JP2020196379A - ワイパ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイパモータがパイプステーに固定される構成において、パイプステーの強度確保を容易にする。【解決手段】ワイパ装置10は、円筒状のパイプからなり、車体に支持されるパイプステー24と、パイプステー24の長手軸線方向に並んだ一対のパイプ締結部68が、パイプステー24を径方向に貫通した一対のボルト25を用いてパイプステー24に締結固定されたギヤハウジング54を有するワイパモータ50と、を備えている。そして、一対のパイプ締結部68の間でギヤハウジング54に形成された位置決め凸部102が、パイプステーに形成された位置決め凹部28に嵌合している。これにより、パイプステー24における位置決め凹部28の形成箇所が、ギヤハウジング54によって補強される。【選択図】図8
Description
本発明は、ワイパモータがパイプステーに固定されるワイパ装置に関する。
下記特許文献1に記載されたウインドワイパ装置では、ワイパモータが当該ワイパモータと接続されている伝動装置ハウジング(ギヤハウジング)と、中空成形体(パイプステー)を有するワイパ支持体とを介して自動車の車体に支持されている。ギヤハウジングには、駆動軸を支える支承ドームが形成されると共に、当該支承ドームの周囲に3つのねじスリーブが形成されており、それら3つのねじスリーブのうちの2つと、支承ドームとの間には、パイプステーの一部が差し込まれている。そして、カバープレートの形をした保持装置が、上記の3つのねじスリーブに螺合されたねじによってギヤハウジングに固定されており、当該保持装置とギヤハウジングとの間にパイプステーが挟み付けられている。また、上記のパイプステーには、上記の支承ドーム及び2つのねじスリーブと接する箇所にそれぞれへこみ部(凹部)が形成されており、パイプステーに対するギヤハウジングの相対変位が規制されている。
上記の先行技術では、パイプステーに3つの凹部が形成されるため、パイプステーの強度が低下するという問題がある。
本発明は上記事実を考慮し、ワイパモータがパイプステーに固定される構成において、パイプステーの強度確保が容易になるワイパ装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様のワイパ装置は、円筒状のパイプからなり、両端部にワイパピボットが連結されるパイプステーと、前記パイプステーの長手軸線方向に互いに離間して並んだ一対のパイプ締結部が、前記パイプステーを径方向に貫通した一対の締結部材を用いて前記パイプステーに締結固定されたギヤハウジングを有するワイパモータと、を備え、前記一対のパイプ締結部の間で前記ギヤハウジングに形成された位置決め凸部が、前記一対の締結部材の間で前記パイプステーに形成された位置決め凹部に嵌合している。
第1の態様のワイパ装置によれば、円筒状のパイプからなり、両端部にワイパピボットが連結されるパイプステーに、ワイパモータのギヤハウジングが固定されている。このギヤハウジングは、パイプステーの長手軸線方向に互いに離間して並んだ一対のパイプ締結部を有しており、これらのパイプ締結部が、パイプステーを径方向に貫通した一対の締結部材を用いてパイプステーに締結固定されている。そして、上記一対のパイプ締結部の間でギヤハウジングに形成された位置決め凸部が、上記一対の締結部材の間でパイプステーに形成された位置決め凹部に嵌合している。これにより、上記各締結部材の締結力により位置決め凸部と位置決め凹部とが密着してギヤハウジングがパイプステーに対して長手軸線方向及び周方向に位置ずれすることを効果的に規制できる。さらに、上記のパイプステーは、一対の締結部材の間の部位すなわち位置決め凹部の形成箇所を含む部位が、一対の締結部材をギヤハウジングのパイプ締結部へ締結固定されることでギヤハウジングを介して補強される。これにより、パイプステーが位置決め凹部の形成箇所で折れ曲がることを防止できるので、パイプステーの強度確保が容易になる。
本発明の第2の態様のワイパ装置は、第1の態様において、前記位置決め凹部は、前記一対の締結部材の間の中央部に配置されている。
第2の態様のワイパ装置では、パイプステーに形成された位置決め凹部は、パイプステーを径方向に貫通した一対の締結部材の間の中央部に配置されている。これにより、パイプステーにおいて、一対の締結部材が貫通した一対の貫通孔と、位置決め凹部とを離間して配置させることができる。その結果、パイプステーの強度確保が一層容易になる。つまり、位置決め凹部と一方の貫通孔とが片寄って配置される場合、当該一方の貫通孔と位置決め凹部とでパイプステーの強度が低下することになるが、本態様ではこれを防止できる。
本発明の第3の態様のワイパ装置は、第2の態様において、前記ワイパモータは、前記ギヤハウジングに支持された出力軸を有しており、前記出力軸は、前記パイプステーの長手軸線方向及び各前記締結部材の軸線方向と直交する方向を軸線方向としており、前記出力軸と前記位置決め凸部とは、前記パイプステーの長手軸線方向における位置を揃えて配置されている。
第3の態様のワイパ装置によれば、ワイパモータのギヤハウジングに支持された出力軸は、パイプステーの長手軸線方向及び各締結部材の軸線方向と直交する方向を軸線方向としている。この出力軸と、ギヤハウジングに形成された位置決め凸部とは、パイプステーの長手軸線方向における位置を揃えて配置されている。また、パイプステーに形成された位置決め凹部は、ギヤハウジングの一対のパイプ締結部をパイプステーに締結固定した一対の締結部材の間の中央部に配置されており、当該位置決め凹部に上記の位置決め凸部が嵌合している。これにより、出力軸の回転反力がパイプステーにおける一対のパイプ締結部への各締結固定箇所に均等に加わるようになると共に、当該回転反力がギヤハウジングの位置決め凸部を介してパイプステーの位置決め凹部に加わり難くなる。したがって、パイプステーの強度確保をより一層容易にすることができる。
本発明の第4の態様のワイパ装置は、第1〜第3の態様の何れか1つの態様において、前記位置決め凹部は、前記パイプステーの径方向外側へ向かうほど前記パイプステーの長手軸線方向両側へ向かってテーパー状に拡大しており、前記位置決め凸部は、前記パイプステーの長手軸線方向に並んだ一対の接触部において前記位置決め凹部と接触している。
