JP2020186976A - 表面処理を施した打錠成形用の臼及び杵 - Google Patents

表面処理を施した打錠成形用の臼及び杵 Download PDF

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Abstract

【課題】打錠障害、とりわけバインディングを回避ないし低減するための、打錠成形機用の臼の処理方法及び当該処理を施した臼を提供する。【解決手段】第一に、バインディングの原因たる臼内側面への粉体付着を定量的に評価可能な手法を開発した。第二に、臼内側面を真空蒸着によってコーティングすることを見出した。第三に、臼内側面にテーパをつけることを見出した。【選択図】図3

Description

本発明は、打錠成形用の臼及び杵、とりわけ打錠障害の回避ないし低減を目的として表面処理を施した打錠成形用の臼及び杵に関するものである。
医薬品、菓子、健康食品などにおいて、錠剤は極めて一般的な形状である。錠剤を成形するに際して、通常、打錠成形機が用いられるが、打錠成形機は、もっとも簡単に言えば、一対の上杵および下杵と、当該上杵と下杵とをそれぞれ上面および底面から挿入するための1個の孔を備えた臼とを本質的に含み、所望の粉体を臼内で上杵と下杵によって押し付けることで錠剤を成形した後、下杵によって錠剤を押し上げて錠剤を取り出すというものである。しかし、錠剤の成形において様々な打錠障害が存在することはよく知られており、とりわけバインディングは、臼内側面に粉体が付着し、この付着した粉体によって錠剤の側面(臼と接触する面)が傷つく現象として知られる。例えば特許文献1(特開2017−95418号公報、ライオン株式会社)は、NSAIDsを有効成分として含む錠剤を成形する場合の打錠障害としてバインディングおよびスティッキングが存在すること、そしてかかる打錠障害を低減する方法として打錠機の臼内側面をクロムまたはクロム化合物でメッキする技術を提供する。また、特許文献2(特開2004−9175号公報、株式会社ツー・ナイン・ジャパン)は、杵および臼の耐摩耗性を向上させる目的で、イオンプレーティングにより杵および臼に窒化クロムの被膜を形成する技術を提供する。
しかし、そもそもバインディングの有無やその原因と考えられている粉体付着を定量的に評価する手法が確立されておらず、定性的な評価にとどまっていることから、効果的なバインディングの防止方法を検討する技術的基礎が不十分である。また、具体的なバインディング防止方法としては、特許文献2にもあるとおり、メッキは、表面の凹凸が大きく、しかもその凹凸のばらつきが制御されていないこと、摩耗耐性が低くランニングコストが高いこと、さらには、剥離して錠剤中に混入するといった問題があるため、打錠成形機の杵および臼に用いるには適さない。また、イオンプレーティングは、杵の打錠面のような開放された面に用いるには問題ないが、臼内側面のような径の小さな孔内に成膜することができないという課題が存在する。
特開2017−95418号公報 特開2004−9175号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、打錠障害、とりわけバインディングを回避ないし低減するとともに、耐摩耗性が高く、剥離等の恐れの少ない打錠成形機用の臼及び杵を提供することである。また、その前提として、臼内側面の粉体付着の定量的評価方法を確立することも目的とする。
本発明者は、第一に、バインディングの原因たる臼内側面への粉体付着を定量的に評価可能な手法を開発した。具体的には、臼内に樹脂等の転写基剤を注入して硬化させ、硬化した基剤を臼から取り出して臼内側面の転写物を得て、当該転写物の表面を画像解析ソフトによって粉体と基剤とに二値化し、面積比から粉体付着割合を算出する。
本発明者は、第二に、メッキによらず臼内側面をコーティングする手法を開発した。具体的には、真空蒸着を用いることで、臼内側面をコーティング可能であることを見出した。さらには、コーティング表面の粗さ(線算術平均粗さ)Raを0.005〜0.040μmとすることで、顕著に粉体付着を低減できることを見出した。
本発明者は、第三に、臼内側面または杵チップにテーパを設けることで、さらに粉体付着を顕著に低減できることを見出した。具体的には、臼内側面は、上杵挿入深さに対応した、錠剤が成形された後錠剤押上時錠剤が通過する位置(錠剤排出部)、錠剤厚みに対応した、錠剤成形時に錠剤側帯部が臼壁と接する位置(粉体圧縮部)及び下杵挿入深さに対応した、上記錠剤排出部と粉体圧縮部以外の部分(残余部)の3部位として把握でき、残余部上端よりも上を始点として臼上面に向かって外方向に広げられたテーパ(臼上部テーパ)及び/または錠剤排出部下端よりも下を始点として臼下面に向かって外方向に広げられたテーパ(臼下部テーパ)を設けることができ、当該テーパ角度を0度10分〜2度とすることができる。杵チップのテーパについては、下杵の場合、チップ上端または上端より下を始点として杵の軸に向かって内方向に広げられたテーパ(下杵テーパ)を設けることができ、上杵の場合、チップ下端または下端より上を始点として杵の軸に向かって内方向に広げられたテーパ(上杵テーパ)を設けることができ、当該テーパ角度を0度10分〜60度とすることができる。
