JP2020197242A - 管継手の製造方法及び管継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物で構成され、遮熱性を有する被加工管に、遮熱性を損なうことなく加熱加工を施すことができ、遮熱性及び外観に優れた管継手が得られる管継手の製造方法を提供する。【解決手段】塩化ビニル系樹脂と顔料とを含む灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物で構成された被加工管に、加熱加工を施す工程を有し、前記顔料が、非カーボン系無機顔料及び有機顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、前記被加工管の表面の赤外線反射率が20%以上であり、前記被加工管の肉厚(mm)に対する外径(mm)の比SDRが30〜36であり、前記加熱加工を施す際の加熱時間を、前記比SDRに対する、出力500Wの赤外線ヒーターを用いた場合に換算した加熱時間T(秒)の比T/SDRが40〜150となるように設定することを特徴とする管継手の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、管継手の製造方法及び管継手に関する。
樹脂製の配管は、熱により反りが発生したり劣化したりする問題があることが知られている。特に、顔料としてカーボンブラックを含む配管は、太陽光が当たると、カーボンブラックが赤外線を吸収して蓄熱しやすいため、上記の問題が生じやすい。
カーボンブラックを含む配管として、一般向けの硬質塩化ビニル系樹脂管がある。一般向けの硬質塩化ビニル系樹脂管は、灰色とすることが規定されている。
そこで、顔料として有機系顔料を用いた硬質塩化ビニル系樹脂管や無機系顔料を用いた硬質塩化ビニル系樹脂管が提案されている(特許文献1、2)。
一方、樹脂製の筒状の基材の紫外線による劣化を抑制するため、基材の外周に耐候性塗料を塗布した電線管が提案されている(特許文献3)。
特開2003−329176号公報 特開2013−159774号公報 国際公開第2011/058965号
しかし、本発明者らの検討によれば、特許文献1、2の硬質塩化ビニル系樹脂管に受口加工、曲げ加工等の加熱加工を施して管継手を製造しようとすると、加工部が白化して外観が悪くなることがある。
特許文献1、2の硬質塩化ビニル系樹脂管は、カーボンブラックに比べて蓄熱性が低い顔料を使用しているため、遮熱性を有し、加熱時に温度が上昇しにくい。このことが白化の原因になっていると考えられる。
充分に温度を上昇させるために加熱温度を高くしたり加熱時間を長くしたりすると、焼け等の変色が生じて外観が悪くなる。
なお、特許文献3では、耐候性塗料に遮熱顔料を含有させることが記載されている。遮熱顔料を含む耐候性塗料から形成される塗膜は遮熱性を有するので、太陽光が当たったときの温度上昇を抑制できると考えられる。しかし、耐候性塗料を塗布した管にオイルバスを用いて加工を施すと、表面の塗膜が剥離する。塗膜が剥離した部分では、遮熱性が失われる。また、塗膜の剥離により外観も悪化する。
本発明の一態様は、灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物で構成され、遮熱性を有する被加工管に、遮熱性を損なうことなく加熱加工を施すことができ、遮熱性及び外観に優れた管継手が得られる管継手の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の一態様は、灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物で構成され、加熱加工が施され、遮熱性及び外観に優れた管継手を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
〔1〕塩化ビニル系樹脂と顔料とを含む灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物で構成された被加工管に、加熱加工を施す工程を有し、
前記顔料が、非カーボン系無機顔料及び有機顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
前記被加工管の表面の赤外線反射率が20%以上であり、
前記被加工管の肉厚(mm)に対する外径(mm)の比SDRが30〜36であり、
前記加熱加工を施す際の加熱時間を、前記比SDRに対する、出力500Wの赤外線ヒーターを用いた場合に換算した加熱時間T(秒)の比T/SDRが40〜150となるように設定することを特徴とする管継手の製造方法。
〔2〕前記加熱加工が、曲げ加工及び受口加工のいずれか一方又は両方である、前記〔1〕の管継手の製造方法。
〔3〕塩化ビニル系樹脂と顔料とを含む灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物で構成され、加熱加工が施された加工部と前記加熱加工が施されていない未加工部とを有する管継手であって、
前記顔料が、非カーボン系無機顔料及び有機顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
表面の赤外線反射率が20%以上であり、
前記未加工部の肉厚(mm)に対する外径(mm)の比SDRが30〜36であることを特徴とする管継手。
〔4〕前記加工部と前記未加工部との間の色差が5以下である、前記〔3〕の管継手。
〔5〕前記顔料がカーボンブラックを実質的に含まない、前記〔3〕又は〔4〕の管継手。
〔6〕前記顔料が非カーボン系無機顔料のみからなる、前記〔3〕〜〔5〕のいずれかの管継手。
