JP2020197177A - モデルλ値補償方法及び車両動作制御装置 - Google Patents

モデルλ値補償方法及び車両動作制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】λセンサの応答性低下に影響されることなく適切なモデルλ値を得ることができ、より信頼性の高い車両動作制御を提供可能とするモデルλ値補償方法及び車両動作制御装置を提供する。【解決手段】λセンサの検出値とモデルλ値の取得と保存を繰り返しつつ(S110)、一定期間経過する度に(S120)、その一定期間に保存されたλセンサの検出値とモデルλ値に対して、それぞれ周波数分析を施して周波数成分及び前記各周波数成分の信号レベルを抽出し、少なくとも所定の周波数範囲における信号レベルが所定差分基準閾値を超えたと判定された場合(S130,S140)、一次遅延フィルタのフィルタ係数を補正し(S150)、λセンサの応答性低下により生ずるモデルλ値との位相差、応答差を実質的に相殺可能に構成する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両エンジンの動作制御に用いられるモデルλ値に係り、特に、λセンサの応答性低下に起因するモデルλ値の悪化を抑圧、低減し、信頼性の向上等を図ったものに関する。
ディーゼルエンジン等に代表される内燃機関を用いた車両装置においては、エミッションの低減や燃費向上等のために排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)装置が用いられることは良く知られている通りである(例えば、特許文献1等参照)。
かかる排気ガス再循環装置においては、例えば、エアフロセンサにより検出された吸入空気量と燃料噴射量制御処理の実行によって算出された燃料噴射量の指示値とを基に算出された理論上のλ{供給される空気量/(理論空燃比×指示噴射量)}の値であるモデルλ値と、λセンサによって検出された実測値とを用いてEGR量を適切に維持する制御が行われる場合がある。
ところが、λセンサが取り付けられる場所とエンジンとの間には当然の事ながら距離があるため、λセンサによって検出されるλ値は、検出の時点での空燃比に合致するものではなく、両者の離間距離の分だけ排気ガスとの混合が遅れた状態の空燃比に対応したλ値となり、先のモデルλ値との間に位相差と応答差が発生する。
そのため、従来、上述の問題を解消するため、λセンサに生ずる伝搬遅延(応答遅れ)と同等の遅延を、遅延フィルタ(一次遅延フィルタ)によってモデルλ値に施して、その遅延処理後のモデルλ値を用いることで、上述したようなλセンサの検出値とモデルλ値との間に生ずる位相差及び応答差を抑圧、低減して適切なEGR量が確保できるようにしている。
特開2007−126995号公報
しかしながら、モデルλ値に適用される遅延フィルタの遅延量は、λセンサの検出値の伝搬遅延が変化しないという前提の下で設定されたものであるのに対して、車両の使用継続に伴うλセンサへの煤の堆積の発生によりλセンサの応答性低下と共に、λセンサの検出値の伝搬遅延は、実際には増加してゆく傾向にある。
このため、モデルλ値との位相差、応答差がより拡大し、EGR量の適切な補正が確保困難となり、エミッションの悪化やさらなる煤の発生を招き、λセンサへの煤の堆積を促進して、λセンサの応答性のさらなる悪化を招くという悪循環に陥るという問題がある。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、λセンサの応答性低下に影響されることなく適切なモデルλ値を得ることができ、より信頼性の高い車両動作制御を提供可能とするモデルλ値補償方法及び車両動作制御装置を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るモデルλ値補償方法は、
