JP2020191300A - 二次電池の充電方法 - Google Patents
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Abstract
Description
、具体的にはリチウムイオン二次電池などを指している。
電システムに用いられる定置型電源、太陽電池などの発電施設用の蓄電設備、などの様々
な用途に用いられており、リチウムイオン二次電池に求められる特性として、高エネルギ
ー密度化、サイクル特性の向上及び様々な動作環境での安全性、長期信頼性の向上などが
ある。
許文献1)。
に低下する。
の表面に析出したリチウムによるものであるとわかった。この負極に析出したリチウムは
、特に電解液中のリチウム塩の濃度が1.0M未満の条件で、観察される傾向があるとわ
かった。
も低いことは、電解液に溶解させる溶質量の削減、及び電解液の粘度の低下を見込めるた
め、利点が大きい。
の短絡は、発熱又は発火を引き起こす元となり、リチウムイオン二次電池の安全性を低下
させる。
池容量を低下させる原因となる。
ても、リチウムの析出を抑制できる電気化学デバイスを提供することを課題とする。又は
本発明の一態様は、電解液中のリチウム塩の濃度が1.0Mよりも低い条件であっても、
正極と負極間における短絡を抑制できる電気化学デバイスを提供することを課題とする。
又は本発明の一態様は、電解液中のリチウム塩の濃度が1.0Mよりも低い条件であって
も、負極におけるリチウムの剥離を抑制できる電気化学デバイスを提供することを課題と
する。
態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題
は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図
面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
二次電池の充電時において、正極及び負極には、負極から正極への向きに流れる充電電流
と、充電電流が流れる方向とは逆方向に流れる逆パルス電流とを、交互に繰り返して与え
る構成とする。
を複数回流すことで、リチウムの析出を抑制すること、及びウィスカー状に成長したリチ
ウムを溶解させること、ができる。逆パルス電流を複数回流すことで、電解液中のリチウ
ム塩の濃度が1.0M未満とした、リチウムが析出しやすい条件の二次電池であっても、
充電を繰り返し行うことによる劣化を抑制できるリチウムイオン二次電池を実現すること
ができる。即ち、電池の構造を複雑にすることなく、電池容量の急激な低下を抑制できる
二次電池を提供できる。
の中において正極から負極に流れて、負極から充電器の方に流れる充電電流とは逆方向に
流すための電流である。つまり、逆パルス電流は、二次電池の中においては、負極から正
極に流れる電流であり、二次電池の外においては、正極から負極に流れる電流であり、放
電時であれば放電電流と同じ向きに流れる電流である。
する電気化学デバイスにおいて、電解液中のリチウム塩の濃度が1M未満であり、第1の
電極及び第2の電極には、第2の電極から第1の電極への方向に流れる第1の電流と、第
1の電流が流れる方向とは逆方向に流れ、且つ1回の供給期間が第1の電流の1回の供給
時間よりも短い第2の電流とが、交互に繰り返して与えられる電気化学デバイスである。
スが好ましい。
3:7の体積比で混合されたものである電気化学デバイスが好ましい。
学デバイスが好ましい。
好ましい。
M未満である電気化学デバイスが好ましい。
ことにより劣化を抑制する電気化学デバイスの劣化抑制方法である。
ムを定期的に溶解させること、ができる。そのため、電解液中のリチウム塩の濃度を1.
0M未満としても、正極と負極間における短絡、及び負極におけるリチウムの剥離を抑制
できる。また、本発明の一態様では、電解液中のリチウム塩の濃度を負極にリチウムが析
出する濃度まで低減できるため、電解液に溶解させる溶質量の削減、及び電解液の粘度の
低下を図ることができる。
る態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及
び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、
以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する
発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模
式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズに
よる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、
若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
<逆パルス電流について>
図1を用いて逆パルス電流について説明する。
した図である。
電電流である。電流Iaは、本実施の形態の理解を容易にするために定電流としているが
、二次電池の状態によって適宜大きさを変更してもよい。
の充電時であれば放電電流である。逆パルス電流Iinvは定電流としているが、適宜大
きさを変更してもよい。
定義する。この場合、二次電池の外において、正極から負極の方に流れる向きを電流の正
の向きと定義する。電流Ia及び逆パルス電流Iinvは、所定の大きさの電流である。
流れる向きは、正の向きとは逆になるため、図1(A)では(−Ia)となっている。ま
た、逆パルス電流の流れる向きは、正の向きとなるため、図1(A)では(Iinv)と
なっている。
Iinvを説明する図である。
液13、負極14(第2の電極ともいう)、及びセパレータ15で構成される。
の流れる方向を、矢印で示している。
電池10の内部において正極12から負極14の方向に流れるように、負極14又は正極
12に供給される。また、逆パルス電流Iinvは、二次電池10の外部において正極1
2から負極14の方向に電流が流れ、二次電池10の内部において負極14から正極12
の方向に流れるように、負極14又は正極12に供給される。図1(B)の場合は、二次
電池10の外部から正極12の方に電流Iaを供給し、正極12から二次電池10の外部
の方に逆パルス電流Iinvを供給している。
は電圧源などの充電回路を設け、該充電回路に接続するスイッチを制御して行えばよい。
また、逆パルス電流Iinvの供給は、二次電池10の外部に負荷を設け、該負荷に接続
するスイッチを制御して行えばよい。
うに、充電電流Iaを供給する合間に、複数回逆パルス電流Iinvを流すようにして行
う。なお逆パルス電流の1回の供給時間t1は、電流Iaを流す時間t2よりも短くする
。
00以上1/3以下とすればよい。またt1<t2の条件下で、時間t1の具体的な時間
としては、0.1秒以上3分以下であることが好ましく、代表的には、3秒以上30秒以
下とする。
きさ(値の絶対値)よりも大きい例を示している。また、逆パルス電流Iinvの大きさ
を電流Iaの大きさと等しくする、あるいはそれよりも小さくしてもよい。本実施の形態
は、電流Iaを供給している期間に、逆パルス電流が複数回、正極と負極間に流れればよ
い。
の析出が抑制される範囲で決定する。また、逆パルス電流の印加時における電流量や、タ
イミングもリチウムの析出が抑制される範囲で決定する。
