JP2020200146A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】清掃部材の長寿命化を図りつつ、より簡易な制御で搬送ローラを清掃することが可能な技術を提供する。【解決手段】画像形成装置1は、搬送ローラ70を清掃する清掃部材2の状態を、当該清掃部材2が搬送ローラ70に対して離間した離間状態と当該清掃部材2が搬送ローラ70に対して接触した接触状態との2つの状態の間で切り替えることによって、当該清掃部材2による搬送ローラ70の清掃動作を制御する制御部を備える。当該制御部は、印刷ジョブが受け付けられた後において、当該印刷ジョブにおける1枚目の出力用紙(第1出力用紙PA1)が搬送ローラ70の配置位置に到達する前の所定のタイミングで、当該清掃部材2の状態を離間状態から接触状態へと切り替えて清掃動作を実施する。【選択図】図3
Description
本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、感光体上に形成されたトナー像を出力用紙に転写した後、出力用紙上のトナー像を定着器で加熱することによって、出力用紙上に画像が形成される。
ところで、印刷ジョブにおける1枚目の出力用紙(第1出力用紙とも称する)に、トナーに含まれるワックスと紙粉とが混ざった汚れが付着することがある。このような事象は、次述するように、定着器の下流側に配置された搬送ローラ(排紙ローラ)上の付着物が当該第1出力用紙に転移することで発生する。
具体的には、印刷ジョブの実行中において、定着器を通過した後の高温の出力用紙が当該搬送ローラを通過することによって、当該搬送ローラの温度が徐々に上昇する。そして、搬送ローラの温度が、出力用紙上のトナーに含まれるワックス(一定程度以上の粘度を有するワックス)の溶融温度を超えると、当該ワックスと出力用紙上の紙粉とを含む汚れが出力用紙から搬送ローラに転移(付着)する。その後、印刷ジョブが終了して搬送ローラの温度が一定程度よりも低くなると、ワックスの粘度が低下し、搬送ローラ(摩擦抵抗を低下させる加工処理が表面に施された搬送ローラ)上の付着物が当該搬送ローラから剥がれやすい状態になる。この状態において、新たな印刷ジョブが受け付けられて当該新たな印刷ジョブにおける第1出力用紙が搬送ローラを通過すると、当該搬送ローラ上の付着物(トナーに含まれるワックスと紙粉とが混ざった汚れ)が当該第1出力用紙に転移する。
このような問題(搬送ローラ上の付着物が出力用紙に転移する問題)の発生を防止するための技術が存在する。
たとえば、特許文献1には、排紙ローラを清掃する清掃部材を当該排紙ローラに常時接触させておくことによって、排紙ローラ上の付着物を除去し、当該付着物が排紙ローラから出力用紙に転移することを防止すること、が示されている。
また、特許文献2には、印刷出力された用紙枚数(印刷量)をカウントしておくとともに、排紙ローラ上の付着物の量(付着物量)を当該印刷量に基づいて推定し、推定した付着物量が基準量を上回ることを条件に排紙ローラの清掃動作を実施すること、が示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、清掃部材が常に搬送ローラに接触した状態を有しているため、清掃部材と搬送ローラとの間の摩擦に起因して当該清掃部材の清掃機能が早期に低下し、清掃部材の交換頻度が高い(清掃部材の寿命が短い)という問題がある。
また、特許文献2に記載の技術では、搬送ローラ上の付着物量を推定し、当該搬送ローラ上の付着物量の推定結果と基準量とを比較して搬送ローラの清掃動作の実施の是非を判断する処理が実行されており、搬送ローラの清掃動作に際して複雑な制御が行われている。
そこで、本発明は、清掃部材の長寿命化を図りつつ、より簡易な制御で搬送ローラを清掃することが可能な技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、画像形成装置であって、出力用紙上に形成されたトナー像を加熱して出力用紙に定着させる定着器と、前記定着器よりも搬送方向下流側に配置されるとともに、前記定着器を通過した後の出力用紙を更に下流側へと搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラに接触することによって前記搬送ローラを清掃する清掃部材と、前記清掃部材の状態を、前記清掃部材が前記搬送ローラに対して離間した離間状態と前記清掃部材が前記搬送ローラに対して接触した接触状態との2つの状態の間で切り替えることによって、前記清掃部材による前記搬送ローラの清掃動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、印刷ジョブが受け付けられた後において、当該印刷ジョブにおける1枚目の出力用紙である第1出力用紙が前記搬送ローラの配置位置に到達する前の所定のタイミングで、前記清掃部材の状態を前記離間状態から前記接触状態へと切り替えて前記清掃動作を実施することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る画像形成装置において、前記定着器と前記搬送ローラとは、同一モータの駆動によって動作しており、前記所定のタイミングは、前記印刷ジョブが受け付けられた後において前記第1出力用紙の下流側先端部分が前記定着器の配置位置に到達する前のタイミングであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る画像形成装置において、前記搬送ローラは、駆動ローラと従動ローラとを有し、前記接触状態は、前記清掃部材が前記搬送ローラの前記従動ローラに対して接触した状態であり、前記制御手段は、前記所定のタイミングの後において前記第1出力用紙の下流側先端部分が前記搬送ローラの配置位置に到達する前に、前記清掃部材の状態を前記接触状態から前記離間状態に戻すことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記印刷ジョブは、前記画像形成装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後における最初の印刷ジョブであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記印刷ジョブは、前記画像形成装置がスリープ状態から通常状態に遷移した後における最初の印刷ジョブであることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記制御手段は、前記印刷ジョブが受け付けられた際に前記定着器の温度が所定値よりも低い場合に、前記印刷ジョブの受付後における前記所定のタイミングで前記清掃部材の状態を前記離間状態から前記接触状態へと切り替えて前記清掃動作を実施することを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る画像形成装置において、用紙搬送経路を切り替える経路切替部材、をさらに備え、前記清掃部材の状態は、前記経路切替部材の経路切替動作と連動して切り替えられることを特徴とする。
