JP2020202392A - コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層方向からみて引出導体と重なるコイル導体層の細りや切れを低減できるコイル部品を提供する。【解決手段】コイル部品1は、平面上に巻回された第1コイル導体層21と、第1コイル導体層21の外周端から第1コイル導体層21と同一平面上に引き出された引出導体30と、第1コイル導体層21および引出導体30に積層された絶縁層11と、絶縁層11に積層され、平面上に巻回された第2コイル導体層とを備える。第1コイル導体層21と第2コイル導体層は、積層方向からみて、同心状に重なり、引出導体30の第1コイル導体層21と接続する接続部分31に、積層方向からみて第2コイル導体層に重なるように延在するコイル延在部32が設けられる。絶縁層11の上面において、第1コイル導体層21およびコイル延在部32の上方が、凸面となり、第2コイル導体層の一部は、絶縁層11の凸面に積層されている。【選択図】図2C

Description

本発明は、コイル部品に関する。
従来、コイル部品としては、特開2015−133523号公報(特許文献1)に記載されたものがある。このコイル部品は、スパイラル状の第1コイル導体層と、第1コイル導体層上に積層された絶縁層と、絶縁層上に積層されたスパイラル状の第2コイル導体層とを有する。第1コイル導体層の外周端から径方向外側に引出導体が引き出され、引出導体が電極に接続されている。第1コイル導体層と第2コイル導体層は、積層方向からみて、重なる。引出導体は、積層方向からみて、第2コイル導体層に交差している。第2コイル導体層は、積層方向からみて、引出導体の第1コイル導体層と接続する接続部分と重なる。
特開2015−133523号公報
近年、コイル部品の小型低背化が望まれており、前記従来のようなコイル部品の小型低背化において新しい問題が発生することを発見した。
具体的に述べると、小型低背化により、コイル導体層内の配線間隔や第1と第2コイル導体層同士の距離が小さくなるため、第2コイル導体層をフォトリソグラフィにより製造するとき、第2コイル導体層の下層からの反射光(露光)が無視できなくなる。また、小型低背化でコイル導体層の線幅や膜厚自体も小さくなり、露光不良による細りが特性に大きな影響を与えたり、断線が発生したりする場合がある。
そこで、本発明の課題は、積層方向からみて引出導体と重なるコイル導体層の細りや切れを低減できるコイル部品を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の一態様であるコイル部品は、
平面上に巻回された第1コイル導体層と、
前記第1コイル導体層の外周端から前記第1コイル導体層と同一平面上に引き出された引出導体と、
前記第1コイル導体層および前記引出導体に積層された絶縁層と、
前記絶縁層に積層され、平面上に巻回された第2コイル導体層と
を備え、
前記第1コイル導体層と前記第2コイル導体層は、積層方向からみて、同心状に重なり、
前記引出導体の前記第1コイル導体層と接続する接続部分に、前記積層方向からみて前記第2コイル導体層に重なるように延在するコイル延在部が設けられる。
前記コイル部品によれば、引出導体の第1コイル導体層と接続する接続部分にコイル延在部が設けられているので、コイル延在部は、積層方向からみて、第2コイル導体層において引出導体の接続部分と重なる部分の隣接部分に、重なる。したがって、第2コイル導体層をフォトリソグラフィにより製造する場合、第2コイル導体層において引出導体の接続部分と重なる部分の隣接部分に、細りや切れが発生することを低減できる。
また、コイル部品の一実施形態では、
前記第1コイル導体層の外側に前記第1コイル導体層と同一平面上に巻回され、前記第1コイル導体層と電気的に接続されない第1ダミー導体層と、
前記第2コイル導体層の外側に前記第2コイル導体層と同一平面上に巻回され、前記第2コイル導体層と電気的に接続されない第2ダミー導体層と
を有し、
前記第1ダミー導体層と前記第2ダミー導体層は、前記積層方向からみて、同心状に重なり、
前記積層方向からみて、前記引出導体の前記第2ダミー導体層に交差する交差部分に、前記第2ダミー導体層に重なるように延在するダミー延在部が設けられる。
前記実施形態によれば、第2ダミー導体層をフォトリソグラフィにより製造する場合、第2ダミー導体層において引出導体の交差部分と重なる部分の隣接部分に、細りや切れが発生することを低減できる。
