JP2020190455A - 検出装置及び真空処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空チャンバ1内で真空処理を実施している間、真空雰囲気中に浮遊する不純物を精度よく検出できる検出装置を提供する。【解決手段】検出装置GDは、水晶基板51の表裏両面に励振電極を形成してなる水晶振動子5と、表側励振電極52と裏側励振電極53との間に電圧を印加して水晶振動子を励振させる励振手段62と、水晶振動子の共振周波数の変化量から不純物を検出する検出手段63,64とを備える。表側励振電極は、互いに隔離された第1電極部52aと第2電極部52bとを有し、第1電極部を真空雰囲気から遮蔽すると共に真空チャンバに存する部品から放射される熱線の透過を許容するカバー体7を備え、検出手段は、第1電極部と裏側励振電極との間に電圧を印加して検出した共振周波数の第1変化量と、第2電極部と裏側励振電極との間に電圧を印加して検出した共振周波数の第2変化量との差から不純物を検出する。【選択図】図1

Description

本発明は、真空雰囲気で処理対象物に対して真空処理を施す真空処理装置の真空チャンバ内に設置されて、真空雰囲気中に浮遊する不純物を検出するための検出装置及びこの検出装置を備える真空処理装置に関する。
有機EL素子や半導体素子などの製造工程においては、真空チャンバ内に配置されるガラス基板やシリコンウエハといった処理対象物(以下、「基板」ともいう)に対し、真空雰囲気にて成膜処理、熱処理やエッチング処理といった各種真空処理を施す真空処理装置が広く用いられている。例えば、有機EL素子の製造工程では、処理ユニットとしての蒸着源を備える真空蒸着装置を利用し、真空蒸着装置の真空チャンバ内にて有機材料などの蒸着物質を蒸発または昇華させ、この蒸発または昇華した蒸着物質を基板表面に付着、堆積させて所定の薄膜を成膜している(例えば、特許文献1参照)。
ここで、上記のようにして所定の薄膜を成膜する際に、何らかの原因で真空雰囲気中に浮遊する不純物(真空排気されずに真空チャンバに漂う気体や、例えば真空チャンバ内に存する部品から何らかの原因で発生した微細な固体など)が取り込まれると、それが微量であっても素子特性に悪影響を与えることが一般に知られている。このような場合、真空チャンバ内に、例えばRGA(残留ガス分析計)を取り付けて、成膜処理の間、真空雰囲気中に浮遊する不純物を検出することが考えられるが、微量の不純物を検出するには感度が足りないという問題がある。
他方で、真空チャンバ内にて複数枚の基板に対して成膜処理を実施した後、ダミー基板を真空チャンバ内に搬入し、所定時間真空排気した後に大気開放してダミー基板を取り出し、ダミー基板表面の水接触角から、基板表面への微量の不純物の付着の有無を判別することが知られている(例えば、特許文献2参照)。然し、このような方法では、成膜処理を一旦停止する必要があり、これでは、生産性が著しく低下してしまう。
特開2010−1529号公報 特開2004−192858号公報
本発明は、以上の点に鑑み、真空チャンバ内で所定の真空処理を実施している間、真空雰囲気中に浮遊する不純物を精度よく検出できる検出装置及び真空処理装置を提供することをその課題とするものである。
上記課題を解決するために、真空雰囲気で処理対象物に対して真空処理を施す真空処理装置の真空チャンバ内に設置されて、真空雰囲気中に浮遊する不純物を検出するための本発明の検出装置は、水晶基板の表裏両面に励振電極を形成してなる水晶振動子と、表側励振電極と裏側励振電極との間に電圧を印加してその電位差により水晶振動子を励振させる励振手段と、水晶振動子の重量変化に伴う共振周波数の変化量から不純物を検出する検出手段とを備え、真空雰囲気に曝される表側励振電極は、互いに隔離された第1電極部と第2電極部とを有し、第1電極部を真空雰囲気から遮蔽すると共に真空チャンバに存する部品から放射される熱線の透過を許容するカバー体を更に備え、第1電極部と裏側励振電極との間に電圧を印加して検出した共振周波数の変化量を第1変化量、第2電極部と裏側励振電極との間に電圧を印加して検出した共振周波数の変化量を第2変化量とし、検出手段は、第1変化量と第2変化量の差から不純物を検出するように構成されることを特徴とする。
