JP2020200891A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性の低下を抑制することが可能となる緩衝器を提供する。【解決手段】通路172,174,182に設けられ、ピストン速度が低速の領域では閉弁し、ピストン速度が低速よりも大きい速度領域では開弁する第1減衰力発生機構41,42と、通路172,182に設けられ、ピストン速度が低速の領域から開弁する第2減衰力発生機構173,183と、を有し、第2減衰力発生機構173,183は、環状のバルブシート121,135と、バルブシート121,135に離接可能に配置される環状のディスクバルブ101と、を備え、ディスクバルブ101は、バルブシート121,135に離接可能に配置される外側環状部141と、ピストンロッド21に嵌合する内側環状部142と、外側環状部141と内側環状部142とを接続する支持部と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、緩衝器に関する。
緩衝器には、同一行程で開弁するバルブを2つ有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許第5949789号公報
緩衝器において生産性の低下を抑制することが求められている。
したがって、本発明は、生産性の低下を抑制することが可能となる緩衝器の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ピストンの移動によりシリンダ内の上流側となる室から下流側となる室に作動流体が流れ出す通路と、前記通路に設けられ、ピストン速度が低速の領域では閉弁し、ピストン速度が低速よりも大きい速度領域では開弁する第1減衰力発生機構と、前記通路に設けられ、ピストン速度が低速の領域から開弁する第2減衰力発生機構と、を有し、前記第2減衰力発生機構は、環状のバルブシートと、前記バルブシートに離接可能に配置される環状のディスクバルブと、を備え、前記ディスクバルブが、前記バルブシートに離接可能に配置される外側環状部と、前記ピストンロッドに嵌合する内側環状部と、前記外側環状部と前記内側環状部とを接続する支持部と、を有する、構成とした。
本発明によれば、生産性の低下を抑制することが可能となる。
本発明に係る第1実施形態の緩衝器を示す断面図である。 本発明に係る第1実施形態の緩衝器の要部を示す部分断面図である。 本発明に係る第1実施形態の緩衝器のディスクバルブを示す平面図である。 本発明に係る第1実施形態の緩衝器のディスクバルブの変形例1を示す平面図である。 本発明に係る第1実施形態の緩衝器のディスクバルブの変形例2を示す平面図である。 本発明に係る第1実施形態の緩衝器のディスクバルブの変形例3を示す平面図である。 本発明に係る第1実施形態の緩衝器のディスクバルブの変形例4を示す平面図である。 本発明に係る第2実施形態の緩衝器の要部を示す部分断面図である。 本発明に係る第2実施形態の緩衝器のディスクバルブ周辺を示す部分断面図である。
本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下においては、説明の便宜上、図1,図2,図8,図9における上側を「上」とし、図1,図2,図8,図9における下側を「下」として説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
第1実施形態の緩衝器1は、図1に示すように、いわゆる複筒型の油圧緩衝器であり、作動流体としての油液(図示略)が封入されるシリンダ2を備えている。シリンダ2は、円筒状の内筒3と、この内筒3よりも大径で内筒3を覆うように同心状に設けられた有底円筒状の外筒4とを有しており、内筒3と外筒4との間にリザーバ室6が形成されている。
外筒4は、円筒状の胴部材11と、胴部材11の下部側に嵌合され溶接により固定されて胴部材11の下部を閉塞する底部材12とからなっている。底部材12には、軸方向の胴部材11とは反対の外側位置に取付アイ13が溶接により固定されている。
緩衝器1は、シリンダ2の内筒3の内部に摺動可能に設けられるピストン18を備えている。このピストン18は、内筒3内に、一方のシリンダ内室である上室19と、他方のシリンダ内室である下室20との2つの室を画成している。言い換えれば、ピストン18は、シリンダ2内に摺動可能に設けられてシリンダ2内を一側の上室19と他側の下室20とに区画している。内筒3内の上室19および下室20内には作動流体としての油液が封入され、内筒3と外筒4との間のリザーバ室6内には作動流体としての油液とガスとが封入されている。
緩衝器1は、棒状のピストンロッド21を備えている。ピストンロッド21は、軸方向の一端側部分がシリンダ2の内筒3の内部に配置されてピストン18に連結固定されると共に他端側部分がシリンダ2の外部に延出されている。ピストンロッド21は、上室19内を貫通しており、下室20は貫通していない。よって、上室19は、ピストンロッド21が貫通するロッド側室であり、下室20はシリンダ2の底側のボトム側室である。
ピストン18およびピストンロッド21は一体に移動する。ピストンロッド21がシリンダ2からの突出量を増やす緩衝器1の伸び行程において、ピストン18は上室19側へ移動することになり、ピストンロッド21がシリンダ2からの突出量を減らす緩衝器1の縮み行程において、ピストン18は下室20側へ移動することになる。
内筒3および外筒4の上端開口側には、ロッドガイド22が嵌合されており、外筒4にはロッドガイド22よりもシリンダ2の外部側である上側にシール部材23が嵌合されている。ロッドガイド22およびシール部材23は、いずれも円環状をなしており、ピストンロッド21は、これらロッドガイド22およびシール部材23のそれぞれの内側に摺動可能に挿通されてシリンダ2の内部から外部に延出されている。
ロッドガイド22は、ピストンロッド21を、その径方向移動を規制しつつ軸方向移動可能に支持して、このピストンロッド21の移動を案内する。シール部材23は、その外周部で外筒4に密着し、その内周部で、軸方向に移動するピストンロッド21の外周部に摺接する。これにより、シール部材23は、内筒3内の油液と、外筒4内のリザーバ室6の高圧ガスおよび油液とが外部に漏洩するのを防止する。
ロッドガイド22は、その外周部が、下部よりも上部が大径となる段差状をなしており、小径の下部において内筒3の上端の内周部に嵌合し、大径の上部において外筒4の上部の内周部に嵌合している。外筒4の底部材12上には、下室20とリザーバ室6とを画成するベースバルブ25が設置されており、このベースバルブ25に内筒3の下端の内周部が嵌合されている。外筒4の上端部は、径方向内方に加締められて係止部26となっており、この係止部26とロッドガイド22とがシール部材23を挟持している。
ピストンロッド21は、主軸部27と、主軸部27よりも小径の取付軸部28と、取付軸部28の主軸部27とは反対側のネジ軸部31とを有している。ピストンロッド21は、主軸部27が、ロッドガイド22およびシール部材23に摺動可能に嵌合され、取付軸部28およびネジ軸部31がシリンダ2内に配置されてピストン18等に連結されている。主軸部27の取付軸部28側の端部は、軸直交方向に広がる軸段部29となっている。取付軸部28は、外周面が円筒面となっている。ネジ軸部31は、ピストンロッド21におけるシリンダ2内側の先端位置に設けられており、外周部にオネジ32が形成されている。
緩衝器1は、例えばピストンロッド21のシリンダ2からの突出部分が上部に配置されて車体により支持され、シリンダ2側の取付アイ13が下部に配置されて車輪側に連結される。これとは逆に、シリンダ2側が車体により支持され、ピストンロッド21が車輪側に連結されるようにしても良い。
図2に示すように、ピストン18は、ピストンロッド21に連結される金属製の第1ピストン体33と、ピストンロッド21に連結される金属製の第2ピストン体34と、第1ピストン体33の外周面に一体に装着されて内筒3内を摺動する円環状の合成樹脂製の摺動部材35とによって構成されている。
第1ピストン体33の本体部36には、軸方向に貫通する複数の通路穴37と、軸方向に貫通する複数(図1,図2では断面とした関係上一カ所のみ図示)の通路穴39とが形成されている。
複数の通路穴37は、第1ピストン体33の軸方向に沿って直線状に延びる形状であり、第1ピストン体33の円周方向に等ピッチで形成されている。第1ピストン体33には、軸方向の上室19とは反対側に、複数の通路穴37を連通させる円環状の環状溝40が形成されている。環状溝40の上室19とは反対側には、環状溝40内および複数の通路穴37内の通路を開閉して減衰力を発生する第1減衰力発生機構41が設けられている。
第1減衰力発生機構41が上室19とは反対側に配置されることで、複数の通路穴37内および環状溝40内の通路は、ピストン18の上室19側への移動、つまり伸び行程において上流側となる上室19から下流側となる下室20に向けて油液が流れ出す伸び側の通路となる。これら複数の通路穴37内および環状溝40内の通路に対して設けられた第1減衰力発生機構41は、伸び側の複数の通路穴37内および環状溝40内の通路から下室20への油液の流動を抑制して減衰力を発生する伸び側の減衰力発生機構となっている。
複数の通路穴39は、第1ピストン体33の軸方向に沿って直線状に延びる形状であって、第1ピストン体33の円周方向に所定のピッチで形成されている。すべての通路穴39は、すべての通路穴37よりも第1ピストン体33の径方向における外側に形成されている。複数の通路穴39の上室19側には、複数の通路穴39内の通路を開閉して減衰力を発生する第1減衰力発生機構42が設けられている。
第1減衰力発生機構42が上室19側に配置されることで、複数の通路穴39内の通路は、ピストン18の下室20側への移動、つまり縮み行程において上流側となる下室20から下流側となる上室19に向けて油液が流れ出す縮み側の通路となる。これら複数の通路穴39内の通路に対して設けられた第1減衰力発生機構42は、縮み側の複数の通路穴39内の通路から上室19への油液の流動を抑制して減衰力を発生する縮み側の減衰力発生機構となっている。
第1ピストン体33は、略円板形状をなしており、その径方向の中央には、ピストンロッド21の取付軸部28およびネジ軸部31が挿入される挿入穴44が軸方向に貫通して形成されている。挿入穴44は、ストレート形状であり、ピストンロッド21の取付軸部28を嵌合させている。これにより、第1ピストン体33はピストンロッド21に対し径方向に位置決めされる。
第1ピストン体33の軸方向の上室19とは反対側の部分には、環状溝40の上室19とは反対側の開口よりも、第1ピストン体33の径方向における内側に環状の内側シート部46が形成されている。第1ピストン体33の軸方向の上室19とは反対側の部分には、環状溝40の上室19とは反対側の開口よりも、第1ピストン体33の径方向における外側に第1減衰力発生機構41の一部を構成する円環状のバルブシート部47が形成されている。内側シート部46およびバルブシート部47は、本体部36よりも軸方向の上室19とは反対側に突出している。内側シート部46およびバルブシート部47の間が環状溝40となっている。バルブシート部47には、これを径方向に貫通する通路溝48が形成されている。
第1ピストン体33の軸方向の上室19側の端部には、複数の通路穴37の上室19側の開口よりも第1ピストン体33の径方向における内側に環状の内側シート部49が形成されている。また、第1ピストン体33の軸方向の上室19側の端部には、複数の通路穴39の一つまたは複数の上室19側の開口を囲むように、環状で異形のバルブシート部50が形成されている。内側シート部49およびバルブシート部50は、本体部36よりも軸方向の上室19側に突出している。バルブシート部50は、第1ピストン体33の周方向に間隔をあけて複数形成されている。複数の通路穴37は、バルブシート部50間の隙間を介して上室19に常時連通している。
縮み側の第1減衰力発生機構42は、第1ピストン体33のバルブシート部50を含んでおり、軸方向の第1ピストン体33側から順に、同一内径および同一外径の複数枚(具体的には四枚)のディスク63と、同一内径および同一外径の複数枚(具体的には二枚)のディスク64とを有している。ディスク64のディスク63とは反対側には、ディスク64側から順に、一枚のディスク65と、一枚のディスク66と、一枚の環状部材67とが設けられている。環状部材67が、ピストンロッド21の軸段部29に当接している。ディスク63〜66および環状部材67は、いずれも金属製であり、いずれも内側にピストンロッド21の取付軸部28を嵌合可能な一定厚さ且つ径方向幅一定の有孔円形平板状をなしている。
ディスク63は、その外径が複数のバルブシート部50の外接円の径と略同径となっている。ディスク64は、ディスク63の外径よりも小径であって第1ピストン体33の内側シート部49の外径よりも大径の外径となっている。ディスク65は、ディスク64の外径よりも小径であって第1ピストン体33の内側シート部49の外径よりも小径の外径となっている。ディスク66は、ディスク64の外径よりも大径であってディスク63の外径よりも小径の外径となっている。環状部材67は、ディスク66の外径よりも小径であってディスク64の外径およびピストンロッド21の軸段部29の外径よりも大径の外径となっている。環状部材67は、ディスク63〜66よりも厚く高剛性となっている。
複数枚のディスク63は、内側シート部49に常時当接しており、バルブシート部50に着座してバルブシート部50を閉塞可能となっている。薄い金属板からなる複数枚のディスク63および複数枚のディスク64が、撓み可能であってバルブシート部50に離着座可能な縮み側のメインバルブ71を構成している。メインバルブ71は、バルブシート部50から離座することで、複数の通路穴39内の通路を上室19に連通させると共に、バルブシート部50との間の油液の流れを抑制して減衰力を発生する。環状部材67は、ディスク66とによって、メインバルブ71の開方向への規定以上の変形を規制する。
ここで、縮み側の第1減衰力発生機構42には、バルブシート部50およびこれに当接するメインバルブ71のいずれにも、これらが当接状態にあっても上室19と下室20とを連通させる固定オリフィスは形成されていない。すなわち、縮み側の第1減衰力発生機構42は、メインバルブ71がすべてのバルブシート部50の全周に当接状態にあれば、上室19と下室20とを連通させることはない。
伸び側の第1減衰力発生機構41は、第1ピストン体33のバルブシート部47を含んでおり、同一内径および同一外径の複数枚(具体的には二枚)のディスク83を有している。ディスク83のバルブシート部47とは反対側には、同一内径および同一外径の複数枚(具体的には二枚)のディスク84が設けられている。ディスク83,84は、いずれも金属製であり、いずれも内側にピストンロッド21の取付軸部28を嵌合可能な一定厚さの有孔円形平板状をなしている。
複数枚のディスク83は、第1ピストン体33のバルブシート部47の外径と略同等の外径となっており、バルブシート部47に着座可能となっている。ディスク84は、ディスク83の外径よりも小径であって第1ピストン体33の内側シート部46の外径よりも小径の外径となっている。