せて1回の充電中に逆パルス電流を異なる印加時間で複数回流してもよい。逆パルス電流
を複数回流すことで、析出するリチウムの抑制、及び析出したリチウムの溶解を促し、二
次電池の劣化を抑制できる。
1回の充電、即ちフル充電するまでに加える充電電流の供給時間t2を変化させてもよく
、例えば、フル充電が完了に近づくにつれて逆パルス電流を流す時間を徐々に短くしても
よい。
速充電時、又は低温環境下での充電を行う際に顕著に現れる現象である。従って、逆パル
ス電流を複数回流すことは、特に電解液中のリチウム塩の濃度が1.0Mよりも低い条件
において、急速充電時、又は低温環境下での充電を行う際に、リチウムの析出を抑制する
こと、及びリチウムの析出物を効果的に溶解させること、ができる。
お、本明細書では、二次電池の正極にLiFePO4を用いる場合、LiFePO4の理
論容量が、170mAh/gであるならば、1gのLiFePO4を正極と仮定した場合
、170mAの充電電流を1C(170mA/g)としている。この場合、理想的な電池
において1時間でフル充電(満充電)の状態となる。また、1gのLiFePO4を正極
と仮定した場合、充電レート2Cで充電するとは、340mAの充電電流を0.5時間流
して充電することと等価である。
図2を用いて、逆パルス電流によるバッテリーの劣化防止、抑制効果について説明する。
逆パルス電流Iinv)の時間変化に対するグラフと、該電流によって変化する電池容量
の時間変化に対するグラフと、負極14表面での反応生成物の付着と、溶解の過程を模式
的に表した図と、を併せて示している。
物の付着がなく、二次電池10の出荷直後の初期状態である。充電電流Iaを二次電池1
0に供給し続けると、やがて、負極14の表面に反応生成物22aが付着する。反応生成
物22aは、例えば、リチウムなどの金属の析出物である。時間が経過することで、反応
生成物22aは成長し、反応生成物22bとなる。そこで、逆パルス電流Iinvを流す
ことで、負極14表面に反応生成物22bが存在しない状態とすることができる。反応生
成物22bは、例えば、逆パルス電流Iinvにより供給された電荷により、電解液13
中にイオンとなって溶解する。
流Iaを供給することで、負極14表面には、反応生成物22bが再度付着するが、逆パ
ルス電流Iinvを流す度に、反応生成物22bを溶解させることができる。
が存在しない状態とすることができる。つまり、逆パルス電流Iinvを1回流すことで
、負極14表面に反応生成物22bが存在しない状態とすることが好ましい。このような
充電の実現は、逆パルス電流Iinvの大きさ、逆パルス電流Iinvの供給時間t1、
逆パルス電流を流す間隔(充電電流Iaを供給している時間t2に当たる)を調節するこ
とで可能になる。
応生成物が溶解させることが難しくなるだけでなく、反応生成物が変質する、反応生成物
が凝固する(密度が高くなる)ことで、反応生成物が溶解しにくくなる。そのため、負極
及び正極表面を良好な状態に維持するためには、上述したように、逆パルス電流Iinv
の大きさ、時間t1、及び時間t2を設定すればよい。
次いで、二次電池である、リチウムイオン二次電池の動作原理及びリチウムの析出原理に
ついて、図3及び図4を参照して説明する。
学反応を説明する模式図である。図4は、逆パルス電流を供給する期間(放電時)におけ
る、リチウムイオン二次電池の電気化学反応を説明する模式図である。なお、図3におい
て、101はリチウムイオン二次電池であり、102は充電器を示す。図4において、1
03は負荷を示す。
ン酸鉄リチウム(LiFePO4)を有し、負極が負極活物質として黒鉛を有する二次電
池である。
)の反応が起こる。
電が行われるが、何らかの原因で充電中に負極でLi金属の析出が起きたときは、式(4
)の反応が起こる。つまり、負極では黒鉛へのLi挿入反応とLiの析出反応が両方起こ
ることになる。
そして、正極及び負極それぞれの電極の材料がどのような平衡状態であるかで、電極間の
電位差(電圧)が変化する。
とする。上述したように、この条件の場合、負極にリチウムが析出しやすいことがわかっ
ている。
度の関係は、下記式(5)のネルンストの式によって表すことができる。
はファラデー定数である。
まり電解液に溶解させるリチウム塩の濃度が低いほど、負極の電極電位である負極電位が
低くなることがわかる。負極電位が低くなると、負極電位とリチウムの析出電位とが近づ
き、負極に析出するリチウムの量が増大する。
二次電池の充電時において、正極及び負極には、負極から正極への向きに流れる充電電流
と、充電電流が流れる方向とは逆方向に流れる逆パルス電流とを、交互に繰り返して与え
る構成とする。
促すことができる。逆パルス電流を複数回流すことで、電解液中のリチウム塩の濃度を1
.0M未満とした、リチウムが析出しやすい条件の二次電池であっても、繰り返し充電を
行うことによる劣化を抑制できるリチウムイオン二次電池を実現することができる。
と、電解液の粘度が高くなり、ハイレートや低温での充電容量及び放電容量が低下するた
め好ましくない。
へのリチウムイオンの供給が間に合わなくなり、ハイレートや低温での充電容量及び放電
容量が低下するため好ましくない。また電解液中のリチウム塩の濃度を低くしすぎると、
電解液の導電率が小さくなり、電池として機能しない恐れがある。または電解液中のリチ
ウム塩の濃度を低くしすぎると、リチウムの析出量が増えるため、逆パルス電流を複数回
流すことで析出したリチウムを一部溶解できるものの、条件によっては溶解しきれないこ
ともありえる。そのため、電解液中のリチウム塩の濃度は0.25Mよりも高く、1.0
M未満とすることが好ましい。
で低減できるため、電解液に溶解させる溶質量の削減、及び電解液の粘度の低下を図るこ
とができる。
式(6)の反応が起こる。
つまり、負極では、黒鉛からのLiの脱離反応とLiの溶解反応が両方起こる。
正極電位とは、正極活物質の電気化学平衡電位であり、負極電位とは、負極活物質の電気
化学平衡電位である。例えば、Li金属が電解液中で電気化学平衡となる電位を0V(v
s. Li/Li+)と標記する。他の物質についても同様である。
がリチウムとなって析出しやすい。逆に電極電位よりも0V(vs. Li/Li+)よ
りも高ければ、析出したリチウムがリチウムイオンとして電解液中に溶解しやすい。
ることができる。例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)の電気化学平衡電位は、
約3.5V(vs. Li/Li+)である。また、黒鉛の電気化学平衡電位は、約0.
2V(vs. Li/Li+)である。
たリチウムイオン二次電池の電圧(電気化学セルの起電力)は、両者の電位差3.3Vと
なる。負極電位がLi金属並に低いことが、リチウムイオン二次電池の特徴である高いセ
ル電圧の要因になっている。
ムの析出が挙げられる。しかしながら、負極電位(黒鉛の電気化学平衡電位)は、約0.
2V(vs. Li/Li+)であり、リチウムの析出電位=0V(vs. Li/Li
+)に近いことにより、負極表面には容易にリチウム析出が容易に起こりうる。リチウム
イオン二次電池の特徴である高いセル電圧の要因は、リチウムが析出する原因となってい
る。
を模式的に示した図である。二次電池は、ここでは一例として、正極をリン酸鉄リチウム
とし、負極を黒鉛とする。なお、図5において、矢印105は充電電圧を表す。
負極との間の電位差は、3.5V−0.2V=3.3Vである。よって、充電電圧が3.
