した。合わせた固体を、酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物10g(21.57%)を得た。LC−MS m/z 226.0(M+H)+、1.71(保持時間)。
(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)(3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−4−メチルフェニル)メタノール
−78℃、窒素雰囲気下で、テトラヒドロフラン(THF)(108ml)中、5−ブロモ−1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(3.91g、17.31mmol)の溶液に、tert−ブチルリチウム(19.52mL、33.2mmol)を滴下し、30分間撹拌した。次に、テトラヒドロフラン(THF)(36.1ml)中、3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−4−メチルベンズアルデヒド(3.9g、14.43mmol)の溶液を滴下し、−78℃で1.5時間撹拌し、次いで、周囲温度に温め、さらに1時間撹拌した。この溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を加えた。同規模の反応を並行して行った。これらの2バッチを合わせ、この混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を洗浄し(ブライン)、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、溶媒を濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(8.8g、21.08mmol、収率73.0%)を得た。LC/MS:m/z 418.0(M+H)+、1.11分(保持時間)。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ= 7.76 - 7.69 (m, 1H), 7.34 (s, 2H), 7.24 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.21 - 7.12 (m, 2H), 6.87 (d, J=8.3 Hz, 2H), 6.27 (s, 1H), 4.49 (d, J=5.0 Hz, 4H), 4.29 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 2.81 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 2.07 (s, 1H)
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル
周囲温度で、アセトニトリル(263ml)中、(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)(3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−4−メチルフェニル)メタノール(8.8g、21.08mmol)の溶液に、2,2,2−トリクロロアセトニトリル(4.23ml、42.2mmol)およびDBU(0.146ml、1.054mmol)を順次加え、45分間撹拌した。次に、((1−メトキシ−2−メチルプロパ−1−エン−1−イル)オキシ)トリメチルシラン(9.19g、52.7mmol)、次いで、1,1,1−トリフルオロ−N−((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(0.593g、2.108mmol)を加え、この溶液を周囲温度で2時間撹拌した。この反応物を飽和重炭酸ナトリウム(10mL)で急冷し、DCM(3×15mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をジクロロメタン(DCM)(263mL)に再溶解させた。水(15.19mL、843mmol)を加え、この溶液を0℃に冷却し、4,5−ジクロロ−3,6−ジオキソシクロヘキサ−1,4−ジエン−1,2−ジカルボニトリル(9.57g、42.2mmol)を加えた。この溶液を0℃で1時間撹拌した。この反応物を飽和重炭酸ナトリウム(10mL)で急冷し、DCM(3×15mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(6.9g、18.09mmol、収率86%)を得た。LC/MS:m/z 382.0(M+H)+、1.00分(保持時間)。
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸(S)−メチルおよび3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸(R)−メチル
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル(4.5g、11.80mmol)をキラルSFCクロマトグラフィーにより分離し、異性体3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸1−(S)−メチル(1.4g、3.49mmol、29.6%)および異性体3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸2−(R)−メチル(1.1g、2.74mmol、23.22%)を得た。
3−(3−(クロロメチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸(S)−メチル
周囲温度で、ジクロロメタン(10mL)中、3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸(S)−メチル(710mg、1.861mmol)の溶液に、塩化チオニル(0.272mL、3.72mmol)を加えた。この反応物を40分間撹拌した。得られた混合物を濃縮し、標題化合物(750mg、1.875mmol、収率101%)を得た。LC−MS m/z 400.2(M+H)+、1.21分(保持時間)
(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
ジクロロメタン(DCM)(200mL)中、3−アミノ−2,2−ジメチルプロパン−1−オール(25g、242mmol)の溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(56.3mL、242mmol)を滴下した。これを周囲温度で4時間撹拌した。この反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。これを、n−ヘキサン中15%酢酸エチルを溶媒として用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(35g、172mmol、収率71.0%)を灰白色固体として得た。LCMS:m/z 204.00(M+)+、1.82分(保持時間)
(2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
ジクロロメタン(DCM)(200mL)中、(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(30g、148mmol)の溶液に、TEMPO(3.46g、22.14mmol)およびKBr(18.45mL、36.9mmol)を加えた。この反応混合物を−10℃に冷却した。別のフラスコで、重炭酸ナトリウム(74.4g、885mmol)を次亜塩素酸ナトリウム溶液(250mL、365mmol)に溶解させ、0.78Mに緩衝させたNaOCl溶液を得た。この溶液から25mL(1.5当量)を、この反応混合物に加え、16時間撹拌した。有機相を分離し、水層をDCM(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(80mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗化合物を得た。これをn−ヘキサン中15%酢酸エチルで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(17g、63.4mmol、収率42.9%)を灰白色固体として得た。LCMS:m/z 202.17(M+H)+,1.94分(保持時間)
(3−(シクロプロピルアミノ)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、メタノール(1.000mL)および酢酸(9mL)中、(2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(7g、34.8mmol)の溶液に、シクロプロパンアミン(2.184g、38.3mmol)を加えた。この反応混合物を0℃で1時間撹拌した。次に、NaCNBH4(4.37g、69.6mmol)を0℃で加え、周囲温度で16時間撹拌した。この反応物を10%NaHCO3溶液(15mL)で急冷し、DCM(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(60mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、EtOAc:ヘキサン(4:6)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(7g、21.78mmol、収率62.6%)を得た。LCMS:m/z 243.1(M+H)+、5.64分(保持時間)
(3−(2−クロロ−N−シクロプロピルアセトアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、ジクロロメタン(DCM)(100mL)中、(3−(シクロプロピルアミノ)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(15g、61.9mmol)の溶液に、TEA(17.25mL、124mmol)および塩化クロロアセチル(7.44mL、93mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で4時間撹拌した。この反応混合物をDCM(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(80mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物(14g、34.8mmol、収率56.2%)を淡黄色の液体として得た。LCMS:m/z 319.18(M+H)+、2.40分(保持時間)
4−シクロプロピル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(100mL)中、(3−(2−クロロ−N−シクロプロピルアセトアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(14g、34.8mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(1.518g、34.8mmol)を少量ずつ加えた。この反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。この反応混合物を氷冷水に注ぎ、EtOAC(2×80mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物を得、これを、EtOAc:ヘキサン(4:6)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(7g、22.69mmol、収率65.2%)を淡黄色の液体として得た。LCMS: m/z 283.24(M+H)+、2.12分(保持時間)
1−シクロプロピル−6,6−ジメチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩
0℃で、1,4−ジオキサン(5mL)中、4−シクロプロピル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(14g、45.4mmol)の溶液に、1,4ジオキサン中4M HCl(30ml、120mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。この反応混合物を濾過し、ジエチルエーテル(10ml)で洗浄し、標題化合物(3.285g、14.44mmol、収率31.8%)を得た。LCMS:m/z 183.2(M+H)+、3.144(保持時間)
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4−メチル−3−オキソ−1,4−(S)−3−(3−((4−シクロプロピル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸
アセトニトリル(3mL)中、3−(3−(クロロメチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸(S)−メチル(70mg、0.175mmol)、1−シクロプロピル−6,6−ジメチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩(38.3mg、0.175mmol)およびDIEA(0.122mL、0.700mmol)の混合物をBiotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1時間加熱した。溶媒を濃縮し、得られた残渣をメタノール(3.00mL)に再溶解させ、2M LiOH(0.525mL、1.050mmol)を加え、この反応物をBiotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1.5時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物を1N HClでpH1前後に酸性化し、1mLのDMSOを加え、濃縮した。このサンプルを濾過し、中性分取HPLCで精製し、標題化合物(59mg、0.111mmol、収率63.4%)を白色固体として得た。LC−MS m/z 532.2(M+H)+、0.93分(保持時間)
実施例2
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4−メチル−3−オキソ−1,4−(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−((6,6−ジメチル−3−オキソ−4−プロピル−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸
(2,2−ジメチル−3−(2−ニトロ−N−プロピルフェニルスルホンアミド)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(150mL)中、(2,2−ジメチル−3−(2−ニトロフェニルスルホンアミド)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル(15g、38.7mmol)の溶液に、炭酸カリウム(8.03g、58.1mmol)および1−ヨードプロパン(13.16g、77mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。この反応物を水(20mL)で急冷し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、標題化合物(14g、32.4mmol、収率84%)を得た。LC−MS m/z 430.23(M+H)+、2.68分(保持時間)
(2,2−ジメチル−3−(プロピルアミノ)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(120mL)中、(2,2−ジメチル−3−(2−ニトロ−N−プロピルフェニルスルホンアミド)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル(14g、32.6mmol)の溶液に、炭酸カリウム(6.76g、48.9mmol)およびチオフェノール(10.07mL、98mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。この反応物を1N HClでpH=1となるように急冷し、次いで、EtOAc(2×30mL)で抽出した。水層を1N NaOHでpH=14で塩基性とし、次いで、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を冷水およびブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、標題化合物を得た(7g、28.6mmol、収率88%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δppm 0.87 - 0.95 (m, 9 H), 1.42 - 1.47 (m, 11 H), 2.42 (s, 2 H), 2.54 (t, J = 7.02 Hz, 2 H), 2.88-3.0 (m, 2 H), 5.93 (br s, 1 H)
(3−(2−クロロ−N−プロピルアセトアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、ジクロロメタン(DCM)(70mL)中、(2,2−ジメチル−3−(プロピルアミノ)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル(7g、28.6mmol)の溶液に、塩化2−クロロアセチル(6.47g、57.3mmol)およびトリエチルアミン(7.98mL、57.3mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。この反応物を水(15mL)で急冷し、DCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。これを、石油エーテル中18%EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(8g、21.69mmol、収率76%)を褐色の液体として得た。LC−MS m/z 321.07(M+H)+、3.76分(保持時間)
6,6−ジメチル−3−オキソ−4−プロピル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(50mL)中、(3−(2−クロロ−N−プロピルアセトアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(7g、21.82mmol)の溶液に、NaH(2.86g、65.5mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で6時間撹拌した。反応物を冷水(30mL)で急冷し、EtOAc(2×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。これを、石油エーテル中10%EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(3.8g、12.94mmol、収率59.3%)を褐色の液体として得た。LC−MS m/z 285.11(M+H)+、2.55分(保持時間)
6,6−ジメチル−1−プロピル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩
0℃で、1,4−ジオキサン(30mL)中、6,6−ジメチル−3−オキソ−4−プロピル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(4.3g、15.12mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中4M HCl(9.4ml、37.6mmol)を加えた。次に、この反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。この反応混合物を濃縮した。粗化合物をジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物(2.4g、10.61mmol、収率70.2%)を灰白色固体として得た。LC−MS m/z 185.03(M+H)+、3.19分(保持時間)
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4−メチル−3−オキソ−1,4−(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−((6,6−ジメチル−3−オキソ−4−プロピル−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸
アセトニトリル(3mL)中、3−(3−(クロロメチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸(S)−メチル(70mg、0.175mmol)、6,6−ジメチル−1−プロピル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩(38.6mg、0.175mmol)およびDIEA(0.122mL、0.700mmol)の混合物を、Biotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物をメタノール(3.00mL)に再溶解させ、2M LiOH(0.525mL、1.050mmol)を加え、この反応物をBiotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1.5時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物を1N HClでpH1前後に酸性化し、1mL DMSOを加え、濃縮した。このサンプルを濾過し、中性分取HPLCで精製し、標題化合物(69mg、0.129mmol、収率73.9%)を白色固体として得た。LC−MS m/z 534.2(M+H)+、0.97分(保持時間)
実施例3
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4−メチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン酸
(3−(2−クロロ−N−メチルアセトアミド)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル
ジクロロメタン(DCM)(100mL)中、(3−(メチルアミノ)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル(8g、42.5mmol)の溶液に、TEA(11.85mL、85mmol)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却し、次いで、塩化クロロアセチル(5.11mL、63.7mmol)を滴下した。これを周囲温度で1時間撹拌した。この反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(80mL)で急冷し、DCM(2×80mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(80mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、EtOAc:ヘキサン(3:7)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(7g、24.37mmol、収率57.4%)を淡黄色の液体として得た。LCMS m/z 265.35(M+H)+,1.79分(保持時間)
4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
0℃、窒素雰囲気下で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(70mL)中、(3−(2−クロロ−N−メチルアセトアミド)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル(7g、26.4mmol)の溶液に、NaH(2.115g、52.9mmol)を加えた。これを周囲温度で6時間撹拌した。この反応物を氷冷水(50mL)で急冷した。これをDCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を氷冷水(3×50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、EtOAc:ヘキサン(1:1)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(4g、15.60mmol、収率59.0%)を淡黄色の液体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δppm 1.46 (s, 9 H), 1.85-1.95 (m, 2 H), 2.98 (s, 3 H), 3.32 - 3.42 (m, 2 H), 3.45-3.55 (m, 2 H), 4.02 - 4.30 (m, 2 H)。
0℃で、1,4−ジオキサン(20mL)中、4−メチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(4g、17.52mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で1,4−ジオキサン中4M HCl(8.76mL、35.0mmol)を加えた。これを2時間撹拌した。この反応混合物を濃縮した。この粗材料にジエチルエーテル(40mL)を加え、30分間撹拌した。固体を濾過し、乾燥させ、標題化合物(2.1g、12.45mmol、収率71.1%)を灰白色固体として得た。LCMS m/z 129.2(M+H)+、2.06分(保持時間)
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4−メチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン酸
アセトニトリル(3mL)中、3−(3−(クロロメチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸(S)−メチル(70mg、0.175mmol)、1−メチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩(28.8mg、0.175mmol)およびDIEA(0.122mL、0.700mmol)の混合物を、Biotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物をメタノール(3.00mL)に再溶解させ、2M LiOH(0.525mL、1.050mmol)を加え、この反応物をBiotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1.5時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物を1N HClでpH1前後に酸性化し、1mL DMSOを加え、濃縮した。このサンプルを濾過し、分取HPLC(改質剤として0.1%ギ酸を使用)で精製し、標題化合物(12.7mg、0.027mmol、収率15.19%)を得た。LC−MS m/z 478.2(M+H)+、0.67分(保持時間)
実施例4
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4−メチル−3−オキソ−1,4−(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−((4−エチル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸
(3−アミノ−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、ジクロロメタン(DCM)(500mL)中、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン(80g、783mmol)の溶液に、Boc無水物(91mL、391mmol)を加えた。これを周囲温度で12時間撹拌した。この反応混合物を濃縮した。粗生成物を、MeOH:DCM(1:9)を溶媒として使用することにより、カラムクロマトグラフィー(中性アルミナ)で精製し、標題化合物(50g、247mmol、収率31.6%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δppm 0.85 (s, 6 H), 1.44 (s, 9 H), 2.35 - 2.52 (m, 2 H), 3.00 (br d, J=6.14 Hz, 2 H), 5.16 (br s, 1 H)。
(2,2−ジメチル−3−(2−ニトロフェニルスルホンアミド)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、ジクロロメタン(DCM)(400mL)中、(3−アミノ−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(50g、247mmol)の溶液に、K2CO3(51.2g、371mmol)および2−ニトロベンゼン−1−スルホニルクロリド(54.8g、247mmol)を少量ずつ加えた。これを周囲温度で4時間撹拌した。水(500mL)を加え、およびDCM(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。これを、EtOAc:ヘキサン(3:7)で溶出するカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(51g、129mmol、収率52.2%)を粘着性の液体として得た。LCMS m/z 386.14(M−H)+、3.637分(保持時間)
