JP2020196347A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】操縦安定性及び排水性能を良好に維持しながら騒音性能を改善することを可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】トレッド部1と一対のサイドウォール部と一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、トレッド部1のセンター領域Ceにタイヤ周方向に延在する少なくとも1本の周方向主溝11を有し、各周方向主溝11はタイヤ幅方向内側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の第一分岐溝11Aとタイヤ幅方向外側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の第二分岐溝11Bとを有し、各周方向主溝11における第一分岐溝11Aの本数が第二分岐溝11Bの本数よりも少なく、第一分岐溝11A及び第二分岐溝11Bの溝幅が閉止された先端部に向かって減少している。【選択図】図2

Description

本発明は、トレッド部のセンター領域にタイヤ周方向に延在する少なくとも1本の周方向主溝を有する空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、操縦安定性及び排水性能を良好に維持しながら騒音性能を改善することを可能にした空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤにおいて、良好な排水性能を確保するために、トレッド部のセンター領域とショルダー領域にそれぞれタイヤ周方向に延在する周方向主溝を配置することが一般的である。しかしながら、このような溝配置を有する空気入りタイヤは排水性能が良好であるものの、周方向主溝が走行時に大きな気柱共鳴音を発生するため騒音性能が悪化すると共に、周方向主溝によりトレッド部の剛性が低下するため操縦安定性が悪化するという問題がある。
このような問題を解決するために、空気入りタイヤにおいて、トレッド部のセンター領域にタイヤ周方向に延在する周方向主溝を配置すると共に、該周方向主溝から回転方向とは反対方向に傾斜しながらタイヤ幅方向外側に向かって延在する複数本の傾斜溝を配置することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような溝配置を採用することにより、操縦安定性と排水性能と騒音性能とをバランス良く改善することができる。しかしながら、上述の溝配置では、その効果が必ずしも十分ではなく、更なる改善が求められている。
日本国特許第4145346号公報
本発明の目的は、操縦安定性及び排水性能を良好に維持しながら騒音性能を改善することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部のセンター領域にタイヤ周方向に延在する少なくとも1本の周方向主溝を有し、各周方向主溝はタイヤ幅方向内側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の第一分岐溝とタイヤ幅方向外側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の第二分岐溝とを有し、各周方向主溝における前記第一分岐溝の本数が前記第二分岐溝の本数よりも少なく、前記第一分岐溝及び前記第二分岐溝の溝幅が閉止された先端部に向かって減少していることを特徴とするものである。
本発明では、トレッド部のセンター領域にタイヤ周方向に延在する少なくとも1本の周方向主溝が形成されており、各周方向主溝はタイヤ幅方向内側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の第一分岐溝とタイヤ幅方向外側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の第二分岐溝とを有しているので、良好な排水性能を発揮することができる。また、各周方向主溝における第一分岐溝の本数が第二分岐溝の本数よりも少なくなっているため、トレッド部において各周方向主溝よりもタイヤ幅方向内側に位置する陸部の剛性を確保し、良好な操縦安定性を発揮することができる。更に、第一分岐溝及び第二分岐溝の溝幅が閉止された先端部に向かって減少しているので、接地時の打音を低減し、騒音性能を改善することができる。また、第一分岐溝及び第二分岐溝の溝幅が閉止された先端部に向かって減少する構造は、トレッド部の剛性を確保する上でも有効である。これにより、操縦安定性及び排水性能を良好に維持しながら騒音性能を改善することができる。