3Vであると、正極において式(1)の反応と式(6)の反応が釣り合い、負極において
、式(2)の反応と式(7)の反応が釣り合うため、電流が流れない。
必要がある。充電電流を流すためのこの電圧を過電圧と呼ぶ。例えば、二次電池内部の直
列抵抗成分を無視し、充電電圧が全て、式(1)と式(2)の電極反応に使われるとする
と、矢印105のように、充電電圧は正極と負極それぞれに、過電圧(V1、V2)とし
て配分される。
る。例えば、バッテリーに対して、急速充電を行うと、活物質表面の単位面積あたりの電
流密度を大きくする必要があるため、より大きな過電圧が必要となる。
きくしていくと、負極に対する過電圧V2が大きくなるため、図5に示すように、矢印1
05で示す充電電圧の下端の電位V3が、リチウムの析出電位を下回ることになる。する
と、負極では、式(4)に示す反応が起こる。つまり、負極表面にリチウムが析出するこ
とになる。
ムイオン濃度が小さい条件で充電を行う。そのため、式(5)を用いて説明したように負
極電位がリチウムの析出電位に近づくため、リチウムの析出が起こりやすい状態となる。
いて、析出するリチウムの抑制、及び析出したリチウムの溶解を促し、二次電池の劣化を
抑制する。
低温環境下では、負極の抵抗が上がるため負極電位がより低下し、Li析出がより生じや
すくなるが、上記技術思想により、リチウムイオン二次電池の急速充電、リチウムイオン
二次電池の低温環境での充電が可能になる。
ータ:ポリプロピレン)のコインセルを分解し、ウィスカー状のリチウムが黒鉛表面に析
出している様子を示す走査型電子顕微鏡(SEM(Scanning Electron
Microscope))写真を図6に示す。また、充電時に異常の見られた別のリチ
ウムイオン二次電池の負極活物質の表面に形成されるウィスカー状のリチウムの一例を観
察した結果を図7(A)及び図7(B)に示す。走査型イオン顕微鏡(SIM:Scan
ning Ion Microscope)の平面写真を図7(A)に示す。なお図6、
図7(A)、(B)中、ウィスカー状のリチウムの表面は、保護膜であるプラチナで覆っ
ている。図7(A)中の白色の矢印が示す部分にウィスカー状のリチウムが認められる。
SIM写真の矢印方向から断面観察を行った結果を図7(B)に示す。なお、観察には、
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Micro
scope、日立ハイテクノロジーズ製「H−9000NAR」)を、加速電圧200k
V、および倍率5万5千倍で用いた。
る。ウィスカーとは結晶表面からその外側に向けて髭状に成長した結晶である。
についていくのではない。まず、ウィスカー状のリチウムがつき始めると、そのリチウム
がつき始めたところが他の場所よりリチウムがつきやすくなり、より多くのリチウムが付
着し、大きな塊状に成長する。リチウムが多く付着した領域は、他の領域よりも導電性が
高い。よって、リチウムが多く付着した領域に電流が集中しやすくなり、その付近の成長
が他の領域より進行する。従って、リチウムが多く付着した領域と、リチウムが少なく付
着した領域とで凹凸が形成され、時間が経過すればするほどその凹凸が大きくなる。最終
的には、この大きな凹凸がバッテリーにとって大きな劣化の発生の原因となる。
逆パルス電流を加えることでリチウムを溶解させる。ウィスカー状のリチウムが不均一に
付着して凹凸が形成された状態で、逆パルス電流を流すと、突起部に電流が集中し、リチ
ウムが溶け去る。リチウムが溶け去るとは、電極表面においてリチウムが多く付着した領
域のリチウムを再び溶かしてリチウムの大きな部分を小さくし、好ましくは電極表面にリ
チウムがつく前の状態に戻すことである。なお、電極表面にリチウムがつく前の状態に戻
らなくとも、リチウムを縮小することでも十分な効果を得ることができる。
充電電流の方向とは逆方向に電流が流れるように、正極又は負極の少なくとも一方に逆パ
ルス電流を複数回供給する。このように逆パルス電流を供給することで、リチウムイオン
二次電池の劣化を抑制することができる。
以下、図8(A)及び図8(B)を用いて、二次電池の構成の一例を説明する。
するように設けられた正極活物質層を少なくとも有する。負極404は、負極集電体と、
これに接するように設けられた負極活物質層を少なくとも有する。また、正極活物質層及
び負極活物質層は対向しており、正極活物質層及び負極活物質層の間には、電解液406
及びセパレータ408が設けられている。
化学デバイス)に適用可能である、例えばリチウムイオンキャパシタなどの金属イオンキ
ャパシタにも本実施の形態は適用が可能である。
する。)の縦断面図である。図8(B)に示すように、電極410は、集電体412上に
活物質層414を有する。図8(B)には、活物質層414は集電体412の一方の面に
のみ形成されているが、活物質層414は集電体412の両面に有してもよい。また、活
物質層414は集電体412の表面全域に形成する必要はなく、外部端子と接続するため
の領域等、非塗布領域を適宜設ける。
集電体412には、ステンレス、金、白金、亜鉛、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、チ
タン、タンタル等の金属、及びこれらの合金など、導電性の高く、リチウム等のキャリア
イオンと合金化しない材料を用いることができる。また、シリコン、チタン、ネオジム、
スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加されたアルミニウム合金
を用いることができる。また、シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素で形成
してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素としては、ジルコニウム
、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングス
テン、コバルト、ニッケル等がある。集電体412は、箔状、板状(シート状)、網状、
円柱状、コイル状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等の形状を適宜用いるこ
とができる。集電体412は、厚みが10μm以上30μm以下のものを用いるとよい。
活物質層414は、少なくとも活物質を有する。また、活物質層414は、活物質の他、
活物質の密着性を高めるための結着剤(バインダ)、活物質層414の導電性を高めるた
めの導電助剤等を有してもよい。
二次電池用電極410を二次電池の正極402として用いる場合には、活物質層414に
含まれる活物質(以下、正極活物質という。)として、リチウムイオンの挿入及び脱離が
可能な材料を用いることができ、例えば、オリビン型の結晶構造、層状岩塩型の結晶構造
、又はスピネル型の結晶構造を有するリチウム含有複合リン酸塩等がある。正極活物質と
して、例えばLiFeO2、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、V2O5、
Cr2O5、MnO2等の化合物を用いることができる。
、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上))の代表例としては、LiFe
PO4、LiNiPO4、LiCoPO4、LiMnPO4、LiFeaNibPO4、
LiFeaCobPO4、LiFeaMnbPO4、LiNiaCobPO4、LiNi
aMnbPO4(a+bは1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFecNidCoe
PO4、LiFecNidMnePO4、LiNicCodMnePO4(c+d+eは
1以下、0<c<1、0<d<1、0<e<1)、LiFefNigCohMniPO4
(f+g+h+iは1以下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等があ
る。
引き抜けるリチウムイオンの存在等、正極活物質に求められる事項をバランスよく満たし
ているため、好ましい。なお、LiFePO4の理論容量は、170mAh/gである。
二次電池用電極410を二次電池の負極404として用いる場合には、活物質層414に
含まれる活物質(以下、負極活物質という。)として、例えば、リチウムの溶解・析出、
又はリチウムイオンの挿入・脱離が可能な材料を用いることができ、リチウム金属、炭素
系材料、合金系材料等を用いることができる。
び体積当たりの比容量が大きい(それぞれ3860mAh/g、2062mAh/cm3
)ため、好ましい。
ドカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等がある。
系人造黒鉛等の人造黒鉛や、球状化天然黒鉛等の天然黒鉛がある。
