JP2020203481A - フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた像鮮明度を有しかつ、粘着剤との密着に優れたフィルムを提供すること。【解決手段】少なくとも一方の表面を、くし幅2.0mm、45°反射で測定した像鮮明度が80%以上である、芳香族ポリアミド、ポリイミドおよびポリアミドイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーを含有するフィルムとする。【選択図】 なし
Description
本発明はディスプレイ用フィルム、特にフレキシブルディスプレイ前面のカバーフィルムとして好適に使用可能なフィルムに関するものである。
近年、ディスプレイのフレキシブル化に向けた開発が本格的に進んでいる。このようなディスプレイでは、軽量化及び折り曲げや衝撃による割れを防ぐためにガラスを代替するフィルムが必要となる。特に、タッチパネルの前面板に用いるガラスを代替するフィルムでは表示された画像が鮮明に視認できるよう、高度な光学特性を有することが求められている。光学特性として、画像を明瞭に表示するため高透過率、低ヘイズであることはもちろんのこと、画像を歪みなく均質に表示できるよう、反射による像鮮明度が良好であることも必要である。また、ディスプレイ材料として用いる場合、他材料と十分に密着して積層構造を構成するためには適切な表面エネルギーを有することも必要な特性である。
フィルムの光学特性を向上させる技術として、特許文献1では芳香族ポリアミドフィルム上に無機粒子を含有した層をスパッタ法にて設けた高透明性フィルムが提案されている。しかしながら、スパッタ法では最表面の形状の制御が困難であることから反射による像鮮明度が制御できないという課題があった。また、特許文献2、3では基材フィルムの一部を塗工液中の良溶媒で溶出することにより、基材フィルムと塗工層の間に中間層を設けて層間の屈折率差を緩和することで干渉ムラを抑制したフィルムが提案されている。しかしながら、良溶媒による基材フィルムの溶出により、塗工層成分が基材フィルムへ浸透するため、塗工層最表面を平滑に形成させることが困難であるという課題がある。特許文献4では塗工層中に無機粒子に加えて有機粒子を用いることで塗工層の屈折率を制御し、透明性や干渉ムラ抑制に優れたフィルムが提案されているが、表面エネルギーの低下を抑制するため、フッ素系やSi系の界面活性剤を少量添加しているため、レベリング性が十分でなく、像鮮明度が十分でないという課題があった。
本発明は、良好な像鮮明度を有し、また他材料と十分に密着するために適切な表面エネルギーを有するフィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下を特徴とする。
少なくとも一方の表面を、くし幅2.0mm、45°反射で測定した像鮮明度が80%以上である、芳香族ポリアミド、ポリイミドおよびポリアミドイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーを含有するフィルム。
本発明によれば、良好な像鮮明度を有しており、かつ、粘着剤との良好な密着性を有するフィルムを提供でき、特にディスプレイ前面のカバーフィルムとして好適に用いることができる。
本発明のフィルムは、芳香族ポリアミド、ポリイミドおよびポリアミドイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーを含有するフィルムである。フィルムを構成するポリマーを上述の樹脂から選択することで、高強度かつ光学特性に優れたフィルムとすることができる。これらのポリマーは、単独で用いてもよく、もちろん併用して(混在して)用いても構わない。
また、本発明のフィルムは、上述のポリマーからなる構成としてもよく、少なくとも一方の表面にハードコート層を設けた構成としてもよい。ハードコート層の詳細については後述する。
本発明のフィルムは、少なくとも一方の表面を、くし幅2.0mm、45°反射で測定した像鮮明度が80%以上である。この像鮮明度は少なくとも一方の表面にて満たされていればよいが、もちろん両面共に満たしていてもよい。本発明のフィルムは、画像表示装置の視覚者側に配置して用いられることが好ましいが、その際は、像鮮明度が80%以上である面を視覚者側に向けて配置することが好ましい。
なお、ハードコート層を設ける場合は、フィルムのハードコート層を設けた側の表面の像鮮明度が80%以上であることが好ましい。この場合、ハードコート層を設ける前の表面の像鮮明度は80%以上であっても80%未満であっても構わないが、ハードコート層を設けた後のハードコート層表面の像鮮明度が80%以上であることが重要である。
像鮮明度が80%未満であると表示装置に組み込んだ際に像が、より歪んで視認される。明瞭に像を視認できるよう像鮮明度は85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。フィルム表面の像鮮明度を80%以上とするには、フィルムの表面を平滑にすること、また、ハードコート層を設けたフィルムの場合には基材フィルムの一部を良溶媒にて溶出させ基材フィルムとハードコート層の成分が混在する層(以下、中間層と記す)を設けて、基材フィルムとハードコート層との界面での屈折率差を緩和することにより達成可能である。
また、本発明のフィルムは、少なくとも一方の表面における表面自由エネルギーが30mN/m以上であることが好ましい。表面自由エネルギーが30mN/m未満であると、表示装置を構成する他の材料と密着させるための粘着剤が接着しない場合がある。接着性が向上することから、表面自由エネルギーは33mN/m以上がより好ましく、36mN/m以上であるとさらに好ましい。表面自由エネルギーを30mN/m以上とするには、たとえばフィルムの表面に易滑粒子を配置させ、その存在量を制御するなどしてフィルム表面の算術平均粗さRaを低減することで達成できる。表面にハードコート層を設けたフィルムの場合には、表示装置に組み込んだ際に表示装置側に面する表面にハードコート層を設けるための塗工液にアクリル系界面活性剤を添加することで達成できる。アクリル系界面活性剤としては、ポリエーテルモノマー変性等の各種変性アクリレート、アクリルポリマー、アクリルモノマー、アクリルコポリマー等を単独あるいは溶媒に溶解させた界面活性剤が挙げられる。
本発明のフィルムは、ハードコート層を有する場合、ハードコート層に無機粒子を含んでおり、ハードコート層の表面における無機粒子の存在比率が60%以上であることが好ましい。無機粒子の存在比率は走査型電子顕微鏡(SEM)等で得られた表面像から粒子の占める面積を算出することで求められる。測定方法の詳細については後述する。
無機粒子の存在比率が60%以上であることで、フィルムの表面硬度が向上し、表示装置のカバーフィルムとして好適に用いることができる。無機粒子の存在比率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。ハードコート層表面の無機粒子の存在比率は、たとえばハードコートを設けるための塗工液中の固形分における無機粒子量を30質量%以上とすることで達成できる。無機粒子量は40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。70質量%以上では塗工液中で粒子同士が凝集したり、ハードコート層が白濁したりする場合がある。
