JP2020186366A - β型結晶含有プロピレン系重合体の製造方法、β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒の製造方法およびβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒 - Google Patents
β型結晶含有プロピレン系重合体の製造方法、β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒の製造方法およびβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】幅広い結晶化条件においてβ型結晶を生成しやすい新規なプロピレン系重合体の製造方法、当該製造方法に好適に用いられるオレフィン重合用予備重合触媒を提供する。【解決手段】下記成分(A−1)、(A−2)、(A−3)及び(A−4)を接触させることにより得られたオレフィン重合用触媒(A)の存在下で、下記成分(B−1)を成分(A−1)1質量部に対し0.1質量部以上の比率で重合させることにより、予備重合触媒(B)を調製する工程、及び、当該予備重合触媒(B)の存在下でプロピレンを含むオレフィンを重合させる工程を含むβ型結晶含有プロピレン系重合体の製造方法である。成分(A−1):マグネシウム(A−1a)、チタン(A−1b)、ハロゲン(A−1c)及び内部ドナーとしての電子供与性化合物(A−1d)を必須成分として含有してなる固体触媒成分、成分(A−2):有機アルミニウム化合物、成分(A−3):アルコキシシラン化合物、成分(A−4):ビニルシラン化合物、成分(B−1):アリルケイ素化合物。【選択図】なし
Description
本発明は、β晶型ポリプロピレン系重合体の製造方法に関する。
ポリプロピレンには、α型結晶(単斜晶)、β型結晶(六方晶)、γ型結晶(三斜晶)の結晶構造が存在し、通常市販されるポリプロピレン樹脂はほぼα型に属している。β晶型ポリプロピレン樹脂は、α晶型ポリプロピレン樹脂と比較して密度が低く、融点が低いなどの特徴があり、こうした特徴を生かして微多孔性フィルムや粗表面フィルムなどの用途が提案されている(例えば、特許文献1〜6など)。β晶型ポリプロピレン樹脂を得る方法としては、α晶型ポリプロピレン樹脂に対してβ晶核剤を添加する方法が広く一般的に行われる(例えば、特許文献7〜10など)。
ところで、α晶型ポリプロピレン樹脂に関しては、チーグラー触媒に対してポリプロピレンよりも融点の高いポリマーを予備重合で製造することで、該予備重合により得られたポリマー(予備重合ポリマー)を結晶化核剤(高分子核剤)として作用させる技術が提案されている。こうした高分子核剤予備重合技術は、α型結晶の発生効率を効果的に高め、弾性率、透明性といった特性を改良することが示されている(例えば、特許文献11〜14など)。
ところで、α晶型ポリプロピレン樹脂に関しては、チーグラー触媒に対してポリプロピレンよりも融点の高いポリマーを予備重合で製造することで、該予備重合により得られたポリマー(予備重合ポリマー)を結晶化核剤(高分子核剤)として作用させる技術が提案されている。こうした高分子核剤予備重合技術は、α型結晶の発生効率を効果的に高め、弾性率、透明性といった特性を改良することが示されている(例えば、特許文献11〜14など)。
上記したように、β晶型ポリプロピレン樹脂はα晶型ポリプロピレン樹脂と比してユニークな特性を製品に持たせられることから産業用シートもしくはフィルムなどとしての利用が期待される一方で、β晶核剤の添加によりβ型結晶を発生させる方法については、その添加により臭気や着色の発生、電気絶縁性が悪化するといった懸念が存在しており、更なる改良が望まれていた。
また、β型結晶の発生機構は明確になっていないが、こうしたβ晶核剤の添加による方法においてβ型結晶を目的量発生させるためには、結晶化温度に近い温度で徐冷を行うなどの特定の結晶化条件を採用しなければならず、更なる改良が求められていた。
また、チーグラー触媒に対してポリプロピレンよりも融点の高いポリマーを予備重合にて製造し、該高融点ポリマーを結晶化核剤として作用させる技術においては、β型結晶を十分な割合で発生させる方法は知られておらず、また、従来の高分子核剤予備重合触媒は触媒1gあたりのα−オレフィンポリマーの生産性が低いことが知られており、これらの問題点について改良が求められていた。
また、β型結晶の発生機構は明確になっていないが、こうしたβ晶核剤の添加による方法においてβ型結晶を目的量発生させるためには、結晶化温度に近い温度で徐冷を行うなどの特定の結晶化条件を採用しなければならず、更なる改良が求められていた。
また、チーグラー触媒に対してポリプロピレンよりも融点の高いポリマーを予備重合にて製造し、該高融点ポリマーを結晶化核剤として作用させる技術においては、β型結晶を十分な割合で発生させる方法は知られておらず、また、従来の高分子核剤予備重合触媒は触媒1gあたりのα−オレフィンポリマーの生産性が低いことが知られており、これらの問題点について改良が求められていた。
本発明の目的は、β晶型ポリプロピレンを十分な割合で含有しているプロピレン系重合体の製造方法、当該製造方法に好適に用いられるβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒、及び、当該予備重合触媒の製造方法を提供することを目的としたものである。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、プロピレンを含むオレフィンモノマーを重合する際に、固体触媒成分にビニルシラン化合物との接触を含む所定の処理を行った後に、続けてアリルケイ素化合物にて予備重合を行って得られた予備重合触媒の存在下にオレフィン重合を行うことで、一定以上の割合でβ型結晶を有するポリプロピレン系重合体を高効率に製造可能なことを見出し、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記成分(A−1)、(A−2)、(A−3)及び(A−4)を必須成分として接触させることにより得られたオレフィン重合用触媒(A)の存在下で、下記成分(B−1)をモノマーとして前記成分(A−1)である固体触媒成分(A−1)1質量部に対し0.1質量部以上の比率で重合させることにより、β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を調製する工程、及び、調製されたβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)の存在下で、少なくともプロピレンを含むオレフィンを重合させる工程を含むことを特徴とするβ型結晶含有プロピレン系重合体の製造方法が提供される。
成分(A−1):マグネシウム(A−1a)、チタン(A−1b)、ハロゲン(A−1c)及び内部ドナーとしての電子供与性化合物(A−1d)を必須成分として含有してなる固体触媒成分
成分(A−2):有機アルミニウム化合物
成分(A−3):アルコキシシラン化合物
成分(A−4):ビニルシラン化合物
成分(B−1):アリルケイ素化合物
成分(A−1):マグネシウム(A−1a)、チタン(A−1b)、ハロゲン(A−1c)及び内部ドナーとしての電子供与性化合物(A−1d)を必須成分として含有してなる固体触媒成分
成分(A−2):有機アルミニウム化合物
成分(A−3):アルコキシシラン化合物
成分(A−4):ビニルシラン化合物
成分(B−1):アリルケイ素化合物
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、使用されるビニルシラン化合物(A−4)がジビニルシランであることを特徴とするβ型結晶含有プロピレン系重合体の製造方法が提供される。
本発明の第3の発明によれば、第1又は第2の発明において、使用されるアリルケイ素化合物(B−1)がトリメチルアリルシランであることを特徴とするβ型結晶含有プロピレン系重合体の製造方法が提供される。
本発明の第3の発明によれば、第1又は第2の発明において、使用されるアリルケイ素化合物(B−1)がトリメチルアリルシランであることを特徴とするβ型結晶含有プロピレン系重合体の製造方法が提供される。
本発明の第4の発明によれば、下記成分(A−1)、(A−2)、(A−3)及び(A−4)を必須成分として接触させることにより得られたオレフィン重合用触媒(A)の存在下で、下記成分(B−1)をモノマーとして前記成分(A−1)である固体触媒成分(A−1)1質量部に対し0.1質量部以上の比率で重合させることを特徴とするβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒の製造方法が提供される。
成分(A−1):マグネシウム(A−1a)、チタン(A−1b)、ハロゲン(A−1c)及び内部ドナーとしての電子供与性化合物(A−1d)を必須成分として含有してなる固体触媒成分。
成分(A−2):有機アルミニウム化合物
成分(A−3):アルコキシシラン化合物
成分(A−4):ビニルシラン化合物
成分(B−1):アリルケイ素化合物
成分(A−1):マグネシウム(A−1a)、チタン(A−1b)、ハロゲン(A−1c)及び内部ドナーとしての電子供与性化合物(A−1d)を必須成分として含有してなる固体触媒成分。
成分(A−2):有機アルミニウム化合物
成分(A−3):アルコキシシラン化合物
成分(A−4):ビニルシラン化合物
成分(B−1):アリルケイ素化合物
本発明の第5の発明によれば、下記成分(A−1)、(A−2)、(A−3)及び(A−4)を必須成分として接触させることにより得られたオレフィン重合用触媒(A)、及び、β晶核剤として下記成分(B−1)’を含み、当該成分(B−1)’を、前記成分(A−1)である固体触媒成分(A−1)1質量部に対し、0.1質量部以上の比率で含有することを特徴とするβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒が提供される。
成分(A−1):マグネシウム(A−1a)、チタン(A−1b)、ハロゲン(A−1c)及び内部ドナーとしての電子供与性化合物(A−1d)を必須成分として含有してなる固体触媒成分。
成分(A−2):有機アルミニウム化合物
成分(A−3):アルコキシシラン化合物
成分(A−4):ビニルシラン化合物
成分(B−1)’:ポリ(アリルケイ素化合物)
成分(A−1):マグネシウム(A−1a)、チタン(A−1b)、ハロゲン(A−1c)及び内部ドナーとしての電子供与性化合物(A−1d)を必須成分として含有してなる固体触媒成分。
成分(A−2):有機アルミニウム化合物
成分(A−3):アルコキシシラン化合物
成分(A−4):ビニルシラン化合物
成分(B−1)’:ポリ(アリルケイ素化合物)
本発明によれば、十分な割合のβ型結晶を含有しているプロピレン系重合体を高い触媒効率にて製造可能となる。
本発明のβ型結晶含有プロピレン系重合体の製造方法は、下記成分(A−1)、(A−2)、(A−3)及び(A−4)を必須成分として接触させることにより得られたオレフィン重合用触媒(A)の存在下で、下記成分(B−1)をモノマーとして前記成分(A−1)である固体触媒成分(A−1)1質量部に対し0.1質量部以上の比率で重合させることにより、β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を調製する工程、及び、調製されたβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)の存在下で、少なくともプロピレンを含むオレフィンを重合させる工程を含むことを特徴とする。
成分(A−1):マグネシウム(A−1a)、チタン(A−1b)、ハロゲン(A−1c)及び内部ドナーとしての電子供与性化合物(A−1d)を必須成分として含有してなる固体触媒成分
成分(A−2):有機アルミニウム化合物
成分(A−3):アルコキシシラン化合物
成分(A−4):ビニルシラン化合物
成分(B−1):アリルケイ素化合物
成分(A−1):マグネシウム(A−1a)、チタン(A−1b)、ハロゲン(A−1c)及び内部ドナーとしての電子供与性化合物(A−1d)を必須成分として含有してなる固体触媒成分
成分(A−2):有機アルミニウム化合物
成分(A−3):アルコキシシラン化合物
成分(A−4):ビニルシラン化合物
成分(B−1):アリルケイ素化合物
