JP2020187320A - 表示システム - Google Patents
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【課題】奥行き感のある空中映像を表示できるようにする。【解決手段】2面コーナーリフレクタアレイ2と、その一方の主面2a側の空間に、その配列方向に沿って、一方の主面2aから離間するように配置された複数の透過型の表示パネル31〜33とを備え、複数の透過型の表示パネル31〜33は、前記配列方向で重なるように配置されており、2面コーナーリフレクタアレイ2は、その他方の主面2b側の空間に、複数の透過型の表示パネル31〜33にそれぞれ表示される画像を、空中映像51〜53としてそれぞれ結像させ、鑑賞者6は、奥行き方向の異なる位置で、空中映像51〜53を視認することができ、奥行き感を得ることができる。【選択図】図1
Description
本発明は、空中映像を表示する表示システムに関する。
従来、直交する2つの鏡面(反射面)から構成される2面コーナーリフレクタを多数備えた2面コーナーリフレクタアレイ(DCRA:Dihedral Corner Reflector Array)を用いて、ディスプレイに表示された画像を空中映像として空中に表示する表示装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、映像源が単一であると、空中映像に十分な奥行き感が得られず、空中映像ではない通常の映像との差が小さくなり、空中映像の利点を充分に活かせないという課題がある。
本発明は、上記のような課題に鑑みて為されたものであって、奥行き感のある空中映像を表示できるようにすることを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
すなわち、本発明の表示システムは、略直交する2つの鏡面によって構成される2面コーナーリフレクタを複数備える2面コーナーリフレクタアレイと、前記2面コーナーリフレクタアレイの一方の主面側の空間に、その配列方向に沿って、前記一方の主面から離間するように配置された複数の透過型の表示パネルとを備え、前記複数の透過型の表示パネルは、前記配列方向で重なるように配置されており、前記2面コーナーリフレクタアレイは、該2面コーナーリフレクタアレイの他方の主面側の空間に、前記複数の透過型の表示パネルにそれぞれ表示される画像を、空中映像としてそれぞれ結像させる。
透過型の表示パネルによって表示される画像は、静止画像であってもよく、動画像であってもよい。
本発明の表示システムによれば、2面コーナーリフレクタアレイの一方の主面から離間するように配列された複数の各透過型の表示パネルに表示される各画像を、2面コーナーリフレクタアレイの他方の主面側の空間の、複数の各透過型の表示パネルの配列に応じた位置に、空中映像としてそれぞれ結像させるので、他方の主面側の空間に位置する鑑賞者は、複数の空中映像を前記配列に応じた位置にそれぞれ視認することができ、奥行き感を得ることができる。
また、奥行き感のある表示によって、演出効果やアイキャッチ効果を高めた印象深い表示が可能となる。
本発明の好ましい実施態様では、前記複数の透過型の表示パネルが、前記配列方向に沿って互いに間隔をあけて配置されている。
この実施態様によれば、鑑賞者は、2面コーナーリフレクタアレイの他方の主面側の空間に、複数の透過型の表示パネルの配置間隔に応じた位置で、複数の空中映像を視認することができ、一層奥行き感を得ることができる。
本発明の他の実施態様では、前記2面コーナーリフレクタアレイの前記一方の主面から最も離間した前記表示パネルよりも離間して配置されると共に、前記複数の透過型の表示パネルに光を照射する光源を備え、前記複数の透過型の前記表示パネルが、透明液晶表示パネルである。
この実施態様によれば、複数の透明液晶表示パネルと、バックライト用の光源とによって、空中映像用の複数の画像をそれぞれ表示することができる。
本発明の更に他の実施態様では、3つ以上の透過型の前記表示パネルを備えている。
この実施態様によれば、鑑賞者は、透過型の表示パネルの配列方向に対応した位置で、3つ以上の空中映像を視認することができ、一層奥行き感を得ることができる。
本発明の一実施態様では、前記2面コーナーリフレクタアレイは、複数の貫通孔を有する異方性エッチング材料からなる基体を備え、前記複数の各貫通孔は、隣接する2つの内壁面が平面視で略直交する角部を少なくとも1つ有するものであり、前記角部の平面視で略直交する前記隣接する2つの内壁面が、光反射性膜で被覆されて前記2つの鏡面を構成している。
この実施態様によれば、異方性エッチング材料で構成されているので、隣接する2つの内壁面が平面視で略直交する複数の貫通孔を、異方性エッチングによって容易に形成することが可能である共に、貫通孔の隣接する2つの内壁面を光反射性膜で被覆して2つの鏡面とすることができる。
本発明の他の実施態様では、前記異方性エッチング材料が、水晶のZ板である。
この実施態様によれば、Z板の水晶の結晶異方性を利用した異方性エッチングによって、隣接する内壁面が平面視で略直交する角部を少なくとも1つ有する多数の貫通孔を形成し、隣接する内壁面を光反射性膜で被覆して鏡面とすることができる。
本発明の更に他の実施態様では、前記2面コーナーリフレクタアレイは、複数の貫通孔を有する硬化した感光性樹脂からなる基体を備え、前記複数の各貫通孔は、平面視で略直交する隣接する2つの内壁面を有し、前記平面視で略直交する前記隣接する2つの内壁面が、光反射性膜で被覆されて前記2つの鏡面を構成している。
この実施態様によれば、2面コーナーリフレクタアレイは、硬化した感光性樹脂によって構成されているので、当該2面コーナーリフレクタアレイは、感光性樹脂を、所要のパターンのマスクを介して露光、現像して製造することができる。また、各貫通孔の、平面視で略直交する隣接する2つの内壁面を光反射性膜で被覆して2つの鏡面とすることができる。