複数枚のディスク83は、内側シート部46に常時当接しており、バルブシート部47に着座してバルブシート部47を閉塞可能となっている。薄い金属板からなる複数枚のディスク83が、撓み可能であってバルブシート部47に離着座可能な伸び側のメインバルブ91を構成している。メインバルブ91は、バルブシート部47から離座することで、複数の通路穴37内および環状溝40内の通路を下室20に連通可能とすると共に、バルブシート部47との間の油液の流れを抑制して減衰力を発生する。
第1ピストン体33には、バルブシート部47よりも第1ピストン体33の径方向における外側に、本体部36からバルブシート部47よりも上室19とは反対側に突出する円環状の嵌合筒部95が形成されている。嵌合筒部95は内周面が、挿入穴44と同軸状の円筒面となっている。
複数枚のディスク84の軸方向の上室19とは反対側には、複数枚のディスク84側から順に、一つの第2ピストン体34と、一枚のディスクバルブ101と、一枚のディスク102と、一枚のディスク103と、一枚のディスク104と、同一内径および同一外径の複数枚(具体的には二枚)のディスク106と、環状部材107とが、ピストンロッド21の取付軸部28をそれぞれの内側に嵌合させて設けられている。ディスクバルブ101、ディスク102〜104,106および環状部材107は、いずれも金属製であり、いずれも内側にピストンロッド21の取付軸部28を嵌合可能な一定厚さの有孔円形平板状をなしている。
第2ピストン体34は、有底筒状の一体成形品であり、有孔円板状の底部111と、底部111の外周縁部から、底部111の軸方向一側に突出する円環状の外側筒部112と、底部111の内周縁部から、外側筒部112と軸方向同側に突出する円環状の内側筒部113とを有している。外側筒部112と内側筒部113とは、同軸状に配置されており、外側筒部112は、内側筒部113よりも底部111からの軸方向長さが長くなっている。言い換えれば、外側筒部112は、第2ピストン体34において、軸方向の最も底部111とは反対側の部分を構成している。
第2ピストン体34の外周部は、外側筒部112の外周面と同一円筒面をなす外周面を有する大径部115と、大径部115の軸方向の外側筒部112とは反対側にあって外径が大径部115よりも小径の小径部116とを有している。第2ピストン体34は、軸方向において、底部111が、外側筒部112および内側筒部113よりも第1ピストン体33側に位置する向きで配置されており、同一円筒面をなす底部111の内周面および内側筒部113の内周面において取付軸部28に嵌合している。また、第2ピストン体34は、小径部116の円筒面からなる外周面で第1ピストン体33の嵌合筒部95の内周面に嵌合することになり、底部111においてディスク84に当接する。第1ピストン体33と第2ピストン体34とは、間に中間室118を形成することになり、この中間室118にメインバルブ91と複数枚のディスク84とが配置されている。中間室118は、第1ピストン体33の通路溝48内、環状溝40内および複数の通路穴37内の通路を介して上室19に常時連通している。
外側筒部112は全周にわたって連続する円環状をなしており、内周面が、底部111から軸方向に離れるほど大径となるテーパ面となっている。外側筒部112の外周面は、底部111の大径部115の外周面と同一の円筒面を構成している。外側筒部112の軸方向における底部111とは反対側の先端面は、第2ピストン体34の中心軸線に直交する平面となっている。
外側筒部112の先端面および内周面の境界側の角縁部は、円環状をなしており、ディスクバルブ101が離着座する第1バルブシート121(バルブシート)となっている。よって、第1バルブシート121は、第2ピストン体34の外側筒部112に環状に形成されている。
内側筒部113は、外周面が、底部111から軸方向に離れるほど小径となるテーパ面となっており、その軸方向における底部111とは反対側の先端面が、第2ピストン体34の中心軸線に直交する平面となっている。
底部111には、径方向の外側筒部112と内側筒部113との間の位置に、底部111を軸方向に貫通する貫通穴123が形成されている。貫通穴123は、底部111の周方向に間隔をあけて複数形成されている。第2ピストン体34には、外側筒部112と内側筒部113との間に、複数の貫通穴123を連通させる円環状の環状溝124が形成されている。
第2ピストン体34には、その径方向の中央に、底部111および内側筒部113を軸方向に貫通して、ピストンロッド21の取付軸部28およびネジ軸部31が挿通される挿通穴125が形成されている。挿通穴125は、ストレート形状であり、ピストンロッド21の取付軸部28を嵌合させている。第2ピストン体34は、挿通穴125においてピストンロッド21の取付軸部28に嵌合して取付軸部28に対して径方向に位置決めされる。言い換えれば、第2ピストン体34は、内側にピストンロッド21の取付軸部28を嵌合可能な円環状をなしている。
ピストンロッド21には、取付軸部28の主軸部27とは反対側であって、環状部材107よりもピストン18とは反対側に突出する部分にネジ軸部31が配置されており、このネジ軸部31のオネジ32にナット131が螺合されている。ナット131は、環状部材107に当接している。
ディスク106の外径は、第2ピストン体34の内側筒部113の底部111とは反対側の先端面の外径よりも大径の外径となっている。ディスク104は、ディスク106の外径よりも大径の外径であって、厚さがディスク106よりも薄くなっている。ディスク103は、ディスク104の外径よりも大径の外径であって、厚さがディスク104よりも厚くなっている。ディスク102は、ディスク103の外径よりも大径の外径であって、厚さがディスク103よりも薄くなっている。よって、ディスク102〜104は、軸方向において第2ピストン体34に近いほど外径が大径となっている。
ディスク102の外径は、第2ピストン体34の外側筒部112の先端面の内径、言い換えれば、第1バルブシート121の内径よりも小径となっている。また、ディスク102の軸方向の内側筒部113側の端面は、第2ピストン体34の外側筒部112の先端面、言い換えれば、第1バルブシート121の底部111とは反対側の先端面と、軸方向において同等位置に配置されている。
ディスク102は、軸方向の内側筒部113側の円環状の外周部に、ディスクバルブ101が離着座する。ディスク102は、これに積層されたディスク103,104とともに、ディスクバルブ101が離着座する第2バルブシート135(バルブシート)を構成している。言い換えれば、第2バルブシート135はディスクバルブ101を着座時に支持する。ディスク102〜104からなる第2バルブシート135は、ピストンロッド21を径方向内側に挿通させており、取付軸部28を径方向内側に嵌合させている。第2バルブシート135は、第2ピストン体34の第1バルブシート121に対して径方向内側に離間して配置されており、軸方向の第2ピストン体34側の端部位置が、第1バルブシート121の軸方向の先端位置と同等位置に配置されている。
ディスク102〜104は、軸方向において内側筒部113から遠いほど外径が小径となっており、これらは薄い金属板からなっている。このため、ディスク102〜104からなる第2バルブシート135は、撓み可能な構成となっている。これに対し、第2ピストン体34の第1バルブシート121は、第2バルブシート135と比べて剛性が高く、基本的に撓むことはない。第2バルブシート135は、ディスク102〜104のそれぞれの厚みや外径、さらには枚数等を変更することで、ディスクバルブ101の支持剛性を調整することができるようになっている。
ディスクバルブ101は、薄い金属板からなっており、撓み可能である。ディスクバルブ101は、緩衝器1に組み込まれる前の自然状態では全体が平板状をなしている。自然状態にあるディスクバルブ101は、図3に示すように、有孔円形平板状の外側環状部141と、外側環状部141の内径よりも小径の外径を有して外側環状部141の径方向内側に配置される有孔円形平板状の内側環状部142と、外側環状部141と内側環状部142とを接続する複数、具体的には2本の支持部143とを有している。外側環状部141と内側環状部142との間は、2本の支持部143を除いて空間となっている。ディスクバルブ101は鏡面対称の形状をなしている。
外側環状部141は、外周面および内周面がいずれも円形で同心状に配置されており、言い換えれば、径方向の幅が一定の円環状をなしている。内側環状部142も、外周面および内周面がいずれも円形で同心状に配置されており、言い換えれば、径方向の幅が一定の円環状をなしている。2本の支持部143は、内側環状部142と外側環状部141との間に配置されており、内側環状部142に外側環状部141を同心状に支持する。2本の支持部143は、内側環状部142および外側環状部141よりも低剛性である。
図2に示すように、内側環状部142は、内側にピストンロッド21の取付軸部28を挿通させている。内側環状部142は、内径がピストンロッド21の取付軸部28を嵌合可能であって、外径がディスク102の外径、すなわち第2バルブシート135の外径よりも小径となっている。内側環状部142は、取付軸部28を直接嵌合させることでピストンロッド21に対し径方向に位置決めされる。内側環状部142の外径は、第2ピストン体34の内側筒部113の先端面の外径よりも大きく、ディスク106の外径と同等になっている。よって、ディスクバルブ101は、内側環状部142が、ディスク102〜104とともに、第2ピストン体34の内側筒部113とディスク106とで軸方向にクランプされる。
外側環状部141は、内径がディスク102の外径、すなわち第2バルブシート135の外径よりも小径となっており、外径が第2ピストン体34の外側筒部112の先端面の内径、すなわち第1バルブシート121の直径よりも大径となっている。外側環状部141の外径、すなわちディスクバルブ101の外径は、メインバルブ91の外径よりも大径となっている。
外側環状部141は、第2ピストン体34の第1バルブシート121に、外周側の外周側離接部151が離接可能となっている。外周側離接部151は、図3に示すように、外側環状部141の外径よりも小径の円環状をなしている。図2に示すように、外側環状部141は、外周側離接部151が、全周にわたって第1バルブシート121に着座すると第1バルブシート121との隙間を閉塞し、第1バルブシート121から離座すると第1バルブシート121との隙間を開放する。
また、外側環状部141は、第2バルブシート135のディスク102に、内周側の内周側離接部152が離接可能となっている。内周側離接部152は、図3に示すように、外側環状部141の内径よりも大径の円環状をなしている。図2に示すように、外側環状部141は、内周側離接部152が、全周にわたって第2バルブシート135に着座すると第2バルブシート135との隙間を閉塞し、第2バルブシート135から離座すると第2バルブシート135との隙間を開放する。外側環状部141が全周にわたって第2バルブシート135に着座する状態にあるとき、ディスク102は、ディスクバルブ101の外側環状部141と内側環状部142との隙間を閉塞する。
図3に示すように、外周側離接部151および内周側離接部152は、いずれも2本の支持部143から径方向に離間した位置にある。外側環状部141における外周側離接部151と内周側離接部152との間の範囲が、伸縮両行程で圧力を受ける受圧面積の範囲である受圧部153となっている。この受圧部153は、外側環状部141において穴のないプレーンな部位となっている。受圧部153は、2本の支持部143に比べて、十分に高い剛性となっており、開弁時は、2本の支持部143のない単純支持のバルブと同様の挙動で動作し、単純支持のバルブと同様に変形する。
図2に示すように、ディスクバルブ101は、第2ピストン体34の環状の第1バルブシート121に、外側環状部141の外周側の外周側離接部151が離接可能に配置されている。また、第2バルブシート135は、ディスクバルブ101の厚さ方向の第1バルブシート121とは反対側に設けられ、外側環状部141の外周側離接部151よりも径方向内側の内周側離接部152を離接可能に支持している。外側環状部141は、環状の第2バルブシート135に、内周側の内周側離接部152が離接可能に配置されている。
図3に示すように、2本の支持部143は、2か所の外側接続部161と、2か所の内側接続部162と、2か所の連結腕部163とを有している。
2か所の外側接続部161は、ディスクバルブ101の径方向において、中心よりも同じ一側に、ディスクバルブ101の周方向に間隔をあけて配置されて、外側環状部141と接続されている。2か所の外側接続部161は、いずれも外側環状部141の内周縁部から外側環状部141の径方向の内側に突出している。
2か所の内側接続部162は、ディスクバルブ101の径方向において、中心よりも同じ逆側、すなわち2か所の外側接続部161とは反対側に、ディスクバルブ101の周方向に間隔をあけて配置されて、内側環状部142と接続されている。2か所の内側接続部162は、いずれも内側環状部142の外周縁部から内側環状部142の径方向外側に突出している。
ここで、2か所の内側接続部162の間隔は、2か所の外側接続部161の間隔よりも広くなっている。2か所の内側接続部162を結ぶ直線と、2か所の外側接続部161を結ぶ直線とは平行をなしている。よって、2か所の内側接続部162を結ぶ直線の中点と、2か所の外側接続部161を結ぶ直線の中点とを結ぶ直線は、内側環状部142および外側環状部141の中心、すなわちディスクバルブ101の中心を通る。一方でディスクバルブ101の周方向において近い外側接続部161と内側接続部162との距離は、他方でディスクバルブ101の周方向において近い外側接続部161と内側接続部162との距離と同等になっている。この距離は、2か所の内側接続部162を結ぶ距離よりも長く、2か所の外側接続部161を結ぶ距離よりも長い。
2か所の連結腕部163は、それぞれがディスクバルブ101の周方向に近い外側接続部161と内側接続部162とを接続させるように設けられている。すなわち、一方の連結腕部163は、一方でディスクバルブ101の周方向において近い一方の外側接続部161と一方の内側接続部162とを接続させており、これら外側接続部161と内側接続部162とで一方の支持部143を構成している。また、他方の連結腕部163は、他方でディスクバルブ101の周方向において近い他方の外側接続部161と他方の内側接続部162とを接続させており、これら外側接続部161と内側接続部162とで他方の支持部143を構成している。
ここで、2か所の連結腕部163は、外側環状部141の内周面および内側環状部142の外周面に沿って円弧状に延びており、外側環状部141および内側環状部142と同心の同一円上に配置されている。2か所の連結腕部163は、外側環状部141の内周面からの径方向の距離と、内側環状部142の外周面からの径方向の距離とが同等になっている。
図2に示すように、ディスクバルブ101の外側環状部141が、内周側の内周側離接部152において第2バルブシート135に着座すると、第2バルブシート135を構成するディスク102は、ディスクバルブ101の外側環状部141と内側環状部142との間の通路を遮断する。言い換えれば、第2バルブシート135は、ディスクバルブ101の外側環状部141と内側環状部142との間の通路を遮断可能に設けられている。
