JP2020197414A - 匂いセンサ及び匂い検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】匂い物質を好適に検出することができる匂いセンサ及び匂い検出方法を提供する。【解決手段】匂いセンサ1は、感応膜13を有するイオンセンサ2と、感応膜13上に配置され、検出対象の匂い物質を吸着する物質吸着膜3と、物質吸着膜3に基準電圧を印加する電極4と、を備える。物質吸着膜3は、匂い物質を吸着した際にプロトンを放出する状態となっている。【選択図】図2

Description

本開示は、匂いセンサ及び匂い検出方法に関する。
匂いに感度を有する匂いセンサとして、非特許文献1に開示されたセンサが知られている。上記センサでは、いわゆる電荷転送型pHイメージセンサのイオン感応膜(Si)上に、ポリアニリン感応膜(匂い物質吸着膜)が成膜されている。非特許文献1には、ポリアニリン感応膜に対するガス曝露によって生じるポリアニリン感応膜の比誘電率の変化に基づいてガス検出(匂い検出)を行うことが記載されている。
新名直也,岩田達哉,橋詰賢一,黒木俊一郎,澤田和明(2017),ポリアニリン感応膜を用いた電荷転送型センサアレイによるガス分布イメージング,第64回応用物理学会春季学術講演会,16p-416-6。
しかしながら、ガス曝露によって物質吸着膜の比誘電率が変化しない場合もあり得る。また、ガス曝露によって物質吸着膜の比誘電率が変化する場合であっても、物質吸着膜の比誘電率の変化以外の要因に着目することにより、匂い物質の検出感度を向上できる可能性がある。
本開示の一側面は、匂い物質を好適に検出することができる匂いセンサ及び匂い検出方法を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る匂いセンサは、イオン感応部を有するイオンセンサと、イオン感応部上に配置され、検出対象の匂い物質を吸着する物質吸着膜と、物質吸着膜に基準電圧を印加する電極と、を備え、物質吸着膜は、匂い物質を吸着した際にプロトンを放出する状態となっている。
上記匂いセンサでは、物質吸着膜が、匂い物質を吸着した際にプロトンを放出する状態となっている。これにより、物質吸着膜が匂い物質を吸着した際に、プロトン放出に起因する電気特性の変化を、イオン感応部に感知させることができる。また、電極によって物質吸着膜に基準電圧が印加されることにより、安定した状態(すなわち、匂い物質が物質吸着膜に吸着されておらず、物質吸着膜に基準電圧が印加された状態)からの僅かな電気特性の変化を、イオンセンサにより検出することができる。従って、上記匂いセンサによれば、物質吸着膜のプロトン放出現象を利用することにより、匂い物質を好適に検出することができる。
物質吸着膜は、エメラルディン塩の状態であるポリアニリンを含んでもよい。この構成によれば、匂い物質を吸着した際にプロトンを放出する物質吸着膜を、ポリアニリンによって好適に形成することができる。
イオン感応部は、物質吸着膜からのプロトン放出に起因するイオン感応部の近傍におけるイオン濃度の変化に応じて電位を変化させてもよい。物質吸着膜が匂い物質を吸着した際には、物質吸着膜からのプロトン放出が生じることにより、イオン感応部の近傍におけるイオン濃度が変化すると考えられる。すなわち、物質吸着膜から放出されるプロトン(又は当該プロトンによってイオン化した匂い物質)がイオン感応部の近傍に滞留することにより、イオン感応部の近傍におけるイオン濃度が上昇すると考えられる。上記構成によれば、このようなイオン濃度の変化をイオン感応部の電位の変化として検出することが可能となる。さらに、物質吸着膜の比誘電率の変化よりもイオン感応部の近傍におけるイオン濃度の変化の方がより確実に生じる傾向がある。従って、上記構成によれば、物質吸着膜の比誘電率の変化に基づいて匂い物質を検知する場合よりも的確且つ早期に匂い物質を検知することができる。
上記匂いセンサは、イオン感応部の電位に応じたイオンセンサの出力値を監視し、イオン感応部の電位変化に応じたイオンセンサの出力値の変化を検出することにより、匂い物質を検知する検知部を更に備えてもよい。上記構成によれば、検知部によって匂い物質を即時に検出することができる。
物質吸着膜は、繊維状又は多孔質状であってもよい。この構成によれば、匂い物質を物質吸着膜内を通過させてイオン感応部の近傍まで到達させることができる。これにより、イオン感応部の近傍において物質吸着膜からプロトンを放出させることができ、イオン感応部がプロトン放出に起因するイオン濃度の変化を好適に感知することができる。その結果、匂い物質を好適に検出することが可能となる。
イオン感応部と物質吸着膜とが対向する対向方向における物質吸着膜の厚さは、5μm以下であってもよい。イオン感応部上の物質吸着膜を薄く形成することにより、匂い物質をイオン感応部の近傍まで到達させ易くすることができる。
上記匂いセンサは、イオンセンサを覆うように設けられたパッシベーション層を更に備え、物質吸着膜は、パッシベーション層を覆うように設けられており、パッシベーション層には、イオン感応部を外部に露出させる開口が設けられており、イオン感応部は、開口を介して物質吸着膜と接触しており、物質吸着膜は、開口の形状に沿って設けられていてもよい。この構成によれば、イオン感応部がパッシベーション層の開口内の窪んだ位置に配置される場合において、イオン感応部上に設けられる物質吸着膜の厚さを効果的に薄くすることができる。これにより、匂い物質をイオン感応部の近傍まで到達させ易くすることができる。
