JP2020205159A - コネクタモジュール、コネクタ付通信ケーブル、及びコネクタアセンブリ - Google Patents

コネクタモジュール、コネクタ付通信ケーブル、及びコネクタアセンブリ Download PDF

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拓馬 日比野
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Abstract

【課題】組立性に優れるコネクタモジュールを提供する。【解決手段】100Mbps以上の通信に用いられる通信ケーブルの端部に設けられるコネクタモジュールであって、第一端子と、前記第一端子を収納するコネクタ部材と、前記コネクタ部材の外周を覆う筒状のシールド部材と、前記シールド部材と電気的に接続される筒状の導電ゴム部材とを備え、前記シールド部材は、前記通信ケーブルの端部が挿入される側に、前記導電ゴム部材を収納する収納部を備え、前記導電ゴム部材は、その軸方向に一様な横断面形状と、前記収納部の内周面に接する複数の突起部とを備える、コネクタモジュール。【選択図】図2

Description

本開示は、コネクタモジュール、コネクタ付通信ケーブル、及びコネクタアセンブリに関する。
近年、例えば100Mbps以上の高速通信が求められている。このような高速通信に用いられるコネクタ付通信ケーブルが、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されるコネクタ付通信ケーブルは、導体を有する通信ケーブルと、通信ケーブルの端部に取り付けられるシールド端子(コネクタモジュール)とを備える。上記シールド端子は、端子ユニットと、電磁波を遮断する外導体(シールド部材)とを備える。上記端子ユニットは、端子として機能する内導体(第一端子)と、コネクタとして機能する誘電体(コネクタ部材)とを備える。
特許文献1に開示される構成では、シールド端子が第1ハウジングに収納されている。第1ハウジングの後端部(通信ケーブル側の端部)には、ゴム栓が嵌め込まれている。第1ハウジングの後端部の開口部がゴム栓で閉塞された状態で、シールド端子が第1ハウジングに対して抜け止めされている。ゴム栓は、通信ケーブルにおけるシースの外周に取り付けられる筒状部材である。
特開2018−152174号公報
コネクタ付通信ケーブルの組立性の向上が求められる。具体的には、シールド端子(コネクタモジュール)を組立てるにあたり、通信ケーブルの外周に取り付けられるゴム栓等のゴム部材を、ハウジング等の収納部に容易に嵌め込み可能なことが求められる。
そこで、本開示は、組立性に優れるコネクタモジュールを提供することを目的の一つとする。また、本開示は、組立性に優れるコネクタ付通信ケーブル、及びコネクタアセンブリを提供することを目的の一つとする。
本開示のコネクタモジュールは、
100Mbps以上の通信に用いられる通信ケーブルの端部に設けられるコネクタモジュールであって、
第一端子と、
前記第一端子を収納するコネクタ部材と、
前記コネクタ部材の外周を覆う筒状のシールド部材と、
前記シールド部材と電気的に接続される筒状の導電ゴム部材とを備え、
前記シールド部材は、前記通信ケーブルの端部が挿入される側に、前記導電ゴム部材を収納する収納部を備え、
前記導電ゴム部材は、
その軸方向に一様な横断面形状と、
前記収納部の内周面に接する複数の突起部とを備える。
本開示のコネクタ付通信ケーブルは、
本開示のコネクタモジュールと、
前記第一端子に電気的に接続される導体を有する通信ケーブルとを備える。
本開示のコネクタアセンブリは、
本開示のコネクタ付通信ケーブルと、
前記コネクタ付通信ケーブルと並列される信号ケーブルと、
前記コネクタ付通信ケーブルと前記信号ケーブルとの各端部を一括して収納するアウタハウジングとを備える。
本開示のコネクタモジュール、コネクタ付通信ケーブル、及びコネクタアセンブリは、組立性に優れる。
図1は、実施形態1のコネクタモジュールを備えるコネクタ付通信ケーブルの斜視図である。 図2は、実施形態1のコネクタ付通信ケーブルを一部分解した分解斜視図である。 図3は、実施形態1のコネクタモジュールに備わるコネクタ部材を一部分解した分解斜視図である。 図4は、図1に示す(IV)−(IV)線で切断した概略断面図である。 図5は、図1に示す(V)−(V)線で切断した概略断面図である。 図6は、図1に示す(VI)−(VI)線で切断した概略断面図である。 図7は、実施形態1のコネクタモジュールに備わるシールド部材の斜視図である。 図8は、図7に示すシールド部材を反対側から見た斜視図である。 図9は、実施形態1のコネクタモジュールに備わるコネクタ部材のハウジングの斜視図である。 図10は、図9に示すハウジングを反対側から見た斜視図である。 図11は、実施形態1のコネクタモジュールに備わるコネクタ部材のカバーの斜視図である。 図12は、図11に示すカバーを反対側から見た斜視図である。 図13は、実施形態1のコネクタモジュールを備えるコネクタ付通信ケーブルの横断面図である。 図14は、実施形態1のコネクタモジュールに備わる第一端子の斜視図である。 図15は、図14に示す第一端子を反対側から見た斜視図である。 図16は、変形例1のコネクタモジュールに備わるコネクタ部材のハウジングの斜視図である。 図17は、変形例1のコネクタモジュールに備わるコネクタ部材のカバーの斜視図である。 図18は、変形例1のコネクタモジュールの横断面図である。 図19は、実施形態1のコネクタモジュールを備えるコネクタアセンブリの概略構成図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の実施形態に係るコネクタモジュールは、
100Mbps以上の通信に用いられる通信ケーブルの端部に設けられるコネクタモジュールであって、
第一端子と、
前記第一端子を収納するコネクタ部材と、
前記コネクタ部材の外周を覆う筒状のシールド部材と、
前記シールド部材と電気的に接続される筒状の導電ゴム部材とを備え、
前記シールド部材は、前記通信ケーブルの端部が挿入される側に、前記導電ゴム部材を収納する収納部を備え、
前記導電ゴム部材は、
その軸方向に一様な横断面形状と、
前記収納部の内周面に接する複数の突起部とを備える。
本開示のコネクタモジュールは、シールド部材の収納部に導電ゴム部材が嵌め込まれて構成される。導電ゴム部材は、収納部の内周面に接する複数の突起部を備える。そのため、収納部に導電ゴム部材を嵌め込む際、主に突起部が収納部の内周面に接触する。突起部を備えずに外周面が円筒面で構成される形態を円形型の導電ゴム部材と呼ぶ。突起部を備える本開示の導電ゴム部材は、円形型の導電ゴム部材に比較して、収納部の内周面との接触面積を小さくできる。この接触面積が小さければ、導電ゴム部材を収納部に嵌め込む際の抵抗が小さい。よって、本開示の導電ゴム部材は、円形型の導電ゴム部材に比較して、収納部に嵌め込み易い。
また、本開示の導電ゴム部材は、その軸方向に一様な横断面形状を備える。「軸方向に一様な横断面形状」とは、導電ゴム部材の軸方向の任意の位置で、導電ゴム部材の軸方向に直交する断面を採ったとき、いずれの断面も合同であることを言う。つまり、本開示の導電ゴム部材における突起部は、導電ゴム部材の一端部から他端部にわたって連続し、かつ導電ゴム部材の周方向に複数並んで設けられている。突起部が導電ゴム部材の周方向に延び、かつ導電ゴム部材の軸方向に複数並んでいる形態を横突起型の導電ゴム部材と呼ぶ。また、突起部が導電ゴム部材の一端部から他端部に向かって断続的に設けられている形態を断続突起型の導電ゴム部材と呼ぶ。本開示の導電ゴム部材は、横突起型の導電ゴム部材や断続突起型の導電ゴム部材に比較して、収納部に嵌め込み易い。それは、本開示の導電ゴム部材は、収納部の内周面と突起部との接触箇所に沿って収納部内に嵌め込まれるからである。以上より、本開示のコネクタモジュールは、導電ゴム部材を収納部に嵌め込み易く、組立性に優れる。