本発明によれば、真空処理を実施する真空チャンバ内の所定位置に、表側励振電極が真空雰囲気に曝される姿勢で水晶振動子を予め配置する(なお、真空チャンバ内で真空蒸着のような成膜処理が実施されるような場合には、基板の近傍でかつ蒸着源からの蒸着物質が飛散しない範囲に配置することが望ましい)。そして、真空雰囲気で真空処理を実施するのに際しては、励振手段により表側励振電極と裏側励振電極との間に電圧を印加してその電位差により水晶振動子を励振させ、このとき、例えば素子特性に影響を与える不純物が水晶振動子の表面側に付着すると、水晶振動子の重量変化に伴って共振周波数が変化することから、検出手段により共振周波数の変化量を検出し、この検出した変化量が予め実験的に求められる値を超えると、不純物が検出される。
ここで、真空チャンバ内で実施される真空処理によっては、例えば、基板や蒸着物質を加熱するヒータなどの真空チャンバに存する部品から放射される熱線(真空チャンバ内に発生させたプラズマからのものも含む)によって水晶振動子が加熱される場合があり、このような場合、共振周波数がドリフトしたのでは、不純物の付着によって共振周波数が変化したのか、または、水晶振動子の加熱に伴って共振周波数が変化したのかの判別ができず、微量の不純物を精度よく検出できない虞がある。それに対して、本発明では、表側励振電極を互いに隔離された第1電極部と第2電極部とに分け、一方の第1電極部を真空雰囲気から遮蔽する(言い換えると、不純物が付着しないように)カバー体で覆うと共に、このカバー体を熱線の透過を許容する材料とした(つまり、熱線が水晶振動子に照射されたときに第1電極部と第2電極部を含む水晶振動子全体が同等の温度に加熱されるようにした)構成を採用した。このため、例えば、第1電極部または第2電極部と裏側励振電極との間に交互に電圧を印加し、第1変化量と第2変化量の差から不純物を検出すれば、共振周波数のドリフトの影響を受けずに、精度よく不純物を検出することができる。
ここで、本願発明者による実験によれば、上記従来例のように、ガラス基板表面の水接触角から基板表面への微量の不純物の付着の有無を判別すると、ガラス基板自体より、このガラス基板表面に所定の薄膜を形成したものを用いた方が、精度よく微量の不純物の付着の有無を判別できることが確認された。これは、真空雰囲気中に浮遊する不純物が積極的に所定の薄膜に吸着される(言い換えると、水晶振動子に一旦付着した不純物が脱離することなく、そのまま保持され易くなる)ことに起因するものと推測される。励振電極としては、一般に、Au、Ag、PtやAlといった金属が用いられるが、本発明においては、前記表側励振電極の表面に、前記真空チャンバ内に浮遊する前記不純物を吸着する機能膜が積層する構成を採用した。これにより、不純物の検出精度を向上させることができ、有利である。なお、前記機能膜は、ITO膜、IZO膜、ZnO膜、SiO膜、SnO膜、TiO膜、ZrO膜のいずれかであることが好ましいが、検出しようとする不純物によっては、上記以外の金属酸化物膜を利用することもできる。
また、上記課題を解決するために、本発明の真空処理装置は、真空チャンバと、真空チャンバ内に設置されて真空雰囲気で処理対象物に対して真空処理を施す処理ユニットとを備え、真空チャンバ内に上記検出装置が設けられ、前記検出手段によって第1変化量と第2変化量の差から前記不純物が検出されたときに、真空処理の異常を報知する報知手段と、処理ユニットの作動を停止する停止手段との少なくとも一方を更に備えることを特徴とする。これにより、例えば製品歩留まりを向上でき、有利である。
本実施形態の真空蒸着装置を模式的に示す断面図。 (a)は、本実施形態の検出装置の水晶振動子を示す平面図、(b)は、(a)のIIb−IIb線に沿う断面図。
以下、図面を参照して、処理対象物を矩形の輪郭を持つ所定厚さのガラス基板(以下、「基板Sw」という)、真空処理装置を、基板Swの一方の面に所定の薄膜を蒸着する真空蒸着装置VMとし、本発明の検出装置及びこれを備えた真空処理装置の実施形態を説明する。以下において、上、下といった方向を示す用語は、真空蒸着装置VMの設置姿勢である図1を基準にする。
図1を参照して、VMは、本実施形態の真空蒸着装置である。真空蒸着装置VMは、真空チャンバ1を備え、真空チャンバ1には、特に図示して説明しないが、排気管を介して真空ポンプが接続され、所定圧力に真空排気して真空雰囲気を形成できるようになっている。また、真空チャンバ1の上部には基板搬送装置2が設けられている。基板搬送装置2は、成膜面としての下面を開放した状態で基板Swを保持するキャリア21を有し、図外の駆動装置によってキャリア21、ひいては基板Swを真空チャンバ1内の一方向に所定速度で移動するようになっている。基板搬送装置2としては公知のものが利用できるため、これ以上の説明は省略する。
