JP2020189274A - 液体処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ねじ部材を用いてキャビテーション処理を行なう構造の液体処理ノズルを用いた気体溶解処理を、従来よりも大幅に効率的に行うことができ、溶存気体量が欠乏した被処理液体を用いる場合においても、十分なキャビテーションを生じさせることができる液体処理装置を提供する。【解決手段】液体処理ノズル1の上流側に螺旋状流路157,158を有した気液ミキサー150を設ける。これにより、混相流は気液ミキサーの螺旋状流路内を流通させることにより、強制的に生ずる螺旋流の遠心力により気相と液相との攪拌・混合が進むので、気相は細かい気泡に粉砕された状態で液体処理ノズルのねじ部材に供給される。これにより、気体を含有した液体とねじ谷との接触効率が上昇し、気体溶解効率を高めることができる。【選択図】図10

Description

この発明は、気体を溶存させた液体をキャビテーション処理するための液体処理装置に関する。
水の流路にベンチュリやオリフィスにより絞り部を設け、水が高流速化して通過する際の減圧効果により溶存空気を微細気泡として析出させるノズルが種々提案されている(特許文献1〜6)。特に、特許文献1、2に開示された方式は、流路の途中にねじ部材を配置し、そのねじ谷、あるいは対向するねじ部材間に形成されたギャップにて水流のさらなる高速化を図るものであり、キャビテーション効率を向上させてより高密度に微罪気泡を発生できる旨が謳われている。
また、特許文献1、2が開示するノズルは、ねじ部材と液流との衝突と、キャビテーションに伴う溶存気体の減圧沸騰とにより、ねじ部材の周囲に顕著な乱流攪拌領域が形成され、ここに液体と気体の混相流に供給することで、気体を液体に対し効率的に溶解することが可能である。この溶解により新たに液体に溶解した気体は、ねじ部材との接触により再度キャビテーションにより気泡化しうる。例えば溶存空気量が欠乏した被処理水を用いる場合においても、混相流の形で空気を供給しながらノズルを通過させることにより溶存空気量を補うことができ、十分なキャビテーション処理が可能となる。
WO2016−178436号公報 WO2016−195116号公報 特開2018−144018号公報
特許文献1〜3においては、ノズルに供給する混相流を形成する手段として、ノズル本体に形成された気体導入孔を介して、ねじ部材を配置した絞り部(キャビテーション処理部)に気体を直接導入するか、ノズルの上流側に設けたティー継手やベンチュリエジェクタにより近液混合する方法が採用されている。しかし、この方法では、ねじ部材と接触ずる気泡(気相)のサイズが大きくなりすぎ、液体への気体の溶解効率が悪い欠点がある。この場合、溶存気体量が欠乏した被処理液体を用いる場合、混相流の形で外部から気体を補っても、該気体の溶解が進みにくければ、十分なキャビテーションを生じさせることは期待できない。
本発明の課題は、ねじ部材を用いてキャビテーション処理を行なう構造の液体処理ノズルを用いた気体溶解処理を、従来よりも大幅に効率的に行うことができ、溶存気体量が欠乏した被処理液体を用いる場合においても、十分なキャビテーションを生じさせることができる液体処理装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の液体処理装置は、
一端に液体入口を、他端に液体出口を有する単一の液体流路が形成されるとともに、該液体流路の一部区間がキャビテーション処理部として定められたノズル本体と、キャビテーション処理部にてノズル本体に脚部先端側が流路内側に突出するように組付けられる複数のねじ部材とを備え、気体が溶存した液体を液体入口から液体出口に向けて流通させ、キャビテーション処理部にてねじ部材の脚部外周面に形成されたねじ谷に液体を増速しつつ接触させることにより、該液体に溶存ガスの減圧析出に基づくキャビテーション処理を行なうようにした液体処理ノズルと、
一端に流入口、他端に流出口が形成される中空の外筒部材と、外筒部材の内側に設けられ、流入口と流出口とをつなぐ螺旋状流路を、該螺旋状流路の螺旋軸線が外筒部材の中心軸線に沿うように形成する流路形成部材とを備え、螺旋状流路が液体処理ノズルの液体流路に連通するように、液体処理ノズルの液体入口側に設けられる気液ミキサーと、
気液ミキサーの流入口に、気体と液体との混相流を供給する混相流供給部とを備え、
混相流中の気泡を、気液ミキサーの螺旋状流路内を流通させることにより微粉砕しつつ液体処理ノズルに供給し、キャビテーション処理部に生ずる乱流域に微粉砕された気体を巻き込ませて溶解させるようにしたことを特徴とする。
上記本発明に使用される液体処理ノズルは、液体がねじ部材に衝突してその下流に迂回する際に、ねじ谷内にて絞られることにより増速してキャビテーションを起こすので、液体の溶存ガス成分は負圧により過飽和となり、気泡を析出しつつ液体を激しく撹拌し乱流域を生ずる。このとき、乱流域に供給する液体に気相(気体)を混合して混相流となすことで、上記攪拌により気液混合・攪拌が進行し、気相成分(気体成分)の液体への溶解が進行する。しかし、混相流がねじ部材に衝突する際に、ねじ谷の内側空間の全体が大きな気泡で覆われてしまうと、溶存気体を含有した液体とねじ谷との接触効率が下がり、キャビテーション効率の大幅な低下につながる(つまり、そのねじ谷は、キャビテーションポイントとして有効なねじ谷としての機能を失う)。その結果、気相成分の混合・攪拌の駆動力を生ずる乱流域の形成が顕著でなくなり、気体溶解効率が低下することにつながる。また、キャビテーション処理特有の液体の浸透性あるいは洗浄性等を向上させる効果が損なわれやすくなる場合もある。
しかし、本発明の液体処理装置においては、液体処理ノズルの上流側に螺旋状流路を有した気液ミキサーを設ける。これにより、混相流は気液ミキサーの螺旋状流路内を流通させることにより、強制的に生ずる螺旋流の遠心力により気相と液相との攪拌・混合が進むので、気相は細かい気泡に粉砕された状態で液体処理ノズルのねじ部材に供給される。これにより、気体を含有した液体とねじ谷との接触効率が上昇し、気体溶解効率を高めることができる。
気液ミキサーは、ねじ部材のねじピッチをh(mm)として気泡を、1.5h以下の気泡径に微粉砕するように構成することが望ましい。気液ミキサーでの微粉砕により得られる気泡径が1.5hを超えると、気体溶解効率の改善効果が顕著でなくなる場合がある。該気泡径は、より望ましくは1.0h以下であるのがよい。また、該気泡径の下限値に制限はないが、螺旋状流路を有した気液ミキサーによる混合攪拌の場合、0.2h程度が粉砕の限界となる場合もあり得る。
気液ミキサーの流路形成部材は、帯状の金属板の幅方向の中心軸線を螺旋軸線とする形で該金属板をねじり加工したねじり板部材として構成できる。このようなねじり板部材を用いることで、気液ミキサーの螺旋状流路を簡単かつ安価に形成することができる。また、該ねじり板部材を用いることで螺旋状流路は、ねじり板部材の第一主面と外筒部材の円筒状の内周面との間の空間がなす第一螺旋状流路と、ねじり板部材の第二主面と外筒部材の円筒状の内周面との間の空間がなす第二螺旋状流路とからなるものとして構成できる。これにより、ねじり板部材の両側に、回転位相の異なる螺旋流を2系統形成でき、気相の粉砕効率を簡単な構造によりさらに向上できる。
外筒部材は、螺旋流路が1周期以上の螺旋区間を含むように全長が定められているのがよい。螺旋流路に含まれる螺旋区間が1周期未満であると、気液ミキサーの気相粉砕効率が低下し、下流側の液体処理ノズルにおける気体溶解効率が不十分となる場合がある。外筒部材は、よりのぞましくは、螺旋流路が1.5周期以上、より望ましくは2周期以上の螺旋区間を含むように全長が定められているのがよい。
また、外筒部材の円筒状の内周面の内径をDx(mm)、ねじり板部材の螺旋周期長をλ(mm)として、λ/Dxの値は1.5以上4以下に設定されているのがよい。λ/Dxの値が4を超えると、気液ミキサーの気相粉砕効率を確保するために必要な螺旋流路の周期数を確保する際に、外筒部材の全長が大きくなりすぎる不具合を招く場合がある。また、λ/Dxの値が1.5未満であると、ねじり板部材が形成する螺旋流路の流通抵抗が大きくなりすぎ、気液ミキサーの気相粉砕効率が低下して、下流側の液体処理ノズルにおける気体溶解効率が不十分となる場合がある。
液体処理ノズルに使用するねじ部材は、ねじピッチ及びねじ谷深さが0.20mm以上0.40mm以下、公称ねじ径Mが1.0mm以上2.0mm以下のものを使用できる。この場合、キャビテーション処理部には、液体流路の中心軸線と直交する仮想的なねじ配置面を該中心軸線に沿って複数設定することができ、上記のねじ部材は、各ねじ配置面に対し2つ以上分配される形で脚部の長手方向が該ねじ配置面に沿うように配置することができる。これを前提として、液体処理ノズルはさらに以下のような構成とすることができる。
・総数にて8以上のねじ部材が各ねじ配置面に対し2つ以上分配される形で配置される(以下、1つのねじ配置面に配置されたねじ部材のグループのことを「面ねじ組」ともいう)。
・各ねじ配置面において、液体流路の全断面積に占める液体流通領域の割合として定められる面内流通面積率が40%以上に確保され、液体流路の液体流通領域の面積が3.8mm以上確保される。