本開示のコネクタモジュールは、通信ケーブルの端部に装着される。このとき、導電ゴム部材は、通信ケーブルの遮蔽層の外周に取り付けられる。本開示の導電ゴム部材は、シールド部材に電気的に接続される。シールド部材は、接地される。よって、導電ゴム部材を通信ケーブルの遮蔽層の外周に取り付けると、導電ゴム部材及びシールド部材を介して、遮蔽層に流れる誘導電流を接地に逃がすことができる。
(2)本開示のコネクタモジュールの一例として、
前記導電ゴム部材は、押出成形体である形態が挙げられる。
本開示の導電ゴム部材は、突起部が導電ゴム部材の一端部から他端部にわたって連続し、かつ導電ゴム部材の周方向に複数並んで設けられている。よって、本開示の導電ゴム部材は、押出成形によって製造することができる。押出成形は、金型成形に比較して、軸方向に一様な横断面形状を備える円筒状部材を効率よく製造できる。よって、本開示のコネクタモジュールは、導電ゴム部材が押出成形体であることで、生産性に優れる。
(3)本開示のコネクタモジュールの一例として、
前記導電ゴム部材の周方向に隣り合う前記突起部間と前記収納部の内周面との間には、空間を備える形態が挙げられる。
本開示の導電ゴム部材は、上記空間を備えることで、円形型の導電ゴム部材に比較して、収納部の内周面との接触面積を小さくでき、収納部に嵌め込み易い。
(4)本開示のコネクタモジュールの一例として、
前記各突起部は、前記導電ゴム部材の軸方向に沿って延びている形態が挙げられる。
導電ゴム部材の軸方向に沿って複数の突起部が延びる形状は、平歯車形状である。また、導電ゴム部材の軸方向に傾斜して複数の突起部が延びる形状は、はす歯歯車形状である。平歯車形状の導電ゴム部材は、はす歯歯車形状の導電ゴム部材に比較して、製造し易く、生産性に優れる。
(5)本開示のコネクタモジュールの一例として、
前記導電ゴム部材は、シリコーンゴムで構成される形態が挙げられる。
シリコーンゴムは、比較的柔らかいゴムである。そのため、導電ゴム部材がシリコーンゴムで構成されることで、収納部に導電ゴム部材を嵌め込み易い。また、導電ゴム部材がシリコーンゴムで構成されることで、導電ゴム部材を通信ケーブルの遮蔽層の外周に取り付け易い。更に、導電ゴム部材がシリコーンゴムで構成されることで、収納部内に嵌め込まれた導電ゴム部材は、収納部の内周面及び通信ケーブルの遮蔽層の双方に密着し易い。
(6)本開示のコネクタモジュールの一例として、
前記導電ゴム部材は、導電性のフィラーを含む形態が挙げられる。
導電ゴム部材は、上述したように、シールド部材及び通信ケーブルの遮蔽層の双方に電気的に接続され、シールド部材と共に、遮蔽層に流れる誘導電流を接地に逃がす役割を果たす。導電ゴム部材に導電性のフィラーを含むことで、遮蔽層とシールド部材との間の電気的な接続を良好に確保できる。
(7)本開示のコネクタモジュールの一例として、
前記シールド部材は、鋳造体である形態が挙げられる。
シールド部材が鋳造体からなることで、シールド部材の周面に開口する孔を有さないようにできる。そのため、鋳造体からなるシールド部材は、電磁波の遮蔽性能に優れる。
また、シールド部材を鋳造体で構成することで、シールド部材を非分割構造の一体物とできる。そのため、鋳造体からなるシールド部材は、コネクタ部材に対して取り付け易い。また、鋳造体からなるシールド部材は、コネクタ部材に対して精度よく取り付けることができる。鋳造体からなるシールド部材をコネクタ部材に取り付ける場合、シールド部材の鋳造時の製造公差のみを考慮すれば良いからである。例えば、シールド部材は、板材をプレス成形して得られる二つのプレス成形体を組み合わせて構成することもできる(特許文献1の外導体を参照)。しかし、二つのプレス成形体を組み合わせたシールド部材をコネクタ部材に取り付ける場合、プレス成形時の部材の加工公差と、二つのプレス成形体を組み合わせる際の組付け公差を考慮する必要がある。このことから、鋳造体からなるシールド部材は、二つのプレス成形体を組み合わせて構成される場合に比較して、コネクタ部材に対して精度よく取り付けることができる。
(8)シールド部材が鋳造体である本開示のコネクタモジュールの一例として、
前記シールド部材は、その周面に開口する孔を有さない形態が挙げられる。
周面に開口する孔を有さないシールド部材は、周面に電磁波の通り道を有さない。よって、周面に孔を有さないシールド部材は、第一端子を流れる通信信号にノイズが重畳されることを効果的に抑制できる。また、周面に孔を有さないシールド部材は、第一端子から放射される電磁波が、コネクタ部材の近傍にある他の電気機器に影響を与えることを効果的に抑制できる。
(9)シールド部材が鋳造体である本開示のコネクタモジュールの一例として、
前記シールド部材の厚みの最小値が0.25mm以上1.0mm以下である形態が挙げられる。
鋳造体からなるシールド部材は、板材をプレス成形して得られるプレス成形体からなるシールド部材に比較して、厚さが厚くなり易い。鋳造体からなるシールド部材は、鋳造時における金型への溶湯の充填性を考慮する必要があるからである。シールド部材の厚みの最小値が0.25mm以上であることで、シールド部材の鋳造時における溶湯の充填性が悪化し難い。一方、シールド部材の厚みの最小値が1.0mm以下であることで、シールド部材の大型化を抑制できる。
(10)本開示のコネクタモジュールの一例として、
イーサネット(登録商標)規格を満たす形態が挙げられる。
イーサネット(登録商標)規格のコネクタモジュールは、例えば車両に搭載されるコネクタ付通信ケーブルに備わるコネクタモジュールとして好適に利用できる。近年の自動車では、無線・有線を問わず情報の通信量が非常に多くなる傾向にある。イーサネット(登録商標)規格のコネクタモジュールであれば、大容量の情報を高速に通信し易い。
(11)本開示のコネクタモジュールの一例として、
前記第一端子は、係合爪を備え、
前記コネクタ部材は、前記係合爪が係止される係合凹部を備える形態が挙げられる。
係合爪と係合凹部との係合によって、コネクタ部材に第一端子が強固に固定される。係合爪は、係合凹部に比較して複雑な形状を有する。この複雑な形状の係合爪が第一端子に設けられることで、コネクタ部材の構成を簡素にできる。そのため、コネクタ部材を小型化し易い。
(12)本開示の実施形態に係るコネクタ付通信ケーブルは、
上記(1)から(11)のいずれか1つに記載のコネクタモジュールと、
前記第一端子に電気的に接続される導体を有する通信ケーブルとを備える。
本開示のコネクタ付通信ケーブルは、本開示のコネクタモジュールを備える。そのため、本開示のコネクタ付通信ケーブルは、組立性に優れる。本開示のコネクタ付通信ケーブルは、高速通信に用いられるコネクタ付通信ケーブルとして好適に利用できる。
(13)本開示のコネクタ付通信ケーブルの一例として、
前記通信ケーブルは、ツイストペアケーブルである形態が挙げられる。
ツイストペアケーブルは、データの高速通信に適した差動通信に用いられる通信ケーブルである。ツイストペアケーブルは、ノイズの影響を受け難い。よって、ツイストペアケーブルは、100Mbps以上の高速通信に用いられる本開示のコネクタ付通信ケーブルに備わる通信ケーブルとして好適に利用できる。
(14)本開示のコネクタ付通信ケーブルの一例として、
前記通信ケーブルは、遮蔽層を備え、
前記導電ゴム部材は、前記遮蔽層と電気的に接続される形態が挙げられる。
本開示のコネクタモジュールは、通信ケーブルの端部に装着される。このとき、導電ゴム部材が通信ケーブルの遮蔽層と電気的に接続されることで、導電ゴム部材を介して、シールド部材と遮蔽層とを電気的に接続できる。シールド部材は、接地される。よって、導電ゴム部材及びシールド部材を介して、遮蔽層に流れる誘導電流を接地に逃がすことができる。
