JP2020186478A - 羽毛入り製品の製造方法及び羽毛入り製品 - Google Patents
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Abstract
Description
一般に羽毛を使った衣服は、表生地と裏生地の間に羽毛を充填している。しかし、単に表生地と裏生地の間に羽毛を充填するだけでは、羽毛が一部に偏ってしまって均等に分散配置されないため、保温機能が低下し意匠的にも好ましくない。
そのため、所定の間隔で表生地と裏生地を縫付けるキルティング加工を施し、羽毛が大きく移動し偏るのを防止し製品全体に均等に羽毛が配置されるようしたり、羽毛をダウンパックと呼ばれる袋状の中生地内に収納し、そのダウンパックを表生地と裏生地を縫い付けてできた空間に介在させたりして、羽毛の偏りや抜け出しを防止しているものがある。
しかし、このように表生地と裏生地を縫い付け、その間に羽毛やダウンパックを充填した衣服は、縫い付けた部分が低く薄くなり、その分、羽毛やダウンパックを充填した部分がより高く厚く感じるため、凹凸が激しく着用すると着膨れをし外観上問題がある。
また、羽毛は軽量で一つ一つが非常に細かいことから、表生地と裏生地を縫い合わせた針穴から抜け出してしまい、特に衣服用の生地は伸縮するものが使われるため、着用時に生地が伸びるとさらに羽毛が抜けだしやすくなってしまうという問題がある。
また、実開昭52−32411号公報には、「上布と下布との二重構造を有し、その間に長手方向に対してほぼ直角に連通して、結合糸によって分割された間隙部を有して、この間隙部内に平均に羽毛を詰められた羽毛パッド。」が開示されている(特許文献2)。
また、上記特許文献2に記載の羽毛パッドも、上布と下布の間に連結糸を設け、表生地と裏生地を直接縫い合わせしないので、これを表生地と裏生地の間に入れて衣服を製造すれば、外観的には低くて薄い部分がなく凹凸の少ない意匠性の高い衣服となる。
また、これらの方法では、ひだを形成する縫い目や、連結糸をいれる縫い目等、縫い目が多くなり、羽毛の抜けだしを防止するのは難しい。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、製造工程が複雑ではなく作業効率がよく、かつ羽毛の暖かさ、柔らかさを備え軽量で保温性が優れ、羽毛の抜け出しがなく、羽毛の風合いを備えた羽毛入り製品の製造方法及び羽毛入り製品を提供するものである。
(1)表生地と裏生地を備え、その間に所定間隔で間壁を設け空隙部を形成し、該空隙部に羽毛を充填してなる羽毛入り製品の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする羽毛入り製品の製造方法。
〈1〉裏生地の裏面を上にして配置する工程、
〈2〉前記裏生地の裏面に高融点の樹脂を塗布し高融点樹脂層を積層する工程、
〈3〉前記高融点の樹脂を塗布し積層した上に、前記高融点の樹脂より融点が低い低融点の樹脂を所定間隔を空けて筋状に塗布し、筋状の低融点樹脂層を積層する工程、
〈4〉表生地の裏面に高融点の樹脂を塗布し高融点樹脂層を積層する工程、
〈5〉前記表生地を、前記裏生地の低融点樹脂層を積層した上に配置する工程、
〈6〉前記裏生地の上に表生地を配置した状態で、前記高融点の樹脂の融点温度より低く、かつ前記低融点の樹脂の融点温度より高い温度で加熱プレスする工程、
〈7〉前記加熱プレス後に冷却し、羽毛入り製品用の積層体を形成する工程、
〈8〉前記積層体を、羽毛入り製品の製造に必要なパーツの形状に裁断する工程、
〈9〉前記パーツに裁断された積層体の筋状に積層された低融点樹脂層間に形成された空隙部に羽毛を充填する工程、
〈10〉前記空隙部に羽毛を充填した積層体を用いて、羽毛入り製品を仕上げる工程。
(3)前記高融点の樹脂が、融点が130〜150℃の熱可塑性ポリウレタン樹脂であることを特徴とする前記(1)に記載の羽毛入り製品の製造方法。
