JP2020192825A - 車両用窓枠の接着構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の窓開口部に対する接着強度を安定して確保できると共に、低コストで加工できるアルミサッシュ製の車両用窓枠の接着構造を提供する。【解決手段】車体1の側面に形成された窓開口部11にアルミサッシュ製の窓枠2が接着剤3を介して接着固定される車両用窓枠の接着構造10である。窓枠の窓開口部に対する接着固定面21には、パルスファイバーレーザのレーザ光4によるスポット痕41が当該接着固定面の平面上で直交するX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔X1、Y1で形成されている。【選択図】 図5

Description

本発明は、車両用窓枠の接着構造に関し、詳しくは、車体に形成された窓開口部にアルミサッシュ製の窓枠を接着した車両用窓枠の接着構造に関する。
近年、マイクロバスや観光バス等の車体では、その側面に形成された窓開口部にアルミサッシュ製の窓枠が接着剤を介して固定される構造が採られており、例えば、特許文献1にその車両用窓枠の接着構造が開示されている。すなわち、図16に示すように、車体100の窓開口部101は、アウターパネル102が接合されたベルトラインリインフォース103の窓フランジ部103fとインナーパネル104の窓フランジ部104fとを接合して形成されている。また、窓枠105は、アルミ合金製の枠体であり、その枠体内に可動ガラス106が車両前後方向へ開閉スライド可能に嵌め込まれている。窓枠105の固定フランジ部105fには、ウレタン接着剤107が塗布されており、窓枠105は、ウレタン接着剤107を介してベルトラインリインフォース103の窓フランジ部103fに接着固定されている。なお、インナーパネル104には、室内用の内装材108が係止されている。
ここで、窓枠105は、アルミ合金製の枠体であるので、その表面にはアルマイト皮膜が形成されている。アルマイト皮膜は、耐食性や耐摩耗性等を高める効果がある反面、撥水性も高めるので、ウレタン接着剤107の下地となるプライマー(接着補助剤)をはじき易く、窓開口部101に対する接着強度が低下するという問題があった。そのため、窓枠105の固定フランジ部105fは、その表面のアルマイト皮膜をサンドペーパー等を用いて粗面化した上で、プライマー(接着補助剤)とウレタン接着剤107とを塗布する必要があった。
特開2018−12358号公報
しかしながら、サンドペーパー等を用いて粗面化する場合には、砥粒が必ずしも均一ではないので、アルマイト皮膜の表面に形成される凹凸形状が成り行き任せとなって、必要な接着強度を安定して確保するのが容易ではなかった。また、サンドペーパー等の消費量が多く、アルマイト皮膜の粗面化に必要な加工コストが高くなるという問題もあった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、車両の窓開口部に対する接着強度を安定して確保できると共に、低コストで加工できるアルミサッシュ製の車両用窓枠の接着構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用窓枠の接着構造は、次のような構成を有している。
(1)車体の側面に形成された窓開口部にアルミサッシュ製の窓枠が接着剤を介して接着固定される車両用窓枠の接着構造であって、
前記窓枠の前記窓開口部に対する接着固定面には、パルスファイバーレーザのレーザ光によるスポット痕が当該接着固定面の平面上で直交するX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔で形成されていることを特徴とする。
本発明においては、窓枠の窓開口部に対する接着固定面には、パルスファイバーレーザのレーザ光によるスポット痕が当該接着固定面の平面上で直交するX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔で形成されているので、窓枠における接着固定面のアルマイト皮膜に対して、略同一形状の凹み痕を、窓枠の接着固定面の平面上に略均一に分布して形成することができる。そのため、アルマイト皮膜のプライマー(接着補助剤)に対する撥水性を低減すると共に接着剤に対するアンカー効果を高めることによって、車体の窓開口部に対する窓枠の接着強度を安定して確保することができる。また、窓枠の接着固定面には、パルスファイバーレーザのレーザ光によるスポット痕が形成されているので、サンドペーパー等のように消耗に伴う加工コストの増加を回避できる。
よって、本発明によれば、車両の窓開口部に対する接着強度を安定して確保できると共に、低コストで加工できるアルミサッシュ製の車両用窓枠の接着構造を提供することができる。
(2)(1)に記載された車両用窓枠の接着構造において、
前記X軸方向は、車両の上下方向を意味し、前記Y軸方向は、車両の前後方向を意味することを特徴とする。