黒鉛の電位はリチウム金属と同程度に卑な電位(0.1〜0.3V vs.Li/Li+
)となる。これにより、リチウムイオン二次電池は高い作動電圧を示すことができる。さ
らに、黒鉛は、単位体積当たりの容量が比較的高い、体積膨張が小さい、安価である、リ
チウム金属に比べて安全性が高い等の利点を有するため、好ましい。
結着剤(バインダ)として、代表的なポリフッ化ビニリデン(PVDF)の他、ポリイミ
ド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルクロライド、エチレンプロピレンジエンポ
リマー、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、
ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース等を用い
ることができる。
導電助剤としては、導電助剤としては比表面積が大きい材料が望ましく、アセチレンブラ
ック(AB)等を用いることができる。また、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラ
ーレンといった炭素材料を用いることもできる。
に機械的強度という優れた物理特性を有する。そのため、グラフェンを、導電助剤として
用いることにより、活物質同士の接触点や、接触面積を増大させることができる。
の多層グラフェンを含む。単層グラフェンとは、π結合を有する1原子層の炭素分子のシ
ートのことをいう。また、酸化グラフェンとは、上記グラフェンが酸化された化合物のこ
とをいう。なお、酸化グラフェンを還元してグラフェンを形成する場合、酸化グラフェン
に含まれる酸素は全て脱離されずに、一部の酸素はグラフェンに残存する。グラフェンに
酸素が含まれる場合、酸素の割合は、XPSで測定した場合にグラフェン全体の2ato
mic%以上20atomic%以下、好ましくは3atomic%以上15atomi
c%以下である。
ラフェンの層間距離は0.34nmより大きく0.5nm以下、好ましくは0.38nm
以上0.42nm以下、さらに好ましくは0.39nm以上0.41nm以下である。通
常のグラファイトは、単層グラフェンの層間距離が0.34nmであり、酸化グラフェン
を還元したグラフェンの方が、その層間距離が長いため、多層グラフェンの層間における
キャリアイオンの移動が容易となる。
ニウム、銀、金などの金属粉末や金属繊維、導電性セラミックス材料等を用いることがで
きる。
明する。
と、導電助剤としてのグラフェン424と、結着剤(バインダともいう。図示せず)と、
を含む。
のグラフェン424が分散する。図9においてはグラフェン424を模式的に太線で表し
ているが、実際には炭素分子の単層又は多層の厚みを有する薄膜である。複数のグラフェ
ン424は、複数の粒状の活物質422を包むように、覆うように、あるいは複数の粒状
の活物質422の表面上に張り付くように形成されているため、互いに面接触している。
また、グラフェン424どうしも互いに面接触することで、複数のグラフェン424によ
り三次元的な電子伝導のネットワークを形成している。
ェンを用いるためである。均一に分散した酸化グラフェンを含有する分散媒から溶媒を揮
発除去し、酸化グラフェンを還元してグラフェンとするため、活物質層414に残留する
グラフェン424は部分的に重なり合い、互いに面接触する程度に分散していることで電
子伝導の経路を形成している。
ラフェン424は接触抵抗の低い面接触を可能とするものであるから、導電助剤の量を増
加させることなく、粒状の活物質422とグラフェン424との電子伝導性を向上させる
ができる。よって、活物質層414における活物質422の比率を増加させることができ
る。これにより、蓄電池の放電容量を増加させることができる。
電解液406に溶解する電解質として、キャリアイオンを有する材料を用いる。電解質の
代表例としては、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiCF3S
O3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N等のリチウム塩がある。
これらの電解質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で
用いてもよい。また、より安定にするため、電解液にビニレンカーボネート(VC)を少
量(1wt%)添加して電解液の分解をより少なくしてもよい。
属イオンの場合、電解質として、上記リチウム塩において、リチウムの代わりに、アルカ
リ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、
ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等)を用いてもよい。
媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましい。非プロトン性有機溶媒の代表例としては
、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート(DEC)、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン等があり、これらの一つ又は複数を用いることができる。また、
電解液の溶媒としてゲル化される高分子材料を用いることで、漏液性等に対する安全性が
高まる。また、蓄電池の薄型化及び軽量化が可能である。ゲル化される高分子材料の代表
例としては、シリコーンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリエチレンオキ
サイド、ポリプロピレンオキサイド、フッ素系ポリマー等がある。また、電解液の溶媒と
して、難燃性及び難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つまたは複数用いること
で、蓄電池の内部短絡や、過充電等によって内部温度が上昇しても、蓄電池の破裂や発火
などを防ぐことができる。
セパレータ15は、セルロース(紙)、又は微細孔が設けられたポリオレフィン樹脂(ポ
リプロピレンやポリエチレンなど)の多孔質フィルムを用いることができる。
生成物が劣化の原因となり、充電中に逆パルス電流を複数回流すことで劣化を抑制できる
バッテリーであれば、本発明の一態様を適用することができる。
本実施の形態では、非水系二次電池の構造について、図10(A)乃至及び図12(C)
を用いて説明する。
分的にその断面構造を併せて示した図である。
952とが、ポリプロピレン等で形成されたガスケット953で絶縁シールされている。
正極954は、正極集電体955と、これと接するように設けられた正極活物質層956
により形成される。また、負極957は、負極集電体958と、これに接するように設け
られた負極活物質層959により形成される。正極活物質層956と負極活物質層959
との間には、セパレータ960と、電解液(図示せず)とを有する。
55と正極活物質層956を有する。
ることができる。
ム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えば、ステンレ
ス鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやアルミ
ニウム等を被覆することが好ましい。正極缶951は正極954と、負極缶952は負極
957とそれぞれ電気的に接続する。
に示すように、正極缶951を下にして正極954、セパレータ960、負極957、負
極缶952をこの順で積層し、正極缶951と負極缶952とをガスケット953を介し
て圧着してコイン型の二次電池950を製造する。
0(B)では、説明の便宜上、部分的にその内部構造を露出して記載している。
層972を有する正極973と、負極集電体974及び負極活物質層975を有する負極
976と、セパレータ977と、電解液(図示せず)と、外装体978と、を有する。外
装体978内に設けられた正極973と負極976との間にセパレータ977が設置され
ている。また、外装体978内は、電解液で満たされている。なお、図10(B)におい
ては、正極973、負極976、セパレータ977をそれぞれ一枚ずつ用いているが、こ
れらを交互に積層した積層型の二次電池としてもよい。
ることができる。
集電体974は、外部との電気的接触を得る端子(タブ)の役割も兼ねている。そのため
、正極集電体971及び負極集電体974の一部は、外装体978から外側に露出するよ
うに配置される。
プロピレン、ポリカーボネート、アイオノマー、ポリアミド等の材料からなる膜の上に、
アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル等の可撓性に優れた金属薄膜を設け、さらに該
