JP2020197284A - 車両用変速機 - Google Patents

車両用変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP2020197284A
JP2020197284A JP2019105255A JP2019105255A JP2020197284A JP 2020197284 A JP2020197284 A JP 2020197284A JP 2019105255 A JP2019105255 A JP 2019105255A JP 2019105255 A JP2019105255 A JP 2019105255A JP 2020197284 A JP2020197284 A JP 2020197284A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
gear
clutch
shift
rotating shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019105255A
Other languages
English (en)
Inventor
俊平 更科
Shunpei Sarashina
俊平 更科
伊藤 俊一
Shunichi Ito
俊一 伊藤
夏樹 岩井
Natsuki Iwai
夏樹 岩井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP2019105255A priority Critical patent/JP2020197284A/ja
Publication of JP2020197284A publication Critical patent/JP2020197284A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)

Abstract

【課題】シフト軸とクラッチ装置の位置を最適化することにより、シフト軸と回転軸とを径方向で近づけて設置でき、小型化を図ることができる車両用変速機を提供すること。【解決手段】自動変速機2は、クラッチ軸18に設けられ、外側入力軸とクラッチ軸18との間で動力を伝達可能および動力を遮断可能なクラッチ装置52を備えており、クラッチ装置52は、クラッチ軸18に設けられた駆動ギヤ58Aよりも大径に形成されている。後退用の同期装置48は、クラッチ軸18と平行に延びる後退用のシフト軸50Cを備えており、後退用のシフト軸50Cは、車幅方向でクラッチ装置52に重なり、かつクラッチ軸18の軸方向で駆動ギヤ58Aと重なっている。【選択図】図4

Description

本発明は、車両用変速機に関する。
従来、複数のクラッチを備えた車両用変速機として、特許文献1に記載される車両用自動変速機が知られている。
この車両用自動変速機は、車両の幅方向に延びる入力軸と、入力軸と平行に延びる入力切換軸および出力軸と、入力切換軸に設けられた第1の摩擦クラッチおよび第2の摩擦クラッチと、出力軸の軸方向に往復動自在に設けられた3本のフォークロッドとが、トランスミッションケースに収容されている。
3本のフォークロッドは、出力軸に設けられたシンクロスリーブにそれぞれ係合しており、3本のフォークロッドは、出力軸の軸方向に移動自在に設けられた複数の被駆動歯車をそれぞれ出力軸に連結可能となっている。
特開2003−307257号公報
このような従来の車両用自動変速機にあっては、第1の摩擦クラッチと第2の摩擦クラッチが径方向に大径であり、フォークロッドが出力軸の径方向の外方に設置されている。 このため、トランスミッションケースが径方向に大型化してしまい、結果的に車両用自動変速機が大型化する。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、シフト軸とクラッチ装置の位置を最適化することにより、シフト軸と回転軸とを径方向で近づけて設置でき、小型化を図ることができる車両用変速機を提供することを目的とするものである。
本発明は、車両の前後方向に延び、駆動源から動力が伝達される第1の回転軸と、前記第1の回転軸と平行に設置された第2の回転軸、第3の回転軸および第4の回転軸と、前記第1の回転軸と前記第3の回転軸とに設けられ、前記第1の回転軸から前記第3の回転軸に動力を伝達する第1の動力伝達ギヤ対と、前記第3の回転軸と前記第4の回転軸とに設けられ、前記第3の回転軸から前記第4の回転軸に動力を伝達する第2の動力伝達ギヤ対と、前記第4の回転軸に設けられ、同期装置によって前記第4の回転軸に連結される状態と非連結とされる状態に切換えられる第4の回転軸側ギヤと、前記第4の回転軸側ギヤと噛み合うように前記第2の回転軸に設けられ、前記同期装置によって前記第4の回転軸側ギヤが前記第4の回転軸に連結されると、前記第4の回転軸から前記第4の回転軸側ギヤを介して前記第2の回転軸に動力を伝達する第2の回転軸側ギヤと、前記第3の回転軸に設けられ、前記第1の回転軸と前記第3の回転軸との間で動力を伝達可能および動力を遮断可能なクラッチ装置とを備え、前記クラッチ装置が、前記第2の動力伝達ギヤ対のうち、前記第3の回転軸に設けられた第3の回転軸側ギヤよりも大径に形成され、前記同期装置が、前記第3の回転軸と平行に延びるシフト軸を備えた車両用変速機であって、前記シフト軸は、車両の幅方向で前記クラッチ装置に重なり、かつ前記第3の回転軸の軸方向で前記第3の回転軸側ギヤと重なることを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、シフト軸とクラッチ装置の位置を最適化することにより、シフト軸と回転軸とを径方向で近づけて設置でき、車両用変速機の小型化を図ることができる。
図1は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の断面図であり、内側入力軸と外側入力軸を上下に横切る平面で切った図である。 図2は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の軸の構成図である。 図3は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の斜視図であり、変速機ケースを外した状態を示す。 図4は、本発明の一実施例に係る車両用変速機のフロントケースを後側から見た図である。 図5は、図2のV−V方向で切った車両用変速機の断面図である。
本発明の一実施の形態に係る車両用変速機は、車両の前後方向に延び、駆動源から動力が伝達される第1の回転軸と、第1の回転軸と平行に設置された第2の回転軸、第3の回転軸および第4の回転軸と、第1の回転軸と第3の回転軸とに設けられ、第1の回転軸から第3の回転軸に動力を伝達する第1の動力伝達ギヤ対と、第3の回転軸と第4の回転軸とに設けられ、第3の回転軸から第4の回転軸に動力を伝達する第2の動力伝達ギヤ対と、第4の回転軸に設けられ、同期装置によって第4の回転軸に連結される状態と非連結とされる状態に切換えられる第4の回転軸側ギヤと、第4の回転軸側ギヤと噛み合うように第2の回転軸に設けられ、同期装置によって第4の回転軸側ギヤが第4の回転軸に連結されると、第4の回転軸から第4の回転軸側ギヤを介して第2の回転軸に動力を伝達する第2の回転軸側ギヤと、第3の回転軸に設けられ、第1の回転軸と第3の回転軸との間で動力を伝達可能および動力を遮断可能なクラッチ装置とを備え、クラッチ装置が、第2の動力伝達ギヤ対のうち、第3の回転軸に設けられた第3の回転軸側ギヤよりも大径に形成され、同期装置が、第3の回転軸と平行に延びるシフト軸を備えた車両用変速機であって、シフト軸は、車両の幅方向でクラッチ装置に重なり、かつ第3の回転軸の軸方向で第3の回転軸側ギヤと重なる。
これにより、本発明の一実施の形態に係る車両用変速機は、シフト軸とクラッチ装置の位置を最適化することにより、シフト軸と回転軸とを径方向で近づけて設置でき、車両用変速機の小型化を図ることができる。
以下、本発明の一実施例に係る自動変速機について、図面を用いて説明する。図1から図5は、本発明に係る一実施例の自動変速機を示す図である。
図1から図5において、上下前後左右方向は、車両に自動変速機を搭載した状態での方向であって、車両の進行する方向を前、後退する方向を後とし、車両の幅方向が左右方向、車両の高さ方向が上下方向である。また、車両の幅方向を車幅方向ともいう。
まず、構成を説明する。
図1において、車両1には自動変速機2が搭載されており、自動変速機2は、内燃機関としてのエンジン3に固定された状態で車両1のフロアパネル1Aの下方に縦置きに設置されている。本実施例の自動変速機2は、本発明の車両用変速機を構成し、エンジン3は、本発明の駆動源を構成する。
図2に示すように、自動変速機2は、回転軸(タービン軸11、内側入力軸12、外側入力軸13、後側出力軸14、カウンタ軸15、後退軸16、前側出力軸17およびクラッチ軸18)を車両1の前後方向に沿って配置している。なお、以後の説明で回転軸の前端部、後端部は、自動変速機2を車両に搭載した状態での回転軸の軸方向の前端部、後端部をいう。
図1において、自動変速機2は、変速機ケース4を備えており、変速機ケース4にはタービン軸11、内側入力軸12、外側入力軸13、後側出力軸14、カウンタ軸15、後退軸16、前側出力軸17およびクラッチ軸18が収容されている。
本実施例の内側入力軸12および外側入力軸13は、本発明の第1の回転軸を構成し、後側出力軸14は、本発明の第2の回転軸を構成する。クラッチ軸18は、本発明の第3の回転軸を構成し、後退軸16は、本発明の第4の回転軸を構成する。
図1において、変速機ケース4は、トルクコンバータハウジング(以下、単にトルコンハウジングという)5と、フロントケース6と、トランスファフロントケース7と、トランスファリヤケース8と、トランスファアクチュエータケース9と、ギヤシフトケース6Aとを備えている。
変速機ケース4は、前から順にトルコンハウジング5、フロントケース6、トランスファフロントケース7、トランスファリヤケース8、トランスファアクチュエータケース9が配置され、フロントケース6の上部にギヤシフトケース6Aが配置され、相互に図示しないボルトによって結合されている。トルコンハウジング5の前端部は、図示しないボルトによってエンジン3に接続されている。
