JP2020200999A - 空調装置の制御システム - Google Patents

空調装置の制御システム Download PDF

Info

Publication number
JP2020200999A
JP2020200999A JP2019109146A JP2019109146A JP2020200999A JP 2020200999 A JP2020200999 A JP 2020200999A JP 2019109146 A JP2019109146 A JP 2019109146A JP 2019109146 A JP2019109146 A JP 2019109146A JP 2020200999 A JP2020200999 A JP 2020200999A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power consumption
temperature
pmv
air conditioner
humidity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019109146A
Other languages
English (en)
Inventor
弘太 南之園
Kota Minaminosono
弘太 南之園
慎 橋本
Makoto Hashimoto
慎 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
East Japan Railway Co
Original Assignee
East Japan Railway Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by East Japan Railway Co filed Critical East Japan Railway Co
Priority to JP2019109146A priority Critical patent/JP2020200999A/ja
Publication of JP2020200999A publication Critical patent/JP2020200999A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

【課題】室内の快適性を損なうことなく省エネを達成する。【解決手段】計測データと所定空間の温度および湿度の値とに基づいてPMV値を算出するPMV算出手段と、算出されたPMV値に基づいて空調装置による冷房または暖房の要否を判定する空調制御判定手段と、空調装置を稼働させた場合の消費電力量を算出可能な消費電力算出手段と、PMV算出手段および消費電力算出手段の算出結果に基づいて空調装置の制御信号を生成する空調制御手段とを備え、PMV算出手段は冷房または暖房をした時のPMV値を算出し、消費電力算出手段は機械学習結果に基づいて冷房または暖房をした時の消費電力量を算出し、空調制御手段は、冷房運転の際にはPMV値が最も上限値に近くかつ消費電力量が少なくなる設定温度を、また暖房運転の際にはPMV値が最も下限値に近くかつ消費電力量が少なくなる設定温度を選択して空調装置の制御信号を生成するようにした。【選択図】図2

Description

この発明は、空調装置を備えた空調制御システムに関し、例えばアメダスのような地域気象観測システムの計測データを利用して省エネのために空調装置の電力量を制御する空調デマンド制御に適用して有効な技術に関するものである。
近年、オフィスなどの室内の空気の温度や湿度を調整する空気調和機や照明機器の省エネ稼働に対する要求が高くなっている。従来、空気調和機の温度制御は、利用者によって設定された温度を目標値としてコンプレッサーや送風機を駆動制御する方式が一般的であるが、設定値に基づいて温度を制御すると省エネを達成することが困難である。
一方、省エネを優先して空気調和機を制御すると、利用者にとって暑い又は寒いという不快な室内環境に調整されてしまうという課題があった。そこで、消費電力量や省エネ量を数値として表示し、室内の快適性を損なわない範囲で設定値を調節して省エネを達成する取り組みも行われている。
特開2012−149839号公報
しかしながら、人の手で設定値を調節して省エネを達成する方法は、頻繁に温度や電力量または省エネ量をチェックしなければならないため非常に煩わしいとともに、快適さの感じ方には個人差がある。そのため、空調の温度設定値の調節を人手に委ねると、省エネが優先されて快適性が損なわれたり、快適性が優先されて省エネを充分に達成することができなくなったりするおそれがある。
一方、室内温度は、外気の温度や湿度に依存する。そこで、本発明者らは、室内の温度や湿度の他に外気の温度や湿度を考慮に入れることで、快適性を損なうことなく省エネを達成することができる空調の自動制御について鋭意検討して本発明の空調装置のデマンド制御システムを開発するに至った。
なお、室内の温度や湿度の他に外気の温度や湿度を考慮した空調の自動制御に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載されている発明がある。ただし、特許文献1の発明は、多数のサーバなどの情報処理装置が設置されているデータセンタにおける空調の制御に関するもので、人間にとっての快適性を追求するものではない。
