JP2020197017A - 透水性構造体の構築方法及び透水性構造体 - Google Patents

透水性構造体の構築方法及び透水性構造体 Download PDF

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Tetsuya Onabe
哲也 尾鍋
幸三 ▲浜▼口
幸三 ▲浜▼口
Kozo Hamaguchi
俊典 酒井
Toshinori Sakai
俊典 酒井
藤原 優
Masaru Fujiwara
優 藤原
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Abstract

【課題】透水路を地中内に形成することによって地盤を改良する場合に、透水路を容易に施工しながら透水能力を向上できる。【解決手段】透水性構造体の構築方法は、地中に透水性構造体を構築する。この方法は、地中に第1の透水性を有する第1透水性部分を形成する第1透水性部分形成工程と、第1透水性部分を貫通して地中深部に伸びる空間を形成する掘削工程と、空間に第2の透水性を有する第2透水性部分を形成する第2透水性部分形成工程と、を備える。空間は、地中深部に向かって第1方向に伸びている。空間の第1方向に直交する断面の断面積は、第1透水性部分の第1方向に直交する断面の断面積より小さい。【選択図】図9

Description

本明細書に開示する技術は、透水性構造体の構築方法及び透水性構造体に関する。詳細には、地中に透水性構造体を構築する技術に関する。
地中内の水を排水することで、水はけの悪い地盤を改良する技術が知られている。例えば、特許文献1には、地中内に不透水層を有する地盤を改良する技術が開示されている。不透水層を有する地盤では、不透水層より上方の上部透水層と、不透水層より下方の下部透水層とが、不透水層によって分断されている。このため、上部透水層内の水は、不透水層を通過して下部透水層に流れることができず、上部透水層の地下水位が高くなる。そこで、特許文献1の技術では、上部透水層から不透水層を貫通して下部透水層にまで達する透水パイルを地中に設置し、上部透水層内の水を透水パイルを通って下部透水層に流下させるようにしている。
特開平7−247551号公報
従来の技術では、水を下方に流下させるための透水路を地中内に形成する。透水路の透水能力は、透水路の径によって決まり、透水能力を高めるためには透水路の径を大きくする必要がある。地中内に不透水層が形成されている場合、透水路を不透水層より深部まで形成する必要がある。しかしながら、径の大きな透水路を地中深部まで形成するには、施工に手間がかかるという問題が生じる。
本明細書は、透水路を地中内に形成することによって地盤を改良する場合に、透水路を容易に施工しながら透水能力を向上できる技術を開示する。
本明細書に開示する透水性構造体の構築方法は、地中に透水性構造体を構築する。この方法は、地中に第1の透水性を有する第1透水性部分を形成する第1透水性部分形成工程と、第1透水性部分を貫通して地中深部に伸びる空間を形成する掘削工程と、空間に第2の透水性を有する第2透水性部分を形成する第2透水性部分形成工程と、を備える。空間は、地中深部に向かって第1方向に伸びている。空間の第1方向に直交する断面の断面積は、第1透水性部分の第1方向に直交する断面の断面積より小さい。
上記の透水性構造体の構築方法では、透水性構造体は、第2透水性部分が形成される空間の断面積が、第1透水性部分が形成される空間の断面積より小さくなるように構築される。すなわち、第1透水性部分は、第2透水性部分より断面積が大きくなる。雨水等が溜まり易い地表側に形成される第1透水性部分を大きくすることによって、地表側の透水能力を高くすることができる。また、第2透水性部分は、第1透水性部分を貫通して形成される。このため、第1透水性部分に貯留する水を第2透水性部分を通って地中深部に向かって流下させることができる。また、第2透水性部分が形成される空間は、第1透水性部分が形成される空間より小さく形成され、第2透水性部分は、第1透水性部分より断面積が小さく形成される。第2透水性部分は第1透水性部分と同様の大きさを有していなくても、すなわち、第2透水性部分の断面積は小さくても、第2透水性部分の単位断面積当たりの透水能力を適宜調整することで、第1透水性部分に貯留する水を地中深部側に流下させる機能を十分に果たすことが可能となる。したがって、地中深部側の第2透水性部分の断面積を小さくすることによって、第1透水性部分に貯留する水を地中深部側に流下させる機能を損なうことなく、施工を容易にすることができる。なお、透水性構造体の構築方法とは、別言すると、透水性構造体の生産方法や製造方法に相当し、透水性構造体の生産方法や製造方法と言うこともできる。
また、本明細書に開示する透水性構造体は、地中に形成した空間に形成される。透水性構造体は、第1の透水性を有する第1透水性部分と、第2の透水性を有し、第1透水性部分を貫通して地中深部に伸びる第2透水性部分と、を備えている。第2透水性部分は、地中深部に向かって第1方向に伸びている。第2透水性部分の第1方向に直交する断面の断面積は、第1透水性部分の第1方向に直交する断面の断面積より小さい。
上記の透水性構造体では、第2透水性部分は、第1透水性部分を貫通して、第1透水性部分より地中深部に配置されていると共に、第2透水性部分の断面積は、第1透水性部分の断面積より小さい。このため、上記の透水性構造体の製造方法と同様の作用効果を奏することができる。
実施例に係る透水性構造体の一例を示す模式図。 地盤改良装置の概略構成を示す図であり、砕石柱形成用アタッチメントが取付けられた状態を示す。 砕石柱形成用アタッチメントの概略構成を示す図。 透水パイプ設置用アタッチメントの概略構成を示す図であって、各部分に分解した状態を示す。 透水パイプ設置用アタッチメントの概略構成を示す図であって、各部分を連結した状態を示す。 透水パイプ設置用アタッチメントの基端部を拡大して示す図。 透水パイプの概略構成を示す図。 実施例に係る透水性構造体の製造方法を示すフローチャート。 実施例に係る透水性構造体の製造方法の手順を説明するための図。 実施例に係る透水性構造体の他の一例を示す模式図。