自動変速機2はシフトユニット100を備えており(図4参照)、シフトユニット100は、自動変速機2のシフト操作およびクラッチ操作を行う。シフト操作とは、自動変速機2の変速段を切り替える操作をいい、クラッチ操作とは、自動変速機2のクラッチ装置22(図2参照)を係合(接続)または解放(切断)する操作をいう。
トルコンハウジング5にはトルクコンバータ20が収容されている。トルクコンバータ20は、エンジン3の図示しないクランク軸に連結されるフロントカバー20Aと、フロントカバー20Aに連結されたシェル20Bとを備えており、エンジン3から自動変速機2にオイルを介して動力を伝達している。
シェル20Bの内面には、図示しないポンプインペラが固定されている。トルクコンバータ20の内部には、図示しないタービンランナがポンプインペラに対向して設置されており、タービンランナは、タービン軸11に連結されている。ポンプインペラとタービンランナとの間には図示しないステータが設置されている。
エンジン3のクランク軸が回転すると、トルクコンバータ20において、フロントカバー20A、シェル20Bおよびポンプインペラが一体で回転する。このとき、ポンプインペラの回転による遠心力によって、トルクコンバータ20の内部の流体に、ポンプインペラからタービンランナに向かう流れが生じる。
ステータは、タービンランナからの流体の流れをポンプインペラの回転方向に沿うように変換する。トルクコンバータ20は、エンジン3から受け取った動力をトルク増幅作用により増幅されてタービン軸11から出力する。
フロントカバー20Aの外周部には図示しないドライブプレートが設けられており、ドライブプレートの外周面にはリングギヤが形成されている。ドライブプレートは、エンジン3の始動時にスタータモータ19(図4参照)とリングギヤが噛み合うことにより、スタータモータ19の回転をフロントカバー20Aを介してエンジン3に伝達する。スタータモータ19は、トルコンハウジング5の左上部の後面に取付けられている。
トルコンハウジング5は、前方が開放した形状を有し、トルクコンバータ20の径方向外周を取り囲む周壁81と、この周壁81の内面に接続して設けられトルクコンバータ20の後方に配置される隔壁82とを有している。
隔壁82は、トルクコンバータ20とその後方に配置されるクラッチ装置22の間でタービン軸11を支持している。左側上部の周壁81には、スタータモータ19の装着部として、スタータモータ19が挿入されるスタータモータ19用の開口と、開口の周囲に取付けボスが形成されている。
隔壁82は、トルコンハウジング5の内部でトルクコンバータ20を収容するトルコン室30とフロントケース6の内部でクラッチ装置22を収容するクラッチ室31とを仕切っている。隔壁82には、トルクコンバータ20の出力軸となるタービン軸11が貫通して配置される軸受支持部が形成されている。タービン軸11は、隔壁82を貫通し、隔壁82に形成された軸受支持部において玉軸受23Aを介して回転自在に支持されている。
トルコンハウジング5にはオイルポンプ24が取付けられている。オイルポンプ24は、トルコンハウジング5の内部空間(トルコン室30)に突出するように隔壁82の前面に配置されており、例えば、トロコイド式のオイルポンプから構成されている。オイルポンプ24は、前側ポンプハウジング25と後側ポンプハウジング26から構成されるポンプハウジングを有する。
後側ポンプハウジング26は、図示しないボルトによって隔壁82に締結されており、前側ポンプハウジング25は、図示しないボルトによって後側ポンプハウジング26に締結されている。
前側ポンプハウジング25および後側ポンプハウジング26はオイルポンプ24の筐体を構成している。前側ポンプハウジング25と後側ポンプハウジング26との間にはポンプ室27が形成されており、ポンプ室27にはインナロータ24Aおよびアウタロータ24Bが配置されている。インナロータ24Aは、円環状の部材であってタービン軸11が貫通した状態で取付けられており、シェル20Bに係合してシェル20Bと一体で回転する。
アウタロータ24Bは、円環状の部材であってインナロータ24Aの周囲を囲むようにインナロータ24Aの半径方向外方に配置されており、インナロータ24Aの外周部に形成された外歯と噛み合うことでインナロータ24Aの回転に伴って回転する。
トロコイド式のオイルポンプ24は、アウタロータ24Bの内周部に形成された内歯とインナロータ24Aに形成された外歯とが接触することにより、外歯と内歯との間にオイルを収容する図示しない作動室を形成する。
エンジン3の動力がトルクコンバータ20を介してインナロータ24Aに伝達されると、オイルポンプ24において、インナロータ24Aとアウタロータ24Bとが一方向に回転する。このとき、オイルポンプ24は、外歯と内歯との間で形成された作動室の容積増加および容積減少が連続して発生することにより、作動室がオイルの吸入と排出を繰り返し、オイルを圧送することができる。
タービン軸11の後端部には円盤状のフランジ部11Aが形成されており、フランジ部11Aは、タービン軸11の前端部や中央部よりも大径に形成されている。フランジ部11Aにはフライホイール28が取付けられている。フライホイール28は、クラッチ室31に配置され、フロントケース6に収容されている。
フロントケース6には、クラッチ装置22が収容されている。クラッチ室31に配置されたクラッチ装置22は、フライホイール28の後面に取付けられている。クラッチ装置22は、乾式単板のクラッチであり、フライホイール28に取付けられるクラッチカバーと、フライホイール28とクラッチカバーの間に配置されるクラッチディスク22Aとによって構成されている。
なお、フロントケース6とトランスファフロントケース7によって変速機構29が収納される変速機構室32が形成されており、フロントケース6とトランスファフロントケース7には、後述する複数の変速ギヤ対や同期装置を有する変速機構29が収容されている。本実施例のクラッチ装置22は、本発明の第1のクラッチ装置を構成する。
フロントケース6は、クラッチ装置22および変速機構29を外周側から囲む周壁83を備えている。トランスファフロントケース7は、変速機構29を外周側から囲む周壁84を備えており、周壁84の前端部は、周壁83の後端部に連結されている。
フロントケース6の周壁83には隔壁86が形成されており、隔壁86は、フロントケース6の内部をクラッチ装置22が収納されるクラッチ室31と、変速機構29が収納される変速機構室32とに区画し、玉軸受23Bを介して外側入力軸13を回転自在に支持している。
クラッチ装置22は、内側入力軸12および外側入力軸13が貫通した状態で設置されており、内側入力軸12の周囲と外側入力軸13の軸方向の前端部13aの周囲に配置されている。 内側入力軸12および外側入力軸13は、フロントケース6およびトランスファフロントケース7に収容されている。
内側入力軸12は、外側入力軸13の内部に挿入されており、内側入力軸12は、外側入力軸13と同軸上に設置されて外側入力軸13と相対回転自在となっている。内側入力軸12は、タービン軸11と同軸上に設置されて、外側入力軸13の前端部13aから前方に突出する軸方向の前端部12aがタービン軸11のフランジ部11Aにスプライン嵌合されており、タービン軸11から動力が伝達される。
これにより、内側入力軸12は、タービン軸11と一体で回転する。なお、本実施例のスプライン嵌合とは、スプライン穴にスプライン軸を挿入および嵌合してスプライン継手を構成し、スプラインによる動力伝達が可能に組み立てられた状態を意味する。
内側入力軸12は、後側出力軸14と同軸上に設置されている。内側入力軸12の軸方向の後端部12bは、後側出力軸14の前端部14aに挿入され、後側出力軸14の前端部14aにニードル軸受23Cを介して相対回転自在に支持されている。本実施例の後側出力軸14は、本発明の出力軸を構成する。
トランスファフロントケース7は、周囲が周壁84に接続する隔壁85が設けられている。隔壁85には、後側出力軸14が貫通配置される軸受支持部88が設けられている。軸受支持部88には、玉軸受23Dを介して後側出力軸14の軸方向の中央部が回転自在に支持されている。隔壁85は、変速機構29が収納される変速機構室32と2駆‐4駆切替機構が収納されるトランスファ室37とを仕切っている。
トランスファリヤケース8は、トランスファフロントケース7とともに2駆‐4駆切替機構が収納されるトランスファ室37を画成している。トランスファリヤケース8は、後側出力軸14の後部と後述するトランスファ装置36(図2参照)を外周側から取り囲む周壁87を備えており、周囲が周壁87に接続する隔壁89が設けられている。隔壁89には、後側出力軸14が貫通配置され玉軸受23Eを支持する軸受支持部89Aが設けられている。後側出力軸14の軸方向の中央部は、玉軸受23Eを介して軸受支持部89Aに回転自在に支持されている。
トランスファリヤケース8の軸受支持部89Aは、後方に向って延びる筒状部89Bを有する。筒状部89Bは、隔壁89から後方に筒状に延びている。筒状部89Bの内部には後側出力軸14の後端部が配置されており、リヤプロペラ軸の先端が筒状部89Bに挿入されて、リヤプロペラ軸と後側出力軸14とが連結される。
後側出力軸14の後部は、玉軸受23Eを介して隔壁89に回転自在に支持されており、後側出力軸14の後端部14bは、筒状部89Bに収容されている。
クラッチ装置22は、クラッチディスク22Aとクラッチカバーとを備えている。クラッチカバーは、フライホイール28と反対側のクラッチディスク22Aの面に当接するプレッシャプレート22Bと、プレッシャプレート22Bをフライホイール28側に付勢するダイヤフラムスプリング22Cとを備えている。
クラッチディスク22Aは外側入力軸13の前端部13aにスプライン嵌合しており、クラッチディスク22Aは外側入力軸13に一体的に回転し、かつ外側入力軸13の軸方向に移動自在に設けられている。
フロントケース6の隔壁86には、外側入力軸13が貫通配置される筒状部90が形成されている。筒状部90は、隔壁86の中央付近から外側入力軸13の軸方向に沿ってクラッチ装置22側に延びている。すなわち、筒状部90は、隔壁86からクラッチ室31側に突出して形成されている。