ディスクバルブ101の外側環状部141の内周側離接部152を含む内周側は、第2バルブシート135に離着座可能なサブバルブ171を構成している。サブバルブ171は、第2バルブシート135から離座することで、第2バルブシート135との隙間と、ディスクバルブ101の外側環状部141および内側環状部142の間の通路と、第2ピストン体34の環状溝124内および複数の貫通穴123内の通路と、中間室118と、第1ピストン体33の通路溝48内、環状溝40内および複数の通路穴37内の通路とを介して下室20を上室19に連通させる。
このとき、サブバルブ171は、第2バルブシート135との間の油液の流れを抑制して減衰力を発生する。サブバルブ171は、下室20から油液を第2バルブシート135との隙間を介して流入させる際に開く流入バルブであり、上室19から下室20への第2バルブシート135との隙間を介しての油液の流出を規制する弁である。
開弁時に出現するサブバルブ171および第2バルブシート135の間の通路と、ディスクバルブ101の外側環状部141および内側環状部142の間の通路と、第2ピストン体34の環状溝124内および複数の貫通穴123内の通路と、中間室118と、第1ピストン体33の通路溝48内、環状溝40内および複数の通路穴37内の通路とが、ピストン18の下室20側への移動によりシリンダ2内の上流側となる下室20から下流側となる上室19に油液が流れ出す通路172を構成している。通路172は、ピストン18の下室20側への移動、つまり縮み行程において上流側となる下室20から下流側となる上室19に向けて油液が流れ出す縮み側の通路となる。
サブバルブ171と、第2バルブシート135とが、縮み側の通路172に設けられ、この通路172を開閉し、この通路172から上室19への油液の流動を抑制して減衰力を発生する縮み側の第2減衰力発生機構173を構成している。縮み側の第2減衰力発生機構173を構成するサブバルブ171は縮み側のサブバルブである。サブバルブ171と第2バルブシート135とからなる第2減衰力発生機構173は、ピストンロッド21を径方向内側に挿通させており、2つの上室19および下室20のうちの一方の下室20側に配置されている。
開弁時に出現するメインバルブ71およびバルブシート部50の間の通路と、第1ピストン体33の複数の通路穴39内の通路とが中間室118と上室19とを連通可能な通路174を構成している。通路172と通路174とによっても、ピストン18の下室20側への移動によりシリンダ2内の上流側となる下室20から下流側となる上室19に油液が流れ出す。縮み側の第1減衰力発生機構42は、この通路174を開閉し、この通路174から上室19への油液の流動を抑制して減衰力を発生する。いずれも縮み側の第1減衰力発生機構42および第2減衰力発生機構173は、通路172,174に直列に配置されている。
第1減衰力発生機構42が閉状態にあって、第2減衰力発生機構173が開状態にあるときの通路172において、第1ピストン体33の通路溝48内の通路が、流路断面積が固定の部分の中で最も狭くなって前後よりも絞られることになり、通路172におけるオリフィス175となる。オリフィス175は、サブバルブ171が開弁し、通路172で油液が流れる際の油液の流れのサブバルブ171よりも下流側に配置されている。言い換えれば、オリフィス175は、第1減衰力発生機構42が閉状態にあって、第2減衰力発生機構173が開状態にあるときの通路172におけるサブバルブ171よりも上室19側に配置されている。
縮み側の第2減衰力発生機構173は、第2バルブシート135およびこれに当接するサブバルブ171のいずれにも、これらが当接状態にあっても上室19と下室20とを連通させる固定オリフィスは形成されていない。すなわち、縮み側の第2減衰力発生機構173は、第2バルブシート135およびサブバルブ171が全周にわたって当接状態にあれば、上室19と下室20とを連通させることはない。言い換えれば、通路172,174は、上室19と下室20とを常時連通させる固定オリフィスは設けられておらず、上室19と下室20とを常時連通させる通路ではない。
ディスクバルブ101の外側環状部141の外周側離接部151を含む外周側は、第1バルブシート121に離着座可能なサブバルブ181を構成している。サブバルブ181は、第1バルブシート121から離座することで、第1ピストン体33の複数の通路穴37内、環状溝40内および通路溝48内の通路と、中間室118と、第2ピストン体34の複数の貫通穴123内および環状溝124内の通路と、第1バルブシート121との隙間と、を介して上室19を下室20に連通させる。このとき、サブバルブ181は、第1バルブシート121との間の油液の流れを抑制して減衰力を発生する。サブバルブ181は、油液を上室19から下室20に、第1バルブシート121との隙間を介して排出する際に開く排出バルブであり、下室20から上室19への第1バルブシート121との隙間を介しての油液の流入を規制する弁である。
第1ピストン体33の複数の通路穴37内、環状溝40内および通路溝48内の通路と、中間室118と、第2ピストン体34の複数の貫通穴123内および環状溝124内の通路と、開弁時に出現するサブバルブ181および第1バルブシート121の間の通路とが、ピストン18の上室19側への移動によりシリンダ2内の上流側となる上室19から下流側となる下室20に油液が流れ出す通路182を構成している。通路182は、ピストン18の上室19側への移動、つまり伸び行程において上流側となる上室19から下流側となる下室20に向けて油液が流れ出す伸び側の通路となる。
サブバルブ181と、第1バルブシート121とが、伸び側の通路182に設けられ、この通路182を開閉し、この通路182から下室20への油液の流動を抑制して減衰力を発生する伸び側の第2減衰力発生機構183を構成している。伸び側の第2減衰力発生機構183を構成するサブバルブ181は伸び側のサブバルブである。サブバルブ181と第1バルブシート121とからなる第2減衰力発生機構183は、ピストンロッド21を径方向内側に挿通させており、2つの上室19および下室20のうちの一方の下室20側に配置されている。
通路182は、開弁時に出現するメインバルブ91およびバルブシート部47の間の通路を含んでいる。第1減衰力発生機構41は、この通路182を開閉し、この通路182を介する上室19から下室20への油液の流動を抑制して減衰力を発生する。いずれも伸び側の第1減衰力発生機構41および第2減衰力発生機構183は、通路182に直列に配置されている。
通路182において、第1減衰力発生機構41が閉状態にあって、第2減衰力発生機構183が開状態にあるとき、図2に示す第1ピストン体33の通路溝48内の通路が、流路断面積が固定の部分の中で最も狭くなって前後よりも絞られることになり、通路182におけるオリフィス175となる。オリフィス175は、サブバルブ181が開弁し、通路182で油液が流れる際の油液の流れのサブバルブ181よりも上流側に配置されている。言い換えれば、オリフィス175は、通路182におけるサブバルブ181よりも上室19側に配置されている。
伸び側の第2減衰力発生機構183は、第1バルブシート121およびこれに当接するサブバルブ181のいずれにも、これらが当接状態にあっても上室19と下室20とを連通させる固定オリフィスは形成されていない。すなわち、伸び側の第2減衰力発生機構183は、第1バルブシート121およびサブバルブ181が全周にわたって当接状態にあれば、上室19と下室20とを連通させることはない。言い換えれば、通路182は、上室19と下室20とを常時連通させる固定オリフィスは形成されておらず、上室19と下室20とを常時連通させる通路ではない。
以上により、第2減衰力発生機構173,183は、底部111と外側筒部112と内側筒部113とを有する有底筒状の第2ピストン体34の外側筒部112に形成された環状の第1バルブシート121と、第2ピストン体34の第1バルブシート121に外周側の外周側離接部151が離接可能に配置される環状のディスクバルブ101と、ディスクバルブ101の第1バルブシート121とは反対側に設けられ、ディスクバルブ101の外周側離接部151よりも径方向内側の内周側離接部152を離接可能に支持する第2バルブシート135と、を備えている。第2減衰力発生機構173は、通路172の端部位置に設けられており、第2減衰力発生機構183は、通路182の端部位置に設けられている。
図1に示すように、外筒4の底部材12と内筒3との間には、上記したベースバルブ25が設けられている。このベースバルブ25は、下室20とリザーバ室6とを仕切るベースバルブ部材191と、このベースバルブ部材191の下側つまりリザーバ室6側に設けられるディスク192と、ベースバルブ部材191の上側つまり下室20側に設けられるディスク193と、ベースバルブ部材191にディスク192およびディスク193を取り付ける取付ピン194とを有している。
ベースバルブ部材191は、円環状をなしており、径方向の中央に取付ピン194が挿通される。ベースバルブ部材191には、下室20とリザーバ室6との間で油液を流通可能な複数の通路穴195と、これら通路穴195よりもベースバルブ部材191の径方向の外側にて、下室20とリザーバ室6との間で油液を流通可能な複数の通路穴196とが形成されている。リザーバ室6側のディスク192は、下室20から通路穴195を介するリザーバ室6への油液の流れを許容する一方で、リザーバ室6から下室20への通路穴195を介する油液の流れを抑制する。ディスク193は、リザーバ室6から通路穴196を介する下室20への油液の流れを許容する一方で、下室20からリザーバ室6への通路穴196を介する油液の流れを抑制する。
ディスク192は、ベースバルブ部材191とによって、緩衝器1の縮み行程において開弁して下室20からリザーバ室6に油液を流すとともに減衰力を発生する縮み側の減衰バルブ機構197を構成している。ディスク193は、ベースバルブ部材191とによって、緩衝器1の伸び行程において開弁してリザーバ室6から下室20内に油液を流すサクションバルブ機構198を構成している。なお、サクションバルブ機構198は、主としてピストンロッド21のシリンダ2からの伸び出しにより生じる液の不足分を補うようにリザーバ室6から下室20に実質的に減衰力を発生することなく油液を流す機能を果たす。
図2に示すように、ピストンロッド21にピストン18等を組み付ける場合、ピストンロッド21のネジ軸部31および取付軸部28を挿通させながら、軸段部29に、環状部材67と、ディスク66と、ディスク65と、複数枚のディスク64と、複数枚のディスク63と、第1ピストン体33とを、順に重ねる。このとき、第1ピストン体33は、外周部に摺動部材35が予め装着されており、嵌合筒部95が本体部36よりも軸段部29とは反対側に位置する向きとされて、バルブシート部50においてディスク63に当接する。加えて、ネジ軸部31および取付軸部28を挿通させながら、第1ピストン体33に、複数枚のディスク83と、複数枚のディスク84と、第2ピストン体34とを、順に重ねる。このとき、ディスク83は、第1ピストン体33のバルブシート部47に当接する。また、このとき、第2ピストン体34は、外側筒部112および内側筒部113が、底部111よりもディスク84とは反対側に位置する向きとされ、小径部116が嵌合筒部95に嵌合され、底部111がディスク84に当接する。加えて、ネジ軸部31および取付軸部28を挿通させながら、第2ピストン体34に、ディスクバルブ101と、ディスク102と、ディスク103と、ディスク104と、複数枚のディスク106と、環状部材107とを順に重ねる。このとき、ディスクバルブ101は、外側環状部141が第2ピストン体34の外側筒部112に当接する。
この状態で、環状部材107よりも突出するピストンロッド21のネジ軸部31のオネジ32にナット131を螺合させて、ナット131と軸段部29とで、これらの少なくとも内周側を軸方向にクランプする。
この状態で、メインバルブ71は、第1ピストン体33の内側シート部49とディスク65とに内周側がクランプされるとともに、第1ピストン体33の全てのバルブシート部50の全周に当接する。また、この状態で、メインバルブ91は、第1ピストン体33の内側シート部46とディスク84とに内周側がクランプされるとともに、第1ピストン体33のバルブシート部47の通路溝48を除く全周に当接する。
また、この状態で、第2バルブシート135を構成するディスク102〜104と、ディスクバルブ101とが、第2ピストン体34の内側筒部113とディスク106とに内周側がクランプされる。このとき、ディスクバルブ101は、内側環状部142がクランプされることになり、図3に示す支持部143および外側環状部141はクランプされない。それとともに、図2に示すように、外側環状部141のサブバルブ171が内周側離接部152において、第2バルブシート135に軸方向の第2ピストン体34側から全周にわたって当接する。また、外側環状部141のサブバルブ181が外周側離接部151において、第1バルブシート121に軸方向の第1ピストン体33とは反対側から全周にわたって当接する。つまり、図3に示すディスクバルブ101は、サブバルブ171,181を構成する外側環状部141に、ナット131の締結軸力を受ける部位である内側環状部142を、これらに比べて十分に低剛性の2本足の支持部143で繋げて構成されたクランプバルブである。
ここで、図2に示すように、第2バルブシート135は、その軸方向のディスクバルブ101側の端部位置が、第1バルブシート121の軸方向のディスクバルブ101側の端部位置と同等の位置に配置されている。このため、第1バルブシート121および第2バルブシート135に同時に当接するディスクバルブ101の外側環状部141は、径方向内側ほど軸方向において底部111に近づくようにテーパ状に弾性変形する。言い換えれば、外側環状部141は、第2バルブシート135側の内周側離接部152が、第1バルブシート121側の外周側離接部151よりも軸方向において底部111に位置するようにテーパ状に弾性変形する。そして、この変形の弾性力で、第2バルブシート135に内周側離接部152が押し付けられ、第1バルブシート121に外周側離接部151が押し付けられる。
いずれも伸び側の第1減衰力発生機構41および第2減衰力発生機構183のうち、第1減衰力発生機構41のメインバルブ91は、複数枚のディスク83が積層されて構成されているため、一枚のディスクバルブ101からなる第2減衰力発生機構183のサブバルブ181よりも剛性が高く開弁圧が高い。よって、伸び行程において、ピストン速度が所定値よりも低速の極微低速領域では第1減衰力発生機構41は閉弁した状態で第2減衰力発生機構183が開弁する。また、ピストン速度がこの所定値以上の通常速度領域では、第1減衰力発生機構41および第2減衰力発生機構183がともに開弁することになる。言い換えれば、第1減衰力発生機構41は、通路182に設けられ、ピストン速度が低速の領域では閉弁し、ピストン速度が低速よりも大きい速度領域では開弁する。また、第2減衰力発生機構183は、通路182に設けられ、ピストン速度が低速の領域から開弁する。サブバルブ181は、ピストン速度が極微低速の領域で開弁して減衰力を発生させる極微低速バルブである。
