JP2020197257A - 車両及び車両の制御方法 - Google Patents

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義祐 西廣
Yoshimasa Nishihiro
義祐 西廣
洋一 辻
Yoichi Tsuji
洋一 辻
太田 雄介
Yusuke Ota
雄介 太田
拓朗 平野
Takuro Hirano
拓朗 平野
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Abstract

【課題】ベルト無段変速機構と電動オイルポンプとを備える車両において、イグニッションスイッチがオフの状態で牽引された場合でも、電動オイルポンプを駆動し、無段変速機構のベルト滑りを防止する。【解決手段】電動オイルポンプ10の駆動を制御するCVTコントローラ20bは、車両100のイグニッションスイッチがオフの状態でMG4が発電すると、MG4が発電する電力を供給されて、起動する。CVTコントローラ20bの起動に伴って電動オイルポンプ10が駆動し、CVT13には油圧が供給される。【選択図】図2B

Description

本発明は、無段変速機構を備える車両に関する。
特許文献1には、ベルト無段変速機と、ベルト無段変速機にオイルを供給する電動オイルポンプと、車両が被牽引状態にあると判断すると電動オイルポンプを駆動する制御を行う制御装置とを備えた車両が開示されている。このような車両では、制御装置が車両の被牽引状態を判断すると、電動オイルポンプを駆動させてベルト無段変速機のプライマリ油圧室へオイルを供給するため、被牽引時における無段変速機の部品の焼き付きを抑制することができる。
特開2009−228808号公報
しかしながら、このような車両では、イグニッションスイッチがオフの状態のままで牽引された場合、制御装置へ電力が供給されないために車両の被牽引状態が判定されず、その結果、電動オイルポンプが駆動しないことでベルト滑りが生じるおそれがある。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、ベルト無段変速機構と電動オイルポンプとを備える車両において、イグニッションスイッチがオフの状態で牽引された場合でも、電動オイルポンプを駆動し、無段変速機構のベルト滑りを防止することを目的とする。
本発明のある態様によれば、プライマリプーリと、セカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに巻き掛けられるベルトとを有する無段変速機構と、前記無段変速機構に油圧を供給する電動オイルポンプと、前記車両の駆動輪と常時接続し、前記駆動輪が回転すると連れ回って発電するモータと、前記電動オイルポンプの駆動を制御する制御装置と、を備える車両が提供される。
前記車両の前記制御装置は、前記車両のイグニッションスイッチがオフの状態で前記モータが発電すると電力が供給されて起動する。
上記態様によれば、制御装置は、車両のイグニッションスイッチがオフの状態でモータが発電すると起動する。そのため、イグニッションスイッチがオフの状態のままで牽引された場合でも、制御装置の起動に伴って電動オイルポンプが駆動し、無段変速機構に油圧が供給される。これにより、イグニッションスイッチがオフの状態のままで牽引された場合でも、無段変速機構へ油圧が供給されるため、無段変速機構のベルト滑りを防止することができる。
ハイブリッド車両の概略構成図である。 ハイブリッド車両の制御の内容を示すフローチャートである。 ハイブリッド車両の制御の内容を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両100(以下、「車両100」という。)の概略構成である。車両100は、低電圧バッテリ1と、高電圧バッテリ2と、エンジン3と、モータとしてのモータジェネレータ4(以下、「MG4」という。)と、エンジン3の始動に用いられるスタータモータ5(以下、「SM5」という。)と、発電とエンジン3のアシスト及び始動とに用いられるスタータジェネレータ6(以下、「SG6」という。)と、DC−DCコンバータ7と、インバータ8と、メカオイルポンプ9と、電動オイルポンプ10と、トルクコンバータ11と、前後進切替機構12と、無段変速機構13(以下、「CVT13」という。)と、ディファレンシャル機構14と、駆動輪18と、コントローラ20とを備える。トルクコンバータ11、前後進切替機構12及びCVT13は車両100の変速機30を構成する。