本発明においては、X軸方向は、車両の上下方向を意味し、Y軸方向は、車両の前後方向を意味するので、パルスファイバーレーザのレーザ光によるスポット痕を窓枠の接着固定面の平面上で車両の上下方向と前後方向でそれぞれ所定の間隔で形成することができる。そのため、窓枠の接着強度を、車両の走行停止や上下振動などの負荷を受けやすい車両の前後方向と車両の上下方向において、それぞれ安定して確保することができる。
(3)(1)又は(2)に記載された車両用窓枠の接着構造において、
前記接着固定面に形成された前記スポット痕のX軸方向の間隔とY軸方向の間隔は、前記接着固定面に塗布した前記接着剤の剥離試験において、前記接着剤の塗布面積に対する凝集破壊面積の占める割合が、所定の基準値を満たすように設定されていることを特徴とする。
本発明においては、接着固定面に形成されたスポット痕のX軸方向の間隔とY軸方向の間隔は、接着固定面に塗布した接着剤の剥離試験において、接着剤の塗布面積に対する凝集破壊面積の占める割合が、所定の基準値を満たすように設定されているので、窓枠の窓開口部に対する接着強度を、強度バラつきの少ない接着剤自身の特性に基づいて評価できる。その結果、当該接着強度を、より一層安定して確保することができる。
(4)(1)又は(2)に記載された車両用窓枠の接着構造において、
前記接着固定面に形成された前記スポット痕のX軸方向の間隔とY軸方向の間隔は、前記窓枠の着色ごとに行う前記接着固定面に塗布した前記接着剤の剥離試験において、前記接着剤の塗布面積に対する凝集破壊面積の占める割合が、所定の基準値を満たす共通の良品領域内に入るように設定されていることを特徴とする。
本発明においては、接着固定面に形成されたスポット痕のX軸方向の間隔とY軸方向の間隔は、窓枠の着色ごとに行う接着固定面に塗布した接着剤の剥離試験において、接着剤の塗布面積に対する凝集破壊面積の占める割合が、所定の基準値を満たす共通の良品領域内に入るように設定されているので、窓枠の窓開口部に対する接着強度を、窓枠の着色違いによるレーザ光の反射率の差異に影響されず、強度バラつきの少ない接着剤自身の特性に基づいて評価できる。その結果、当該接着強度を、より一層安定して確保することができる。また、共通の良品領域内では、着色の異なる窓枠に対して、同一の条件でパルスファイバーレーザのレーザ光を照射できるので、より低コストで加工できる。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載された車両用窓枠の接着構造において、
前記接着固定面には、前記スポット痕がX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔で連続して複数個形成されたスポット痕連続領域が、前記スポット痕のない溝状繋ぎ部を挟んで繰り返し状に形成されていることを特徴とする。
本発明においては、接着固定面には、スポット痕がX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔で連続して複数個形成されたスポット痕連続領域が、スポット痕のない溝状繋ぎ部を挟んで繰り返し状に形成されているので、パルスファイバーレーザのレーザ光を接着固定面に照射する際、所定の照射範囲(ガルバノスキャナのスキャナエリア)毎に溝状繋ぎ部を挟んでレーザ光を照射するガルバノスキャナをX軸方向又はY軸方向に移動させることによって、接着固定面がX軸方向又はY軸方向に長く延伸されている場合においても、接着固定面の全範囲に亘ってスポット痕を連続的に形成することができる。
(6)(5)に記載された車両用窓枠の接着構造において、
前記溝状繋ぎ部は、X軸方向に形成されたX軸溝状繋ぎ部とY軸方向に形成されたY軸溝状繋ぎ部とがクランク状に連結されて形成されていることを特徴とする。
本発明においては、溝状繋ぎ部は、X軸方向に形成されたX軸溝状繋ぎ部とY軸方向に形成されたY軸溝状繋ぎ部とがクランク状に連結されて形成されているので、溝状繋ぎ部に直角状に屈曲させた屈曲部を形成でき、屈曲部又は上下の屈曲部の中間域に構成される堰部によって室内側等への水の侵入を抑制することができる。
(7)(5)又は(6)に記載された車両用窓枠の接着構造において、
前記溝状繋ぎ部は、複数個に分割して形成され、分割された前記溝状繋ぎ部の間には、隣接する前記スポット痕連続領域を部分的にラップさせたラップ部が形成されていることを特徴とする。
本発明においては、溝状繋ぎ部は、複数個に分割して形成され、分割された溝状繋ぎ部の間には、隣接するスポット痕連続領域を部分的にラップさせたラップ部が形成されているので、スポット痕連続領域を部分的にラップさせたラップ部において、接着剤と接着固定面との接着強度や接着耐久性を高めることができる。そのため、スポット痕のない溝状繋ぎ部において、接着剤と接着固定面との間に僅かな隙間が生じることがあっても、ラップ部に接着された接着剤によって室内側等への水の侵入を抑制することができる。
本発明によれば、車両の窓開口部に対する接着強度を安定して確保できると共に、低コストで加工できるアルミサッシュ製の車両用窓枠の接着構造を提供することができる。