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において数値範囲を示す「〜」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
1.オレフィン重合用触媒(A)の調製に用いられる成分
本発明で用いるオレフィン重合用触媒は、成分(A−1):マグネシウム(A−1a)、チタン(A−1b)、ハロゲン(A−1c)及び内部ドナーとしての電子供与性化合物(A−1d)を必須成分として含有してなる固体触媒成分、(A−2):有機アルミニウム化合物、(A−3):アルコキシシラン化合物、及び、(A−4):ビニルシラン化合物を必須成分として構成される。
本発明で用いるオレフィン重合用触媒は、成分(A−1):マグネシウム(A−1a)、チタン(A−1b)、ハロゲン(A−1c)及び内部ドナーとしての電子供与性化合物(A−1d)を必須成分として含有してなる固体触媒成分、(A−2):有機アルミニウム化合物、(A−3):アルコキシシラン化合物、及び、(A−4):ビニルシラン化合物を必須成分として構成される。
(A−1)固体触媒成分
マグネシウム、チタン、ハロゲン及び内部ドナーとしての電子供与性化合物を必須成分として含有してなる固体触媒成分そのものは、公知のものを用いることができる。ここで、「必須成分として含有する」というのは、上記の4成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で任意の成分を任意の形態で含んでも良いことを意味する。
マグネシウム、チタン、ハロゲン及び内部ドナーとしての電子供与性化合物を必須成分として含有してなる固体触媒成分そのものは、公知のものを用いることができる。ここで、「必須成分として含有する」というのは、上記の4成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で任意の成分を任意の形態で含んでも良いことを意味する。
(A−1a)マグネシウム
マグネシウム(A−1a)のマグネシウム源としては、任意のマグネシウム化合物を用いることができる。マグネシウム化合物の代表的な例としては、特開平3−234707号公報に開示されている化合物を挙げることができる。
一般的には、塩化マグネシウムに代表されるハロゲン化マグネシウム化合物類、ジエトキシマグネシウムに代表されるアルコキシマグネシウム化合物類、金属マグネシウム、酸化マグネシウムに代表されるオキシマグネシウム化合物類、水酸化マグネシウムに代表されるヒドロキシマグネシウム化合物類、ブチルマグネシウムクロライドに代表されるグリニャール化合物類、ブチルエチルマグネシウムに代表される有機マグネシウム化合物類、炭酸マグネシウムやステアリン酸マグネシウムに代表される無機酸及び有機酸のマグネシウム塩化合物類、及びそれらの混合物や平均組成式がそれらの混合された式となる化合物(例えば、Mg(OEt)mCl2−m;0<m<2などの化合物)、などを用いることができる。
これらの中で好ましいのは、塩化マグネシウム、ジエトキシマグネシウム、金属マグネシウム、ブチルマグネシウムクロライドである。
マグネシウム(A−1a)のマグネシウム源としては、任意のマグネシウム化合物を用いることができる。マグネシウム化合物の代表的な例としては、特開平3−234707号公報に開示されている化合物を挙げることができる。
一般的には、塩化マグネシウムに代表されるハロゲン化マグネシウム化合物類、ジエトキシマグネシウムに代表されるアルコキシマグネシウム化合物類、金属マグネシウム、酸化マグネシウムに代表されるオキシマグネシウム化合物類、水酸化マグネシウムに代表されるヒドロキシマグネシウム化合物類、ブチルマグネシウムクロライドに代表されるグリニャール化合物類、ブチルエチルマグネシウムに代表される有機マグネシウム化合物類、炭酸マグネシウムやステアリン酸マグネシウムに代表される無機酸及び有機酸のマグネシウム塩化合物類、及びそれらの混合物や平均組成式がそれらの混合された式となる化合物(例えば、Mg(OEt)mCl2−m;0<m<2などの化合物)、などを用いることができる。
これらの中で好ましいのは、塩化マグネシウム、ジエトキシマグネシウム、金属マグネシウム、ブチルマグネシウムクロライドである。
(A−1b)チタン
チタン(A―1b)のチタン源としては、任意のチタン化合物を用いることができる。チタン化合物の代表的な例としては、特開平3−234707号公報に開示されている化合物を挙げることができる。チタンの価数に関しては、4価、3価、2価、0価の任意の価数を持つチタン化合物を用いることができるが、好ましくは4価および3価のチタン化合物、更に好ましくは4価のチタン化合物を用いることが好ましい。
4価のチタン化合物の具体例としては、四塩化チタンに代表されるハロゲン化チタン化合物類、テトラブトキシチタンに代表されるアルコキシチタン化合物類、テトラブトキシチタンダイマー(BuO)3Ti−O−Ti(OBu)3に代表されるTi−O−Ti結合を有するアルコキシチタンの縮合化合物類、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライドに代表される有機金属チタン化合物類、などを挙げることが出来る。この中で、四塩化チタンとテトラブトキシチタンが特に好ましい。
3価のチタン化合物の具体例としては、三塩化チタンに代表されるハロゲン化チタン化合物類を挙げることが出来る。三塩化チタンは、水素還元型、金属アルミニウム還元型、金属チタン還元型、有機アルミニウム還元型など、公知の任意の方法で製造された化合物を用いることが出来る。
上記のチタン化合物類は単独で用いるだけではなく、複数の化合物を併用することも可能である。また、上記チタン化合物類の混合物や平均組成式がそれらの混合された式となる化合物(例えば、Ti(OBu)mCl4−m;0<m<4などの化合物)、また、フタル酸エステル等のその他の化合物との錯化物(例えば、Ph(CO2Bu)2・TiCl4などの化合物)、などを用いることが出来る。
チタン(A―1b)のチタン源としては、任意のチタン化合物を用いることができる。チタン化合物の代表的な例としては、特開平3−234707号公報に開示されている化合物を挙げることができる。チタンの価数に関しては、4価、3価、2価、0価の任意の価数を持つチタン化合物を用いることができるが、好ましくは4価および3価のチタン化合物、更に好ましくは4価のチタン化合物を用いることが好ましい。
4価のチタン化合物の具体例としては、四塩化チタンに代表されるハロゲン化チタン化合物類、テトラブトキシチタンに代表されるアルコキシチタン化合物類、テトラブトキシチタンダイマー(BuO)3Ti−O−Ti(OBu)3に代表されるTi−O−Ti結合を有するアルコキシチタンの縮合化合物類、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライドに代表される有機金属チタン化合物類、などを挙げることが出来る。この中で、四塩化チタンとテトラブトキシチタンが特に好ましい。
3価のチタン化合物の具体例としては、三塩化チタンに代表されるハロゲン化チタン化合物類を挙げることが出来る。三塩化チタンは、水素還元型、金属アルミニウム還元型、金属チタン還元型、有機アルミニウム還元型など、公知の任意の方法で製造された化合物を用いることが出来る。
上記のチタン化合物類は単独で用いるだけではなく、複数の化合物を併用することも可能である。また、上記チタン化合物類の混合物や平均組成式がそれらの混合された式となる化合物(例えば、Ti(OBu)mCl4−m;0<m<4などの化合物)、また、フタル酸エステル等のその他の化合物との錯化物(例えば、Ph(CO2Bu)2・TiCl4などの化合物)、などを用いることが出来る。
(A−1c)ハロゲン
固体触媒成分(A−1)中のハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素またはこれらの混合物であってもよく、特に塩素が好ましい。
ハロゲンは、上述のマグネシウム又は及びチタンのハロゲン化合物或いはそれら両方から添加されるのが普通であるが、他のハロゲン源、例えばAlCl3、AlBr3、AlI3等のアルミニウムのハロゲン化物、BCl3、BBr3、BI3等のホウ素のハロゲン化物、SiCl4等のケイ素のハロゲン化物、PCl3、PCl5等のリンのハロゲン化物、WCl6等のタングステンのハロゲン化物、MoCl5等のモリブデンのハロゲン化物といった公知のハロゲン化剤から添加することもできる。
固体触媒成分(A−1)中のハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素またはこれらの混合物であってもよく、特に塩素が好ましい。
ハロゲンは、上述のマグネシウム又は及びチタンのハロゲン化合物或いはそれら両方から添加されるのが普通であるが、他のハロゲン源、例えばAlCl3、AlBr3、AlI3等のアルミニウムのハロゲン化物、BCl3、BBr3、BI3等のホウ素のハロゲン化物、SiCl4等のケイ素のハロゲン化物、PCl3、PCl5等のリンのハロゲン化物、WCl6等のタングステンのハロゲン化物、MoCl5等のモリブデンのハロゲン化物といった公知のハロゲン化剤から添加することもできる。
(A−1d)内部ドナーとしての電子供与性化合物
チーグラー・ナッタ(ZN)触媒を用いた重合技術においては、一般的に、内部ドナーと外部ドナーの働きが異なると考えられている。
内部ドナーは、チタン化合物がマグネシウム化合物に担持され活性点を形成する際に同時に使用されるドナーであり、チタン原子が配位する場所を制御したり、配位するチタン原子の電子状態を変化させたりする。
一方で、外部ドナーは既にできている活性点の性質を変えるものであり、例えば、調製された固体触媒成分(A−1)に対して、さらに外部ドナーを使用することで、高立体特異的な活性点に変化したり,非晶成分を生成する活性点を被毒したりすることができるため、より高立体規則性及び非晶成分の少ないプロピレン系重合体を生成することが可能である。
電子供与性化合物(内部ドナー)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸類のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類のような含酸素電子供与性化合物、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネートのような含窒素電子供与性化合物、スルホン酸エステルのような含硫黄電子供与性化合物などを例示することができる。具体例としては、特開2010−70584号公報の段落0037に記載の化合物が挙げられる。
これらの中で好ましいのは、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘプチルに代表されるフタル酸エステル化合物類、フタロイルジクロライドに代表されるフタル酸ハライド化合物類、2−n−ブチル−マロン酸ジエチルの様な2位に一つ又は二つの置換基を有するマロン酸エステル化合物類、2−n−ブチル−コハク酸ジエチルの様な2位に一つ又は二つの置換基若しくは2位と3位にそれぞれ一つ以上の置換基を有するコハク酸エステル化合物類、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパンや2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパンの様な2位に一つ又は二つの置換基を有する1,3−ジメトキシプロパンに代表される脂肪族多価エーテル化合物類、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンに代表される芳香族の遊離基を分子内に有する多価エーテル化合物類、などである。
これらの電子供与性化合物は、単独で用いるだけでなく、複数の化合物を併用することも出来る。
チーグラー・ナッタ(ZN)触媒を用いた重合技術においては、一般的に、内部ドナーと外部ドナーの働きが異なると考えられている。
内部ドナーは、チタン化合物がマグネシウム化合物に担持され活性点を形成する際に同時に使用されるドナーであり、チタン原子が配位する場所を制御したり、配位するチタン原子の電子状態を変化させたりする。
