JP2020201202A - エクソソームの表面分子および内包分子を検出する方法 - Google Patents

エクソソームの表面分子および内包分子を検出する方法 Download PDF

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【課題】エクソソームの表面分子および内包分子を検出する方法を提供する。【解決手段】以下の工程を含む、エクソソームの表面分子および内包分子を検出する方法:(A)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iが固相化された担体を用いて被験試料に含まれるエクソソームの表面分子を検出する工程、(B)表面分子を検出されたエクソソームを回収する工程、および(C)エクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体を用いて回収されたエクソソームの内包分子を検出する工程。【選択図】なし

Description

本発明は、エクソソームの表面分子および内包分子を検出する方法に関する。
現在、悪性腫瘍の診断は、肉眼観察、X線、CT(Computed Tomography)または超音波等による画像情報に基づく予備的判断が行われ、病理組織標本を用いた組織構造を顕微鏡的に観察することによって最終的に判断される。しかし、これらの情報に基づく診断は、医師の判断基準に基づいて行われるため少なからず誤診が生じる可能性があり、場合によっては致命的な医療事故につながる虞もある。そこで、誤診の可能性を小さくするために、さらに被疑組織内の遺伝子の異常、腫瘍マーカーの有無に関する情報を加えて、総合的に判断されるようになってきている。
腫瘍マーカーは、近年研究が盛んであり、腫瘍に関連する抗原、酵素、検出のタンパク質、代謝産物、腫瘍遺伝子、腫瘍遺伝子生産物及び腫瘍抑制遺伝子などを指し、例えば、癌胎児性抗原CEA、糖タンパク質CA19-9、CA125、前立腺特異抗原PSA、甲状腺で産生されるペプチドホルモンであるカルシトニンなどが一部の癌で腫瘍マーカーとして癌診断に活用されている。検出の対象となる腫瘍マーカーには体液性(血液、リンパ液、尿等)マーカーが多く、その検出は公知の手段によって実施することができる。例えば、免疫学的検出法は、抗原抗体反応を利用して腫瘍マーカーの検出を行うもので、一般に検出精度が優れているばかりでなく、迅速、簡便かつ経済的な検出法である。また、近年、表面プラズモン共鳴現象を応用し、共鳴角度変化をリアルタイムでとらえることにより、抗体および抗原の生体分子間の反応および結合量の測定および速度論解析をすることができる表面プラズモン共鳴装置(SPR(surface plasmon resonance)装置)が様々な研究および検査等で利用されており、腫瘍マーカーの検査にも応用されている。これらの方法は、抗体を担体に固相化することによって、安価かつ大量に被験試料を処理できるという大きな利点を有する。
ところで、近年、腫瘍研究分野において、エクソソームが新しい研究の潮流となりつつある。エクソソームは、様々な細胞から分泌される、リン脂質二重膜に覆われた直径50〜150nm程度の細胞外小胞である。エクソソームは、エクソソームを分泌する細胞と同じ分子(タンパク質、RNA、脂質等)をエクソソーム表面およびエクソソーム内に保持している。従って、エクソソームが保持する分子を腫瘍マーカーとして検出することができれば、新たな腫瘍の診断方法として確立することができるため注目されている。しかし、通常、エクソソームが保持する分子を検出する際は、エクソソームの膜構造を破壊し、抽出された分子を直接検出する(非特許文献1,2)ため、手間がかかるという課題があった。この点、本発明者らは既に、エクソソームの膜構造を破壊せずにエクソソームの表面分子を検出する方法を報告している(特許文献1)。しかし、当該方法であってもエクソソームの内包分子までは検出できず、エクソソームの持つ分子情報を腫瘍の診断に十分に活用できていないという課題があった。
国際公開第2019/044845号
Jenjaroenpun P et al., PeerJ. Nov 5;1:e201, 2013
El-Andaloussi S et al., Nat Protoc, 7(12), 2112-26, 2012
本発明は、エクソソームの表面分子および内包分子を検出する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、エクソソームの表面分子だけでなく内包分子も検出する方法を模索すべく鋭意研究を行った。本発明者らは、エクソソームを含む試料を細胞表面分子に対する結合性分子が固相化されたバイオチップに接触させ、エクソソームの表面分子を検出した。その上で、本発明者らは、結合性分子と結合したエクソソーム由来の内容物を含む試料を細胞内分子に対する結合性分子が固相化されたバイオチップに接触させ、該エクソソームの内包分子も検出するという着想に至った。
すなわち、本発明は、
[1]以下の工程を含む、エクソソームの表面分子および内包分子を検出する方法:
(A)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iが固相化された担体を用いて被験試料に含まれるエクソソームの表面分子を検出する工程、
(B)表面分子を検出されたエクソソームを回収する工程、および
(C)エクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体を用いて回収されたエクソソームの内包分子を検出する工程;
[2](A)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iが固相化された担体を用いて被験試料に含まれるエクソソームの表面分子を検出する工程が以下の工程を含む、[1]に記載の方法:
(1)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iが固相化された担体表面をブロッキングバッファーで処理する工程、
(2)該担体を洗浄バッファーで洗浄する工程、
(3)エクソソームを含む被験試料とサンプルバッファーの混合物を該担体に接触させる工程、
(4)該担体をサンプルバッファーで洗浄する工程、および
(5)該エクソソームの表面分子と該結合性分子Iの結合を検出することによって該表面分子を検出する工程;
[3](C)エクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体を用いて表面分子を回収されたエクソソームの内包分子を検出する工程が以下の工程を含む、[1]または[2]に記載の方法:
(6)回収されたエクソソームから内包分子を含む被験試料を抽出する工程、
(7)エクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体表面をブロッキングバッファーで処理する工程、
(8)該担体を洗浄バッファーで洗浄する工程、
(9)該被験試料とサンプルバッファーの混合物を該担体に接触させる工程、
(10)該担体をサンプルバッファーで洗浄する工程、および
(11)該エクソソームの内包分子と該結合性分子IIの結合を検出することによって該内包分子を検出する工程;
[4]回収されたエクソソームから内包分子を含む被験試料を抽出する工程が、物理的手段または化学的手段によって抽出する工程である、[3]に記載の方法;
[5]以下の工程を含む、エクソソームの表面分子および内包分子を検出する方法:
(A’)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iおよびエクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体を用いて被験試料に含まれるエクソソームの表面分子を検出する工程、および
(B’)該担体を用いて該表面分子を検出されたエクソソームの内包分子を検出する工程;
[6](A’)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iおよびエクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体を用いて被験試料に含まれるエクソソームの表面分子を検出する工程が以下の工程を含む、[5]に記載の方法:
(1’)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iおよびエクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体表面をブロッキングバッファーで処理する工程、
(2’)該担体を洗浄バッファーで洗浄する工程、
(3’)エクソソームを含む被験試料とサンプルバッファーの混合物を該担体に接触させる工程、
(4’)該担体をサンプルバッファーで洗浄する工程、および
(5’)該エクソソームの表面分子と該結合性分子Iの結合を検出することによって該表面分子を検出する工程;
[7](B’)該担体を用いて該表面分子を検出されたエクソソームの内包分子を検出する工程が以下の工程を含む、[5]または[6]に記載の方法:
(6’)表面分子を検出されたエクソソームから該担体上で内包分子を含む被験試料を抽出する工程、
(7’)該被験試料とサンプルバッファーの混合物を該担体に接触させる工程、
(8’)該担体をサンプルバッファーで洗浄する工程、および
(9’)該エクソソームの内包分子と該結合性分子IIの結合を検出することによって該内包分子を検出する工程;