本発明の実施形態に係る車両用窓枠の接着構造を備えた車両の概略側面図である。 図1に示すA−A断面図である。 図2に示す窓枠の室内側から見た側面図である。 図3に示す窓枠の接着固定面にパルスファイバーレーザのレーザ光によるスポット痕を形成するレーザ加工機システムの概念図である。 図4に示すレーザ加工機システムによってレーザ光によるスポット痕を形成した接着固定面の概略斜視図である。 図5に示すC−C断面図である。 図5に示すスポット痕のX軸方向のラップ率(Xラップ率)とY軸方向のラップ率(Yラップ率)との組み合わせ水準を表す概念図である。 図2に示す窓枠の接着固定面に塗布した接着剤の剥離試験を表す概念図である。(A)は、剥離試験方法を表す斜視概念図を示し、(B)は、図8(A)に示す剥離部のD視平面図を示す。 図7に示すスポット痕のXラップ率とYラップ率との組み合わせ水準について、実験計画法に基づいて図8に示す剥離試験を行ったときの接着強度特性値(CF含有率)の一覧図である。 図9に示す接着強度特性値(CF含有率)の測定データに基づいて応答曲面解析を行って求めたCF含有率分布とスポット痕のXラップ率とYラップ率との相関関係を表す3次元相関図である。 図10に示す3次元相関図から変換した接着強度特性値(CF含有率)の2次元相関図である。 図3に示すB部における第1実施例の詳細図である。 図3に示すB部における第2実施例の詳細図である。 図3に示すB部における第3実施例の詳細図である。 図3に示すB部における第4実施例の詳細図である。 特許文献1に記載された車両用窓枠の接着構造を示す断面図である。
次に、本発明の実施形態に係る車両用窓枠の接着構造について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本実施形態に係る車両用窓枠の接着構造を説明し、その後、パルスファイバーレーザのレーザ光によるスポット痕のX軸方向の間隔とY軸方向の間隔と接着強度特性(CF含有率)との相関関係を求め、最適なスポット痕のX軸方向の間隔とY軸方向の間隔を設定する方法を説明する。また、本車両用窓枠の接着構造において室内側への水の侵入を防止する上で、より好ましい構造について説明する。
<本車両用窓枠の接着構造>
まず、本実施形態の車両用窓枠の接着構造について、図1〜図6を用いて説明する。図1に、本発明の実施形態に係る車両用窓枠の接着構造を備えた車両の概略側面図を示す。図2に、図1に示すA−A断面図を示す。図3に、図2に示す窓枠の室内側から見た側面図を示す。図4に、図3に示す窓枠の接着固定面にパルスファイバーレーザのレーザ光によるスポット痕を形成するレーザ加工機システムの概念図を示す。図5に、図4に示すレーザ加工機システムによってパルスファイバーレーザ光のスポット痕を形成した接着固定面の概略斜視図を示す。図6に、図5に示すC−C断面図を示す。
図1〜図6に示すように、本実施形態の車両用窓枠の接着構造10は、車体1の側面に形成された窓開口部11にアルミサッシュ製の窓枠2が接着剤3を介して接着固定される車両用窓枠の接着構造である。また、窓枠2の窓開口部11に対する接着固定面21には、パルスファイバーレーザのレーザ光4によるスポット痕41が当該接着固定面21の平面上で直交するX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔X1、Y1で形成されている。ここでは、X軸方向は、車両20の上下方向を意味し、Y軸方向は、車両20の前後方向を意味するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
すなわち、図1、図2に示すように、窓開口部11は、車体1の側面上部の視界を確保できるように、車体1の前端部近傍から後端部近傍までドア12やピラー部13を挟んで略矩形状に複数個形成されている。各窓開口部11は、アウターパネル14が接合されたベルトラインパネル15に形成された窓フランジ部151等とインナーパネル16に形成された窓フランジ部161とを重ね合わせてスポット溶接することによって形成されている。
また、各窓開口部11には、略角型の枠体である窓枠2がウレタン接着剤3を介して接着固定されている。窓枠2は、アルミ合金製の枠体であり、その枠体のレール部22内に可動ガラス17が車両前後方向へ開閉スライド可能に嵌め込まれている。窓枠2の窓開口部11に接着固定する接着固定面21には、プライマー(接着補助剤)3Pが塗布され、その上にウレタン接着剤3が塗布されている。その結果、窓枠2は、ウレタン接着剤3を介して各窓開口部11に接着固定されている。なお、インナーパネル16には、室内用の内装材18が係止されている。