また、コイル部品の一実施形態では、
平面上に巻回された第1コイル導体層と、
前記第1コイル導体層の外周端から前記第1コイル導体層と同一平面上に引き出された引出導体と、
前記第1コイル導体層および前記引出導体に積層された絶縁層と、
前記絶縁層に積層され、平面上に巻回された第2コイル導体層と、
前記第1コイル導体層の外側に前記第1コイル導体層と同一平面上に巻回され、前記第1コイル導体層と電気的に接続されない第1ダミー導体層と、
前記第2コイル導体層の外側に前記第2コイル導体層と同一平面上に巻回され、前記第2コイル導体層と電気的に接続されない第2ダミー導体層と
を備え、
前記第1コイル導体層と前記第2コイル導体層は、積層方向からみて、同心状に重なり、
前記第1ダミー導体層と前記第2ダミー導体層は、前記積層方向からみて、同心状に重なり、
前記積層方向からみて、前記引出導体の前記第2ダミー導体層に交差する交差部分に、前記第2ダミー導体層に重なるように延在するダミー延在部が設けられる。
前記実施形態によれば、第2ダミー導体層をフォトリソグラフィにより製造する場合、第2ダミー導体層において引出導体の交差部分と重なる部分の隣接部分に、細りや切れが発生することを低減できる。
また、コイル部品の一実施形態では、
前記引出導体に接続される電極を有し、
前記引出導体は、前記第1コイル導体層の外周端から前記電極まで延在する引出部を有し、前記引出部は、前記積層方向からみて、前記第1コイル導体層の外周端に直交する。
前記実施形態によれば、引出導体は、積層方向からみて、第1コイル導体層の外周端に直交するので、第2コイル導体層をフォトリソグラフィにより製造する場合、第2コイル導体層において引出導体の接続部分と重なる部分の隣接部分に、細りや切れが発生することを一層低減できる。
また、コイル部品の一実施形態では、前記第1コイル導体層の厚みは、5μm以上15μm以下である。
前記実施形態によれば、第1コイル導体層の厚みは、5μm以上15μm以下であり、第1コイル導体層の厚みは厚くなるが、コイル延在部を設けているため、第2コイル導体層に細りや切れが発生することを低減できる。
また、コイル部品の一実施形態では、前記第2コイル導体層のアスペクト比は、1以上2.5以下である。
前記実施形態によれば、第2コイル導体層のアスペクト比は、1以上2.5以下であるので、第2コイル導体層はフォトリソグラフィにより製造されるが、コイル延在部を設けているため、第2コイル導体層に細りや切れが発生することを低減できる。
また、本発明の一態様であるコイル部品の製造方法は、
平面上に巻回された第1コイル導体層と、前記第1コイル導体層の外周端から外側に前記第1コイル導体層と同一平面上に引き出される引出導体とを設け、前記引出導体の前記第1コイル導体層と接続する接続部分に、前記第1コイル導体層の巻回形状に沿って延在するコイル延在部を設ける工程と、
前記第1コイル導体層および前記引出導体に絶縁層を積層する工程と、
前記絶縁層にフォトレジストを設ける工程と、
積層方向からみて前記第1コイル導体層および前記コイル延在部に重なる位置を遮光した上で前記フォトレジストを露光する工程と、
前記マスクにより露光されていない部分を除去する工程と、
前記フォトレジストの除去された部分に、第2コイル導体層を設ける工程と
を備える。
前記コイル部品の製造方法によれば、第2コイル導体層は、積層方向からみて、第1コイル導体層およびコイル延在部に重なる。つまり、コイル延在部は、積層方向からみて、第2コイル導体層において引出導体の接続部分と重なる部分の隣接部分に、重なる。したがって、第2コイル導体層をフォトリソグラフィにより製造する場合、第2コイル導体層において引出導体の接続部分と重なる部分の隣接部分に、細りや切れが発生することを低減できる。
本発明のコイル部品によれば、積層方向からみて引出導体と重なるコイル導体層の細りや切れが発生することを低減できる。