本発明によって、臼内側面の粉体付着を定量的に測定可能となるとともに、定量的に確かなバインディング防止方法が提供可能である。バインディングは単に錠剤の見た目が悪くなるだけではなく、錠剤排出が滑らかに行われないという製造工程上の問題でもあることから、これを回避ないし低減することは製剤上の意義が大きい。
図1は一般的な臼及び一対の杵を示した説明図である。 図2は臼内側面をコーティングする真空蒸着装置のスキームである。 図3は臼上部テーパ及び臼下部テーパを設けた臼及び一対の杵を示した図である。 図4は臼上部テーパを設けた臼及び一対の杵を示した図である。 図5は臼下部テーパを設けた臼及び一対の杵を示した図である。 図6はチップにテーパを設けた下杵を示した図である。
第一の態様において、本発明は、打錠成形機の臼内側面への粉体付着を測定する方法であって、臼内に樹脂等の転写基剤を注入して硬化させる工程、硬化した基剤を臼から取り出して臼内側面の転写物を得る工程、当該転写物の表面を画像解析ソフトによって粉体と基剤とに二値化する工程、ならびに粉体と基剤の面積比から粉体付着割合を算出する工程を含む方法を提供する。
前記転写基剤は、臼内側面の粉体分布を概ね変えることなく硬化するものであればよいが、典型的には樹脂、とりわけ合成樹脂、例えばシリコンゴム、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリル樹脂等を用いることができる。前記転写物から画像を得るために顕微鏡を用いてもよい。前記画像解析ソフトは、転写物の表面における粉体と基剤とを認識可能なソフトウェアであればよく、例えばImageJのような画像処理ソフトを用いることができる。転写物の画像解析においては、転写物の全表面を解析してもよいし、表面の一部であってもよい。転写物の表面の一部とは、例えば、上杵挿入深さに対応した、錠剤が成形された後錠剤押上時錠剤が通過する位置(錠剤排出部)、錠剤厚みに対応した、錠剤成形時に錠剤側帯部が臼壁と接する位置(粉体圧縮部)及び下杵挿入深さに対応した、上記錠剤排出部と粉体圧縮部以外の臼内側面(残余部)のいずれか1つ以上、例えばいずれか1つまたは錠剤排出部と粉体圧縮部の2つのようないずれか2つ以上の組み合わせの位置であってよく、あるいは、孔の半周のように全周でなくともよい。このように臼内側面を区分けすることによって、粉体が付着しやすい部位を定量的に確認することができる。前記二値化に用いる閾値は、基剤と粉体に応じて適宜設定すればよい。粉体付着割合は、転写物表面の解析にかけた部位の総面積に対する粉体付着部位の百分率として求めることができる。
第二の態様において、本発明は、真空蒸着によって臼内側面をコーティングした打錠成形機用の臼およびその製造方法を提供する。近年、例えば高齢者用に、嚥下のしやすい径の小さな錠剤が好まれる一方で、小さな径の孔内側面にコーティングを行う方法が存在しなかった。とりわけ錠径10mm以下、例えば7mm以下、さらには6mm以下、あるいは5mm以下の錠剤を成形するための打錠用臼の孔内側面にコーティングを行う方法として、真空蒸着を用いることを想到した。孔の開口部は、円、楕円、角の面を取った多角形、例えば三角形、四角形もしくは五角形、あるいは方形と円もしくは楕円の組み合わせ等の錠剤に通常使用される形状のいずれかであってよい。
真空蒸着は、ポンプ等で真空排気した槽内において、金属等のコーティング材料を気化させた蒸気を基材に当てることで、基材表面に薄膜を形成する技術である。本発明において、孔内側面で真空蒸着を行うために、インラインでターゲットを両側に取り付けて真空蒸着を行うことが好ましい。インライン真空蒸着とは、前室、加熱室、成膜室及び冷却室が順に連結しており、各室を1本のコンベアが挿通している装置において、コンベア上に基材を乗せて各室を通過させることで真空蒸着を行う手法をいう。コーティング室において、臼の上面及び底面それぞれに対向するターゲットを、例えばコンベアの左右にターゲットを取り付けることで、臼の上面及び底面それぞれから孔内に蒸着を行うことができる。
前記コーティング材料は、金属表面の成膜に通常用いるいずれかの材料、例えばクロム、ニッケル、チタン、金、アルミニウム等であってよく、とりわけクロムが好ましい。とりわけ好ましい態様において、コーティング材料は、窒化クロムである。コーティングは、一層であっても、同一または異なるコーティング材料による複数の層であってもよい。
