JP2020187205A - 光波長変換部材、および、発光装置 - Google Patents

光波長変換部材、および、発光装置 Download PDF

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Hirotaka Takeuchi
裕貴 竹内
翔平 高久
Shohei Takahisa
翔平 高久
経之 伊藤
Tsuneyuki Ito
経之 伊藤
章夫 井原
Akio Ihara
章夫 井原
祐紀 志村
Yuki Shimura
祐紀 志村
慎二 坂
Shinji Saka
慎二 坂
祐介 勝
Yusuke Katsu
祐介 勝
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Abstract

【課題】 光波長変換部材において、光の吸収率を向上し、所望の変換効率を得ることができる技術を提供する。
【解決手段】 Al23とY3Al512:Ceを主成分とするセラミックス焼結体を含み、セラミックス焼結体内に入射した光の波長を異なる波長に変換する光波長変換部材は、セラミックス焼結体におけるY3Al512:Ceの割合が、21〜95vol%であって、セラミックス焼結体におけるAl23とY3Al512:Ceの合計に対するY3Al512:Ceの割合をYAG/(Al23+YAG)とすると、セラミックス焼結体の光が入射する表面から0.5μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)は、セラミックス焼結体の表面から10μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)より小さい。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光波長変換部材、および、発光装置に関する。
従来から、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)や半導体レーザー(LD:Laser Diode)が発生する光を、蛍光体を含む光波長変換部材によって波長変換する発光装置が知られている。近年、発光装置の高出力化を目的として、Y3Al512:Ceに代表されるガーネット構造、すなわち、A3512構造に賦活剤が添加されたセラミック焼結体を含む蛍光体が使用されている。
発光装置の高出力化のためには、吸収した光を効率よく変換し発光する必要がある。例えば、特許文献1、2には、光波長変換部材の表面を所定の粗さとなるように成形することで、光波長変換部材から出射される光の色ムラを抑制しつつ、発光効率を向上する技術が開示されている。また、特許文献3には、蛍光体粉末がガラスマトリクスの表面から突出するように光波長変換部材を成形することで、発光効率を向上する技術が開示されている。
特開2016−138034号公報 特開2018−72607号公報 特開2013−219123号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の光波長変換部材は、表面が所定の粗さとなるように成形する必要がある。また、特許文献3に記載の光波長変換部材は、蛍光体粉末がガラスマトリクス表面より突出する状態に成形する必要がある。このように、特許文献1〜3に記載の光波長変換部材では、精密な成形条件の設定や追加の工程が必要となり、光波長変換部材の製造コストが上昇するおそれがある。
また、発光装置の高出力化のためには、光波長変換部材内に光を効率よく取り込む必要もあり、このために、反射防止膜などを光波長変換部材の表面に形成する技術も知られている。しかしながら、この場合も、反射防止膜を形成するための蒸着やスパッタなどの工程が必要となるため、光波長変換部材の製造コストが上昇するおそれがある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、Al23とY3Al512:Ceを主成分とするセラミックス焼結体内に入射した光の波長を異なる波長に変換する光波長変換部材において、製造上のコストを抑制しつつ所望の変換効率を得ることができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、Al23とY3Al512:Ceを主成分とするセラミックス焼結体を含み、前記セラミックス焼結体内に入射した光の波長を異なる波長に変換する光波長変換部材が提供される。この光波長変換部材は、前記セラミックス焼結体におけるY3Al512:Ceの割合は、21〜95vol%であって、前記セラミックス焼結体におけるAl23とY3Al512:Ceの合計に対するY3Al512:Ceの割合をYAG/(Al23+YAG)とすると、前記セラミックス焼結体の前記光が入射する表面から0.5μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)は、前記セラミックス焼結体の前記表面から10μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)より小さい。