(4)前記低融点の樹脂が、融点が80〜100℃の樹脂であることを特徴とする前記(1)に記載の羽毛入り製品の製造方法。
(5)前記低融点の樹脂が、融点が85〜95℃の熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド又は熱可塑性ポリウレタンとポリアミドを混合したものであることを特徴とする前記(1)に記載の羽毛入り製品の製造方法。
(6)前記(1)に記載の製造方法において、表生地及び裏生地に塗布され積層される高融点樹脂層が、高融点の樹脂を蜘蛛の巣状に噴霧して積層される蜘蛛の巣状の樹脂層であることを特徴とする羽毛入り製品の製造方法。
(7)前記羽毛入り製品が、パンツ、ジャケット、ベスト、帽子、布団、こたつ掛けのいずれかであることを特徴とする前記(1)に記載の羽毛入り製品の製造方法。
(9)前記(1)に記載の羽毛入り製品の製造方法で製造される積層体が、羽毛入り製品の少なくともその一部に用いられてなることを特徴とする羽毛入り製品。
(10)表生地と裏生地を備え、その間に所定間隔で間壁を設け空隙部を形成し、該空隙部に羽毛を充填してなる羽毛入り製品の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする羽毛入り製品の製造方法。
〈1〉裏生地の裏面を上にして配置する工程、
〈2〉前記裏生地の裏面に高融点の樹脂を塗布し高融点樹脂層を積層する工程、
〈3〉前記高融点の樹脂を塗布し積層した上に、前記高融点の樹脂より融点が低い低融点の樹脂を、所定間隔空けて筋状に塗布し、筋状の低融点樹脂層を積層する工程、
〈5〉表生地を、前記裏生地の低融点樹脂層を積層した上に配置する工程、
〈6〉前記裏生地の上に表生地を配置した状態で、前記高融点の樹脂の融点温度より低く、かつ前記低融点の樹脂の融点温度より高い温度で加熱プレスする工程、
〈7〉前記加熱プレス後に冷却し、羽毛入り製品用の積層体を形成する工程、
〈8〉前記積層体を、羽毛入り製品の製造に必要なパーツの形状に裁断する工程、
〈9〉前記パーツに裁断された積層体の筋状に積層された低融点樹脂層間に形成された空隙部に羽毛を充填する工程、
〈10〉前記空隙部に羽毛を充填した積層体を用いて、羽毛入り製品を仕上げる工程。
(1)本発明にかかる羽毛入り製品の製造方法は、表生地と裏生地を備え、その間に所定間隔で間壁を設け空隙部を形成し、該空隙部に羽毛を充填してなる羽毛入り製品の製造方法であって、〈1〉裏生地の裏面を上にして配置する工程、〈2〉前記裏生地の裏面に高融点の樹脂を塗布し高融点樹脂層を積層する工程、〈3〉前記高融点の樹脂を塗布し積層した上に、前記高融点の樹脂より融点が低い低融点の樹脂を、所定間隔空けて筋状に塗布し、筋状の低融点樹脂層を積層する工程、〈4〉表生地の裏面に高融点の樹脂を塗布し高融点樹脂層を積層する工程、〈5〉前記表生地を、前記裏生地の低融点樹脂層を積層した上に配置する工程、〈6〉前記裏生地の上に表生地を配置した状態で、前記高融点の樹脂の融点温度より低く、かつ前記低融点の樹脂の融点温度より高い温度で加熱プレスする工程、〈7〉前記加熱プレス後に冷却し、羽毛入り製品用の積層体を形成する工程、〈8〉前記積層体を、羽毛入り製品の製造に必要なパーツの形状に裁断する工程、〈9〉前記パーツに裁断された積層体の筋状に積層された低融点樹脂層間に形成された空隙部に羽毛を充填する工程、〈10〉前記空隙部に羽毛を充填した積層体を用いて、所望の羽毛入り製品を仕上げる工程からなるので、高融点の樹脂の融点温度より低く、かつ前記低融点の樹脂の融点温度より高い温度で加熱プレスするだけで、前記高融点の樹脂がコーティング剤となり、羽毛の吹き出しを防止するとともに、前記低融点の樹脂が溶けて間壁を形成し、羽毛を充填する空隙部を形成するので、表生地と裏生地を縫い合わせる必要がなく羽毛を均一に充填でき、羽毛の抜け出しや偏りがなく、また、煩雑な作業がなく作業効率が高く意匠性の高い羽毛入り製品を提供することができる。