本発明のフィルムは、ハードコート層を有する場合、基材フィルムとハードコート層の界面に、SEM観察による電子密度が基材フィルム層及びハードコート層とは異なる中間層を0.5μm以上6.0μm以下の厚みで有することが好ましい。ここでいう中間層とは、ハードコート層の成分の一部が基材フィルムに浸透し形成された層であって、基材フィルム層またはハードコート層とは電子密度の点で区別できる層をいう。なお、この中間層は特に言及がない場合は基材フィルム層として扱う。中間層は、基材フィルムとハードコート層の屈折率差を緩和し、像鮮明度の向上や虹ムラの抑制に効果がある。また、基材フィルムとハードコート層の間に接着力を発現させ、繰り返し折り曲げた際にも剥がれにくくなる効果もある。中間層が0.5μm未満の場合、繰り返し折り曲げ時に剥がれが生じることがあり、6.0μmを超えると硬度が低下することがある。中間層を0.5〜6.0μmの厚みにするには、後述するハードコート層を形成するための塗工液中の溶媒に良溶媒/貧溶媒の質量比が15/85〜50/50の溶媒を用いることで達成できる。
良溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、n−メチル−2−ピロリドン、ブチロセルロースなどが好ましく、貧溶媒としては、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メチル、トルエン、塩化メチレンなどが好ましい。
また、ハードコート層を形成するための塗工液に用いる良溶媒において、沸点100℃未満の良溶媒と100℃以上の良溶媒を質量比で30/70〜70/30と併用することが好ましい。沸点の異なる良溶媒を併用することで、塗工液を塗工する時の溶媒乾燥工程において、無機粒子の表面への配列と溶媒乾燥の促進を両立することができる。沸点100℃以上の溶媒が質量比30未満となると、溶媒乾燥が短時間となり無機粒子の配列時間を充分に確保できず、ハードコート層の表面が粗面となり像鮮明度が不良となることがある。逆に沸点100℃以上の溶媒が質量比が70を超えると、乾燥時間が長くなることがあり生産性が低下することがある。沸点100℃未満の溶媒と100℃以上の溶媒を質量比で40/60〜60/40がより好ましい。
本発明のフィルムは、フィルム表面の算術平均粗さ(以下Ra)を10nm以下とすることが好ましい。また、本発明のフィルムにおいて片側表面にハードコート層を有する構成の場合には、ハードコート層を有しないフィルム表面のRaを10nm以下とすることが好ましい。Raが10nmを超える場合には光が散乱し、像鮮明度が低下する場合がある。フィルム表面のRaは5nm以下がより好ましい。フィルム表面のRaを10nm以下とするには、フィルムの表面に含有させる易滑を目的とした粒子の添加量を制御することやフィルム製膜工程での延伸条件の制御によって達成できる。
本発明のフィルムは、ハードコート層を有する場合にはハードコート層に1種類以上の無機粒子を含む。無機粒子は特に限定されないが、金属や半金属の酸化物、珪素化物、窒化物、ホウ素化物、塩化物、炭酸塩などが挙げられる。具体的には、シリカ(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化アンチモン(Sb2O3)及びインジウムスズ酸化物(In2O3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子が好ましい。また、表面硬度を向上させる目的で粒子を導入する場合、その平均粒子径は1〜300nmであることが好ましく、さらにフィルムの像鮮明度や透過率、ヘイズを適切な範囲とするためにより好ましくは50〜200nmである。なお、無機粒子には表面処理が施されたものが好ましい。ここでいう表面処理とは、粒子表面に化合物を化学結合(共有結合、水素結合イオン結合、ファンデアワールス結合、疎水結合等を含む)や吸着(物理吸着、化学吸着を含む)によって導入することをいう。
さらに、ハードコート層中の無機粒子と樹脂の含有率は、質量比で、粒子/樹脂=20/80〜80/20であることが好ましい。粒子/樹脂=20/80未満の場合、表面硬度が不足することがあり、80/20を超えるとハードコート層が白濁することがある。表面硬度と光学特性が高いレベルで両立することから、無機粒子/樹脂の質量比は30/70〜70/30であることがより好ましく、さらに40/60〜60/40とすることが好ましい。
ハードコート層をフィルム表面に設ける方法として、硬化性樹脂、粒子などを有機溶媒で希釈あるいは溶解させた塗工液を調整し、その塗工液をメタバーやスリットダイなどにより、フィルム上に塗布する方法が挙げられる。その後、基材フィルム上に塗布された硬化性樹脂を硬化させることでハードコート層が得られる。硬化方法としては熱硬化や紫外線照射、電子線(EB)照射による光硬化などが挙げられるが、用いる樹脂に最適な硬化方法であれば、特に限定されない。
また、硬化性樹脂を希釈または溶解させるために使用される有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、トルエン、塩化メチレン、ブチロセルロースの中から少なくとも1種以上選ばれることが好ましい。また、市販されている硬化性樹脂を使用する際には前記した有機溶媒以外の溶媒で既に希釈されている場合があり、そのような硬化性樹脂を使用する際には、前記した溶媒との混合溶媒となる場合がある。その際には前記した溶媒の濃度が30質量%以上とすることが好ましい。前記した溶媒の濃度が30質量%未満である場合、塗工した際に白化、カール、シワが生じることがある。
ハードコート層を設けるための塗工液に含まれる硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂などが好ましく、具体的には、有機シリコーン系、ポリオール系、メラミン系、エポキシ系、多官能アクリレート系、ウレタン系、イソシアネート系、有機材料と無機材料の複合材料である有機無機ハイブリット系および硬化性のある官能基を有するシルセスキオキサン系などの樹脂が挙げられる。より好ましくは、エポキシ系、多官能アクリレート系、有機無機ハイブリット系、シルセスキオキサン系の樹脂である。さらに好ましくは、多官能アクリレート系、有機無機ハイブリット系、シルセスキオキサン系の樹脂である。
ハードコート層を設けるための塗工液に含まれる多官能アクリレート系、シルセスキオキサン系樹脂については、多官能アクリレートモノマー、オリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、アルコキシシラン、アルコキシシラン加水分解物、アルコキシシランオリゴマー、などが好ましい。多官能アクリレートモノマーの例としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能アクリレート及びその変性ポリマー、具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネート系ウレタンポリマーなどを用いることができる。これらの単量体は1種類または2種類以上を混合して使用することができる。
