JP2019139002A - 2面コーナーリフレクタアレイ及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】金型を使用することなく、しかも、2つの部材を重ね合わせて接合する必要がなく、単一の部材によって安価に、かつ容易に製造できる2面コーナーリフレクタアレイを提供する。【解決手段】異方性エッチング材料から構成される単一の反射体の各貫通孔3は、光反射性膜で被覆された隣接する反射面3a,3bが平面視で略直交する角部4を少なくとも1つ有するので、各貫通孔3によって2面コーナーリフレクタ6が構成され、多数の貫通孔3によって、多数の2面コーナーリフレクタ6を有する2面コーナーリフレクタアレイが構成される。【選択図】図2

Description

本発明は、直交する2つの反射面から構成される2面コーナーリフレクタを多数備えた2面コーナーリフレクタアレイ(DCRA:Dihedral Corner Reflector Array)及びその製造方法に関する。
2面コーナーリフレクタアレイは、映像を当該2面コーナーリフレクタアレイに対して面対称な位置にある空間に結像させることができる光学結像素子であり、空中に映像を表示する空中映像表示技術に利用されている。2面コーナーリフレクタアレイは、2つの直交する反射面を基本構成とする2面コーナーリフレクタの多数の集合として構成される。
かかる2面コーナーリフレクタアレイの製造方法として、樹脂材料などを金型で成型する方法があるが、2面コーナーリフレクタは、微小な凹部や凸部を有しているので、金型の製作に高い精度が要求されると共に、金型からの製品の離型が容易でなく、製造コストが高くなるといった課題がある。
金型を使用しない2面コーナーリフレクタアレイの製造方法として、例えば、特許文献1に開示された製造方法がある。
この特許文献1には、概略四角柱状で1つの面が第1鏡面である第1鏡体及び複数の前記第1鏡体を平行に並べて支持する第1ベースを有する第1部材と、概略四角柱状で1つの面が第2鏡面である第2鏡体及び複数の前記第2鏡体を平行に並べて支持する第2ベースを有する第2部材とを、各第1鏡面と各第2鏡面とがそれぞれ直角をなすように重ね合わせて接合し、2面コーナーリフレクタアレイを構成することが記載されている。
特開2009−276699号公報
上記特許文献1の製造方法のように、第1部材の平行に延びる複数の第1鏡体と、第2部材の平行に延びる複数の第2鏡体とを、各第1鏡面と各第2鏡面とがそれぞれ直角をなすように重ね合わせて接合するには、高い位置精度が求められ、容易ではなく、また、各ベースに、概略四角柱状の複数の鏡体を平行に並べて支持させるのも容易ではない。
特に、視覚効果を高めるために、第1鏡面と第2鏡面とからなる一組の2面コーナーリフレクタを、多数構成しようとすると、平行に並べて配置される概略四角柱状の鏡体のサイズ及び隣合う鏡体間の間隔も小さくなるために、第1部材と第2部材とを、各第1鏡面と各第2鏡面とがそれぞれ直角をなすように
位置合せして接合するのは一層困難になると共に、接合領域も小さくなるために、十分な接合強度が得られない。
本発明は、上記のような点に鑑みて為されたものであって、金型を使用することなく、しかも、2つの部材を重ね合わせて接合する必要がなく、単一の部材によって安価に、かつ容易に製造できる2面コーナーリフレクタアレイ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
すなわち、本発明の2面コーナーリフレクタアレイは、異方性エッチング材料で構成されると共に、多数の貫通孔が形成された単一の反射体を備え、前記多数の各貫通孔は、隣接する内壁面が平面視で略直交する角部を少なくとも1つ有し、前記略直交する前記隣接する内壁面が、光反射性膜で被覆された反射面である。
本発明の2面コーナーリフレクタアレイによれば、単一の反射体の各貫通孔は、光反射性膜で被覆された隣接する反射面が、平面視で略直交する角部を少なくとも1つ有するので、各貫通孔によって2面コーナーリフレクタがそれぞれ構成され、多数の貫通孔によって、多数の2面コーナーリフレクタを有する2面コーナーリフレクタアレイが構成される。
