JP2020192986A - 医薬品分配用治具および医薬品分配用セット - Google Patents

医薬品分配用治具および医薬品分配用セット Download PDF

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Isao Kojime
勲 甲〆
史穂 小見山
Shiho Komiyama
史穂 小見山
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Abstract

【課題】医薬品の分配に関する作業を容易に実施できる医薬品分配用治具および医薬品分配用セットを提供する。【解決手段】医薬品分配用治具は複数の医薬品用カップ60を支持する支持部30と、支持部30が重ねて配置された場合に重ねられた支持部30の間に隙間を形成するスペーサ50と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は医薬品分配用治具、および、これを備える医薬品分配用セットに関する。
医薬品の適切な管理という側面から、所定の服用期間に対応する医薬品を収容する複数の医薬品用カップが1つの集合体を構成する包装体が知られている。その一例である特許文献1に記載のお薬カレンダー(1)は薬剤(10)を収容する複数の収容部(1a)が接続部(2)を介して結合した収容部連接体、および、複数の収容部(1a)の開口部(3ab)を閉鎖する1枚のシート(5)を備える。服用者が薬剤(10)を服用する場合、服用分の収容部(1a)が収容部連接体から分離される。
特許第6035469号公報
例えば、服用者が自宅または老人福祉施設等の居所で在宅医療を受けている場合、服用者の居所において医薬品が服用者に分配されるケースがある。上記包装体では、医薬品を服用者に分配する場合、服用分の収容部(1a)を収容部連接体から分離するため、医薬品の分配に関する作業が煩雑である。
(1)本発明に関する医薬品分配用治具は複数の医薬品用カップを支持する支持部と、前記支持部が重ねて配置された場合に重ねられた前記支持部の間に隙間を形成するスペーサと、を備える。
上記医薬品分配用治具によれば、医薬品が収容された医薬品用カップを支持している支持部はスペーサを介して隙間をあけて重ねて配置される。医薬品用カップを支持部から取り外すことによって、医薬品用カップに収容されている医薬品を服用者に分配できるため、医薬品の分配に関する作業を容易に実施できる。
(2)好ましい例では(1)に記載の医薬品分配用治具において、前記支持部と繋がる基部を備える。
上記医薬品分配用治具によれば、容易に持ち運びできる。
(3)好ましい例では(2)に記載の医薬品分配用治具において、前記スペーサは前記基部に設けられる。
上記医薬品分配用治具によれば、構成を簡素化できる。
(4)好ましい例では(1)〜(3)のいずれか一項に記載の医薬品分配用治具において、前記支持部はバー形状である。
上記医薬品分配用治具によれば、構成を簡素化できる。
(5)好ましい例では(1)〜(4)のいずれか一項に記載の医薬品分配用治具において、前記支持部は前記医薬品用カップの収容部の形状に沿う凹部を含む。
上記医薬品分配用治具によれば、支持部に支持されている医薬品用カップの位置が安定する。
(6)好ましい例では(4)または(5)に記載の医薬品分配用治具において、前記支持部が重ねられた状態で設置面に置かれた場合に、前記支持部の長手方向において、前記複数の医薬品用カップが前記支持部に対してスライドできるように構成される。
上記医薬品分配用治具によれば、複数の医薬品用カップを支持部から容易に取り出すことができる。
(7)好ましい例では(6)に記載の医薬品分配用治具において、前記支持部はスライドされた前記複数の医薬品用カップを取り出すための開口部を備える。
上記医薬品分配用治具によれば、複数の医薬品用カップを支持部から一層容易に取り出すことができる。
(8)本発明に関する医薬品分配用セットは(1)〜(7)のいずれか一項に記載の医薬品分配用治具と、前記医薬品分配用治具を収容する収容ボックスと、を含む。
上記医薬品分配用セットによれば、医薬品用カップおよび医薬品分配用治具が保護される。
本発明に関する医薬品分配用治具および医薬品分配用セットによれば、医薬品の分配に関する作業を容易に実施できる。