[8]表面分子を検出されたエクソソームから担体上で内包分子を含む被験試料を抽出する工程が、物理的手段または化学的手段によって抽出する工程である、[7]に記載の方法;
[9]表面分子の検出および内包分子の検出が免疫学的方法または表面プラズモン共鳴法による検出である、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の方法;
[10]該結合性分子Iがタンパク質に対する抗体またはアプタマー、糖鎖に対する抗体またはレクチン、または脂質に対する抗体である、[1]〜[9]のいずれか1つに記載の方法;
[11]該結合性分子IIが核酸に対するアンチセンス核酸、タンパク質に対する抗体またはアプタマー、または脂質に対する抗体である、[1]〜[10]のいずれか1つに記載の方法;
[12][1]〜[11]のいずれか1つに記載の方法を実施するためのエクソソーム表面分子および内包分子の検出装置;
[13][1]に記載の方法を実施するための表面分子を検出されたエクソソームの分離装置;
を提供する。
腫瘍特異的なエクソソームの表面分子および内包分子を同時に検出することが可能となることによって、癌の診断のためのより信頼性の高い情報(特異性と感度の高い情報)を提供することができる。
マイクロアレイ型SPRi装置の構成を示す図である。 表面分子を検出されたエクソソームの分離装置の構成を示す図である。 エクソソームの分離装置を含むマイクロアレイ型SPRi装置の構成を示す図である。 エクソソームの分離装置を含むマイクロアレイ型SPRi装置の構成を示す図である。 エクソソームマーカーに対する結合性分子が固相化されたバイオチップを示す図である。 疾患マーカー保有エクソソームの表面分子に対する結合性分子が固相化されたバイオチップを示す図である。 疾患促進因子保有エクソソームの表面分子に対する結合性分子が固相化されたバイオチップを示す図である。 疾患抑制因子保有エクソソームの表面分子に対する結合性分子が固相化されたバイオチップを示す図である。 マイクロアレイ型SPRi装置((株)堀場製作所:OpenPlex)に付属したFlow-cellを示す図である。 マイクロアレイ型SPRi装置((株)堀場製作所:OpenPlex)専用のバイオチップ((株)堀場製作所:CS-HD)を示す図である。網掛け部は結合性分子が固相化される部分を示す。6角形枠は図9におけるGasketが接触する場所を示す。
本発明は、エクソソームの表面分子および内包分子を検出する方法(以下、本発明の検出方法と記載する場合もある)を提供する。
本発明の検出方法において、エクソソームとは、細胞から分泌される、リン脂質二重膜に包まれた細胞外小胞である。細胞は、動物細胞、植物細胞、微生物細胞等特に限られない。動物細胞の中には哺乳動物細胞を含み、哺乳動物細胞としては、以下に制限されるものではないが、例えば、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、杯細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、線維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例:マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞、癌細胞もしくは培養細胞などが挙げられる。
本発明の検出方法において、検出されるエクソソームの表面分子(以下、単に表面分子と記載する場合もある)としては、タンパク質、糖鎖、脂質などが挙げられる。また、検出される好ましい表面分子としては、疾患マーカー、疾患促進因子、疾患抑制因子が挙げられる。疾患としては、感染症、心疾患、認知症、老化、生活習慣病などが挙げられる。
タンパク質としては、例えば、膜タンパク質(内在性膜タンパク質、表在性膜タンパク質)が挙げられる。エクソソームの表面に露出したタンパク質のエクソソームマーカーとしては、例えば、CD9、CD63、CD81などが挙げられる。エクソソームの表面に露出したタンパク質の疾患マーカーとしては、例えば、膀胱がんマーカーであるTACSTD2、EDIL-3、Mucin4、EPS8L2、α6-integrin、MUC-1、Basigin、乳がんマーカーであるSurvivin、Survivin-2B、CEA、Tumor antigen15-3、大腸がんマーカーであるCEA、肺がんマーカーであるEpCAM、EGFR、CEA、LRG-1、CD151、CD171、tetraspanin 8、初期大腸がんマーカーであるannexinファミリータンパク質(annexin A3、A4およびA11)、メラノーママーカーであるCD63、Caveolin1、TYRP2、VLA-4、HSP70、咽頭がんマーカーであるLMP1、Galectin-9、BARF-1、子宮がんマーカーであるClaudin-4、L1CAM、CD24、ADAM10、EMMPRIN、TGFβ1、MAGE3/6、膵臓がんマーカーであるGPC1、MIF、前立腺がんマーカーであるTransmembrane protease Serine2-ETS、β-catenin、PCA3、PSA、ガン転移マーカーであるcasein kinase II α、annexin A2、白血病マーカーであるNKG2D、NKp46などが挙げられる。
糖鎖としては、例えば、N-グリコシド結合糖鎖、O-グリコシド結合糖鎖などが挙げられる。エクソソームの表面に露出した糖鎖のエクソソームマーカーとしては、例えば、高マルノース、シアル酸、フコースなどが挙げられる。エクソソームの表面に露出した糖鎖の疾患マーカーとしては、例えば、胆管癌マーカーであるCA19-9、N-アセチルガラクトサミン、シアル酸などが挙げられる。エクソソームの表面に露出した糖鎖の疾患促進因子としては、例えば、胆管癌マーカーであるCA19-9、N-アセチルガラクトサミン、シアル酸などが挙げられる。
脂質としては、例えば、リン脂質、スフィンゴミエリン、コレステロール、セラミド、脂質ラフト、糖脂質などが挙げられる。糖脂質としては、例えば、スフィンゴ糖脂質などが挙げられる。エクソソームの表面に露出した脂質のエクソソームマーカーとしては、例えば、bismonoacyl glycerophosphate、cholesteryl ester、cholesterol、ceramide、diacylglycerol、globotriaosylceramide、hexosylceramide、hexadecylglycerol、lactosylceramide、lysobisphosphatic acid、phosphatidic acid、phosphatidylcholine; PC ethers (alkyl or alkenyl)、phosphatidylethanolamine、PE ethers (alkyl or alkenyl) 、phosphatidylglycerol、phosphatidylinositol、phosphatidylserine、sphingomyelin、Triacylglycerolなどが挙げられる。エクソソームの表面に露出した脂質の疾患マーカーとしては、例えば、前立腺がんマーカーであるPhosphatidylglycerol、diacylglycerol、triacylglycerol、乳がんマーカーである27-hydroxychlesterolなどが挙げられる。エクソソームの表面に露出した脂質の疾患促進因子としては、例えば、前立腺がん促進因子であるPhosphatidylglycerolなどが挙げられる。エクソソームの表面に露出した脂質の疾患抑制因子としては、例えば、前立腺がん抑制因子であるdiacylglycerol、triacylglycerolなどが挙げられる。
本発明の検出方法において、検出されるエクソソームの内包分子(以下、単に内包分子と記載する場合もある)としては、核酸、タンパク質、脂質などが挙げられる。また、検出される好ましい内包分子としては、疾患マーカー、疾患促進因子、疾患抑制因子が挙げられる。疾患としては、感染症、心疾患、認知症、老化、生活習慣病などが挙げられる。