低電圧バッテリ1は、出力電圧がDC12Vの鉛酸バッテリである。低電圧バッテリ1は、SM5、12Vで動作する電装品15(自動運転用カメラ及びセンサ、ナビゲーションシステム、オーディオ、エアコン用ブロア等)とともに低電圧回路16に接続される。低電圧バッテリ1は出力電圧が12Vのリチウムイオン電池であってもよい。
高電圧バッテリ2は、低電圧バッテリ1よりも出力電圧が高いDC48Vのリチウムイオンバッテリである。高電圧バッテリ2の出力電圧はこれよりも低くても高くてもよく、例えば30Vや100Vであってもよい。高電圧バッテリ2は、MG4、SG6、インバータ8、電動オイルポンプ10等とともに高電圧回路17に接続される。
低電圧回路16と高電圧回路17とは、DC−DCコンバータ7を介して接続される。DC−DCコンバータ7は、低電圧回路16の12Vを48Vに昇圧して高電圧回路17に48Vを出力する昇圧機能と高電圧回路17の48Vを12Vに降圧して低電圧回路16に12Vを出力する降圧機能とを有している。これにより、DC−DCコンバータ7は、エンジン3が運転中か停止中かに関わらず、低電圧回路16に12Vの電圧を出力することができる。また、高電圧バッテリ2の残容量が少なくなった場合は低電圧回路16の12Vを48Vに昇圧して高電圧回路17に出力し、高電圧バッテリ2を充電することができる。
エンジン3は、ガソリン、軽油等を燃料とする内燃機関であり、後述するエンジンコントローラ20dからの指令に基づいて回転速度、トルク等が制御される。
トルクコンバータ11は、エンジン3と前後進切替機構12との間の動力伝達経路上に設けられ、流体を介して動力を伝達する。また、トルクコンバータ11は、車両100が所定のロックアップ車速以上で走行している場合にロックアップクラッチ11aを締結することで、エンジン3からの駆動力の動力伝達効率を高めることができる。
エンジン3の出力軸3cには、スプロケット31が接続される。スプロケット31にはメカオイルポンプ9との間で回転を伝達するチェーン32が巻き付けられる。
メカオイルポンプ9は、エンジン3によって駆動されると、図示しないオイルパンに貯留される作動油を吸い上げ、図示しない油圧回路を介してロックアップクラッチ11a、前後進切替機構12及びCVT13に油を供給する。メカオイルポンプ9はエンジン3のフリクション低減のために小型のものが用いられる。
電動オイルポンプ10は、後述するCVTコントローラ20bからの指令に基づいてインバータ8により作り出された三相交流を印加することにより制御される。電動オイルポンプ10は、高電圧バッテリ2からの電気エネルギーの供給を受けて駆動されると、図示しないオイルパンに貯留される作動油を吸い上げ、図示しない油圧回路を介してロックアップクラッチ11a、前後進切替機構12及びCVT13に油を供給する。電動オイルポンプ10は、エンジン3の停止時や、メカオイルポンプ9のみの駆動では油の供給が不足する時等に駆動される。
前後進切替機構12は、トルクコンバータ11とCVT13との間の動力伝達経路上に設けられ、遊星歯車機構12aと、前進クラッチ12b及び後退ブレーキ12cで構成される。前進クラッチ12bが締結され後退ブレーキ12cが解放されると、トルクコンバータ11を介して前後進切替機構12に入力されるエンジン3の回転が、回転方向を維持したまま前後進切替機構12からCVT13に出力される。逆に、前進クラッチ12bが解放され後退ブレーキ12cが締結されると、トルクコンバータ11を介して前後進切替機構12に入力されるエンジン3の回転が、減速かつ回転方向を反転されて前後進切替機構12からCVT13に出力される。前後進切替機構12で必要とされる油圧は、メカオイルポンプ9及び電動オイルポンプ10が発生した油圧を元圧として図示しない油圧回路によって生成される。