より好ましい態様において、コーティング表面の粗さ(線算術平均粗さ)Raを、0.002〜0.050μm、好ましくは0.002〜0.025μm、特に好ましくは0.002〜0.010μmに仕上げることができる。表面仕上げのための方法としては、単なる研磨のほかに、TOP処理、CTOP処理のような技術を用いてもよい。コーティング表面の粗さは、接触式及び非接触式のいずれによって測定してもよいが、典型的には、日本工業規格に基づく接触式測定による。
臼内側面は、上杵挿入深さに対応した、錠剤が成形された後錠剤押上時錠剤が通過する位置(錠剤排出部)、錠剤厚みに対応した、錠剤成形時に錠剤側帯部が臼壁と接する位置(粉体圧縮部)及び下杵挿入深さに対応した、上記錠剤排出部と粉体圧縮部以外の部分(残余部)の3部位に区分けできる。したがって、第三の態様において、本発明は、残余部上端よりも上、例えば粉体圧縮部のいずれかもしくは錠剤排出部下端を始点として臼上面に向かって外方向に広げられたテーパ(臼上部テーパ)及び/または錠剤排出部下端よりも下、例えば粉体圧縮部のいずれかもしくは残余部上端を始点として臼下面に向かって外方向に広げられたテーパ(臼下部テーパ)を設けた打錠成形機用臼を提供する。前記打錠成形機用臼において、テーパ角度は、種々の要素を考慮して適宜定めてよいが、例えば、下杵から粉体が脱漏しないこと、上杵が臼内で滑らかに摺動すること、錠剤の側帯部が歪にならないこと、成形した錠剤が臼内側面に引っ掛からないことなどを考慮して、0度10分〜2度、とりわけ0度20分〜1度30分、さらにとりわけ0度30分〜1度20分が好ましく、最も好ましくは0度40分〜1度である。
さらなる第三の態様において、本発明は、チップにテーパを設けた打錠成形機用杵を提供する。この杵は上杵と下杵のいずれかであっても、それらの両方からなる一対の杵であってもよい。杵チップのテーパは、下杵の場合、チップ上端または上端より下を始点として杵の軸に向かって内方向に広げられたテーパ(下杵テーパ)を設けることができ、上杵の場合、チップ下端または下端より上を始点として杵の軸に向かって内方向に広げられたテーパ(上杵テーパ)を設けることができ、当該テーパ角度を0度10分〜60度、とりわけ0度10分〜45度、さらにとりわけ0度10分〜10度とすることができる。
より好ましい態様において、上記テーパをつけた臼または杵に、さらに第二の態様で用いたコーティングを行うことによって、さらに粉体付着を低減した打錠成形機用の臼または杵とすることができる。
したがって、本発明は、とりわけ以下の態様を提供する:
(態様1) 打錠成形機の臼内側面への粉体付着を測定する方法であって、臼内に樹脂等の転写基剤を注入して硬化させる工程、硬化した基剤を臼から取り出して臼内側面の転写物を得る工程、当該転写物の表面を画像解析ソフトによって粉体と基剤とに二値化する工程、ならびに粉体と基剤の面積比から粉体付着割合を算出する工程を含む方法:
(態様2) 打錠成形機の臼内側面の処理方法であって、臼内側面を真空蒸着によりコーティングすることを特徴とする、処理方法:
(態様3) 真空蒸着がインラインで行われるとともに、コーティング室が臼の上面及び底面それぞれに対向するターゲットを備えていることを特徴とする、態様2の処理方法:
(態様4) コーティングが窒化クロムコーティングであることを特徴とする、態様2または3の処理方法:
(態様5) さらに表面粗さRaを0.002〜0.050μmに仕上げる工程を含む、態様2〜4のいずれかに記載の処理方法:
(態様6) 臼が、残余部上端よりも上を始点として臼上面に向かって外方向に広げられたテーパ及び/または錠剤排出部下端よりも下を始点として臼下面に向かって外方向に広げられたテーパを設けた打錠成形機用臼であって、テーパ角度が0度10分〜2度であることを特徴とする、態様2〜5のいずれかに記載の処理方法:
(態様7) テーパ角度が0度20分〜1度30分であることを特徴とする、態様6の処理方法:
(態様8) 真空蒸着によって臼内側面がコーティングされていることを特徴とする、打錠成形機用の臼:
(態様9) コーティングが窒化クロムコーティングであることを特徴とする、態様8の臼:
(態様10) コーティングの表面粗さRaが0.002〜0.050μmであることを特徴とする、態様8または9に記載の臼:
(態様11) 臼が、残余部上端よりも上を始点として臼上面に向かって外方向に広げられたテーパ及び/または錠剤排出部下端よりも下を始点として臼下面に向かって外方向に広げられたテーパを設けた打錠成形機用臼であって、テーパ角度が0度10分〜2度であることを特徴とする、態様8〜10のいずれかに記載の臼:
(態様12) テーパ角度が0度20分〜1度30分であることを特徴とする、態様11の臼:
(態様13) 打錠成形機用の下杵であって、杵チップ上端または上端より下を始点として杵の軸に向かって内方向に広げられたテーパを設けた、下杵:
(態様14) さらに窒化クロムコーティングされていることを特徴とする、態様13の下杵:
(態様15) 打錠成形機用の上杵であって、杵チップ下端または下端より上を始点として杵の軸に向かって内方向に広げられたテーパを設けた、上杵:
(態様16) さらに窒化クロムコーティングされていることを特徴とする、態様15の下杵。
図1は、粉体を臼(1)内に供給した後、当該粉体を上杵(2)と下杵(3)とで押圧して錠剤(4)を成形している場面をあらわしている。成形された錠剤(4)は、下杵(3)が上方に押し上げて臼から排出される。したがって、臼(1)内側面は、その機能に応じて、上から順に、錠剤排出部(1A)、粉体圧縮部(1B)及びその他の残余部(1C)に区分けできる。錠剤排出部(1A)は、錠剤が成形された後、錠剤押上時に錠剤が通過する位置であり、錠剤と臼(1)内側面との間で動摩擦力が作用することから、バインディング防止の主なターゲットである。また、錠剤排出部(1A)は、上杵の挿入深さを反映するものであり、打錠成形機ごとに固定の深さとなっていることが多い。粉体圧縮部(1B)は、錠剤成形時に錠剤側帯部が臼内側面と接触する位置であり、錠剤厚みを反映する。粉体圧縮部(1B)では、錠剤成形時に錠剤側帯部から臼内側面への壁面応力が発生して、錠剤(4)が粉体圧縮部(1B)に留まろうとする結果、錠剤押上時に錠剤と臼(1)内側面との間で静止摩擦力が作用することから、バインディング防止の主なターゲットである。
図2は、臼内側面をコーティングするためのインライン真空蒸着装置のスキームである。当該装置は、前室(21)、加熱室(22)、成膜室(23)及び冷却室(24)が順に連結しており、各室を1本のコンベア(25)が挿通している。臼をコンベア(25)上に、臼側面が下に、進行方向が側面、上面及び底面が進行方向と90度の左右の面となる向きで乗せ、前室(21)から冷却室(24)へと移動させた。成膜室(23)は左右にターゲットを備え、両側のターゲットより窒化クロムコーティングを行った。
図3は臼上部テーパおよび臼下部テーパを設けた臼(1)及び一対の杵(2,3)を示した説明図である。テーパ角度は、説明のために誇張して表現している。臼上部テーパの始点は粉体圧縮部(1B)の上端であり、臼下部テーパの始点は粉体圧縮部(1B)の下端である。図4は臼上部テーパを設けた臼(1)及び一対の杵(2,3)を示した図である。図5は臼下部テーパを設けた臼及び一対の杵を示した図である。図6はチップにテーパを設けた下杵(3)を示した図である。
ハードクロムめっきを行った臼(DieI)、窒化クロムコーティングを行った臼(DieII)、窒化クロムコーティングを行ったうえでCTOP処理を施した臼(DieIII)、テーパ角度1度のテーパをつけた臼であってハードクロムコーティングを行った臼(DieIV)、テーパ角度1度のテーパをつけた臼であって窒化クロムコーティングを行った臼(DieV)ならびにテーパ角度1度のテーパをつけた臼であって窒化クロムコーティングを行ったうえでCTOP処理を施した臼(DieVI)を用意し、それぞれ微結晶セルロースを粉体として、50回及び100回打錠し、粉体付着割合を測定した。粉体付着割合は、それぞれ所定の回数打錠後、シリコンゴムを臼内に注入して硬化させ、硬化したシリコンゴムの表面を顕微鏡で観察してImageJに画像を取り込み、黒いシリコンゴム部分と白い粉体付着部分とで二値化して、シリコンゴム表面全体に対する粉体付着部分の面積の百分率として得た。結果は下記表1の通りであった。
Figure 2020186976
ハードクロムコーティングを行った臼(DieI)、窒化クロムコーティングを行った臼(DieII)、窒化クロムコーティングを行ったうえでCTOP処理を施した臼(DieIII)、テーパ角度1度のテーパをつけた臼であってハードクロムコーティングを行った臼(DieIV)、テーパ角度1度のテーパをつけた臼であって窒化クロムコーティングを行った臼(DieV)ならびにテーパ角度1度のテーパをつけた臼であって窒化クロムコーティングを行ったうえでCTOP処理を施した臼(DieVI)について、それぞれ打錠前の臼内側面の各領域10箇所における線算術平均粗さRaを測定した。結果は下記表2の通りであった。
Figure 2020186976
これらの結果から、窒化クロムコーティングがとりわけ優れた粉体付着防止効果を有することが判明した。さらに、テーパとハードクロムコーティングの組み合わせと比較して、テーパと窒化クロムコーティングの組み合わせの相乗効果が優れていること、さらにはCTOP処理を、とりわけ粉体成形領域に施すことでさらなる相乗効果が得られることが判明した。
理論に縛られるものではないが、本発明者は、バインディングの原因として、臼内側面への粉体の付着とその付着した粉体への錠剤の引っ掛かりがあると考え、さらに粉体の付着の原因には、杵、とりわけ杵チップと臼内側面との擦れがあると考えた。したがって、臼・杵間の摩擦を低減するために臼内側面および杵チップにテーパを設けることが、バインディングの防止に有効である。