本開示の一側面に係る匂い検出方法は、イオン感応部を有するイオンセンサと、イオン感応部上に配置され、検出対象の匂い物質を吸着する物質吸着膜と、を備える匂いセンサによる匂い検出方法であって、物質吸着膜に基準電圧が印加された状態で、イオン感応部の電位に応じたイオンセンサの出力値を監視するステップと、物質吸着膜が、匂い物質を吸着した際に、プロトンを放出するステップと、イオン感応部が、物質吸着膜からのプロトン放出に起因するイオン感応部の近傍におけるイオン濃度の変化に応じて電位を変化させるステップと、イオン感応部の電位変化に応じたイオンセンサの出力値の変化を検出することにより、匂い物質を検知するステップと、を含む。
上記匂い検出方法では、物質吸着膜に基準電圧が印加された安定した状態からの僅かな電気特性の変化(イオン感応部の近傍におけるイオン濃度の変化)を、イオンセンサの出力値を監視することによって検知することができる。また、物質吸着膜が匂い物質を吸着した際に、物質吸着膜からのプロトン放出が生じることにより、イオン感応部の近傍におけるイオン濃度が変化する。上記匂い検出方法によれば、このようなイオン濃度の変化をイオンセンサの出力値に基づいて検知することにより、匂い物質を好適に検出することができる。
本開示の一側面によれば、匂い物質を好適に検出することができる匂いセンサ及び匂い検出方法が提供され得る。
第1実施形態の匂いセンサの概略平面図である。 検出部の断面構成を模式的に示す図である。 物質吸着膜に匂い物質が吸着した際に生じる現象についての仮説を説明するための図である。 検出部の動作の一例を示す図である。 検出部の動作の別例を示す図である。 物質吸着膜の変形例を示す図である。 第2実施形態の匂いセンサの検出部の断面構成を模式的に示す図である。 図7に示される検出部5Aの動作の第3の例を示す図である。 第3実施形態の匂いセンサの概略構成を示す図である。 物質吸着膜に匂い物質が吸着した際に生じる現象についての他の仮説を説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の匂いセンサ1の概略平面図である。同図に示されるように、匂いセンサ1は、イオンセンサ2と、イオンセンサ2上に設けられた複数(ここでは5つ)の物質吸着膜3と、物質吸着膜3に基準電圧を印加する電極4と、検知部6と、を備える。
イオンセンサ2は、二次元状に配列された複数の検出部5が半導体基板100上に形成されたセンサである。イオンセンサ2は、いわゆる電荷転送型のCMOSイメージセンサである。複数の検出部5は、イオンセンサ2のチップ上に設けられた画素形成領域A(本実施形態では、チップ中央部に設けられた矩形状の領域)に、M行N列(例えば256行256列)に二次元状に配列されることにより、画素アレイを構成している。M及びNは2以上の整数である。1つの検出部5は、1つの検出単位(画素)に対応している。1つの検出部5のサイズ(画素サイズ)は、例えば30μm×30μmである。
各物質吸着膜3は、画素形成領域A内において、複数の検出部5に跨るように配置(成膜)されている。物質吸着膜3は、検出対象の匂い物質を吸着した際にプロトンを放出する性質を有する状態となっている。ここで、「匂い」とは、人間、動物等の生物の嗅覚を刺激するものであり、「匂い物質」とは、匂いの原因となる化学物質(例えば、特定の分子単体又は分子群が所定の濃度で集合したもの)である。例えば、物質吸着膜3は、匂い物質を吸着した際にプロトン放出(脱プロトン化)の反応を生じるように、予めプロトン化(プロトン注入)された状態の膜である。プロトン注入は、例えば下記の参考文献1に記載されているように、化学重合、電気重合、イオン注入等の手法により行うことができる。
(参考文献1:ポリアニリンへのプロトン注入による導電性の付与,Tiri News 2010 vol.046,2010年2月号)
本実施形態では一例として、物質吸着膜3は、エメラルディン塩(emeraldine salt)の状態であるポリアニリンを含むポリアニリン膜である。また、検出対象の匂い物質は、例えば、アンモニア、窒素酸化物等である。例えば下記の参考文献2に記載されているように、エメラルディン塩の状態であるポリアニリンは、「N−H」部を有している。そして、上述したような匂い物質(例えばアンモニアガス等)がエメラルディン塩の状態であるポリアニリンに曝されると、アンモニア(NH)がエメラルディン塩の状態であるポリアニリンからプロトン(H)を引き抜いて、アンモニアイオン(NH )となる。なお、このようなプロトン放出により、エメラルディン塩の状態であったポリアニリンは、エメラルディン塩基(emeraldine base)の状態に変化する。その結果、ポリアニリン膜の正孔密度が低下し、抵抗値が上昇する。
(参考文献2:Highly sensitive and selective chemiresistor gas/vapor sensors based on polyaniline nanocomposite: A comprehensive review(2016))
画素形成領域A内に配置された検出部5のうち物質吸着膜3が設けられた検出部5が、匂いを検出可能な単位検出素子として機能する。なお、物質吸着膜3は、画素形成領域Aの全体(すなわち、画素形成領域Aに配置された全ての検出部5)に設けられてもよいし、物質吸着膜3が設けられない検出部5が存在してもよい。
図1の右部は、各検出部5に共通のレイアウト例を模式的に示している。図2は、図1におけるII-II線に沿った検出部5の断面構成を模式的に示す図である。これらに示されるように、各検出部5は、半導体基板100(基板)の一方の主面側に形成されている。半導体基板100は、例えばシリコンにより形成された第1導電型(一例として、n型)の半導体基板である。各検出部5において、半導体基板100の主面に沿って、それぞれ第1導電型領域であるインジェクションダイオード部21(以下「ID部21」)、フローティングディフュージョン部31(以下「FD部31」)、及びリセットドレイン部41(以下「RD部41」)が形成されている。半導体基板100のID部21とFD部31との間には、第2導電型(一例として、p型)の拡散層11が形成されている。拡散層11の表面には、第1導電型にドープされた第1導電型領域12が形成されている。