また、図5、図6に示すように、窓枠2は、アルミ合金製の枠体であるので、アルミ合金素地2aの表面には、アルマイト皮膜2bが形成されている。アルマイト皮膜2bの厚さは、約12μm程度である。アルマイト皮膜2bが形成された接着固定面21には、パルスファイバーレーザのレーザ光4によるスポット痕41が当該接着固定面21の平面上で直交するX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔X1、Y1で形成されている。レーザ光4は、Z軸方向にアルマイト皮膜2bに照射され、スポット痕41の深さは、約8〜10μm程度である。ここでは、X軸方向は、車両20の上下方向を意味し、Y軸方向は、車両20の前後方向を意味するので、窓枠2における接着固定面21のアルマイト皮膜2bに対して、略同一形状の凹み痕41H(スポット痕41)が、車両20の前後方向と車両20の上下方向にそれぞれ略均一に分布して形成されている。
そのため、アルマイト皮膜2bのプライマー(接着補助剤)3Pに対する撥水性を低減すると共に接着剤3に対するアンカー効果を高めることができ、車体1の窓開口部11に対する窓枠2の接着強度を安定して確保することができる。また、窓枠2の接着強度を、車両20の走行停止や上下振動などの負荷を受けやすい車両20の前後方向と車両20の上下方向において、それぞれ安定して確保することができる。
また、図4〜図6に示すように、パルスファイバーレーザのレーザ光4によるスポット痕41を当該接着固定面21の平面上で直交するX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔X1、Y1で形成するため、レーザ加工機システム40を備えている。このレーザ加工機システム40には、所定の波長のレーザ光4を所定のパルス周期で発振させるレーザ発振器42と、レーザ光4を照射ヘッド部44に伝達する光ファイバ43と、照射ヘッド部44に内蔵されX軸用走査ミラー441とY軸用走査ミラー442とを操作してレーザ光4をX軸方向とY軸方向に偏光させるガルバノスキャナ44Gと、照射ヘッド部44の下端に装着され偏光したレーザ光4を照射対象である接着固定面21に結像させてアルマイト皮膜2bにスポット痕(凹み痕)41を形成させるfθレンズ443と、接着固定面21を水平に保持した状態で窓枠2を固定させる固定テーブル45と、照射ヘッド部44をX軸方向とY軸方向に移動させるロボット46と、レーザ発振器42やガルバノスキャナ44G、ロボット46等を制御する制御装置47とを備えている。なお、光ファイバ43には、レーザ光4を平行光線に調整するコリメータ431が装着されている。
また、図3〜図5に示すように、レーザ光4のガルバノスキャナ44Gによって偏光可能な範囲(スキャンエリア)ZZは、限られているので、ロボット46による照射ヘッド部44の粗動と、ガルバノスキャナ44GによるスキャンエリアZZ内におけるレーザ光4の微動とを組み合わせて、パルスファイバーレーザのレーザ光4によるスポット痕41を接着固定面21に形成する。そして、接着固定面21には、スポット痕41がX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔X1、Y1で連続して複数個形成されたスポット痕連続領域411が、スポット痕41のない溝状繋ぎ部412を挟んで繰り返し状に形成されている。なお、図5には、溝状繋ぎ部412がX軸方向に平行に形成されているが、Y軸方向に平行に形成しても、X軸方向とY軸方向に傾斜して形成しても良い。また、溝状繋ぎ部412は、これらに限定されるものではなく、室内側等への水の侵入を防止する上で、より好ましい他の実施例を後述する。なお、溝状繋ぎ部412の幅は、適宜設定できるが、例えば、1〜3mm程度が好ましい。
<最適なスポット痕の間隔の設定>
次に、パルスファイバーレーザのレーザ光によるスポット痕のX軸方向の間隔とY軸方向の間隔と接着強度特性(CF含有率)との相関関係を求め、最適なスポット痕のX軸方向の間隔とY軸方向の間隔を設定する方法を、図7〜図11を用いて説明する。図7に、図5に示すスポット痕のX軸方向のラップ率(Xラップ率)とY軸方向のラップ率(Yラップ率)との組み合わせ水準を表す概念図を示す。図8に、図2に示す窓枠の接着固定面に塗布した接着剤の剥離試験を表す概念図を示す。図8(A)に、剥離試験方法を表す斜視概念図を示し、図8(B)に、図8(A)に示す剥離部のD視平面図を示す。図9に、図7に示すスポット痕のXラップ率とYラップ率との組み合わせ水準について、実験計画法に基づいて図8に示す剥離試験を行ったときの接着強度特性値(CF含有率)の一覧図を示す。図10に、図9に示す接着強度特性値(CF含有率)の測定データに基づいて応答曲面解析を行って求めたCF含有率分布とスポット痕のXラップ率とYラップ率との相関関係を表す3次元相関図を示す。図11に、図10に示す3次元相関図から変換した接着強度特性値(CF含有率)の2次元相関図を示す。