核酸としては、DNA (例えば、核DNA、ミトコンドリアDNA)およびRNA (例えば、mRNA、miRNA、ウイルスRNA)が挙げられる。エクソソームに内包される核酸の疾患マーカーとしては、例えば、子宮頸がんマーカーであるmir-21、mir-146a、大腸がんマーカーであるlet7a、mir-21、mir-192、mir-221、肝臓がんマーカーであるmir-18a、mir-221、mir-222、mir-224、mir-101、mir-106b、mir-122、mir-195、肺がんマーカーであるmir-21、mir-15、mir-200b5p w、mir-190b、mir-376a-5p、mir-378a、mir-379、mir-139-5p、mir-30a-3p、mir-629、mir-502-5p、mir-1974、mir-17、mir-100、mir-154-3p、mir-139-5p、mir-30a-3p、mir-378a、メラノーママーカーであるmir-17、mir-19a、mir-21、mir-126、mir-149、子宮がんマーカーであるmir-214、mir-140、mir-147、mir-135b、mir-205、mir-150、mir-149、mir-370、mir-206、mir-197、mir-634、mir-485-5p、mir-612、mir-608、mir-202、mir-373、mir-324-3p、mir-103、mir-593、mir-574、mir-483、mir-527、mir-603、mir-649、mir-18a、mir-595、mir-193b、mir-642、mir-557、mir-801、slet-7e、mir-21、mir-141、mir-200、前立腺がんマーカーであるmir-409、mir-14、mir-196a-5p、mir-34a-5p、mir-143-3p、mir-501-3p 、mir-92a-1-5p、不特定のがんマーカーである、p53、NOTCH1、ダウン症マーカーであるmir-196a-5p、mir-501-3p、mir-193b、がんの進行マーカーであるmir-21、アルツハイマー病マーカーであるmir-135、mir-384などが挙げられる。エクソソームに内包される核酸の疾患促進因子としては、例えば、子宮頸がん促進因子であるmir-21、mir-146a、大腸がん促進因子であるlet7a、mir-21、mir-192、mir-221、肝臓がん促進因子であるmir-18a、mir-221、mir-222、mir-224、肺がんに対してmir-21、mir-15、mir-200b5p w、mir-190b、mir-376a-5p、mir-378a、mir-379、mir-139-5p、mir-30a-3p、mir-629、mir-502-5p、mir-1974、mir-17、mir-100、mir-154-3p、メラノーマ促進因子であるmir-17、mir-19a、mir-21、mir-126、mir-149、子宮がん促進因子であるmir-214、mir-140、mir-147、mir-135b、mir-205、mir-150、mir-149、mir-370、mir-206、mir-197、mir-634、mir-485-5p、mir-612、mir-608、mir-202、mir-373、mir-324-3p、mir-103、mir-593、mir-574、mir-483、mir-527、mir-603、mir-649、mir-18a、mir-595、mir-193b、mir-642、mir-557、mir-801s、let-7e、mir-21、mir-141、mir-200、前立腺がんに対してmir-409、mir-141、mir-196a-5p、mir-34a-5p、mir-143-3p、mir-501-3p、mir-92a-1-5p、がんの進行促進因子であるmir-21、アルツハイマー病促進因子であるmir-135、mir-384などが挙げられる。エクソソームに内包される核酸の疾患抑制因子としては、例えば、肝臓がん抑制因子であるmir-101、mir-106b、mir-122、mir-195、肺がんに対してmir-139-5p、mir-30a-3p、mir-378a、前立腺がんに対してmir-196a-5p、mir-501-3p、アルツハイマー病に対してmir-193bなどが挙げられる。
タンパク質としては、細胞内タンパク質であれば特に制限されない。エクソソームに内包されるタンパク質の疾患マーカーとしては、例えば、CD9、PDCD6I、HSPA8、GAPDH、ACTB、ANXA2、CD63、SDCBP、ENO1、HSP90AA1、TSG101、PKM、LDHA、EEF1A1、YWHAZ、PGK1、EEF2、ALDOA、HSP90AB1、ANXA5、FASN、YWHAE、CLTC、CD8、ALB、VCP、TPI1、PPIA、MSN、CFL1 、PRDX1、PFN1、RAP1B、ITGB1、HSPA5、SLC3A2、HIST1H4A、GNB2、ATP1A1、YWHAQ、FLOT1、FLNA、CLIC1、CCT2、CDC42、YWHAG、A2M、TUBA1B、RAC1、LGALS3BP、p53、NOTCH1などが挙げられる。エクソソームに内包されるタンパク質の疾患促進因子としては、例えば、慢性外傷性脳症に対してTau、結腸直腸がんに対してALIX-, TSG101-, CD63, CD9などが挙げられる。
脂質としては、細胞内脂質であれば特に制限されない。エクソソームに内包される脂質の疾患マーカーとしては、例えば、エイコサノイドなどが挙げられる。エクソソームに内包されるタンパク質の疾患促進因子としては、例えば、炎症におけるプロスタグランジン、ロイコトリエンなどが挙げられる。エクソソームに内包される脂質の疾患抑制因子としては、例えば、炎症反応後、回復時におけるリポキシンなどが挙げられる。
1つの実施態様として、本発明の検出方法は、以下の工程を含む(以下、本発明の検出方法Iと記載する場合もある)。
(A)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iが固相化された担体を用いて被験試料に含まれるエクソソームの表面分子を検出する工程。
(B)表面分子を検出されたエクソソームを回収する工程。
(C)エクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体を用いて回収されたエクソソームの内包分子を検出する工程。
本発明の検出方法Iにおいて、エクソソームの表面分子に対する結合性分子I(以下、単に結合性分子Iと記載する場合もある)は、該表面分子を特異的に認識し、結合できる分子であれば特に制限はないが、例えば、タンパク質に対する抗体またはアプタマー、糖鎖に対する抗体またはレクチン、脂質に対する抗体などが挙げられる。1つのエクソソームに露出する表面分子は複数存在するため、それらを同時に検出するためには結合性分子Iも複数選択して使用することが望ましい。従って、本発明の検出方法Iにおいて、結合性分子Iは、タンパク質に対する抗体またはアプタマー、糖鎖に対する抗体またはレクチンおよび脂質に対する抗体からなる群から選択される少なくとも1種類である。
また、本発明の検出方法Iにおいて、エクソソームの内包分子に対する結合性分子II(以下、単に結合性分子IIと記載する場合もある)は、該内包分子を特異的に認識し、結合できる分子であれば特に制限はないが、例えば、核酸に対するアンチセンス核酸、タンパク質に対する抗体またはアプタマー、脂質に対する抗体などが挙げられる。1つのエクソソームに内包される分子は複数存在するため、それらを同時に検出するためには結合性分子IIも複数選択して使用することが望ましい。従って、本発明の検出方法Iにおいて、結合性分子IIは、核酸に対するアンチセンス核酸、タンパク質に対する抗体またはアプタマー、および脂質に対する抗体からなる群から選択される少なくとも1種類である。
本発明の検出方法Iにおいて、抗体は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体をともに包含する。また、当該抗体は、あらゆる哺乳動物由来の抗体を包含するものであってよく、さらに、IgG、IgA、IgM、IgDまたはIgEのいずれの免疫グロブリンクラスに属するものであってもよいが、好ましくはIgGである。当該抗体は目的の表面分子または内包分子に結合する市販の抗体や研究機関に保存されている抗体を使用してもよい。あるいは、当業者であれば、従来公知の方法に従って、抗体を作製することができる。
また、抗体には、前記のポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)等の天然型抗体、遺伝子組換技術を用いて製造され得るキメラ抗体、ヒト化抗体や一本鎖抗体に加えて、これらの抗体の断片が含まれる。抗体の断片とは、前述の抗体の一部分の領域を意味し、具体的にはFab、Fab’、F(ab’)2、scAb、scFv、またはscFv-Fc等を包含する。
本発明の検出方法Iにおいて、レクチンは、細胞または複合糖質を凝集する性質を有する、糖結合性のタンパク質または糖タンパク質であれば特に制限されない。
本発明の検出方法Iにおいて、表面分子に結合するレクチンとしては、例えば、SBA(Soybean Agglutinin)、LCA(Lens culinaris Agglutinin)、AAL(Aleuria aurantia Lectin)、UEA(Ulex europaeus Agglutinin)、PNA(Peanut Agglutinin)、WGA(Wheat Germ Agglutinin)、Con A(Concanavalin A)などが挙げられる。
本発明の検出方法Iにおいて、アプタマーは、エクソソームの表面分子または内包分子に対する結合活性を有する核酸をいう。アプタマーは、RNA、DNA、修飾核酸又はそれらの混合物であり得る。アプタマーはまた、直鎖状又は環状の形態であり得る。
アプタマーがRNAである場合、安定性等を高めるため、各ヌクレオチドの糖残基(例、リボース)が修飾されたものであってもよい。糖残基において修飾される部位としては、例えば、糖残基の2’位、3’位及び/又は4’位のヒドロキシル基を他の原子に置き換えたものなどが挙げられる。修飾の種類としては、例えば、フルオロ化、アルコキシ化、O-アリル化、S-アルキル化、S-アリル化、アミノ化が挙げられる。
また糖残基については、2’位及び4’位で架橋構造を形成したBNA:Bridged nucleic acid (LNA:Linked nucleic acid)とすることもできる。