本発明は上記のような課題に着目してなされたもので、環境の影響を考慮に入れて、室内の快適性を損なうことなく省エネを達成することができる空調装置の制御システムを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため本発明は、
気象観測システムから少なくとも大気の温度および湿度の計測データを受信可能なデータ受信器と、前記データ受信器により受信した大気の温度および湿度の計測データと、制御対象の空調装置が設置されている所定空間の温度および湿度の値とに基づいて前記空調装置の制御信号を生成し出力するデータ処理装置と、を備えた空調装置の制御システムにおいて、
前記データ処理装置は、
前記計測データと前記所定空間の温度および湿度の値を用いて、快適性の評価指標であるPMV(予測平均温冷感申告)値を算出するPMV算出手段と、
前記PMV算出手段により算出されたPMV値に基づいて前記空調装置による冷房運転または暖房運転の要否を判定する空調制御判定手段と、
前記空調装置を稼働させた場合の消費電力量を算出可能な消費電力算出手段と、
前記PMV算出手段および前記消費電力算出手段の算出結果に基づいて、前記空調装置の制御信号を生成する空調制御手段と、を備え、
前記PMV算出手段は、前記空調制御判定手段により冷房運転または暖房運転が必要であると判定された場合に、冷房運転または暖房運転をした時のPMV値を算出し、
前記消費電力算出手段は、前記空調制御判定手段により冷房運転または暖房運転が必要であると判定された場合に、機械学習結果に基づいて冷房運転または暖房運転をした時の消費電力量を算出し、
前記空調制御手段は、前記PMV算出手段と前記消費電力算出手段の算出結果に基づいて、冷房運転の際にはPMV値が所定の範囲(例えば0.5〜−0.5)で最も上限値(0.5)に近くかつ消費電力量が少なくなる設定温度を選択して前記空調装置の制御信号を生成し、暖房運転の際にはPMV値が前記所定の範囲で最も下限値(−0.5)に近くかつ消費電力量が少なくなる設定温度を選択して前記空調装置の制御信号を生成するように構成したものである。
上記した手段によれば、気象観測システム(例えばアメダス)から取得した大気の温度および湿度の計測データと空調装置が設置された空間の大気の温度および湿度の値とに基づいてPMV値を算出するとともに、機械学習結果に基づいて冷房または暖房運転をしたときの消費電力量を予測して、PMV値が冷房時は0.5にまた暖房時は−0.5に近くかつ消費電力量が最も少なくなる設定温度を選択して空調装置の制御信号を生成するようにしているため、環境の影響を考慮に入れて、室内の快適性を損なうことなく省エネを達成することができる。
ここで、望ましくは、前記消費電力算出手段が冷房運転をした時の消費電力量の算出に使用する前記機械学習結果は、大気のエンタルピーが予め決定された所定値以上であるときの大気の温度および湿度の計測データおよび消費電力実績データに基づく学習結果であるようにする。
かかる構成によれば、大気のエンタルピーが予め決定された所定値(例えば62kJ/kg)以上であるときの大気の温度および湿度の計測データおよび消費電力実績データは、冷房運転をしている時のデータである確率が高いので、得られているすべての大気の温度および湿度の計測データと消費電力実績データとに基づいて学習した結果を用いる場合に比べて、精度の高い消費電力量の予測を行うことができる。
また、望ましくは、前記消費電力算出手段が暖房運転をした時の消費電力量の算出に使用する前記機械学習結果は、大気の温度が予め決定された所定値以下であるときの大気の温度および湿度の計測データおよび消費電力実績データに基づく学習結果であるようにする。
かかる構成によれば、大気の温度が予め決定された所定値(例えば12℃)以下であるときの大気の温度および湿度の計測データおよび消費電力実績データは、暖房運転をしている時のデータである確率が高いので、得られているすべての大気の温度および湿度の計測データと消費電力実績データとに基づいて学習した結果を用いる場合に比べて、精度の高い消費電力量の予測を行うことができる。
また、望ましくは、制御対象の空調装置が設置されている所定空間に設置された温度検出手段および湿度検出手段を備え、
前記PMV算出手段は、前記データ受信器により受信した計測データと前記温度検出手段および湿度検出手段により計測された温度および湿度の値とに基づいて、PMV値を算出するように構成する。
かかる構成によれば、より精度の高いPMV値の算出および消費電力量の予測を行うことができる。
さらに、望ましくは、前記消費電力算出手段は節約した消費電力量を算出可能であり、算出した消費電力量を表示手段へ出力して表示させるように構成する。
かかる構成によれば、節約した消費電力量を表示することができ、それによって省エネ効果を目に見える形で報知することができる。
本発明によれば、環境の影響を考慮に入れて、室内の快適性を損なうことなく自動的に省エネを達成することができる空調装置の制御システムを実現することができるという効果がある。