さらに、ハードコート層を設けるための塗工液には本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、重合開始剤、架橋剤、蛍光剤、顔料、有機の滑剤、帯電防止剤などを用いることができる。なかでも、ハードコート層を高硬度化させるために、紫外線硬化性樹脂と光重合開始剤を組み合わせて用いることが好ましい。光重合開始剤の具体的な例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。
また、中間層の密着性を向上させるために、ハードコート層を設けるための塗工液に架橋剤を添加することも好ましい。一般に樹脂の密度を上げたり、樹脂の分子鎖同士を架橋させたりする添加物としては、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アクリルアミド系架橋剤、ポリアミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤等が挙げられるが、基材フィルムを構成するポリマーとの反応性がよく、剛性および無色透明性を損なわず発現させるには、オキサゾリン系架橋剤を添加することが好ましい。
光重合開始剤または架橋剤の添加量は、塗工液に含まれる紫外線硬化性樹脂100質量%に対して、0.01〜10質量%が好ましい。添加量が0.01質量%より少ない、または10質量%より多い場合、ハードコート層の硬化度が不足し、ディスプレイに加工され使用された時にキズや凹みを生ずることがある。
本発明のフィルムは、ハードコート層を有する場合、ハードコート層の片側の厚みが1〜20μmであることが好ましい。より好ましくは1〜15μmである。ハードコート層の厚みが1μmより薄いと、表面硬度が低くなることがある。また、ハードコート層の厚みが20μmを超えるとフィルムを曲げた際に、ハードコート層にクラックが発生することがある。
本発明のフィルムは、ハードコート層を有する場合、フィルムの片面あるいは両面のいずれにハードコート層を有していてもよい。両面に有する場合には、本発明の効果を損なわない範囲でハードコート層の組成を各面で変更してもよい。また、ハードコート層は片面につき1層あるいは2層以上で形成されていても構わない。
本発明のフィルムは、ハードコート層を有さない場合、厚み1〜60μmが好ましい。1μmより小さい場合は、ハンドリング性が悪くなる場合がある。60μmより大きい場合には、製膜時の延伸倍率が制限されることがあり、光学特性、表面性が本発明の範囲外となることがある。ハンドリング性、フィルム特性の両立から、厚み5〜50μmがより好ましく、10〜40μmがさらに好ましい。
本発明のフィルムは、ハードコート層を有する場合、総厚みは1〜100μmが好ましい。総厚みが1μmより小さい場合は、ハンドリング性が悪くなる場合がある。また、総厚みが100μmを超える場合は、フレキシブルディスプレイに加工した後、ディスプレイとしての耐折り曲げ性が悪化する場合がある。ハードコート層を有するフィルムの総厚みは、5〜80μmであることが、表面硬度と耐折り曲げ性をより高いレベルで両立する点でより好ましく、10〜50μmであることがさらに好ましい。
本発明のフィルムは、波長400nmにおける光線透過率が70%以上であることが好ましい。波長400nmにおける光の光線透過率が70%未満である場合、カバーフィルムに使用した際に視認性が低下することがある。なお、光線透過率の上限は100%である。ディスプレイに加工した際、画像がより鮮明に見えることから、より好ましくは、75%以上であり、さらに好ましくは、80%以上である。波長400nmにおける光の光線透過率を70%以上とするには、可視光低波長側の吸収を抑えたポリマー、例えば、化学式(1)で示される構造単位と、(2)〜(4)で示される群から選ばれる少なくとも1種の構造単位とを含有するポリマーを使用することにより達成可能である。
R1、R2:−H、炭素数1〜5の脂肪族基、−CF3、−CCl3、−OH、−F、−Cl、−Br、−OCH3、シリル基、または芳香環を含む基
R3:Siを含む基、Pを含む基、Sを含む基、ハロゲン化炭化水素基、芳香環を含む基、またはエーテル結合を含む基(ただし、分子内において、これらの基を有する構造単位が混在していてもよい)
R4:任意の基
R5:任意の芳香族基、任意の脂環族基
上述の構造単位において、ポリマー構造中にフッ素を含有する芳香族ポリアミドを用いることが好ましい。ポリマー構造中にフッ素を含有していない場合、可視光での光線透過率が低下し、タッチパネルの前面板(カバーフィルム)への適用が困難となる場合がある。また、フィルムが芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド以外の樹脂から構成される場合は、基材のヤング率低下やクリープ増大により、フィルムの強度が低下するため、ディスプレイに加工され使用された際にキズや凹み、さらにはフィルムの割れが生じる場合がある。
上述の構造単位において、ポリマー構造中にフッ素を含有する芳香族ポリアミドを用いることが好ましい。ポリマー構造中にフッ素を含有していない場合、可視光での光線透過率が低下し、タッチパネルの前面板(カバーフィルム)への適用が困難となる場合がある。また、フィルムが芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド以外の樹脂から構成される場合は、基材のヤング率低下やクリープ増大により、フィルムの強度が低下するため、ディスプレイに加工され使用された際にキズや凹み、さらにはフィルムの割れが生じる場合がある。
なお、本発明のフィルムの断面試験片を樹脂包埋法や凍結法などにより作成し、その断面片を用いて赤外分光分析(IR)などで組成分析を行うことで、基材のポリマー構造中にフッ素が含有されているかどうかを確認することができる。
また別の方法としては、本発明のフィルムをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)やジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒に浸漬すると、基材フィルムのみを溶解させることができるため、その溶液を赤外分光分析(IR)や核磁気共鳴分光分析(NMR)を用いて組成分析を行うことで、基材フィルムのポリマー構造中にフッ素が含有されているかどうかを確認することができる。
以下、芳香族ポリアミドフィルムを用いた例として、本発明のフィルムの製造方法について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
芳香族ポリアミド溶液、すなわち製膜原液を得る方法は種々の方法が利用可能であり、例えば、低温溶液重合法、界面重合法、溶融重合法、固相重合法などを用いることができる。低温溶液重合法つまりカルボン酸ジクロライドとジアミンから得る場合には、非プロトン性有機極性溶媒中で合成される。