(3−(N−エチル−2−ニトロフェニルスルホンアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(30mL)中、(2,2−ジメチル−3−(2−ニトロフェニルスルホンアミド)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル(3g、7.74mmol)の溶液に、炭酸カリウム(2.140g、15.49mmol)およびヨウ化エチル(2.503mL、31.0mmol)を加えた。この反応混合物を密閉試験管にて80℃で16時間撹拌した。この反応物を水(10mL)で急冷した。これをEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、標題化合物(2.5g、6.00mmol、収率77%)を得た。LC−MS m/z 416.19(M+H)+、3.76分(保持時間)
(3−(エチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(150mL)中、(3−(N−エチル−2−ニトロフェニルスルホンアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(20.5g、49.3mmol)の溶液に、ベンゼンチオール(15.24mL、148mmol)および炭酸カリウム(10.23g、74.0mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。この反応物を1N HClでpH=1に急冷した。これをEtOAc(2×20mL)で抽出した。水層を1N NaOHでpH=14に塩基性化した。これを酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を冷水およびブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して標題化合物を得、これをそれ以上精製せずに次の工程で使用した(12g、52.1mmol、収率106%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δppm 0.87 - 0.95 (s, 6 H), 1.09 (t, J = 7.13 Hz, 3H), 1.44 (s, 9 H), 2.41 (s, 2 H), 2.61 (q, J = 7.02 Hz, 2 H), 3.01 (br d, J=5.92 Hz, 2 H), 5.72 (br s, 1 H)。
(3−(2−クロロ−N−エチルアセトアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、ジクロロメタン(DCM)(70mL)中、(3−(エチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(12g、52.1mmol)の溶液に、塩化2−クロロアセチル(5.88g、52.1mmol)およびトリエチルアミン(14.52mL、104mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。この反応物を水(15mL)で急冷した。これをDCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中18%EtOAcで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(9g、21.07mmol、収率40.4%)を得た。LC−MS m/z 307.40(M+H)+、2.31分(保持時間)
4−エチル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(90mL)中、(3−(2−クロロ−N−エチルアセトアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(9g、29.3mmol)の溶液に、NaH(3.84g、88mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で6時間撹拌した。この反応物を冷水(10mL)で急冷した。水層をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、28%EtOAc/石油エーテルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(4g、14.09mmol、収率48.0%)を得た。LC−MS m/z 271.0(M+H)+、2.06分(保持時間)
1−エチル−6,6−ジメチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩
0℃で、1,4−ジオキサン(30mL)中、4−エチル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(4g、14.79mmol)の溶液に、ジオキサン中4M HCl(15mL、60.0mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、ジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物(2.6g、12.53mmol、収率85%)を灰白色固体として得た。LC−MS m/z 171.2(M+H)+、2.99分(保持時間)
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4−メチル−3−オキソ−1,4−(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−((4−エチル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸
アセトニトリル(3mL)中、3−(3−(クロロメチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸(S)−メチル(70mg、0.175mmol)、1−エチル−6,6−ジメチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩(36.2mg、0.175mmol)およびDIEA(0.122mL、0.700mmol)の混合物を、Biotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物をメタノール(3.00mL)に再溶解させ、2M LiOH(0.525mL、1.050mmol)を加え、この反応物をBiotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1.5時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物1N HClでpH1前後に酸性化し、1mLのDMSOを加え、濃縮した。このサンプルを濾過し、中性分取HPLCで精製し、標題化合物(60.5mg、0.116mmol、収率66.5%)を白色固体として得た。LC−MS m/z 520.2(M+H)+、0.91分(保持時間)
実施例5
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−((6−エチル−4−メチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸
0℃で、マロノニトリル(15g、227mmol)およびヨードエタン(17.71g、114mmol)の懸濁液に、臭化テトラブチルアンモニウム(1.830g、5.68mmol)を加えた。これを30分間撹拌した。次に、この反応混合物にK2CO3(15.69g、114mmol)を加えた。これを周囲温度で1時間撹拌した。この反応混合物を濃縮した。これを氷水で急冷し、DCMで2回抽出した。有機層を無水Na2SO4下で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、EtOAc:ヘキサン(10:90)を溶媒として用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。溶出画分を真空濃縮し、標題化合物(6g、63.8mmol、収率28.1%)を淡黄色の液体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ3.6 (t, 1H), 2.1 (m, 2H), 1.21 (t, 3H)。
(2−エチルプロパン−1,3−ジイル)ジカルバミン酸ジ−tert−ブチル
メタノール(100mL)中、2−エチルマロノニトリル(12g、128mmol)の溶液に、boc無水物(29.6mL、128mmol)およびラネー−Ni(13.91g、63.8mmol)を加えた。この反応物を90Psiの水素化下で16時間撹拌した。この反応混合物をセライトで濾過した。濾液を減圧下で蒸発させた。粗生成物を、EtOAc:ヘキサン(10:88)を溶媒として使用することによりフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。溶出画分を真空濃縮し、標題化合物(8g、26.5mmol、収率20.75%)を無色の液体として得た。LCMS m/z 303.3(M+H)+、4.95分(保持時間)
0℃で、1,4−ジオキサン(10mL)中、(2−エチルプロパン−1,3−ジイル)ジカルバミン酸ジ−tert−ブチル(12g、39.7mmol)の溶液に、ジオキサン中4M HCl(5mL、20.00mmol)を加えた。これを周囲温度で6時間撹拌した。この反応混合物を濃縮した。粗化合物をジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物(2.2g、20.10mmol、収率50.6%)を粘着性の液体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ3.92-3.82 (m, 4H), 1.9 (m, 1H), 1.4 (m, 2H), 0.85 (t, 3H)。
(2−(アミノメチル)ブチル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、テトラヒドロフラン(THF)(20mL)中、2−エチルプロパン−1,3−ジアミン(2.2g、21.53mmol)の懸濁液に、boc無水物(5.00mL、21.53mmol)を加え、30分間撹拌した。次に、これを周囲温度で1時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、氷水で急冷した。これをDCMで2回抽出した。有機層を無水Na2SO4下で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、MeOH:DCM(9:91)を溶媒として用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。溶出画分を真空濃縮し、標題化合物(1.2g、5.93mmol、収率27.6%)を淡黄色の液体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3), δ5.1 (br, S, 1H), 3.2-3.0 (m, 4H), 1.6 (m, 1H), 1.2 (m, 2H), 0.8 (t, 3H)。
(2−((2−ニトロフェニルスルホンアミド)メチル)ブチル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、ジクロロメタン(DCM)(5mL)中、(2−(アミノメチル)ブチル)カルバミン酸tert−ブチル(600mg、2.97mmol)の懸濁液に、2−ニトロベンゼン−1−スルホニルクロリド(657mg、2.97mmol)およびK2CO3(820mg、5.93mmol)を加え、30分間撹拌した。次に、この反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。この反応物を氷水で急冷し、DCMで2回抽出した。有機層を無水Na2SO4下で乾燥させ、濾過し、濃縮した。これを、EtOAc:ヘキサン(25:75)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(800mg、2.065mmol、収率69.6%)を無色の液体として得た。LCMS m/z 386.14(M−H)−、3.63分(保持時間)
(2−((N−メチル−2−ニトロフェニルスルホンアミド)メチル)ブチル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(10mL)中、(2−((2−ニトロフェニルスルホンアミド)メチル)ブチル)カルバミン酸tert−ブチル(400mg、1.032mmol)の溶液に、K2CO3(214mg、1.549mmol)およびヨウ化メチル(0.084mL、1.342mmol)を加えた。この反応物を周囲温度で4時間撹拌した。この反応物を冷水(10mL)で急冷し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、EtOAc:ヘキサン(3:.7)を溶媒として使用することによりフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(300mg、0.747mmol、収率72.4%)を粘着性の液体として得た。LCMS m/z 402.26(M+H)+、2.48分(保持時間)
(2−((メチルアミノ)メチル)ブチル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(15mL)中、(2−((N−メチル−2−ニトロフェニルスルホンアミド)メチル)ブチル)カルバミン酸tert−ブチル(600mg、1.494mmol)の溶液に、K2CO3(413mg、2.99mmol)およびチオフェノール(0.308mL、2.99mmol)を加えた。この反応物を周囲温度で16時間撹拌した。これを水(10mL)で急冷し、1N HClで酸性化した。これを酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。水層を1N NaOHで塩基性とし、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。有機層をブライン(10mL)で洗浄し、減圧下で濃縮し、標題化合物(250mg、1.156mmol、収率77%)を粘着性の液体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ5.5 (br s, 1H), 3.3 (m, 1H), 3.0 (m, 1H), 2.5 (m, 1H), 2.5 (m, 1H), 2.0 (s, 3H),1.4 (s, 9H),1.2(m, 3H), 0.9 (t, 3H)。
4−((2−クロロ−N−メチルアセトアミド)メチル)ヘキサン酸tert−ブチル
0℃で、ジクロロメタン(DCM)(10mL)中、(2−((メチルアミノ)メチル)ブチル)カルバミン酸tert−ブチル(250mg、1.156mmol)の懸濁液に、TEA(0.322mL、2.311mmol)および塩化クロロアセチル(0.185mL、2.311mmol)を加えた。これを30分間撹拌し、次いで、周囲温度で3時間撹拌した。この反応物を氷水で急冷し、DCM(2×)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、EtOAc:ヘキサン(35:65)を溶媒として使用することによりフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。溶出画分を真空濃縮し、標題化合物(90mg、0.308mmol、収率26.7%)を無色の液体として得た。LCMS m/z 237.1(M−B℃)+、4.25分(保持時間)