半導体基板100の主面上には、絶縁性の保護膜110を介して、インプットコントロールゲート電極22(以下「ICG電極22」)、トランスファーゲート電極32(以下「TG電極32」)、及びリセットゲート電極42(以下「RG電極42」)が形成されている。保護膜110としては、例えばSiO等が用いられ得る。また、半導体基板100の主面上には、FD部31に蓄積された電荷量に応じたout信号を増幅させるアンプ(信号増幅器)33と、アンプ33により増幅されたout信号を検知部6に出力する出力回路34と、が設けられている。
ICG電極22とTG電極32との間の領域には、保護膜110を介して感応膜13(イオン感応部)が設けられている。感応膜13は、感応膜13上に配置された物質吸着膜3の状態に応じて電位(膜電位)を変化させる性質を有するイオン感応膜である。上述したように、本実施形態では、物質吸着膜3が匂い物質が吸着すると、物質吸着膜3からプロトンが放出される。これにより、感応膜13の近傍におけるイオン濃度が変化する。感応膜13は、このようなイオン濃度の変化に応じて、電位を変化させる。感応膜13としては、例えばSi等が用いられ得る。
感応膜13は、ICG電極22及びTG電極32が物質吸着膜3と接触しないように、ICG電極22及びTG電極32の一部を覆うようにして、ICG電極22からTG電極32にかけてひとつながりに形成されている。ただし、感応膜13は、ICG電極22とTG電極32との間にのみ設けられてもよく、ICG電極22及びTG電極32の一部を覆わないように形成されてもよい。すなわち、感応膜13は、ICG電極22とTG電極32との間において、保護膜110上にのみ形成されてもよい。
半導体基板100の主面上に設けられたこれらの部材を覆うように、半導体基板100の主面上には、絶縁性のパッシベーション層120が形成されている。パッシベーション層120としては、例えばSi等が用いられ得る。物質吸着膜3は、パッシベーション層120を覆うように設けられている。パッシベーション層120には、感応膜13の上面を外部に露出させるための開口120aが形成されている。感応膜13は、開口120aを介して物質吸着膜3と接触している。すなわち、物質吸着膜3の一部は、開口120aの内側に入りこんでおり、開口120aの内側において、物質吸着膜の半導体基板100側の内面3aは、感応膜13と接触している。
電極4は、物質吸着膜3に基準電圧を印加する。電極4の形状及び配置等は、特定の形態に限定されない。例えば、電極4は、物質吸着膜3よりも内側に配置される内蔵電極(例えば、CMOSプロセスによって形成されたメタル配線)であってもよい。或いは、電極4は、物質吸着膜3の外面3b(内面3aとは反対側の面)に沿って配置される外部電極(例えば、MEMSプロセスによって形成されたメンブレン構造(膜状)の電極)であってもよい。電極4は、物質吸着膜3に接触して電圧を印加することが可能な材料で形成されていればよい。電極4としては、例えばAl−Si−Cu等が用いられ得る。
検知部6は、感応膜13の電位に応じたイオンセンサ2の出力値(本実施形態では、後述するout信号)を監視する。そして、検知部6は、感応膜13の電位変化に応じた出力値の変化を検出することにより、匂い物質を検知する。具体的には、後述する本発明者の仮説によれば、物質吸着膜3からのプロトン放出が生じると、感応膜13の近傍において、物質吸着膜3から放出されたプロトンに由来する陽イオンの量が多くなる。従って、検知部6は、感応膜13の電位変化に応じた上記出力値の変化が、感応膜13の近傍におけるイオン濃度の増大(例えば、予め定められた単位時間における閾値以上の増加)を示した場合に、匂い物質が物質吸着膜3によって吸着されたと判定することができる。検知部6は、例えば、プロセッサ、メモリ、ストレージ、通信デバイス等を備えたコンピュータ装置として構成され得る。
次に、検出部5の機能構成及び動作原理について説明する。検出部5は、センシング部10と、供給部20と、移動・蓄積部30と、除去部40と、を備える。なお、本実施形態では、電荷は電子である。
センシング部10は、パッシベーション層120の開口120aを介して感応膜13が外部に(すなわち、物質吸着膜3に対して)露出した領域である。より具体的には、センシング部10は、ICG電極22とTG電極32との間において、感応膜13が保護膜110を介して第1導電型領域12と対向する領域である。すなわち、センシング部10は、上述した拡散層11、第1導電型領域12、保護膜110及び感応膜13が積層されることによって構成されたセンシング領域である。
図3を参照して、感応膜13上の物質吸着膜3に匂い物質が吸着した際に生じる現象について、本発明者の仮説を説明する。感応膜13上の物質吸着膜3が検出対象の匂い物質を吸着すると、物質吸着膜3からのプロトン放出(脱プロトン化)が生じる。その結果、感応膜13の近傍において、上記プロトン放出に起因する陽イオン50が発生及び滞留する。ここで、陽イオン50は、物質吸着膜3から放出されたプロトンそれ自体、又は当該プロトンと匂い物質とが結合することにより生成されたイオン(例えばアンモニアイオン等)である。これにより、匂い物質が物質吸着膜3に吸着される前の状態と比較して、感応膜13の近傍において、イオン濃度(陽イオン量)が増大する。そして、感応膜13において、当該イオン濃度の増大に応じた電位変化が生じる。この感応膜13の電位変化に応じて、感応膜13と対向する拡散層11のポテンシャル井戸14の深さが変化する。
供給部20は、上述したID部21及びICG電極22により構成される。ID部21は、ポテンシャル井戸14に電荷を注入するための部分である。ICG電極22は、ID部21からポテンシャル井戸14への電荷注入量を制御する部分である。例えば、ID部21のポテンシャル(電位)を下げることにより、ポテンシャル井戸14に電荷を供給することができる。