カルボン酸ジクロライドとしてはテレフタル酸ジクロライド、2−クロロ−テレフタル酸ジクロライド、2−フルオロ−テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、ナフタレンジカルボニルクロライド、4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド、ターフェニルジカルボニルクロライド、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロライド、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸クロライド、2,6−デカリンジカルボン酸クロライドなどが挙げられるが、好ましくは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロライド、テレフタル酸ジクロライド、4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド、イソフタル酸ジクロライド、2−クロロ−テレフタル酸ジクロライドが用いられる。
ジアミンとしては例えば4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、o−トリジン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−トリジン)、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンなどが挙げられるが、好ましくは2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンが挙げられる。ポリアミド溶液は、単量体として酸ジクロライドとジアミンを使用すると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。また、イソシアネートとカルボン酸との反応は、非プロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
ジアミンとジカルボン酸ジクロライドを原料とした場合、原料の組成比によってアミン末端あるいはカルボン酸末端となる。または他のアミン、カルボン酸クロライド、カルボン酸無水物によって、末端封止を行ってもよい。末端封止に用いる化合物としては塩化ベンゾイル、置換塩化ベンゾイル、無水酢酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、4−エチニルアニリン、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、無水マレイン酸などが例示できる。
芳香族ポリアミドの製造において、使用する非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。さらにはポリマーの溶解を促進する目的で溶媒には50質量%以下のアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の塩を添加することができる。
本発明のフィルムとして適用可能な芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドには、表面形成、加工性改善などを目的として無機質または有機質の添加物を含有させてもよい。表面形成を目的とした添加剤としては例えば、無機粒子ではSiO2、TiO2、Al2O3、CaSO4、BaSO4、CaCO3、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、ゼオライト、その他の金属微粉末等が挙げられる。また、好ましい有機粒子としては、例えば、架橋ポリビニルベンゼン、架橋アクリル、架橋ポリスチレン、ポリエステル粒子、ポリイミド粒子、ポリアミド粒子、フッ素樹脂粒子等の有機高分子からなる粒子、あるいは、表面に上記有機高分子で被覆等の処理を施した無機粒子が挙げられる。
上記のように調製された製膜原液は、いわゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがありいずれの方法で製膜されても差し支えないが、ここでは乾湿式法を例にとって説明する。
乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金からドラム、エンドレスベルト、支持フィルム等の支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかかる薄膜層が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥条件は例えば、23〜220℃、60分以内の範囲で行うことができる。またこの乾燥工程で用いられるドラム、エンドレスベルト、支持フィルムの表面は平滑であればあるほど表面の平滑なフィルムが得られる。乾式工程を終えたフィルム(シート)は支持体から剥離されて湿式工程に導入され、脱塩、脱溶媒などが行なわれ、さらに延伸、乾燥、熱処理が行なわれてフィルムとなる。熱処理温度は、前述したように、クリープ等の機械特性を制御するため、250〜340℃であることが好ましく、280〜340℃であることがより好ましく、さらに好ましくは300〜320℃である。340℃を超えると黄色度(YI)が増加することがある。熱処理時間は30秒以上が好ましく、より好ましくは1分以上、さらに好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上である。また、熱処理は窒素やアルゴンなど不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
また、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等により構成されるフィルムは積層構成にすることも可能である。積層構成を有するフィルムを製造する場合は、口金の前または口金の中で積層して支持体にキャストする方法が用いられる。口金の前で積層する方法としてはピノールや複合管、フィードブロックと呼ばれる積層装置を用いて積層する方法が挙げられる。また、口金の中で積層する方法としては多層口金、マルチマニホールド口金を用いる方法が挙げられる。樹脂の有機溶媒溶液および芳香族ポリアミドなどのポリマー(樹脂組成物)の有機溶媒溶液は溶液粘度が異なることが多い。そのためピノールなど口金前で積層する方法では良好な積層構成を得ることが困難なことがある。このためマルチマニホールド口金を用いて積層することが好ましい。フィルムを積層構成とし、フィルム表面の少なくとも片側の表面の層に易滑性付与を目的とした粒子を含有させることで、易滑性と透明性を両立することができ、また、良好な像鮮明度とすることができる。また、フィルム表面の少なくとも片側の表面の層に易滑性付与を目的とした粒子を含有させた構成では、後述するハードコート層を設ける場合に、易滑性付与を目的とした粒子を含有させた側の表面にハードコート層を設けることで更に透明性を高めることができる。
フィルムの製造方法としては、前述したように、面性、光学特性を制御するため、フィルムの長手方向(製膜搬送方向。以下MDということがある)と、幅方向(フィルム面内で長手方向と直交する方向。以下TDということがある)ともに1.05〜10.00倍の延伸倍率にて延伸することが好ましい。MD方向の延伸倍率は好ましくは1.05〜5.00倍、より好ましくは1.05〜3.00倍、さらに好ましくは1.05〜2.00倍、もっとも好ましくは1.05〜1.50倍である。TD方向の延伸倍率は好ましくは1.05〜5.00倍、より好ましくは1.05〜3.00倍、さらに好ましくは1.05〜2.00倍、もっとも好ましくは1.05〜1.50倍である。また、MD方向の延伸倍率に対し、TD方向の延伸倍率が1.00〜1.50倍であるが好ましい。より好ましくは1.05〜1.20倍、最も好ましくは1.10〜1.15倍である。