本発明に係る空調装置の制御システムの一実施形態を示すブロック図である。 実施形態に係るデマンド制御システムを構成するデータ処理装置によって実行される空調装置の制御手順の第1の実施例を示すフローチャートである。 過去データの解析に基づく大気のエンタルピーと室内のエンタルピーとの関係を示すグラフである。 過去データの解析に基づくアメダスの大気の温度データと消費電力量の実績値との関係を示すグラフである。 データ処理装置によって実行される空調装置の制御手順の第2の実施例を示すフローチャートである。 データ処理装置によって実行される空調装置の制御手順の変形例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る空調装置の制御システムの実施形態について説明する。図1は、本発明を適用した空調装置のデマンド制御システムの一実施形態を示すシステム構成図である。
図1に示すように、本実施形態の空調装置のデマンド制御システム20は、通信ネットワークを介して例えば気象庁が管理するアメダスのような地域気象観測システムのサーバ11から外大気の温度度や相対湿度などの計測データを受信可能なデータ受信器21、空調装置12が設置されている室内の温度を検出する室内温度計22aおよび室内湿度を検出する室内湿度計22b、CPU(中央処理ユニット)などからなるデータ処理装置23、アプリケーション・プログラムなどを記憶する記憶装置24、データ処理装置23によって算出された計算結果を表示する表示部25などを備えている。
また、データ処理装置23は、データ受信器21によりアメダスサーバ11から受信した信号から外大気の温度度と相対湿度のデータを取得する情報取得部31、室内温度計22aおよび室内湿度計22bにより検出された室内温度および室内湿度を読み込む計測値読込部32、空調装置12による空調制御が必要であるか否かを判定する空調制御判定部33、計測値読込部32により読み込まれた室内温度および室内湿度に基づいて所定の計算式を使用して快適性の評価指標であるPMV(予測平均温冷感申告)値を算出するPMV算出部34、算出されたPMV値に基づいて冷暖房の要否を判定するとともに設定温度を算出して空調装置12に対する制御信号を生成して出力する空調制御部35、冷房運転または暖房運転をした時の消費電力量や本実施形態の空調デマンド制御による省エネ効果を算出する消費電力算出部36などを備えている。
上記PMV算出部34におけるPMV値の計算式は、温度、湿度、着衣量、代謝量、放射量をパラメータとする所定の関数で表すことができることが知られており、本実施形態におけるPMV値の算出は公知の計算式を使用して行うことができる。なお、上記パラメータのうち着衣量、代謝量、放射量は、固定値(例えば着衣量=0.6cl、代謝量=1.1met)または「0」とすることによって計算量を減らすことができる。また、PMV値を計算することができるプログラムが提供されているので、そのようなプログラムを用いて算出することができるので、具体的な計算式の記載は省略する。
なお、PMV値は、国際規格であるISO7730において、−0.5<PMV<+0.5 の範囲で90%の人が快適となることが被験者実験から確かめられていることから、そのような温熱環境を実現することが推奨されている。
次に、上記データ処理装置23による空調デマンド制御の手順の一例を図2のフローチャートを用いて説明する。
なお、空調制御のやり方として、快適性を優先する考え方と省エネを優先する考え方とがあるが、先ず快適性を優先する考え方を採用した場合の制御手順について説明する。
図2のデマンド制御処理が開始されると、データ処理装置23は、室内温度計22aおよび室内湿度計22bにより検出された室内温度および室内湿度を読み込む(ステップS1)。続いて、データ受信器21によってアメダスサーバ11から受信した信号から外大気の温度度と相対湿度のデータを取得する(ステップS2)。なお、ステップS1とS2の処理は逆であっても良い。
次に、データ処理装置23は、上記ステップS1で読み込んだ室内温度に基づいて、現在の室内は冷房または暖房を必要とする温度範囲であるか否か判断する(ステップS3)。判断基準となるしきい値温度は、季節によって変えるようにしても良い。ステップS3で、冷房を必要とする温度範囲であると判定するとステップS4へ、また暖房を必要とする温度範囲であると判定するとステップS9へ進む。一方、冷房または暖房を必要とする温度範囲でない(No)と判定するとステップS1へ戻る。
ステップS4では、空調装置の冷房をオフ(off)としたときのPMV値を所定の計算式を用いて算出する。この際、例えば
Tr(室内温度)=a1・Tamd(アメダスの大気の温度)+b1
Wr(室内湿度)=a2・Wamd(アメダスの相対湿温)+b2
で示されるような換算式を用いて室内の温度Trおよび湿度Wrを算出してPMV値の算出に使用するようにしても良い。また、まだ冷房運転も暖房運転も開始していない場合におけるPMV値の算出には、室内の温度、湿度の実測値を使用する。
そして、算出されたPMV値が0.5以下であるか否か判定する(ステップS5)。ここで、PMV値が0.5以下である(Yes)と判定すると、90%以上の人は快適であると感じる環境であるので、ステップS1へ戻る。一方、ステップS5で、PMV値が0.5以下でない(No)と判定するとステップS6へ進んで、冷房をオン(on)させた時のPMV値を所定の計算式により算出するとともに、予め機械学習により取得しておいたデータを用いて消費電力量を算出(予測)する。