〔7〕前記顔料のうち有色を呈する顔料が有機顔料のみからなる、前記〔3〕〜〔5〕のいずれかの管継手。
〔8〕前記顔料が非カーボン系無機顔料及び有機顔料の混合物からなる、前記〔3〕〜〔5〕のいずれかの管継手。
本発明の管継手の製造方法によれば、灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物で構成され、遮熱性を有する被加工管に、遮熱性を損なうことなく加熱加工を施すことができ、遮熱性及び外観に優れた管継手が得られる。
本発明の管継手は、灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物で構成され、加熱加工が施され、遮熱性及び外観に優れたものである。
管継手の一例を示す部分破断側面図である。 管継手の他の例を示す部分破断側面図である。 管継手の他の例を示す部分破断側面図である。 実施例1、3及び比較例1の管継手について、表面の分光反射率の測定結果を示すグラフである。
〔管継手の製造方法〕
本発明の一態様に係る管継手の製造方法は、灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物で構成された被加工管に、加熱加工を施す工程(加熱加工工程)を有する。したがって、得られる管継手は、加熱加工が施された加工部を有する。
本態様の管継手の製造方法は、加熱加工工程の前に、灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物を成形して被加工管を得る工程(成形工程)を有していてもよい。
本態様の管継手の製造方法は、成形工程の前に、灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物を調製する工程(調製工程)を有していてもよい。
(灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物)
灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物(以下、「本樹脂組成物」ともいう。)は、塩化ビニル系樹脂と顔料とを含む。
本樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、添加剤を含むことができる。
<塩化ビニル系樹脂>
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニルの共重合体、それらの塩素化物が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
塩化ビニルの共重合体としては、塩化ビニルモノマーと、塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマー又は重合体との共重合体等が挙げられる。
塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン化合物;プロピオン酸ビニル等のビニルエステル化合物;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド化合物等が挙げられる。これらの共重合性モノマーは単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
塩化ビニルモノマーと共重合可能な重合体としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレートモノマー等からなるアクリル系共重合体等が挙げられる。これらの共重合性重合体は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
塩化ビニルの共重合体において、塩化ビニルモノマーと上記の共重合性モノマー又は重合体との比率は、硬質塩化ビニル系樹脂管の性能や目的に応じて適宜されればよく、特に限定されるものではない。
塩化ビニル系樹脂としては、市販のものを用いてもよく、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。塩化ビニルの単独重合体又は共重合体の製造において、塩化ビニル等の重合方法としては従来公知の方法でよく、例えば、懸濁重合法等が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、800〜3000が好ましく、900〜1500がより好ましく、950〜1200がさらに好ましく、1000〜1100が最も好ましい。平均重合度が800以上であれば、機械的強度がより優れる。平均重合度が3000以下であれば、押出成形法により成形しやすく、加熱加工しやすい。
上記の平均重合度とは、塩化ビニル系樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、ろ過により不溶成分を除去した後、濾液中のTHFを乾燥除去して得た樹脂を試料とし、日本工業規格JIS K 6721の「塩化ビニル樹脂試験法」に準拠して測定される平均重合度を意味する。
<顔料>
本樹脂組成物において顔料は、本樹脂組成物を、JIS K 6741に規定されるように、灰色の色調とするために用いられる。
顔料は、本樹脂組成物を灰色の色調とするために、有色(非白色)を呈する顔料を含む。顔料は、典型的には、有色を呈する顔料と白色を呈する顔料とを含む。
顔料は、非カーボン系無機顔料及び有機顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種(以下、これらを総称して「顔料(I)」ともいう。)を含む。顔料(I)は、カーボンブラックに比べ、赤外線吸収性が低い。そのため、顔料が(I)を含むことで、赤外線反射率を高くできる。