図7に示すように、図5に示すスポット痕41のXラップ率XRとYラップ率YRとの組み合わせ水準を、以下の5つのケースK1〜K5に分けて設定する。ここで、図7における横軸は、X軸方向で隣接するスポット痕41同士のラップ率(Xラップ率:XR)を示し、同縦軸は、Y軸方向で隣接するスポット痕41同士のラップ率(Yラップ率:YR)を示す。ラップ率(XR、YR)は、スポット痕41同士の中心ピッチ(スポット痕41の間隔X1、Y1に相当)に対するスポット痕41同士が重なった幅(重なり幅)の割合(百分率)を意味する。ラップ率(XR、YR)がプラスの場合は、スポット痕41の間隔X1、Y1がスポット痕41の直径φより小さく重なる部分があるが、ラップ率(XR、YR)がマイナスの場合は、スポット痕41の間隔X1、Y1がスポット痕41の直径φより大きく重る部分がない。ラップ率(XR、YR)が零の場合は、スポット痕41の間隔X1、Y1がスポット痕41の直径φと同一であり、スポット痕41同士の外縁が互いに当接している。
図7において、ケースK1は、隣接するスポット痕41同士がX軸方向とY軸方向の両方でラップする場合である。ケースK2は、隣接するスポット痕41同士がX軸方向でラップするがY軸方向でラップしない場合である。ケースK3は、隣接するスポット痕41同士がX軸方向とY軸方向の両方でラップしない場合である。ケースK4は、隣接するスポット痕41同士がX軸方向でラップしないがY軸方向でラップする場合である。ケースK5は、隣接するスポット痕41同士がX軸方向とY軸方向の両方で当接する場合である。ここでは、各ケースに対応して、ラップ率(XR、YR)が0%、±20%、±40%の水準を選定して、スポット痕41を形成し、それぞれ接着強度を評価する。
また、図7に示す各水準について、図8に示すように、接着固定面21に塗布した接着剤3の剥離試験を行う。剥離試験は、窓枠(剛性被着材)2を固定し、接着剤3に接着された窓開口部11に相当する板材(可撓性被着材)3Tを、例えば、略180度折り返し方向へ引張り、接着剤3を板材3Tと共に窓枠2の接着固定面21から引き剥がすことによって行う(JIS K6854-2)。接着強度は、接着剤3の塗布面積TMに対する凝集破壊面積GMの占める割合(接着強度特性値:CF含有率)Pによって評価する。ここで、CF(Cohesive Failure)は、凝集破壊を意味し、接着剤の内部での破壊であるので、接着剤自身の特性に基づく。そのため、接着剤3の塗布面積TMに対する凝集破壊面積GMの占める割合(接着強度特性値:CF含有率)Pは、強度バラつきが少ない安定した特性値といえる。
また、図9に示すように、図7に示す各水準について、実験計画法に基づいて図8に示す剥離試験を行ったときの接着強度特性値(CF含有率)Pの測定データを所定の基準値KTと比較して評価する。例えば、所定の基準値KTを88%としたとき、この基準値を満たすCF含有率Pの範囲(〇印の範囲)が、Xラップ率XRとYラップ率YRとの間で、一定の相関関係を有することが判明した。
したがって、図9に示すXラップ率XRとYラップ率YRの各水準で測定した各CF含有率Pの測定データを基にして、応答曲面解析を行うことによって、図10に示すように、スポット痕41のXラップ率XRとYラップ率YRとに対して相関関係を有するCF含有率Pの3次元相関図を求めることができた。また、図11に示すように、図10に示す3次元相関図におけるCF含有率Pを等高線で表示することによって、スポット痕41のXラップ率XRとYラップ率YRとに対するCF含有率Pの2次元相関図を求めることができた。そして、図10、図11において、ドットで塗りつぶした領域が、所定の基準値KTを88%としたとき、この基準値を満たす良品領域RR、rrである。
ところで、レーザ光4は、照射対象である窓枠2の着色によって、その反射率が異なる。例えば、レーザ光4の波長が1060nmの場合、黒色に着色された窓枠2に対する反射率は、約8%であり、シルバー色に着色された窓枠2に対する反射率は、約79%である。そのため、例えば、波長が1060nmのレーザ光4を、出力一定で、黒色に着色された接着固定面21と、シルバー色に着色された接着固定面21とに照射した場合、黒色の接着固定面21では、スポット痕41の直径φが略140〜150μmとなり、シルバー色の接着固定面21では、スポット痕41の直径φが略80〜90μmとなった。
そのため、図7に示す各水準について、図8に示すように、黒色の接着固定面21に塗布した接着剤3の剥離試験と、シルバー色の接着固定面21に塗布した接着剤3の剥離試験とをそれぞれ行って、図10に示すCF含有率Pの3次元相関図と、図11に示すCF含有率Pの2次元相関図を求めた。
その結果、図10、図11において、ドットで塗りつぶした良品領域RR、rrには、黒色の接着固定面21とシルバー色の接着固定面21とで、共通の良品領域が存在することが分かった。例えば、図11において、CF含有率Pの所定の基準値KTを88%としたとき、Xラップ率XRを−20±20%とし、Yラップ率YRを−20±20%とする範囲は、黒色の接着固定面21とシルバー色の接着固定面21とで、共通の良品領域Krrであることが判明した。なお、波長が一定で出力一定のレーザ光4では、接着固定面21の着色ごとに、スポット痕41の直径φが略一定であるので、スポット痕41の重なり程度を示すラップ率XR、YRは、スポット痕41の間隔X1、Y1に対応する。したがって、スポット痕41の間隔X1、Y1は、接着剤3の塗布面積TMに対する凝集破壊面積GMの占める割合(接着強度特性値:CF含有率)Pと相関関係を有している。