実施形態の医薬品分配用セットの斜視図。 図1の収容ボックスに収容されている小セットの斜視図。 図2の医薬品用カップの分解斜視図。 図2の医薬品分配用治具の平面図。 図2の小セットが重ねて配置されている状態の側面図。 医薬品用カップに対する支持部の位置が第2位置の状態における小セットの側面図。 図1の収容ボックスの展開図。 医薬品分配用セットの製造に関するカップ配置工程を示す図。 医薬品分配用セットの製造に関する治具配置工程を示す図。 医薬品分配用セットの製造に関する収容工程を示す図。 医薬品分配用セットの製造に関する収容工程を示す図。 医薬品分配用セットから医薬品用カップを取り出す工程を示す図。 医薬品分配用セットから医薬品用カップが取り出された状態を示す図。
(実施形態)
図1に示される医薬品分配用セット1は1人または複数人の服用者が服用する医薬品を服用者に分配するために用いられる。医薬品は例えば処方箋医薬品である。医薬品分配用セット1が使用される場所(以下では、「分配場所」という)は多種多様である。分配場所の一例は服用者が入居する老人福祉施設、服用者の自宅、および、服用者が入院する病院である。分配場所には、医薬品を服用者に分配するための担当者(以下では、「分配担当者」という)が滞在する。分配場所が老人福祉施設の場合、分配担当者は例えば、薬剤師、看護師、介護福祉士、介護支援専門員、および、社会福祉士である。分配場所が服用者の自宅の場合、分配担当者は服用者の家族、看護師、および、訪問介護員である。分配場所が病院の場合、分配担当者は例えば、看護師である。分配担当者は服用者に医薬品を分配する場合、必要に応じてその場で医薬品の服用の仕方を服用者に説明する。
医薬品分配用セット1を構成する主な要素は1または複数の小セット10(図2参照)、および、収容ボックス70である。小セット10は収容ボックス70に収容される。このため、小セット10が保護される。医薬品分配用セット1に複数の小セット10が含まれる場合、複数の小セット10が重ねられた状態で収容ボックス70に収容される。小セット10は服用条件に応じて分類された複数の医薬品を収容している。収容ボックス70は小セット10を移動させるための梱包箱としての用途だけではなく、分配場所において小セット10を収容する棚として用いることもできる。
収容ボックス70は小セット10の形状に合わせて構成された専用のケースである。収容ボックス70を構成する材料は任意に選択可能である。好ましい例では、収容ボックス70は小セット10を収容している状態で外部から力が加えられた場合でも小セット10の変形および破損等が生じないように小セット10を適切に保護できる材料によって構成される。その一例は、合成樹脂、段ボール、および、金属である。より好ましい例では、医薬品分配用セット1を取り扱う分配担当者の負荷が軽減されるように軽量な材料が用いられる。
収容ボックス70は底壁71、正面壁72、背面壁73、一対の上壁74A、74B、一対の側壁75A、75B、および、複数の連結壁76を備える。底壁71は1または複数の小セット10が載せられる。底壁71の長手方法の長さLAは収容ボックス70の幅方向を規定する。底壁71の短手方向の長さLBは収容ボックス70の奥行き方向を規定する。正面壁72、背面壁73、一対の側壁75A、75Bは底壁71と繋がる。上壁74Aは正面壁72と繋がる。上壁74Aには、図1に示される閉じられた状態の収容ボックス70を開くときに分配担当者等の手が挿入できる貫通孔74AXが設けられる。上壁74Bは背面壁73と繋がる。上壁74Bには、上壁74Aと同様に貫通孔74BXが設けられる。
複数の連結壁76は第1連結壁76A、第2連結壁76B、第3連結壁76C、第4連結壁76D、第5連結壁76E、および、第6連結壁76Fを含む。第1連結壁76Aは側壁75Aと背面壁73とを連結する。第2連結壁76Bは側壁75Aと正面壁72とを連結する。第3連結壁76Cは側壁75Bと背面壁73とを連結する。第4連結壁76Dは側壁75Bと正面壁72とを連結する。第5連結壁76Eは側壁75Aと、上壁74A、74Bとを連結する。第6連結壁76Fは側壁75Bと、上壁74A、74Bとを連結する。
図7に示されるように、収容ボックス70は複数の連結壁76と、正面壁72、背面壁73、上壁74A、74B、および、側壁75A、75Bとを連結するための連結部材80をさらに備える。連結部材80の一例は面ファスナーである。連結部材80は第1連結部材81、第2連結部材82、第3連結部材83、第4連結部材84、第5連結部材85、第6連結部材86、第7連結部材87、および、第8連結部材88を含む。