請求項1から請求項7に記載の発明によれば、清掃部材の状態が搬送ローラに対して離間状態と接触状態との間で切り替えられるので、清掃部材が常に搬送ローラに対して接触状態を有する場合と比較して、清掃部材の長寿命化を図ることが可能である。また、印刷ジョブが受け付けられた後において1枚目の出力用紙が搬送ローラの配置位置に到達する前の所定のタイミングで搬送ローラの清掃動作が実施されるので、印刷出力された用紙枚数に基づき搬送ローラ上の付着物量を推定して当該搬送ローラ上の付着物量の推定結果と基準量とに基づき当該清掃動作の実施の是非を判断すること、を要さず、より簡易な制御で搬送ローラを清掃することが可能である。
特に、請求項2に記載の発明によれば、印刷ジョブが受け付けられた後において当該印刷ジョブの第1出力用紙の下流側先端部分が定着器の配置位置に到達する前に、清掃部材の状態が離間状態から接触状態に切り替えられるので、第1出力用紙の下流側先端部分が定着器に到達して当該定着器を通過している最中に搬送ローラへの清掃部材の接触が発生すること、を回避することが可能である。したがって、当該第1出力用紙が定着器を通過している最中における用紙搬送速度の低下に起因して当該第1出力用紙に紙しわが発生すること、を防止することが可能である。
また特に、請求項3に記載の発明によれば、印刷ジョブの第1出力用紙の下流側先端部分が搬送ローラの配置位置に到達する前に、清掃部材の状態が接触状態から離間状態に戻されるので、第1出力用紙が当該搬送ローラを通過する際には、当該搬送ローラにおける従動ローラが、清掃部材の接触による抵抗を受けることなく当該搬送ローラにおける駆動ローラの周速度と略同一の周速度で回転する。したがって、搬送ローラにおける駆動ローラの周速度と従動ローラの周速度との相違に起因する用紙搬送不良の発生を防止することが可能である。
また特に、請求項4および請求項5に記載の発明によれば、印刷ジョブが受け付けられる度に搬送ローラの清掃動作が行われる場合と比較して、搬送ローラの清掃動作を効率的に行うことが可能である。
また特に、請求項6に記載の発明によれば、印刷ジョブが受け付けられた際に定着器の温度が所定値よりも低い場合に、当該印刷ジョブの受付後において第1出力用紙が搬送ローラの配置位置に到達する前の所定のタイミングで当該搬送ローラの清掃動作が実施されるので、印刷ジョブが受け付けられる度に清掃動作が行われる場合と比較して、搬送ローラ上の付着物が第1出力用紙に転移する事象の発生タイミングをより正確に特定した上で、搬送ローラの清掃動作を実施することが可能である。
また特に、請求項7に記載の発明によれば、清掃部材の状態が経路切替部材の経路切替動作と連動して切り替えられるので、清掃部材の状態を切り替えるための新たな部材を別途用意することを要しない。したがって、清掃部材の状態切替動作を低コストで実現することが可能である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.装置概要>
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す図である。
<1−1.装置概要>
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す図である。
画像形成装置1は、像担持体上の静電潜像を現像して画像を形成する装置である。ここでは、画像形成装置として、電子写真方式の印刷出力装置、より詳細にはタンデム方式のフルカラー印刷出力装置を例示する。
画像形成装置1は、ネットワーク等を介して接続された他の情報処理装置(パーソナルコンピュータ等)から伝送されてきた画像データに基づく画像を、後述の印刷機構を用いて印刷出力することによって、カラーページプリンタとして機能する。また、画像形成装置1は、スキャナ部(不図示)により読み取られた原稿に関する画像データを、当該印刷機構を用いて印刷出力することによって、コピー装置としても機能する。
図1に示されるように、画像形成装置1は、複数(具体的には4つ)のイメージングユニット10(詳細には、10Y,10M,10C,10K)を備えている。具体的には、画像形成装置1は、イエローのイメージングユニット10Yと、マゼンタのイメージングユニット10Mと、シアンのイメージングユニット10Cと、ブラックのイメージングユニット10Kとを備えている。各イメージングユニット10は、それぞれ、最終出力画像のうちの各色成分(具体的には、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の各成分)の画像を電子写真方式によって形成し、中間転写ベルト(中間転写体とも称される)21に転写する。そして、中間転写ベルト21上に重畳された各色成分の画像が、搬送経路R10を通過するシート状の用紙(転写材とも称する)PAにさらに転写されることによって、用紙(出力用紙)PAにフルカラー画像が形成される。なお、中間転写ベルト21は、各感光体11(後述)から転写されたトナー画像を一時的に担持する像担持体であるとも表現される。
4つのイメージングユニット10(10Y,10M,10C,10K)は、ローラ23とローラ24とに巻き掛けられた中間転写ベルト21の下側直線部分の主に下部において、当該下側直線部分に沿って直列に配置されている。各イメージングユニット10は、それぞれ、感光体11と帯電器12と露光器13と現像器14と第1転写器(1次転写器)15とイレーサ(除電器)16とクリーナ17とを有している。詳細には、各イメージングユニット10において、略円柱状の感光体11の外周を囲むように、帯電器12と露光器13と現像器14と第1転写器15とイレーサ16とクリーナ17とがこの順序で時計回りに配置されている。このうち、第1転写器(詳細には転写ローラ(1次転写ローラ))15は、中間転写ベルト21を隔てて、感光体11と対向する位置に配置されている。
中間転写ベルト21は、ローラ23の駆動によって矢印A1の向き(図1)に移動する。また、ローラ23に対向する位置には、中間転写ベルト21を隔てて、第2転写器(転写ローラ(2次転写ローラ))43が設けられている。転写ローラ43による電圧印加に応じて、中間転写ベルト21上のトナー画像(フルカラートナー画像等)が出力用紙PAに転写される。