そこで、本車両用窓枠の接着構造10では、図5に示す接着固定面21に形成されたスポット痕41のX軸方向の間隔X1とY軸方向の間隔Y1は、図8に示す接着剤3の剥離試験において、接着剤3の塗布面積TMに対する凝集破壊面積GMの占める割合(接着強度特性値:CF含有率)Pが、所定の基準値KTを満たすように設定している。また、着色の異なる窓枠2について、接着固定面21に形成されたスポット痕41のX軸方向の間隔X1とY軸方向の間隔Y1は、窓枠2の着色ごとに行う接着固定面21に塗布した接着剤3の剥離試験において、接着剤3の塗布面積TMに対する凝集破壊面積GMの占める割合(接着強度特性値:CF含有率)Pが、所定の基準値KTを満たす共通の良品領域Krr内に入るように設定されている。所定の基準値KTは、85%以上が好ましい。剥離試験のバラツキ等を考慮しても、本車両用窓枠の接着強度を安定して確保できるからである。
<水の侵入防止構造>
次に、本車両用窓枠の接着構造において、室内側への水の侵入を防止する上で、より好ましい構造について、図12〜図15を用いて説明する。図12に、図3に示すB部における第1実施例の詳細図を示す。図13に、図3に示すB部における第2実施例の詳細図を示す。図14に、図3に示すB部における第3実施例の詳細図を示す。図15に、図3に示すB部における第4実施例の詳細図を示す。
前述したように、本車両用窓枠の接着構造10では、接着固定面21には、スポット痕41がX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔X1、Y1で連続して複数個形成されたスポット痕連続領域411が、スポット痕のない溝状繋ぎ部412を挟んで繰り返し状に形成されている(図5を参照)。しかし、溝状繋ぎ部412には、レーザ光4によるスポット痕41が形成されていないので、接着剤3と接着固定面21との間に僅かな隙間が生じることがあり、その隙間から室内側へ水が侵入する恐れがあった。
そこで、本車両用窓枠の接着構造10において、室内側への水の侵入を防止する上で、より好ましい構造を、以下のように開発した。第1実施例の水侵入防止構造(本車両用窓枠の接着構造10A)では、図12に示すように、接着固定面21にスポット痕41がX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔X1、Y1で連続して複数個形成されたスポット痕連続領域411Aの間に形成された溝状繋ぎ部412Aは、X軸方向に形成された2つのX軸溝状繋ぎ部4121aとY軸方向に形成された1つのY軸溝状繋ぎ部4122aとがクランク状に連結されている。そのため、溝状繋ぎ部412Aに直角状に屈曲させた屈曲部413aを2つ形成でき、屈曲部413aによって室内側への水の侵入を抑制することができる。
また、第2実施例の水侵入防止構造(本車両用窓枠の接着構造10B)では、図13に示すように、接着固定面21にスポット痕41がX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔X1、Y1で連続して複数個形成されたスポット痕連続領域411Bの間に形成された溝状繋ぎ部412Bは、X軸方向に形成された3つのX軸溝状繋ぎ部4121bとY軸方向に形成された2つのY軸溝状繋ぎ部4122bとがクランク状に連結されている。そのため、溝状繋ぎ部412Bに直角状に屈曲させた屈曲部413bを4つ形成でき、屈曲部413bによって室内側への水の侵入を抑制することができる。また、上下の屈曲部413bの中間域には、上下に延設される堰部414Bが形成され、この堰部414Bによっても室内側への水の侵入を抑制することができる。
また、第3実施例の水侵入防止構造(本車両用窓枠の接着構造10C)では、図14に示すように、接着固定面21にスポット痕41がX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔X1、Y1で連続して複数個形成されたスポット痕連続領域411Cの間に形成された溝状繋ぎ部412Cは、X軸方向に形成された2つのX軸溝状繋ぎ部4121cが複数個(2つ)に分割して形成され、分割したX軸溝状繋ぎ部4121cの間には、隣接するスポット痕連続領域411Cを部分的にラップさせたラップ部415Cが形成されている。すなわち、隣接するスポット痕連続領域411Cは、Y軸方向に形成された1つのラップ部415Cによって連結されている。そのため、ラップ部415Cでは、接着剤と接着固定面21との接着強度や接着耐久性を高めることができるので、溝状繋ぎ部412Cにおいて、接着剤と接着固定面21との間に僅かな隙間が生じることがあっても、ラップ部415Cに接着された接着剤によって室内側への水の侵入を抑制することができる。