単一の反射体は、異方性エッチング材料で構成されているので、隣接する内壁面が平面視で略直交する角部を少なくとも1つ有する貫通孔を、異方性エッチングによって形成することが可能である。
これによって、金型を使用して2面コーナーリフレクタアレイを成型する従来例のように、製作に高い精度が要求される高価な金型を必要とすることなく、金型からの離型の問題もない。また、上記特許文献1のように、第1部材の平行に延びる複数の第1鏡体と、第2部材の平行に延びる複数の第2鏡体とを、各第1鏡面と各第2鏡面とがそれぞれ直角をなすように、高い位置精度で重ね合わせて2つの部材を接合するといった必要がなく、安価に、かつ、容易に2面コーナーリフレクタアレイを製造することができる。
前記角部は、前記隣接する内壁面の仮想延長面が平面視で略直交するものであってもよい。
角部の頂点付近の隣接する内壁面が、例えば異方性エッチングの際のエッチング材料の結晶異方性によって、歪んで完全には直交しないような場合であっても、隣接する内壁面の仮想延長面が平面視で略直交するので、前記角部の頂点付近を除く隣接する内壁面は略直交することになり、光反射性膜で被覆された隣接する反射面として、2面コーナーリフレクタを構成することができる。
前記異方性エッチング材料が水晶のZ板であるのが好ましい。
上記構成によれば、Z板の水晶の結晶異方性を利用した異方性エッチングによって、隣接する内壁面が平面視で略直交する角部を少なくとも1つ有する多数の貫通孔を形成し、隣接する内壁面を光反射性膜で被覆して反射面とすることができ、これによって、2面コーナーリフレクタアレイを得ることができる。
前記角部の仮想2等分線が、前記水晶のX軸に沿って延びるのが好ましい。
上記構成によれば、水晶のX軸を基準にして異方性エッチングを行うことで、Z板の水晶の結晶異方性を利用して、隣接する内壁面が平面視で略直交する角部を少なくとも1つ有する貫通孔を形成することができる。
本発明の2面コーナーリフレクタアレイの製造方法は、単一の異方性エッチング材料にマスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、前記マスクパターンをマスクとして異方性エッチングを行って、前記異方性エッチング材料に多数の貫通孔を形成するエッチング工程と、前記多数の各貫通孔の内壁面を、光反射性膜で被覆して反射面を形成する反射面形成工程とを含み、前記マスクパターン形成工程では、平面視で略直角な角部を少なくとも1つ有する多角形状の多数のパターンを備える前記マスクパターンを形成する。
本発明の2面コーナーリフレクタアレイの製造方法によれば、単一の異方性エッチング材料に、平面視で略直角な角部を少なくとも1つ有する多角形状のパターンを多数備えるマスクパターンを形成し、このマスクパターンをマスクとして異方性エッチングを行うことによって、異方性エッチング材料に、隣接する内壁面が平面視で略直交する角部を少なくとも1つ有する多数の貫通孔を形成することができ、多数の各貫通孔の内壁面を、光反射性膜で被覆して反射面とすることによって、2面コーナーリフレクタアレイが得られる。
このように単一の異方性エッチング材料に対して、フォトリソグラフィを利用した異方性エッチングを行って2面コーナーリフレクタアレイを製造するので、金型を使用して2面コーナーリフレクタアレイを成型する従来例のような製作に高い精度が要求される高価な金型を使用する必要もなく、金型からの離型の問題も生じない。更に、上記特許文献1のように、第1鏡面を有する第1鏡体の複数を、平行に並べて支持した第1部材と、第2鏡面を有する第2鏡体の複数を、平行に並べて支持した第2部材との2つの部材を製造する必要がなく、それら2つの部材の各第1鏡面と各第2鏡面とがそれぞれ直角をなすように、高い位置精度で重ね合わせて接合する必要もなく、安価に、かつ、容易に2面コーナーリフレクタアレイを製造することができる。