λセンサと内燃機関との離間距離に起因して前記λセンサの検出値に内包される応答遅れによって生ずる前記λセンサの検出値と、所定の演算式を用いて算出される理論上のλの値であるモデルλ値との間の位相差、応答差を補償すべく、前記モデルλ値に対して一次遅延フィルタによる補正が施されて車両の動作制御に用いられるよう構成されてなる車両動作制御装置における前記モデルλ値補償方法であって、
前記λセンサの検出値と前記モデルλ値の取得と保存を繰り返し行いつつ、一定期間経過する度に、当該一定期間に保存された前記λセンサの検出値と前記モデルλ値に対して、それぞれ周波数分析を施して周波数成分及び前記各周波数成分の信号レベルを抽出し、少なくとも所定の周波数範囲において前記λセンサの検出値の前記周波数分析における前記信号レベルと前記一次遅延フィルタによる遅延が施される前のモデルλ値の前記周波数分析における前記信号レベルとの差が所定差分基準閾値を超えた場合、前記一次遅延フィルタの遅延特性を定めるフィルタ係数を補正し、前記λセンサの応答性低下により生ずる前記モデルλ値との位相差、応答差を実質的に相殺可能に構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る車両動作制御装置は、
電子制御ユニットを用いて、λセンサと内燃機関との離間距離に起因して前記λセンサの検出値に内包される応答遅れによって生ずる前記λセンサの検出値と、所定の演算式を用いて算出される理論上のλの値であるモデルλ値との間の位相差、応答差を補償すべく前記モデルλ値に対して一次遅延フィルタによる補正が施されて車両の動作制御に供されるよう構成されてなる車両動作制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記λセンサの検出値と前記モデルλ値の取得と保存を繰り返しつつ、一定期間経過する度に、当該一定期間に保存されたλセンサの検出値とモデルλ値に対して、それぞれ周波数分析を施して周波数成分及び前記各周波数成分の信号レベルを抽出し、少なくとも所定の周波数範囲において前記λセンサの検出値の前記信号レベルと前記一次遅延フィルタによる遅延が施される前のモデルλ値の前記信号レベルとの差が所定差分基準閾値を超えたと判定された場合、前記一次遅延フィルタのフィルタ係数を補正し、前記λセンサの応答性低下により生ずる前記モデルλ値との位相差、応答差を実質的に相殺可能に構成されてなるものである。
本発明によれば、λセンサへの煤の堆積等に起因して生ずるモデルλ値との位相差、応答差に対応してモデルλ値に遅延を与えるようにしたので、λセンサへの煤の堆積等に起因して生ずるモデルλ値との位相差、応答差を実質的に相殺することができ、λセンサの検出値と共にモデルλ値を用いたEGR制御の信頼性、安定性向上に資するだけでなく、λセンサの検出値と共にモデルλ値を用いる他の制御処理の信頼性、安定性を向上し、より信頼性の高い車両制御を提供することができるという効果を奏するものである。
本発明の実施の形態における車両動作制御装置の構成例を示す構成図である。 本発明の実施の形態における車両動作制御装置において実行されるモデルλ値補償処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるモデルλ値補償処理において行われる周波数分析結果の一例を模式的に示す特性線図である。 本発明の実施の形態におけるモデルλ値補償を施した場合の吸入空気量の変化に対する伝搬遅延フィルタの時定数の変化特性の一例を模式的に示す特性線図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図4を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態におけるモデルλ値補償方法が適用される車両動作制御装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における車両動作制御装置は、特に、排気再循装置の動作制御を主としたものであり、図1には、かかる排気再循環装置の構成例が示されている。
本発明の実施の形態における排気再循環装置は、高圧排気再循環通路5と低圧排気再循環通路6の2つ排気再循環通路が設けられた構成を有しており、かかる構成自体は従来から知られているものである。