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
(特徴1)本明細書に開示する透水性構造体の構築方法では、第1透水性部分は、砕石構造体であってもよい。このような構成によると、砕石構造体は容易に施工することができるため、第1透水性部分を容易に形成することができる。
(特徴2)本明細書に開示する透水性構造体の構築方法では、砕石構造体は複数の砕石柱を有していてもよい。複数の砕石柱のそれぞれが隣接する他の砕石柱と半径方向にオーバーラップすることによって、砕石構造体は壁状の砕石構造体となっていてもよい。このような構成によると、砕石構造体の体積を大きくすることができ、より多く集水することができる。また、砕石構造体が壁状であるため、砕石構造体の表面積を大きくすることができ、地表側の地中の水をより確実に集水することができる。
(特徴3)本明細書に開示する透水性構造体の構築方法では、第1透水性部分形成工程は、複数の砕石柱を形成してもよい。掘削工程は、複数の砕石柱のうちの少なくとも1つを貫通して前記空間を形成してもよい。第2透水性部分形成工程は、空間に第2透水性部分を形成してもよい。
(特徴4)本明細書に開示する透水性構造体の構築方法では、第2透水性部分は、透水パイプであってもよい。このような構成によると、透水パイプは容易に設置することができるため、第2透水性部分を容易に形成することができる。また、透水パイプは、単位断面積当たりの透水能力が高いため、第1透水性部分に貯留された水を地中深部側に好適に流下させることができる。
以下、実施例に係る透水性構造体120について説明する。透水性構造体120は、地中に形成された空間に形成される。図1に示すように、例えば、透水性構造体120は、不透水層104を有する地盤101に形成される。地盤101は、不透水層104と、不透水層104より上方に位置する上部透水層102aと、不透水層104より下方に位置する下部透水層102bを有する。上部透水層102a内の水は、不透水層104によって下部透水層102bに流れることができない。このため、上部透水層102aの地下水位が高く、水はけが悪い地層となっている。透水性構造体120は、地盤101のような水はけの悪い地層に形成される。透水性構造体120は、砕石柱130と、透水パイプ140を備えている。
砕石柱130は、地中に形成された空間に砕石を充填することによって形成される。砕石柱130は、地中深部に伸びる円柱形状を有している。このため、砕石柱130を上方から見ると、円形状になっている。砕石柱130は、例えば、上部透水層102aに形成される。砕石柱130は、砕石によって形成されているため、砕石柱130内では、砕石と砕石の間に隙間が生じる。このため、砕石柱130は、上部透水層102a内を流れる地下水等を集水することができる。すなわち、砕石柱130は、上部透水層102a内の水を集めることができる。
透水パイプ140は、地中深部に伸びている。透水パイプ140の径(すなわち、透水パイプ140を上方から見たときの径)は、砕石柱130の径(すなわち、砕石柱130を上方から見たときの径)より小さくされている。換言すると、透水パイプ140の軸線に直交する断面の断面積は、砕石柱130の軸線に直交する断面の断面積より小さくされている。透水パイプ140の内部は砕石等が充填されない空間となるため、透水パイプ140の単位断面積当たりの透水能力は、砕石柱130の単位断面積当たりの透水能力よりも高くなる。透水パイプ140は、砕石柱130の略中心(すなわち、砕石柱130を上方から見たときの略中心)を貫通している。すなわち、透水パイプ140の軸線は、砕石柱130の軸線と略一致している。また、透水パイプ140の軸方向の寸法(深さ方向の寸法)は、砕石柱130の軸方向の寸法より長くされている。透水パイプ140の上端は、地盤101から突出していてもよい。このように構成すれば、透水パイプ140の内部をブラシや高圧水流等を用いて清掃する等の、透水パイプ140の形成後のメンテナンスを容易にすることができる。なお、透水パイプ140の上端は、砕石柱130の上端と略一致していてもよく、地盤101から突出していなくてもよい。透水パイプ140は、砕石柱130より上方から、砕石柱130の略中心を貫通し、砕石柱130の下方まで伸びている。そして、透水パイプ140はさらに、砕石柱130の下方の不透水層104を貫通して、下部透水層102bまで伸びている。図7に示すように、透水パイプ140(詳細には、後述する透水パイプ140の本体部44)には、軸方向に伸びる透水スリット46が複数形成されている。透水スリット46は、本体部44の全面に形成されており、透水スリット46によって透水パイプ140の外部から内部へ、また、内部から外部への水の通過が可能となっている。なお、本実施例で用いる透水パイプ140のさらに詳細な構成については後述する。
本実施例の透水性構造体120では、透水パイプ140は、砕石柱130を貫通している。このため、砕石柱130に貯留された水は、透水スリット46を通って透水パイプ140内に移動する。また、透水パイプ140は、不透水層104を貫通して下部透水層102bまで伸びている。このため、砕石柱130から透水パイプ140内に移動した水は、透水パイプ140内を介して不透水層104を通過し、透水パイプ140の先端部分(下部透水層102b内に配置されている部分)まで移動する。そして、透水パイプ140の先端部分から透水スリット46を通って下部透水層102bに移動する。このようにして、透水パイプ140により、上部透水層102a内の水を下部透水層102bに流下させることができ、上部透水層102aの地下水位を適正化することができる。
