JP2020203332A - 研削液供給装置、研削加工システム、研削加工方法及びそれに用いるキャビテーション処理モジュール - Google Patents

研削液供給装置、研削加工システム、研削加工方法及びそれに用いるキャビテーション処理モジュール Download PDF

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【課題】砥石研削による金属製品の加工において、砥石の目詰まりが簡便な液処理により劇的に改善され、砥石切込量を従来より大幅に増加させても連続的な加工継続が可能となり、ひいては研削加工の効率改善に大きく貢献する研削液供給装置を提供する。【解決手段】水系研削液CLを処理媒体粒子の集合体に流通させることにより、水系研削液CLは処理媒体粒子の表面に接触してキャビテーション処理されたのち、研削加工装置100に供給される。処理媒体粒子をなす絶縁性セラミックは気孔率が10%以上60%以下の多孔質であり、また見かけ比重が1.0以上のものが採用されることで、ケーシング内で浮遊することなく安定した流速にて水系研削液CLと接触する。これにより、処理媒体粒子表面では水系研削液CL中の溶存空気が減圧析出するキャビテーションが生じ、水系研削液CLの回転砥石101表面への浸透性が改善される。【選択図】図1

Description

この発明は、砥石研削による金属製品の加工効率改善に寄与する研削液供給装置と、それを用いた研削加工システム及び研削加工方法、さらにはそれに用いるキャビテーション処理モジュールに関する。
平面研削、円筒研削及び内周面研削など、回転砥石を用いた金属製品の研削加工においては、砥石切込量を増加させることができれば、求められる研削代の除去に要する加工パス数が減じ、生産効率の向上を図ることができる。しかし、砥石切込量の過度の増加は、ワンパスで発生する加工スラッジ量及び加工時の摩擦負荷の増大を招き、砥石の目詰まりが早期に生じる結果、結局のところ生産効率の向上にはつながらない問題がある。
水系の研削液を用いた研削加工において、研削液の性状改善により砥石の目詰まり防止を図る技術として、研削液中のアルカリ無機塩の添加量を増加し、研削液のpHをやや強いアルカリ側に設定したものを使用する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2013−253138号公報
しかしながら、上記特許文献に開示された研削液は、アルカリ無機塩の添加量が高いため、水分蒸発に伴う液濃度管理が難しい欠点がある。また、アルカリ無機塩の添加量を相当増加させても、通常切込条件の研削加工において砥石目詰まりを防止できる以上の効果は望めず、例えば生産効率の明確な向上につながる切込量の増加等については期待するべくもない。
本発明の課題は、砥石研削による金属製品の加工において、砥石の目詰まりが簡便な液処理により劇的に改善され、砥石切込量を大幅に増加させても連続的な加工継続が可能となり、ひいては研削加工の効率改善に大きく貢献する研削液供給装置と、それを用いた研削加工システム及び研削加工方法、さらにはそれに用いるキャビテーション処理モジュールを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の研削液供給装置は、回転砥石により金属系ワークの表面を研削加工する研削加工装置の回転砥石に水系研削液を供給する研削液供給装置であって、水系研削液を貯留する研削液貯留部と、研削加工装置に研削液貯留部内の水系研削液を供給する供給配管と、供給配管の途上に設けられるとともに、水系研削液の流入口と流出口とを有した中空のケーシングと、ケーシングの内部に充填されるとともに見かけ比重が1.0以上であり気孔率が10%以上60%以下の絶縁性セラミックからなる処理媒体粒子の集合体とを備え、流入口からケーシング内に流入する水系研削液を処理媒体粒子の集合体に流通させることにより、水系研削液を処理媒体粒子の表面に接触させてキャビテーション処理しつつ流出口から流出させるようにしたキャビテーション処理モジュールと、を備えたことを特徴とする。
本発明の研削加工システムは、回転砥石により金属系ワークの表面を研削加工する研削加工装置と、回転砥石に水系研削液を供給する上記本発明の研削液供給装置とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の研削加工方法は、上記本発明の研削加工システムを用い、研削加工装置の回転砥石に研削液供給装置から水系研削液を供給しつつ金属系ワークの表面を研削加工することを特徴とする。
さらに、本発明のキャビテーション処理モジュールは、上記本発明の研削液供給装置に使用され、水系研削液の流入口と流出口とを有した中空のケーシングと、ケーシングの内部に充填されるとともに見かけ比重が1.0以上であり気孔率が10%以上60%以下の絶縁性セラミックからなる処理媒体粒子の集合体とを備え、流入口からケーシング内に流入する水系研削液を処理媒体粒子の集合体に流通させることにより、水系研削液を処理媒体粒子の表面に接触させてキャビテーション処理しつつ流出口から流出させるようにしたことを特徴とする。
上記本発明によると、水系研削液を処理媒体粒子の集合体に流通させることにより、水系研削液は処理媒体粒子の表面に接触してキャビテーション処理されたのち、研削装置に供給される。処理媒体粒子をなす絶縁性セラミックは気孔率が10%以上60%以下の多孔質であり、また見かけ比重が1.0以上のものを採用することで、ケーシング内で浮遊することなく安定した流速にて水系研削液と接触させることができる。これにより、処理媒体粒子表面では水系研削液中の溶存空気が減圧析出するキャビテーションが生じ、水系研削液の砥石表面への浸透性が向上する。その結果、砥石の目詰まりが簡便な液処理により顕著に生じにくくなり、砥石切込量を従来より大幅に増加させても連続的な加工継続が可能となる。これにより、研削加工の効率を大幅に改善できる。