フィルムの構造は、その原料によって決定される。原料が不明であるフィルムの構造分析を行う場合は、質量分析、核磁気共鳴法による分析、分光分析などを用いることができる。
本発明のフィルムを備えた画像表示装置は、画像表示素子の視覚者側に本発明のフィルムを備える。視覚者とは、画像表示装置に表示される画像を視覚で以って視認する者のことであり、テレビ等の場合では視聴者がこれにあたる。画像表示素子の視覚者側とは、画像表示装置において表示された画像を視覚者が視認する側を指す。
次に、本発明のハードコート層を有するフィルムの製造方法例を以下に示す。
基材となるフィルム表面にハードコート層を設ける手法としては、基材となるフィルム表面にハードコート層となる塗工液を塗布、乾燥、硬化の順で製造することでハードコート層を形成することが好ましい。また、基材となるフィルムの片面につき2層以上のハードコート層を形成する際には、逐次または同時塗布により基材となるフィルム表面に形成することが好ましい。さらに、基材となるフィルムの両方の表面にハードコート層を形成する際には、片面ずつ交互に逐次塗布または同時塗布、あるいは両面から逐次塗布、同時塗布することにより形成することが好ましい。
ここで、逐次塗布とは、ディップコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やダイコート法などを用いて、1種類の塗剤を塗布、乾燥、硬化により第1ハードコート層を形成した後に、1種類目とは異なる塗剤を第1ハードコート層の上に塗布、乾燥、硬化させることにより第2ハードコート層を形成する方法である。作成するハードコート層の種類および数については、適宜選択可能である。他方、同時塗布とは、多層スリットダイを用いて2種類以上の塗剤を同時に塗布、乾燥、硬化を行い、一度の塗布で2層以上のハードコート層を得る方法である。
溶媒を乾燥させる方法としては伝熱乾燥、熱風による乾燥、赤外線照射による乾燥、マイクロ波照射による乾燥が挙げられ、特に限定されるものではないが、熱風照射による乾燥が好ましい。熱風照射により溶媒を揮発させる場合、60〜150℃の温度条件で溶媒を揮発させることが好ましい。乾燥温度が60℃未満の場合、溶媒が揮発するまでに時間が掛かるため、フィルム内部に溶媒が残存することがある。また、150℃を超える場合、塗布層の流動性が高くなり過ぎて、塗工液中の固形成分が最表面に配列するための時間が十分でなく、最表面に凹凸形状や塗工液中の固形成分の一部が偏在する箇所が生じることがあり、像鮮明度が低下する可能性がある。より好ましくは70〜130℃、最も好ましくは80〜120℃である。特に、塗工液に架橋剤を添加して、基材フィルム成分と架橋反応させる場合には、100〜120℃が好ましい。
また、塗工液に無機粒子を含む場合、粒子分布をより均一にするために、上述の温度範囲でかつ2〜15m/秒の風速で乾燥させることが好ましい。より好ましくは4〜12m/秒、さらに好ましくは5〜10m/秒の風速である。風速をこの範囲とし、前記乾燥温度と併せて制御することで、塗布された塗工液内での粒子沈降を抑制する様な適切な乾燥時間とすることができ、ハードコート層の無機粒子配列を緻密で均一なものにすることができる。
硬化の方法としては、熱による熱硬化と電子線や紫外線などの活性エネルギー線を照射することによる硬化が挙げられる。紫外線や電子線を照射し硬化させる場合には、酸素濃度をできるだけ低くすることが好ましく、窒素などの不活性ガス雰囲気下で硬化させることが好ましい。酸素濃度が高い場合、酸素によってハードコート層最表面の重合反応が妨げられて表面の硬度が低下し鉛筆硬度が低下する場合がある。
基材となるフィルムの両面にハードコート層を設ける構成の場合には、各面で塗工層を硬化させる際の酸素濃度を変更することができる。塗工層を硬化させる際に高酸素濃度下で硬化に必要十分な、熱による熱硬化と電子線や紫外線などの活性エネルギー線を照射することによる硬化を行うこともできる。高酸素濃度下で硬化することによりハードコート層全体を充分硬化させる一方で、ハードコート層に含まれる分子鎖の親水基等の高表面自由エネルギー基がハードコート層最表面に露出し、ハードコート層最表面の表面自由エネルギーを高めることができる。基材となるフィルムの両面にハードコート層を設ける構成の場合には、各面の硬化の際の酸素濃度を上記の通り選択することで、高硬度と密着性を備えた積層フィルムとすることができる。
また、紫外線を照射する際に用いる紫外線ランプの種類としては、例えば放電ランプ方式、フラッシュ方式、レーザー方式、無電極ランプ方式等が挙げられる。
放電ランプ方式である高圧水銀灯を用いて紫外線硬化させる場合、紫外線の積算照度が100〜1,500mW/cm2であることが好ましく、より好ましくは200〜1,000mW/cm2、さらに好ましくは250〜800mW/cm2である。紫外線の積算照度が100mW/cm2以下の場合、未反応基が残存し、ハードコート層の硬化度が不足することがある。また、1,500mW/cm2を超える場合には、基材であるフィルムの平面性が悪くなり像鮮明度が低下することがある。
本発明のフィルムでハードコート層を設ける際には、ハードコート層に保護フィルムを貼合させることが好ましい。ここでいう保護フィルムとは少なくとも片面に微粘着層を有するフィルムのことを指す。保護フィルムを貼合することで、ハードコート層を片面のみに作成した際に生じるカールを抑制することができ、反対面を塗布する際に塗布ムラを抑えることができる。
さらに、ハードコート層および中間層の硬化度を上げるために、40〜70℃の温度条件で1〜72時間のエージング処理を行うことが好ましい。特に、ディスプレイ用のフィルムとしてロールtoロールで加工する場合には、紫外線照射工程の直後にハードコート層表面に保護フィルムを貼るため、ハードコート層内または中間層内に残存した溶媒によって塗液層の密度が低下したり、連続工程であるために紫外線照射工程の酸素濃度を下げることが難しく、硬化度が低下することがある。そこで、上述の条件でエージング処理を行うことにより、ロールtoロールによる加工においても、確実にハードコート層および中間層の硬化度を上げ、安定した硬度を付与することができる。
上記で説明した本発明のフィルムは、表示材料、表示材料基板、回路基板、フレキシブルプリント配線板(FPC)、光電複合回路基板、光導波路基板、半導体実装用基板、多層積層回路基板、透明導電フィルム、位相差フィルム、タッチパネル、ディスプレイ(特にタッチパネル)用カバーフィルム、コンデンサー、プリンターリボン、音響振動板、太陽電池、光記録媒体、磁気記録媒体のベースフィルム、包装材料、粘着テープ、接着テープ、加飾材料等種々の用途に好ましく用いられる。
特に、本発明のフィルムは画像表示装置に好ましく用いることができる。この場合、画像表示素子の視覚者側に本発明のフィルムを位置させると共に、フィルムの視覚者側の表面が像鮮明度80%以上となるように位置させることが好ましい。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
