JP2019218572A - 耐熱性Ir合金 - Google Patents

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俊介 横田
Shunsuke Yokota
俊介 横田
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Abstract

【課題】高温における耐酸化消耗性に優れるIr合金を提供する。【解決手段】Rhを30〜85mass%、Taを0.3〜5mass%、残部がIrである、ことを特徴とする耐熱性Ir合金。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性Ir合金に関する。
高温用るつぼ、耐熱器具、ガスタービン、スパークプラグ、高温用センサ、ジェットエンジンなどに用いる耐熱材料として種々の合金が開発されている。主な耐熱材料として耐熱鋼、ニッケル基超合金、白金合金、タングステンなどが挙げられる。耐熱鋼、ニッケル基超合金、白金合金などは固相点が2000℃未満でそれ以上の温度では使用できない。一方、タングステンやモリブデンなどの高融点金属は高温の大気中では酸化消耗が激しい。そこで高融点であって、かつ、耐酸化消耗性の高い耐熱材料としてIr合金が開発されている。
特許文献1には、内燃機関用スパークプラグの貴金属チップに用いる、Irの高温揮発性を防止するためにRhを3wt%〜30wt%添加したIrRh合金が開示されている。そのような合金を採用することにより高温耐熱性に優れ、耐消耗性を向上させるチップが得られることが記載されている。
特開平09−007733
耐熱材料として用いられるIr合金は、高温における耐酸化消耗性が求められている。
そこで、本発明の目的は、高温における耐酸化消耗性に優れるIr合金を提供することである。
本発明は、
Rhを30〜85mass%、
Taを0.3〜5mass%、
残部がIrである、
ことを特徴とする耐熱性Ir合金である。
上記の耐熱性Ir合金において、Irの一部をNi:0.3〜5mass%に置換してもよい。
本発明によれば、高温における耐酸化消耗性に優れるIr合金を提供することができる。
本発明は、Rhを30〜85mass%、Taを0.3〜5mass%、残部がIrである、ことを特徴とする耐熱性Ir合金である。
Rhを30〜85mass%含有するIr合金は、高温の大気又は酸化雰囲気において結晶粒界からのIrの酸化揮発が抑制され、耐酸化消耗性が著しく改善される。Rhの含有量が85mass%を超えると、融点及び再結晶温度が低下する。
Taを0.3〜5mass%含有するIrRh合金は、高温の酸化雰囲気でTaとRhの複合酸化膜を形成し,耐酸化消耗性が改善される。Taの含有量が0.3mass%を下回るとIrRh合金の耐酸化消耗性の改善が不十分である。一方、Taの含有量が5mass%を超えるとTaの酸化が顕著になり耐酸化消耗性が低下するとともに,塑性変形能が低下して加工が低下する。また、Taを0.3〜5mass%含有するIrRh合金は、Taによる固溶硬化により強度が向上する。Taの含有量は0.5mass%以上が好ましい。Taの含有量は0.7mass%以上がより好ましい。
上記の耐熱性Ir合金において、Ni:0.3〜5mass%をIrに置換してもよい。すなわち、上記の耐熱性Ir合金におけるIrの一部を、Ni:0.3〜5mass%に置き換えてもよい。
Niを0.3mass%以上含有するIrRhTa合金は固溶硬化がさらに進み高温強度が増す。Niの含有量が5mass%を超えると、融点および加工性が低下する。Niの含有量は0.5mass%以上が好ましい。
上記の各合金は、各々が第2相を持たない単相の固溶体であるため展延性が良好で、公知の温間加工又は熱間加工により、いろいろな形状・寸法に塑性加工することができ、機械加工及び溶接も容易である。
本発明の実施例について説明する。実施例及び比較例の合金の組成を表1に、試験結果を表2に示す。
まず、各原料粉末(Ir粉末、Rh粉末、Ta粉末、Ni粉末)を所定の割合で混合し、混合粉末を作製した。次いで、得られた混合粉末を一軸加圧成形機を用いて成形し圧粉体を得た。得られた圧粉体をアーク溶解法により溶解し、インゴットを作製した。
次いで、作製したインゴットを1500℃以上で熱間鍛造し、幅15mmの角棒とした。この角棒を1000℃〜1400℃で溝圧延、スウェージング加工及びダイス伸線加工してφ0.5mmの線材を得た。
加工性はインゴットから伸線までの上記加工工程にて、評価した。φ0.5の線材を得られたものを○、加工途中で割れが発生して線材が得られなかったものを×とした。
耐酸化消耗性の評価は、線材を長さ0.8mm切り出した各試験片を用いて高温酸化試験により行った。高温酸化試験は、電気炉内に試験片をセットし、大気中、1200℃の条件で20時間保持した。耐酸化消耗性は、前記高温酸化試験における質量変化と定義した。質量変化ΔM(mg/mm)は、試験片の試験前の質量をM0(mg)、試験後の質量をM1(mg)、試験片の試験前の表面積をS(mm)とし、ΔM=(M1−M0)/Sの式から求めた。また、試験片の表面積S(mm)は、試験片の寸法から算出した。
表2に示す結果から、実施例の合金は耐酸化性が良好であることが確認された。
また、実施例の合金はφ0.5mmという細線にまで塑性加工ができ、さまざまな形状の製品が容易に得られることが示唆された。
Figure 2019218572
Figure 2019218572

Claims (2)

  1. Rhを30〜85mass%、
    Taを0.3〜5mass%、
    残部がIrである、
    ことを特徴とする耐熱性Ir合金。
  2. Irの一部をNi:0.3〜5mass%に置換したことを特徴とする請求項1記載の耐熱性Ir合金。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7531194B2 (ja) 2020-11-30 2024-08-09 石福金属興業株式会社 耐熱性Ir合金線

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