特に、表生地及び裏生地に塗布される高融点樹脂層を、蜘蛛の巣状に噴霧して積層される蜘蛛の巣状の樹脂層とすれば、通気性が高く蒸れることがなく、かつ硬くなりにくく柔軟であり、衣服、特にパンツなど動きが多く伸縮性が必要な衣服でも快適に着用できる。
そして、上記製造方法によって製造される羽毛入り製品は、縫い合わせ部分が少なく、縫い目からの羽毛が抜け出したり偏ったりすることもなく、かつ羽毛の保温性が発揮され暖かく、またダウンパックやダウンプルーフ加工を必要としないので、軽量で動きやすく快適に着用できる羽毛入り製品を提供することができる。
本発明にかかる羽毛入り製品の製造方法は、防寒用に着用されるパンツ、ジャケット、ベスト、帽子などの衣服類、布団やこたつ掛けのような羽毛製品全般に適用できる製造方法である。
以下実施例はパンツを例として説明するが、特に限定するものではない。
図1は本発明にかかる羽毛入り製品の一例を示す説明用図面であり、図2〜6は本発明にかかる羽毛入り製品の製造工程の一部を簡略化して示す斜視図又は断面図である。
図において、1は羽毛入り製品、2aは裏生地、2bは表生地、3は高融点樹脂層、3aは高融点の樹脂、4は低融点樹脂層、4aは低融点の樹脂、5は空隙部、6aは前パンツパーツ、6bは後パンツパーツ、7は羽毛、10は積層体、40は間壁である。
そして、該羽毛入り製品1は、下記の工程を含む方法で製造される。
〈1〉裏生地2aの裏面を上にして配置する工程、
〈2〉前記裏生地2aの裏面に高融点の樹脂3aを塗布し高融点樹脂層3を積層する工程、
〈3〉前記高融点の樹脂3aを塗布し積層した上に、前記高融点の樹脂3aより融点が低い低融点の樹脂4aを所定間隔を空けて筋状に塗布し、筋状の低融点樹脂層4を積層する工程、
〈4〉表生地2bの裏面に高融点の樹脂3aを塗布し高融点樹脂層3を積層する工程、
〈5〉前記表生地2bを、前記裏生地2aの低融点樹脂層4を積層した上に配置する工程、
〈6〉前記裏生地2aの上に表生地2bを配置した状態で、前記高融点の樹脂3aの融点温度より低く、かつ前記低融点の樹脂4aの融点温度より高い温度で加熱プレスする工程、
〈7〉前記加熱プレス後に冷却し、羽毛入り製品用の積層体10を形成する工程、
〈8〉前記積層体10を、羽毛入り製品1の製造に必要なパーツ(6a、6b)の形状に裁断する工程、
〈9〉前記パーツ(6a、6b)に裁断された積層体10の筋状に積層された低融点樹脂層4間に形成された空隙部5に羽毛7を充填する工程、
〈10〉前記空隙部5に羽毛7を充填した積層体10を用いて、羽毛入り製品を仕上げる工程。
〔第1工程〕
本実施例において、まず、図2に示すように、裏生地2aを準備し、その裏面を上にして配置する。
本発明において前記裏生地2a及び表生地2bは、そのまま製造する羽毛入り製品1の裏生地2a及び表生地2bとすることができる。したがって、裏生地2a及び表生地2bは、羽毛入り製品1を構成する生地として一般に衣服類や布団類に用いられる布帛を用いる。
例えば、羽毛入り製品1が衣服類の場合には、着用者の動きに追従する伸縮性を有する布帛が好ましく、布団類の場合には、特に伸縮性を問わず、綿、絹、麻等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル系繊維等の合成繊維などの織物、編物、あるいは不織布等を用いることができ、所望の羽毛入り製品1の用途に適した布帛を選択できる。
なお、本実施例では、裏生地2a及び表生地2bをそのまま羽毛入り製品1を構成するものとして説明するが、後述する積層体10を羽毛パックとし、これを別の表生地と裏生地の間に入れて羽毛入り製品を製造することもできる。
前記配置した裏生地2aの裏面に、高融点の樹脂3aを塗布し高融点樹脂層3を積層する。