外側入力軸13の軸方向でクラッチ装置22と玉軸受23Bの間には環状のレリーズベアリング34が設置されている。レリーズベアリング34は、筒状部90の周囲に設けられており、筒状部90は、レリーズベアリング34を貫通して配置されている。レリーズベアリング34は、筒状部90に沿って外側入力軸13の軸方向に移動してダイヤフラムスプリング22Cの半径方向内方部分に接触および離隔する。
レリーズベアリング34は、レリーズレバー35(図3、図4参照)によって筒状部90に沿って外側入力軸13の軸方向で前方(クラッチ装置22側)に移動されると、ダイヤフラムスプリング22Cの中央付近(筒状部90の周辺付近)を前方に向かって押圧する。
これにより、ダイヤフラムスプリング22Cによるプレッシャプレート22Bへの付勢が解除され、プレッシャプレート22Bの押圧力が無くなり、クラッチディスク22Aがフライホイール28から離隔される。この結果、エンジン3のクランク軸の回転が外側入力軸13に伝達されなくなる。
なお、エンジン3の動力を伝達するためにダイヤフラムスプリング22Cがプレッシャプレート22Bを付勢する力は強力であり、この付勢を解除するためにレリーズベアリング34に作用するレリーズレバー35からの操作力も大きな力が必要となる。この力はトルコンハウジング5の隔壁82にて受け止められる。
レリーズベアリング34は、レリーズレバー35によって外側入力軸13の軸方向に対して後方に移動されると、ダイヤフラムスプリング22Cの中央付近(筒状部90の周辺付近)から離れる。
この状態では、ダイヤフラムスプリング22Cがプレッシャプレート22Bを付勢してクラッチディスク22Aをフライホイール28に押し付け、クラッチディスク22Aをプレッシャプレート22Bとフライホイール28にて挟持するので、エンジン3のクランク軸の回転を外側入力軸13に伝達する。
このようにレリーズベアリング34は、エンジン3の動力を外側入力軸13に伝達可能または遮断可能なようにクラッチ装置22を操作し、クラッチ装置22は、エンジン3のクランク軸と外側入力軸13との間で動力を伝達状態または遮断状態に切り替える。
レリーズレバー35は、前述のシフトユニット100に連結されており、シフトユニット100によって操作される。
フロントケース6およびトランスファフロントケース7にはカウンタ軸15が収容されており、カウンタ軸15は、フロントケース6の隔壁86、トランスファリヤケース8の隔壁89に回転自在に支持されている。
図2に示すように、カウンタ軸15は、内側入力軸12、外側入力軸13、後側出力軸14、後退軸16、前側出力軸17およびクラッチ軸18に対して平行に前後方向に延びている。すなわち、カウンタ軸15、内側入力軸12、外側入力軸13、後側出力軸14、後退軸16、前側出力軸17およびクラッチ軸18は、平行に配置され前後方向に延びている。
内側入力軸12は、フライホイール28およびクラッチ装置22の回転軸心を貫通して前後方向に延びている。内側入力軸12の前端部12aは、タービン軸11のフランジ部11Aの回転軸心に後方に向けて開口するように形成された嵌合穴11aに後側から挿入されて嵌合している。
嵌合穴11aの内面における後側部分は、内面にスプライン歯溝が形成されてスプライン穴となっている。また、内側入力軸12の前端部12aは、外周面にスプライン歯が形成されてスプライン軸となっている。
そして、内側入力軸12の前端部12aがタービン軸11の嵌合穴11aに挿入されると、内側入力軸12の前端部12aのスプライン軸部分と嵌合穴11aのスプライン穴部分が噛み合って、内側入力軸12とタービン軸11が一体的に回転するように連結される。
また、嵌合穴11aの内面における前側部分(奥側部分)はスプライン穴よりも小径の中空円筒状に形成されており、この中空円筒状に嵌合する様に内側入力軸12の前端部12aの先端は円筒状に形成されている。
すなわち、内側入力軸12は、前端部12aが嵌合穴11aに挿入されることにより、タービン軸11の軸線と内側入力軸12の軸線とが同一軸線上に位置するようにタービン軸11と内側入力軸12とが位置決めされる。
また、嵌合穴11aの後部のスプライン穴部分に内側入力軸12のスプライン軸部分がスプライン嵌合され、タービン軸11から内側入力軸12にエンジン3の動力が伝達される。
図2に示すように、軸方向でレリーズベアリング34よりも後側にオイルシール92が設けられている。オイルシール92は、筒状部90の内面と外側入力軸13の外周面の間に介装されて、変速機構室32の潤滑油がクラッチ室31に漏れ出さないように密封している。
軸方向でオイルシール92よりも後側に、内側入力軸12の外周面と外側入力軸13の内面との間にはオイルシール93が設けられている。軸方向でオイルシール92とオイルシール93を前後にずらして配置したので、筒状部90の外径を小さくすることができる。
内側入力軸12と外側入力軸13との間には、図示しないすべり軸受(ブッシュ)とニードル軸受23Gが配設され、内側入力軸12と外側入力軸13とは相対回転自在に相互に支持されている。つまり、外側入力軸13の前端部13aは、すべり軸受を介して内側入力軸12の前端部12aに相対回転自在に軸支されている。
また、オイルシール93よりも後方において内側入力軸12は、ニードル軸受23Gを介して外側入力軸13に相対回転自在に支持されている。
ニードル軸受23Gよりも後方であって外側入力軸13から後方に突出する内側入力軸12の部分には、1速−後退用ギヤ41が設けられている。1速−後退用ギヤ41は、外側入力軸13よりも大径に形成されているとともに、内側入力軸12と一体で回転する。
1速−後退用ギヤ41は、外側入力軸13の後端部と後側出力軸14の前端部の間に配置されている。つまり、内側入力軸12の軸方向において、外側入力軸13と後側出力軸14は、1速−後退用ギヤ41を前後方向で挟んで同軸上に設置されている。
外側入力軸13の後端部には、駆動ギヤ42が設けられている。内側入力軸12の軸方向で1速−後退用ギヤ41の側面と駆動ギヤ42の側面(外側入力軸13の後端面)の間にはスラスト軸受23Jが設けられており、外側入力軸13と内側入力軸12(1速−後退用ギヤ41)は、スラスト軸受23Jによって軸方向に位置決めされた状態で相対回転自在となっている。
後側出力軸14の前端部14aには、5速出力ギヤ43Dが設けられている。内側入力軸12の軸方向で1速−後退用ギヤ41の側面と5速出力ギヤ43Dの側面(後側出力軸14の前端面)の間にスラスト軸受23Kが設けられており、後側出力軸14と内側入力軸12(1速−後退用ギヤ41)は、スラスト軸受23Kにて軸方向に位置決めされた状態で相対回転自在となっている。
1速−後退用ギヤ41よりも後方において、内側入力軸12の後端部12bは、後側出力軸14の前端部14aに挿入されており、内側入力軸12の後端部12bと後側出力軸14の前端部14aとの間にはニードル軸受23Cが設けられている。つまり、後側出力軸14の前端部14aは、その内部に配置されたニードル軸受23Cによって内側入力軸12に相対回転自在に支持されている。
内側入力軸12の軸心にはオイル通路12Aが形成されているとともに、内側入力軸12には半径方向に延びるオイル通路12Bが形成されている。そして、オイル通路12Aは、オイル通路12Bを通して内側入力軸12の周囲(内側入力軸12と外側入力軸13の間の隙間)に連通している。
オイル通路12Aは、内側入力軸12の後端面から軸方向に沿い内側入力軸12の中央付近まで形成されている。つまり、オイル通路12Aの前端部は閉じられており、オイル通路12Aの後端部は、開口している。オイル通路12Bは、オイル通路12Aの前端部付近に連通している。
軸方向でオイル通路12Bの位置に対応する外側入力軸13の外周部には環状部材94が配置されており、環状部材94は、外側入力軸13の外周部を取り囲んでいる。環状部材94は、筒状部90と外側入力軸13の間に配置され、筒状部90に取付けられている(図1参照)。
環状部材94は、外側入力軸13の軸方向で玉軸受23Bの前方側に玉軸受23Bと並んで設置されており、玉軸受23Bと共に筒状部90と外側入力軸13の間に設置されている。環状部材94には半径方向に延びるオイル通路94Aが形成されており、オイル通路94Aは環状部材94の外径面と内径面に開口を有している。
隔壁86および筒状部90には図示しないオイル通路が形成されており、オイル通路94Aは、筒状部90のオイル通路を通して隔壁86のオイル通路に連通されている。
軸方向で環状部材94の位置に対応する外側入力軸13の部位には、半径方向に延びて外側入力軸13の内外を連通するオイル通路13Aが形成されている。そして、環状部材94のオイル通路94Aは、オイル通路13Aおよびオイル通路12Bを通してオイル通路12Aに連通されている。
これにより、隔壁86のオイル通路から筒状部90のオイル通路を通してオイル通路94Aに供給された潤滑油は、オイル通路13Aを通して内側入力軸12と外側入力軸13の間に供給される。この内側入力軸12と外側入力軸13の間に供給された潤滑油の一部は、オイル通路12Bを通してオイル通路12Aに供給される。
外側入力軸13と環状部材94の間には図示しない一対のシールリングが設けられており、外側入力軸13の軸方向でオイル通路13Aとオイル通路94Aは、軸方向で一対のシールリングの間に設けられている。
これにより、オイル通路94Aとオイル通路13Aが開口する環状部材94と外側入力軸13の間の空間が、一対のシールリングによって密閉され、オイル通路94Aからオイル通路13Aに流れる潤滑油が環状部材94と外側入力軸13の間から漏出されることが防止される。
自動変速機2において、環状部材94のオイル通路94Aからオイル通路13Aを通過する潤滑油は、内側入力軸12と外側入力軸13の間に流れ込む。内側入力軸12と外側入力軸13の間には、軸方向でオイル通路12Bとオイルシール93の間に図示しないシールリングが設けられており、オイル通路13Aを通過した潤滑油が、オイルシール93に過度に供給されることを防いでいる。
内側入力軸12と外側入力軸13の間に流れ込んだ潤滑油は、内側入力軸12の軸方向に沿って後方に流れてニードル軸受23Gを潤滑するとともに、その一部はオイル通路12Bに流れ込む。
ニードル軸受23Gを潤滑した潤滑油は、駆動ギヤ42(外側入力軸13の後端部13b)と1速−後退用ギヤ41の間の隙間から排出され、駆動ギヤ42と1速−後退用ギヤ41の側面を流れて駆動ギヤ42と1速−後退用ギヤ41を潤滑し、変速機構室32に排出される。