(15)導電ゴム部材が遮蔽層と電気的に接続される本開示のコネクタ付通信ケーブルの一例として、
前記通信ケーブルは、前記遮蔽層の外周を覆うシースを備え、
前記導電ゴム部材は、前記シースの外周に及ぶ長さを備える形態が挙げられる。
防水タイプのコネクタ付通信ケーブルでは、コネクタモジュールにおける通信ケーブルが挿入される側の端部に、止水栓が設けられる。導電ゴム部材がシースの外周に及ぶ長さを備えることで、コネクタモジュールの使用環境に存在する水分である環境水が、遮蔽層に付着することを抑制できる。つまり、導電ゴム部材は、止水栓の機能を有する。導電ゴム部材に止水栓の機能を持たせることで、上記止水栓を省略できる。止水栓を省略できれば、コネクタ付通信ケーブルを構成する部品の数を少なくでき、コネクタ付通信ケーブルの生産性を向上できる。
(16)本開示の実施形態に係るコネクタアセンブリは、
上記(12)から(15)のいずれか1つに記載のコネクタ付通信ケーブルと、
前記コネクタ付通信ケーブルと並列される信号ケーブルと、
前記コネクタ付通信ケーブルと前記信号ケーブルとの各端部を一括して収納するアウタハウジングとを備える。
コネクタ付通信ケーブルと信号ケーブルとがアウタハウジングで一体化されたコネクタアセンブリは、回路基板に対するコネクタの接続回数を減少させられる。本開示のコネクタアセンブリを、回路基板側のコネクタアセンブリに接続するだけで、信号ケーブルの伝送ルートと、通信ケーブルの伝送ルートとが構築されるからである。
(17)本開示のコネクタアセンブリの一例として、
前記信号ケーブルは、複数の第二端子を備え、
前記第一端子と前記第二端子の合計数が20以上200以下である形態が挙げられる。
第一端子と第二端子の合計数(極数)が20以上であることで、一度のコネクタアセンブリの接続によって多くの伝送ルートを構築できる。一方、極数が200以下であることで、コネクタアセンブリを相手側のコネクタアセンブリに接続する際の接続抵抗が高くなり過ぎない。
(18)本開示のコネクタアセンブリの一例として、
前記信号ケーブルは、複数の第二端子を備え、
前記第二端子のピッチが0.1mm以上2.0mm以下である形態が挙げられる。
第二端子のピッチが上記範囲であることで、コネクタアセンブリを小型化し易い。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係るコネクタモジュール、コネクタ付通信ケーブル、及びコネクタアセンブリの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
≪コネクタ付通信ケーブル≫
本例では、図1から図15に基づいて、自動車における有線の高速通信に用いられるコネクタ付通信ケーブル1を説明する。ここで、図1及び図4では、コネクタ付通信ケーブル1に加えて、車載装置の回路基板(図示せず)から延びるアース端子10を図示する。図3では、後述する第一端子6のワイヤバレル62が開いた状態で図示しているが、実際にはワイヤバレル62は閉じた状態になっている。図4及び図5では、通信ケーブル2の遮蔽層23は断面図としていない。図6は、コネクタ付通信ケーブル1を導電ゴム部材7の設けられた位置で、コネクタ付通信ケーブル1の長手方向と直交する方向に切断した断面図である。図6では、後述するシールド部材4の収納部47に導電ゴム部材7が嵌め込まれた状態であり、導電ゴム部材7の突起部71が径方向内側に向かって押圧されている。図1から図6の上下方向は、自動車における上下と必ずしも一致しない。
実施形態1のコネクタ付通信ケーブル1は、100Mbps以上の通信に用いられる通信ケーブル2と、通信ケーブル2の端部に設けられるコネクタモジュール3とを備える。本例のコネクタ付通信ケーブル1は、通信ケーブル2の片端にコネクタモジュール3が設けられたピグテール(pigtale)ケーブルである。本例とは異なり、コネクタ付通信ケーブル1は、通信ケーブル2の両端にコネクタモジュール3を備えるジャンパ(jumper)ケーブルであってもよい。
コネクタモジュール3は、図1から図3に示すように、第一端子6と、コネクタ部材5と、シールド部材4と、導電ゴム部材7とを備える。コネクタモジュール3は、第一端子6を内部に収納するコネクタ部材5がシールド部材4で覆われ、シールド部材4における通信ケーブル2が挿入される側の端部に導電ゴム部材7が嵌め込まれて構成される。実施形態1のコネクタモジュール3は、図2及び図3に示すように、導電ゴム部材7が歯車形状である点を特徴の一つとする。実施形態1のコネクタ付通信ケーブル1は、上記実施形態1のコネクタモジュール3を備える点を特徴の一つとする。以下、まず通信ケーブル2の構成を説明し、その後にコネクタモジュール3の詳細な構成を説明する。
≪通信ケーブル≫
通信ケーブル2は、100Mbps以上の通信速度を確保できるものであれば特に限定されない。通信ケーブル2の通信速度は、1Gbps以上であることが好ましい。本例の通信ケーブル2は、イーサネット(登録商標)規格を満たすツイストペアケーブルである。ツイストペアケーブルは、ノイズの影響を受け難い差動通信に好適である。
通信ケーブル2(ツイストペアケーブル)は、図3に示すように、撚り合わされた二本の電線2A,2Bを備える。電線2A,2Bは、導体20と、導体20の外周を覆う導体絶縁層21とを備える。撚り合わされた二本の電線2A,2Bは、介在絶縁層22によって一つにまとめられている。通信ケーブル2は更に、介在絶縁層22の外周に設けられる遮蔽層23と、遮蔽層23の外周を覆うシース24とを備える。遮蔽層23は、電磁波を遮蔽するための構成であって、例えば、銅、銅合金、アルミニウム合金等の編組線によって構成される。シース24は、ポリ塩化ビニル又はポリエチレン等の絶縁性樹脂によって構成される。
通信ケーブル2の端部は段剥ぎされている。具体的には、通信ケーブル2の端部において、シース24から遮蔽層23が露出され、遮蔽層23から介在絶縁層22が露出され、介在絶縁層22から各電線2A,2Bが露出されている。露出された各電線2A,2Bの先端では、導体20が導体絶縁層21から露出されている。
≪コネクタモジュール≫
コネクタモジュール3は、図1から図3に示すように、第一端子6と、コネクタ部材5と、シールド部材4と、導電ゴム部材7とを備える。本例のコネクタモジュール3は、図1から図5に示すように、更に止水栓30を備える。以下、コネクタモジュール3の各構成を詳細に説明する。各構成の説明にあたり、シールド部材4、導電ゴム部材7、コネクタ部材5、第一端子6、止水栓30の順に説明する。
〔シールド部材〕
シールド部材4は、第一端子6(図3)及び通信ケーブル2の導体20(図3)から放射される電磁波、及びシールド部材4の外部からの電磁波を遮蔽する部材である。シールド部材4は、図1に示すアース端子10に接触することで、接地されている。よって、電磁波によってシールド部材4に生じた誘導電流は、接地に逃がされる。また、シールド部材4は、導電ゴム部材7を介して、通信ケーブル2の遮蔽層(図3)にも電気的に接続されている。よって、遮蔽層23に生じた誘導電流も、導電ゴム部材7及びシールド部材4を介して、接地に逃がされる。
本例のシールド部材4は、図7及び図8に示すように、二つの筒状体4Aと連結部4Bとを備える。二つの筒状体4Aは、互いの軸が平行となるように横並びに配置されている。連結部4Bは、二つの筒状体4Aを軸方向に沿って連結する。シールド部材4は、二つの筒状体4Aと連結部4Bとが一体に構成された一体物である。二つの筒状体4Aはいずれも、連続する周壁を備える。周壁は、その内外に貫通する孔を有さない。筒状体4Aは、その内部にコネクタ部材5全体を収納できる長さを備える。図1では、片方の筒状体4Aにコネクタ部材5が収納されているが、実際は各筒状体4Aに一つずつコネクタ部材5が収納される。本例のシールド部材4は、二本の通信ケーブル2を一つにまとめる機能と、二本の通信ケーブル2の端部における電磁波をまとめて遮蔽する機能とを備える。本例とは異なり、シールド部材4は、一つの筒状体4Aで構成されていてもよい。また、シールド部材4は、三つ以上の筒状体4Aが連結部4Bで連結されていてもよい。