前記高融点の樹脂3aは、加熱により液体となる温度が高い樹脂である。例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル系の各樹脂を、融点が120〜160℃となるように構成したものである。本実施例では、融点を130〜150℃に構成した熱可塑性ポリウレタン樹脂を用いている。特にこれに限定するものではないが、熱可塑性ポリウレタン樹脂は伸縮性に優れ、接着力が高く好適に用いられる。
また、融点が120〜160℃となるように構成する高融点の樹脂3aの例としては、熱可塑性ポリウレタンを主材とする樹脂で、ポリウレタンの含有量が50〜100%以上のものが挙げられる。本実施例では、熱可塑性ポリウレタンを100%のものを使用しているが、製造する製品の形状や用途によって、適宜樹脂の含有率を変更できる。
第3工程は、前記高融点の樹脂3aを塗布し積層した上に、前記高融点の樹脂3aより融点が低い低融点の樹脂4aを所定の間隔を空けて筋状に塗布し、筋状の低融点樹脂層4を積層する。
前記低融点の樹脂4aは、加熱により液体となる温度が低い樹脂であるが、本発明において融点が低いとは、すなわち前記高融点の樹脂3aと比して融点が低いものである。
例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル系の各樹脂を、融点が80〜100℃となるように構成したものが挙げられ、特に融点が85〜95℃の熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド又は熱可塑性ポリウレタンとポリアミドを混合したものが好適である。なお、ポリアミドは、熱可塑性であってもよい。
本実施例では、融点を85〜95℃に構成したポリアミドを用いているが、この構成であれば、後述する加熱プレスによって溶解し裏生地2aと表生地2bをしっかり接着して羽毛が抜けにくい間壁40を形成することができる。
融点が80〜100℃となるように構成する低融点の樹脂4aの例としては、ポリアミドを主材とする樹脂で、ポリアミドの含有量が50〜100%のものが挙げられるが、加熱プレスした際に前記高融点の樹脂3aとなじみがよく、かつ接着力が高く、しっかり間壁を形成することができる構成であれば特に限定されない。
例えば、本実施例における羽毛入り製品1がパンツの場合には、およそ15〜25cm程度の間隔で低融点の樹脂4aを塗布する。これはあまり狭いと、羽毛7を充填するときに、隅々まで行き渡らず保温性の低下を招き、あまり広いと羽毛7が動きすぎて偏りやすくなるからで、好ましくは18〜22cm程度であれば羽毛7の充填作業の効率がよく、かつ隅々まで十分に羽毛充填作業を行うことができ、デザイン性の高い羽毛入り製品1を製造することができる。
第4工程では、図3に示すように、裏面に高融点の樹脂3aを塗布し高融点樹脂層3を形成した表生地2bを準備する。なお、表生地2bに高融点の樹脂3aを塗布する工程の順番は、特に限定するものではなく、製造ラインの構成等により、裏生地2aに塗布すると同時に表生地2bに塗布してもよい。
そして、前記表生地2bを、前記裏生地2aの低融点樹脂層4を積層した上に配置する。
これにより、表生地2bと裏生地2aの間に、低融点の樹脂4aによる低融点樹脂層4が配置された状態となる。そして、筋状に塗布された低融点樹脂層4と低融点樹脂層4の間に空隙部が形成され、該空隙部が羽毛を充填する空隙部5を構成する(第5工程)。なお、表生地2bには、必ずしも高融点の樹脂3aを塗布する必要はなく、高融点の樹脂3aを塗布しない状態で、裏生地2a上に配置してもよい。
第6工程では図4に示すように、前記裏生地2aの上に表生地2bを配置した状態で、前記高融点の樹脂3aの融点温度より低く、かつ前記低融点の樹脂4aの融点温度より高い温度で加熱プレスして、裏生地2aと表生地2bを低融点の樹脂4aで接着する。この接着により、低融点樹脂層4が間壁40を形成する。
例えば、高融点の樹脂3aとして150℃が融点となるように構成された樹脂を使い、低融点の樹脂4aとして、90℃が融点となるように構成された樹脂を使った場合、100〜140℃内の温度に設定したプレス機で加圧する。