一方、内側入力軸12と外側入力軸13の間からオイル通路12Bに流れ込んだ潤滑油は、オイル通路12Aを内側入力軸12の軸方向に沿って後方に流れ、内側入力軸12の軸方向の後端部12b(後端面)に形成されたオイル通路12Aの後部の開口端から内側入力軸12と外側入力軸13の間に供給される。
この潤滑油は、径方向の外側に流れて内側入力軸12の外径面と外側入力軸13の内径面の間の隙間に流れ込み、内側入力軸12の軸方向に流れ、ニードル軸受23Cを潤滑する。ニードル軸受23Cを潤滑した潤滑油は、5速出力ギヤ43D(外側入力軸13の後端部13b)と1速−後退用ギヤ41の間の隙間から排出され、5速出力ギヤ43Dと1速−後退用ギヤ41の側面を流れて5速出力ギヤ43Dと1速−後退用ギヤ41を潤滑し、変速機構室32に排出される。
外側入力軸13の後端部には駆動ギヤ42が設けられている。後側出力軸14には、後端部14bから前端部14aに向かって順に1速−2速出力ギヤ43A、3速出力ギヤ43B、4速出力ギヤ43C、5速出力ギヤ43Dが設けられている。出力ギヤ43Aから出力ギヤ43Dは、後側出力軸14に固定されており、後側出力軸14と一体で回転する。
カウンタ軸15の前端部15aは、玉軸受23Lを介して隔壁86に回転自在に支持されており、カウンタ軸15の後端部15bは、玉軸受23Mを介して隔壁89に回転自在に支持されている。
カウンタ軸15には後端部15bから前端部15aに向かって順に1速−2速カウンタギヤ44A、3速カウンタギヤ44B、4速カウンタギヤ44C、5速カウンタギヤ44D、従動ギヤ44Eが設けられている。3速カウンタギヤ44Bと4速カウンタギヤ44Cの間には、後述する後退軸16の中間ギヤ60に噛み合う従動ギヤ44Fが設けられている。
従動ギヤ44Eは、カウンタ軸15にスプライン嵌合されており、カウンタ軸15と一体で回転する。従動ギヤ44Fは、カウンタ軸15と一体に形成されており、カウンタ軸15と一体で回転する。
カウンタギヤ44Aからカウンタギヤ44Dは、ニードル軸受21A、21B、21C、21Dを介してカウンタ軸15に相対回転自在に取付けられている。
従動ギヤ44Eは、外側入力軸13の後端部13bに一体に形成された駆動ギヤ42に噛み合っている。同一の変速段を構成するカウンタギヤ44A、44B、44C、44Dは、それぞれ同一の変速段を構成する出力ギヤ43A、43B、43C、43Dに噛み合っている。
自動変速機2は、出力ギヤ43Aから出力ギヤ43Dと、カウンタギヤ44Aからカウンタギヤ44Dとによって1速段から5速段までの変速段が構成されている。
本実施例の1速−2速出力ギヤ43Aと1速−2速カウンタギヤ44A、3速出力ギヤ43Bと3速カウンタギヤ44B、4速出力ギヤ43Cと4速カウンタギヤ44C、5速出力ギヤ43Dと5速カウンタギヤ44Dは、カウンタ軸15から後側出力軸14に変速段に応じた動力を伝達可能な変速ギヤ対を構成する。
カウンタ軸15の軸方向で1速−2速カウンタギヤ44Aと3速カウンタギヤ44Bの間には1、2速−3速用の同期装置46が設置されている。
1、2速−3速用の同期装置46は、ハブ46Aおよびスリーブ46Bを有する。ハブ46Aは、カウンタ軸15にスプライン嵌合されており、カウンタ軸15と一体で回転する。スリーブ46Bは、ハブ46Aにスプライン嵌合されており、ハブ46Aと一体的に回転するとともにハブ46Aに対してカウンタ軸15の軸方向に移動自在となっている。
図1において、フロントケース6の上部には、ギヤシフトケース6Aが取付けられている。ギヤシフトケース6Aの内部には、シフトアンドセレクト軸33が設置されている。シフトアンドセレクト軸33は、外側入力軸13の軸方向と直交する車幅方向に延びている。
シフトアンドセレクト軸33は、ギヤシフトケース6Aに回転自在かつ、軸方向に移動自在に設けられており、シフトユニット100によって操作される。シフトユニット100は、変速機ケース4の右側に配置されており、フロントケース6およびトランスファフロントケース7の外周右側面(変速機ケース4の外周右側面4a)に取付けられている。シフトユニット100は、油圧によって駆動されるシフトアクチュエータ100Aおよびクラッチアクチュエータ100B(図4参照)を有する。
シフトアンドセレクト軸33は、シフトアクチュエータ100Aによって操作され、レリーズレバー35は、クラッチアクチュエータ100Bによって操作される。また、シフトユニット100は、後述するクラッチ装置52に作動用油圧を供給し、クラッチ装置52を作動させる。
1、2速−3速用の同期装置46において、シフトユニット100によってシフトアンドセレクト軸33が操作されると、図3に示す1、2速−3速用のシフトヨーク49A、1、2速−3速用のシフト軸50A、1、2速−3速用のシフトフォーク51Aを介してスリーブ46Bがカウンタ軸15の軸方向に移動される。
図2において、1、2速−3速用の同期装置46は、スリーブ46Bを中立位置からカウンタ軸15の軸方向の後側に移動させることにより、1速−2速カウンタギヤ44Aを、スリーブ46Bおよびハブ46Aを介してカウンタ軸15に連結させる。
これにより、カウンタ軸15と後側出力軸14の間の前進1速段または前進2速段が成立し、動力がカウンタ軸15から1速−2速カウンタギヤ44Aおよび1速−2速出力ギヤ43Aを介して後側出力軸14に伝達される。
1、2速−3速用の同期装置46は、スリーブ46Bを中立位置からカウンタ軸15の軸方向の前側に移動させることにより、3速カウンタギヤ44Bを、スリーブ46Bおよびハブ46Aを介してカウンタ軸15に連結する。これにより、カウンタ軸15と後側出力軸14の間の前進3速段が成立し、動力がカウンタ軸15から3速カウンタギヤ44Bおよび3速出力ギヤ43Bを介して後側出力軸14に伝達される。
後側出力軸14の後端部14bには図示しないリヤプロペラ軸が連結されている。具体的には、リヤプロペラ軸の先端部には、内部にスプライン穴が形成された図示しないスライディングヨークが設けられている。後側出力軸14の後端外周にはスプライン部14sが形成されており、スライディングヨークは、筒状部89Bに挿入された状態でスプライン部14sにスプライン嵌合されている。
これにより、スライディングヨークは、後側出力軸14と一体で回転し、かつ、後側出力軸14の軸方向に移動可能となっている。したがって、リヤプロペラ軸は、スライディングヨークを介して後側出力軸14から動力を受け、後輪へ動力を伝達することができる。
リヤプロペラ軸の後端部は、図示しないリヤディファレンシャル装置に連結されている。そして、リヤディファレンシャル装置は、左右のリヤドライブ軸を介して左右の後輪に連結されている。つまり、動力が後側出力軸14からリヤプロペラ軸、リヤディファレンシャル装置、リヤ側の左右のリヤドライブ軸を介して左右の後輪に伝達される。
カウンタ軸15の軸方向で4速カウンタギヤ44Cと5速カウンタギヤ44Dの間には4速−5速用の同期装置47が設置されている。
4速−5速用の同期装置47は、ハブ47Aおよびスリーブ47Bを有する。ハブ47Aは、カウンタ軸15にスプライン嵌合されており、カウンタ軸15と一体で回転する。スリーブ47Bは、ハブ47Aにスプライン嵌合されており、ハブ47Aと一体的に回転するとともにハブ47Aに対してカウンタ軸15の軸方向に移動自在となっている。
4速−5速用の同期装置47において、シフトユニット100によってシフトアンドセレクト軸33が操作されると、図3に示す4速−5速用のシフトヨーク49B、4速−5速用のシフト軸50B、4速−5速用のシフトフォーク51Bを介してスリーブ47Bがカウンタ軸15の軸方向に移動される。
4速−5速用の同期装置47は、スリーブ47Bを中立位置からカウンタ軸15の軸方向の後側に移動させることにより、4速カウンタギヤ44Cを、スリーブ47Bおよびハブ47Aを介してカウンタ軸15に連結する。これにより、前進4速段が成立し、カウンタ軸15の動力が4速カウンタギヤ44Cおよび4速出力ギヤ43Cを介して後側出力軸14に伝達される。
4速−5速用の同期装置47は、スリーブ47Bを中立位置からカウンタ軸15の軸方向の前側に移動させることにより、5速カウンタギヤ44Dを、スリーブ47Bおよびハブ47Aを介してカウンタ軸15に連結する。
これにより、前進5速段が成立し、カウンタ軸15の動力が5速カウンタギヤ44Dおよび4速出力ギヤ43Dを介して後側出力軸14に伝達される。
4速段または5速段が成立すると、エンジン3の動力が後側出力軸14からリヤプロペラ軸、リヤディファレンシャル装置、リヤ側の左右のリヤドライブ軸を介して左右の後輪に伝達される。
図2において、クラッチ軸18の前端部18aは、コロ軸受23Nを介してフロントケース6に形成された図示しない軸受支持部に回転自在に支持されている。
クラッチ軸18の軸方向の中央部は、玉軸受23Pを介してフロントケース6に取付けられた軸受支持部95(図3、図4参照)に回転自在に支持されている。玉軸受23Pが設置された軸受支持部95は、フロントケース6と別体に設けられており、フロントケース6に架設されている。
クラッチ軸18の後端部18bは、玉軸受23Qを介してトランスファフロントケース7の隔壁85に回転自在に支持されている。
図4に示すように、自動変速機2の高さ方向(上下方向)でクラッチ軸18が最も高い位置に設置されており、カウンタ軸15が最も低い位置に設置されている。自動変速機2の高さ方向で後側出力軸14は、カウンタ軸15よりも高い位置で、かつクラッチ軸18よりも低い位置に設置されている。
自動変速機2の高さ方向で後退軸16は、カウンタ軸15よりも高い位置で、かつ後側出力軸14よりも低い位置に設置されている。内側入力軸12と外側入力軸13は、後側出力軸14と同一軸上に設置されているので、自動変速機2の高さ方向で内側入力軸12と外側入力軸13は、カウンタ軸15よりも高い位置で、かつクラッチ軸18よりも低い位置に設置されている。
車幅方向で後側出力軸14と後退軸16は、カウンタ軸15とクラッチ軸18の間に設置されており、車幅方向において後退軸16は、後側出力軸14に対してクラッチ軸18側に位置し、後側出力軸14は、後退軸16に対してカウンタ軸15側に位置している。