顔料は、必要に応じて、顔料(I)以外の他の顔料を含むことができる。
非カーボン系無機顔料は、鉱物や金属の化学反応により得られた化合物(酸化物等)である。非カーボン系無機顔料としては、有色(非白色)を呈する非カーボン系無機顔料、白色を呈する非カーボン系無機顔料等が挙げられる。これらの非カーボン系無機顔料は、本樹脂組成物を灰色の色調に調色可能な範囲で適宜組み合わせることができる。
有色を呈する非カーボン系無機顔料としては、クロム、鉄、コバルト、銅、マンガン、マグネシウム、ビスマス、イットリウム、アルミニウム、バナジウムからなる群より選択される金属を1種(単塩)又は複数種(複塩)含有する化合物が挙げられる。複塩の具体例としては、Fe−Co−Cr系、Cu−Cr系、Fe−Cr系、Fe−Mn系、Cu−Mn系、Cu−Mg系、Cu−Bi系、Mn−Bi系、Y−Mn系、Co−Al系、Fe−Co−Al−Mg系等の塩が挙げられる。また、上述の金属を含有する化合物としては、上述の金属の、酸化物、水酸化物、硫化物、ケイ酸塩、フェロシアン化塩等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
有色を呈する非カーボン系無機顔料としては、赤外線反射率をより低くできることから、クロム含有化合物が好ましく、Fe−Cr系がより好ましい。
有色を呈する非カーボン系無機顔料としては、色調安定性がより優れることから、酸化物が好ましい。
白色を呈する非カーボン系無機顔料としては、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられる。これらの中でも、高屈折率且つ高白色度である点で、二酸化チタンが好ましい。
顔料(I)が非カーボン系無機顔料である場合、非カーボン系無機顔料としては、本樹脂組成物を灰色に調色する観点から、有色を呈する非カーボン系無機顔料と白色を呈する非カーボン系無機顔料との混合顔料が好ましい。
前記混合顔料において、有色を呈する非カーボン系無機顔料としては、上述の有色を呈する非カーボン系無機顔料の1種又は複数種の組み合わせによって、黒色を呈する顔料が好ましい。
黒色を呈する顔料としては、互いに補色の関係又は補色の関係に近い色を呈する2種以上の顔料の混合顔料;互いに補色又は補色の関係に近い色を呈する2種以上の顔料それぞれを構成する金属イオンを複数含む複塩顔料;及びそれらの混合物が挙げられる。
高い赤外線反射率と色調安定性とをより良好に得る観点から、有色を呈する非カーボン系無機顔料としては、緑色の酸化クロム(Cr)と、その補色となる赤色の顔料(例えば酸化鉄)とを組み合わせて黒色に調色された混合顔料;酸化クロムと酸化鉄とを含む複合酸化物;又はそれらの混合物が好ましく、酸化クロムと酸化鉄とを含む複合酸化物がより好ましい。
前記混合顔料において、有色を呈する非カーボン系無機顔料と白色を呈する非カーボン系無機顔料との合計の含有量に対する有色を呈する非カーボン系無機顔料の含有比率は、本樹脂組成物が灰色となる範囲で適宜調整でき特に限定されないが、例えば18〜58質量%であってよい。
有機顔料は、石油等から合成されたものである。有機顔料としては、有色(非白色)を呈する有機顔料が挙げられる。
有色を呈する有機顔料としては、特に限定されず、例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料(フタロシアニン銅等)、スレン系顔料、染料レーキ系顔料等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有色を呈する有機顔料としては、色調安定性がより優れる点で、フタロシアニン系顔料が好ましく、フタロシアニン銅がより好ましい。
顔料(I)は、有色(非白色)を呈する顔料であってもよく、白色を呈する顔料であってもよく、有色を呈する顔料及び白色を呈する顔料の混合物であってもよい。
顔料(I)のうち白色を呈する顔料としては、白色を呈する非カーボン系無機顔料が好ましい。
顔料(I)のうち有色を呈する顔料としては、有色を呈する非カーボン系無機顔料であってもよく、有色を呈する有機顔料であってもよく、有色を呈する非カーボン系無機顔料及び有色を呈する有機顔料の混合物であってもよい。
顔料(I)が非カーボン系無機顔料である場合、非カーボン系無機顔料の含有量としては、顔料の分散不均一性による色調の不均一性を抑制する観点から、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、0.050質量部以上が好ましい。また、非カーボン系無機顔料の含有量としては、さらに押出成形における機器への汚染を抑制する観点から、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、0.050〜0.500質量部がより好ましい。これらの効果をより良好に得る観点から、非カーボン系無機顔料の含有量としては、0.055〜0.450質量部が好ましく、0.065〜0.350質量部がより好ましく、0.070〜0.250質量部がさらに好ましい。
顔料(I)が有機顔料である場合、有機顔料の含有量としては、赤外線反射性を与える観点から、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上が好ましい。また、有機顔料の含有量としては、さらに十分な赤外線反射性を与える観点から、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、0.01〜1.0質量部がより好ましい。これらの効果をより良好に得る観点から、有機顔料の含有量としては、0.02〜0.8質量部が好ましく、0.02〜0.6質量部がより好ましく、0.02〜0.4質量部がさらに好ましい。