この構成によれば、光波長変換部材は、セラミックス焼結体の光が入射する表面から0.5μmの深さのYAG/(Al23+YAG)が、表面から10μmの深さのYAG/(Al23+YAG)より小さい。ここで、「YAG/(Al23+YAG)」における「Al23」は、セラミックス焼結体におけるAl23の割合を示し、「YAG」は、セラミックス焼結体におけるY3Al512:Ceの割合を示す。これにより、セラミックス焼結体の表面には、屈折率がY3Al512:Ceより低いAl23が比較的多く分布することになるため、外部の光に対する反射が抑制され、外部の光は、セラミック焼結体に入射しやすくなる。これにより、光波長変換部材は、効率よく光を吸収することができるため、吸収率を向上するための工程を省略することができる。したがって、Y3Al512:Ceの使用量を少なくしつつ、製造上のコストを抑制し、所望の変換効率を得ることができる。
(2)上記形態の光波長変換部材において、前記セラミックス焼結体の前記表面から0.5μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)は、前記セラミックス焼結体の前記表面から10μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)の50%以下であってもよい。この構成によれば、さらに効率よく光を吸収し、所望の変換効率を得ることができる。
(3)上記形態の光波長変換部材において、前記セラミックス焼結体の前記表面から1μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)は、前記セラミックス焼結体の前記表面から10μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)の70%以下であってもよい。この構成によれば、さらに効率よく光を吸収し、所望の変換効率を得ることができる。
(4)上記形態の光波長変換部材において、前記セラミックス焼結体の前記表面から0.5μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)は、前記セラミックス焼結体の前記表面から1μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)より小さく、前記セラミックス焼結体の前記表面から1μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)は、前記セラミックス焼結体の前記表面から10μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)より小さくてもよい。この構成によれば、光波長変換部材は、セラミックス焼結体の内部から、光が入射する表面に近づくにつれて、YAG/(Al23+YAG)が小さくなるように形成されている。これにより、表面付近のYAG/(Al23+YAG)が内部のYAG/(Al23+YAG)より小さくなるため、特に効率よく光を吸収することができる。また、表面付近のYAG/(Al23+YAG)が内部のYAG/(Al23+YAG)より小さいため、セラミックス焼結体の内部全体が同じYAG/(Al23+YAG)の比率で成形されている場合に比べ、表面での外部の光に対する反射が抑制される。これにより、外部の光は、セラミック焼結体に入射しやすくなり、所望の変換効率を得ることができる。
(5)上記形態の光波長変換部材において、Y3Al512:Ceの結晶粒子の平均粒径は、1.5μm以上5μm以下であってもよい。この構成によれば、Y3Al512:Ceの結晶粒子の界面を比較的小さくすることができる。これにより、Y3Al512:Ceの結晶粒子内に光を閉じ込めやすくなるため、Y3Al512:Ceでの変換効率を向上することができる。
(6)本発明の一形態によれば、発光装置が提供される。この発光装置は、光を発生する光源と、前記光源が発生する光が前記表面から前記セラミックス焼結体内に入射するように配置されている上記形態の光波長変換部材と、を備える。この構成によれば、発光装置では、上記形態の光波長変換部材に入射する光を発生する光源を備える。これにより、発光装置は、光源が発生する光の波長を所望の変換効率で変換することができるため、所望の出力の光を外部に放射することができる。