移動・蓄積部30は、TG電極32及びFD部31により構成される。TG電極32は、ポテンシャル井戸14からFD部31に電荷を転送するための部分である。FD部31は、ポテンシャル井戸14から転送された電荷を蓄積する部分である。具体的には、TG電極32の電圧を変化させることにより、半導体基板100においてTG電極32と対向する領域(以下「TG領域」)のポテンシャルを変化させ、ポテンシャル井戸14に充填された電荷をFD部31に転送及び蓄積することができる。
除去部40は、RG電極42及びRD部41により構成される。除去部40は、FD部31に蓄積された電荷をリセット(除去)するための部分である。具体的には、RG電極42の電圧を変化させることにより、半導体基板100においてRG電極42と対向する領域(以下「RG領域」)のポテンシャルを変化させ、FD部31に蓄積された電荷をRD部41(VDD)へと排出することができる。
図4は、検出部5の基本動作例を示す図である。図4の(A)に示されるように、物質吸着膜3が匂い物質を吸着してプロトンを放出すると、感応膜13の近傍のイオン濃度が変化する。その結果、感応膜13の電位変化が生じ、当該電位変化に応じてポテンシャル井戸14の深さが変化する。続いて、図4の(B)に示されるように、ID部21のポテンシャルが下げられることにより、ID部21に電荷がチャージされる。ID部21にチャージされた電荷は、半導体基板100においてICG電極22と対向する領域(以下「ICG領域」)を超えて、ポテンシャル井戸14へと注入される。このとき、TG領域のポテンシャルは、ID部21のポテンシャルよりも低くなるように制御される。従って、ポテンシャル井戸14へ注入される電荷がTG領域を超えてFD部31に達することはない。
続いて、図4の(C)に示されるように、ID部21のポテンシャルが元に戻される(引き上げられる)ことにより、ID部21から電荷が引き抜かれる。その結果、予め設定されたICG領域のポテンシャルの高さですり切られた電荷がポテンシャル井戸14に残る。ポテンシャル井戸14に残された電荷量は、ポテンシャル井戸14の深さ(すなわち、感応膜13の近傍におけるイオン濃度)に対応している。
続いて、図4の(D)に示されるように、TG電極32の電圧が上げられることにより、ポテンシャル井戸14に残された電荷がFD部31に転送される。その後、TG電極32の電圧が元に戻されることにより、図4の(E)に示される状態となる。このような状態において、FD部31に蓄積された電荷量に応じた信号(out信号)が、アンプ33及び出力回路34を介して検知部6に出力される。これにより、検知部6において、物質吸着膜3において検出された匂い(すなわち、物質吸着膜3に吸着された匂い物質)が、出力電圧の変化に基づいて検知される。続いて、図4の(F)に示されるように、RG電極42の電圧が上げられることにより、FD部31に蓄積された電荷がRD部41に排出される。RD部41は、VDD電源に接続されている。これにより、RD部41において、負にチャージされた電荷が吸い上げられる。
なお、上述した図4の(B)〜(E)の動作は、複数回繰り返されてもよい。これにより、FD部31に蓄積される電荷量を増大させ、繰り返し回数だけout信号を増幅させることができる。また、このような繰り返し動作によってout信号を増幅させることにより、アンプ33が省略されてもよい。
また、ポテンシャル井戸14への電荷注入方法は、上述した図4の例に限られない。例えば、図5に示されるように、ID部21のポテンシャルを一定とし、ICG電極22の電圧を調整することにより、ポテンシャル井戸14にID部21と同等のポテンシャルの電荷が注入されてもよい。具体的には、図5の(A)に示されるように、ID部21のポテンシャルは、ポテンシャル井戸14のポテンシャルよりも低く且つTG領域のポテンシャルよりも高い一定の値に設定される。一方、ICG領域のポテンシャルは、ID部21のポテンシャルよりも低くされる。続いて、図5の(B)に示されるように、ICG領域のポテンシャルをポテンシャル井戸14のポテンシャルよりも高くすることにより、ID部21からポテンシャル井戸14へと電荷が供給される。続いて、図5の(C)に示されるように、再びICG領域のポテンシャルをID部21のポテンシャルよりも低くすることにより、予め設定されたID部21のポテンシャルの高さまでの電荷がポテンシャル井戸14に残る。以上により、ポテンシャル井戸14にID部21と同等のポテンシャルの電荷が蓄積される。なお、図5の例におけるその後の動作は、図4の(D)〜(F)の動作と同様である。
次に、物質吸着膜3の構造について説明する。上述したように、感応膜13の近傍におけるイオン濃度の変化(本実施形態では、陽イオン50の増大)を効果的に生じさせるためには、感応膜13の近傍において物質吸着膜3からのプロトン放出を生じさせる必要がある。このためには、匂い物質を感応膜13の近傍まで到達させる必要がある。そこで、物質吸着膜3は、匂い物質が通過可能なように、繊維状又は多孔質状に形成されてもよい。つまり、物質吸着膜3は、物質が密に充填された構造ではなく、匂い物質が通過可能な内部空間(細孔等)を含む構造を有してもよい。この場合、匂い物質を物質吸着膜3内を通過させて感応膜13の近傍まで到達させることができる。すなわち、物質吸着膜3の外面3bから内面3aへと匂い物質を適切に導くことができる。これにより、図3に示されるように、感応膜13の近傍において物質吸着膜3からプロトンを放出させることができ、感応膜13がプロトン放出に起因するイオン濃度の変化を好適に感知することができる。その結果、匂い物質を好適に検出することが可能となる。