本発明において、第一分岐溝の起点が第二分岐溝の起点と一致し、前記第一分岐溝と対をなす第二分岐溝と単独の第二分岐溝とがタイヤ周方向に沿って交互に配置されていることが好ましい。このような溝配置を採用した場合、操縦安定性と排水性能とをバランス良く改善することができる。
トレッド部における周方向主溝のタイヤ幅方向外側には、両端部が閉止された複数本のラグ溝を有することが好ましい。両端部が閉止されたラグ溝の付加により、操縦安定性と排水性能とをバランス良く改善することができる。この場合、ラグ溝の溝幅は少なくとも片側の閉止された端部に向かって減少していることが好ましい。これにより、騒音性能を改善することができる。また、ラグ溝はタイヤ幅方向長さが互いに異なる少なくとも2種類のラグ溝を含むことが好ましい。これにより、操縦安定性と排水性能とをバランス良く改善することができる。更に、ラグ溝は分岐部を有することが好ましい。ラグ溝に分岐部を付加することにより、排水性能を改善することができる。
トレッド部における周方向主溝のタイヤ幅方向外側には、両端部が閉止された複数本の閉止サイプを有することが好ましい。両端部が閉止された閉止サイプの付加により、操縦安定性を損なうことなく排水性能を改善することができる。また、トレッド部における周方向主溝のタイヤ幅方向外側には、ラグ溝と交差しながら延在する複数本の交差サイプを有することが好ましい。ラグ溝と交差する交差サイプの付加により、排水性能を効果的に改善することができる。
周方向主溝は蛇行しながらタイヤ周方向に延在することが好ましい。周方向主溝が湾曲又は屈曲するように蛇行することにより、排水性能を改善することができる。また、トレッド部のセンター領域に配置される周方向主溝の本数は2本であることが好ましい。トレッド部のセンター領域に2本の周方向主溝を配置することにより、操縦安定性と排水性能をバランス良く改善することができる。
本発明において、トレッド部のセンター領域は、タイヤ中心線からタイヤ幅方向両側へそれぞれ接地幅の25%の位置よりもタイヤ幅方向内側の領域である。接地幅は、タイヤを正規リムに装着し、正規内圧を充填し、静止した状態で平面に対して垂直に置き、正規荷重を加えたときの平面に対する接地領域のタイヤ軸方向の幅である。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車である場合には180kPaとする。「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”とするが、タイヤが乗用車である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 図1の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。 従来の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。なお、本実施形態の空気入りタイヤは、回転方向Rが指定されたタイヤである。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。
一対のビード部3,3間には、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含むカーカス層4が装架されている。カーカス層4は各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に巻き上げられている。カーカス層4の補強コードとしては、有機繊維コードが好ましく使用される。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。ベルトカバー層8は少なくとも1本の補強コードを引き揃えてゴム被覆してなるストリップ材をタイヤ周方向に連続的に巻回したジョイントレス構造とすることが望ましい。また、ベルトカバー層8はベルト層7の幅方向の全域を覆うように配置しても良く、或いは、ベルト層7の幅方向外側のエッジ部のみを覆うように配置しても良い。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
なお、上述したタイヤ内部構造は空気入りタイヤにおける代表的な例を示すものであるが、これに限定されるものではない。
図2に示すように、タイヤ中心線CLからタイヤ幅方向両側へそれぞれ接地幅TCWの25%の位置よりもタイヤ幅方向内側の領域をトレッド部1のセンター領域Ceとしたとき、該トレッド部1のセンター領域Ceには、タイヤ周方向に延在する少なくとも1本の周方向主溝11が形成されている。本実施形態では、トレッド部1のセンター領域Ceに配置される周方向主溝11の本数は2本である。これら周方向主溝11は湾曲又は屈曲するように蛇行しながらタイヤ周方向に延在している。これにより、2本の周方向主溝11の相互間にはセンター陸部21が区画され、各周方向主溝11のタイヤ幅方向外側にはショルダー陸部22が区画されている。