この設定であれば、低融点の樹脂4aは加熱により液状となり、積層された裏生地2aと表生地2bを、低融点樹脂層4部分で接着することができ、筋状に塗布された低融点樹脂層4がそのまま間壁40を形成し、その筋間に空隙部5を形成する。そして、その後冷却することで、羽毛入り製品用の積層体10を完成させる(第7工程)。
第8工程では、第7工程でできた積層体10を、羽毛入り製品1の製造に必要なパーツの形状に裁断する。
第6工程で加熱プレスされて形成された積層体10は、1枚の生地のごとく形成されている。したがって、前記積層体10は、一般に衣服類や布団類を製造するために裁断される生地と同じようにパーツの型に合わせて裁断することができる。
図5では、パンツを製造するために必要な前パンツパーツ6aと後パンツパーツ6bが、所定の型に裁断されている。なお、図中点線部が、低融点の樹脂4aが溶けて裏生地2aと表生地2bが接着されている位置であり、その後冷却によって固まって間壁40を形成している部分である。
第9工程は、前記パーツに裁断された積層体10の各空隙部5に羽毛7を充填する工程となる。裁断により形成された空隙部5の開口部から、それぞれの空隙部5に任意の量の羽毛7が充填される。本実施例では、低融点の樹脂4aを20cm程度の間隔を空けて筋状に塗布したので、空隙部5の開口はおよそ18cm程度の広さがあり、奥の方まで羽毛7の充填が容易となっている。
前記「羽毛」とは、アヒルやガチョウなどの鳥のダウン(羽毛)やフェザー(羽根)のいずれをも含む総称である。したがって、空隙部5に充填する羽毛7はダウンだけで構成しても、フェザーだけで構成してもよく、ダウンとフェザーを混合してもよい。
なお、軽量で暖かく風合いが柔らかいことから天然の羽毛が好ましいが、本発明の構成は、人工羽毛、人工羽毛綿と呼ばれる合成繊維の疑似羽毛を用いてもよい。
第10工程では、前記空隙部5に羽毛7を充填した積層体10を用いて、羽毛入り製品1を仕上げる。図6に示す例では、パンツを製造するために必要なパーツとして、前パンツパーツ6aを2枚、後パンツパーツ6bを2枚、その他ベルト部パーツ6cが準備され、各前パンツパーツ6aと後パンツパーツ6bを縫い合わせし、ベルト部パーツ6c等を取り付けて羽毛入り製品1を完成させる。
前記積層体10は一枚の生地のように扱えるので、各パーツ6a、6b、6cの縫合もしやすいものとなっている。
裏生地2a及び表生地2bに蜘蛛の巣状の樹脂層を形成する高融点の樹脂3aも、前記したように、例えば、ポリウレタン、ポリアミドポリオレフィン、ポリエステル系の各樹脂を120〜160℃の融点に構成したものを使うことができる。
特に蜘蛛の巣状に繊維状されたポリウレタンは伸縮性に優れ、接着力が高く好適に用いられる。
高融点の樹脂3aを蜘蛛の巣状に噴霧し、加熱プレスして成形すると、蜘蛛の巣状に噴霧された樹脂が溶けて多数の通気孔が形成されるので、通気性が高く蒸れにくい羽毛入り製品を製造することができる。なお、その際には、裏生地2a及び表生地2bの生地を羽毛7が抜け出しにくい素材とすることが好ましい。
また、このような製品の一部に本発明にかかる製造方法を用いることもできる。
例えば、ジャケットの前身頃となるパーツだけ、あるいはパンツの前パンツパーツだけ積層体10を採用するということも可能であり、用途やデザインに合わせて製造することができる。
2a 裏生地
2b 表生地
3 高融点樹脂層
3a 高融点の樹脂
4 低融点樹脂層
4a 低融点の樹脂
5 空隙部
6a 前パンツパーツ
6b 後パンツパーツ
6c ベルト部パーツ
7 羽毛
10 積層体
40 間壁
Claims (10)
- 表生地と裏生地を備え、その間に所定間隔で間壁を設け空隙部を形成し、該空隙部に羽毛を充填してなる羽毛入り製品の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする羽毛入り製品の製造方法。
〈1〉裏生地の裏面を上にして配置する工程、