・中心軸線と直交する平面への投影にて液体流路の断面中心から該液体流路の半径の70%以内の領域に位置する谷点の全ねじ配置面間で合計した総数を、液体流路の断面積で除した70%谷点面積密度と定義したとき、70%谷点面積密度の値が2.0個/mm以上に確保される。
・中心軸線方向に互いに隣接するねじ配置面の間隔が公称ねじ径以上に確保される。
これらの特徴を具備することによりの液体処理ノズルは、通常水道水圧程度にて十分な液体流速を確保しつつ70%谷点密度を飛躍的に向上でき、特に流路断面積を大幅に拡大した大流量ノズルにおいても単純な構造により70%谷点密度を十分な値に確保することができる。そして、該本発明特有の気液ミキサーを前処理として流通させることにより、液体処理ノズルに供給する混相流の気泡径を縮小でき、気相含有率の高い混相流を用いる場合でも、70%谷点が高密度化しているにも関わらずそれらをキャビテーションポイントとして有効に機能させることができ、大流量ノズルにおいても気体溶解効率を大幅に高めることができる。
以下、上記構成の液体処理ノズルについて、さらに詳細に説明する。
ねじ部材のねじ山ピッチ及びねじ谷深さの数値範囲を上記のように設定するとよい理由については、以下の通りである。まず、ねじ谷の深さが0.2mm未満ではねじ谷におけるキャビテーション効果(溶存気体の減圧による気泡析出効果)が顕著でなくなり、ねじ谷深さが0.40mm以上ではキャビテーション効果の向上は頭打ちとなる。また、ねじ山ピッチが0.40mm以上に増大すると、ねじ脚部の単位長当たりのねじ谷数が減じるので、70%谷点の面積密度を向上できなくなる。よって、ねじ山ピッチ及びねじ谷深さは0.20mm以上0.40mm以下に設定するのがよい。また、ねじ部材の強度確保と、流路断面がねじ部材により過度に占有されないようにすること、ひいては水道圧程度の通常の送液圧でも液体流通量を十分確保できるようにする観点から、ねじ部材の公称ねじ径は1.0mm以上2.0mm以下に設定するのがよい。この公称ねじ径の値の範囲は、上記のねじ山ピッチ及びねじ谷深さをカバーするJIS並目ピッチねじの公称ねじ径の範囲とほぼ一致する。そして、上記のねじ部材は液体流路内に総数にて8以上配置するのがよい。この8以上のねじ部材を1つのねじ配置面内に密集させて配置するのではなく、複数(2以上)の面ねじ組に区分して複数のねじ配置面に分散配置することにより、70%谷点密度の増加を図ることができる。
各ねじ配置面において面内流通面積率が過度に小さくなると、水流とねじ部材との接触面積が過剰となり、圧損による流量低下が著しくなる。その結果、通常水道圧による液体流通時において十分な流速が得られる領域は、断面中心から半径70%よりもさらに縮小し、キャビテーションポイントとして有効に機能する谷点数を十分に確保できなくなる場合がある。また、面内流通面積率がある程度大きくても、流路断面内径の縮小により液体流通領域の面積の絶対値が小さくなりすぎると、流量低下が同様に著しくなる場合がある。このような状況に鑑み鋭意検討した結果、各ねじ配置面にて、面内流通面積率が40%以上に確保され、液体流通領域の面積が3.8mm以上確保されていれば、上記のような問題が解消され、個々のねじ配置面を液体流が通過する際の圧損が顕著に減じられることが判明した。そして隣接するねじ配置面(面ねじ組)の間隔を、使用されるねじ部材の公称ねじ径以上に確保することで、上記のような条件を充足する面ねじ組を流路中心軸線方向に複数連ねて配置しても、面ねじ組を単独で配置する場合と比較した場合の圧損の増加代を極めて小さくとどめることができ、1つの液体流路内に従来よりも多くのねじ部材が配置されているにも関わらず、断面内にて必要な流速を十分に確保できるようになる。その結果、70%谷点面積密度の値を従来実現不能だった1.6個/mm以上に設定した場合に、70%谷点をなすねじ谷にて十分な流速が確保され、キャビテーション効率に極めて優れた液体処理ノズルが実現できる。
各ねじ配置面にて、面内流通面積率が40%未満の場合、あるいは液体流通領域の面積が3.8mm未満の場合は、ねじ配置面に配置される個々の面ねじ組の圧損が大きくなり、70%谷点をなすねじ谷にて十分な流速を確保できなくなる。また、隣接する2つのねじ配置面(面ねじ組)の間隔が使用されるねじ部材の公称ねじ径よりも小さくなると、それら2つの面ねじ組の合成圧損が大きくなり、同様に70%谷点をなすねじ谷にて十分な流速を確保できなくなることにつながる。
上記の液体処理ノズルは、液体流路の液体流通領域の面積を、各ねじ配置面においてより望ましくは5.0mm以上確保するのがよい。本発明者は、面内流通面積率を40%以上に確保しつつ液体流通領域の面積を種々に変更した液体処理ノズルを作成し、通常水道圧における通水テストを実施した結果、液体流通領域の面積が5.0mm以上の領域では、該面積の増加に伴い流量がほぼ直線的に増加する傾向を示すのに対し、5.0mm未満となる領域では、流量は該直線的な関係から下方に外れ、液体流通領域の面積の対数に依存して急速に減少することを見出した。これは、通常の水道圧による流通条件では、液体流通領域の面積が5.0mm未満となったとき、ノズル内の面ねじ組の挿入数が1つ増えるごとに増大する圧損の増加代が急激に大きくなり、断面積に見合った流量が得られなくなることを意味する。よって、面ねじ組の数を増やし、70%谷点面積密度の値をさらに増加させる構成を実現する上で、液体流通領域の面積を5.0mm以上に確保することは極めて重要である。この場合、70%谷点面積密度の値は2.0個/mm(特許文献2が開示する最大値(1.1個/mm)の約2倍)以上に確保することも可能となる。
ねじ配置面上にてねじ部材は、液体流路の円形の軸断面の直径に脚部の長手方向を一致させる位置関係にて配置することが望ましい。液体流路の円形の軸断面の直径に脚部の長手方向を一致させることで、ねじ部材の先端は流速が大きくなる液体流路の断面中心に近づくので、70%谷点数を増加させる上で有利に作用する。この場合、ねじ部材を3本以上含むねじ配置面を中心軸線方向に2面以上設定することで、ノズル全体の70%谷点面積密度の値を顕著に向上でき、キャビテーション発生効率を大幅に高めることができる。また、ねじ配置面上の3本以上のねじ部材は、各ねじの脚部の先端面が断面中心を取り囲むことにより中心ギャップを形成するように配置することで、最も高流速となる断面中央の流れ(中心流)が液体流通ギャップの形成により妨げられにくくなり、キャビテーション発生効率のさらなる向上を図ることができる。
互いに隣接するねじ配置面間にてねじ部材の脚部は、平面への投影において長手方向を一致させつつ互いに重なり合う位置関係にて配置することが望ましい。該構成によると、多数のねじ部材との接触が許容されているにも関わらず圧損が特に小さい液体処理ノズル、ひいては70%谷点数を飛躍的に増加させつつも低圧損となる液体処理ノズルを実現することができる。構成の液体処理ノズルにおいては、隣接するねじ配置面(面ねじ組)間の距離をねじ部材の公称ねじ径に等しい限界値にまで接近させても圧損増加が生じにくく、結果として流路中心軸線方向におけるねじ部材の配置間隔をより密にすることができ、キャビテーション発生効率に優れた液体処理ノズルをコンパクトに構成できる利点が生ずる。該効果は、隣接するねじ配置面(面ねじ組)間の距離を、公称ねじ径の2倍以下にとどめたときに特に顕著である。また、ねじ部材として脚部よりも径大の頭部を有するものを使用する際には、ねじ配置面(面ねじ組)の間隔は該頭部の外径よりも大きく設定されることとなる。
例えば、互いに隣接するねじ配置面のそれぞれにおいて3以上の同数のねじ部材が、脚部が液体流路の断面半径方向に沿うように断面中心周りに等角度間隔にて配置される構成を採用する場合、断面中心周りにおけるねじ部材の配置角度位相が隣接するねじ配置面間にて一致するように定めておくとよい。このようにすると、同じねじ配置面内にて隣り合うねじ部材が軸線方向に壁部状に連なりあい、流路断面は該壁部状のねじ列により分割区画されとともに、その区画された領域内には他のねじ部材が介在しないため、多数のねじが配置されるにもかかわらず液体の衝突抵抗は大きく低減される。そして、上記壁部状のねじ列の内面には個々のねじ部材のねじ谷が多数密に配列し、キャビテーション効率を飛躍的に高めることができる。
一方、互いに隣接するねじ配置面間でねじ部材の脚部は、平面への投影において長手方向を互いに交差させる位置関係にて配置することも可能である。この構成では、複数の面ねじ組を液体流が通過する際の、個々のねじ部材と液体流との衝突による損失はやや大きくなるが、液体を衝突により生ずる乱流により攪拌する効果がより顕著となる。例えば、上記構成の液体処理ノズルにまた、気体(空気、酸素、炭酸ガス、窒素、水素、オゾンなどから選ばれる1種又は2種以上)と液体(水、食用油、ガソリンや軽油などの液体化石燃料、アルコールなど)との混合流を供給すれば、上記の攪拌効果により液体に気体を溶解させる効率を高めることができる。また、相互溶解度の小さい液体同士(例えば、親水性の小さい有機液体と水系液体)を攪拌混合して、エマルジョンを形成したりする目的にも有効に採用可能である。