本発明の一実施態様では、前記2面コーナーリフレクタアレイは、透明な支持部と該支持部から突出する複数の突出部とを有する硬化した感光性樹脂からなる基体を備え、前記複数の各突出部は、平面視で略直交する隣接する2つの側面をそれぞれ有し、前記平面視で略直交する前記隣接する2つの側面が、光反射性膜で被覆されて前記2つの鏡面を構成している。
この実施態様によれば、各突出部の、平面視で略直交する隣接する2つの側面が2つの鏡面とされるので、各突出部によって2面コーナーリフレクタがそれぞれ構成され、複数の突出部によって、2面コーナーリフレクタアレイが構成される。
本発明の他の実施態様では、前記基体の前記支持部が平板状であって、前記突出部が柱状である。
この実施態様によれば、平板状の支持部に対して、平面視で略直交する隣接する2つの側面を有する柱状、例えば、角柱状の複数の突出部を形成して2面コーナーリフレクタアレイを構成することができる。
本発明によれば、2面コーナーリフレクタアレイの一方の主面から離間するように配列された複数の各透過型の表示パネルに表示される各画像を、2面コーナーリフレクタアレイの他方の主面側の空間に、複数の各透過型の表示パネルの配列に応じた位置で、空中映像としてそれぞれ結像させるので、他方の主面側の空間に位置する鑑賞者は、複数の空中映像を前記配列に応じた位置に視認することができ、奥行き感を得ることができる。
また、奥行き感のある表示によって、演出効果やアイキャッチ効果を高めた印象深い表示が可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示システムの概略構成図である。
この実施形態の表示システム1は、2面コーナーリフレクタアレイ2と、この2面コーナーリフレクタアレイ2の一方の主面2a側の空間に、その配列方向に沿って、前記一方の主面2aから離間するように配置された複数、この例では、3つの透過型の表示パネルとしての第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33と、第1透明液晶表示パネル31よりも前記一方の主面2aから離間した位置に配置された光源としてのバックライト4とを備えている。
第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33は、その配列方向(図1の下方)に沿って互いに等しい間隔をあけて、かつ、配列方向に重なるように配置されている。
なお、第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33は、等間隔に配置する場合に限らず、間隔を異ならせて配置してもよい。また、第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33は、間隔をあけず、重ね合わせて配置してもよい。
第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33は、その配列方向に全面が重なるように配置されるのが好ましいが、少なくとも表示面の一部が重なるように配置してもよい。
バックライト4は、第1透明液晶表示パネル31の背面から第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33を照明する。すなわち、この実施形態では、第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33と、単一のバックライト4とによって、液晶表示装置を構成している。
第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33は、2面コーナーリフレクタアレイ2に向けて、空中映像用の画像を表示する。第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33が表示する画像は、静止画像または動画像のいずれであってもよい。第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33が表示する画像は、特に限定されず、例えば、ゲーム用、広告用、案内用、あるいは、各種のコンテンツの映像等であってもよい。
2面コーナーリフレクタアレイ2は、平面視で略直交する2つの鏡面によって構成される2面コーナーリフレクタを多数備えている。この2面コーナーリフレクタアレイ2は、第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33にそれぞれ表示される画像を、2面コーナーリフレクタアレイ2の他方の主面2b側の空間の第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33の配列に応じた位置に、第1〜第3空中映像51〜53としてそれぞれ結像させる。すなわち、第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33の各表示画像は、2面コーナーリフレクタアレイ2の2つの鏡面によって2回反射して、その面対称位置に、第1〜第3空中映像51〜53としてそれぞれ結像される。
2面コーナーリフレクタアレイ2の他方の主面2b側の空間の鑑賞者6は、第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33の配列に応じて、手前側から奥側へ向けて結像される、第1透明液晶表示パネル31の表示画像に対応する第1空中映像51、第2透明液晶表示パネル32の表示画像に対応する第2空中映像52、第3透明液晶表示パネル33に対応する第3空中映像53を、それぞれ重ね合わされた状態で視認できるので、奥行き感を得ることができる。
次に、この第1〜第3空中映像51〜53について、例を挙げて説明する。