一方で、外部ドナーは既にできている活性点の性質を変えるものであり、例えば、調製された固体触媒成分(A−1)に対して、さらに外部ドナーを使用することで、高立体特異的な活性点に変化したり,非晶成分を生成する活性点を被毒したりすることができるため、より高立体規則性及び非晶成分の少ないプロピレン系重合体を生成することが可能である。
電子供与性化合物(内部ドナー)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸類のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類のような含酸素電子供与性化合物、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネートのような含窒素電子供与性化合物、スルホン酸エステルのような含硫黄電子供与性化合物などを例示することができる。具体例としては、特開2010−70584号公報の段落0037に記載の化合物が挙げられる。
これらの中で好ましいのは、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘプチルに代表されるフタル酸エステル化合物類、フタロイルジクロライドに代表されるフタル酸ハライド化合物類、2−n−ブチル−マロン酸ジエチルの様な2位に一つ又は二つの置換基を有するマロン酸エステル化合物類、2−n−ブチル−コハク酸ジエチルの様な2位に一つ又は二つの置換基若しくは2位と3位にそれぞれ一つ以上の置換基を有するコハク酸エステル化合物類、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパンや2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパンの様な2位に一つ又は二つの置換基を有する1,3−ジメトキシプロパンに代表される脂肪族多価エーテル化合物類、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンに代表される芳香族の遊離基を分子内に有する多価エーテル化合物類、などである。
これらの電子供与性化合物は、単独で用いるだけでなく、複数の化合物を併用することも出来る。
本発明における固体触媒成分(A−1)を構成する各成分(A−1a)〜(A−1d)の使用量の量比は、本発明の効果を損なわない範囲で任意であるが、一般的には次の範囲内であることが好ましい。
チタン化合物の使用量は、使用するマグネシウム化合物の使用量に対してモル比(チタン化合物のモル数/マグネシウム化合物のモル数)で、好ましくは0.0001〜1,000の範囲内であり、特に好ましくは0.01〜10の範囲内である。
マグネシウム化合物及びチタン化合物以外にハロゲン源となる化合物を使用する場合は、その使用量はマグネシウム化合物及びチタン化合物の各々がハロゲンを含むか含まないかに関わらず、使用するマグネシウム化合物の使用量に対してモル比(ハロゲン源となる化合物のモル数/マグネシウム化合物のモル数)で、好ましくは0.01〜1,000の範囲内であり、特に好ましくは0.1〜100の範囲内である。
電子供与性化合物の使用量は、使用するマグネシウム化合物の量に対してモル比(電子供与性化合物のモル数/マグネシウム化合物のモル数)で、好ましくは0.001〜10の範囲内であり、特に好ましくは0.01〜5の範囲内である。
チタン化合物の使用量は、使用するマグネシウム化合物の使用量に対してモル比(チタン化合物のモル数/マグネシウム化合物のモル数)で、好ましくは0.0001〜1,000の範囲内であり、特に好ましくは0.01〜10の範囲内である。
マグネシウム化合物及びチタン化合物以外にハロゲン源となる化合物を使用する場合は、その使用量はマグネシウム化合物及びチタン化合物の各々がハロゲンを含むか含まないかに関わらず、使用するマグネシウム化合物の使用量に対してモル比(ハロゲン源となる化合物のモル数/マグネシウム化合物のモル数)で、好ましくは0.01〜1,000の範囲内であり、特に好ましくは0.1〜100の範囲内である。
電子供与性化合物の使用量は、使用するマグネシウム化合物の量に対してモル比(電子供与性化合物のモル数/マグネシウム化合物のモル数)で、好ましくは0.001〜10の範囲内であり、特に好ましくは0.01〜5の範囲内である。
(A−2)有機アルミニウム化合物
本発明で用いる有機アルミニウム化合物としては、下記の一般式(1)で表される化合物を用いることが好ましい。
[一般式(1)]
R1 sAlXt(OR2)u
(一般式(1)中、R1は炭化水素基であり、Xはハロゲン又は水素原子であり、R2は炭素数1〜20の炭化水素基又はアルミニウムによる架橋基であり、s、t、uはそれぞれ1≦s≦3、0≦t<2、0≦u≦2、s+t+u=3である。)
本発明で用いる有機アルミニウム化合物としては、下記の一般式(1)で表される化合物を用いることが好ましい。
[一般式(1)]
R1 sAlXt(OR2)u
(一般式(1)中、R1は炭化水素基であり、Xはハロゲン又は水素原子であり、R2は炭素数1〜20の炭化水素基又はアルミニウムによる架橋基であり、s、t、uはそれぞれ1≦s≦3、0≦t<2、0≦u≦2、s+t+u=3である。)
一般式(1)中、R1は炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8、特に好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基である。R1の具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、などを挙げることができる。この中で、メチル基、エチル基、イソブチル基が最も好ましい。
式中、Xは、ハロゲン又は水素原子である。Xとして用いることのできるハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、沃素などを例示することができる。この中で、塩素が特に好ましい。
式中、R2は、炭素数1〜20の炭化水素基又はアルミニウムによる架橋基である。R2が炭化水素基である場合には、R1の炭化水素基の例示と同じ群からR2を選択することができる。
また、有機アルミニウム化合物(A−2)として、メチルアルモキサンに代表されるアルモキサン化合物類を用いることも可能であり、その場合R2は、アルミニウムによる架橋基を表す。
ここで、アルミニウムによる架橋基とは、上記一般式(1)からR2を取り除いた構造を有する残基の2つ以上を架橋するか、又は、上記一般式(1)からR2を取り除いた構造を有する残基と炭化水素基を架橋するアルミニウム原子を意味する。
具体例としては、(a)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、(b)ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、(c)ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、(d)ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシドなどが挙げられる。中でも、トリエチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムが好ましい。
有機アルミニウム化合物は単独の化合物を用いるだけでなく、複数の化合物を併用することもできる。
一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物(A−2)の使用量は、固体成分(A―1)を構成するチタン成分に対するアルミニウムの原子比(アルミニウム原子のモル数/チタン原子のモル数)で、好ましくは0.1〜100の範囲内であり、特に好ましくは1〜50の範囲内である。
式中、Xは、ハロゲン又は水素原子である。Xとして用いることのできるハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、沃素などを例示することができる。この中で、塩素が特に好ましい。
式中、R2は、炭素数1〜20の炭化水素基又はアルミニウムによる架橋基である。R2が炭化水素基である場合には、R1の炭化水素基の例示と同じ群からR2を選択することができる。
また、有機アルミニウム化合物(A−2)として、メチルアルモキサンに代表されるアルモキサン化合物類を用いることも可能であり、その場合R2は、アルミニウムによる架橋基を表す。
ここで、アルミニウムによる架橋基とは、上記一般式(1)からR2を取り除いた構造を有する残基の2つ以上を架橋するか、又は、上記一般式(1)からR2を取り除いた構造を有する残基と炭化水素基を架橋するアルミニウム原子を意味する。
具体例としては、(a)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、(b)ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、(c)ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、(d)ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシドなどが挙げられる。中でも、トリエチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムが好ましい。
有機アルミニウム化合物は単独の化合物を用いるだけでなく、複数の化合物を併用することもできる。
一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物(A−2)の使用量は、固体成分(A―1)を構成するチタン成分に対するアルミニウムの原子比(アルミニウム原子のモル数/チタン原子のモル数)で、好ましくは0.1〜100の範囲内であり、特に好ましくは1〜50の範囲内である。
(A−3)アルコキシシラン化合物
本発明で用いるアルコキシシラン化合物としては、下記一般式(2)にて表される化合物を用いることが好ましい。
[一般式(2)]
R3R4 fSi(OR5)g
(R3は、炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基を表す。R4は、水素、ハロゲン、炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基を表す。R5は、炭化水素基を表す。f,gは0≦f≦2,1≦g≦3,f+g=3を満たす数値である。)
本発明で用いるアルコキシシラン化合物としては、下記一般式(2)にて表される化合物を用いることが好ましい。
[一般式(2)]
R3R4 fSi(OR5)g
(R3は、炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基を表す。R4は、水素、ハロゲン、炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基を表す。R5は、炭化水素基を表す。f,gは0≦f≦2,1≦g≦3,f+g=3を満たす数値である。)
一般式(2)において、R3は、炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基を表す。R3が炭化水素基である場合は、一般に炭素数1〜20、好ましくは炭素数3〜10のものである。具体的な例としては、n−プロピル基に代表される直鎖状脂肪族炭化水素基、i−プロピル基やt−ブチル基に代表される分岐状脂肪族炭化水素基、シクロペンチル基やシクロヘキシル基に代表される脂環式炭化水素基、フェニル基に代表される芳香族炭化水素基、などを挙げることができる。より好ましくは、R3として分岐状脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基を用いることが好ましく、とりわけ、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、テキシル基(1,1,2−トリメチルプロピル基)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、などを用いることが好ましい。
R3がヘテロ原子含有炭化水素基である場合は、ヘテロ原子が、窒素、酸素、硫黄、リン、ケイ素から選ばれることが好ましく、とりわけ、窒素又は酸素であることが好ましい。R3のヘテロ原子含有炭化水素基の骨格構造としては、R3が炭化水素基である場合の例示から選ぶことが好ましい。とりわけ、N,N−ジエチルアミノ基、キノリノ基、イソキノリノ基、などが好ましい。
