JP2020193458A - 開口部開閉装置および開口部開閉方法 - Google Patents

開口部開閉装置および開口部開閉方法 Download PDF

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Abstract

【課題】運搬対象物を搬入搬出する都度、開口部上にて仮設床の設置と撤去を繰り返す必要なく、作業員の負担を軽減し且つ十分な安全性を確保可能な開口部開閉装置を提供する。【解決手段】開口部開閉装置10を、左右一対のメインガイドフレーム11a,11bおよび延長ガイドフレーム12a,12b、前後2本のエンドフレーム16a,16b、左右および奥側の手すり20a,20b,20c、左右一対の積載ベース23a,23b、ハンドル25およびその左右の支柱26、複数本のH型鋼材29、移動床30を含む、複数の部材を組み合わせることで容易に組み立てて開口部Hを囲むように設置する。作業員によりハンドル25を押したり引いたりするだけで、運搬対象物を載置可能な移動床30を、容易に、開口部Hの位置に移動させて当該開口部Hを閉じたり、開口部Hから離れた位置に移動させて当該開口部Hを開いたりできる。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、プラント等の建造物の床に設けられた開口部を開閉するための開口部開閉装置および開口部開閉方法に関する。
例えばプラントの建設工事において、建造物の階下と階上との間で、電気機器などの重量物(運搬対象物)を搬入したり搬出したりするには、階上の床に設けられた階下に通ずる開口部を、当該運搬対象物の搬入口または搬出口として利用することがある。
開口部は、運搬対象物の搬入、搬出に必要な、例えば幅2500mm×奥行き2000mm程度の大きさを有し、開口部を利用しないときには、当該開口部はその開口を完全に覆う大きさの鉄板等からなる覆蓋により蓋をすることで、作業員の安全を確保している。
そして、運搬対象物を搬入するには、先ず、開口部の真上にあらかじめ設けられた天井フックに設置された巻き上げ機により開口部の覆蓋を吊り上げ、当該覆蓋を台車などで所定位置へ移動後、開いた開口部の上に複数本のH型鋼材を渡し、その上に薄鉄板またはベニヤ板を敷いて仮設床を設置する。
次に、更に仮設床を撤去して開口部を開き、開口部からその階下にある運搬対象物を、巻き上げ機により開口部の上方まで吊り上げる。
再度、H型鋼材とベニヤ板により仮設床を設置し、吊り上げた運搬対象物を台車等を配した仮設床に降ろして仮置きし、台車等を移動させて運搬対象物を階上に搬入する。
一方、階上の運搬対象物を階下へ搬出する場合、開口部に設置した仮設床の上に、台車等に載せた運搬対象物を移動させ、移動させた運搬対象物を巻き上げ機により吊り上げ、当該運搬対象物を吊り上げた状態で、仮設床を撤去して開口部を開く。
そして、巻き上げ機により吊り上げられている運搬対象物を、開口部を通して階下まで降ろして搬出した後に、再度、開口部に仮設床を設置して周囲の安全を確保する。
このように、階上の開口部を利用して運搬対象物を階上へ搬入する場合、階下へ搬出する場合、何れの場合でも、H型鋼材とベニヤ板による仮設床の設置と撤去を繰り返す必要があり、複数の運搬対象物を搬入あるいは搬出する場合には、さらにその都度、仮設床の設置と撤去を繰り返さなければならない。
仮設床を構成するH型鋼材および薄鉄板またはベニヤ板は、例えば数百kgもある重量物(運搬対象物)を仮設床に仮置きするために、十分な強度が必要であり、当該H型鋼材および薄鉄板またはベニヤ板のそれ自体が重量物となる。
このため、仮設床の設置と撤去の繰り返しは、作業員に対し、身体的に相当な負担が強いられるだけでなく、複数本のH型鋼材および薄鉄板またはベニヤ板という複数の部材を開口部上で直接組み合わせて仮設床を設置するため、開口部からの部材の落下や作業員の転落の恐れがあり、十分な安全性を確保できない。
特開2018−095378号公報 特開2001−123805号公報 特開平08−284420号公報