例えば、2面コーナーリフレクタアレイ2から最も離間した位置の第1透明液晶表示パネル31に、図2(c)に示される大文字の「C」を含む第1ウインドウ71が表示され、中間位置の第2透明液晶表示パネル32に、図2(b)に示される大文字の「B」を含む第2ウインドウ72が表示され、最も近い位置の第3透明液晶表示パネル33に、図2(a)に示される大文字の「A」を含む第3ウインドウ73が表示されている。
この場合、鑑賞者6は、図3に示すように、第1透明液晶表示パネル31の第1ウインドウ71に対応する大文字の「C」を含む第1空中映像81を最も手前に視認し、第2透明液晶表示パネル32の第2ウインドウ72に対応する大文字の「B」を含む第2空中映像82を中間位置に視認し、第3透明液晶表示パネル33の第3ウインドウ73に対応する大文字の「A」を含む第3空中映像83を最も奥側に視認することになる。すなわち、大文字の「A」に、大文字の「B」、及び、大文字の「C」が重なった空中映像を視認することになる。
このように鑑賞者6は、奥行き方向の異なる各位置で、第1〜第3空中映像81〜83を視認するので、奥行き感を得ることができる。
また、例えば、2面コーナーリフレクタアレイ2から最も離間した位置の第1透明液晶表示パネル31に、図4(c)に示される犬9が表示され、中間位置の第2透明液晶表示パネル32に、図4(b)に示される人10が表示され、最も近い位置の第3透明液晶表示パネル33に、図4(a)に示される家11が表示されている。
この場合、鑑賞者6は、図5に示すように、第1透明液晶表示パネル31の犬9に対応する空中映像12を最も手前に視認し、第2透明液晶表示パネル32の人10に対応する空中映像13を中間位置に視認し、第3透明液晶表示パネル33の家11に対応する空中映像14を最も奥側に視認することになる、すなわち、家14を背景にして、人13及び犬12が存在する空中映像を視認することになる。
このように鑑賞者6は、奥行き方向の異なる各位置で、各空中映像12〜14を視認するので、奥行き感を得ることができる。
また、鑑賞者6は、第1〜第3空中映像51〜53を奥行き方向に重ね合わせて視認するので、第1〜第3透明液晶表示パネル31〜33によってそれぞれ表示される、例えば、ゲーム用や広告用などの様々な画像を組合せて表示することができ、印象深く、演出効果やアイキャッチ効果の高い表示を行うことができる。
次に、この実施形態の表示システム1に使用される2面コーナーリフレクタアレイ2について、詳細に説明する。
図6は、2面コーナーリフレクタアレイの平面図であり、図7は図6の一部を拡大して示す平面図であり、図8は、図6の一部を拡大して示す斜視図である。
この2面コーナーリフレクタアレイ2は、平面視矩形、この例では平面視正方形の平板状の単一の基体15を備えている。
この基体15は、正方形の各一辺の長さが、例えば、約50mmであり、厚みが、例えば、0.08mm〜0.3mmである。平板状の基体15には、その表裏の板面、すなわち、両主面に対して垂直に貫通する多数の貫通孔16が形成されている。この基体15は、後述のように、各貫通孔16の内壁面を含む全面が、光反射性膜で被覆された反射面、すなわち、鏡面となっている。
図9は、図6ないし図8の一つの貫通孔16を代表的に拡大して示す平面図である。
この貫通孔16は、隣接する内壁面が光反射性膜で被覆された反射面16a,16bを有し、両反射面16a,16bが平面視で略直交する角部17を1つ有する六角形状となっている。すなわち、角部17を構成する両反射面16a,16bのなす角θは、略90度である。
ここで、略直交するとは、直角(90度)に交差する場合に限らず、90±2度、好ましくは、90±1度の角度範囲で交差する場合も含むものである。また、交差する角部17の頂点17a付近の反射面16a,16bが、例えば、曲面状に歪んでいるような場合も含むものである。
貫通孔16のサイズは、各反射面16a,16bにそれぞれ隣接して、互いに対向する反射面16c,16d間の距離L1が、例えば、0.33mmであり、前記角部17の頂点17aと、この角部17に対向する角部18の頂点との距離L2が、例えば、0.33mmである。
また、基体15に形成されている貫通孔16の単位面積あたりの形成数は、前記サイズの貫通孔16の場合、例えば、1mm2あたりでは約8個である。
基体15は、特定の結晶面がエッチングされ易い、異方性エッチング材料である水晶ウェハで構成されている。貫通孔16の内壁面は、後述の異方性エッチングによって、平板状の基体15の表裏の板面に対して略垂直に形成されている。ここで、略垂直とは、垂直である90度だけでなく、90±3度、好ましくは、90±2度、更に好ましくは、90±1度を含むものである。
貫通孔16の平面視で略直角の角部17の成す角度を二等分する仮想二等分線VL1は、水晶ウェハのX軸に沿って延びている。更に、この仮想二等分線VL1の角部17の頂点17aに向かう方向が、−X軸方向となっている。
異方性エッチングによって、多数の貫通孔16が形成された水晶ウェハは、その全面が、貫通孔16の内壁面を含めて光反射性膜で被覆された反射面、すなわち、鏡面とされて基体15が構成されている。
この基体15の各貫通孔16において、隣接する反射面16a,16bは、平面視で略直交しており、この2つの反射面16a,16bによって、2面コーナーリフレクタ19が構成され、各貫通孔16からなる微小な2面コーナーリフレクタ19を、縦横に多数並べた2面コーナーリフレクタアレイ2が構成される。
図10は、2面コーナーリフレクタアレイ2による結像様式を模式的に示す図であり、多数の各貫通孔16の略直交する反射面16a,16bをV字形状で簡略化して示している。
2面コーナーリフレクタアレイ2は、表裏面に平行であって、厚み方向の中央を横断する素子面20に対して一方側(図10では下方側)の空間に配置した光源21の空中映像22を実像として、素子面20に対する面対称位置に結像させるものである。