つまり、軸方向から見て、クラッチ軸18は後側出力軸14に対して左側やや上方に配置され、後退軸16は後側出力軸14に対して左側やや下方に配置され、カウンタ軸15は後側出力軸14に対して右下に配置されている。
このような位置関係により、後側出力軸14の軸心O1とカウンタ軸15の軸心O2と後退軸16の軸心O3とクラッチ軸18の軸心O4と後側出力軸14の軸心O1とを結んだ仮想線Lは、略平行四辺形となるように後側出力軸14、カウンタ軸15、後退軸16およびクラッチ軸18が設置される。
図2において、クラッチ軸18の前端部18a側には湿式多板クラッチで構成されるクラッチ装置52が設置されている。本実施例のクラッチ装置52は、本発明の第2のクラッチ装置を構成する。
クラッチ装置52は、クラッチドラム53およびクラッチハブ54を有する。クラッチドラム53の後部には入力ギヤ55がスプライン嵌合されて取付けられており、入力ギヤ55は、クラッチドラム53と一体で回転する。
入力ギヤ55は1速−後退用ギヤ41に噛み合っており、内側入力軸12の動力は、1速−後退用ギヤ41から入力ギヤ55を介してクラッチドラム53に伝達される。1速−後退用ギヤ41と入力ギヤ55の径は、略同形である。
クラッチドラム53は、入力ギヤ55に対応する軸方向位置においてニードル軸受23Rを介してクラッチ軸18に相対回転自在に支持されている。本実施例の1速−後退用ギヤ41および入力ギヤ55は、内側入力軸12からクラッチ軸18に動力を伝達する本発明の第1の動力伝達ギヤ対を構成する。
クラッチドラム53の内周部には環状の摩擦プレート56Aがスプライン嵌合されており、摩擦プレート56Bは、クラッチドラム53と一体で回転可能で、かつ、クラッチ軸18の軸方向に移動自在となっている。
クラッチハブ54は、クラッチドラム53の内側に配置されており、クラッチドラム53の前側でクラッチ軸18にスプライン嵌合されており、クラッチ軸18と一体で回転する。クラッチハブ54の外周部には摩擦プレート56Bがスプライン嵌合されている。
摩擦プレート56Bは、クラッチハブ54と一体で回転可能で、かつ、クラッチ軸18の軸方向に移動自在となっている。摩擦プレート56A、56Bは、クラッチ軸18の軸方向で交互に並ぶように設置されている。
クラッチ装置52は、その前側部分にクラッチピストン57および筒状の押圧プレート57Aを備えている。クラッチピストン57は、押圧プレート57Aの前側であって軸方向で押圧プレート57Aとコロ軸受23Nの間に配置されており、シフトユニット100から供給されるオイルによって駆動され、押圧プレート57Aをクラッチ軸18の軸方向で後方に押圧する。
押圧プレート57Aがクラッチピストン57によって後方に押圧されると、押圧プレート57Aが摩擦プレート56Aおよび摩擦プレート56Bを後方に押圧し、摩擦プレート56Aと摩擦プレート56Bが摩擦接触し、クラッチドラム53とクラッチハブ54が一体で回転される。
これにより、内側入力軸12の動力が1速−後退用ギヤ41から入力ギヤ55、クラッチ装置52を介してクラッチ軸18に伝達され、クラッチ軸18が回転される。
押圧プレート57Aにクラッチピストン57の押圧力が作用しなくなると、押圧プレート57Aが図示しないリタースプリングによって摩擦プレート56A、56Bから引き離される。これにより、摩擦プレート56A、56Bに作用していた押しつけ力が無くなり、摩擦プレート56Aと摩擦プレート56Bの間の摩擦力が低下して内側入力軸12の動力がクラッチ軸18に伝達されなくなる。
クラッチ軸18の軸方向でクラッチ装置52の後方には筒状部材58が設置されている。筒状部材58は、その後部がニードル軸受21Eを介してクラッチ軸18に回転自在に支持されている。
ニードル軸受21Eに対応する軸方向位置において筒状部材58の外周部には駆動ギヤ58Aが形成されている。駆動ギヤ58Aは、後述する中間ギヤ60に噛み合っている。
筒状部材58の前側部分は拡径されており、この筒状部材58の拡径部とクラッチ軸18の間にワンウェイクラッチ59が配置されている。つまり、ワンウェイクラッチ59は、筒状部材58を介して駆動ギヤ58Aとクラッチ軸18の間に配置されている。
そして、ワンウェイクラッチ59は、クラッチ軸18が駆動ギヤ58Aの回転速度を増速側に変更させる回転のみを駆動ギヤ58Aに伝達し、駆動ギヤ58Aの回転速度がクラッチ軸18の回転速度よりも速い場合には、駆動ギヤ58Aとクラッチ軸18の間で動力を伝達しない。
後退軸16の前端部16aは、玉軸受23Sを介して隔壁86に回転自在に支持されており、後退軸16の後端部16bは、玉軸受23Tを介して隔壁85に回転自在に支持されている。
後退軸16の軸方向の中央部には中間ギヤ60が固定されている。中間ギヤ60は、後退軸16と一体に形成されており、後退軸16と一体で回転する。中間ギヤ60は、クラッチ軸18に配置された駆動ギヤ58Aとカウンタ軸15に配置された従動ギヤ44Fに噛み合っており、駆動ギヤ58Aと従動ギヤ44Fの間で動力を伝達可能にしている。
これにより、クラッチ軸18は、駆動ギヤ58Aおよび中間ギヤ60を介して後退軸16に動力を伝達可能であり、後退軸16は、中間ギヤ60から従動ギヤ44Fを介してカウンタ軸15に動力を伝達可能である。
つまり、クラッチ軸18は、ワンウェイクラッチ59、駆動ギヤ58A、中間ギヤ60(後退軸16)および従動ギヤ44F(カウンタ軸15)を介して後側出力軸14に動力を伝達可能となっている。
本実施例の駆動ギヤ58Aおよび中間ギヤ60は、クラッチ軸18から後退軸16に動力を伝達する本発明の第2の動力伝達ギヤ対を構成し、駆動ギヤ58Aは、本発明の第3の回転軸側ギヤを構成する。
ここで、ワンウェイクラッチ59は、クラッチ軸18から駆動ギヤ58A、中間ギヤ60および従動ギヤ44Fを介してカウンタ軸15に回転速度を増加させる動力を伝達可能とし、カウンタ軸15から従動ギヤ44F、中間ギヤ60および駆動ギヤ58Aを介してクラッチ軸18に回転速度を増加させる動力を伝達することを不能とする。
すなわち、ワンウェイクラッチ59は、クラッチ軸18の動力を駆動ギヤ58A、中間ギヤ60および従動ギヤ44Fを介してカウンタ軸15に伝達し、カウンタ軸15の回転速度がクラッチ軸18の回転速度よりも速くなると、カウンタ軸15から従動ギヤ44F、中間ギヤ60および駆動ギヤ58Aを介してクラッチ軸18に動力を伝達しない。
後退軸16の後端部16bには後退ギヤ61が設けられており、後退ギヤ61は、ニードル軸受21Fを介して後退軸16に相対回転自在に支持されている。後退ギヤ61は、後側出力軸14に配置された1速−2速出力ギヤ43Aに噛み合っており、後退ギヤ61から動力が伝達される。
これにより、後退軸16は、後退ギヤ61および1速−2速出力ギヤ43Aを介して後側出力軸14に動力を伝達可能となっている。
後退軸16には後退用の同期装置48が設置されている。後退用の同期装置48は、ハブ48Aおよびスリーブ48Bを有し、ハブ48Aは、後退ギヤ61に隣接して設けられている。ハブ48Aは、後退軸16にスプライン嵌合されており、後退軸16と一体で回転する。スリーブ48Bは、ハブ48Aにスプライン嵌合されており、後退軸16の軸方向に移動自在となっている。
図3、図5に示すように、自動変速機2は、後退軸16およびクラッチ軸18と平行に延びる後退用のシフト軸50Cと、スリーブ48Bに嵌合される一端部と後退用のシフト軸50Cに固定される他端部とを有し、後退用のシフト軸50Cと共に後退軸16の軸方向に移動可能な後退用のシフトフォーク51Cとを有する。
さらに、自動変速機2は、一端部が後退用のシフト軸50Cに固定され、他端部がシフトアンドセレクト軸33によって操作される後退用のシフトヨーク49Cを有する。
後退用の同期装置48において、シフトユニット100によってシフトアンドセレクト軸33が操作されると、後退用のシフトヨーク49C、後退用のシフト軸50C、後退用のシフトフォーク51Cを介してスリーブ48Bが後退軸16の軸方向に移動される。
後退用の同期装置48は、スリーブ48Bを中立位置から後退軸16の軸方向の後側に移動させることにより、後退ギヤ61を、スリーブ48Bおよびハブ48Aを介して後退軸16に連結させる。これにより、後退段が成立する。
後退段が成立すると、後退軸16の回転が後退ギヤ61から1速−2速出力ギヤ43Aを介して後側出力軸14に伝達される。このとき、後側出力軸14が車両1の前進時と反対側に回転駆動され、エンジン3の動力が後側出力軸14からリヤプロペラ軸、リヤディファレンシャル装置、リヤ側の左右のリヤドライブ軸を介して左右の後輪に動力が伝達される。これにより、後輪が車両1の前進時と反対側に回転駆動され、車両1が後退される。
このように後退ギヤ61は、後退用の同期装置48によって後退軸16に連結される状態と非連結とされる状態に切換えられる。本実施例の1速−2速出力ギヤ43Aは、本発明の第2の回転軸側ギヤを構成し、後退ギヤ61は、本発明の第4の回転軸側ギヤを構成する。後退用の同期装置48は、本発明の同期装置を構成する。後退用のシフトヨーク49Cは、本発明のシフトヨークを構成し、後退用のシフト軸50Cは、本発明のシフト軸を構成する。
図2に示すように、クラッチ装置52のクラッチドラム53は、筒状部材58や駆動ギヤ58Aよりも大径に形成されている。
図3に示すように、後退用のシフト軸50Cは、車幅方向でクラッチ装置52に重なっており、クラッチ軸18の軸方向で駆動ギヤ58Aと重なっている。
図5に示すように、後側出力軸14、クラッチ軸18および後退軸16は、後側出力軸14の軸心O1とクラッチ軸18の軸心O4と後退軸16の軸心O3とを結んだ仮想線L1が三角形となるように設置されている。
後退用のシフト軸50Cは、後側出力軸14の上端14nとクラッチ軸18の上端18nとを結んだ仮想直線L2上に位置している。すなわち、後退用のシフト軸50Cは、その上端と下端との間に仮想直線L2が位置している。
後側出力軸14の上端14nは、後側出力軸14の最も径の小さい軸部の上端14nでもよく、最も径の大きい軸部の上端14nでもよい。また、後側出力軸14の最も径の小さい軸部と最も径の大きい軸部の間の径を有する軸部の上端14nでもよい。
クラッチ軸18の上端18nは、クラッチ軸18の最も径の小さい軸部の上端18nでもよく、最も径の大きい軸部の上端18nでもよい。また、クラッチ軸18の最も径の小さい軸部と最も径の大きい軸部の間の径を有する軸部の上端18nでもよい。
