JP2019148702A - 2面コーナーリフレクタアレイ及びその製造方法 - Google Patents

2面コーナーリフレクタアレイ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金型を使用することなく、しかも、2つの部材を重ね合わせて接合する必要がなく、安価に、かつ容易に製造できる2面コーナーリフレクタアレイを提供する。【解決手段】枠状の2面コーナーリフレクタアレイ1は、多数の貫通孔2の隣接する2つの内面である反射面2a,2bによって2面コーナーリフレクタ3をそれぞれ構成し、当該2面コーナーリフレクタアレイ1を、感光性樹脂を所定のパターンのマスクを介して露光し、現像して製造する。【選択図】図3

Description

本発明は、直交する2つの反射面から構成される2面コーナーリフレクタを多数備えた2面コーナーリフレクタアレイ(DCRA:Dihedral Corner Reflector Array)及びその製造方法に関する。
2面コーナーリフレクタアレイは、映像を当該2面コーナーリフレクタアレイに対して面対称な位置にある空間に結像させることができる光学結像素子であり、空中に映像を表示する空中映像表示技術に利用されている。2面コーナーリフレクタアレイは、2つの直交する反射面を基本構成とする2面コーナーリフレクタの多数の集合として構成される。
かかる2面コーナーリフレクタアレイの製造方法として、樹脂材料などを金型で成型する方法があるが、2面コーナーリフレクタは、微小な凹部や凸部を有しているので、金型の製作に高い精度が要求されると共に、金型からの製品の離型が容易でなく、製造コストが高くなるといった課題がある。
金型を使用しない2面コーナーリフレクタアレイの製造方法として、例えば、特許文献1に開示された製造方法がある。
この特許文献1には、概略四角柱状で1つの面が第1鏡面である第1鏡体及び複数の前記第1鏡体を平行に並べて支持する第1ベースを有する第1部材と、概略四角柱状で1つの面が第2鏡面である第2鏡体及び複数の前記第2鏡体を平行に並べて支持する第2ベースを有する第2部材とを、各第1鏡面と各第2鏡面とがそれぞれ直角をなすように重ね合わせて接合し、2面コーナーリフレクタアレイを構成することが記載されている。
特開2009−276699号公報
上記特許文献1の製造方法のように、第1部材の平行に延びる複数の第1鏡体と、第2部材の平行に延びる複数の第2鏡体とを、各第1鏡面と各第2鏡面とがそれぞれ直角をなすように重ね合わせて接合するには、高い位置精度が求められ、容易ではなく、また、各ベースに、概略四角柱状の複数の鏡体を平行に並べて支持させるのも容易ではない。
特に、視覚効果を高めるために、第1鏡面と第2鏡面とからなる一組の2面コーナーリフレクタを、多数構成しようとすると、平行に並べて配置される概略四角柱状の鏡体のサイズ及び隣合う鏡体間の間隔も小さくなるために、第1部材と第2部材とを、各第1鏡面と各第2鏡面とがそれぞれ直角をなすように
位置合せして接合するのは一層困難になると共に、接合領域も小さくなるために、十分な接合強度が得られない。
本発明は、上記のような点に鑑みて為されたものであって、金型を使用することなく、しかも、2つの部材を重ね合わせて接合する必要がなく、安価に、かつ容易に製造できる2面コーナーリフレクタアレイ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
すなわち、本発明の2面コーナーリフレクタアレイは、平面視で略直交する2つの反射面を複数有すると共に、硬化した感光性樹脂によって構成されている。
本発明の2面コーナーリフレクタアレイは、硬化した感光性樹脂によって構成されているので、当該2面コーナーリフレクタアレイは、感光性樹脂を、所要のパターンのマスクを介して露光、現像して製造することができる。