この2面コーナーリフレクタアレイ2による結像作用は、各2面コーナーリフレクタ19において、光源21からの光が素子面20の一方側から他方側へ透過する際に、光源21から発した光が、貫通孔16の直交する2つの反射面16a,16bの一方の反射面16a(16b)で反射し、更に他方の反射面16b(16a)で反射することによって得られるものである。
すなわち、2面コーナーリフレクタアレイ2では、素子面20の一方側の空間に配置された光源21から発した光が、2面コーナーリフレクタアレイ2を通過する際に、2面コーナーリフレクタ19の2つの反射面16a,16bで1回ずつ、合計2回反射する。これにより、素子面20に対する光源21の面対称位置に空中映像22が結像し、それを素子面20に対して空中映像22と同じ側の空間から観察することができる。
このように2面コーナーリフレクタアレイ2では、2つの反射面16a,16bによって2面コーナーリフレクタ19が構成される。
次に、この2面コーナーリフレクタアレイ2の製造方法について説明する。
この製造方法では、先ず、異方性エッチング材料である水晶ウェハに、フォトリソグラフィを用いた異方性エッチングを行う。
この例では、水晶ウェハとして、水晶のZ板を用いている。Z板23は、図11の切断方位図に示すように、Z軸に対して90°の角度で切り出されたZカットの水晶基板であり、主面(X−Y平面)がZ軸に直交する。
図12は、このZ板23に対して、フォトリソグラフィを用いた異方性エッチングを行い、更に、光反射性膜で被覆して基体15を作製する工程を示す概略断面図である。
この図12においては、矩形板状のZ板23のX軸方向が左方向、Z軸方向が上方向となる。
このZ板23の両主面は、研磨加工によって、平坦平滑面(鏡面加工面)となっている。
先ず、図12(a)に示される洗浄したZ板23に、例えば、スパッタリングや蒸着などの手法を用いて耐フッ酸膜である金属膜24を、図12(b)に示すように形成する。この金属膜24は、例えばクロム(Cr)の下地層に金(Au)を積層したものである。
次に、図12(c)に示すようにスピンコートなどによって、フォトレジスト25を塗布する。
このフォトレジスト25を、図12(d)に示すように、多数の貫通孔16に対応するパターンとなるように露光及び現像する。
次に、図12(e)に示すように、フォトレジスト25をマスクにして金属膜24のウェットエッチングを行い、フォトレジスト25に覆われていない金属膜24の部分を除去する。これによって、Z板23の表裏面を露出させて貫通孔形成用のマスクパターン26を形成する。
図13は、このマスクパターン26を示す平面図である。この実施形態のマスクパターン26は、平面視で正方形の多数のパターン27を備えている。各パターン27が、上記各貫通孔16を形成するための開口したパターンである。
図14は、図13の一つのパターン27を代表的に拡大して示す平面図である。このパターン27は、平面視で直角な4つの角部281〜284を有する正方形である。
このパターン27は、正方形のパターンの一辺を、Z板23のY軸に対してθ1=45度時計回りに回転させたパターンとなっている。
これによって、パターン27の4つの角部281〜284の内の1つの角部281の成す角度を二等分する仮想二等分線VL2は、Z板23のX軸に沿って延びる。更に、この仮想二等分線VL2の角部281の頂点281aに向かう方向が、Z板23の−X軸方向となっている。
このようにZ板23の−X軸を基準にして、平面視正方形のパターン27の1つの角部281を位置させたマスクパターン26をマスクとして異方性エッチングを行うことで、Z板23の結晶異方性を利用して、上記図9に示すように、隣接する内壁面が平面視で略直交する角部17を少なくとも1つ有する貫通孔16を形成することができる。
このようにして、図12(f)に示すように、Z板23の表裏の板面に対して垂直な内壁面を有する多数の貫通孔16を形成する。
次に、図12(g)に示すように、フォトレジスト25及び金属膜24を除去し、多数の貫通孔16が形成されたZ板23を得る。
その後、このZ板23の全面を、光反射性膜29で被覆して反射面を形成する反射面形成工程を行う。
具体的には、図12(g)に示される多数の貫通孔16が形成されたZ板23に、貫通孔16の内壁面を含む露出面の全面に、図12(h)に示されるように、例えば、スパッタリングや蒸着などの手法を用いて金属膜からなる光反射性膜29を形成して反射面、すなわち、鏡面とする反射膜形成工程を行う。これによって、図6に示される基体15となり、2面コーナーリフレクタアレイ2が構成される。
光反射性膜29を構成する金属膜として、例えば、銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属を用いることができ、この例では、銀合金(例えばAg−Pd-Cu合金)を用いている。
なお、空中映像を表示する表示画面に応じて、2面コーナーリフレクタアレイ2を大型化する場合には、例えば、透明なガラス基板等に、2面コーナーリフレクタアレイ2を、縦横に多数並べて接合すればよい。
本実施形態の表示システム1の2面コーナーリフレクタアレイ2によれば、基体15は、単一の異方性エッチング材料である水晶のZ板23で構成されているので、隣接する内壁面が平面視で略直交する角部17を有する貫通孔16を、異方性エッチングによって容易に形成することが可能である。
これによって、例えば、金型を使用して、微小な凹部や凸部を有している2面コーナーリフレクタアレイを成型する場合のように、製作に高い精度が要求される高価な金型を必要とすることなく、また、金型から離型するのが容易でないといった問題もない。
上記のようにZ板23のウェットエッチングによって、上記図9に示すように、平面視で略直交する反射面16a,16bからなる2面コーナーリフレクタ19を構成する多数の貫通孔16を形成するが、ウェットエッチングの条件等によっては、Z板23の結晶異方性に起因して、両反射面16a,16bが交差する角部17の頂点付近17aでは、各反射面16a,16bが、例えば、図15に示すように、曲面状に歪む場合がある。かかる場合には、曲面状の部分は、2面コーナーリフレクタ19を構成することができない。