第1実施形態の発光装置の断面図である。 第1実施形態の光波長変換部材の断面図である。 光波長変換部材のサンプルの評価試験結果を示す説明図である。 YAG/(Al23+YAG)の算出方法の説明図である。 図3のYAG/(Al23+YAG)と深さとの関係を示す説明図である。 第1実施形態の光波長変換部材の作用を説明する概念図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の発光装置1の断面図である。図2は、本実施形態の光波長変換部材5の断面図である。本実施形態の発光装置1は、青色の光を変換し白色の光を発生する装置であり、例えば、ヘッドランプ、照明、プロジェクタなどの各種光学機器において使用される。発光装置1は、ケース2と、発光素子3と、光波長変換部材5を備える。本実施形態では、透過型の発光装置1を用いて説明するが、反射型でも同様の効果が得られる。
ケース2は、例えば、アルミナなどから形成されている箱状の部材であって、内部に発光素子3が配置される。ケース2の開口部4には、光波長変換部材5が配置されている。なお、ケース2を形成する材料や形状はこれに限定されない。発光素子3が発生する光が光波長変換部材5に入射可能なように、発光素子3と光波長変換部材5とが配置されていればよい。
発光素子3は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)や半導体レーザー(LD:Laser Diode)であり、白色以外の特定の色の光を発生する。本実施形態では、発光素子3は、青色光を発生するものである。発光素子3が発生する青色光F1は、図1、2に示すように、光波長変換部材5の発光素子3側の表面6に向かって放射される。
光波長変換部材5は、ケース2の開口部4を覆うように配置された板状の部材であり、多結晶透明セラミックスと蛍光セラミックスを主成分とする多結晶組織を有するセラミックス焼結体を含んでいる。多結晶透明セラミックスは、光学的異方性を有するAl23からなる。蛍光セラミックスは、蛍光性を有するY3Al512:Ceからなる。Y3Al512:Ceからなる蛍光セラミックスは、平均粒径が1.5μm以上5μm以下のY3Al512:Ceの結晶粒子から形成されている。光波長変換部材5は、発光素子3が発生する青色光F1を吸収し、図1、2に示すように、青色とは異なる色の光F2を発光する。
本実施形態では、セラミックス焼結体におけるY3Al512:Ceの割合は、21〜95vol%となっている。また、セラミックス焼結体におけるAl23とY3Al512:Ceの合計に対するY3Al512:Ceの割合をYAG/(Al23+YAG)とすると、セラミックス焼結体内でのYAG/(Al23+YAG)の値は、セラミックス焼結体の光が入射する表面6からの深さによって異なっている。ここで、「YAG/(Al23+YAG)」における「Al23」は、セラミックス焼結体におけるAl23の割合を示し、「YAG」は、セラミックス焼結体におけるY3Al512:Ceの割合を示す。
具体的には、表面6から0.5μmの深さ(図2の点線51の位置)におけるYAG/(Al23+YAG)(以下、「Y/(Y+A)0.5」という)は、表面6から10μmの深さ(図2の点線50の位置)におけるYAG/(Al23+YAG)(以下、「Y/(Y+A)10」という)より小さい。本実施形態では、Y/(Y+A)0.5は、Y/(Y+A)10の50%以下となっている。また、表面6から1μmの深さ(図2の点線52の位置)におけるYAG/(Al23+YAG)(以下、「Y/(Y+A)1.0」という)は、Y/(Y+A)10より小さい。本実施形態では、Y/(Y+A)1.0は、Y/(Y+A)10の70%以下となっている。なお、図2における深さの位置を示す点線は、模式的に示したものであって、実際の光波長変換部材5の厚みとはスケールが異なっている。
次に、発光装置1の作用について説明する。発光素子3への通電によって発光素子3が青色光F1を発生すると、光波長変換部材5に向かって放射される青色光F1の一部は、光波長変換部材5に吸収される。青色光F1を吸収した光波長変換部材5は、青色とは異なる色の光F2を発光する。また、光波長変換部材5に向かって放射された青色光F1のうち光波長変換部材5に吸収されない青色光F1は、光波長変換部材5を透過し、発光装置1の外部に放射される。これにより、発光装置1は、光波長変換部材5を透過する青色光F1の色と、光波長変換部材5が発光する青色とは異なる色の光F2の色との混色によって、白色光を外部に向かって放射する。
次に、本実施形態の光波長変換部材5の効果を説明するための評価試験結果について説明する。この評価試験では、複数の光波長変換部材のサンプルを用いて、光が入射する表面からの複数の深さにおけるYAG/(Al23+YAG)およびY3Al512:Ce平均粒径と、光の吸収率および内部量子効率との関係について評価を行った。