さらに、物質吸着膜3は、なるべく薄い方が好ましい。例えば、感応膜13と物質吸着膜3とが対向する対向方向Dにおける物質吸着膜3の厚さd(すなわち、感応膜13と重なる部分における物質吸着膜3の厚さ)は、5μm以下であることが好ましい。感応膜13上の物質吸着膜3を薄く形成することにより、匂い物質を感応膜13の近傍まで到達させ易くすることができる。また、本実施形態の物質吸着膜3に含まれるエメラルディン塩の状態であるポリアニリンは導電性である。ここで、物質吸着膜3の抵抗値(すなわち、電極4と感応膜13との間に介在する物質吸着膜3の抵抗値)が低すぎると、感応膜13の近傍におけるイオン濃度の変化に起因する感応膜13の電位変化(すなわち、基準電圧が印加された安定状態からの変化)を適切に検出することができない可能性がある。このため、電極4と感応膜13との間に介在する物質吸着膜3は、ある程度高い抵抗値を有することが好ましい。このような観点からも、感応膜13上の物質吸着膜3は、厚さdが5μm以下となるように、薄く成膜されることが好ましい。
図6は、物質吸着膜の変形例(物質吸着膜3A)を示す図である。図6に示されるように、物質吸着膜3Aは、開口120aの形状に沿って設けられている。上述した物質吸着膜3(図2参照)では、開口120aの内部に物質吸着膜3が充填されることにより、対向方向Dから見た場合に開口120aと重なる部分の外面3bは、開口120aと重ならない部分の外面3bと面一とされていた。一方、物質吸着膜3Aは、開口120aの側面及び底面(感応膜13の表面)の形状に沿って、薄く成膜されている。これにより、対向方向Dから見た場合の開口120aの中央部における物質吸着膜3Aの厚さd1(すなわち、開口120aの中央部に位置する外面3b1から感応膜13の表面までの対向方向Dに沿った距離)は、開口120aと重ならない部分の外面3b2から感応膜13の表面までの対向方向Dに沿った距離d2よりも小さくされている。すなわち、物質吸着膜3Aは、開口120aの形状に沿って窪んだ凹部3cを有している。この構成によれば、感応膜13がパッシベーション層120の開口120a内の窪んだ位置に配置される場合において、感応膜13上に設けられる物質吸着膜3Aの厚さd1を効果的に薄くすることができる。これにより、匂い物質を感応膜13の近傍まで到達させ易くすることができる。例えば、距離d2(物質吸着膜3の厚さdに対応)が5μmより大きくなってしまう場合であっても、開口120aの形状に沿って物質吸着膜3Aを成膜することにより、厚さd1が5μm以下となるように物質吸着膜3Aを形成することができる。また、物質吸着膜3Aが凹部3cを有することにより、物質吸着膜3Aのうち感応膜13上に配置される部分及び開口120aの側面に沿った部分を薄くすることができる。これにより、物質吸着膜3Aの開口120aと重ならない部分(例えば、パッシベーション層120上の部分)に電極4から基準電圧が印加される場合において、電極4と感応膜13との間に介在する物質吸着膜3Aの抵抗値を効果的に高くすることができる。また、物質吸着膜3Aの開口120aの側面に沿った部分の厚さd3も、厚さd1と同様に、5μm以下であることが好ましい。これにより、電極4と感応膜13との間に介在する物質吸着膜3Aの抵抗値をより一層効果的に高くすることができる。
以上説明した匂いセンサ1では、物質吸着膜3(又は物質吸着膜3A。以下同じ。)が匂い物質を吸着した際にプロトンを放出する状態となっている。これにより、物質吸着膜3が匂い物質を吸着した際に、プロトン放出に起因する電気特性の変化を、感応膜13に感知させることができる。また、電極4によって物質吸着膜3に基準電圧が印加されることにより、安定した状態(すなわち、匂い物質が物質吸着膜3に吸着されておらず、物質吸着膜3に基準電圧が印加された状態)からの僅かな電気特性の変化を、イオンセンサ2により検出することができる。従って、匂いセンサ1によれば、物質吸着膜3のプロトン放出現象を利用することにより、匂い物質を好適に検出することができる。また、上述したプロトン放出現象を利用した匂い検知では、例えば、アンモニア、窒素酸化物等の匂い物質を好適に検出することができる。
また、本実施形態では、物質吸着膜3は、エメラルディン塩の状態であるポリアニリンを含むポリアニリン膜である。この構成によれば、匂い物質を吸着した際にプロトンを放出する物質吸着膜3を、ポリアニリンによって好適に形成することができる。
また、感応膜13は、物質吸着膜3からのプロトン放出に起因する感応膜13の近傍におけるイオン濃度の変化に応じて電位を変化させる。上述したように、物質吸着膜3が匂い物質を吸着した際には、物質吸着膜3からのプロトン放出が生じることにより、感応膜13の近傍におけるイオン濃度が変化すると考えられる。すなわち、物質吸着膜3から放出されるプロトン(又は当該プロトンによってイオン化した匂い物質)が感応膜13の近傍に滞留することにより、感応膜13の近傍におけるイオン濃度が上昇すると考えられる。上記構成によれば、このようなイオン濃度の変化を感応膜13の電位の変化として検出することが可能となる。さらに、物質吸着膜3の比誘電率の変化よりも感応膜13の近傍におけるイオン濃度の変化の方がより確実に生じる傾向がある。従って、上記構成によれば、物質吸着膜3の比誘電率の変化に基づいて匂い物質を検知する場合よりも的確且つ早期に匂い物質を検知することができる。また、本実施形態のようにプロトン放出に基づいて匂い物質を検知することには、以下に述べるようなメリットも存在する。物質吸着膜3の比誘電率の変化に基づいて匂い物質を検知するためには(すなわち、匂い物質を検知可能な程度の有意な比誘電率の変化を生じさせるためには)、感応膜13上の物質吸着膜3の均一性について非常に高い精度が求められると考えられる。一方、本実施形態のようにプロトン放出に基づいて匂い物質を検知する場合には、物質吸着膜3の厚さの均一性について、比誘電率の変化に基づいて匂い物質を検知する場合ほど高い精度が求められないと考えられる。