6−エチル−4−メチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(5mL)中、4−((2−クロロ−N−メチルアセトアミド)メチル)ヘキサン酸tert−ブチル(90mg、0.308mmol)の懸濁液に、NaH(14.80mg、0.617mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で6時間撹拌した。この反応物を氷水で急冷し、EtOAcで2回抽出した。有機層を氷水で2回、ブライン溶液で洗浄し、無水Na2SO4下で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、EtOAc:ヘキサン(40:60)を溶媒として使用することによりフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。溶出画分を真空濃縮し、標題化合物(40mg、0.139mmol、収率45.1%)を淡黄色の液体として得た。LCMS m/z 201.6(M−B℃)+、4.06分(保持時間)
6−エチル−1−メチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩
0℃で、1,4−ジオキサン(3mL)中、6−エチル−4−メチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(40mg、0.156mmol)の溶液に、ジオキサン中4M HCl(3mL、12.00mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で6時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、n−ペンタンおよびジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物(20mg、0.099mmol、収率63.2%)を粘着性の固体として得た。LCMS m/z 157.2(M+H)+、3.17分(保持時間)
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−((6−エチル−4−メチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸
アセトニトリル(3mL)中、6−エチル−1−メチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩(31.3mg、0.163mmol)、3−(3−(クロロメチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル(65mg、0.163mmol)およびDIEA(0.114mL、0.650mmol)の混合物。この反応混合物を、Biotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物をメタノール(3.00mL)に再溶解させ、2M LiOH(0.488mL、0.975mmol)を加え、この反応物をBiotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物を1N HClでpH1前後に酸性化し、1mLのDMSOを加え、濃縮した。このサンプルを濾過し、分取HPLC(改質剤としてギ酸条件を使用)で精製し、標題化合物(12.6mg、0.025mmol、収率15.33%)を得た。LC−MS m/z 506.2(M+H)+、0.78分(保持時間)
実施例6
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン酸,0.3ギ酸塩
(2,2−ジメチル−3−(N−メチル−2−ニトロフェニルスルホンアミド)プロピル)カルバミン酸tert−ブチルN38084−15−A1
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(100mL)中、(2,2−ジメチル−3−(2−ニトロフェニルスルホンアミド)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル(10g、25.8mmol)の溶液に、炭酸カリウム(5.35g、38.7mmol)を少量ずつ加えた。これを周囲温度で12時間撹拌した。これを水(10mL)で急冷し、DCM(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、EtOAc:ヘキサン(3:.7)を溶媒として用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。溶出画分を真空濃縮し、標題化合物(8g、19.68mmol、収率76%)を粘着性の液体として得た。LC−MS m/z 402.50(M+H)+、2.502分(保持時間)
(2,2−ジメチル−3−(メチルアミノ)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中、(2,2−ジメチル−3−(N−メチル−2−ニトロフェニルスルホンアミド)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル(8g、19.93mmol)の溶液に、K2CO3(2.75g、19.93mmol)およびチオフェノール(2.052mL、19.93mmol)を加えた。これを周囲温度で6時間撹拌した。これを水(10mL)で急冷し、次いで、1N HClで酸性化した。これを酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。水層を1N NaOHで塩基性化し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。第2の有機層をブライン(10mL)で洗浄し、濃縮し、標題化合物(4g、18.49mmol、収率93%)を粘着性の液体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δppm 0.93 (s, 6 H), 1.43 (s, 9 H), 2.86 (d, J = 6.80 Hz, 2 H), 3.16 (s, 3 H), 3.18 - 3.23 (m, 2 H), 5.91 (br s, 1 H)
(3−(2−クロロ−N−メチルアセトアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、ジクロロメタン(DCM)(40mL)中、(2,2−ジメチル−3−(メチルアミノ)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル(4g、18.49mmol)の溶液に、塩化クロロアセチル(1.777mL、22.19mmol)を加えた。これを周囲温度にて窒素下で12時間撹拌した。この反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(20mL)で急冷し、DCM(2×20mL)で抽出した。有機層を濃縮した。粗残渣を、EtOAc:ヘキサン(4:6)を溶媒として用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(4.5g、13.60mmol、収率73.6%)を粘着性の液体として得た。LC−MS m/z 193.0(M−B℃)+、3.426分(保持時間)
4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(40mL)中、(3−(2−クロロ−N−メチルアセトアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(4.2g、14.34mmol)の溶液に、NaH(0.516g、21.52mmol)を少量ずつ加えた。これを周囲温度で6時間撹拌した。これを冷水(100mL)で急冷し、DCM(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。これを、EtOAc:ヘキサン(4:6)を溶媒として用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(1.9g、7.31mmol、収率50.9%)を灰白色固体として得た。LC−MS m/z 257.16(M+H)+、1.907分(保持時間)
1,6,6−トリメチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩
1,4−ジオキサン(5mL)中、4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.345g、5.25mmol)の溶液に、1,4ジオキサン中4M HCl(3.00mL、12.00mmol)を加え、周囲温度で19時間45分撹拌した。1,4ジオキサン中4M HCl(1.312mL、5.25mmol)を加え、47時間撹拌を続けた。これを濃縮し、乾燥させ、標題化合物(0.924g、4.80mmol、91%)を得た。LCMS m/z 156(M+H)+、1.17分(ret time)1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ9.80 (br. s., 1H), 5.24 (br. s., 3H), 3.81 (br. s., 2H), 2.96 (br. s., 2H), 2.91 (s, 2H), 0.99 (s, 6H)
3−(3−(クロロメチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸(S)−メチル
ジクロロメタン(DCM)(10mL)中、3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸(S)−メチル(710mg、1.861mmol)の溶液に、周囲温度で、塩化チオニル(0.272mL、3.72mmol)を加えた。これを40分間撹拌した。これを濃縮し、標題化合物(750mg、1.875mmol、収率101%)を得た。LC−MS m/z 400.2(M+H)+、1.21分(保持時間)
(S)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン酸,0.3ギ酸塩
DCM(2mL)中、4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(103mg、0.400mmol)およびジオキサン中4M HCl(0.200mL、0.800mmol)の混合物を周囲温度で18時間撹拌した。溶媒を濃縮し、粗生成物を1mLのCH3CNに再溶解させ、次いで、アセトニトリル(3mL)中、3−(3−(クロロメチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸(S)−メチル(80mg、0.200mmol)およびDIEA(0.140mL、0.800mmol)の混合物に加えた。この反応混合物をBiotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物をメタノール(3.00mL)に再溶解させ、2M LiOH(0.600mL、1.200mmol)を加え、この反応物をBiotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物を1N HClでpH1前後に酸性化し、1mLのDMSOを加え、濃縮した。このサンプルを濾過し、分取HPLCを用いて中性で精製し、標題化合物(56mg、0.108mmol、収率53.9%)を得た。LC−MS m/z 506.3(M+H)+、0.86分(保持時間)
実施例7
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン酸
3−(3−(クロロメチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル
ジクロロメタン(DCM)(30mL)中、3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル(3.9g、10.22mmol)の溶液に、塩化チオニル(1.492mL、20.45mmol)を加えた。この混合物を40分間撹拌し、次いで、濃縮し、標題化合物(4g、10.00mmol、収率98%)を得た。LC−MS m/z 400.1(M+H)+、1.21分(保持時間)
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン酸
DCM(2mL)中、4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(103mg、0.400mmol)およびジオキサン中4M HCl(0.200mL、0.800mmol)の混合物を周囲温度で18時間撹拌した。溶媒を濃縮し、粗生成物を1mLのCH3CNに再溶解させ、次いで、アセトニトリル(3mL)中、3−(3−(クロロメチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル(80mg、0.200mmol)およびDIEA(0.140mL、0.800mmol)の混合物に加えた。この反応混合物をBiotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物をメタノール(3.00mL)に再溶解させ、2M LiOH(0.600mL、1.200mmol)を加え、この反応物をBiotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物を1N HClでpH1前後に酸性化し、1mLのDMSOを加え、濃縮した。このサンプルを濾過し、中性分取HPLCで精製し、標題化合物(43mg、0.085mmol、収率42.5%)を得た。LC−MS m/z 506.4(M+H)+、0.87分(保持時間)
実施例8
3−(3−((4−シクロブチル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸
(3−(シクロブチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、メタノール(400mL)中、(3−アミノ−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(45g、222mmol)の溶液に、シクロブタノン(17.15g、245mmol)および酢酸(12.73mL、222mmol)を加えた。この反応混合物を窒素下で2時間撹拌し、次いで、NaCNBH4(28.0g、445mmol)を加えた。これを周囲温度で48時間撹拌した。この反応混合物を濃縮した。残渣を1N NaOH溶液(150mL)で急冷し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(200mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、DCM中5%メタノールで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(16g、62.4mmol、収率28.1%)を黄色の液体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δppm 0.92 (s, 6 H), 1.45 (s, 9 H), 1.65 - 1.84 (m, 4 H), 2.16-2.24 (m, 3 H), 3.00 (br d, J=6.14 Hz, 2 H), 5.42 (br s, 1 H)
