JP2020190578A - レーザ測量装置 - Google Patents

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【課題】光波距離測定機構とレーザ回転照射機構とが一体に構成されるレーザ測量装置において、両機構の鉛直軸を効率よく正確に設定することのできるレーザ測量装置を提供すること。【解決手段】光波距離測定機構2は、少なくとも測距可能な望遠鏡部15と、整準のための姿勢調整が可能な整準部と、傾きを検出する第1のチルトセンサ12と、を有し、レーザ回転照射機構3は、レーザ光線を回転照射するレーザ照射部22と、傾きを検出する第2のチルトセンサ29、30と、光波距離測定機構2に対する姿勢を調整する姿勢調整部24、25と 、光波距離測定機構2に対する姿勢を固定する固定部26、27、28と、を有する【選択図】図1

Description

本発明は、光波距離測定機構とレーザ回転照射機構とを一体に有するレーザ測量装置に関する。
測量装置としては、測距光学系の測定光軸を測定対象物に向け、測距、水平角、鉛直角の測定を行う、いわゆるトータルステーションといわれる光波距離測定装置がある。また、近年は光波距離測定装置として、測定対象物の移動に追従して回動する追従機能付きの光波距離測定装置も開発されている。
また、レーザ光線を回転照射して、基準面を形成するレーザ回転照射装置も知られている(特許文献1、2参照)。
そして、光波距離測定装置(光波距離測定機構ともいう)とレーザ回転照射装置(レーザ回転照射機構ともいう)とを一体としたレーザ測量装置を用いて、スリップフォーム舗装機械等の建設機械の制御を行うシステムも開発されている(特許文献3参照)。
特開2004−212058号公報 特開2005−274229号公報 特開2014−55499号公報
上記特許文献1、2に示されているようなレーザ測量装置や光波距離測定装置等の測量装置は、設置の際に、測量装置に具備されているチルトセンサを用いて測量装置の鉛直軸が重力方向と一致するように整準される。
しかしながら、特許文献3に記載されているような光波距離測定装置とレーザ回転照射装置とが一体のレーザ測量装置では、光波距離測定装置における鉛直軸とレーザ回転照射装置における鉛直軸の2つの鉛直軸を有することとなり、両鉛直軸が一致していなければ、一方の装置に基づき整準しても他方の装置の鉛直軸がずれ、正確な測量が行えないという問題がある。
このため、レーザ測量装置においては、光波距離測定装置とレーザ回転照射装置とを精度よく組み立てる必要があるが、光波距離測定装置とレーザ回転照射装置をそれぞれの装置を精度よく製造し、且つ光波距離測定装置とレーザ回転照射装置との組み立ても精度よく行うことは容易ではない。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、光波距離測定機構とレーザ回転照射機構とが一体に構成されるレーザ測量装置において、両機構の鉛直軸を効率よく正確に設定することのできるレーザ測量装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明に係るレーザ測量装置では、少なくとも測距を行う光波距離測定機構と、レーザ光線を回転照射して基準面を形成するレーザ回転照射機構とを一体に備えるレーザ測量装置であって、前記光波距離測定機構は、少なくとも測距可能な望遠鏡部と、整準のための姿勢調整が可能な整準部と、傾きを検出する第1のチルトセンサと、を有し、前記レーザ回転照射機構は、前記レーザ光線を回転照射するレーザ照射部と、傾きを検出する第2のチルトセンサと、前記光波距離測定機構に対する姿勢を調整する姿勢調整部と、前記光波距離測定機構に対する姿勢を固定する固定部と、を有する。
また、本発明に係るレーザ測量装置において、前記第2のチルトセンサは前記第1のチルトセンサよりも傾きを検出する精度が高いのが好ましい。
また、本発明に係るレーザ測量装置において、前記整準部は、前記第1のチルトセンサにより検出される傾きに基づき、自動的に整準を行うことが可能であることが好ましい。
上記手段を用いる本発明によれば、光波距離測定機構とレーザ回転照射機構とが一体に構成されるレーザ測量装置において、両機構の鉛直軸を効率よく正確に設定することができる。
本発明の一実施形態に係るレーザ測量装置の概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係るレーザ測量装置における鉛直軸の設定ルーチンを示したフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1に本実施形態に係る製造方法により製造されるレーザ測量装置1が示されており、同図に示すレーザ測量装置1は、光波距離測定機構2の上にレーザ回転照射機構3が一体的に設けられている。