また、匂いセンサ1は、上述した検知部6を備えている。検知部6により、匂い物質を即時に検出することができる。また、検知部6は、匂い物質を検知した際に、自動的に、アラートを出力したり、他のシステム(例えば換気システム)を起動するための制御信号を送信したりしてもよい。これにより、匂い物質を検知した後の対処を迅速に行うことができる。
次に、匂いセンサ1による匂い検出方法について説明する。上記匂い検出方法では、電極4によって物質吸着膜3に基準電圧が印加された状態で、検知部6が、感応膜13の電位に応じたイオンセンサ2の出力値を監視する。このような監視が行われている状態で、物質吸着膜3が、匂い物質を吸着すると、プロトンを放出する。続いて、感応膜13が、物質吸着膜3からのプロトン放出に起因する感応膜13の近傍におけるイオン濃度の変化に応じて電位を変化させる。そして、検知部6によって、感応膜13の電位変化に応じたイオンセンサ2の出力値の変化が検出されることにより、匂い物質が検知される。上記匂い検出方法では、物質吸着膜3に基準電圧が印加された安定した状態からの僅かな電気特性の変化(感応膜13の近傍におけるイオン濃度の変化)を、イオンセンサ2の出力値を監視することによって検知することができる。また、物質吸着膜3が匂い物質を吸着した際に、物質吸着膜3からのプロトン放出が生じることにより、感応膜13の近傍におけるイオン濃度が変化する。上記匂い検出方法によれば、このようなイオン濃度の変化をイオンセンサ2の出力値に基づいて検知することにより、匂い物質を好適に検出することができる。
[第2実施形態]
図7は、第2実施形態の匂いセンサ1Aの検出部5Aの断面構成を模式的に示す図である。匂いセンサ1Aは、いわゆる電荷転送型のCMOSイメージセンサであるイオンセンサ2に代えて、いわゆるISFET型のイオンセンサ2Aを備える点で、第1実施形態の匂いセンサ1と相違している。その他の構成については、匂いセンサ1と同様である。イオンセンサ2Aは、単位検出素子として、電荷転送型の測定方式が採用された検出部5に代えてISFET型の測定方式が採用された検出部5Aを備える点で、イオンセンサ2と相違している。
検出部5Aでは、半導体基板100の一方の主面側に、3つの第1導電型(ここではn型)のn型領域131〜133が形成されている。また、半導体基板100の主面上には、絶縁性の保護膜110を介して、2つのゲート電極134,135が形成されている。ゲート電極134は、n型領域131とn型領域132との間に位置している。n型領域131、n型領域132及びゲート電極134により、MOSトランジスタが構成されている。n型領域131には、図示しない制御部からID信号(電圧)が与えられる。ゲート電極135は、n型領域132とn型領域133との間に位置している。ゲート電極135には、図示しない制御部からTG信号(電圧)が与えられる。n型領域133は、検知部6と電気的に接続されている。感応膜13が載置される導電部材136が、導電性の接続部材137を介してゲート電極134と電気的に接続されている。導電部材136上に感応膜13が設けられた部分が、センシング部10Aとして機能する。センシング部10Aは、後述するパッシベーション層120の開口120aを介して感応膜13が外部に(すなわち、物質吸着膜3に対して)露出した領域である。導電部材136は、例えば、対向方向Dから見て、感応膜13とほぼ同じ大きさの矩形状をなしている。導電部材136の上面に感応膜13が成膜されている。
第1実施形態の検出部5と同様に、上述したような半導体基板100の主面上に設けられた部材を覆うように、半導体基板100の主面上には、絶縁性のパッシベーション層120が形成されている。また、物質吸着膜3は、パッシベーション層120を覆うように設けられている。パッシベーション層120には、感応膜13の上面を外部に露出させるための開口120aが形成されている。感応膜13は、開口120aを介して物質吸着膜3と接触している。物質吸着膜3には、電極4によって基準電圧が印加されている。なお、図7の例では、感応膜13の上面は、パッシベーション層120の上面よりも半導体基板100側に窪んだ位置に位置しているが、感応膜13は、感応膜13の上面がパッシベーション層120における開口120aが形成されていない部分と連続するように(フラットに接続されるように)設けられてもよい。
次に、検出部5Aの動作原理について説明する。まず、動作原理の概要について説明する。第1実施形態と同様に、物質吸着膜3が匂い物質を吸着した際にプロトンを放出すると、感応膜13の近傍のイオン濃度が変化する。その結果、感応膜13の電位が変化し、感応膜13と電気的に接続されたゲート電極134の電位が変化する。物質吸着膜3において検出された匂い(すなわち、物質吸着膜3に吸着された匂い物質)は、このようなゲート電極134の電位変化に応じた信号(out信号)の電流又は電圧の変化に基づいて検知される。以下、検出部5Aの動作(駆動方法)の第1〜第3の例について説明する。ただし、検出部5Aの駆動方法として、これらの例以外の方法が用いられてもよい。
(第1の例)
第1の例は、ISFETにおいて一般に採用される駆動方法である。第1の例は、上述したゲート電極134の電位変化に応じてn型領域131とn型領域132との間に流れる電流の大きさが変化することに着目した駆動方法である。すなわち、上述した物質吸着膜3からのプロトン放出に起因する感応膜13の近傍のイオン濃度の変化に応じて、ゲート電極134の電位が変化すると、n型領域131とn型領域132との間に流れる電流の大きさが変化する。ここで、ゲート電極135をスイッチとして使用し、ゲート電極135に与えるTG信号を変化させることにより、スイッチをONにする。すなわち、n型領域132の電荷がゲート電極135と対向する領域(以下「TG領域」)を介してn型領域133に流れる状態に切り替えられる。これにより、n型領域131とn型領域132との間に流れる電流は、TG領域及びn型領域133を介してout信号として出力される。その後、例えば、out信号は検知部6において電圧に変換される。その結果、物質吸着膜3からのプロトン放出(すなわち、物質吸着膜3による匂い物質の吸着)が、out信号の電圧変化に基づいて検知される。