金属薄膜上に外装体の外面としてポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の絶縁性合成
樹脂膜を設けた三層構造のラミネートフィルムを用いることができる。このような三層構
造とすることで、電解液や気体の透過を遮断するとともに、絶縁性を確保し、併せて耐電
解液性を有する。
980は図11(A)に示すように、上面に正極キャップ(電池蓋)981を有し、側面
及び底面に電池缶(外装缶)982を有している。これら正極キャップと電池缶(外装缶
)982とは、ガスケット(絶縁パッキン)990によって絶縁されている。
の電池缶982の内側には、帯状の正極984と負極986とがセパレータ985を間に
挟んで捲回された電池素子が設けられている。図示しないが、電池素子はセンターピンを
中心に捲回されている。電池缶982は、一端が閉じられ、他端が開いている。
金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えば、ステンレス鋼等)を用い
ることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやアルミニウム等を被覆
することが好ましい。電池缶982の内側において、正極、負極及びセパレータが捲回さ
れた電池素子は、対向する一対の絶縁板988、989により挟まれている。
る。電解液には、上述した電解質及び溶媒を用いることができる。
面に活物質層を形成する。正極984には正極端子(正極集電リード)983が接続され
、負極986には負極端子(負極集電リード)987が接続される。正極端子983及び
負極端子987は、ともにアルミニウムなどの金属材料を用いることができる。正極端子
983は安全弁機構992に、負極端子987は電池缶982の底にそれぞれ抵抗溶接さ
れる。安全弁機構992は、PTC(Positive Temperature Co
efficient)素子991を介して正極キャップ981と電気的に接続されている
。安全弁機構992は電池の内圧の上昇が所定の閾値を超えた場合に、正極キャップ98
1と正極984との電気的な接続を切断するものである。また、PTC素子991は温度
が上昇した場合に抵抗が増大する熱感抵抗素子であり、抵抗の増大により電流量を制限し
て異常発熱を防止するものである。PTC素子には、チタン酸バリウム(BaTiO3)
系半導体セラミックス等を用いることができる。
に示す捲回体6601は、端子6602と、端子6603を有する。捲回体6601は、
セパレータ6616を挟んで負極6614と、正極6615とが重なり合って積層されて
いる積層シートを捲回したものである。図12(B)に示すように、この捲回体6601
を角型の封止缶6604などで覆うことにより角型の二次電池6600が形成される。な
お、負極6614、正極6615及びセパレータ6616からなる積層の積層数は、二次
電池6660に必要な容量と封止缶6604の容積に応じて適宜設計すればよい。図12
(C)は、封止缶6604を閉じた状態を示す。
施の形態で得られる二次電池の充電中に生成物(代表的にはウィスカー状のリチウムなど
)が形成される電流方向とは逆方向に流れる電流(逆パルス電流)を加えることで、析出
するリチウムの抑制、及び析出したリチウムの溶解を促し、二次電池の劣化を抑制できる
。
本発明の一態様に係る電気化学デバイス、及び該電気化学デバイスの劣化抑制方法は、様
々な電気機器の電源に対して用いることができる。また、本実施の形態で得られる二次電
池の充電中に逆パルス電流を加えることでメンテナンスフリーの二次電池を実現すること
もできる。
態様に係る電気化学デバイス、及び該電気化学デバイスの劣化抑制方法を利用した電気機
器としては、例えば、テレビやモニタ等の表示装置、照明装置、デスクトップ型やノート
型等のパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、DVD(Digital Vers
atile Disc)などの記録媒体に記憶された静止画又は動画を再生する画像再生
装置、CD(Compact Disc)プレーヤやデジタルオーディオプレーヤ等の携
帯型又は据置型の音響再生機器、携帯型又は据置型のラジオ受信機、テープレコーダやI
Cレコーダ(ボイスレコーダ)等の録音再生機器、ヘッドホンステレオ、ステレオ、リモ
ートコントローラ、置き時計や壁掛け時計等の時計、コードレス電話子機、トランシーバ
、携帯電話機、自動車電話、携帯型又は据置型のゲーム機、歩数計、電卓、携帯情報端末
、電子手帳、電子書籍、電子翻訳機、マイクロフォン等の音声入力機器、スチルカメラや
ビデオカメラ等の写真機、玩具、電気シェーバ、電動歯ブラシ、電子レンジ等の高周波加
熱装置、電気炊飯器、電気洗濯機、電気掃除機、温水器、扇風機、毛髪乾燥機、加湿器や
除湿器やエアコンディショナ等の空気調和設備、食器洗い器、食器乾燥器、衣類乾燥器、
布団乾燥器、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気冷凍冷蔵庫、DNA保存用冷凍庫、懐中電灯
、電動工具、煙感知器、補聴器、心臓ペースメーカ、携帯型X線撮影装置、放射線測定器
、電気マッサージ器や透析装置等の健康機器や医療機器などが挙げられる。さらに、誘導
灯、信号機、ガスメータや水道メータ等の計量器、ベルトコンベア、エレベータ、エスカ
レータ、自動販売機、自動券売機、現金自動支払機(CD。Cash Dispense
rの略)や現金自動預金支払機(ATM。AutoMated Teller Mach
ineの略)、デジタルサイネージ(電子看板)、産業用ロボット、無線用中継局、携帯
電話の基地局、電力貯蔵システム、電力の平準化やスマートグリッドのための二次電池等
の産業機器が挙げられる。
様に係る電気化学デバイス、及び該電気化学デバイスの劣化抑制方法を用いることができ
る。また、上記電気機器は、主電源や商用電源からの電力の供給が停止した場合に、電気
機器への電力の供給を行うことができる無停電電源に対して、本発明の一態様に係る電気
化学デバイス、及び該電気化学デバイスの劣化抑制方法を用いることができる。あるいは
上記電気機器は、主電源や商用電源からの電気機器への電力の供給と並行して、電気機器
への電力の供給を行うための補助電源の充電中に、本発明の一態様に係る逆パルス電流を
加える電気化学デバイス、及び該電気化学デバイスの劣化抑制方法を適用することができ
る。
端末8040は、一例として、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、イ
ンターネット通信、コンピュータゲーム等の種々のアプリケーションの実行が可能である
。携帯情報端末8040は、筐体8041の正面に表示部8042、カメラ8045、マ
イクロフォン8046、スピーカ8047を有し、筐体8041の左側面には操作用のボ
タン8043、底面には接続端子8048を有する。
表示パネルとして、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子を各画素に備えた発
光装置、液晶表示装置、電気泳動方式や電子粉流体方式等により表示を行う電子ペーパ、
DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plas
ma Display Panel)、FED(Field Emission Dis
play)、SED(Surface Conduction Electron−em
itter Display)、LED(Light Emitting Diode)
ディスプレイ、カーボンナノチューブディスプレイ、ナノ結晶ディスプレイ、量子ドット
ディスプレイ等が用いることができる。
た例であるが、これに限らず、表示部8042を携帯情報端末8040の背面に設けても
よいし、折り畳み型の携帯情報端末として、二以上の表示部を設けてもよい。
チパネルが入力手段として設けられている。これにより、表示部8042に表示されたア
イコン8044を指示手段により簡単に操作することができる。また、タッチパネルの配
置により携帯情報端末8040にキーボードを配置する領域が不要となるため、広い領域
に表示部を配置することができる。また、指やスタイラスで情報の入力が可能となること
から、ユーザフレンドリなインターフェースを実現することができる。タッチパネルとし
ては、抵抗膜方式、静電容量方式、赤外線方式、電磁誘導方式、表面弾性波方式等、種々
の方式を採用することができるが、表示部8042は湾曲するものであるため、特に抵抗
膜方式、静電容量方式を用いることが好ましい。また、このようなタッチパネルは、上述
の表示モジュール又は表示パネルと一体として組み合わされた、いわゆるインセル方式の
ものであってもよい。
い。この場合、例えば、表示部8042に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで
、本人認証を行うことができる。また、表示部8042に近赤外光を発光するバックライ
ト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像する
こともできる。
チパネルとキーボードの双方を設けてもよい。
、ボタン8043をホームボタンとし、ボタン8043を押すことで表示部8042にホ
ーム画面を表示する構成としてもよい。また、ボタン8043を所定の時間押し続けるこ
とで、携帯情報端末8040の主電源をオフするようにしてもよい。また、スリープモー
ドの状態に移行している場合、ボタン8043を押すことで、スリープモード状態から復
帰させるようにしてもよい。その他、押し続ける期間や、他のボタンと同時に押す等によ
り、種々の機能を起動させるスイッチとして用いることができる。
8047の音量の調整等を行う機能を持たせてもよい。スピーカ8047からは、オペレ
ーティングシステム(OS)の起動音等特定の処理時に設定した音、音楽再生アプリケー
ションソフトからの音楽等各種アプリケーションにおいて実行される音ファイルによる音
、電子メールの着信音等様々な音を出力する。なお、図示しないが、音出力をスピーカ8
047とともに、あるいはスピーカ8047に替えてヘッドフォン、イヤフォン、ヘッド
セット等の装置に音を出力するためのコネクタを設けてもよい。
左側面にボタン8043を2つ設けた携帯情報端末8040を図示しているが、勿論、ボ
タン8043の数や配置位置等はこれに限定されず、適宜設計することができる。
5により取得した画像を表示部8042に表示させることができる。
ボタン8043の他、カメラ8045や携帯情報端末8040に内蔵されたセンサ等を用
いて使用者の動作(ジェスチャー)を認識させて操作を行うこともできる(ジェスチャー
入力という)。あるいは、マイクロフォン8046を用いて、使用者の音声を認識させて
操作を行うこともできる(音声入力という)。このように、人間の自然な振る舞いにより
電気機器に入力を行うNUI(Natural User Interface)技術を
実装することで、携帯情報端末8040の操作性をさらに向上させることができる。
る。例えば、携帯情報端末8040に外部メモリドライブするために、接続端子8048
を用いることができる。外部メモリドライブとして、例えば外付けHDD(ハードディス
クドライブ)やフラッシュメモリドライブ、DVD(Digital Versatil
e Disk)やDVD−R(DVD−Recordable)、DVD−RW(DVD
−ReWritable)、CD(Compact Disc)、CD−R(Compa
ct Disc Recordable)、CD−RW(Compact Disc R
eWritable)、MO(Magneto−Optical Disc)、FDD(
Floppy Disk Drive)、又は他の不揮発性のソリッドステートドライブ
(Solid State Drive:SSD)デバイスなどの記録メディアドライブ
が挙げられる。また、携帯情報端末8040は表示部8042上にタッチパネルを有して
いるが、これに替えて筐体8041上にキーボードを設けてもよく、またキーボードを外
付けしてもよい。
ているが、接続端子8048の数や配置位置等はこれに限定されず、適宜設計することが
できる。
端末8040は、筐体8041の表面に太陽電池8049とカメラ8050を有し、また
、充放電制御回路8051、二次電池8052、DCDCコンバータ8053等を有する
。なお、図13(B)では充放電制御回路8051の一例として二次電池8052、DC
DCコンバータ8053を有する構成について示しており、二次電池8052には、上記
実施の形態で説明した本発明の一態様に係る電気化学デバイス、及び該電気化学デバイス
の劣化抑制方法を用いる。
ッチパネル、又は映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池8049は
、筐体8041の片面又は両面に設けることができる。携帯情報端末8040に太陽電池
8049を搭載させることで、屋外などの電力の供給手段がない場所においても、携帯情
報端末8040の二次電池8052の充電を行うことができる。
非晶質シリコン又はこれらの積層からなるシリコン系の太陽電池や、InGaAs系、G
aAs系、CIS系、Cu2ZnSnS4、CdTe−CdS系の太陽電池、有機色素を
用いた色素増感太陽電池、導電性ポリマーやフラーレン等を用いた有機薄膜太陽電池、p
in構造におけるi層中にシリコン等による量子ドット構造を形成した量子ドット型太陽
電池等を用いることができる。
、図13(C)に示すブロック図を用いて説明する。
、コンバータ8057、スイッチ8054、スイッチ8055、スイッチ8056、表示
部8042について示しており、二次電池8052、DCDCコンバータ8053、コン
バータ8057、スイッチ8054、スイッチ8055、スイッチ8056が、図13(
B)に示す充放電制御回路8051に対応する箇所となる。
な電圧とするために、DCDCコンバータ8053で昇圧又は降圧される。そして、表示
部8042の動作に太陽電池8049からの電力が用いられる際には、スイッチ8054
をオンにし、コンバータ8057で表示部8042に必要な電圧に昇圧又は降圧する。ま
た、表示部8042での表示を行わない際には、スイッチ8054をオフにし、スイッチ
8055をオンにして二次電池8052の充電を行う。
(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段を用いて二次電池
8052の充電を行ってもよい。また、携帯情報端末8040の二次電池8052への充
電方法はこれに限られず、例えば上述した接続端子8048と電源とを接続して充電を行
ってもよい。また、無線で電力を送受信して充電する非接触電力伝送モジュールを用いて
もよく、以上の充電方法を組み合わせてもよい。
が、表示部8042の左上(破線枠内)に表示される。これにより、使用者は、二次電池
8052の充電状態を把握することができ、これに応じて携帯情報端末8040を節電モ
ードと選択することもできる。使用者が省電力モードを選択する場合には、例えば上述し
たボタン8043やアイコン8044を操作し、携帯情報端末8040に搭載される表示
モジュール又は表示パネルや、CPU等の演算装置、メモリ等の構成部品を省電力モード
に切り換えることができる。具体的には、これらの構成部品のそれぞれにおいて、任意の
機能の使用頻度を低減し、停止させる。省電力モードでは、また、充電状態に応じて設定
によって自動的に省電力モードに切り替わる構成とすることもできる。また、携帯情報端
末8040に光センサ等の検出手段を設け、携帯情報端末8040の使用時における外光
の光量を検出して表示輝度を最適化することで、二次電池8052の電力の消費を抑える
ことができる。
2の左上(破線枠内)にそれを示す画像等の表示を行ってもよい。
こで説明する蓄電システム8100は、家庭で用いることができる。また、ここでは一例
として家庭用の蓄電システムについて説明するが、これに限られず、業務用として又はそ
の他の用途で用いることができる。
するためのプラグ8101を有する。また、蓄電システム8100は、家庭内に設けられ
た分電盤8104と電気的に接続する。
ていてもよい。表示パネルはタッチスクリーンを有していてもよい。また、表示パネルの
他、主電源のオンオフを行うためのスイッチや蓄電システムの操作を行うためのスイッチ
等を有していてもよい。
は別に、例えば室内の壁に操作スイッチを設けてもよい。あるいは、蓄電システム810
0と家庭内に設けられたパーソナルコンピュータ、サーバ等と接続し、間接的に蓄電シス
テム8100を操作してもよい。さらに、スマートフォン等の情報端末機やインターネッ
ト等を用いて蓄電システム8100を遠隔操作してもよい。これらの場合、蓄電システム
8100とその他の機器とは有線により又は無線により通信を行う機構を、蓄電システム
8100に設ければよい。
8100は、複数の二次電池群8106とBMU(Battery Managemen
t Unit)8107とPCS(Power Conditioning Syste
m)8108とを有する。
103からの電力を、二次電池群8106に蓄電することができる。複数の二次電池群8
106のそれぞれは、BMU8107と電気的に接続されている。
び制御し、また二次電池8105を保護することができる機能を有する。具体的には、B
MU8107は、二次電池群8106が有する複数の二次電池8105のセル電圧、セル
温度データ収集、過充電及び過放電の監視、過電流の監視、セルバランサ制御、電池劣化
状態の管理、電池残量((充電率)State Of Charge:SOC)の算出演
算、駆動用二次電池の冷却ファンの制御、又は故障検出の制御等を行う。なお、これらの