筒状体4Aの内部には、図4及び図5に示すように、コネクタ部材5の外周に係合するシールド側係合部42を備える。本例のシールド側係合部42は、シールド部材4の内周面から突出する係合凸部である。シールド側係合部42は、筒状体4Aの軸方向に沿ってある程度の長さを有する。シールド側係合部42は、コネクタ部材5の外周に設けられるコネクタ側係合部52の弾性突起520と段差部521(図10も参照)との間の空間に嵌め合わされる。シールド側係合部42とコネクタ側係合部52との係合については、後で詳述する。本例とは異なり、シールド側係合部42は、係合凹部であってもよい。
シールド部材4における相手端子が挿入される開口部40には、図7及び図8に示すように、第一ガイド部41が設けられている。第一ガイド部41は、筒状体4Aの軸方向の内方側から開口部40に向ってシールド部材4の厚みが徐々に薄くなることで構成されている。第一ガイド部41は、開口部40におけるアース端子10(図1)に対応する位置に設けられ、アース端子10を筒状体4Aの内部に導く。開口部40に第一ガイド部41があることで、車載装置の回路基板上に設けられる既存のアース端子10をそのままシールド部材4の接地に利用できる。そのため、シールド部材4の接地にあたり、回路基板の側に特別な設計変更は要求されない。
開口部40には、図4及び図8に示すように、第一ガイド部41の近傍に張出部44が設けられている。張出部44は、筒状体4Aの内周面が突出することで構成されている。張出部44は、筒状体4Aの内周面のうち、後述するコネクタ部材5の第二ガイド部55(図4)に対向する面に設けられている。張出部44は、第二ガイド部55によって湾曲されたアース端子10の外周面に接触する。つまり、張出部44は、シールド部材4とアース端子10との電気的な接点となる。
シールド部材4における通信ケーブル2の端部が挿入される側には、図4から図6に示すように、収納部47が設けられている。収納部47の内周面で形作られる内部領域の横断面積は、シールド部材4における収納部47以外の内部領域の横断面積に比較して大きい。収納部47を含むシールド部材4の内部領域の横断面積とは、シールド部材4の内周面で形作られる内部領域をシールド部材4の長手方向と直交する方向に切断した断面の面積である。収納部47の内周面と、シールド部材4における収納部47に連続する領域の内周面との間には、段差が形成されている。本例では、収納部47の横断面の形状は、レーストラック形状である(図6を参照)。レーストラック形状とは、互いに平行かつ同じ長さの一対の直線部の端部同士を円弧部で繋いだ形状である。収納部47には、通信ケーブル2における露出された遮蔽層23の外周に配置される導電ゴム部材7が嵌め込まれる。収納部47は、その内部に導電ゴム部材7全体を収納できる長さを備える。
シールド部材4の材質は、電気伝導率が高い合金であれば特に限定されない。シールド部材4の材質は、亜鉛合金であることが好ましい。亜鉛合金は、合金を構成する元素のうち、最も多く含まれる元素が亜鉛(Zn)である合金のことである。亜鉛合金としては、亜鉛の他に、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、及びスズ(Sn)からなる群より選択される少なくとも1種を含む合金などが挙げられる。亜鉛合金は、電気伝導率及び強度に優れるため、シールド部材4の材質として好適である。また、亜鉛合金は安価であるという点でもシールド部材4の材質として好適である。
シールド部材4は、溶かした金属(溶湯)を金型に充填して作製される鋳造体であることが挙げられる。本例のシールド部材4は、金型内に溶湯を圧入するダイキャスト(die−cast)材である。シールド部材4が亜鉛合金からなる鋳造体である場合、薄肉のシールド部材4を寸法精度よく作製し易い。亜鉛合金の溶湯は、粘度が低く、金型の狭い隙間に行き渡り易いからである。
シールド部材4が鋳造体からなる場合、シールド部材4の厚みの最小値(第一ガイド部41の傾斜面の位置を除く)は、0.25mm以上1.0mm以下であることが好ましい。第一ガイド部41の傾斜面とシールド部材4の外周面との最小距離は、0.25mm未満であることがあり得る。シールド部材4の厚みの最小値が0.25mm以上であることで、シールド部材4の鋳造時における溶湯の充填性が悪化し難い。また、シールド部材4の厚みの最小値が0.25mm以上であることで、シールド部材4の強度を十分に確保できる。一方、シールド部材4の厚みの最小値が1.0mm以下であることで、シールド部材4の大型化・重量化を抑制できる。シールド部材4の厚みの最小値は、好ましくは0.3mm以上0.9mm以下であることが挙げられる。
シールド部材4は、図7及び図8に示すように、局所的に厚くなった厚肉部43を備えることが挙げられる。本例では、図7に示すシールド部材4の対向する面の一方、及び図8に示すシールド部材4の対向する面の他方に厚肉部43が形成されている。シールド部材4に厚肉部43が設けられることで、シールド部材4の鋳造時における溶湯の充填性を向上できる。また、厚肉部43によってシールド部材4の強度を向上できる。
〔導電ゴム部材〕
導電ゴム部材7は、図2、図3、及び図6に示すように、通信ケーブル2における露出された遮蔽層23の外周に配置される筒状部材である。導電ゴム部材7は、その軸方向に一様な横断面形状と、外周面に複数の突起部71とを備える。「軸方向に一様な横断面形状」とは、導電ゴム部材7の軸方向の任意の位置で、導電ゴム部材7の軸方向に直交する断面を採ったとき、いずれの断面も合同であることを言う。つまり、突起部71は、導電ゴム部材7の一端部から他端部にわたって連続し、かつ導電ゴム部材7の周方向に複数並んで設けられている。本例の導電ゴム部材7は、その軸方向に沿って複数の突起部71が延びている平歯車形状で構成されている。本例とは異なり、導電ゴム部材7は、その軸方向に傾斜して複数の突起部71が延びているはす歯歯車形状で構成されていてもよい。
導電ゴム部材7は、図6に示すように、シールド部材4の収納部47に収納される。突起部71は、収納部47の内周面に接する。導電ゴム部材7が収納部47に収納された状態において、突起部71は、収納部47の内周面によって径方向内側に向かって押圧されている。突起部71は、この押圧に対する反発力によって、収納部47の内周面に密着する。また、導電ゴム部材7の横断面積は、収納部47の内周面で形作られる内部領域の横断面積よりも小さい。よって、導電ゴム部材7が収納部47に収納された状態において、導電ゴム部材7の周方向に隣り合う突起部71間と収納部47の内周面との間には、空間70を備える。上記空間70を備えることで、突起部を備えずに外周面が円筒面で構成される円形型の導電ゴム部材に比較して、導電ゴム部材7と収納部47の内周面との接触面積を小さくできる。
突起部71の突出量は、導電ゴム部材7が収納部47に収納された状態において、突起部71の先端が収納部47の内周面に接し、かつ上記空間70が構成される程度に適宜選択できる。本例では、導電ゴム部材7における突起部71の先端で形作られる包絡外形の横断面形状は、円形である。一方で、収納部47の横断面形状は、レーストラック形状である。よって、導電ゴム部材7は、収納部47に収納されると、収納部47の横断面における幅広側に伸びるように変形する(図6を参照)。このとき、突起部71のうち、収納部47の横断面における幅狭側に位置する突起部71が、収納部47の幅広側に位置する突起部71よりも収納部47の内周面により強く密着する。
