JP2020193370A - 高強度Pt合金 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温における耐酸化消耗性を確保しつつ、高温強度に優れるPt合金を提供する。【解決手段】Pt合金であって、Scを0.01〜3mass%と、Rhを3〜30mass%含み、残部がPtである、ことを特徴とするPt合金。【選択図】なし
Description
本発明は、高強度Pt合金に関する。
耐熱材料に使用されるPtは、純Pt、Pt合金等の形態で、高融点材料溶解坩堝や高温用器具等の構造材料、熱電対やヒーター線、温度センサー、スパークプラグ用電極等の電気材料として工業的に幅広く使用されている。PtにRhを添加したPtRh合金は、合金化によって純白金に比べ融点が高くなり、常用温度が高くでき、また酸化消耗に強いという特徴を有する。
特許文献1には、Wを0.5〜5.0mass%、Rhを1.0〜20.0mass%、残部をPtとする電極材料であり、従来のPtRh合金に比べて1000℃以上の熱処理を行った後の常温における引張強さが高くなることが記載されている。特許文献2には、酸化物分散型PtRh合金であって、 ZrおよびScの酸化物が添加された合金が開示されている。特許文献3には、酸化物分散型PtRh熱電対であって、 Zr、ScおよびCeの酸化物が添加された合金が開示されている。
耐熱材料として用いられるPtRh合金は、高温における良好な耐酸化消耗性を維持しつつ、高温強度をさらに高めることが求められている。特許文献1において、Pt-13重量%Rh合金にWを1〜3重量%添加した合金は、Pt-13Rh合金に比べて常温での引張強度が1.2倍〜1.4倍高い。一方、酸化物分散強化型合金は、原材料粉末に厳しい品質管理が求められる、端材などをリターン材として使用できない、延性が低く塑性加工が困難などの課題がある。
そこで、本発明の目的は、PtRh合金の高温における耐酸化消耗性を維持しつつ、高温強度に優れるPt合金を提供することである。
本発明者らは、アーク溶解法によりPt-Rh合金に第三元素を添加した固溶強化型合金を検討した。耐酸化消耗性を維持しながらより高温強度を増加させる添加元素を検討した結果、Scを添加元素として選定すると高温強度が顕著に増加することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
Scを0.01〜3mass%、
Rhを3〜30mass%以下含み、
残部がPtである、
ことを特徴とするPt合金である。
Scを0.01〜3mass%、
Rhを3〜30mass%以下含み、
残部がPtである、
ことを特徴とするPt合金である。
本発明によれば、高温における耐酸化消耗性を確保しつつ、高温強度に優れたPt合金を提供することができる。
本発明は、Scを0.01〜3mass%、Rhを3〜30mass%含み、残部がPtである、ことを特徴とするPt合金である。
Scを0.01〜3mass%含有するPtRh合金は、Scの固溶により高温強度が著しく改善される。例えば、Pt−10mass%Rh−1mass%Scの1400℃での高温強度(61MPa)は、Pt−10mass%Rhの1400℃での高温強度(30MPa)の2倍に増加する。また、Pt−20mass%Rh−1.5mass%Scの1400℃での高温強度(156MPa)は、Pt−20mass%Rhの1400℃での高温強度(59MPa)の2.6倍に増加する。
ScはPtに固溶するため固溶強化型合金を形成する。さらにPtとScの原子半径の差は例えば他の固溶元素よりも大きいため,固溶強化の程度が顕著に発現する。そのためPtRhSc合金では高温強度が顕著に増加すると考えられる。
Scを0.01〜3mass%含有するPtRh合金は、XRDにより単相の固溶体であることを確認した。
Scの含有量が0.01mass%を下回る場合には、Scの固溶が少なく強度が不十分である。一方、Scの含有量が3mass%を超える場合には、塑性変形能が低下して加工が困難になる。Scの含有量は0.05mass%以上が好ましい。Scの含有量は0.1mass%以上がより好ましい。また、Scの含有量は2.5mass%以下が好ましい。Scの含有量は2mass%以下がより好ましい。
Rhの含有量が3mass%を下回る場合には、合金の高温強度が低下する。一方、Rhの含有量が30mass%を超える場合には、加工性が低下する。Rhの含有量は4mass%以上が好ましい。Rhの含有量は5mass%以上がより好ましい。
上記の各合金は、酸化物や金属間化合物などの第2相を持たない固溶体であるため展延性が良好で、公知の温間加工又は熱間加工により、いろいろな形状・寸法に塑性加工することができ、機械加工及び溶接も容易である。
本発明の実施例について説明する。実施例及び比較例の合金の組成を表1に、試験結果を表2に示す。