また、第4実施例の水侵入防止構造(本車両用窓枠の接着構造10D)では、図15に示すように、接着固定面21にスポット痕41がX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔X1、Y1で連続して複数個形成されたスポット痕連続領域411Dの間に形成された溝状繋ぎ部412Dは、X軸方向に形成された3つのX軸溝状繋ぎ部4121dに分割されている。また、分割したX軸溝状繋ぎ部4121d間には、隣接するスポット痕連続領域411Dを部分的にラップさせたラップ部415Dが形成されている。そのため、ラップ部415Dでは、接着剤と接着固定面21との接着強度や接着耐久性を高めることができるので、溝状繋ぎ部412Dにおいて、接着剤と接着固定面21との間に僅かな隙間が生じることがあっても、ラップ部415Dに接着された接着剤によって室内側への水の侵入を抑制することができる。なお、ラップ部415Dに位置は、任意に形成しても良い。
また、2つのラップ部415Dの間に形成されたX軸溝状繋ぎ部4121dには、上下に延設される堰部414Dが形成され、この堰部414Dによっても室内側への水の侵入を抑制することができる。
<作用効果>
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る車両用窓枠の接着構造10、10A、10B、10C、10Dによれば、窓枠2の窓開口部11に対する接着固定面21には、パルスファイバーレーザのレーザ光4によるスポット痕41が当該接着固定面21の平面上で直交するX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔X1、Y1で形成されているので、窓枠2における接着固定面21のアルマイト皮膜2bに対して、略同一形状の凹み痕41H(スポット痕41)を、窓枠2の接着固定面21の平面上に略均一に分布して形成することができる。そのため、アルマイト皮膜2bのプライマー(接着補助剤)3Pに対する撥水性を低減すると共に接着剤3に対するアンカー効果を高めることによって、車体1の窓開口部11に対する窓枠2の接着強度を安定して確保することができる。また、窓枠2の接着固定面21には、パルスファイバーレーザのレーザ光4によるスポット痕41が形成されているので、サンドペーパー等のように消耗に伴う加工コストの増加を回避できる。
よって、本実施形態によれば、車両20の窓開口部11に対する接着強度を安定して確保できると共に、低コストで加工できるアルミサッシュ製の車両用窓枠の接着構造10、10A、10B、10C、10Dを提供することができる。
また、本実施形態によれば、X軸方向は、車両20の上下方向を意味し、Y軸方向は、車両20の前後方向を意味するので、パルスファイバーレーザのレーザ光4によるスポット痕41が窓枠2の接着固定面21の平面上で車両20の上下方向と前後方向でそれぞれ所定の間隔X1、Y1で形成することができる。そのため、窓枠2の接着強度を、車両20の走行停止や上下振動などの負荷を受けやすい車両20の前後方向と車両20の上下方向において、それぞれ安定して確保することができる。
また、本実施形態によれば、接着固定面21に形成されたスポット痕41のX軸方向の間隔X1とY軸方向の間隔Y1は、接着固定面21に塗布した接着剤3の剥離試験において、接着剤3の塗布面積TMに対する凝集破壊面積GMの占める割合(CF含有率)Pが、所定の基準値KTを満たすように設定されているので、窓枠2の窓開口部11に対する接着強度を、強度バラつきの少ない接着剤3自身の特性に基づいて評価できる。その結果、当該接着強度を、より一層安定して確保することができる。
また、本実施形態によれば、接着固定面21に形成されたスポット痕41のX軸方向の間隔X1とY軸方向の間隔Y1は、窓枠2の着色ごとに行う接着固定面21に塗布した接着剤3の剥離試験において、接着剤3の塗布面積TMに対する凝集破壊面積GMの占める割合(CF含有率)Pが、所定の基準値KTを満たす共通の良品領域Krr内に入るように設定されているので、窓枠2の窓開口部11に対する接着強度を、窓枠2の着色違いによるレーザ光4の反射率の差異に影響されず、強度バラつきの少ない接着剤3自身の特性に基づいて評価できる。その結果、当該接着強度を、より一層安定して確保することができる。また、共通の良品領域Krr内では、着色の異なる窓枠2に対して、同一の条件でパルスファイバーレーザのレーザ光4を照射できるので、より低コストで加工できる。
また、本実施形態によれば、接着固定面21には、スポット痕41がX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔X1、Y1で連続して複数個形成されたスポット痕連続領域411、411A、411B、411C、411Dが、スポット痕41のない溝状繋ぎ部412、412A、412B、412C、412Dを挟んで繰り返し状に形成されているので、パルスファイバーレーザのレーザ光4を接着固定面21に照射する際、所定の照射範囲(ガルバノスキャナ44Gのスキャナエリア)ZZ毎に溝状繋ぎ部412、412A、412B、412C、412Dを挟んでレーザ光4を照射するガルバノスキャナ44GをX軸方向とY軸方向に移動させることによって、接着固定面21がX軸方向又はY軸方向に長く延伸されている場合においても、接着固定面21の全範囲に亘ってスポット痕41を連続的に形成することができる。