R3がヘテロ原子含有炭化水素基である場合、当該ヘテロ原子含有炭化水素基は、ヘテロ原子含有炭化水素基を構成している炭素原子及びヘテロ原子のいずれの原子を介してSiと結合していても良い。
R3がヘテロ原子含有炭化水素基である場合は、ヘテロ原子が、窒素、酸素、硫黄、リン、ケイ素から選ばれることが好ましく、とりわけ、窒素又は酸素であることが好ましい。R3のヘテロ原子含有炭化水素基の骨格構造としては、R3が炭化水素基である場合の例示から選ぶことが好ましい。とりわけ、N,N−ジエチルアミノ基、キノリノ基、イソキノリノ基、などが好ましい。
R3がヘテロ原子含有炭化水素基である場合、当該ヘテロ原子含有炭化水素基は、ヘテロ原子含有炭化水素基を構成している炭素原子及びヘテロ原子のいずれの原子を介してSiと結合していても良い。
一般式(2)において、R4は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基を表す。R4として用いることのできるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、沃素、などを例示することができる。
R4が炭化水素基である場合は、一般に炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10のものである。具体的な例としては、メチル基やエチル基に代表される直鎖状脂肪族炭化水素基、i−プロピル基やt−ブチル基に代表される分岐状脂肪族炭化水素基、シクロペンチル基やシクロヘキシル基に代表される脂環式炭化水素基、フェニル基に代表される芳香族炭化水素基、などを挙げることができる。中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、テキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、などを用いることが好ましい。
R4がヘテロ原子含有炭化水素基である場合は、R3がヘテロ原子含有炭化水素基である場合の例示から選ぶことが好ましい。とりわけ、N,N−ジエチルアミノ基、キノリノ基、イソキノリノ基、などが好ましい。
R4がヘテロ原子含有炭化水素基である場合、当該ヘテロ原子含有炭化水素基は、ヘテロ原子含有炭化水素基を構成している炭素原子及びヘテロ原子のいずれの原子を介してSiと結合していても良い。
fの値が2の場合、二つあるR4は、同一であっても異なっても良い。また、fの値に関わらず、R4は、R3と同一であっても異なってもよい。
R4が炭化水素基である場合は、一般に炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10のものである。具体的な例としては、メチル基やエチル基に代表される直鎖状脂肪族炭化水素基、i−プロピル基やt−ブチル基に代表される分岐状脂肪族炭化水素基、シクロペンチル基やシクロヘキシル基に代表される脂環式炭化水素基、フェニル基に代表される芳香族炭化水素基、などを挙げることができる。中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、テキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、などを用いることが好ましい。
R4がヘテロ原子含有炭化水素基である場合は、R3がヘテロ原子含有炭化水素基である場合の例示から選ぶことが好ましい。とりわけ、N,N−ジエチルアミノ基、キノリノ基、イソキノリノ基、などが好ましい。
R4がヘテロ原子含有炭化水素基である場合、当該ヘテロ原子含有炭化水素基は、ヘテロ原子含有炭化水素基を構成している炭素原子及びヘテロ原子のいずれの原子を介してSiと結合していても良い。
fの値が2の場合、二つあるR4は、同一であっても異なっても良い。また、fの値に関わらず、R4は、R3と同一であっても異なってもよい。
一般式(2)において、R5は炭化水素基を表す。R5は、一般に炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5のものである。R5の具体的な例としては、メチル基やエチル基に代表される直鎖状脂肪族炭化水素基、i−プロピル基やt−ブチル基に代表される分岐状脂肪族炭化水素基、などを挙げることができる。中でも、メチル基とエチル基が好ましい。gの値が2以上である場合、複数存在するR5は、同一であっても異なってもよい。
本発明で用いることのできるアルコキシシラン化合物(A−3)の好ましい例としては、t−Bu(Me)Si(OMe)2、t−Bu(Me)Si(OEt)2、t−Bu(Et)Si(OMe)2、t−Bu(n−Pr)Si(OMe)2、c−Hex(Me)Si(OMe)2、c−Hex(Et)Si(OMe)2、c−Pen2Si(OMe)2、i−Pr2Si(OMe)2、i−Bu2Si(OMe)2、i−Pr(i−Bu)Si(OMe)2、n−Pr(Me)Si(OMe)2、t−BuSi(OEt)3、(Et2N)2Si(OMe)2、Et2N−Si(OEt)3、(Et2N)2(c−Pen)2Si、(Et2N)2(c−Pen)Si(OMe)などを挙げることができる。
ここで、Meはメチル、Etはエチル、t−Buはt−ブチル、n−Prはn−プロピル、i−Prはイソプロピル、c−Hexはシクロヘキシル、c−Penはシクロペンチルを表す。
アルコキシシラン化合物(A−3)は、単独で用いるだけでなく、複数の化合物を併用することもできる。
ここで、Meはメチル、Etはエチル、t−Buはt−ブチル、n−Prはn−プロピル、i−Prはイソプロピル、c−Hexはシクロヘキシル、c−Penはシクロペンチルを表す。
アルコキシシラン化合物(A−3)は、単独で用いるだけでなく、複数の化合物を併用することもできる。
一般式(2)で表されるアルコキシシラン化合物(A−3)の使用量は、本発明の効果を損なわない範囲で任意のものでありうるが、アルコキシシラン化合物(A−3)の使用量は、成分(A−1)を構成するチタン原子に対するモル比(アルコキシシラン化合物(A−3)のモル数/チタン原子のモル数)で、好ましくは0.01〜1,000の範囲内であり、より好ましくは0.1〜100の範囲内である。
本発明で用いられるアルコキシシラン化合物(A−3)は、活性中心となり得るチタン原子の近傍、例えばマグネシウム担体上のルイス酸点等、に配位し、触媒活性やポリマーの規則性といった触媒性能を制御していると考えられている。ただし、係る作用機構は本発明の技術的範囲を制限するものではない。
本発明で用いられるアルコキシシラン化合物(A−3)は、活性中心となり得るチタン原子の近傍、例えばマグネシウム担体上のルイス酸点等、に配位し、触媒活性やポリマーの規則性といった触媒性能を制御していると考えられている。ただし、係る作用機構は本発明の技術的範囲を制限するものではない。
(A−4)ビニルシラン化合物
本発明に用いられるビニルシラン化合物としては、モノシラン(SiH4)の水素原子の少なくとも一つがビニル基類で置換され、残りの水素原子の一部ないし全部がその他の遊離基に置き換えられた構造を持つ化合物であり、下記一般式(3)で表すことが出来る。
[一般式(3)]
[CH2=CH−]mSiXnR6 j(OR7)k
(一般式(3)中、Xはハロゲンを表す。R6は水素又は炭化水素基を表す。R7は水素又は炭化水素基又は有機ケイ素基を表す。1≦m≦4,0≦n≦3,0≦j≦3,0≦k≦2,m+n+j+k=4である。)
本発明に用いられるビニルシラン化合物としては、モノシラン(SiH4)の水素原子の少なくとも一つがビニル基類で置換され、残りの水素原子の一部ないし全部がその他の遊離基に置き換えられた構造を持つ化合物であり、下記一般式(3)で表すことが出来る。
[一般式(3)]
[CH2=CH−]mSiXnR6 j(OR7)k
(一般式(3)中、Xはハロゲンを表す。R6は水素又は炭化水素基を表す。R7は水素又は炭化水素基又は有機ケイ素基を表す。1≦m≦4,0≦n≦3,0≦j≦3,0≦k≦2,m+n+j+k=4である。)
一般式(3)中、mはビニル基の数を表し、1以上4以下の値を取る。より好ましくは、mの値は1又は2である事が望ましく、特に好ましくは2である。
一般式(3)中、Xはハロゲンを表し、フッ素、塩素、臭素、沃素を例示することが出来る。ハロゲンが複数存在する場合は、互いに同一であっても異なっても良い。この中で、塩素が特に好ましい。nはハロゲンの数を表し、0以上3以下の値を取る。より好ましくは、nの値は0以上2以下であり、特に好ましくは0である。
一般式(3)中、R6は水素又は炭化水素基を表し、好ましくは水素又は炭素数1〜20の炭化水素基、より好ましくは水素又は炭素数1〜12の炭化水素基である。好ましいR6の例としては、水素、メチル基やブチル基に代表されるアルキル基、シクロヘキシル基に代表されるシクロアルキル基、フェニル基に代表されるアリール基などを挙げることが出来る。特に好ましいR6の例としては、水素、メチル基、エチル基、フェニル基などを挙げることが出来る。jはR6の数を表し、0以上3以下の値を取る。より好ましくは、jの値は1以上3以下であり、更に好ましくは2以上3以下であり、特に好ましくは2である。jが2以上である場合、複数存在するR6は、互いに同一であっても異なっても良い。
一般式(3)中、R7は水素、炭化水素基又は有機ケイ素基を表す。R7が炭化水素基である場合は、R6と同一の例示群から選択することが出来る。R7が有機ケイ素基である場合は、炭素数1〜20の炭化水素基を有する有機ケイ素基であることが好ましい。R7として用いることの出来る有機ケイ素基の具体的な例としては、トリメチルシリル基に代表されるアルキル基含有ケイ素基、ジメチルフェニルシリル基に代表されるアリール基含有ケイ素基、ジメチルビニルシリル基に代表されるビニル基含有ケイ素基、およびプロピルフェニルビニルシリル基の様なそれらを組み合わせてなるケイ素基、などを挙げることが出来る。
kはR7の数を表し、0以上2以下の値を取る。ビニルトリエトキシシランの様にkの値が3に相当する化合物の場合では、本発明におけるビニルシラン化合物(A−4)としての性能は発現せず、本発明におけるアルコキシシラン化合物(A―3)としての性能を発現するため、ビニルシラン化合物(A−4)として使用するのは適していない。これは、構造的に近いt−ブチルトリエトキシシランと同じ様に振る舞うためと考えられる(このt−ブチルトリエトキシシランは本発明におけるアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物(A―3)として有効である)。より好ましくは、kの値は0以上1以下であり、特に好ましくは0である。kの値が2である場合、二つのR7はお互いに同一であっても異なっても良い。また、kの値に関わらず、R6とR7は同一であっても異なっても良い。
これらのビニルシラン化合物は、単独で用いるだけでなく、複数の化合物を併用することも出来る。
一般式(3)中、Xはハロゲンを表し、フッ素、塩素、臭素、沃素を例示することが出来る。ハロゲンが複数存在する場合は、互いに同一であっても異なっても良い。この中で、塩素が特に好ましい。nはハロゲンの数を表し、0以上3以下の値を取る。より好ましくは、nの値は0以上2以下であり、特に好ましくは0である。
一般式(3)中、R6は水素又は炭化水素基を表し、好ましくは水素又は炭素数1〜20の炭化水素基、より好ましくは水素又は炭素数1〜12の炭化水素基である。好ましいR6の例としては、水素、メチル基やブチル基に代表されるアルキル基、シクロヘキシル基に代表されるシクロアルキル基、フェニル基に代表されるアリール基などを挙げることが出来る。特に好ましいR6の例としては、水素、メチル基、エチル基、フェニル基などを挙げることが出来る。jはR6の数を表し、0以上3以下の値を取る。より好ましくは、jの値は1以上3以下であり、更に好ましくは2以上3以下であり、特に好ましくは2である。jが2以上である場合、複数存在するR6は、互いに同一であっても異なっても良い。