本発明が解決しようとする課題は、運搬対象物を搬入または搬出する都度、開口部上で直接、仮設床の設置と撤去を繰り返す必要なく、作業員の負担を軽減し且つ十分な安全性を確保することが可能になる開口部開閉装置および開口部開閉方法を提供することにある。
実施形態の開口部開閉装置は、
床に設けられた開口部の平面方向の一方側と他方側に沿って並列に配置され、少なくとも当該並列に沿っている方向の前記開口部の第1の長さを上回る長さであって、当該長さの方向に上方を開口とする溝を有する一対のメインガイドフレームと、
前記一対のメインガイドフレームの前記開口部の第1の長さに対応する方向の一端に着脱自在に連結され、少なくとも前記開口部の第1の長さを上回る長さであって、前記メインガイドフレームの溝を延長する同メインガイドフレームと同じ溝を有する一対の延長ガイドフレームと、
前記一対の延長ガイドフレームの一端側の相互間と前記一対のメインガイドフレームの他端側の相互間とのそれぞれに、着脱自在に設けられ、前記一対のメインガイドフレームを配置した並列の幅に対応する長さの第1および第2のエンドフレームと、
前記一方側のメインガイドフレームと延長ガイドフレームとに連続する溝と前記他方側のメインガイドフレームと延長ガイドフレームとに連続する溝とのそれぞれに配置され、前記開口部の第1の長さに対応する長さで且つ少なくとも前記溝の深さを上回る高さを有し、当該配置された溝に沿って摺動可能な一対の積載ベースと、
前記一対の積載ベースの相互間に着脱自在に設けられ、同一対の積載ベースを前記一方側と他方側の各溝に沿って共に摺動させるためのハンドル機構と、
前記一方の積載ベースの上面と前記他方の積載ベースの上面とに渡って載置され、前記開口部の第1の長さに対応する奥行きで且つ同開口部の第2の長さに対応する幅を有する平板状の床部材と、を備えている。
実施形態の開口部開閉装置10の外観構成を示す斜視図。 開口部開閉装置10の組み立てに要する各部の機構を示す部分拡大図。 開口部開閉装置10の外観構成を示す平面図。 開口部開閉装置10の外観構成を示す側面図。 開口部開閉装置10を設置した床Fの開口部Hを通して重量物(運搬対象物)33を搬入搬出する作業の工程を簡略化して示す図。 階上の床Fの開口部Hを利用して運搬対象物を搬入または搬出する場合に、従来、開口部Hに直接設置された仮設床BDの設置手順を示す図。
以下、実施形態の開口部開閉装置および開口部開閉方法について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の開口部開閉装置10の外観構成を示す斜視図である。
図2は、開口部開閉装置10の組み立てに要する各部の機構を示す部分拡大図である。
図3Aは、開口部開閉装置10の外観構成を示す平面図である。
図3Bは、開口部開閉装置10の外観構成を示す側面図である。
開口部開閉装置10は、階上の床Fに設けられた、例えば矩形の開口部Hを囲む位置に、例えば二人の作業員により複数の部材を組み合わせて設置される。
なお、開口部開閉装置10を床Fに設置する作業は、開口部Hに対して、覆蓋31(図4(A)参照)により蓋をした状態で行われる。
図1において、開口部Hの大きさは、例えば幅2500mm(第2の長さ)×奥行き1500mm(第1の長さ)と仮定し、また、開口部開閉装置10はその長手方向の開口部Hから離れた図中の右下を手前側、開口部Hに近い図中の左上を奥側と仮定し、装置10全体の大きさは、例えば幅3000mm×奥行き5000mmと仮定する。
先ず、開口部Hの幅の左側と右側に沿うように一対のメインガイドフレーム11a,11bを配置する。メインガイドフレーム11a,11bは、例えば長さ3000mmのC型鋼材を用いて構成され、その奥側の端部を開口部Hの奥行きを少し越えて位置させた状態で、当該C型鋼材のC字の背面を床Fに当接させ、C字の開口(溝)を上に向けて配置される。
メインガイドフレーム11a,11bの手前側の端部には、当該メインガイドフレーム11a,11bと同様のC型鋼材を用いた、例えば長さ2000mmの延長ガイドフレーム12a,12bを連結して配置する。