本発明の実施の形態における排気再循環装置において、内燃機関としてのエンジン1は、例えば、ディーゼルエンジンである。
このエンジン1のインテークマニホールド4aには、燃料の燃焼のために必要な空気を取り入れる吸気管2が、また、エキゾーストマニホールド4bには、排気のための排気管3が、それぞれ接続されている。
そして、吸気管2のインテークマニホールド4a近傍の適宜な部位と、排気管3のエキゾーストマニホールド4b近傍の適宜な部位の間には、双方を連通する高圧排気再循環通路5が設けられている。
この高圧排気再循環通路5には、吸気管2側から、高圧排気再循環通路5の連通状態、換言すれば、排気の還流量を調整するための高圧EGRバルブ7と、通過する排気の冷却を行うための高圧EGRクーラ8が順に配設されている。
さらに、高圧EGRクーラ8の両端近傍の高圧排気再循環通路5には、高圧EGRクーラ8の両端近傍を連通するバイパス通路9が設けられている。このバイパス通路9の下流側、すなわち、エキゾーストマニホールド4b側の端部には、バイパスバルブ10が設けられており、バイパス量の調整が可能となっている。
また、吸気管2と排気管3には、高圧排気再循環通路5より下流側に、可変タービン12と圧縮機13とを主たる構成要素としてなる公知・周知の構成を有する可変ターボ11が設けられている。可変ターボ11は、可変タービン12により得られた回転力により圧縮機13が回転せしめられて、圧縮された空気を吸入空気としてインテークマニホールド4aへ送出可能となっている。
さらに、吸気管2には、先に述べた高圧排気再循環通路5と可変ターボ11の間の適宜な位置において、吸入空気の冷却を行う水冷インタークーラ14が設けられている。
また、水冷インタークーラ14と高圧排気再循環通路5との間には、吸入空気の量を調整するためのインテークスロットルバルブ15が設けられている。
さらに、可変ターボ11の上流側の吸気管2と排気管3の適宜な部位には、双方を連通する低圧排気再循環通路6が設けられている。
この低圧排気再循環通路6には、排気管3側から低圧EGRクーラ19、低圧EGRバルブ20が順に設けられている。
また、この低圧排気再循環通路6と可変タービン12との間の排気管3には、可変タービン12側から、下流方向に向かって排気浄化のための窒素酸化物吸蔵還元触媒(NOx Storage Catalyst)17、ディーゼル微粒子捕集フィルタ(Diesel Particulate Filter)18が順に設けられている。
一方、吸気管2において低圧排気再循環通路6との連通部分よりも上流側には、上流側から下流側に向かって、エアフィルタ21、吸入空気量を計測するエアマスセンサ22、低圧用スロットルバルブ23が順に設けられている。なお、エアマスセンサ22には、温度センサが内蔵されており、吸気温度が計測可能となっている。
また、本発明の実施の形態における排気再循環装置においては、次述する各種のセンサが設けられている。
吸気管2において、インテークスロットルバルブ15と高圧排気再循環通路5との接続部分との間には、吸気圧センサ31と吸気温度センサ32が設けられている。吸気圧センサ31によりエンジン1の吸気圧が、吸気温度センサ32により吸気温度が、それぞれ検出可能となっている。
またさらに、排気管3においては、可変タービン12と窒素酸化物吸蔵還元触媒(以下、「NSC」と称する)17との間に、λセンサ33が設けられている。
なお、図1においては、発明の実施の形態におけるモデルλ値補償処理に関連する各種センサが主として示されており、他のセンサについては図示が省略されている。
上述の高圧EGRバルブ7、バイパスバルブ10、インテークスロットルバルブ15、低圧EGRバルブ20、低圧用スロットルバルブ23などは、その動作が電子制御ユニット50により制御されるようになっている。また、先に述べた可変タービン12などの動作も電子制御ユニット50により制御されるようになっている。