また、ローラ23および転写ローラ43の位置を通過した出力用紙PAの搬送方向下流側には、出力用紙PA上に形成されたトナー像を加熱(および加圧)して当該トナー像を出力用紙PAに定着させる定着器(定着部)50が設けられている。定着器50は、駆動ローラ51と従動ローラ52との一対のローラによって構成されている。定着器50の駆動ローラ51は、モータ5(図4)の駆動によって動作する。
また、定着器50の搬送方向下流側には、定着器50を通過した後の出力用紙PAを更に下流側へと搬送する搬送ローラ(排紙ローラ)70が設けられている。当該排紙ローラ70は、駆動ローラ71と従動ローラ72との一対のローラによって構成されている。排紙ローラ70の駆動ローラ71は、定着器50(詳細には、定着器50の駆動ローラ51)を動作させるモータ5(図4)と同じモータの駆動によって動作する。
さらに、排紙ローラ70の搬送方向下流側には、排紙トレイ61が設けられている。
また、各イメージングユニット10および転写ローラ43の下側(搬送経路上において上流側)には複数の給紙部30が設けられている。各給紙部30は、給紙トレイ31とピックアップローラ32と給紙ローラ33とサバキローラ34とを備えており、タイミングローラ41および転写ローラ43に向けて、用紙PAを供給することが可能である。
また、画像形成装置1は、コントローラ(制御部)90(図1参照)を備えている。
コントローラ90は、画像形成装置1に内蔵され、画像形成装置1を統括的に制御する制御装置である。コントローラ90は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM等)とを備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ90は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体、あるいはネットワーク等を介して画像形成装置1にインストールされてもよい。
図2に示すように、コントローラ90は、当該プログラムの実行により、切替制御部91を含む各種の処理部を実現する。
切替制御部91は、後述する清掃部材2(図3等参照)による排紙ローラ70の清掃動作を制御する処理部である。具体的には、切替制御部91は、当該清掃部材2の状態を離間状態(次述)と接触状態との2つの状態の間で切り替えることによって、排紙ローラ70の清掃動作を制御する。離間状態は、清掃部材2が排紙ローラ70に対して離間した状態(図6参照)であり、接触状態は、清掃部材2が排紙ローラ70に対して接触した状態(図7参照)である。
<1−2.清掃部材について>
画像形成装置1には、排紙ローラ70(詳細には、排紙ローラ70における従動ローラ72)に接触することによって当該排紙ローラ70を清掃する清掃部材2(図3参照)が設けられている。詳細には、清掃部材2は、排紙ローラ70上の付着物(トナーに含まれるワックスと紙粉とが混ざった汚れ)を当該排紙ローラ70から除去することが可能な部材である。
画像形成装置1には、排紙ローラ70(詳細には、排紙ローラ70における従動ローラ72)に接触することによって当該排紙ローラ70を清掃する清掃部材2(図3参照)が設けられている。詳細には、清掃部材2は、排紙ローラ70上の付着物(トナーに含まれるワックスと紙粉とが混ざった汚れ)を当該排紙ローラ70から除去することが可能な部材である。
清掃部材2は、三角柱以上の多角柱状(ここでは四角柱状)に形成されている。なお、これに限定されず、清掃部材2が円柱状に形成されていてもよい。清掃部材2は、排紙ローラ70(詳細には、排紙ローラ70における従動ローラ72)に対して平行に設けられており、清掃部材2の長手方向(排紙ローラ70の軸方向に平行な方向)の長さは、当該排紙ローラ70(従動ローラ72)の長手方向(軸方向)の長さと略同一である。
また、清掃部材2における排紙ローラ70(詳細には従動ローラ72)との接触面には、ここでは、シート状のフェルト材が貼り付けられている。なお、これに限定されず、清掃部材2における排紙ローラ70との接触面にブラシ等が設けられていてもよい。
清掃部材2は、排紙ローラ70に対して離間状態と接触状態との2つの状態のいずれかを有している。清掃部材2の状態は、次述するように、用紙搬送経路R10(図1)を切り替える経路切替部材(反転切替爪)8の切替動作(経路切替動作)と連動して切り替えられる(図6および図7参照)。
図6および図7は、清掃部材2と経路切替部材8との連携動作を示す模式図である。詳細には、図6は、清掃部材2が排紙ローラ70に対して離間した状態を示す模式図であり、図7は、清掃部材2が排紙ローラ70に対して接触した状態を示す模式図である。
まず、経路切替部材8の経路切替動作について説明する。
経路切替部材8は、出力用紙PAの搬送経路R10(図1)を通常搬送経路R11(次述)と反転用搬送経路R12との2つの経路の間で切り替える部材である。通常搬送経路R11(R10)は、経路切替部材8を通過した出力用紙PAを排紙トレイ61へと搬送する経路である。反転用搬送経路R12(R10)は、経路切替部材8を通過した出力用紙PAを両面印刷用経路へと搬送する経路(出力用紙PAの向きを反転させる経路)である。
経路切替部材8の経路切替動作は、直動アクチュエータ(ここではソレノイドアクチュエータ80)(図6および図7参照)を用いて実行される。
具体的には、経路切替部材8は、軸部8Aを回転支点として回転可能に設けられているとともに、図6および図7に示されるように、経路切替部材8の先端部分8Bが、レバー(連結部材)82を介してソレノイドアクチュエータ80のプランジャー81の先端部分81Bに連結されている。詳細には、レバー82の一方端部分82Cは経路切替部材8の先端部分8Bに連結され、レバー82の他方端部分82Bはソレノイドアクチュエータ80のプランジャー81の先端部分81Bに連結されている。経路切替部材8の先端部分8Bとプランジャー81の先端部分81Bとは、それぞれ、レバー82に対して回転可能に設けられている。
そして、次述するように、ソレノイドアクチュエータ80の状態がオフ状態(図6)とオン状態(図7)との間で切り替えられることによって、用紙搬送経路R10が通常搬送経路R11と反転用搬送経路R12との間で切り替えられる。なお、経路切替部材8の経路切替動作は、切替制御部91によって実行される。
まず、用紙搬送経路R10を通常搬送経路R11(図6)から反転用搬送経路R12(図7)に切り替える動作について説明する。
ソレノイドアクチュエータ80がオフ状態を有する場合、プランジャー81は、ソレノイドアクチュエータ80の本体の外方に引き出された状態(図6参照)を有する。この場合、図6に示されるように、経路切替部材8の先端部分8Bがレバー82(一方端部分82C)によって押し上げられた状態となり、通常搬送経路R11が用紙搬送経路R10として利用される。