1 臼
1A 錠剤排出部
1B 粉体圧縮部
1C 残余部
2 上杵
3 下杵
4 錠剤
21 前室
22 加熱室
23 成膜室
24 冷却室
25 コンベア

Claims (16)

  1. 打錠成形機の臼内側面への粉体付着を測定する方法であって、臼内に樹脂等の転写基剤を注入して硬化させる工程、硬化した基剤を臼から取り出して臼内側面の転写物を得る工程、当該転写物の表面を画像解析ソフトによって粉体と基剤とに二値化する工程、ならびに粉体と基剤の面積比から粉体付着割合を算出する工程を含む方法。
  2. 打錠成形機の臼内側面の処理方法であって、臼内側面を真空蒸着によりコーティングすることを特徴とする、処理方法。
  3. 真空蒸着がインラインで行われるとともに、コーティング室が臼の上面及び底面それぞれに対向するターゲットを備えていることを特徴とする、請求項2の処理方法。
  4. コーティングが窒化クロムコーティングであることを特徴とする、請求項2または3の処理方法。
  5. さらに表面粗さRaを0.002〜0.050μmに仕上げる工程を含む、請求項2〜4のいずれかに記載の処理方法。
  6. 臼が、残余部上端よりも上を始点として臼上面に向かって外方向に広げられたテーパ及び/または錠剤排出部下端よりも下を始点として臼下面に向かって外方向に広げられたテーパを設けた打錠成形機用臼であって、テーパ角度が0度10分〜2度であることを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載の処理方法。
  7. テーパ角度が0度20分〜1度30分であることを特徴とする、請求項6の処理方法。
  8. 真空蒸着によって臼内側面がコーティングされていることを特徴とする、打錠成形機用の臼。
  9. コーティングが窒化クロムコーティングであることを特徴とする、請求項8の臼。
  10. コーティングの表面粗さRaが0.002〜0.050μmであることを特徴とする、請求項8または9に記載の臼。
  11. 臼が、残余部上端よりも上を始点として臼上面に向かって外方向に広げられたテーパ及び/または錠剤排出部下端よりも下を始点として臼下面に向かって外方向に広げられたテーパを設けた打錠成形機用臼であって、テーパ角度が0度10分〜2度であることを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載の臼。
  12. テーパ角度が0度20分〜1度30分であることを特徴とする、請求項11の臼。
  13. 打錠成形機用の下杵であって、杵チップ上端または上端より下を始点として杵の軸に向かって内方向に広げられたテーパを設けた、下杵。
  14. さらに窒化クロムコーティングされていることを特徴とする、請求項13の下杵。
  15. 打錠成形機用の上杵であって、杵チップ下端または下端より上を始点として杵の軸に向かって内方向に広げられたテーパを設けた、上杵。
  16. さらに窒化クロムコーティングされていることを特徴とする、請求項15の下杵。

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