また、本実施例の透水性構造体120では、透水パイプ140の軸線に直交する断面の断面積は、砕石柱130の軸線に直交する断面の断面積より小さくされている。このため、上部透水層102aに形成される砕石柱130の体積が大きくなる。これによって、上部透水層102a内の多量の水を砕石柱130に貯留することができる。また、透水パイプ140の軸線に直交する断面の断面積は、砕石柱130の軸線に直交する断面の断面積より小さくされていることによって、透水パイプ140を配置するために不透水層104及び下部透水層102bに形成する空間の断面積を小さくすることができる。透水パイプ140は、単位断面積当たりの透水能力が高いため、透水パイプ140の断面積が砕石柱130の断面積より小さくても、砕石柱130に貯留される水を下部透水層102bに流下される機能を十分に果たすことができる。このため、砕石柱130に貯留された水を下部透水層102bに流下する機能を保持しながら、透水パイプ140を配置するための施工(掘削及び透水パイプ140の配置)を容易にすることができる。
また、透水性構造体120には、地表側に蓋部132が設けられている。蓋部132は、比較的透水し難い土等によって形成されている。蓋部132は、透水性構造体120を上方から見たときに円形状であり、その径は、砕石柱130の径より大きくされている。蓋部132は、砕石柱130の上端を覆っている。蓋部132を設けることによって、地表側から砕石柱130に水が浸入し難くなる。これによって、雨水等が上方から砕石柱130に浸入することを抑制することができる。なお、透水性構造体120には、蓋部132が設けられていなくてもよく、砕石柱130は地表に露出していてもよい。また、図1に示すように、透水パイプ140の先端には、後述する先端掘削部材60が配置されているが、これは後述する本実施例の製造方法を用いて透水性構造体120を地中に形成した際に地中に残置されるものであり、透水性構造体120が先端掘削部材60を備えている必要はない。
透水性構造体120は、地盤改良装置100を用いて地中に形成される。ここで、地盤改良装置100について説明する。図2に示すように、地盤改良装置100は、地盤改良機40と、地盤改良機40に装着される砕石柱形成用アタッチメント10と、地盤改良機40に装着される透水パイプ設置用アタッチメント50(図4,5等に図示)と、を備えている。地盤改良機40は、図2に示されるように、地盤改良機本体構造1と、運転席としてのキャビン7と、低接地圧で不整地を移動可能な無限軌道であるクローラ6と、施工時において地盤改良機40の揺動を抑制するアウトリガー5と、を備えている。
地盤改良機40は、さらに、砕石柱形成用アタッチメント10及び透水パイプ設置用アタッチメント50を操作するための構成を備えている。すなわち、地盤改良機40は、砕石柱形成用アタッチメント10及び透水パイプ設置用アタッチメント50にモータ出力軸27を介して回転駆動力を供給する駆動装置11と、昇降ガイドレール9を有するリーダー4と、リーダー4を支持するためのリーダー取付ベース2と、リーダー4の傾きを操作する油圧シリンダー3と、リーダー4の下端部においてリーダー4と一体的に形成されている延長脚柱8と、を備えている。
図2、3に示すように、砕石柱形成用アタッチメント10は、フィン13が設けられた円筒部12と、螺旋部14と、円筒部12の振れ止め用の包囲枠30と、円筒部12の上端に取付けられるトップカバーケース16と、砕石投入装置32と、包囲枠30を支持する取付プレート37と、砕石投入装置32を支持する支持アーム39と、砕石柱形成用アタッチメント10による施工状態を管理する施工管理装置41と、を備えている。
円筒部12には、砕石投入孔15が形成され、砕石投入孔15は開閉蓋20によって塞がれている。砕石投入装置32は、ホッパー部33と、ホッパー部33の下部に配置されるシュート部34を備えている。砕石投入孔15は、砕石柱形成用アタッチメント10が地中を掘削する際には開閉蓋20によって閉じられている。これによって、砕石投入孔15から土砂が侵入することを防止できる。また、円筒部12内に砕石を投入する際には開閉蓋20が開けられる。これによって、砕石投入装置32に投入した砕石を砕石投入孔15から円筒部12内に投入することができる。通常用いられる砕石は、岩石を粉砕したものであるため一定の形状ではなく、約2〜50mmの直径を有するが、これに限定されない。砕石は、2mmよりも小さな直径のものを含んでいてもよいし、50mmより大きな直径のものを含んでいてもよい。アタッチメントの形状を変えることで50mmより大きな直径のものも扱うことができる。
螺旋部14は、回転入力軸26に図示しないコアロッドを介して連結されている。回転入力軸26は、駆動装置11のモータ出力軸27に接続されている。回転入力軸26は、モータ出力軸27の回転駆動力に応じて回転し、その回転駆動力を螺旋部14に伝達する。螺旋部14の先端には掘削翼が設けられている。掘削翼は、螺旋部14の先端に向かうにしたがって径が大きくなる螺旋状に形成されている。掘削翼の略全体は円筒部12内に配置されており、掘削翼の先端の一部のみが円筒部12の先端から突出している。
円筒部12の周囲には、螺旋状のフィン13が形成されている。フィン13は、螺旋部14の螺旋(すなわち、掘削翼)と同一方向の螺旋形状を有している。後述するように、砕石柱形成用アタッチメント10が地中を掘削する際は、円筒部12と螺旋部14は、同一方向に回転するようになっている。これにより、螺旋部14の掘削によって生じた掘削土砂がフィン13によって上方に運搬されることになる。
なお、トップカバーケース16の内部には、図示しないワンウエイクラッチ機構を備えている。ワンウエイクラッチ機構は、掘削時の回転方向の駆動においては、自動的に螺旋部14と円筒部12とが一体として回転する作動状態とする。一方、掘削時の回転方向と逆方向の回転駆動においては、ワンウエイクラッチ機構は、螺旋部14に駆動装置11の回転駆動力を伝達する一方で、円筒部12には駆動装置11の回転駆動力が伝達されない。その結果、螺旋部14で砕石に圧力を印加する一方で、円筒部12の回転は停止する。以下、円筒部12と螺旋部14が同一方向に回転する方向、すなわち、掘削時の回転方向を「正転方向」といい、掘削時の回転方向と逆方向に回転する方向、すなわち、螺旋部14で砕石に圧力を印加する回転方向を「反転方向」ということがある。