第1連結部材81は背面壁73の外面、および、第1連結壁76Aの内面に設けられる。第1連結部材81が結合することによって、背面壁73と第1連結壁76Aとが連結される。第2連結部材82は背面壁73の外面、および、第3連結壁76Cの内面に設けられる。第2連結部材82が結合することによって、背面壁73と第3連結壁76Cとが連結される。第3連結部材83は上壁74Bの内面、および、第5連結壁76Eの外面に設けられる。第3連結部材83が結合することによって、上壁74Bと第5連結壁76Eとが連結される。第4連結部材84は上壁74Bの内面、および、第6連結壁76Fの外面に設けられる。第4連結部材84が結合することによって、上壁74Bと第6連結壁76Fとが連結される。第5連結部材85は上壁74Aの内面、および、第5連結壁76Eの外面に設けられる。第5連結部材85が結合することによって、上壁74Aと第5連結壁76Eとが連結される。第6連結部材86は上壁74Aの内面、および、第6連結壁76Fの外面に設けられる。第6連結部材86が結合することによって、上壁74Aと第6連結壁76Fとが連結される。第7連結部材87は正面壁72の外面、および、第2連結壁76Bの内面に設けられる。第7連結部材87が結合することによって、正面壁72と第2連結壁76Bとが連結される。第8連結部材88は正面壁72の外面、および、第4連結壁76Dの内面に設けられる。第8連結部材88が結合することによって、正面壁72と第4連結壁76Dとが連結される。
図2に示される小セット10は医薬品分配用治具20、および、複数の医薬品用カップ60を備える。医薬品用カップ60は医薬品の保護に適した樹脂材料によって構成される。好ましい例では、医薬品用カップ60は医薬品が収容された状態で監査を実施できるように透明の樹脂材料によって構成される。
図3に示されるように、医薬品用カップ60は収容部61、フランジ62、および、蓋63に区分される。収容部61には、医薬品を収容する収容空間61A、および、収容空間61Aに対して医薬品を出し入れするための開口61Bが形成される。収容部61は開口61Bから底61Cに向かうにつれて先細りとなる形状である。フランジ62は開口61Bの周囲に設けられる。医薬品用カップ60には、服用条件に従って分類される1または複数種類の医薬品100が収容される。服用条件の一例は1日における服用時期、および、服用日数である。好ましい例では、1回の服用分の医薬品100が1つの医薬品用カップ60の収容部61に収容される。
蓋63は開口61Bを閉じるようにフランジ62に接合される。蓋63の表面63Aには、収容部61に収容された医薬品に関する情報(以下では、「医薬品情報」という)を表示する表示部64が設けられる。このため、分配担当者は医薬品情報を容易に把握できる。医薬品情報は1種類または複数種類の情報を含む。医薬品情報の一例は、服用者の氏名、医薬品を服用する日付、医薬品の服用時期、および、医薬品の薬品名である。好ましい例では、表示部64は服用者の個人情報保護のための構成をさらに含む。第1例では、医薬品情報が1次元コードまたは2次元コードにより表示される。第2例では、医薬品情報が直接的に視認できないように個人情報保護シールが表示部64に貼り付けられる。図3に示される例では、表示部64は時期表示部64Aおよび書誌情報表示部64Bを含む。時期表示部64Aは収容部61に収容される医薬品100の服用時期を文字により表示している。書誌情報表示部64Bは医薬品の服用者の氏名、および、医薬品を服用する日付を1次元コードにより表示している。なお、図2、図8、図9、図12、および、図13では、表示部64の図示を省略している。
1つの小セット10に含まれる医薬品用カップ60の数は任意に選択可能である。図2等に示される例では、1つの小セット10には、21個の医薬品用カップ60が含まれる。1つの小セット10に含まれる複数の医薬品用カップ60にはそれぞれ、例えば、同一の服用者の1日における服用時期が同じである医薬品が収容される。1日における服用時期は例えば、朝、昼、または、夜である。図2等に示される例では、1つの小セット10には、同一の服用者の1日における服用時期が同じである21日分の医薬品が含まれる。1つの医薬品分配用セット1に含まれる小セット10の数は任意に選択可能である。図5等に示される例では、1つの医薬品分配用セット1には、6つの小セット10が含まれる。6つの小セット10はそれぞれ異なる服用者の1日における服用時期が同じ医薬品が収容される。換言すれば、図5等に示される例では、6つの小セット10には、異なる6人の服用者の1日における服用時期が同じ医薬品がそれぞれ収容される。