導電ゴム部材7は、収納部47の内周面及び遮蔽層23の双方に接する。シールド部材4は、上述したように、図1に示すアース端子10に接触している。よって、遮蔽層23に生じた誘導電流は、導電ゴム部材7及びシールド部材4を介して、接地に逃がされる。
導電ゴム部材7は、天然ゴム又は合成ゴム等の各種ゴム原料に、導電性のフィラーが分散された複合材料の成形体で構成される。ゴム材料としては、シリコーンゴムが好適に利用できる。シリコーンゴムは、比較的柔らかいゴムである。そのため、導電ゴム部材7がシリコーンゴムで構成されることで、導電ゴム部材7を収納部47に収納し易い。また、導電ゴム部材7がシリコーンゴムで構成されることで、導電ゴム部材7を通信ケーブル2の遮蔽層23の外周に取り付け易い。更に、導電ゴム部材7がシリコーンゴムで構成されることで、収納部47内に収納された導電ゴム部材7は、収納部47の内周面及び遮蔽層23の双方に密着し易い。導電性のフィラーとしては、導電性カーボンブラックや、金属粉末が挙げられる。金属粉末としては、アルミニウム粉、銅粉、銀粉等が挙げられる。
導電ゴム部材7は、加熱溶融させた上記複合材料を圧縮してダイスと呼ばれる金型から押出すことで連続的に作製される押出成形体であることが挙げられる。押出成形では、金型から所望の形状の長尺材を作製し、その長尺材を複数の短尺材に切断することで導電ゴム部材7を得ることができる。よって、押出成形は、金型成形に比較して、軸方向に一様な横断面形状を備える円筒状部材を効率よく製造できる。そのため、導電ゴム部材7が押出成形体であると、生産性に優れる。本例の導電ゴム部材7は、押出成形体である。
本例の導電ゴム部材7は、シース24から露出された遮蔽層23の全てを覆っているわけではない。遮蔽層23のうち、導電ゴム部材7で覆われていない部分は、後述する止水栓30で覆われる。本例とは異なり、この導電ゴム部材7が、通信ケーブル2の軸方向におけるシース24の外周に及ぶ長さを有していても良い。例えば、導電ゴム部材7と、後述する止水栓30とが一体化されている形態が挙げられる。その場合、コネクタ付通信ケーブル1を構成する部品の数が少なくなるので、コネクタ付通信ケーブル1の生産性が向上する。なお、導電ゴム部材7と止水栓30とが一体物である場合、この一体物は、金型成形によって作製される。止水栓30には、環状の突起部30pが設けられているからである。
〔コネクタ部材〕
コネクタ部材5は、後述する第一端子6を収納する。また、コネクタ部材5は、シールド部材4内に収納される。本例のコネクタ部材5は、図2及び図3に示すように、ハウジング50とカバー51とを備える。ハウジング50及びカバー51は共に、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン等の絶縁性樹脂によって構成されている。
・ハウジング
ハウジング50は、図9及び図10に示すように、コネクタ筒部50Aと台座部50Bとを備える。コネクタ筒部50Aは、第一端子6(図3)の先端が挿入される。台座部50Bは、第一端子6と通信ケーブル2の導体20(図3)との接続箇所を下支えする。台座部50Bの紙面上方側は開口している。
コネクタ筒部50Aは、第一端子6(図3)が挿入される一対の挿入孔5hを備える。コネクタ筒部50Aには、その外周面から挿入孔5hに連通する係合凹部56(係合孔)が設けられている。係合凹部56は、挿入孔5hの内周面に形成される凹みであってもよい。係合凹部56には、後述する第一端子6の係合爪63(図14)が係合される。
台座部50Bは、ハウジング側係合部50Eと貫通孔57とを備える。ハウジング側係合部50Eは、ハウジング50とカバー51との連結に使用される。本例のハウジング側係合部50Eは、台座部50Bを貫通する係合孔によって構成されている。貫通孔57は、図3に示される第一端子6と通信ケーブル2の導体20との接続箇所に対応する位置に設けられている。貫通孔57は、第一端子6と導体20とを接続する作業を容易にするために設けられている。貫通孔57は、ハウジング側係合部50Eを兼ねている。本例とは異なり、ハウジング側係合部50Eは、係合爪であっても構わない。
・カバー
カバー51は、ハウジング50における台座部50Bの開口部を覆う部材である。カバー51は、図11及び図12に示すように、複数のカバー側係合部51Eを備える。本例のカバー側係合部51Eは、係合孔からなるハウジング側係合部50Eに嵌まり込む係合爪である。係合爪と係合孔との係合によって、カバー51がハウジング50に強固に固定される。本例とは異なり、ハウジング側係合部50Eを係合爪で構成し、カバー側係合部51Eを係合孔で構成してもよい。
カバー51は、図12に示すように、その内周面から突出する仕切り部58を備える。本例では、通信ケーブル2がツイストペアケーブルであり、二本の電線2A,2Bを備える。そのため、第一端子6と通信ケーブル2の導体20との接続箇所は、横並びに二箇所設けられる(図3を参照)。仕切り部58は、横並びされた接続箇所間に介在される。仕切り部58の介在によって、横並びされる接続箇所の間の絶縁が確保される。
・コネクタ部材に通信ケーブルを固定する構成
本例のコネクタ部材5は、図4及び図5に示すように、その内部にクランプ部53,54を備える。一方のクランプ部53は、図9に示すように、ハウジング50の台座部50Bの内周面に設けられている。より具体的には、クランプ部53は、台座部50Bにおける通信ケーブル2の遮蔽層23(図4及び図5)に対向する底部に設けられている。本例のクランプ部53は、台座部50Bの幅方向に長い幅広の爪状部材である。クランプ部53は、コネクタ筒部50Aの側に向うに従って突出量が大きくなっている。よって、クランプ部53を側方から見た形状は、概略直角三角形となっている。
他方のクランプ部54は、図12に示されるように、カバー51の内周面に設けられている。より具体的には、クランプ部54は、カバー51の本体部(カバー側係合部51Eを除く部分)におけるクランプ部53(図9)に対向する位置に設けられている。本例のクランプ部54は、クランプ部53とほぼ同じ幅の爪状部材である。クランプ部54は、仕切り部58の側に向うに従って突出量が大きくなった後、突出量が小さくなっている。クランプ部54における仕切り部58側の面の傾斜角度は、その反対側の面(通信ケーブル2側の面)の傾斜角度よりも大きくなっている。よって、クランプ部54を側方から見た形状は、概略不等辺三角形となっている。
図13は、クランプ部53,54の位置で、コネクタ付通信ケーブル1をその長手方向と直交する方向に切断した断面図である。クランプ部53,54は、図13に示すように、通信ケーブル2の遮蔽層23の外周から介在絶縁層22に食い込んでいる。本例では、介在絶縁層22に予め、クランプ部53,54を受け入れる切欠き部25が設けられている。本例とは異なり、ハウジング50とカバー51との係合時にクランプ部53,54が介在絶縁層22の外周を押圧して介在絶縁層22に食い込む構成であってもよい。いずれにせよ、クランプ部53,54によって、通信ケーブル2の端部にコネクタ部材5が強固に固定される。クランプ部53,54によって遮蔽層23が変形しても、コネクタ付通信ケーブル1の遮蔽性能は低下しない。本例のコネクタ付通信ケーブル1は、遮蔽性能に優れるシールド部材4によってコネクタ部材5の外周が覆われているからである。
ここで、従来のコネクタ付通信ケーブルでは、金属製のかしめリングによって通信ケーブルとコネクタ部材とを係合させている(例えば、特開2017−126408号公報等を参照)。より具体的には、通信ケーブルのシースの外周にかしめリングが取り付けられている。かしめリングの一部は、リングの径方向の外方に張り出している。この張り出した部分が、コネクタ部材に形成される切欠き溝に嵌め込まれることで、通信ケーブルとコネクタ部材とが係合されている。しかし、かしめリングを用いた構成では、コネクタ部材の長さが長くなり易い。コネクタ部材の長さが、シースを掴むかしめリングを内包できる長さでなければならないからである。例えば、本実施形態に係るコネクタ部材5に対してかしめリングを設ける場合、コネクタ部材5の長さは23mm程度となる。