この2面コーナーリフレクタ19を構成できない角部17の頂点17a付近の歪みを抑制するために、次の例のようにしてもよい。
図16及び図17は、本発明の表示システム1に使用される他の2面コーナーリフレクタアレイ21の上記図6及び図9に対応する平面図である。
この2面コーナーリフレクタアレイ21では、各貫通孔161において、平面視で略直交する2つの各反射面161a,161bによって2面コーナーリフレクタ191が構成され、各貫通孔161からなる微小な2面コーナーリフレクタ191を、縦横に多数並べた2面コーナーリフレクタアレイ21が構成される。
この例では、平面視で、隣接する反射面161a,161bの仮想延長面VS1,VS2が、略直交しており、その仮想角部171の先端は、Z板23の−X軸方向へ突出した突出部30となっている。
図9に示される上記の貫通孔16と同様に、貫通孔161の平面視で略直角の仮想角部171の成す角度を二等分する仮想二等分線VL3は、Z板23のX軸に沿って延び、更に、この仮想二等分線VL3の仮想角部171の仮想頂点171aに向かう方向が、Z板23の−X軸方向となっている。
このように隣接する反射面161a,161bの仮想延長面VS1,VS2が、略直交する仮想角部171を、Z板23の−X軸方向へ突出させることによって、図15に示される反射面16a,16bの角部17付近の曲面状に歪んだ部分が無くなり、その分、平面状の反射面161a,161bの占める部分、すなわち、2面コーナーリフレクタ191を構成する部分を増やすことができる。
図18は、かかる貫通孔161を有するZ板23を、異方性エッチングによって形成するためのマスクパターン261を示す図13に対応する平面図であり、図19は、図18の一つのパターン271を代表的に拡大して示す図14に対応する平面図である。
このパターン271は、平面視で略直角な仮想角部31を1つ有する多角形状であって、パターン271の仮想角部31を構成する各辺311,312にそれぞれ対向する各対向辺313,314は、円弧状の曲線となっている。
このパターン271では、仮想角部31の先端が、Z板23の−X軸方向へ突出した突出部32となっている。このようにマスクパターン261のパターン271の直角な仮想角部31を、Z板23の−X軸側へ突出させることによって、図17に示すように、貫通孔161における仮想角部171付近の曲面状に歪んだ部分を無くすことができる。
なお、図14に示される上記パターン27と同様に、このパターン271は、図19に示すように、略直角をなす仮想角部31を構成する一辺311が、Z板23のY軸に対してθ1=45度時計回りに回転したパターンとなっている。
また、平面視で略直角の仮想角部31の成す角度を二等分する仮想二等分線VL4は、Z板23のX軸に沿って延び、この仮想二等分線VL4の仮想角部31の仮想頂点31aに向かう方向が、Z板23の−X軸方向となっている。
このようにZ板23の−X軸を基準にして、多角形状のパターン271の直角な仮想角部31を位置させたマスクパターン261をマスクとして異方性エッチングを行うことで、Z板23の結晶異方性を利用して、図17に示すように、隣接する内壁面が平面視で略直交する仮想角部171を少なくとも1つ有する貫通孔161を形成することができる。
マスクパターンは、上記に限らず、種々のパターンを用いることができ、平面視で略直角の角部を少なくとも1つ有するパターンを多数有するものであればよい。
次に、この実施形態の表示システム1に使用される2面コーナーリフレクタアレイの更に他の例について、説明する。
図20は、この実施形態の表示システム1に使用される2面コーナーリフレクタアレイ102の平面図であり、図21は図20の一部を拡大して示す平面図であり、図22は、図20の一部を拡大して示す斜視図である。
この2面コーナーリフレクタアレイ102は、平面視で矩形、この例では正方形の多数の貫通孔116を区画形成する枠状の基体115を備えている。この基体115は、各貫通孔116の周囲を囲むように枠状に形成されている。この2面コーナーリフレクタアレイ102の枠状の基体115は、各貫通孔116の内面を含む全面が、後述のように、光反射性膜で被覆された反射面、すなわち、鏡面となっている。
2面コーナーリフレクタアレイ102の枠状の基体115の上下の各端面は、互いに平行に形成されており、各貫通孔116は、その内面が、基体115の前記各端面に対して略垂直になるように貫通形成されている。
この2面コーナーリフレクタアレイ102の上下の各端面間の距離、すなわち、基体115の高さ(厚さ)は、例えば、300μm〜600μmである。また、図21に示される枠状の基体115の枠部の幅Wは、数十μm程度、この例では、例えば、30μmである。平面視正方形の貫通孔116の正方形の各一辺の長さは、例えば、200μm〜300μmであり、この例では、250μmである。
平面視正方形の貫通孔116の内面を構成する4つの反射面は、隣接する2つの反射面が平面視でそれぞれ略直交しており、隣接する2つの反射面によって、2面コーナーリフレクタがそれぞれ構成されている。ここでは、貫通孔2の4つの反射面の内、例えば、図21及び図22に示すように、貫通孔116の上部の角部117を構成する、隣接する2つの反射面116a,116bによる2面コーナーリフレクタ119を例にとって説明する。なお、前記隣接する2つの反射面116a,116b以外の、2面コーナーリフレクタ119を構成しない他の反射面は、基体115の上下の各端面に対して垂直でなく、傾斜させてなどして多重反射光を抑制するようにしてもよい。
ここで、略直交するとは、直角(90度)に交差する場合に限らず、90±2度、好ましくは、90±1度の角度範囲で交差する場合も含むものである。また、交差する角部117の頂点付近の反射面116a,116bが、例えば、平面視で円弧状となって角部117が丸味を帯びたような場合も含むものである。