各周方向主溝11は、タイヤ幅方向内側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の第一分岐溝11Aと、タイヤ幅方向外側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の第二分岐溝11Bとを有している。これら第一分岐溝11A及び第二分岐溝11Bは、タイヤ幅方向内側から外側に向かって回転方向Rとは反対側へ傾斜している。第一分岐溝11Aのタイヤ周方向に対する傾斜角度αは例えば12°〜20°の範囲に設定され、第二分岐溝11Bのタイヤ周方向に対する傾斜角度βは例えば24°〜38°の範囲に設定されている。傾斜角度α,βは、第一分岐溝11A及び第二分岐溝11Bの各々において、基端部の溝幅中心位置と先端部の溝幅中心位置とを結ぶ直線がタイヤ周方向に対してなす角度である。
各周方向主溝11における第一分岐溝11Aの本数は第二分岐溝11Bの本数よりも少なくなっている。図2においては、各周方向主溝11における第一分岐溝11Aの本数と第二分岐溝11Bの本数との比が1:2となっている。また、第一分岐溝11A及び第二分岐溝11Bの溝幅はいずれも閉止された先端部に向かって減少している。より具体的には、第一分岐溝11A及び第二分岐溝11Bの先端部は一点に向かって収束した先細り形状を有している。
トレッド部1における周方向主溝11のタイヤ幅方向外側には、両端部が閉止された複数本のラグ溝12が形成されている。これらラグ溝12は、タイヤ幅方向内側から外側に向かって回転方向Rとは反対側へ傾斜している。ラグ溝12のタイヤ周方向に対する傾斜角度γは例えば24°〜40°の範囲に設定されている。傾斜角度γは、ラグ溝12の各々において、一方の端部の溝幅中心位置と他方の端部の溝幅中心位置とを結ぶ直線がタイヤ周方向に対してなす角度である。
ラグ溝12の溝幅は少なくとも片側の閉止された端部に向かって減少している。本実施形態では、ラグ溝12の溝幅は両側の閉止された端部に向かって減少している。より具体的には、ラグ溝12の各端部は一点に向かって収束した先細り形状を有している。また、ラグ溝12はタイヤ幅方向長さL1,L2が互いに異なる少なくとも2種類のラグ溝121,122を含んでいる。タイヤ幅方向長さL1,L2はラグ溝12をタイヤ周方向に投影したときの長さ(即ち、ラグ溝12のタイヤ幅方向の延長成分の長さ)である。更に、各ラグ溝12は分岐部12Aを有している。分岐部12Aの溝幅はいずれも閉止された先端部に向かって減少している。より具体的には、分岐部12Aの先端部は一点に向かって収束した先細り形状を有している。
トレッド部1における周方向主溝11のタイヤ幅方向外側には、両端部が閉止された複数本の閉止サイプ13が形成されている。これら閉止サイプ13は、タイヤ幅方向内側から外側に向かって回転方向Rとは反対側へ傾斜している。また、トレッド部1における周方向主溝11のタイヤ幅方向外側には、少なくとも1本のラグ溝12と交差しながら延在する複数本の交差サイプ14が形成されている。これら交差サイプ14は、タイヤ幅方向内側から外側に向かって回転方向Rとは反対側へ傾斜している。交差サイプ14においては、少なくともタイヤ幅方向内側の端部が閉止されている。なお、閉止サイプ13及び交差サイプ14の溝幅はいずれも2.0mm以下であることが望ましい。
上述した空気入りタイヤでは、トレッド部1のセンター領域Ceにタイヤ周方向に延在する少なくとも1本の周方向主溝11が形成されており、各周方向主溝11はタイヤ幅方向内側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の第一分岐溝11Aとタイヤ幅方向外側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の第二分岐溝11Bとを有しているので、良好な排水性能を発揮することができる。即ち、第一分岐溝11A及び第二分岐溝11Bを介して路面上の水を周方向主溝11内に効果的に取り込むことができる。また、各周方向主溝11における第一分岐溝11Aの本数が第二分岐溝11Bの本数よりも少なくなっているため、トレッド部1において各周方向主溝11よりもタイヤ幅方向内側に位置するセンター陸部21の細分化を回避してその剛性を確保し、良好な操縦安定性を発揮することができる。