図3は、光波長変換部材のサンプルの評価試験結果を示す説明図である。図4は、YAG/(Al23+YAG)の算出方法の説明図である。図5は、図3のYAG/(Al23+YAG)と深さとの関係を示す説明図である。
最初に、図3に示すサンプル1〜11の作成方法について説明する。サンプル1は、セラミックス焼結体におけるY3Al512:Ceの割合が、図3の「YAG含有率(%)」に示す21%となるように、平均粒径約0.2μmのAl23と、平均粒径約1.2μmのY23と、平均粒径約1.5μmのCeO2とを秤量し、エタノールとともにボールミル中に投入する。次に、ボールミルにおいて、16時間粉砕混合して得られたスラリーを乾燥したのち造粒して得られた造粒粉をプレス成型する。次に、得られた成形体を、大気雰囲気中で、焼成温度1600度以上の保持時間を5時間以上とする条件で焼成することで作成した。
サンプル2は、Y3Al512:Ceの割合が50%となるように材料を秤量し、サンプル1と同様の方法で作成した。サンプル3は、Y3Al512:Ceの割合が95%となるように材料を秤量し、サンプル1と同様の方法で作成した。サンプル4は、Y3Al512:Ceの割合が50%となるように材料を秤量し、サンプル1と同様の方法で焼成まで行ったのち、サンドブラスト処理を3分間行うことによって作成した。サンプル5は、Y3Al512:Ceの割合が60%となるように材料を秤量し、サンプル1と同様の方法で成形した成形体を1600度より高い温度で焼成したのち、サンドブラスト処理を3分間行うことによって作成した。サンプル6は、Y3Al512:Ceの割合が60%となるように材料を秤量し、サンプル1と同様の方法で成形した成形体を1600度より高くかつサンプル6の焼成温度より低い温度で焼成したのち、サンドブラスト処理を3分間行うことによって作成した。サンプル7〜11は、Y3Al512:Ceの割合が、図3の「YAG含有率(%)」のそれぞれに示す割合となるように材料を秤量し、サンプル1と同様の方法で作成した。
サンプル1〜11の「YAG平均粒子径(μm)」と「YAG含有率(%)」は、切断されたサンプルの断面を鏡面研磨したのち、任意の10か所から得られた3000倍の画像を用いて、画像解析ソフトWinROOFを使用して算出した。
また、サンプル1〜11のそれぞれの深さにおける「YAG/(Al23+YAG)(%)」は、切断されたサンプルの10か所の断面から取得した5000倍の画像を用いて、算出した。
また、サンプル1〜11の光の「吸収率(%)」と「内部量子効率(%)」は、日本分光製蛍光分光光度計FP−8500を用いて、13mm四方の厚み0.2mmのサンプルに対して450nmの波長の光を照射することによって得た。
ここで、サンプルの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)の算出方法を、図4を用いて具体的に説明する。
図4に示す説明図は、サンプルSの断面を模式的に示した図であって、実線S5が、サンプルSの光が入射する側の表面の断面線を示している。YAG/(Al23+YAG)を算出するとき、サンプルの表面の断面線(図4の実線S5)において最も高い10か所の地点(図4では、点P50〜P59)の隣どうしを直線で結ぶことで作成される折り曲げ線L50を仮定する。
次に、折り曲げ線L50を、サンプルSの内部に向かって0.5μmだけ平行移動(図4の白抜き矢印M1)したときの折り曲げ線L51を仮定する。深さ0.5μmにおけるYAG/(Al23+YAG)は、折り曲げ線L51が通過する領域のうちY3Al512:Ceが存在する領域の長さとAl23が存在する領域の長さから、深さ0.5μmでのYAG/(Al23+YAG)を算出する。深さ1.0μm(図4の折り曲げ線L52)と深さ10μmでのYAG/(Al23+YAG)も、同様の方法で算出する。
図3および図5に示すように、サンプル1〜6は、Y/(Y+A)0.5が、Y/(Y+A)10の50%以下となっている。一方、サンプル7〜11は、Y/(Y+A)0.5とY/(Y+A)10とが同程度となっている。このY/(Y+A)0.5とY/(Y+A)10に着目して比較すると、サンプル1〜3のそれぞれは、吸収率が、同じYAG含有率のサンプル7〜9より高くなることが明らかとなった。また、サンプル1〜3は、吸収率および内部量子効率ともに、YAG含有率が最も高いサンプル10およびYAG含有率が最も低いサンプル11より、高くなることが明らかとなった。
サンプル1〜6で比較すると、Y/(Y+A)1.0が、Y/(Y+A)10の70%以下となっているサンプル4〜6は、Y/(Y+A)0.5が、Y/(Y+A)10の70%より大きいサンプル1〜3より、吸収率が高くなることが明らかとなった。