本発明のコイル部品の第1実施形態を示す断面図である。 コイル部品の一部の分解平面図である。 コイル部品の一部の分解平面図である。 コイル部品の一部の分解平面図である。 第1引出導体の積層方向からみた拡大図である。 コイル部品の製造方法について説明する説明図である。 コイル部品の製造方法について説明する説明図である。 コイル部品の製造方法について説明する説明図である。 コイル部品の製造方法について説明する説明図である。 コイル部品の製造方法について説明する説明図である。 コイル部品の製造方法について説明する説明図である。 コイル部品の比較例の製造方法について説明する説明図である。 コイル部品の比較例の製造方法について説明する説明図である。 コイル部品の比較例の製造方法について説明する説明図である。 コイル部品の比較例の製造方法について説明する説明図である。 本発明のコイル部品の第2実施形態を示す積層方向からみた拡大図である。 本発明のコイル部品の第3実施形態を示す分解平面図である。 本発明のコイル部品の第3実施形態を示す分解平面図である。 コイル部品の比較例について説明する説明図である。
以下、本発明の一態様であるコイル部品を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、コイル部品の第1実施形態を示す断面図である。図2Aと図2Bと図2Cは、コイル部品の一部の分解平面図である。図1と図2A〜図2Cに示すように、コイル部品1は、素体10と、素体10の内部に設けられた第1コイル導体層21および第2コイル導体層22と、第1、第2コイル導体層21,22に電気的に接続された接続電極41〜44および外部電極51〜54(外部電極51,53は図示しない)とを有する。
コイル部品1は、電極41〜44,52,54を介して、図示しない回路基板の配線に電気的に接続される。コイル部品1は、例えば、コモンモードチョークコイルとして用いられ、パソコン、DVDプレーヤー、デジカメ、TV、携帯電話、カーエレクトロニクス、医療用・産業用機械などの電子機器に用いられる。
素体10は、複数の絶縁層11を含み、複数の絶縁層11は、積層方向Aに積層される。絶縁層11は、例えば、樹脂、フェライト、ガラスなどを主成分とする絶縁性材料からなる。なお、素体10は、焼成などによって、複数の絶縁層11同士の界面が明確となっていない場合がある。素体10は、略直方体状に形成されている。図1において、積層方向Aを上下方向とする。図2A〜図2Cは、上層から下層を順に示す。積層方向Aは、プロセス上の順序を示しているだけであり、コイル部品1としての上下は逆(外部電極51〜54が上側にある構成)であってもよい。
素体10の下面には、第1基板61が配置され、素体10の上面には、第2基板62が設けられている。第2基板61は、接着剤65を介して、素体10の上面に貼り付けられている。第1、第2基板61.62は、例えば、フェライト基板である。なお、第1、第2基板61.62に用いるフェライト材料は、磁性体であっても非磁性体であってもよい。また、第1、第2基板61,62はアルミナやガラスなどフェライト以外の材料であってもよい。
電極41〜44,52,54は、例えば、Ag、Cu、Auやこれらを主成分とする合金などの導電性材料から構成される。電極は、第1から第4接続電極41〜44と第1から第4外部電極52,54とを含む。第1から第4接続電極41〜44は、それぞれ、素体10の角部に積層方向Aに沿って埋め込まれている。第1から第4外部電極52,54は、素体10の下面から側面にかけて設けられている。第1接続電極41は、第1外部電極に接続され、第2接続電極42は、第2外部電極52に接続され、第3接続電極43は、第3外部電極に接続され、第4接続電極44は、第4外部電極54に接続される。
第1コイル導体層21と第2コイル導体層22は、例えば、電極41〜44,52,54と同様の導電性材料から構成される。第1、第2コイル導体層21,22は、それぞれ、平面上に巻回された、平面スパイラル形状である。第1、第2コイル導体層21,22の巻回数は、1周以上であるが、1周未満であってもよい。第1、第2コイル導体層21,22は、それぞれ、異なる絶縁層11に設けられ、積層方向Aに配列される。第1コイル導体層21は、第2コイル導体層22の下側に配置される。
第1コイル導体層21と同一平面上(同一の絶縁層11上)に、第1引出導体30が設けられている。第1引出導体30は、第1コイル導体層21の外周端21aから外側に引き出され、第1接続電極41に接続されている。外周端21aは、第1コイル導体層21のスパイラル形状から外れる部分をいい、第1引出導体30は、外周端21a以降の部分をいう。第1引出導体30と第1コイル導体層21は、一体に形成されている。
第1コイル導体層21の内周端は、素体10内に積層方向Aに沿って設けられた第1接続導体25に接続される。第1接続導体25は、第2コイル導体層22の上側の絶縁層11上に設けられた第3引出導体36に接続され、第3引出導体36は、第2接続電極42に接続される。このように、第1コイル導体層21は、第1接続電極41と第2接続電極42に接続される。