更に、第一分岐溝11A及び第二分岐溝11Bの溝幅が閉止された先端部に向かって減少しているので、接地時の打音を低減し、騒音性能を改善することができる。また、第一分岐溝11A及び第二分岐溝11Bの溝幅が閉止された先端部に向かって減少する構造は、トレッド部1の剛性を確保する上でも有効である。これにより、操縦安定性及び排水性能を良好に維持しながら騒音性能を改善することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、周方向主溝11はストレート状であっても良いが、湾曲又は屈曲するように蛇行しながらタイヤ周方向に延在していると良い。周方向主溝11が蛇行した構造を有することにより、排水性能を改善することができる。また、トレッド部1のセンター領域Ceに配置される周方向主溝11の本数は2本であると良い。トレッド部1のセンター領域Ceに2本の周方向主溝11を配置し、その相互間に1列のセンター陸部21を区画することにより、操縦安定性と排水性能をバランス良く改善することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、第一分岐溝11Aの起点は第二分岐溝11Bの起点と一致し、第一分岐溝11Aと対をなす第二分岐溝11Bと単独の第二分岐溝11Bとはタイヤ周方向に沿って交互に配置されていると良い。このような溝配置を採用した場合、操縦安定性と排水性能とをバランス良く改善することができる。なお、第一分岐溝11Aの起点が第二分岐溝11Bの起点と一致するとは、第一分岐溝11Aとが第二分岐溝11Bとが一連の溝を形成するように配置された状態を意味する。
上記空気入りタイヤにおいて、トレッド部1における周方向主溝11のタイヤ幅方向外側には、両端部が閉止された複数本のラグ溝12が形成されていると良い。両端部が閉止されたラグ溝12の付加により、操縦安定性と排水性能とをバランス良く改善することができる。この場合、ラグ溝12の溝幅は少なくとも片側の閉止された端部に向かって減少していると良い。これにより、騒音性能を改善することができる。また、ラグ溝12はタイヤ幅方向長さL1,L2が互いに異なる少なくとも2種類のラグ溝121,122を含んでいると良い。これにより、操縦安定性と排水性能とをバランス良く改善することができる。更に、ラグ溝12は分岐部12Aを有していると良い。ラグ溝12に分岐部12Aを付加することにより、排水性能を改善することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、トレッド部1における周方向主溝11のタイヤ幅方向外側には、両端部が閉止された複数本の閉止サイプ13が形成されていると良い。両端部が閉止された閉止サイプ13の付加により、操縦安定性を損なうことなく排水性能を改善することができる。また、トレッド部1における周方向主溝11のタイヤ幅方向外側には、ラグ溝12と交差しながら延在する複数本の交差サイプ14が形成されていると良い。ラグ溝12と交差する交差サイプ14の付加により、排水性能を効果的に改善することができる。
タイヤサイズ245/35R20で、トレッド部と一対のサイドウォール部と一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、トレッド部の溝パターンを種々異ならせた従来例、比較例1及び実施例1〜7のタイヤを製作した。
従来例のタイヤは、図3に示すように、トレッド部のセンター領域に蛇行しながらタイヤ周方向に延在する2本の周方向主溝(31)が形成され、各周方向主溝はタイヤ幅方向外側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の分岐溝(31B)を有し、トレッド部における周方向主溝のタイヤ幅方向外側に、タイヤ幅方向内側の端部が閉止された複数本のラグ溝(32)と、これらラグ溝を連結する複数本のサイプ(33)とが形成されたものである。
比較例1及び実施例1〜7のタイヤは、トレッド部のセンター領域にタイヤ周方向に延在する2本の周方向主溝が形成され、各周方向主溝はタイヤ幅方向内側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の第一分岐溝とタイヤ幅方向外側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の第二分岐溝とを有し、トレッド部における周方向主溝のタイヤ幅方向外側に複数本のラグ溝が形成され、更に必要に応じて、閉止サイプ及び交差サイプが付加されたものである。なお、実施例7のタイヤは図2に示すトレッドパターンを有している。
周方向主溝の本数、周方向主溝の蛇行の有無、第一分岐溝の有無、第二分岐溝の有無、第一分岐溝と第二分岐溝の本数比、第一分岐溝及び第二分岐溝の先細り形状の有無、ラグ溝の有無、ラグ溝の閉止された端部、ラグ溝の先細り形状の有無、ラグ溝のタイヤ幅方向長さの種類、ラグ溝の分岐部の有無、閉止サイプの有無、交差サイプの有無は表1の通りである。
これら従来例、比較例1及び実施例1〜7に係る試験タイヤについて、下記の評価方法により、操縦安定性、排水性能及び騒音性能を評価し、その結果を表1に併せて示した。
操縦安定性:
各試験タイヤをリムサイズ20×8.5JJのホイールに組み付けて排気量2500ccの車両に装着し、ウォームアップ後の空気圧を180kPaとし、乾燥路面からなるテストコースにおいて、操縦安定性についてテストドライバーによる官能評価を行った。評価結果は従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れていることを意味する。
排水性能:
各試験タイヤをリムサイズ20×8.5JJのホイールに組み付けて排気量2500ccの車両に装着し、ウォームアップ後の空気圧を180kPaとし、散水により水深2mmとしたウエット路面からなるテストコースにおいて、排水性能についてテストドライバーによる官能評価を行った。評価結果は従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど排水性能が優れていることを意味する。
騒音性能:
各試験タイヤをリムサイズ20×8.5JJのホイールに組み付けて排気量2500ccの車両に装着し、ウォームアップ後の空気圧を180kPaとし、ECE R117に準拠した試験を実施し、その車外騒音を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど車外騒音が少ないことを意味する。
Figure 2020196347
表1から判るように、実施例1〜7のタイヤは、従来例との対比において、操縦安定性及び排水性能を良好に維持しながら、騒音性能が大幅に改善されていた。一方、比較例1のタイヤは、各周方向主溝における第一分岐溝の本数と第二分岐溝の本数が同数であるため操縦安定性の悪化が顕著であった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトカバー層
11 周方向主溝
11A 第一分岐溝
11B 第二分岐溝
12 ラグ溝
13 閉止サイプ
14 交差サイプ
21 センター陸部
22 ショルダー陸部

Claims (10)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッド部のセンター領域にタイヤ周方向に延在する少なくとも1本の周方向主溝を有し、各周方向主溝はタイヤ幅方向内側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の第一分岐溝とタイヤ幅方向外側に向かって分岐して先端部が閉止された複数本の第二分岐溝とを有し、各周方向主溝における前記第一分岐溝の本数が前記第二分岐溝の本数よりも少なく、前記第一分岐溝及び前記第二分岐溝の溝幅が閉止された先端部に向かって減少していることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第一分岐溝の起点が前記第二分岐溝の起点と一致し、前記第一分岐溝と対をなす第二分岐溝と単独の第二分岐溝とがタイヤ周方向に沿って交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記トレッド部における前記周方向主溝のタイヤ幅方向外側に、両端部が閉止された複数本のラグ溝を有することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ラグ溝の溝幅が少なくとも片側の閉止された端部に向かって減少していることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ラグ溝はタイヤ幅方向長さが互いに異なる少なくとも2種類のラグ溝を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ラグ溝が分岐部を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記トレッド部における前記周方向主溝のタイヤ幅方向外側に、両端部が閉止された複数本の閉止サイプを有することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記トレッド部における前記周方向主溝のタイヤ幅方向外側に、前記ラグ溝と交差しながら延在する複数本の交差サイプを有することを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記周方向主溝が蛇行しながらタイヤ周方向に延在することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記トレッド部のセンター領域に配置される前記周方向主溝の本数が2本であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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