CVT13は、前後進切替機構12とディファレンシャル機構14との間の動力伝達経路上に配置され、車速やアクセルペダルの操作量であるアクセル開度等に応じて変速比を無段階に変更する。CVT13は、プライマリプーリ13aと、セカンダリプーリ13bと、両プーリに巻き掛けられたベルト13cと、を備える。CVT13は、プライマリプーリ13aとセカンダリプーリ13bの溝幅を油圧によって変更し、プーリ13a、13bとベルト13cとの接触半径を変化させることで、変速比を無段階に変更することができる。CVT13で必要とされる油圧は、メカオイルポンプ9及び電動オイルポンプ10が発生した油圧を元圧として図示しない油圧回路によって生成される。
MG4は、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型回転電機である。MG4は、MG4の軸に設けられたスプロケット4aとプライマリプーリ13aの軸に設けられたスプロケット13dとの間に巻きつけられるチェーン21を介してプライマリプーリ13aの軸に接続される。MG4は、プライマリプーリ13aの軸と、ベルト13cと、セカンダリプーリ13bと、ディファレンシャル機構14とを介して、駆動輪18に常時接続される。常時接続とは、車両100の走行状態に関わらず常に機械的に接続が維持されることを意味する。MG4は、後述するモータコントローラ20cからの指令に基づいてインバータ8により作り出された三相交流を印加することにより制御される。MG4は、高電圧バッテリ2からの電気エネルギーの供給を受けて回転駆動する電動機として動作する。また、MG4は、ロータがエンジン3や駆動輪18から回転エネルギーを受けて連れ回る場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、高電圧バッテリ2を充電することができる。
SM5は、直流モータであり、エンジン3のフライホイール3aの外周ギヤ3bにピニオンギヤ5aを噛み合わせ可能に配置される。エンジン3を冷機状態から初めて始動(以下、「初回始動」という。)する場合は、後述するエンジンコントローラ20dの指令により、低電圧バッテリ1からSM5に電気エネルギーが供給され、ピニオンギヤ5aが外周ギヤ3bに噛み合わされ、フライホイール3a、さらにはクランク軸が回転される。エンジン3を初回始動する時にSM5を用いるのは、低電圧バッテリ1が鉛酸バッテリであるので、極低温時であっても低電圧バッテリ1からSM5に電気エネルギーを安定して供給することができ、エンジン3を初回始動するのに必要なトルク、出力をSM5によって発生できるからである。
SG6は、同期型回転電機であり、Vベルト22を介してエンジン3のクランク軸に接続され、エンジン3から回転エネルギーを受ける場合には発電機として機能する。このようにして発電された電気エネルギーは、インバータ8を通じて高電圧バッテリ2に充電される。また、SG6は、高電圧バッテリ2からの電気エネルギーの供給を受けて回転駆動する電動機として動作し、エンジン3の駆動力をアシストする。さらに、SG6は、アイドリングストップ状態からエンジン3を再始動する時に、エンジン3のクランク軸を回転駆動してエンジン3を再始動するために用いられる。
インヒビタスイッチ41は、セレクター42によってどのレンジが選択されているかを検出するセンサである。インヒビタスイッチ41によって検出されるレンジは、後述するCVTコントローラ20bに入力される。レンジには、走行レンジとしてのD(前進)、R(後退)、M(マニュアル)や、非走行レンジとしてのP(駐車)、N(ニュートラル)などがある。セレクター42は、シフトレバー、コラムレバー、ボタンスイッチ、ダイヤルなどのような機構であってもよい。
コントローラ20は、統合コントローラ20aと、制御装置としてのCVTコントローラ20bと、モータコントローラ20cと、エンジンコントローラ20dとを有する。いずれも、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えた1又は複数のマイクロコンピュータで構成される。統合コントローラ20a及びモータコントローラ20cは、車両100のイグニッションスイッチのオンオフ状態に関わらず、電力が供給されて起動している。CVTコントローラ20b及びエンジンコントローラ20dは、イグニッションスイッチがオンの状態の時には電力が供給されて起動し、イグニッションスイッチがオフの状態の時には電力が供給されず起動しない。