第2コイル導体層22と同一平面上(同一の絶縁層11上)に、第2引出導体35が設けられている。第2引出導体35は、第2コイル導体層22の外周端22aから外側に引き出され、第3接続電極43に接続されている。
第2コイル導体層22の内周端は、素体10内に積層方向Aに沿って設けられた第2接続導体26に接続される。第2接続導体26は、第2コイル導体層22の上側の絶縁層11上に設けられた第4引出導体37に接続され、第4引出導体37は、第4接続電極44に接続される。このように、第2コイル導体層22は、第3接続電極43と第4接続電極44に接続される。
第2コイル導体層22は、第1コイル導体層21および第1引出導体30に積層された絶縁層11に、積層されている。第1コイル導体層21と第2コイル導体層22は、積層方向Aからみて、同心状に重なる。なお、本明細書において、「重なる」とは、第1コイル導体層21のスパイラル形状と第2コイル導体層22のスパイラル形状が、実質的に重なることを意味し、形状自体の違いや、多少のずれにより一部重ならない部分があってもよい。
図3は、第1引出導体30の付近を積層方向からみた拡大図である。図3では、第1引出導体30、第1コイル導体層21および第1接続電極41をハッチングで示し、これらよりも上層にある第2コイル導体層22を仮想線で示す。第2コイル導体層22の線幅を第1コイル導体層21の幅よりも広く描いているが、実際は同じ幅である。ここで、線幅とは、積層方向から見て、第1コイル導体層21や第2コイル導体層22の延伸する方向に直交する寸法をいう。なお、第1コイル導体層21の線幅と第2コイル導体層22の線幅は、異なっていてもよい。
図3に示すように、第1引出導体30は、引出部33とコイル延在部32とを有する。引出部33は、第1コイル導体層21の外周端21aから第1接続電極41まで延在している。引出部33は、第1コイル導体層21と接続する接続部分31を含む。コイル延在部32は、接続部分31に接続される。図中、接続部分31とは、外周端21aから二股に分岐している箇所までの間の部分である。コイル延在部32は、接続部分31から延在している。
コイル延在部32は、積層方向Aからみて第2コイル導体層22に重なるように一方向に延在する。コイル延在部32の長さは、引出部33の長さよりも、短い。ここで、長さとは、配線長さ、つまり、コイル延在部32や引出部33の延伸する方向の長さをいう。なお、コイル延在部32の長さと引出部33の長さは、異なっていてもよい。
次に、前記コイル部品1の製造方法について説明する。図3のX−X断面における製造方法を説明する。図3のX−X断面とは、第1引出導体30の接続部分31以降の部分とコイル延在部32と第1コイル導体層21との延伸する方向に直交する方向の断面である。
図4Aに示すように、第1絶縁層11a上に、第1コイル導体層21と第1引出導体30とを設ける。第1引出導体30は、引出部33とコイル延在部32を含む。そして、第1コイル導体層21と第1引出導体30に第2絶縁層11bを積層する。このとき、第2絶縁層11bの上面には、第1コイル導体層21、コイル延在部32および引出部33と第1絶縁層11aとの段差により、凹凸が発生する。第2絶縁層11bの上面において、第1コイル導体層21第1コイル導体層21、コイル延在部32および引出部33の上方が、凸面となる。
その後、図4Bに示すように、第2絶縁層11bの上面に給電膜71を設け、給電膜71上にフォトレジスト72を設ける。
その後、図4Cに示すように、積層方向からみて第1コイル導体層21およびコイル延在部32に重なる位置を遮光するように、マスク73を配置する。つまり、マスク73は、第2絶縁層11bの上面の凸面に重なる。フォトレジスト72は、ネガ型レジストである。なお、マスク73は、図示しない露光機に配置される。露光機へのマスクの配置はインダクタ部品1の製造中であってもよいし、製造前に予め配置してもよい。
そして、フォトレジスト72を露光する。露光に用いる光は、点線の矢印で示すように、フォトレジスト72内を進む。このとき、光は、第2絶縁層11bの凸面と凹面の間の斜面において反射するが、光は、マスク73の下の領域とは反対方向に反射する。このように、光は、マスク73の下の領域に進入しない。