この状態においてソレノイドアクチュエータ80がオフ状態からオン状態に切り替えられる(遷移する)と、プランジャー81がソレノイドアクチュエータ80の本体の内方に引き込まれる(図7参照)。これに応じて、レバー82におけるプランジャー81の先端部分81Bとの連結部分82Bが図7の左側に移動し、経路切替部材8の先端部分8Bがレバー82によって図7の左下側に引っ張られて(引き下げられて)経路切替部材8が軸部8Aを中心に回転する。これにより、用紙搬送経路R10が通常搬送経路R11から反転用搬送経路R12に切り替えられる(図7参照)。
つぎに、用紙搬送経路R10を反転用搬送経路R12から通常搬送経路R11に切り替える動作について説明する。
ソレノイドアクチュエータ80がオン状態からオフ状態に切り替えられると、プランジャー81がソレノイドアクチュエータ80の本体の外方に引き出される(図6参照)。これに応じて、レバー82におけるプランジャー81の先端部分81Bとの連結部分82Bが図6の右側に移動し、経路切替部材8の先端部分8Bがレバー82(一方端部分82C)によって図6の右上側に押し上げられて経路切替部材8が軸部8Aを中心に回転する。これにより、用紙搬送経路R10が反転用搬送経路R12から通常搬送経路R11に切り替えられる(図6参照)。
このように、ソレノイドアクチュエータ80のオン状態/オフ状態の切替動作に応じて、経路切替部材8の経路切替動作が行われる。
清掃部材2の状態は、このような経路切替部材8の経路切替動作と連動して切り替えられる。換言すれば、経路切替部材8の経路切替動作と清掃部材2の状態切替動作とは、同一のソレノイドアクチュエータ80を用いて切り替えられる。これによれば、清掃部材2の状態を切り替えるための新たな部材(ソレノイドアクチュエータ)を別途用意することを要さず(部材の共通化を図ることができ)、清掃部材2の状態切替動作を低コストで実現することが可能である。
具体的には、清掃部材2は、図6および図7に示されるように、レバー(連結部材)83,84を介してソレノイドアクチュエータ80のプランジャー81の先端部分81Bに連結されている。より具体的には、レバー83は、軸部83Aを回転支点として回転可能に設けられている。レバー83の一方端部分83Bは清掃部材2(清掃部材2の背面側)に連結され、レバー83の他方端部分83Cはレバー84の一方端部分84Cに連結されている。当該レバー83の他方端部分(レバー84との連結部分)83Cは、レバー84の一方端部分84Cに対して回転可能に設けられている。また、レバー84の他方端部分84Bは、ソレノイドアクチュエータ80のプランジャー81の先端部分81Bに連結されており、当該プランジャーの先端部分81Bに対して回転可能に設けられている。
そして、ソレノイドアクチュエータ80の状態がオフ状態(図6)とオン状態(図7)との間で切り替えられることによって、清掃部材2の状態が離間状態と接触状態との間で切り替えられる。
まず、清掃部材2の状態を離間状態(図6)から接触状態(図7)に切り替える動作について説明する。
ソレノイドアクチュエータ80がオフ状態を有する場合(プランジャー81がソレノイドアクチュエータ80の本体の外方に引き出された状態を有する場合)、清掃部材2は、排紙ローラ70(詳細には、従動ローラ72)に対して離間状態を有する(図6参照)。
この状態においてソレノイドアクチュエータ80がオフ状態からオン状態に遷移してプランジャー81がソレノイドアクチュエータ80本体の内方に引き込まれる(図7参照)と、レバー84におけるプランジャー81との連結部分84Bが図7の左側に移動する。これに応じて、レバー83がレバー83の軸部83Aを中心に図7において時計回りに回転し、清掃部材2が排紙ローラ70の従動ローラ72に接触する(図7参照)。
つぎに、清掃部材2の状態を接触状態(図7)から離間状態(図6)に切り替える動作について説明する。
ソレノイドアクチュエータ80がオン状態からオフ状態に遷移してプランジャー81がソレノイドアクチュエータ80本体の外方に引き出される(図6参照)と、レバー84におけるプランジャー81との連結部分84Bが図6の右側に移動する。これに応じて、レバー83が軸部83Aを中心に図6において反時計回りに回転し、清掃部材2が排紙ローラ70の従動ローラ72から離間する(図6参照)。
このように、ソレノイドアクチュエータ80のオン状態/オフ状態の切替動作に応じて、経路切替部材8の経路切替動作が行われるとともに、清掃部材2の状態切替動作が行われる。
<1−3.排紙ローラの清掃動作の実行制御>
つぎに、排紙ローラ70の清掃動作(換言すれば、清掃部材2の状態切替動作)の実行制御について説明する。
つぎに、排紙ローラ70の清掃動作(換言すれば、清掃部材2の状態切替動作)の実行制御について説明する。
ここにおいて、上述したように、印刷ジョブにおける1枚目の出力用紙(第1出力用紙とも称する)PA1が排紙ローラ70を通過する際に、排紙ローラ70上の付着物(トナーに含まれるワックスと紙粉とが混ざった汚れ)が出力用紙PAに転移する事象が生じ易い。逆に言えば、印刷ジョブにおける2枚目以降の出力用紙PAが排紙ローラ70を通過する際には、排紙ローラ70上の付着物が出力用紙PAに転移する事象はあまり生じない。
この点を考慮して、印刷ジョブにおける第1出力用紙PA1が排紙ローラ70を通過する際に、排紙ローラ70の清掃動作(排紙ローラ70上の付着物の除去動作)が実行される。
具体的には、印刷ジョブが受け付けられた後において、当該印刷ジョブにおける第1出力用紙PA1が排紙ローラ70の配置位置に到達する前の所定のタイミングで、清掃部材2の状態が排紙ローラ70に対して離間状態から接触状態に切り替えられて、排紙ローラ70の清掃動作が実行される(図3参照)。
ここでは、印刷ジョブが受け付けられる度に、各印刷ジョブが受け付けられてから各印刷ジョブにおける第1出力用紙PA1が排紙ローラ70の配置位置に到達する前までの間に排紙ローラ70の清掃動作が実行される。
図8は、排紙ローラ70の清掃動作に関するフローチャートである。
まず、ステップS11において、切替制御部91は印刷ジョブを待機する。そして、印刷ジョブが受け付けられると、処理はステップS11からステップS12へと進む。なお、印刷ジョブが受け付けられた時点において、清掃部材2は、排紙ローラ70に対して離間状態(図6参照)を有しており、排紙ローラ70の清掃動作は未だ開始されていない。
ステップS12において、切替制御部91は、搬送対象の出力用紙PA(搬送対象用紙)が、受け付けられた印刷ジョブにおける1枚目の出力用紙(第1出力用紙)PA1であるか否か、を判定する。