統合コントローラ20aは、車両100を統合的に制御する制御装置であり、CVTコントローラ20b、モータコントローラ20c、及びエンジンコントローラ20dと互いに通信可能に接続されている。
統合コントローラ20aには、CVTコントローラ20b、モータコントローラ20c、及びエンジンコントローラ20dから出力される信号が入力される。統合コントローラ20aには、車両100が備える各機器やセンサ(例えば、ブレーキペダルの踏力を検出するブレーキセンサや、車両100の速度を検出する加速度センサなど)から出力される信号が入力される。また、統合コントローラ20aは、常時、イグニッションスイッチの信号を監視しており、イグニッションスイッチのオンオフ状態を検知する。統合コントローラ20aは、イグニッションスイッチのオン状態を検知すると、CVTコントローラ20b及びエンジンコントローラ20dを起動させるため、CVTコントローラ20b及びエンジンコントローラ20dへ電源が供給されるように制御を行う。
CVTコントローラ20bは、電動オイルポンプ10、前後進切替機構12、CVT13などを制御する制御装置である。CVT13の変速に関する基本的な制御として、CVTコントローラ10bは、インヒビタスイッチ41からの信号に基づき運転者により選択されたシフトレンジを判定すると、アクセル開度及び車両100の走行速度等に基づき、CVT13の目標変速比を設定する。そして、CVTコントローラ20bは、メカオイルポンプ9及び電動オイルポンプ10が発生した油圧を元圧として、プライマリプーリ13a及びセカンダリプーリ13bに対して目標変速比に応じた所定の油圧が作用するように、電動オイルポンプ10や図示しない油圧回路に制御信号を出力する。
モータコントローラ20cは、DC−DCコンバータ7やインバータ8を制御することにより、MG4やSG6などを制御する制御装置である。また、モータコントローラ20cには、MG4の回転速度を検出するセンサ等からの信号が入力される。モータコントローラ20cは、車両100のイグニッションスイッチのオンオフ状態に関わらず、常時起動している。
エンジンコントローラ20dは、エンジン3やSM5などを制御する制御装置である。
エンジンコントローラ20dは、SM5の駆動を制御する。また、エンジンコントローラ20dは、運転状態をもとに所定の演算を実行し、エンジン3の回転速度やトルク等を制御する。
ところで、上記構成においては、車両100のイグニッションスイッチがオフのままで牽引された場合、CVTコントローラ20b及びエンジンコントローラ20dが起動せず、メカオイルポンプ9及び電動オイルポンプ10からCVT13へ油圧が供給されないため、CVT13のベルト滑りが生じるおそれがある。
そこで、本実施形態では、このような状況でもCVT13に油圧が供給されるように、車両100のイグニッションスイッチがオフの状態でMG4が発電すると、CVTコントローラ20bに電力が供給されて、CVTコントローラ20bが起動する制御を行う。
図2A及び図2Bを参照して、車両100の制御の詳細について説明する。図2Aは、車両100の状態を判断する制御内容を示すフローチャートである。図2Bは、イグニッションスイッチがオフの状態でMG4が発電している場合における、車両100の制御内容と車両100の状態を判断する制御内容を示すフローチャートである。本実施形態では、図2A及び図2Bに示す制御のうち、ステップS20の制御をモータコントローラ20cが行い、ステップS22の制御をCVTコントローラ20bが行い、ステップS20,S22以外の制御を統合コントローラ20aが行うものとして説明する。
図2Aによると、ステップS11では、統合コントローラ20aは、車両100のイグニッションスイッチがオンの状態かオフの状態かを判断する。イグニッションスイッチがオフの状態であると判断すると、処理をステップS20に進める。ステップS20以降の処理については後述する。イグニッションスイッチがオンの状態であると判断すると、処理をステップS12に進める。