第4の態様のワイパ装置によれば、パイプステーに形成された位置決め凹部は、パイプステーの径方向外側へ向かうほどパイプステーの長手軸線方向両側へ向かってテーパー状に拡大している。そして、ギヤハウジングに形成された位置決め凸部は、パイプステーの長手軸線方向に並んだ一対の接触部において位置決め凹部と接触している。これにより、パイプステーの外径寸法が異なる場合でも、位置決め凸部の一対の接触部と位置決め凹部とをガタツキなく接触させて位置決めすることが可能である。
本発明の第5の態様のワイパ装置は、第1〜第4の態様の何れか1つの態様において、前記位置決め凸部は、前記パイプステーの長手軸線方向視で各前記締結部材の軸線方向に対して傾斜した方向に延びる接触部において前記位置決め凹部と接触している。
第5の態様のワイパ装置によれば、ワイパモータのギヤハウジングに形成された位置決め凸部は、パイプステーに形成された位置決め凹部に対して、パイプステーの長手軸線方向視で各締結部材の軸線方向に対して傾斜した方向に延びる接触部において接触している。これにより、例えばパイプステーにギヤハウジングを組み付ける際に、位置決め凸部と位置決め凹部とを上記傾斜した方向にスライドさせることにより、上記の組み付けをガイドすることができる。
本発明の第6の態様のワイパ装置は、第1〜第5の態様の何れか1つの態様において、前記ワイパモータは、前記ギヤハウジングに支持された出力軸を有しており、各前記パイプ締結部は、前記パイプステーの長手軸線方向視で前記出力軸の軸線方向と直交する方向の一方側へ開口した凹状部を有しており、当該凹状部が前記パイプステーの外周面と接触している。
第6の態様のワイパ装置によれば、ワイパモータのギヤハウジングには、当該ワイパモータの出力軸が支持されている。また、ギヤハウジングの一対のパイプ締結部は、パイプステーの長手軸線方向視で出力軸の軸線方向と直交する方向の一方側へ開口した凹状部においてパイプステーの外周面と接触している。ここで、上記出力軸の軸線方向が略車両上下方向に沿う姿勢でワイパモータが車体に支持される場合、上記一対のパイプ締結部は、上記凹状部が略車両水平方向に開口した姿勢で配置される。その場合、上記凹状部とパイプステーとの間の隙間に浸入した雨水等が重力により当該隙間から排出され易くなるので、ギヤハウジング及びパイプステーの腐食(例えば電食)を防止し易くなる。
以下、図1〜図9を用いて本発明の実施形態に係るワイパ装置10について説明する。なお、各図においては、図面を見易くする関係から、一部の符号を省略している場合がある。また、各図においては、説明の都合上、図面の縮尺を適宜変更している。
(構成)
図1に示されるように、本実施形態に係るワイパ装置10は、所謂モジュール型のタンデム式ワイパ装置とされている。このワイパ装置10は、図示しない車両(自動車)のフロントウインドシールドガラスを払拭するための車両用ワイパ装置であり、車両のカウルルーバに対して車内側で車幅方向に延在して配置されている。なお、図1において、矢印UPは車両上方を示しており、矢印LHは車両左方を示している。また、図1においては、紙面に垂直な方向の手前側が車両前方側とされ、紙面に垂直な方向の奥側が車両後方側とされている。以下、単に前後左右上下の方向を用いて説明する場合、車両に対する方向を示すものとする。
図1に示されるように、本実施形態に係るワイパ装置10は、所謂モジュール型のタンデム式ワイパ装置とされている。このワイパ装置10は、図示しない車両(自動車)のフロントウインドシールドガラスを払拭するための車両用ワイパ装置であり、車両のカウルルーバに対して車内側で車幅方向に延在して配置されている。なお、図1において、矢印UPは車両上方を示しており、矢印LHは車両左方を示している。また、図1においては、紙面に垂直な方向の手前側が車両前方側とされ、紙面に垂直な方向の奥側が車両後方側とされている。以下、単に前後左右上下の方向を用いて説明する場合、車両に対する方向を示すものとする。
このワイパ装置10は、各先端部に図示しないワイパアームが固定される左右一対のピボット軸22と、左右のピボット軸22を回動自在に支持する左右一対のピボットホルダ12とを含む左右のワイパピボットと、左右のワイパピボット(具体的にはピボットホルダ12)を両端部に連結したパイプステー(中空フレーム)24と、パイプステー24に固定されたワイパモータ50と、ワイパモータ50の駆動力を左右のピボット軸22に伝達するリンク機構30とを備えている。先ず、ワイパ装置10の全体構成について説明し、その後に本実施形態の要部であるパイプステー24とワイパモータ50との固定構造について説明する。
(ワイパ装置の全体構成)
左右一対のピボットホルダ12は、ワイパ装置10の長手方向両端部に配設されている。これらのピボットホルダ12は、例えばアルミニウム等の金属や樹脂材料によって製作されたものであり、略円筒状に形成されたスリーブ14と、各スリーブ14の軸線方向中間部から鍔状に張り出した水受け部16とを有している。
左右一対のピボットホルダ12は、ワイパ装置10の長手方向両端部に配設されている。これらのピボットホルダ12は、例えばアルミニウム等の金属や樹脂材料によって製作されたものであり、略円筒状に形成されたスリーブ14と、各スリーブ14の軸線方向中間部から鍔状に張り出した水受け部16とを有している。
また、各ピボットホルダ12は、各スリーブ14及び各水受け部16のうちの少なくとも一方から車幅方向(車両左右方向)の内側へ延びる連結部18と、各スリーブ14及び各水受け部16から車幅方向の外側へ延びる固定脚部20とを有している。各連結部18は、車幅方向内側へ向かって下り勾配に傾斜した方向を軸線方向とする円柱状をなしており、各固定脚部20は、各スリーブ14の軸線方向を板厚方向とする板状をなしている。各連結部18は、後述するパイプステー24に対応しており、各固定脚部20は、ゴムグロメット21を介して車体に対しフローティング状態でボルト等により締結固定されている。
左右のピボット軸22は、左右のピボットホルダ12の各スリーブ14内に挿入されており、各スリーブ14によって回転自在に支持されている。これらピボット軸22は、軸線方向が略車両上下方向に沿う姿勢で配置されている。これらピボット軸22の先端部(上端部)には、それぞれ図示しないワイパアームの基端部が固定されており、各ワイパアームの先端部には、それぞれ図示しないワイパブレードが連結されている。