その後、図4Dに示すように、マスク73により露光されていない部分を現像により除去し、フォトレジスト72に開口部72aを形成する。ここで、第2絶縁層11bの斜面において反射した光は、マスク73の下の領域に進入しないため、開口部72aの幅は、マスク73の幅と同じである。
その後、図4Eに示すように、フォトレジスト72の除去された部分(開口部72a)に第2コイル導体層22を設ける。第2コイル導体層22は、給電膜71に通電することで、めっきにより形成される。その後、図4Fに示すように、フォトレジスト72および給電膜71を除去して、第2コイル導体層22に第3絶縁層11cを積層する。
その後、図1に示すように、第1基板61上に上述のように形成した素体10を形成し、素体10上に第2基板62を形成する。引出導体36,37や接続電極41〜44などの形成については省略するが、公知の方法を用いればよい。その後、外部電極51〜54を設けて、コイル部品1を製造する。
ここで、図5Aから図5Dを用いて、従来のような第1引出導体300を有するコイル部品の比較例の製造方法について説明する。第1引出導体300は、本発明のコイル延在部32を含まない。なお、図4Aから図4Fと同一の符号は、同一の構成を有するため、その説明を省略する。
図5Aに示すように、第2絶縁層11bの上面において、第1コイル導体層21および第1引出導体300の引出部33の上方が、凸面となる。第1コイル導体層21と引出部33の間には、コイル延在部32がないため、第2絶縁層11bの上面において、第1コイル導体層21と引出部33の間の上方は、凹面となる。マスク73は、第1コイル導体層21の上方の凸面と、第1コイル導体層21と引出部33の間の上方の凹面とに、重なるように配置される。そして、フォトレジスト72を露光すると、光は、第2絶縁層11bの凸面と凹面の間の斜面において反射して、凹面の上方に重なるマスク73の下の領域に進入する。
その後、図5Bに示すように、マスク73により露光されていない部分を現像により除去し、フォトレジスト72に開口部72aを形成する。ここで、第2絶縁層11bの斜面において反射した光は、凹面の上方のマスク73の下の領域に進入しているため、開口部72aの幅は、マスク73の幅よりも狭くなる。
その後、図5Cに示すように、フォトレジスト72の除去された部分(開口部72a)に第2コイル導体層22を設け、図5Dに示すように、フォトレジスト72および給電膜71を除去して、第2コイル導体層22に第3絶縁層11cを積層する。
したがって、第1コイル導体層21と引出部33の間の上方に位置する第2コイル導体層22の幅が小さくなり、この第2コイル導体層22の細りが発生する。つまり、図3を参考に、第2コイル導体層22において第1引出導体300の接続部分31と重なる部分の隣接部分に、細りや切れが発生する。なお、フォトレジスト72に開口部72aが一層狭くなると、第2コイル導体層22の切れが発生する。
前記実施形態のコイル部品1およびその製造方法によれば、図3に示すように、コイル延在部32は、積層方向Aからみて、第2コイル導体層22において積層方向Aからみて第1引出導体30の接続部分31と重なる部分の隣接部分に、重なる。これにより、第2コイル導体層22をフォトリソグラフィにより製造する場合、図4Dに示すように、コイル延在部32の上方に位置する開口部72aの幅が狭くならず、図4Eに示すように、コイル延在部32の上方に位置する第2コイル導体層22の幅が小さくならない。
したがって、第2コイル導体層22において接続部分31と重なる部分の隣接部分、つまり、第2コイル導体層22においてコイル延在部32と重なる部分に、細りや切れが発生することを低減できる。
前記コイル部品1によれば、第1コイル導体層21の積層方向の厚みは、好ましくは、5μm以上15μm以下である。ここで、第1コイル導体層21の厚みを5μm以上とすることで、比較例のような第2絶縁層11bの上面の凹凸(段差)による課題が発生しやすくなる。すなわち、コイル延在部32による第2コイル導体層22の細りや切れの発生の低減効果がより顕著となる。一方、第1コイル導体層21の厚みを15μm以下とすることで、製造上の限界を超えない。また、第2コイル導体層22の厚みは、好ましくは、5μm以上15μm以下である。なお、「厚み」とは、コイル導体層の層厚であり、積層方向Aに沿った方向の厚さを指す。