このように各貫通孔116によって、2面コーナーリフレクタ119がそれぞれ構成され、各貫通孔116からなる微小な2面コーナーリフレクタ119を、格子状に多数並べた2面コーナーリフレクタアレイ102が構成される。
また、2面コーナーリフレクタアレイ102において、貫通孔116の単位面積当たりの形成数は、前記サイズの貫通孔116の場合、例えば、1mm2当りでは約8個である。
2面コーナーリフレクタアレイ102の貫通孔116のサイズや形成数等は、2面コーナーリフレクタアレイ102の用途や要求される明度や解像度等に応じて適宜選択すればよい。
この2面コーナーリフレクタアレイ102は、後述のようにして、硬化した感光性樹脂、具体的には、硬化したネガ型レジストによって構成されている。
この2面コーナーリフレクタアレイ102の光学結像作用は、上記の2面コーナーリフレクタアレイ2と同様であり、素子面の一方側の空間に配置された光源から発した光が、2面コーナーリフレクタアレイ102を通過する際に、2面コーナーリフレクタ102の2つの反射面116a,116bで1回ずつ、合計2回反射して、面対称位置に空中映像が結像する。
次に、この2面コーナーリフレクタアレイ102の製造方法を、図23の概略断面図に基づいて説明する。なお、この図23では、分かり易いように光反射性膜129等の厚みを誇張して描いている。
先ず、図23(a)に示される洗浄したガラス、水晶や金属等からなる基板103、この例ではガラスからなる基板103の全面に、例えば、スパッタリングや蒸着などの手法を用いて金属層104を、図23(b)に示すように形成する。
この金属層104は、次に形成されるネガ型レジスト層105に対して親和性の低い金属、例えば、金(Au)層とするのが好ましい。
次に、感光性樹脂層を形成する形成工程では、図23(c)に示されるようにスピンコートなどによって、感光性樹脂層としてのネガ型レジスト層105を塗布形成する。このネガ型レジストとしては、加工終了後も除去されることなく残る、いわゆる、永久レジストとして、公知のネガ型レジストを使用することができる。
このネガ型レジスト層105を、図23(d)に示すように、多数の貫通孔116に対応するパターンの図示しないマスクを介して露光し、現像する。
この露光工程では、マスクを介してネガ型レジスト層105を、所定のパターンである、上記図20に示される格子状の所定のパターンに露光する、すなわち、ネガ型レジスト層105に所定のパターンを転写する。
この所定のパターンは、図20に示されるように、平面視で略直角な角部を有する正方形のパターンを単位パターンとし、この単位パターンを、縦横に繰り返し備えた格子状のパターンである。
この例では、この所定のパターンの正方形の領域外の基体115の枠に対応する領域を露光し、この枠に対応する領域のネガ型レジスト層105を硬化させる。
現像工程は、例えば、現像液中に浸漬するディップ現像によって行われる。この現像によって、正方形の領域内のネガ型レジスト層105が除去され、正方形の多数の貫通孔116が形成された枠状の基体115に対応する構造体102aが形成される。
露光に際しては、枠状の基体115の上下の各端面に対して、貫通孔116が垂直に形成されるように、焦点距離等の露光条件が設定される。
次に、図23(e)に示すように、現像後の構造体102aを基板103から分離する分離工程を行う。基板103には、上記のように、ネガ型レジストに対して親和性の低い金からなる金属層104が形成されているので、構造体102aを、基板103から容易に分離することができる。
なお、基板103自体が、ネガ型レジストに対して親和性の低い金属である場合には、現像後の構造体102aを基板103から容易に分離することができるので、金属層104の形成を省略してもよい。
次に、図示しない加熱工程において、構造体102aを、例えば、熱板上で200℃程度に加熱して、ネガ型レジストに残存する溶剤等を除去する。
その後、図23(f)に示すように、構造体102aの全面を、光反射性膜129で被覆して反射面を形成する。
具体的には、多数の貫通孔116が形成された構造体102aに、貫通孔116の内面を含む露出面の全面に、例えば、スパッタリングや蒸着などの手法を用いて金属膜からなる光反射性膜129を形成して反射面、すなわち、鏡面とする。これによって、図20に示される、2面コーナーリフレクタアレイ102が得られる。
この光反射性膜129を構成する金属膜として、例えば、銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属を用いることができ、この例では、銀合金(例えばAg−Pd-Cu合金)を用いている。
上記のように、この2面コーナーリフレクタアレイ1は、ネガ型レジスト層105を形成し、マスクを介して所定のパターンに露光し、現像して得られる構造体102aに光反射性膜129を被覆したものであり、いわゆる、感光性永久レジストからなる構造体である。
この2面コーナーリフレクタアレイ102は、感光性永久レジストから構成されるので、例えば、金型を使用して、微小な凹部や凸部を有している2面コーナーリフレクタアレイを成型する場合のように、製作に高い精度が要求される高価な金型を必要とすることなく、また、金型から離型するのが容易でないといった問題もない。
また、露光の際のマスクの所定のパターン等を選択することによって、形状の異なる2面コーナーリフレクタアレイを容易に製造することが可能となり、形状の選択の自由度が高まる。
上記の2面コーナーリフレクタアレイ102では、図21に示すように、各貫通孔116は、平面視正方形であって、各角部は、直角であったが、必ずしも直角でなくてもよい。例えば、図24の平面図に示すように、2面コーナーリフレクタアレイ1021の各貫通孔1161の各角部が直角でなく、丸味を帯びていてもよい。この場合にも、1つの角部、例えば、角部1171を構成する、隣接する2つの反射面116a1,116b1によって、2面コーナーリフレクタ1191が構成される。