本発明の研削加工システムの一実施形態を模式的に示す図。 本発明のキャビテーション処理モジュールの一実施形態を示す断面構造とともに示す正面図。 図2のキャビテーション処理モジュールの分解図。 処理媒体粒子を収容したカートリッジ容器の例を示す図。 図1のフィルタリング装置及びその周辺を拡大して示す図。 本発明の効果発現の推定機構説明図。 図6Aに続く推定機構説明図。 2系統のノズルにより回転砥石に水系研削液を供給する加工形態を示す図。 ワークの1パス接触長さの際による加工効率の違いを説明する図。 平面研削の第一例を示す模式図。 平面研削の第二例を示す模式図。 円筒研削の例を示す模式図。 内周面研削の例を示す模式図。 実施例に採用した処理媒体粒子のX線回折パターン測定結果を示す図。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づき説明する。
図1は、本発明の研削加工システムの一実施形態を模式的に示す図である。
研削加工システムは、回転砥石101により金属系ワークWKの表面を研削加工する研削加工装置100と、回転砥石101に水系研削液を供給する研削液供給装置200とを有する。研削液供給装置200は、水系研削液を貯留する研削液貯留部2と、研削加工装置100に研削液貯留部2内の水系研削液を供給する供給配管5と、供給配管5の途上に設けられるキャビテーション処理モジュール1とを備える。研削加工装置100は周知の平面研削盤装置として構成され、テーブル102上に固定されたワークWKが、リニアモータ機構等で構成された駆動部105により回転砥石101に対し相対的に往復動する。回転砥石101は図示しないモータ等により回転駆動され、ワークWKの厚さ方向に設定される所定の切込量によりワークWKの上面を研削する。なお、上記往復動の向きと水平面内で直交する向きにテーブル102をピッチ送りするピッチ送り機構と、回転砥石101を一定の切込量にて高さ方向にピッチ送りする切込駆動機構も設けられているが、いずれも周知のものであるので図示は省略する。
図2は、キャビテーション処理モジュール1の構造の詳細を示すものである。キャビテーション処理モジュール1は、水系研削液の流入口1Aと流出口1Bとを有した中空の金属製のケーシング31と、ケーシング31の内部に充填されるとともに見かけ比重が1.0以上であり気孔率が10%以上60%以下の絶縁性セラミックからなる処理媒体粒子44の集合体とを備える。水系研削液は流入口1Aからケーシング31内に矢印の向きに流入し、処理媒体粒子44の集合体内を流通する。水系研削液はこれにより、処理媒体粒子44の表面に接触することでキャビテーション処理された後、流出口1Bから流出する。
処理媒体粒子44をなす絶縁性セラミックは、気孔率が10%以上60%以下の多孔質であり、また見かけ比重が1.0以上のものが採用されることで、ケーシング31内で浮遊することなく安定した流速にて水系研削液と接触できる。開放気孔が形成する凹凸を有したセラミック表面に沿って水系研削液が流動すると、複雑な凹凸形状により微細な乱流が生じ、局所的に流速の高まった領域がベルヌーイの原理により減圧する。これにより、処理媒体粒子表面では水系研削液中の溶存空気が減圧析出するキャビテーションが生じ、水系研削液の性状は、結果的に砥石表面への浸透性が向上する向きに変化する。その結果、後述の実験結果にも示すように、砥石の目詰まりが簡便な液処理により劇的に改善され、砥石切込量を大幅に増加させても連続的な加工継続が可能となり、ひいては研削加工の効率改善が大幅に改善できる。
水系研削液の浸透性がキャビテーション処理により改善される原因については不明な点も多いが、キャビテーション処理を行わない研削液と比較した場合の切込量改善効果は極めて明確に再現され、その際に絶縁性セラミックの溶解がほとんど生じない点に鑑みれば、キャビテーション処理により、研削液のベースとなる水に何らかの物性変化が生じていると考えざるを得ない。例えば、絶縁性セラミックが水との接触摩擦により帯電し、その電界の影響により、極性を有した水分子の集団的性状(特に流動性)が変化して、砥石表面の微細な加工屑で埋まった凹凸隙間への浸透性が増す可能性があるとも考えられる。なお、従来は、キャビテーション処理の際に発生する微細気泡が、浸透性改善の本質を担うとの説もあったが、50〜500nm前後の大きさの気泡がその数桁小さいレベルでの水分子の集団挙動、特に浸透性向上の本質を支配しているということは物理的に考えにくい。また、現在開発されているレーザー回折式あるいはナノトラック方式の気泡測定装置の測定感度や精度にも依存するが、処理後の研削液を放置すれば上記サイズの気泡は再溶解により、多くの場合数分のレベルで観測不能となる。しかし、その気泡が観測されなくなった放置後の水系研削液であっても、上記本発明の効果は特に大きな変化を受けず維持されることも判明している。
処理媒体粒子44をなす絶縁性セラミックは、見かけ比重が1.0未満ではケーシング31内での浮遊や局所流動が生じやすくなるほか、浸透性改善効果の向上が十分に見込めなくなり、ひいては連続的な加工継続を前提とした切込量増加効果も期待できなくなる。その理由は、絶縁性セラミックの見かけの誘電率が低くなりすぎ、水系研削液と接触した時の帯電が起こりにくくなっていることに由来する可能性がある。上記見かけ比重は、より望ましくは1.5以上、より望ましくは2以上であるのがよい。