従来のかしめリングを用いたコネクタ部材と比較して、本例のコネクタ部材5は短い。本例のコネクタ部材5では、クランプ部53,54が、通信ケーブル2におけるシース24が剥がされた部分を把持しているからである。クランプ部53,54によって通信ケーブル2を把持する構成では、コネクタ部材5の長さを22mm以下にできる。コネクタ部材5が短くなれば、コネクタ部材5を覆うシールド部材4も短くできる。よって、コネクタモジュール3が相当程度、軽量化される。より好ましいコネクタ部材5の長さは20mm以下である。コネクタ部材5の長さの下限値は10mm程度である。
・アース端子とシールド部材との接触を補助する構成
コネクタ部材5は、図9に示すように、挿入孔5hの側方に第二ガイド部55を備える。第二ガイド部55は、コネクタ部材5における相手端子が挿入される側に向かうに従ってシールド部材4から離れる側に傾斜する傾斜面を備える。よって、シールド部材4の内部に挿入されたアース端子10は、第二ガイド部55の斜面に沿ってシールド部材4側に湾曲する。湾曲したアース端子10は、シールド部材4に設けられた張出部44に接触する。アース端子10における第二ガイド部55よりも先端側の領域は、コネクタ部材5とシールド部材4との間でまっすぐに戻ろうとする。そのため、湾曲したアース端子10は、張出部44に強く押し付けられる。よって、自動車の振動に伴いコネクタモジュール3が振動しても、シールド部材4とアース端子10との電気的な接続が確保され易い。
・コネクタ部材をシールド部材に固定する
コネクタ部材5は、図4及び図5に示すように、シールド部材4のシールド側係合部42に係合するコネクタ側係合部52を備える。本例のコネクタ側係合部52は、図10に示すように、ハウジング50の外周面に設けられる。具体的には、コネクタ側係合部52は、コネクタ筒部50Aに設けられる弾性突起520と、台座部50Bに設けられる段差部521とで構成される。弾性突起520は、コネクタ筒部50Aの外周面に設けられるアーチ状部59の後端部(台座部50B側の端部)に片持ち状に支持される。弾性突起520におけるコネクタ部材5の先端側(台座部50Bと反対側)の面は傾斜面となっている。また、弾性突起520における台座部50B側の面は、垂直面となっている。段差部521は、台座部50Bが局所的に厚くなることで形成されている。段差部521におけるコネクタ部材5の先端側の面は垂直面となっている。
コネクタ部材5は、シールド部材4に対して、収納部47側から挿入される(図5を参照)。コネクタ部材5がシールド部材4に挿入されていくと、弾性突起520は、シールド側係合部42に接触し、シールド部材4から離れる側に押圧されて変形する。コネクタ部材5が更にシールド部材4に挿入されると、コネクタ部材5の段差部521がシールド側係合部42に当て止めされる。この当て止めによって、シールド部材4に対するコネクタ部材5の挿入が完了する。このとき、弾性突起520は、シールド側係合部42を乗り越えて元の形状に戻る。その結果、シールド側係合部42が、弾性突起520と段差部521とで挟まれた状態となる(図5を参照)。シールド側係合部42が弾性突起520と段差部521とで当て止めされるので、シールド部材4の内部にコネクタ部材5が強固に固定される。
〔第一端子〕
第一端子6は、雄端子でも雌端子でもよい。本例の第一端子6は、雌端子である。第一端子6は、図14及び図15に示すように、筒状部6Aと接続部6Bとを備える。筒状部6Aは、図示しない相手端子(雄端子)が挿入される端子孔6hを備える。第一端子(雌端子)6と相手端子(雄端子)との機械的な接触によって、両端子が電気的に接続される。第一端子6は、板材をプレス成形することで得られる。
筒状部6Aは、端子孔6hに挿入された相手端子の外周面を押圧する板バネ部60を備える。板バネ部60は、図15に示すように、筒状部6Aの一部によって構成されている。具体的には、角筒状の筒状部6Aを構成する側面の一つが、板バネ部60を構成している。板バネ部60における端子孔6h側の端部と、板バネ部60における接続部6B側の端部とが、筒状部6Aを構成する他の側面に繋がっている。板バネ部60を挟む筒状部6Aの二つの角部は打ち抜かれている。板バネ部60は、筒状部6Aの軸方向(相手端子が挿抜される方向)における中央部が筒状部6Aの内方に膨らむように湾曲している。このような板バネ部60は、プレス成形によって容易に得られる。例えば、第一端子6の元となる板材のうち、筒状部6Aの角部となる部分の一部を打ち抜いて、プレス成形によって筒状部6Aを作製するだけで、板バネ部60が形成される。
筒状部6Aは、板バネ部60と対向する側面に、筒状部6Aの内部に向かって凹む押圧部61を備える。押圧部61は、筒状部6Aに収納された相手端子を板バネ部60側に押圧する。その結果、相手端子と板バネ部60との接触が確実に確保される。押圧部61も、筒状部6Aをプレス成形する際に、板バネ部60と同時に形成できる。
接続部6Bは、通信ケーブル2の導体20(図3)に電気的に接続される箇所である。接続部6Bは、ワイヤバレル62を備える。ワイヤバレル62は、導体20を把持する部材である。ここで、本例の第一端子6は、通信ケーブル2の外周を把持するバレルとして、ワイヤバレル62のみを備える。従来の端子は、通信ケーブル2のシース24を把持するインシュレーションバレルを備えるが、本例の第一端子6はインシュレーションバレルを備えない。
第一端子6は、コネクタ部材5の係合凹部56(図9)に係合する係合爪63を備える。係合爪63は、第一端子6を構成する板材の一部に切込みを入れて、切込みが入った部分を屈曲させることで構成されている。そのため、係合爪63は、板バネのようになっている。係合爪63の先端は、ワイヤバレル62側に向いている。第一端子6は、コネクタ部材5の台座部50B側から挿入孔5hに挿入される(図9を参照)。挿入孔5hへの第一端子6の挿入時、係合爪63は筒状部6Aの内部側に向って変形する。係合爪63は、係合凹部56に対応する位置で、自身の弾性によって元の形に戻る。係合爪63は、係合凹部56に引っ掛かり、第一端子6はコネクタ部材5に強固に固定される。
第一端子6の各部の厚みは、0.15mm以下であることが好ましい。鋳造体からなるシールド部材4の厚みは、プレス体からなるシールド部材に比べて厚くなり易い。シールド部材4の大型化を避けるには、シールド部材4の内部に配置されるコネクタ部材5及び第一端子6を小型化することが好ましい。第一端子6の各部の厚みが0.15mm以下であれば、第一端子6を小型化し易い。
第一端子6の各部の厚みは、0.05mm以上であることが好ましい。第一端子6の各部の厚みが0.05mm以上であることで、第一端子6の強度を確保できる。第一端子6の各部の厚みは、好ましくは0.075mm以上0.13mm以下、更に好ましくは0.080mm以上0.10mm以下であることが挙げられる。ここでいう厚みには、第一端子6を構成する板材が折り曲げられてなるエッジの厚みは含まない。
第一端子6は、導電性に優れる材料で構成される。第一端子6は、従来の端子のように板バネ部60の外周を覆う保護部を備えない。よって、本例の第一端子6は、強度に優れる材料で構成されることが好ましい。導電性に優れ、かつ強度に優れる材料としてステンレス鋼が挙げられる。本例の第一端子6に好適なステンレス鋼としては、例えば欧州規格で1.4372、1.4373、1.4310、1.4318、1.4305、1.4307、1.4306、1.4311、1.4303、1.4401、1.4436、1.4404、1.4432、1.4435、1.4406、1.4429、1.4571、1.4438、1.4434、1.4439、1.4539、1.4541、1.4550、1.4587、1.4381、1.4462、1.4507、1.4002等が挙げられる。これらの中でも、導電性、強度の観点から、例えば、1.4310、1.4318が好ましい。第一端子6の表面は、導電性に優れる材質でメッキされていることが好ましい。例えば、メッキの材質として錫(Sn)又は銀(Ag)等が挙げられる。