本発明における物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
(1)像鮮明度
下記装置およびJIS規格に基づいて測定を行い、くし幅2.0mmの時の像鮮明度を算出した。測定はフィルムの両面で実施した。
下記装置およびJIS規格に基づいて測定を行い、くし幅2.0mmの時の像鮮明度を算出した。測定はフィルムの両面で実施した。
装置:スガ試験機(株)製の写像性測定器ICM-IT
くし幅:2.0mm
測定モード:反射測定
入射光:45°
JIS規格:JIS K 7374:2007
(2)表面自由エネルギー
フィルムの表面自由エネルギーは下記装置、方法にて測定して得られた測定液の接触角より算出した。測定はフィルムの両面で実施した。
くし幅:2.0mm
測定モード:反射測定
入射光:45°
JIS規格:JIS K 7374:2007
(2)表面自由エネルギー
フィルムの表面自由エネルギーは下記装置、方法にて測定して得られた測定液の接触角より算出した。測定はフィルムの両面で実施した。
装置:協和界面科学株式会社製の接触角計DM−501i
測定液:水、エチレングリコール、ホルムアミド、ジヨードメタン
(3)ハードコート層の無機粒子の存在比率
ハードコート層を有するフィルムの表面を下記装置、方法にて観察を行い、得られた画像を元に、画像解析ソフト“粒子解析Ver.3.5”(日鉄テクノロジー株式会社)を用いて自動2値化を行い、その後二値画穴埋め処理を行った画像から無機粒子のハードコート層表面における存在比率を求めた。
測定液:水、エチレングリコール、ホルムアミド、ジヨードメタン
(3)ハードコート層の無機粒子の存在比率
ハードコート層を有するフィルムの表面を下記装置、方法にて観察を行い、得られた画像を元に、画像解析ソフト“粒子解析Ver.3.5”(日鉄テクノロジー株式会社)を用いて自動2値化を行い、その後二値画穴埋め処理を行った画像から無機粒子のハードコート層表面における存在比率を求めた。
観察装置:日本電子(株)製の電解放射走査電子顕微鏡 FE−SEM(JSM−6700F型)
観察倍率:30,000倍
観察モード:LEIモード
加速電圧:3kV
(4)全光線透過率およびヘイズ
フィルムの全光線透過率およびヘイズは下記装置および条件にて測定した。
観察倍率:30,000倍
観察モード:LEIモード
加速電圧:3kV
(4)全光線透過率およびヘイズ
フィルムの全光線透過率およびヘイズは下記装置および条件にて測定した。
装置:濁度計NDH5000(日本電色工業社製)
光源:白色LED5V3W(定格)
受光素子:V(λ)フィルタ付Siフォトダイオード
測定光束:φ14mm(入射開口φ25mm)
光学条件:全光線透過率:JIS−K7136(2000)、ヘイズ:JIS−K7375(2008)に準拠
(5)ハードコート層を有するフィルムの各層の厚み(フィルム層、ハードコート層、中間層)
ハードコート層を有するフィルムの各層の厚みは下記の装置を用いて観察し、その観察画像のスケールから各層の厚みを算出した。なお、中間層はハードコート層との界面に存在したフィルム層の一部であって、かつフィルム層及びハードコート層とは電子密度が異なる領域の厚みを求めた。
光源:白色LED5V3W(定格)
受光素子:V(λ)フィルタ付Siフォトダイオード
測定光束:φ14mm(入射開口φ25mm)
光学条件:全光線透過率:JIS−K7136(2000)、ヘイズ:JIS−K7375(2008)に準拠
(5)ハードコート層を有するフィルムの各層の厚み(フィルム層、ハードコート層、中間層)
ハードコート層を有するフィルムの各層の厚みは下記の装置を用いて観察し、その観察画像のスケールから各層の厚みを算出した。なお、中間層はハードコート層との界面に存在したフィルム層の一部であって、かつフィルム層及びハードコート層とは電子密度が異なる領域の厚みを求めた。
観察装置:日本電子(株)製の電解放射走査電子顕微鏡 FE−SEM(JSM−6700F型)
観察倍率:3,000倍
観察モード:LEIモード
加速電圧:3kV
また、観察用の断面サンプルは、下記の装置を用いて作成した。
観察倍率:3,000倍
観察モード:LEIモード
加速電圧:3kV
また、観察用の断面サンプルは、下記の装置を用いて作成した。
装置:(株)日本ミクロトーム研究所製ロータリーミクロトーム(MODEL:RM)、電子式試料凍結装置(MODEL:RM)
(6)表面硬度(鉛筆硬度)
JIS−K5600−5−4(1999)に準拠して、温度23℃、湿度65%RHにおいて、下記の装置を用いて測定した。
(6)表面硬度(鉛筆硬度)
JIS−K5600−5−4(1999)に準拠して、温度23℃、湿度65%RHにおいて、下記の装置を用いて測定した。
装置:表面測定機HEIDON−14DR(新東科学社製)
加重:750gf
角度:45°
移動速度:60mm/min
移動距離:10mm
試料固定:ガラス板上に試料をテープで貼付
使用鉛筆:ハイユニ(三菱鉛筆社製)、柔らかい(硬度が低い)方から順に、10B、9B、8B、7B、6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7H、8H、9H、10H
硬度判定:試験を5回実施し、3〜5回において傷および凹みが無い場合に、その硬度を有していると判定した。
加重:750gf
角度:45°
移動速度:60mm/min
移動距離:10mm
試料固定:ガラス板上に試料をテープで貼付
使用鉛筆:ハイユニ(三菱鉛筆社製)、柔らかい(硬度が低い)方から順に、10B、9B、8B、7B、6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7H、8H、9H、10H
硬度判定:試験を5回実施し、3〜5回において傷および凹みが無い場合に、その硬度を有していると判定した。
また、使用する鉛筆は、木部だけを削って、芯を円柱状に保った状態で5mm露出させた。次に、芯の先端を90度の角度を保ちながら研磨紙(番手:3M社製P1000)で研磨し、平滑で円形の断面を得た。この時、芯の角の部分に破片や欠けがなく、平滑で円形の断面が得られるまで研磨を続けた。なお、この操作は鉛筆を使用するたびに繰り返した。測定はフィルムの両面で実施した。
(7)黄色度(YI)
分光式色彩計SE−2000(日本電色工業社製)を用いて、温度23℃、湿度65%RHにおいて測定した。試験片は4cm×5cmの試料を用いて、透過モードにより測定した。
分光式色彩計SE−2000(日本電色工業社製)を用いて、温度23℃、湿度65%RHにおいて測定した。試験片は4cm×5cmの試料を用いて、透過モードにより測定した。
(8)耐折り曲げ性
オールグッド社製のJIS−K5600−5−1(1999)「フィルム屈曲試験」対応のマンドレルを用いて、以下のサンプルを折り曲げ、曲率半径Rを基準に判定した。測定は、巻内となる面を変えてフィルムの両面で実施し、良好な判定をそのフィルムの耐押し曲げ性とした。
オールグッド社製のJIS−K5600−5−1(1999)「フィルム屈曲試験」対応のマンドレルを用いて、以下のサンプルを折り曲げ、曲率半径Rを基準に判定した。測定は、巻内となる面を変えてフィルムの両面で実施し、良好な判定をそのフィルムの耐押し曲げ性とした。
サンプルサイズ:短辺50mm×長辺100mm
サンプル設置:長辺方向50mmの位置が折り曲げ線(円筒接触部)となるよう設置