まず、各原料粉末(Pt粉末、Rh粉末、Sc粉末)を所定の割合で混合し、混合粉末を作製した。次いで、得られた混合粉末を一軸加圧成形機を用いて成形し圧粉体を得た。得られた圧粉体をアーク溶解法により溶解し、インゴットを作製した。
まず、各原料粉末(Pt粉末、Rh粉末、Sc粉末)を所定の割合で混合し、混合粉末を作製した。次いで、得られた混合粉末を一軸加圧成形機を用いて成形し圧粉体を得た。得られた圧粉体をアーク溶解法により溶解し、インゴットを作製した。
次いで、作製したインゴットを1500℃以上で熱間鍛造し,1000℃〜1400℃で熱間圧延することでt1.0mmの板材を得た。
耐酸化消耗性の評価は、t1.0mmの板材を10×10mm角に切り出した試験片を用いて高温酸化試験により行った。高温酸化試験は、電気炉内に試験片をセットし、大気中、1000℃の条件で20時間保持した。耐酸化消耗性は、前記高温酸化試験における質量変化と定義した。質量変化ΔM(mg/mm2)は、試験片の試験前の質量をM0(mg)、試験後の質量をM1(mg)、試験片の試験前の表面積をS(mm2)とし、ΔM=(M1−M0)/Sの式から求めた。また、試験片の表面積S(mm2)は、試験片の寸法から算出した。ΔMが0に近いほど耐酸化消耗性が高いと言える。
高温強度は高温での引張試験によって引張強さを求めた。試験片は、板材からワイヤ放電加工により平行部が□(1.0×0.5mm)×L3mmとなるよう切り出した。引張試験の条件は、温度1400℃、大気中、クロスヘッド速度5mm/minとした。
表2に示すように、1000℃においてPt−20mass%Rh合金の耐酸化消耗性が0.000mg/mm2であるのに対し、Pt−20Rh−(0.2〜1.5)mass%Sc合金の耐酸化消耗性は−0.001〜+0.001mg/mm2となり、Scの添加前後で耐酸化消耗性はほぼ同等となった。
また、Pt−10mass%Rh−1mass%Scの1400℃での高温強度(61MPa)は、Pt−10mass%Rhの1400℃での高温強度(30MPa)の2倍に増加した。また、Pt−20mass%Rh−1.5mass%Scの1400℃での高温強度(156MPa)は、Pt−20mass%Rhの1400℃での高温強度(59MPa)の2.6倍に増加した。
このように、実施例の合金は高温強度が高く、かつ、耐酸化性が良好であり、耐熱材料として特に好ましい特性を有することが確認された。
また、実施例の合金はt1.0mmという板材にまで塑性加工ができ、さまざまな形状の製品が容易に得られることが示唆された。
Claims (1)
- Scを0.01〜3mass%、
Rhを3〜30mass%含み、
残部がPtである、
ことを特徴とするPt合金。
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JP2019099825A JP2020193370A (ja) | 2019-05-28 | 2019-05-28 | 高強度Pt合金 |
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JP2019099825A JP2020193370A (ja) | 2019-05-28 | 2019-05-28 | 高強度Pt合金 |
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JP2020193370A true JP2020193370A (ja) | 2020-12-03 |
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JP2019099825A Pending JP2020193370A (ja) | 2019-05-28 | 2019-05-28 | 高強度Pt合金 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111910099A (zh) * | 2020-06-24 | 2020-11-10 | 重庆材料研究院有限公司 | 核级铂电阻温度计用微细铂丝及制备方法 |
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2019
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CN111910099A (zh) * | 2020-06-24 | 2020-11-10 | 重庆材料研究院有限公司 | 核级铂电阻温度计用微细铂丝及制备方法 |
CN111910099B (zh) * | 2020-06-24 | 2022-03-08 | 重庆材料研究院有限公司 | 核级铂电阻温度计用微细铂丝及制备方法 |
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