なお、ここで用いる学習データは、大気のエンタルピーが例えば「62kJ/kg」のような所定の値よりも大きいときの消費電力データである。また、国際規格(ISO7730)によるPMV値の推奨範囲が変更されれば、それに応じて上記判定値である「0.5」や「−0.5」を変更するのが良い。他の規格があれば、それに応じて決定しても良い。
次のステップS7では、ステップS6で算出した結果のうち、最も省エネでありPMV値が0.5〜−0.5の範囲で0.5に近い設定温度を選択する。そして、次のステップS8で、選択された温度に設定して空調装置の冷房運転を開始させてステップS1へ戻る。
なお、図示しないが、上記ステップS5またはS10で、冷房または暖房をしない(Yes)と判定した場合には、空調制御を実施した場合の空調装置の消費電力量を機械学習結果に基づいて予測して、省エネ効果(節約できた電力量)として表示部へ出力して表示させるようにしても良い。
ここで、上記ステップS6における機械学習について説明する。
本発明者らは、本発明の開発に当たって、計測された温度、湿度に基づいてPMV値と消費電力量を機械学習により予測させることとし、先ず機械学習プログラムが搭載されたコンピュータに入力する学習データについて検討した。学習データには、既に得られているデータを用いるのが効率的であるので、過去に提供された気象データと空調装置が設置されている制御対象の室内の温度および湿度の測定データと消費電力量の実績データを選択することとした。なお、室内温度および室内湿度の測定データがない場合には、換算式を作成して、その換算式を用いてアメダスの大気の温度と相対湿度から室内の温度および湿度を算出して、学習データとして入力するようにしても良い。
ところで、上記消費電力量の実績データには、実際に空調装置が稼働された場合のデータと稼働されなかった場合のデータが含まれており、空調装置が稼働されたか稼働されなかったかを示す情報はない。そこで、アメダスのデータ(大気の温度、湿度)に基づく大気のエンタルピーと、制御対象の室内の温度および湿度に基づく室内のエンタルピーに着目し、両者の関係を調べた。図3にその結果を示す。図3において、横軸は大気のエンタルピー、縦軸は室内のエンタルピーである。
空調制御をしない場合には、大気のエンタルピーと室内のエンタルピーには相関関係があり、大気のエンタルピーに比例して室内のエンタルピーは変化すると予想される。これに対し、図3のグラフでは、破線B(エンタルピー62kJ/kgの線)を境界にして、左側はほぼ直線的な関係があり、右側は直線的な関係が崩れていることから、破線Bよりも左側のデータは空調装置が稼働されなかった場合のもの、右側は空調装置が稼働された場合のものであると推定することができることが分かった。
そこで、ステップS6におけるPMV値と消費電力量の予測には、エンタルピーが所定値Ec(例えば62kJ/kg)以上のときのデータを学習データとして機械学習した結果を使用することとした。なお、ステップS5で、「Yes」すなわち冷房運転をしないと判断した場合における省エネ効果の算出の際には、エンタルピーがEc(62kJ/kg)以下のときのデータを学習データとして機械学習した結果(空調装置以外の設備の消費電力量)を利用すると良い。また、境界の値62kJ/kgは、制御対象の建造物の構造や設置場所等の条件によって変わるので、制御対象ごとにエンタルピーを計算して決定するのが良い。
次に、ステップS3で、暖房を必要とする温度範囲であると判定して移行するステップS9以降の処理について説明する。
ステップS9では、空調装置の暖房をオフ(off)としたときのPMV値を所定の計算式を用いて算出する。そして、算出されたPMV値が−0.5以上であるか否か判定する(ステップS10)。ここで、PMV値が−0.5以上である(Yes)と判定すると、90%以上の人は快適であると感じる環境であるので、ステップS1へ戻る。一方、ステップS10で、PMV値が−0.5以上でない(No)と判定するとステップS11へ進んで、暖房をオン(on)させた時のPMV値を所定の計算式により算出するとともに、予め機械学習により取得しておいたデータを用いて消費電力量を算出(予測)する。なお、ここで用いる学習データは、大気の温度が例えば「12℃」のような所定温度Tcよりも低いときの消費電力データである。
次のステップS12では、ステップS11で算出した結果のうち、最も省エネでありPMV値が0.5〜−0.5の範囲で−0.5に近い設定温度を選択する。そして、次のステップS13で、選択された温度に設定して空調装置の暖房運転を開始させてステップS1へ戻る。
ここで、上記ステップS11における機械学習について説明する。
本発明者らは、暖房を必要とするような時期(主に冬季)における体感は、冷房を必要とする時期(主に夏季)とは異なり温度に依存し湿度は関係しないこと、および外大気の温度と室温は相関が高いことに着目して、通年におけるアメダスの大気の温度と過去の消費電力量の実績値との関係を調べた。その結果、図4に示すようなグラフが得られた。
図4より、アメダスの大気の温度が12℃を下回ると消費電力量が比較的大きく増加し、大気の温度が12℃〜15℃は最も消費電力量が少なく、大気の温度が15℃を越えると大気の温度に比例して消費電力量が増加することから、大気の温度が12℃以下になると暖房スイッチがオンされ、大気の温度が12℃〜15℃の間になると暖房スイッチがオフされる傾向が高いことを見出した。