たとえば、印刷ジョブが受け付けられた後において最初の出力用紙PA(第1出力用紙PA1)が給紙トレイ31から給紙されて用紙搬送経路R10上を搬送されてくると、搬送対象用紙が第1出力用紙PA1である旨がステップS12にて判定される。そして、処理はステップS12からステップS13へと進み、排紙ローラ70の清掃動作が実施される(ステップS13〜S16)。
一方、印刷ジョブにおける2枚目以降の出力用紙PAが用紙搬送経路R10上を搬送されてくる場合は、搬送対象用紙が第1出力用紙PA1でない旨がステップS12にて判定される。そして、排紙ローラ70の清掃動作が実施されることなく、図8の動作は終了する。
ステップS13において、切替制御部91は、第1出力用紙PA1の下流側先端部分が定着器50の手前(搬送方向上流側)の所定位置Q1(図4)に到達したか否か、を判定する。
この判定動作には、用紙検出センサ6(図4参照)が用いられる。
用紙検出センサ6は、排紙ローラ70よりも搬送方向上流側(ここでは、定着器50よりも搬送方向上流側)の所定位置(用紙搬送経路R10上の所定位置)Q1に出力用紙PAの下流側先端部分が到達したことを検出することが可能である。当該用紙検出センサ6としては、搬送中の出力用紙PAとの機械的な接触を検知する接触式センサ(図4参照)が例示される。なお、これに限定されず、当該用紙検出センサ6は、非接触式センサであってもよい。非接触式センサとしては、光反射型センサ等が例示される。
第1出力用紙PA1の下流側先端部分が所定位置Q1(ここでは、用紙検出センサ6の配置位置)に到達する(図4参照)と、出力用紙PAを検出した旨の信号(検出結果)が用紙検出センサ6から切替制御部91へと送信される。そして、切替制御部91は、当該検出結果に基づいて、第1出力用紙PA1の下流側先端部分が所定位置Q1に到達した旨をステップS13にて判定する。換言すれば、切替制御部91は、第1出力用紙PA1が排紙ローラ70の配置位置に到達する前の所定のタイミング(ここでは、第1出力用紙PA1の下流側先端部分が所定位置Q1に到達したタイミング)が到来した旨を判定する。そして、処理はステップS13からステップS14へと進む。
ステップS14において、切替制御部91は、清掃部材2の状態を離間状態(図6)から接触状態(図7)へと切り替えて排紙ローラ70の清掃動作を実施する。換言すれば、排紙ローラ70の清掃動作が開始される。
具体的には、切替制御部91は、ソレノイドアクチュエータ80の状態をオフ状態(図6)からオン状態(図7)へと切り替える。これに応じて、上述したように、ソレノイドアクチュエータ80のプランジャー81がソレノイドアクチュエータ80本体の内方へと引き込まれ、経路切替部材8の先端部分8Bが引き下げられる(用紙搬送経路R10が反転用搬送経路R12に切り替えられる)とともに、清掃部材2の状態が離間状態から接触状態へと切り替えられる(図7参照)。
そして、清掃部材2によって排紙ローラ70(詳細には、排紙ローラ70の従動ローラ72)の清掃が実施される。詳細には、清掃部材2(詳細には、清掃部材2における排紙ローラ70との接触面に設けられたシート状のフェルト材)が排紙ローラ70の表面に接触した状態で当該排紙ローラ70が回転することによって、当該排紙ローラ70上の付着物が除去される。
その後、切替制御部91は、第1出力用紙PA1の下流側先端部分が排紙ローラ70のの手前の位置Q2(図5参照)に到達したか否か、を判定する(ステップS15)。
具体的には、定着器50手前の所定位置Q1(図4)から排紙ローラ70手前の位置Q2(次述)までの距離Dと用紙搬送速度Vとに基づいて、当該距離Dでの用紙搬送に要する時間T10(=D/V)が予め算出される。当該位置Q2は、排紙ローラ70の配置位置から所定程度(たとえば10ミリメートル程度)上流側の位置(用紙搬送経路R10上の位置)である。そして、第1出力用紙PA1の下流側先端部分が定着器50手前の所定位置Q1に到達した時点T1から当該時間T10が経過したことに基づいて、切替制御部91は、第1出力用紙PA1の下流側先端部分が排紙ローラ70手前の位置Q2に到達した旨をステップS15にて判定する。そして、処理はステップS15からステップS16へと進む。
ステップS16において、切替制御部91は、清掃部材2の状態を排紙ローラ70に対して接触状態から離間状態に戻して(再び切り替えて)、排紙ローラ70の清掃動作を終了する。
具体的には、切替制御部91は、ソレノイドアクチュエータ80の状態をオン状態(図7)からオフ状態(図6)に切り替える。これに応じて、上述したように、ソレノイドアクチュエータ80のプランジャー81がソレノイドアクチュエータ80本体の外方に引き出され、経路切替部材8の先端部分8Bが押し上げられる(用紙搬送経路R10が通常搬送経路R11に切り替えられる)とともに、清掃部材2の状態が接触状態から離間状態へと切り替えられる(図6参照)。
<1−4.第1実施形態の効果>
以上のように、第1実施形態では、清掃部材2の状態が排紙ローラ70に対して離間状態(図6)と接触状態(図7)との間で切り替えられるので、清掃部材2が常に排紙ローラ70に対して接触状態を有する場合と比較して、清掃部材2の長寿命化を図ることが可能である。
以上のように、第1実施形態では、清掃部材2の状態が排紙ローラ70に対して離間状態(図6)と接触状態(図7)との間で切り替えられるので、清掃部材2が常に排紙ローラ70に対して接触状態を有する場合と比較して、清掃部材2の長寿命化を図ることが可能である。
また、第1実施形態では、印刷ジョブが受け付けられた後において当該印刷ジョブにおける1枚目の出力用紙PA1が排紙ローラ70の配置位置に到達する前の所定のタイミングで排紙ローラ70の清掃動作が実施される。換言すれば、印刷ジョブにおける複数の出力用紙PAのうちの1枚目の出力用紙PA1が排紙ローラ70に到達する前に、排紙ローラ70の清掃動作が実施される。それ故、印刷出力された出力用紙の枚数に基づき排紙ローラ上の付着物量を推定して当該排紙ローラ上の付着物量の推定結果と基準量とに基づき排紙ローラの清掃動作の実施の是非を判断すること、を要しない。したがって、特許文献2に記載の技術のような複雑な制御を要さず、より簡易な制御で排紙ローラ70を清掃することが可能である。
また、上記第1実施形態では、印刷ジョブにおける第1出力用紙PA1の下流側先端部分が定着器50の配置位置に到達する前(図4参照)に、清掃部材2の状態が離間状態(図6)から接触状態(図7)に切り替えられる(ステップS13,S14)。
ここにおいて、上記第1実施形態では、排紙ローラ70と定着器50とが同一のモータ5(図4参照)の駆動によって動作している。この場合、清掃部材2が排紙ローラ70に接触した際には、清掃部材2の接触による抵抗に起因して当該モータ5への負荷が増大し、定着器50(詳細には、定着器50における駆動ローラ51)の回転速度(すなわち用紙搬送速度)が低下し得る。