メインガイドフレーム11a,11bと延長ガイドフレーム12a,12bは、例えば図2の(A)に拡大して示すように、メインガイドフレーム11a,11bの手前側の端部両側面と延長ガイドフレーム12a,12bの奥側の端部両側面との間に、矩形平板状のガイドフレーム連結プレート13a1,13a2,13b1,13b2を渡して配置し、当該ガイドフレーム連結プレート13a1,13a2,13b1,13b2を、メインガイドフレーム11a,11b側と延長ガイドフレーム12a,12b側との各々において、ボルト14とナット15により締め付けて固定することで連結される。
なお、ガイドフレーム連結プレート13a1,13a2,13b1,13b2をメインガイドフレーム11a,11bと延長ガイドフレーム12a,12bに締め付けて固定するボルト14は、当該各ガイドフレーム11a,11b,12a,12bのC字の内側面から外側面に向けて挿通されてナット15に締め付けられるので、ボルト14の頭部は、各ガイドフレーム11a,11b,12a,12bのC字の弧状の空間に納まる。
このため、各ガイドフレーム11a,11b,12a,12bのC字の底面を摺動して移動する、後述する積載ベース23a,23bに、ボルト14の頭部が当たって邪魔になることはない。
開口部開閉装置10の手前側面になる延長ガイドフレーム12a,12bの手前側の端部間と、開口部開閉装置10の奥側面になるメインガイドフレーム11a,11bの奥側の端部間は、それぞれ、開口部Hの幅を少し超える長さの第1および第2のエンドフレーム16a,16bにより連結される。
第1および第2のエンドフレーム16a,16bは、それぞれその両端の一部をL字状に同方向に折り曲げたフランジ部を有し、当該各フランジ部を、延長ガイドフレーム12a,12bの手前側の端部の側面、メインガイドフレーム11a,11bの奥側の端部の側面に、それぞれ、ボルト17とナット18により締め付けて固定することで、延長ガイドフレーム12a,12bの手前側の端部間と、メインガイドフレーム11a,11bの奥側の端部間をそれぞれ連結し、これにより開口部開閉装置10の外枠を構成する。
メインガイドフレーム11a,11bの底面および延長ガイドフレーム12a,12bの底面には、何れも当該各ガイドフレーム11a,11b,12a,12bの底面と同形状、且つ、シート状に構成された第1の摺動部材19が固着されて設けられる。
第1の摺動部材19は、後述する積載ベース23a,23bを、各ガイドフレーム11a,11b,12a,12bの底面に沿って容易に移動可能にするもので、当該積載ベース23a,23bと摺動可能な摩擦係数を有する材料により構成される。換言すると、摺動部材19は、積載ベース23a,23bが各ガイドフレーム11a,11b,12a,12bに沿って滑走するための滑走部材を構成する。
第1の摺動部材19は、その摩擦係数が、当該摺動部材19を構成する材料により得られる構成で良く、また摺動部材19の形状により得られる構成でも良く、これらの複合により得られる構成であっても良い。例えば、摺動部材19としては、スライダーボード(株式会社ダイサン製)が用いられる。
開口部開閉装置10の左側面に相当する一方のメインガイドフレーム11aの左側面と、開口部開閉装置10の右側面に相当する他方のメインガイドフレーム11bの右側面には、例えば高さ1000mmの当該各側面に沿った左右(第1および第2)の手すり20a,20bが着脱自在に設けられ、さらに、一方のメインガイドフレーム11aの奥側の端部の左側面と、他方のメインガイドフレーム11bの奥側の端部の右側面との間にも、例えば高さ1000mmの奥側(第3)の手すり20cが着脱自在に設けられる。
左右(第1および第2)の手すり20a,20bおよび奥側(第3)の手すり20cは、その何れも、当該各手すり20a,20b,20cそれぞれの各支柱21の先端部を、例えば図2の(A)に示すように、メインガイドフレーム11a,11bの側面に溶接等により固着して設けられたワンタッチ着脱機構22の支柱挿し込み部22Bに挿し込むことで立設される。