前記多数の各パターンは、前記略直角な前記角部の仮想2等分線が、前記異方性エッチング材料の結晶方位に基づく特定方向に延びるのが好ましい。
上記構成によれば、異方性エッチング材料の結晶方位に基づく特定方向を基準にしたマスクパターンをマスクとして異方性エッチングを行うことで、結晶異方性を利用して、隣接する内壁面が平面視で略直交する角部を有する貫通孔を形成することができる。
前記異方性エッチング材料が水晶のZ板であるのが好ましい。
上記構成によれば、Z板の水晶の結晶異方性を利用した異方性エッチングによって、隣接する内壁面が平面視で略直交する角部を少なくとも1つ有する貫通孔を形成することができる。
前記多数の各パターンは、前記略直角な前記角部の仮想2等分線が、前記水晶のX軸に沿って延びるのが好ましい。
上記構成によれば、水晶のX軸を基準にしたマスクパターンをマスクとして異方性エッチングを行うことで、Z板の水晶の結晶異方性を利用して、隣接する内壁面が平面視で略直交する角部を少なくとも1つ有する多数の貫通孔を形成することができる。
前記エッチング工程の前記異方性エッチングが、ウェットエッチングであるのが好ましい。
上記構成によれば、ウェットエッチングを用いることによって貫通孔の内壁面を平滑な状態にすることができる。
本発明によれば、2面コーナーリフレクタの反射面を構成する、平面視で略直交する隣接する内壁面を有する多数の貫通孔を、単一の異方性エッチング材料に対する異方性エッチングによって形成することができるので、金型を使用して2面コーナーリフレクタアレイを成型する従来例のような製作に高い精度が要求される高価な金型を使用する必要もなく、金型からの離型の問題も生じない。更に、上記特許文献1のように、第1鏡面を有する第1鏡体の複数を、平行に並べて支持した第1部材と、第2鏡面を有する第2鏡体の複数を、平行に並べて支持した第2部材との2つの部材を製造する必要がなく、それら2つの部材の各第1鏡面と各第2鏡面とがそれぞれ直角をなすように、高い位置精度で重ね合わせて接合する必要もなく、安価に、かつ、容易に2面コーナーリフレクタアレイを製造することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る2面コーナーリフレクタアレイの平面図である。 図2は図1の一部を拡大して示す平面図である。 図3は図1の一部を拡大して示す斜視図である。 図4は図1の一つの貫通孔を代表的に示す拡大した平面図である。 図5は図1の2面コーナーリフレクタアレイによる結像様式を模式的に示す図である。 図6はZカットの水晶板を示す切断方位図である。 図7は図1の2面コーナーリフレクタアレイの製造工程を示す概略断面図である。 図8はエッチング工程のマスクパターンを示す平面図である。 図9は図8のマスクパターンの1つのパターンを代表的に示す拡大した平面図である。 図10は貫通孔の角部における内壁面の歪を示す図4に対応する平面図である。 図11は本発明の他の実施形態に係る2面コーナーリフレクタアレイの平面図である。 図12は図11の一つの貫通孔を代表的に示す拡大した平面図である。 図13はエッチング工程のマスクパターンを示す平面図である。 図14は図13のマスクパターンの1つのパターンを代表的に示す拡大した平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の2面コーナーリフレクタアレイの平面図であり、図2は図1の一部を拡大して示す平面図であり、図3は、図1の一部を拡大して示す斜視図である。
この実施形態の2面コーナーリフレクタアレイ1は、平面視矩形、この例では平面視正方形の平板状の単一の反射体2を備えている。
この反射体2は、正方形の各一辺の長さが、例えば、約50mmであり、厚みが、例えば、0.08mm〜0.3mmである。平板状の反射体2には、その表裏の板面に対して垂直に貫通する多数の貫通孔3が形成されている。この反射体2は、後述のように、各貫通孔3の内壁面を含む全面が、光反射性膜で被覆された反射面となっている。
図4は、図1ないし図3の一つの貫通孔3を代表的に拡大して示す平面図である。