レーザ測量装置1は、例えば上記特許文献3に記載されているスリップフォーム舗装機械のような建設機械の制御システムに用いられるレーザ測量装置であって、測量の際には図示しない三脚を介して任意の点に設置される。
光波距離測定機構2は、トータルステーションと同等の機能を有する。例えば光波距離測定機構2は、測距光を建設機械が有するターゲットに向かって照射し、当該ターゲットからの反射測距光を受光して測距及び測角を行い、またターゲットからの反射光に基づきターゲットの追尾を行う。
詳しくは、光波距離測定機構2は、下部に基台部10と回転基板11を有している。
基台部10には図示しない三脚が取り付け可能である。基台部10は図示しない水平回転駆動部を有しており、当該水平回転駆動部により回転基板11を水平方向に回転駆動する。
また、基台部10と回転基板11との間には、図示しないが基台部10に対する傾きを調整して整準する整準部を備えている。整準部は、例えば回転基板11の水平面上の任意の一か所が支点として固定されており、当該水平面上の任意の二か所に、回転基板11を上下方向に移動可能な2つの整準ねじが設けられ、これらの整準ねじの締め度合いに応じて基台部10に対する回転基板11の傾斜を調整するものである。なお、整準ねじの数はこれに限られるものではなく、例えば3本備えていてもよい。
また、回転基板11には、円形気泡管からなる水平チルトセンサ12(第1のチルトセンサ)が設けられており、当該水平チルトセンサ12により回転基板11、すなわち光波距離測定機構2の傾きを検出することが可能である。
本実施形態の整準部は、水平チルトセンサ12により検出される傾き情報を取得して図示しないアクチュエータにより整準ねじを駆動することで自動的に整準を行う自動整準機能を有している。なお、整準部は、作業者が水平チルトセンサ12を確認しながら整準ねじを手動操作して整準を行う構成としてもよい。
回転基板11の上面には一対の支柱部13、14が立設されており、当該一対の支柱部13、14の間に望遠鏡部15が鉛直方向に回転可能に支持されている。図示しないが、当該一対の支柱部13、14には望遠鏡部15を鉛直方向に回転させる鉛直回転駆動部が設けられている。
望遠鏡部15には、測距光学系、追尾光学系及び測距部が収納されており、望遠鏡部15から測距光L1、追尾光(図示せず)が射出され、ターゲットからの反射測距光を測距部にて受光して測距を行う。また、望遠鏡部15は、追尾光学系を介してターゲットで反射された追尾光を受光し、水平回転駆動部により水平方向に、鉛直回転駆動部により鉛直方向に駆動されることでターゲットの自動追尾が可能である。
さらに基台部10には、図示しないが、基台部10に対する回転基板11の水平方向の回転角(水平角)を検出する水平角検出器が設けられ、支柱部13、14には望遠鏡部15の鉛直方向の回転角(鉛直角)を検出する鉛直角検出器が設けられている。これら水平角検出器及び鉛直角検出器により検出される水平角及び鉛直角から望遠鏡部15の視準方向が測定可能となっている。
また、回転基板11上には測量制御部16が設けられている。当該測量制御部16は、レーザ測量装置1における測量制御を行う機能を有している。例えば測量制御部16は、望遠鏡部15、水平チルトセンサ12、水平角検出器、鉛直角検出器により検出された各種情報の読み取り、記憶、演算等を行い、演算結果に応じて整準部、鉛直回転駆動部、及び水平回転駆動部の駆動制御等を行う。
また、一対の支柱部13、14の上端には天板17が設けられており、当該天板17上にレーザ回転照射機構3が設けられている。
レーザ回転照射機構3は、レーザ光線L2を一定速度で回転照射し、当該レーザ光線L2により基準面が形成される。当該レーザ光線L2は、所定の広がり角を有する複数の扇状ビームで構成され、少なくとも1つは水平面に対して傾斜している。例えば、レーザ光線L2は、鉛直方向の扇状ビームと水平面に対して所定の角度で傾斜した扇状ビームの2つの扇状ビームにより構成されている。なお、レーザ光線の構成は上記特許文献2、3に示されるように種々考えられる。
詳しくは、レーザ回転照射機構3は、円板状の鍔部20の中央部に円柱部21が一体的に立設されており、当該円柱部21の上面にレーザ照射部22が水平方向に回転可能に設けられている。
鍔部20の水平面上には、天板17に対して固定された支点部23が一か所と、調整ねじ24、25(姿勢調整部)が二か所に設けられている。これにより、上述した回転基板11の整準部と同様に調整ねじ24、25の締め度合いに応じて天板17に対する鍔部20の傾き、すなわちレーザ回転照射機構3の傾きを調整可能である。