機能の一部又は全部は上述のように、二次電池8105内に含めてもよく、あるいは二次
電池群ごとに当該機能を付与してもよい。また、BMU8107はPCS8108と電気
的に接続する。
容量を超えて放電を更に行うことをいう。例えば、過充電の監視は、規定値(許容値)を
超えた電圧にならないように、充電時の二次電池の電圧を監視することで行うことができ
る。また、過放電の監視は、規定値(許容値)未満の電圧にならないように、放電時の二
次電池の電圧を監視することで行うことができる。
二次電池内での正極と負極のショート、二次電池への負荷が大きすぎる場合等がある。過
電流の監視は、二次電池を流れる電流を監視することで行うことができる。
−交流変換を行う。例えば、PCS8108は、インバータや、系統電源8103の異常
を検出して動作を停止する系統連系保護装置などを有する。蓄電システム8100の充電
時には、例えば系統電源8103の交流の電力を直流に変換してBMU8107へ送電し
、蓄電システム8100の放電時には、二次電池群8106に蓄えられた電力を屋内など
の負荷に交流に変換して供給する。なお、蓄電システム8100から負荷への電力の供給
は、図14(A)に示すように分電盤8104を介してもよく、あるいは蓄電システム8
100と負荷とを有線又は無線により直接行ってもよい。
屋外に設置した太陽発電システムから電力を供給してもよい。
説明する。本実施例では、コイン型のリチウムイオン二次電池を作製した。作製した二次
電池について、電解液中のリチウム塩の濃度を条件振りをし、充電試験を行った。以下で
は、充電試験を行ったバッテリーのうち、電解液中のリチウム塩の濃度が0.25M、0
.5M、1.0M、2.0Mの二次電池をそれぞれ『評価用セル1』、『評価用セル2』
、『評価用セル3』、『評価用セル4』と呼ぶことにする。
(正極の作製)
正極の作製は、評価用セル1乃至4で共通する工程で行う。まず、炭素層を表面に設けた
リン酸鉄リチウム(LiFePO4)と、極性溶媒としてNMP(N−メチル−2−ピロ
リドン)とを混合した。これらを混練機により2000rpmで5分間攪拌・混合した。
間の攪拌・混合を行った。そして粘度調整のためNMPを添加して、2000rpmでの
5分間の攪拌及び混合を行った。極性溶媒を除いた重量比が、リン酸鉄リチウム:AB:
PVDF=83:8:9となるように秤量して調整した。
て塗工した。これを135℃の温度で2時間以上熱風乾燥して極性溶媒を揮発させた後、
プレスにより活物質層を圧縮し、電極を作製した。この電極を打ち抜いて評価用セル1乃
至4の正極を作製した。
負極の作製は、評価用セル1乃至4で共通する工程で行う。まず、アセチレンブラック(
AB)とPVDFを混練機により2000rpmで10分間攪拌・混合した。
分間の攪拌・混合を行った。そして粘度調整のためNMPを添加して、2000rpmで
の10分間の攪拌及び混合を行った。極性溶媒を除いた重量比が、粒状黒鉛:AB:PV
DF=93:2:5となるように秤量して調整した。
。これを乾燥して極性溶媒を揮発させた後、プレスにより活物質層を圧縮し、電極を作製
した。この電極を打ち抜いて評価用セル1乃至4の負極を作製した。
電解液のリチウム塩の濃度は、評価用セル1乃至4で異なる。
を体積比で3:7の割合で混合した混合溶液中へ六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)
を0.25Mの濃度で溶解したものを用いた。
を体積比で3:7の割合で混合した混合溶液中へ六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)
を0.5Mの濃度で溶解したものを用いた。
を体積比で3:7の割合で混合した混合溶液中へ六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)
を1Mの濃度で溶解したものを用いた。
を体積比で3:7の割合で混合した混合溶液中へ六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)
を2.0Mの濃度で溶解したものを用いた。
作製した正極、負極及び電解液で、評価用セル1乃至4を作製した。評価用セル1乃至4
はコインセルCR2032(直径20mm、高さ3.2mm)の形態とした。セパレータ
には、厚さ260μmのガラス繊維セパレータ(GF/C)を用いた。
以上の工程で作製した評価用セル1乃至4における正極及び負極の厚さ、電極密度、担持
量、及び容量比は表1のようになった。
は、逆パルス電流の有無によるリチウムの溶解を確認するためである。表1では、逆パル
ス電流を供給するセルをA、供給しないセルをBとした。すなわち、評価用セル1(A)
、評価用セル2(A)、評価用セル3(A)には逆パルス電流を供給して充電を行い、評
価用セル1(B)、評価用セル2(B)、評価用セル3(B)、評価用セル4には逆パル
ス電流を供給せずに充電を行った。
評価用セル1乃至4に対し、逆パルス電流を供給する場合としない場合とで、析出したリ
チウムを溶解する効果があるか否かについて確認した。
。その後、2回目の充電を行った。これらの充電、放電は、図15に示すように、評価用
セル2(A)、2(B)、3(A)、3(B)を充放電試験機に接続して行われた。なお
、環境温度は25℃とした。
を複数回供給しながら充電を行った。また、2回目の充電の、評価用セル2(B)及び評
価用セル3(B)には、逆パルス電流を複数回供給せずに充電を行った。
質重量(17.613mg)とLiFePO4の理論容量170mAh/gから算出した
。この1Cを基準に、1乃至4の充電レート及び放電レート(単位[C])を設定した。
化を示す。また図16(B)に、評価用セル1(B)の容量(電池容量)に対する電圧(
セル電圧)の変化を示す。また図17(A)に、評価用セル2(A)の容量(電池容量)
に対する電圧(セル電圧)の変化を示す。また図17(B)に、評価用セル2(B)の容
量(電池容量)に対する電圧(セル電圧)の変化を示す。図18(A)に、評価用セル3
(A)の容量(電池容量)に対する電圧(セル電圧)の変化を示す。また図18(B)に
、評価用セル3(B)の容量(電池容量)に対する電圧(セル電圧)の変化を示す。また
図19に、評価用セル4の容量(電池容量)に対する電圧(セル電圧)の変化を示す。
を表しており、一つは放電に対する容量の減少を表しており、一つは充電電流と逆パルス
電流を交互に複数回流す2回目の充電を表している。なお評価用セルの容量に対する電圧
の変化の表し方は、他のグラフ図17(A)及び図18(A)でも同様である。
電に対する容量の増加を表しており、一つは放電に対する容量の減少を表しており、一つ
は2回目の充電に対する容量の増加を表している。なお評価用セルの容量に対する電圧の
変化の表し方は、他のグラフ図17(B)、図18(B)及び図19でも同様である。
が4.0Vに到達した時点で充電を停止した。
0Vに低下した時点で、放電を停止した。
ルス電流を交互に供給して行った。充電は、いわゆる急速充電と呼ばれるような高いレー
トで行った。具体的には、2Cのレートで、評価用セル1(A)、評価用セル2(A)及
び評価用セル3(A)に充電電流を流して容量10mAh/gを充電した後、1Cのレー
トで20秒間逆パルス電流を評価用セル1(A)、評価用セル2(A)及び評価用セル3
(A)に供給した。そして、セル電圧が4.3Vに到達した時点で充電を停止した。
Cのレートで行った。セル電圧が4.3Vに到達した時点で充電を停止した。
2回目の充電を終えた後、評価用セル1乃至4をアルゴン雰囲気下のグローブボックス内
で解体し、取り出した負極をジメチルカーボネートで洗浄した。そして、雰囲気遮断ホル
ダを用いて走査型電子顕微鏡(SEM)に搬入して、その表面を観察した。
0(A)及び図20(B)に示す。図20(A)及び図20(B)にある球形の物質は、
負極活物質に用いた黒鉛である。充電電流と逆パルス電流を交互に供給して充電した図2
0(A)、充電電流と逆パルス電流を交互に供給せずに充電した図20(B)では、共に
黒鉛の表面を覆うように、ウィスカー状の反応生成物が存在していることが確認された。
また充電電流と逆パルス電流を交互に供給して充電した図20(A)は、充電電流と逆パ
ルス電流を交互に供給せずに充電した図20(B)に比べ、ウィスカー状の反応生成物の
減少が確認された。このウィスカー状の反応生成物の減少から、充電電流と逆パルス電流
を交互に供給することで、ウィスカー状に成長したリチウムを溶解することがわかった。
像を図21(A)及び図21(B)に示す。図21(A)及び図21(B)にある球形の
物質は、負極活物質に用いた黒鉛である。充電電流と逆パルス電流を交互に供給して充電
した、図21(A)では、ウィスカー状の反応生成物は、黒鉛の表面に確認されなかった
。一方、充電電流と逆パルス電流を交互に供給せずに充電した、図21(B)では、黒鉛