折り曲げ:10回
判定 優:R=1mmでキズ・筋・クラックが発生しない
良:R=2mmでキズ・筋・クラックが発生しないが、R=1mmでは発生
可:R=3mmでキズ・筋・クラックが発生しない、R=2mmでは発生
不可:R=3mmでキズ・筋・クラックが発生する
また、本発明における基材となるフィルムの製膜原液およびハードコート層を設けるための塗工液の調製は次の方法に従って行った。
サンプル設置:長辺方向50mmの位置が折り曲げ線(円筒接触部)となるよう設置
折り曲げ:10回
判定 優:R=1mmでキズ・筋・クラックが発生しない
良:R=2mmでキズ・筋・クラックが発生しないが、R=1mmでは発生
可:R=3mmでキズ・筋・クラックが発生しない、R=2mmでは発生
不可:R=3mmでキズ・筋・クラックが発生する
また、本発明における基材となるフィルムの製膜原液およびハードコート層を設けるための塗工液の調製は次の方法に従って行った。
(9)フィルム(A)に使用する製膜原液(a)の調合
ポリマーA:脱水したN−メチル−2−ピロリドン(NMP、三菱化学社製)に、ジアミンとして2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB、東レ・ファインケミカル社製)を窒素気流下で溶解させ、氷水浴で液温を8℃に冷却した。そこへ、系内を窒素気流下、氷水浴中に保った状態で、ジアミン全量に対して99モル%に相当する2−クロロテレフタロイルクロライド(CTPC、日本軽金属社製)を30分かけて添加し、全量添加後、約2時間の撹拌を行うことで、芳香族ポリアミド(ポリマーA)を重合した。得られた重合溶液を、酸クロライド全量に対して97モル%の炭酸リチウム(本荘ケミカル社製)および6モル%のジエタノールアミン(東京化成社製)により中和することでポリマー濃度10質量%のポリマーAの製膜原液aを得た。
ポリマーA:脱水したN−メチル−2−ピロリドン(NMP、三菱化学社製)に、ジアミンとして2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB、東レ・ファインケミカル社製)を窒素気流下で溶解させ、氷水浴で液温を8℃に冷却した。そこへ、系内を窒素気流下、氷水浴中に保った状態で、ジアミン全量に対して99モル%に相当する2−クロロテレフタロイルクロライド(CTPC、日本軽金属社製)を30分かけて添加し、全量添加後、約2時間の撹拌を行うことで、芳香族ポリアミド(ポリマーA)を重合した。得られた重合溶液を、酸クロライド全量に対して97モル%の炭酸リチウム(本荘ケミカル社製)および6モル%のジエタノールアミン(東京化成社製)により中和することでポリマー濃度10質量%のポリマーAの製膜原液aを得た。
(10)硬化層(ハードコート層1)に使用する塗剤の調合
樹脂として多官能アクリレート(日本化薬株式会社製 KAYARAD PET30)、光重合開始剤としてビス(2−フェニル−2−オキソ酢酸)オキシビスエチレン化合物(BASF社製 Irgacure754)、粒子としてシリカ粒子(日産化学工業株式会社製 オルガノシリカゾル)、界面活性剤としてフッ素系界面活性剤(DIC製RS-75)を添加し、組成および溶媒を表1〜3の通り変化させ、ハードコート層1を設けるための塗工液を作成した。
樹脂として多官能アクリレート(日本化薬株式会社製 KAYARAD PET30)、光重合開始剤としてビス(2−フェニル−2−オキソ酢酸)オキシビスエチレン化合物(BASF社製 Irgacure754)、粒子としてシリカ粒子(日産化学工業株式会社製 オルガノシリカゾル)、界面活性剤としてフッ素系界面活性剤(DIC製RS-75)を添加し、組成および溶媒を表1〜3の通り変化させ、ハードコート層1を設けるための塗工液を作成した。
(11)硬化層(ハードコート層2)に使用する塗剤の調合
樹脂として多官能アクリレート(日本化薬株式会社製 KAYARAD PET30)、光重合開始剤としてビス(2−フェニル−2−オキソ酢酸)オキシビスエチレン化合物(BASF社製 Irgacure754)、粒子としてシリカ粒子(日産化学工業株式会社製 オルガノシリカゾル)、界面活性剤としてアクリル系界面活性剤(BYK製BYK−3560)を添加し、組成および溶媒を表2、3の通り変化させ、ハードコート層2を設けるための塗工液を作成した。
樹脂として多官能アクリレート(日本化薬株式会社製 KAYARAD PET30)、光重合開始剤としてビス(2−フェニル−2−オキソ酢酸)オキシビスエチレン化合物(BASF社製 Irgacure754)、粒子としてシリカ粒子(日産化学工業株式会社製 オルガノシリカゾル)、界面活性剤としてアクリル系界面活性剤(BYK製BYK−3560)を添加し、組成および溶媒を表2、3の通り変化させ、ハードコート層2を設けるための塗工液を作成した。
(実施例1、2)
製膜原液aに無機粒子(日揮触媒化成製OSCAL5116−CL、粒径45nm)をポリマーに対してそれぞれ表1に記載の量を添加し混錬したものを製膜原液a2とし、添加しないものを製膜原液a1とした。a1およびa2からなる製膜原液をピノールを用いてa2/a1/a2の積層構成とし口金から表面温度100℃に制御したステンレス製のエンドレスベルト上に膜状に流延した。次いで、流延した膜状物を熱風温度130℃のオーブン室に導入して、ポリマー濃度が50質量%となるまで溶媒を蒸発させた。次に、膜状物をエンドレスベルトから剥離し、40℃の純水が流水する水槽に導入し、脱塩、脱溶媒を行った。ここで、流延してから水槽を出るまでの工程で、長手方向(MD)に1.15倍の延伸を施した。最後に、水槽から出たフィルムをテンターに導入して熱処理を施すとともに、幅方向(TD)に1.35倍の延伸を施した。ここで、テンター内の熱風温度は、流延時に支持体に接していなかった表面側が280℃、支持体に接していた面側が300℃となるように制御して、フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表4に示す。
製膜原液aに無機粒子(日揮触媒化成製OSCAL5116−CL、粒径45nm)をポリマーに対してそれぞれ表1に記載の量を添加し混錬したものを製膜原液a2とし、添加しないものを製膜原液a1とした。a1およびa2からなる製膜原液をピノールを用いてa2/a1/a2の積層構成とし口金から表面温度100℃に制御したステンレス製のエンドレスベルト上に膜状に流延した。次いで、流延した膜状物を熱風温度130℃のオーブン室に導入して、ポリマー濃度が50質量%となるまで溶媒を蒸発させた。次に、膜状物をエンドレスベルトから剥離し、40℃の純水が流水する水槽に導入し、脱塩、脱溶媒を行った。ここで、流延してから水槽を出るまでの工程で、長手方向(MD)に1.15倍の延伸を施した。最後に、水槽から出たフィルムをテンターに導入して熱処理を施すとともに、幅方向(TD)に1.35倍の延伸を施した。ここで、テンター内の熱風温度は、流延時に支持体に接していなかった表面側が280℃、支持体に接していた面側が300℃となるように制御して、フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表4に示す。
(実施例3)
