以下、本発明の好ましい実施例によるスイング運動機能を有する椅子及びそれに用いられるスイングモジュールに対して添付図面を参照して詳しく説明する。本明細書では違う実施例でも同一・類似する構成に対しては同一・類似する参照番号を付与し、その説明は最初の説明で代替する。
図1は本発明の第1実施例によるスイング運動機能を有する椅子100に対する組み立て斜視図であり、図2は図1のスイング運動機能を有する椅子100に対する分解斜視図である。
本図面によれば、スイング運動機能を有する椅子100は、大きく脚モジュール110、シートモジュール130、及びスイングモジュール150を含むことができる。
脚モジュール110は底に対して支持されるように形成される。脚モジュール110は、本実施例では、支柱111と、枝杆113とを有する。支柱111は高さ方向に延長されるロッドであってもよい。枝杆113は支柱111で放射状に広がるように複数のロッドで構成されることができる。枝杆113の代りにプレート形態の拡張板が備えられることもできる。枝杆113の下端にはキャスタ114が結合されることができる。
シートモジュール130は脚モジュール110の上側に位置し、使用者の体を支持するように構成される。本実施例で、シートモジュール130はヒップシート131、バックシート133及び肘掛135を含むことができる。ヒップシート131は使用者の臀部を支持する部分で、底に対して平行に配置されることができる。バックシート133はヒップシート131の後段に連結されて使用者の背中を支持するように構成される。肘掛135はヒップシート131で使用者の両側方に配置されることができる。勿論、このようなバックシート133及び/または肘掛135のない椅子100を構成することも可能である。
スイングモジュール150は脚モジュール110とシートモジュール130との間に配置されて、それらを連結する構成である。スイングモジュール150はシートモジュール130、具体的にヒップシート131に座った使用者の両側への動きによってシートモジュール130が脚モジュール110を基準として使用者の両側方にスイング作動するように構成される。
スイングモジュール150は、上部移動ユニット151と、下部固定ユニット155と、リンクユニット158とを含むことができる。
上部移動ユニット151はシートモジュール130のヒップシート131の下端に結合されることができる。これと違って、下部固定ユニット155は脚モジュール110の上端に結合されることができる。リンクユニット158は上部移動ユニット151及び下部固定ユニット155のそれぞれに回転可能に結合になる。具体的に、リンクユニット158の一端は上部移動ユニット151に、他端は下部固定ユニット155に結合される。
具体的に、リンクユニット158の下端が上部移動ユニット151に結合され、リンクユニット158の上端が下部固定ユニット155に結合されることによって、スイング運動の中心はリンクユニット158の上端になる。その結果、リンクユニット158の下端はスイング作動の軌跡SOT(図3参照)に沿って移動する。このようなスイング作動によって、上部移動ユニット151、ひいてはシートモジュール130は前記スイング作動中に脚モジュール110で両側方に遠くなるほどその高さが上昇する。
また、リンクユニット158は4つ(サブリンク)で構成されることができる(図4参照)。このような4つのリンクユニット158(サブリンク)は整列ラインLを基準として対称的に配置されることができる。
このような構成によれば、リンクユニット158のスイング中心がスイング作動の軌跡SOTの上側に位置するようになるので、シートモジュール130に力を加えない状態でシートモジュール130は自重によって支柱111に従う整列ラインLに整列された待機位置に置かれるようになる。
また、シートモジュール130が使用者の右側方RS及び左側方LSにスイング作動するほど、シートモジュール130は脚モジュール110から遠くなるようになる。それによって、使用者が整列ラインLに位置した状態で左右に臀部を振る初期段階で体が沈まない。それによって、使用者はその初期段階に落下に対する不安感がなくなる。
以下、スイングモジュール150の具体的な構成を図3及び図4を参照して説明する。
図3は図2のスイングモジュール150を他の角度で見た組み立て斜視図であり、図4は図2のスイングモジュール150に対する分解斜視図である。
本図面によれば、上部移動ユニット151は、上部ベース152、羽153a及び153bを有することができる。上部ベース152はシートモジュール130のヒップシート131(図1)に結合される部分である。このために、上部ベース152は略平板状の上板を有することができる。羽153a及び153bは上部ベース152で折曲されて脚モジュール110を向けた方向に延長されることができる。本実施例で、羽153a及び153bは一対のサブ羽153a及び253bを有する。このような第1サブ羽153a及び第2サブ羽253bは上部ベース152に対して略垂直するように配置されることができる。