(3−(2−クロロ−N−シクロブチルアセトアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
ジクロロメタン(DCM)(320mL)中、(3−(シクロブチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(32g、125mmol)の溶液に、TEA(34.8mL、250mmol)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却し、塩化クロロアセチル(15.00mL、187mmol)をゆっくり加えた。この反応混合物を窒素雰囲気下、周囲温度で1時間撹拌した。この反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(150mL)で急冷し、DCM(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(200mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、EtOAc:ヘキサン(2:8)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(28g、82mmol、収率65.5%)を灰白色固体として得た。LCMS m/z 333.43(M+H)+、2.51min(保持時間)
4−シクロブチル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
0℃で窒素雰囲気下、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(140mL)中、(3−(2−クロロ−N−シクロブチルアセトアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(14g、42.1mmol)の溶液に、NaH(3.36g、84mmol)を少量ずつ加えた。これを6時間撹拌した。この反応物を氷冷水(50mL)で急冷し、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を氷冷水(3×50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、EtOAc:ヘキサン(2.5:7.5)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(8g、26.9mmol、収率63.9%)を灰白色固体として得た。LCMS m/z 297.32(M+H)+、2.34分(保持時間)
1−シクロブチル−6,6−ジメチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩
0℃で窒素雰囲気下、1,4−ジオキサン(35mL)中、4−シクロブチル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(4g、13.50mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中4M HCl(6.75mL、27.0mmol)を加えた。これを2時間撹拌した。この反応混合物を濃縮した。この粗残渣にジエチルエーテル(40mL)を加え、30分間撹拌した。固体を濾過し、乾燥させ、標題化合物(2.733g、11.36mmol、収率84%)を灰白色固体として得た。LCMS m/z 197.2(M+H)+、3.28分(保持時間)
3−(3−((4−シクロブチル−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸
アセトニトリル(3mL)中、1−シクロブチル−6,6−ジメチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩(37.8mg、0.163mmol)、3−(3−(クロロメチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル(65mg、0.163mmol)およびDIEA(0.114mL、0.650mmol)の混合物を、Biotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物をメタノール(3.00mL)に再溶解させ、2M LiOH(0.488mL、0.975mmol)を加え、この反応物をBiotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物を1N HClでpH1前後に酸性化し、1mLのDMSOを加え、濃縮した。このサンプルを濾過し、中性分取HPLCで精製し、標題化合物(34.3mg、0.063mmol、収率38.7%)を得た。LC−MS m/z 546.5(M+H)+、0.99分(保持時間)
実施例9
3−(3−((4−(シクロプロピルメチル)−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸
(3−(N−(シクロプロピルメチル)−2−ニトロフェニルスルホンアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(30mL)中、(2,2−ジメチル−3−(2−ニトロフェニルスルホンアミド)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル(15g、38.7mmol)の溶液に、K2CO3(5.35g、38.7mmol)、ヨウ化カリウム(6.43g、38.7mmol)およびブロモシクロブタン(5.23g、38.7mmol)を加えた。これを110℃で48時間加熱した。この反応物を水(100mL)で急冷し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、濃縮した。粗残渣を、EtOAc:ヘキサン(3:.7)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(4.5g、10.19mmol、収率26.3%)を粘着性の液体として得た。LCMS m/z 442.27(M+H)+、3.918分(保持時間)
(3−((シクロプロピルメチル)アミノ)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(30mL)中、(3−(N−(シクロプロピルメチル)−2−ニトロフェニルスルホンアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(4.5g、10.19mmol)の溶液に、K2CO3(1.409g、10.19mmol)およびチオフェノール(1.049mL、10.19mmol)を加えた。これをを周囲温度で6時間撹拌した。これを水(20mL)で急冷し、1N HClで酸性化した。これを酢酸エチル(2×40mL)で抽出した。水層を1N NaOHで塩基性化し、酢酸エチル(2×40mL)で抽出した。この合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、濃縮し、標題化合物(2.3g、8.97mmol、収率88%)を粘着性の液体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δppm 0.05 - 0.14 (m, 2 H), 0.42 - 0.50 (m, 2 H), 0.87 - 0.96 (m, 7 H), 1.41 - 1.48 (m, 9 H), 2.18-2.32 (m, 2H), 2.40 - 2.46 (m, 2 H), 2.59 - 2.68 (m, 2 H), 5.86 (br s, 1 H)
(3−(2−クロロ−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
0℃で、ジクロロメタン(DCM)(20mL)中、(3−((シクロプロピルメチル)アミノ)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(2.3g、8.97mmol)の溶液に、TEA(1.876mL、13.46mmol)および塩化クロロアセチル(0.862mL、10.77mmol)を加えた。これを窒素下、周囲温度で3時間撹拌した。この反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(20mL)で急冷し、DCM(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を濃縮した。粗残渣を、EtOAc:ヘキサン(2:8)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(1.9g、5.71mmol、収率63.6%)を黄色の液体として得た。LC−MS m/z 333.23(M+H)+、3.748分(保持時間)
4−(シクロプロピルメチル)−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(15mL)中、(3−(2−クロロ−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド)−2,2−ジメチルプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(1.9g、5.71mmol)の溶液に、NaH(0.137g、5.71mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。この反応物を氷水(30mL)で急冷し、EtOAc(3×20ml)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、EtOAc:ヘキサン(4:6)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(800mg、2.390mmol、収率41.9%)を黄色の液体として得た。LC−MS m/z 297.1(M+H)+、5.461分(保持時間)
3−(3−((4−(シクロプロピルメチル)−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸
DCM(2mL)中、4−(シクロプロピルメチル)−6,6−ジメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(96mg、0.325mmol)およびジオキサン中4M HCl(0.163mL、0.650mmol)の混合物を周囲温度で18時間撹拌した。溶媒を濃縮し、粗生成物を1mLのCH3CNに再溶解させ、次いで、アセトニトリル(3mL)中、3−(3−(クロロメチル)−4−メチルフェニル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル(65mg、0.163mmol)およびDIEA(0.114mL、0.650mmol)の混合物に加えた。この反応混合物をBiotageマイクロ波にて高吸収、120℃で1時間加熱した。溶媒を濃縮し、粗生成物をメタノール(3.00mL)に再溶解させ、2M LiOH(0.488mL、0.975mmol)を加え、この反応物をBiotageマイクロ波にて高吸収、100℃で1時間、120℃でさらに1時間加熱した。1N HCl(1mL)を加え、次いで、酢酸エチル(2×5mL)で抽出した。水層を1N HClでpH2前後に酸性化し、次いで、1:4比のIPA:DCM(2×8mL)で抽出した。この有機層を濃縮して粗生成物を得た。これを、分取HPLCを用いて中性で精製し、標題化合物(22mg、0.040mmol、収率24.80%)を得た。LC−MS m/z 546.2(M+H)+、0.97分(保持時間)
実施例10
rel−3S−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(rel−(R)−3−(4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸
6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オール
メタノール(100mL)中、6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(5g、23.69mmol)の溶液に、N2下、水素化ホウ素ナトリウム(0.986g、26.1mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。溶媒を減圧により除去した。残渣を100mLの酢酸エチルおよび20mLの1N HClに再溶解させた。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。濾過および濃縮後、標題化合物6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オール(4.9g、23.0mmol、97%)が得られ、それ以上精製せずに次工程に送った。LC−MS m/z 197.0(M+H−18)+、1.80分(保持時間)
((6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)オキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン
0℃で、ジクロロメタン(DCM)(50mL)中、6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オール(4.9g、23.00mmol)の溶液に、イミダゾール(3.13g、46.0mmol)、DMAP(0.140g、1.150mmol)およびtert−ブチルクロロジメチルシラン(5.20g、34.5mmol)を加えた。この反応混合物を0℃〜25℃にて2時間で撹拌した。この反応混合物を水で急冷し、DCM(3×)で抽出した。合わせた有機層を水(2×)およびブライン(2×)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(25g、PE:EA=5%)で精製し、((6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)オキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(5.53g、15.67mmol、収率68.1%)を黄色油状物として得た。LC−MS m/zは、MS、2.81分(保持時間)を示さない。
3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルバルデヒド
テトラヒドロフラン(THF)(60mL)中、((6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)オキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(5.53g、16.89mmol)の溶液に、−78℃でブチルリチウム(2.5M、8.11mL、20.27mmol)を加えた。この反応混合物をN2下、−78℃で半時間撹拌し、次いで、この反応物にDMF(6.54mL、84mmol)をゆっくり加えた。この反応混合物を−78℃で2時間連続的に撹拌した。次に、この反応物を飽和NH4Cl水溶液で急冷した。この混合物を酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。濾過および濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=4:1)で精製し、標題化合物(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノール(4.4g、15.92mmol、94%)を得た。LC−MS m/zは、MS、2.49分(保持時間)を示さない。
3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノール
テトラヒドロフラン(THF)(100mL)中、5−ブロモ−1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(3.60g、15.92mmol)の溶液に、窒素下、−78℃でtert−ブチルリチウム(13.47mL、17.51mmol)を加えた。この反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで、THF(20mL)中、3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルバルデヒド(4.40g、15.92mmol)をゆっくり加えた。この反応混合物を−78℃で2時間および周囲温度で8時間撹拌した。この反応物を飽和NH4Cl溶液で急冷し、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製し、標題化合物(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノール(2.24g、11.76mmol、収率11.08%)を得た。LC/MS m/z 424.1(M+H)+、1.97(保持時間)。
3−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル
乾燥アセトニトリル(40mL)中、(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノール(2g、4.72mmol)の溶液に、DBU(0.014mL、0.094mmol)および2,2,2−トリクロロアセトニトリル(0.818g、5.67mmol)を窒素下、25℃でゆっくり加えた。この反応混合物を25℃で半時間撹拌し、その後、((1−メトキシ−2−メチルプロパ−1−エン−1−イル)オキシ)トリメチルシラン(2.057g、11.80mmol)、次いで、1,1,1−トリフルオロ−N−((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(0.066g、0.236mmol)を加えた。この反応混合物を25℃で2時間撹拌し、その後、40mLのH2Oを加えてこの反応物を急冷し、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=4:1)により精製し、標題化合物3−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチルを黄色固体として得た。LC/MS m/z 508.2(M+H)+、2.52(保持時間)。
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル
0℃で、テトラヒドロフラン(THF)(15mL)中、3−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル(1.1g、2.166mmol)の溶液に、TBAF(0.623g、2.383mmol)を加えた。この反応混合物を0℃で1時間撹拌し、その後、 この混合物を飽和NH4Cl溶液(20mL)で急冷し、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製し、標題化合物3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル(650mg、1.487mmol、収率68.6%)を黄色の油状物として得た。LC/MS m/z 394.1(M+H)+、1.88(保持時間)。
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸メチル
ジクロロメタン(DCM)(50mL)中、3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル(650mg、1.652mmol)の溶液に、デス・マーチン・ペルヨージナン(1401mg、3.30mmol)および1滴の水を加えた。この反応混合物を25℃で8時間撹拌し、その後、この混合物を濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製し、標題化合物3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸メチル(570mg)を黄色の油状物として得た。LC/MS m/z 392.2(M+H)+、1.65(保持時間)。
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸rel−(S)−メチル
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸メチル(0.57g、1.456mmol)をキラルSFC(カラム:Chiralpak IA 20×250mm、5u;補助溶媒:20%EtOH;流速:50g/分;背圧:100バール)により分割し、単一の鏡像異性体として純粋な3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸rel−(R)−メチル(ピーク1)(177.9mg、0.454mmol、収率31.2%)(キラルSFC 保持時間:2.91分)LCMS m/z 392.2(M+H)+、0.99分(保持時間)および3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸rel−(R)−メチル(ピーク2)(184.4mg、0.471mmol、収率32.4%)(キラルSFC 保持時間:3.93分)LCMS m/z 392.2(M+H)+、0.99分(保持時間)を得た。
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸rel−(3S)−メチル
メタノール(3.5mL)中、3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸rel−(S)−メチル(ピーク1)(177mg、0.452mmol)の溶液に、NaBH4(17.11mg、0.452mmol)を加えた。この反応物を周囲温度で30分間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮し、DCM(2×5mL)で抽出し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物(203.9mg、0.518mmol、収率115%)を得た。LCMS m/z 394.2(M+H)+、0.96分(保持時間)。
表1の化合物は、3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸rel−(3S)−メチルの製造に関して記載したものと同様の方法により製造した。当業者に認識されるように、これらの類似例は一般反応条件の変形を含み得る。
rel−3S−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(rel−(R)−3−(4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸
ジクロロメタン(1.0mL)中、3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸rel−(3S)−メチル(100mg、0.254mmol)の混合物に、SOCl2(0.037mL、0.508mmol)を加えた。得られた反応混合物を周囲温度で30分間撹拌し、次いで、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣をアセトニトリル(3.0mL)およびテトラヒドロフラン(1.0mL)に溶解させて中間体溶液を得た。
4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(130mg、0.508mmol)に、HCl(p−ジオキサン中4.0M)(0.635mL、2.54mmol)を加えた。得られた反応混合物を周囲温度で20時間撹拌し、次いで、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣に上記の中間体溶液、次いで、ヨウ化ナトリウム(19.05mg、0.127mmol)およびK2CO3(140mg、1.017mmol)を加えた。得られた反応混合物を40℃で21時間撹拌し、次いで、濾過した。濾過ケーキをアセトニトリル(3mL)で洗浄し、濾液を真空濃縮した。得られた残渣をメタノール(3.0mL)に溶解させ、次いで、NaOH(3N)(0.678mL、2.033mmol)を加えた。得られた反応混合物をマイクロ波にて130℃で1時間加熱した。この反応混合物をHCl(3N)(0.678mL、2.033mmol)で酸性化し、真空下で蒸発させ、逆相HPLC(ギ酸改質剤)により精製し、次いで、さらにキラルSFC(Chiralpak IA 20×250mm、5u;補助溶媒:25%MeOH;流速:50g/分;背圧:100バール)で分離し、標題化合物(32.5mg、0.063mmol、収率24.70%)を得た。LC/MS:m/z 518.1(M+H)+、0.79分(保持時間)。
実施例11
rel−3S−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(rel−(S)−3−(4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸
ジクロロメタン(1.0mL)中、3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸rel−(3S)−メチル(100mg、0.254mmol)の混合物に、SOCl2(0.037mL、0.508mmol)を加えた。得られた反応混合物を周囲温度で30分間撹拌し、次いで、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣をアセトニトリル(3.0mL)およびテトラヒドロフラン(1.0mL)に溶解させ、中間体溶液を得た。
4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(130mg、0.508mmol)に、HCl(p−ジオキサン中4.0M)(0.635mL、2.54mmol)を加えた。得られた反応混合物を周囲温度で20時間撹拌し、次いで、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣に上記中間体溶液、次いで、ヨウ化ナトリウム(19.05mg、0.127mmol)およびK2CO3(140mg、1.017mmol)を加えた。得られた反応混合物を40℃で21時間撹拌し、次いで、濾過した。濾過ケーキをアセトニトリル(3mL)で洗浄し、濾液を真空濃縮した。得られた残渣をメタノール(3.0mL)に溶解させ、次いで、NaOH(3N)(0.678mL、2.033mmol)を加えた。得られた反応混合物を、マイクロ波を用いて130℃で1時間加熱した。この反応混合物をHCl(3N)(0.678mL、2.033mmol)で酸性化し、真空下で蒸発させ、逆相HPLC(ギ酸改質剤)により精製し、次いで、さらにキラルSFC(Chiralpak IA 20×250mm、5u;補助溶媒:25%MeOH;流速:50g/分;背圧:100バール)で分離し、標題化合物(13.5mg、0.026mmol、収率10.26%)を得た。LC/MS:m/z 518.1(M+H)+、0.78min(保持時間)。
実施例12
rel−(3R)−3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(3−(4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸
ジクロロメタン(1.0mL)中、3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸rel−(3R)−メチル(100mg、0.254mmol)の混合物に、SOCl2(0.037mL、0.508mmol)を加えた。得られた反応混合物を周囲温度で30分間撹拌し、次いで、溶媒を真空下で除去した。残渣をアセトニトリル(3.0mL)およびテトラヒドロフラン(1.0mL)に溶解させ、中間体溶液を得た。
4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(130mg、0.508mmol)に、HCl(p−ジオキサン中4.0M)(0.635mL、2.54mmol)を加えた。得られた残渣に上記中間体溶液、次いで、ヨウ化ナトリウム(19.05mg、0.127mmol)およびK2CO3(140mg、1.017mmol)を加えた。得られた反応混合物を40℃で21時間撹拌した。この反応混合物を濾過した。濾過ケーキをアセトニトリル(3mL)で洗浄し、濾液を真空濃縮し、次いで、メタノール(3.0mL)に溶解させ、NaOH(3N)(0.678mL、2.033mmol)を加えた。得られた反応混合物を、マイクロ波を用いて130℃で1時間加熱した。この反応混合物をHCl(3N)(0.678mL、2.033mmol)で酸性化し、真空下で蒸発させ、逆相HPLC(ギ酸改質剤)により精製し、標題化合物(1.8mg、3.48μmol、収率1.368%)を得た。LC/MS:m/z 518.4(M+H)+、0.77min(保持時間)。
実施例13
3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチル−3−(3−(4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)プロパン酸
ジクロロメタン(0.50mL)中、3−(1,4−ジメチル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)−3−(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル(0.060g、0.152mmol)の混合物に、SOCl2(0.022mL、0.305mmol)を加えた。得られた反応混合物を周囲温度で10分間撹拌し、次いで、溶媒を真空下で除去した。残渣を、アセトニトリル(1.5mL)およびテトラヒドロフラン(0.50mL)に溶解させ、中間体溶液を得た。