パイプステー24は、長尺な金属製のパイプによって製作されたものであり、車幅方向を長手として配置されている。パイプステー24の長手方向一端部(左端部)には、左側のピボットホルダ12の連結部18が嵌入されており、パイプステー24の長手方向他端部(右端部)には、右側のピボットホルダ12の連結部18が嵌入されている。パイプステー24と左右の連結部18とは、例えばカシメ加工によって固定されており、パイプステー24を介して左右のピボットホルダ12が連結されている。このパイプステー24は、左右のピボットホルダ12を介して車体に支持されている。このパイプステー24の長手方向中央部は、車幅方向に直線状に延びるモータ締結部24Aとされており、このパイプステー24におけるモータ締結部24Aの長手方向両端側は、車幅方向外側へ向かうほど車両上方側へ向かうように傾斜した左右一対の傾斜部24Bとされている。上記のモータ締結部24Aには、ワイパモータ50が固定されている。
ワイパモータ50は、減速機付きのモータであり、パイプステー24に対して径方向に隣接して(ここでは車両後方側に隣接して)配置されている。このワイパモータ50は、図1〜図4に示されるように、電動モータであるモータ本体52と、図示しない減速機構(例えばウォーム減速機構)を収容したギヤハウジング54と、図示しないオートストップ機構を収容したカバープレート56とを備えている。
モータ本体52は、円柱状の外形をなしており、軸線方向が略車幅方向に沿う姿勢で配置されている。ギヤハウジング54は、モータ本体52に対して車幅方向一方側(ここでは車両右方側)に配置されている。このギヤハウジング54は、例えばアルミニウム等の金属や樹脂材料によって製作(ここではアルミニウム合金のダイカスト成形によって製作)されたものである。このギヤハウジング54は、モータ本体52の軸線方向と直交する方向の一方側(ここでは車両下方側)が開口した略箱形状をなすハウジング本体58と、ハウジング本体58のモータ本体52側に形成された接続部60とを備えている。接続部60は、モータ本体52と同心の筒形状をなしており、ビス止め等の手段でモータ本体52と固定されている。
ハウジング本体58の上面の中央部には、略車両上下方向を軸線方向とする円筒状の軸支持部62が形成されている。この軸支持部62内には、ワイパモータ50の出力軸64が挿通されている。この出力軸64は、左右のピボット軸22に対して平行又は略平行となる姿勢、すなわち略車両上下方向を軸線方向とする姿勢で配置されており、ギヤハウジング54から車両上方側へ突出している。この出力軸64は、軸支持部62内に取り付けられた図示しない軸受によって回転自在に支持されており、モータ本体52の回転力が減速機構を介して伝達されることにより、軸線回りに一方向へ連続回転される。
カバープレート56は、ハウジング本体58の車両下方側に配置されている。このカバープレート56は、例えば樹脂によって形成されており、車両上方側(モータ本体52の軸線方向と直交する方向の他方側)が開口した深さの浅い略箱形状をなしている。このカバープレート56は、例えば爪嵌合によってギヤハウジング54に固定されており、ハウジング本体58の下端開口を塞いでいる。
上記構成のワイパモータ50は、パイプステー24のモータ締結部24Aを径方向に貫通した左右一対の締結部材としてのボルト25を用いてモータ締結部24Aに締結固定されている。左右のボルト25は、略車両前後方向を軸線方向としており、車幅方向に互いに離間して且つ平行に並んで配置されている。なお、図2〜図9において、矢印Xは、出力軸64の軸線方向を示しており、矢印Yは、パイプステー24のモータ締結部24Aの軸線方向を示しており、矢印Zは、各ボルト25の軸線方向を示している。これらの軸線方向X、Y、Zは、互いに直交している。また、上記のモータ締結部24Aの軸線方向Yは、本発明における「パイプステーの長手軸線方向」に相当する。以下、出力軸64の軸線方向Xを「出力軸方向X」と称し、モータ締結部24Aの軸線方向Yを「パイプ軸方向Y」と称し、各ボルト25の軸線方向Zを「ボルト軸方向Z」と称する。
図1に示されるように、リンク機構30は、クランクアーム32と、左右一対のレバー34と、第1リンクロッド36と、第2リンクロッド38とを備えている。クランクアーム32は、例えば板金のプレス成形によって製作されたものであり、長尺な板状に形成されている。このクランクアーム32の長手方向一端部(基端部)は、ワイパモータ50の出力軸64に固定されている。このクランクアーム32は、出力軸方向Xを板厚方向として配置されており、出力軸64の径方向外側へ延びている。このクランクアーム32は、ワイパモータ50の作動時に出力軸64と一体で出力軸64の軸線回りに一方向へ連続回転される。
左右のレバー34は、例えば板金のプレス成形によって製作されたものであり、長尺な板状に形成されている。左側のレバー34の長手方向一端部(基端部)は、左側のピボット軸22の基端部に固定されており、右側のレバー34の長手方向一端部(基端部)は、右側のピボット軸22の基端部に固定されている。左右のレバー34は、各ピボット軸22の軸線方向を板厚方向として配置されており、各ピボット軸22の径方向外側へ延びている。
第1リンクロッド36は、長尺な金属製のパイプによって製作されたものであり、クランクアーム32の先端部と、右側のレバー34の先端部とを駆動連結している。第1リンクロッド36の長手方向一端部(左端部)は、ボールジョイント40によってクランクアーム32の先端部に転動可能に連結されており、第1リンクロッド36の長手方向他端部(右端部)は、図示しないボールジョイントによって右側のレバー34の先端部に転動可能に連結されている。
第2リンクロッド38は、長尺な金属製のパイプによって製作されたものであり、右側のレバー34の先端部と、左側のレバー34の先端部との間を駆動連結している。第2リンクロッド38の長手方向一端部(右端部)は、ボールジョイント42によって右側のレバー34の先端部に転動可能に連結されており、第2リンクロッド38の長手方向他端部(左端部)は、ボールジョイント44によって左側のレバー34の先端部に転動可能に連結されている。