本発明の検出方法Iにおいて、アンチセンス核酸は、エクソソームに内包される核酸(核DNA、ミトコンドリアDNA、mRNA、miRNA、ウイルスRNAなど)の塩基配列と相補的な塩基配列またはその一部を含む核酸をいう。その一部を含む核酸とは、エクソソームに内包される核酸に特異的に結合することができる限り、その長さや位置に特に制限はないが、配列特異性の面から、エクソソームに内包される核酸の塩基配列に相補的な部分を少なくとも10塩基以上、好ましくは約15塩基以上、より好ましくは約20塩基以上含むものである。
本発明の検出方法Iにおいて、結合性分子は担体に固相化される。本発明の検出方法Iで使用される担体は、免疫学的方法または表面プラズモン共鳴法で使用されうる担体であれば特に制限はないが、例えば、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、ガラス、金属薄膜に覆われたプリズム、ニトロセルロース膜等が挙げられ、好ましくは、金属薄膜に覆われたプリズムである。金属薄膜に覆われたプリズムは、プリズムと該プリズムの一側面に成膜される金属から構成されており、表面プラズモン共鳴法に使用することができる。プリズムの形状は台形、三角形および円形(半柱形)などが挙げられる。また、プリズムの屈折率は通常1.5〜1.8である。プリズムの一側面に成膜される金属としては、金、銀、銅、アルミニウムなどが挙げられる。
本発明の検出方法Iで使用される担体はさらに、自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayers:SAMs)がその表面に形成されていてもよい。公知の方法(例えば、自己組織化リソグラフィ、インクジェット法など)を用いることよって担体上に数十nm程度の幅でSAMsを形成することができる。SAMsを形成する分子としては、カルボン酸末端SAMs、アミノ基末端SAMs、NTA末端SAMs、ビオチン末端SAMs、フェロセニル基末端SAMs、Fmoc-アミノ基SAMs、スルホベタイン基末端SAMs、アミド基末端SAMsが挙げられる。形成されたSAMsは、SAMsを構成する分子の末端の官能基と結合性分子の官能基の化学結合(例えば、アミド結合、アビジン−ビオチン相互作用など)によって、その表面に結合性分子を固相化することができる。担体表面上にSAMsを形成した後、結合性分子を固相化させるという手順を繰り返すことによって、複数の結合性分子を数十nm〜数百nmおきに担体上に固相化させることが可能である。
また、本発明の検出方法Iで使用される担体は、二価性架橋剤の単層がその表面に形成されていてもよい。形成された二価性架橋剤の単層は、二価性架橋剤の末端の官能基と結合性分子の官能基の化学結合(例えば、アミド結合、アビジン−ビオチン相互作用など)によって、その表面に結合性分子を固相化することができる。結合性分子と担体間に二価性架橋剤の炭素鎖の長さの分だけ距離が生じ、結合性分子の空間的自由度が増し、エクソソームの表面分子の検出感度の向上が期待できる。二価性架橋剤としては、ホモ二価性架橋剤、ヘテロ二価性架橋剤が挙げられる。ホモ二価性架橋剤は、2つの官能基が同一であれば特に制限されず、例えば、ビス(スルホスクシンイミジル)スベリン酸, 二ナトリウム塩(Bis(sulfosuccinimidyl)suberate, disodium salt(BS3))、ビス(スルホスクシンイミジル)グルタル酸, 二ナトリウム塩(Bis(sulfosuccinimidyl)glutarate, disodium salt(BS2G))などが挙げられる。また、ヘテロ二価性架橋剤は、2つの官能基が異なる官能基であれば特に制限されず、例えば、N-(6-マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミド(N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimide(EMCS))、N-(4-マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミド(N-(4-Maleimidobutyryloxy)succinimide(GMBS))、N-(8-マレイミドカプリルオキシ)スクシンイミド(N-(8-Maleimidocapryloxy)succinimide(HMCS))、N-(11-マレイミドウンデカノイルオキシ)スクシンイミド(N-(11-Maleimidoundecanoyloxy)succinimide(KMUS))、N-(6-マレイミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミド, ナトリウム塩(N-(6-Maleimidocaproyloxy)sulfosuccinimide, sodium salt(Sulfo-EMCS))、N-(4-マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミド, ナトリウム塩(N-(4-Maleimidobutyryloxy)sulfosuccinimide, sodium salt(Sulfo-GMBS))、N-(8-マレイミドカプリルオキシ)スルホスクシンイミド, ナトリウム塩(N-(8-Maleimidocapryloxy)sulfosuccinimide, sodium salt(Sulfo-HMCS))、N-(11-マレイミドウンデカノイルオキシ)スルホスクシンイミド, ナトリウム塩(N-(11-Maleimidoundecanoyloxy)sulfosuccinimide, sodium salt(Sulfo-KMUS))、N-[(4-マレイミドメチル)シクロヘキシルカルボニルオキシ]スルホスクシンイミド, ナトリウム塩(N-[(4-Maleimidomethyl)cyclohexylcarbonyloxy]sulfosuccinimide, sodium salt(Sulfo-SMCC))、N-スクシンイミジル 3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸(N-Succinimidyl 3-(2-pyridyldithio)propionate(SPDP))、N-{6-[3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ヘキサノイルオキシ}スルホスクシンイミド, ナトリウム塩(N-{6-[3-(2-Pyridyldithio)propionamido]hexanoyloxy}sulfosuccinimide, sodium salt(Sulfo-AC5-SPDP))、ジチオビス(スルホスクシンイミジル プロパン酸), 二ナトリウム塩(Dithiobis(sulfosuccinimidyl propionate), disodium salt(DTSSP))、ジチオビス(スクシンイミジル プロパン酸)(Dithiobis(succinimidyl propionate)(DSP))、ジチオビス(スクシンイミジル ウンデカン酸)(Dithiobis(succinimidyl undecanoate))、ジチオビス(スクシンイミジル オクタン酸)(Dithiobis(succinimidyl octanoate))、ジチオビス(スクシンイミジル ヘキサン酸)(Dithiobis(succinimidyl hexanoate))等が挙げられる。
結合性分子の固相化は、上記結合性分子を緩衝液で適当な濃度に調整し、担体にスポットし、静置することによって実施することができる。固相化する際の結合性分子の濃度は適宜決定してよいが、例えば、1 mg/mlでよい。静置する時間は適宜決定してよいが、例えば、8から16時間でよい。
本発明の検出方法Iにおいて、結合性分子Iと結合性分子IIは同一の担体には固相化されず、それぞれ別の担体に固相化される。また、結合性分子IIが2種類以上固相化される場合、各々の結合性分子IIは、同一の担体上の互いに異なる領域に固相化されてもよいし、それぞれ別の担体に固相化されてもよい。
本発明の検出方法Iで使用される被験試料は、エクソソームを含む試料であれば特に制限なく用いることができる。被験試料は、動物細胞由来のエクソソームを含む被験試料の場合、動物(好ましくは、哺乳動物)における体液(血液、唾液、涙液、尿、汗など)を遠心処理、密度勾配遠心分離、フィルター処理、サイズ排除クロマトグラフィー、超遠心処理等によって調製される。これらの方法を用いることにより、エクソソームの濃度がより高い被験試料を調製することができる。
本発明の検出方法Iにおいて、エクソソームの表面分子およびエクソソームの内包分子を検出するための方法としては、例えば、免疫学的方法または表面プラズモン共鳴法が挙げられる。
免疫学的方法は、特に制限されるものではなく、被験試料に含まれるエクソソームの表面分子と結合性分子Iからなる複合体およびエクソソームの内包分子と結合性分子IIからなる複合体を化学的または物理的手段により検出する免疫学的方法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。また、必要に応じて既知量の表面分子または内包分子を含む標準液を用いて作製した標準曲線より表面分子または内包分子の量の算出を行うこともできる。免疫学的方法としては、バッチ系、フロー系を問わずに担体表面に固相化された抗体と表面分子または内包分子との間で抗原抗体反応を生じさせ、抗体に結合された標識物質を測定する方法(例えば、サンドイッチELISA法)が好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β-ガラクトシダーゼ、β-グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗体と標識剤との結合にビオチン-アビジン系を用いることもできる。蛍光物質が発する蛍光は公知の測定装置で測定することができ、例えば、三次元蛍光測定装置((株)堀場製作所:Aqualog)や蛍光分光測定装置((株)堀場製作所:Fluorolog-3)を用いて測定できる。