図4に示されるように、医薬品分配用治具20は複数の支持部30、基部40、および、スペーサ50を備える。医薬品分配用治具20を構成する材料は任意に選択可能である。好ましい例では、医薬品分配用治具20は分配担当者等が容易に持ち運びできるように軽量な材料によって構成される。その一例は、アクリル樹脂、および、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)である。1つの医薬品分配用治具20に含まれる支持部30の数は任意に選択可能である。図4等に示される例では、1つの医薬品分配用治具20は8本の支持部30を含む。複数の支持部30の形状は任意に選択可能である。図4等に示される例では、複数の支持部30はバー形状である。このため、医薬品分配用治具20の構成を簡素化できる。
複数の支持部30は隣り合う一対の支持部30によって医薬品用カップ60を支持する。医薬品用カップ60のうちの複数の支持部30によって支持される部分は任意に選択可能である。図6等に示される例では、複数の支持部30は医薬品用カップ60の収容部61を支持する。別の例では、複数の支持部30は医薬品用カップ60のフランジ62を支持する。医薬品用カップ60に対する複数の支持部30の位置は図5に示される第1位置、および、図6に示される第2位置を含む。第1位置は複数の支持部30が重ねられた状態で設置面200に置かれた場合に、支持部30の長手方向において、複数の医薬品用カップ60が支持部30に対してスライドできる位置である。このため、複数の医薬品用カップ60を支持部30から容易に取り出すことができる。収容ボックス70における設置面200は底壁71である。第1位置においては、支持部30と収容部61との間に隙間が形成されることが好ましい。第2位置は支持部30の長手方向において、複数の医薬品用カップ60が支持部30に対してスライドできない位置である。第2位置は、例えば、投入装置(図示略)によって複数の医薬品用カップ60に医薬品が投入されたあと、小セット10を収容ボックス70に運ぶときに取り得る位置である。
複数の支持部30の長手方向の長さLCは任意に選択可能である。好ましい例では、長さLCは隣り合う一対の支持部30によって支持される医薬品用カップ60の個数に基づいて決められる。図4等に示される例では、長さLCは隣り合う一対の支持部30によって3個の医薬品用カップ60を支持できる長さに設定される。
支持部30には、第2位置において、医薬品用カップ60の収容部61を支持するための凹部31が設けられる。このため、第2位置において、支持部30に支持されている医薬品用カップ60の位置が安定する。凹部31の形状は収容部61の形状に沿う形状である。一例では、凹部31の形状は円弧である。凹部31の形状が円弧である場合の凹部31の曲率半径Rは任意に選択可能である。好ましい例では、曲率半径Rは図5に示される第1位置の場合に、凹部31と収容部61との間に隙間が形成され、かつ、図6に示される第2位置の場合に、凹部31の内面31Aと収容部61とが接触することができる値である。
基部40は複数の支持部30が並べられる方向に延びる。複数の支持部30の長手方向の一方の端部30Aは基部40と繋がる。このため、医薬品分配用治具20を容易に持ち運びできる。隣り合う一対の支持部30のうち、長手方向の他方の端部30Bには、開口部30Cが設けられる。第1位置において支持部30の長手方向にスライドされた複数の医薬品用カップ60は開口部30Cを通過して医薬品分配用治具20から取り出される。このため、複数の医薬品用カップ60を支持部30から容易に取り出すことができる。
スペーサ50は収容ボックス70内で支持部30が重ねて配置された場合に、高さ方向において隣り合う支持部30の間に隙間を形成するために設けられる。スペーサ50は基部40の下面41から延びる第1スペーサ51、および、基部40の上面42から延びる第2スペーサ52を含む。スペーサ50が基部40に設けられるため、医薬品分配用治具20の構成を簡素化できる。第1位置において、重ねて配置された複数の医薬品分配用治具20のうちも最も下に位置する医薬品分配用治具20(以下では、「最下方の医薬品分配用治具20」という)の第1スペーサ51は設置面200と接する。第1位置において、最下方の医薬品分配用治具20よりも上方に位置する医薬品分配用治具20の第1スペーサ51は1つ下方の医薬品分配用治具20の第2スペーサ52と接する。