図4,5に示すように、透水パイプ設置用アタッチメント50は、先端掘削部材60と、先端掘削部材60の上端に連結される第1円筒部材70と、第1円筒部材70の上端に連結される第2円筒部材80と、第1円筒部材70又は第2円筒部材80の上端に連結されるモータ連結部材90と、を備えている。
先端掘削部材60は、第1円筒部材70の下端(先端)に着脱可能に取付けられている。先端掘削部材60は、本体61と、本体61の上端部に設けられた係合突部64を備えている。本体61は、先端(図の下端)に向かって径が小さくなる円錐台形状に形成されている。本体61の下端面には、下方に突出する掘削歯62が設けられており、本体61の外周面には、径方向に突出する掘削歯63が設けられている。掘削歯62,63によって、透水パイプ設置用アタッチメント50は砕石柱130及び地中を掘削することができる。
係合突部64は、本体61の上端面より上方に向かって突出している。係合突部64は、円筒状に形成されており、その径は本体61の上端面の径よりも小さくされている。先端掘削部材60と第1円筒部材70が連結されると、係合突部64は第1円筒部材70の内部空間に収容されるようになっている。係合突部64の外周面には、径方向に突出する係合突片65a,65bが設けられている。係合突片65a,65bは、先端掘削部材60の回転軸線に対して対称となる位置に配置されており、係合突部64の略中央から上端部まで回転軸線方向に伸びている。
第1円筒部材70は、本体部71と、本体部71の一端(下端)に設けられた掘削側係合部72を備えている。本体部71は、円筒状に形成されており、その内部空間に透水パイプ140が収容可能となっている。本体部71の径は、透水パイプ140の径に応じて種々に変更することができるが、例えば、80〜200mmとすることができる。本体部71の径を80mm以上とすることで、透水パイプ140の径が小さくなり過ぎることはなく、透水パイプ140にある程度の透水能力を確保することができる。一方、本体部71の径を200mm以下とすることで、透水パイプ設置用アタッチメント50による掘削圧力が過大となることが抑制され、地盤改良機40が大型化することを防止できる。なお、本体部71の径は、砕石柱形成用アタッチメント10の径よりも小さくされている。
本体部71の上端部には、ボルト孔77と係合突起78が形成されている。係合突起78は、ボルト孔77に対して周方向及び軸方向にずれた位置に配置されている。後述するように、係合突起78及びボルト孔77は、第1円筒部材70に第2円筒部材80又はモータ連結部材90を連結するときに使用される。一方、本体部71の下端部には、その外周面にフィン76が形成されている。フィン76は、本体部71の外周面に部分的に形成されており、本体部71の外周面を螺旋状に伸びている。フィン76は、透水パイプ設置用アタッチメント50が地中を掘削する際に、掘削によって生じた掘削土砂を地表側に向かって運搬する。フィン76が部分的に設けられているため、掘削によって生じた掘削土砂が地表まで運搬されることはないが(すなわち、透水パイプ設置用アタッチメント50は、地表に掘削土砂を排出しない無排土タイプの掘削部材であるが)、掘削側係合部72の近傍からは地表側に掘削土砂を運搬する。これによって、掘削側係合部72の内部に掘削土砂が侵入することを抑制している。一方、透水パイプ設置用アタッチメント50を地中から引き抜く際(すなわち、透水パイプ設置用アタッチメント50を反転方向に回転させる際)は、フィン76によって透水パイプ140と掘削穴の間の空間に土砂や砕石を充填する。これによって、透水パイプ140が地中に安定して設置されるようになっている。
掘削側係合部72は、円筒状に形成されており、その内部に先端掘削部材60の係合突部64を収容可能となっている。すなわち、掘削側係合部72の内径は、係合突部64の外径よりわずかに大きくされている。ただし、回転軸中心から係合突片65a,65bまでの寸法の和は、掘削側係合部72の内径より長くなっている。掘削側係合部72の内周面には、係合突片65a,65bに対応して2箇所に内周側係合溝75が形成されている。内周側係合溝75の深さは、係合突片65a,65bの径方向の寸法と略同一となっている。したがって、内周側係合溝75に対して係合突片65a,65bを位置合わせすることで、掘削側係合部72の内部に先端掘削部材60の係合突部64を収容することができる。
また、内周側係合溝75は、回転軸方向に伸びる内周側縦溝73と、内周側縦溝73の上端部より周方向かつ正転方向に伸びる内周側横溝74を備えている。内周側縦溝73の周方向の寸法は、係合突片65a,65bの周方向の寸法より大きくされている。したがって、内周側縦溝73内に係合突片65a,65bを挿入することができる。また、内周側横溝74の軸方向の寸法は、係合突片65a,65bの軸方向の寸法よりわずかに長くなっている。したがって、係合突片65a,65bが内周側縦溝73内に挿入されるように、掘削側係合部72内に先端掘削部材60の係合突部64を挿入し、次いで、先端掘削部材60に対して掘削側係合部72を正転方向に回転させると、係合突片65a,65bが内周側横溝74を周方向にスライドする。上記の説明から明らかなように、第1円筒部材70が正転方向に回転するときは、係合突片65a,65bが内周側横溝74内に進入し、これによって、先端掘削部材60と第1円筒部材70とが着脱不能となり、また、先端掘削部材60と第1円筒部材70とは一体となって回転する。すなわち、先端掘削部材60と第1円筒部材70とがロック状態となる。一方、第1円筒部材70が反転方向に回転するときは、係合突片65a,65bが内周側横溝74から外れ、先端掘削部材60が第1円筒部材70から着脱可能な状態となる。すなわち、先端掘削部材60と第1円筒部材70とが非ロック状態となる。なお、上記の説明から明らかなように、本実施例のロック機構(65a,65b、75)は、第1円筒部材70の内周面と先端掘削部材60の外周面との間に設けられており、第1円筒部材70の外周面に露出していない。このため、ロック機構(65a,65b、75)に掘削土砂が侵入し、ロック機構(65a,65b、75)の誤動作が生じることが防止されている。