サンプル4〜6で比較すると、YAG平均粒子径が1.5μmのサンプル6およびYAG平均粒子径が5μmのサンプル5は、YAG平均粒子径が1.2μmのサンプル4より、内部量子効率が高くなることが明らかとなった。したがって、YAG平均粒子径は、1.5μm〜5μmが好ましいことがわかる。
図6は、本実施形態の光波長変換部材5の作用を説明する説明図である。図6(a)は、本実施形態の光波長変換部材5の、光が入射する表面を拡大した模式図であり、図6(b)は、比較例の光波長変換部材9の、光が入射する表面を拡大した模式図である。比較例の光波長変換部材9とは、Y/(Y+A)10が本実施形態の光波長変換部材5と同程度であり、Y/(Y+A)0.5とY/(Y+A)10とが同程度となっている光波長変換部材である。
図6に示すように、本実施形態の光波長変換部材5と比較例の光波長変換部材9とは、Al23の結晶粒子11とY3Al512:Ceの結晶粒子12とを含んでいる。光波長変換部材5の表面と比較例の光波長変換部材9の表面とを比較すると、光波長変換部材5は、表面のYAG/(Al23+YAG)が、光波長変換部材9のYAG/(Al23+YAG)より小さいため、図6に示すように、Al23の結晶粒子11が表面に露出している割合が光波長変換部材9より多い。
図6(b)に示すように、比較例の光波長変換部材9の表面に向かう光は、Al23の結晶粒子11またはY3Al512:Ceの結晶粒子12に当たる。このとき、Y3Al512:Ceの結晶粒子12に当たる光(図6(b)の白抜き矢印C0)は、Y3Al512:Ceの結晶粒子12の屈折率が比較的高いため、反射されやすい。このため、Y3Al512:Ceの結晶粒子12に当たる光の一部は、反射されるため、光波長変換部材9に吸収される光は、白抜き矢印C1と白抜き矢印C0の一部になり、光の吸収率は比較的低くなる。
一方、図6(a)に示すように、本実施形態の光波長変換部材5では、相対的に屈折率が低いAl23の結晶粒子11が表面に露出している割合が高いため、光波長変換部材5に向かう光(図6(a)の白抜き矢印C1)は、光波長変換部材5に入射しやすい。これにより、光波長変換部材5の吸収率は、比較例の光波長変換部材9より高くなる。
以上、説明した本実施形態の光波長変換部材5によれば、Y/(Y+A)0.5が、Y/(Y+A)10より小さい。これにより、セラミックス焼結体の表面6には、相対的に屈折率が低いAl23が比較的多く分布することとなるため、外部の光に対する反射が抑制され、外部の光は、セラミック焼結体内に入射しやすくなる。すなわち、光波長変換部材5の光の吸収率が向上するため、吸収率を向上するための工程を省略することができる。したがって、Y3Al512:Ceの使用量を少なくしつつ、製造上のコストを抑制し、所望の変換効率を得ることができる。
また、本実施形態の光波長変換部材5によれば、Y/(Y+A)0.5が、Y/(Y+A)10の50%以下となっている。これにより、光の吸収率をさらに向上させ、所望の変換効率を得ることができる。
また、本実施形態の光波長変換部材5によれば、Y/(Y+A)1.0が、Y/(Y+A)10の70%以下となっている。これにより、光の吸収率をさらに向上させ、所望の変換効率を得ることができる。
また、本実施形態の光波長変換部材5によれば、Y/(Y+A)0.5が、Y/(Y+A)1.0より小さい。また、Y/(Y+A)1.0は、Y/(Y+A)10より小さい。これにより、光波長変換部材は、セラミックス焼結体の内部から、光が入射する表面に近づくにつれて、YAG/(Al23+YAG)が小さくなるように形成されている。また、表面のYAG/(Al23+YAG)が内部のYAG/(Al23+YAG)より小さいため、セラミックス焼結体の内部全体が同じYAG/(Al23+YAG)の比率で成形されている場合に比べ、表面での外部の光に対する反射が抑制される。これにより、外部の光は、セラミック焼結体に入射しやすくなる。したがって、所望の変換効率を得ることができる。
また、本実施形態の光波長変換部材5によれば、Y3Al512:Ceの結晶粒子の平均粒径が、1.5μm以上5μm以下となっている。これにより、Y3Al512:Ceの結晶粒子の界面を比較的小さくすることができる。したがって、Y3Al512:Ceの結晶粒子内に光を閉じ込めやすくなるため、Y3Al512:Ceでの変換効率を向上することができる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上述の実施形態では、光波長変換部材5は、Y/(Y+A)0.5がY/(Y+A)0.10の50%以下であって、Y/(Y+A)1.0がY/(Y+A)10の70%以下となっているとした。しかしながら、表面6からの深さに対するYAG/(Al23+YAG)の関係は、これに限定されない。Y/(Y+A)0.5がY/(Y+A)10より小さければよい。この場合であっても、外部の光に対する反射が抑制されるため、外部の光は、セラミック焼結体に入射しやすくなる。