上記構成のワイパ装置10では、クランクアーム32がワイパモータ50の出力軸64と一体で出力軸64の軸線回りに一方向へ回転されると、クランクアーム32の回転駆動力が第1リンクロッド36を介して右側のレバー34に伝達される。これにより、右側のレバー34が右側のピボット軸22と一体で右側のピボット軸22の軸線回りに往復回転される。また、右側のレバー34の往復回転は、第2リンクロッド38を介して左側のレバー34に伝達される。これにより、左側のレバー34が左側のピボット軸22と一体で左側のピボット軸22の軸線回りに往復回転される。そして、上記のように左右のレバー34が左右のピボット軸22の軸線回りに回転することで、左右のワイパアームが左右のピボット軸22の軸線回りに往復回転し、左右のワイパブレードが車両のフロントウインドシールドガラスを往復払拭する構成になっている。
(本実施形態の要部)
次に、本実施形態の要部であるパイプステー24とワイパモータ50との固定構造について説明する。本実施形態では、円筒状の金属パイプからなり、左右のワイパピボットを構成するピボットホルダ12を介して車体に支持されるパイプステー24は、モータ締結部24A及びそのモータ締結部24Aの両側に連続する左右の傾斜部24Bが、何れも円筒状をなしている。つまり、このパイプステー24は、長手方向(長手軸線方向)の全域に亘って円筒状の断面を有しており、ワイパモータ50のギヤハウジング54が固定されるモータ締結部24Aが非中空状(平板状又は略平板状)に潰されていない構成になっている。
次に、本実施形態の要部であるパイプステー24とワイパモータ50との固定構造について説明する。本実施形態では、円筒状の金属パイプからなり、左右のワイパピボットを構成するピボットホルダ12を介して車体に支持されるパイプステー24は、モータ締結部24A及びそのモータ締結部24Aの両側に連続する左右の傾斜部24Bが、何れも円筒状をなしている。つまり、このパイプステー24は、長手方向(長手軸線方向)の全域に亘って円筒状の断面を有しており、ワイパモータ50のギヤハウジング54が固定されるモータ締結部24Aが非中空状(平板状又は略平板状)に潰されていない構成になっている。
図2〜図6に示されるように、ギヤハウジング54のハウジング本体58におけるボルト軸方向Zの一方側(ここでは車両前方側;パイプステー24側)の側部には、左右一対のパイプ締結部68が形成されている。これらのパイプ締結部68は、パイプ軸方向Yに離間して並んで配置されており、パイプ軸方向Yにおいて対称な形状(左右対称な形状)をなしている。また、図6に示されるように、パイプステー24のモータ締結部24Aには、当該モータ締結部24Aを径方向(ボルト軸方向Z)に貫通した左右一対の貫通孔26がパイプ軸方向Yに互いに離間して並んで形成されている。これらの貫通孔26は、ここではプレス加工によって形成されたものであり、モータ締結部24Aの前面(ハウジング本体58とは反対側を向く面)で各貫通孔26の周辺部には、プレス加工の際に凹んだへこみ部27が形成されている。そして、これらの貫通孔26に挿通された左右一対のボルト25(図1、図6〜図9参照)が、ギヤハウジング54に保持された左右一対のナット29(図6参照)に螺合されている。
具体的には、各パイプ締結部68には、出力軸方向Xの一方側(ここでは車両上方側)が開放されたナット嵌合孔70(図2、図5参照)が形成されている。また、各ナット嵌合孔70の前後両側(ボルト軸方向Zの両側)でギヤハウジング54には、上記一方側が開放されたボルト挿通溝72、74が形成されている。各ナット嵌合孔70には、それぞれ上記一方側からナット29が嵌合されており、各ボルト挿通溝72、74に挿通された各ボルト25の先端側が各ナット29に螺合している。これにより、各ボルト25及び各ナット29を用いてギヤハウジング54の各パイプ締結部68がパイプステー24のモータ締結部24Aに締結固定されている。
図7に示されるように、各パイプ締結部68は、パイプ軸方向Yから見て出力軸方向Xと直交する方向の一方側(ボルト軸方向Zの一方側;ここでは車両前方側)に開口した凹状部68Aを有しており、当該凹状部68Aがパイプステー24の外周面と接触している。具体的には、各パイプ締結部68には、一対の傾斜面78、80からなるテーパー面76が形成されている。上側の傾斜面78は、車両前方側へ向かうほど車両上方側へ向かうように傾斜しており、下側の傾斜面80は、車両前方側へ向かうほど車両下方側へ向かうように傾斜している。これらの傾斜面78、80は、図3〜図6に示されるように、出力軸方向X(略車両上下方向)及びパイプ軸方向Y(略車幅方向)に互いに離れて配置されている。
なお、左右のパイプ締結部68において、上記一対の傾斜面78、80が形成された部位はそれぞれ、ボルト軸方向Zの一方側(ここでは車両前方側)へ突出した前方突出部82、84とされている。また、左右のパイプ締結部68において、上記前方突出部82と前方突出部84とはパイプ軸方向Y(ここでは車幅方向)においてズレて形成されており、前方突出部84は前方突出部82よりもパイプ軸方向Y外側に配置されている。
図7及び図9に示されるようにパイプ軸方向Yから見た場合、一対の傾斜面78、80は、ボルト25を挟んで互いに出力軸方向Xに対向しており、パイプステー24側(上記一方側)へ向かって互いにテーパー状に離間している。これらの傾斜面78、80は、ボルト軸方向Zに対する傾斜角度θ1、θ2(図7参照)が互いに等しく設定(ここではθ1、θ2が何れも45度に設定)されており、ボルト25からの距離が互いに等しく設定されている。これらの傾斜面78、80は、平面状に形成されており、モータ締結部24Aの外周面(円筒状の曲面)にそれぞれ線接触している。なお、ボルト軸方向Zに対する傾斜面78、80の傾斜角度θ1、θ2は、45度に限るものではないが、45度±10度の範囲に設定することが好ましい。また、傾斜面78、80は、モータ締結部24Aの外周面に線接触するものであれば、凹曲面状又は凸曲面状に形成されたものでもよい。