基板搬送装置2によって搬送される基板Swと蒸着源4との間には、板状のマスクプレート3が設けられている。本実施形態では、マスクプレート3は、基板Swと一体に取り付けられて基板Swと共に基板搬送装置2によって搬送されるようになっている。なお、マスクプレート3は、真空チャンバ1に予め固定配置しておくこともできる。マスクプレート3には、板厚方向に貫通する複数の開口31が形成され、これら開口31がない位置にて蒸着範囲が制限されることで所定のパターンで基板Swに成膜(蒸着)されるようになっている。マスクプレート3としては、インバー、アルミ、アルミナやステンレス等の金属製の他、ポリイミド等の樹脂製のものが用いられる。そして、真空チャンバ1の底面には、基板Swに対向させて処理ユニットとしての蒸着源4が設けられている。
蒸着源4は、固体の蒸着物質41を収容する坩堝42を有する。蒸着物質41は、基板Swに成膜しようとする薄膜に応じて適宜選択され、金属や有機材料が用いられる。坩堝42は、鉛直方向上面を開口した有底筒状の輪郭を有し、モリブデン、チタン、ステンレスやカーボンなどの熱伝導が良く、高融点の材料から形成され、上面の開口から、例えば粉末状の蒸着物質41が充填できるようになっている。坩堝42の周囲には、シースヒータやランプヒータ等の公知のものからなる加熱手段43が設けられ、坩堝42に収容された蒸着物質41を加熱して昇華または蒸発させることができるようになっている。
真空蒸着装置VMは、コンピューター、メモリやシーケンサ等を備える制御ユニットCuを備え、制御ユニットCuは、例えば加熱手段43や真空ポンプの作動を統括制御するようになっている。制御ユニットCuはまた、タッチパネルディスプレイDpを備え、タッチパネルディスプレイDpを介して、例えば加熱手段43の加熱温度を設定し、または、設定値や真空チャンバ1内の圧力を表示できるようになっている。ここで、上記真空蒸着装置VMを用いて基板Sw下面に所定の薄膜を成膜する際に、何らかの原因で真空雰囲気中に浮遊する不純物(真空排気されずに真空チャンバ1に漂う気体や、例えば真空チャンバ1内に存する蒸着源4や防着板(図示せず)などの部品から何らかの原因で発生した微細な固体など)が取り込まれる場合があり、このとき、それが微量であっても膜特性(即ち、EL素子などの素子特性)に悪影響を与えることがある。このため、膜特性に影響を与え得る微量の不純物を成膜中に効率よく検出できるように真空蒸着装置VMを構成することが望まれる。そこで、本実施形態では、真空チャンバ1内の真空雰囲気中に浮遊する不純物を検出するための検出装置GDを設けることとした。
図2(a)及び(b)も参照して、検出装置GDは、水晶振動子5と水晶振動子5の制御コントローラ6とで構成されている。水晶振動子5は、Φ8.5〜13mmの外径を持つ水晶基板51を備え、その表裏両面には表側励振電極52と裏側励振電極53とが夫々形成されている。水晶基板51は、表側励振電極52を形成した表面が、真空雰囲気、具体的には蒸着源4と基板Swとの間の成膜空間11の真空雰囲気に曝される姿勢で真空チャンバ1内に設置される。このとき、水晶基板51は、基板Swの近傍でかつ蒸着源4からの蒸着物質が飛散しない範囲に配置することが望ましいが、図外の防着板を設けて蒸着物質の付着を防止するようにしてもよい。表側励振電極52及び裏側励振電極53としては、Au、Ag、PtやAlといった金属が利用され、真空蒸着法やメッキ法などの公知の方法で形成されている。
表側励振電極52は、互いに隔離された第1電極部52aと第2電極部52bとに分けて形成され、これに対応させて、裏側励振電極53もまた、互いに隔離された第1電極部53aと第2電極部53bとに分けて形成されている。この場合、第1電極部53aと第2電極部53bの一部が、配線接続を考慮して水晶基板51の裏面に達するように形成されている。表側励振電極52の第1電極部52aと第2電極部52bは、真空チャンバ1内に浮遊する不純物を積極的に吸着するための機能膜54で夫々覆われている。この場合、不純物が表側励振電極52の表面依存を受けないように、機能膜54は、第1電極部52aと第2電極部52bの表面全体を覆うことが好ましい。
