JP2020193409A - スクリーンおよびスクリーン装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、この自立性および巻回性は、網戸用ネットとして用いられるスクリーンだけではなく、日除けや目隠しとして用いられるスクリーンにおいても同様に求められる。
本発明のスクリーン装置は、前述した本発明のスクリーンと、前記スクリーンを巻取りおよび送出し可能なロールとを備えることを特徴とする。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本実施形態に係るスクリーン装置1は、住宅や店舗等の建物2の窓3に対して室外側に設置されるものあり、スクリーン10と、スクリーン10を巻取りおよび送出し可能なロール20と、ロール20を収納する本体ボックス30とを備えている。本体ボックス30は窓3の上部外壁面に取り付けられている。ロール20はスクリーン10を巻き取る回転方向に弾性付勢されている。スクリーン10は、ロール20の弾性付勢に抗して引き出されることで、テラス等の床面4にフックを用いて係止可能である。スクリーン10の係止状態では、スクリーン10はロール20からの巻取り方向の張力を受けて撓みなく張られる。このようにスクリーン10が張られることで窓3の室外側が覆い隠される。
このように構成される緯糸16は、図6(A)および図6(B)に示すグラフにあるように、結晶化度が30%から70%の範囲で設定され、且つ、配向度が0.55から0.93の範囲で設定されることで、スクリーン10の曲げ硬さが0.25gf・cm2/cm以上1.00gf・cm2/cm以下の範囲に設定される。より好ましくは、結晶化度が40%から65%の範囲で設定され、且つ、配向度が0.60から0.75の範囲で設定されることで、スクリーン10の曲げ硬さが0.35gf・cm2/cm以上0.70gf・cm2/cm以下の範囲に設定される。
裏面12では、織目17を除いて経糸15の裏側に緯糸16が配置され、経糸15が4本の緯糸16を跨いだ状態で緯糸16と織られている。織目17は、X軸方向に沿って並んでおり、その間隔は緯糸16の4本分である。
表面11において緯糸16が経糸15を跨ぐ本数は、綾織や朱子織等の織り方によって2本以上とされていてもよく、例えば経糸15を3〜5本毎に跨ぐ構成としてもよく、経糸15を4本毎に跨ぐ構成としてもよい。裏面12において経糸15が緯糸16を跨ぐ本数についても同様としてよい。
また、スクリーン10は、例えば直径0.15mmの経糸15を75〜80本/インチ、本実施形態では78本/インチとした面と、直径0.30mmの緯糸16を75〜80本/インチ、本実施形態では78本/インチとした面との二面構造とすることで、高い遮蔽性能を有する。
補助緯糸40は、緯糸16と平行に延在しており、緯糸16,16間の隙間C1を埋めるように配置されている。補助緯糸40は、例えば表面11から見た場合に緯糸16の裏側に配置され、緯糸16と同様に複数本(図3では4本)の経糸15を跨いだ状態で経糸15と織られている。補助緯糸40と経糸15との織目42は、Y軸方向に沿って並んでおり、その間隔は経糸15の4本分である。補助緯糸40には、前述した経糸15と同材料、同形状、同寸法のものを用いてもよい。
この補助緯糸40は、前述した隙間C1を狭めると共に、緯糸16との間に経糸15を挟み込んでいる。このように補助緯糸40を設けることで、融着工程前に経糸15と緯糸16とが位置ズレするおそれをより低減できる。また、このスクリーン10では、直径0.15mmの経糸15を75〜80本/インチ、本実施形態では78本/インチとした面と、直径0.30mmの緯糸16を75〜80本/インチ、本実施形態では78本/インチとした面と、直径0.15mmの補助緯糸40を75〜80本/インチ、本実施形態では78本/インチとした面とによる三面構造となるので、遮蔽性能を向上できる。
補助緯糸40は、融着工程において織目42や経糸15との交点43で経糸15と融着されるため、製品段階で位置ズレを生じることがない。なお、本実施形態の緯糸16は、経糸15よりも直径が大きいので、経糸15との融着強度は、同径同士の融着強度に比べて弱い傾向にあるが、同径の補助緯糸40と経糸15とが強固に融着され、且つ、補助緯糸40が緯糸16と複雑に絡みついているため、目ズレの発生をより確実に防止できる。