上記の構成では、中心軸線方向におけるねじ配置面の間隔をねじ部材の公称ねじ径の2.0倍以上に設定するのがよい。これにより、複数の面ねじ組に液体を流通させる際の圧損低減を図ることができる。ねじ配置面の間隔は、より望ましくは4.0倍以上に設定するのがよい。例えば、互いに隣接するねじ配置面のそれぞれにおいて3以上の同数のねじ部材が、脚部が液体流路の断面半径方向に沿うように断面中心周りに等角度間隔にて配置される場合、上記の構成を採用するには、断面中心周りにおけるねじ部材の配置角度位相が隣接するねじ配置面間にて互いにずれた形で定められることとなる。
本発明の作用及び効果の詳細については、「課題を解決するための手段」の欄にすでに記載したので、ここでは繰り返さない。
本発明の液体処理装置の一例を使用形態とともに示す概念図。 図1Aの液体処理装置に使用する気液ミキサーの一例を示す横断面図及び側面。 図1Aの液体処理装置に使用する液体処理ノズルの一例を示す横断面図。 図1Cの液体処理ノズルの各ねじ配置面におけるねじ部材レイアウトを示す軸断面図。 図2の要部を拡大して示す軸断面図。 図1Cの液体処理ノズルにおいて、図2のレイアウトの面ねじ組を中心軸線方向に4組配置した液体処理ノズルの要部横断面図。 同じく8組配置した液体処理ノズルの要部横断面図。 図1Cの液体処理ノズルにおいて、一方の面ねじ組を45°回転させた構造を示す要部横断面図。 図1Cの液体処理ノズルにおいて、一方の面ねじ組を図6のレイアウトとした液体処理ノズルの要部横断面図。 図7の構造において、面ねじ組を互いに直交するねじ部材対に分割し、それぞれ中心軸線方向に位置をずらせて配置した液体処理ノズルの要部横断面図。 図7の液体処理ノズルと同様の面ねじ組の対を中心軸線方向に2組配置した液体処理ノズルの要部横断面図。 図1の液体処理装置の気液ミキサーにベンチュリエジェクタを接続した状態を示す横断面図。 面ねじ組を3本のねじ部材で構成した液体処理ノズルの要部軸断面図。 面ねじ組を8本のねじ部材で構成した液体処理ノズルの要部軸断面図。 面ねじ組を4本のねじ部材により、中心ギャップを形成しない形で構成した液体処理ノズルの要部軸断面図。 図13の面ねじ組を中心軸線方向に2組配置した液体処理ノズルの要部横断面図。 4本のねじ部材を十字状に配置した液体処理ノズルにおいて、一定動水圧にて水を流通させた時の、液体流通領域の面積と流量との関係を示すグラフ。 4本のねじ部材を十字状に配置した液体処理ノズルの断面内流速分布を、断面内径が4.2mm以上のノズルと断面内径が3.5mmノズルとで比較して示すグラフ。 面ねじ組を交互に45°回転させて複数配置した各種液体処理ノズルの通水動水圧と流量との関係を、比較例の液体処理ノズルについての結果とともに示すグラフ。 面ねじ組を互いに重なる位相関係にて複数配置した各種液体処理ノズルの通水動水圧と流量との関係を、面ねじ組を互いに45°回転させて二組配置した液体処理ノズルについての結果とともに示すグラフ。 処理水のぬめり汚れ除去能力を評価する装置の構造を示す図。 比較例の液体処理ノズルの要部軸断面図。 実験例に使用した液体処理ノズルの各部の寸法関係を説明する図。 通水テストに使用した試験装置の模式図。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づき説明する。
図1Aは、本発明の一実施形態をなす液体処理装置の一例を使用形態とともに示す概念図である。液体処理装置300は、液体流通方向(矢印)において下流側から液体処理ノズル1、気液ミキサー150及び混相流供給部165をこの順序に直列連通形態に配置したものであり、液体貯留部250(タンク、貯留槽、池など)に貯留された液体を循環させる循環配管180上に設けられている。処理対象となる液体は、例えば水(あるいは必要に応じて所望の溶質成分を溶かし込んだ水溶液)であるが、水以外の液体(例えば、アルコール等の有機溶媒、ガソリンや軽油などの化石燃料、食用油など)を用いてもよい。
循環配管180上にはポンプ175が設けられ、該ポンプ175の作動により、液体貯留部250内の液体が循環配管180に流れ込み、液体処理装置300の混相流供給部165に供給される。液体Wには、該混相流供給部165にて気体供給配管171を経て気体供給源170より気体が混合され、さらに気液ミキサー150にて導入された気体が微粉砕され、液体処理ノズル1にて該気体の少なくとも一部が溶解され、液体貯留部250に戻される。気体の種類は、本実施形態においては空気(気体供給源170はエアコンプレッサー)であるが、それ以外の気体、例えば酸素、窒素、炭酸ガス、水素ガス、オゾンなどを用いてもよく、それらから選ばれる2種以上の混合ガスを用いてもよい。
図1Bは、図1Aの液体処理装置に使用する気液ミキサー150の一例を示すものである。気液ミキサー150は、外筒部材151と流路形成部材155とを備える。外筒部材151は、一端に流入口159、他端に流出口160が形成される中空円筒状に形成される。材質は例えば金属ないしポリ塩化ビニル等のプラスチックであり、本実施形態ではステンレス鋼が採用されている。外筒部材151の両端部には他の配管要素と接続するための継ぎ手部、本実施形態ではおねじ部152が形成されている。
一方、流路形成部材155は外筒部材151の内側に設けられ、流入口159と流出口160とをつなぐ螺旋状流路157、158を、該螺旋状流路157、158の螺旋軸線HCが外筒部材151の中心軸線に沿うように形成する。本実施形態において流路形成部材155は、帯状の金属板の幅方向の中心軸線Oを螺旋軸線HCとする形で該金属板をねじり加工したねじり板部材(以下、ねじり板部材155ともいう)として構成できる。流路形成部材155の材質は、本実施形態ではステンレス鋼が採用されている。
該外筒部材151の内側にてねじり板部材155は、該ねじり板部材155の第一主面と外筒部材151の内周面との間に第一螺旋状流路157を、同じく第二主面と外筒部材151の内周面との間に第二螺旋状流路158を形成している。そして、外筒部材151は、螺旋状流路が1周期以上、本実施形態では2周期の螺旋区間156を含むように全長が定められている。また、外筒部材151の円筒状の内周面の内径をDx(mm)、ねじり板部材155の螺旋周期長をλ(mm)として、λ/Dxの値は1.5以上4以下に設定されている。Dxは例えば5mm以上30mm以下(例えば15mm)あり、λの値は例えば20mm以上300mm以下(例えば50mm)である。また、ねじり板部材155を構成する板材の厚みはDxの1/4超えない範囲にて、例えば0.3mm以上4mm以下の範囲で選定される(例えば1mm)。
図1Cは、液体処理ノズル1の一例を示す横断面図である。この液体処理ノズル1は、液体流路3が形成されたノズル本体2を備える。ノズル本体2は円筒状に形成され、その中心軸線Oの向きに円形断面の1つの液体流路3が貫通形成されている。液体流路3は一方の端(図面右側)に液体入口4を、他方の端に液体出口5を開口しており、その流れ方向中間位置には液体入口4及び液体出口5よりも径小の絞り部9が液体流路3の一部区間をなす形で形成されている。液体流路3は絞り部9よりも液体入口4側が流入室6とされ、液体出口5側が流出室7とされる。そして、絞り部9には、脚部先端側が流路内側に突出するようにねじ部材10が組み付けられ、キャビテーション処理部CVを形成している。
ノズル本体2の材質は、たとえばABS、ナイロン、ポリカーボネート、ポリアセタール、PTFEなどの樹脂であるが、ステンレス鋼や真鍮などの金属やアルミナ等のセラミックスとしてもよく、用途に応じて適宜選択される。また、ねじ部材10の材質はたとえばステンレス鋼であるが、用途に応じて、より耐食性の高いチタンやハステロイ、インコネル(いずれも商標名)などの耐熱合金を用いてもよいし、耐摩耗性が問題となる場合は石英やアルミナなどのセラミック材料を用いることも可能である。特に、金属コンタミを嫌う分野(たとえば半導体分野)への適用には、石英の採用が好適であり、この場合は樹脂製のノズル本体2はたとえばPTFEで構成するとよい。
ねじ部材10は、ねじピッチ及びねじ谷深さが0.20mm以上0.40mm以下、公称ねじ径Mが1.0mm以上2.0mm以下のものが使用されている。本実施形態にてねじ部材10は、JISに定められた0番1種なべ小ねじが使用されている。キャビテーション処理部CVには、液体流路3の中心軸線Oと直交する仮想的なねじ配置面が該中心軸線Oに沿って複数、図1CにおいてはLP1、LP2の2面が設定されている。上記のねじ部材10は、脚部の長手方向が個々のねじ配置面LP1、LP2に沿うように配置される。図1Cの実施形態においてねじ部材10の総数は8であり(後述するように、8を超える数であってもよい)、各ねじ配置面LP1、LP2に対し2つ以上、図1Cにおいては4つずつ分配されている。