ワンタッチ着脱機構22は、例えば、その支柱挿し込み部22Bの一側面を貫通して抜き差し可能なロックピン22Rを有し、当該ロックピン22Rが嵌まり込むロック孔が先端部に設けられた支柱21を、支柱挿し込み部22Bに挿し込んでロックピン22Rを差し込むことで、各手すり20a,20b,20cの支柱21がメインガイドフレーム11a,11bの側面に沿って立設された状態で固定され、左右の手すり20a,20bおよび奥側の手すり20cとして取り付けられる。
一対のメインガイドフレーム11a,11bと延長ガイドフレーム12a,12bを連結した後の当該延長ガイドフレーム12a,12bに対しては、例えば同各ガイドフレーム11a,11b,12a,12bのC字の開口の幅に対応する幅、同各ガイドフレーム11a,11b,12a,12bの高さを少し超える高さ、開口部Hの奥行きに対応する長さ(ここでは1500mm)を有する、断面矩形で角柱状の一対の積載ベース23a,23bを、その底面に置いて配置する。
積載ベース23a,23bは、例えば硬質の木材を用いて構成され、メインガイドフレーム11a,11bから延長ガイドフレーム12a,12bに直線状に連続するC字の開口(溝)の底面を、当該各ガイドフレーム11a,11b,12a,12bによりガイドされる積載ベース23a,23bの移動路とし、当該移動路上で移動可能に構成される。
積載ベース23a,23bの下面には、各ガイドフレーム11a,11b,12a,12bの底面に設けられたシート状の第1の摺動部材19と同様の第2の摺動部材19S(図3B参照)が設けられる。
なお、積載ベース23a,23bの下面に設けた第2の摺動部材19Sは、その奥側の端部と手前側の端部の各外縁の稜部に面取り部を設けることで、メインガイドフレーム11a,11bから延長ガイドフレーム12a,12bに連続する底面(移動路)の境界部に微量の段差が生じている場合であっても、当該面取り部によって、摺動部材19Sが段差を乗り上げることができる。
これにより、積載ベース23a,23bのメインガイドフレーム11a,11bと延長ガイドフレーム12a,12bとの間での移動において、段差により移動が規制されることを防止できる。
積載ベース23a,23bの上面には、その上面と同形状、且つ、シート状に構成された高摩擦材料からなる滑り止め部材24が固着されて設けられる。
また、積載ベース23a,23bの手前側の端部には、当該積載ベース23a,23bを、同時に、作業員の操作によって、各ガイドフレーム11a,11b,12a,12bの移動路上で移動させるためのハンドル25が、その左右の各支柱26を介して着脱自在に設けられる(ハンドル機構)。
ハンドル25は、その左右の各支柱26の先端部を、積載ベース23a,23bの手前側の端部に固着して設けられたワンタッチ着脱機構27の支柱挿し込み部に挿し込むことで立設される。
ハンドル25の支柱26を積載ベース23a,23bに着脱自在に立設するためのワンタッチ着脱機構27は、図2の(A)で示したように、前述した各手すり20a,20b,20cの支柱21をメインガイドフレーム11a,11bに着脱自在に立設するためのワンタッチ着脱機構22と同様の構成であり、ロックピン27R(ロックピン22Rと同様)が嵌まり込むロック孔が先端部に設けられた支柱26を、支柱挿し込み部(22B)に挿し込んでロックピン27Rを差し込むことで、ハンドル25の左右の支柱26が積載ベース23a,23bの手前側の端部に沿って立設された状態で固定され、積載ベース23a,23bのハンドル25として取り付けられる。
ハンドル25とその左右の支柱26とは、図2の(B)に拡大して示すように、支柱26の上端部に当該支柱26を手前側に屈曲させるように形成した逆L字部26Lにおいて着脱自在に接続される。
ハンドル25は、その左右の先端部を、支柱26上端の逆L字部26Lに固着して設けられたワンタッチ着脱機構28の支柱挿し込み部に挿し込むことで接続される。
ハンドル25を支柱26上端の逆L字部26Lに着脱自在に接続するためのワンタッチ着脱機構28は、図2の(A)で示したように、前述した各手すり20a,20b,20cの支柱21をメインガイドフレーム11a,11bに着脱自在に立設するためのワンタッチ着脱機構22と同様の構成であり、ロックピン28R(ロックピン22Rと同様)が嵌まり込むロック孔が先端部に設けられたハンドル25を、支柱挿し込み部(22B)に挿し込んでロックピン28Rを差し込むことで、ハンドル25の左右が各支柱26上端の逆L字部26Lに接続される。