これによって、金型を使用して2面コーナーリフレクタアレイを成型する従来例のように、製作に高い精度が要求される高価な金型を必要とすることなく、金型からの離型の問題もない。また、上記特許文献1のように、第1部材の平行に延びる複数の第1鏡体と、第2部材の平行に延びる複数の第2鏡体とを、各第1鏡面と各第2鏡面とがそれぞれ直角をなすように、高い位置精度で重ね合わせて2つの部材を接合するといった必要がなく、安価に、かつ、容易に2面コーナーリフレクタアレイを製造することができる。また、マスクのパターン等を選択することによって、形状の異なる2面コーナーリフレクタアレイを容易に製造することが可能となり、形状の選択の自由度が高まる。
当該2面コーナーリフレクタアレイは、複数の貫通孔を備え、各貫通孔は、平面視で略直交する隣接する2つの内面をそれぞれ有し、前記各貫通孔の前記隣接する2つの内面が、光反射性膜で被覆されて、前記2つの反射面を構成しているのが好ましい。
上記構成によれば、各貫通孔の、平面視で略直交する隣接する2つの内面が光反射性膜で被覆されて2つの反射面とされるので、各貫通孔によって2面コーナーリフレクタがそれぞれ構成され、複数の貫通孔によって、2面コーナーリフレクタアレイが構成される。
当該2面コーナーリフレクタアレイは、前記複数の貫通孔を区画形成する枠状に形成されているのが好ましい。
上記構成によれば、当該2面コーナーリフレクタアレイを、2面コーナーリフレクタをそれぞれ構成する多数の貫通孔を区画形成する枠体とすることができる。
当該2面コーナーリフレクタアレイは、透明な支持部と該支持部から突出する複数の突出部とを有し、各突出部は、平面視で略直交する隣接する2つの側面をそれぞれ有し、前記各突出部の前記隣接する2つの側面が、前記2つの反射面を構成しているのが好ましい。
上記構成によれば、各突出部の、平面視で略直交する隣接する2つの側面が2つの反射面とされるので、各突出部によって2面コーナーリフレクタがそれぞれ構成され、複数の突出部によって、2面コーナーリフレクタアレイが構成される。
前記支持部が平板状であり、前記突出部が柱状であるのが好ましい。
上記構成によれば、平板状の支持部に対して、平面視で略直交する隣接する2つの側面を有する柱状、例えば、角柱状の複数の突出部を形成して2面コーナーリフレクタアレイを構成することができる。
前記感光性樹脂が、ネガ型レジストであるのが好ましい。
ネガ型レジストは、ポジ型レジストに比べて、厚膜化が容易であり、上記構成によれば、当該2面コーナーリフレクタアレイの、例えば、貫通孔や突出部のアスペクト比を高めることができる。
本発明の2面コーナーリフレクタアレイの製造方法は、基板上に感光性樹脂層を形成する形成工程と、形成した前記感光性樹脂層を、マスクを介して所定のパターンに露光する露光工程と、露光した前記感光性樹脂層を現像する現像工程と、現像後の前記感光性樹脂層を前記基板から分離する分離工程とを含み、前記所定のパターンが、平面視で略直角な角部を有する単位パターンを複数備える。
本発明の2面コーナーリフレクタアレイの製造方法によれば、基板上に形成した感光性樹脂層を、マスクを介して所定のパターンに露光し、現像し、基板から分離することによって、複数の各単位パターンに対応して、平面視で略直角な角部、すなわち、前記角部を構成する平面視で略直交する隣接する2つの面を形成することができ、この2つの面を反射面として2面コーナーリフレクタアレイを構成することができる。
このように感光性樹脂を、所定のパターンのマスクを介して露光、現像して2面コーナーリフレクタアレイを製造することができるので、金型を使用して2面コーナーリフレクタアレイを成型する従来例のように、製作に高い精度が要求される高価な金型を必要とすることなく、金型からの離型の問題もない。また、上記特許文献1のように、第1部材の平行に延びる複数の第1鏡体と、第2部材の平行に延びる複数の第2鏡体とを、各第1鏡面と各第2鏡面とがそれぞれ直角をなすように、高い位置精度で重ね合わせて2つの部材を接合するといった必要がなく、安価に、かつ、容易に2面コーナーリフレクタアレイを製造することができる。また、マスクのパターンを選択することによって、形状の異なる2面コーナーリフレクタアレイを容易に製造することが可能となり、形状の選択の自由度が高まる。