また、図7に示されるようにパイプ軸方向Yから見た場合、一対の傾斜面78、80は、パイプステー24の直径寸法Wの範囲内においてパイプステー24(具体的にはモータ締結部24A)の外周面とそれぞれ線接触している。この一対の傾斜面78、80とパイプステー24の外周面との線接触箇所C1、C2は、ボルト軸方向Zにおいてパイプステー24の中心軸線Oよりもギヤハウジング54側にのみ位置するように構成されている。このように構成することで、パイプステー24の太さ違い(異なる径のパイプステーを用いる場合)においても共通の一対の傾斜面78、80を用いることができ、ハウジング54を共用可能である。
また、本実施形態では、図1、図6〜図9に示されるように、パイプステー24のモータ締結部24Aを介してギヤハウジング54とは反対側には、左右一対のプレート90が配置されている。各プレート90は、例えば板金がプレス成形されて製作されたものであり、パイプステー24と同心又は略同心の円弧状に湾曲した板状をなしている。各プレート90の中央部には、各ボルト25が挿通されたボルト挿通孔92が形成されると共に、ボルト挿通孔92の周辺部が略有底円筒状に膨出されており、各ボルト25の頭部25Aが接触した座面部94が形成されている。これらのプレート90は、各ボルト25の締結力によって、ギヤハウジング54のテーパー面76との間にモータ締結部24Aを挟んでいる。
具体的には、図7及び図9に示されるように、各プレート90は、パイプ軸方向Yから見てボルト25を挟んで互いに対向する一対の圧接部96、98においてモータ締結部24Aの外周面に接触(面接触)している。これにより、図7に示されるように、モータ締結部24Aの外周面には、ギヤハウジング54の一対の傾斜面78、80との接触箇所C1、C2、及びプレート90の一対の圧接部96、98との接触箇所C3、C4の合計四箇所C1、C2、C3、C4からボルト25の締結力が加わる構成になっている。上記の四箇所C1、C2、C3、C4は、例えばモータ締結部24A(パイプステー24)の周方向に90度の間隔で配置されている。これにより、ギヤハウジング54は、パイプステー24に対するボルト軸方向Z及び出力軸方向Xの位置が規制されており、パイプステー24に対するボルト軸方向Zの位置ずれ(図7の矢印Fz参照)及び出力軸方向Xの位置ずれ(図7の矢印Fx参照)を防止されている。
なお、本実施形態では、各プレート90の一対の圧接部96、98は、モータ締結部24Aの外周面と同心状に湾曲しており、モータ締結部24Aの外周面に面接触しているが、これに限るものではない。すなわち、一対の圧接部96、98は、平板状に形成され、モータ締結部24Aの外周面に線接触するものでもよい。その場合、パイプ軸方向Yから見て、一対の圧接部96、98がテーパー状に配置される構成になる。
また、本実施形態では、図3、図5、図6に示されるように、ギヤハウジング54の各パイプ締結部68において、上側の傾斜面78と下側の傾斜面80とは、パイプ軸方向Yにおける位置が互いにラップしないように配置されている。具体的には、上側の傾斜面78は、下側の傾斜面80に対してパイプ軸方向Yの外側にズレて配置されている。また、図2及び図3に示されるように、下側の傾斜面80とナット嵌合孔70とは、パイプ軸方向Yにおける位置がラップして配置されており、上側の傾斜面78とナット嵌合孔70とは、パイプ軸方向Yにおける位置がラップしないように配置されている。
また、本実施形態では、図7及び図9に示されるように、パイプステー24のモータ締結部24Aにおいて各ボルト25が挿通された各貫通孔26の孔縁部と、ギヤハウジング54の各パイプ締結部68において各貫通孔26の孔縁部と対向する部位との間には、それぞれ隙間100が形成されている。これらの隙間100には、各貫通孔26の成形時に各貫通孔26の孔縁部に外側に突出して形成されるバリを収容可能とされている。
さらに、本実施形態では、一対のパイプ締結部68の間でギヤハウジング54のハウジング本体58に形成された1つの位置決め凸部102が、一対のボルト25の間でパイプステー24のモータ締結部24Aに形成された1つの位置決め凹部28に嵌合している。位置決め凸部102は、ハウジング本体58におけるパイプステー24側(ここでは車両前方側)の側面から突出しており、一対のパイプ締結部68の間の中央部に配置されている。この位置決め凸部102と、ワイパモータ50の出力軸64とは、パイプ軸方向Yにおける位置を揃えて(パイプ軸方向Yにおいて中心を揃えて)配置されている。この位置決め凸部102は、ハウジング本体58におけるパイプステー24側の端面(パイプステー24との対向面)から出力軸64とは反対側(ここでは車両前方側)へ向けて突出している。この位置決め凸部102の上面は、車両前方側(出力軸64とは反対側)へ向かうほど車両下方側(ギヤハウジング54からの出力軸64の突出方向とは反対側)へ向かうように傾斜した方向に延びる傾斜面104とされている。この傾斜面104のパイプ軸方向Yの両端部には、傾斜面104の延在方向に延びる一対のエッジ部(稜線部)106が形成されている。これらのエッジ部106は、本発明における「接触部」に相当する。これらのエッジ部106の先端部は、図8に示されるように、傾斜面104の延在方向から見て円弧状に形成されている。
また、上記の位置決め凹部28は、モータ締結部24Aの一部が径方向内側へ凹んで形成されたものであり、モータ締結部24Aにおける一対の貫通孔26の間の中央部に配置されている。この位置決め凹部28は、モータ締結部24Aの径方向を長手とする溝状をなしており、その長手方向から見た場合、図8に示されるように略三角形状をなしている。この位置決め凹部28は、モータ締結部24Aの径方向外側へ向かうほどパイプ軸方向Yの両側へ向かってテーパー状に拡大するように形成されている。
位置決め凸部102は、上記の傾斜面104が位置決め凹部28の長手方向に沿う状態(傾斜面104の延在方向と位置決め凹部28の長手方向とが一致する状態)で位置決め凹部28に嵌合しており、上記一対のエッジ部106が、位置決め凹部28にそれぞれ線接触している。これにより、ギヤハウジング54は、パイプステー24に対するパイプ軸方向Y及び周方向の位置を規制されており、パイプステー24に対する出力軸方向Xの位置ずれ(図8の矢印Fy参照)及び周方向の位置ずれ(図9の矢印Fr参照)が防止されている。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