仮に、印刷ジョブの第1出力用紙PA1が定着器50を通過している最中に用紙搬送速度が低下すると、次述するように、第1出力用紙PA1に紙しわが発生する恐れがある。
具体的には、第1出力用紙PA1が定着器50を通過している最中に用紙搬送速度が低下すると、第1出力用紙PA1全体のうち、搬送速度の低下時点で定着器50によって挟持されている部分(被挟持部分とも称する)の進行速度が低下する。ただし、第1出力用紙PA1全体のうち、定着器50の配置位置に未だ到達していない部分(未到達部分とも称する)は、用紙搬送速度の低下前の速度で下流側へと進行しようとする。すなわち、瞬間的に、被挟持部分よりも上流側の未到達部分の進行速度が当該被挟持部分の進行速度よりも速くなる。その結果、未到達部分(特に、定着器50の配置位置の直前に存在する部分)が搬送方向下流側へと押し込まれ、当該未到達部分に紙しわが発生する恐れがある。
これに対して、上記第1実施形態では、印刷ジョブにおける第1出力用紙PA1の下流側先端部分が定着器50の配置位置に到達する前に、清掃部材2の状態が離間状態から接触状態に切り替えられる(ステップS13,S14)。そして、清掃部材2が排紙ローラ70に接触して用紙搬送速度が低下した状態(すなわち、排紙ローラ70への清掃部材2の接触による速度低下が既に発生した状態)で、第1出力用紙PA1の下流側先端部分が定着器50に到達する。それ故、第1出力用紙PA1が定着器50の配置位置を通過している最中に清掃部材2の状態が離間状態から接触状態に切り替えられて排紙ローラ70への清掃部材2の接触による速度低下が発生すること、を回避することが可能である。したがって、第1出力用紙PA1が定着器50を通過している最中における用紙搬送速度の低下に起因して当該第1出力用紙PA1に紙しわが発生すること、を防止することが可能である。
また、上記第1実施形態では、印刷ジョブの第1出力用紙PA1の下流側先端部分が排紙ローラ70の配置位置に到達する前(図5参照)に、清掃部材2の状態が接触状態(図7)から離間状態(図6)に戻される(ステップS15,S16)。
ここにおいて、清掃部材2が排紙ローラ70における従動ローラ72に接触する(図7参照)と、当該従動ローラ72は清掃部材2の接触による抵抗を受け、当該従動ローラ72の周速度が、排紙ローラ70における駆動ローラ71の周速度よりも遅くなる。この状態で出力用紙PAが排紙ローラ70を通過すると、排紙ローラ70の駆動ローラ71の周速度と従動ローラ72の周速度との相違に起因して用紙搬送不良(紙しわ及び/またはスリップ痕等)が発生する恐れがある。
これに対して、上記第1実施形態では、印刷ジョブの第1出力用紙PA1の下流側先端部分が排紙ローラ70の配置位置に到達する前に、清掃部材2が排紙ローラ70における従動ローラ72から離間される(図6)ので、第1出力用紙PA1が排紙ローラ70を通過する際には、従動ローラ72が、清掃部材2の接触による抵抗を受けることなく駆動ローラ71の周速度と略同一の周速度で回転する。したがって、搬送ローラ70の駆動ローラ71の周速度と従動ローラ72の周速度との相違に起因する用紙搬送不良の発生を防止することが可能である。
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第1実施形態では、印刷ジョブが受け付けられる度に排紙ローラ70の清掃動作が実施されている(図8参照)。
これに対して、この第2実施形態では、画像形成装置1が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後における最初の印刷ジョブに際して、排紙ローラ70の清掃動作が実施される(図9参照)。
ここにおいて、上述したように、排紙ローラ70の温度が一定程度よりも低くなると、排紙ローラ70上の付着物が当該排紙ローラ70から剥がれやすくなる。そして、この状態で新たな印刷ジョブが受け付けられて当該新たな印刷ジョブにおける第1出力用紙PA1が排紙ローラ70を通過すると、当該排紙ローラ70上の付着物が第1出力用紙PA1に転移する。
この第2実施形態では、排紙ローラ70上の付着物が第1出力用紙PA1に転移する事象が発生し易いタイミングで、当該排紙ローラ70の清掃動作が実施される。これによれば、印刷ジョブが受け付けられる度に排紙ローラ70の清掃動作を実施する場合と比較して、排紙ローラ70の清掃動作を効率的に実施することが可能である。
具体的には、一定程度よりも長い時間において画像形成装置1が利用されていない(印刷ジョブが実行されていない)場合に、排紙ローラ70の温度が一定程度よりも低くなる。たとえば、画像形成装置1は、業務終了に際して電源オン状態から電源オフ状態に切り替えられた後、次の(翌日の)業務開始に際して電源オフ状態から電源オン状態に切り替えられる(電源が投入される)ことが多い。それ故、画像形成装置1が電源オフ状態から電源オン状態に切り替えられた際には、一定程度よりも長い時間において画像形成装置1が利用されておらず、排紙ローラ70の温度が一定程度よりも低くなっていることが多い。そして、この状態で新たな印刷ジョブが受け付けられると、排紙ローラ70上の付着物が第1出力用紙PA1に転移する事象が発生し易い。
この点を考慮して、この第2実施形態では、画像形成装置1が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後において最初に受け付けられた印刷ジョブの実行に際して、排紙ローラ70の清掃動作が実施される(図9参照)。換言すれば、複数の印刷ジョブのうち、画像形成装置1が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後において最初に受け付けられた印刷ジョブのみの実行に際して、排紙ローラ70の清掃動作が実施される。
図9は、第2実施形態に係る排紙ローラ70の清掃動作に関するフローチャートである。
第2実施形態では、第1実施形態(図8)のステップS11に代えてステップS21の処理が実行される。
具体的には、ステップS21において、切替制御部91は、画像形成装置1が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後における最初の印刷ジョブが受け付けられたか否か、を判定する。
たとえば、画像形成装置1の電源状態が電源オフ状態から電源オン状態に切り替えられると、切替制御部91は、画像形成装置1の電源状態が電源オフ状態から電源オン状態に切り替えられた旨を示す情報(装置状態情報)を取得する。そして、当該装置状態情報が取得された後において最初の印刷ジョブが受け付けられると、切替制御部91は、画像形成装置1が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後における最初の印刷ジョブが受け付けられた旨をステップS21にて判定し、処理をステップS21からステップS12以降へと進める。