一般式(3)中、R7は水素、炭化水素基又は有機ケイ素基を表す。R7が炭化水素基である場合は、R6と同一の例示群から選択することが出来る。R7が有機ケイ素基である場合は、炭素数1〜20の炭化水素基を有する有機ケイ素基であることが好ましい。R7として用いることの出来る有機ケイ素基の具体的な例としては、トリメチルシリル基に代表されるアルキル基含有ケイ素基、ジメチルフェニルシリル基に代表されるアリール基含有ケイ素基、ジメチルビニルシリル基に代表されるビニル基含有ケイ素基、およびプロピルフェニルビニルシリル基の様なそれらを組み合わせてなるケイ素基、などを挙げることが出来る。
kはR7の数を表し、0以上2以下の値を取る。ビニルトリエトキシシランの様にkの値が3に相当する化合物の場合では、本発明におけるビニルシラン化合物(A−4)としての性能は発現せず、本発明におけるアルコキシシラン化合物(A―3)としての性能を発現するため、ビニルシラン化合物(A−4)として使用するのは適していない。これは、構造的に近いt−ブチルトリエトキシシランと同じ様に振る舞うためと考えられる(このt−ブチルトリエトキシシランは本発明におけるアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物(A―3)として有効である)。より好ましくは、kの値は0以上1以下であり、特に好ましくは0である。kの値が2である場合、二つのR7はお互いに同一であっても異なっても良い。また、kの値に関わらず、R6とR7は同一であっても異なっても良い。
これらのビニルシラン化合物は、単独で用いるだけでなく、複数の化合物を併用することも出来る。
好ましい化合物の例としては、CH2=CH−SiMe3、[CH2=CH−]2SiMe2、CH2=CH−Si(Cl)Me2、CH2=CH−Si(Cl)2Me、CH2=CH−SiCl3、[CH2=CH−]2Si(Cl)Me、[CH2=CH−]2SiCl2、CH2=CH−Si(Ph)Me2、CH2=CH−Si(Ph)2Me、CH2=CH−SiPh3、[CH2=CH−]2Si(Ph)Me、[CH2=CH−]2SiPh2、CH2=CH−Si(H)Me2、CH2=CH−Si(H)2Me、CH2=CH−SiH3、[CH2=CH−]2Si(H)Me、[CH2=CH−]2SiH2、CH2=CH−SiEt3、CH2=CH−SiBu3、CH2=CH−Si(Ph)(H)Me、CH2=CH−Si(Cl)(H)Me、CH2=CH−Si(Me)2(OMe)、CH2=CH−Si(Me)2(OSiMe3)、CH2=CH−Si(Me)2−OSi(Me)2−CH=CH2、などを挙げることが出来る。これらの中でも、m=2であるジビニルシラン化合物が好ましく、ジビニルジメチルシラン([CH2=CH−]2SiMe2)が特に好ましい。
ここで、Phをフェニル基を表す。また、その他の記号、例えばMe、Et、Buなどは上記したとおりである。
ここで、Phをフェニル基を表す。また、その他の記号、例えばMe、Et、Buなどは上記したとおりである。
一般式(3)で表されるビニルシラン化合物(A−4)の使用量は、本発明の効果を損なわない範囲で任意のものでありうるが、一般的には固体成分(A1)を構成するチタン成分に対するモル比(ビニルシラン化合物(A−4)のモル数/チタン原子のモル数)で、好ましくは0.001〜1000の範囲内であり、特に好ましくは0.01〜100の範囲内が望ましい。
本発明で用いられるビニルシラン化合物(A―4)は、炭素−炭素二重結合部の電荷密度が非常に高くなっており、活性中心であるチタン原子への配位は、非常に速いと考えられる。したがって、ビニルシラン化合物(A―4)には、有機アルミニウム化合物によるチタン原子の過還元や不純物などによる活性点の失活を防ぐ効果があると考えられる。ただし、係る作用機構は本発明の技術的範囲を制限するものと解釈するものではない。
本発明で用いられるビニルシラン化合物(A―4)は、炭素−炭素二重結合部の電荷密度が非常に高くなっており、活性中心であるチタン原子への配位は、非常に速いと考えられる。したがって、ビニルシラン化合物(A―4)には、有機アルミニウム化合物によるチタン原子の過還元や不純物などによる活性点の失活を防ぐ効果があると考えられる。ただし、係る作用機構は本発明の技術的範囲を制限するものと解釈するものではない。
2.予備重合に用いられるアリルケイ素化合物(B−1)
本発明におけるアリルケイ素化合物は下記の一般式(4)にて表される。
[一般式(4)]
(CH2=CH―CH2)−Si−(R8)3
(R8は、炭化水素基、水素、又はハロゲンを表す。)
本発明におけるアリルケイ素化合物は下記の一般式(4)にて表される。
[一般式(4)]
(CH2=CH―CH2)−Si−(R8)3
(R8は、炭化水素基、水素、又はハロゲンを表す。)
R8が炭化水素基である場合は、メチル基やエチル基に代表される直鎖状脂肪族炭化水素基、i−プロピル基やt−ブチル基に代表される分岐状脂肪族炭化水素基、シクロペンチル基やシクロヘキシル基に代表される脂環式炭化水素基、フェニル基に代表される芳香族炭化水素基、などを挙げることができる。中でも、炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素が好ましく、最も好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基である。
R8がハロゲンである場合は、フッ素、塩素、臭素、沃素などを例示することが出来る。
複数存在するR8は、同一であっても異なっていても良い。
これらのアリルケイ素化合物は、単独で用いるだけでなく、2種以上を併用することも出来る。
好ましい化合物の例として、トリメチルアリルシラン、アリルクロロジメチルシラン、アリルジクロロメチルシラン、アリルトリイソプロピルシラン、アリルt−ブチルジメチルシラン、アリルトリエチルシラン、2−ブロモトリメチルアリルシラン、アリルフェニルジメチルシランなどが挙げられる。この中でも、R8がハロゲンを含まない化合物が好ましく、R8が全て炭化水素基で構成される化合物がより好ましく、最も好ましくはR8が全てメチル基で構成されるトリメチルアリルシランである。
R8がハロゲンである場合は、フッ素、塩素、臭素、沃素などを例示することが出来る。
複数存在するR8は、同一であっても異なっていても良い。
これらのアリルケイ素化合物は、単独で用いるだけでなく、2種以上を併用することも出来る。
好ましい化合物の例として、トリメチルアリルシラン、アリルクロロジメチルシラン、アリルジクロロメチルシラン、アリルトリイソプロピルシラン、アリルt−ブチルジメチルシラン、アリルトリエチルシラン、2−ブロモトリメチルアリルシラン、アリルフェニルジメチルシランなどが挙げられる。この中でも、R8がハロゲンを含まない化合物が好ましく、R8が全て炭化水素基で構成される化合物がより好ましく、最も好ましくはR8が全てメチル基で構成されるトリメチルアリルシランである。
3.固体触媒成分(A−1)の調製方法
本発明に係る固体触媒成分(A−1)は、固体触媒成分(A−1)を構成する上記各成分を互いに接触させることにより得られる。
各成分の接触条件は、酸素を存在させないことが必要であるものの、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の条件を用いることができる。一般的には、次の条件が好ましい。
接触温度は、−50〜200℃程度、好ましくは0〜150℃である。
接触方法としては、回転ボールミルや振動ミルなどによる機械的な方法、及び、不活性希釈剤の存在下に撹拌により接触させる方法、などを例示することができる。
本発明に係る固体触媒成分(A−1)は、固体触媒成分(A−1)を構成する上記各成分を互いに接触させることにより得られる。
各成分の接触条件は、酸素を存在させないことが必要であるものの、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の条件を用いることができる。一般的には、次の条件が好ましい。
接触温度は、−50〜200℃程度、好ましくは0〜150℃である。
接触方法としては、回転ボールミルや振動ミルなどによる機械的な方法、及び、不活性希釈剤の存在下に撹拌により接触させる方法、などを例示することができる。
固体触媒成分(A−1)を調製する際には、中間及び/又は最後に不活性溶媒で洗浄を行っても良い。
好ましい溶媒種としては、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素化合物、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物、及び、1,2−ジクロロエチレンやクロロベンゼンなどのハロゲン含有炭化水素化合物、などを例示することができる。
好ましい溶媒種としては、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素化合物、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物、及び、1,2−ジクロロエチレンやクロロベンゼンなどのハロゲン含有炭化水素化合物、などを例示することができる。
なお、固体触媒成分(A−1)の調製方法としては、任意の方法を用いることができるが、具体的には、下記の(i)〜(vii)として説明する方法を例示することができる。
(i)共粉砕法
塩化マグネシウムに代表されるハロゲンを含有するマグネシウム化合物をチタン化合物と共粉砕することにより、マグネシウム化合物上にチタン化合物を担持する方法であり、電子供与性化合物を同時に、又は、別工程で共粉砕しても良い。
機械的粉砕方法としては、回転ボールミルや振動ミル等の任意の粉砕機を用いることができる。溶媒を用いない乾式粉砕法だけでなく、不活性溶媒共存下で共粉砕する湿式粉砕法を用いることもできる。
塩化マグネシウムに代表されるハロゲンを含有するマグネシウム化合物をチタン化合物と共粉砕することにより、マグネシウム化合物上にチタン化合物を担持する方法であり、電子供与性化合物を同時に、又は、別工程で共粉砕しても良い。
機械的粉砕方法としては、回転ボールミルや振動ミル等の任意の粉砕機を用いることができる。溶媒を用いない乾式粉砕法だけでなく、不活性溶媒共存下で共粉砕する湿式粉砕法を用いることもできる。
(ii)加熱処理法
塩化マグネシウムに代表されるハロゲンを含有するマグネシウム化合物とチタン化合物を不活性溶媒中で撹拌することにより接触処理を行い、マグネシウム化合物上にチタン化合物を担持する方法であり、電子供与性化合物を同時に、又は、別工程で接触処理しても良い。
チタン化合物として四塩化チタンなどの液状の化合物を用いる場合は、不活性溶媒なしで接触処理することもできる。
また、必要に応じて、ハロゲン化ケイ素化合物等の任意成分を同時に、又は、別工程で接触させても良い。
接触温度に特に制限はないが、90℃〜130℃程度の比較的高い温度で接触処理する方が好ましい場合が多い。
塩化マグネシウムに代表されるハロゲンを含有するマグネシウム化合物とチタン化合物を不活性溶媒中で撹拌することにより接触処理を行い、マグネシウム化合物上にチタン化合物を担持する方法であり、電子供与性化合物を同時に、又は、別工程で接触処理しても良い。
チタン化合物として四塩化チタンなどの液状の化合物を用いる場合は、不活性溶媒なしで接触処理することもできる。
また、必要に応じて、ハロゲン化ケイ素化合物等の任意成分を同時に、又は、別工程で接触させても良い。
接触温度に特に制限はないが、90℃〜130℃程度の比較的高い温度で接触処理する方が好ましい場合が多い。
(iii)溶解析出法
溶解析出法は、塩化マグネシウムに代表されるハロゲンを含有するマグネシウム化合物を電子供与性化合物と接触させることにより溶解し、生じた溶解液と析出剤を接触させて析出反応を起こすことにより、粒子形成を行う方法である。
上記した電子供与性化合物の中で溶解に用いることができるものとしては、アルコール類、エーテル類などを挙げることができる。
また、析出剤の例としては、ハロゲン化チタン化合物、ハロゲン化ケイ素化合物、塩化水素、ハロゲン含有炭化水素化合物、Si−H結合を有するシロキサン化合物(ポリシロキサン化合物類を含む)、アルミニウム化合物、などを例示することができる。
溶解液と析出剤の接触方法としては、溶解液に析出剤を添加しても良いし、析出剤に溶解液を添加しても良い。
溶解、析出のどちらの工程でも、チタン化合物を用いない場合は、析出反応により形成した粒子を更にチタン化合物と接触させることにより、マグネシウム化合物上にチタン化合物を担持する。