かかる電子制御ユニット50は、例えば、公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータを中心に、RAMやROM等の記憶素子(図示せず)を備えると共に、入出力インターフェイス回路(図示せず)を主たる構成要素として構成されてなるものである。
この電子制御ユニット50には、エアマスセンサ22、吸気圧センサ31、吸気温度センサ32、λセンサ33の各検出信号と共に、図示されないセンサ等により検出された車両の動作制御に必要な各種の信号、例えば、大気圧、エンジン回転数、アクセル開度、エンジン冷却水温等が入力されるようになっている。
上述のように電子制御ユニット50に入力された各種の検出信号は、燃料噴射弁30の燃料噴射制御処理や、後述する本発明の実施の形態におけるモデルλ値補償処理等に供されるようになっている。
次に、電子制御ユニット50により実行される本発明の実施の形態におけるモデルλ値補償処理について、図2を参照しつつ説明する。
まず、本発明の実施の形態における電子制御ユニット50は、従来同様、燃料噴射弁30の燃料噴射制御やEGR制御、空燃比制御等が実行可能に構成されたものであることを前提とする。
ここで、本発明の実施の形態において前提とする従来のEGR制御処理について概括的に説明する。
本発明の実施の形態において前提とする従来同様のEGR制御処理は、高圧EGRバルブ7、低圧EGRバルブ20の設定すべき開度を、エンジン回転数と指示噴射量とに基づいて目標バルブ開度として算出し、実際の開度が目標バルブ開度なるようにフィードバック制御するものである。
指示噴射量は、別途従来同様実行される燃料噴射制御処理により算出される燃料噴射弁30により噴射されるべき燃料量で、アクセル開度やエンジン回転数等に基づいて算出されるのが一般的である。
EGR制御においては、この目標バルブ開度を、先のモデルλ値とλセンサ33の検出値とに基づいて補正を行っている。
すなわち、まず最初に、λセンサ33の検出値とモデルλ値との差分が求められ、この差分が燃料噴射量に換算される。この差分から換算された燃料噴射量は、実噴射量の不足分に相当するものである。この実噴射量の不足分に相当する燃料噴射量は、次述するように目標EGR量マップを用いて求められる目標EGR量の補正に供される。
まず、目標EGR量マップは、エンジン回転数(引数x)と指示噴射量(引数y)を入力として、この両者の種々の組み合わせに対して、目標EGR量が読み出し可能に構成されたものである。かかる目標EGR量マップは、試験結果やシミュレーション結果等に基づいて求められ、予め電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に記憶、保存されるものである。
この目標EGR量マップによって目標EGR量を求める際に、指示噴射量に、先の実噴射量の不足分に相当する燃料噴射量が加算され、いわば補正された指示噴射量とされて、目標EGR量の読み出しに用いられることとなる。
したがって、結果的に、先の実噴射量の不足分に相当する燃料噴射量を考慮した目標EGR量、換言すれば、補正された目標EGR量が読み出されることとなる。
しかして、高圧EGRバルブ7と低圧EGRバルブ20の各々のバルブ開度が、上述のようにして目標EGR量に対応する開度を目標としてフィードバック制御されることで、λセンサ33の検出値とモデルλ値が一致させしめられるようになっている。
次に、本発明の実施の形態におけるモデルλ値補償処理について概括的に説明する。
本発明の実施の形態におけるモデルλ値補償処理は、λセンサ33の検出値に内包される伝搬遅延(応答遅れ)により生ずるモデルλ値との間の位相差、応答差を相殺するためにモデルλ値に対して施される伝搬遅延フィルタ(一次遅延フィルタ)による伝搬遅延補正が、λセンサ33への煤の堆積によるλセンサ33の応答低下に起因して適合しなくなることを抑圧、低減するためのものである。
以下、具体的に説明すれば、まず、電子制御ユニット50による制御が開始されると、エンジン1が始動されたか否かが判定され、エンジン1が始動されたと判定(YESの場合)されると、以下に説明する処理が実行されるものとなっている(図2のステップS100参照)。