前記単位パターンが、平面視で多角形状のパターンであるのが好ましい。
上記構成によれば、マスクの単位パターンが、平面視で多角形状のパターンであるので、露光工程では、感光性樹脂層に、平面視で略直角な角部を有する多角形状の各単位パターンを転写することができる。各単位パターンが転写された感光性樹脂層を現像することによって、各単位パターンに対応して、平面視で略直角な前記角部を構成する隣接する2つの面を、それぞれ形成することができ、2つの面を反射面として2面コーナーリフレクタアレイを構成することができる。
前記多角形状のパターンが、矩形のパターンであるのが好ましい。
上記構成によれば、マスクの単位パターンが、平面視で矩形のパターンであるので、露光工程では、感光性樹脂層に、矩形の各単位パターンを転写することができ、現像することによって、各単位パターンに対応して、矩形の略直角な角部を構成する隣接する2つの面をそれぞれ形成することができ、2つの面を反射面として2面コーナーリフレクタアレイを構成することができる。
前記現像工程では、前記多角形状のパターンの前記多角形状に区画された領域内の感光性樹脂層を除去して、前記感光性樹脂層に、平面視で略直交する隣接する2つの内面を有する貫通孔を形成するのが好ましい。
上記構成によれば、現像工程では、平面視で略直角な角部を有する多角形状の単位パターンに対応して、多角形状の領域内の感光性樹脂を除去して、多角形状の貫通孔を形成し、貫通孔の平面視で略直交する隣接する2つの内面を反射面として2面コーナーリフレクタアレイを構成することができる。
前記形成工程に先立って、前記基板上に、硬化した透明な感光性樹脂層を予め形成する予備形成工程を更に含み、前記現像工程では、前記多角形状のパターンの前記多角形状に区画された領域外の感光性樹脂層を除去して、前記透明な感光性樹脂層上に、平面視で略直交する隣接する2つの側面を有する突出部を形成するのが好ましい。
上記構成によれば、現像工程では、平面視で略直角な角部を有する多角形状の単位パターンに対応して、多角形状の領域外の周囲の感光性樹脂を除去して、予備形成工程で予め硬化させた透明な感光性樹脂層の上に、多角柱状の突出部を形成し、多角柱状の突出部の略直交する隣接する2つの側面を反射面として2面コーナーリフレクタアレイを構成することができる。
前記感光性樹脂層が、ネガ型レジストの層であるのが好ましい。
ネガ型レジストは、ポジ型レジストに比べて、厚膜化が容易であり、上記構成によれば、当該2面コーナーリフレクタアレイの、貫通孔や突出部のアスペクト比を高めることができる。
本発明によれば、2面コーナーリフレクタアレイを、硬化した感光性樹脂によって構成しているので、当該2面コーナーリフレクタアレイは、感光性樹脂を、所要のパターンのマスクを介して露光、現像して製造することができる。
これによって、金型を使用して2面コーナーリフレクタアレイを成型する従来例のように、製作に高い精度が要求される高価な金型を必要とすることなく、金型からの離型の問題もない。また、上記特許文献1のように、第1部材の平行に延びる複数の第1鏡体と、第2部材の平行に延びる複数の第2鏡体とを、各第1鏡面と各第2鏡面とがそれぞれ直角をなすように、高い位置精度で重ね合わせて2つの部材を接合するといった必要がなく、安価に、かつ、容易に2面コーナーリフレクタアレイを製造することができる。また、マスクのパターン等を選択することによって、形状の異なる2面コーナーリフレクタアレイを容易に製造することが可能となり、形状の選択の自由度が高まる。