左右の積載ベース23aと23bとの間には、一方の積載ベース23aの上面と他方の積載ベース23bの上面とに渡って、複数本の例えば100mm角のH型鋼材29(補強部材)を並列に載置し、移動床30(床部材)を設けるための仮基礎を構成する。
移動床30(床部材)は、例えば開口部Hの幅(ここでは2500mm)と奥行き(ここでは1500mm)に対応する矩形平板状の3mm厚の薄鉄板、または19mm厚または24mm厚のベニヤ板を用いてなり、仮基礎として構成された複数本のH型鋼材29の上面に載置される。
このように、開口部開閉装置10は、左右一対のメインガイドフレーム11a,11bおよび延長ガイドフレーム12a,12b、4枚のガイドフレーム連結プレート13a1,13a2,13b1,13b2、前後2本のエンドフレーム16a,16b、12組のボルト/ナット14,15,17,18、左右および奥側の3つの手すり20a,20b,20c、左右一対の積載ベース23a,23b、ハンドル25およびその左右の支柱26、複数本のH型鋼材29、1枚の移動床30からなる、複数の部材を、組み合わせ、且つ、組み立てることで容易に構成され、開口部Hを囲むように設置される。
なお、開口部開閉装置10を構成する各部材の一つ一つは、多くとも二人の作業員により容易に持ち運ぶことのできる重量およびサイズであるが、当該各部材により組み立てた開口部開閉装置10の全体の重量は当然ながら重くなるため、当該開口部開閉装置10を設置した位置の位置ずれは十分に防止される。
そして、作業員は、ハンドル25を操作して、当該ハンドル25を、開口部開閉装置10の手前側に引いたり、奥側に押したりすることで、左右の積載ベース23a,23b上に構成した移動床30を、図1の矢印X1,X2に示すように、開口部Hから手前に離れた延長ガイドフレーム12a,12bに対応する位置と、左右および奥側の3つの手すり20a,20b,20cにより囲まれた開口部Hに対応する位置との間で、容易に往復移動させることができる。
本出願人が、移動床30に約350kgの重量物(運搬対象物)を載せて行った実験では、二人の作業員がハンドル25を操作することで、当該重量物(運搬対象物)を、各作業員に大きな負担なく、容易に移動でき運搬できることが確認された。
なお、延長ガイドレール12a,12b、エンドフレーム16a,16b、積載ベース23a,23b、ハンドル25、H型鋼材29の各部材はその長さについて、移動床30はその幅と奥行について、予め異なるサイズのものが用意され、これら異なるサイズの各部材は、開口部開閉装置10を設置すべき床Fの開口部Hの幅と奥行きに応じて適宜選択して組み合わされる。
図4は、開口部開閉装置10を設置した床Fの開口部Hを通して重量物(運搬対象物)33を搬入搬出する作業の工程を簡略化して示す図である。
ここでは、図示の複雑化を避ける便宜上、開口部開閉装置10は、移動可能な移動床30と作業員Wが操作するハンドル25に限って図示する。
(運搬対象物の搬入)
図4(A):
階上の床Fの開口部Hに対応させて、図1で示したように、開口部開閉装置10を組み立てて設置する。開口部Hの左右両側(図4では図示手前側と奥側)と奥側(図4では図示左側)は、3つの手すり20a,20b,20cにより囲まれた状態になる。開口部Hは、覆蓋31により蓋がされている。
図4(B)(C):
開口部Hの上部に設けられているフックに設置された巻き上げ機CRにより開口部Hの覆蓋31を吊り上げる。
図4(D):
覆蓋31を吊り上げた状態で、作業員Wがハンドル25を奥側に押し、移動床30を矢印X2に示すように開口部Hの上部に移動させ、当該移動床30の上に覆蓋31を降ろす。
図4(E):
作業員Wがハンドル25を手前側に引き、移動床30を矢印X1に示すように開口部Hから離れた位置まで移動させ、移動床30から覆蓋31を床Fの仮置き場に下ろす。
図4(F):