そこで、ステップS11におけるPMV値と消費電力量の予測には、アメダスの大気の温度が12℃以下のときのデータを学習データとして機械学習した結果を使用することとした。なお、ステップS10で、「Yes」すなわち暖房運転をしないと判断した場合における省エネ効果の算出の際には、大気の温度が12℃〜15℃のときのデータを学習データとして機械学習した結果を利用すると良い。また、しきい値とする「12℃」は、制御対象の建造物の構造や設置場所等の条件によって変わるので、制御対象ごとにエンタルピーを計算して決定するのが良い。
上記のような手順(図2)によるデマンド制御によれば、冷房運転時にはPMV値が0.5に近づくように、また暖房運転時にはPMV値が−0.5に近づくように、空調装置の制御が実行されるため、快適性を維持しつつ高い省エネ効果を得ることができる。また、ステップS5とS10では、PMV値が0.5または−0.5を基準にして冷房運転または暖房運転を実施するか否か判定しているため、省エネ効果よりも快適性の維持を優先した空調制御が可能である。
次に、上記データ処理装置23による空調デマンド制御の第2の実施例を図5のフローチャートを用いて説明する。
第2の実施例(図5)の空調デマンド制御は、図2のステップS5とS10における、PMV値に基づく冷房運転または暖房運転を実施の判定を、エンタルピーが62kJ/kg以下か否かの判定と大気の温度が所定温度Tc(12℃)以上か否かの判定に置き換えたものである。また、これに伴い、ステップS4ではPMVの代わりに大気のエンタルピーを算出するとともに、図2におけるPMV算出ステップ(S9)を省略している。
上記ステップ以外の処理は、図2のフローチャートの対応するステップの処理と同様であるので、重複した説明は省略する。
上記のような手順(図5)によるデマンド制御によれば、冷房運転時にはPMV値が0.5に近づくように、また暖房運転時にはPMV値が−0.5に近づくように、空調装置の制御が実行されるため、快適性を維持しつつ高い省エネ効果を得ることができる。また、ステップS5でエンタルピーが所定値Ec(62kJ/kg)以下と判定したときは冷房運転をせず、ステップS10で大気の温度がTc(12℃)以上と判定したときは暖房運転をしないため、快適性の維持よりも省エネ効果を優先した空調制御が可能である。
(変形例)
次に、上記データ処理装置23による空調デマンド制御の変形例を図6のフローチャートを用いて説明する。本変形例は、第1の実施例(図2)の快適性優先の空調デマンド制御と第2の実施例(図5)の省エネ優先の空調デマンド制御のいずれかを、モード設定により選択できるようにしたものである。本変形例のデータ処理装置23は、快適性優先モードまたは省エネ優先モードを選択可能にするモード設定部を備え、制御プログラム中において、モードを判定し、モードに応じた空調制御を実行するように構成されている。
本変形例(図6)の空調デマンド制御は、図2のステップS5とS10を除き図2のフローチャートとほぼ同じ手順である。異なるのは、図2のフローチャートではステップS4で冷房オフ時のPMV値を算出するのに対し、図6のフローチャートではステップS4で冷房オフ時のPMV値と大気のエンタルピーを算出する点と、図2のステップS5,S10の代わりに、図6ではステップS5a〜S5cとS10a〜S10cを設けている点である。
図6のステップS5aとS10aにおいては、設定されているモードが快適性優先モードか省エネ優先モードかを判定する。そして、快適性優先モードである(Yes)と判定すると、それぞれステップS5bとS10bへ進み、ステップS5bではエンタルピーが所定値Ec(例えば62kJ/kg)以上またはPMVが0.5以上か否かの判定を行い、ステップS10bでは大気の温度が所定温度Tc(例えば12℃)以下またはPMVが−0.5以下か否かの判定を行う。そして、ステップS5bとS10bでそれぞれ「Yes」と判定すると、ステップS6とS11へ進み、図2と同じ処理を実行する。
一方、ステップS5aとS10aにおいて、快適性優先モードか省エネ優先モードかを判定し、省エネ優先モードである(No)と判定すると、それぞれステップS5cとS10cへ進み、ステップS5cではエンタルピーが所定値Ec(62kJ/kg)以上でかつPMVが0.5以上か否かの判定を行い、ステップS10cでは大気の温度がTc(12℃)以下でかつPMVが−0.5以下か否かの判定を行う。そして、ステップS5cとS10cでそれぞれ「Yes」と判定すると、ステップS6とS11へ進み、図2と同じ処理を実行する。
上記のような手順(図6)によるデマンド制御によれば、冷房運転時にはPMV値が0.5に近づくように、また暖房運転時にはPMV値が−0.5に近づくように、空調装置の制御が実行されるため、快適性を維持しつつ高い省エネ効果を得ることができる。また、モードの設定によって、省エネ優先モードまたは快適性優先モードを選択することができるため、部屋の用途や使用状況に応じてモードを使い分けることができ、システムの使い勝手が向上するという利点がある。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、気象庁が管理するアメダスのサーバから受信した外大気の温度度および相対湿度をPMV値の算出や電力量の予測に利用しているが、アメダス以外の地域気象観測システムから受信した外大気の温度度および相対湿度を利用するように構成しても良い。