製膜原液aに無機粒子(日揮触媒化成製OSCAL5116−CL)をポリマーに対して表1に記載の量を添加し混錬したものをポリマーa2とし、a2を単独で製膜原液として、実施例1と同様の条件で製膜を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表4に示す。
製膜原液aに無機粒子(日揮触媒化成製OSCAL5116−CL)をポリマーに対して表1に記載の量を添加し混錬したものをポリマーa2とし、a2を単独で製膜原液として、実施例1と同様の条件で製膜を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表4に示す。
(実施例4〜6)
実施例3で得られたフィルム上に、表1に記載した組成、溶剤比率からなる塗工液をグラビアコーターを用いて乾燥後の厚みが15μmとなるように塗布して、乾燥温度90℃、表1に記載の風速にてオーブンで30秒間乾燥した。そのまま連続して、高圧水銀ランプを用いて出力120W/cm、積算光量400mJ/cm2となるように紫外線を照射して塗膜を硬化させた。このとき、紫外線照射工程の雰囲気が、酸素濃度1体積%未満となるように窒素パージして硬化させた。その後、塗工液が硬化したハードコート層に保護フィルムを貼り付けた。その後、温度60℃にて24時間のエージング処理を行い、総厚み40μm(保護フィルムの厚みを除く)の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの物性を表4に示す。
実施例3で得られたフィルム上に、表1に記載した組成、溶剤比率からなる塗工液をグラビアコーターを用いて乾燥後の厚みが15μmとなるように塗布して、乾燥温度90℃、表1に記載の風速にてオーブンで30秒間乾燥した。そのまま連続して、高圧水銀ランプを用いて出力120W/cm、積算光量400mJ/cm2となるように紫外線を照射して塗膜を硬化させた。このとき、紫外線照射工程の雰囲気が、酸素濃度1体積%未満となるように窒素パージして硬化させた。その後、塗工液が硬化したハードコート層に保護フィルムを貼り付けた。その後、温度60℃にて24時間のエージング処理を行い、総厚み40μm(保護フィルムの厚みを除く)の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの物性を表4に示す。
(実施例7〜11)
実施例4と同様の方法で得られた片面積層フィルムのもう片方の表面に、表2に記載した組成、溶剤比率からなる塗工液を用いて、実施例4と同様に表1に記載の条件で塗工、乾燥、硬化、エージング処理を行い、総厚み47μm(保護フィルムの厚みを除く)の両面積層フィルムを得た。得られた両面積層フィルムの物性を表5に示す。
実施例4と同様の方法で得られた片面積層フィルムのもう片方の表面に、表2に記載した組成、溶剤比率からなる塗工液を用いて、実施例4と同様に表1に記載の条件で塗工、乾燥、硬化、エージング処理を行い、総厚み47μm(保護フィルムの厚みを除く)の両面積層フィルムを得た。得られた両面積層フィルムの物性を表5に示す。
(比較例1)
製膜原液aに無機粒子(日揮触媒化成製OSCAL5116−CL、粒径45nm)をポリマーに対してそれぞれ表3に記載の量を添加し混錬したものを製膜原液a2とし、添加しないものを製膜原液a1とした。a1およびa2からなる製膜原液をピノールを用いてa2/a1/a2の積層構成とし、実施例1と同様に製膜を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表6に示す。
製膜原液aに無機粒子(日揮触媒化成製OSCAL5116−CL、粒径45nm)をポリマーに対してそれぞれ表3に記載の量を添加し混錬したものを製膜原液a2とし、添加しないものを製膜原液a1とした。a1およびa2からなる製膜原液をピノールを用いてa2/a1/a2の積層構成とし、実施例1と同様に製膜を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表6に示す。
(比較例2、3)
実施例3で得られたフィルム上に、表3に記載した組成、溶剤比率からなる塗工液を実施例3と同様に表2に記載の条件で塗工、乾燥、硬化、エージング処理を行い、総厚み40μm(保護フィルムの厚みを除く)の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの物性を表6に示す。
実施例3で得られたフィルム上に、表3に記載した組成、溶剤比率からなる塗工液を実施例3と同様に表2に記載の条件で塗工、乾燥、硬化、エージング処理を行い、総厚み40μm(保護フィルムの厚みを除く)の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの物性を表6に示す。
(比較例4〜7)
実施例4と同様の方法で得られた片面積層フィルムのもう片方の表面に、表3に記載した組成、溶剤比率からなる塗工液を用いて、実施例4と同様に表3に記載の条件で塗工、乾燥、硬化、エージング処理を行い、総厚み47μm(保護フィルムの厚みを除く)の両面積層フィルムを得た。得られた両面積層フィルムの物性を表6に示す。
実施例4と同様の方法で得られた片面積層フィルムのもう片方の表面に、表3に記載した組成、溶剤比率からなる塗工液を用いて、実施例4と同様に表3に記載の条件で塗工、乾燥、硬化、エージング処理を行い、総厚み47μm(保護フィルムの厚みを除く)の両面積層フィルムを得た。得られた両面積層フィルムの物性を表6に示す。
Claims (4)
- 少なくとも一方の表面を、くし幅2.0mm、45°反射で測定した像鮮明度が80%以上である、芳香族ポリアミド、ポリイミドおよびポリアミドイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーを含有するフィルム。
- 少なくとも一方の表面における表面自由エネルギーが30mN/m以上である、請求項1に記載のフィルム。
- 少なくとも一方の表面に無機粒子を含むハードコート層を有し、このハードコート層の表面における無機粒子の存在比率が60%以上である、請求項1または2に記載のフィルム。
- 画像表示素子の視覚者側に請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムを備えた画像表示装置であって、フィルムの視覚者側の表面をくし幅2.0mm、45°反射で測定した像鮮明度が80%以上である画像表示装置。
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Cited By (3)
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WO2022138287A1 (ja) * | 2020-12-25 | 2022-06-30 | 株式会社ニコン・エシロール | 組成物、眼鏡レンズ |
JP2023018663A (ja) * | 2021-07-27 | 2023-02-08 | エスケイシー・カンパニー・リミテッド | フィルム、光透過積層体、カバーフィルム及び多重層電子装備 |
-
2020
- 2020-06-11 JP JP2020101424A patent/JP2020203481A/ja active Pending
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