機能膜54としては、検出しようとする不純物に応じて適宜選択され、ITO膜、IZO膜、ZnO膜、SiO膜、SnO膜、TiO膜、ZrO膜のいずれかであることが好ましいが、これら以外の金属酸化物膜を利用することもできる。水晶基板51を真空チャンバ1内に設置した状態にて水晶基板51の表面側には、隙間を存してカバー体7が設けられ、水晶基板51の表面側をその全面に亘って覆うようにしている。カバー体7は、坩堝42や加熱手段43等の真空チャンバ1に存する部品から放射される熱線の透過を許容する材料、例えば石英製である。カバー体7の所定位置には、表側励振電極52の第2電極部52bが臨む開口7aが形成され、第2電極部52bのみが蒸着源4と基板Swとの間の成膜空間11の真空雰囲気に曝される一方で、第1電極部52aが成膜空間11の真空雰囲気から遮蔽される(言い換えると、不純物が付着しない)ようにしている。
制御コントローラ6は、筐体61を備え、筐体61内には、配線62a,62bを介して接続されて、表側励振電極52の第1電極部52aと裏側励振電極53の第1電極部53aとの間、及び、表側励振電極52の第2電極部52bと裏側励振電極53の第2電極部53bとの間に交互に所定周波数の電圧を印加してその電位差により水晶振動子5を励振させる励振手段としての励振回路62と、共振周波数を計測する周波数検出計63と、励振回路62の作動を制御すると共に、周波数検出計63で測定した周波数からその変化量を算出する制御部64とが設けられている。この場合、例えば測定感度を考慮して、表側励振電極52と裏側励振電極53との間に印加する電圧の周波数は、4〜40MHzの範囲、より好ましくは27MHzに設定される。そして、制御部64は、表側励振電極52の第1電極部52aと裏側励振電極53の第1電極部53aとの間に所定電圧を印加し、周波数検出計63で計測した共振周波数からその変化量を算出し、このときの変化量を第1変化量、表側励振電極52の第2電極部52bと裏側励振電極53の第2電極部53bとの間に所定電圧を印加し、周波数検出計63で計測した共振周波数からその変化量を算出し、このときの変化量を第2変化量とし、第1変化量と第2変化量の差から不純物を検出するようになっている。この場合、周波数検出計63と制御部64とは本実施形態の検出手段の構成要素となる。なお、励振回路62、周波数検出計63や制御部64としては公知のものが利用できるため、ここでは詳細な説明は省略する。
制御コントローラ6の制御部64は、通信回線を介して真空蒸着装置VMの制御ユニットCuに接続され、制御部64で算出された第1変化量と第2変化量の差が制御ユニットCuに出力されるようにしている。この場合、制御ユニットCuのメモリには、真空蒸着装置VMを用いて基板Sw表面に所定の薄膜を成膜する際に、膜特性に悪影響を与え得る微量の不純物が付着したときの共振周波数の変化量(第1変化量と第2変化量の差)が予め実験的に求められて記憶されている。そして、第1変化量と第2変化量の差が予め求められた値に達すると、制御ユニットCuは、正常な成膜ができないと判断し、真空処理の異常として、これをタッチパネルディスプレイDpに表示すると共に、可及的速やかに加熱手段43の作動を停止して真空蒸着を停止する。本実施形態では、タッチパネルディスプレイDpが報知手段を兼用し、また、制御ユニットCuが停止手段を兼用する。
以上の実施形態によれば、真空蒸着装置VMにより基板Sw表面に成膜する間、表側励振電極52の第1電極部52aと裏側励振電極53の第1電極部53aとの間、及び、表側励振電極52の第2電極部52bと裏側励振電極53の第2電極部53bとの間に交互に所定の電圧を印加し、その電位差により水晶振動子5を励振させ、上記のようにして制御部64により第1変化量と第2変化量の差から不純物を検出する。このとき、真空チャンバ1に存する部品(例えば、加熱手段43)から放射される熱線で水晶振動子5が加熱されて共振周波数がドリフトしたのでは、不純物の付着によって共振周波数が変化したのか、または、水晶振動子5の加熱に伴って共振周波数が変化したのかの判別ができず、微量の不純物を精度よく検出できない虞がある。
それに対して、上記実施形態では、表側励振電極52を互いに隔離された第1電極部52aと第2電極部52bとに分け、一方の第1電極部52aを真空雰囲気から遮蔽する(言い換えると、不純物が付着しないように)カバー体7で覆うと共にこのカバー体7を熱線の透過を許容する材料とした(つまり、熱線が水晶振動子5に照射されたときに第1電極部52aと第2電極部52bを含む水晶振動子5全体が同等の温度に加熱されるようにした)構成を採用している。このため、共振周波数のドリフトの影響を受けずに、精度よく不純物を検出することができる。