図1Cにおいて各ねじ配置面LP1、LP2においてねじ部材10は、図2に示すレイアウトに従い配置されている。具体的には、各ねじ配置面LP1、LP2上の4本のねじ部材10は互いに直交する十字形態に配置され、各々ノズル本体2に形成されたねじ孔19内面のめねじ部19fにて、その壁部外周面側から脚部先端が絞り部9内へ突出するようにねじ込まれている。ねじ孔19とねじ部材10とは接着剤等によりセッティング固定することができる。図3は、絞り部9の内側をさらに拡大して示すものであり、ねじ部材10と絞り部9の内周面との間には主流通領域21が形成されている。また、各絞り部9において、4つの衝突部10が形成する十字の中心位置には、液体流通ギャップ15が形成されている。液体流通ギャップ15(図3)を形成する4つの衝突部10の先端面は平坦に形成され、前述の投影において液体流通ギャップ15は正方形状に形成されている。
図3において、各ねじ配置面LP1、LP2における液体流通領域の面積(以下、全流通断面積ともいう)aを、液体流路の投影領域の外周縁内側の全面積(ここでは、図1Cの絞り部9の円形軸断面の面積:内径をdとしてπd/4))をS1、衝突部10(4本のねじ部材)の投影領域面積をS2として、
a=S1−S2 (単位:mm
として定義する。この実施形態では、主流通領域21と液体流通ギャップ15との合計面積が全流通断面積aに相当する。図1Cに示すごとく、液体入口4及び液体出口5の開口径は、絞り部9の内径よりも大きい。すなわち、液体入口4及び液体出口5の開口断面積は全流通断面積aよりも大きく設定されている。また、流入室6及び流出室7の絞り部9に連なる内周面はそれぞれテーパ部13、14とされている。液体出口5側のテーパ部14と液体入口4側のテーパ部13とは絞り比は同じであるが、区間長はテーパ部14の方が大きく設定されている。そして、各ねじ配置面LP1、LP2において、全流通断面積aは3.8mm以上確保され、液体流路の全断面積S1に占める液体流通領域の割合(すなわち、a/S1×100(%))として定められる面内流通面積率は40%以上に確保されている。
図3において、ねじ部材(衝突部)10の投影外形線に現れる谷部21の深さhは0.2mm以上確保されている。また、中心軸線Oの投影点を中心として液体流路の内周縁までの距離の70%に相当する半径にて描いた円を基準円C70として定めたとき、谷部21の最底位置を表す谷点のうち、基準円C70の内側に位置するもの(○で表示)の数、つまり、中心軸線Oと直交する平面への投影にて液体流路3の断面中心から該液体流路3の半径の70%以内の領域に位置する谷点の数を70%谷点数N70と定義する。そして、該70%谷点数N70の値を全ねじ配置面について合計した値を、液体流路3(絞り部9)の断面積S1で除した値を70%谷点面積密度と定義する。図1Cの液体処理ノズル1においては、70%谷点面積密度の値が1.6個/mm以上に確保されている。
図1Cにおいて、互いに隣接するねじ配置面LP1、LP2間にてねじ部材10の脚部は、中心軸線Oと直交する平面への投影において長手方向を一致させつつ互いに重なり合う位置関係にて配置されている。具体的には、十字状に配置された4本のねじ部材10からなる面ねじ組が、ねじ配置面LP1、LP2間にて互いに重なり合う位置関係(すなわち、十字状の面ねじ組の中心軸線O周りの配置角度位相が互いに一致する位置関係:以下、このような配置を「同相配置」という)にて配置されている。また、隣接するねじ配置面LP1、LP2間の間隔dpは、図2のねじ頭部10hの外径をdh、ねじ脚部10fの公称ねじ径をMとして、例えば1.05dh以上2M以下に設定されている。
図1Cの液体処理ノズル1に対し、たとえば、液体出口5側を開放して液体入口4に動圧が通常水道圧(例えば、0.077MPa)程度となるように、液体として例えば水を流通させた場合の作用について説明する。この水はたとえば、空気が溶存しているものとする(たとえば、20℃(常温)での酸素濃度は約8ppm)。水流はまずテーパ部13及び絞り部9で絞られ、ねじ部材10と絞り部9内周面との間に形成される図2の主流通領域21と液体流通ギャップ15とからなる液流通領域にてねじ部材10に衝突しながらこれを通過する。
そして、ねじ部材10の外周面を通過するときに、ねじ谷部に高速領域を、ねじ山部に低速領域をそれぞれ形成する。すると、ねじ谷部の高速領域はベルヌーイの定理により負圧領域となり、キャビテーションが生ずる。ねじ谷部はねじ部材の外周に複数巻形成され、かつ8本以上のねじ部材10が複数のねじ配置面LP1、LP2に分配配置されていることから、キャビテーションは絞り部9内の谷部にて同時多発的に起こることとなる。すると、水流がねじ部材10に衝突する際に、ねじ谷部での溶存空気の減圧析出が沸騰的に激しく起こり、ねじ部材10の表面及び液体流路3の内面との間で水流を激しく摩擦しつつ撹拌する。
図1Cの液体処理ノズル1は、各ねじ配置面LP1、LP2にて、面内流通面積率が40%以上に確保され、全流通断面積が3.8mm以上に確保され、さらに隣接するねじ配置面LP1、LP2(面ねじ組)の間隔dpが、使用されるねじ部材10の公称ねじ径よりも大きく確保されている。これにより、面ねじ組を流路中心軸線Oの方向に複数連ねて配置してもノズルの圧損増加を極めて小さくとどめることができる。その結果、1つの液体流路3内に従来よりも多くのねじ部材が配置されているにも関わらず、断面内にて必要な流速を十分に確保できるようになる。例えば、特許文献2では1.1個/mm程度が限界と思われていた70%谷点面積密度の値を、十分な流速を確保しつつも一挙に1.6個/mm以上もの大きな値に設定できるようになる。
本発明者は、特許文献2において、当該文献に開示された液体処理ノズルによりキャビテーション処理を行なった水は肌や髪などへの浸透性が向上すること、該浸透性の向上効果は、液体処理ノズルの70%谷点密度が大きくなるほど顕著となることを示唆した。また、肌や髪の構成成分は高分子であるたんぱく質であり、こうした高分子ネットワークからなる構造体への分子レベルでの水の浸透性改善については、水の中に微小気泡が介在することによる効果のみでは説明がつかない側面があること、例えば、水の物理的な性状、特に、極性分子である水の集団的(統計的)な振る舞いに微細気泡が関与し、水の浸透力等が増している可能性があること、などについても言及した。しかし、70%谷点面積密度の値が上記の大きな値に拡大したノズルを用いてキャビテーション処理を行なった場合に、処理後の液体の特性がどのように改善されるかについては、特許文献2は沈黙している。一方、また、特許文献3には、ねじ部材を円形断面の流路に1つだけ組み込んだコア部材を、ノズルケーシングに8枚重ねて収容したシステムノズルが開示されているが、8つのねじ部材を流れ方向に1本ずつ分散させて配置する構成のため、キャビテーション処理部を構成する流路長が大きくなりすぎ、圧損が生じやすい問題がある。
特許文献1〜3が開示するノズルにてキャビテーション処理を行なった水は、例えばレーザー回折式粒度計などにより測定すれば、平均径が100nm〜300nm程度のナノ域の微小気泡を多量に含んだ水になっていることを確認できる。しかし、後述の実験結果から明らかな通り、レーザー回折式粒度計によって確認できる上記平均径の微小気泡は、キャビテーション処理後タンクなどに貯留して数分放置すれば大部分が消失し、通常の感度のレーザー回折式粒度計では検出できなくなる。しかし、この微小気泡が検出されなくなった貯留後の処理水であっても、上記のように70%谷点面積密度をさらに高めた液体処理ノズルを用いれば、キャビテーション処理に伴う浸透性改善等の効果は同様に発揮されるのである。
図10に示すように、液体処理装置300において気液ミキサー150は、螺旋状流路157、158が液体処理ノズル1の液体流路3に連通するように、液体処理ノズル1の液体入口側に配置されている。具体的には、外筒部材151の流出口側のおねじ部152をノズル本体2のめねじ部16に螺合させる形で接続されている。気液ミキサー150と液体処理ノズル1との間には中継配管等の別配管要素(図示せず)が介在していてもよいが、該別配管要素内を流通する間に二次気泡BSが合体・粗大化する懸念もあり、気液ミキサー150と液体処理ノズル1とは図10のように直結されていることが望ましい。
また、混相流供給部165は、気液ミキサー150の流入口159に、気体と液体との混相流を供給する。本実施形態では混相流供給部165はベンチュリエジェクタとして構成され、その絞り部に連通する気体供給孔166に気体導入用継手167を介して気体供給配管171(図1A)により気体が供給され、混相流が形成される。本実施形態では、混相流供給部165もまた気液ミキサー150の流入口159側に直結されている。混相流は、第一螺旋状流路157及び第二螺旋状流路158に分配され、それぞれ第一螺旋流TR1と第二螺旋流TR2を形成しつつ気相を二次気泡BSに粉砕する。
該混相流中の一次気泡BPは、気液ミキサー150の螺旋状流路157、158内を流通させることにより遠心力により液体と混合・微粉砕され、図1Cの液体処理ノズル1のねじ部材10のねじピッチをh(mm)として、気泡径1.5h以下(望ましくは1h以下)の二次気泡BSに微粉砕される。二次気泡BSを含んだ液体は液体処理ノズル1に供給され、キャビテーション処理部CVに生ずる乱流域に巻き込まれることにより溶解する。