顔料(I)が非カーボン系無機顔料及び有機顔料の混合物である場合、非カーボン系無機顔料及び有機顔料の合計の含有量としては、赤外線反射性を与える観点から、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上が好ましい。また、非カーボン系無機顔料及び有機顔料の合計の含有量としては、さらに十分な赤外線反射性を与える観点から、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、0.01〜1.0質量部がより好ましい。これらの効果をより良好に得る観点から、非カーボン系無機顔料及び有機顔料の合計の含有量としては、0.02〜0.8質量部が好ましく、0.02〜0.6質量部がより好ましく、0.02〜0.4質量部がさらに好ましい。
非カーボン系無機顔料及び有機顔料の合計の含有量に対する非カーボン系無機顔料の含有比率は、10〜100質量%が好ましく、50〜99質量%がより好ましく、70〜98質量%がさらに好ましい。
他の顔料としては、例えばカーボンブラックが挙げられる。
本樹脂組成物において顔料は、カーボンブラックを実質的に含まないことが好ましい。カーボンブラックは赤外線吸収性が高いので、顔料がカーボンブラックを実質的に含まないことで、管体21の内周面の赤外線反射率を20%以上としやすい。
「実質的に含まない」とは、赤外線反射率が20%を下回らないことを意味する。
カーボンブラックの含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、0.1質量部以下が好ましく、0.01質量部以下がより好ましく、0質量部が特に好ましい。
本樹脂組成物中の顔料の総含有量に対する顔料(I)の含有比率は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。すなわち、本樹脂組成物の顔料は顔料(I)のみからなることが特に好ましい。
顔料の総含有量に対する有色を呈する顔料の含有比率は、10〜60質量%が好ましく、15〜50質量%がより好ましい。
顔料の総含有量に対する白色を呈する顔料の含有比率は、40〜90質量%が好ましく、50〜85質量%がより好ましい。
本発明の好ましい一態様において、本樹脂組成物の顔料は非カーボン系無機顔料のみからなる。非カーボン系無機顔料は色調安定性に優れるため、顔料が非カーボン系無機顔料のみからなるものであれば、退色が起こりにくい。
本発明の好ましい他の一態様において、本樹脂組成物の顔料のうち有色を呈する顔料は有機顔料のみからなる。有機顔料は塩化ビニル系樹脂への分散性が優れるため、有色を呈する顔料が有機顔料のみからなるものであれば、色ムラが起こりにくい。
本態様において顔料が白色を呈する顔料を含む場合、白色を呈する顔料は、白色を呈する非カーボン系顔料のみからなることが好ましい。
本発明の好ましい他の一態様において、本樹脂組成物の顔料は非カーボン系無機顔料及び有機顔料の混合物からなる。顔料が非カーボン系無機顔料及び有機顔料の混合物からなるものであれば、色ムラが起こりにくく、しかも退色を抑制できる。
顔料(I)が非カーボン系無機顔料及び有機顔料の混合物である場合、有機顔料が青色で、他の色が非カーボン系無機顔料であることが好ましい。青色の有機顔料は、有機顔料であるため分散性に優れ、しかも他の色の有機顔料に比べて色調安定性に優れる。そのため、色ムラを抑制しつつ、退色をより抑制できる。
青色の有機顔料としては、例えばフタロシアニン銅(フタロシアニンブルー)が挙げられる。
青色の有機顔料と組み合わせる他の色の非カーボン系無機顔料としては、例えば、前記した、有色を呈する非カーボン系無機顔料(特に黒色を呈する顔料)と白色を呈する非カーボン系無機顔料との混合顔料が挙げられる。この混合顔料と青色の有機顔料とを組み合わせれば、色ムラをより抑制し、かつ色調安定性がより向上する。
<添加剤>
添加剤としては、分散剤、安定化剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、充填剤等が挙げられる。これらの添加剤は単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。これらの添加物の中でも、分散剤、安定化剤及び充填剤が好ましい。
分散剤としては特に限定されず、例えば、シリカ、ポリカルボン酸(例えばポリアクリル酸)のナトリウム塩やアンモニウム塩、界面活性剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
安定化剤としては特に限定されず、例えば、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマー等の有機錫安定剤;ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、バリウム−カドミウム系安定剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛等のステアリン酸塩系安定剤(金属石鹸);サリチル酸エステル系、べンゾフェノン系、べンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの安定化剤の中でも、ステアリン酸塩(ステアリン酸系安定剤)が好ましく、ステアリン酸鉛がより好ましい。