すなわち、伸び行程においては、ピストン18が上室19側に移動することで上室19の圧力が高くなり、下室20の圧力が低くなるが、通路182および通路172,174には、上室19および下室20を常時連通させる固定オリフィスがないため、第2減衰力発生機構183が開弁するまで油液は流れない。このため、ピストン速度が、第1所定値未満での伸び行程においては、減衰力は急激に立ち上がる。また、ピストン速度が、第2減衰力発生機構183が開弁する第1所定値よりも高速の領域であって、第1所定値よりも高速の第2所定値よりも低速の極微低速領域では、第1減衰力発生機構41は閉弁した状態で第2減衰力発生機構183が開弁する。
つまり、サブバルブ181が第1バルブシート121から離座して、伸び側の通路182で上室19と下室20とを連通させる。よって、上室19の油液が、第1ピストン体33の複数の通路穴37内および環状溝40内の通路と、オリフィス175と、中間室118と、第2ピストン体34の複数の貫通穴123および環状溝124内の通路と、サブバルブ181および第1バルブシート121の間の通路とを介して下室20に流れる。これにより、ピストン速度が第2所定値よりも低速の極微低速領域でも、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する特性)の減衰力が得られる。
また、伸び行程において、ピストン速度が第2所定値以上の通常速度領域では、第2減衰力発生機構183が開弁した状態のまま、第1減衰力発生機構41が開弁する。つまり、サブバルブ181が第1バルブシート121から離座して、伸び側の通路182で上室19から下室20に油液を流すことになるが、このとき、通路182においてメインバルブ91よりも上流側に設けられたオリフィス175で油液の流れが絞られることにより、メインバルブ91に加わる圧力が高くなって差圧が高まり、メインバルブ91がバルブシート部47から離座して、オリフィス175よりも拡げられた伸び側の通路182で上室19から下室20に油液を流す。よって、上室19の油液が、複数の通路穴37内および環状溝40内の通路と、メインバルブ91およびバルブシート部47の間の通路と、中間室118と、第2ピストン体34の複数の貫通穴123および環状溝124内の通路と、サブバルブ181および第1バルブシート121の間の通路とを介して下室20に流れる。これにより、ピストン速度が第2所定値以上の通常速度領域でも、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が得られる。
通常速度領域におけるピストン速度の増加に対する伸び側の減衰力の増加率は、極微低速領域におけるピストン速度の増加に対する伸び側の減衰力の増加率よりも低くなる。言い換えれば、通常速度領域におけるピストン速度の上昇に対する伸び側の減衰力の増加率の傾きを、極微低速領域よりも寝かせることができる。
いずれも縮み側の第1減衰力発生機構42および第2減衰力発生機構173のうち、第1減衰力発生機構42のメインバルブ71は、複数枚のディスク63,64が積層されて構成されているため、一枚のディスクバルブ101からなる第2減衰力発生機構173のサブバルブ171よりも剛性が高く開弁圧が高い。よって、縮み行程において、ピストン速度が所定値よりも低速の極微低速領域では第1減衰力発生機構42は閉弁した状態で第2減衰力発生機構173が開弁し、ピストン速度がこの所定値以上の通常速度領域では、第2減衰力発生機構173および第1減衰力発生機構42がともに開弁することになる。言い換えれば、第1減衰力発生機構42は、通路172,174に設けられ、ピストン速度が低速の領域では閉弁し、ピストン速度が低速よりも大きい速度領域では開弁する。また、第2減衰力発生機構173は、通路172に設けられ、ピストン速度が低速の領域から開弁する。サブバルブ171は、ピストン速度が極微低速の領域で開弁して減衰力を発生させる極微低速バルブである。
すなわち、縮み行程においては、ピストン18が下室20側に移動することで下室20の圧力が高くなり、上室19の圧力が低くなるが、通路182および通路172,174には、下室20および上室19を常時連通させる固定オリフィスがないため、第2減衰力発生機構173が開弁するまで、油液は流れない。このため、減衰力は急激に立ち上がる。ピストン速度が、第2減衰力発生機構173が開弁する第3所定値よりも高速の領域であって、第3所定値よりも高速の第4所定値よりも低速の極微低速領域では、第1減衰力発生機構42は閉弁した状態で第2減衰力発生機構173が開弁する。
つまり、サブバルブ171が第2バルブシート135から離座して、縮み側の通路172で下室20と上室19とを連通させる。よって、下室20の油液が、サブバルブ171および第2バルブシート135の間の通路と、ディスクバルブ101の外側環状部141および内側環状部142の間の通路と、第2ピストン体34の環状溝124内および複数の貫通穴123内の通路と、中間室118と、オリフィス175と、第1ピストン体33の環状溝40内および複数の通路穴37内の通路とを介して上室19に流れる。これにより、ピストン速度が第4所定値よりも低速の極微低速領域でも、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する特性)の減衰力が得られる。
また、縮み行程において、ピストン速度が上記第4所定値以上の通常速度領域では、第2減衰力発生機構173が開弁した状態のまま、第1減衰力発生機構42が開弁する。つまり、サブバルブ171が第2バルブシート135から離座して、縮み側の通路172で下室20から上室19に油液を流すことになるが、このとき、通路172はオリフィス175で油液の流量が絞られていることから、メインバルブ71に生じる差圧が大きくなり、メインバルブ71がバルブシート部50から離座して、通路172の中間室118から通路174を介して下室20から上室19に油液を流す。よって、下室20の油液が、サブバルブ171と第2バルブシート135との間の通路と、ディスクバルブ101の外側環状部141および内側環状部142の間の通路と、第2ピストン体34の環状溝124内および複数の貫通穴123内の通路と、中間室118と、複数の通路穴39内の通路と、メインバルブ71およびバルブシート部50の間の通路とを介して流れる。これにより、ピストン速度が第4所定値以上の通常速度領域でも、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が得られる。
通常速度領域におけるピストン速度の増加に対する縮み側の減衰力の増加率は、極微低速領域におけるピストン速度の増加に対する縮み側の減衰力の増加率よりも低くなる。言い換えれば、通常速度領域におけるピストン速度の上昇に対する縮み側の減衰力の増加率の傾きを、極微低速領域よりも寝かせることができる。
なお、縮み行程においては、減衰バルブ機構197による減衰力特性も合わせた特性となる。
上記した特許文献1には、同一行程で開弁するバルブを2つ有する緩衝器が記載されている。特許文献1においては、バルブをピストンロッドに直接係合させて位置決めする構造ではないため、生産性を低下させてしまう。
これに対し、緩衝器1は、第2減衰力発生機構173,183を構成するディスクバルブ101が、第1バルブシート121および第2バルブシート135に離接可能に配置される外側環状部141と、ピストンロッド21に嵌合する内側環状部142と、これらを接続する支持部143とを有している。このため、ディスクバルブ101をピストンロッド21に直接係合させて位置決めすることができる。すなわち、ピストンロッド21を内側環状部142に嵌合させることで、ディスクバルブ101をピストンロッド21に対して径方向に位置決めできることになる。また、内側環状部142を軸方向にクランプすることでディスクバルブ101をピストンロッド21に対して軸方向に位置決めできることになる。このように、ディスクバルブ101をピストンロッド21に直接係合させ位置決めして取り付けることができる。したがって、緩衝器1の組み立ての生産性を向上させることができる。ディスクバルブ101を、このようにピストンロッド21に対し位置決めしクランプして取り付ける構造とすることで、例えば、ディスクバルブ101のピストンロッド21への自動機による組み付けが容易に可能となる。
また、ディスクバルブ101は、第1バルブシート121および第2バルブシート135に離接して開閉する外側環状部141の径方向の位置ずれを内側環状部142および支持部143で抑制しつつ、外側環状部141を、他の部分に連結されない単純支持フリーバルブとほぼ同様に動作させることが可能となり、単純支持フリーバルブとほぼ同等の性能(開弁特性)を得ることができる。
また、2本の支持部143は、ディスクバルブ101の径方向において、中心よりも同じ一側に、ディスクバルブ101の周方向に間隔をあけて配置された2か所の外側接続部161が外側環状部141と接続され、ディスクバルブ101の径方向において、中心よりも同じ逆側に、ディスクバルブ101の周方向に間隔をあけて配置された2か所の内側接続部162が内側環状部142と接続され、ディスクバルブ101の周方向に近い外側接続部161と内側接続部162とを接続させるように2か所の連結腕部163が設けられている。しかも、2か所の内側接続部162の間隔は、2か所の外側接続部161の間隔よりも広い。よって、支持部143は、内側環状部142、すなわちピストンロッド21および第2ピストン体34に対する外側環状部141の径方向の位置ずれを適正に抑制しつつ、外側環状部141をフリーバルブと同様に動作させることが良好にできる。
また、ディスクバルブ101を支持する第2バルブシート135は、撓み可能な構成であるため、ディスクバルブ101の支持点の剛性を変更することができ、ディスクバルブ101が第2バルブシート135で支持された状態で開弁する第2減衰力発生機構183のチューニング自由度があがる。
ここで、上記ディスクバルブ101にかえて、例えば、図4に示すような変形例1のディスクバルブ101aを用いても良い。ディスクバルブ101aは、ディスクバルブ101と同様の外側環状部141および内側環状部142を有しており、支持部143とは一部異なる2本の支持部143aを有している。
2本の支持部143aは、ディスクバルブ101aの中心を通る同一直線上に配置された2か所の外側接続部161aを有しており、これら外側接続部161aが外側環状部141と接続されている。2か所の外側接続部161aは、外側環状部141の周方向に180度位相を異ならせて配置されており、いずれも外側環状部141の内周縁部から外側環状部141の径方向内側に突出している。
また、2本の支持部143aは、ディスクバルブ101aの中心を通る同一直線上に配置された2か所の内側接続部162aを有しており、これら内側接続部162aが内側環状部142と接続されている。2か所の内側接続部162aは、内側環状部142の周方向に180度位相を異ならせて配置されており、いずれも内側環状部142の外周縁部から内側環状部142の径方向外側に突出している。2か所の外側接続部161aは、いずれも、2か所の内側接続部162aのうちの一方とのディスクバルブ101aの周方向における距離が他方よりも近くなっている。言い換えれば、2か所の内側接続部162aは、いずれも、2か所の外側接続部161aのうちの一方とのディスクバルブ101aの周方向における距離が他方よりも近くなっている。
一方でディスクバルブ101aの周方向において遠い外側接続部161aと内側接続部162aとの距離は、他方でディスクバルブ101aの周方向において遠い外側接続部161aと内側接続部162aとの距離と同等になっている。
さらに、2本の支持部143aは、ディスクバルブ101aの周方向に遠い外側接続部161aと内側接続部162aとを接続させるように2か所の連結腕部163aが設けられている。すなわち、ディスクバルブ101aには、一方でディスクバルブ101aの周方向において遠い一方の外側接続部161aと一方の内側接続部162aとを接続させる一方の連結腕部163aが設けられており、これら外側接続部161a、内側接続部162aおよび連結腕部163aが一方の支持部143aを構成している。また、ディスクバルブ101aには、他方でディスクバルブ101aの周方向において遠い他方の外側接続部161aと他方の内側接続部162aとを接続させる他方の連結腕部163aが設けられており、これら外側接続部161a、内側接続部162aおよび連結腕部163aが他方の支持部143aを構成している。
2か所の連結腕部163aは、外側環状部141の内周面および内側環状部142の外周面に沿って円弧状に延びており、外側環状部141および内側環状部142と同心の同一円上に配置されている。2か所の連結腕部163aは、外側環状部141の内周面からの径方向距離と、内側環状部142の外周面からの径方向距離とが同等になっている。
このような構成のディスクバルブ101aは、ディスクバルブ101と同様、2か所の支持部143aが、内側環状部142に対する外側環状部141の径方向の位置ずれを抑制しつつ、外側環状部141をフリーバルブと同様に動作させることが良好にできる。
また、上記ディスクバルブ101にかえて、例えば、図5に示すような変形例2のディスクバルブ101bを用いても良い。ディスクバルブ101bは、ディスクバルブ101と同様の外側環状部141および内側環状部142を有しており、支持部143とは一部異なる支持部143bを有している。
支持部143bは、ディスクバルブ101bにおいて1か所のみ設けられている。支持部143bは、ディスクバルブ101bの径方向において、中心よりも一側に配置された1か所の外側接続部161bを有しており、この外側接続部161bが外側環状部141と接続されている。外側接続部161bは、外側環状部141の内周縁部から外側環状部141の径方向内側に突出している。
また、支持部143bは、ディスクバルブ101bの径方向において、中心よりも同じ逆側、すなわち外側接続部161bとは反対側に、ディスクバルブ101bの周方向に間隔をあけて配置された2か所の内側接続部162bを有しており、これら内側接続部162bが内側環状部142と接続されている。2か所の内側接続部162bは、内側環状部142の径方向における中心よりも同じ逆側、すなわち外側接続部161bとは反対側に、内側環状部142の周方向に並んで配置されており、いずれも内側環状部142の外周縁部から内側環状部142の径方向外側に突出している。
2か所の内側接続部162bを結ぶ直線の中点から、この線に垂直な直線上に、ディスクバルブ101bの中心および外側接続部161bが配置されている。外側接続部161bと一方の内側接続部162bとの距離は、外側接続部161bと他方の内側接続部162bとの距離と同等になっている。この距離は、2か所の内側接続部162bを結ぶ距離よりも長い。
さらに、支持部143bは、1か所の外側接続部161bの外側環状部141とは反対側からディスクバルブ101の周方向両側に延出して、両側の内側接続部162に接続するように2か所の連結腕部163bが設けられている。すなわち、ディスクバルブ101bには、外側接続部161bと一方の内側接続部162bとを接続させる一方の連結腕部163bと、外側接続部161bと他方の内側接続部162bとを接続させる他方の連結腕部163bとが設けられている。