混相流中の気相が、より細かい二次気泡BSに粉砕された状態で液体処理ノズル1のねじ部材に供給されることにより、気体を含有した液体とねじ谷との接触効率が上昇する。これにより、気相成分の混合・攪拌の駆動力を生ずる乱流域の形成が顕著となり、気体溶解効率を高めることができる。また、キャビテーション処理部CV内では、溶解した気体の一部は直ちにキャビテーションにより再析出することから、ねじ谷部内でのキャビテーション効率は大幅に改善される。よって、得られる液体の浸透性あるいは洗浄性等が向上する効果も損なわれにくくなる。
以下、本発明にて採用可能な液体処理ノズルの種々の変形例について説明する。
図4は、図1Cの液体処理ノズル1のキャビテーション処理部CVを、図2に示すレイアウトの面ねじ組を中心軸線Oの方向に4組配置した構成を示す。具体的には、中心軸線Oの向きに4つのねじ配置面LP1〜LP4が、図1Cと同じ面間隔dpにて配置され、図2の十字状の面ねじ組が互いに重なるように(すなわち、同相に)配置されている。この場合、16本のねじ部材10が4つのねじ配置面LP1〜LP4に分配されることとなる。また、図5は、図2の面ねじ組を8つのねじ配置面LP1〜LP8に対し同相に配置したキャビテーション処理部CVの例を示す。この場合、32本のねじ部材10が8つのねじ配置面LP1〜LP8に分配されることとなる。各キャビテーション処理部CVの70%谷点面積密度は、図2の構成と比較して、図4の構成では2倍に、図5の構成では4倍に増加させることができる。
次に、図6は、図1Cの液体処理ノズル1と同様の面ねじ組を45°回転させた状態を示している。そして、図1Cの液体処理ノズル1の2つのねじ配置面LP1、LP2のうち、一方のねじ配置面LP2の十字状の面ねじ組を、他方のねじ配置面LP1の面ねじ組に対して中心軸線Oの周りに45°だけ回転させ、図6の状態とした場合のキャビテーション処理部CVの例を、図7に示している。該構成のキャビテーション処理部CVは、図2の構成と同等の70%谷点面積密度を実現できるが、ねじ配置面LP1、LP2の面間隔dpが図1Cの構成と同一の場合は、液体流通時の圧損が若干大きくなる。しかし、面間隔dpを適度に拡大することで該圧損は減じられ、図2の構成のキャビテーション処理部CVとほぼ同等のキャビテーション処理能力を発揮する。また、液体の乱流攪拌効果は図1Cの構成よりも大きいため、混相流供給により気体を液体に溶解させる目的においてはより有利となる。
図8は、図7の構成において、面ねじ組を互いに直交するねじ部材対に分割し、それぞれ中心軸線Oの向きに位置をずらせて配置したキャビテーション処理部CVの例を示す。具体的には、図1Cにおいてねじ配置面LP1、LP2上に配置されていた各々4本のねじ部材10が、図7の構成では、ねじ部材10の公称ねじ径Mだけ隔てられた2つのねじ配置面LP1、LP1’及びLP2、LP2’に、互いに直交する2本ずつを分散させて配置している。すなわち、8本のねじ部材10を4つのねじ配置面LP1、LP1’、LP2、LP2’に分配した例を示すものである。また、ねじ配置面LP1’とねじ配置面LP2との間隔は、公称ねじ径Mよりも大きく(例えば1.5M〜2.0M程度)に設定されている。該構成における70%谷点面積密度は図2の構成と同等である。
また、図9は、図2のレイアウトの面ねじ組と、図6のレイアウトの面ねじ組とを、4つのねじ配置面LP1〜LP4に対し、交互に2つずつ合計4組配置したキャビテーション処理部CVの例を示す。この例では、16本のねじ部材10が4つのねじ配置面LP1〜LP4に4本ずつ分配配置されている。該構成における70%谷点面積密度は図2の構成の2倍となる。
上記の種々の実施形態では、ねじ配置面に対しねじ部材を4本十字状に配置していたが、ねじ配置面におけるねじ部材の配置数及び配置形態はこれらに限定されるものではない。図11は、面ねじ組を3本のねじ部材10で構成した例を示すものである。3本のねじ部材10の先端面は三角形状の中心ギャップ15を形成している。
また、図1Cの構成において、液体流路3(絞り部9)の内径が拡大した場合、全流通断面積が3.8mm以上確保され、かつ、面内流通面積率が40%以上に確保される条件が充足されるのであれば、1つのねじ配置面上に配置するねじ部材の数、すなわち、面ねじ組の構成ねじ部材数は4つを超えた数とすること、例えば6本や8本としてもよい。図12は、面ねじ組を8本のねじ部材で構成した例を示している。
また、ねじ部材を液体流路3(絞り部9)の内径(直径)に沿って配置する場合、該内径を横断するねじ部材を用いることで、中心ギャップを省略する構成も可能である。図13は、面ねじ組を4本のねじ部材により、中心ギャップを形成しない形で構成した例を示す。また、図14は、図13の面ねじ組を、中心軸線方向に位置をずらせ、かつ角度位相を45°ずらせて2組配置した例を示すものである。特に、絞り部9の内径が10mmを超える大流量のノズルにおいては、中心ギャップを省略しても断面中心付近の流速は十分に確保でき、高流速となる断面中心付近のねじ谷数を増加させる上での支障がない。
また、図1Bの気液ミキサー150は、ねじり板部材を流路形成部材155として使用する形態に限定されない。例えば、ねじり板部材が占める空間と第二螺旋状流路158が占める空間とを合わせた形状の中実鋳造部材として流路形成部材を形成し、これを該当部材151内に挿入することもできる。この場合、図1Bにおける第二螺旋状流路158は流路形成部材により占有されるので、第一螺旋状流路157のみが形成された気液ミキサーとなる。
以下、液体処理ノズルの効果を確認するために行った種々の実験の結果について説明する。
試験用の液体処理ノズル(以下、「試験ノズル」と称する)として、図1Cに示す形状のものを種々作成した。図21に図1Cの各部の寸法関係を図示している。ノズル本体2の材質はABS樹脂であり、液体入口4と液体出口5の内径はφ20mm、流入室6及び流出室7の流れ方向の長さはそれぞれ15mm及び45mmである。また、キャビテーション処理部において絞り部9の長さは12mm(面ねじ組数4まで)ないし17mm(面ねじ組数8)、絞り部9の内径Dはφ3.8〜φ11.5mmの種々の値に設定した。
採用したねじ部材は、JIS:B0205(1997)に規定されたメートル並目ピッチを有する0番1種なべ小ねじであり、材質はステンレス鋼(SUS304)である。また、脚部の公称ねじ径はM1.0(ねじピッチ:0.25mm、ねじ頭外径:1.8mm)、M1.4(ねじピッチ:0.30mm、ねじ頭外径:2.0mm)、M1.6(ねじピッチ:0.35mm、ねじ頭外径:2.4mm)、M2.0(ねじピッチ:0.40mm、ねじ頭外径:3.0mm)である。キャビテーション処理部におけるねじ配置面(面ねじ組)の数は1〜8であり、種々の面間隔にて設定している。なお、図20に示す如く、キャビテーション処理部に形成した隔壁部8に2つの絞り孔9を形成し、各絞り孔9について十字形態に4本のねじ部材10を配置した液体処理ノズルも作成した。
各ねじ配置面のねじ部材(面ねじ組)の配置数及びレイアウトは、図11に示す3本、図2及び図6に示す4本及び図12に示す8本であり、隣接するねじ配置面の面ねじ組の位置関係(角度位相)は、図1C、図4、図5に示す同相か、図7〜図9に示す45°(ねじ配置面が3以上の場合は交互に45°ずらせた配置)のいずれかとした。また、個々のねじ配置面の全流通断面積aは3.4〜56.8mm、面内流通面積率は37.5%〜73.7%の種々の値とした。なお、表3の番号13及び番号15の試験ノズルについては、直径方向に2本のみねじ部材を配置した1つのねじ配置面を1つ含むように構成した(表中、「1/2」と表示)。
また、絞り部内のねじ部材のレイアウトを示す投影画像上で各ねじ配置面上の基準円内側の70%谷点数を計数し、これをねじ配置面で合計した値を絞り孔の全断面積で除することにより、70%谷点面積密度の値を各試験ノズルについて算出した。作成した各ノズルについて、絞り部内径、組内ねじ数、面ねじ組配置、面ねじ組間隔、面内流通断面積、面内流通面積率、70%谷点総数及び70%谷点面積密度の各値を、表1〜表4にまとめて示している。なお、表1及び表3の各試験ノズルにおいては、公称ねじ径が上記M1.4のねじ部材を使用している。
Figure 2020189274
Figure 2020189274
Figure 2020189274
Figure 2020189274
次に、図1Bに示す気液ミキサー150を、次のようにして作成した。外筒部材151の全長は200mm、内径Dxを20mmのステンレス鋼管部材とした。また、ねじり板部材155は、厚さ1mm、幅14.8mm長さ200mmのステンレス帯部材に、ねじり周期λが20〜100mmの種々の値となるよう、ねじり加工を施して作成した(表5:番号501〜504)。そして、図1Aの装置系にて液体として水道水を用い、液体処理ノズル1を取り外した状態でポンプ175(東振テクニカル製ベーンポンプ:TVP−MS1803−A)を作動させ、循環配管180上に取り付けた流量計(図示せず)により、開放時流量として測定した。また、エアコンプレッサー170から混相流供給部(ベンチュリエジェクタ)165に供給するエアの体積流量を、気体供給配管171上に設けた流量調整バルブ172により、上記の循環水の開放時流量を基準としてその15%となるように調整し、気液ミキサー150の流出口側で得られる混相流を、レーザー散乱式粒度計(島津製作所製:SALD2200)のフローセルにインラインにて導き、含まれる二次気泡の平均径を測定した(ミキサ通過後平均気泡径ds(μm))。