下部固定ユニット155は下部ベース156とピボットロッド157を含むことができる。下部ベース156は脚モジュール110(図1)に結合されるもので、略平板状を有することができる。下部ベース156は上部ベース152と羽153a及び153bによって限定された空間内に配置されることができる。
ピボットロッド157は下部ベース156に設置される部材である。ピボットロッド157はリンクユニット158の上端が回転可能に結合される対象になる。本実施例で、リンクユニット158が4つのサブリンク159及び161で構成されることによって、ピボットロッド157は2つ備えられる。2つのピボットロッド157は整列ラインL(図1参照)を基準として互いに対称するように配置されることができる。
リンクユニット158は上部ベース152と下部ベース156に両端がそれぞれ連結される部材である。リンクユニット158は、複数のサブリンクを含むことができる。具体的に、本実施例で、リンクユニット158は、一対の第1サブリンク159{「一対のサブリンク」とも言う}と、また他の一対の第2サブリンク161{「他の一対のサブリンク」とも言う}を有することができる。一対の第1サブリンク159が第1サブ羽153aを対面したまま互いに平行に配置されるのであれば、一対の第2サブリンク161は第2サブ羽153bを対面したまま互いに平行に配置されるのである。この時、例えば、一対の第1サブリンク159の中の一つと一対の第2サブリンク161の中の一つは一つのピボットロッド157によって互いに連結される。
リンクユニット158、例えば第1サブリンク159は上部連結端159aと下部連結端159bを有することができる。ここで、上部連結端159aは図面で第1サブリンク159の下端であり、下部連結端159bは図面で第1サブリンク159の上端である。上部連結端159aは上部移動ユニット151に対して回転可能に連結され、下部連結端159bは下部固定ユニット156に対して回転可能に連結される。第1サブリンク159の上部連結端159aは第1サブ羽153aの下部に連結される。第1サブリンク159の下部連結端159bはピボットロッド157に連結される。それによって、下部連結端159bは脚モジュール110(図1)から上部連結端159aより遠く(底でより高く)位置するようになる。
リンクユニット158の上部連結端159a及び161aと羽153a及び153bとの間の連結、そして下部連結端159b及び161bと下部ベース156との間の回転可能な連結にはスラストベアリング159c及び161cが用いられることができる。スラストベアリング159c及び161cはスイング作動の軌跡SOT(図3)に沿うリンクユニット158の回転が円滑に行われるようにする。また、スラストベアリング159c及び161cはスイング作動の軌跡SOTが位置する平面に垂直した方向に加えられる力によってリンクユニット158と上部移動ユニット151/下部固定ユニット155との間の遊び(play)が発生しないようにする。
次に、以上のスイング運動機能を有する椅子100を通じて使用者がスイング運動することができるようにするメカニズムに対して図5〜図7を参照して説明する。
図5は図2のスイングモジュール150のスイング作動による一状態を示した側面図であり、図6は図2のスイングモジュール150のスイング作動による他の状態を示した側面図である。
本図面によれば、使用者が臀部を両側方に動くことによってスイングモジュール150がスイング作動する場合、下部固定ユニット155は常にその場所に位置する一方、上部移動ユニット151は下部固定ユニット155の左側または右側に移動するようになる。上部移動ユニット151は下部固定ユニット155の真上に位置する待機位置でより両側方に移動した状態で、高さ方向に下部固定ユニット155からより遠く位置するようになる。
このようなスイング作動中に、互いに平行する一対のサブリンク159/161はその平行な配置状態がそのまま保持される。それによって、上部移動ユニット151の上面は平行状態を保持するようになる。これは上部移動ユニット151に設置されるヒップシート131も平行状態を保持することができるようにする。
図7は図1のスイング運動機能を有する椅子100を使用者が用いる使用状態図である。
本図面(及び図1)によれば、使用者はシートモジュール130に座ったまま臀部を右側方RSまたは左側方LSbに振ることができる。
それによって、スイングモジュール150はスイング作動をすることになって、シートモジュール130は右側方RSまたは左側方LSに移動することになる。このような移動中に使用者の体で中間(core) 部分(腰、臀部、及び骨盤など)は左右にスイング運動されるが、上部(頭及び胸など)及び下部分(脚など)は正しく立った姿勢に保持される。
また、シートモジュール130は待機位置で右側方RSまたは左側方LSにスイング運動することによって、シートモジュール130も底から上昇するスイング運動の軌跡SETに沿って移動するようになる。シートモジュール130は上昇中にもその平行状態はそのまま保持するので、使用者の体が全体的に傾かなくなる。
さらに、使用者が臀部を振らなくなれば、スイングモジュール150は重力によって待機位置に復帰される。