上記構成を備える第一端子6は、非常にシンプルな構成である。特に、第一端子6は、板バネ部60及び押圧部61の外部を覆う構成を備えない。そのため、筒状部6Aのプレス成形時に、同時に板バネ部60及び押圧部61を作製できる。よって、本例の第一端子6は、従来の端子よりも容易に作製できる。
〔止水栓〕
止水栓30は、図4及び図5に示すように、通信ケーブル2における露出された遮蔽層23の外周に配置される筒状部材である。止水栓30は、導電ゴム部材7の後端面を、導電ゴム部材7の長手方向の先端側に向かって押圧するように配置される。よって、止水栓30は、導電ゴム部材7における収納部47から露出される後端面に密着して配置される。また、止水栓30は、遮蔽層23からシース24に跨って配置される。止水栓30は、遮蔽層23が環境水(空気中の水分を含む)にさらされることを抑制する機能を有する。
止水栓30は、通信ケーブル2が挿通されるケーブル孔30hを備える。ケーブル孔30hは、細径部h1と、細径部h1よりも内径が大きい太径部h2とを備える。細径部h1は、露出された遮蔽層23側に配置される。細径部h1の内周面は、遮蔽層23に密着している。太径部h2は、シース24側に配置される。太径部h2の内周面は、シース24に密着している。細径部h1と太径部h2との間には、段差部を備える。この段差部には、シース24の端面が引っ掛かっている。つまり、本例の止水栓30は、通信ケーブル2に直接組付けられる構造となっている。このような構造を有する止水栓30であれば、別途止水栓30を所望の位置に固定するホルダを必要としない。よって、コスト及び組立効率を含めたコネクタ付通信ケーブル1の生産性が向上する。
止水栓30は、導電ゴム部材7よりも外径が大きい。そして、止水栓30は、外周面に環状の突起部30pを備える。突起部30pは、シールド部材4の外周面よりも外方に位置するように設けられる。コネクタ付通信ケーブル1は、アウタハウジング90(図19)に収納されることがある。アウタハウジング90については、実施形態2で詳述する。止水栓30の突起部30pは、アウタハウジング90におけるコネクタ付通信ケーブル1の収納領域を構成する壁部90Aに接する。つまり、止水栓30は、コネクタ付通信ケーブル1とアウタハウジング90との隙間からコネクタモジュール3側に環境水が入ることを抑制する機能を有する。
≪効果≫
実施形態1のコネクタモジュール3は、歯車形状の導電ゴム部材7を備える。そのため、シールド部材4の収納部47に導電ゴム部材7を収納する際、主に突起部71が収納部47の内周面に接触する。また、導電ゴム部材7の周方向に隣り合う突起部71間と収納部47の内周面との間には、空間70が構成される。よって、歯車形状の導電ゴム部材7は、突起部を備えずに外周面が円筒面で構成される円形型の導電ゴム部材に比較して、導電ゴム部材7と収納部47の内周面との接触面積を小さくできる。従って、実施形態1の導電ゴム部材7は、円形型の導電ゴム部材に比較して、収納部47に嵌め込み易い。
導電ゴム部材7は、その軸方向に一様な横断面形状を備える。つまり、導電ゴム部材7における突起部71は、導電ゴム部材7の一端部から他端部にわたって連続し、かつ導電ゴム部材7の周方向に複数並んで設けられている。そのため、シールド部材4の収納部47に導電ゴム部材7を収納する際、収納部47の内周面と突起部71との接触箇所に沿って収納部47に導電ゴム部材7を嵌め込み易い。このことからも、実施形態1の導電ゴム部材7は、収納部47に嵌め込み易く、組立性に優れる。また、突起部71が導電ゴム部材7の一端部から他端部にわたって連続していることで、導電ゴム部材7を介した遮蔽層23とシールド部材4との導通を導電ゴム部材7の長手方向の全長にわたって確保できる。
突起部71が導電ゴム部材7の一端部から他端部にわたって連続し、かつ導電ゴム部材7の周方向に複数並んで設けられていることで、押出成形によって導電ゴム部材7を製造することができる。押出成形は、金型成形に比較して、軸方向に一様な横断面形状を備える円筒状部材を効率よく製造できる。よって、導電ゴム部材7が押出成形体であることで、生産性に優れる。特に、導電ゴム部材7の軸方向に沿って複数の突起部71が延びる平歯車形状の導電ゴム部材7は、製造し易く、より生産性に優れる。一方、導電ゴム部材7の軸方向に傾斜して複数の突起部71が延びるはす歯歯車形状の導電ゴム部材7は、はす歯の捻じれ方向と同じ向きに導電ゴム部材7を回転させながら収納部47内にねじ込むことで収納し易い。
導電ゴム部材7は、弾性を有する。そのため、導電ゴム部材7は、通信ケーブル2における露出された遮蔽層23の外周に配置し易い。導電ゴム部材7を拡径させて通信ケーブル2に嵌め込むだけで、遮蔽層23の外周に導電ゴム部材7を配置できるからである。よって、導電ゴム部材7が用いられたコネクタ付通信ケーブル1は、生産性に優れる。また、導電ゴム部材7が弾性を有することから、遮蔽層23の外周に密着し易い。よって、導電ゴム部材7が用いられたコネクタ付通信ケーブル1では、遮蔽層23とシールド部材4との電気的な接続を良好に確保できる。
<変形例1>
実施形態1とはクランプ部53,54の構成が異なるコネクタ部材5を備えるコネクタ付通信ケーブル1を図16から図18に基づいて説明する。図16は、コネクタ部材5のハウジング50を内周側から見た斜視図である。図17は、カバー51を内周側から見た斜視図である。図18は、クランプ部53,54の位置で、コネクタ付通信ケーブル1をその長手方向と直交する方向に切断した断面図である。
本例のハウジング50は、図16に示すように、台座部50Bの内周面にクランプ部を備えない。一方、本例のカバー51は、図17に示すように、その内周面に一対のクランプ部53,54を備える。クランプ部53,54は、カバー51の幅方向に離隔した位置に設けられている。具体的には、カバー51の後端側にある一対のカバー側係合部51Eのうち、一方のカバー側係合部51Eの内周面にクランプ部53が設けられ、他方のカバー側係合部51Eの内周面にクランプ部54が設けられている。クランプ部53,54は、仕切り部58の反対側に凸となる湾曲板状の部材である。そのため、クランプ部53,54の先端は、クランプ部53,54の根元よりも仕切り部58側(図3に示す第一端子6側)に配置されている。また、クランプ部53,54の根元から先端に向うに従って、クランプ部53,54の厚みが薄くなっている。クランプ部53,54は共に、カバー51における本体部にも一体に繋がっている。よって、クランプ部53,54は、カバー側係合部51Eの補強部材としても機能する。
本例のコネクタ部材5を用いたコネクタ付通信ケーブル1では、図18に示されるように、カバー51に設けられるクランプ部53,54が、通信ケーブル2を外周から挟み込む。その際、クランプ部53,54は、介在絶縁層22に設けられる切欠き部25に食い込む。この構成によっても、通信ケーブル2の端部にコネクタ部材5が強固に固定される。
<実施形態2>
実施形態1のコネクタ付通信ケーブル1を備えるコネクタアセンブリ9を、図19に基づいて説明する。図19は、コネクタアセンブリ9を端子6,80が露出する側から見た概略正面図である。本例のコネクタアセンブリ9は、実施形態1のコネクタ付通信ケーブル1と、信号ケーブル8と、アウタハウジング90とを備える。