サンドイッチELISA法においては、担体に固相化された結合性分子Iに被験試料を反応させ(1次反応)、さらに表面分子に対する標識二次抗体を反応させ(2次反応)た後、担体上の標識剤の量(活性)を測定することにより、被験試料中のエクソソームの表面分子を検出することができる。1次反応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。また、エクソソームの表面分子が自家蛍光を示す場合、該自家蛍光を直接測定することによって、標識二次抗体を使用することなく被験試料中のエクソソームの表面分子を検出することができる。本方法は、エクソソームの内包分子に対しても同様に実施することができる。
あるいは、表面プラズモン共鳴(SPR)法による免疫センサーを用いて、市販のセンサーチップの表面上に、常法に従って結合性分子Iを固相化し、これに被験試料を接触させた後、該センサーチップに検出の波長の光を検出の角度から照射し、共鳴角度の変化を指標にして、固相化した結合性分子Iへの表面分子の結合の有無を判定することができる。あるいは、エクソソームの表面分子が自家蛍光を示す場合、結合性分子Iに結合したエクソソームを回収し、該自家蛍光を直接測定することによっても、被験試料中のエクソソームの表面分子を検出することができる。本方法は、エクソソームの内包分子に対しても同様に実施することができる。
本発明の検出方法Iは、(A)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iが固相化された担体を用いて被験試料に含まれるエクソソームの表面分子を検出する工程として、以下の工程を含む。
(1)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iが固相化された担体表面をブロッキングバッファーで処理する工程。
(2)該担体を洗浄バッファーで洗浄する工程。
(3)エクソソームを含む被験試料とサンプルバッファーの混合物を該担体に接触させる工程。
(4)該担体をサンプルバッファーで洗浄する工程。
(5)該エクソソームの表面分子と該結合性分子Iの結合を検出することによって該表面分子を検出する工程。
本発明の検出方法Iは、(1)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iが固相化された担体表面をブロッキングバッファーで処理する工程を含む。ブロッキングバッファーは、担体へのエクソソームの非特異的結合を抑制することができる限り特に制限されず、例えば、カゼイン溶液、カゼイン分解物溶液、BSA溶液、生理食塩水、緩衝液などが挙げられ、好ましくは、カゼイン溶液またはカゼイン分解物溶液である。カゼインは高度にリン酸化されたセリンが多く含まれたリン酸化タンパク質である。エクソソームを構成する脂質もリン脂質であるため、溶液中や担体上のカゼインとエクソソーム間にクーロン反発が生じる。従って、該担体表面をカゼイン溶液またはカゼイン分解物溶液で処理することによって、結合性分子Iが固相化されていない担体表面部分に対するエクソソームの非特異的結合を抑制することができ、同時に、担体に固相化された結合性分子Iに対するエクソソームの表面分子の特異的結合も保証することができる。カゼインによる処理は、カゼインまたはカゼイン分解物を、終濃度0.1‐2%、好ましくは1%になるように溶媒で調整した溶液を該担体表面に満たして静置することによって実施することができる。本発明においてカゼイン分解物としては、カゼインの酸分解物質、アルカリ分解物質、加水分解物質が挙げられる。溶媒は、該エクソソームの表面分子と該結合性分子Iの結合性に影響を与えないものであれば、特に制限されない。そのような溶媒としては、例えば、蒸留水、PBSなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、ブロッキングバッファーを担体表面上に静置する時間、温度は当業者が適宜決定できるが、例えば、10分から2時間、室温で静置することができる。
本発明の検出方法Iは、(2)担体を洗浄バッファーで洗浄する工程を含む。洗浄バッファーは、ブロッキングバッファーで処理後の担体上の余剰のブロッキングバッファーを洗浄できる限り特に制限されないが、例えば、BSA溶液、生理食塩水または緩衝液(リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液)が挙げられる。洗浄は洗浄バッファーを担体表面に満たして静置または流動することによって実施することができる。洗浄バッファーを担体表面上に静置または流動する時間、温度、回数は当業者が適宜決定できるが、例えば、10分から2時間、室温、1〜3回で静置または流動することができる。
また、本発明の検出方法Iは、(3)エクソソームを含む被験試料とサンプルバッファーの混合物を担体に接触させる工程を含む。サンプルバッファーは、特に制限されず、例えば、カゼイン溶液、カゼイン分解物溶液、BSA溶液、生理食塩水、緩衝液などが挙げられ、好ましくは、カゼイン溶液またはカゼイン分解物溶液である。カゼイン溶液またはカゼイン分解物溶液は、カゼインまたはカゼイン分解物が終濃度0.005-2%、好ましくは0.1%になるように溶媒で調整した溶液を使用することができる。溶媒は、例えば、蒸留水、PBSなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、該混合物を担体に接触させる際は、担体表面上に接触させる時間、温度、回数は当業者が適宜決定できるが、例えば、10分から2時間、室温下、1〜3回接触させることができる。
本発明の検出方法Iは、(4)担体をサンプルバッファーで洗浄する工程を含む。本工程におけるサンプルバッファーは上記(3)エクソソームを含む被験試料とサンプルバッファーの混合物を担体に接触させる工程におけるサンプルバッファーと同様であってよい。サンプルバッファーとしてカゼイン溶液またはカゼイン分解物溶液を使用する場合、洗浄はカゼインまたはカゼイン分解物が終濃度0.005-2%、好ましくは0.1%になるように溶媒で調整した溶液を該担体表面に満たして静置または流動することによって実施することができる。溶媒は、カゼイン溶液またはカゼイン分解物溶液を調製する際に使用した上記の溶媒と同じ溶媒であってよい。また、サンプルバッファーを担体表面上に静置または流動する時間、温度、回数は当業者が適宜決定できるが、例えば、10分から2時間、室温、1〜3回で静置または流動することができる。
本発明の検出方法Iは、(5)エクソソームの表面分子と結合性分子Iの結合を検出することによって該表面分子を検出する工程を含む。エクソソームの表面分子と結合性分子Iの結合を検出する方法は、本発明の検出方法Iにおけるエクソソームの表面分子およびエクソソームの内包分子を検出するための方法と同様であってよい。
本発明の検出方法Iは、(B)表面分子を検出されたエクソソームを回収する工程を含む。エクソソームは結合性分子Iと表面分子の結合を物理的または化学的に解消することによって回収することができる。エクソソームの回収は、公知の手段に従って当業者が実施することができ、例えば、国際公開第2017/104626号に開示された方法に従って実施することができる。具体的には、担体表面上でゲルを流動させることによってエクソソームを担体からゲルに回収することができる。ゲルは、多糖類、タンパク質または合成高分子のゲルであってよい。多糖類としては、アガロース、寒天、カラギーナン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、グルコマンナン、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、カードランなどが挙げられ、好ましくは、アガロース、寒天、カラギーナンである。タンパク質としては、ゼラチン、大豆カゼイン、フィブリン、卵白タンパク質、ホエイタンパク質などが挙げられ、好ましくは、ゼラチンである。合成高分子としては、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。また、ゲルの流動速度、流動時間、流動させる際の温度は、当業者が適宜決定することができる。ゲルの流動速度は、通常、100 μm/s-100 mm/s、好ましくは、500 μm/s-25 mm/sである。また、ゲルの流動時間は、通常、30秒-1200秒、好ましくは、60秒-480秒である。また、ゲルの流動させる際の温度は、通常、4℃-37℃、好ましくは、15℃-30℃である。また、ゲルの硬度は、破断強度によって定義される。ここで、破断強度は、直径100 mm×厚さ10 mmの円盤状に調製したゲルに対して、テキソグラフを用いて、断面積2.0 cm2のプランジャーを毎秒0.8 mmで下降させて、圧縮することにより破断するのに要する力(g/cm2)と定義する。ゲルの破断強度は、通常どのような値であってもよく、好ましくは、4-1,100g/cm2、より好ましくは、8-1,100g/cm2である。