エンジン1が始動されたと判定されると、λセンサ33の検出値とモデルλ値の読込と保存が行われる(図2のステップS110参照)。
ここで、モデルλ値は、所定の物理モデルを基に設定された演算式により算出されるλの理論上の値であり、いわゆるモデル値など称されるものである。
かかるモデルλ値は、例えば、一般的には、燃料噴射弁30に対する指示噴射量とエアマスセンサ22により検出された吸入空気量とを用いて所定の演算式により算出される。
次いで、総走行距離の増加分(以下説明の便宜上「総走行距離増加分」と称する)が所定増加距離を超えたか否かが判定される(図2のステップS120参照)。
ステップS120において、総走行距離増加分が所定増加距離を越えたと判定された場合(YESの場合)、次述するステップS130の処理へ進む一方、総走行距離増加分は所定増加距離を越えていないと判定された場合(NOの場合)は、先のステップS110へ戻り、処理が繰り返されることとなる。
このように、λセンサ33の検出値とモデルλ値は、一定期間の間、すなわち、総走行距離増加分が所定増加距離を越えたと判定されるまで所定の間隔で繰り返し取得され、かつ、電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に保存されるものとなっている。
なお、総走行距離は、いわゆるオドメータにより取得可能なデータである。
次いで、ステップS130において、上述のようにして保存されたλセンサ33の検出値とモデルλ値について、それぞれ周波数分析が行われる。
このように、本発明の実施の形態においては、一定期間経過する度に、その間に取得、保存されたλセンサ33の検出値とモデルλ値について周波数分析が行われるものとなっている。
すなわち、本発明の実施の形態における周波数分析は、λセンサ33の検出値、モデルλ値のそれぞれについて、周波数の成分と各周波数成分のレベルを抽出するものである。
かかる周波数分析の手法は、従前から良く知られている、例えば、高速フーリエ変換が好適であるが、特定の手法に限定される必要はない。
λセンサ33の応答性低下を招く程に煤が堆積しておらず、λセンサ33自体も劣化していない状態においては、λセンサ33の周波数分析結果とモデルλ値の周波数分析結果は殆ど同一となる。
これに対して、λセンサ33の応答性低下が生じてくると、図3に一例が示されたように、λセンサ33の検出値の周波数分析結果(図3において二点鎖線の特性線参照)と、モデルλ値の周波数分析結果(図3において点線の特性線参照)との間には差が生じる。
具体的には、λセンサ33の検出値の周波数分析結果において、比較的高い周波数成分が減衰し、比較的低い周波数成分の信号レベルが増大する傾向となる(図3において二点鎖線の特性線参照)。
次いで、周波数成分差分が所定の差分基準閾値を超えているか否かが判定される。(図2のステップS140参照)。
ここで、周波数成分差分は、λセンサ33の検出値の周波数分析結果におけるある周波数成分における信号レベルと、モデルλ値の周波数分析結果におけるある周波数成分における信号レベルとの差を意味する。
λセンサ33の検出値の周波数分析結果とモデルλ値の周波数分析結果における周波数成分差分は、図3に示された特性線例で説明したように、特定の周波数成分でのみ表れるものではなく、レベル差はあるものの抽出された周波数成分のほぼ全域に渡って表れる傾向にある(図3参照)。
したがって、周波数成分差分が所定の差分基準閾値を超えているか否の判定は、特定の周波数成分でのみ判定するよりは、複数の周波数成分について、それぞれ定められた差分基準閾値を超えたか否かを判定するのが好適である。
この場合、抽出された全周波数成分について、周波数成分差分がそれぞれ所定の差分基準閾値を超えているか否それぞれ判定するのが理想であるが、実際には、予め特定した周波数範囲について判定するようにしても支障はない。
周波数成分差分の判定を予め特定した周波数範囲で行う場合、その周波数範囲は、例えば、予め試験結果やシミュレーション結果等に基づいて、周波数成分差分が他に比較して比較的顕著に表れ、かつ、モデルλ値との間の位相差、応答差が増大する範囲に設定するのが好適である。