本樹脂組成物にステアリン酸塩を含ませる場合、ステアリン酸塩の含有量としては、より一層優れた色調安定性を得る観点から、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、0.5〜2質量部が好ましく、0.8〜1.7質量部がより好ましく、1〜1.5質量部がさらに好ましく、1.1〜1.4質量部が特に好ましい。
本樹脂組成物が有色を呈する非カーボン系無機顔料を含む場合、ステアリン酸塩の含有量としては、より一層優れた色調安定性を得る観点から、有色を呈する非カーボン系無機顔料1質量部に対し、10〜54質量部が好ましく、15〜53質量部がより好ましく、20〜52質量部がさらに好ましく、22〜52質量部が特に好ましい。
安定化助剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ豆油、エポキシ化テトラヒドロフタレート、エポキシ化ポリブタジエン、リン酸エステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤等が挙げられる。
内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用される。内部滑剤としては特に限定されず、例えば、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルステアレート、エポキシ化大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、ビスアミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。外部滑剤としては特に限定されず、例えば、モンタン酸ワックス、パラフィンワックス、ポリオレフインワックス、エステルワックス等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
加工助剤としては特に限定されず、例えば、重量平均分子量10万〜200万のアルキルアクリレート−アルキルメタクリレート共重合体であるアクリル系加工助剤が挙げられ、具体例としては、n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート−メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
充填剤としては特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの充填剤の中でも、より優れた色調安定性を得る観点から、炭酸カルシウムが好ましい。
本樹脂組成物に炭酸カルシウムを含ませる場合、炭酸カルシウムの含有量としては、より一層優れた色調安定性を得る観点から、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、5質量部以上が好ましい。炭酸カルシウムの含有量の上限としては特に限定されないが、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、10質量部以下が好ましく、9質量部以下がより好ましく、8質量部以下がさらに好ましい。
(被加工管)
被加工管は、前記した灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物で構成された管である。
被加工管は、単層でもよく多層でもよい。多層である場合、各層を構成する灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物は同じでもよく異なってもよい。
被加工管の表面の赤外線反射率は20%以上であり、25%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。被加工管の表面の赤外線反射率が20%以上であれば、表面の赤外線反射率が20%以上の管継手が得られる。管継手の表面の赤外線反射率が20%以上であれば、遮熱性に優れ、太陽光が当たったとき等に管継手の温度が上昇しにくく、反りや劣化が生じにくい。
被加工管の表面の赤外線反射率は、遮熱性の観点では高いほど好ましく、上限に特に制限はないが、加熱加工の施しやすさの観点では、60%以下が好ましい。
被加工管の表面の赤外線反射率は、被加工管を構成する硬質塩化ビニル系樹脂組成物の顔料(被加工管が多層である場合は、最表層を構成する硬質塩化ビニル系樹脂組成物の顔料)によって調整できる。顔料中、顔料(I)の含有量が多いほど、又はカーボンブラックの含有量が少ないほど、被加工管の表面の赤外線反射率が高まる傾向がある。
赤外線反射率は、波長800〜1600nmにおける分光反射率の平均値を指す値であり、特に波長800〜1100nmにおける分光反射率の平均値が20%以上であることが好ましい。赤外線反射率は、紫外可視近赤外分光光度計により測定される。詳しくは実施例に記載のとおりである。
被加工管の肉厚(mm)に対する外径(mm)の比SDR(外径/肉厚、以下、単に「SDR」とも記す。)は、30〜36であり、31〜34が好ましい。被加工管のSDRが30以上であれば、圧縮強度や引張強度などの物理的強度が優れる。被加工管のSDRが36以下であれば、加工性が優れる。
被加工管の肉厚、外径はそれぞれ、SDRが30〜36となる範囲内で、製造する管継手に応じて適宜選定できる。
被加工管の外径は、特に限定されないが、管継手の少なくとも1つの端部を他の管継手の受口部への挿入部とする場合は、受口部の内径と同じとする。
被加工管は、例えば、JIS K 6741に規定されるVU管であってよい。VU管は主に排水管(戸建ての排水管、埋設下水管等)、通気管に用いられる。一般に、VU管ではSDRが30〜38とされている。