〈2〉前記裏生地の裏面に高融点の樹脂を塗布し高融点樹脂層を積層する工程、
〈3〉前記高融点の樹脂を塗布し積層した上に、前記高融点の樹脂より融点が低い低融点の樹脂を、所定間隔空けて筋状に塗布し、筋状の低融点樹脂層を積層する工程、
〈4〉表生地の裏面に高融点の樹脂を塗布し高融点樹脂層を積層する工程、
〈5〉前記表生地を、前記裏生地の低融点樹脂層を積層した上に配置する工程、
〈6〉前記裏生地の上に表生地を配置した状態で、前記高融点の樹脂の融点温度より低く、かつ前記低融点の樹脂の融点温度より高い温度で加熱プレスする工程、
〈7〉前記加熱プレス後に冷却し、羽毛入り製品用の積層体を形成する工程、
〈8〉前記積層体を、羽毛入り製品の製造に必要なパーツの形状に裁断する工程、
〈9〉前記パーツに裁断された積層体の筋状に積層された低融点樹脂間に形成された空隙部に羽毛を充填する工程、
〈10〉前記空隙部に羽毛を充填した積層体を用いて、羽毛入り製品を仕上げる工程。 - 前記高融点の樹脂が、融点が120〜160℃の樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の羽毛入り製品の製造方法。
- 前記高融点の樹脂が、融点が130〜150℃の熱可塑性ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の羽毛入り製品の製造方法。
- 前記低融点の樹脂が、融点が80〜100℃の樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の羽毛入り製品の製造方法。
- 前記低融点の樹脂が、融点が85〜95℃の熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド又は熱可塑性ポリウレタンとポリアミドを混合したものであることを特徴とする請求項1に記載の羽毛入り製品の製造方法。
- 請求項1に記載の製造方法において、表生地及び裏生地に塗布され積層される高融点樹脂層が、高融点の樹脂を蜘蛛の巣状に噴霧して積層される蜘蛛の巣状の樹脂層であることを特徴とする羽毛入り製品の製造方法。
- 前記羽毛入り製品が、パンツ、ジャケット、ベスト、帽子、布団、こたつ掛けのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の羽毛入り製品の製造方法。
- 請求項1に記載の羽毛入り製品の製造方法で製造されることを特徴とする羽毛入り製品。
- 請求項1に記載の羽毛入り製品の製造方法で製造される積層体が、羽毛入り製品の少なくともその一部に用いられてなることを特徴とする羽毛入り製品。
- 表生地と裏生地を備え、その間に所定間隔で間壁を設け空隙部を形成し、該空隙部に羽毛を充填してなる羽毛入り製品の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする羽毛入り製品の製造方法。
〈1〉裏生地の裏面を上にして配置する工程、
〈2〉前記裏生地の裏面に高融点の樹脂を塗布し高融点樹脂層を積層する工程、
〈3〉前記高融点の樹脂を塗布し積層した上に、前記高融点の樹脂より融点が低い低融点の樹脂を、所定間隔空けて筋状に塗布し、筋状の低融点樹脂層を積層する工程、
〈5〉表生地を、前記裏生地の低融点樹脂層を積層した上に配置する工程、
〈6〉前記裏生地の上に表生地を配置した状態で、前記高融点の樹脂の融点温度より低く、かつ前記低融点の樹脂の融点温度より高い温度で加熱プレスする工程、
〈7〉前記加熱プレス後に冷却し、羽毛入り製品用の積層体を形成する工程、
〈8〉前記積層体を、羽毛入り製品の製造に必要なパーツの形状に裁断する工程、
〈9〉前記パーツに裁断された積層体の筋状に積層された低融点樹脂間に形成された空隙部に羽毛を充填する工程、
〈10〉前記空隙部に羽毛を充填した積層体を用いて、羽毛入り製品を仕上げる工程。
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