例えば、図3の特性線例においては、符号aが付された楕円で囲まれた箇所の周波数範囲がこれに相当する。
また、差分基準閾値は、周波数毎に定めても良いし、周波数成分差分の判定を行う周波数範囲において一律としてもいずれでも良い。
いずれの場合も、差分基準閾値の具体的な値は、試験結果やシミュレーション結果に基づいて定めるのが好適である。
しかして、ステップS140において、周波数成分差分が差分基準閾値を超えていると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS150の処理へ進む。
一方、ステップS140において、周波数成分差分は差分基準閾値を超えていないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS120へ戻り、一連の処理が繰り返されることとなる。
ステップS150においては、伝搬遅延フィルタ係数補正が行われる。
先に説明したように、従来、λセンサ33の検出値に内包される伝搬遅延に起因するλセンサ33の検出値とモデルλ値の間の位相差、応答差を相殺すべくモデルλ値に対して伝搬遅延フィルタ(一次遅延フィルタ)による補正を施している。
伝搬遅延フィルタ自体は、従来から良く知られている、いわゆる一次遅延のフィルタであり、本発明の実施の形態においては、いわゆるディジタルフィルタが用いられる。
伝搬遅延フィルタの遅延特性は、いわゆるフィルタ係数を適宜設定することで定められるのが一般的であり、本発明の実施の形態においても同様であるとする。
ステップS150においては、このフィルタ係数の補正が行われる。
すなわち、フィルタ係数に対して補正係数が乗ぜられ、伝搬遅延フィルタのフィルタ特性(遅延特性)が補正されることとなる。
補正係数は、λセンサ33への煤の堆積等に起因して生ずる、モデルλ値とλセンサ33の検出値との位相差、応答差のレベルを考慮しつつ、試験結果やシミュレーション結果等に基づいて適切な値を設定するのが好適である。
ここで、伝搬遅延フィルタ係数補正の前後における伝搬遅延フィルタの時定数の変化について、図4に示された特性線図を参照しつつ説明する。
図4において、横軸はエアマスセンサ22により検出された吸入空気量を、縦軸は伝搬遅延フィルタの時定数を、それぞれ表している。
同図において、実線で示された特性線は、伝搬遅延フィルタ係数補正前における吸入空気量の変化に対する伝搬遅延フィルタの時定数の変化例である。
また、同図において、点線で示された特性線は、伝搬遅延フィルタ係数補正後における吸入空気量の変化に対する伝搬遅延フィルタの時定数の変化例である。
図4によれば、伝搬遅延フィルタ係数補正により伝搬遅延フィルタの吸入空気量に対する時定数は、伝搬遅延フィルタ係数補正前に比して、全体的に増加していることが確認できる。
すなわち、伝搬遅延フィルタ係数補正後においては、モデルλ値に対して伝搬遅延フィルタ係数補正前よりも伝搬遅延フィルタの時定数の増大に対応したさらなる伝搬遅延が施されることとなる。
したがって、伝搬遅延フィルタ係数補正における補正係数を適宜に設定することで、λセンサ33における煤の堆積等に起因する応答性の低下によるモデルλ値とλセンサ33の検出値との間に生ずる位相差、応答差を実質的に相殺することができることとなる。その結果、λセンサ33の煤の堆積等による応答性低下が生じてもλセンサ33の検出値との間に位相差、応答差を殆ど生ずることのない適切なモデルλ値が提供することができる。
なお、伝搬遅延フィルタ係数補正を行うことの技術的意義についての上述の説明するにおいて、図4に示されたような吸入空気量の変化量に対する時定数の変化特性を示す特性線図を用いたのは、以下のような観点によるものである。
すなわち、まず、本発明の実施の形態において前提とした従来のEGR制御においては、吸入空気量に応じて適宜、伝搬遅延フィルタの時定数を変えて吸入空気量に応じた伝搬遅延が施されるものとなっている。