2か所の連結腕部163bは、外側環状部141の内周面および内側環状部142の外周面に沿う一つの円弧状に延びており、外側環状部141および内側環状部142と同心の同一円上に配置されている。2か所の連結腕部163bは、外側環状部141の内周面からの径方向距離と、内側環状部142の外周面からの径方向距離とが同等になっている。
このような構成のディスクバルブ101bは、ディスクバルブ101と同様、1か所の支持部143bが、内側環状部142に対する外側環状部141の径方向の位置ずれを抑制しつつ、外側環状部141をフリーバルブと同様に動作させることが良好にできる。
また、上記ディスクバルブ101にかえて、例えば、図6に示すような変形例3のディスクバルブ101cを用いても良い。ディスクバルブ101cは、ディスクバルブ101と同様の外側環状部141および内側環状部142を有しており、支持部143とは一部異なる支持部143cを有している。
支持部143cは、ディスクバルブ101cにおいて1か所のみ設けられている。支持部143cは、ディスクバルブ101cの径方向において、中心よりも一側に配置された1か所の外側接続部161cを有しており、この外側接続部161cが外側環状部141と接続されている。外側接続部161bは、外側環状部141の内周縁部から外側環状部141の径方向内側に突出している。
また、支持部143cは、ディスクバルブ101cの径方向において、中心よりも逆側、すなわち外側接続部161cとは反対側に配置された1か所の内側接続部162cを有しており、この内側接続部162cが内側環状部142と接続されている。1か所の内側接続部162cは、内側環状部142の外周縁部から内側環状部142の径方向外側に突出している。
1か所の外側接続部161cと1か所の内側接続部162bとは、ディスクバルブ101cの周方向において180度位相を異ならせている。言い換えれば、外側接続部161cとディスクバルブ101cの中心と内側接続部162cとを結ぶ線が直線状をなす。
さらに、支持部143cは、外側接続部161cの外側環状部141とは反対側からディスクバルブ101の周方向両側に延出して、内側接続部162cに接続するように2か所の連結腕部163cが設けられている。すなわち、ディスクバルブ101cには、一方で外側接続部161cと内側接続部162cとを接続させる一方の連結腕部163cと、他方で外側接続部161cと内側接続部162cとを接続させる他方の連結腕部163cとが設けられている。
2か所の連結腕部163cは、外側環状部141の内周面および内側環状部142の外周面に沿う一つの円形状に延びており、外側環状部141および内側環状部142と同心の同一円上に配置されている。2か所の連結腕部163cは、外側環状部141の内周面からの径方向距離と、内側環状部142の外周面からの径方向距離とが同等になっている。
このような構成のディスクバルブ101cは、ディスクバルブ101と同様、1か所の支持部143cが、内側環状部142に対する外側環状部141の径方向の位置ずれを抑制しつつ、外側環状部141をフリーバルブと同様に動作させることが良好にできる。
また、上記ディスクバルブ101にかえて、例えば、図7に示すような変形例4のディスクバルブ101dを用いても良い。ディスクバルブ101dは、ディスクバルブ101と同様の外側環状部141および内側環状部142を有しており、支持部143とは一部異なる2本の支持部143dを有している。
2本の支持部143dは、ディスクバルブ101dの中心を通る同一直線上に配置された2か所の外側接続部161dを有しており、これら外側接続部161dが外側環状部141と接続されている。2か所の外側接続部161dは、外側環状部141の周方向に180度位相を異ならせて配置されており、いずれも外側環状部141の内周縁部から外側環状部141の径方向内側に突出している。
また、2本の支持部143dは、ディスクバルブ101dの中心を通る同一直線上に配置された2か所の内側接続部162dを有しており、これらが内側環状部142と接続されている。2か所の内側接続部162dは、内側環状部142の周方向に180度位相を異ならせて配置されており、いずれも内側環状部142の外周縁部から内側環状部142の径方向外側に突出している。2か所の外側接続部161dは、いずれも、2か所の内側接続部162dのうちの一方とのディスクバルブ101dの周方向における距離が他方よりも近くなっている。言い換えれば、2か所の内側接続部162dは、いずれも、2か所の外側接続部161dのうちの一方とのディスクバルブ101dの周方向における距離が他方よりも近くなっている。
一方でディスクバルブ101dの周方向において近い外側接続部161dと内側接続部162dとの距離は、他方でディスクバルブ101dの周方向において近い外側接続部161dと内側接続部162dとの距離と同等になっている。
さらに、2本の支持部143dは、ディスクバルブ101dの周方向に近い外側接続部161dと内側接続部162dとを接続させるように2か所の連結腕部163dが設けられている。すなわち、ディスクバルブ101dには、一方でディスクバルブ101dの周方向において近い一方の外側接続部161dと一方の内側接続部162dとを接続させる一方の連結腕部163dが設けられており、これら外側接続部161d、内側接続部162dおよび連結腕部163dが一方の支持部143dを構成している。また、ディスクバルブ101dには、他方でディスクバルブ101dの周方向において近い他方の外側接続部161dと他方の内側接続部162dとを接続させる他方の連結腕部163dが設けられており、これら外側接続部161d、内側接続部162dおよび連結腕部163dが他方の支持部143dを構成している。
2か所の連結腕部163dは、2か所の外側円弧状部201と、2か所の折返部202と、2か所の内側円弧状部203とを有している。一方の連結腕部163dは、一方の外側円弧状部201と、一方の折返部202と、一方の内側円弧状部203とからなっており、他方の連結腕部163dは、他方の外側円弧状部201と、他方の折返部202と、他方の内側円弧状部203とからなっている。
一方の外側円弧状部201は、一方の外側接続部161dから、これに近い側の一方の内側接続部162dを越えて、他方の外側接続部161dの手前まで、外側環状部141の内周面および内側環状部142の外周面に沿って円弧状に延びている。一方の折返部202は、一方の外側円弧状部201の一方の外側接続部161dとは反対側の端部から内側環状部142側に折り返す。一方の内側円弧状部203は、一方の折返部202の一方の外側円弧状部201とは反対側の端部から、外側環状部141の内周面および内側環状部142の外周面とに沿って円弧状に延びて、一方の内側接続部162dに接続されている。
他方の外側円弧状部201は、他方の外側接続部161dから、これに近い側の他方の内側接続部162dを越えて、一方の外側接続部161dの手前まで、外側環状部141の内周面および内側環状部142の外周面に沿って円弧状に延びている。他方の折返部202は、他方の外側円弧状部201の他方の外側接続部161dとは反対側の端部から内側環状部142側に折り返す。他方の内側円弧状部203は、他方の折返部202の他方の外側円弧状部201とは反対側の端部から、外側環状部141の内周面および内側環状部142の外周面とに沿って円弧状に延びて、他方の内側接続部162dに接続されている。
一方の外側円弧状部201および他方の外側円弧状部201は、外側環状部141および内側環状部142と同心の一つの円上に配置されており、一方の内側円弧状部203および他方の内側円弧状部203は、外側環状部141および内側環状部142と同心の一つの円上に配置されている。
このような構成のディスクバルブ101dは、ディスクバルブ101と同様、2か所の支持部143dが、内側環状部142に対する外側環状部141の径方向の位置ずれを抑制しつつ、外側環状部141をよりフリーバルブに近い動作で動作させることが良好にできる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を主に図8,図9に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態の緩衝器1Aにおいては、図8に示すように、第1実施形態のピストンロッド21にかえて、これとは一部異なるピストンロッド21Aが用いられている。ピストンロッド21Aは、取付軸部28とは一部異なる取付軸部28Aを有しており、取付軸部28Aには、外周部の軸方向の中間位置に、軸方向に延在する通路切欠部211が形成されている。通路切欠部211は、例えば、取付軸部28Aの外周部を、取付軸部28Aの中心軸線に平行な面で平面状に切り欠いて形成されている。通路切欠部211は、取付軸部28Aの周方向の180度異なる二カ所の位置を平面状に平行に切り欠いて形成された、いわゆる二面幅の形状に形成できる。取付軸部28Aは、通路切欠部211以外の部分が円筒面となっている。
第2実施形態の緩衝器1Aにおいては、第1実施形態のピストン18にかえて、これとは一部異なるピストン18Aが用いられている。ピストン18Aは、第1実施形態の第1ピストン体33および第2ピストン体34とは異なるピストン本体212を有している。ピストン本体212は、金属製であり、その外周面に第1実施形態と同様の摺動部材35が装着されている。
ピストン本体212には、上室19と下室20とを連通可能な複数(図8では断面とした関係上一カ所のみ図示)の通路穴37Aと、上室19と下室20とを連通可能とする複数(図8では断面とした関係上一カ所のみ図示)の通路穴39Aとが設けられている。
複数の通路穴37Aは、ピストン本体212の円周方向において、それぞれ間に一カ所の通路穴39Aを挟んで等ピッチで形成されており、通路穴37A,39Aのうちの半数を構成する。複数の通路穴37Aは、2カ所の屈曲点を有するクランク形状であり、ピストン18Aの軸方向一側(図8の上側)がピストン18Aの径方向における外側に、ピストン18Aの軸方向他側(図8の下側)が一側よりもピストン18Aの径方向における内側に開口している。ピストン本体212には、軸方向の下室20側に、複数の通路穴37Aを連通させる円環状の環状溝40Aが形成されている。
環状溝40Aの下室20側には、環状溝40A内および複数の通路穴37A内の通路を開閉して減衰力を発生する第1減衰力発生機構41Aが設けられている。第1減衰力発生機構41Aが下室20側に配置されることで、複数の通路穴37A内および環状溝40A内の通路は、ピストン18Aの上室19側への移動、つまり伸び行程において上流側となる上室19から下流側となる下室20に向けて油液が流れ出す伸び側の通路となる。これら複数の通路穴37A内および環状溝40A内の通路に対して設けられた第1減衰力発生機構41Aは、伸び側の複数の通路穴37A内および環状溝40A内の通路から下室20への油液の流動を抑制して減衰力を発生する伸び側の減衰力発生機構となっている。
通路穴37A,39Aのうちの残りの半数を構成する通路穴39Aは、ピストン本体212の円周方向において、それぞれ間に一カ所の通路穴37Aを挟んで等ピッチで形成されている。複数の通路穴39Aは、2カ所の屈曲点を有するクランク形状であり、ピストン18Aの軸線方向他側(図8の下側)がピストン18Aの径方向における外側に、ピストン18Aの軸線方向一側(図8の上側)が他側よりもピストン18Aの径方向における内側に開口している。ピストン本体212には、軸方向の上室19側に複数の通路穴39Aを連通させる円環状の環状溝215が形成されている。
環状溝215の上室19側には、複数の通路穴39A内および環状溝215内の通路を開閉して減衰力を発生する第1減衰力発生機構42Aが設けられている。第1減衰力発生機構42Aが上室19側に配置されることで、複数の通路穴39A内および環状溝215内の通路は、ピストン18Aの下室20側への移動、つまり縮み行程において上流側となる下室20から下流側となる上室19に向けて油液が流れ出す縮み側の通路となる。これら複数の通路穴39A内および環状溝215内の通路に対して設けられた第1減衰力発生機構42Aは、縮み側の複数の通路穴39A内および環状溝215内の通路から上室19への油液の流動を抑制して減衰力を発生する縮み側の減衰力発生機構となっている。
ピストン本体212は、略円板形状をなしており、その径方向の中央には、ピストンロッド21Aの取付軸部28Aが挿入される挿入穴44Aが軸方向に貫通して形成されている。挿入穴44Aは、ピストンロッド21Aの取付軸部28Aを嵌合させる軸方向一側の小径穴部221と、小径穴部221よりも大径の軸方向他側の大径穴部222とを有している。
ピストン本体212の軸方向の下室20側の端部には、環状溝40Aの下室20側の開口よりも、ピストン本体212の径方向における内側に円環状の内側シート部46Aが形成されている。また、ピストン本体212の軸方向の下室20側の端部には、環状溝40Aの下室20側の開口よりも、ピストン本体212の径方向における外側に、第1減衰力発生機構41Aの一部を構成する円環状のバルブシート部47Aが形成されている。
ピストン本体212の軸方向の上室19側の端部には、環状溝215の上室19側の開口よりもピストン本体212の径方向における内側に円環状の内側シート部49Aが形成されている。また、ピストン本体212の軸方向の上室19側の端部には、環状溝215の上室19側の開口よりも、ピストン本体212の径方向における外側に、第1減衰力発生機構42Aの一部を構成する円環状のバルブシート部50Aが形成されている。
ピストン本体212の挿入穴44Aは、大径穴部222が、小径穴部221よりも軸方向の内側シート部46A側に設けられている。ピストン本体212の大径穴部222内の通路は、ピストンロッド21Aの通路切欠部211内の通路と軸方向の位置を重ね合わせて常時連通している。
ピストン本体212において、バルブシート部47Aよりも径方向外側は、バルブシート部47Aよりも軸線方向高さが低い段差状をなしており、この段差状の部分に縮み側の通路穴39Aの下室20側の開口が配置されている。また、同様に、ピストン本体212において、バルブシート部50Aよりも径方向外側は、バルブシート部50Aよりも軸線方向高さが低い段差状をなしており、この段差状の部分に伸び側の通路穴37Aの上室19側の開口が配置されている。
縮み側の第1減衰力発生機構42Aは、ピストン18Aのバルブシート部50Aを含んでおり、軸方向のピストン18A側から順に、一枚のディスク231と、いずれも第1実施形態と同様の複数枚のディスク63、複数枚のディスク64、一枚のディスク65、一枚のディスク66および一枚の環状部材67が設けられている。ディスク231も、金属製であり、内側にピストンロッド21Aの取付軸部28Aを嵌合可能な一定厚さの有孔円形平板状をなしている。
ディスク231は、ピストン18Aの内側シート部49Aの外径よりも大径であってバルブシート部50Aの内径よりも小径の外径となっており、内側シート部49Aに常時当接している。複数枚のディスク63は、ピストン18Aのバルブシート部50Aの外径と略同等の外径となっており、バルブシート部50Aに着座可能となっている。