また、絶縁性セラミックの気孔率が60%を超えた場合も上記と同様の問題が生じる。一方、絶縁性セラミックの気孔率が10%未満になると、セラミック表面に開放する気孔量が少なくなり、十分なキャビテーション効果が見込めなくなる。この場合も水系研削液の浸透性改善効果の向上及び切込量増加効果が同様に期待できなくなる。絶縁性セラミックの見かけ比重の上限値は、絶縁性セラミックの真比重と上記気孔率の下限値により適宜定まることとなる。絶縁性セラミックの気孔率は、より望ましくは15%以上40%以下であるのがよい。また、形成される気孔のうちセラミック表面に開口する開放気孔のみがキャビテーションに寄与するので、この開放気孔の量を反映したパラメータとして絶縁性セラミックの吸水率も重要な因子となる。該吸水率は、5%以上40%以下であるのがよく、より望ましくは10%以上30%以下であるのがよい。
絶縁性セラミックは、結晶質鉱物と非晶質鉱物とが混在した構成を有するものを使用できる。この場合、結晶質鉱物と非晶質鉱物とが混在した天然鉱物を用いてもよいし、鉱物粉末を適宜配合・成型して焼成した人工焼成物を使用してもよい。該絶縁性セラミックは、X線回折パターンを測定した際に、非晶質鉱物に由来するハローピーク高さをIg、結晶質鉱物に由来する回折ピークの最も強度の高いもののピーク高さをIcとしたときに、Ig/Icの値が0.05以上0.3以下となるものを使用するのがよい。Ig/Icの値は絶縁性セラミック中に存在する溶融ガラス相(非晶質鉱物)の量を反映したものであり、この値が小さすぎるとセラミックの緻密性が不足し、絶縁性セラミックの見かけ比重を上記の下限値以上に確保できなくなる場合がある。一方、Ig/Icの値が高くなりすぎると、人工焼成物を使用する場合はセラミックの緻密化が進みすぎ、絶縁性セラミックの気孔率を上記上限値以下に保つのが難しくなる場合がある。他方、特殊な例としては、天然鉱物である軽石を使用した場合、地底にて高温高圧で封じ込められた溶存ガスの放出に由来した気孔により、溶融ガラス相の比率が高いにもかかわらず気孔率が80%以上となり、本発明に不向きとなる場合がある。
絶縁性セラミックは、石英と長石の合計含有量が90%以上となるように混合した鉱物組成を有するものが好適に採用可能である。石英と長石とを主体とする天然鉱物は、本発明に好適な気孔率及び比重を有したものが比較的に容易に調達できる利点があるほか、浸透性の向上への関与が推測される比誘電率も3以上5以下と、比較的高い値を確保することができる。また、石英と長石は単体鉱物原料の調達も容易であり、配合及び焼成条件を適宜考慮することにより、気孔率や見かけ比重の適正化も容易に図ることができる。なお、処理媒体粒子44の平均粒径は、例えば2mm以上5mm以下の範囲で適宜設定される。
図1に戻り、研削液供給装置200には、研削液貯留部2から水系研削液をくみ上げるとともに、供給配管5上のキャビテーション処理モジュール1に水系研削液を、キャビテーション処理モジュール1内の平均流速が0.6m/分以上となるように送液する送液ポンプ6が設けられている。キャビテーション処理モジュール1内の平均流速を0.6m/分以上に確保することで、処理媒体粒子44の表面における水系研削液の流速を、キャビテーション効果を生じさせる上で十分な値に確保することができる。該平均流速はより望ましくは1.0m/分以上、より望ましくは1.5m/分以上に確保されているのがよい。
キャビテーション処理モジュール1を流通する水系研削液の流量をρ(L/分)、処理媒体粒子44の充填量をW(g)、キャビテーション処理モジュール1内の平均流速をVとしたとき、送液ポンプ6の流量と処理媒体粒子44の充填量は、W・V/ρの値が2.0以上となるように定められているのがよい。本発明者は、キャビテーション効果は、処理媒体粒子44と接触する水系研削液の、処理媒体粒子44の単位重量当たりに割り振られる流量(W/ρ)と、水系研削液の運動エネルギー(V)に比例すると推測しており、研削加工による切込量向上についての実験結果をW・V/ρの値により整理したところ、よい相関があることを見出した。そして、W・V/ρの値が2.0以上となるように送液ポンプ6の流量と処理媒体粒子44の充填量を定めることで、研削加工に適用したときの切込量向上効果をより顕著なものとすることができる。
次に、研削液貯留部2は、研削加工装置100からの汚染された水系研削液を回収する汚液槽2Dと、該汚液槽2D内の水系研削液から加工スラッジを分離・除去して浄化済の水系研削液とするフィルタリング装置4と、浄化済の水系研削液をフィルタリング装置4から回収する浄化槽2Cとを備える。送液ポンプ6は浄化槽2Cから水系研削液をくみ上げ、キャビテーション処理モジュール1内を流通させた後供給配管5を経て研削加工装置100に供給され、ノズル103から回転砥石101に向けて噴射される。浄化槽2Cからの研削液をキャビテーション処理することで、キャビテーション処理モジュール1内の処理媒体粒子44がスラッジにより目詰まりしにくくなり、キャビテーション効果を長期にわたり安定に維持することができる。
また、図1においては、フィルタリング装置4にて分離された加工スラッジから、金属系ワークWKに由来する磁性金属スラッジを分離・除去するマグネットセパレータ11が設けられている。加工スラッジの中でも鉄系の磁性金属スラッジは回転砥石の目詰まりを特に進行させやすい成分であり、これをマグネットセパレータ11で除去することで、キャビテーション処理モジュール1を用いたときの回転砥石の目詰まり抑制効果、ひいては切込量増加効果をより顕著なものとすることができる。なお、マグネットセパレータ11自体は周知の構成のものを使用でき、その詳細についての図示等は省略する。