上記構成のワイパ装置10では、円筒状の金属パイプからなり、両端部にピボットホルダ12が連結されるパイプステー24に、ワイパモータ50のギヤハウジング54が固定されている。このギヤハウジング54は、パイプ軸方向Yに互いに離間して並んだ一対のパイプ締結部68を有しており、これらのパイプ締結部68が、パイプステー24のモータ締結部24Aを径方向に貫通した一対のボルト25を用いてパイプステー24に締結固定されている。そして、上記一対のパイプ締結部68の間でギヤハウジング54に形成された位置決め凸部102が、パイプステー24に形成された位置決め凹部28に嵌合している。これにより、上記各ボルト25の締結力により位置決め凸部102と位置決め凹部28とが密着してワイパモータ50のギヤハウジング54がパイプステー24に対してパイプ軸方向Yに位置ずれすること(図8の矢印Fy参照)、及びワイパモータ50がパイプステー24に対して周方向に位置ずれすること(図9の矢印Fr参照)を効果的に規制できる。
また、本実施形態では、ギヤハウジング54の各パイプ締結部68には、パイプ軸方向Yから見て各ボルト25を挟んで互いに対向し且つパイプステー24側へ向かって互いにテーパー状に離間する一対の傾斜面78、80からなるテーパー面76が形成されている。そして、各テーパー面76の一対の傾斜面78、80がパイプステー24の外周面にそれぞれ線接触している。これにより、ワイパモータ50がパイプステー24に対して一対の傾斜面78、80の上記対向方向(出力軸方向X)に位置ずれすること(図7の矢印Fx参照)を効果的に規制できる。
しかも、本実施形態では、前述したように、ギヤハウジング54の各テーパー面76における一対の傾斜面78、80と、パイプステー24の外周面とを線接触させる構成であるため、ギヤハウジング54の各パイプ締結部68とパイプステー24の外周面とを面接触させる構成と比較して、例えばパイプステー24の外径寸法が異なる場合でも、位置決め凸部102の一対のエッジ部106と位置決め凹部28とがガタツキなく接触させて位置決めすることができる。これにより、パイプステー24に要求される強度に応じて外径寸法が異なるものが複数種類設定される場合でも、それら複数種類のパイプステー24に対してギヤハウジング54を共用しながらも容易に適応させることが可能となる。
また、本実施形態では、金属パイプからなるパイプステー24は、モータ締結部24Aが円筒状に形成された構成であるため、図10に示されるワイパ装置200(比較例)のように、パイプステー24のモータ締結部24Aが非中空状に潰される構成と比較して、パイプステー24の製造及び強度確保が容易になる。また、このワイパ装置200では、ギヤハウジング54の一対のパイプ締結部68に形成された一対の位置決め凸部202を、上記のモータ締結部24Aに形成された一対の位置決め孔204に嵌合させることで、パイプステー24に対するワイパモータ50の位置を規制する構成となっている。このような構成では、一対の位置決め凸部202と一対の位置決め孔204とを高精度に形成して、それらを高精度に嵌合させる必要があるため、製造が煩雑になるが、本実施形態ではこれを回避することができる。なお、図10では、本実施形態と同様の構成に、本実施形態と同符号を付している。
さらに、本実施形態では、パイプステー24は、一対のボルト25の間の部位すなわち位置決め凹部28が形成された箇所を含む長手方向中央部が、一対のボルト25をギヤハウジング54の一対のパイプ締結部68に締結固定されることでギヤハウジング54を介して補強される。これにより、パイプステー24が位置決め凹部28の形成箇所で折れ曲がることを防止できるので、パイプステー24の強度確保が容易になる。
しかも、本実施形態では、ワイパモータ50のギヤハウジング54に形成された単一の位置決め凸部102と、パイプステー24に形成された単一の位置決め凹部28とを位置合わせすればよいため、背景技術の欄で説明した先行技術のように、ギヤハウジングに形成された支承ドーム及び2つのねじスリーブと、パイプステーに形成された3つのへこみ部とを3箇所で正確に位置合わせする構成と比較して、パイプステー24やギヤハウジング54に要求される寸法精度が低くなる。したがって、これによっても製造を容易にすることができる。
また、本実施形態では、ギヤハウジング54の一対のパイプ締結部68は、パイプ軸方向Y(車幅方向)から見て出力軸方向X(略車両上下方向)と直交する方向の一方側(車両前方側)に開口した凹状部68Aにおいてパイプステー24の外周面と接触しており、各テーパー面76の一対の傾斜面78、80が略車両上下方向(重力方向)に並ぶ姿勢で配置されている。これにより、各凹状部68A(一対の傾斜面78、80)とパイプステー24との間の隙間に雨水等が浸入したとしても当該隙間から重力により排出されて溜まることが防止されるので、ギヤハウジング54及びパイプステー24の腐食を抑制できる。特に、ギヤハウジング54がアルミニウム合金製であり、パイプステー24が鉄パイプ製である場合、雨水等による電食が問題となるが、本実施形態では当該電食の抑制が容易になる。
また、本実施形態では、パイプステー24のモータ締結部24Aを介してワイパモータ50のギヤハウジング54とは反対側に、左右一対のプレート90が配置されている。そして、これらのプレート90を貫通した左右のボルト25の締結力によって、ギヤハウジング54の左右のテーパー面76と左右のプレート90との間にパイプステー24が挟まれている。これらのプレート90は、各ボルト25を挟んでパイプ軸方向Yの両側にそれぞれ配置された一対の圧接部96、98がパイプ軸方向Yから見てパイプステー24の外周面に接触している。これにより、モータ締結部24Aの外周面には、ギヤハウジング54の一対の傾斜面78、80と、プレート90の一対の圧接部96、98との四箇所(図7のC1、C2、C3、C4参照)、すなわちパイプステー24の周方向に互いに離れた四箇所からボルト25の締結力が加わるので、パイプステー24がボルト25の締結力によって変形することや、当該変形に起因してパイプステー24が折れ曲がることを良好に防止できる。