この貫通孔3は、隣接する内壁面が光反射性膜で被覆された反射面3a,3bを有し、両反射面3a,3bが平面視で略直交する角部4を1つ有する六角形状となっている。すなわち、角部4を構成する両反射面3a,3bのなす角θは、略90度である。
ここで、略直交するとは、直角(90度)に交差する場合に限らず、90±2度、好ましくは、90±1度の角度範囲で交差する場合も含むものである。また、交差する角部4の頂点4a付近の反射面3a,3bが、例えば、曲面状に歪んでいるような場合も含むものである。
貫通孔3のサイズは、各反射面3a,3bにそれぞれ隣接して、互いに対向する反射面3c,3d間の距離L1が、例えば、0.33mmであり、前記角部4の頂点4aと、この角部4に対向する角部5の頂点との距離L2が、例えば、0.33mmである。
また、反射体2に形成されている貫通孔3の単位面積あたりの形成数は、前記サイズの貫通孔3の場合、例えば、1mm2あたりでは約8個である。
反射体2の貫通孔3のサイズや数等は、2面コーナーリフレクタアレイ1の用途や要求される明度や解像度等に応じて適宜選択すればよい。
反射体2は、特定の結晶面がエッチングされ易い、異方性エッチング材料である水晶ウェハで構成されている。貫通孔3の内壁面は、後述の異方性エッチングによって、平板状の反射体2の表裏の板面に対して略垂直に形成されている。ここで、略垂直とは、垂直である90度だけでなく、90±3度、好ましくは、90±2度、更に好ましくは、90±1度を含むものである。
貫通孔3の平面視で略直角の角部4の成す角度を二等分する仮想二等分線VL1は、水晶ウェハのX軸に沿って延びている。更に、この仮想二等分線VL1の角部4の頂点4aに向かう方向が、−X軸方向となっている。
異方性エッチングによって、多数の貫通孔3が形成された水晶ウェハは、その全面が、貫通孔3の内壁面を含めて光反射性膜で被覆された反射面、すなわち、鏡面とされて反射体2が構成されている。
この反射体2の各貫通孔3において、隣接する反射面3a,3bは、平面視で略直交しており、この2つの反射面3a,3bによって、2面コーナーリフレクタ6が構成され、各貫通孔3からなる微小な2面コーナーリフレクタ6を、縦横に多数並べた2面コーナーリフレクタアレイ1が構成される。
ここで、図5を参照して、2面コーナーリフレクタアレイ1の光学結像作用について説明する。図5は、2面コーナーリフレクタアレイ1による結像様式を模式的に示す図であり、多数の各貫通孔3の略直交する反射面3a,3bをV字形状で簡略化して示している。
2面コーナーリフレクタアレイ1は、素子面7に対して一方側(図5では下方側)の空間に配置した光源8の空中像9を実像として、素子面7に対する面対称位置に結像させるものである。
このような2面コーナーリフレクタアレイ1による結像作用は、各2面コーナーリフレクタ6において、光源8からの光が素子面7の一方側から他方側へ透過する際に、光源8から発した光が、貫通孔3の直交する2つの反射面3a,3bの一方の反射面3a(3b)で反射し、更に他方の反射面3b(3a)で反射することによって得られるものである。
このように2面コーナーリフレクタアレイ1では、素子面7の一方側の空間に配置された光源8から発した光が、2面コーナーリフレクタアレイ1を通過する際に、2面コーナーリフレクタ6の2つの反射面3a,3bで1回ずつ、合計2回反射する。これにより、素子面7に対する光源8の面対称位置に空中像9が結像し、それを素子面7に対して空中像9と同じ側の空間から観察することができる。
次に、この実施形態の2面コーナーリフレクタアレイ1の製造方法について説明する。
この実施形態の製造方法では、先ず、異方性エッチング材料である水晶ウェハに、フォトリソグラフィを用いた異方性エッチングを行う。
この実施形態では、水晶ウェハとして、水晶のZ板を用いている。Z板10は、図6の切断方位図に示すように、Z軸に対して90°の角度で切り出されたZカットの水晶基板であり、主面(X−Y平面)がZ軸に直交する。