次に、図1においては、汚液槽2D内の水系研削液をくみ上げてフィルタリング装置4に供給する汚液ポンプ8と、マグネットセパレータ11にて磁性金属スラッジが分離された水系研削液を汚液槽2Dに戻す汚液戻し部7と、浄化槽2Cからオーバーフローする浄化済の水系研削液を汚液槽2Dに導くオーバーフロー部12とが設けられている。本実施形態では汚液戻し部7とオーバーフロー部12とはいずれも配管形態にて形成されている。これにより、研削加工装置100と、キャビテーション処理モジュール1を有した研削液供給装置200との間で水系研削液を、清浄かつ高度の研削性能改善効果を保ったまま閉鎖的に循環させることができる。
次に、図5に示すように、フィルタリング装置4は、汚液槽2D内の水系研削液の液面よりも上方に配置され底部に汚液戻し口4Jが開口するフィルタ筐体4Cと、該フィルタ筐体4Cの内側空間を、汚液戻し口4Jが開口する第一空間PSと、該第一空間PSに隣接する第二空間SSとに仕切る形で設けられるフィルタ部材41とを備える。汚液ポンプ8がくみ上げる汚液槽2D内の水系研削液CLは、フィルタ筐体4Cの第一空間PSに供給され、フィルタ部材41にて金属スラッジが分離されて第二空間SSに浄化済の水系研削液として回収され、該第二空間SSから該浄化済の水系研削液が浄化槽2Cに戻される。
フィルタ部材41は、フィルタ筐体4C内に配置されるフィルタフレーム41sと、該フィルタフレーム41sにより上下に展張された形で保持されるとともに該筐体側壁部の周方向に沿う筒状のフィルタシート41fとを備える。フィルタシート41fは内側空間が第一空間PSとされる一方、筐体側壁部内面との間に第二空間SSを隙間形態(本実施形態では円管状形態)に区画形成する。第二空間SSの下端側は、フィルタフレーム41sと筐体側壁部内面との間を結合する液流通不能なフレーム基部41bにて塞がれている。
汚液ポンプ8は汚液槽2D内の水系研削液CLを、第一空間PSの筒状のフィルタシート41fの内側をなす領域にて、汚液戻し口4Jからの流出に打ち勝つ形で液面を上昇させるように供給する。そして、供給された水系研削液は、フィルタシート41fの第一空間PS側の面を濾過面とする形で加工スラッジが濾過され、フィルタシート41fを厚さ方向(半径方向外向き)に透過して第二空間SSに流出する。一方、フィルタシート41fの内側の濾過面に堆積した加工スラッジSLは、供給された水系研削液の一部とともに第一空間PS内に落下し、汚液戻し口4Jからフィルタ筐体4Cの下方に配置されたマグネットセパレータ11に導かれる。
第一空間PSに供給された水系研削液は、フィルタシート41fを介して第二空間SS側に一部を透過させつつ、フィルタシート41fで囲まれた第一空間PS内にて液面ILVを上昇させる。一方、外側の第二空間SSは、加工スラッジが分離・除去された浄化済の水系研削液が徐々に流れ込み液面OLVを上昇させる。初期状態では両液面はほぼ一致しているが(図中、破線で示す)、フィルタシート41fの濾過面に堆積する加工スラッジ量が増加すると、フィルタシート41fの流通抵抗が増大する結果、水系研削液の第二空間SS側への透過量が減少する。フィルタシート41fの液透過量の減少に伴い、第一空間PS内の液面ILVは、第二空間SSの液面OLVよりも高くなる。一方、フィルタシート41fの濾過面上の加工スラッジは、液面ILVより下の部分が液接触している結果、脱水せずに流動性を維持するため自重により落下し、徐々に取り除かれる。
すると、フィルタシート41fの液流通抵抗が減少し、水系研削液の第二空間SS側への透過量が増加する。これにより、第一空間PS内の液面ILVが下がり、第二空間SSの液面OLVと一致する位置まで下がれば初期状態に戻る。このように、上記の構造によると、第一空間PS内の液面ILVの上下動が周期的に繰り返えされることで、フィルタシート41fの目詰まりが効果的に抑制され、水系研削液の浄化を効率的かつ連続的に継続できるようになる。この場合、本発明のキャビテーション処理モジュール1の採用により研削切込量が増加すれば、フィルタシート41fの濾過面への加工スラッジの堆積速度が上昇し、その自重による落下除去も促進される。その結果、液面ILVの上下動周期も短縮され、加工スラッジ分離処理の効率が一層高められる利点が生ずる。
図5においては、フィルタ筐体4Cの汚液戻し口4Jの直下にスラッジ受け部10が設けられ、汚液戻し口4Jから排出される加工スラッジ及び研削液が該スラッジ受け部10に落下した後、その下方に配置されたマグネットセパレータ11により磁性金属スラッジが分離除去され、研削液は汚液槽2Dに流れ込むようになっている。
次に、図2に示すように、キャビテーション処理モジュール1内には、水系研削液の流通経路部として、流入口1Aから処理媒体粒子44の集合体内を経由して流出口1Bへ向かう処理経路部CFと、流入口1Aから処理媒体粒子44の集合体の外側を迂回して流出口1Bへ向かう迂回経路部PF1,PF2とが設けられている。処理媒体粒子44の集合体内部は流通抵抗が高く、水系研削液の流れ全体の速度が低下して、キャビテーション効果が十分に得られなくなる場合がある。しかし、上記のような迂回経路部PF1,PF2を設けることで、流路全体の圧損が下がり、処理経路部CF側の流速が極度に低下することを効果的に防止できる。該効果をより顕著なものとするには、キャビテーション処理モジュール1内の水系研削液の全流量に対する処理経路部CFへの流量分配率が0.15以上となるように、処理経路部CFと迂回経路部PF1,PF2との流通断面積が定められているのがよい。