4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.078g、0.305mmol)に、HCl(p−ジオキサン中4.0M)(0.381mL、1.525mmol)を加えた。得られた反応混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次いで、真空下で蒸発させた。この残渣に、上記中間体溶液、次いで、ヨウ化ナトリウム(0.011g、0.076mmol)およびK2CO3(0.084g、0.610mmol)を加えた。得られた反応混合物を40℃で16時間撹拌した。この反応混合物を濾過した。濾過ケーキをアセトニトリル(2mL)で洗浄し、濾液を真空濃縮した。得られた残渣をメタノール(1.5mL)に溶解させ、次いで、NaOH(3N)(0.407mL、1.220mmol)を加えた。得られた反応混合物を、マイクロ波を用いて130℃で1時間加熱し、次いで、HCl(3N)(0.407mL、1.220mmol)で酸性化し、真空下で蒸発させ、逆相HPLC(ギ酸改質剤)により精製し、標題化合物(26.4mg、0.051mmol、収率33.4%)を得た。LC/MS:m/z 518.5(M+H)+、0.78min(保持時間)。
実施例14
3−((1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メトキシ)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン酸
窒素下0℃で撹拌したテトラヒドロフラン(THF)(700mL)中、5−ブロモ−2−メチル安息香酸(70g、326mmol)の溶液に、ボラン−硫化メチル錯体のトルエン溶液(244mL、488mmol)を15分かけて滴下した。この反応混合物を16時間撹拌した。この反応物を0℃に冷却し、メタノール(500mL)の滴下で急冷した。この反応混合物を周囲温度で3時間撹拌し、次いで、濃縮した。粗残渣を酢酸エチル(1L)で希釈し、1N HCl(500mL)、ブライン溶液(500mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、標題化合物(49g、244mmol、収率74.9%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ= 7.52 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 8.0, 2.2 Hz, 1H), 7.12 - 7.03 (m, 1H), 5.22 (td, J = 5.5, 1.8 Hz, 1H), 4.48 (dd, J = 5.1, 1.8 Hz, 2H), 2.17 (s, 3H)。
4−ブロモ−2−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1−メチルベンゼン
乾燥DMF(800mL)中、(5−ブロモ−2−メチルフェニル)メタノール(100g、497mmol)の撹拌溶液に、NaH(21.88g、547mmol)を加えた。この反応混合物を30分間撹拌した後、0℃で1−(クロロメチル)−4−メトキシベンゼン(82g、522mmol)を加え、この反応混合物を周囲温度でさらに2時間撹拌した。次に、この反応物をEt2O(200mL)および水(200mL)で希釈した。有機相をブライン(300mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムにより精製し、4−ブロモ−2−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1−メチルベンゼン(140g、436mmol、収率88%)を透明な油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δppm 2.27 (s, 3 H) 3.84 (s, 3 H) 4.49 (s, 2 H), 4.54 (s, 2H), 6.92 (d, J = 8.8, 2H), 6.94 (d, J = 8.4, 1H), 7.31-7.35 (m, 3H), 7.54 (d, J = 2, 1H)。
3−(4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−4−メチルベンズアルデヒド
−78℃、N2下で、THF(800mL)中、4−ブロモ−2−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1−メチルベンゼン(80g、249mmol)の撹拌溶液に、ヘキサン中2.5M n−BuLi(120mL、299mmol)を注意深く加えた。この反応混合物を−78℃で65分間撹拌し、次いで、DMF(38.6mL、498mmol)を加えた。この反応混合物を−78℃〜25℃でさらに30分間撹拌した。この混合物を飽和NH4Cl(300mL)で急冷し、EtOAc(2×500mL)で抽出した。有機層を水(300mL)およびブライン(2×100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣を石油エーテル:EtOAc=10/1(2000mL)で洗浄し、標題化合物(50g、185mmol、収率74.3%)を固体として得た。LC−MS m/z 288.1(M+H2O)+、2.04分(保持時間)。
3−ヒドロキシ−3−(3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(15mL)中、3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−4−メチルベンズアルデヒド(4g、14.80mmol)、1−メチルイミダゾール(0.118mL、1.480mmol)、((1−メトキシ−2−メチルプロパ−1−エン−1−イル)オキシ)トリメチルシラン(5.16g、29.6mmol)および塩化リチウム(0.125g、2.96mmol)の混合物を周囲温度で17時間撹拌した。NaOH(14.80mL、14.80mmol)を加え、この反応混合物を2時間撹拌した。水(20mL)およびフッ化水素カリウム(1.734g、22.20mmol)を加え、2時間撹拌した後、1N HCl(14.80mL、14.80mmol)を加えた。これを16時間撹拌した。この反応混合物を氷水(10mL)で希釈し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、EtOAc:ヘキサン(2:8)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(2g、5.37mmol、収率36.3%)を黄色の液体として得た。LCMS m/z 390.23(M+18)+、4.07分(保持時間)
3−(3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−3−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)プロパン酸メチル
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(250mL)中、3−ヒドロキシ−3−(3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル(24g、64.4mmol)およびトルエン中3−ブロモプロパ−1−イン(14.37g、97mmol)の溶液に、窒素下でNaH(2.320g、97mmol)を加えた。これを30分間撹拌した。この反応物を飽和NaHCO3溶液で急冷し、EtOAcで抽出した。有機層を真空濃縮し、標題化合物(26g、55.2mmol、収率86%)を液体として得た。LCMS m/z 428.17(M+18)+、2.92分(保持時間)
3−(3−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−3−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)プロパン酸メチル
0℃で、ジクロロメタン(DCM)(40mL)および水(10mL)中、3−(3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−3−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)プロパン酸メチル(13g、31.7mmol)の溶液に、DDQ(10.78g、47.5mmol)を加えた。これを周囲温度で30分間撹拌した。これを氷水で急冷し、DCMで2回抽出した。有機層を無水Na2SO4下で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、EtOAc:ヘキサン(12:88)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。所望の画分を真空下で濃縮し、標題化合物(8g、13.63mmol、収率43.0%)を無色の液体として得た。LC MS m/z 291.20(M+H)+、2.20分(保持時間)
3−((1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メトキシ)−3−(3−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル
イソプロパノール(10mL)、テトラヒドロフラン(5mL)および水(4mL)中、3−(3−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−3−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)プロパン酸メチル(1.452g、5.0mmol)の混合物に、アジ化ナトリウム(0.813g、12.50mmol)、DIEA(0.175mL、1.000mmol)、ヨードエタン(0.929mL、11.50mmol)およびヨウ化銅(I)(0.143g、0.750mmol)を加えた。得られた反応混合物を、マイクロ波を用いて80℃で1時間加熱した。この反応混合物を真空下で蒸発させ、シリカゲルカラムでのフラッシュクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(1.2142g、3.36mmol、収率67.2%)を得た。LC/MS:m/z 362.1(M+H)+、0.82分(保持時間)。
3−((1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メトキシ)−2,2−ジメチル−3−(4−メチル−3−((4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン酸
ジクロロメタン(0.5mL)中、3−((1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メトキシ)−3−(3−(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン酸メチル(70mg、0.194mmol)の混合物に、SOCl2(0.028mL、0.387mmol)を加えた。得られた反応混合物を周囲温度で20分間撹拌し、次いで、溶媒を真空下で除去した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)に溶解させ、次いで、1,6,6−トリメチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩(56.0mg、0.291mmol)およびDIEA(0.135mL、0.775mmol)を加えた。得られた反応混合物を、マイクロ波を用いて100℃で1時間加熱した。溶媒を真空下で除去した。得られた残渣をメタノール(2.0mL)に溶解させ、次いで、NaOH(3.0N)(0.516mL、1.549mmol)を加えた。得られた反応混合物を、マイクロ波を用いて100℃で60分間加熱し、再びマイクロ波を用いて120℃で60分間加熱した。この反応混合物にさらなるメタノール(2.0mL)およびNaOH(3.0N)(0.516mL、1.549mmol)を加えた。得られた反応混合物を、マイクロ波を用いて120℃で60分間加熱した。この反応混合物をHCl(3.0N)(0.516mL、1.549mmol)で酸性化し、真空下で蒸発させ、逆相HPLC(ギ酸改質剤)により精製し、標題化合物(25.1mg、0.052mmol、収率26.7%)を得た。LC/MS:m/z 486.3(M+H)+、0.80分(保持時間)。
実施例15
3−(4−クロロ−3−((6,6−ジメチル−3−オキソ−4−プロピル−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸
テトラヒドロフラン(THF)(10mL)中、5−ブロモ−2−クロロ安息香酸(5g、21.23mmol)の溶液に、10M ボラン−硫化メチル錯体(2.123mL、21.23mmol)を0℃で加えた。次に、この反応物を23℃に温め、14時間撹拌した。この反応混合物を冷却し、この反応混合物にさらなる10M ボラン−硫化メチル錯体(1.062mL、10.62mmol)を加えた。その後、この反応物を氷水浴で冷却し、メタノール(2.00mL)をゆっくり加えた。発泡がほとんど収まった際に、揮発性溶媒を真空除去し、残渣をEtOAc(10ml)に溶解させ、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。水層をEtOAc(50ml)で逆抽出し、合わせたEtOAc層を水(5ml)および飽和NaCl水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、標題化合物(4.62g、収率98%)を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.70 (s, 1H), 7.40 (d, J=8.28 Hz, 1H), 7.28 (d, J=8.53 Hz, 1H), 4.66 (s, 2H)
4−ブロモ−1−クロロ−2−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)ベンゼン
アルゴン下、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(40mL)中、(5−ブロモ−2−クロロフェニル)メタノール(5.361g、24.21mmol)の溶液を氷浴中で冷却し、60%水素化ナトリウム(1.936g、48.4mmol)を数回に分けて注意深く加えた。この反応物(The reacton)を23℃で1時間撹拌し、次いで、氷浴中で10℃に冷却した。1−(クロロメチル)−4−メトキシベンゼン(4.92mL、36.3mmol)を加え、この反応物を23℃で14時間撹拌した。この反応物を水(25mL)で急冷し、5分間撹拌し、水(100mL)およびEtOAc(300mL)で希釈した。水層をさらなる(additional)EtOAc(2×200mL)で抽出し、合わせた有機層を水(4×100mL)、飽和NaCl水溶液(2×100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、0〜10%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物.(5.81g、収率64%)を得た。LC/MS m/z=339(M+H)+、1.40分(保持時間)