しかも、表側励振電極52の第1電極部52aと第2電極部52bを真空チャンバ1内に浮遊する不純物を積極的に吸着する機能膜54で覆っているため、不純物の検出精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術思想の範囲を逸脱しない限り、種々の変形が可能である。上記実施形態では、処理ユニットとしての蒸着源4を備える真空蒸着装置VMを例に説明したが、これに限定されるものではなく、真空雰囲気にて成膜処理、熱処理やエッチング処理といった各種真空処理を施す真空処理装置に本発明は広く適用することができる。また、上記実施形態では、表側励振電極52に加えて裏側励振電極53も、第1電極部53aと第2電極部53bに分けて形成するものを例に説明したが、電位差により水晶振動子5を励振できるものであれば、これに限定されるものではなく、単一のものとしてもよい。
また、検出しようとする不純物が有機物であるような場合には、第2電極部52b、具体的には、その表面の機能膜54が定期的にクリーニングされるように検出装置GDを構成することもできる。即ち、特に図示して説明しないが、検出装置GDは、所定波長(例えば、185nm)の紫外光を機能膜54に向けて照射するUVランプを備える。そして、大気雰囲気、または、真空雰囲気の真空チャンバ内に所定分圧で酸素ガスを導入した状態で、紫外光を機能膜54に向けて所定時間照射する。すると、雰囲気中の酸素が分解され、このとき、機能膜54に付着した有機物の一部も、結合エネルギーの小さいものは分解される。この分解された酸素は、分解されていない酸素(O)と結合してオゾン(O)が生成される。このようにオゾンが生成されると、紫外光でオゾンが更に分解されて、活性な酸素(O )が生成し、この活性な酸素が、機能膜54表面の不純物の炭素と結合して二酸化炭素(CO)などのガスになって分解除去される。これにより、水晶振動子5を繰り返し使用できるようになり、交換等の作業頻度が可及的に少なくでき、有利である。
Cu…制御ユニット(停止手段)、Dp…タッチパネルディスプレイ(報知手段)、GD…検出装置、Sw…基板(処理対象物)、VM…真空蒸着装置(真空処理装置)、1…真空チャンバ、4…蒸着源(処理ユニット)、5…水晶振動子、51…水晶基板、52…表側励振電極、52a…第1電極部、52b…第2電極部、53…裏側励振電極、54…機能膜、62…励振回路(励振手段)、63…周波数検出計(検出手段の構成要素)、64…制御部(検出手段の構成要素)、7…カバー体。

Claims (4)

  1. 真空雰囲気で処理対象物に対して真空処理を施す真空処理装置の真空チャンバ内に設置されて、真空雰囲気中に浮遊する不純物を検出するための検出装置において、
    水晶基板の表裏両面に励振電極を形成してなる水晶振動子と、表側励振電極と裏側励振電極との間に電圧を印加してその電位差により水晶振動子を励振させる励振手段と、水晶振動子の重量変化に伴う共振周波数の変化量から不純物を検出する検出手段とを備え、
    真空雰囲気に曝される表側励振電極は、互いに隔離された第1電極部と第2電極部とを有し、第1電極部を真空雰囲気から遮蔽すると共に真空チャンバに存する部品から放射される熱線の透過を許容するカバー体を更に備え、
    第1電極部と裏側励振電極との間に電圧を印加して検出した共振周波数の変化量を第1変化量、第2電極部と裏側励振電極との間に電圧を印加して検出した共振周波数の変化量を第2変化量とし、検出手段は、第1変化量と第2変化量の差から不純物を検出するように構成されることを特徴とする検出装置。
  2. 前記表側励振電極の表面に、前記真空チャンバ内に浮遊する前記不純物を吸着する機能膜が積層されていることを特徴とする請求項1記載の検出装置。
  3. 前記機能膜は、ITO膜、IZO膜、ZnO膜、SiO膜、SnO膜、TiO膜、ZrO膜のいずれかであることを特徴とする請求項2記載の検出装置。
  4. 真空チャンバと、真空チャンバ内に設置されて真空雰囲気で処理対象物に対して真空処理を施す処理ユニットとを備え、真空チャンバ内に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の検出装置が設けられる真空処理装置において、
    前記検出手段によって第1変化量と第2変化量の差から前記不純物が検出されたときに、真空処理の異常を報知する報知手段と、処理ユニットの作動を停止する停止手段との少なくとも一方を更に備えることを特徴とする真空処理装置。
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