ケーシング31は、軸線方向の一端に流入口1Aが、他端に流出口1Bが各々開口する円筒状のケーシング本体部32を備える。該ケーシング31本体の内側には、円筒状のカートリッジ容器40が同心的に挿入配置され、そのカートリッジ容器40に処理媒体粒子44の集合体が収容されている。図4に示すように、カートリッジ容器40は、壁厚方向の液流通を遮断するとともに両端面が開口する円筒状金属製のカートリッジ本体45と、該カートリッジ本体45の両端面を、水系研削液の流通は許容し処理媒体粒子44の漏出は阻止する形で閉鎖する透液閉鎖部42(本実施形態では、溶接部43によりカートリッジ本体45の端部開口に接合されるメッシュ部材)とを備える。処理媒体粒子44が充填されるカートリッジ本体45の内側空間が処理経路部CFとされる一方、カートリッジ本体45の外周面とケーシング31の内周面との間に迂回経路部PF1,PF2が円管状に形成されている。カートリッジ本体45により、処理経路部CFと迂回経路部PF1,PF2とを容易に区画できる。またカートリッジ容器40に処理媒体粒子44が充填されていることで、スラッジの堆積等により処理媒体粒子44の交換が必要になった場合も、交換作業が容易である。
また、図3に示すように、カートリッジ本体45とケーシング31との間には、軸線方向の一端にカートリッジ容器40の収容開口36Aが形成され、かつ周壁部及び底部が透液構造壁部とされた円筒状の補助容器36が同軸的に配置されている。カートリッジ容器40は該補助容器36の内側に同軸的に収容されている。本実施形態では、図2に示すように、ケーシング31はケーシング本体部32の両端に形成されたフランジ部32fA,32fBに対し、各々ねじ部33tA,33tBを有した1対の継ぎ手部材の33A,33Bの各フランジ部33fA,33fBがオーリング35A,35Bを介して重ね合わされ、さらにフェルールクランプ34A,34Bを介して締結結合されている。
図2に示すように、迂回経路部PF1,PF2は、ケーシング本体部32の内周面と補助容器36の外周面との間に形成される円管状の第一の迂回経路部PF1と、補助容器36の内周面とカートリッジ本体45の外周面との間に形成される第二の迂回経路部PF2とを備える。補助容器36の介装により迂回経路部が第一の迂回経路部PF1と第二の迂回経路部PF2とに分割され、流通抵抗の大きい処理経路部CFとの圧損差が縮小するので、迂回経路部側に水系研削液の処理流が偏りにくくなり、処理経路部CFに分配される流れを適度な値に確保することができる。
図2に示すように、補助容器36の周壁部の収容開口36A側の端部周縁には、第一の迂回経路部PF1を当該端部側にて隙間嵌め形態で閉鎖するフランジ部36Fが半径方向外向きに張り出す形で一体形成されている。水系研削液は、収容開口36Aにて補助容器36の周壁部とカートリッジ本体45との間の環状の入り口から第二の迂回経路部PF2内に流入し、さらに補助容器36の周壁部を貫通して第一の迂回経路部PF1へ流出するようになっている。これにより、迂回経路部へ向かう水流の流通抵抗がさらに大きくなり、迂回経路部側に水系研削液の処理流が偏る不具合をより効果的に防止できる。補助容器36の周壁部と底部はいずれも多数の流通孔36h,36bhが分散形成されたパンチングメタルにより形成されている。
本発明者は、本発明により回転砥石101の目詰まりが生じにくくなる機構を、次のように推測している。図6Aに示すように、キャビテーション処理モジュール1にて処理された水系研削液CLはノズル103から、ワークWKと回転砥石101との接触面に向けて噴射される。研削により発生するスラッジ粒子は、ワークWKからの金属スラッジ粒子MDと摩耗した砥石粒MDを主体とするものであり、これらのスラッジ粒子は回転砥石101の研削面に形成された凹部に上記接触面に生ずる高い摩擦圧力によって押し込まれる。研削面は凹部がスラッジ粒子により埋められて次第に平滑化し、目詰まりを起こす。しかし、本発明に従い処理された水系研削液は、回転砥石101に向けて噴射されたのち、スラッジ粒子とともに凹部の内部へ浸透し、接触面から離脱した研削面区間SC1においても凹部内に封じ込められた状態となっている。
ここで、回転砥石101は高速回転を継続しているので、凹部内に封じ込められた水系研削液は、凹部内に強固に圧入されているスラッジ粒子との間の僅少な隙間にも、回転の遠心力によって徐々に染み込んでいく。これにより、スラッジ粒子は凹部内面との固着抵抗が緩和され、やがて脱落するので目詰まりが防止されると考えられる。目詰まりの防止効果は、図6Bに示すように、回転砥石101のワークWKとの接触面以外の周面に処理済みの水系研削液CLを噴射した場合でも顕著に得られている。この場合、図7に示すように、処理済みの水系研削液CLを、ワークWKとの接触面と、接触面以外の周面領域とに同時に噴射すると、目詰まり防止効果は一層顕著となり、回転砥石101のワンパス当たりの切込量をさらに増大させることができる。
凹部内に封じ込められた水系研削液が、遠心力によってスラッジ粒子との隙間に浸透すると推測する根拠は、図8に示すように、1ストローク内のワークWKとの接触面長(加工時間)が小さくなるほど、目詰まり防止効果となりワンパス当たりの切込量をより増大できる実験結果からも裏付けられている。例えば、図8において、長辺方向300mm、短辺方向150mmの板状のワークWK(材質:SKH51)を、CBN回転砥石(番手#170)により平面研削した場合、本発明の処理を行わない研削液(通常液)を用いた場合の連続研削可能な最大切込量は、ワークWKを長辺方向に研削した場合も短辺方向に研削した場合も、いずれも0.005mmであった。他方、本発明の処理を行なった研削液(処理液)を用いると、ワークWKを長辺方向に研削した場合の連続研削可能な最大切込量は、0.25mmと一挙に50倍に増加する。そして、短編方向に研削した場合の連続研削可能な最大切込量はさらに増加し、約70倍の0.35mmとなることが判明している。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、あくまで例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、適用可能な研削加工は、ワークWDを往復動させながら回転砥石101の外周面で平面研削する図9の形態に限らず、図10に示すように、回転砥石101の端面を用いた平面研削、図11に示す円筒状のワークWKの外周面を回転砥石101の外周面を用いて研削する円筒研削、図12に示すワークWKの内周面を回転砥石101の外周面を用いて研削する内周面研削などにも適用でき、同様の効果を挙げることができる。