小セット10は収容ボックス70の幅方向および奥行き方向において収容ボックス70にフィットするように構成されている。このため、医薬品分配用セット1を持ち運ぶときに収容ボックス70内での小セット10の移動がより確実に抑えられ、小セット10が変形および破損するおそれが一層低減される。収容ボックス70と小セット10とをフィットさせるための具体的な構成は任意に選択可能である。一例では、支持部30の長さLC(図4参照)、および、基部40の長手方向の長さLD(図4参照)が次のように設定されることにより、収容ボックス70と小セット10とがフィットする。支持部30の長さLCは収容ボックス70の底壁71の短手方向の長さLB(図7参照)よりも若干短い。基部40の長手方向の長さLDは収容ボックス70の底壁71の長手方向の長さLA(図7参照)よりも若干短い。このため、収容ボックス70に小セット10が収容された状態において、収容ボックス70の内面と医薬品分配用治具20の外周との間には、微小な隙間が形成される。収容ボックス70の幅方向および奥行き方向において医薬品分配用治具20が収容ボックス70に対して移動できる範囲は、この微小な隙間に制限される。このような収容ボックス70と医薬品分配用治具20との関係が収容ボックス70と小セット10とがフィットした状態の一例である。
医薬品分配用セット1の製造方法の一例について説明する。一例では、投入装置および閉鎖装置が設置された分配場所または薬局において、薬剤師等によって医薬品分配用セット1の製造が実施される。投入装置は医薬品用カップ60に規定の分量の医薬品を投入する装置である。投入装置としては、例えば、特許第6035469号公報に記載の装置を用いることができる。閉鎖装置は規定の分量の医薬品が投入された医薬品用カップ60に蓋63を接合する装置である。医薬品分配用セット1の製造はカップ配置工程、薬投入工程、治具セット工程、監査工程、搬送工程、蓋取付工程、および、収容工程を含む。
図8に示されるように、カップ配置工程では、投入装置の台300の孔310のそれぞれに医薬品用カップ60の収容部61が挿入される。カップ配置工程のあとに薬投入工程が実施される。薬投入工程では、投入装置が駆動することによって、複数の医薬品用カップ60の収容部61のそれぞれに規定の分量の薬が投入される。薬投入工程の別の例では、薬剤師等によって、複数の医薬品用カップ60の収容部61のそれぞれに規定の分量の薬が投入される。薬投入工程のあとに治具セット工程が実施される。図9に示されるように、治具セット工程では、医薬品が投入された複数の医薬品用カップ60のフランジ62と台300との隙間に複数の支持部30が挿入される。治具セット工程のあとに監査工程が実施される。
監査工程では、例えば、カメラによって医薬品用カップ60の収容部61が撮影される。薬剤師等はカメラによって撮影された画像に基づいて、収容部61に規定数の薬が存在するか否かを確認する。監査工程が実施されたあとに搬送工程が実施される。搬送工程では薬剤師等によって基部40が掴まれて持ち上げられることによって、図6に示されるように、医薬品用カップ60に対する支持部30の位置が第2位置となる。次に、医薬品分配用治具20および医薬品用カップ60が閉鎖装置の台に搬送され、閉鎖装置の台の孔のそれぞれに医薬品用カップ60の収容部61が挿入される。閉鎖装置の台の構成は投入装置の台300の構成と同様である。
搬送工程のあとに分離工程が実施される。分離工程では、閉鎖装置の台に対して医薬品分配用治具20がスライドすることによって、複数の医薬品用カップ60の相対的な位置関係が崩れることなく医薬品分配用治具20が複数の医薬品用カップ60から離れる。分離工程のあとに蓋取付工程が実施される。蓋取付工程では、閉鎖装置によって複数の医薬品用カップ60のそれぞれに蓋63が接合される。蓋取付工程のあとに収容工程が実施される。
図10に示されるように、収容工程では、例えば、正面壁72および側壁75Bが開口するように収容ボックス70が組み立てられ、図11に示すように、複数の小セット10が重ねて配置される。収容ボックス70に収容される全ての小セット10の収容が完了したあと、正面壁72および側壁75Bが閉じるように組み立てられ、図1に示される医薬品分配用セット1が完成する。