ステップS12では、統合コントローラ20aは、ブレーキセンサから送信される信号によって、ブレーキペダルが踏まれているかどうかを判断する。ブレーキが踏まれていないと判断すると(ステップS12 NO)、車両100がイグニッションスイッチをオンにしてからレンジを非走行レンジから走行レンジへ選択する前の状態、つまり駐車状態にあると判断する(ステップS30)。一方、ブレーキが踏まれていると判断すると(ステップS12 YES)、車両100のレンジが、非走行レンジから別のレンジへ選択される可能性があると判断し、処理をステップS13に進める。
ステップS13では、統合コントローラ20aは、インヒビタスイッチ41によって検出されるレンジがNレンジかどうかを判断する。レンジがNレンジ以外のレンジであれば(ステップS13 NO)、処理をステップS40に進める。レンジがNレンジであれば、処理をステップS14に進める。
統合コントローラ20aは、ステップS13からステップS14へ処理を進めると、車両100の車速がゼロ以上であるか、つまり車速が出ているかを判断する。車速が出ていると判断すると(ステップS14 YES)、車両100が通常の被牽引状態にあると判断する(ステップS15)。また、車速が出ていないと判断すると(ステップS14 NO)、車両100がNレンジが選択された状態で停車状態にあると判断する(ステップS16)。
一方、統合コントローラ20aは、ステップS13からステップS40に処理を進めると、エンジン3が始動しているかどうかを判断する。エンジン3が始動していないと判断すると(ステップS40 NO)、車両100が駐車状態にあると判断する(ステップS42)。エンジン3が始動していると判断すると(ステップS40 YES)、処理をステップS41に進める。
ステップS41では、統合コントローラ20aは、インヒビタスイッチ41によって検出されるレンジがNレンジ又はPレンジ以外のレンジであるかどうか、つまり非走行レンジが選択されているかどうかを判断する。レンジがNレンジ又はPレンジ以外のレンジ、つまり走行レンジが選択されていると判断すると(ステップS41 YES)、車両100が走行状態にあると判断する(ステップS43)。レンジがNレンジ又はPレンジが選択されていると判断すると(ステップS41 NO)、車両100がアイドリング停車状態にあると判断する(ステップS44)。
一方、統合コントローラ20aは、ステップS11でイグニッションスイッチがオフの状態であると判断すると(ステップS11 NO)、処理をステップS20に進める。
ステップS20では、モータコントローラ20cは、MG4の回転速度を検出するセンサから送信される信号によって、MG4が発電しているかを判断する。MG4が発電していないと判断すると(ステップS20 NO)、処理をステップS11に進める。MG4が発電していると判断すると(ステップS20 YES)、処理を図2BのステップS21〜S22に進める。
ステップS21に処理が進んだ場合、MG4は、イグニッションスイッチがオフの状態で発電していることになる。これは、MG4が駆動輪18からの回転エネルギーを受けていることを意味する。すなわち、車両100は、イグニッションスイッチがオフの状態で牽引されている可能性がある。イグニッションスイッチがオフの状態で車両100が牽引されている場合、CVTコントローラ20b及びエンジンコントローラ20dが起動していないためにメカオイルポンプ9及び電動オイルポンプ10は駆動せず、このままでは、CVT13に油圧が供給されず、ベルト滑りが生じるおそれがある。
このため、本実施形態では、イグニッションスイッチがオフの状態でMG4が発電している場合、すなわち、牽引されている可能性がある場合には、統合コントローラ20aは、MG4が発電した電力をCVTコントローラ10bへ供給する制御を行う(ステップS21)。それとともに、電力が供給されて起動したCVTコントローラ20bは、電動オイルポンプ10を駆動させる制御を行う(ステップS22)。