次いで、液体貯留部250(樹脂製水槽:容積150L)内の水を、水道水への窒素ガス吹込みによるストリッピング処理により、溶存酸素量を1ppmまで低減させた試験用脱酸素水と入れ替えた。次にて、上記の気液ミキサー150の下流側に、表4の番号21、22及び24の試験ノズルを図1Aに示す如く接続し、空気を混合しない状態でポンプ175を動作させたときの流量を計測した。そして、循環配管180の流出側端部を別の回収槽(図示せず)内に差し替え、循環配管180のその流量の15%となるように空気流量を再調整しつつポンプ175を動作させ、液体貯留部250からの水を、液体処理装置300を1パスだけ通過させる形で空気混合しつつ回収槽に回収し、その溶存酸素量を光学式溶存酸素計にて測定した。また、比較例として、気液ミキサー150を省略した形についても、同様の測定を行った(番号506:「*」は比較例であることを示す)。以上の結果を表5に示す。
Figure 2020189274
これによると、いずれの試験ノズルを組み込んだ場合も、1パスによる空気混合により、溶存酸素量は試験開始前の1ppmから増加しているが、その増加代は、気液ミキサー150を接続しない場合よりも、接続した場合の方が良好であることがわかる。該結果をより詳しく見るに、液体処理ノズルに使用するねじ部材のねじピッチをhとして、気液ミキサー150の出口で得られるミキサー通過後平均気泡径dsが1.5h以下(つまり、ds/hが1.5以下)となる場合、特に1.0h以下となる場合に、1パス空気混合後の溶存酸素濃度がより顕著に増加していることがわかる。また、平均気泡径dsは、λ/Dxが4以下のときに縮小傾向が顕著であることもわかる。一方、λ/Dxが1.5以下となる番号501の気液ミキサーは、開放時流量の減少がやや大きく、圧損が増加していることが表5の結果から読み取れる。
次に、表1〜表4の試験用ノズルを用い、以下のような試験を行なった。
(1)通水テスト
図22に示す試験装置を構築し、各試験ノズルを組み込んで通水テストを行なった。具体的には、水温20℃、溶存酸素濃度5ppmの水道水を容量50Lの貯留タンクに注水した。配管系は内径20mmのPVC管を用いて作成した。吸引配管は一端をベーンポンプの吸引側に接続し、他端側を貯留タンクに挿入した。一方、ポンプ吐出側の配管は試験ノズルを装着する試験配管と、試験ノズルを経由しない逃がし配管とに分岐し、逃がし配管を通る水は貯留タンクに戻される。試験配管の先端には試験ノズルを含む本発明の液体処理装置が装着され、その上流に動水圧計と流量計とが挿入される。この状態でベーンポンプを駆動することにより、試験ノズルを開放通水したときの動水圧と流量とが読み取り可能である。また、試験ノズルを通過した処理水は回収タンクに回収される。逃がし配管上には流量調整弁が設けられ、その開度を調整することで、ノズルに付加される動水圧及び流量が任意の値に無段階に設定可能である。
通水テストにおいては、全ての試験ノズルについて動水圧を0.077MPaに固定設定し、空気を導入せずに水流通した時の流量を測定した。また、特に選定したいくつかの試験ノズルについては、動水圧を種々に変更した時の流量変化についての測定を行なっている。また、ねじ配置面を1面のみとし、ねじ部材(面ねじ組)の配置数及びレイアウトを図2に示す4本とし、絞り孔9の内径及びねじ部材10の公称ねじ径Mにより全流通断面積aを種々に変更した試験ノズルを用い、動水圧を0.077MPaに固定設定した時の流通断面積と流量の関係を調べる試験も別途行なっている。
(3)気液ミキサーと組み合わせたときの空気溶解能力評価
図10の液体処理装置300が構築されるように、気液ミキサー150(表5の番号503のもの)と試験ノズルとを組み込み、表5に結果を示した試験と同様に溶存酸素量を1ppmまで低減させた試験用脱酸素水を用い、空気混合しない場合の水流量を基準に体積比にてその15%の空気を導入しつつ、液体処理装置300を1パスだけ通過させる形で回収した水の溶存酸素濃度を測定した。
(4)ぬめり汚れ洗浄力評価テスト
バイオフィルムに類似したぬめり汚れのモデルとしてひきわり納豆を用い、図19の装置200を用いて、各試験ノズルを含む液体処理装置を通水させた水道水(初期酸素濃度:5ppm)を試験水として、その洗浄力評価を行なった。装置200の要部をなす散水ノズル201は、内径20mmのPVC管の先端をキャップで封止するとともに、管軸線方向に5mm間隔で管壁部を貫通するノズル孔を複数ドリル孔設したものである。この散水ノズルを水平に支持するとともに、基端側に試験水を供給することで各ノズル孔から下向きに噴射される。
試験水は、図22の装置系を用い、(1)の通水テストの条件を、最終的な回収水中の溶存酸素濃度が6ppmに調整されるように流量調整して空気導入するように変更するとともに、液体処理装置の通過により空気導入されつつキャビテーション処理された処理済み水を試験水として回収タンクに回収した(ただし、動水圧は0.077MPaに設定している)。次いで、貯留タンクを試験水が回収された回収タンクと置き換え、さらに液体処理装置を散水ノズルと交換した。これにより、図22を援用して説明すれば、回収タンク内の試験水がベーンポンプにより吸い上げられ、図19のごとく散水ノズル201から噴射されることとなる。散水ノズル201の直下には整流用タイル207が垂直に立てた状態で設置される。整流用タイル207の上面に向け斜め手前に水流が当たるように、散水ノズル201は軸線周り手前に傾けてセッティングしてあり、各ノズル孔から噴射された水流WFは、整流用タイル207上で広がって一体化し、水膜状となって流下する。
汚れモデルNTを塗布したサンプルタイル206は整流用タイル207の直下に配置され、整流タイルからの水膜状の洗浄水流WFが幅方向に均等に流下する。サンプルタイル206はスペーサ205により、下端側が前方にせり出す形で約3°傾けられている。散水ノズル201の水流噴射区間の幅は約30cmである。また、整流用タイル207及びサンプルタイル206は、片面に白色・平滑な釉薬層が形成された陶器製であり、高さTHが9cm、幅TWが18cmである。サンプルタイル206上の汚れモデルNTの幅は3〜4cmに設定され、噴射される処理水の総流量は6L/分、汚れモデルNTに当たる実質流量は0.6〜0.7L/分に調整されている。これにより、汚れモデルNTの除去に対しては、水流の衝突運動エネルギーよりも、納豆粒子をタイルに付着させているぬめり層への浸潤が効果として主体的となる。
汚れモデルNTはひきわり納豆であり、染料により赤く着色してサンプルタイル206に塗付されている。ひきわり納豆に含まれる豆粒子のサイズは2〜3mmであり、塗布総重量はデジタルスケールを用いて1g(粒子数:40〜50個)に統一している。汚れモデルNTを塗布後のサンプルタイルは、20℃、湿度50%RHの空調室内で90分乾燥させたのち試験に供した。試験中、洗浄進行に伴いサンプルタイル206から納豆粒子が落下・除去されてゆく様子を動画撮影し、サンプルタイル206上の初期総粒子数に対する除去粒子数の比率の通水経過に伴う変化を動画から読み取った。具体的には、試験水を流通させる場合と通常水を流通させる場合のそれぞれについて3回同じ試験を繰り返し、除去率が50%となる通水時間の3回の平均値を読み取るようにした。
試験水の洗浄力は、上記の通水時間により評価したが、キャビテーション処理を行なっていない通常水道水や、異なる試験ノズルによる試験水の間での比較を行いやすくするために、次のような手法を用いた。
・試験水については、回収タンクに回収後、10分間静置状態で放置したのち、試験に供した。10分放置後の試験水は、レーザー回折式粒度計(島津製作所製:SALD2200)により微細気泡が計測されるか否かを確認したが、いずれの試験ノズルによる試験水も、通常水である水道水とともに測定結果は検出限界以下となった。
・洗浄性の評価は、複数の試験ノズルの試験水間で通水時間の絶対値を横断的に比較するのではなく、同条件にて作成したサンプルタイルを用いたときの、キャビテーション処理を行わない通常水(ブランク水)と試験水との通水時間比(除去率:50%)で比較するようにした。以上の試験結果を、表1〜表4にまとめて示している。
以下、得られた結果について説明する。
図15は、ねじ配置面を1面のみとし、ねじ配置面の全流通断面積(液体流通領域の面積)を種々に変更した試験ノズルにより、動水圧を通常水道圧領域の0.077MPaに固定設定したときの、流通断面積aと流量ρの関係を調べた結果を示すグラフである。このグラフから明らかな通り、ねじ配置面における流通断面積aが5.0mm以上となる領域では、該面積aの増加に伴い流量ρがaの一次関数:
ρ=1.75a+2.93・・・(I)
に従って直線的に増加する傾向を示していることがわかる。一方、流通断面積aが5.0mmとなる領域では、流量ρは上記直線的な関係から下方に外れ、全流通断面積aの縮小に伴って、該面積aの対数に依存する関数:
ρ=9.28×ln(a)−3.37・・・(II)