被加工管の形状は、製造する管継手に応じて適宜選定できる。
被加工管は、例えば直管状であってよい。
被加工管の断面形状は、例えば円形、楕円形、正方形又は長方形であってよい。
被加工管は、製造効率の観点から、押出成形品であることが好ましい。押出成形品である被加工管は、射出成形品とは異なり、金型キャビティ(空間)内への樹脂の導入跡であるゲート痕や、金型キャビティ内を流動した樹脂が合流した箇所を示すウェルドラインを有さないため、被加工管に加熱加工を施した管継手においてもゲート痕やウェルドラインを有さない。
(調製工程)
調製工程では、例えば、塩化ビニル系樹脂と、顔料(I)を含む顔料と、必要に応じて添加剤とを混合して本樹脂組成物を調製する。
塩化ビニル系樹脂、顔料等の混合方法としては、ホットブレンド法又はコールドブレンド法等の公知の方法を用いることができる。
(成形工程)
成形工程では、本樹脂組成物を成形して被加工管を得る。
成形工程において、本樹脂組成物の成形方法としては、公知の成形方法を用いることができる。製造効率の観点では、押出成形法が好ましい。
(加熱加工工程)
加熱加工工程では、被加工管に加熱加工を施す。具体的には、被加工管の被加工部を加熱して軟化させ、被加工部を変形させる。
加熱加工としては、曲げ加工、受口加工が例示できる。
曲げ加工では、被加工管を曲げて曲がり部を形成する。したがって、得られる管継手は、曲がり部を有する。曲げ加工の場合、被加工部は、典型的には、被加工管の端部以外の部分である。
受口加工では、被加工管の端部を拡径して受口部を形成する。したがって、得られる管継手は、受口部を有する。
加熱加工として、曲げ加工及び受口加工の両方を被加工管に施してもよい。この場合、得られる管継手は、曲がり部及び受口部を有する。
被加工部の加熱方法としては、生産性の点から、被加工部に赤外線ヒーターで赤外線を照射する方法が好ましい。赤外線ヒーターの出力としては、例えば250〜1000Wの範囲とすることができる。赤外線ヒーターの形状としては、例えば棒状、板状が挙げられる。被加工部と赤外線ヒーターとの間の距離は、例えば5cm〜50cmの範囲で調整することができる。赤外線を照射する際、被加工部を均一に加熱するために、被加工管及び赤外線ヒーターを相対的に回転させてもよい。この場合、被加工管のみを回転させてもよく、赤外線ヒーターのみを回転させてもよく、それらの両方を回転させてもよい。回転速度は、赤外線ヒーターの出力、被加工部と赤外線ヒーターとの間の距離に応じて適宜調整できる。
ただし、加熱方法は上記方法に限定されるものではなく、他の加熱方法を採用してもよい。
加熱加工を施す際の加熱時間は、被加工管のSDRに対する、出力500Wの赤外線ヒーターを用いた場合に換算した加熱時間T(秒)の比T/SDR(以下、単に「T/SDR」とも記す。)が40〜150となるように設定し、好ましくは50〜140となるように設定し、より好ましくは60〜130となるように設定する。つまり、実際に加熱加工を施す際の「単位時間当たりの熱量×加熱時間(秒)」の値と、出力500Wの赤外線ヒーターを用いた場合の「単位時間当たりの熱量×加熱時間T(秒)」とが等しくなるように、実際に加熱加工を施す際の単位時間当たりの熱量を考慮して加熱時間(秒)を設定する。T/SDRが40以上であれば、加工性が優れ、白化が生じにくい。T/SDRが150以下であれば、生産性が優れ、変色(焼け)が生じにくい。
赤外線ヒーターを用いて加熱する場合、熱量は出力に比例するので、加熱加工を施す際の加熱時間(秒)は、「T×500(W)/赤外線ヒーターの出力(W)」により算出される。例えば赤外線ヒーターの出力が500Wの場合、加熱加工を施す際の加熱時間はT(秒)とする。赤外線ヒーターの出力が1000Wの場合、加熱加工を施す際の加熱時間はT×500/1000(秒)とする。赤外線ヒーターの出力が250Wの場合、加熱加工を施す際の加熱時間はT×500/250(秒)とする。
一例を挙げると、被加工管のSDRが33、赤外線ヒーターの出力が500Wの場合、加熱時間(赤外線の照射時間)は、1300〜5000秒間とされ、1600〜4500秒間が好ましい。
加熱加工を施す際の加熱時間は、加熱後の表面温度が115〜160℃、さらには125〜150℃となるように設定することが好ましい。加熱後の表面温度が前記下限値以上であれば、被加工管の厚さが厚い場合でも、被加工管の温度が充分に高くなり、被加工管に良好に加熱加工を施すことができ、白化が生じにくい。加熱後の表面温度が前記上限値以下であれば、曲げ加工を施す部分に変色(焼け)や意図しない変形が生じにくい。
曲げ加工は、曲げ加工を施す際の加熱条件を上記のようにすること以外は、公知の方法により実施できる。
曲げ加工により形成する曲がり部の曲率半径Rは、例えば450〜2100mmであってよい。曲がり部の曲がり角度は、例えば15〜90°であってよい。
受口加工は、受口加工を施す際の加熱条件を上記のようにすること以外は、公知の方法により実施できる。
受口加工により形成する受口部の内径は、例えば、114〜630mmであってよい。なお、受口の内面はTS受口などテーパーが付いている場合や、クリアランスのために挿入される管と受口内面とに隙間を設けるため、上記の内径よりも1〜10mmの範囲で大きくされている場合があるが、そのような場合も含む。
受口部の内径は、114mm以上が好ましく、165mm以上がより好ましく、216mm以上が特に好ましい。内径が114mm以上の大径の受口部を有する管継手は、射出成形法では、金型キャビティ(空間)内へ万遍なく樹脂を充填しにくく、射出成型機による樹脂の注入圧が著しく高くなるため製造することが難しい。本発明によれば、このような大径の受口部を有する管継手でも製造できる。