これにより、イグニッションスイッチがオフの状態であっても、電動オイルポンプ10からCVT13に油圧が供給されるため、CVT13のベルト滑りを防止することができる。また、電動オイルポンプ10を駆動させる電力は、MG4が発電する電力を用いるため、低電圧バッテリ1や高電圧バッテリ2の電力を消費せずに電動オイルポンプ10を駆動させてCVT13のベルト滑りを防止することができる。
また、MG4の発電する電力量が電動オイルポンプ10へ供給が必要な電力量を超える場合には、余剰分の電力を高電圧バッテリ2や低電圧バッテリ1に充電する構成としても良い。この構成によれば、車両100は、被牽引時に低電圧バッテリ1や高電圧バッテリ2を充電することができる。ひいては、車両100は、被牽引時から通常走行に移行後、SG6を発電機として駆動させる頻度を低くすることができ、SG6の駆動に伴う燃料消費を抑制することができる。
ステップS22の処理を実施後、統合コントローラ20aは、処理をステップS23に進める。ステップS23では、インヒビタスイッチ41によって検出されるレンジがNレンジであるかどうか、つまり運転者が車両100を被牽引状態にするためのレンジ操作を行っているかどうかを判断する。Nレンジが選択されていないと判断すると(ステップS23 NO)、車両100が被牽引状態ではないと判断する(ステップS25)。ステップS25に至る状況としては、例えば、Nレンジ以外のレンジが選択されて駐車中の車両100が一時的に動いたことで、駆動輪18の動きに伴ってMG4が連れ回って一時的に発電した場合が考えられる。
一方、Nレンジが選択されていると判断すると(ステップS23 YES)、統合コントローラ20aは、処理をステップS24に進める。ステップS24では、車両100の車速がゼロ以上であるか、つまり車速が出ているかを判断する。車速が出ていると判断すると(ステップS24 YES)、車両100が被牽引状態にあると判断する(ステップS26)。一方、車速が出ていないと判断すると(ステップS24 No)、車両100はNレンジ以外のレンジが選択された状態で駐車状態にあると判断する(ステップS27)。
続いて、上記制御を行うことによる本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、車両100は、プライマリプーリ13aと、セカンダリプーリ13bと、プライマリプーリ13a及びセカンダリプーリ13bに巻き掛けられるベルト13cとを有するCVT13と、CVT13に油圧を供給する電動オイルポンプ10と、駆動輪18と常時接続し、駆動輪18が回転すると連れ回って発電するMG4と、電動オイルポンプ10の駆動を制御するCVTコントローラ20bと、を備える。
そして、車両100のCVTコントローラ20bは、車両100のイグニッションスイッチがオフの状態でMG4が発電すると電力が供給されて起動するようにした。
これらの構成によれば、車両100は、イグニッションスイッチがオフの状態でMG4が発電する場合には、CVTコントローラ10bに電力を供給する(ステップS21)。それとともに、電力が供給されて起動したCVTコントローラ20bは、電動オイルポンプ10を駆動させる(ステップS22)。これにより、電動オイルポンプ10からCVT13に油圧が供給されるため、CVT13のベルト滑りを防止することができる(請求項1,2,4に対応する効果)。
特に、プライマリプーリ13aがMG4に常時接続され、セカンダリプーリ13bが駆動輪18に常時接続される構成では、牽引による駆動輪18の回転によりMG4が連れ回るため、減速時にMG4のイナーシャトルクがCVT13に伝達されたときに、CVT13に伝達されるトルクの総計がCVT13のトルク容量を上回り、ベルト滑りが発生する可能性が高くなる。しかしながら、このような構成であっても、本実施形態では、車両100のイグニッションスイッチがオフの状態でMG4が発電すると、CVTコントローラ20bが起動し、電動オイルポンプ10が駆動してCVT13に油圧が供給されるため、ベルト滑りを防止することができる(請求項2に対応する効果)。
また、電動オイルポンプ10は、イグニッションスイッチがオフの状態でMG4が発電している時に、駆動するようにした(ステップS11 NO、ステップS20 YES、ステップS21〜S22)。