また、各貫通孔は、図25の平面図に示すように、少なくとも1つの角部1172が、略直交するすものであればよく、この1つの角部1172を構成する、隣接する2つの反射面116a2,116b2によって、2面コーナーリフレクタ1192を構成することができる。
更に、2面コーナーリフレクタアレイ102,1021,1022は、各貫通孔116,1161,1162の周囲を囲むように形成された枠状に限らず、例えば、図26の斜視図に示すように、2面コーナーリフレクタアレイ1023は、平板状の基体1153に、2面コーナーリフレクタを構成する多数の貫通孔1163を形成した板状体であってもよい。この板状体を、上記と同様に、硬化した感光性樹脂によって構成する。
上記各実施形態では、多数の貫通孔116,1161,1162,1163の内面によって、2面コーナーリフレクタを構成したが、貫通孔に限らず、例えば、次に示すように、多数の突出部を平板状の支持部に支持し、前記突出部によって2面コーナーリフレクタを構成してもよい。
図27は、このような2面コーナーリフレクタアレイの平面図であり、図28は、図27の一部を拡大して示す平面図であり、図29は、図27の一部を拡大して示す斜視図であり、図30は、図28のA−A線断面図である。
この2面コーナーリフレクタアレイ202は、基体215を備えており、この基体215は、平面視で矩形平板状の支持部209と、この支持部209の一方の面(表面)に、突出形成された多数の突出部210とを備えている。この2面コーナーリフレクタアレイ202は、透明である。この2面コーナーリフレクタアレイ202も、上記と同様に、感光性樹脂を硬化させて構成されている。
各突出部210は、同一の角柱状、この例では、直方体にそれぞれ形成されており、支持部209上に整列して形成されている。
支持部209の他方の面(裏面)は、図30に示すように、平坦面となっている。
各突出部210は、直方体の4つの各側面が、平板状の支持部209の両面に対して垂直に突出している。直方体の4つの側面は、隣接する2つの側面が、平面視でそれぞれ略直交しており、隣接する2つの側面によって、2面コーナーリフレクタがそれぞれ構成されている。ここでは、直方体の4つの側面の内、例えば、図28及び図29に示すように、直方体の上部の角部211を構成する、隣接する2つの側面210a,210bによる2面コーナーリフレクタ212を例にとって説明する。なお、前記隣接する2つの側面210a,210b以外の、2面コーナーリフレクタ212を構成しない他の側面は、平板状の支持部209に対して垂直でなく、傾斜させてなどして多重反射光を抑制するようにしてもよい。
この例では、隣接する2つの側面210a,210bの内側面(内壁面)が、2面コーナーリフレクタ212を構成している。すなわち、各突出部210の隣接する2つの側面210a,210bの2つの内側面が、図21に示される上記2面コーナーリフレクタアレイ102の2つの反射面116a,116bに相当する。
したがって、この透明な2面コーナーリフレクタアレイ202では、支持部209の他方の面(裏面)側から入射した光は、直方体の各突出部210の直交する各側面(各内側面)210a,210bで、それぞれ1回ずつ、計2回反射されて突出部210から出射される。
次に、この2面コーナーリフレクタアレイ202の製造方法を、図31の概略断面図に基づいて説明する。
先ず、図31(a)に示される洗浄したガラス、水晶や金属等からなる基板203、この例ではガラスからなる基板203の全面に、例えば、スパッタリングや蒸着などの手法を用いて金属層204、例えば、金(Au)層を、図31(b)に示すように形成する。
次に、図31(c)に示されるようにスピンコートなどによって、支持部209となる、透明な感光性樹脂層としてのネガ型レジスト層205を塗布形成し、全面露光してネガ型レジスト層205を硬化させる。これによって、透明な平板状の支持部209が形成される。
次に、この支持部209上に、図31(d)に示されるように、スピンコートなどによって、透明な感光性樹脂層としてのネガ型レジスト層206を厚く塗布形成する。
このネガ型レジスト層206を、図31(e)に示すように、多数の突出部210に対応するパターンの図示しないマスクを介して露光し、現像する。
この露光工程では、マスクを介してネガ型レジスト層206に、所定のパターンである、上記図27に示される格子状の所定のパターンを転写する。
この所定のパターンは、図27に示されるように、平面視で略直角な角部を有する正方形のパターンを単位パターンとし、この単位パターンを、縦横に繰り返し備えた格子状のパターンである。
この例では、この所定のパターンの各正方形の領域内を露光し、この各正方形の領域内のネガ型レジスト層206を硬化させる。
現像によって、各正方形の領域外の周囲のネガ型レジスト層206が除去され、多数の柱状の正方形、すなわち、透明な多数の直方体の突出部210が形成される。
次に、図31(f)に示すように、突出部210が形成された支持部209を、基板203から分離する。基板203には、金属層204が形成されているので、支持部209を、基板203から容易に分離することができる。
これによって、図31(f)に示されるように、平板状の支持部209上に、多数の直方体の突出部210が形成された透明な2面コーナーリフレクタアレイ202が得られる。
なお、突出部210は、直方体に限らず、立方体であってもよく、三角柱状や五角柱状等の他の柱状であってもよく、平面視で略直交する少なくとも1つの角部を有するものであればよい。また、角部は、直角でなくてもよく、上記図24に示すように、角部が丸味を帯びたものであってもよい。
感光性樹脂は、上記ネガ型レジストに限らず、ポジ型レジストを使用してもよい。
1 表示システム
2 2面コーナーリフレクタアレイ
2a 一方の主面
2b 他方の主面