図1は本発明の一実施形態に係る2面コーナーリフレクタアレイの平面図である。 図2は図1の一部を拡大して示す平面図である。 図3は図1の一部を拡大して示す斜視図である。 図4は図1の2面コーナーリフレクタアレイによる結像様式を模式的に示す図である。 図5は図1の2面コーナーリフレクタアレイの製造工程を示す概略断面図である。 図6は本発明の他の実施形態の2面コーナーリフレクタアレイの図2に対応する平面図である。 図7は本発明の更に他の実施形態の2面コーナーリフレクタアレイの図2に対応する平面図である。 図8は本発明の他の実施形態の2面コーナーリフレクタアレイの斜視図である。 図9は本発明の更に他の実施形態に係る2面コーナーリフレクタアレイの平面図である。 図10は図9の一部を拡大して示す平面図である。 図11は図9の一部を拡大して示す斜視図である。 図12は図10のA−A線断面図である。 図13は図9の2面コーナーリフレクタアレイの製造工程を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の2面コーナーリフレクタアレイの平面図であり、図2は図1の一部を拡大して示す平面図であり、図3は、図1の一部を拡大して示す斜視図である。
この実施形態の2面コーナーリフレクタアレイ1は、平面視で矩形、この例では正方形の多数の貫通孔2を区画形成する枠部1aを備えている。この枠部1aは、各貫通孔2の周囲を囲むように枠状に形成されている。この2面コーナーリフレクタアレイ1の枠部1aは、各貫通孔2の内面を含む全面が、後述のように、光反射性膜で被覆された反射面となっている。
2面コーナーリフレクタアレイ1の枠部1aの上下の各端面は、互いに平行に形成されており、各貫通孔2は、その内面が、枠部1aの前記各端面に対して略垂直になるよう貫通形成されている。
この実施形態の2面コーナーリフレクタアレイ1の上下の各端面間の距離、すなわち、枠部1aの高さ(厚さ)は、例えば、300μm〜600μmである。また、図2に示される枠部1aの幅Wは、数十μm程度、この例では、30μmである。平面視正方形の貫通孔2の正方形の各一辺の長さは、例えば、200μm〜300μmであり、この例では、250μmである。
平面視正方形の貫通孔2の内面を構成する4つの反射面は、隣接する2つの反射面が平面視でそれぞれ略直交しており、隣接する2つの反射面によって、2面コーナーリフレクタがそれぞれ構成されている。ここでは、貫通孔2の4つの反射面の内、例えば、図2及び図3に示すように、貫通孔2の上部の角部4を構成する、隣接する2つの反射面2a,2bによる2面コーナーリフレクタ3を例にとって説明する。なお、前記隣接する2つの反射面2a,2b以外の、2面コーナーリフレクタ3を構成しない他の反射面は、枠部1aの上下の各端面に対して垂直でなく、傾斜させてなどして多重反射光を抑制するようにしてもよい。
ここで、略直交するとは、直角(90度)に交差する場合に限らず、90±2度、好ましくは、90±1度の角度範囲で交差する場合も含むものである。また、交差する角部4の頂点付近の反射面2a,2bが、例えば、平面視で円弧状となって角部4が丸味を帯びたような場合も含むものである。
このように各貫通孔2によって、2面コーナーリフレクタ3がそれぞれ構成され、各貫通孔2からなる微小な2面コーナーリフレクタ3を、格子状に多数並べた2面コーナーリフレクタアレイ1が構成される。
また、2面コーナーリフレクタアレイ1において、貫通孔2の単位面積当たりの形成数は、前記サイズの貫通孔2の場合、例えば、1mm2当りでは約8個である。
2面コーナーリフレクタアレイ1の貫通孔2のサイズや形成数等は、2面コーナーリフレクタアレイ1の用途や要求される明度や解像度等に応じて適宜選択すればよい。