本発明の検出方法Iは、(C)エクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体を用いて回収されたエクソソームの内包分子を検出する工程として以下の工程を含む。
(6)回収されたエクソソームから内包分子を含む被験試料を抽出する工程。
(7)エクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体表面をブロッキングバッファーで処理する工程。
(8)該担体を洗浄バッファーで洗浄する工程。
(9)該被験試料とサンプルバッファーの混合物を該担体に接触させる工程。
(10)該担体をサンプルバッファーで洗浄する工程。
(11)該エクソソームの内包分子と該結合性分子IIの結合を検出することによって該内包分子を検出する工程。
本発明の検出方法Iは、(6)回収されたエクソソームから内包分子を含む被験試料を抽出する工程を含む。エクソソームからの内包分子の抽出は、当業者が公知の手段(物理的手段、化学的手段)に基づいて実施することができる。エクソソームから内包分子を含む被験試料を抽出する物理的手段としては、例えば、エクソソームを超音波処理することによってエクソソームの膜構造を破壊することによって、内包分子を含む被験試料を抽出することができる。また、エクソソームから内包分子を含む被験試料を抽出する化学的手段としては、例えば、界面活性剤でエクソソームを処理することによって、内包分子を含む被験試料を抽出できる。界面活性剤としては、例えば、Triton X-100、Tween 20、SDSなどが挙げられる。
本発明の検出方法Iは、(7)エクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体表面をブロッキングバッファーで処理する工程を含む。本工程におけるブロッキングバッファーは、担体へのエクソソームの非特異的結合を抑制することができる限り特に制限されず、例えば、カゼイン溶液、カゼイン分解物溶液、BSA溶液、生理食塩水、緩衝液などが挙げられる。本工程におけるブロッキングバッファーによる処理条件は、本発明の検出方法Iにおける(1)エクソソームの表面分子に対する結合性分子Iが固相化された担体表面をブロッキングバッファーで処理する工程における処理条件と同様であってよい。
本発明の検出方法Iは、(8)担体を洗浄バッファーで洗浄する工程を含む。本工程における洗浄バッファーおよび洗浄バッファーによる洗浄条件は、本発明の検出方法Iにおける(2)担体を洗浄バッファーで洗浄する工程における洗浄バッファーおよび洗浄条件と同様であってよい。
本発明の検出方法Iは、(9)被験試料とサンプルバッファーの混合物を該担体に接触させる工程を含む。サンプルバッファーは、特に制限されず、例えば、カゼイン溶液、カゼイン分解物溶液、BSA溶液、生理食塩水、緩衝液などが挙げられる。本工程における被験試料とサンプルバッファーの混合物を担体に接触させる条件は、本発明の検出方法Iにおける(3)エクソソームを含む被験試料とサンプルバッファーの混合物を担体に接触させる工程におけるび接触条件と同様であってよい。
本発明の検出方法Iは、(10)担体をサンプルバッファーで洗浄する工程を含む。本工程におけるサンプルバッファーおよびサンプルバッファーによる洗浄条件は、本発明の検出方法Iにおける(4)担体をサンプルバッファーで洗浄する工程におけるサンプルバッファーおよび洗浄条件と同様であってよい。
本発明の検出方法Iは、(11)エクソソームの内包分子と該結合性分子IIの結合を検出することによって該内包分子を検出する工程を含む。エクソソームの内包分子と結合性分子IIの結合を検出する方法は、本発明の検出方法Iにおけるエクソソームの表面分子およびエクソソームの内包分子を検出するための方法と同様であってよい。
別の実施態様として、本発明の検出方法は、以下の工程を含む(以下、本発明の検出方法IIと記載する場合もある)。
(A’)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iおよびエクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体を用いて被験試料に含まれるエクソソームの表面分子を検出する工程。
(B’)該担体を用いて該表面分子を検出されたエクソソームの内包分子を検出する工程。
本発明の検出方法IIにおいて、結合性分子I、結合性分子II、結合性分子を担体に固相化する方法、被験試料などは、本発明の検出方法Iと同様であってよい。
本発明の検出方法IIにおいて、結合性分子Iと結合性分子IIは同一の担体に固相化される。また、結合性分子Iと結合性分子IIは同一の担体上の互いに異なる領域に固相化される。さらに、結合性分子IIが2種類以上固相化される場合、各々の結合性分子IIは、同一の担体上の互いに異なる領域に固相化される。
本発明の検出方法IIは、(A’)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iおよびエクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体を用いて被験試料に含まれるエクソソームの表面分子を検出する工程が以下の工程を含む。
(1’)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iおよびエクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体表面をブロッキングバッファーで処理する工程。
(2’)該担体を洗浄バッファーで洗浄する工程。
(3’)エクソソームを含む被験試料とサンプルバッファーの混合物を該担体に接触させる工程。
(4’)該担体をサンプルバッファーで洗浄する工程。
(5’)該エクソソームの表面分子と該結合性分子Iの結合を検出することによって該表面分子を検出する工程。
本発明の検出方法IIは、(1’)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iおよびエクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体表面をブロッキングバッファーで処理する工程を含む。本工程におけるブロッキングバッファーおよびブロッキングバッファーによる処理条件は、本発明の検出方法Iにおける(1)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iが固相化された担体表面をブロッキングバッファーで処理する工程におけるブロッキングバッファーおよび処理条件と同様であってよい。
本発明の検出方法IIは、(2’)担体を洗浄バッファーで洗浄する工程を含む。本工程における洗浄バッファーおよび洗浄バッファーによる洗浄条件は、本発明の検出方法Iにおける(2)担体を洗浄バッファーで洗浄する工程における洗浄バッファーおよび洗浄条件と同様であってよい。
本発明の検出方法IIは、(3’)エクソソームを含む被験試料とサンプルバッファーの混合物を担体に接触させる工程を含む。本工程におけるサンプルバッファーおよびエクソソームを含む被験試料とサンプルバッファーの混合物を担体に接触させる条件は、本発明の検出方法Iにおける(3)エクソソームを含む被験試料とサンプルバッファーの混合物を担体に接触させる工程におけるサンプルバッファーおよび接触条件と同様であってよい。
本発明の検出方法IIは、(4’)担体をサンプルバッファーで洗浄する工程を含む。本工程におけるサンプルバッファーおよびサンプルバッファーによる洗浄条件は、本発明の検出方法Iにおける(4)担体をサンプルバッファーで洗浄する工程におけるサンプルバッファーおよび洗浄条件と同様であってよい。
本発明の検出方法IIは、(5’)エクソソームの表面分子と結合性分子Iの結合を検出することによって該表面分子を検出する工程を含む。エクソソームの表面分子と結合性分子Iの結合を検出する方法は、本発明の検出方法Iにおけるエクソソームの表面分子およびエクソソームの内包分子を検出するための方法と同様であってよい。
本発明の検出方法IIは、(B’)該担体を用いて該表面分子を検出されたエクソソームの内包分子を検出する工程が以下の工程を含む。
(6’)表面分子を検出されたエクソソームから該担体上で内包分子を含む被験試料を抽出する工程。
(7’)該被験試料とサンプルバッファーの混合物を該担体に接触させる工程。
(8’)該担体をサンプルバッファーで洗浄する工程。
(9’)該エクソソームの内包分子と該結合性分子IIの結合を検出することによって該内包分子を検出する工程。
本発明の検出方法IIは、(6’)表面分子を検出されたエクソソームから担体上で内包分子を含む被験試料を抽出する工程を含む。エクソソームからの内包分子の抽出方法は、本発明の検出方法Iにおける(6)回収されたエクソソームから内包分子を含む被験試料を抽出する工程における抽出方法と同様であってよい。
本発明の検出方法IIは、(7’)被験試料とサンプルバッファーの混合物を担体に接触させる工程を含む。本工程におけるサンプルバッファーおよび被験試料とサンプルバッファーの混合物を担体に接触させる条件は、本発明の検出方法Iにおける(9)被験試料とサンプルバッファーの混合物を担体に接触させる工程におけるサンプルバッファーおよび接触条件と同様であってよい。
本発明の検出方法IIは、(8’)担体をサンプルバッファーで洗浄する工程を含む。本工程におけるサンプルバッファーおよびサンプルバッファーによる洗浄条件は、本発明の検出方法Iにおける(10)担体をサンプルバッファーで洗浄する工程におけるサンプルバッファーおよび洗浄条件と同様であってよい。