0℃で、ジクロロメタン(DCM)(30mL)中、デス・マーチン・ペルヨージナン(19.54g、46.1mmol)の溶液に、ジクロロメタン(DCM)(30mL)中、5−(トリメチルシリル)ペンタ−4−イン−1−オール(6.81mL、37.5mmol)の溶液を少量ずつ加え、1時間撹拌した。次に、この反応物を、Na2CO3を含有し10分間撹拌した0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液で急冷した。水層をDCM(2×30mL)で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣を、0〜25%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(4.78g、収率83%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ9.79 (s, 1H), 2.63-2.70 (m, 2H), 2.50-2.57 (m, 2H), 0.14 (s, 9H)。
1−(4−クロロ−3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)フェニル)−5−(トリメチルシリル)ペンタ−4−イン−1−オール
炉で乾燥させ窒素でフラッシュしたフラスコで、5−(トリメチルシリル)ペンタ−4−イナル(4.22g、27.4mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(THF)(81ml)に注意深く溶解させ、次いで、活性化モレキュラーシーブスとともに2時間撹拌した。別のフラスコで、4−ブロモ−1−クロロ−2−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)ベンゼン(4.45g、13.03mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(THF)(81ml)に溶解させ、活性化モレキュラーシーブスとともに2時間撹拌した。次に、この溶液を−78℃に冷却し、30分間撹拌した。次に、この5−(トリメチルシリル)ペンタ−4−イナルの溶液をリチアートにゆっくり加え、−78℃で2時間撹拌した。この反応物を水(25mL)およびEtOAc(75mL)で希釈した。水層をさらなるEtOAc(50mL)で抽出し、合わせたEtOAc層を水(50mL)、飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、中性条件下で逆相分取HPLCにより精製し、標題化合物(1.00g、収率18%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.49 (s, 1H), 7.28-7.35 (m, 3H), 7.20-7.25 (m, 1H), 6.90 (d, J=8.03 Hz, 2H), 4.86 (dd, J=5.02, 7.53 Hz, 1H), 4.60 (d, J=15.31 Hz, 4H), 3.88 (br. s., 1H), 3.81 (s, 3H), 2.23-2.43 (m, 2H), 1.83-2.02 (m, 2H), 0.13-0.19 (m, 9H)。
(5−ブロモ−5−(4−クロロ−3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)フェニル)ペンタ−1−イン−1−イル)トリメチルシラン
アルゴン下、ジクロロメタン(DCM)(48.0ml)中、1−(4−クロロ−3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)フェニル)−5−(トリメチルシリル)ペンタ−4−イン−1−オール(1g、2.398mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(ポリマー結合)(3.18g、7.19mmol)、次いで、ペルブロモメタン(0.954g、2.88mmol)を加え、周囲温度で1時間撹拌した。次に、この反応物を濾過し、濃縮した。残渣を、0〜10%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(0.830g、収率72%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.57 (s, 1H), 7.35 (d, J=8.28 Hz, 3H), 7.29 (br. s., 1H), 6.93 (d, J=8.03 Hz, 2H), 5.08-5.14 (m, 1H), 4.62 (d, J=10.79 Hz, 4H), 3.85 (s, 3H), 2.22-2.51 (m, 4H), 0.19 (s, 9H)
3−(4−クロロ−3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)フェニル)−2,2−ジメチル−7−(トリメチルシリル)ヘプタ−6−イン酸ベンジル
アルゴン下、テトラヒドロフラン(THF)(25.8ml)中、ジイソプロピルアミン(2.424ml、17.29mmol)の−70℃の溶液を、ヘキサン中1.6M n−ブチルリチウム(6.49ml、10.38mmol)で処理し、−70℃で15分間撹拌し、15分間0℃に温め、次いで、−70℃に再冷却した。この溶液に、テトラヒドロフラン(THF)(25.8ml)中、イソ酪酸ベンジル(1.967ml、11.07mmol)を滴下し、−70℃で45分間撹拌し、15分間−50℃に温め、−70℃に再冷却した。このエノラートに、テトラヒドロフラン(THF)(25.8ml)中、(5−ブロモ−5−(4−クロロ−3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)フェニル)ペンタ−1−イン−1−イル)トリメチルシラン(0.830g、1.729mmol)、次いで、乾燥1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン(4.18ml、34.6mmol)を滴下し、一時間−70℃で撹拌し、−45℃に温め、1時間撹拌した。その後、この反応物を水、EtOAc(30ml)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせたEtOAc層を水、飽和NaCl水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ濃縮した。残渣を、0〜10%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(0.600g、収率60%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.21-7.44 (m, 9H), 7.00 (d, J=8.28 Hz, 1H), 6.90 (d, J=8.03 Hz, 2H), 5.02-5.13 (m, 2H), 4.52-4.61 (m, 4H), 3.83 (s, 3H), 3.11 (d, J=12.05 Hz, 1H), 1.77-2.08 (m, 4H), 1.21 (s, 3H), 1.11 (s, 3H), 0.15 (s, 9H)。
3−(4−クロロ−3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)フェニル)−2,2−ジメチルヘプタ−6−イン酸ベンジル
3−(4−クロロ−3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)フェニル)−2,2−ジメチル−7−(トリメチルシリル)ヘプタ−6−イン酸ベンジル(600mg、1.039mmol)をメタノール(5.547ml)に溶解させ、炭酸カリウム(718mg、5.20mmol)と合わせ、2時間撹拌した。完了時に、メタノールを濃縮し、残留する油状物を水で希釈し、DCM(3×)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、真空除去し、標題化合物(400mg、0.792mmol、収率76%)を得た。LC/MS m/z 527(M+Na)+、1.56分(保持時間)
3−(4−クロロ−3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸ベンジル
tert−ブタノール(1951μl))および水(1951μl)中、3−(4−クロロ−3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)フェニル)−2,2−ジメチルヘプタ−6−イン酸ベンジル(400mg、0.792mmol)の溶液に、アジ化ナトリウム(129mg、1.980mmol)、ヨードエタン(146μl、1.822mmol)、ヨウ化銅(I)(22.63mg、0.119mmol)、およびヒューニッヒ塩基(27.7μl、0.158mmol)を加え、マイクロ波にて70℃で1時間加熱した。この反応物を冷却し、EtOAc(150mL)および水(50mL)で希釈した。水層をEtOAc(75mL)で抽出し、合わせたEtOAc層を水(50mL)、飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、0〜70%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(0.400g、収率75%)を得た。LC/MS m/z=576(M+H)+、1.48分(保持時間)。
3−(4−クロロ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸ベンジル
アセトニトリル(6522μl)中、3−(4−クロロ−3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸ベンジル(810mg、1.406mmol)を硝酸セリウムアンモニウム(2312mg、4.22mmol)および水(725μl)と合わせ、2時間撹拌した。この反応物をEtOAc(100mL)および水(50mL)で希釈し、相を分離した。水層を再びEtOAc(50mL)で抽出し、合わせたEtOAc層を水(50mL)、飽和NaCl水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、0〜100%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(0.510g、収率74%)を得た。LC/MS m/z=456(M+H)+、1.10分(保持時間)。
3−(4−クロロ−3−((6,6−ジメチル−3−オキソ−4−プロピル−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸ベンジル
ジクロロメタン(DCM)(6mL)中、3−(4−クロロ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸ベンジル(60mg、0.132mmol)の溶液に、塩化チオニル(0.019mL、0.263mmol)を加え、周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をアセトニトリル(10.00mL)に溶解させ、この溶液に6,6−ジメチル−1−プロピル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩(58.1mg、0.263mmol)およびDIEA(0.138mL、0.790mmol)を加えた。この反応物をマイクロ波にて120℃で2.5時間加熱した。この反応混合物を濃縮し、残渣を中性条件下で逆相分取HPLCにより精製し、標題化合物(0.080g、0.129mmol、収率98%)を得た。LC/MS m/z=622(M+H)+、1.27分(保持時間)。
3−(4−クロロ−3−((6,6−ジメチル−3−オキソ−4−プロピル−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸
3−(4−クロロ−3−((6,6−ジメチル−3−オキソ−4−プロピル−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸ベンジル(75mg、0.121mmol)をマイクロ波反応バイアル内でテトラヒドロフラン(THF)(2.000mL)、水(1.000mL)およびメタノール(2mL)に溶解させた。この反応混合物に水酸化リチウム(14.43mg、0.603mmol)を加え、マイクロ波にて100℃で1時間撹拌した。この反応物を10%ギ酸溶液で酸性化し、濃縮した。残渣を、ギ酸条件下、逆相分取HPLCにより精製し、標題化合物(0.046g、収率71%)を得た。LC/MS m/z=532(M+H)+、1.03分(保持時間)。
実施例16
3−(4−クロロ−3−((4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸
3−(4−クロロ−3−((4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸ベンジル
ジクロロメタン(DCM)(6mL)中、3−(4−クロロ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸ベンジル(60mg、0.132mmol)の溶液に、塩化チオニル(0.019mL、0.263mmol)を加え、周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をアセトニトリル(6.00mL)に溶解させた。DIEA(0.138mL、0.790mmol)および1,6,6−トリメチル−1,4−ジアゼパン−2−オン塩酸塩(50.7mg、0.263mmol)を加え、この反応物をマイクロ波により120℃で2.5時間加熱した。この反応物を濃縮し、残渣を中性条件下で逆相分取HPLCにより精製し、標題化合物(0.054g、収率69%)を得た。LC/MS m/z=594(M+H)+、1.13分(保持時間)。
3−(4−クロロ−3−((4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸
3−(4−クロロ−3−((4,6,6−トリメチル−3−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル)フェニル)−5−(1−エチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,2−ジメチルペンタン酸ベンジル(54mg、0.091mmol)をマイクロ波反応バイアル内でテトラヒドロフラン(THF)(2.000mL)、水(1.000mL)およびメタノール(2mL)に溶解させた。この反応混合物に水酸化リチウム(10.88mg、0.454mmol)を加え、マイクロ波にて100℃で2時間撹拌した。この反応物を酸性となるまで10%ギ酸で急冷し、溶媒を濃縮した。残渣をギ酸条件下で逆相分取HPLCにより精製し、標題化合物(0.025g、収率54%)を得た。LC/MS m/z=504(M+H)+、0.90分(保持時間)。