また、前記実施形態では、空調装置が設置されている室内の温度と湿度を計測する温度計および湿度計を設けているが、室内の温度と湿度は、大気の温度と湿度から所定の換算式を用いて算出するようにしても良い。また、室内の温度と湿度は、空調装置が備えるセンサから取得するようにしても良い。
さらに、前記実施形態では、本発明をほぼ密閉状態にある室内に設置されている空調装置を制御するシステムに適用した場合について説明したが、本発明は外気が入り込む駅改札口のような半密閉状態の空間に設置されている空調装置を制御するシステムに適用することも可能である。
11 アメダスサーバ(地域気象観測システム)
12 空調装置
20 デマンド制御システム
21 データ受信器
22a 室内温度計
22b 室内湿度計
23 データ処理装置
24 記憶装置
25 表示部
33 空調制御判定部(空調制御判定手段)
34 PMV算出部(PMV算出手段)
35 空調制御部(空調制御手段)
36 消費電力算出部(消費電力算出手段)

Claims (5)

  1. 気象観測システムから少なくとも大気の温度および湿度の計測データを受信可能なデータ受信器と、前記データ受信器により受信した大気の温度および湿度の計測データと、制御対象の空調装置が設置されている所定空間の温度および湿度の値とに基づいて前記空調装置の制御信号を生成し出力するデータ処理装置と、を備えた空調装置の制御システムであって、
    前記データ処理装置は、
    前記計測データと前記所定空間の温度および湿度の値を用いて、快適性の評価指標であるPMV(予測平均温冷感申告)値を算出するPMV算出手段と、
    前記PMV算出手段により算出されたPMV値に基づいて前記空調装置による冷房運転または暖房運転の要否を判定する空調制御判定手段と、
    前記空調装置を稼働させた場合の消費電力量を算出可能な消費電力算出手段と、
    前記PMV算出手段および前記消費電力算出手段の算出結果に基づいて、前記空調装置の制御信号を生成する空調制御手段と、を備え、
    前記PMV算出手段は、前記空調制御判定手段により冷房運転または暖房運転が必要であると判定された場合に、冷房運転または暖房運転をした時のPMV値を算出し、
    前記消費電力算出手段は、前記空調制御判定手段により冷房運転または暖房運転が必要であると判定された場合に、機械学習結果に基づいて冷房運転または暖房運転をした時の消費電力量を算出し、
    前記空調制御手段は、前記PMV算出手段と前記消費電力算出手段の算出結果に基づいて、冷房運転の際にはPMV値が前記所定の範囲で最も上限値に近くかつ消費電力量が少なくなる設定温度を選択して前記空調装置の制御信号を生成し、暖房運転の際にはPMV値が所定の範囲で最も下限値に近くかつ消費電力量が少なくなる設定温度を選択して前記空調装置の制御信号を生成するように構成されていることを特徴とする空調装置の制御システム。
  2. 前記消費電力算出手段が冷房運転をした時の消費電力量の算出に使用する前記機械学習結果は、大気のエンタルピーが予め決定された所定値以上であるときの大気の温度および湿度の計測データおよび消費電力実績データに基づく学習結果であることを特徴とする請求項1に記載の空調装置の制御システム。
  3. 前記消費電力算出手段が暖房運転をした時の消費電力量の算出に使用する前記機械学習結果は、大気の温度が予め決定された所定値以下であるときの大気の温度および湿度の計測データおよび消費電力実績データに基づく学習結果であることを特徴とする請求項1に記載の空調装置の制御システム。
  4. 制御対象の空調装置が設置されている所定空間に設置された温度検出手段および湿度検出手段を備え、
    前記PMV算出手段は、前記データ受信器により受信した計測データと前記温度検出手段および湿度検出手段により計測された温度および湿度の値とに基づいて、PMV値を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空調装置の制御システム。
  5. 前記消費電力算出手段は節約した消費電力量を算出可能であり、算出した消費電力量を表示手段へ出力して表示させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空調装置の制御システム。
JP2019109146A 2019-06-12 2019-06-12 空調装置の制御システム Pending JP2020200999A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019109146A JP2020200999A (ja) 2019-06-12 2019-06-12 空調装置の制御システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019109146A JP2020200999A (ja) 2019-06-12 2019-06-12 空調装置の制御システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020200999A true JP2020200999A (ja) 2020-12-17