図7は、このZ板10に対して、フォトリソグラフィを用いた異方性エッチングを行い、更に、光反射性膜で被覆して反射体2を作製する工程を示す概略断面図である。
この図7においては、矩形板状のZ板10のX軸方向が左方向、Z軸方向が上方向となる。
このZ板10の両主面は、研磨加工によって、平坦平滑面(鏡面加工面)となっている。
先ず、図7(a)に示される洗浄したZ板10に、例えば、スパッタリングや蒸着などの手法を用いて耐フッ酸膜である金属膜11を、図7(b)に示すように形成する。この金属膜11は、例えばクロム(Cr)の下地層に金(Au)を積層したものである。
次に、図7(c)に示されるようにスピンコートなどによって、フォトレジスト12を塗布する。
このフォトレジスト12を、図7(d)に示すように、多数の貫通孔3に対応するパターンとなるように露光及び現像する。
次に、図7(e)に示すように、フォトレジスト12をマスクにして金属膜11のウェットエッチングを行い、フォトレジスト12に覆われていない金属膜11の部分を除去する。これによって、Z板10の表裏面を露出させて貫通孔形成用のマスクパターン13を形成する。
図8は、このマスクパターン13を示す平面図である。この実施形態のマスクパターン13は、平面視で正方形の多数のパターン14を備えている。各パターン14が、上記各貫通孔3を形成するための開口したパターンである。
図9は、図8の一つのパターン14を代表的に拡大して示す平面図である。このパターン14は、平面視で直角な4つの角部151〜154を有する正方形である。
このパターン14は、正方形のパターンの一辺を、Z板10のY軸に対してθ1=45度時計回りに回転させたパターンとなっている。
これによって、パターン14の4つの角部151〜154の内の1つの角部151の成す角度を二等分する仮想二等分線VL2は、Z板10のX軸に沿って延びる。更に、この仮想二等分線VL2の角部151の頂点151aに向かう方向が、Z板10の−X軸方向となっている。
このようにZ板10の−X軸を基準にして、平面視正方形のパターン14の1つの角部151を位置させたマスクパターン13をマスクとして異方性エッチングを行うことで、Z板10の結晶異方性を利用して、上記図4に示すように、隣接する内壁面が平面視で略直交する角部4を少なくとも1つ有する貫通孔3を形成することができる。
このようにして、図7(f)に示すように、Z板10の表裏の板面に対して垂直な内壁面を有する多数の貫通孔3を形成する。
次に、図7(g)に示すように、フォトレジスト12及び金属膜11を除去し、多数の貫通孔3が形成されたZ板10を得る。
その後、このZ板10の全面を、光反射性膜16で被覆して反射面を形成する反射面形成工程を行う。
具体的には、図7(g)に示される多数の貫通孔3が形成されたZ板10に、貫通孔3の内壁面を含む露出面の全面に、図7(h)に示されるように、例えば、スパッタリングや蒸着などの手法を用いて金属膜からなる光反射性膜16を形成して反射面、すなわち、鏡面とする反射膜形成工程を行う。これによって、図1に示される反射体2となり、2面コーナーリフレクタアレイ1が得られる。
この光反射性膜16を構成する金属膜として、例えば、銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属を用いることができ、この実施形態では、銀合金(例えばAg−Pd-Cu合金)を用いている。
なお、空中映像を表示する表示画面に応じて、2面コーナーリフレクタアレイ1を大型化する場合には、例えば、透明なガラス基板等に、2面コーナーリフレクタアレイ1を、縦横に多数並べて接合すればよい。
以上のように本実施形態によれば、単一の反射体2の多数の貫通孔3は、隣接する反射面3a,3bが平面視で略直交する角部4を少なくとも1つ有するので、各貫通孔3の反射面3a,3bによって2面コーナーリフレクタ6がそれぞれ構成され、多数の貫通孔3によって、多数の2面コーナーリフレクタ6を有する2面コーナーリフレクタアレイ1が構成される。
反射体2は、単一の異方性エッチング材料であるZ板10で構成されているので、隣接する内壁面が平面視で略直交する角部4を有する貫通孔3を、異方性エッチングによって容易に形成することが可能である。