31〜33 第1〜第3透明液晶表示パネル
4 バックライト
51〜53 第1〜第3空中映像
6 鑑賞者
2 2面コーナーリフレクタアレイ
2a 一方の主面
2b 他方の主面
31〜33 第1〜第3透明液晶表示パネル
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51〜53 第1〜第3空中映像
6 鑑賞者
Claims (9)
- 略直交する2つの鏡面によって構成される2面コーナーリフレクタを複数備える2面コーナーリフレクタアレイと、前記2面コーナーリフレクタアレイの一方の主面側の空間に、その配列方向に沿って、前記一方の主面から離間するように配置された複数の透過型の表示パネルとを備え、
前記複数の透過型の表示パネルは、前記配列方向で重なるように配置されており、
前記2面コーナーリフレクタアレイは、該2面コーナーリフレクタアレイの他方の主面側の空間に、前記複数の透過型の表示パネルにそれぞれ表示される画像を、空中映像としてそれぞれ結像させる、
ことを特徴とする表示システム。 - 前記複数の透過型の表示パネルが、前記配列方向に沿って互いに間隔をあけて配置されている、
請求項1に記載の表示システム。 - 前記2面コーナーリフレクタアレイの前記一方の主面から最も離間した前記表示パネルよりも離間して配置されると共に、前記複数の透過型の表示パネルに光を照射する光源を備え、
前記複数の透過型の前記表示パネルが、透明液晶表示パネルである、
請求項1または2に記載の表示システム。 - 3つ以上の透過型の前記表示パネルを備える、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の表示システム。 - 前記2面コーナーリフレクタアレイは、複数の貫通孔を有する異方性エッチング材料からなる基体を備え、
前記複数の各貫通孔は、隣接する2つの内壁面が平面視で略直交する角部を少なくとも1つ有するものであり、
前記角部の平面視で略直交する前記隣接する2つの内壁面が、光反射性膜で被覆されて前記2つの鏡面を構成している、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表示システム。 - 前記異方性エッチング材料が、水晶のZ板である、
請求項5に記載の表示システム。 - 前記2面コーナーリフレクタアレイは、複数の貫通孔を有する硬化した感光性樹脂からなる基体を備え、
前記複数の各貫通孔は、平面視で略直交する隣接する2つの内壁面を有し、
前記平面視で略直交する前記隣接する2つの内壁面が、光反射性膜で被覆されて前記2つの鏡面を構成している、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表示システム。 - 前記2面コーナーリフレクタアレイは、透明な支持部と該支持部から突出する複数の突出部とを有する硬化した感光性樹脂からなる基体を備え、
前記複数の各突出部は、平面視で略直交する隣接する2つの側面をそれぞれ有し、
前記平面視で略直交する前記隣接する2つの側面が、光反射性膜で被覆されて前記2つの鏡面を構成している、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表示システム。 - 前記基体の前記支持部が平板状であって、前記突出部が柱状である、
請求項8に記載の表示システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019093516A JP2020187320A (ja) | 2019-05-17 | 2019-05-17 | 表示システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019093516A JP2020187320A (ja) | 2019-05-17 | 2019-05-17 | 表示システム |
Publications (1)
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JP2020187320A true JP2020187320A (ja) | 2020-11-19 |
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JP2019093516A Pending JP2020187320A (ja) | 2019-05-17 | 2019-05-17 | 表示システム |
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JP (1) | JP2020187320A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023068021A1 (ja) * | 2021-10-18 | 2023-04-27 | マクセル株式会社 | 空中浮遊映像表示システム |
WO2023248381A1 (ja) * | 2022-06-22 | 2023-12-28 | 三菱電機株式会社 | 映像表示システム、映像制御方法、及び映像制御プログラム |
-
2019
- 2019-05-17 JP JP2019093516A patent/JP2020187320A/ja active Pending
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WO2023068021A1 (ja) * | 2021-10-18 | 2023-04-27 | マクセル株式会社 | 空中浮遊映像表示システム |
WO2023248381A1 (ja) * | 2022-06-22 | 2023-12-28 | 三菱電機株式会社 | 映像表示システム、映像制御方法、及び映像制御プログラム |
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