前記コイル部品1によれば、第2コイル導体層22のアスペクト比は、好ましくは、1以上2.5以下である。アスペクト比とは、(第2コイル導体層22の厚み)/(第2コイル導体層22の線幅)である。コイル部品1では、露光による第2コイル導体層22の細りや切れの発生が低減されるため、フォトリソグラフィにより、このようなアスペクト比の高い第2コイル導体層22を形成できる。第1コイル導体層21のアスペクト比は、好ましくは、1以上2.5以下である。
(第2実施形態)
図6は、本発明のコイル部品の第2実施形態を示す積層方向からみた拡大図である。第2実施形態は、第1実施形態とは、第1引出導体の形状が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図6に示すように、第2実施形態のコイル部品では、第1引出導体30Aの引出部33は、積層方向からみて、第1コイル導体層21の外周端21aに直交する。これにより、第2コイル導体層22をフォトリソグラフィにより製造する場合、露光に用いる光が、引出部33の上方の第2絶縁層の斜面に反射しても、第2コイル導体層22を形成するためのマスクの下の領域に進入しない。これにより、第2コイル導体層22を形成するためのフォトレジストの開口部の幅を正常な幅にできる。したがって、第2コイル導体層22において第1引出導体30Aの接続部分31と重なる部分の隣接部分に、細りや切れが発生することを一層低減できる。
(第3実施形態)
図7Aと図7Bは、本発明のコイル部品の第3実施形態を示す分解平面図である。第3実施形態は、第1実施形態とは、第1引出導体、第1ダミー導体層および第2ダミー導体層の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図7Aと図7Bに示すように、第3実施形態のコイル部品1Bは、第1ダミー導体層91および第2ダミー導体層92を含む。図7Aと図7Bは、上層から下層を順に示す。第1、第2ダミー導体層91,92を設けることで、絶縁層11の体積が減り、素体10の内部応力を緩和できる。
第1ダミー導体層91は、第1コイル導体層21の外側に第1コイル導体層21と同一平面上に設けられている。第1ダミー導体層91は、第1コイル導体層21とともに第2絶縁層11bに積層される。第1ダミー導体層91は、第1コイル導体層21と電気的に接続されない。つまり、第1ダミー導体層91は、第1コイル導体層21および第1引出導体30Bとの間に隙間を有する。
第2ダミー導体層92は、第2コイル導体層22の外側に第2コイル導体層22と同一平面上に設けられている。第2ダミー導体層92は、第2コイル導体層22とともに第3絶縁層11cに積層される。第2ダミー導体層92は、第2コイル導体層22と電気的に接続されない。つまり、第2ダミー導体層92は、第2コイル導体層22および第2引出導体35との間に隙間を有する。
第1、第2ダミー導体層91,92は、それぞれ、平面上に巻回された、平面スパイラル形状である。第1、第2ダミー導体層91,92の巻回数は、1周以上であるが、1周未満であってもよい。第1ダミー導体層91と第2ダミー導体層92は、積層方向からみて、同心状に重なる。
第1引出導体30Bの引出部33には、コイル延在部32とダミー延在部39が設けられている。引出部33およびコイル延在部32は、第1実施形態と同じ構成である。引出部33は、積層方向からみて、第2ダミー導体層92に交差する交差部分38を含む。ダミー延在部39は、交差部分38に接続され、積層方向からみて第2ダミー導体層92に重なるように延在する。ダミー延在部39は、引出部33を挟んで両方向に延在している。ダミー延在部39の長さは、コイル延在部32の長さよりも、短い。
前記コイル部品1Bによれば、第2ダミー導体層92をフォトリソグラフィにより製造する場合、第2ダミー導体層92において第1引出導体30Bの交差部分38と重なる部分の隣接部分、つまり、第2ダミー導体層92において積層方向からみてダミー延在部39と重なる部分に、細りや切れが発生することを低減できる。
要するに、第1実施形態での説明と同様に、第2ダミー導体層92をフォトリソグラフィにより製造する場合、露光に用いる光が、引出部33の上方の第2絶縁層の斜面に反射しても、ダミー延在部39の上方の第2絶縁層の斜面に遮られて、ダミー延在部39の上方の第2ダミー導体層92を形成するためのマスクの下の領域に進入しない。これにより、第2ダミー導体層92を形成するためのフォトレジストの開口部の幅を正常な幅にできる。したがって、第2ダミー導体層92において第1引出導体30Bの交差部分38と重なる部分の隣接部分に、細りや切れが発生することを低減できる。