[変形例2]
上述の実施形態では、光波長変換部材5は、Y3Al512:Ceからなるセラミックス焼結体が、平均粒径1.5μm以上5μm以下のY3Al512:Ceの結晶粒子から形成されているとした。しかしながら、Y3Al512:Ceの結晶粒子の大きさはこれに限定されない。1.5μmより小さくてもよい。
[変形例3]
上述の実施形態では、発光装置1は、光波長変換部材5を透過する光の青色と、光波長変換部材5が発光する青色とは異なる色の光の色との混色によって、白色光を外部に向かって放射するとした。しかしながら、発光装置1が発光する光の色はこれに限定されない。光波長変換部材5が発光する光のみを放射してもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1…発光装置
2…ケース
3…発光素子
4…開口部
5…光波長変換部材
6…表面
9…光波長変換部材
11…結晶粒子
12…結晶粒子
F1…青色光
F2…青色とは異なる色の光

Claims (6)

  1. Al23とY3Al512:Ceを主成分とするセラミックス焼結体を含み、前記セラミックス焼結体内に入射した光の波長を異なる波長に変換する光波長変換部材であって、
    前記セラミックス焼結体におけるY3Al512:Ceの割合は、21〜95vol%であって、
    前記セラミックス焼結体におけるAl23とY3Al512:Ceの合計に対するY3Al512:Ceの割合をYAG/(Al23+YAG)とすると、
    前記セラミックス焼結体の前記光が入射する表面から0.5μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)は、前記セラミックス焼結体の前記表面から10μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)より小さい、
    光波長変換部材。
  2. 請求項1に記載の光波長変換部材であって、
    前記セラミックス焼結体の前記表面から0.5μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)は、前記セラミックス焼結体の前記表面から10μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)の50%以下である、
    光波長変換部材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光波長変換部材であって、
    前記セラミックス焼結体の前記表面から1μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)は、前記セラミックス焼結体の前記表面から10μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)の70%以下である、
    光波長変換部材。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光波長変換部材であって、
    前記セラミックス焼結体の前記表面から0.5μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)は、前記セラミックス焼結体の前記表面から1μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)より小さく、
    前記セラミックス焼結体の前記表面から1μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)は、前記セラミックス焼結体の前記表面から10μmの深さにおけるYAG/(Al23+YAG)より小さい、
    光波長変換部材。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光波長変換部材であって、
    3Al512:Ceの結晶粒子の平均粒径は、1.5μm以上5μm以下である、
    光波長変換部材。
  6. 光を発生する光源と、
    前記光源が発生する光が前記表面から前記セラミックス焼結体内に入射するように配置されている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光波長変換部材と、を備える、
    発光装置。
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