なお、図9のステップS21以外の処理内容(ステップS12〜S16)は、図8のステップS11以外の処理内容(ステップS12〜S16)と同様である。具体的には、受け付けられた印刷ジョブにおける第1出力用紙PA1の下流側先端部分が定着器50手前の所定位置Q1(図4)に到達する(ステップS13)と、清掃部材2の状態が離間状態(図6)から接触状態(図7)に切り替えられて排紙ローラ70の清掃動作が開始される(ステップS14)。そして、当該第1出力用紙PA1の下流側先端部分が排紙ローラ70手前の位置Q2(図5)に到達する(ステップS15)と、清掃部材2の状態が接触状態から離間状態に戻されて排紙ローラ70の清掃動作が終了する(ステップS16)。
一方、印刷ジョブが受け付けられた場合であっても、当該印刷ジョブが電源オン状態への遷移後における最初の印刷ジョブではない(電源オン状態への遷移後における2つ目以降の印刷ジョブである)ときには、ステップS21において「NO」と判定されて、排紙ローラ70の清掃動作が実施されることなく図9の動作は終了する。
このように、第2実施形態では、画像形成装置1が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後における最初の印刷ジョブに際して排紙ローラ70の清掃動作が実施される。換言すれば、排紙ローラ70上の付着物が第1出力用紙PA1に転移する事象が発生し易い状況下での最初の印刷ジョブに際して排紙ローラ70の清掃動作が実施される。したがって、印刷ジョブが受け付けられる度に排紙ローラ70の清掃動作が実施される場合と比較して、排紙ローラ70の清掃動作を効率的に実施することが可能である。
なお、ここでは、画像形成装置1が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後における最初の印刷ジョブに際して排紙ローラ70の清掃動作が実施されているが、これに限定されない。たとえば、画像形成装置1がスリープ状態(通常状態での消費電力よりも小さい消費電力で動作する電力状態(省電力状態))から通常状態へと遷移(復帰)した後における最初の印刷ジョブに際して排紙ローラ70の清掃動作が実施されてもよい。
図10は、この改変例に係る排紙ローラ70の清掃動作に関するフローチャートである。
図10では、図9のステップS21に代えてステップS31の処理が実行される。
具体的には、ステップS31において、切替制御部91は、画像形成装置1がスリープ状態から通常状態に遷移した後における最初の印刷ジョブが受け付けられたか否か、を判定する。
たとえば、画像形成装置1がスリープ状態から通常状態に遷移すると、切替制御部91は、画像形成装置1がスリープ状態から通常状態に遷移した旨を示す情報(装置状態情報)を取得する。そして、当該装置状態情報が取得された後において最初の印刷ジョブが受け付けられると、切替制御部91は、画像形成装置1がスリープ状態から通常状態に遷移した後における最初の印刷ジョブが受け付けられた旨をステップS31にて判定し、処理をステップS31からステップS12以降へと進める。なお、図10のステップS31以外の処理内容(ステップS12〜S16)は、図9(図8)のステップS11以外の処理内容(ステップS12〜S16)と同様である。
一方、印刷ジョブが受け付けられた場合であっても、当該印刷ジョブが通常状態への遷移(復帰)後における最初の印刷ジョブではないときには、排紙ローラ70の清掃動作が実施されることなく図10の動作は終了する。
この改変例においても、上記第2実施形態と同様に、排紙ローラ70の清掃動作を効率的に実施することが可能である。
<3.第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第1実施形態では、印刷ジョブが受け付けられる度に排紙ローラ70の清掃動作が実施されている(図8参照)。
これに対して、この第3実施形態では、印刷ジョブが受け付けられた際に定着器50の温度が所定値よりも低い場合に、当該印刷ジョブにおける第1出力用紙PA1が排紙ローラ70に到達する前の所定のタイミングで排紙ローラ70の清掃動作が実施される(図11参照)。
ここにおいて、印刷ジョブの実行が終了した後、定着器50の温度が下降すると、排紙ローラ70の温度も下降する。それ故、印刷ジョブが受け付けられた際に定着器50の温度が所定値よりも低い場合には、排紙ローラ70の温度が一定程度よりも低く、当該印刷ジョブにおける第1出力用紙PA1が排紙ローラ70を通過した際に当該排紙ローラ70上の付着物が第1出力用紙PA1に転移し易い。
この点を考慮して、この第3実施形態では、印刷ジョブが受け付けられた際に定着器50の温度が所定値よりも低い場合に、当該印刷ジョブにおける第1出力用紙PA1が排紙ローラ70に到達する前の所定のタイミングで排紙ローラ70の清掃動作が実施される。
図11は、第3実施形態に係る排紙ローラ70の清掃動作に関するフローチャートである。
第3実施形態では、図11に示されるように、ステップS11とステップS12との間においてステップS41の処理が追加されている。
具体的には、印刷ジョブが受け付けられた旨がステップS11にて判定されると、処理はステップS11からステップS41へと進み、切替制御部91は、定着器50の温度が所定値(たとえば80度)よりも低いか否か、を判定する(ステップS41)。
より具体的には、画像形成装置1は、定着器50の温度を検出する温度センサ(不図示)を備えており、切替制御部91は、定着器50の温度を当該温度センサから取得する。そして、切替制御部91は、取得された温度(定着器50の温度)が所定値(ここでは80度)よりも低いか否かを判定する。
たとえば、前回の印刷ジョブの終了から一定程度以上の時間が経過すると、定着器50の温度が所定値(80度)よりも低い温度にまで低下する。この状態で新たな(今回の)印刷ジョブが受け付けられた場合には、所定値よりも低い温度が温度センサによって検出される。そして、切替制御部91は、定着器50の温度が所定値よりも低い旨をステップS41にて判定し、処理をステップS41からステップS12以降へと進める。なお、ステップS12以降の動作は第1実施形態(図8)と同様である。
一方、前回の印刷ジョブの終了から一定程度以上の時間が経過する前に(比較的早期に)新たな(今回の)印刷ジョブが受け付けられた際には、定着器50の温度は未だ所定値(80度)よりも高いままである。このような場合、所定値よりも高い温度が温度センサによって検出され、切替制御部91は、定着器50の温度が所定値よりも高い旨をステップS41にて判定する。そして、排紙ローラ70の清掃動作が実施されることなく、図11の動作は終了する。