また、支点部23及び各調整ねじ24、25(姿勢調整部)に隣接して、固定ねじ26、27、28(固定部)が設けられている。固定ねじ26、27、28は調整ねじ24、25により調整した角度を維持しつつ、鍔部20を天板17に固定する手段である。
円柱部21の周面には、一対の一軸チルトセンサ29、30(第2のチルトセンサ)が設けられている。これらの一軸チルトセンサ29、30は直交する向きに配置されており、レーザ回転照射機構3の水平方向にて直交する2軸、すなわちX軸Ax及びY軸Ayの傾きを検出可能である。これら一軸チルトセンサ29、30は上記水平チルトセンサ12よりも傾きを検知する精度が高い。
レーザ照射部22は、上述したレーザ光線L2を照射する部分であり、円柱部21上にてレーザ光線L2の照射向きを水平方向に回転可能である。レーザ回転照射機構3における測量制御についても上記測量制御部16により行われ、レーザ照射部22は測量制御部16により駆動制御される。
以上のように構成されたレーザ測量装置1は、工場出荷前の製造時に光波距離測定機構2とレーザ回転照射機構3とが組み立てられるが、この組み立ての際にそれぞれの機構2、3の鉛直軸が重力方向に合うよう設定される。
ここで図2を参照すると、光波距離測定機構2及びレーザ回転照射機構3の鉛直軸の設定ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿って説明する。なお、当該鉛直軸の設定ルーチンは、光波距離測定機構2とレーザ回転照射機構3とが別体の状態から開始される。
鉛直軸の設定ルーチンのステップS1としては、光波距離測定機構2の水平チルトセンサ12と、レーザ回転照射機構3の一対の一軸チルトセンサ29、30に対して、それぞれいわゆるチルトオフセット値の測定を行う(第1のチルトオフセット値測定工程)。
具体的には、光波距離測定機構2のチルトオフセット値の測定は、傾きを調整可能な台の上に光波距離測定機構2を載せ、一度水平チルトセンサ12の値を読み取り記憶する。その後、その姿勢から水平方向に180°回転させた姿勢で再び水平チルトセンサ12の値を読み取り記憶する。この両姿勢における水平チルトセンサ12の値を比較し、両値が一致する台の傾きを探し出す。そして両姿勢における水平チルトセンサ12の値が一致する台の傾きでの水平チルトセンサ12の値をチルトオフセット値として記憶することで、水平チルトセンサ12の絶対水平に対するズレ量(オフセット量)を認識する。レーザ回転照射機構3の一軸チルトセンサ29、30におけるチルトオフセット値の測定手法も同様である。
続いて、ステップS2として、光波距離測定機構2の天板17の上にレーザ回転照射機構3を載置する(載置工程)。
ステップS3として、光波距離測定機構2の整準部による整準を行う(整準工程)。詳しくは、レーザ回転照射機構3を光波距離測定機構2に載せた状態で、上記ステップS1においてチルトオフセット値を測定済みの水平チルトセンサ12に基づき、レーザ測量装置1の整準を行う。
ステップS4として、光波距離測定機構2の上に載せた状態でレーザ回転照射機構3における一対の一軸チルトセンサ29、30に対して、再度チルトオフセット値の測定を行う(第2のチルトオフセット値測定工程)。つまり、光波距離測定機構2とレーザ回転照射機構3とが一体の状態で、水平方向に180°回転させて一軸チルトセンサ29、30の値が一致する台の傾きを探し出す。こうして光波距離測定機構2とレーザ回転照射機構3とを組み立てた状態での一軸チルトセンサ29、30のオフセット値を測定する。
そして、ステップS5として、上記ステップS4で測定した一軸チルトセンサ29、30のチルトオフセット値を用いて、レーザ回転照射機構3の鉛直軸が重力方向となるように調整ねじ24、25の締め度合いを調節し、鉛直軸が重力方向と一致した姿勢で固定ねじ26、27、28によりレーザ回転照射機構3を光波距離測定機構2に固定する(固定工程)。
最後に、ステップS6として、レーザ回転照射機構3からレーザ光線L2を照射し、当該レーザ光線L2が水平方向に照射されるよう光波距離測定機構2の整準部を駆動して光波距離測定機構2及び前記レーザ回転照射機構3の一体としての姿勢を調整する(レーザ照射調整工程)。なお、この調整後の姿勢にて一軸チルトセンサ29、30のチルトオフセット値を更新する。
以上のようにして、レーザ測量装置1の鉛直軸を設定する。このように、事前に光波距離測定機構2及びレーザ回転照射機構3のそれぞれのチルトセンサについてチルトオフセット値を測定しておき、レーザ回転照射機構3の載置後に光波距離測定機構2の整準部により整準した上で、再度レーザ回転照射機構3のチルトセンサのオフセット値を測定して、当該レーザ回転照射機構3の姿勢の調整及び固定を行うことで、光波距離測定機構2及びレーザ回転照射機構3それぞれの鉛直軸が略重力方向と一致することとなる。