クラッチ軸18の軸方向の中央部は、玉軸受23Pを介してフロントケース6に取付けられた軸受支持部95(図3、図4参照)に回転自在に支持されている。玉軸受23Pが設置された軸受支持部95は、フロントケース6と別体に設けられており、フロントケース6に架設されている。本実施例の玉軸受23Pは、本発明の軸受を構成する。
軸受支持部95は、クラッチ軸18を取り囲むように設けられ、クラッチ軸18を玉軸受23Pを介して回転自在に支持する環状支持部95Aと、環状支持部95Aからフロントケース6に延び、ボルト99によってフロントケース6に固定される突出部95Bとを有する。
軸受支持部95は、突出部95Bから後側出力軸14側に膨出する膨出部95Cを有する。突出部95Bは、クラッチ軸18の軸心O4とボルト99の軸心O5とを結んだ仮想直線L3に対して上側の領域であり、膨出部95Cは、仮想直線L3に対して下側の領域である。
膨出部95Cには図示しない開口部が形成されている。後退用のシフト軸50Cは、クラッチ軸18の軸方向に移動自在となるように開口部に挿通されることにより、膨出部95Cに支持されている。
図4、図5に示すように、自動変速機2をクラッチ軸18の軸方向から見た場合に、シフトユニット100は、車幅方向で後側出力軸14に対してクラッチ軸18と反対側に位置するように変速機ケース4の外周右側面4aに設置されている。本実施例の外周右側面4aは、本発明の変速機ケースの外周側面を構成する。
トランスファフロントケース7は、フロントケース6との合わせ面から左下方に延出するように形成された前壁(不図示、隔壁85に連続して形成されている)を有している。前側出力軸17の前端部は、トランスファフロントケース7の前壁から前方に突出して継手17aが設けられており、継手17aには図示しないフロントプロペラ軸が連結されている。フロントプロペラ軸は、図示しないフロントディファレンシャル装置および左右のフロントドライブ軸を介して左右の前輪に動力を伝達する。
前側出力軸17は、継手17aの後部(前側出力軸17の中央やや前側)が玉軸受23Uを介してトランスファフロントケース7の前壁(隔壁85)に回転自在に支持されており、後端部17bが玉軸受23Vを介してトランスファリヤケース8の隔壁89に形成されている図示しない軸受支持部に回転自在に支持されている。
前側出力軸17の軸方向で玉軸受23Uと玉軸受23Vの間にはトランスファ従動ギヤ(従動スプロケット)62が設けられている。トランスファ従動ギヤ62は、前側出力軸17にスプライン嵌合されており、前側出力軸17と一体で回転する。
トランスファ従動ギヤ62は、トランスファチェーン65によってトランスファ駆動ギヤ(駆動スプロケット)64に連結されている。トランスファ駆動ギヤ64は、ニードル軸受23Wを介して筒状のスペーサ66に回転自在に支持されている。スペーサ66は、後側出力軸14に嵌合しており、挿入配置された後側出力軸14に取付けられている。
後側出力軸14の軸方向で、トランスファ駆動ギヤ64とその後方に配置された玉軸受23Eの間には、トランスファ同期装置67が設置されている。
トランスファ同期装置67は、二輪−四輪切替用のハブ67Aとスリーブ67Bとを有する。ハブ67Aは、後側出力軸14にスプライン嵌合されており、後側出力軸14と一体で回転する。スリーブ67Bは、ハブ67Aにスプライン嵌合されており、後側出力軸14の軸方向に移動自在となっている。
図1に示すように、スリーブ67Bには、二輪−四輪切替用のフォーク68が係合されている。フォーク68は、操作軸69に取付けられている。操作軸69は、前後方向に沿って配設され、トランスファフロントケース7とトランスファアクチュエータケース9にその前後端部が支持されており、軸方向に移動自在となっている。
操作軸69の後部は、トランスファアクチュエータケース9に収容されており、トランスファアクチュエータケース9は、操作軸69の後部を覆うようにしてトランスファリヤケース8に取付けられている。
トランスファアクチュエータケース9の上部にはトランスファアクチュエータ70が取付けられており、トランスファアクチュエータ70は、操作軸69を軸方向に移動させる。
トランスファアクチュエータ70が操作軸69を前側に移動させると、フォーク68が操作軸69と一体で前側に移動し、スリーブ67Bを中立位置から後側出力軸14の軸方向の前側に移動させる。
これにより、スリーブ67Bが四輪駆動位置となり、スリーブ67Bはトランスファ駆動ギヤ64に連結されて、トランスファ駆動ギヤ64がスリーブ67Bおよびハブ67Aを介してカウンタ軸15に連結される。
つまり、トランスファ駆動ギヤ64が後側出力軸14と一体で回転される。このため、後側出力軸14の動力がトランスファ駆動ギヤ64、トランスファチェーン65およびトランスファ従動ギヤ62を介して前側出力軸17に伝達される。
この結果、後側出力軸14に伝達されたエンジン3の動力は、リヤプロペラ軸等を介して後輪に伝達されるとともに、フロントプロペラ軸、フロントディファレンシャル装置、フロント側の左右のリヤドライブ軸を介して左右の前輪に伝達され、車両1が前後輪で駆動される。すなわち、車両1が四輪で駆動される。
一方、操作軸69が前側の位置であって車両が四輪駆動となる位置にある場合に、トランスファアクチュエータ70が操作軸69を後側に移動させると、フォーク68が操作軸69と一体で後側に移動し、スリーブ67Bを四輪駆動位置から後側出力軸14の軸方向の後側に移動させる。
これにより、スリーブ67Bとトランスファ駆動ギヤ64の連結が解除されてトランスファ駆動ギヤ64が後側出力軸14と相対回転可能となり、後側出力軸14からトランスファ駆動ギヤ64に動力が伝達されない。このため、後側出力軸14の動力が前側出力軸17に伝達されなくなり、後輪のみに動力が伝達される。すなわち、車両1は、二輪駆動となる。
このようにトランスファ装置36は、車両1の駆動状態を二輪駆動と四輪駆動とに切り替える。本実施例のトランスファ従動ギヤ62、トランスファ駆動ギヤ64、トランスファチェーン65、トランスファ同期装置67、フォーク68、操作軸69およびトランスファアクチュエータ70は、トランスファ装置36を構成する。
図1に示すように、フロントケース6の下部にはオイルパン73が取付けられており、オイルパン73にはオイルが貯留されている。オイルパン73とフロントケース6の下部との間にはバルブボディ74が収容されており、バルブボディ74は、図示しないボルトによってフロントケース6の下部に締結されている。
バルブボディ74は、オイルポンプ24によってオイルパン73から吸い上げられたオイルを、トルコンハウジング5の隔壁82に形成された図示しない油路を通してトルクコンバータ20に供給する。
図2に示すように、クラッチ装置52は、クラッチ軸18の軸方向でクラッチ装置22と1速−後退用ギヤ41の間に設置されており、玉軸受23Bは、外側入力軸13の軸方向で1速−後退用ギヤ41とクラッチ装置22の間に位置している。
クラッチドラム53およびクラッチハブ54は、クラッチ軸18の軸方向で玉軸受23Bに重なるように設置されている。クラッチピストン57および押圧プレート57Aは、クラッチ軸18の軸方向でクラッチ装置22と玉軸受23Bの間に設置されており、クラッチピストン57は、クラッチ軸18の軸方向でレリーズベアリング34と重なるように設置されている。
すなわち、クラッチ装置52は、クラッチ軸18の軸方向で1速−後退用ギヤ41とクラッチ装置22の間に設置されている。
外側入力軸13の軸方向で1速−後退用ギヤ41とクラッチ装置22の間に設置された部品、すなわち、駆動ギヤ42、玉軸受23B、環状部材94およびオイルシール92は、1速−後退用ギヤ41よりも小径の部品から構成されている。
次に、各変速段におけるエンジン3から後側出力軸14までの動力伝達経路を説明する。
(変速段が1速段の場合の動力伝達経路)
1速段においては、クラッチ装置22が解放された状態、すなわち、クラッチディスク22Aがプレッシャプレート22Bとフライホイール28にて挟持されておらずクラッチディスク22Aがフライホイール28から離隔された状態となる。
また、クラッチ装置52が締結された状態、すなわち、摩擦プレート56A、56Bが摩擦接触された状態となる。つまり、1速段においては、クラッチ装置22は解放されて動力伝達をしない状態となり、クラッチ装置52は締結されて動力伝達を行う状態となる。さらに、1、2速−3速用の同期装置46が中立位置から1速−2速カウンタギヤ44A側に移動し、1速−2速カウンタギヤ44Aがカウンタ軸15に連結された状態となる。
1速段において、エンジン3の動力は、タービン軸11からフライホイール28およびクラッチ装置22を介して外側入力軸13に伝達されずに、タービン軸11から内側入力軸12、1速−後退用ギヤ41、入力ギヤ55およびクラッチ装置52を介してクラッチ軸18に伝達される。
次いで、エンジン3の動力は、クラッチ軸18からワンウェイクラッチ59、駆動ギヤ58A、中間ギヤ60および従動ギヤ44Fを介してカウンタ軸15に伝達された後、カウンタ軸15から1、2速−3速用の同期装置46、1速−2速カウンタギヤ44Aおよび1速−2速出力ギヤ43Aを介して後側出力軸14に伝達される。
(変速段が2速段の場合の動力伝達経路)
2速段においては、クラッチ装置22が係合された状態となり、クラッチ装置52は、締結された状態が維持される。さらに、1、2速−3速用の同期装置46が1速−2速カウンタギヤ44A側に移動した状態が維持され、1速−2速カウンタギヤ44Aがカウンタ軸15に連結された状態が維持される。
2速段において、エンジン3の動力は、タービン軸11からフライホイール28およびクラッチ装置22を介して外側入力軸13に伝達された後、駆動ギヤ42および従動ギヤ44Eを介してカウンタ軸15に伝達される。
次いで、エンジン3の動力は、カウンタ軸15から1、2速−3速用の同期装置46、1速−2速カウンタギヤ44Aおよび1速−2速出力ギヤ43Aを介して後側出力軸14に伝達される。
1速段から2速段に変速する場合は、クラッチ装置52が締結された状態が維持され、クラッチ装置22の接続を行うことにより、変速段の切り替えが行われる。これにより、変速段の切り替えを円滑に行うことができる上に、変速ショックを抑制できる。