また、本実施形態では、各テーパー面76の一対の傾斜面78、80は、ボルト軸方向Zに対する傾斜角度θ1、θ2(図7参照)が互いに等しく設定されている。これにより、一対の傾斜面78、80をボルト25の締結力によってパイプステー24の外周面に均等に押し当てることができる。
さらに、本実施形態では、各テーパー面76の一対の傾斜面78、80は、パイプ軸方向Yにおける位置が互いにラップしないように配置されている。これにより、例えば出力軸方向X(すなわちパイプ軸方向Y及びボルト軸方向Zと直交する方向)を型割方向とする金型によりギヤハウジング54をダイカスト成形する場合に、ギヤハウジング54における一対の傾斜面78、80の形成部位がアンダーカットにならないようにパーティングラインを設定することができる。
しかも、本実施形態では、ギヤハウジング54に形成された左右のナット嵌合孔70のパイプ軸方向Yにおける間隔L1が、左右のテーパー面76における上側の傾斜面78のパイプ軸方向Yにおける間隔L2よりも小さく設定されている。これにより、ギヤハウジング54の一対のパイプ締結部68をパイプ軸方向Yにおいてコンパクトに構成することができる。さらに、左右のテーパー面76における下側の傾斜面80とギヤハウジング54に形成された左右のナット嵌合孔70とをパイプステー24の長手軸線方向(パイプ軸方向Y)においてラップさせて配置することで、パイプ軸方向Yにおけるモータ締結部24Aの長さ寸法を短く設定することが可能となるので、パイプステー24の設計自由度や、ワイパ装置10の長さ寸法の設定自由度が向上する。
また、本実施形態では、パイプステー24のモータ締結部24Aにおいて、左右のボルト25が貫通した左右の貫通孔26の孔縁部と、ギヤハウジング54の各パイプ締結部68において上記各孔縁部と対向する部位との間には、それぞれ隙間100(図7及び図9参照)が形成されている。このため、各貫通孔26の成形時に各貫通孔26の孔縁部に外側に突出してバリが生じる場合でも、それらのバリが上記各隙間100に収容されることで、ギヤハウジング54とパイプステー24との間に上記のバリが挟まれないようにすることができる。その結果、上記のバリがパイプステー24とギヤハウジング54との間に挟み込まれてしまうことが防止されるので、例えばバリ挟み込みによるパイプステー24の姿勢の傾き等が防止でき、バリを除去する工程を省略することが可能となる。
また、本実施形態では、パイプステー24に形成された位置決め凹部28は、パイプステー24を径方向に貫通した一対のボルト25の間の中央部に配置されている。これにより、パイプステー24において、一対のボルト25が貫通した(挿通された)一対の貫通孔26と、位置決め凹部28とを離間して配置させることができる。その結果、パイプステー24の強度確保が一層容易になる。つまり、位置決め凹部28と一方の貫通孔26とが片寄って配置される場合、当該一方の貫通孔26と位置決め凹部28とでパイプステー24の強度が低下することになるが、本実施形態ではこれを防止できる。
また、本実施形態では、ワイパモータ50の出力軸64と、ギヤハウジング54に形成された位置決め凸部102とは、パイプ軸方向Yにおける位置を揃えて配置されている。また、パイプステー24に形成された位置決め凹部28は、ギヤハウジング54の一対のパイプ締結部68をパイプステー24に締結固定した一対のボルト25の間の中央部に配置されており、当該位置決め凹部28に上記の位置決め凸部102が嵌合している。これにより、出力軸64の回転反力が、パイプステー24における一対のパイプ締結部68への各締結固定箇所に均等に加わるようになると共に、当該回転反力がギヤハウジング54の位置決め凸部102を介してパイプステーの位置決め凹部28に加わり難くなる。したがって、パイプステー24の強度確保を一層容易にすることができる。
また、本実施形態では、パイプステー24に形成された位置決め凹部28は、図8に示されるように、パイプステー24の径方向外側へ向かうほどパイプ軸方向Yの両側へ向かってテーパー状に拡大している。そして、ギヤハウジング54に形成された位置決め凸部102は、パイプ軸方向Yに並んだ一対のエッジ部(接触部)106において位置決め凹部28と接触している。このように構成されているので、例えばパイプステー24の外径寸法が異なる場合でも、位置決め凸部102の一対のエッジ部(接触部)106と位置決め凹部28とをガタツキなく接触させて位置決めすることが可能である。
また、本実施形態では、位置決め凸部102は、パイプ軸方向Yから見てボルト軸方向Z(すなわちパイプステー24に対するギヤハウジング54の組付方向)に対して傾斜した方向に延びる一対のエッジ部106において位置決め凹部28と接触している。これにより、例えばパイプステー24にギヤハウジング54を組み付ける際に、位置決め凸部102と位置決め凹部28とをあてがい、上記傾斜した方向にスライドさせることにより、上記の組み付けをガイドすることができる。
<実施形態の補足説明>
上記実施形態では、位置決め凹部28が一対のボルト25の間の中央部に配置されると共に、ワイパモータ50の出力軸64と位置決め凸部102とがパイプ軸方向Yにおける位置を揃えて配置された構成にしたが、これに限るものではない。位置決め凹部28が一方のボルト25側に片寄って配置された構成にしてもよいし、出力軸64と位置決め凸部102とがパイプ軸方向Yにずれて配置された構成にしてもよい。
上記実施形態では、位置決め凹部28が一対のボルト25の間の中央部に配置されると共に、ワイパモータ50の出力軸64と位置決め凸部102とがパイプ軸方向Yにおける位置を揃えて配置された構成にしたが、これに限るものではない。位置決め凹部28が一方のボルト25側に片寄って配置された構成にしてもよいし、出力軸64と位置決め凸部102とがパイプ軸方向Yにずれて配置された構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、位置決め凸部102が、パイプ軸方向Yに並んだ一対のエッジ部106において位置決め凹部28と接触した構成にしたが、これに限らず、位置決め凸部102が位置決め凹部28に対して一箇所で接触した構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、位置決め凸部102の一対のエッジ部106、すなわち位置決め凸部102における位置決め凹部28との接触部が、パイプ軸方向Y視でボルト軸方向Zに対して傾斜した方向に延びる構成にしたが、これに限るものではない。例えば位置決め凸部102における位置決め凹部28への接触部が、出力軸方向X(パイプ軸方向Y視でボルト軸方向Zと直交する方向)に延びる構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、ワイパモータ50の一対のパイプ締結部68が、ボルト軸方向Z(パイプ軸方向Y視で出力軸方向Xと直交する方向)の一方側へ開口した凹状部68Aを有し、当該凹状部68Aがパイプステー24の外周面と接触した構成にしたが、これに限るものではない。例えば上記の凹状部68Aが、出力軸方向Xの一方側へ開口した構成にしてもよい。