補助緯糸50は、経糸15と同材料、同形状、同径寸法とされているが、異なるものであってもよい。このようにスクリーン10に補助緯糸50を加えて構成した場合においても、図4に示す補助緯糸40を加えた場合と同様に、緯糸16との間に経糸15を挟み込んでいるので、経糸15と緯糸16とが位置ズレすることを、より確実に防止できる。補助緯糸50は、融着工程において織目51や経糸15との交点52で経糸15と融着され、これにより、補助緯糸40の場合と同様に目ズレの発生を防止できる。
また、スクリーン10を網戸として用いる場合、開口率は例えば60%〜80%程度に設定され、経糸15および緯糸16はこの開口率を確保できる本数および間隔で製織されればよい。
[緯糸の結晶化度および配向度]
(1)結晶化度25% 配向度0.95
(2)結晶化度30% 配向度0.93
(3)結晶化度40% 配向度0.75
(4)結晶化度50% 配向度0.72
(5)結晶化度60% 配向度0.62
(6)結晶化度65% 配向度0.60
(7)結晶化度70% 配向度0.55
(8)結晶化度75% 配向度0.50
本実施例では、緯糸16の結晶化度および配向度は後述する表1の通りの関係性を有している。上記(1)〜(8)の緯糸16を採用して図3(A)および図3(B)に示すような生地としたスクリーン10とした場合、各スクリーン10の曲げ硬さは表1に示す通りとなる。補助緯糸40は前述した経糸15と同材料、同形状、同径寸法とされている。経糸15、緯糸16および補助緯糸40はそれぞれ78本/インチとされている。
上記(1)の緯糸16を有するスクリーン10の曲げ硬さは1.08gf・cm2/cmとなり、上記(2)の緯糸16を有するスクリーン10の曲げ硬さは1.00gf・cm2/cmとなり、上記(3)の緯糸16を有するスクリーン10の曲げ硬さは0.70gf・cm2/cmとなり、上記(4)の緯糸16を有するスクリーン10の曲げ硬さは0.60gf・cm2/cmとなり、上記(5)の緯糸16を有するスクリーン10の曲げ硬さは0.40gf・cm2/cmとなり、上記(6)の緯糸16を有するスクリーン10の曲げ硬さは0.35gf・cm2/cmとなり、上記(7)の緯糸16を有するスクリーン10の曲げ硬さは0.25gf・cm2/cmとなり、上記(8)の緯糸16を有するスクリーン10の曲げ硬さは0.18gf・cm2/cmとなった。
上記(1)〜(8)の緯糸16について、図3(A)および図3(B)に示すような生地としたスクリーン10の状態で自立性および巻回性の感性評価を行った。自立性は風圧の影響によるY軸方向の撓みを抑制可能な性能とし、巻回性は保管や運搬のためにロール状に巻回可能な性能とする(巻回性はロール20に巻き取ることによる収納性でもあり得る)。自立性は、スクリーン10を縦200mm、横300mmで裁断し自立するか否かを感性評価基準とした。巻回性は、スクリーン10を3.5m巻いた状態における巻き径が69mmよりも小さいか否かを感性評価基準とした。自立性および巻回性がそれぞれ評価基準を満たす場合には「〇」とし、上記評価基準を満たさない場合には「×」とし、「〇」と「×」の中間程度の評価は「△」とした。結果は表1の通りである。
上記(2)の緯糸16を有するスクリーン10は自立性「〇」、巻回性「△」であり、上記(7)の緯糸16を有するスクリーン10は自立性「△」、巻回性「〇」であった。このため上記(2)(7)の緯糸16を有するスクリーン10は本発明の目的とする自立性および巻回性の双方を一応兼ね備えていると評価される。
上記(3)〜(6)の緯糸16を有するスクリーン10は、自立性および巻回性ともに「〇」であった。このため、上記(3)〜(6)の緯糸16を有するスクリーン10は自立性および巻回性の双方を十分に兼ね備えていると評価される。従って、上記(2)〜(7)の緯糸16は本発明のスクリーン10を構成する緯糸16として採用でき、より好ましくは、上記(3)〜(6)の緯糸16を本発明のスクリーン10を構成する緯糸16として採用できる。
前記実施形態では、スクリーン装置1のスクリーン10は、窓3の室外側で日差しを遮断するロールスクリーンとしたが、これに限らず、埃や虫の侵入を防止する網戸等のネットに用いることができる。この場合、スクリーン10の開口率は適宜設定される。
前記実施形態では、経糸15や補助緯糸40,50は、芯鞘構造のモノフィラメント糸によって構成されているが、これに限らず、単層構造のモノフィラメント糸であってもよい。
前記実施形態では、緯糸16の直径は経糸15の直径よりも大きくされているが、例えば同径であってもよい。この場合でも、緯糸16は前述した結晶化度および配向度を有するので、自立性および巻回性の双方を十分に兼ね備えたスクリーン10を構成できる。