以上のように、第3実施形態では、印刷ジョブが受け付けられた際に定着器50の温度が所定値よりも低い場合に、当該印刷ジョブにおける第1出力用紙PA1が排紙ローラ70に到達する前の所定のタイミングで排紙ローラ70の清掃動作が実施される。それ故、印刷ジョブが受け付けられる度に排紙ローラ70の清掃動作が実施される場合と比較して、排紙ローラ70上の付着物が第1出力用紙PA1に転移する事象の発生タイミングをより正確に特定した上で、排紙ローラ70の清掃動作を実施することが可能である。
なお、ここでは、第3実施形態の思想が第1実施形態に適用されているが、これに限定されず、第3実施形態の思想が他の実施形態に適用されてもよい。
たとえば、第3実施形態の思想が第2実施形態に適用されてもよい。
具体的には、第2実施形態(図9)のステップS21とステップS12との間において、上記ステップS41(図11参照)の処理が実行されてもよい。
より具体的には、画像形成装置1が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後における最初の印刷ジョブが受け付けられ(ステップS21)、且つ定着器50の温度が所定値よりも低い旨がステップS41にて判定される場合に、排紙ローラ70の清掃動作が実施されるようにしてもよい。換言すれば、画像形成装置1が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後における最初の印刷ジョブが受け付けられた(ステップS21)場合であっても、定着器50の温度が所定値よりも高い旨がステップS41にて判定されるときには、排紙ローラ70の清掃動作が実施されないようにしてもよい。
あるいは、第3実施形態の思想が第2実施形態の改変例に適用されてもよい。
具体的には、第2実施形態の改変例(図10)のステップS31とステップS12との間において、上記ステップS41(図11参照)の処理が実行されてもよい。
より具体的には、画像形成装置1がスリープ状態から通常状態に遷移した後における最初の印刷ジョブが受け付けられ(ステップS31)、且つ定着器50の温度が所定値よりも低い旨がステップS41にて判定される場合に、排紙ローラ70の清掃動作が実施されるようにしてもよい。換言すれば、画像形成装置1がスリープ状態から通常状態に遷移した後における最初の印刷ジョブが受け付けられた(ステップS31)場合であっても、定着器50の温度が所定値よりも高い旨がステップS41にて判定されるときには、排紙ローラ70の清掃動作が実施されないようにしてもよい。
<4.変形例>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記各実施形態等では、清掃部材2の状態が経路切替部材8の経路切替動作と連動して切り替えられているが、これに限定されず、清掃部材2の状態が経路切替部材8の経路切替動作と連動せずに(別個に)切り替えられてもよい。具体的には、経路切替部材8の経路切替動作を行うソレノイドアクチュエータと、清掃部材2の状態切替動作を行うソレノイドアクチュエータとが別個に設けられてもよい。
1 画像形成装置
2 清掃部材
8 経路切替部材
50 定着器
70 排紙ローラ
80 ソレノイドアクチュエータ
2 清掃部材
8 経路切替部材
50 定着器
70 排紙ローラ
80 ソレノイドアクチュエータ
Claims (7)
- 画像形成装置であって、
出力用紙上に形成されたトナー像を加熱して出力用紙に定着させる定着器と、
前記定着器よりも搬送方向下流側に配置されるとともに、前記定着器を通過した後の出力用紙を更に下流側へと搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラに接触することによって前記搬送ローラを清掃する清掃部材と、
前記清掃部材の状態を、前記清掃部材が前記搬送ローラに対して離間した離間状態と前記清掃部材が前記搬送ローラに対して接触した接触状態との2つの状態の間で切り替えることによって、前記清掃部材による前記搬送ローラの清掃動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、印刷ジョブが受け付けられた後において、当該印刷ジョブにおける1枚目の出力用紙である第1出力用紙が前記搬送ローラの配置位置に到達する前の所定のタイミングで、前記清掃部材の状態を前記離間状態から前記接触状態へと切り替えて前記清掃動作を実施することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記定着器と前記搬送ローラとは、同一モータの駆動によって動作しており、
前記所定のタイミングは、前記印刷ジョブが受け付けられた後において前記第1出力用紙の下流側先端部分が前記定着器の配置位置に到達する前のタイミングであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、
前記搬送ローラは、駆動ローラと従動ローラとを有し、
前記接触状態は、前記清掃部材が前記搬送ローラの前記従動ローラに対して接触した状態であり、
前記制御手段は、前記所定のタイミングの後において前記第1出力用紙の下流側先端部分が前記搬送ローラの配置位置に到達する前に、前記清掃部材の状態を前記接触状態から前記離間状態に戻すことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記印刷ジョブは、前記画像形成装置が電源オフ状態から電源オン状態に遷移した後における最初の印刷ジョブであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記印刷ジョブは、前記画像形成装置がスリープ状態から通常状態に遷移した後における最初の印刷ジョブであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記印刷ジョブが受け付けられた際に前記定着器の温度が所定値よりも低い場合に、前記印刷ジョブの受付後における前記所定のタイミングで前記清掃部材の状態を前記離間状態から前記接触状態へと切り替えて前記清掃動作を実施することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像形成装置において、
用紙搬送経路を切り替える経路切替部材、
をさらに備え、
前記清掃部材の状態は、前記経路切替部材の経路切替動作と連動して切り替えられることを特徴とする画像形成装置。
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