本構成によれば、イグニッションスイッチがオフの状態で被牽引状態にあると判断が確定する(ステップS26)よりも前に、電動オイルポンプ10を駆動させる(ステップS22)。そのため、車両100が牽引されて車速が出る前に、CVT13に油圧を供給することができ、CVT13のベルト滑りをより安全に防ぐことができる(請求項3に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。例えば、CVT13はベルトCVTに限定されず、MG4と駆動輪18が常時接続される形態であれば、他の方式の変速機(例えば、チェーン式のCVTやトロイダル式のCVTなど)であってもよい。
また、図2A及び図2Bに示す制御のうち、ステップS20の制御をモータコントローラ20cが行い、ステップS22の制御をCVTコントローラ20bが行い、ステップS20,S22以外の制御を統合コントローラ20aが行うものとしたが、各コントローラ20a〜20dが担う制御内容は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、MG4が発電しているか判断する(図2A ステップS20)制御を、統合コントローラ20aが担うようにしても良い。
また、図2Bに示す制御では、統合コントローラ20aは、MG4が発電した電力をCVTコントローラ10bへ供給する制御(ステップS21)とともに、CVTコントローラ20bが電動オイルポンプ10を駆動させる制御(ステップS22)を行うものとしたが、電動オイルポンプ10を駆動させる制御の実施タイミングは、上記に限定されるものではない。例えば、イグニッションスイッチがオフの状態で被牽引状態にあると判断が確定した(ステップS26)タイミングで、電動オイルポンプ10を駆動させるようにしても良い。これによれば、車両100が被牽引状態にあることが確定してから電動オイルポンプ10を駆動させるため、車両100が被牽引状態にあることが確定する前に電動オイルポンプ10を駆動させる場合よりも、低電圧バッテリ1や高電圧バッテリ2の消費電力を抑制することができる。
4 :モータジェネレータ(モータ)
10 :電動オイルポンプ
13 :無段変速機構
13a :プライマリプーリ
13b :セカンダリプーリ
13c :ベルト
18 :駆動輪
20b :CVTコントローラ(制御装置)
100 :ハイブリッド車両(車両)

Claims (4)

  1. プライマリプーリと、セカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに巻き掛けられるベルトとを有する無段変速機構と、
    前記無段変速機構に油圧を供給する電動オイルポンプと、
    駆動輪と常時接続し、前記駆動輪が回転すると連れ回って発電するモータと、
    前記電動オイルポンプの駆動を制御する制御装置と、
    を備える車両であって、
    前記制御装置は、前記車両のイグニッションスイッチがオフの状態で前記モータが発電すると電力が供給されて起動する、
    ことを特徴とする、車両。
  2. 請求項1に記載の車両であって、
    前記プライマリプーリは、前記モータと常時接続し、
    前記セカンダリプーリは、前記駆動輪と常時接続する、
    ことを特徴とする、車両。
  3. 請求項1または2に記載の車両であって、
    前記電動オイルポンプは、前記制御装置の起動と同時に駆動する、
    ことを特徴とする、車両。
  4. プライマリプーリと、セカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに巻き掛けられるベルトとを有する無段変速機構と、前記無段変速機構に油圧を供給する電動オイルポンプと、駆動輪と常時接続し、前記駆動輪が回転すると連れ回って発電するモータと、前記電動オイルポンプの駆動を制御する制御装置と、を備える車両の制御方法において、
    前記車両のイグニッションスイッチがオフの状態で前記モータが発電すると、前記制御装置へ電力を供給して起動させる、
    ことを特徴とする車両の制御方法。
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