この実施形態の2面コーナーリフレクタアレイ1は、後述のようにして、硬化した感光性樹脂、具体的には、硬化したネガ型レジストによって構成されている。
ここで、図4を参照して、2面コーナーリフレクタアレイ1の光学結像作用について説明する。図4は、2面コーナーリフレクタアレイ1による結像様式を模式的に示す図であり、多数の各貫通孔2の略直交する反射面2a,2bをV字形状で簡略化して示している。
2面コーナーリフレクタアレイ1は、枠部1aの上下の各端面に平行な素子面5に対して一方側(図4では下方側)の空間に配置した光源6の空中像7を実像として、素子面5に対する面対称位置に結像させるものである。
このような2面コーナーリフレクタアレイ1による結像作用は、各2面コーナーリフレクタ3において、光源6からの光が素子面5の一方側から他方側へ透過する際に、光源6から発した光が、貫通孔2の直交する2つの反射面2a,2bの一方の反射面2a(2b)で反射し、更に他方の反射面2b(2a)で反射することによって得られるものである。
このように2面コーナーリフレクタアレイ1では、素子面5の一方側の空間に配置された光源6から発した光が、2面コーナーリフレクタアレイ1を通過する際に、2面コーナーリフレクタ3の2つの反射面2a,2bで1回ずつ、合計2回反射する。これにより、素子面5に対する光源6の面対称位置に空中像7が結像し、それを素子面5に対して空中像7と同じ側の空間から観察することができる。
次に、この実施形態の2面コーナーリフレクタアレイ1の製造方法を、図5の概略断面図に基づいて説明する。なお、この図5では、分かり易いように光反射性膜11等の厚みを誇張して描いている。
先ず、図5(a)に示される洗浄したガラス、水晶や金属等からなる基板8、この例ではガラスからなる基板8の全面に、例えば、スパッタリングや蒸着などの手法を用いて金属層9を、図5(b)に示すように形成する。
この金属層9は、次に形成されるネガ型レジスト層10に対して親和性の低い金属、例えば、金(Au)層とするのが好ましい。
次に、感光性樹脂層を形成する形成工程では、図5(c)に示されるようにスピンコートなどによって、感光性樹脂層としてのネガ型レジスト層10を塗布形成する。このネガ型レジストとしては、加工終了後も除去されることなく残る、いわゆる、永久レジストとして、公知のネガ型レジストを使用することができる。
このネガ型レジスト層10を、図5(d)に示すように、多数の貫通孔2に対応するパターンの図示しないマスクを介して露光し、現像する。
この露光工程では、マスクを介してネガ型レジスト層10を、所定のパターンである、上記図1に示される格子状の所定のパターンに露光する、すなわち、ネガ型レジスト層10に所定のパターンを転写する。
この所定のパターンは、図1に示されるように、平面視で略直角な角部を有する正方形のパターンを単位パターンとし、この単位パターンを、縦横に繰り返し備えた格子状のパターンである。
この実施形態では、この所定のパターンの正方形の領域外の枠部1aに対応する領域を露光し、この枠部1aに対応する領域のネガ型レジスト層10を硬化させる。
現像工程は、例えば、現像液中に浸漬するディップ現像によって行われる。この現像によって、正方形の領域内のネガ型レジスト層10が除去され、正方形の多数の貫通孔2が形成された枠部1aに対応する構造体が形成される。
露光に際しては、枠部1aの上下の各端面に対して、貫通孔2が垂直に形成されるように、焦点距離等の露光条件が設定される。
次に、図5(e)に示すように、現像後の構造体1bを基板8から分離する分離工程を行う。基板8には、上記のように、ネガ型レジストに対して親和性の低い金からなる金属層9が形成されているので、構造体1bを、基板8から容易に分離することができる。
なお、基板8自体が、ネガ型レジストに対して親和性の低い金属である場合には、現像後の構造体1bを基板8から容易に分離することができるので、金属層9の形成を省略してもよい。