更に必要に応じて、上記の方法により形成した粒子をハロゲン化チタン化合物やハロゲン化ケイ素化合物などの任意成分と接触させても良く、電子供与性化合物と接触させても良い。この際、電子供与性化合物は、溶解に用いるものとは異なっていても良いし、同じであっても良い。
これらの任意成分の接触順序については、特に制限はなく、独立工程として接触させても良いし、溶解、析出、チタン化合物類との接触の際に一緒に接触させることもできる。
また、溶解、析出、任意成分との接触、のいずれの工程においても、不活性溶媒が存在しても良い。
溶解析出法は、塩化マグネシウムに代表されるハロゲンを含有するマグネシウム化合物を電子供与性化合物と接触させることにより溶解し、生じた溶解液と析出剤を接触させて析出反応を起こすことにより、粒子形成を行う方法である。
上記した電子供与性化合物の中で溶解に用いることができるものとしては、アルコール類、エーテル類などを挙げることができる。
また、析出剤の例としては、ハロゲン化チタン化合物、ハロゲン化ケイ素化合物、塩化水素、ハロゲン含有炭化水素化合物、Si−H結合を有するシロキサン化合物(ポリシロキサン化合物類を含む)、アルミニウム化合物、などを例示することができる。
溶解液と析出剤の接触方法としては、溶解液に析出剤を添加しても良いし、析出剤に溶解液を添加しても良い。
溶解、析出のどちらの工程でも、チタン化合物を用いない場合は、析出反応により形成した粒子を更にチタン化合物と接触させることにより、マグネシウム化合物上にチタン化合物を担持する。
更に必要に応じて、上記の方法により形成した粒子をハロゲン化チタン化合物やハロゲン化ケイ素化合物などの任意成分と接触させても良く、電子供与性化合物と接触させても良い。この際、電子供与性化合物は、溶解に用いるものとは異なっていても良いし、同じであっても良い。
これらの任意成分の接触順序については、特に制限はなく、独立工程として接触させても良いし、溶解、析出、チタン化合物類との接触の際に一緒に接触させることもできる。
また、溶解、析出、任意成分との接触、のいずれの工程においても、不活性溶媒が存在しても良い。
(iv)造粒法
造粒法は、溶解析出法と同様に、塩化マグネシウムに代表されるハロゲンを含有するマグネシウム化合物を電子供与性化合物と接触させることにより溶解し、生じた溶解液を主に物理的な手法により造粒する方法である。溶解に用いる電子供与性化合物の例は、溶解析出法の例に同じである。
造粒手法の例としては、高温の溶解液を低温の不活性溶媒中に滴下する方法、高温の気相部に向かって溶解液をノズルから噴き出して乾燥する方法、低温の気相部に向かって溶解液をノズルから噴き出して冷却する方法、などを挙げることができる。
造粒により形成した粒子をチタン化合物と接触させることにより、マグネシウム化合物上にチタン化合物を担持する。
更に、必要に応じて、ハロゲン化ケイ素化合物、電子供与性化合物、などの任意成分と接触させても良い。この際、電子供与性化合物は溶解に用いるものとは異なっていても良いし、同じであっても良い。
これらの任意成分の接触順序については、特に制限はなく、独立工程として接触させても良いし、溶解やチタン化合物との接触の際に一緒に接触させることもできる。
また、溶解、チタン化合物との接触、任意成分との接触、のいずれの工程においても、不活性溶媒が存在しても良い。
造粒法は、溶解析出法と同様に、塩化マグネシウムに代表されるハロゲンを含有するマグネシウム化合物を電子供与性化合物と接触させることにより溶解し、生じた溶解液を主に物理的な手法により造粒する方法である。溶解に用いる電子供与性化合物の例は、溶解析出法の例に同じである。
造粒手法の例としては、高温の溶解液を低温の不活性溶媒中に滴下する方法、高温の気相部に向かって溶解液をノズルから噴き出して乾燥する方法、低温の気相部に向かって溶解液をノズルから噴き出して冷却する方法、などを挙げることができる。
造粒により形成した粒子をチタン化合物と接触させることにより、マグネシウム化合物上にチタン化合物を担持する。
更に、必要に応じて、ハロゲン化ケイ素化合物、電子供与性化合物、などの任意成分と接触させても良い。この際、電子供与性化合物は溶解に用いるものとは異なっていても良いし、同じであっても良い。
これらの任意成分の接触順序については、特に制限はなく、独立工程として接触させても良いし、溶解やチタン化合物との接触の際に一緒に接触させることもできる。
また、溶解、チタン化合物との接触、任意成分との接触、のいずれの工程においても、不活性溶媒が存在しても良い。
(v)マグネシウム(Mg)化合物のハロゲン化法
マグネシウム(Mg)化合物のハロゲン化法は、ハロゲンを含有しないマグネシウム化合物に対して、ハロゲン化剤を接触させてハロゲン化する方法であり、電子供与性化合物を同時に、又は、別工程で接触処理しても良い。
ハロゲンを含有しないマグネシウム化合物の例としては、ジアルコキシマグネシウム化合物、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、脂肪酸のマグネシウム塩、などを挙げることができる。
ジアルコキシマグネシウム化合物を用いる場合は、金属マグネシウムとアルコールとの反応により系中で調製したものを用いることもできる。この調製法を用いる場合は、出発原料であるハロゲンを含まないマグネシウム化合物の段階で造粒等により粒子形成を行うのが一般的である。
ハロゲン化剤の例としては、ハロゲン化チタン化合物、ハロゲン化ケイ素化合物、ハロゲン化リン化合物、などを挙げることができる。
ハロゲン化剤として、ハロゲン化チタン化合物を用いない場合は、ハロゲン化により形成したハロゲン含有マグネシウム化合物を更にチタン化合物と接触させることにより、マグネシウム化合物上にチタン化合物を担持する。
更に必要に応じて、上記の方法により形成した粒子をハロゲン化チタン化合物やハロゲン化ケイ素化合物などの任意成分と接触させても良く、電子供与性化合物と接触させても良い。
これらの任意成分の接触順序については、特に制限はなく、独立工程として接触させても良いし、ハロゲンを含まないマグネシウム化合物のハロゲン化やチタン化合物との接触の際に一緒に接触させることもできる。
また、ハロゲン化チタン化合物との接触、任意成分との接触、のいずれの工程においても、不活性溶媒が存在しても良い。
マグネシウム(Mg)化合物のハロゲン化法は、ハロゲンを含有しないマグネシウム化合物に対して、ハロゲン化剤を接触させてハロゲン化する方法であり、電子供与性化合物を同時に、又は、別工程で接触処理しても良い。
ハロゲンを含有しないマグネシウム化合物の例としては、ジアルコキシマグネシウム化合物、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、脂肪酸のマグネシウム塩、などを挙げることができる。
ジアルコキシマグネシウム化合物を用いる場合は、金属マグネシウムとアルコールとの反応により系中で調製したものを用いることもできる。この調製法を用いる場合は、出発原料であるハロゲンを含まないマグネシウム化合物の段階で造粒等により粒子形成を行うのが一般的である。
ハロゲン化剤の例としては、ハロゲン化チタン化合物、ハロゲン化ケイ素化合物、ハロゲン化リン化合物、などを挙げることができる。
ハロゲン化剤として、ハロゲン化チタン化合物を用いない場合は、ハロゲン化により形成したハロゲン含有マグネシウム化合物を更にチタン化合物と接触させることにより、マグネシウム化合物上にチタン化合物を担持する。
更に必要に応じて、上記の方法により形成した粒子をハロゲン化チタン化合物やハロゲン化ケイ素化合物などの任意成分と接触させても良く、電子供与性化合物と接触させても良い。
これらの任意成分の接触順序については、特に制限はなく、独立工程として接触させても良いし、ハロゲンを含まないマグネシウム化合物のハロゲン化やチタン化合物との接触の際に一緒に接触させることもできる。
また、ハロゲン化チタン化合物との接触、任意成分との接触、のいずれの工程においても、不活性溶媒が存在しても良い。
(vi)有機マグネシウム化合物からの析出法
ブチルマグネシウムクロライドに代表されるグリニャール試薬、ジアルキルマグネシウム化合物、などの有機マグネシウム化合物の溶液に、析出剤を接触させる方法であり、電子供与性化合物を同時に、又は、別工程で接触処理しても良い。
析出剤の例としては、チタン化合物、ケイ素化合物、塩化水素、などを挙げることができる。
析出剤として、チタン化合物を用いない場合は、析出反応により形成した粒子を更にチタン化合物と接触させることにより、マグネシウム化合物上にチタン化合物を担持する。
更に必要に応じて、上記の方法により形成した粒子をハロゲン化チタン化合物やハロゲン化ケイ素化合物などの任意成分と接触させても良く、電子供与性化合物と接触させても良い。
これらの任意成分の接触順序については特に制限はなく、独立工程として接触させても良いし、析出やチタン化合物との接触の際に一緒に接触させることもできる。
また、析出、チタン化合物との接触、任意成分との接触、のいずれの工程においても、不活性溶媒が存在しても良い。
ブチルマグネシウムクロライドに代表されるグリニャール試薬、ジアルキルマグネシウム化合物、などの有機マグネシウム化合物の溶液に、析出剤を接触させる方法であり、電子供与性化合物を同時に、又は、別工程で接触処理しても良い。
析出剤の例としては、チタン化合物、ケイ素化合物、塩化水素、などを挙げることができる。
析出剤として、チタン化合物を用いない場合は、析出反応により形成した粒子を更にチタン化合物と接触させることにより、マグネシウム化合物上にチタン化合物を担持する。
更に必要に応じて、上記の方法により形成した粒子をハロゲン化チタン化合物やハロゲン化ケイ素化合物などの任意成分と接触させても良く、電子供与性化合物と接触させても良い。
これらの任意成分の接触順序については特に制限はなく、独立工程として接触させても良いし、析出やチタン化合物との接触の際に一緒に接触させることもできる。
また、析出、チタン化合物との接触、任意成分との接触、のいずれの工程においても、不活性溶媒が存在しても良い。
(vii)含浸法
有機マグネシウム化合物の溶液、又は、マグネシウム化合物を電子供与性化合物で溶解した溶液を、無機化合物の担体、又は、有機化合物の担体に含浸させる方法である。
有機マグネシウム化合物の例は、有機マグネシウム化合物からの析出法の例に同じである。マグネシウム化合物の溶解に用いるマグネシウム化合物は、ハロゲンを含んでいても含んでいなくても良く、電子供与性化合物の例は、溶解析出法の例に同じである。
無機化合物の担体の例としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、などを挙げることができる。
有機化合物の担体の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、などを挙げることができる。
含浸処理後の担体粒子は、析出剤との化学反応や乾燥等の物理的処理によりマグネシウム化合物を析出させて固定化する。
析出剤の例は、溶解析出法の例に同じである。
析出剤としてチタン化合物を用いない場合は、こうして形成した粒子を更にチタン化合物と接触させることにより、マグネシウム化合物上にチタン化合物を担持する。更に必要に応じて、こうして形成した粒子をハロゲン化チタン化合物やハロゲン化ケイ素化合物などの任意成分と接触させても良く、電子供与性化合物と接触させても良い。
これらの任意成分の接触順序については、特に制限はなく、独立工程として接触させても良いし、含浸、析出、乾燥、チタン化合物との接触の際に一緒に接触させることもできる。また、含浸、析出、チタン化合物との接触、任意成分との接触、のいずれの工程においても、不活性溶媒が存在しても良い。
有機マグネシウム化合物の溶液、又は、マグネシウム化合物を電子供与性化合物で溶解した溶液を、無機化合物の担体、又は、有機化合物の担体に含浸させる方法である。
有機マグネシウム化合物の例は、有機マグネシウム化合物からの析出法の例に同じである。マグネシウム化合物の溶解に用いるマグネシウム化合物は、ハロゲンを含んでいても含んでいなくても良く、電子供与性化合物の例は、溶解析出法の例に同じである。
無機化合物の担体の例としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、などを挙げることができる。
有機化合物の担体の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、などを挙げることができる。