第2円筒部材80は、本体部85と、本体部85の一端(下端)に設けられた係合凹部81を備えている。本体部85は、円筒状に形成されており、その内部空間に透水パイプ140が収容可能となっている。本体部85の径は、第1円筒部材70の本体部71の径と同一となっている。本体部85の上端部には、第1円筒部材70と同様に、ボルト孔86と係合突起87が形成されている。ボルト孔86と係合突起87は、第1円筒部材70のボルト孔77及び係合突起78と同一構造を有しており、係合突起87はボルト孔86に対して周方向及び軸方向にずれた位置に配置されている。後述するように、係合突起87及びボルト孔86は、第2円筒部材80に他の第2円筒部材80又はモータ連結部材90を連結するときに使用される。
係合凹部81は、円筒状に形成されており、その内部に第1円筒部材70の上端部(本体部71の上端部)が収容可能となっている。すなわち、係合凹部81の内径は、第1円筒部材70の上端部の外径よりわずかに大きくされている。ただし、第1円筒部材70の上端部には係合突起78が形成され、回転軸線から係合突起78までの長さ(半径)は、係合凹部81の半径と略同一となり、そのままでは係合凹部81の内部に第1円筒部材70の上端部を収容することはできない。このため、係合凹部81には、係合突起78に対応してスリット84が形成されている。スリット84に対して係合突起78を位置合わせすることで、係合凹部81の内部に第1円筒部材70の上端部を収容することができる。なお、スリット84は、係合凹部81の壁を除去することで形成されているため、第2円筒部材80の内部空間は、スリット84を介して第2円筒部材80の外部空間と連通している。
スリット84は、回転軸方向に伸びる縦スリット82と、縦スリット82の上端部より周方向かつ正転方向に伸びる横スリット83を備えている。縦スリット82の周方向の寸法は、係合突起78の周方向の寸法より大きくされている。したがって、縦スリット82内に係合突起78を挿入することができる。また、横スリット83の軸方向の寸法は、係合突起78の軸方向の寸法よりわずかに長くなっている。したがって、係合突起78が縦スリット82内に挿入されるように、係合凹部81内に第1円筒部材70の上端部を挿入し、次いで、第2円筒部材80に対して第1円筒部材70を正転方向に回転させると、係合突起78が横スリット83を周方向にスライドする。この状態では、縦スリット82内に第1円筒部材70のボルト孔77が位置するようになっている。後述するように、本実施例では、ボルト97を用いてボルト孔77に止め板96を取付けることで、縦スリット82内に止め板96が固定され、第1円筒部材70に第2円筒部材80が一体化される(図6参照)。これによって、第1円筒部材70と第2円筒部材80は、一体となって正転方向及び反転方向に回転することができる。なお、第2円筒部材80の下端部(係合凹部81の下端部)には鍔部81aが設けられ、係合凹部81の下端部の機械的強度の向上が図られている。鍔部81aは、係合凹部81の全周に亘って設けられているが、係合凹部81の外周面から外側に突出している。このため、鍔部81aが係合突起78を縦スリット82に挿入することの障害とはならない。
上述したように、第1円筒部材70の上端部と第2円筒部材80の上端部は同一構造を有しているため、第2円筒部材80の係合凹部81には他の第2円筒部材80の上端部が収容可能となる。したがって、本実施例の透水パイプ設置用アタッチメント50は、第2円筒部材80を連結する本数を調整することで、その軸長を調整可能となっている。
係合凹部91は、上述した係合凹部81と同一の構成を備えている。すなわち、係合凹部91は、縦スリット92と横スリット93を備えたスリット94(スリット84に相当)と、鍔部91a(鍔部81aに相当)とが形成されている。したがって、係合凹部91には、第1円筒部材70の上端部と第2円筒部材80の上端部のいずれもが連結可能となっている。既に説明したが、図6に示すように、係合凹部91に第2円筒部材80の上端部を連結するときは、第2円筒部材80の係合突起87が縦スリット92内に挿入されるように、係合凹部91内に第2円筒部材80の上端部を挿入し、次いで、モータ連結部材90に対して第2円筒部材80を正転方向に回転させる。すると、係合突起87が横スリット93内を周方向にスライドし、また、縦スリット92内に第2円筒部材80のボルト孔86が位置する。次に、縦スリット92内に止め板96を嵌め込み、図6のボルト97を止め板96の貫通孔(図示しない)を通ってボルト孔86に固定する。これによって、縦スリット92内に止め板96が固定され、モータ連結部材90に第2円筒部材80が一体化される。
次に、透水パイプ設置用アタッチメント50を用いて地中内に設置される透水パイプ140について説明する。図7に示すように、透水パイプ140は、複数の透水パイプ部分43によって構成されている。透水パイプ部分43は、円筒状の本体部44と、本体部44の一端に設けられた嵌合ネジ部45を備えている。本体部44の径は、先端掘削部材60の係合突部64の径と略同一となっており、透水パイプ設置用アタッチメント50(詳細には、第1円筒部材70,第2円筒部材80)の内径よりも小さくされている。透水パイプ設置用アタッチメント50内に透水パイプ140を収容すると、透水パイプ設置用アタッチメント50の内周面と透水パイプ140の間にクリアランスが形成されるようになっている。また、上述したように、本体部44には、軸方向に伸びる透水スリット46が複数形成されている。ここで透水スリットは軸方向に限定されず、円周方向や円周と軸方向を混在させたものや、円周に斜めに入れたスリットであっても良い。