移動床30を、再び矢印X2に示すように開口部Hの上部に移動させ、当該開口部Hを一旦閉じた一方で、階下の床FLにおいて、矢印Y1に示すように台車32に載せた運搬対象物33を開口部Hの真下に移動させる。
図4(G):
移動床30を、再び矢印X1に示すように開口部Hから離れた位置まで移動させ、当該開口部Hを開く。
図4(H):
階下にある運搬対象物33を、巻き上げ機CRにより矢印D1に示すように階上へ吊り上げる。
図4(I):
運搬対象物33を吊り上げた状態で、再び矢印X2に示すように移動床30を開口部Hの上部に移動させ、当該移動床30の上に運搬対象物33を降ろす。
図4(J):
移動床30を、再び矢印X1に示すように開口部Hから離れた位置まで移動させ、移動床30から運搬対象物33を床Fの仮置き場に下ろして搬入する。
この後、複数の運搬対象物33を繰り返し搬入する場合は、図4(F)〜図4(J)の作業を繰り返す。
(運搬対象物の搬出)
図4(K):
図4(A)〜図4(E)に対応する作業の後、開口部Hから離れた位置に移動させた移動床30に運搬対象物33を載せ、当該移動床30を矢印X2に示すように開口部Hの上部に移動させる。
図4(L):
移動床30に載せた運搬対象物33を巻き上げ機CRにより吊り上げ、当該運搬対象物33を吊り上げた状態で、再び、矢印X1に示すように、移動床30を引いて開口部Hから離れた位置に移動させる。
図4(M):
巻き上げ機CRにより吊り上げられている運搬対象物33を、矢印D2に示すように、開口部Hを通して階下に降ろし、当該階下の床FLに配した台車32に載せる。
図4(N):
移動床30を、再び矢印X2に示すように開口部Hの上部に移動させ、当該開口部Hを閉じる。
図4(O):
階下の床FLにおいて、運搬対象物33を載せた台車33を、矢印Y2に示すように移動させ、当該運搬対象物33を搬出する。
この後、複数の運搬対象物33を繰り返し搬出する場合は、図4(K)〜図4(O)の作業を繰り返す。
なお直接の図示はしないが、開口部Hを再び覆蓋31により閉じる場合は、図4(A)〜図4(E)で示した覆蓋31を取り除く作業を逆の順序にして行う。
図5は、階上の床Fの開口部Hを利用して運搬対象物を搬入または搬出する場合に、従来、開口部Hに直接設置された仮設床BDの設置手順を示す図である。
従来は、覆蓋(図示せず)を外した開口部Hに対して、当該開口部Hを跨ぐように複数本のH型鋼材SSを並列に配置し、各H型鋼材SSの上に、矢印Mに示すように、薄鉄板またはベニヤ板からなる仮設床BDを載置し設置していた。そして従来は、覆蓋の取り外し、再設置、運搬対象物の搬入、搬出の都度、複数本のH型鋼材SSの配置を含めた仮設床BDの設置、撤去を繰り返さなければならなかった。
したがって、実施形態の開口部開閉装置10によれば、重量物(運搬対象物)33の階上への搬入または階下への搬出に際して、作業員Wによりハンドル25を押したり引いたりして操作するだけで、容易に、移動床30を開口部Hの位置に移動させて当該開口部Hを閉じたり、容易に、移動床30を開口部Hから離れた位置に移動させて当該開口部Hを開いたりできるのと同時に、当該移動床30に運搬対象物33を載せて開口部Hから離れた位置に移動させたり、開口部Hの位置に移動させたりすることができる。
すなわち、実施形態の開口部開閉装置10によれば、開口部Hを通して重量物(運搬対象物)33を搬入または搬出する際に、例えば図4(D)(E)(F)(G)(I)(J)(K)(L)(N)に示す各工程において、単に、移動床30を開口部Hの位置に移動させたり開口部Hから離れた位置に移動させたりするだけで済み、作業員Wの負担を大幅に軽減できる。
従来は、図4(D)(E)(F)(G)(I)(J)(K)(L)(N)に示す各工程の都度、図5で示したように、複数本のH型鋼材SSとベニヤ板からなる仮設床BDの設置と撤去を繰り返さなければならなかった。
また、実施形態の開口部開閉装置10によれば、開口部H上で直接、仮設床BDの設置と撤去を繰り返す必要なく、しかも、開口部Hの左右両側と奥側には、それぞれ手すり20a,20b,20cが設置されるようになるので、開口部Hからの部材の落下や作業員の転落の恐れはなく、十分な安全性を確保することもできる。