の表面を覆うように、ウィスカー状の反応生成物が存在していることが確認された。この
ウィスカー状の反応生成物の有無から、充電電流と逆パルス電流を交互に供給することで
、ウィスカー状に成長したリチウムを溶解することがわかった。
像を図22(A)及び図22(B)に示す。図22(A)及び図22(B)にある球形の
物質は、負極活物質に用いた黒鉛である。充電電流と逆パルス電流を交互に供給して充電
した、図22(A)では、ウィスカー状の反応生成物は、黒鉛の表面に確認されなかった
。一方、充電電流と逆パルス電流を交互に供給せずに充電した、図22(B)では、黒鉛
の表面を覆うように、ウィスカー状の反応生成物が存在していることが確認された。この
ウィスカー状の反応生成物の有無から、充電電流と逆パルス電流を交互に供給することで
、ウィスカー状に成長したリチウムを溶解することがわかった。
形の物質は、負極活物質に用いた黒鉛である。図23では、ウィスカー状の反応生成物は
、黒鉛の表面に確認されなかった。そのため、電解液中のリチウム塩の濃度が1.0Mよ
りも高い場合には、充電電流と逆パルス電流を交互に供給をする必要がないことがわかっ
た。
出するリチウムの抑制、及び負極表面に析出したリチウムの溶解ができることを示してい
る。そのため、正極と負極間における短絡、及び負極におけるリチウムの剥離を抑制でき
る。また、電解液中のリチウム塩の濃度を負極にリチウムが析出する濃度まで低減できる
ため、電解液に溶解させる溶質量の削減、及び電解液の粘度の低下を図ることができる。
ここで、本実施例で説明した、黒鉛表面にリチウムが析出する現象について、模式図を用
い、想定されるメカニズムを説明する。
る。
を示している。模式図では、充電を行うことで進行する、黒鉛603へのリチウムのイン
ターカレーションについて、簡略化して示している。
がない状態である『C』から、リチウムが一部に挿入された状態である『LiC27』へ
とインターカレーションが進行する。さらに図24(A)において黒鉛603は、充電に
よるリチウムの移動により、リチウムが一部に挿入された状態である『LiC27』から
、リチウムがより挿入された状態である『LiC12』へとインターカレーションが進行
する。さらに図24(A)において黒鉛603は、充電によるリチウムの移動により、リ
チウムがより挿入された状態である『LiC12』から、リチウムが満たされた状態であ
る『LiC6』へとインターカレーションが進行する。さらに図24(A)において黒鉛
603は、充電によるリチウムの移動により、リチウムが満たされた状態である『LiC
6』から、リチウムが溢れることでリチウム601が析出する状態となる。
明するために一例として示したものである。そのため析出するリチウムは、黒鉛603が
『LiC6』となる以前である『LiC12』や『LiC27』である状態でも、析出す
る場合もある。
囲まれた層間にリチウム605が挿入されるインターカレーションの様子を模式的に示し
ている。
素六角網面602に囲まれた層間に挿入される。さらに図24(B)においてリチウム6
05は、充電によるリチウムの移動により、黒鉛中の炭素六角網面602に囲まれた層間
により多く挿入される。さらに図24(B)においてリチウム605は、充電によるリチ
ウムの移動により、黒鉛中の炭素六角網面602に囲まれた層間にリチウム605が満た
された状態となる。さらに図24(B)においてリチウム605は、黒鉛中の炭素六角網
面602に囲まれた層間にリチウム605が満たされた状態から、リチウムが溢れること
でリチウム601が析出する状態となる。
で示しているが、実際にはさらに大きく成長する。
提として説明をした。この黒鉛中へのリチウムの挿入が均一に進むためには、電解液から
リチウムが次々に供給される必要がある。電解液中のリチウム塩の濃度が1M未満の濃度
の場合、電解液からのリチウムの供給が間に合わず、充電によるリチウムの挿入が黒鉛中
で不均一となると予想される。
解液613を模式的に示したものである。
きる(図25中の矢印621)ものの、多孔質である黒鉛603で形成された電極内部6
11へは電解液の通り道が狭いために、リチウムイオンの到達が遅れる(図25中の矢印
622)。そのため、電極表面612と電極内部611とでは、黒鉛へのリチウムの供給
に差が生じ、とくに急速充電時ではこの差が顕著に大きくなることが予想される。
られている模式図を示している。図26では、図24(A)と異なり、黒鉛603へのリ
チウムの供給に電極表面と電極内部に差が生じる場合を想定して説明する。
状態である『C』から、リチウムが一部に挿入された状態である『LiC27』へとイン
ターカレーションが進行する。
部で差が生じたとする。この場合、電極表面では、リチウムがより挿入された状態である
『LiC12』へとインターカレーションが進行し、電極内部では、リチウムがより挿入
が進まず『LiC27』のままとなる。
充電によるリチウムの供給が進むと、電極表面では、リチウムが満たされた状態である『
LiC6』へとインターカレーションが進行し、電極内部では、リチウムがより挿入が進
まず『LiC12』や『LiC27』のままとなる。さらに図26において黒鉛603は
、充電によるリチウムの供給が進むと、電極表面では、リチウムが充溢することでリチウ
ム601が析出する状態へと遷移する。一方で、電極内部では、リチウムがより挿入が進
まず『LiC12』や『LiC27』のままとなる。
スカー状に成長したリチウムの析出が確認された電極の断面を観察することで確認した。
線で囲んだ領域の拡大写真図を示す。図27(A)、(B)に示すように、電極表面付近
にのみ、ウィスカー状に成長したリチウムが存在している様子が観察された。一方で、電
極内部ではウィスカー状に成長したリチウムの存在は確認されなかった。
の析出が起こりやすいことがわかった。リチウムの挿入が不均一となるのは、電解液中の
リチウム塩の濃度が1M未満と低濃度の場合や、急速充電時における電極表面と電極内部
でのリチウムイオンの到達に差が生じる場合である。このリチウムの析出が起こりやすい
場合であっても、充電電流と逆パルス電流を交互に供給する技術思想により、リチウムの
析出を抑制すること、及びウィスカー状に成長したリチウムを溶解させること、ができた
。
12 正極
13 電解液
14 負極
15 セパレータ
22a 反応生成物
22b 反応生成物
101 リチウムイオン二次電池
105 矢印
400 二次電池
402 正極
404 負極
406 電解液
408 セパレータ
410 電極
412 集電体
414 活物質層
422 活物質
424 グラフェン
601 リチウム
602 炭素六角網面
603 黒鉛
604 集電体
605 リチウム
611 電極内部
612 電極表面
613 電解液
621 矢印
622 矢印
950 二次電池
951 正極缶
952 負極缶
953 ガスケット
954 正極
955 正極集電体
956 正極活物質層
957 負極
958 負極集電体
959 負極活物質層
960 セパレータ
970 二次電池
971 正極集電体
972 正極活物質層
973 正極
974 負極集電体
975 負極活物質層
976 負極
977 セパレータ
978 外装体
980 二次電池
981 正極キャップ
982 電池缶
983 正極端子
984 正極
985 セパレータ
986 負極
987 負極端子
988 絶縁板
989 絶縁板
991 PTC素子
992 安全弁機構
6600 二次電池
6601 捲回体
6602 端子
6603 端子
6604 封止缶
6614 負極
6615 正極
6616 セパレータ
6660 二次電池
8040 携帯情報端末
8041 筐体
8042 表示部
8043 ボタン
8044 アイコン
8045 カメラ
8046 マイクロフォン
8047 スピーカ
8048 接続端子
8049 太陽電池
8050 カメラ
8051 充放電制御回路
8052 二次電池
8053 DCDCコンバータ
8054 スイッチ
8055 スイッチ
8056 スイッチ
8057 コンバータ
8100 蓄電システム
8101 プラグ
8102 表示パネル等
8103 系統電源
8104 分電盤
8105 二次電池
8106 二次電池群
8107 BMU
8108 PCS
Claims (1)
- 第1の電極と、第2の電極と、リチウム塩を溶解した電解液と、を有する電気化学デバイスにおいて、
前記電解液中の前記リチウム塩の濃度が1M未満であり、
前記第1の電極及び前記第2の電極には、前記第2の電極から前記第1の電極への方向に流れる第1の電流と、前記第1の電流が流れる方向とは逆方向に流れ、且つ1回の供給期間が前記第1の電流の1回の供給時間よりも短い第2の電流とが、交互に繰り返して与えられる電気化学デバイス。
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