〔管継手〕
本発明の管継手は、灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物で構成され、加熱加工が施された加工部と前記加熱加工が施されていない未加工部とを有する。
灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物は前記のとおりである。
加熱加工は前記したとおりである。加工部としては、受口部、曲がり部が例示できる。未加工部は、典型的には、直管状である。
本発明の管継手は、単層でもよく多層でもよい。多層である場合、各層を構成する灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物は同じでもよく異なってもよい。
本発明の管継手の表面の赤外線反射率は20%以上であり、25%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。表面の赤外線反射率が20%以上であれば、遮熱性に優れ、太陽光が当たったとき等に管継手の温度が上昇しにくく、反りや劣化が生じにくい。
本発明の管継手の表面の赤外線反射率は、遮熱性の観点では高いほど好ましく、上限に特に制限はないが、本発明の管継手を製造する際の受口加工又は曲げ加工の施しやすさの観点では、60%以下が好ましい。
未加工部のSDRは、30〜36であり、31〜34が好ましい。
本発明の管継手においては、加工部と未加工部との間の色差が5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、2以下であることがさらに好ましく、1以下であることが特に好ましい。加工部と未加工部との間の色差が5以下であれば、外観がより優れる。
色差は、被加工管に加熱加工を施す際の加熱条件により調整できる。加熱温度が低いほど、又は加熱時間が短いほど、色差が小さくなる傾向がある。
なお、色差はJIS Z8781−4:2013に規定されたL*a*b*表色系における色差(ΔE)をいう。
本発明の管継手の形状は適宜選定できる。
本発明の一態様に係る管継手は、本体部と受口部とを備える。
本体部は、同一径を有する筒状に形成されている。本体部は、直管状でもよく、曲がり部を有していてもよい。本体部の断面形状は、例えば円形、楕円形、正方形又は長方形であってよい。本体部の外径は、被加工管の外径と同じである。
受口部は、管継手の端部に、本体部に対して拡径して形成されている。受口部は、典型的には、本体部に比べて肉薄である。受口部の断面形状は、例えば円形又は楕円形であってよい。受口部の好ましい内径は前記したとおりである。受口部の数は1つでもよく複数でもよい。
本発明の他の一態様に係る管継手は、直管部と曲がり部とを有する本体部を備える。
本体部は、曲がり部を有する以外は、前記した態様の管継手の本体部と同様である。
本態様の管継手は、受口部を備えていてもよい。受口部は、前記した態様の管継手の受口部と同様である。
図1に、管継手の一例を示す。この例の管継手1は、同一径を有する円筒状に形成された直管部2(本体部)と、直管部2の一端側に拡径して形成された受口部3とを備える。直管部2と受口部3とは、テーパー管部4によって連絡されている。
直管部2の他端部は、別の管継手1の受口部3に挿し込まれる挿入部5とされている。挿入部5の先端部の外周面は、先端に向かって次第に縮径するように傾斜した傾斜面5aとされている。直管部2の外周面には、他の管継手1の受口部3内への挿し込み深さを規定するための挿入標線6が設けられている。
受口部3には、受口部3の内周面に止水材としてのゴム輪11を収容するための拡径部3aが全周にわたって形成されている。拡径部3a以外の部分の受口部3は同一径で形成されている。受口部3の内径(最小内径)は挿入部5の外径と同じである。
図2に、管継手の他の一例を示す。この例の管継手1は、受口部3の形状が異なる以外は図1の管継手1と同様である。この例において受口部3は、テーパー管部4から拡径部3aにかけて縮径する形状とされている。
図3に、管継手の他の一例を示す。この例の管継手1は、同一径を有する円筒状に形成された本体部7と、本体部7の一端側に拡径して形成された受口部3とを備える。本体部7と受口部3とは、テーパー管部4によって連絡されている。
本体部7は、曲がり部7aと、曲がり部7aの他端側に位置する第1の直管部7bと、曲がり部7aの一端側に位置する第2の直管部7cとを有する。この例では、曲がり部7aの曲がり角度(第1の直管部7bの軸線lに対する第2の直管部7cの軸線lの傾斜角度)は15°とされている。
第1の直管部7bの他端部は、図1の管継手と同様、別の管継手1の受口部3に挿し込まれる挿入部5とされ、挿入部5の先端部の外周面は、先端に向かって次第に縮径するように傾斜した傾斜面5aとされている。
受口部3の内径は挿入部5の外径と同じである。
本発明の管継手は、ゲート痕やウェルドラインを有さないことが好ましい。かかる管継手は、典型的には、押出成形法により成形した被加工管に加熱加工を施したものである。
本発明の管継手は、内径が114mm以上の受口部を備え、ゲート痕やウェルドラインを有さないことが特に好ましい。受口部のより好ましい内径は前記したとおりである。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1〜8、比較例1〜3)
<硬質塩化ビニル系樹脂組成物の調製>