以下、本発明の効果を確認するために行った種々の実験結果について説明する。
(実施例1)
絶縁性セラミックとして、石英、長石及び雲母を主体する石材用の天然岩石を粉砕し、平織り金網メッシュ(6番)を用いて微細粒子を篩い分け、メッシュ上に残った粒子を処理媒体粒子として調製した(平均粒子径:4mm)。処理媒体粒子は、蛍光X線分析により酸化物換算により成分組成を特定した。また、真空法により乾燥重量、水中重量及び飽水重量を測定し、見かけ比重、気孔率及び吸水率を測定した。以上の結果を表1に示す。
Figure 2020203332
さらに、X線ディフラクトメータ法により回折パターンを測定し、含有される鉱物の構造を同定した。結果を図13に示している。処理媒体粒子は主として石英、長石と微量の雲母を含有していることがわかった。このX線分析結果と成分組成分析結果とを照合し、石英以外の残部が、カリ長石(KAlSi)、曹長石(NaAlSi)及び灰長石(CaAlSi)の3種類を含有し、雲母の組成式をK(Mg,Fe)AlSi10(OH)と仮定して、各鉱物相の組成比を表2のように推定した。
Figure 2020203332
石英と長石との合計含有量は98.4質量%と推定される。また、図13のX線回折パターンには非晶質(ガラス質相)に由来する明確なハローピークが表れている。そのハローピーク高さIgと、結晶質鉱物に由来する回折ピークの最も強度の高いもの(図13では石英のピーク高さ)Icを読み取った結果、Ig/Icの値は約0.08であった。
次に、図2に示すキャビテーション処理モジュール1を、ステンレス鋼(SUS304)次のような寸法関係で作成した。
・ケーシング本体部32の内径:65mm
・ケーシング本体部32の長さ:250mm
・補助容器36の外径:58mm
・補助容器36の内径:56mm
・補助容器36の長さ:230mm
・カートリッジ容器40の外径:42mm
・カートリッジ容器40の長さ:210mm
・カートリッジ容器40内の処理媒体粒子44の空間充填率:70%
・カートリッジ容器40内の処理媒体粒子44の充填量:240g。
図1に示す研削加工システム200に上記キャビテーション処理モジュール1を取り付けるとともに、水溶性研削液としてワンダークールEX−50C((株)潤匠製:100倍希釈)を研削液貯留部2に投入した。また、ワークWKとして、SKH51(番号1)、SKD11(番号2)及び金型用析出硬化系ステンレス鋼(PSL材:番号3)の各材質により、長辺方向300mm、短辺方向150mm、厚さ20mmの板状の供資材を用意した。これらのワークWKを図1の研削加工装置100のテーブル102に取り付け、SKH51及びSKD11の各ワークについてはCBN砥石(#170)を、PSL材についてはWA砥石(#170)をそれぞれ用い、ワーク/砥石接触面に研削液を噴射しつつ研削加工を行なった。
まず、比較用として、キャビテーション処理モジュール1を流通させない研削液(通常液)を流量40L/分にて供給しつつ、砥石の切込量を徐々に大きくしながら研削加工を行ない、連続操業にて砥石目詰まりが生じない最大の砥石切込量を基準値として求めた。続いて、キャビテーション処理モジュール1を流通させた研削液(処理液)を用い、ワークのピッチ送り量を適宜縮小しながら同様の研削加工を実施し、連続操業にて砥石目詰まりが生じない最大の砥石切込量を求めた。以上の結果を表3に示す。
Figure 2020203332
いずれのワーク材質の研削加工を行なう場合においても、キャビテーション処理を行なった研削液を用いた場合、通常液を用いた場合と比較して砥石切込量を5〜50倍もの値に大幅に改善できていることがわかる。また、ピッチ送り率は切込量の増大に伴い、通常液を用いた場合の値から適宜縮小しているが、切込量とピッチ送り量の積で表される生産性改善比はそれでも2.5倍から10倍もの高い値が達成できていることがわかる。
(実施例2)
実施例1の表3:番号2のワークに対し、キャビテーション処理モジュール1に充填する処理媒体粒子の種別を変更した以外は、同様の条件にて研削加工試験を実施した。番号11は実施例1と同じ処理媒体粒子を用いている(組成A:表2)。また、番号12及び番号14は、次のようにして調製した焼成体試料である。まず、表2の組成を構成する各鉱物のうち、雲母を除いたものの鉱物単体試料をそれぞれ用意し、平均粒径30μmとなるようにボールミルを用いて湿式粉砕して原料粉末を得た。これら原料粉末を表2から雲母を除いたものと同一の組成(組成B)となるように秤量し、1トン/cmの圧力にてプレス成型した後、大気炉にて番号12については800℃にて5時間、番号14(比較例)については1400℃にて10時間焼成した。また、番号13は石英粉末を用いて同様に成型し、1200℃にて5時間焼成した。また、番号15は下記表4に示す組成(D)及び見かけ密度を有する天然軽石である(比較例)。
Figure 2020203332