第1実施形態と同様に、複数枚のディスク63および複数枚のディスク64が、撓み可能な縮み側のメインバルブ71を構成している。メインバルブ71は、バルブシート部50Aに離着座可能であり、バルブシート部50Aから離座することで、環状溝215内および複数の通路穴39A内の通路を上室19に連通させると共に、バルブシート部50Aとの間の油液の流れを抑制して減衰力を発生する。
開弁時に出現するメインバルブ71およびバルブシート部50Aの間の通路と、環状溝215内および複数の通路穴39A内の通路とが、ピストン18Aの下室20側への移動によりシリンダ2内の上流側となる下室20から下流側となる上室19に油液が流れ出す縮み側の第1通路235(通路)を構成している。よって、第1通路235は、ピストン18Aに形成されている。
減衰力を発生する縮み側の第1減衰力発生機構42Aは、メインバルブ71とバルブシート部50Aとを含んでおり、よって、第1通路235に設けられている。第1通路235は、バルブシート部50Aを含むピストン18Aに設けられており、ピストンロッド21Aおよびピストン18Aが縮み側に移動するときに油液が通過する。
ここで、縮み側の第1減衰力発生機構42Aには、バルブシート部50Aおよびこれに当接するメインバルブ71のいずれにも、これらが当接状態にあっても上室19と下室20とを連通させる固定オリフィスは形成されていない。すなわち、縮み側の第1減衰力発生機構42Aは、バルブシート部50Aおよびメインバルブ71が全周にわたって当接状態にあれば、上室19と下室20とを連通させることはない。言い換えれば、第1通路235は、上室19と下室20とを常時連通させる固定オリフィスが形成されておらず、上室19と下室20とを常時連通させる通路ではない。
伸び側の第1減衰力発生機構41Aは、ピストン18Aのバルブシート部47Aを含んでおり、軸方向のピストン18A側から順に、一枚のディスク241と、同一内径および同一外径の複数枚(具体的には五枚)のディスク242と、一枚のディスク243とを有している。ディスク241〜243は、いずれも金属製であり、いずれも内側にピストンロッド21Aの取付軸部28Aを嵌合可能な一定厚さの有孔円形平板状をなしている。
ディスク241は、ピストン18Aの内側シート部46Aの外径よりも大径であってバルブシート部47Aの内径よりも小径の外径となっており、内側シート部46Aに常時当接している。ディスク241には、図9に示すように、切欠部246が、径方向の内側シート部46Aよりも外側の途中位置から内周縁部まで形成されている。切欠部246は、環状溝40A内および複数の通路穴37A内の通路を、ピストン18Aの大径穴部222内の通路およびピストンロッド21Aの通路切欠部211内の通路に常時連通させる。切欠部246は、ディスク241のプレス成形時に形成されている。
図8に示すように、複数枚のディスク242は、ピストン18Aのバルブシート部47Aの外径と略同等の外径となっており、バルブシート部47Aに着座可能となっている。ディスク243は、ディスク242の外径よりも小径であってピストン18Aの内側シート部46Aの外径よりも小径の外径となっている。
薄い金属板からなる複数枚のディスク242が、撓み可能であってバルブシート部47Aに離着座可能な伸び側のメインバルブ91Aを構成している。メインバルブ91Aは、バルブシート部47Aから離座することで、環状溝40A内および複数の通路穴37A内の通路を下室20に連通させると共に、バルブシート部47Aとの間の油液の流れを抑制して減衰力を発生する。
開弁時に出現するメインバルブ91Aおよびバルブシート部47Aの間の通路と、環状溝40A内および複数の通路穴37A内の通路とが、ピストン18Aの上室19側への移動によりシリンダ2内の上流側となる上室19から下流側となる下室20に油液が流れ出す伸び側の第1通路251(通路)を構成している。よって、第1通路251は、ピストン18Aに形成されている。
減衰力を発生する伸び側の第1減衰力発生機構41Aは、メインバルブ91Aとバルブシート部47Aとを含んでおり、よって、第1通路251に設けられている。第1通路251は、バルブシート部47Aを含むピストン18Aに設けられており、ピストンロッド21Aおよびピストン18Aが伸び側に移動するときに油液が通過する。
伸び側の第1減衰力発生機構41Aには、バルブシート部47Aおよびこれに当接するメインバルブ91Aのいずれにも、これらが当接状態にあっても上室19と下室20とを連通させる固定オリフィスは形成されていない。すなわち、伸び側の第1減衰力発生機構41Aは、バルブシート部47Aおよびメインバルブ91Aが全周にわたって当接状態にあれば、上室19と下室20とを連通させることはない。言い換えれば、第1通路251は、上室19と下室20とを常時連通させる固定オリフィスは形成されておらず、上室19と下室20とを常時連通させる通路ではない。
ディスク243の軸方向のピストン18Aとは反対側に、ケース部材261が設けられている。ケース部材261は、金属製であり、内側にピストンロッド21Aの取付軸部28Aを嵌合可能な円環状をなしている。
ケース部材261は、有底筒状の一体成形品であり、有孔円板状の底部111Aと、底部111Aの外周縁部から、底部111Aの軸方向一側に突出する円環状の外側筒部112Aと、底部111Aの内周縁部から、外側筒部112Aと同側に突出する円環状の内側筒部113Aと、底部111Aの内周縁部から、内側筒部113Aとは逆側に突出する円環状の内側筒部263と、を有している。外側筒部112Aと内側筒部113Aと内側筒部263とは、同軸状に配置されており、外側筒部112Aは、内側筒部113Aよりも底部111Aからの軸方向長さが長くなっている。言い換えれば、外側筒部112Aは、ケース部材261において、軸方向の最も底部111Aとは反対側の部分を構成している。ケース部材261は、内側筒部263および底部111Aが、外側筒部112Aおよび内側筒部113Aよりもピストン18A側に位置する向きで配置されており、同一円筒面をなす底部111Aの内周面および内側筒部113A,263の内周面において取付軸部28Aに嵌合している。
外側筒部112Aは全周にわたって連続する円環状をなしており、内周面が、底部111Aから軸方向に離れるほど大径となるテーパ面となっている。外側筒部112Aの外周面は、底部111Aの外周面と同一の円筒面を構成している。外側筒部112Aの軸方向における底部111Aとは反対側の先端面は、ケース部材261の中心軸線に直交する平面となっている。
外側筒部112Aの先端面および内周面の境界側の角縁部は、円環状をなしており、ディスクバルブ101が離着座する第1バルブシート121A(バルブシート)となっている。よって、第1バルブシート121Aは、ケース部材261の外側筒部112Aに環状に形成されている。
内側筒部113Aは、外周面が、底部111Aから軸方向に離れるほど小径となるテーパ面となっており、その軸方向における底部111Aとは反対側の先端面が、ケース部材261の中心軸線に直交する平面となっている。内側筒部113Aには、先端面に開口し径方向に貫通する通路溝271が周方向に間隔をあけて複数形成されている。よって、内側筒部113Aは全周にわたって連続する形状ではなく、周方向に断続的に形成されている。内側筒部263は、その軸方向の底部111Aとは反対側の先端面がケース部材261の中心軸線に直交して広がっており、この先端面の外径がディスク243の外径と同等になっている。
ケース部材261は、その径方向の中央に、底部111A、内側筒部113A,263を軸方向に貫通して、ピストンロッド21Aの取付軸部28Aおよびネジ軸部31が挿通される挿通穴273が形成されている。ケース部材261は、内側筒部263および底部111Aが外側筒部112および内側筒部113Aよりもピストン18A側に位置する向きとされており、挿通穴273において取付軸部28Aに嵌合して取付軸部28Aに対して径方向に位置決めされる。挿通穴273の内周面に、複数の通路溝271がすべて開口している。複数の通路溝271内の通路は、ピストンロッド21Aの通路切欠部211内の通路と軸方向の位置を重ね合わせて常時連通している。
ケース部材261の軸方向のピストン18Aとは反対側には、いずれも第1実施形態と同様の、一枚のディスクバルブ101、一枚のディスク102、一枚のディスク103、一枚のディスク104、複数枚(具体的には二枚)のディスク106および環状部材107が、ピストンロッド21Aの取付軸部28Aをそれぞれの内側に嵌合させて、この順に設けられている。そして、ピストンロッド21Aの環状部材107よりも突出するネジ軸部31のオネジ32にナット131が螺合されている。ディスク102〜104は、軸方向においてケース部材261の底部111Aに近いほど外径が大径となっている。
ディスク102の外径は、ケース部材261の外側筒部112Aの先端面の内径、言い換えれば、第1バルブシート121Aの内径よりも小径となっている。また、ディスク102の底部111A側の端面は、ケース部材261の外側筒部112Aの先端面、言い換えれば、第1バルブシート121Aの底部111Aとは反対側の先端面よりも、軸方向において若干底部111A側に配置されている。
ディスク102〜104は、第1実施形態と同様、ディスクバルブ101が離着座する第2バルブシート135を構成している。第2バルブシート135は、ディスク102の軸方向のケース部材261側の円環状の外周部に、ディスクバルブ101が離着座する。第2バルブシート135はピストンロッド21Aを径方向内側に挿通させている。
第2バルブシート135は、ケース部材261の第1バルブシート121Aに対して、径方向内側に離間して配置されており、軸方向の底部111A側に位置している。ケース部材261の第1バルブシート121Aは、第2バルブシート135と比べて剛性が高く、基本的に撓むことはない。
ディスク106は、ケース部材261の内側筒部113Aの底部111Aとは反対側の先端面の外径より若干大径の外径となっている。
ディスクバルブ101は、内側環状部142の内側にピストンロッド21Aの取付軸部28Aを嵌合させている。内側環状部142の外径は、ケース部材261の内側筒部113Aの先端面の外径よりも大径になっている。ディスクバルブ101は、内側環状部142が、ディスク102〜104とともに、ケース部材261の内側筒部113Aとディスク106とで軸方向にクランプされる。
外側環状部141は、外径がケース部材261の外側筒部112Aの先端面の内径、すなわち第1バルブシート121Aの直径よりも大径となっている。外側環状部141の外径、すなわちディスクバルブ101の外径は、メインバルブ91Aの外径よりも大径となっている。
外側環状部141は、ケース部材261の第1バルブシート121Aに、外周側の外周側離接部151が離接可能となっている。外側環状部141は、外周側離接部151が、全周にわたって第1バルブシート121Aに着座すると第1バルブシート121Aとの隙間を閉塞し、第1バルブシート121Aから離座すると第1バルブシート121Aとの隙間を開放する。
また、外側環状部141は、第1実施形態と同様、第2バルブシート135のディスク102に、内周側の内周側離接部152が離接可能となっている。外側環状部141は、内周側離接部152が、全周にわたって第2バルブシート135に着座すると第2バルブシート135との隙間を閉塞し、第2バルブシート135から離座すると第2バルブシート135との隙間を開放する。
よって、ディスクバルブ101は、ケース部材261の第1バルブシート121Aに、外側環状部141の外周側の外周側離接部151が離接可能に配置されている。また、第2バルブシート135は、ディスクバルブ101の軸方向の第1バルブシート121Aとは反対側に設けられ、ディスクバルブ101の外側環状部141の外周側離接部151よりも径方向内側の内周側離接部152を離接可能に支持している。ディスクバルブ101は、第2バルブシート135に、外側環状部141の内周側の内周側離接部152が離接可能に配置されている。
ディスクバルブ101と、ケース部材261の底部111A、外側筒部112Aおよび内側筒部113Aとが、これらの内側にケース内室275を形成している。ケース内室275は、内側筒部113Aの通路溝271内の通路を介して通路切欠部211内の通路に常時連通している。よって、ケース内室275は、通路溝271内の通路と、ピストンロッド21Aの通路切欠部211内の通路と、ピストン18Aの大径穴部222内の通路と、ディスク241の切欠部246内の通路と、ピストン18Aの環状溝40A内および複数の通路穴37A内の通路とを介して、図8に示す上室19に常時連通している。
ディスクバルブ101の外側環状部141の内周側離接部152を含む内周側は、第1実施形態と同様、第2バルブシート135に離着座可能なサブバルブ171を構成している。サブバルブ171は、第2バルブシート135から離座することで、第2バルブシート135との隙間と、ディスクバルブ101の外側環状部141および内側環状部142の間の通路とを介して下室20とケース内室275とを連通させ、よって、下室20を上室19に連通させる。このとき、サブバルブ171は、第2バルブシート135との間の油液の流れを抑制して減衰力を発生する。サブバルブ171は、ケース内室275へ下室20から油液を第2バルブシート135との隙間を介して流入させる際に開く流入バルブであり、ケース内室275から下室20への第2バルブシート135との隙間を介しての油液の流出を規制する弁である。
開弁時に出現するサブバルブ171および第2バルブシート135の間の通路と、ディスクバルブ101の外側環状部141および内側環状部142の間の通路と、ケース内室275と、ケース部材261の通路溝271内の通路と、ピストンロッド21Aの通路切欠部211内の通路と、ピストン18Aの大径穴部222内の通路と、ディスク241の切欠部246内の通路と、環状溝40A内および複数の通路穴37A内の通路とが、ピストン18Aの下室20側への移動によりシリンダ2内の上流側となる下室20から下流側となる上室19に油液が流れ出す第2通路172A(通路)を構成している。第2通路172Aは、ピストン18Aの下室20側への移動、つまり縮み行程において上流側となる下室20から下流側となる上室19に向けて油液が流れ出す縮み側の通路となる。
第2通路172Aは、ピストンロッド21Aを切り欠いて形成される通路切欠部211内の通路を含んでおり、言い換えれば、その一部がピストンロッド21Aを切り欠いて形成されている。ピストンロッド21Aを切り欠いて形成する以外にも、ピストンロッド21Aの内部を穴状に貫通する通路を形成しても良い。
サブバルブ171と、第2バルブシート135とが、縮み側の第2通路172Aに設けられ、この第2通路172Aを開閉し、この第2通路172Aから上室19への油液の流動を抑制して減衰力を発生する縮み側の第2減衰力発生機構173Aを構成している。縮み側の第2減衰力発生機構173Aを構成するサブバルブ171は縮み側のサブバルブである。サブバルブ171と第2バルブシート135とからなる第2減衰力発生機構173Aは、ピストンロッド21Aを径方向内側に挿通させており、2つの上室19および下室20のうちの一方の下室20側に配置されている。
第2通路172Aにおいて、第2減衰力発生機構173Aが開状態にあるときに、図9に示すディスク241の切欠部246内の通路が、流路断面積が固定の部分の中で最も狭くなって前後よりも絞られることになり、第2通路172Aにおけるオリフィス175Aとなる。オリフィス175Aは、サブバルブ171が開弁し、第2通路172Aで油液が流れる際の油液の流れのサブバルブ171よりも下流側に配置されている。言い換えれば、図8に示すように、オリフィス175Aは、第2通路172Aにおけるサブバルブ171よりも上室19側に配置されている。