嵌合ネジ部45は、円筒状に形成されており、その外径が本体部44の内径よりわずかに小さくされている。このため、透水パイプ部分43の嵌合ネジ部45を、他の透水パイプ部分43の本体部44側の端部(内周面にネジが形成された部分)に螺入し、2つの透水パイプ部分43を連結することができる。本実施例では、複数の透水パイプ部分43を軸方向に連結可能とすることで、透水パイプ140の軸方向の長さが調整可能となっている。また、本実施例の嵌合ネジ部45は、下方に配置される透水パイプ部分43に対して上方に配置される透水パイプ部分43を反転方向(すなわち、透水パイプ設置用アタッチメント50を地中から引き上げるときの回転方向)に回転させたときに、2つの透水パイプ部分43が連結されるように(すなわち、締結力が上昇するように)なっている。逆に、下方に配置される透水パイプ部分43に対して上方に配置される透水パイプ部分43を正転方向に回転させると、2つの透水パイプ部分43の連結が弛むように(すなわち、締結力が低下するように)なっている。これによって、透水パイプ設置用アタッチメント50を地中から引き上げるときに、透水パイプ設置用アタッチメント50と透水パイプ部分43の摩擦や、両者の間に入り込んだ土砂等によって透水パイプ部分43を反転方向に回転させようとするトルクが透水パイプ部分43に作用しても、連結された透水パイプ部分43同士の締結力が低下することを抑制することができる。このため、地中に設置した透水パイプ部分43同士の連結を好適に維持することができる。
なお、最も地中深くに設置される透水パイプ部分43(図7の下方に配置された透水パイプ部分43)の下端には、当該透水パイプ部分43と先端掘削部材60とを接続するための接続機構(図示省略)が設けられている。これによって、最も地中深くに設置される透水パイプ部分43と先端掘削部材60との接続が好適に維持され、透水パイプ設置用アタッチメント50を地中から引き上げた後においても、透水パイプ部分43と共に先端掘削部材60が地中に残される。このため、地中に透水パイプ140を好適に設置することが可能となっている。
次に、図8,9を参照して、地盤改良装置100を用いて透水性構造体120の製造方法について説明する。透水性構造体120は、水はけの悪い地盤101に形成される例として説明する。本実施例では、上部透水層102aから不透水層104を貫通して下部透水層102bにまで伸びる透水パイプ140を設置することで、上部透水層102a内の水を下部透水層102bに流す。これによって、上部透水層102aの地下水位を適正化する。透水パイプ140の先端を下部透水層102b内に位置させるためには、不透水層104と下部透水層102bの境界の位置を把握する必要がある。このために、まず、地盤101の地質調査を行い、上部透水層102aと不透水層104の境界の位置、及び、不透水層104と下部透水層102bの境界の位置を測定する。そして、測定結果に基づいて、砕石柱130を形成する深さ(すなわち、砕石柱形成用アタッチメント10で掘削する深さ)、及び、透水パイプ140の長さ(すなわち、透水パイプ設置用アタッチメント50で掘削する深さ)を決定しておく。
砕石柱130を形成する深さ及び透水パイプ140の長さが決定された後、地盤101に砕石柱130を形成する砕石柱形成工程を実行する(S12)。砕石柱形成工程は、以下の手順で行われる。まず、地盤改良機40に砕石柱形成用アタッチメント10を取付ける。次に、駆動装置11により砕石柱形成用アタッチメント10を正転方向に回転させながら下降させる。これによって、砕石柱形成用アタッチメント10は地中内に挿入され、地中を掘削する。地中の掘削によって排出される土砂は、円筒部12の外周に運ばれ、フィン13によって上方に運搬される。砕石柱形成用アタッチメント10が所定の深さまで到達すると、駆動装置11の正転回転の駆動を停止し、掘削を終了する。次に、開閉蓋20を開いた状態で、砕石投入装置32に砕石を投入する。砕石投入装置32に投入された砕石は、砕石投入孔15を介して円筒部12内に投入される。次に、螺旋部14が反転方向に回転するように、駆動装置11を駆動させる。すると、砕石柱形成用アタッチメント10は、反転方向に回転しながら上昇すると共に、円筒部12内に投入された砕石を螺旋部14から押圧しながら排出する。これによって、砕石柱130が形成され、また、砕石柱形成用アタッチメント10が地中から押し出される(図9(a)に示す状態)。図9から明らかなように、砕石柱130は、上部透水層102a内に形成され、不透水層104に到達していない状態を示しているが、不透水層104の上面に接して構成しても良い。砕石柱130を上部透水層102a内にのみ形成することで、小型の地盤改良機40を用いて比較的に大きな径の砕石柱130を形成することができる。
次に、掘削工程を実行する(S14)。掘削工程では、地盤101に形成された砕石柱130を貫通して地中深部に伸びる空間を形成する。掘削工程は、以下の手順で行われる。まず、地盤改良機40から砕石柱形成用アタッチメント10を取外し、地盤改良機40に透水パイプ設置用アタッチメント50を取付ける。透水パイプ140は、砕石柱130の軸線に沿って配置するため、透水パイプ設置用アタッチメント50によって掘削する位置は、砕石柱形成用アタッチメント10によって掘削する位置と同一となる。なお、掘削開始時の透水パイプ設置用アタッチメント50は、第1円筒部材70の上端にモータ連結部材90が取付けられている。すなわち、第2円筒部材80は連結されておらず、第1円筒部材70にモータ連結部材90が直接取付けられている。なお、掘削を開始して第1円筒部材70が地中に埋め込まれると、第1円筒部材70の上端に第2円筒部材80を連結し、第2円筒部材80の上端を地盤改良機40の駆動装置11に連結する。このように、第2円筒部材80を継ぎ足してゆくことで、透水パイプ設置用アタッチメント50は所望の深さまで掘削を行うことができる。