本発明のスクリーンは、経糸および緯糸を製織してロール状に巻回可能に形成されたスクリーンであって、前記経糸および前記緯糸は樹脂製のモノフィラメント糸によってそれぞれ形成され、前記経糸および前記緯糸の交点は融着され、前記スクリーンの曲げ硬さは0.25gf・cm2/cm以上1.00gf・cm2/cm以下の範囲に設定されることを特徴とする。
本発明のスクリーンによれば、緯糸の曲げ硬さを0.25gf・cm2/cm以上1.00gf・cm2/cm以下の範囲にある緯糸を構成することで、風圧の影響による撓みを抑制する自立性と、保管、運搬のためにロール状に巻回する巻回性との双方を得ることができる。
また、本発明のスクリーンは、前述したように巻回性を得られるので、当該スクリーンをロールに巻回して収納するロール網戸などのスクリーン装置に用いることができる。
このような構成によれば、緯糸の結晶化度を30%に設定し且つ配向度を0.93に設定した場合にはスクリーンの曲げ硬さを1.00gf・cm2/cmにでき、また、緯糸の結晶化度を70%に設定し且つ配向度を0.55に設定した場合にはスクリーンの曲げ硬さを0.25gf・cm2/cmにできて、単層構造の緯糸を備えたスクリーンの自立性および巻回性を向上できる。
また、直径が経糸よりも大きい緯糸によって当該緯糸に沿った方向におけるスクリーンの撓みをより効果的に抑制できる一方、直径が緯糸よりも小さい経糸を有するスクリーンの曲げ硬さを低く抑えることができて経糸に沿った方向における巻回性を向上できる。
このような構成によれば、緯糸の結晶化度を40%に設定し且つ配向度を0.75に設定した場合にはスクリーンの曲げ硬さを0.70gf・cm2/cmにでき、また、緯糸の結晶化度を65%に設定し且つ配向度を0.60に設定した場合にはスクリーンの曲げ硬さを0.35gf・cm2/cmにできて、単層構造の緯糸を備えたスクリーンの自立性および巻回性をより向上できる。
このような構成によれば、自立性および巻回性を兼ね備えたスクリーンを日除けとして好適に用いることができる。
このような構成によれば、自立性および巻回性を兼ね備えたスクリーンを網戸用ネットとして好適に用いることができる。
本発明のスクリーン装置によれば、前述した本発明のスクリーンの作用効果と同様の作用効果を発揮可能なスクリーン装置を構成できる。
Claims (6)
- 経糸および緯糸を製織してロール状に巻回可能に形成されたスクリーンであって、
前記経糸および前記緯糸は樹脂製のモノフィラメント糸によってそれぞれ形成され、
前記経糸および前記緯糸の交点は融着され、
前記スクリーンの曲げ硬さは0.25gf・cm2/cm以上1.00gf・cm2/cm以下の範囲に設定される
ことを特徴とするスクリーン。 - 請求項1に記載のスクリーンにおいて、
前記緯糸はポリプロピレンによって単層構造に形成され、
前記経糸および前記緯糸は直径0.10mmから0.50mmの範囲で形成され、
前記緯糸の直径は前記経糸の直径よりも大きい径寸法とされ、
前記緯糸の結晶化度は30%から70%の範囲に設定され、
前記緯糸の配向度は0.55から0.93の範囲に設定される
ことを特徴とするスクリーン。 - 請求項2に記載のスクリーンにおいて、
前記緯糸の結晶化度は40%から65%の範囲に設定され、
前記緯糸の配向度は0.60から0.75の範囲に設定され、
前記スクリーンの曲げ硬さは0.35gf・cm2/cm以上0.70gf・cm2/cm以下の範囲に設定される
ことを特徴とするスクリーン。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスクリーンにおいて、
前記スクリーンの表面および裏面のうちの一方の面では、前記緯糸が前記経糸を複数本跨いだ状態で織られ、
前記スクリーンの表面および裏面のうちの他方の面では、前記経糸が前記緯糸を複数本跨いだ状態で織られ、
前記スクリーンの開口面積は5%から15%の範囲で設定されている
ことを特徴とするスクリーン。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスクリーンにおいて、
前記スクリーンの表面および裏面のうちの一方の面では、前記緯糸が前記経糸を複数本跨いだ状態で織られ、
前記スクリーンの表面および裏面のうち他方の面では、前記経糸が前記緯糸を複数本跨いだ状態で織られ、
前記スクリーンの開口面積は60%から80%の範囲で設定されている
ことを特徴とするスクリーン。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスクリーンと、
前記スクリーンを巻取りおよび送出し可能なロールとを備える
ことを特徴とするスクリーン装置。
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