縮み側の第2減衰力発生機構173Aは、第2バルブシート135およびこれに当接するサブバルブ171のいずれにも、これらが当接状態にあっても上室19と下室20とを連通させる固定オリフィスは形成されていない。すなわち、縮み側の第2減衰力発生機構173Aは、第2バルブシート135およびサブバルブ171が全周にわたって当接状態にあれば、上室19と下室20とを連通させることはない。言い換えれば、第2通路172Aは、上室19と下室20とを常時連通させる固定オリフィスは形成されておらず、上室19と下室20とを常時連通させる通路ではない。
上室19と下室20とを連通可能な縮み側の第2通路172Aは、同じく上室19と下室20とを連通可能な縮み側の通路である第1通路235と並列しており、第1通路235に第1減衰力発生機構42Aが、第2通路172Aに第2減衰力発生機構173Aがそれぞれ設けられている。よって、いずれも縮み側の第1減衰力発生機構42Aおよび第2減衰力発生機構173Aは、並列に配置されている。
ディスクバルブ101の外側環状部141の外周側離接部151を含む外周側は、第1バルブシート121Aに離着座可能なサブバルブ181を構成している。サブバルブ181は、上室19および下室20のうちの下室20側に設けられており、下室20およびケース内室275のうちの下室20側に設けられている。
サブバルブ181は、第1バルブシート121Aから離座することで、第1バルブシート121Aとの隙間を介してケース内室275と下室20とを連通させることにより、上室19を下室20に連通させる。このとき、サブバルブ181は、第1バルブシート121Aとの間の油液の流れを抑制して減衰力を発生する。サブバルブ181は、ケース内室275内から油液を下室20に、第1バルブシート121Aとの隙間を介して排出する際に開く排出バルブであり、下室20からケース内室275内への第1バルブシート121Aとの隙間を介しての油液の流入を規制する弁である。
ピストン18Aの複数の通路穴37A内の通路および環状溝40A内と、ディスク241の切欠部246内の通路と、ピストン18Aの大径穴部222内の通路と、ピストンロッド21Aの通路切欠部211内の通路と、ケース部材261の通路溝271内の通路と、ケース内室275と、開弁時に出現するサブバルブ181および第1バルブシート121Aの間の通路とが、ピストン18Aの上室19側への移動によりシリンダ2内の上流側となる上室19から下流側となる下室20に油液が流れ出す第2通路182A(通路)を構成している。第2通路182Aは、ピストン18Aの上室19側への移動、つまり伸び行程において上流側となる上室19から下流側となる下室20に向けて油液が流れ出す伸び側の通路となる。
第2通路182Aは、ピストンロッド21Aを切り欠いて形成される通路切欠部211内の通路を含んでおり、言い換えれば、その一部がピストンロッド21Aを切り欠いて形成されている。ピストンロッド21Aを切り欠いて形成する以外にも、ピストンロッド21Aの内部を穴状に貫通する通路を形成しても良い。
サブバルブ181と、ケース部材261の外側筒部112Aに形成された環状の第1バルブシート121Aとが、伸び側の第2通路182Aに設けられ、この第2通路182Aを開閉し、この第2通路182Aから下室20への油液の流動を抑制して減衰力を発生する伸び側の第2減衰力発生機構183Aを構成している。言い換えれば、この第2減衰力発生機構183Aは、第1バルブシート121Aがケース部材261に設けられている。伸び側の第2減衰力発生機構183Aを構成するサブバルブ181は伸び側のサブバルブである。サブバルブ181と第1バルブシート121Aとからなる第2減衰力発生機構183Aは、ピストンロッド21Aを径方向内側に挿通させており、2つの上室19および下室20のうちの一方の下室20側に配置されている。
第2通路182Aにおいて、第2減衰力発生機構183Aが開状態にあるときに、図9に示すディスク241の切欠部246内の通路が、流路断面積が固定の部分の中で最も狭くなって前後よりも絞られることになり、第2通路182Aにおいてもオリフィス175Aとなる。オリフィス175Aは、第2通路172A,182Aに共通である。オリフィス175Aは、サブバルブ181が開弁して第2通路182Aで油液が流れる際の油液の流れのサブバルブ181よりも上流側に配置されている。言い換えれば、オリフィス175Aは、図8に示すように、第2通路182Aにおけるサブバルブ181よりも上室19側に配置されている。オリフィス175Aは、第1減衰力発生機構41Aを構成する部品のうちの、ピストン18Aに当接するディスク241を切り欠いて形成されている。
伸び側の第2減衰力発生機構183Aは、第1バルブシート121Aおよびこれに当接するサブバルブ181のいずれにも、これらが当接状態にあっても上室19と下室20とを連通させる固定オリフィスは形成されていない。すなわち、伸び側の第2減衰力発生機構183Aは、第1バルブシート121Aおよびサブバルブ181が全周にわたって当接状態にあれば、上室19と下室20とを連通させることはない。言い換えれば、第2通路182Aは、上室19と下室20とを常時連通させる固定オリフィスは形成されておらず、上室19と下室20とを常時連通させる通路ではない。
緩衝器1Aは、少なくともピストン18A内で軸方向に油液を通過させる流れとしては、上室19と下室20とが、第1減衰力発生機構41A,42Aおよび第2減衰力発生機構173A,183Aを介してのみ連通可能である。よって、緩衝器1Aは、少なくともピストン18A内を軸方向に通過する油液の通路上には、上室19と下室20とを常時連通させる固定オリフィスは設けられていない。
上室19と下室20とを連通可能な伸び側の第2通路182Aは、同じく上室19と下室20とを連通可能な伸び側の通路である第1通路251と、上室19側の複数の通路穴37A内および環状溝40A内の通路を除いて並列しており、並列部分には、第1通路251に第1減衰力発生機構41Aが、第2通路182Aに第2減衰力発生機構183Aがそれぞれ設けられている。よって、いずれも伸び側の第1減衰力発生機構41Aおよび第2減衰力発生機構183Aは、並列に配置されている。
以上により、第2減衰力発生機構173A,183Aは、底部111Aと外側筒部112Aと内側筒部113Aとを有する有底筒状のケース部材261の外側筒部112Aに形成された環状の第1バルブシート121Aと、第1バルブシート121Aに外周側の外周側離接部151が離接可能に配置される環状のディスクバルブ101と、ディスクバルブ101の第1バルブシート121Aとは反対側に設けられ、ディスクバルブ101の外周側離接部151よりも径方向内側の内周側離接部152を離接可能に支持する第2バルブシート135と、を備えている。第2減衰力発生機構173Aは、第2通路172Aの端部位置に設けられており、第2減衰力発生機構183Aは、第2通路182Aの端部位置に設けられている。
ピストンロッド21Aにピストン18A等を組み付ける場合、ピストンロッド21Aのネジ軸部31および取付軸部28Aを挿通させながら、軸段部29に、環状部材67と、ディスク66と、ディスク65と、複数枚のディスク64と、複数枚のディスク63と、ディスク231と、ピストン18Aとを順に重ねる。このとき、ピストン18Aは、小径穴部221が大径穴部222よりも軸段部29側に位置する向きとされて取付軸部28Aに嵌合される。加えて、ネジ軸部31および取付軸部28Aを挿通させながら、ピストン18Aに、ディスク241と、複数枚のディスク242と、ディスク243と、ケース部材261とを順に重ねる。このとき、ケース部材261は、内側筒部263および底部111Aが外側筒部112Aおよび内側筒部113Aよりも軸段部29側に位置する向きとされる。加えて、ネジ軸部31および取付軸部28Aを挿通させながら、ケース部材261に、ディスクバルブ101と、ディスク102と、ディスク103と、ディスク104と、複数枚のディスク106と、環状部材107とを順に重ねる。
この状態で、環状部材107よりも突出するピストンロッド21Aのネジ軸部31のオネジ32にナット131を螺合させて、ナット131と軸段部29とで、これらの少なくとも内周側を軸方向にクランプする。
この状態で、メインバルブ71は、ディスク231を介してピストン18Aの内側シート部49Aとディスク65とに内周側がクランプされるとともに、ピストン18Aのバルブシート部50Aに全周にわたって当接する。また、この状態で、メインバルブ91Aは、ディスク241を介してピストン18Aの内側シート部46Aとディスク243とに内周側がクランプされるとともに、ピストン18Aのバルブシート部47Aに全周にわたって当接する。
また、この状態で、ディスクバルブ101と、第2バルブシート135を構成するディスク102〜104とが、ケース部材261の内側筒部113Aとディスク106とに内周側がクランプされる。このとき、ディスクバルブ101は、内側環状部142においてクランプされることになり、図4に示す支持部143および外側環状部141はクランプされない。それとともに、図8に示すように、外側環状部141のサブバルブ171が内周側離接部152において、第2バルブシート135にピストン18A側から全周にわたって当接し、外側環状部141のサブバルブ181が外周側離接部151において、第1バルブシート121Aにピストン18Aと反対側から全周にわたって当接する。
ここで、上記したように、第2バルブシート135は、第1バルブシート121Aよりも軸方向の若干底部111A側、すなわちピストン18A側に位置しているため、第1バルブシート121Aおよび第2バルブシート135に同時に当接する外側環状部141は、径方向内側ほど軸方向においてピストン18Aに近づくようにテーパ状に弾性変形する。言い換えれば、外側環状部141は、第1バルブシート121A側の外周側離接部151が、第2バルブシート135側の内周側離接部152よりも軸方向においてピストン18Aとは反対側に位置するようにテーパ状に弾性変形する。
いずれも伸び側の第1減衰力発生機構41Aおよび第2減衰力発生機構183Aのうち、第1減衰力発生機構41Aのメインバルブ91Aは、複数枚のディスク242が積層されて構成されているため、一枚のディスクバルブ101からなる第2減衰力発生機構183Aのサブバルブ181よりも剛性が高く開弁圧が高い。よって、伸び行程において、ピストン速度が所定値よりも低速の極微低速領域では第1減衰力発生機構41Aは閉弁した状態で第2減衰力発生機構183Aが開弁する。また、ピストン速度がこの所定値以上の通常速度領域では、第1減衰力発生機構41Aおよび第2減衰力発生機構183Aがともに開弁することになる。言い換えれば、第1減衰力発生機構41Aは、第1通路251に設けられ、ピストン速度が低速の領域では閉弁し、ピストン速度が低速よりも大きい速度領域では開弁する。また、第2減衰力発生機構183Aは、第2通路182Aに設けられ、ピストン速度が低速の領域から開弁する。サブバルブ181は、ピストン速度が極微低速の領域で開弁して減衰力を発生させる極微低速バルブである。
すなわち、伸び行程においては、ピストン18Aが上室19側に移動することで上室19の圧力が高くなり、下室20の圧力が低くなるが、第1減衰力発生機構41A,42Aおよび第2減衰力発生機構173A,183Aのいずれにも固定オリフィスがないため、第2減衰力発生機構183Aが開弁するまで油液は流れない。このため、ピストン速度が、第5所定値未満での伸び行程においては、減衰力は急激に立ち上がる。また、ピストン速度が、第2減衰力発生機構183Aが開弁する第5所定値よりも高速の領域であって、第5所定値よりも高速の第6所定値よりも低速の極微低速領域では、第1減衰力発生機構41Aは閉弁した状態で第2減衰力発生機構183Aが開弁する。
つまり、サブバルブ181が第1バルブシート121Aから離座して、伸び側の第2通路182Aで上室19と下室20とを連通させる。よって、上室19の油液が、ピストン18Aの複数の通路穴37A内および環状溝40A内の通路と、オリフィス175Aと、ピストン18Aの大径穴部222内の通路と、ピストンロッド21Aの通路切欠部211内の通路と、ケース部材261の通路溝271内の通路と、ケース内室275と、サブバルブ181および第1バルブシート121Aの間の通路とを介して下室20に流れる。これにより、ピストン速度が第6所定値よりも低速の極微低速領域でも、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する特性)の減衰力が得られる。
また、伸び行程において、ピストン速度が第6所定値以上の通常速度領域では、第2減衰力発生機構183Aが開弁した状態のまま、第1減衰力発生機構41Aが開弁する。つまり、サブバルブ181が第1バルブシート121Aから離座して、伸び側の第2通路182Aで上室19から下室20に油液を流すことになるが、このとき、第2通路182Aにおいてメインバルブ91Aよりも下流側に設けられたオリフィス175Aで油液の流れが絞られることにより、メインバルブ91Aに加わる圧力が高くなって差圧が高まり、メインバルブ91Aがバルブシート部47Aから離座して、伸び側の第1通路251で上室19から下室20に油液を流す。よって、上室19の油液が、複数の通路穴37A内および環状溝40A内の通路と、メインバルブ91Aおよびバルブシート部47Aの間の通路とを介して下室20に流れる。これにより、ピストン速度が第6所定値以上の通常速度領域でも、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が得られる。
通常速度領域におけるピストン速度の増加に対する伸び側の減衰力の増加率は、極微低速領域におけるピストン速度の増加に対する伸び側の減衰力の増加率よりも低くなる。言い換えれば、通常速度領域におけるピストン速度の上昇に対する伸び側の減衰力の増加率の傾きを、極微低速領域よりも寝かせることができる。
ここで、伸び行程において、ピストン速度が第6所定値以上の通常速度領域では、上室19と下室20との差圧は、第5所定値以上第6所定値未満の低速領域よりも大きくなるが、第1通路251にはオリフィスによる絞りがないため、メインバルブ91Aが開弁することで油液を第1通路251を介して大流量で流すことができる。これと、第2通路182Aをオリフィス175Aで絞ることとにより、外側環状部141のサブバルブ181側の変形を抑制することができる。
また、このとき、閉状態のサブバルブ171には下室20とケース内室275とから反対向きの圧力が加わることになる。上室19と下室20との差圧が大きくなっても、下室20とケース内室275とは、サブバルブ181が開くことで連通しており、また、第2通路182Aにおいてサブバルブ171よりも上流側にオリフィス175Aが形成されているため、ケース内室275の圧力上昇が上室19の圧力上昇に対して緩やかになり、ケース内室275と下室20との圧力差が大きくなることを抑制する。よって、外側環状部141の閉状態のサブバルブ171側が受けるケース内室275と下室20との圧力差が大きくなることを抑制でき、外側環状部141のサブバルブ171側にケース内室275側から下室20側に向けた大きな背圧が加わることを抑制できる。よって、外側環状部141のサブバルブ171側の変形を抑制することができる。