本発明の検出方法IIは、(9’)エクソソームの内包分子と結合性分子IIの結合を検出することによって該内包分子を検出する工程を含む。エクソソームの内包分子と結合性分子IIの結合を検出する方法は、本発明の検出方法Iにおけるエクソソームの表面分子およびエクソソームの内包分子を検出するための方法と同様であってよい。
本発明はまた、本発明の検出方法IおよびIIを実施するためのエクソソームの表面分子および内包分子の検出装置(以下、本発明の検出装置と記載する場合もある)を提供する。本発明の検出装置は、計測部(以下、本発明の計測部と記載する場合もある)と、本体部(以下、本発明の本体部と記載する場合もある)とを備える。
本発明の計測部は、本発明の検出方法で使用される担体を含んでよい。該担体は、好ましくは、プリズムと該プリズムの一側面に成膜される金属から構成される。プリズムと該プリズムの一側面に成膜される金属は、本発明の検出方法IおよびIIで使用される担体において記載した金属と同様であってよい。また、本発明の計測部は、エクソソームの表面分子と結合性分子Iの相互作用またはエクソソームの内包分子と結合性分子IIによって上記の担体に誘起されるSPR現象に伴う反射光を検出するセンサーをさらに備えてもよい。また、本発明の計測部は上記センサーによって検出した反射光の変化量を反射率(%)として計算し、出力する演算部をさらに備えてもよい。
本発明の本体部は、本発明の計測部によって検出された反射光の変化量に基づいて出力された信号を受け付けて作業者に表示することができる。また、本発明の本体部は計算された反射率の変化を演算部から受け付けて色調イメージに変換して出力する表示部をさらに備えてもよい。さらに、本発明の本体部は反射鏡の回転角度や照射光源の強度を調整する制御部をさらに備えてもよい。
本発明の検出装置において、演算部、表示部、制御部、それらの一部の機能は、本発明の計測部、本発明の本体部のいずれに備わるように構成しても良い。本発明の検出装置は、結合性分子が化学結合されていない箇所の色調変化も確認できるため、エクソソームの表面分子および/または内包分子の担体への非特異的相互作用の有無を確認することもできる。
より具体的な本発明の検出装置の一例として、マイクロアレイ型SPRi装置を図1に示す。
図1に示された装置1は、計測部2と、本体部3とから主として構成されている。計測部2は、担体21と、センサー22と、演算部23と、廃液用ボトル24と、移動相用ボトル25と、送液ポンプ26と、脱気装置27と、被験試料供給口28とから主として構成されている。本体部3は、表示部31と、制御部32とから主として構成されている。
担体21は、エクソソームの表面分子と結合性分子Iの相互作用またはエクソソームの内包分子と結合性分子IIの相互作用によって誘起されるSPR現象を生じさせるデバイスである。センサー22は、エクソソームの表面分子と結合性分子Iの相互作用またはエクソソームの内包分子と結合性分子IIの相互作用によって誘起されるSPR現象を反射光として検出する。具体的にはセンサーとしてCCDカメラが、各反射光検出位置における反射光強度を電流値と電圧値として検出する。演算部23は、上記センサー22によって検出した反射光の変化量を反射率(%)として計算し、出力する。廃液用ボトル24は、計測部2でセンサーチップ21を通過した被験試料やバッファーの廃棄用ボトルである。移動相用ボトル25は、計測部2でセンサーチップ21を通過させるための移動相用ボトルである。送液ポンプ26は、移動相用ボトルのバッファーを送液するためのポンプである。脱気装置27は、バッファーを脱気するための装置である。被験試料供給口28は、被験試料を計測部2に投入するための供給口である。
表示部31は、演算部23によって計算された反射率の変化を受け付けて色調イメージに変換して出力する。制御部32は、計測部2に備え付けられた反射鏡の回転角度や照射光源の強度を調整する。
本発明はまた、本発明の検出方法Iを実施する場合、(B)表面分子を検出されたエクソソームを回収する工程を実施するためのエクソソームの分離装置(以下、本発明の分離装置と記載する場合もある)を提供する。本発明の分離装置では、被験試料供給部、結合性分子Iが固相化された担体、流路切り替え部(又は、開閉バルブ)がこの順に流路を介して接続されている(図2)。さらに、流路切り替え部にエクソソーム回収部および廃液回収部が異なる流路を介して接続されている。本発明の分離装置では、被験試料を被験試料供給部に供給する際、流路切り替え部によって廃液回収部への流路が開放され、エクソソーム回収部への流路は閉じられている。被験試料が担体に接触すると、結合性分子Iに結合する表面分子を有するエクソソームが担体上に補足され、それ以外の物質(被験試料の残渣)は流路切り替え部を通過し、廃液回収部に到達する。次いで、流路切り替え部によってエクソソーム回収部への流路が開放され、廃液回収部への流路は閉じられる。担体上に補足されたエクソソームは、本発明の検出方法Iの(B)表面分子を検出されたエクソソームを回収する工程に記載の方法に従って担体から分離することができ、担体から分離されたエクソソームはエクソソーム回収部によって回収される。
本発明の分離装置は、本発明の検出装置に含まれていてもよい。本発明の分離装置を含むマイクロアレイ型SPRi装置の1態様を図3に示す。
図3に示された装置1は、計測部2と、本体部3とから主として構成されている。装置1および本体部3は、図1の装置と同様である。計測部2は、図1の計測部2の担体21に代えて、流路切り替え部29と、結合性分子Iが固相化された担体30と、流路切り替え部31と、エクソソーム回収部32と、結合性分子IIが固相化された担体33を備える。本装置では、流路切り替え部29によって結合性分子Iが固相化された担体30への流路を開放し、結合性分子IIが固相化された担体33への流路を閉じることによって、被験試料から結合性分子Iと結合する表面分子を有するエクソソームを一旦回収し、次いで、流路切り替え部29によって結合性分子IIが固相化された担体33への流路を開放し、結合性分子Iが固相化された担体30への流路を閉じることによって、回収されたエクソソームから抽出された内包分子を検出することができる。
本発明の分離装置を含むマイクロアレイ型SPRi装置の別の態様を図4に示す。
図4に示された装置1は、計測部2と、本体部3とから主として構成されている。装置1および本体部3は、図1の装置と同様である。計測部2は、図1の計測部2の担体21に代えて、結合性分子Iが固相化された担体29と、流路切り替え部30と、結合性分子IIが固相化された担体31を備える。本装置では、流路切り替え部30によって廃液用ボトル24への流路を開放し、結合性分子IIが固相化された担体31への流路を閉じることによって、被験試料から結合性分子Iと結合する表面分子を有するエクソソームを担体上に捕捉する。捕捉されたエクソソームは回収されることなく内包分子が抽出され、次いで、流路切り替え部30によって結合性分子IIが固相化された担体33への流路を開放し、廃液用ボトル24への流路への流路を閉じることによって、抽出された内包分子を検出することができる。
以下において、実施例により本発明をより具体的に説明するが、この発明はこれらに限定されるものではない。
表面プラズモン共鳴(SPR)によるエクソソームの表面分子および内包分子検出バイオセンサーの構築と測定方法
表面プラズモン共鳴(SPR)によるエクソソームの表面分子および内包分子検出バイオセンサーは、マイクロアレイ型SPRi装置((株)堀場製作所:OpenPlex)と装置専用のバイオチップ((株)堀場製作所:CS-HD; スクシンイミドで活性化されたカルボキシ基を固相化したバイオチップ)を用いて構築する。構築したセンサーは、チップ表面に固相化されたリガンドへのエクソソームの表面分子または内包分子の結合によって誘起されるSPR現象に伴う反射光の変化量を反射率(%)として、3秒毎に測定することができる。同時に、SPRの反射率変化をスポットイメージとして観察することができる。またチップは12 mm×23 mmの表面積があるので、固相化されるリガンドのスポット径(スポット量)を調整することで多数のスポットを並列できる特徴がある。本実施例で用いるマイクロアレイ型SPRi装置は、エクソソームの表面分子または内包分子の検出を行うバイオセンサーを含む計測部、エクソソームの表面分子または内包分子の検出用バッファーを貯留する移動相用ボトル、検出終了後の被験試料を含む廃液を貯留する廃液用ボトル、被験試料やバッファーを送液する送液ポンプ、バッファーを脱気する脱気装置および被験試料挿入口を備える。