に従い、流量ρが急速に減少していることがわかる。これは、通常の水道圧領域による流通条件では、全流通断面積aが5.0mm未満となったとき、ノズル内の面ねじ組の挿入数が1つ増えるごとに増加する圧損が急激に大きくなり、流通断面積に見合った流量が得られなくなることを意味している。全流通断面積aが5.0mmとなる具体的な条件は、例えば、絞り部9の内径を4.2mmに設定し、M1.4のねじ部材を図2のレイアウトに従い4本配置した場合に相当する。
図16は、面ねじ組の数を増やし70%谷点面積密度の値をさらに増加させる上で、全流通断面積aを5.0mm以上に確保することが重要である事情を説明するものである。横軸は、円形のねじ配置面をなす絞り孔の、断面半径方向の流速分布を示すものである。断面内にねじ部材が配置されるので、流速分布形状はその影響を当然受けると考えられるが、ねじ部材配置の対称性を考慮すれば、断面内にねじ部材が配置されていない場合と同様に、断面中心が極大値となる放物線状の流速分布を仮定することは、おおむね妥当と考えられる(図中の実線)。この状態から、例えば絞り部9の内径を3.5mmに縮小すると、全流通断面積aは3.5mmとなる。この領域においても、面積aに対し流量ρが(I)式が示す一次関数に従い変化すると考えた場合、(I)式のa=3.5mmへの外挿値から推定される流量は約9.0L/minとなる。しかし、実際には圧損増大のため該領域での流量はaの対数を含む(II)式に支配され、(I)式の上記外挿値よりも10%低い8.3L/min前後となることがわかる。
この場合、該領域でも圧損の影響が小さく(I)式が成立していれば、断面半径方向の流速分布はa=5.0mmの場合と同じになるはずであるが、実際には断面半径方向の流速分布は、図16に破線で示すように、a=5.0mmの場合から最大値が10%減じた放物線状となる。断面半径の70%となる位置では、最大値ρのほぼ1/2の流速となる。よって、最大流速が(I)式による外挿値から10%減ずれば、a=5.0mmの場合の最大値ρの1/2の流量となる断面半径位置は、計算によると70%位置から67%位置へ縮小する。このような特性の面ねじ組を、流路軸線方向にさらに一組追加すれば、ρの1/2を与える断面半径位置はさらに縮小して63%位置となる。
絞り部9の内径が3.5mm、ねじ部材の公称ねじ径Mが1.4の場合、幾何学的な計算によると、70%ねじ谷数は8個となるのに対し、63%ねじ谷数は半分の4個に減ずる。このように、a=3.5mmの面ねじ組は、仮に軸線方向に2組配置して流路断面内のねじ部材数を倍増させても、圧損増加により、面ねじ組を1組のみとした場合と比較して70%ねじ谷数の増加には全く寄与できなくなることがわかる。逆に、a>3.5mmに設定される面ねじ組であれば、軸線方向に2組配置したときの圧損増加がa=3.5mmの場合よりも小さくなるので、面ねじ組の増加は70%ねじ谷数の増加、すなわち70%谷点面積密度の増加に理論的には貢献すると考えられる。この場合、望ましい全流通断面積aの下限値は3.8mm前後となるが、より好ましくは上記(I)式が成立する5.0mm以上に設定するのがよい。そして、実験結果に基づいて以下に詳細に説明するごとく、面ねじ組を構成する十字状の4つのねじ部材を、互いに隣接するねじ配置面間で同相に配置する(つまり、ねじ部材の脚部を、長手方向を一致させつつ互いに重なり合う位置関係にて配置する)構成を採用するとき、面ねじ組の追加に伴う圧損増加はほとんど生じなくなり、70%ねじ谷数を劇的に増加させることができる。また、互いに隣接するねじ配置面間で角度位相をずらせて面ねじ組を配置した場合も、面ねじ組間の距離を増加させることにより、面ねじ組の追加に伴う圧損増加を抑制でき、70%ねじ谷数を同様に増加させることができるようになるのである。
図17は、絞り部の内径を5.0mmとし、十字状の4つのねじ部材(M1.4)からなる面ねじ組を、ねじ配置面間隔が1.4mm〜8.4mm(公称ねじ径をMとして、1.0M〜6.0M)となるように設定し、図7のごとく、それらを互いに45°ずれた角度位相にて配置した試験ノズル(番号1〜5、以下、45°ノズルという:前述の表1にて、洗浄性評価に供したのは番号2及び4のみ)を用いて行った通水テストの結果を示すものである。動水圧は0.046MPa〜0.089MPaの種々の値に設定され、各々測定された流量の値を、設定動水圧の値に対してプロットしている。また、比較用のノズルとして、面ねじ組を1組のみとしたもの(番号101)、面ねじ組を1組のみとしつつねじ部材の本数を8本に増加させたもの(番号102)、絞り孔を図20の2孔タイプとしたもの(番号103)を用いた場合の結果についても併せて示している。
上記の結果によると、ねじ配置面間隔dpが公称ねじ径と等しくなる1.4mm(1.0M)の場合は、面ねじ組を1組のみとした番号101のノズルと比較すれば圧損増加は大きいが、同一面内に8本のねじ部材を配置した番号102のノズルよりは流量が大きくなっており、面ねじ組を軸線方向に分散配置することによる圧損減少効果が明確に認められる。また、ねじ配置面間隔dpを1.5Mに拡大した番号2のノズルは流量が大幅に増加しており、圧損減少効果は極めて顕著となる。この傾向はねじ配置面間隔dpがさらに拡大することによってより顕著となり(番号3:dp=3.0M)、ねじ配置面間隔dpが4.5Mに達すると、面ねじ組を軸線方向に多重化しない番号101及び番号103と比較しても流量特性はほぼ等しくなる。すなわち、このような配置面間隔を採用することで、角度移相をずらせた形で面ねじ組を追加しても、圧損増加がほとんど生じていないことがわかる。
図18は、絞り部の内径を5.0mmとし、十字状の4つのねじ部材(M1.4)からなる面ねじ組を、ねじ配置面間隔dpが2.1mm(=1.5M)となるように設定し、図2、図4及び図5のごとく、それらを互いに同相にて2〜8組配置した試験ノズル(番号6〜8)を用いて行った通水テストの結果を示すものである。動水圧は0.046MPa〜0.089MPaの種々の値に設定され、各々測定された流量の値を、設定動水圧の値に対してプロットしている。また、同じねじ配置面間隔を有する、図17の番号2の45°ノズルの結果についても併せて示している。面ねじ組を同相配置することにより、面ねじ組の数を8組まで増加させても、圧損はほとんど増加していないことがわかる。また、同じ面間隔による45°ノズル(番号2)よりも、流量の値は大幅に増加していることもわかる。
以下、各ノズルについて行ったぬめり汚れ洗浄力評価テストの結果について、表1〜表4を参照しつつ説明する。表1は、上記通水テストで用いた番号2及び番号4の45°ノズル及び番号6の同相ノズルについての結果を、番号101〜103の比較用ノズルについての結果とともに示している。また、番号200は、キャビテーション処理を行わない通常の水道水をブランク水(通常水)として用いた場合の結果を示すものである。評価は前述のごとく、除去率が50%となるときのブランク水に対する試験水の通水時間比(除去率:50%)で行っており、この通水時間比の値が1のとき、ぬめり汚れに対する洗浄力はブランク水と同等であり、1より小さいときは、ブランク水より短時間でぬめり汚れを除去できていることを意味し、その絶対値が小さいほどぬめり汚れに対する洗浄力に優れていることを示す。
まず、面ねじ組を1組のみとした番号101のノズルによる処理水は、通水時間比が1よりも小さい値となっており、ブランク水よりは洗浄力が明らかに良好である。また、面ねじ組を1組のみとしつつねじ部材の本数を8本に増加させた番号102のノズル、及び絞り孔を2孔タイプとした番号103についての結果も、ブランク水よりは良好であることを示している。
ここで、番号102のノズルは70%谷点面積密度が番号101のノズルの1.8倍程度となっており、特に良好な洗浄効果を示している。また、面内流通面積率も5.1mm確保されており、キャビテーションに必要な流速は十分確保されていると考えられるが、面内流通面積率の値が26%と小さく、流量も6.8L/minと小さい。なお、汚れ洗浄力評価テストは、処理水をブランク水にて2倍(ないし3倍)に希釈した水についても同様に行っているが、番号102のノズルは2倍希釈した場合も通水時間比は0.5以下と良好な値を示す。表中には、70%谷点数を動水圧0.077MPaでの通水流量で除して得られる70%谷点流量密度の計算値も併せて示しているが、この値が大きいほど通水時間比が示す洗浄能力が良好となることも把握できる。
次に、番号2、4、6の試験ノズルの結果については、番号101及び番号103のノズルと比較して70%谷点面積密度が大きいため、処理水の洗浄能力はより優れていることがわかる。他方、70%谷点流量密度の比較では、番号102のノズルよりも若干劣っており、洗浄能力はこれには及ばないものの、これに近い能力が発揮されており、かつ、番号102のノズルと比較したとき、面内流通面積率が増大していることにより、流量については圧倒的に良好な結果を示している。
表2は、同相配置にて面ねじ組の数を増加させた番号7及び番号8のノズルについての結果を、番号101及び番号6の試験ノズルの結果と比較して示すものである。番号7及び番号8のノズルは、面ねじ組数の増加に伴う圧損増加が小さいため、大流量を維持しつつ70%谷点面積密度及び70%谷点流量密度がいずれも顕著に増加している。その結果、希釈率を2倍ないし3倍に増加させた場合においても通水時間比が示す洗浄能力はより良好である。