上記の試料を粉砕・ふるい分けし、実施例1と同様の平均粒径を有する処理媒体粒子を得た。これらを用いた場合の研削加工試験結果を表5に示す。
Figure 2020203332
*は本発明の範囲外であることを示す。
見かけ比重及び気孔率が本発明の条件を充足する番号11〜13の処理媒体粒子を用い場合は,実施例1と同様に良好な切込量の改善がみられたが、本発明の条件を充足しない比較例14及び15の処理媒体粒子を用いた場合は切込量の改善がほとんど見られないことがわかる。
(実施例3)
実施例1の表3:番号2のワークに対し、処理媒体粒子の種別を実施例1と同じとし、通液流量を種々に変更した場合(番号21〜24)、媒体充填量を種々に変更した場合(番号25〜27)について、同様の研削加工試験を行なった。以上の結果を表6に示す。また、番号27についてはケーシング部の内径を増やし、ケーシング側の流通断面積(つまり、迂回経路部の流通断面積)を拡大している。なお、カートリッジ側については、100−媒体充填率(%)を断面空隙率として求め、これを流通断面積の推定値として用いている。そして、キャビテーション処理モジュール1内の断面平均流速は、通液流量とケーシング側の流通断面積及びカートリッジ側の推定流通断面積との合計値から推定して算出している。
Figure 2020203332
この結果によると、断面平均流速が0.6m/分以上、あるいはW・V/ρが1.5以上となる条件にて特に良好な切込改善効果が達成できていることがわかる。
1 キャビテーション処理モジュール
1A 流入口
1B 流出口
2 研削液貯留部
2C 浄化槽
2D 汚液槽
4 フィルタリング装置
4C フィルタ筐体
4J 汚液戻し口
5 供給配管
6 送液ポンプ
7 汚液戻し部
8 汚液ポンプ
11 マグネットセパレータ
12 オーバーフロー部
31 ケーシング
32 ケーシング本体部
36 補助容器
36A 収容開口
36F フランジ部
40 カートリッジ容器
41 フィルタ部材
41s フィルタフレーム
41f フィルタシート
41b フレーム基部
42 透液閉鎖部
44 処理媒体粒子
45 カートリッジ本体
101 回転砥石
100 研削加工装置
PS 第一空間
SS 第二空間
SL 加工スラッジ
CL 水系研削液
CF 処理経路部
PF1,PF2 迂回経路部
200 研削液供給装置

Claims (17)

  1. 回転砥石により金属系ワークの表面を研削加工する研削加工装置の前記回転砥石に水系研削液を供給する研削液供給装置であって、
    前記水系研削液を貯留する研削液貯留部と、
    前記研削加工装置に前記研削液貯留部内の前記水系研削液を供給する供給配管と、
    前記供給配管の途上に設けられるとともに、前記水系研削液の流入口と流出口とを有した中空のケーシングと、前記ケーシングの内部に充填されるとともに見かけ比重が1.0以上であり気孔率が10%以上60%以下の絶縁性セラミックからなる処理媒体粒子の集合体とを備え、前記流入口から前記ケーシング内に流入する前記水系研削液を前記処理媒体粒子の集合体に流通させることにより、前記水系研削液を前記処理媒体粒子の表面に接触させてキャビテーション処理しつつ前記流出口から流出させるようにしたキャビテーション処理モジュールと、を備えたことを特徴とする研削液供給装置。
  2. 前記絶縁性セラミックは結晶質鉱物と非晶質鉱物とが混在した組成を有し、X線回折パターンを測定した際に、前記非晶質鉱物に由来するハローピーク高さをIg、前記結晶質鉱物に由来する回折ピークの最も強度の高いもののピーク高さをIcとしたときに、Ig/Icの値が0.05以上0.3以下となるものが使用される請求項1記載の研削液供給装置。
  3. 前記絶縁性セラミックは、石英と長石とが合計含有量が90%以上となるように混合した鉱物組成を有する請求項2記載の研削液供給装置。
  4. 前記研削液貯留部から前記水系研削液をくみ上げるとともに、前記供給配管上の前記キャビテーション処理モジュールに前記水系研削液を、前記キャビテーション処理モジュール内の平均流速が0.6m/分以上となるように送液する送液ポンプを備える請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の研削液供給装置。
  5. 前記キャビテーション処理モジュールを流通する前記水系研削液の流量をρ(L/分)、前記処理媒体粒子の充填量をW(g)、前記キャビテーション処理モジュール内の前記平均流速をVとして、W・V/ρの値が2.0以上となるように、前記送液ポンプの流量と前記処理媒体粒子の充填量が定められている請求項4記載の研削液供給装置。
  6. 前記研削液貯留部は前記研削加工装置からの汚染された水系研削液を回収する汚液槽と、該汚液槽内の水系研削液から加工スラッジを分離・除去して浄化済の水系研削液とするフィルタリング装置と、前記浄化済の水系研削液を前記フィルタリング装置から回収する浄化槽とを備え、前記送液ポンプは前記浄化槽から前記水系研削液をくみ上げるものである請求項4又は請求項5に記載の研削液供給装置。
  7. 前記フィルタリング装置にて分離された前記加工スラッジから、前記金属系ワークに由来する磁性金属スラッジを分離・除去するマグネットセパレータを備える請求項6記載の研削液供給装置。
  8. 前記汚液槽内の水系研削液をくみ上げて前記フィルタリング装置に供給する汚液ポンプと、前記マグネットセパレータにて前記磁性金属スラッジが分離された水系研削液を前記汚液槽に戻す汚液戻し部と、前記浄化槽からオーバーフローする浄化済の水系研削液を前記汚液槽に導くオーバーフロー部とを備える請求項7記載の研削液供給装置。