エクソソームの表面分子を検出するためのバイオチップの例を図5〜8に示す。エクソソームの表面分子を検出するためにチップに固相化されるリガンドは、検出対象となる表面分子によって異なる。例えば、被験試料に含まれるエクソソームが保有する癌マーカーを検出する場合、エクソソームマーカーに対する抗体またはアプタマー、検出対象となる癌マーカーに対する抗体またはアプタマー、検出対象となる糖鎖に対する抗体またはレクチン、検出対象となる脂質に対する抗体から選択される。リガンドは、スポッターを用いてチップ表面に10 nLスポットし、16時間静置することで固相化できる。ブロッキングは1%カゼインを溶解したPBSをチップ表面に満たして1時間室温で静置することによって実施する。ダルベコのPBS(-)(以下、PBSと略記)で洗浄し、1%BSAを溶解したPBSをチップ表面に満たして1時間室温で静置することによって、ブロッキングを実施する。ブロッキングしたチップは、PBSで3回洗浄後、装置に装着する。チップ表面へのバッファー、エクソソームを含むサンプルの接触は、Flow-cell(図9)を介して行う。Flow-cellは、Gasket全体がチップに完全に覆われるような位置(図10)で、チップと接触固定する。また、Flow-cellの平面のうち、Gasketの枠に囲まれた平面は、Gasketの枠の周囲の平面よりも、80 μm凹んでいる。結果的に、Flow-cellと接触したチップは、Flow-cellのGasketの枠に囲まれた平面とチップ表面の間に幅80 μmの空間的隙間が生じる。従って、Flow-cellにFittingを介して連結された片方のポリ塩化ビニルチューブ(内径380 μm)から送液されたバッファー等は、幅80 μmの空間的隙間を満たすことによってチップ表面に接触し、もう片方のポリ塩化ビニルチューブから排出される。チップを装着した装置には、ランニングバッファーとして0.1%カゼインを含む PBS(バッファーA)を25 μL/分の流速で送液し、チップ表面をコンディショニングする。安定化した時点の反射率を0%として、エクソソームを含むサンプルをバッファーAに懸濁して480秒間送液し、その後ただちにバッファーAのみを220秒間送液し、リガンド反射率を継時的に計測する。
次いで、チップに結合したエクソソームを回収し、物理的処理(例えば、超音波処理)または化学的処理(例えば、界面活性剤処理)によってエクソソームの構造膜を破壊し、エクソソームの内包分子を抽出する。エクソソームの内包分子を検出するための1つの態様としては、エクソソームの表面分子を検出するためのバイオチップとは別のバイオチップにエクソソームの内包分子を検出するためのリガンドが固相化され、該チップによってエクソソームに含まれる各内包分子が検出される。チップに固相化されるリガンドとしては例えば、検出対象となる核酸(DNA、RNA (mRNA、miRNA))に対するアンチセンス核酸、検出対象となるタンパク質に対する抗体またはアプタマーがあげられる。エクソソームの内包分子を検出するための別の態様としては、エクソソームの内包分子はエクソソームの表面分子を検出するためのバイオチップから回収されずに、該チップ上で直接に物理的処理または化学的処理によってエクソソームの構造膜が破壊され、エクソソームの内包分子が抽出されてもよい。その場合、エクソソームの内包分子を検出するための上記のリガンドはエクソソームの表面分子を検出するためのバイオチップと同一チップ上の異なる領域に固相化される。リガンドのスポット、チップのブロッキングおよび洗浄、エクソソームの内包分子を含むサンプルとチップの接触等の条件は、エクソソームの表面分子を検出する際の上記の条件と同じである。検出対象となる核酸(miRNA、DNA、RNA)を検出する場合、アンチセンス核酸が固相化されたチップにおけるSPRイメージから検出対象となる核酸の結合を確認する。アンチセンス核酸に対して完全に相補的ではない核酸、即ち、検出対象となる核酸と相同性の高い塩基配列を含む核酸の相補的結合は、結合および解離速度定数から得られる結合定数から決定する。検出対象となるタンパク質を検出する場合、そのタンパク質に対する抗体またはアプタマーが固相化されたチップにおけるSPRイメージからタンパク質の結合を確認する。
本発明の検出方法を用いることによって、エクソソームの表面分子および内包分子から悪性腫瘍診断等に用いるための情報を得ることができる。

Claims (13)

  1. 以下の工程を含む、エクソソームの表面分子および内包分子を検出する方法:
    (A)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iが固相化された担体を用いて被験試料に含まれるエクソソームの表面分子を検出する工程、
    (B)表面分子を検出されたエクソソームを回収する工程、および
    (C)エクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体を用いて回収されたエクソソームの内包分子を検出する工程。
  2. (A)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iが固相化された担体を用いて被験試料に含まれるエクソソームの表面分子を検出する工程が以下の工程を含む、請求項1に記載の方法:
    (1)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iが固相化された担体表面をブロッキングバッファーで処理する工程、
    (2)該担体を洗浄バッファーで洗浄する工程、
    (3)エクソソームを含む被験試料とサンプルバッファーの混合物を該担体に接触させる工程、
    (4)該担体をサンプルバッファーで洗浄する工程、および
    (5)該エクソソームの表面分子と該結合性分子Iの結合を検出することによって該表面分子を検出する工程。
  3. (C)エクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体を用いて回収されたエクソソームの内包分子を検出する工程が以下の工程を含む、請求項1または2に記載の方法:
    (6)回収されたエクソソームから内包分子を含む被験試料を抽出する工程、
    (7)エクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体表面をブロッキングバッファーで処理する工程、
    (8)該担体を洗浄バッファーで洗浄する工程、
    (9)該被験試料とサンプルバッファーの混合物を該担体に接触させる工程、
    (10)該担体をサンプルバッファーで洗浄する工程、および
    (11)該エクソソームの内包分子と該結合性分子IIの結合を検出することによって該内包分子を検出する工程。
  4. 回収されたエクソソームから内包分子を含む被験試料を抽出する工程が、物理的手段または化学的手段によって抽出する工程である、請求項3に記載の方法。
  5. 以下の工程を含む、エクソソームの表面分子および内包分子を検出する方法:
    (A’)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iおよびエクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体を用いて被験試料に含まれるエクソソームの表面分子を検出する工程、および
    (B’)該担体を用いて該表面分子を検出されたエクソソームの内包分子を検出する工程。
  6. (A’)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iおよびエクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体を用いて被験試料に含まれるエクソソームの表面分子を検出する工程が以下の工程を含む、請求項5に記載の方法:
    (1’)エクソソームの表面分子に対する1種類以上の結合性分子Iおよびエクソソームの内包分子に対する1種類以上の結合性分子IIが固相化された担体表面をブロッキングバッファーで処理する工程、
    (2’)該担体を洗浄バッファーで洗浄する工程、
    (3’)エクソソームを含む被験試料とサンプルバッファーの混合物を該担体に接触させる工程、
    (4’)該担体をサンプルバッファーで洗浄する工程、および
    (5’)該エクソソームの表面分子と該結合性分子Iの結合を検出することによって該表面分子を検出する工程。
  7. (B’)該担体を用いて該表面分子を検出されたエクソソームの内包分子を検出する工程が以下の工程を含む、請求項5または6に記載の方法:
    (6’)表面分子を検出されたエクソソームから該担体上で内包分子を含む被験試料を抽出する工程、
    (7’)該被験試料とサンプルバッファーの混合物を該担体に接触させる工程、
    (8’)該担体をサンプルバッファーで洗浄する工程、および
    (9’)該エクソソームの内包分子と該結合性分子IIの結合を検出することによって該内包分子を検出する工程。
  8. 表面分子を検出されたエクソソームから担体上で内包分子を含む被験試料を抽出する工程が、物理的手段または化学的手段によって抽出する工程である、請求項7に記載の方法。
  9. 表面分子の検出および内包分子の検出が免疫学的方法または表面プラズモン共鳴法による検出である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 該結合性分子Iがタンパク質に対する抗体またはアプタマー、糖鎖に対する抗体またはレクチン、または脂質に対する抗体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 該結合性分子IIが核酸に対するアンチセンス核酸、タンパク質に対する抗体またはアプタマー、または脂質に対する抗体である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法を実施するためのエクソソーム表面分子および内包分子の検出装置。
  13. 請求項1に記載の方法を実施するための表面分子を検出されたエクソソームの分離装置。
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