これに対して、図8を用いて、従来のような第1引出導体300を有するコイル部品の比較例について説明する。第1引出導体300は、本発明のコイル延在部32およびダミー延在部39を含まない。なお、図7Aと図7Bと同一の符号は、同一の構成を有するため、その説明を省略する。図8のB部分に示すように、第1引出導体300は、ダミー延在部39を含まないので、第2ダミー導体層92において第1引出導体300と交差する部分の隣接部分に、細りが発生している。
ここで、ダミー導体層に細りや切れが発生する場合の問題点を説明する。ダミー導体層は、コイル部品1内の線膨張係数の高い部分(絶縁層11)の領域を相対的に減らし、熱により発生する内部応力の緩和を目的に配置するが、ダミー導体層に部分的な細りや切れが発生すると応力のアンバランスを生み、信頼性の低下につながる可能性がある。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、第1から第3実施形態のそれぞれの特徴点を様々に組み合わせてもよい。
前記実施形態では、第1コイル導体層と第2コイル導体層は、それぞれ、異なるインダクタを構成しているが、第1コイル導体層と第2コイル導体層を接続し、同一のインダクタを構成するようにしてもよい。このとき、外部電極の数は2個(2端子)となる。そして、コイル部品として、例えば、高周波回路のインピーダンス整合用コイル(マッチングコイル)として用いられる。
前記実施形態では、コイル部品の用途は、例えば、同調回路、フィルタ回路や整流平滑回路などにも用いてもよい。
前記実施形態では、2層のコイル導体層を設けているが、3層以上のコイル導体層を設けるようにしてもよい。このとき、積層方向に隣り合う2層のコイル道体層について、下層のコイル導体層の引出導体にコイル延在部を設けることにより、上層側のコイル導体層の細りや切れの発生を低減できる。なお、この際、ダミー導体層を設け、ダミー延在部を設ける構成としてもよい。
前記第3実施形態では、コイル延在部とダミー延在部を設けているが、コイル延在部を設けないでダミー延在部のみを設ける構成であってもよい。これにより、ダミー導体層の細りや切れの発生を低減できる。
1,1B コイル部品
10 素体
11 絶縁層
11a 第1絶縁層
11b 第2絶縁層
11c 第3絶縁層
21 第1コイル導体層
21a 外周端
22 第2コイル導体層
22a 外周端
25 第1接続導体
26 第2接続導体
30,30A,30B 第1引出導体
31 接続部分
32 コイル延在部
33 引出部
38 交差部分
39 ダミー延在部
41〜44 第1〜第4接続電極
71 給電膜
72 フォトレジスト
72a 開口部
73 マスク
91 第1ダミー導体層
92 第2ダミー導体層

Claims (4)

  1. 平面上に巻回された第1コイル導体層と、
    前記第1コイル導体層の外周端から前記第1コイル導体層と同一平面上に引き出された引出導体と、
    前記第1コイル導体層および前記引出導体に積層された絶縁層と、
    前記絶縁層に積層され、平面上に巻回された第2コイル導体層と
    を備え、
    前記第1コイル導体層と前記第2コイル導体層は、積層方向からみて、同心状に重なり、
    前記引出導体の前記第1コイル導体層と接続する接続部分に、前記積層方向からみて前記第2コイル導体層に重なるように延在するコイル延在部が設けられ、
    前記絶縁層の上面において、前記第1コイル導体層および前記コイル延在部の上方が、凸面となり、前記第2コイル導体層の一部は、前記絶縁層の前記凸面に積層されている、コイル部品。
  2. 前記引出導体に接続される電極を有し、
    前記引出導体は、前記第1コイル導体層の外周端から前記電極まで延在する引出部を有し、前記引出部は、前記積層方向からみて、前記第1コイル導体層の外周端に直交する、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記第1コイル導体層の厚みは、5μm以上15μm以下である、請求項1または2に記載のコイル部品。
  4. 前記第2コイル導体層のアスペクト比は、1以上2.5以下である、請求項1から3の何れか一つに記載のコイル部品。
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