さらに、最後にレーザ回転照射機構3によるレーザ照射を行い、レーザ光線L2が水平方向に照射されるようレーザ測量装置1の姿勢を調整することで、より正確に基準面を形成することができることとなる。
また、このように光波距離測定機構2とレーザ回転照射機構3とを備えるレーザ測量装置1として、光波距離測定機構2が整準部を有し、光波距離測定機構2とレーザ回転照射機構3のそれぞれにチルトセンサ12、29、30を有しており、レーザ回転照射機構3が調整ねじ24、25及び固定ねじ26、27、28により光波距離測定機構2に対する姿勢を調整した上で固定できる構成であることで、両機構2、3を組み立てる際に鉛直軸を効率よく設定することができる。
また、光波距離測定機構2とレーザ回転照射機構3のそれぞれにチルトセンサ12、29、30を設けていることで、離れた位置にある各機構2、3においても、それぞれの傾斜状態を正確に検知することができる。特に、レーザ回転照射機構3が有する一対の一軸チルトセンサ29、30は光波距離測定機構2が有する水平チルトセンサ12よりも傾きを検出する精度が高いことで、光波距離測定機構2の上に設けられるためにより精度の求められるレーザ回転照射機構3の姿勢調整を正確に行うことができる。チルトセンサが上下2ヶ所に分かれているのは、位置が離れている為、熱膨張などで1ヶ所のセンサで両方の状態を監視しきれない為である。トータルステーションの測角値はチルトのズレ分を計算して補正する方法が確立されており、第2のセンサが水平になるようにし、第1のセンサのズレ分は補正して使用する。
さらに、光波距離測定機構2が有する整準部が自動整準機能を有していることで、上記ステップS3での整準や、現場における整準作業を簡易化することができる。
以上のことから、本実施形態に係るレーザ測量装置1によれば、光波距離測定機構2とレーザ回転照射機構3とが一体に構成されるレーザ測量装置1において、両機構2、3の鉛直軸を効率よく正確に設定することができる。
以上で本発明の実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、光波距離測定機構2に水平チルトセンサ12を、レーザ回転照射機構3に一対の一軸チルトセンサ29、30を設けており、この組み合わせが好ましくはあるが、それぞれの機構に設けられるチルトセンサは必ずしもこれに限られるものではない。例えば、光波距離測定機構に一対の一軸チルトセンサを設けてもよいし、レーザ回転照射機構に水平チルトセンサを設けてもよい。
また、上記実施形態では、レーザ回転照射機構3の姿勢調整を調整ねじ24、25により行い、固定を固定ねじ26、27、28により行っているが、レーザ回転照射機構3の姿勢調整手段及び固定手段はこれに限られるものではない。
1 レーザ測量装置
2 光波距離測定機構
3 レーザ回転照射機構
10 基台部
11 回転基板
12 水平チルトセンサ(第1のチルトセンサ)
13、14 支柱部
15 望遠鏡部
16 測量制御部
17 天板
20 鍔部
21 円柱部
22 レーザ照射部
23 支点部
24、25 調整ねじ(姿勢調整部)
26、27、28 固定ねじ(固定部)
29、30 一軸チルトセンサ(第2のチルトセンサ)

Claims (3)

  1. 少なくとも測距を行う光波距離測定機構と、レーザ光線を回転照射して基準面を形成す
    るレーザ回転照射機構とを一体に備えるレーザ測量装置であって、
    前記光波距離測定機構は、
    少なくとも測距可能な望遠鏡部と、
    整準のための姿勢調整が可能な整準部と、
    傾きを検出する第1のチルトセンサと、を有し、
    前記レーザ回転照射機構は、
    前記レーザ光線を回転照射するレーザ照射部と、
    傾きを検出する第2のチルトセンサと、
    前記光波距離測定機構に対する姿勢を調整する姿勢調整部と、
    前記光波距離測定機構に対する姿勢を固定する固定部と、を有する
    レーザ測量装置。
  2. 前記第2のチルトセンサは前記第1のチルトセンサよりも傾きを検出する精度が高い請
    求項2に記載のレーザ測量装置。
  3. 前記整準部は、前記第1のチルトセンサにより検出される傾きに基づき、自動的に整準
    を行うことが可能である請求項1または2に記載のレーザ測量装置。

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