含浸処理後の担体粒子は、析出剤との化学反応や乾燥等の物理的処理によりマグネシウム化合物を析出させて固定化する。
析出剤の例は、溶解析出法の例に同じである。
析出剤としてチタン化合物を用いない場合は、こうして形成した粒子を更にチタン化合物と接触させることにより、マグネシウム化合物上にチタン化合物を担持する。更に必要に応じて、こうして形成した粒子をハロゲン化チタン化合物やハロゲン化ケイ素化合物などの任意成分と接触させても良く、電子供与性化合物と接触させても良い。
これらの任意成分の接触順序については、特に制限はなく、独立工程として接触させても良いし、含浸、析出、乾燥、チタン化合物との接触の際に一緒に接触させることもできる。また、含浸、析出、チタン化合物との接触、任意成分との接触、のいずれの工程においても、不活性溶媒が存在しても良い。
(viii)複合法
上記(i)〜(vii)に記載した方法を組み合わせて、用いることもできる。組み合わせの例としては、「塩化マグネシウムを電子供与性化合物と共粉砕した後にハロゲン化チタン化合物と加熱処理する方法」、「塩化マグネシウム化合物を電子供与性化合物と共粉砕した後に別の電子供与性化合物を用いて溶解し、更に析出剤を用いて析出する方法」、「ジアルコキシマグネシウム化合物を電子供与性化合物により溶解し、ハロゲン化チタン化合物類と接触させることにより析出させると同時にマグネシウム化合物をハロゲン化する方法」、「ジアルコキシマグネシウム化合物に二酸化炭素を接触させることにより、炭酸エステルマグネシウム化合物を生成すると同時に溶解し、形成した溶解液をシリカに含浸させ、その後塩化水素と接触させることによりマグネシウム化合物をハロゲン化すると同時に析出固定化し、更にハロゲン化チタン化合物と接触させることによりチタン化合物を担持する方法」、などを挙げることができる。
上記(i)〜(vii)に記載した方法を組み合わせて、用いることもできる。組み合わせの例としては、「塩化マグネシウムを電子供与性化合物と共粉砕した後にハロゲン化チタン化合物と加熱処理する方法」、「塩化マグネシウム化合物を電子供与性化合物と共粉砕した後に別の電子供与性化合物を用いて溶解し、更に析出剤を用いて析出する方法」、「ジアルコキシマグネシウム化合物を電子供与性化合物により溶解し、ハロゲン化チタン化合物類と接触させることにより析出させると同時にマグネシウム化合物をハロゲン化する方法」、「ジアルコキシマグネシウム化合物に二酸化炭素を接触させることにより、炭酸エステルマグネシウム化合物を生成すると同時に溶解し、形成した溶解液をシリカに含浸させ、その後塩化水素と接触させることによりマグネシウム化合物をハロゲン化すると同時に析出固定化し、更にハロゲン化チタン化合物と接触させることによりチタン化合物を担持する方法」、などを挙げることができる。
4.オレフィン重合用触媒(A)の調製方法
(A−1):チタン、マグネシウム、ハロゲン及び内部ドナーとしての電子供与性化合物を必須成分として含有してなる固体触媒成分、(A−2):有機アルミニウム化合物、(A−3):アルコキシシラン化合物、及び(A−4):ビニルシラン化合物の接触方法は、特に制約されないが、一般的には、上記各成分を不活性溶媒の存在下で撹拌しながら接触させる。
不活性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンおよび流動パラフィン等の液状飽和炭化水素やジメチルポリシロキサンの構造を持ったシリコンオイルなど、重合反応に著しく影響を及ぼさない不活性溶媒が用いられる。これらの不活性溶媒は、重合に悪影響を及ぼす酸素、水分、イオウ化合物等の不純物を取り除いた後で使用することが好ましい。
接触条件は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の条件を採用することができる。接触温度は、通常、−50℃〜200℃程度、好ましくは−10℃〜100℃、更に好ましくは0℃〜70℃、とりわけ好ましくは10℃〜60℃である。
(A−1):チタン、マグネシウム、ハロゲン及び内部ドナーとしての電子供与性化合物を必須成分として含有してなる固体触媒成分、(A−2):有機アルミニウム化合物、(A−3):アルコキシシラン化合物、及び(A−4):ビニルシラン化合物の接触方法は、特に制約されないが、一般的には、上記各成分を不活性溶媒の存在下で撹拌しながら接触させる。
不活性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンおよび流動パラフィン等の液状飽和炭化水素やジメチルポリシロキサンの構造を持ったシリコンオイルなど、重合反応に著しく影響を及ぼさない不活性溶媒が用いられる。これらの不活性溶媒は、重合に悪影響を及ぼす酸素、水分、イオウ化合物等の不純物を取り除いた後で使用することが好ましい。
接触条件は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の条件を採用することができる。接触温度は、通常、−50℃〜200℃程度、好ましくは−10℃〜100℃、更に好ましくは0℃〜70℃、とりわけ好ましくは10℃〜60℃である。
固体触媒成分(A−1)、有機アルミニウム化合物(A−2)、アルコキシシラン化合物(A−3)、ビニルシラン化合物(A−4)の接触手順に関しては、任意の手順を用いることが出来る。具体的な例としては下記の手順(i)〜(iv)などが挙げられるが、この中でも手順(i)及び手順(ii)が好ましい。
手順(i):固体触媒成分(A−1)にビニルシラン化合物(A−4)を接触させ、次いでアルコキシシラン化合物(A−3)を接触させ、次いで有機アルミニウム化合物(A−2)を接触させる方法。
手順(ii):固体触媒成分(A−1)にビニルシラン化合物(A−4)及びアルコキシシラン化合物(A−3)を接触させ、次いで有機アルミニウム化合物(A−2)を接触させる方法。
手順(iii):固体触媒成分(A−1)にビニルシラン化合物(A−4)を接触させ、次いでアルコキシシラン化合物(A−3)及び有機アルミニウム化合物(A−2)を接触させる方法。
手順(iv):全ての成分を同時に接触させる方法。
手順(i):固体触媒成分(A−1)にビニルシラン化合物(A−4)を接触させ、次いでアルコキシシラン化合物(A−3)を接触させ、次いで有機アルミニウム化合物(A−2)を接触させる方法。
手順(ii):固体触媒成分(A−1)にビニルシラン化合物(A−4)及びアルコキシシラン化合物(A−3)を接触させ、次いで有機アルミニウム化合物(A−2)を接触させる方法。
手順(iii):固体触媒成分(A−1)にビニルシラン化合物(A−4)を接触させ、次いでアルコキシシラン化合物(A−3)及び有機アルミニウム化合物(A−2)を接触させる方法。
手順(iv):全ての成分を同時に接触させる方法。
また、固体触媒(A−1)に対して、有機アルミニウム化合物(A−2)、アルコキシシラン化合物(A−3)、ビニルシラン化合物(A−4)のいずれも、任意の回数接触させることも出来る。この際に複数回用いる(A−2)〜(A−4)は、互いに同一であっても異なっていても良い。
また、先に各成分の使用量の好ましい範囲を示したが、これは1回あたりに接触させる使用量であり、複数回接触させる際は、1回の使用量が前述した使用量の範囲内を目安として、何回接触させても良い。
また、先に各成分の使用量の好ましい範囲を示したが、これは1回あたりに接触させる使用量であり、複数回接触させる際は、1回の使用量が前述した使用量の範囲内を目安として、何回接触させても良い。
5.β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)の調製方法
上記調製工程により得られたオレフィン重合用触媒(A)の存在下で、アリルケイ素化合物(B−1)をモノマーとして予備重合することにより、アリルケイ素化合物(B−1)の一部又は全部が重合してポリアリルケイ素化合物となり、β晶型ポリプロピレン系重合体の重合に適したβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)が得られる。
得られた上記予備重合触媒(B)は、予備重合により生成したポリアリルケイ素化合物が含有している。この予備重合触媒(B)を用いてプロピレンを単独重合又は共重合すると、ポリアリルケイ素化合物が高分子核剤として作用し、β型結晶の含有量が高い結晶性のプロピレン系重合体が得られる。
アリルケイ素化合物(B−1)の使用量は、予備重合のプロセスにおいて充分な量のポリアリルケイ素化合物を生成させる観点から、固体触媒成分(A−1)1質量部当たりの基準で、アリルケイ素化合物(B−1)0.1質量部以上とし、好ましくは0.2質量部以上とし、より好ましくは0.4質量部以上とし、更に好ましくは0.5質量部以上とする。
アリルケイ素化合物(B−1)の使用量の上限は限定されないが、ポリアリルケイ素化合物の生成量を必要以上に大きくさせない観点から、固体触媒成分(A−1)1質量部当たりの基準で、アリルケイ素化合物(B−1)20質量部以下とし、好ましくは15質量部以下とし、更に好ましくは10質量部以下とする。
上記予備重合触媒(B)に含まれるポリアリルケイ素化合物(B−1)’の量、すなわち予備重合量は、固体触媒成分(A−1)1質量部当たりの基準で、ポリアリルケイ素化合物(B−1)’を0.1質量部以上とし、好ましくは0.2質量部以上とし、より好ましくは0.3質量部以上とし、更に好ましくは0.4質量部以上とし、より更に好ましくは0.5質量部以上とする。予備重合量が前記の範囲内である場合、十分な量のβ型結晶が発生する。
予備重合量の上限は限定されないが、固体触媒成分(A−1)1質量部当たりの基準で、ポリアリルケイ素化合物(B−1)’ を20質量部以下とし、好ましくは15質量部以下とし、更に好ましくは10質量部以下とする。予備重合量を上記範囲より大きくしても触媒の性能は上がらないため、生産性、経済性の向上が見込めない。
上記調製工程により得られたオレフィン重合用触媒(A)の存在下で、アリルケイ素化合物(B−1)をモノマーとして予備重合することにより、アリルケイ素化合物(B−1)の一部又は全部が重合してポリアリルケイ素化合物となり、β晶型ポリプロピレン系重合体の重合に適したβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)が得られる。
得られた上記予備重合触媒(B)は、予備重合により生成したポリアリルケイ素化合物が含有している。この予備重合触媒(B)を用いてプロピレンを単独重合又は共重合すると、ポリアリルケイ素化合物が高分子核剤として作用し、β型結晶の含有量が高い結晶性のプロピレン系重合体が得られる。
アリルケイ素化合物(B−1)の使用量は、予備重合のプロセスにおいて充分な量のポリアリルケイ素化合物を生成させる観点から、固体触媒成分(A−1)1質量部当たりの基準で、アリルケイ素化合物(B−1)0.1質量部以上とし、好ましくは0.2質量部以上とし、より好ましくは0.4質量部以上とし、更に好ましくは0.5質量部以上とする。
アリルケイ素化合物(B−1)の使用量の上限は限定されないが、ポリアリルケイ素化合物の生成量を必要以上に大きくさせない観点から、固体触媒成分(A−1)1質量部当たりの基準で、アリルケイ素化合物(B−1)20質量部以下とし、好ましくは15質量部以下とし、更に好ましくは10質量部以下とする。
上記予備重合触媒(B)に含まれるポリアリルケイ素化合物(B−1)’の量、すなわち予備重合量は、固体触媒成分(A−1)1質量部当たりの基準で、ポリアリルケイ素化合物(B−1)’を0.1質量部以上とし、好ましくは0.2質量部以上とし、より好ましくは0.3質量部以上とし、更に好ましくは0.4質量部以上とし、より更に好ましくは0.5質量部以上とする。予備重合量が前記の範囲内である場合、十分な量のβ型結晶が発生する。
予備重合量の上限は限定されないが、固体触媒成分(A−1)1質量部当たりの基準で、ポリアリルケイ素化合物(B−1)’ を20質量部以下とし、好ましくは15質量部以下とし、更に好ましくは10質量部以下とする。予備重合量を上記範囲より大きくしても触媒の性能は上がらないため、生産性、経済性の向上が見込めない。
予備重合の方法は特に制約されないが、一般的には、不活性溶媒の存在下で撹拌しながら予備重合を行う。不活性溶媒としては、上記のオレフィン重合用触媒(A)の調製で用いられるものと同じものを用いることが出来る。