なお、実施形態の開口部開閉装置10において、メインガイドフレーム11a,11bに延長ガイドフレーム12a,12bを着脱自在に連結するための4枚の連結プレート13a1,13a2,13b1,13b2および8組のボルト/ナット14,15からなるガイドフレーム連結機構は、前述した構成に限らず、容易に着脱可能な構成であればよい。
また、手すり20a,20b,20cの支柱21をメインガイドフレーム11a,11bの側面に沿って着脱自在に立設させるためのワンタッチ着脱機構22、ハンドル25の支柱26を積載ベース23a,23bの手前側の端部から着脱自在に立設させるためのワンタッチ着脱機構27、ハンドル25をその左右の支柱26に着脱自在に接続するためのワンタッチ着脱機構28も、前述した構成に限らず、ワンタッチで容易に着脱可能な構成であればよい。
さらに、左右の積載ベース23a,23bに対し、移動床30は、当該左右の積載ベース23a,23b間に渡して配置した複数本のH形鋼材29の上に載置して設ける構成としたが、この構成に限らず、多くても二人の作業員によって負担なく設けることができ、重量物を安全に載せて移動させることが可能な構成であればよい。
また、左右の積載ベース23a,23b間に渡して配置した複数本のH形鋼材29は、当該積載ベース23a,23bの上面に固着して設けた滑り止め部材24により、同積載ベース23a,23b上での位置ずれ等を防止しているが、例えば積載ベース23a,23bの上面に、その長手方向に等間隔で、H型鋼材29の幅に対応した突起や溝を設けたり、位置ずれを阻止するピンを差し込める構成としたりすることで、同H型鋼材29の積載ベース23a,23b上での位置ずれを防止してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…開口部開閉装置、11a,11b…メインガイドフレーム、
12a,12b…延長ガイドフレーム、
13a1,13a2,13b1,13b2…ガイドフレーム連結プレート、
14,17…ボルト、15,18…ナット、16a,16b…エンドフレーム、
19,19S…摺動部材、20a,20b,20c…手すり、21…手すりの支柱、
22,27,28…ワンタッチ着脱機構、22B…支柱挿し込み部、
22R,27R,28R…ロックピン、23a,23b…積載ベース、
24…滑り止め部材、25…ハンドル、26…ハンドルの支柱、26L…逆L字部、
29…H型鋼材、30…移動床、31…覆蓋、32…台車、33…運搬対象物、
H…開口部、F…階上の床、FL…階下の床、CR…巻き上げ機。

Claims (7)

  1. 床に設けられた開口部の平面方向の一方側と他方側に沿って並列に配置され、少なくとも当該並列に沿っている方向の前記開口部の第1の長さを上回る長さであって、当該長さの方向に上方を開口とする溝を有する一対のメインガイドフレームと、
    前記一対のメインガイドフレームの前記開口部の第1の長さに対応する方向の一端に着脱自在に連結され、少なくとも前記開口部の第1の長さを上回る長さであって、前記メインガイドフレームの溝を延長する同メインガイドフレームと同じ溝を有する一対の延長ガイドフレームと、
    前記一対の延長ガイドフレームの一端側の相互間と前記一対のメインガイドフレームの他端側の相互間とのそれぞれに、着脱自在に設けられ、前記一対のメインガイドフレームを配置した並列の幅に対応する長さの第1および第2のエンドフレームと、
    前記一方側のメインガイドフレームと延長ガイドフレームとに連続する溝と前記他方側のメインガイドフレームと延長ガイドフレームとに連続する溝とのそれぞれに配置され、前記開口部の第1の長さに対応する長さで且つ少なくとも前記溝の深さを上回る高さを有し、当該配置された溝に沿って摺動可能な一対の積載ベースと、
    前記一対の積載ベースの相互間に着脱自在に設けられ、同一対の積載ベースを前記一方側と他方側の各溝に沿って共に摺動させるためのハンドル機構と、
    前記一方の積載ベースの上面と前記他方の積載ベースの上面とに渡って載置され、前記開口部の第1の長さに対応する奥行きで且つ同開口部の第2の長さに対応する幅を有する平板状の床部材と、