さらに、上記実施形態では、ギヤハウジング54の一対のパイプ締結部68が、一対の傾斜面78、80からなるテーパー面76を有し、当該テーパー面76がパイプステー24のモータ締結部24Aの外周面に線接触する構成にしたが、これに限るものではない。例えば、ギヤハウジング54の一対のパイプ締結部68が、モータ締結部24Aの外周面と同心状の曲面を有し、当該曲面がパイプステー24の外周面に面接触する構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、パイプステー24の貫通孔26の孔縁部と、ギヤハウジング68において上記孔縁部と対向する部位との間に、隙間100が形成、換言するとパイプステー24の貫通孔26の孔縁部とギヤハウジング68における上記孔縁部と対向する部位とが接触しない構成にしたが、これに限るものではない。例えばパイプステー24が本実施形態よりも若干小径とされることにより、上記の隙間100が形成されない構成(上記貫通孔26の孔縁部とギヤハウジング68の孔縁部と対向する部位とが接触する構成)にしてもよい。このようにしても、各テーパー面76の一対の傾斜面78、80が略車両上下方向(重力方向)に並ぶ姿勢で配置されることで、隙間100に雨水等が浸入したとしても当該隙間100から重力により排出させることができる。
また、上記実施形態では、ギヤハウジング54のナット嵌合孔70と、一方(下側)の傾斜面80とは、パイプ軸方向Yにおける位置がラップして配置された構成にしたが、これに限るものではない。例えば、一方の傾斜面80がナット嵌合孔70に対して位置決め凸部102側へずれて配置された構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、一対の傾斜面78、80は、パイプ軸方向Yにおける位置が互いにラップしないように配置された構成にしたが、これに限るものではない。一対の傾斜面78、80が出力軸方向Xに並んで配置された構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、一対の傾斜面78、80は、ボルト軸方向Zに対する傾斜角度θ1、θ2が互いに等しく設定された構成にしたが、これに限らず、傾斜角度θ1、θ2が若干異なる構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、プレート90は、ボルト25を挟んでパイプ軸方向Yの両側にそれぞれ配置された一対の圧接部96、98がパイプ軸方向Yから見てパイプステー24の外周面に接触した構成にしたが、これに限るものではない。プレート90とパイプステー24との接触箇所の位置や数は適宜変更可能である。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
10・・・ワイパ装置、24・・・パイプステー、25・・・ボルト、28・・・位置決め凹部、50・・・ワイパモータ、54・・・ギヤハウジング、64・・・出力軸、68・・・パイプ締結部、68A・・・凹状部、102・・・位置決め凸部、106・・・エッジ部(接触部)、X・・・出力軸の軸線方向、Y・・・パイプステーの軸線方向、Z・・・各ボルトの軸線方向
Claims (6)
- 円筒状のパイプからなり、両端部にワイパピボットが連結されるパイプステーと、
前記パイプステーの長手軸線方向に互いに離間して設けられた一対のパイプ締結部が、前記パイプステーを径方向に貫通した一対の締結部材を用いて前記パイプステーに締結固定されたギヤハウジングを有するワイパモータと、
を備え、
前記一対のパイプ締結部の間で前記ギヤハウジングに形成された位置決め凸部が、前記一対の締結部材の間で前記パイプステーに形成された位置決め凹部に嵌合しているワイパ装置。 - 前記位置決め凹部は、前記一対の締結部材の間の中央部に配置されている請求項1に記載のワイパ装置。
- 前記ワイパモータは、前記ギヤハウジングに支持された出力軸を有しており、
前記出力軸は、前記パイプステーの長手軸線方向及び各前記締結部材の軸線方向と直交する方向を軸線方向としており、
前記出力軸と前記位置決め凸部とは、前記パイプステーの長手軸線方向における位置を揃えて配置されている請求項2に記載のワイパ装置。 - 前記位置決め凹部は、前記パイプステーの径方向外側へ向かうほど前記パイプステーの長手軸線方向両側へ向かってテーパー状に拡大しており、
前記位置決め凸部は、前記パイプステーの長手軸線方向に並んだ一対の接触部において前記位置決め凹部と接触している請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のワイパ装置。 - 前記位置決め凸部は、前記パイプステーの長手軸線方向視で各前記締結部材の軸線方向に対して傾斜した方向に延びる接触部において前記位置決め凹部と接触している請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のワイパ装置。
- 前記ワイパモータは、前記ギヤハウジングに支持された出力軸を有しており、
各前記パイプ締結部は、前記パイプステーの長手軸線方向視で前記出力軸の軸線方向と直交する方向の一方側へ開口した凹状部を有しており、当該凹状部が前記パイプステーの外周面と接触している請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のワイパ装置。
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