(第2の例)
第2の例では、ゲート電極135のスイッチをONにした状態で、n型領域131に与えるID信号を変化させることにより、n型領域131に対して電荷が注入される。その後、n型領域131への電荷の注入が停止され、電荷の注入が停止された際のout信号の電圧が検知部6によって監視される。その結果、検知部6において、物質吸着膜3からのプロトン放出(すなわち、物質吸着膜3による匂い物質の吸着)が、out信号の電圧変化に基づいて検知される。
(第3の例)
第3の例は、概略的には、半導体基板100においてゲート電極134と対向する領域(以下「ゲート領域」)を、上述した電荷転送型の検出部5におけるICG領域として機能させると共に、n型領域132を、検出部5におけるFD部31として機能させる方式である。図8を参照して、第3の例について詳細に説明する。図8の(A)に示されるように、ゲート領域のポテンシャル井戸の深さは、感応膜13の電位変化に応じて変化する。図8の(B)に示されるように、ID信号を制御することにより、n型領域131(図8における「ID」)のポテンシャルが下げられる。これにより、n型領域131に電荷がチャージされる。n型領域131にチャージされた電荷は、ゲート領域を超えてn型領域132へと注入される。このとき、TG領域のポテンシャルは、n型領域131のポテンシャルよりも低くなるように制御される。従って、n型領域132へ注入される電荷がTG領域を超えてn型領域133(図8における「out」)に達することはない。
続いて、図8の(C)に示されるように、n型領域131のポテンシャルが元に戻される(引き上げられる)ことにより、n型領域131から電荷が引き抜かれる。その結果、ゲート領域によってすり切られた電荷がn型領域132に残る。n型領域132に残された電荷量は、ゲート領域のポテンシャル井戸の深さ(すなわち、物質吸着膜3のインピーダンス変化)に対応している。
続いて、図8の(D)に示されるように、ゲート電極135の電圧が上げられることにより、n型領域132に残された電荷がn型領域133に転送される。その後、ゲート電極135の電圧が元に戻されることにより、図8の(E)に示される状態となる。このような状態において、n型領域133に蓄積された電荷量に応じた信号(すなわち、感応膜13の電位に応じた信号)がout信号として検知部6に出力される。
以上説明したように検出部5Aを単位検出素子として備えるイオンセンサ2Aを有する匂いセンサ1Aによっても、上述した匂いセンサ1と同様の効果が奏される。
[第3実施形態]
図9は、第3実施形態の匂いセンサ1Bの概略構成を示す図である。匂いセンサ1Bは、いわゆるガラス電極型イオン計を応用したイオンセンサ2Bを有する。図9において、容器61は、検査対象の被検査溶液Lを保持している。イオンセンサ2Bは、比較電極62と、ガラス電極63と、を備える。比較電極62は、内部溶液L1を保持する容器62aを有する。内部溶液L1内には、内部電極E1が配置されている。容器62aには、内部溶液L1と被検査溶液Lとを電気的に接触させるための液絡部64が設けられている。ガラス電極63は、内部溶液L2を保持する容器63aを有する。内部溶液L2内には、内部電極E2が配置されている。容器63aの先端部には、ガラス膜65(イオン感応部)が設けられている。ガラス膜65上(ガラス膜65の外表面)には、物質吸着膜66が設けられている。物質吸着膜66は、上述した物質吸着膜3と同様の膜物質である。すなわち、物質吸着膜66は、検出対象の匂い物質(被検査溶液L中に存在又は混入する可能性がある匂い物質)を吸着する。また、物質吸着膜66は、検出対象の匂い物質を吸着した際に、プロトンを放出する状態となっている。物質吸着膜66は、例えば、エメラルディン塩の状態であるポリアニリンを含むポリアニリン膜である。
ガラス膜65は、被検査溶液Lのイオン濃度(水素イオン濃度)に応じた起電力を発生させる。本実施形態では、ガラス膜65の外表面に物質吸着膜66が成膜されている。このため、物質吸着膜66が匂い物質を吸着してプロトンを放出すると、ガラス膜65の近傍においてイオン濃度が変化する。すなわち、ガラス膜65は、物質吸着膜66からのプロトン放出に起因するガラス膜65の近傍におけるイオン濃度の変化に応じて電位を変化させる。また、被検査溶液Lは液絡部64を介して内部溶液L1と電気的に接触している。従って、内部電極E1を、内部溶液L1及び被検査溶液Lを介して物質吸着膜66に基準電圧を印加する電極として機能させることができる。或いは、物質吸着膜66に対して金属配線を直接接触させることにより、物質吸着膜66に基準電圧を印加してもよい。この場合、金属配線が物質吸着膜66に基準電圧を印加する電極として機能する。なお、このような金属配線は、例えば、ガラス電極63の容器63aに沿って設けられてもよいし、ガラス電極63とは別系統として設けられてもよい。
比較電極62の内部電極E1によってガラス膜65の外側(被検査溶液L)に発生する電位が測定され、ガラス電極63の内部電極E2によってガラス膜65の内側(内部溶液L2)に発生する電位が測定される。具体的には、内部電極E1と内部電極E2とに接続された電圧計67により、ガラス膜65の外側とガラス膜65の内側との電位差が測定される。すなわち、イオンセンサ2Bの出力値として、電圧値67の測定値が得られる。匂いセンサ1Bは、電圧計67の測定値を監視する検知部68を備える。上述したように、物質吸着膜66が匂い物質を吸着してプロトンを放出すると、物質吸着膜66からのプロトン放出に起因してガラス膜65の近傍におけるイオン濃度が変化(増大)する。そして、ガラス膜65は、当該イオン濃度の変化に応じて電位を変化させる。検知部68は、ガラス膜65の電位変化に応じた電圧計67の測定値の変化を検出することにより、被検査溶液L中の匂い物質を検知する。