なお、2速段から1速段に変速する場合は、クラッチ装置52を締結された状態とし、クラッチ装置22を切断することにより、変速段の切り替えが行われる。こちらの場合も、変速段の切り替えを円滑に行うことができる上に、変速ショックを抑制することができる。
また、1速段から2速段に変速する場合、ワンウェイクラッチ59が機能する。走行中に2速段に変速すると、2速段の動力伝達によるカウンタ軸15の回転が従動ギヤ44Fから後退軸16の中間ギヤ60を介して筒状部材58の駆動ギヤ58Aに伝達されるが、筒状部材58の回転速度がクラッチ軸18の回転速度よりも速くなるので、ワンウェイクラッチ59によってカウンタ軸15からクラッチ軸18に動力が伝達されなくなる。
このため、2速段用の動力伝達経路(クラッチ装置22、外側入力軸13、カウンタ軸15を介して後側出力軸14にエンジン3の動力が伝達される動力伝達経路)が成立しても、1速段用の動力伝達経路(内側入力軸12、クラッチ装置52、後退軸16、カウンタ軸15を介して後側出力軸14にエンジン3の動力が伝達される動力伝達経路)が悪影響を及ぼすことは回避される。
また、2速段に移行した後、任意の時点において、クラッチ装置52が締結された状態から解放された状態に移行される。
(変速段が3速段の場合の動力伝達経路)
3速段においては、クラッチ装置22が係合された状態となり、クラッチ装置52は、解放された状態となる。さらに、1、2速−3速用の同期装置46が3速カウンタギヤ44B側に移動し、3速カウンタギヤ44Bがカウンタ軸15に連結された状態となる。
3速段において、エンジン3の動力は、タービン軸11からフライホイール28およびクラッチ装置22を介して外側入力軸13に伝達された後、駆動ギヤ42および従動ギヤ44Eを介してカウンタ軸15に伝達される。
次いで、エンジン3の動力は、カウンタ軸15から1、2速−3速用の同期装置46、3速出力カウンタギヤ44Bおよび3速出力ギヤ43Bを介して後側出力軸14に伝達される。
なお、4速段および5速段では、3速段の動力伝達経路に対して、動力伝達経路の一部が4速出力ギヤ43Cと4速カウンタギヤ44Cまたは、5速出力ギヤ43Dと5速カウンタギヤ44Dになるだけであるので、具体的な説明を省略する。
また、クラッチ装置22に関し、1速段から2速段への変速では締結するのみで、2速段から1速段への変速では解放するのみであるが、2速段以上の変速においては、同期装置46、47、48の切り替えに伴い解放と締結の両方を行うことになる。
(後退段)
後退段においては、クラッチ装置22が解放された状態となり、クラッチ装置52が締結された状態となる。さらに、後退用の同期装置48が中立位置から後退ギヤ61側に移動し、後退ギヤ61が後退軸16に連結された状態となる。
後退段において、エンジン3の動力は、クラッチ装置22が解放されているため、タービン軸11からフライホイール28およびクラッチ装置22を介して外側入力軸13に伝達されずに、タービン軸11から内側入力軸12、1速−後退用ギヤ41、入力ギヤ55およびクラッチ装置52を介してクラッチ軸18に伝達される。
次いで、エンジン3の動力は、クラッチ軸18からワンウェイクラッチ59、駆動ギヤ58A、中間ギヤ60を介して後退軸16に伝達された後、後退ギヤ61から後退用の同期装置48、1速−2速出力ギヤ43Aを介して後側出力軸14に伝達される。
つまり、後退段では、タービン軸11、内側入力軸12、クラッチ軸18、後退軸16、後側出力軸14の順に動力が伝達される。なお、1速と後退では、クラッチ装置52の締結力を調整することで動力の調整を行うことができ、これにより、停車状態からの発進をスムーズに行うことができる。また、トルクコンバータ20のトルク増幅作用により、発進をよりスムーズに行うことができる。
一方、図4に示すように、カウンタ軸15に配置された1速−2速カウンタギヤ44Aにはパーキングギヤ71が設けられており、パーキングギヤ71にパーキングポール72の係止爪72aが係合すると、1速−2速カウンタギヤ44Aの回転が規制される。
1速−2速カウンタギヤ44Aの回転が規制されると、1速−2速カウンタギヤ44Aに噛み合う1速−2速出力ギヤ43Aとともに後側出力軸14の回転が規制され、リヤプロペラ軸、リヤディファレンシャル装置、図示しないドライブシャフトを介して後輪が回転することが規制される。このため、車両1の停車状態が維持される。
パーキングギヤ71にパーキングポール72の係止爪72aが係合しない状態では、1速−2速カウンタギヤ44Aの回転が許容される。1速−2速カウンタギヤ44Aの回転が許容されると、後側出力軸14の回転が許容され、後輪が回転することが許容される。このため、車両1は走行可能な状態となる。
次に、本実施例の自動変速機2の効果を説明する。
本実施例の自動変速機2は、車両1の前後方向に延び、エンジン3から動力が伝達される内側入力軸12および外側入力軸13と、内側入力軸12および外側入力軸13と平行に設置された後側出力軸14、クラッチ軸18および後退軸16と、内側入力軸12とクラッチ軸18とに設けられ、内側入力軸12からクラッチ軸18に動力を伝達する1速−後退用ギヤ41および入力ギヤ55とを有する。
自動変速機2は、クラッチ軸18と後退軸16とに設けられ、クラッチ軸18から後退軸16に動力を伝達する駆動ギヤ58Aおよび中間ギヤ60と、後退軸16に設けられ、後退用の同期装置48によって後退軸16に連結される状態と非連結とされる状態に切換えられる後退ギヤ61とを有する。
自動変速機2は、後退軸16と噛み合うように後側出力軸14に設けられ、後退用の同期装置48によって後退ギヤ61が後退軸16に連結されると、後退軸16から後退ギヤ61を介して後側出力軸14に動力を伝達する1速−2速出力ギヤ43Aを有する。
自動変速機2は、クラッチ軸18に設けられ、外側入力軸13とクラッチ軸18との間で動力を伝達可能および動力を遮断可能なクラッチ装置52と、クラッチ軸18と平行に延びる後退用のシフト軸50Cとを備えている。
これに加えて、クラッチ装置52は、クラッチ軸18に設けられた駆動ギヤ58Aよりも大径に形成されており、後退用のシフト軸50Cは、車幅方向でクラッチ装置52に重なり、かつクラッチ軸18の軸方向で駆動ギヤ58Aと重なっている。
このように、後退用のシフト軸50Cとクラッチ装置52の位置を最適化することにより、後退用のシフト軸50Cとクラッチ軸18とを径方向で近づけて設置でき、自動変速機2の小型化を図ることができる。
また、本実施例の自動変速機2によれば、クラッチドラム53およびクラッチハブ54は、クラッチ軸18の軸方向で玉軸受23Bに重なるように設置されており、クラッチピストン57および押圧プレート57Aは、クラッチ軸18の軸方向でクラッチ装置52と玉軸受23Bとの間に設置されている。
これにより、クラッチ軸18の軸方向でクラッチ装置52をクラッチ装置22に近づけることができ、クラッチ軸18が内側入力軸12および外側入力軸13に対して軸方向に離れてしまうことを防止できる。
このため、内側入力軸12、外側入力軸13およびクラッチ軸18の相対的な軸長を短くでき、変速機ケース4の軸方向の長さを短縮できる。この結果、自動変速機2のより一層の小型を図ることができる。
これに加えて、変速機ケース4の軸方向長さと径方向の長さを短縮できるので、クラッチ装置22の容量を大きくでき、内側入力軸12から1速−後退用ギヤ41および入力ギヤ55を介してクラッチ軸18に伝達される動力(トルク)を大きくできる。
また、本実施例の自動変速機2によれば、1速−後退用ギヤ41と入力ギヤ55の径が略同形であるので、1速−後退用ギヤ41と入力ギヤ55の噛み合いによる減速比を小さくできる。
ここで、1速−後退用ギヤ41と入力ギヤ55の噛み合いによる減速比が大きいと、内側入力軸12からクラッチ装置52に伝達されるトルクが大きくなるので、クラッチ装置52のトルク容量を大きくする必要があり、クラッチ装置52が大型化する。
これに対して、1速−後退用ギヤ41と入力ギヤ55の噛み合いによる減速比を小さくすれば、内側入力軸12からクラッチ装置52に伝達されるトルクを小さくできるので、クラッチ装置52のトルク容量を小さくできる。このため、クラッチ装置52を小型化でき、自動変速機2をより一層小型化できる。
また、本実施例の自動変速機2によれば、後退用の同期装置48は、後退軸16の軸方向で後退軸16に隣接して設けられ、後退軸16と一体で回転するハブ48Aと、ハブ48Aにスプライン嵌合されて後退軸16の軸方向に移動自在に設けられ、後退軸16に嵌合可能なスリーブ48Bとを有する。
また、自動変速機2は、スリーブ48Bに嵌合される一端部と後退用のシフト軸50Cに固定される他端部とを有し、後退用のシフト軸50Cと共に後退軸16の軸方向に移動可能な後退用のシフトフォーク51Cを備えている。
後側出力軸14の軸心O1とクラッチ軸18の軸心O4と後退軸16の軸心O3とを結んだ仮想線L1が三角形となるように後側出力軸14、クラッチ軸18および後退軸16が設置されており、後退用のシフト軸50Cは、後側出力軸14の上端14nとクラッチ軸18の上端18nとを結んだ仮想直線L2上に位置している。
これにより、図5に示すように、後退用のシフト軸50Cを後退用の同期装置48に近づけて設置でき、シフト軸50Cとハブ48Aの間に設置される後退用のシフトフォーク51Cの小型化を図ることができる。このため、自動変速機2のより一層の小型化を図ることができる。
また、後退用のシフトフォーク51Cが長尺な場合には、モーメントの観点からシフトフォーク51Cに加わる荷重に対してシフトフォーク51Cが変形し易い。
本実施例の自動変速機2は、後退用のシフトフォーク51Cの小型化を図ることができるので、モーメントの観点からシフトフォーク51Cに加わる荷重に対してシフトフォーク51Cを変形し難くできる。
なお、本実施例の後退用のシフト軸50Cは、仮想直線L2上に位置しているが、仮想直線L2よりも後退軸16側に位置してもよい。
また、本実施例の自動変速機2によれば、クラッチ軸18をフロントケース6に支持する軸受支持部95を有する。
軸受支持部95は、クラッチ軸18を玉軸受23Pを介して回転自在に支持する環状支持部95Aと、環状支持部95Aからフロントケース6に延び、フロントケース6に固定される突出部95Bと、突出部95Bから後側出力軸14側に膨出する膨出部95Cとを有する。