図8は図1のスイング運動機能を有する椅子100の使用によって使用者の腰の運動モーションを説明するための概念図である。
本図面によれば、スイングモジュール150のスイング作動によって、シートモジュール130は左右に約左右70mm変位されて、総140mmの範囲でスイングされることができる。この時、左/右最大変位地点である70mmに到達時、シートモジュール130は約18mm程度上昇されることができる。
この過程で、使用者の腰は左/右に最大15゜程度ひねられることができる。それによって、腰が最大30゜の範囲で左右にひねられることになる。それによって、使用者がシートモジュール130に座っているうちに左右に搖れることなく保持された腰の硬直状態は解消されることができる。
具体的に、使用者は自分の両側方RS及びLSに臀部を振って、シートモジュール130と一緒に自分の臀部、わき腹、骨盤、太もも、腰、胃膓器官などがスイング運動することができる。使用者のこのようなスイング運動は主に臀部と腰部分が左右にスイングされることによる。
そこで、使用者の胸、肩、頭などは相対的に動きがほとんどない。また、臀部などの主に動く部分は机によって隠れるので、スイング運動をしているという事実を他人にほとんど現わさないことができる。
図9は図1のスイング運動機能を有する椅子100の使用によって使用者の骨盤の運動モーションを説明するための概念図である。
本図面によれば、スイングモジュール150の作用によってシートモジュール130が左右に変位される時、使用者の太もも、具体的に骨盤は約20゜の範囲で内側、外側に回転することになる。
このような骨盤の開き、閉まりによって、使用者がシートモジュール130にじっと座っている場合に比べて骨盤のゆがみが防止されることができる。
以下、以上のスイングモジュール150の他の形態について図10〜図12を参照して説明する。
図10は本発明の第2実施例によるスイング運動機能を有する椅子200におけるスイングモジュール250に対する分解斜視図であり、図11は図10の下部固定ユニット255を中心とする主要部を示した部分組み立て斜視図である。
本図面によれば、スイング運動機能を有する椅子200は、前述した実施例のスイング運動機能を有する椅子100と略同一であるが、スイングモジュール250で差がある。具体的に、スイングモジュール250も前述したスイングモジュール150に比べて、上部移動ユニット251、下部固定ユニット255、及びリンクユニット258の基本構成は大体同じである。ただ、スイングモジュール250は前述したスイングモジュール150に比べて、停止ユニット263及び制限ユニット265をさらに含むことができる。また、シートモジュール230は前記シートモジュール130と異なる形態の肘掛235を有する。以下では、前述した実施例との差異を中心に、本実施例によるスイングモジュール250などを説明する。
まず、停止ユニット263は上部移動ユニット251と下部固定ユニット255との間のスイング作動を停止させるための構成である。停止ユニット263は、操作レバー263a、係合片263b、及び係止片263cを含むことができる。操作レバー263aは略直線状に延長されるロッドで、下部固定ユニット255の下部ベース256に回転可能に挿入設置されることができる。操作レバー263aの自由端側の一部分は使用者の操作便宜のために折曲されることができる。係合片263bは操作レバー263aに結合されたまま下部ベース256の上面側に位置する。係合片263bには係合部、例えば挿入溝263b`が形成されることができる。係止片263cは上部移動ユニット251の上部ベース252の上板に設置されることができる。このような係止片263cは上部ベース252の上板の一部分が折曲加工されて下部ベース256に向けて突出されたものであってもよい。このような構成によって、使用者が操作レバー263aを回転操作すれば、係合片263bは下部ベース256に倒れた姿勢から立つ姿勢に転換される。この過程で、係合片263bの係合部263b`には係止片263cが差し込まれる。それによって、上部移動ユニット251の上部ベース256がスイング作動の軌跡に沿って動こうとする時、係止片263cは係合片263bに係合されるので動くことができない。その結果、係止片263cに形成された上部ベース252も動くことができずその位置に固定される。それによって、スイングモジュール250の作動は停止されるので、使用者は椅子200{シートモジュール230}を踏んで立っても電球を取り替るなどの場合椅子200を安全に使用することができる。