表1〜3に示す配合に従って、顔料及び分散剤を混合して顔料組成物を調製し、得られた顔料組成物、塩化ビニル系樹脂及び添加剤をスーパーミキサー(100L、カワタ社製)にてコールドブレンド法で攪拌混合し、硬質塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
表1〜3に示されるそれぞれの成分の詳細は以下の通りである。
・塩化ビニル系樹脂:塩化ビニル単独重合体(商品名「TS−1000R」、徳山積水工業社製、平均重合度1000)。
・ステアリン酸鉛:商品名「SAK−NSBN」、サンエース社製。
・炭酸カルシウム:商品名「ホワイトン305S」、白石カルシウム社製。
・酸化チタン:白色無機顔料、商品名「R−3L」、堺化学社製。
・クロム化合物:酸化クロムと酸化鉄との複合酸化物、黒色無機顔料。
・コバルトブルー:青色無機顔料。
・銅フタロシアニン:青色有機顔料。
・ジケトピロロピロール:赤色有機顔料。
・モノアゾイエロー:黄色有機顔料。
・カーボンブラック:商品名「トーカブラック#7350」、東海カーボン社製。
・分散剤:シリカ。
<被加工管の成形>
上記で得られた硬質塩化ビニル系樹脂組成物を、2軸異方向回転押出機(商品名「SLM−50」、長田製作所社製)に供給し、表1〜3に示す外径及び肉厚で、長さ1mの直管状の被加工管を成形した。被加工管のSDRを表1〜3に併記した。
<被加工管の加工>
得られた被加工管に、以下の手順で曲げ加工(加熱加工)を施して管継手を得た。
出力が500Wの棒状の赤外線ヒーター(石英管)に反射傘を取り付けたものを用いて、表1〜3に示す条件(赤外線ヒーター出力、加熱時間)で、被加工管を回転させながら加熱した。このときのT/SDR、加熱後の表面温度を表1〜3に併記した。加熱完了直後に、角度90°に設定された曲げ型に被加工管を固定して加熱部分を曲げ、曲がり角度90°、曲率半径R1200mmの曲がり部を形成した。冷却後、曲げ型から管継手を取り出した。
得られた管継手について、以下の測定を行った。
<赤外線反射率測定>
紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所製「UV−3600Plus」)を用いて、管継手の表面の波長800〜1100nmの分光反射率を測定し、その平均値を管継手の表面の赤外線反射率とした。結果を表1〜3に示す。また、実施例1、3及び比較例1の分光反射率曲線を図4に示す。
<色差測定>
管継手の加工部(曲がり部又は受口部)の表面、未加工部(直管部)の表面それぞれの色度を暗室内にて分光色差計(ハンディ型分光色差計「NF333」日本電色工業(株)製)を用いて測定した。結果を表1〜3に示す。
ここで、色差(ΔE)は、以下の式(1)で算出される。
ΔE=√((L1−L2)+(a1−a2)+(b1−b2))・・・(1)
なお、式(1)中、L1、a1、b1はそれぞれ加工部の明度L、赤色方向の色度a、黄色方向の色度bを表し、L2、a2、b2はそれぞれ未加工部の明度L、赤色方向の色度a、黄色方向の色度bを表す。
Figure 2020197242
Figure 2020197242
Figure 2020197242
顔料(I)を含み、表面の赤外線反射率が20%以上、SDRが40〜150である被加工管を、所定の加熱条件で加熱して加熱加工を施した実施例1〜8では、被加工管を良好に加工できた。また、加工部と未加工部との間の色差が5未満であった。
1 管継手
2 直管部
3 受口部
4 テーパー管部
5 挿入部
6 挿入標線
7 本体部
7a 曲がり部
7b 第1の直管部
7c 第2の直管部
11 ゴム輪

Claims (8)

  1. 塩化ビニル系樹脂と顔料とを含む灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物で構成された被加工管に、加熱加工を施す工程を有し、
    前記顔料が、非カーボン系無機顔料及び有機顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記被加工管の表面の赤外線反射率が20%以上であり、
    前記被加工管の肉厚(mm)に対する外径(mm)の比SDRが30〜36であり、
    前記加熱加工を施す際の加熱時間を、前記比SDRに対する、出力500Wの赤外線ヒーターを用いた場合に換算した加熱時間T(秒)の比T/SDRが40〜150となるように設定することを特徴とする管継手の製造方法。
  2. 前記加熱加工が、曲げ加工及び受口加工のいずれか一方又は両方である、請求項1に記載の管継手の製造方法。
  3. 塩化ビニル系樹脂と顔料とを含む灰色の硬質塩化ビニル系樹脂組成物で構成され、加熱加工が施された加工部と前記加熱加工が施されていない未加工部とを有する管継手であって、
    前記顔料が、非カーボン系無機顔料及び有機顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    表面の赤外線反射率が20%以上であり、
    前記未加工部の肉厚(mm)に対する外径(mm)の比SDRが30〜36であることを特徴とする管継手。
  4. 前記加工部と前記未加工部との間の色差が5以下である、請求項3に記載の管継手。
  5. 前記顔料がカーボンブラックを実質的に含まない、請求項3又は4に記載の管継手。
  6. 前記顔料が非カーボン系無機顔料のみからなる、請求項3〜5のいずれか一項に記載の管継手。
  7. 前記顔料のうち有色を呈する顔料が有機顔料のみからなる、請求項3〜5のいずれか一項に記載の管継手。
  8. 前記顔料が非カーボン系無機顔料及び有機顔料の混合物からなる、請求項3〜5のいずれか一項に記載の管継手。
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