信号ケーブル8は、電気的な信号を伝送するケーブルである。信号ケーブル8は、複数の第二端子80と、複数の第二端子80を収納するインナハウジング81とを備える。本例では、第一端子6が雌端子なので、第二端子80も雌端子である。第一端子6が雄端子の場合、第二端子80も雄端子である。アウタハウジング90は、コネクタ付通信ケーブル1と信号ケーブル8の各端部を一括して収納する。本例では、アウタハウジング90は、コネクタ付通信ケーブル1のコネクタモジュール3と、信号ケーブル8のインナハウジング81とを一括して収納する。アウタハウジング90は、筒部91と仕切り部92とを備える。筒部91は、アウタハウジング90の外観を構成する。仕切り部92は、筒部91内を複数の区画に区切る。本例のアウタハウジング90は、筒部91内が仕切り部92によって区切られることで、コネクタ付通信ケーブル1を収納する空間、及び信号ケーブル8を収納する空間を備える。
コネクタ付通信ケーブル1を備えるコネクタアセンブリ9は、自動車における通信環境の構築を容易にする。コネクタアセンブリ9を、車載装置の回路基板上に設けられる雄型のコネクタアセンブリ(図示せず)に接続すれば、信号ケーブルの伝送ルートと通信ケーブルの伝送ルートとが同時に構築される。
コネクタ付通信ケーブル1は、上述したように止水栓30(図1)を備える。アウタハウジング90にコネクタ付通信ケーブル1が収納されると、止水栓30の突起部30p(図1、図4、図5)がアウタハウジング90における筒部91及び仕切り部92で構成される壁部90Aに接触する。突起部30pと壁部90Aとの接触によって、コネクタ付通信ケーブル1とアウタハウジング90との隙間からコネクタモジュール3側に環境水が入ることを抑制できる。
第一端子6と第二端子80の合計数(極数)は20以上200以下であることが好ましい。極数が20以上であれば、一度のコネクタアセンブリ9の接続によって多くの伝送ルートを構築できる。極数が200以下であれば、本例の雌型のコネクタアセンブリ9を、雄型のコネクタアセンブリに接続する際の接続抵抗が高くなり過ぎない。
第二端子80のピッチは0.1mm以上2.0mm以下であることが好ましい。第二端子80のピッチが上記範囲であれば、コネクタアセンブリ9を小型化し易い。コネクタアセンブリ9を小型化できれば、回路基板上に設けられる雄型のコネクタアセンブリに対応した大きさのコネクタアセンブリ9を作製し易い。
1 コネクタ付通信ケーブル
2 通信ケーブル
2A,2B 電線
20 導体、21 導体絶縁層、22 介在絶縁層
23 遮蔽層、24 シース、25 切欠き部
3 コネクタモジュール
30 止水栓、30p 突起部
30h ケーブル孔、h1 細径部、h2 太径部
4 シールド部材
4A 筒状体、4B 連結部
40 開口部、41 第一ガイド部、42 シールド側係合部、43 厚肉部
44 張出部、47 収納部
5 コネクタ部材
5h 挿入孔
50 ハウジング
50A コネクタ筒部、50B 台座部、50E ハウジング側係合部
51 カバー、51E カバー側係合部
52 コネクタ側係合部、520 弾性突起、521 段差部
53,54 クランプ部、55 第二ガイド部
56 係合凹部、57 貫通孔、58 仕切り部、59 アーチ状部
6 第一端子
6A 筒状部、6B 接続部、6h 端子孔
60 板バネ部、61 押圧部、62 ワイヤバレル、63 係合爪
7 導電ゴム部材
70 空間、71 突起部
8 信号ケーブル
80 第二端子、81 インナハウジング
9 コネクタアセンブリ
90 アウタハウジング、90A 壁部、91 筒部、92 仕切り部
10 アース端子

Claims (18)

  1. 100Mbps以上の通信に用いられる通信ケーブルの端部に設けられるコネクタモジュールであって、
    第一端子と、
    前記第一端子を収納するコネクタ部材と、
    前記コネクタ部材の外周を覆う筒状のシールド部材と、
    前記シールド部材と電気的に接続される筒状の導電ゴム部材とを備え、
    前記シールド部材は、前記通信ケーブルの端部が挿入される側に、前記導電ゴム部材を収納する収納部を備え、
    前記導電ゴム部材は、
    その軸方向に一様な横断面形状と、
    前記収納部の内周面に接する複数の突起部とを備える、
    コネクタモジュール。
  2. 前記導電ゴム部材は、押出成形体である請求項1に記載のコネクタモジュール。
  3. 前記導電ゴム部材の周方向に隣り合う前記突起部間と前記収納部の内周面との間には、空間を備える請求項1又は請求項2に記載のコネクタモジュール。
  4. 前記各突起部は、前記導電ゴム部材の軸方向に沿って延びている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコネクタモジュール。
  5. 前記導電ゴム部材は、シリコーンゴムで構成される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコネクタモジュール。
  6. 前記導電ゴム部材は、導電性のフィラーを含む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコネクタモジュール。
  7. 前記シールド部材は、鋳造体である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコネクタモジュール。
  8. 前記シールド部材は、その周面に開口する孔を有さない請求項7に記載のコネクタモジュール。
  9. 前記シールド部材の厚みの最小値が0.25mm以上1.0mm以下である請求項7又は請求項8に記載のコネクタモジュール。
  10. イーサネット(登録商標)規格を満たす請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のコネクタモジュール。
  11. 前記第一端子は、係合爪を備え、
    前記コネクタ部材は、前記係合爪が係止される係合凹部を備える請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のコネクタモジュール。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のコネクタモジュールと、
    前記第一端子に電気的に接続される導体を有する通信ケーブルとを備える、
    コネクタ付通信ケーブル。
  13. 前記通信ケーブルは、ツイストペアケーブルである請求項12に記載のコネクタ付通信ケーブル。
  14. 前記通信ケーブルは、遮蔽層を備え、
    前記導電ゴム部材は、前記遮蔽層と電気的に接続される請求項12又は請求項13に記載のコネクタ付通信ケーブル。
  15. 前記通信ケーブルは、前記遮蔽層の外周を覆うシースを備え、
    前記導電ゴム部材は、前記シースの外周に及ぶ長さを備える請求項14に記載のコネクタ付通信ケーブル。
  16. 請求項12から請求項15のいずれか1項に記載のコネクタ付通信ケーブルと、
    前記コネクタ付通信ケーブルと並列される信号ケーブルと、
    前記コネクタ付通信ケーブルと前記信号ケーブルとの各端部を一括して収納するアウタハウジングとを備える、
    コネクタアセンブリ。
  17. 前記信号ケーブルは、複数の第二端子を備え、
    前記第一端子と前記第二端子の合計数が20以上200以下である請求項16に記載のコネクタアセンブリ。
  18. 前記信号ケーブルは、複数の第二端子を備え、
    前記第二端子のピッチが0.1mm以上2.0mm以下である請求項16又は請求項17に記載のコネクタアセンブリ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022176595A1 (ja) * 2021-02-19 2022-08-25 住友電装株式会社 コネクタ

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