制限ユニット265は上部移動ユニット251と下部固定ユニット255との間のスイング作動の範囲を制限するための構成である。制限ユニット265は第1係止片265a及び265bと、第2係止片を有することができる。第1係止片265a及び265bは下部ベース256の上面で突出形成される突起である。本実施例で第1係止片はスイング作動の軌跡に沿って離隔された位置に2つの突起265a及び265bで形成されることができる。第2係止片は上部移動ユニット251の上部ベース252の底面に設置されて2つの突起265a及び265bの間に配置されることができる。このような第2係止片としては前述した係止片263cが再利用されてもよい。それによって、係止片263cは一つの部材であるが、係合片263bが立てられた場合には係合片263bに係合され、係合片263bが倒れた場合には第1係止片265a及び265bに係止されることができる。このような構成によれば、使用者が臀部を両側方に振る過程で第2係止片として係止片263cは第1係止片の2つの突起265a及び265bに係止される。それによって、下部固定ユニット255に対する上部移動ユニット251のスイング運動範囲が制限されることができる。これはシートモジュール230を取って椅子200を移動させる過程でシートモジュール230のスイング運動による使用者の不便を減らすことができる。
シートモジュール230の肘掛235はヒップシート131(図2参照)ではない、スイングモジュール250に設置されることができる。具体的に、肘掛235は下部固定ユニット255の下部ベース256に設置されることができる。これに対しては図12をさらに参照して説明する。
図12は図11の主要部を底面側で見た部分分解斜視図である。
さらに本図面によれば、下部ベース256には設置溝256aが形成されることができる。このような設置溝256aは作業者の視野を確保するために外部に露出された形態を有することができる。具体的に、設置溝256aはパイプがそれの軸方向に沿って切断されたのと同じ形態を有することができる。
肘掛235は設置溝256aに位置したまま下部ベース256に結合される。肘掛235は、具体的にフレーム235aと締結ピース235cを含むことができる。フレーム235aは中空管体であってもよい。フレーム235aは下部ベース256の側方に延長された後上方に折曲されて延長され、さらにバックシート133(図1参照)に向けて後方に延長される形態を有することができる。フレーム235aの端区間には切開溝235bが形成されることができる。切開溝235bはフレーム235aの一端部から始まってフレーム235aの長さ方向に沿って前記端区間に延長形成される。締結ピース235cは下部ベース256の設置溝256aに形成された締結溝256bに締結される。このために、締結ピース235cは設置溝256aの延長方向に垂直方向に沿って配置されることができる。フレーム235aが設置溝256aの長さ方向に沿って移動する時、切開溝235bは締結ピース235cが挿入される通路となる。また、締結ピース235cのヘッドとフレーム235aとの間にはワッシャー235dが配置されることができる。ワッシャー235dは締結ピース235cとフレーム235aとの間の結合力を高めるもので、フレーム235aの外面に対応した形状を有することができる。
このような構成によれば、肘掛235が下部固定ユニット255に設置されるので、上部移動ユニット251及びヒップシート131(図1参照)がスイング作動によって左右に搖れる場合にも使用者の腕は肘掛235に固定的に支持されることができる。それによって腕を載せる机がない状況で椅子200を利用してスイング運動をする場合にも、使用者の腕は動かなくてもよい。さらに、取っ手235の設置構造によれば、フレーム235aを下部ベース256に熔接する必要なしに締結ピース235cで着脱可能に締結可能である。この場合、フレーム235aと下部ベース256との間の結合が安定的に保持されながらも、肘掛235を必要によって容易に取り替えることもできる。
最後に、上部移動ユニット251とバックシート233との間の結合関係について図13を参照して説明する。
図13は本発明の第2実施例によるスイング運動機能を有する椅子200の上部移動ユニット251とシートモジュール230との関係を示した結合斜視図である。
本図面によれば、上部移動ユニット251の上部ベース252の裏側には固定ブラケット254が突出形成される。このような固定ブラケット254は上部ベース152に載せられるヒップシート(図示しない)の下側に位置する。
固定ブラケット254はバックシート233の下端で突出されたテンションバー234に結合される。固定フレーム234は金属材質、または強度の高いプラスチック材質で形成されることができる。
テンションバー234が固定ブラケット254に結合されることによって、バックシート233はヒップシート(図示しない)ではないスイングモジュール250の上部移動ユニット251に結合される。その結果、バックシート233及びヒップシート(図示しない)は上部移動ユニット251に結合され、肘掛235は下部固定ユニット255(以上図10参照)に結合されることができる。
テンションバー234と固定ブラケット254との間の結合によって、使用者が体を後に倒した時、バックシート233はテンションバー234を中心としてティルティングされることができる。それによって、使用者はより楽な姿勢でバックシート233に体をもたせかけるできる。
前記のようなスイング運動機能を有する椅子及びそれに用いられるスイングモジュールは前述した複数の実施例の構成と作動方式に制限されるのではない。複数の前記実施例は各実施例の全部または一部が選択的に組合されて多様な変形が実施されることができるように構成されることもできる。