緩衝器1Aは、伸び行程で上室19から下室20に油液を流す流路を第1通路251と第2通路182Aとの並列で設け、メインバルブ91Aとサブバルブ181とを並列で設けている。また、オリフィス175Aはサブバルブ181と直列に接続されている。
以上のように、伸び行程において、ピストン速度が第6所定値以上の通常速度領域では、メインバルブ91Aが開弁することで油液を第1通路251を介して大流量で流すことができる。これにより、サブバルブ181および第1バルブシート121Aの間の通路を流れる流量が小さくなる。このため、サブバルブ181のバルブ剛性を下げることができる。よって、例えば、ピストン速度が通常速度領域でのピストン速度の上昇に対する減衰力の増加率を下げること等ができる。言い換えれば、通常速度領域におけるピストン速度の上昇に対する伸び側の減衰力の増加率の傾きを、極微低速領域よりも寝かせることができる。これにより、設計自由度を拡大することができる。
いずれも縮み側の第1減衰力発生機構42Aおよび第2減衰力発生機構173Aのうち、第1減衰力発生機構42Aのメインバルブ71は、複数枚のディスク63,64が積層されて構成されているため、一枚のディスクバルブ101からなる第2減衰力発生機構173Aのサブバルブ171よりも剛性が高く開弁圧が高い。よって、縮み行程において、ピストン速度が所定値よりも低速の極微低速領域では第1減衰力発生機構42Aは閉弁した状態で第2減衰力発生機構173Aが開弁し、ピストン速度がこの所定値以上の通常速度領域では、第1減衰力発生機構42Aおよび第2減衰力発生機構173Aがともに開弁することになる。言い換えれば、第1減衰力発生機構42Aは、第1通路235に設けられ、ピストン速度が低速の領域では閉弁し、ピストン速度が低速よりも大きい速度領域では開弁する。また、第2減衰力発生機構173Aは、第2通路172Aに設けられ、ピストン速度が低速の領域から開弁する。サブバルブ171は、ピストン速度が極微低速の領域で開弁して減衰力を発生させる極微低速バルブである。
すなわち、縮み行程においては、ピストン18Aが下室20側に移動することで下室20の圧力が高くなり、上室19の圧力が低くなるが、第1減衰力発生機構41A,42Aおよび第2減衰力発生機構173A,183Aのいずれにも固定オリフィスがないため、第2減衰力発生機構173Aが開弁するまで、油液は流れない。このため、減衰力は急激に立ち上がる。ピストン速度が、第2減衰力発生機構173Aが開弁する第7所定値よりも高速の領域であって、第7所定値よりも高速の第8所定値よりも低速の極微低速領域では、第1減衰力発生機構42Aは閉弁した状態で第2減衰力発生機構173Aが開弁する。
つまり、サブバルブ171が第2バルブシート135から離座して、縮み側の第2通路172Aで下室20と上室19とを連通させる。よって、下室20の油液が、サブバルブ171および第2バルブシート135の間の通路と、ディスクバルブ101の外側環状部141および内側環状部142の間の通路と、ケース内室275と、ケース部材261の通路溝271内の通路と、ピストンロッド21Aの通路切欠部211内の通路と、ピストン18Aの大径穴部222内の通路と、オリフィス175Aと、ピストン18Aの環状溝40A内および複数の通路穴37A内の通路とを介して上室19に流れる。これにより、ピストン速度が第8所定値よりも低速の極微低速領域でも、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する特性)の減衰力が得られる。
また、縮み行程において、ピストン速度が上記第8所定値以上の通常速度領域では、第2減衰力発生機構173Aが開弁した状態のまま、第1減衰力発生機構42Aが開弁する。つまり、サブバルブ171が第2バルブシート135から離座して、縮み側の第2通路172Aで下室20から上室19に油液を流すことになるが、このとき、第2通路172Aはオリフィス175Aで油液の流量が絞られていることから、メインバルブ71に生じる差圧が大きくなり、メインバルブ71がバルブシート部50Aから離座して、縮み側の第1通路235で下室20から上室19に油液を流す。よって、下室20の油液が、複数の通路穴39A内および環状溝215内の通路と、メインバルブ71およびバルブシート部50Aの間の通路とを介して流れる。これにより、ピストン速度が第8所定値以上の通常速度領域でも、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が得られる。
通常速度領域におけるピストン速度の増加に対する縮み側の減衰力の増加率は、極微低速領域におけるピストン速度の増加に対する縮み側の減衰力の増加率よりも低くなる。言い換えれば、通常速度領域におけるピストン速度の上昇に対する縮み側の減衰力の増加率の傾きを、極微低速領域よりも寝かせることができる。
縮み行程において、ピストン速度が第8所定値以上の通常速度領域では、下室20と上室19との差圧は低速領域よりも大きくなるが、第1通路235はオリフィスによる絞りがないため、メインバルブ71が開弁することで油液を第1通路235を介して大流量で流すことができる。これにより、サブバルブ171を流れる流量が小さくなるため、サブバルブ171のバルブ剛性を下げることができる。よって、ピストン速度が通常速度領域での減衰力を下げること等ができ、設計自由度を拡大することができる。
また、このとき(ピストン速度が速い場合)、下室20と上室19との差圧は大きくなるものの、第2通路172Aをオリフィス175Aで絞ることにより、上室19にオリフィス175Aを介して連通するケース内室275内の圧力は、下室20と上室19との間の圧力となるので、下室20との差圧が大きくなり過ぎることを抑制できる。これと、メインバルブ71が開弁することで油液を第1通路235を介して大流量で流すことができることとによって、外側環状部141のサブバルブ171側の変形を抑制することができる。
また、このとき、閉状態のサブバルブ181には下室20とケース内室275とから反対向きの圧力が加わることになるが、下室20と上室19との差圧は大きいものの、下室20とケース内室275とは、サブバルブ171が開くことで連通しており、ケース内室275と上室19との間にオリフィス175Aが設けられているため、ケース内室275内の圧力が低下し過ぎることを抑制でき、下室20の圧力上昇に合わせてケース内室275の圧力も上昇させることができる。よって、サブバルブ181の上流側と下流側の面に生じる差圧が小さく、外側環状部141のサブバルブ181側に下室20側からケース内室275側に向けた大きな背圧が加わることを抑制できる。
以上の緩衝器1Aは、縮み行程で下室20から上室19に油液を流す流路を第1通路235と第2通路172Aとの並列で設け、メインバルブ71とサブバルブ171とを並列で設けている。また、オリフィス175Aは、第2通路172Aにおいてサブバルブ171と直列に接続されている。
なお、縮み行程においては、減衰バルブ機構197による減衰力特性も合わせた特性となる。
伸び行程において、ピストン速度が第6所定値以上の通常速度領域では上室19と下室20との差圧が大きくなるが、サブバルブ181の開弁で下室20とケース内室275とは連通しており、しかもサブバルブ171よりも上流側に形成されたオリフィス175Aでケース内室275の圧力上昇を抑えることができるため、外側環状部141のサブバルブ171側の背圧による変形を抑制することができる。また、縮み行程において、ピストン速度が第8所定値以上の通常速度領域では下室20と上室19との差圧は低速領域よりも大きくなるが、第1通路235で油液を大流量で流すことと、第2通路172Aのサブバルブ171よりも下流側をオリフィス175Aで絞ることとにより、サブバルブ171の変形を抑制することができる。よって、サブバルブ171の耐久性を向上させることができる。
伸び行程において、ピストン速度が第6所定値以上の通常速度領域では上室19と下室20との差圧は低速領域よりも大きくなるが、第1通路251で油液を大流量で流すことと、第2通路182Aをオリフィス175Aで絞ることとにより、外側環状部141のサブバルブ181側の変形を抑制することができる。また、縮み行程において、ピストン速度が第8所定値以上の通常速度領域では下室20と上室19との差圧が大きくなるが、サブバルブ171の開弁で下室20とケース内室275とは連通しており、しかもケース内室275は上室19との間に設けられたオリフィス175Aで上室19への油液の流れが絞られる。このため、下室20とケース内室275との差圧は小さく、外側環状部141のサブバルブ181側の背圧による変形を抑制することができる。よって、サブバルブ181の耐久性を向上させることができる。
縮み行程および伸び行程で独立した第2減衰力発生機構173A,183Aを有するため、減衰力特性の設定の自由度が高くなる。
第2実施形態の緩衝器1Aは、第1実施形態と同様のディスクバルブ101が設けられているため、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、緩衝器1Aは、伸び行程で開弁する2つの第1減衰力発生機構41Aおよび第2減衰力発生機構183Aを有し、縮み行程で開弁する2つの第1減衰力発生機構42Aおよび第2減衰力発生機構173Aを有している。このような構成であっても、第2減衰力発生機構173A,183Aが、底部111Aと外側筒部112Aとを有する有底筒状のケース部材261の外側筒部112Aに形成された環状の第1バルブシート121Aと、ケース部材261の第1バルブシート121Aに外周側の外周側離接部151が離接可能に配置される環状のディスクバルブ101と、ディスクバルブ101の第1バルブシート121Aとは反対側に設けられ、ディスクバルブ101の外周側離接部151よりも径方向内側の内周側離接部152を離接可能に支持する第2バルブシート135と、を備える構造となっている。このため、構造の簡素化を図ることが可能となり、部品点数の低減および軸方向長さの長大化を抑制できる。
また、第2通路182Aのサブバルブ181が開弁する伸び行程時の流れのサブバルブ181よりも上流側にオリフィス175Aを配置している。これにより、縮み行程時に下室20からサブバルブ171を開いてケース内室275内に流れ、上室19へ流れる油液の流れをオリフィス175Aが絞ることになる。このため、ケース内室275と下室20との差圧が小さくなり、下室20から背圧を受ける閉状態のサブバルブ181が、ケース内室275から下室20と同等の圧力を受けることになって、受ける背圧(差圧)が抑制されることになる。よって、サブバルブ181の耐久性を向上させることができる。
オリフィス175Aが、伸び側の第1減衰力発生機構41Aのうち、ピストン18Aに当接するディスク241を切り欠いて形成されているため、オリフィス175Aを容易に形成することができる。
第2通路172A,182Aは、それぞれの一部がピストンロッド21Aを切り欠いて形成されているため、第2通路172A,182Aを容易に形成することができる。
また、ケース内室275と下室20の差圧が、伸縮両行程において、大きくならないので、ディスクバルブ101として薄板のプレス部品を用いることが可能となり、ディスクバルブ101の製造性および軽量化の面で有利である。
なお、第2実施形態においても、ディスクバルブ101にかえて、上記したディスクバルブ101a〜101dのいずれか一つを選択して適用することが可能である。
以上に述べた実施形態の第1の態様は、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に設けられ、該シリンダ内を2室に区画するピストンと、前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、前記ピストンの移動により前記シリンダ内の上流側となる前記室から下流側となる前記室に作動流体が流れ出す通路と、前記通路に設けられ、ピストン速度が低速の領域では閉弁し、ピストン速度が低速よりも大きい速度領域では開弁する第1減衰力発生機構と、前記通路に設けられ、ピストン速度が低速の領域から開弁する第2減衰力発生機構と、を有し、前記第2減衰力発生機構は、環状のバルブシートと、前記バルブシートに離接可能に配置される環状のディスクバルブと、を備え、前記ディスクバルブは、前記バルブシートに離接可能に配置される外側環状部と、前記ピストンロッドに嵌合する内側環状部と、前記外側環状部と前記内側環状部とを接続する支持部と、を有する。これにより、生産性の低下を抑制することが可能となる。
第2の態様は、第1の態様において、前記第1減衰力発生機構と前記第2減衰力発生機構とは、直列に配置されている。
第3の態様は、第1の態様において、前記第1減衰力発生機構と前記第2減衰力発生機構とは、並列に配置されている。
1,1A 緩衝器
2 シリンダ
18,18A ピストン
19 上室
20 下室
21,21A ピストンロッド
41,41A,42,42A 第1減衰力発生機構
101,101a〜101d ディスクバルブ
121,121A 第1バルブシート(バルブシート)
135 第2バルブシート(バルブシート)
141 外側環状部
142 内側環状部
143,143a〜143d 支持部
172,174,182 通路
172A,182A 第2通路(通路)
173,173A,183,183A 第2減衰力発生機構
235,251 第1通路(通路)

Claims (3)

  1. 作動流体が封入されるシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動可能に設けられ、該シリンダ内を2室に区画するピストンと、
    前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、
    前記ピストンの移動により前記シリンダ内の上流側となる前記室から下流側となる前記室に作動流体が流れ出す通路と、
    前記通路に設けられ、ピストン速度が低速の領域では閉弁し、ピストン速度が低速よりも大きい速度領域では開弁する第1減衰力発生機構と、
    前記通路に設けられ、ピストン速度が低速の領域から開弁する第2減衰力発生機構と、
    を有し、
    前記第2減衰力発生機構は、
    環状のバルブシートと、
    前記バルブシートに離接可能に配置される環状のディスクバルブと、
    を備え、
    前記ディスクバルブは、
    前記バルブシートに離接可能に配置される外側環状部と、
    前記ピストンロッドに嵌合する内側環状部と、
    前記外側環状部と前記内側環状部とを接続する支持部と、
    を有することを特徴とする緩衝器。
  2. 前記第1減衰力発生機構と前記第2減衰力発生機構とは、直列に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 前記第1減衰力発生機構と前記第2減衰力発生機構とは、並列に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
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