したがって、金型を使用して2面コーナーリフレクタアレイを成型する従来例のように、製作に高い精度が要求される高価な金型を必要とすることなく、金型からの離型の問題もない。
更に、第1部材と第2部材とによって2面コーナーリフレクタアレイを構成する上記特許文献1のように、2つの部材を、各部材の各鏡面がそれぞれ直角をなすように高い位置精度で重ね合わせて接合するといった必要がない。
また、単一の反射体2によって2面コーナーリフレクタ6を構成するので、2つの部材を重ね合わせて2面コーナーリフレクタを構成する特許文献1に比べて、光の利用効率が高いものとなる。
このように本実施形態によれば、従来例に比べて、簡便な方法で2面コーナーリフレクタを多数備えた2面コーナーリフレクタアレイを安価に製造することができる。
また、この実施形態では、反射体2は、貫通孔3を含む全面が、光反射性膜16で覆われており、反射体2を構成する水晶が露出していない。これによって、貫通孔3の内壁面のみを光反射性膜16で覆った場合のように、光源からの光が反射体2を構成する水晶の内部を通過することがなく、したがって、水晶の内部を通過することによる屈折率の変化の影響を受けることがない。
なお、本発明の他の実施形態として、反射体2は、その全面ではなく、貫通孔3の内壁面のみを光反射性膜で覆うようにしてもよい。
上記のようにZ板10のウェットエッチングによって、上記図4に示すように、平面視で略直交する反射面3a,3bからなる2面コーナーリフレクタ6を構成する多数の貫通孔3を形成するが、ウェットエッチングの条件等によっては、Z板10の結晶異方性に起因して、両反射面3a,3bが交差する角部4の頂点付近4aでは、各反射面3a,3bが、例えば、図10に示すように、曲面状に歪む場合がある。かかる場合には、曲面状の部分は、2面コーナーリフレクタ6を構成することができない。
この2面コーナーリフレクタ6を構成できない角部4の頂点4a付近の歪みを抑制するために、次の実施形態のようにしてもよい。
図11及び図12は、本発明の他の実施形態の2面コーナーリフレクタアレイ11の上記図1及び図4に対応する平面図である。
この実施形態の2面コーナーリフレクタアレイ11では、各貫通孔31において、平面視で略直交する2つの各反射面31a,31bによって2面コーナーリフレクタ61が構成され、各貫通孔31からなる微小な2面コーナーリフレクタ61を、縦横に多数並べた2面コーナーリフレクタアレイ11が構成される。
この実施形態では、平面視で、隣接する反射面31a,31bの仮想延長面VS1,VS2が、略直交しており、その仮想角部41の先端は、Z板10の−X軸方向へ突出した突出部17となっている。
図4に示される上記実施形態と同様に、貫通孔31の平面視で略直角の仮想角部41の成す角度を二等分する仮想二等分線VL3は、Z板10のX軸に沿って延び、更に、この仮想二等分線VL3の仮想角部41の仮想頂点41aに向かう方向が、Z板10の−X軸方向となっている。
このように隣接する反射面31a,31bの仮想延長面VS1,VS2が、略直交する仮想角部41を、Z板10の−X軸方向へ突出させることによって、図10に示される反射面3a,3bの角部4付近の曲面状に歪んだ部分が無くなり、その分、平面状の反射面31a,31bの占める部分、すなわち、2面コーナーリフレクタ61を構成する部分を増やすことができる。
図13は、かかる貫通孔31を有するZ板10を、異方性エッチングによって形成するためのマスクパターン131を示す図8に対応する平面図であり、図14は、図13の一つのパターン141を代表的に拡大して示す図9に対応する平面図である。
このパターン141は、平面視で略直角な仮想角部18を1つ有する多角形状であって、パターン141の仮想角部18を構成する各辺181,182にそれぞれ対向する各対向辺183,184は、円弧状の曲線となっている。