地盤改良機40に透水パイプ設置用アタッチメント50が取付けられると、駆動装置11により透水パイプ設置用アタッチメント50を正転方向に回転させながら下降させる。このとき、透水パイプ設置用アタッチメント50が正転方向に回転するため、第1円筒部材70と先端掘削部材60は着脱不能にロックされ、また、一体となって回転する。これによって、砕石柱130の軸線に沿って透水パイプ設置用アタッチメント50が正転方向に回転しながら下降し、砕石柱130及び地盤101が掘削される。透水パイプ設置用アタッチメント50には、フィン76が部分的にしか設けられていないため、掘削によって排出される土砂は地表には排出されない。透水パイプ設置用アタッチメント50が所望の深さまで到達すると、駆動装置11の正転回転の駆動を停止し、掘削を終了する。これによって、砕石柱130及び不透水層104を貫通して下部透水層102bの深さまで、透水パイプ設置用アタッチメント50が埋め込まれる(図9(b)に示す状態)。すると、砕石柱130を貫通して地中深部に伸びる空間が形成される。
次に、ステップS14で形成された空間に透水パイプ140を配置する配置工程を実行する(S16)。配置工程は、以下の手順で行われる。まず、ステップS14において埋め込まれた透水パイプ設置用アタッチメント50を地盤改良機40から取外し、第2円筒部材80の上端からモータ連結部材90を取外す。これによって、第2円筒部材80の上端が開放され、第2円筒部材80の上端から第2円筒部材80及び第1円筒部材70内に透水パイプ140を挿入する。これによって、透水パイプ設置用アタッチメント50内に透水パイプ140が設置される(図9(c)に示す状態)。透水パイプ設置用アタッチメント50内に透水パイプ140が設置された状態では、透水パイプ140のフック48及び外れ止め47が先端掘削部材60の係合突部64の内部に挿入され、棒状部材67と係合している。なお、透水パイプ140の長さは、透水パイプ140の下端が透水パイプ設置用アタッチメント50の下端に到達するように、連結する透水パイプ部分43の本数によって調整される。
透水パイプ設置用アタッチメント50内に透水パイプ140が設置されると、次に、第2円筒部材80の上端にモータ連結部材90を取付けると共に、そのモータ連結部材90を地盤改良機40に取付ける。次に、駆動装置11により透水パイプ設置用アタッチメント50を反転方向に回転させながら上昇させる。透水パイプ設置用アタッチメント50が反転方向に回転するため、第1円筒部材70と先端掘削部材60が着脱可能な状態となる。このため、先端掘削部材60が地中に残置される一方で、第1円筒部材70及び第2円筒部材80は地表に引き抜かれる(図9の(d),(e)に示す状態)。本実施例では、第2円筒部材80を取外しながら透水パイプ設置用アタッチメント50を引き抜くことで、小型な地盤改良機40によって、深い位置まで地中に挿入された透水パイプ設置用アタッチメント50を地表に引き抜くことができる。これによって、地中に透水パイプ140が形成され、地中に透水性構造体120が形成される。
ステップS16の透水パイプ140を配置する配置工程が終了したら、砕石柱130の上方に蓋部132を形成する。なお、蓋部132は、ステップS12の砕石柱形成工程の後に実行し、ステップS14の掘削工程では、蓋部132と砕石柱130を貫通するように地中深部に伸びる空間を形成してもよい。
上述した説明から明らかなように本実施例では、比較的に径の大きい砕石柱130を上部透水層102aに形成し、比較的に径の小さい透水パイプ140を砕石柱130及び不透水層104を貫通して下部透水層102bに達するように設置する。このため、径の小さな透水パイプ140を用いても、径の大きな砕石柱130によって十分な透水能力を確保することができる。また、砕石柱130より透水パイプ140の径を小さくし、また、透水パイプ設置用アタッチメント50を長さ調整可能な構成としているため、同一の地盤改良機40を用いて、深さ方向の寸法の異なる砕石柱130と透水パイプ140の両者を地中に設置することができる。
また、本実施例では、上部透水層102a内の水を透水パイプ140を用いて下部透水層102bに流下させる。このため、上部透水層102aに形成した砕石柱の下端に側方に伸びる透水パイプを接続し、上部透水層102a内の水を側方に排水する場合と比較して、透水パイプの設置を容易に行うことができる。すなわち、砕石柱の下端に側方に伸びる透水パイプを接続する場合、砕石柱を形成した後に、地盤の側面から砕石柱の下端に向かって地中を掘削し、透水パイプを設置する空間を形成しなければならない。一方、本実施例では、砕石柱130を形成するための掘削と透水パイプ140を設置するための掘削を同一の位置で行うだけでよい。このため、本実施例によると、透水パイプ140の設置を容易に行うことができる。
さらに、本実施例では、透水性構造体120を地中に形成することによって、上部透水層102a内の水を下方に向かって流下させる。このため、透水性構造体120を平坦な土地の地中に形成することによって、側面(例えば、斜面)を有する隆起した土地だけでなく、側面を有さない平坦な土地においても土壌内の水を排水することができる。例えば、砕石柱の下端に側方に伸びる透水パイプの一端を接続する場合、排水のために透水パイプの他端を地表に配置しなければならない。このため、斜面等を有する隆起した土地であれば側方に伸びる透水パイプを設置できるが、平坦な土地では側方に伸びる透水パイプを設置できない。一方、本実施例では、透水パイプ140によって上部透水層102a内の水を下方に向かって流下させるため、斜面等を有さない平坦な土地等を含むあらゆる形状の土地において、土壌内の水を排水することができる。このため、本実施例の透水性構造体120は、例えば、雨水枡としても利用することができる。
