JP2020203703A - シリコン材料の輸送用包装体に用いられるシーラント、包装材料、シリコン材料の輸送用包装体及びシリコン材料の梱包体 - Google Patents
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Abstract
Description
本明細書に添付した図面においては、理解を容易にするために、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりしている場合がある。本明細書等において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るシーラント10は、シリコン材料を輸送する際に用いられる包装体(シリコン材料の輸送用包装体)用のものであって、第1面11A及びそれに対向する第2面11Bを有するシーラント基材11を備える。シーラント基材11は、第1面11A側に位置する第1表面層111と、第2面11B側に位置する第2表面層112と、第1表面層111及び第2表面層112の間に挟まれている中間層113とを有する積層構造体であってもよいし(図1参照)、第1面11A及び第2面11Bを有する単層構造体であってもよい(図2参照)。
図3に示すように、本実施形態における包装材料20は、基部21の一方面側に第2面11Bを当接させるようにして上記シーラント10を積層してなる多層構造を有する。
基部21は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(登録商標,Ny)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等から選択される1種の樹脂材料又は2種以上の樹脂材料の積層体により構成される。なお、図3に示す例においては、基部21が2種の樹脂材料の積層体(第1樹脂層211及び第2樹脂層212)により構成されており、第1樹脂層211がシーラント10の第2面11Bに対する接着層として機能している。この場合において、例えば、第1樹脂層211はポリエチレン(PE)により構成され、第2樹脂層212はポリエチレンテレフタレート(PET)により構成されていればよい。
図6に示すように、本実施形態におけるシリコン材料の輸送用包装体40は、広げることで略方体状(略直方体状)となる包装袋であって、第1側面フィルム41、第2側面フィルム42、第1ガゼットフィルム43及び第2ガゼットフィルム44によって構成されている。第1側面フィルム41、第2側面フィルム42、第1ガゼットフィルム43及び第2ガゼットフィルム44は、いずれも上記包装材料20により構成されている。シリコン材料の輸送用包装体40は、第1側面フィルム41、第2側面フィルム42、第1ガゼットフィルム43及び第2ガゼットフィルム44のいずれものシーラント10の第1面11Aが最内面に位置し、基部21の他方面側が最外面に位置するように構成されている。
第1表面層111の構成材料として低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLDPE,宇部丸善ポリエチレン社製,製品名:UBEポリエチレンB128)を用い、中間層113の構成材料として低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLDPE,宇部丸善ポリエチレン社製,製品名:UBEポリエチレンB128)及びリニア低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLLDPE,プライムポリマー社製,製品名:ウルトゼックス3500ZA)の溶融混合物(配合比=1:1(質量基準))を用い、第2表面層112の構成材料として低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLDPE,宇部丸善ポリエチレン社製,製品名:UBEポリエチレンB128)を用い、多層共押出インフレーション成膜法により、図1に示す構成を有するシーラント10(第1表面層111(膜厚:8μm)、中間層113(膜厚:24μm)、第2表面層112(膜厚:8μm))を作製した。
低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLDPE,宇部丸善ポリエチレン社製,製品名:UBEポリエチレンB128)のペレット及びリニア低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLLDPE,プライムポリマー社製,製品名:ウルトゼックス3500ZA)のペレットを配合比7:3(質量基準)で溶融混合し、インフレーション成膜法により、図2に示す構成を有するシーラント10(厚み:40μm)を作製した。
無添加リニア低密度ポリエチレン(無添加LLDPE,タマポリ社製,製品名:NB−1)シーラント(厚み:50μm)を準備した。
実施例1〜2及び比較例1のシーラントを100mm×25mmに切り出した切片を被験試料として準備し、当該被験試料をエタノールに60℃1週間分間浸漬させた。エタノールに浸漬させた被験試料からの揮発成分を、下記条件のGC/MSにて分析し、マススペクトルを得た。得られたマススペクトルを図8A〜図8Cに示す。
・ガスクロマトグラフ:GCMS−QP2010(島津製作所社製)
・カラム:670−15003−03(長さ:30mm,内径:0.25mm,島津製作所社製)