    を備えた開口部開閉装置。
  2. 前記一対のメインガイドフレームおよび前記一対の延長ガイドフレームそれぞれの溝の底面に設けられ、前記一対の積載ベースを当該溝に沿って摺動可能な摩擦係数を有するシート状の第1の摺動部材を備えた、
    請求項1に記載の開口部開閉装置。
  3. 前記一対の積載ベースそれぞれの下面に設けられ、当該積載ベースを前記メインガイドフレームおよび前記延長ガイドフレームそれぞれの溝に沿って摺動可能な摩擦係数を有するシート状の第2の摺動部材を備えた、
    請求項2に記載の開口部開閉装置。
  4. 前記一対の積載ベースそれぞれの上面に設けられるシート状の滑り止め部材を備えた、
    請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の開口部開閉装置。
  5. 前記一対のメインガイドフレームそれぞれの側面に沿って着脱自在に立設され、少なくとも前記開口部の第1の長さに対応する長さを有する第1および第2の手すりと、
    前記一対のメインガイドフレームそれぞれの他端側の相互間に着脱自在に立設され、少なくとも前記開口部の第2の長さに対応する長さを有する第3の手すりと、
    を備えた請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載の開口部開閉装置。
  6. 前記一方の積載ベースの上面と前記他方の積載ベースの上面とに渡って並列に載置される複数本の補強部材を備え、
    前記床部材は、前記一方の積載ベースの上面と前記他方の積載ベースの上面とに渡って前記複数本の補強部材を介して載置される、
    請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の開口部開閉装置。
  7. 床に設けられた開口部の平面方向の一方側と他方側に沿って並列に配置され、少なくとも当該並列に沿っている方向の前記開口部の第1の長さを上回る長さであって、当該長さの方向に上方を開口とする溝を有する一対のメインガイドフレーム、
    前記一対のメインガイドフレームの前記開口部の第1の長さに対応する方向の一端に着脱自在に連結され、少なくとも前記開口部の第1の長さを上回る長さであって、前記メインガイドフレームの溝を延長する同メインガイドフレームと同じ溝を有する一対の延長ガイドフレーム、
    前記一対の延長ガイドフレームの一端側の相互間と前記一対のメインガイドフレームの他端側の相互間とのそれぞれに、着脱自在に設けられ、前記一対のメインガイドフレームを配置した並列の幅に対応する長さの第1および第2のエンドフレーム、
    前記一方側のメインガイドフレームと延長ガイドフレームとに連続する溝と前記他方側のメインガイドフレームと延長ガイドフレームとに連続する溝とのそれぞれに配置され、前記開口部の第1の長さに対応する長さで且つ少なくとも前記溝の深さを上回る高さを有し、当該配置された溝に沿って摺動可能な一対の積載ベース、
    前記一対の積載ベースの相互間に着脱自在に設けられ、同一対の積載ベースを前記一方側と他方側の各溝に沿って共に摺動させるためのハンドル機構、
    前記一方の積載ベースの上面と前記他方の積載ベースの上面とに渡って載置され、前記開口部の第1の長さに対応する奥行きで且つ同開口部の第2の長さに対応する幅を有する平板状の床部材、
    を備える開口部開閉装置の前記一対の積載ベースを前記延長ガイドフレームが有する溝から前記メインガイドフレームが有する溝に渡って摺動させて移動させ、
    前記開口部を前記一対の積載ベースに載置されている前記床部材により閉じ、
    前記一対の積載ベースを前記メインガイドフレームが有する溝から前記延長ガイドフレームが有する溝に渡って摺動させて移動させ、
    前記開口部が前記床部材により閉じられた状態を解除する、
    開口部開閉方法。
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