Family

ID=73742749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019109146A Pending JP2020200999A (ja) 2019-06-12 2019-06-12 空調装置の制御システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020200999A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023153920A1 (en) * 2022-02-08 2023-08-17 Bhajnik Singh Mahinder Singh Direct expansion multi evaporator air-conditioning (demeac) optimization system
WO2023181358A1 (ja) * 2022-03-25 2023-09-28 三菱電機株式会社 空気調和システム

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07198186A (ja) * 1993-12-29 1995-08-01 Daikin Ind Ltd 空気調和機の冷暖切替装置
JPH08296882A (ja) * 1995-04-25 1996-11-12 Daikin Ind Ltd 空気調和機の制御装置
JP2004211954A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Toshiba Corp 課金計算処理装置
JP2008002799A (ja) * 2006-05-25 2008-01-10 Daikin Ind Ltd 空調監視支援装置および空調監視支援システム
JP2012149839A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 空調機連係制御システム、空調機連係制御方法および空調機連係制御プログラム
JP2013204966A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Panasonic Corp 機器制御装置、機器制御システムおよびプログラム
JP2013219893A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Mitsubishi Electric Corp 省エネルギー支援システム、設備コントローラ、サーバ装置及び省エネルギー支援方法
JP2014092301A (ja) * 2012-11-01 2014-05-19 Samsung R&D Institute Japan Co Ltd 空気調和装置及び空気調和装置用プログラム
JP2016017656A (ja) * 2014-07-04 2016-02-01 株式会社東芝 空調制御装置、空調制御方法、及びプログラム
US20170051935A1 (en) * 2013-12-03 2017-02-23 Samsung Electronics Co., Ltd. Apparatus and method for controlling comfort temperature of air conditioning device or air conditioning system
JP2017171235A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 株式会社オートネットワーク技術研究所 車載空調システム

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07198186A (ja) * 1993-12-29 1995-08-01 Daikin Ind Ltd 空気調和機の冷暖切替装置
JPH08296882A (ja) * 1995-04-25 1996-11-12 Daikin Ind Ltd 空気調和機の制御装置
JP2004211954A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Toshiba Corp 課金計算処理装置
JP2008002799A (ja) * 2006-05-25 2008-01-10 Daikin Ind Ltd 空調監視支援装置および空調監視支援システム
JP2012149839A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 空調機連係制御システム、空調機連係制御方法および空調機連係制御プログラム
JP2013204966A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Panasonic Corp 機器制御装置、機器制御システムおよびプログラム