医薬品分配用セット1の使用方法の一例について説明する。
例えば、分配場所が老人福祉施設の場合、同一フロアに入居する服用者(以下では、「服用者グループ」という)が同じテーブルに集められる。分配担当者は服用者グループに対応する医薬品分配用セット1をテーブルに運び、図12に示されるように、上壁74Bおよび背面壁73を開口する。分配担当者は収容ボックス70内に重ねて配置されている複数の小セット10のうちの最も上方の小セット10の医薬品用カップ60と、同じ列の最も下方の医薬品用カップ60を指で挟む。図13に示されるように、複数の医薬品用カップ60を医薬品分配用治具20に対して開口部30C側にスライドさせることによって、縦一列分の複数の医薬品用カップ60が収容ボックス70から同時に取り出される。取り出された縦一列分の複数の医薬品用カップ60には、服用者グループに含まれる服用者の1日における服用時期が同じ医薬品100がそれぞれ収容されているため、分配担当者は服用者グループに医薬品100を容易に分配できる。
医薬品分配用治具20および医薬品分配用セット1によれば、次のような作用および効果が得られる。
収容ボックス70内において、支持部30はスペーサ50を介して隙間をあけて重ねて配置される。医薬品用カップ60を支持部30から取り出すことによって、医薬品用カップ60に収容されている医薬品100を服用者に分配できるため、医薬品100の分配に関する作業を容易に実施できる。
(変形例)
上記実施形態は本発明に関する医薬品分配用治具および医薬品分配用セットが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関する医薬品分配用治具および医薬品分配用セットは実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
・医薬品分配用治具20の構成は任意に変更可能である。変形例の医薬品分配用治具20はスペーサ50が基部40に対して着脱可能に構成される、または、スペーサ50が収容ボックス70に対して着脱可能に構成される。
・収容ボックス70の構成は任意に変更可能である。変形例の医薬品分配用セット1の収容ボックス70は小セット10を収容できるように構成される箱、および、箱に設けられる開口を開閉するための蓋を備える。この変形例では、収容ボックス70の蓋は開口を開放している状態において箱と接続されるように構成されてもよく、箱と分離されるように構成されてもよい。
1 :医薬品分配用セット
20 :医薬品分配用治具
30 :支持部
30C:開口部
31 :凹部
40 :基部
50 :スペーサ
60 :医薬品用カップ
61 :収容部
70 :収容ボックス
100:医薬品
200:設置面

Claims (8)

  1. 複数の医薬品用カップを支持する支持部と、
    前記支持部が重ねて配置された場合に重ねられた前記支持部の間に隙間を形成するスペーサと、を備える
    医薬品分配用治具。
  2. 前記支持部と繋がる基部を備える
    請求項1に記載の医薬品分配用治具。
  3. 前記スペーサは前記基部に設けられる
    請求項2に記載の医薬品分配用治具。
  4. 前記支持部はバー形状である
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬品分配用治具。
  5. 前記支持部は前記医薬品用カップの収容部の形状に沿う凹部を含む
    請求項4に記載の医薬品分配用治具。
  6. 前記支持部が重ねられた状態で設置面に置かれた場合に、前記支持部の長手方向において、前記複数の医薬品用カップが前記支持部に対してスライドできるように構成される
    請求項4または5に記載の医薬品分配用治具。
  7. 前記支持部はスライドされた前記複数の医薬品用カップを取り出すための開口部を備える
    請求項6に記載の医薬品分配用治具。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の医薬品分配用治具と、
    前記医薬品分配用治具を収容する収容ボックスと、を含む
    医薬品分配用セット。
JP2019098347A 2019-05-27 2019-05-27 医薬品分配用治具および医薬品分配用セット Pending JP2020192986A (ja)

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