次に、図示しない加熱工程において、構造体1bを、例えば、熱板上で200℃程度に加熱して、ネガ型レジストに残存する溶剤等を除去する。
その後、図5(f)に示すように、構造体1bの全面を、光反射性膜11で被覆して反射面を形成する。
具体的には、多数の貫通孔2が形成された構造体1bに、貫通孔2の内面を含む露出面の全面に、例えば、スパッタリングや蒸着などの手法を用いて金属膜からなる光反射性膜11を形成して反射面、すなわち、鏡面とする。これによって、図1に示される、2面コーナーリフレクタアレイ1が得られる。
この光反射性膜11を構成する金属膜として、例えば、銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属を用いることができ、この実施形態では、銀合金(例えばAg−Pd-Cu合金)を用いている。
なお、空中映像を表示する表示画面に応じて、2面コーナーリフレクタアレイ1を大型化する場合には、例えば、透明なガラス基板等に、2面コーナーリフレクタアレイ1を、縦横に多数並べて接合すればよい。
上記のように本実施形態の2面コーナーリフレクタアレイ1は、ネガ型レジスト層10を形成し、マスクを介して所定のパターンに露光し、現像して得られる構造体1bに光反射性膜11を被覆したものであり、いわゆる、感光性永久レジストからなる構造体である。
このように本実施形態の2面コーナーリフレクタアレイ1は、感光性永久レジストから構成されるので、金型を使用して2面コーナーリフレクタアレイを成型する従来例のように、製作に高い精度が要求される高価な金型を必要とすることなく、金型からの離型の問題もない。
更に、第1部材と第2部材とによって2面コーナーリフレクタアレイを構成する上記特許文献1のように、2つの部材を、各部材の各鏡面がそれぞれ直角をなすように高い位置精度で重ね合わせて接合するといった必要がない。
このように本実施形態によれば、従来例に比べて、2面コーナーリフレクタアレイを容易に、かつ安価に製造することができる。
また、露光の際のマスクの所定のパターン等を選択することによって、形状の異なる2面コーナーリフレクタアレイを容易に製造することが可能となり、形状の選択の自由度が高まる。
上記実施形態では、図2に示すように、各貫通孔2は、平面視正方形であって、各角部は、直角であったが、必ずしも直角でなくてもよい。例えば、図6の平面図に示すように、2面コーナーリフレクタアレイ11の各貫通孔21の各角部が直角でなく、丸味を帯びていてもよい。この場合にも、1つの角部、例えば、角部41を構成する、隣接する2つの反射面2a1,2b1によって、2面コーナーリフレクタ31が構成される。
また、各貫通孔は、図7の平面図に示すように、少なくとも1つの角部42が、略直交するすものであればよく、この1つの角部42を構成する、隣接する2つの反射面2a2,2b2によって、2面コーナーリフレクタ32を構成することができる。
更に、2面コーナーリフレクタアレイ1,11,12は、各貫通孔2,21,22の周囲を囲むように形成された枠体に限らず、例えば、図8の斜視図に示すように、2面コーナーリフレクタアレイ13は、平板状の基板12に、2面コーナーリフレクタを構成する多数の貫通孔23を形成した板状体であってもよい。この板状体を、上記実施形態と同様に、硬化した感光性樹脂によって構成する。
上記各実施形態では、多数の貫通孔2,21,22,23の内面によって、2面コーナーリフレクタを構成したが、貫通孔に限らず、例えば、次の実施形態に示すように、多数の突出部を平板状の支持部に支持し、前記突出部によって2面コーナーリフレクタを構成してもよい。
図9は、本発明の他の実施形態に係る2面コーナーリフレクタアレイの平面図であり、図10は、図9の一部を拡大して示す平面図であり、図11は、図9の一部を拡大して示す斜視図であり、図12は、図10のA−A線断面図である。