表3は、M1.4のねじ部材を用いつつ、絞り部内径、面ねじ組のねじ本数及び面ねじ組の数を種々に変更した試験ノズル(番号9〜15)についての結果をまとめたものである。また、番号109、111、112及び113は、番号9、11、12及び13の試験ノズルと同じ構成の面ねじ組を1組のみ設けたノズルを表している。番号10のノズルは、3本のねじ部材で構成した図11に示す面ねじ組を用いたものであり、番号15は、絞り部内径が10mmを超える値に設定される一方、面ねじ組を図12に示す8本にて構成したものである。また、番号13及び番号15のノズルは、4本ないし8本の面ねじ組を用いつつ、1層だけねじ本数を1/2(4本の面ねじ組については、直径方向に対抗する2本のみとし、8本の面ねじ組については、十字状の4本のみに間引いたもの)に縮小したものとして構成している。番号9〜15の実施例の試験ノズルは、絞り部9の内径の拡大に伴い流量が30L/min以上に増加しているにも関わらず、70%谷点面積密度を2.0個/mm以上に確保できており、面ねじ組を1組のみ設けた番号109、111、112及び113のノズルよりも、より良好な洗浄性能が発揮されている。
表4は、面内流通断面積の値をほぼ同等に設定しつつ、使用するねじ部材の公称ねじ径を変更することにより、70%谷点密度を種々の値に設定した試験ノズル(番号21〜24)についての結果を示すものである。いずれも良好な洗浄性能を発揮しているが、ねじ谷深さの大きいM1.4〜M2.0のねじ部材を用いた番号22〜番号24のノズルは、ねじ谷深さの小さいM1.0のねじ部材を用いた番号21のノズルと比較して、より小さい70%谷点面積密度にて同等の洗浄性能が達成できていることがわかる。
このように、表1〜表4のいずれのノズルについても、気液ミキサー150(表5の番号503のもの)と組み合わせて本発明の液体処理装置を構成することで、通常水道水よりも良好な洗浄性が発揮される。また、試験用脱酸素水を用いた空気溶解能力評価(溶存酸素濃度)においても、いずれも良好な結果が得られていることがわかる。
1 液体処理ノズル
2 ノズル本体
3 液体流路
5 液体出口
4 液体入口
9 絞り孔
10 ねじ部材
150 気液ミキサー
151 外筒部材
155 流路形成部材
156 螺旋区間
157 第一螺旋状流路
158 第二螺旋状流路
159 流入口
160 流出口
300 液体処理装置
LP1〜LP4 ねじ配置面
CV キャビテーション処理部

Claims (17)

  1. 一端に液体入口を、他端に液体出口を有する単一の液体流路が形成されるとともに、該液体流路の一部区間がキャビテーション処理部として定められたノズル本体と、前記キャビテーション処理部にて前記ノズル本体に脚部先端側が流路内側に突出するように組付けられる複数のねじ部材とを備え、気体が溶存した液体を前記液体入口から前記液体出口に向けて流通させ、前記キャビテーション処理部にて前記ねじ部材の脚部外周面に形成されたねじ谷に前記液体を増速しつつ接触させることにより、該液体に前記溶存ガスの減圧析出に基づくキャビテーション処理を行なうようにした液体処理ノズルと、
    一端に流入口、他端に流出口が形成される中空の外筒部材と、前記外筒部材の内側に設けられ、前記流入口と前記流出口とをつなぐ螺旋状流路を、該螺旋状流路の螺旋軸線が前記外筒部材の中心軸線に沿うように形成する流路形成部材とを備え、前記螺旋状流路が前記液体処理ノズルの前記液体流路に連通するように、前記液体処理ノズルの前記液体入口側に設けられる気液ミキサーと、
    前記気液ミキサーの前記流入口に、前記気体と前記液体との混相流を供給する混相流供給部とを備え、
    前記混相流中の気泡を、前記気液ミキサーの前記螺旋状流路内を流通させることにより微粉砕しつつ前記液体処理ノズルに供給し、前記キャビテーション処理部に生ずる乱流域に前記微粉砕された気体を巻き込ませて溶解させるようにしたことを特徴とする液体処理装置。
  2. 前記気液ミキサーは、前記ねじ部材のねじピッチをh(mm)として前記気泡を、1.5h以下の気泡径に微粉砕するものである請求項1記載の液体処理装置。
  3. 前記気液ミキサーの前記流路形成部材は、帯状の金属板の幅方向の中心軸線を前記螺旋軸線とする形で該金属板をねじり加工したねじり板部材として構成され、前記螺旋状流路として、前記ねじり板部材の第一主面と前記外筒部材の円筒状の内周面との間の空間がなす第一螺旋状流路と、前記ねじり板部材の第二主面と前記外筒部材の円筒状の内周面との間の空間がなす第二螺旋状流路とからなる請求項1又は請求項2に記載の液体処理装置。
  4. 前記外筒部材は、前記螺旋流路が1.5周期以上の螺旋区間を含むように全長が定められている請求項3記載の液体処理装置。
  5. 前記外筒部材の円筒状の内周面の内径をDx(mm)、前記ねじり板部材の螺旋周期長をλ(mm)として、λ/Dxが1.5以上4以下に設定されている請求項3又は請求項4に記載の液体処理装置。
  6. 前記液体処理ノズルは、前記ねじ部材がねじピッチ及びねじ谷深さが0.20mm以上0.40mm以下、公称ねじ径Mが1.0mm以上2.0mm以下のものが使用され、前記キャビテーション処理部には、前記液体流路の中心軸線と直交する仮想的なねじ配置面が該中心軸線に沿って複数設定され、前記ねじ部材が各前記ねじ配置面に対し2つ以上分配される形で前記脚部の長手方向が該ねじ配置面に沿うように配置された構造を有してなり、総数にて8以上の前記ねじ部材が各前記ねじ配置面に対し2つ以上分配される形で配置されるとともに、前記液体流路の液体流通領域の面積が各前記ねじ配置面において3.8mm以上確保され、前記液体流路の全断面積に占める液体流通領域の割合として定められる面内流通面積率が40%以上に確保され、前記中心軸線と直交する平面への投影にて前記液体流路の断面中心から該液体流路の半径の70%以内の領域に位置する谷点の全ねじ配置面間で合計した総数を、前記液体流路の断面積で除した70%谷点面積密度と定義したとき、前記70%谷点面積密度の値が1.6個/mm以上に確保され、さらに、前記中心軸線方向に互いに隣接する前記ねじ配置面の間隔が前記公称ねじ径以上に確保されてなる請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の液体処理装置。
  7. 前記液体流路の液体流通領域の面積が各前記ねじ配置面において5.0mm以上確保され、前記70%谷点面積密度の値が2.0個/mm以上に確保されてなる請求項6記載の液体処理装置。
  8. 前記ねじ配置面上にて前記ねじ部材は前記液体流路の円形の軸断面の直径に前記脚部の長手方向を一致させる位置関係にて配置されてなる請求項6又は請求項7に記載の液体処理装置。
  9. 前記ねじ部材を3本以上含むねじ配置面が前記中心軸線方向に2面以上設定されてなる請求項3記載の液体処理装置。
  10. 前記ねじ配置面上の3本以上の前記ねじ部材は、各ねじの前記脚部の先端面が前記断面中心を取り囲むことにより中心ギャップを形成するように配置されてなる請求項9記載の液体処理装置。
  11. 互いに隣接する前記ねじ配置面間で前記ねじ部材の前記脚部は、前記平面への投影において長手方向を一致させつつ互いに重なり合う位置関係にて配置されてなる請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載の液体処理装置。
  12. 前記ねじ部材は前記脚部よりも径大の頭部を有し、前記ねじ配置面の間隔が該頭部の外径よりも大きく設定されてなる請求項6記載の液体処理装置。
  13. 互いに隣接する前記ねじ配置面のそれぞれにおいて3以上の同数の前記ねじ部材が、前記脚部が前記液体流路の断面半径方向に沿うように前記断面中心周りに等角度間隔にて配置されるとともに、前記断面中心周りにおける前記ねじ部材の配置角度位相が隣接する前記ねじ配置面間にて一致するように定められてなる請求項12記載の液体処理装置。
  14. 互いに隣接する前記ねじ配置面間で前記ねじ部材の前記脚部は、前記平面への投影において長手方向を互いに交差させる位置関係にて配置されてなる請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載の液体処理装置。
  15. 前記中心軸線方向における前記ねじ配置面の間隔が前記ねじ部材の公称ねじ径の2.0倍以上に設定されてなる請求項10に記載の液体処理装置。
  16. 前記中心軸線方向における前記ねじ配置面の間隔が前記ねじ部材の公称ねじ径の4.0倍以上に設定されてなる請求項15記載の液体処理装置。
  17. 互いに隣接する前記ねじ配置面のそれぞれにおいて3以上の同数の前記ねじ部材が、前記脚部が前記液体流路の断面半径方向に沿うように前記断面中心周りに等角度間隔にて配置されるとともに、前記断面中心周りにおける前記ねじ部材の配置角度位相が隣接する前記ねじ配置面間にて互いにずれた形で定められてなる請求項14ないし請求項16のいずれか1項に記載の液体処理装置。

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