以上説明したようにいわゆるガラス電極型イオン計のガラス膜65の外表面に物質吸着膜66を成膜したイオンセンサ2Bを有する匂いセンサ1Bによっても、上述した匂いセンサ1と同様の効果が奏される。
以上、本開示の好適な実施形態について詳細に説明されたが、本開示は上記実施形態に限定されない。例えば、イオンセンサ2A,2Bにおいて、複数のセンシング部(検出部)は、二次元状に配列されてもよいし、一次元状に配列されてもよい。また、イオンセンサは、1つのセンシング部(検出部)のみを有してもよい。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、センシング部10が形成された基板として半導体基板100が用いられたが、センシング部10が形成された基板は必ずしも半導体基板でなくてもよく、例えば表面に半導体領域(例えば半導体膜等)が形成された半導体以外の基板であってもよい。
なお、物質吸着膜3が匂い物質を吸着した際に生じる現象について、上述した仮説(すなわち、物質吸着膜3から放出されたプロトンに起因する陽イオンが感応膜13の近傍に滞留することにより、感応膜13の近傍におけるイオン濃度が変化するという仮説)の他に、以下のような仮説も考えられる。すなわち、図10に示されるように、物質吸着膜3から放出されたプロトンに起因する陽イオン50は、感応膜13の近傍には滞留せずに、物質吸着膜3の外部(外面3b側)に放出されるという仮説も考えられる。仮にこのような仮説が正しいとしても、匂い物質を吸着した際にプロトンを放出する状態となっている物質吸着膜3を用いることにより、匂い物質を好適に検出することが可能である。その理由は以下の通りである。すなわち、感応膜13上の物質吸着膜3が匂い物質を吸着してプロトンを放出すると、感応膜13の近傍において、物質吸着膜3の状態変化が生じる。すなわち、上述したように、エメラルディン塩の状態であったポリアニリンは、プロトンを放出することによって、エメラルディン塩基の状態に変化する。これにより、感応膜13は、感応膜13の近傍における物質吸着膜3の状態変化に応じて電位を変化させることになる。以上により、後者の仮説が正しいとしても、物質吸着膜3からのプロトン放出を感応膜13の電位変化として検知することができる。
1,1A,1B…匂いセンサ、2,2A,2B…イオンセンサ、3,3A,66…物質吸着膜、4…電極、13…感応膜(イオン感応部)、65…ガラス膜(イオン感応部)、120…パッシベーション層、120a…開口。

Claims (8)

  1. イオン感応部を有するイオンセンサと、
    前記イオン感応部上に配置され、検出対象の匂い物質を吸着する物質吸着膜と、
    前記物質吸着膜に基準電圧を印加する電極と、を備え、
    前記物質吸着膜は、前記匂い物質を吸着した際にプロトンを放出する状態となっている、匂いセンサ。
  2. 前記物質吸着膜は、エメラルディン塩の状態であるポリアニリンを含む、請求項1に記載の匂いセンサ。
  3. 前記イオン感応部は、前記物質吸着膜からのプロトン放出に起因する前記イオン感応部の近傍におけるイオン濃度の変化に応じて電位を変化させる、請求項1又は2に記載の匂いセンサ。
  4. 前記イオン感応部の電位に応じた前記イオンセンサの出力値を監視し、前記イオン感応部の電位変化に応じた前記イオンセンサの出力値の変化を検出することにより、前記匂い物質を検知する検知部を更に備える、請求項3に記載の匂いセンサ。
  5. 前記物質吸着膜は、繊維状又は多孔質状である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の匂いセンサ。
  6. 前記イオン感応部と前記物質吸着膜とが対向する対向方向における前記物質吸着膜の厚さは、5μm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の匂いセンサ。
  7. 前記イオンセンサを覆うように設けられたパッシベーション層を更に備え、
    前記物質吸着膜は、前記パッシベーション層を覆うように設けられており、
    前記パッシベーション層には、前記イオン感応部を外部に露出させる開口が設けられており、
    前記イオン感応部は、前記開口を介して前記物質吸着膜と接触しており、
    前記物質吸着膜は、前記開口の形状に沿って設けられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の匂いセンサ。
  8. イオン感応部を有するイオンセンサと、前記イオン感応部上に配置され、検出対象の匂い物質を吸着する物質吸着膜と、を備える匂いセンサによる匂い検出方法であって、
    前記物質吸着膜に基準電圧が印加された状態で、前記イオン感応部の電位に応じた前記イオンセンサの出力値を監視するステップと、
    前記物質吸着膜が、前記匂い物質を吸着した際に、プロトンを放出するステップと、
    前記イオン感応部が、前記物質吸着膜からのプロトン放出に起因する前記イオン感応部の近傍におけるイオン濃度の変化に応じて電位を変化させるステップと、
    前記イオン感応部の電位変化に応じた前記イオンセンサの出力値の変化を検出することにより、前記匂い物質を検知するステップと、を含む匂い検出方法。
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