このため、上述の吸入空気量に対する時定数の変化特性を示す特性線図は、伝搬遅延フィルタ係数補正が適切か否かを判断するための手段の1つとして用いることができる。
上述のようにして伝搬遅延フィルタ係数補正が行われた後は、エンジン1が停止しているか否かが判定される(図2のステップS160参照)。
ステップS160において、エンジン1が停止していると判定された場合(YESの場合)は、一連の処理は終了されることとなる。
一方、ステップS160において、エンジン1は停止していない判定された場合(NOの場合)は、先のステップS120に戻り、一連の処理が繰り返されることとなる。
λセンサの応答性低下に起因するモデルλ値の悪化の抑圧、低減による信頼性の高い車両動作制御が所望される車両動作制御装置に適用できる。
1…エンジン
33…λセンサ
50…電子制御ユニット

Claims (4)

  1. λセンサと内燃機関との離間距離に起因して前記λセンサの検出値に内包される応答遅れによって生ずる前記λセンサの検出値と、所定の演算式を用いて算出される理論上のλの値であるモデルλ値との間の位相差、応答差を補償すべく、前記モデルλ値に対して一次遅延フィルタによる補正が施されて車両の動作制御に用いられるよう構成されてなる車両動作制御装置における前記モデルλ値補償方法であって、
    前記λセンサの検出値と前記モデルλ値の取得と保存を繰り返し行いつつ、一定期間経過する度に、当該一定期間に保存された前記λセンサの検出値と前記モデルλ値に対して、それぞれ周波数分析を施して周波数成分及び前記各周波数成分の信号レベルを抽出し、少なくとも所定の周波数範囲において前記λセンサの検出値の前記周波数分析における前記信号レベルと前記一次遅延フィルタによる遅延が施される前のモデルλ値の前記周波数分析における前記信号レベルとの差が所定差分基準閾値を超えた場合、前記一次遅延フィルタの遅延特性を定めるフィルタ係数を補正し、前記λセンサの応答性低下により生ずる前記モデルλ値との位相差、応答差を実質的に相殺可能としたことを特徴とするモデルλ値補償方法。
  2. 前記フィルタ係数の補正は、前記フィルタ係数に補正係数を乗ずることで行われ、
    前記補正係数は、前記一次遅延フィルタにより前記モデルλ値に施される遅延が、前記λセンサの応答性低下により生ずる前記モデルλ値との位相差、応答差に対応するよう設定されたものであることを特徴とする請求項1記載のモデルλ値補償方法。
  3. 電子制御ユニットを用いて、λセンサと内燃機関との離間距離に起因して前記λセンサの検出値に内包される応答遅れによって生ずる前記λセンサの検出値と、所定の演算式を用いて算出される理論上のλの値であるモデルλ値との間の位相差、応答差を補償すべく前記モデルλ値に対して一次遅延フィルタによる補正が施されて車両の動作制御に供されるよう構成されてなる車両動作制御装置であって、
    前記電子制御ユニットは、
    前記λセンサの検出値と前記モデルλ値の取得と保存を繰り返しつつ、一定期間経過する度に、当該一定期間に保存されたλセンサの検出値とモデルλ値に対して、それぞれ周波数分析を施して周波数成分及び前記各周波数成分の信号レベルを抽出し、少なくとも所定の周波数範囲において前記λセンサの検出値の前記信号レベルと前記一次遅延フィルタによる遅延が施される前のモデルλ値の前記信号レベルとの差が所定差分基準閾値を超えたと判定された場合、前記一次遅延フィルタのフィルタ係数を補正し、前記λセンサの応答性低下により生ずる前記モデルλ値との位相差、応答差を実質的に相殺可能に構成されてなることを特徴とする車両動作制御装置。
  4. 前記電子制御ユニットは、
    前記フィルタ係数に補正係数を乗じて前記フィルタ係数の補正を実行し、
    前記補正係数は、前記一次遅延フィルタにより前記モデルλ値に施される遅延が、前記λセンサの応答性低下により生ずる前記モデルλ値との位相差、応答差に対応するよう設定されたものであることを特徴とする請求項3記載の車両動作制御装置。
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