この実施形態の2面コーナーリフレクタアレイ31は、平面視で矩形平板状の支持部32と、この支持部32の一方の面(表面)に、突出形成された多数の突出部33とを備えている。この2面コーナーリフレクタアレイ31は、透明である。この実施形態の2面コーナーリフレクタアレイ31も、上記実施形態と同様に、感光性樹脂を硬化させて構成されている。
各突出部33は、同一の角柱状、この例では、直方体にそれぞれ形成されており、支持部32上に整列して形成されている。
支持部32の他方の面(裏面)は、図12に示すように、平坦面となっている。
各突出部33は、直方体の4つの各側面が、平板状の支持部32の両面に対して垂直に突出している。直方体の4つの側面は、隣接する2つの側面が、平面視でそれぞれ略直交しており、隣接する2つの側面によって、2面コーナーリフレクタがそれぞれ構成されている。ここでは、直方体の4つの側面の内、例えば、図10及び図11に示すように、直方体の上部の角部35を構成する、隣接する2つの側面33a,33bによる2面コーナーリフレクタ34を例にとって説明する。なお、前記隣接する2つの側面33a,33b以外の、2面コーナーリフレクタ34を構成しない他の側面は、平板状の支持部32に対して垂直でなく、傾斜させてなどして多重反射光を抑制するようにしてもよい。
この実施形態では、隣接する2つの側面33a,33bの内側面(内壁面)が、2面コーナーリフレクタ34を構成している。すなわち、各突出部33の隣接する2つの側面33a,33bの2つの内側面が、図2に示される上記実施形態の2つの反射面2a,2bに相当する。
したがって、この透明な2面コーナーリフレクタアレイ31では、支持部32の他方の面(裏面)側から入射した光は、直方体の各突出部33の直交する各側面(各内側面)33a,33bで、それぞれ1回ずつ、計2回反射されて突出部33から出射される。
次に、この実施形態の2面コーナーリフレクタアレイ31の製造方法を、図13の概略断面図に基づいて説明する。
先ず、図13(a)に示される洗浄したガラス、水晶や金属等からなる基板36、この例ではガラスからなる基板36の全面に、例えば、スパッタリングや蒸着などの手法を用いて金属層37、例えば、金(Au)層を、図13(b)に示すように形成する。
次に、図13(c)に示されるようにスピンコートなどによって、支持部32となる、透明な感光性樹脂層としてのネガ型レジスト層38を塗布形成し、全面露光してネガ型レジスト層38を硬化させる。これによって、透明な平板状の支持部32が形成される。
次に、この支持部32上に、図13(d)に示されるように、スピンコートなどによって、透明な感光性樹脂層としてのネガ型レジスト層39を厚く塗布形成する。
このネガ型レジスト層39を、図13(e)に示すように、多数の突出部33に対応するパターンの図示しないマスクを介して露光し、現像する。
この露光工程では、マスクを介してネガ型レジスト層39に、所定のパターンである、上記図9に示される格子状の所定のパターンを転写する。
この所定のパターンは、図9に示されるように、平面視で略直角な角部を有する正方形のパターンを単位パターンとし、この単位パターンを、縦横に繰り返し備えた格子状のパターンである。
この実施形態では、この所定のパターンの各正方形の領域内を露光し、この各正方形の領域内のネガ型レジスト層39を硬化させる。
現像によって、各正方形の領域外の周囲のネガ型レジスト層39が除去され、多数の柱状の正方形、すなわち、透明な多数の直方体の突出部33が形成される。
次に、図13(f)に示すように、突出部33が形成された支持部32を、基板36から分離する。基板36には、金属層37が形成されているので、支持部32を、基板36から容易に分離することができる。
これによって、図13(f)に示されるように、平板状の支持部32上に、多数の直方体の突出部33が形成された透明な2面コーナーリフレクタアレイ32が得られる。