  9. 前記フィルタリング装置は、前記汚液槽内の水系研削液の液面よりも上方に配置され、底部に汚液戻し口が開口するフィルタ筐体と、該フィルタ筐体の内側空間を前記汚液戻し口が開口する第一空間と、該第一空間に隣接する第二空間とに仕切る形で設けられるフィルタ部材とを備え、前記汚液ポンプがくみ上げる前記汚液槽内の水系研削液は前記フィルタ筐体の前記第一空間に供給されるとともに、前記フィルタ部材にて前記金属スラッジが分離されて前記第二空間に前記浄化済の水系研削液として回収され、該第二空間から該浄化済の水系研削液が前記浄化槽に戻されるようになっており、
    前記フィルタ部材は、前記フィルタ筐体内に配置されるフィルタフレームと、該フィルタフレームにより上下に展張された形で保持されるとともに該筐体側壁部の周方向に沿う筒状のフィルタシートとを備え、該筒状のフィルタシートは内側空間が前記第一空間とされる一方、前記筐体側壁部内面との間に前記第二空間を隙間形態に区画形成するものであり、前記第二空間の下端側は前記フィルタフレームと前記筐体側壁部内面との間を結合する液流通不能なフレーム基部にて塞がれてなり、
    前記汚液ポンプは前記汚液槽内の水系研削液を、前記第一空間の前記筒状のフィルタシートの内側をなす領域にて、前記汚液戻し口からの流出に打ち勝つ形で液面を上昇させるように供給するものであり、供給された前記水系研削液を前記フィルタシートの前記第一空間側の面を濾過面とする形で前記加工スラッジを濾過しつつ前記第二空間に流出させる一方、前記フィルタシートの前記濾過面に堆積した前記加工スラッジは供給された前記水系研削液の一部とともに前記第一空間内に落下し、前記汚液戻し口から前記フィルタ筐体の下方に配置されたマグネットセパレータに導かれるようになっている請求項8記載の研削液供給装置。
  10. 前記キャビテーション処理モジュール内には、前記水系研削液の流通経路部として、前記流入口から前記処理媒体粒子の集合体内を経由して前記流出口へ向かう処理経路部と、前記流入口から前記処理媒体粒子の集合体の外側を迂回して前記流出口へ向かう迂回経路部とが設けられている請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の研削液供給装置。
  11. 前記キャビテーション処理モジュール内の前記水系研削液の全流量に対する前記処理経路部への流量分配率が0.15以上となるように、前記処理経路部と前記迂回経路部との流通断面積が定められている請求項10記載の研削液供給装置。
  12. 前記ケーシングは軸線方向の一端に前記流入口が、他端に前記流出口が各々開口する円筒状のケーシング本体部を備えるとともに、該ケーシング本体部の内側に同心的に挿入配置される円筒状のカートリッジ容器に前記処理媒体粒子の集合体が収容されてなり、前記カートリッジ容器は、壁厚方向の液流通を遮断するとともに両端面が開口する円筒状のカートリッジ本体と、該カートリッジ本体の前記両端面を、前記水系研削液の流通は許容し前記処理媒体粒子の漏出は阻止する形で閉鎖する透液閉鎖部とを備え、前記処理媒体粒子が充填される前記カートリッジ本体の内側空間が前記処理経路部とされる一方、前記カートリッジ本体の外周面と前記ケーシングの内周面との間に前記迂回経路部が円管状に形成されてなる請求項11記載の研削液供給装置。
  13. 前記カートリッジ本体と前記ケーシングとの間には、軸線方向の一端に前記カートリッジ容器の収容開口が形成され、かつ周壁部及び底部が透液構造壁部とされた円筒状の補助容器が同軸的に配置されるとともに、該補助容器の内側に前記カートリッジ容器が同軸的に収容されてなり、前記迂回経路部は、前記ケーシング本体部の内周面と前記補助容器の外周面との間に形成される円管状の第一の迂回経路部と、前記補助容器の内周面と前記カートリッジ本体の外周面との間に形成される第二の迂回経路部とを備える請求項12記載の研削液供給装置。
  14. 前記補助容器の前記周壁部の前記収容開口側の端部周縁には、前記第一の迂回経路部を当該端部側にて隙間嵌め形態で閉鎖するフランジ部が半径方向外向きに張り出す形で一体形成されてなり、前記水系研削液が前記収容開口にて前記補助容器の前記周壁部と前記カートリッジ本体との間の環状の入り口から第二の迂回経路部内に流入し、さらに前記補助容器の前記周壁部を貫通して前記第一の迂回経路部へ流出するようになっている請求項13記載の研削液供給装置。
  15. 回転砥石により金属系ワークの表面を研削加工する研削加工装置と、前記回転砥石に水系研削液を供給する請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の研削液供給装置とを備えたことを特徴とする研削加工システム。
  16. 請求項15に記載の研削加工システムを用い、前記研削加工装置の前記回転砥石に前記研削液供給装置から前記水系研削液を供給しつつ前記金属系ワークの表面を研削加工することを特徴とする研削加工方法。
  17. 請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の研削液供給装置に使用され、前記水系研削液の流入口と流出口とを有した中空のケーシングと、前記ケーシングの内部に充填されるとともに見かけ比重が1.0以上であり気孔率が10%以上60%以下の絶縁性セラミックからなる処理媒体粒子の集合体とを備え、前記流入口から前記ケーシング内に流入する前記水系研削液を前記処理媒体粒子の集合体に流通させることにより、前記水系研削液を前記処理媒体粒子の表面に接触させてキャビテーション処理しつつ前記流出口から流出させるようにしたことを特徴とするキャビテーション処理モジュール。

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