なお、本実施例では、上部透水層102aに砕石柱130が形成されたが、このような構成に限定されない。上部透水層102aに形成される構造体は透水性を有していればよく、例えば、砕石に限定されるものではなく、自然石、破砕コンクリート等を充填した構造体であってもよい。また、上部透水層102aに形成される構造体の形状についても特に限定されない。例えば、図10に示すように、上部透水層102aに形成される構造体は、複数の砕石柱を接続して形成した砕石壁230であってもよい。すなわち、透水性構造体200は、複数の砕石柱を接続するように形成した砕石壁230を備えていてもよい。上部透水層102aに砕石壁230を形成することによって、上部透水層102aに形成される透水性構造体(すなわち、砕石壁230)の体積を大きくすることができる。このため、上部透水層102aの水をより多く貯留することができる。また、砕石壁230は略平面状であるため、大径の円柱状の砕石柱を形成する場合と比較して、上部透水層102aとの接触面積が大きくなる。このため、上部透水層102a内の水と接触し易くなり、より確実に上部透水層102a内の水を貯留することができる。また、透水性構造体200では、透水パイプ140の数(図10では2本)は、砕石壁230を構成する砕石柱の数(図10では8本)より少なくてもよい。このような構成であっても、砕石壁230内に貯留する水を下部透水層102b側に流下させる機能を十分に果たすことが可能である。このため、上部透水層102a側から下部透水層102b側に水を流下させる機能を保持しつつ、透水パイプ140を配置する手間を低減することができる。
また、本実施例では、透水パイプ140の側面には軸方向に伸びる透水スリット46が形成されていたが、透水パイプ140に形成する連通孔の数、形状等は種々の形態を採ることができる。また、例えば、熱交換用のパイプや水位等を計測する計測機器等を透水パイプ140内に配置してもよい。この場合、熱交換用のパイプや計測機器等を予め透水パイプ140内に設置した状態で透水パイプ140を配置してもよいし、透水パイプ140を配置した後で熱交換用のパイプや計測機器等を透水パイプ140内に設置してもよい。熱交換用のパイプや計測機器等を透水パイプ140内に予め設置しておくと、熱交換用のパイプや計測機器等を目的の深さ位置に配置し易い。また、熱交換用のパイプや計測機器等が透水パイプ140内を通過(降下)させる際に破損することを回避できる。
また、本実施例では、透水性構造体120は透水パイプ140を備えていたが、このような構成に限定されない。透水性を有すると共に、地表側から砕石柱130を貫通して下部透水層102bまで伸びていればよく、例えば、透水パイプ140を配置する代わり、粒径の異なる砕石で形成された砕石杭(又は砕石柱)を形成してもよい。
また、本実施例では、地盤改良装置100を用いて透水性構造体120を形成したが、このような構成に限定されない。例えば、上部透水層102aに形成される透水性構造体(本実施例の砕石柱130)と、下部透水層102bまで位置する透水性構造体(本実施例の透水パイプ140)を、別の装置を用いて形成してもよい。また、下部透水層102bまで位置する透水性構造体を形成する際に、例えば、ボーリング調査の際に用いる装置等で地中に空間を形成し、その空間内に下部透水層102bまで位置する透水性構造体を配置してもよい。
実施例で説明した透水性構造体120及びその製造方法に関する留意点を述べる。実施例の砕石柱130は、「第1透水性部分」の一例であり、透水パイプ140は、「第2透水性部分」の一例である。また、実施例の砕石柱形成工程は、「第1透水性部分形成工程」の一例であり、透水パイプ配置工程は、「第2透水性部分形成工程」の一例である。
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
10:砕石柱形成用アタッチメント
50:透水パイプ設置用アタッチメント
100:地盤改良装置
101:地盤
102a、102b:透水層
104:不透水層
120、200:透水性構造体
130:砕石柱
140、240:透水パイプ
230:砕石壁

Claims (6)

  1. 地中に透水性構造体を構築する方法であって、
    前記地中に第1の透水性を有する第1透水性部分を形成する第1透水性部分形成工程と、
    前記第1透水性部分を貫通して地中深部に伸びる空間を形成する掘削工程と、
    前記空間に第2の透水性を有する第2透水性部分を形成する第2透水性部分形成工程と、を備え、
    前記空間は、地中深部に向かって第1方向に伸びており、
    前記空間の前記第1方向に直交する断面の断面積が、前記第1透水性部分の前記第1方向に直交する断面の断面積より小さい、透水性構造体の構築方法。
  2. 前記第1透水性部分は、砕石構造体である、請求項1に記載の透水性構造体の構築方法。
  3. 前記砕石構造体は、複数の砕石柱を有しており、
    前記複数の砕石柱のそれぞれが、隣接する他の砕石柱と半径方向にオーバーラップすることによって、前記砕石構造体は、壁状の砕石構造体となっている、請求項1または2に記載の透水性構造体の構築方法。
  4. 前記第1透水性部分形成工程は、前記複数の砕石柱を形成し、
    前記掘削工程は、前記複数の砕石柱のうちの少なくとも1つを貫通して前記空間を形成し、
    前記第2透水性部分形成工程は、前記空間に前記第2透水性部分を形成する、請求項3に記載の透水性構造体の構築方法。
  5. 前記第2透水性部分は、透水パイプである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の透水性構造体の構築方法。
  6. 地中に形成した空間に形成される透水性構造体であって、
    第1の透水性を有する第1透水性部分と、
    第2の透水性を有し、前記第1透水性部分を貫通して地中深部に伸びる第2透水性部分と、を備えており、
    前記第2透水性部分は、地中深部に向かって第1方向に伸びており、
    前記第2透水性部分の前記第1方向に直交する断面の断面積は、前記第1透水性部分の前記第1方向に直交する断面の断面積より小さい、透水性構造体。
JP2019102372A 2019-05-31 2019-05-31 透水性構造体の構築方法及び透水性構造体 Pending JP2020197017A (ja)

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