なお、突出部33は、直方体に限らず、立方体であってもよく、三角柱状や五角柱状等の他の柱状であってもよく、平面視で略直交する少なくとも1つの角部を有するものであればよい。また、角部は、直角でなくてもよく、上記図6に示すように、角部が丸味を帯びたものであってもよい。
感光性樹脂は、上記ネガ型レジストに限らず、ポジ型レジストを使用してもよい。
1,11,12,13,31 2面コーナーリフレクタアレイ
2,21,22,23, 貫通孔
3,31,32,34 2面コーナーリフレクタ
4,41,42,35 角部
10,38,39 ネガ型レジスト層
11 光反射性膜
32 支持部
33 突出部

Claims (12)

  1. 平面視で略直交する2つの反射面を複数有すると共に、硬化した感光性樹脂によって構成されている、
    ことを特徴とする2面コーナーリフレクタアレイ。
  2. 当該2面コーナーリフレクタアレイは、複数の貫通孔を備え、各貫通孔は、平面視で略直交する隣接する2つの内面をそれぞれ有し、前記各貫通孔の前記隣接する2つの内面が、光反射性膜で被覆されて、前記2つの反射面を構成している、
    請求項1に記載の2面コーナーリフレクタアレイ。
  3. 当該2面コーナーリフレクタアレイは、前記複数の貫通孔を区画形成する枠状に形成されている、
    請求項2に記載の2面コーナーリフレクタアレイ。
  4. 当該2面コーナーリフレクタアレイは、透明な支持部と該支持部から突出する複数の突出部とを有し、各突出部は、平面視で略直交する隣接する2つの側面をそれぞれ有し、前記各突出部の前記隣接する2つの側面が、前記2つの反射面を構成している、
    請求項1に記載の2面コーナーリフレクタアレイ。
  5. 前記支持部が平板状であり、前記突出部が柱状である、
    請求項4に記載の2面コーナーリフレクタアレイ。
  6. 前記感光性樹脂が、ネガ型レジストである、
    請求項1ないし5のいずれか一項に記載の2面コーナーリフレクタアレイ。
  7. 基板上に感光性樹脂層を形成する形成工程と、
    形成した前記感光性樹脂層を、マスクを介して所定のパターンに露光する露光工程と、
    露光した前記感光性樹脂層を現像する現像工程と、
    現像後の前記感光性樹脂層を前記基板から分離する分離工程とを含み、
    前記所定のパターンが、平面視で略直角な角部を有する単位パターンを複数備える、
    ことを特徴とする2面コーナーリフレクタアレイの製造方法。
  8. 前記単位パターンが、平面視で多角形状のパターンである、
    請求項7に記載の2面コーナーリフレクタアレイの製造方法。
  9. 前記多角形状のパターンが、矩形のパターンである、
    請求項8に記載の2面コーナーリフレクタアレイの製造方法。
  10. 前記現像工程では、前記多角形状のパターンの前記多角形状に区画された領域内の感光性樹脂層を除去して、前記感光性樹脂層に、平面視で略直交する隣接する2つの内面を有する貫通孔を形成する、
    請求項8または9に記載の2面コーナーリフレクタアレイの製造方法。
  11. 前記形成工程に先立って、前記基板上に、硬化した透明な感光性樹脂層を予め形成する予備形成工程を更に含み、
    前記現像工程では、前記多角形状のパターンの前記多角形状に区画された領域外の感光性樹脂層を除去して、前記透明な感光性樹脂層上に、平面視で略直交する隣接する2つの側面を有する突出部を形成する、
    請求項8または9に記載の2面コーナーリフレクタアレイの製造方法。
  12. 前記感光性樹脂層が、ネガ型レジストの層である、
    請求項7ないし11のいずれか一項に記載の2面コーナーリフレクタアレイの製造方法。
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