JP2013219893A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Mitsubishi Electric Corp 省エネルギー支援システム、設備コントローラ、サーバ装置及び省エネルギー支援方法
JP2014092301A (ja) * 2012-11-01 2014-05-19 Samsung R&D Institute Japan Co Ltd 空気調和装置及び空気調和装置用プログラム
US20170051935A1 (en) * 2013-12-03 2017-02-23 Samsung Electronics Co., Ltd. Apparatus and method for controlling comfort temperature of air conditioning device or air conditioning system
JP2016017656A (ja) * 2014-07-04 2016-02-01 株式会社東芝 空調制御装置、空調制御方法、及びプログラム
JP2017171235A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 株式会社オートネットワーク技術研究所 車載空調システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023153920A1 (en) * 2022-02-08 2023-08-17 Bhajnik Singh Mahinder Singh Direct expansion multi evaporator air-conditioning (demeac) optimization system
WO2023181358A1 (ja) * 2022-03-25 2023-09-28 三菱電機株式会社 空気調和システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10082313B2 (en) Instruction device, and air conditioning system
US8280555B2 (en) Air conditioning system
JP6125104B2 (ja) 空調制御装置、空調制御方法、および、プログラム
US10656613B2 (en) Apparatus and method for controlling comfort temperature of air conditioning device or air conditioning system
US20210341164A1 (en) Energy reduction
US7937961B2 (en) System and method for controlling demand of multi-air-conditioner
US7809471B2 (en) Environmental apparatus control system
US10731890B2 (en) Air conditioning operation analysis device and non-transitory computer-readable recording medium storing program
WO2013145541A1 (ja) 機器制御装置、機器制御システムおよびプログラム
JP6334299B2 (ja) 空調制御装置、空調制御方法、及びプログラム
WO2015118749A1 (ja) 熱負荷推定装置および空調制御システム
EP2944891B1 (en) Room temperature estimating device, program
JPWO2015174176A1 (ja) 換気制御装置および換気制御方法
CN111102731B (zh) 一种防凝露控制方法、装置及空调设备
JP2512262B2 (ja) 空気調和機の室内温度設定装置
JP2020200999A (ja) 空調装置の制御システム
KR20160118046A (ko) 중앙공조 시스템과 개별공조 시스템을 적응적으로 적용하는 장치 및 방법
JPH08114347A (ja) フリークーリング管理装置
US11466885B2 (en) Air-conditioning control device, air-conditioning system, and air-conditioning control method
CN110726209A (zh) 空调控制方法、装置、存储介质以及处理器
US10823446B2 (en) System of adjusting load of air conditioning and method of adjusting the same
JP2012233620A (ja) 空調装置、空調方法及びプログラム
JP2008025951A (ja) 空調設備の運転制御方法および装置
JP2008057831A (ja) 空調制御システム
WO2012144625A1 (ja) 空調制御システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230328

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230926