・カラムオーブン温度:50℃
・注入量:1μL
・キャリアガス:He(57.1mL/分)
・気化室温度設定:300℃
・測定モード:スプリット
実施例1〜2及び比較例1のシーラントから所望サイズで切り出した切片を被験試料として準備し、当該被験試料について、ISO14577:2015に準拠して、温度23℃±2℃、湿度60%RH±5%RHの雰囲気で押込弾性率を測定した。まず、20mm×20mmの大きさに切り出した被験試料の第1面11Aが上面となるように市販のスライドガラスに、接着樹脂(製品名「アロンアルフア(登録商標)一般用」、東亜合成社製)を介して固定した。具体的には、スライドガラス1(製品名「スライドガラス(切放タイプ)1−9645−11」、アズワン社製)の中央部に上記接着樹脂を滴下した。この際、接着樹脂を塗り広げず、また後述するように押し広げたときに接着樹脂が被験試料からはみ出さないように1滴の接着樹脂を滴下した。その後、上記大きさに切り出した被験試料を第1面11A側が上面になり、かつ被験試料の中央部に接着樹脂が位置するようにスライドガラスに接触させ、スライドガラス1と被験試料の間で接着樹脂を押し広げ、仮接着した。そして、別の新しいスライドガラス2を被験試料の上に載せ、スライトガラス1/接着樹脂/被験試料/スライドガラス2の積層体を得た。次いで、スライドガラス2の上に30g以上50gの重りを置き、12時間室温で放置した。その後、重りとスライドガラス2を取り外し、これを測定用サンプルとした。そして、この測定用サンプルを除振台に平行に設置した微小硬さ試験機(製品名:ピコデンター(PICODENTOR)HM500、フィッシャー・インスツルメント社製)の測定ステージに固定した。この固定は、測定サンプルが動かないように、スライドガラス1の4辺をテープ(製品名:セロテープ(登録商標)、ニチバン社製)で固定した。次に、被験試料の第1面11Aにおいて、ビッカース圧子(対面角136°の正四角錐のダイヤモンド圧子)を装着させた超微小負荷硬さ試験機(ピコデンターHM500,フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて、押込速度0.15μm/秒、押込深さ3μm、保持時間5秒間、引き抜き速度0.15μm/秒の条件で押込弾性率を測定した。1つの被験試料において、少なくとも異なる5箇所で測定し、それらの測定値の平均を、シーラントについてその条件での押込弾性率の値とした。結果を表1に示す。
実施例1〜2及び比較例1のシーラントの第1面同士を下記表2に示す条件でヒートシールし、ヒートシール部を含む15mm幅のヒートシール試験片を採取し、当該ヒートシール試験片をJIS−Z1711に準拠してシール強度を求めた。結果を表2に示す。
11A…第1面
11B…第2面
20…包装材料
40…シリコン材料の輸送用包装体
50…シリコン材料の梱包体
Claims (13)
- シリコン材料の輸送用包装体に用いられるシーラントであって、
第1面及び前記第1面に対向する第2面を有するシーラント基材を備え、
前記シーラント基材は、前記第1面を含む第1部分と、前記第1部分よりも前記第2面側に位置する第2部分とを含み、
前記第1部分は、低密度ポリエチレン(LDPE)を含み、
前記第2部分は、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む
シーラント。 - 前記第2部分は、低密度ポリエチレン(LDPE)をさらに含む
請求項1に記載のシーラント。 - 前記シーラント基材は、前記第2部分よりも前記第2面側に位置する第3部分をさらに含み、
前記第3部分は、低密度ポリエチレン(LDPE)を含む
請求項1又は2に記載のシーラント。 - 前記シーラント基材は、前記第1部分を含む第1層と、前記第2部分を含む第2層とを少なくとも有する積層構造である
請求項1〜3のいずれかに記載のシーラント。 - 前記シーラント基材は、前記第1部分及び前記第2部分を少なくとも含む単層構造である
請求項1〜3のいずれかに記載のシーラント。 - 前記第1部分は、前記低密度ポリエチレン(LDPE)をリッチに含む
請求項5に記載のシーラント。 - 前記第2部分の厚みが、前記第1部分の厚みよりも厚い
請求項1〜6のいずれかに記載のシーラント。 - 前記第1部分に含まれる前記低密度ポリエチレン(LDPE)は、スリップ剤が実質的に添加されていない低密度ポリエチレンである
請求項1〜7のいずれかに記載のシーラント。 - 前記第2部分に含まれる前記リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)は、スリップ剤が実質的に添加されていないリニア低密度ポリエチレンである
請求項1〜8のいずれかに記載のシーラント。 - 樹脂材料により構成される基部と、
前記基部の一方面側に設けられてなる、請求項1〜9のいずれかに記載のシーラントと
を有し、
前記シーラントは、前記第2面を前記基部の一方面側に当接させるようにして設けられてなる包装材料。 - 前記基部の他方面側に設けられてなるガスバリア層をさらに有する
請求項10に記載の包装材料。 - 請求項10又は11に記載の包装材料により構成される
シリコン材料の輸送用包装体。 - 請求項12に記載のシリコン材料の輸送用包装体と、
前記シリコン材料の輸送用包装体内に収容されているシリコン材料と
を備えるシリコン材料の梱包体。
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