また、本実施形態によれば、溝状繋ぎ部412A、412Bは、X軸方向に形成されたX軸溝状繋ぎ部4121a、4121bとY軸方向に形成されたY軸溝状繋ぎ部4122a、4122bとがクランク状に連結されているので、溝状繋ぎ部412A、412Bに直角状に屈曲させた屈曲部413a、413bを形成でき、屈曲部413a、413b又は上下の屈曲部413bの中間域に構成される堰部414Bによって室内側への水の侵入を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、溝状繋ぎ部412C、412Dは、複数個に分割して形成され、分割された溝状繋ぎ部412C、412Dの間には、隣接するスポット痕連続領域411C、411Dを部分的にラップさせたラップ部415C、415Dが形成されているので、スポット痕連続領域411C、411Dを部分的にラップさせたラップ部415C、415Dにおいて、接着剤3と接着固定面21との接着強度や接着耐久性を高めることができる。そのため、溝状繋ぎ部412C、412Dにおいて、接着剤3と接着固定面21との間に僅かな隙間が生じることがあっても、ラップ部415C、415Dに接着された接着剤3によって室内側等への水の侵入を抑制することができる。
本発明は、車体に形成された窓開口部にアルミサッシュ製の窓枠を接着する車両用窓枠の接着構造として利用できる。
1 車体
2 窓枠
3 接着剤、ウレタン接着剤
4 レーザ光
10、10A、10B 車両用窓枠の接着構造
10C、10D 車両用窓枠の接着構造
11 窓開口部
20 車両
21 接着固定面
41 スポット痕
411、411A、411B スポット痕連続領域
411C、411D スポット痕連続領域
412、412A、412B 溝状繋ぎ部
412C、412D 溝状繋ぎ部
4121a、4121b X軸溝状繋ぎ部
4121c、4121d X軸溝状繋ぎ部
4122a、4122b Y軸溝状繋ぎ部
4122d Y軸溝状繋ぎ部
415C、415D ラップ部
GM 凝集破壊面積
KT 基準値
P 割合、CF含有率
TM 塗布面積
X1、Y1 間隔
Krr 良品領域

Claims (7)

  1. 車体の側面に形成された窓開口部にアルミサッシュ製の窓枠が接着剤を介して接着固定される車両用窓枠の接着構造であって、
    前記窓枠の前記窓開口部に対する接着固定面には、パルスファイバーレーザのレーザ光によるスポット痕が当該接着固定面の平面上で直交するX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔で形成されていることを特徴とする車両用窓枠の接着構造。
  2. 請求項1に記載された車両用窓枠の接着構造において、
    前記X軸方向は、車両の上下方向を意味し、前記Y軸方向は、車両の前後方向を意味することを特徴とする車両用窓枠の接着構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された車両用窓枠の接着構造において、
    前記接着固定面に形成された前記スポット痕のX軸方向の間隔とY軸方向の間隔は、前記接着固定面に塗布した前記接着剤の剥離試験において、前記接着剤の塗布面積に対する凝集破壊面積の占める割合が、所定の基準値を満たすように設定されていることを特徴とする車両用窓枠の接着構造。
  4. 請求項1又は請求項2に記載された車両用窓枠の接着構造において、
    前記接着固定面に形成された前記スポット痕のX軸方向の間隔とY軸方向の間隔は、前記窓枠の着色ごとに行う前記接着固定面に塗布した前記接着剤の剥離試験において、前記接着剤の塗布面積に対する凝集破壊面積の占める割合が、所定の基準値を満たす共通の良品領域内に入るように設定されていることを特徴とする車両用窓枠の接着構造。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載された車両用窓枠の接着構造において、
    前記接着固定面には、前記スポット痕がX軸方向とY軸方向にそれぞれ所定の間隔で連続して複数個形成されたスポット痕連続領域が、前記スポット痕のない溝状繋ぎ部を挟んで繰り返し状に形成されていることを特徴とする車両用窓枠の接着構造。
  6. 請求項5に記載された車両用窓枠の接着構造において、
    前記溝状繋ぎ部は、X軸方向に形成されたX軸溝状繋ぎ部とY軸方向に形成されたY軸溝状繋ぎ部とがクランク状に連結されて形成されていることを特徴とする車両用窓枠の接着構造。
  7. 請求項5又は請求項6に記載された車両用窓枠の接着構造において、
    前記溝状繋ぎ部は、複数個に分割して形成され、分割された前記溝状繋ぎ部の間には、隣接する前記スポット痕連続領域を部分的にラップさせたラップ部が形成されていることを特徴とする車両用窓枠の接着構造。
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