これに加えて、後退用のシフト軸50Cは、クラッチ軸18の軸方向に移動自在となるように膨出部95Cに支持されている。
これにより、後退用のシフト軸50Cをクラッチ軸18と後側出力軸14の間の空間で後退軸16に近づけて設置できる。このため、後退用のシフト軸50Cの設置の自由度を向上しつつ、自動変速機2の小型化を図ることができる。
ここで、湿式多板クラッチで構成されるクラッチ装置52は、トルク容量を確保するために、大型化されている。また、油圧式のシフトユニット100は、シフトアンドセレクト軸33を油圧で操作するシフトアクチュエータ100Aおよびクラッチアクチュエータ100Bを有する大型な装置である。
変速機ケース4に大型のクラッチ装置52を収容すると、変速機ケース4の外周左側面4bがクラッチ装置52の外形形状に沿って左方に湾曲するように膨出する(図4、図5参照)。このため、湾曲面にシフトユニット100を取付けるとシフトユニット100が変速機ケース4から左方に大きく突出し、自動変速機2が大型化する。
このため、シフトユニット100は、出来る限り変速機ケース4の平坦な面に取付けることが望ましい。
本実施例の自動変速機2よれば、自動変速機2をクラッチ軸18の軸方向から見た場合に、シフトユニット100は、車幅方向で後側出力軸14に対してクラッチ軸18と反対側に位置するように変速機ケース4の外周右側面4aに設置されている。
これにより、シフトユニット100を変速機ケース4の平坦な外周右側面4aに設置でき、シフトユニット100が変速機ケース4の外周右側面4aから右方に過度に突出することを防止でき、自動変速機2が大型化することを防止できる。
また、重量物であるクラッチ装置52とシフトユニット100を変速機ケース4の車幅方向の両側に取付けることにより、自動変速機2の車幅方向の重量バランスを取ることができる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...車両、2...自動変速機(車両用変速機)、3...エンジン(駆動源)、4...変速機ケース、4a...外周右側面(外周側面)、12...内側入力軸(第1の回転軸)、13...外側入力軸(第1の回転軸)、14...後側出力軸(第2の回転軸)、14n...上端(第2の回転軸の上端)、16...後退軸(第4の回転軸)、18...クラッチ軸(第3の回転軸)、18n...上端(第3の回転軸の上端)、23P...玉軸受(軸受)、41...1速−後退用ギヤ(第1の動力伝達ギヤ対)、43A...1速−2速出力ギヤ(第2の回転軸側ギヤ)、48...後退用の同期装置(同期装置)、48A...ハブ、48B...スリーブ、49C...後退用のシフトフォーク(シフトフォーク)、50C...後退用のシフト軸(シフト軸)、52...クラッチ装置、55...入力ギヤ(第1の動力伝達ギヤ対)、58A...駆動ギヤ(第2の動力伝達ギヤ対、第3の回転軸側ギヤ)、60...中間ギヤ(第2の動力伝達ギヤ対)、61...後退ギヤ(第4の回転軸側ギヤ)、95...軸受支持部材、95A...環状支持部、95B...突出部、95C...膨出部、100...シフトユニット、L1...仮想線(第2の回転軸の軸心と第3の回転軸の軸心と第4の回転軸の軸心とを結んだ仮想線)、L2...仮想直線(第2の回転軸の上端と第3の回転軸の上端とを結んだ仮想直線)、O1...後側出力軸の軸心(第2の回転軸の軸心)、O3...後退軸の軸心(第4の回転軸の軸心)、O4...クラッチ軸(第3の回転軸の軸心)

Claims (4)

  1. 車両の前後方向に延び、駆動源から動力が伝達される第1の回転軸と、
    前記第1の回転軸と平行に設置された第2の回転軸、第3の回転軸および第4の回転軸と、
    前記第1の回転軸と前記第3の回転軸とに設けられ、前記第1の回転軸から前記第3の回転軸に動力を伝達する第1の動力伝達ギヤ対と、
    前記第3の回転軸と前記第4の回転軸とに設けられ、前記第3の回転軸から前記第4の回転軸に動力を伝達する第2の動力伝達ギヤ対と、
    前記第4の回転軸に設けられ、同期装置によって前記第4の回転軸に連結される状態と非連結とされる状態に切換えられる第4の回転軸側ギヤと、
    前記第4の回転軸側ギヤと噛み合うように前記第2の回転軸に設けられ、前記同期装置によって前記第4の回転軸側ギヤが前記第4の回転軸に連結されると、前記第4の回転軸から前記第4の回転軸側ギヤを介して前記第2の回転軸に動力を伝達する第2の回転軸側ギヤと、
    前記第3の回転軸に設けられ、前記第1の回転軸と前記第3の回転軸との間で動力を伝達可能および動力を遮断可能なクラッチ装置と、
    前記第3の回転軸と平行に延びるシフト軸とを備え、
    前記クラッチ装置が、前記第2の動力伝達ギヤ対のうち、前記第3の回転軸に設けられた第3の回転軸側ギヤよりも大径に形成され、
    前記シフト軸が、車両の幅方向で前記クラッチ装置に重なり、かつ前記第3の回転軸の軸方向で前記第3の回転軸側ギヤと重なることを特徴とする車両用変速機。
  2. 前記同期装置は、前記第4の回転軸の軸方向で前記第4の回転軸側ギヤに隣接して設けられ、前記第4の回転軸と一体で回転するハブと、前記ハブにスプライン嵌合されて前記第4の回転軸の軸方向に移動自在に設けられ、前記第4の回転軸側ギヤに嵌合可能なスリーブとを有し、
    前記スリーブに嵌合される一端部と前記シフト軸に固定される他端部とを有し、前記シフト軸と共に前記第4の回転軸の軸方向に移動可能なシフトフォークが設けられており、
    前記第2の回転軸の軸心と前記第3の回転軸の軸心と前記第4の回転軸の軸心とを結んだ仮想線が三角形となるように前記第2の回転軸と前記第3の回転軸と前記第4の回転軸とが設置されており、
    前記シフト軸は、前記第2の回転軸の上端と前記第3の回転軸の上端とを結んだ仮想直線上または前記仮想直線よりも前記第4の回転軸側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の車両用変速機。
  3. 前記第1の回転軸、前記第2の回転軸、前記第3の回転軸および前記第4の回転軸を収容する変速機ケースを有し、
    前記第3の回転軸を前記変速機ケースに支持する軸受支持部材を有し、
    前記軸受支持部材は、前記第3の回転軸を軸受を介して回転自在に支持する環状支持部と、前記環状支持部から前記変速機ケースに延び、前記変速機ケースに固定される突出部と、前記突出部から前記第2の回転軸側に膨出する膨出部とを有し、
    前記シフト軸は、前記第3の回転軸の軸方向に移動自在となるように前記膨出部に支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用変速機。
  4. 前記変速機ケースの外周面に設けられ、前記クラッチ装置を油圧によって操作するシフトユニットを備え、
    前記車両用変速機を前記第3の回転軸の軸方向から見た場合に、前記シフトユニットは、車両の幅方向で前記第1の回転軸に対して前記第3の回転軸と反対側に位置するように前記変速機ケースの外周側面に設置されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用変速機。
JP2019105255A 2019-06-05 2019-06-05 車両用変速機 Pending JP2020197284A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019105255A JP2020197284A (ja) 2019-06-05 2019-06-05 車両用変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019105255A JP2020197284A (ja) 2019-06-05 2019-06-05 車両用変速機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020197284A true JP2020197284A (ja) 2020-12-10

Family

ID=73647886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019105255A Pending JP2020197284A (ja) 2019-06-05 2019-06-05 車両用変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020197284A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1418359A1 (en) Start clutch device
JP4259521B2 (ja) 車両用自動変速機
CN102470743A (zh) 混合动力驱动装置
JP4701717B2 (ja) 変速機の構造
JP6037015B2 (ja) 動力伝達装置
EP3354923A1 (en) Double clutch
JP2010048318A (ja) 自動変速機
JP2007225043A (ja) 歯車式変速機
JP5565093B2 (ja) 駆動力伝達装置
US7690491B2 (en) Twin-clutch device
JP4599155B2 (ja) 複式クラッチ装置
JP2009103229A (ja) 自動変速機
US8201674B2 (en) Torque converter with reverse
JP2020197284A (ja) 車両用変速機
JP7251330B2 (ja) 車両用変速機
JP7247763B2 (ja) 車両用変速機
JP7293883B2 (ja) 車両用変速機
JP7247762B2 (ja) 車両用変速機
KR101909224B1 (ko) 이중 클러치
JP2020197282A (ja) 車両用変速機
JP7091892B2 (ja) 車両用変速機
JP7167511B2 (ja) 車両用変速機
JP7006478B2 (ja) 自動変速機
US10221923B2 (en) Multi-stage transmission
CN114233768B (zh) 一种纵置混动变速箱的湿式离合器