このパターン141では、仮想角部18の先端が、Z板10の−X軸方向へ突出した突出部19となっている。このようにマスクパターン131のパターン141の直角な仮想角部18を、Z板10の−X軸側へ突出させることによって、図12に示すように、貫通孔31における仮想角部41付近の曲面状に歪んだ部分を無くすことができる。
なお、図9に示される上記実施形態と同様に、このパターン141は、図14に示すように、略直角をなす仮想角部18を構成する一辺181が、Z板10のY軸に対してθ1=45度時計回りに回転したパターンとなっている。
また、平面視で略直角の仮想角部18の成す角度を二等分する仮想二等分線VL4は、Z板10のX軸に沿って延び、この仮想二等分線VL4の仮想角部18の仮想頂点18aに向かう方向が、Z板10の−X軸方向となっている。
このようにZ板10の−X軸を基準にして、多角形状のパターン141の直角な仮想角部18を位置させたマスクパターン131をマスクとして異方性エッチングを行うことで、Z板10の結晶異方性を利用して、図12に示すように、隣接する内壁面が平面視で略直交する仮想角部41を少なくとも1つ有する貫通孔31を形成することができる。
その他の構成は、上記実施形態と同様である。
マスクパターンは、上記実施形態に限らず、種々のパターンを用いることができ、平面視で略直角の角部を少なくとも1つ有するパターンを多数有するものであればよい。
上記各実施形態では、異方性エッチング材料として水晶を使用したが、シリコン単結晶などの他の異方性エッチング材料を使用してもよい。
1,11 2面コーナーリフレクタアレイ
2,21 反射体
3,31 貫通孔
4 角部
1 仮想角部
10 Z板
13,131 マスクパターン
14,141 パターン
16 光反射性膜

Claims (9)

  1. 異方性エッチング材料で構成されると共に、多数の貫通孔が形成された単一の反射体を備え、
    前記多数の各貫通孔は、隣接する内壁面が平面視で略直交する角部を少なくとも1つ有し、
    前記略直交する前記隣接する内壁面が、光反射性膜で被覆された反射面である、
    ことを特徴とする2面コーナーリフレクタアレイ。
  2. 前記角部は、前記隣接する内壁面の仮想延長面が平面視で略直交する、
    請求項1に記載の2面コーナーリフレクタアレイ。
  3. 前記異方性エッチング材料が水晶のZ板である、
    請求項1または2に記載の2面コーナーリフレクタアレイ。
  4. 前記角部の仮想2等分線が、前記水晶のX軸に沿って延びる、
    請求項3に記載の2面コーナーリフレクタアレイ。
  5. 単一の異方性エッチング材料にマスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、
    前記マスクパターンをマスクとして異方性エッチングを行って、前記異方性エッチング材料に多数の貫通孔を形成するエッチング工程と、
    前記多数の各貫通孔の内壁面を、光反射性膜で被覆して反射面を形成する反射面形成工程とを含み、
    前記マスクパターン形成工程では、平面視で略直角な角部を少なくとも1つ有する多角形状の多数のパターンを備える前記マスクパターンを形成する、
    ことを特徴とする2面コーナーリフレクタアレイの製造方法。
  6. 前記多数の各パターンは、前記略直角な前記角部の仮想2等分線が、前記異方性エッチング材料の結晶方位に基づく特定方向に延びる、
    請求項5に記載の2面コーナーリフレクタアレイの製造方法。
  7. 前記異方性エッチング材料が水晶のZ板である、
    請求項5または6に記載の2面コーナーリフレクタアレイの製造方法。
  8. 前記多数の各パターンは、前記略直角な前記角部の仮想2等分線が、前記水晶のX軸に沿って延びる、
    請求項7に記載の2面コーナーリフレクタアレイの製造方法。
  9. 前記エッチング工程の前記異方性エッチングが、ウェットエッチングである、
    請求項5ないし8のいずれかに記載の2面コーナーリフレクタアレイの製造方法。
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