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンおよび流動パラフィン等の液状飽和炭化水素やジメチルポリシロキサンの構造を持ったシリコンオイルなど、重合反応に著しく影響を及ぼさない不活性溶媒が用いられる。これらの不活性溶媒は、1種の単独溶剤または2種以上の混合溶剤のいずれでもよい。これらの不活性溶媒は、重合に悪影響を及ぼす水分、イオウ化合物等の不純物を取り除いた後で使用することが好ましい。
予備重合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の条件を採用することができる。予備重合時の反応温度は、通常、−50℃〜200℃程度、好ましくは−10℃〜100℃、更に好ましくは0℃〜70℃である。
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンおよび流動パラフィン等の液状飽和炭化水素やジメチルポリシロキサンの構造を持ったシリコンオイルなど、重合反応に著しく影響を及ぼさない不活性溶媒が用いられる。これらの不活性溶媒は、1種の単独溶剤または2種以上の混合溶剤のいずれでもよい。これらの不活性溶媒は、重合に悪影響を及ぼす水分、イオウ化合物等の不純物を取り除いた後で使用することが好ましい。
予備重合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の条件を採用することができる。予備重合時の反応温度は、通常、−50℃〜200℃程度、好ましくは−10℃〜100℃、更に好ましくは0℃〜70℃である。
予備重合は、上記有機アルミニウム化合物(A−2)と同様の有機アルミニウム化合物の存在下で実施しても良い。すなわち、上記のオレフィン重合用触媒(A)の調製で用いられた有機アルミニウム化合物(A−2)とは別に、予備重合工程において、新たに有機アルミニウム化合物(A−2)を添加することができる。
予備重合工程における有機アルミニウム化合物(A−2)の添加量は、使用する重合触媒成分の種類によって異なるが、通常、チタン原子1モルに対して有機アルミニウム化合物を0.1〜40モル、好ましくは0.3〜20モルの範囲とすることが好ましい。
予備重合は、アルコキシシラン化合物(A−3)の存在下で実施しても良い。すなわち、上記のオレフィン重合用触媒(A)の調製で用いられたアルコキシシラン化合物(A−3)とは別に、予備重合工程において、新たにアルコキシシラン化合物(A−3)を添加することができる。予備重合工程におけるアルコキシシラン化合物(A−3)の添加量は、固体触媒成分(A−1)に含まれるチタン1モルに対して0.01〜10モルの範囲とすることが好ましい。
予備重合処理は複数回行っても良く、この際用いるモノマーは同一であっても異なっていても良い。また、予備重合後にヘキサン、ヘプタン等の不活性溶媒で洗浄を行うことも出来る。予備重合を終了した後に、触媒の使用形態に応じ、そのまま使用することが可能であるが、必要ならば乾燥を行ってもよい。
さらに、本発明の効果を損なわない限り、任意成分を添加しても良い。任意成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの重合体やシリカ、チタニアなどの無機酸化物固体等が挙げられる。
予備重合工程における有機アルミニウム化合物(A−2)の添加量は、使用する重合触媒成分の種類によって異なるが、通常、チタン原子1モルに対して有機アルミニウム化合物を0.1〜40モル、好ましくは0.3〜20モルの範囲とすることが好ましい。
予備重合は、アルコキシシラン化合物(A−3)の存在下で実施しても良い。すなわち、上記のオレフィン重合用触媒(A)の調製で用いられたアルコキシシラン化合物(A−3)とは別に、予備重合工程において、新たにアルコキシシラン化合物(A−3)を添加することができる。予備重合工程におけるアルコキシシラン化合物(A−3)の添加量は、固体触媒成分(A−1)に含まれるチタン1モルに対して0.01〜10モルの範囲とすることが好ましい。
予備重合処理は複数回行っても良く、この際用いるモノマーは同一であっても異なっていても良い。また、予備重合後にヘキサン、ヘプタン等の不活性溶媒で洗浄を行うことも出来る。予備重合を終了した後に、触媒の使用形態に応じ、そのまま使用することが可能であるが、必要ならば乾燥を行ってもよい。
さらに、本発明の効果を損なわない限り、任意成分を添加しても良い。任意成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの重合体やシリカ、チタニアなどの無機酸化物固体等が挙げられる。
6.プロピレン系重合体の製造方法(本重合工程)
上記予備重合工程により得られたβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)の存在下で、プロピレン単独、あるいはプロピレンとα−オレフィンとの混合物を重合させることにより、β型結晶の含有量が高い結晶性のプロピレン系重合体を製造することができる。好ましくは、プロピレン単独重合体またはα−オレフィン含量10重量%以下のプロピレン・α−オレフィン共重合体を製造する。
プロピレン・α−オレフィン共重合体を製造する場合、α−オレフィンとして一般的にエチレンが用いられるが、特に制約されず、例えば、炭素数2〜22の直鎖または分岐α−オレフィンを用いることができる。
上記予備重合工程により得られたβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)の存在下で、プロピレン単独、あるいはプロピレンとα−オレフィンとの混合物を重合させることにより、β型結晶の含有量が高い結晶性のプロピレン系重合体を製造することができる。好ましくは、プロピレン単独重合体またはα−オレフィン含量10重量%以下のプロピレン・α−オレフィン共重合体を製造する。
プロピレン・α−オレフィン共重合体を製造する場合、α−オレフィンとして一般的にエチレンが用いられるが、特に制約されず、例えば、炭素数2〜22の直鎖または分岐α−オレフィンを用いることができる。
なお、上記予備重合工程により得られたβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)は、本重合工程において、さらに有機アルミニウム化合物、外部ドナーとしての電子供与性化合物などの各種触媒成分と組み合わせて用いることができる。
有機アルミニウム化合物としては、前記のオレフィン重合用触媒(A)の調製等で用いられる有機アルミニウム化合物(A−2)と同様の有機アルミニウム化合物を用いることができる。有機アルミニウム化合物の添加量は、使用する重合触媒成分の種類によって異なるが、通常、チタン原子1モルに対して有機アルミニウム化合物を10〜800モル、好ましくは50〜700モルの範囲とすることが好ましい。
電子供与性化合物としては、アルコキシシラン化合物が好ましい。アルコキシシラン化合物としては、前記のオレフィン重合用触媒(A)の調製で用いられたアルコキシシラン化合物(A−3)と同様のアルコキシシラン化合物を用いることができる。アルコキシシラン化合物の添加量は、有機アルミニウム化合物1モルに対して0.1〜300モルの範囲とすることが好ましい。
有機アルミニウム化合物としては、前記のオレフィン重合用触媒(A)の調製等で用いられる有機アルミニウム化合物(A−2)と同様の有機アルミニウム化合物を用いることができる。有機アルミニウム化合物の添加量は、使用する重合触媒成分の種類によって異なるが、通常、チタン原子1モルに対して有機アルミニウム化合物を10〜800モル、好ましくは50〜700モルの範囲とすることが好ましい。
電子供与性化合物としては、アルコキシシラン化合物が好ましい。アルコキシシラン化合物としては、前記のオレフィン重合用触媒(A)の調製で用いられたアルコキシシラン化合物(A−3)と同様のアルコキシシラン化合物を用いることができる。アルコキシシラン化合物の添加量は、有機アルミニウム化合物1モルに対して0.1〜300モルの範囲とすることが好ましい。
本発明によるプロピレン系重合体の重合様式は、触媒成分とモノマーが効率良く接触するならば、あらゆる様式の方法を採用することができる。具体的な重合形態として、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いず液化させたモノマー用いるバルク重合、または実質的に液体溶媒を用いず各モノマーをガス状に保つ気相重合法などが採用される。重合方式は、連続式、回分式が適用される。
重合槽は、一つでも複数でも良い。重合槽が複数の場合には、直列に繋いでも良く、並列に繋いでも良い、また、複数の異なる重合様式を組み合わせてもよい。バルク1段、バルク重合2段、バルク重合後気相重合のような複数の異なる重合様式を組み合わせても良い。好ましくは、液化モノマーが存在する反応器に中で重合を行うバルク重合または液化モノマーの蒸発潜熱にて除熱を行う気相重合が生産性を向上させる観点から好ましく、さらには、バルク重合が最も好ましい。
重合槽は、一つでも複数でも良い。重合槽が複数の場合には、直列に繋いでも良く、並列に繋いでも良い、また、複数の異なる重合様式を組み合わせてもよい。バルク1段、バルク重合2段、バルク重合後気相重合のような複数の異なる重合様式を組み合わせても良い。好ましくは、液化モノマーが存在する反応器に中で重合を行うバルク重合または液化モノマーの蒸発潜熱にて除熱を行う気相重合が生産性を向上させる観点から好ましく、さらには、バルク重合が最も好ましい。
重合温度は、好ましくは0〜90℃であり、より好ましくは30〜85℃であり、さらに好ましくは45〜80℃である。重合圧力は好ましくは0.1〜5MPaG、より好ましくは0.5〜4MPaGである。
一般的に、より高い温度、より高い圧力を選択することで、触媒1gあたりの生産性を高めることが可能であるが、その反面、局所的な発熱を除去できなくなり、成長粒子の崩壊による微粉の発生や、融着により凝集物や塊を生成してしまう。そのため、触媒1gあたりの生産性と局所的発熱の除去のバランスを考慮し、上記の温度範囲、圧力範囲とする。
滞留時間は、重合槽の構成に合わせて任意に調整することができ、一般的には、30分〜10時間の範囲内で設定される。好ましい滞留時間は4時間以内であり、さらに好ましくは3時間以内である。一般的により長い滞留時間を選択することで、触媒1gあたりの生産性を高めることが可能であるが、滞留時間が過大な場合は、高分子核剤の量がポリマーに対して不足することによりβ晶分率が低下する。そのため、触媒1gあたりの生産性とβ晶分率のバランスを考慮し、上記の滞留時間範囲とする。
水素などの分子量調節剤を重合工程中で用いることにより、プロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR)を制御することができる。プロピレン系重合体のMFRは、成形方法や用途により設定されるが、測定条件を230℃、2.16kg荷重として測定したMFR値(単位:g/10分)は、通常、0.1以上、好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1以上であり、500以下、好ましくは100以下、さらに好ましくは50以下である。MFRが過小な場合は、ポリマーの流動性が著しく低下し成形が困難となり、また過大な場合は、引張り特性の低下などが発生する。
一般的に、より高い温度、より高い圧力を選択することで、触媒1gあたりの生産性を高めることが可能であるが、その反面、局所的な発熱を除去できなくなり、成長粒子の崩壊による微粉の発生や、融着により凝集物や塊を生成してしまう。そのため、触媒1gあたりの生産性と局所的発熱の除去のバランスを考慮し、上記の温度範囲、圧力範囲とする。
滞留時間は、重合槽の構成に合わせて任意に調整することができ、一般的には、30分〜10時間の範囲内で設定される。好ましい滞留時間は4時間以内であり、さらに好ましくは3時間以内である。一般的により長い滞留時間を選択することで、触媒1gあたりの生産性を高めることが可能であるが、滞留時間が過大な場合は、高分子核剤の量がポリマーに対して不足することによりβ晶分率が低下する。そのため、触媒1gあたりの生産性とβ晶分率のバランスを考慮し、上記の滞留時間範囲とする。
水素などの分子量調節剤を重合工程中で用いることにより、プロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR)を制御することができる。プロピレン系重合体のMFRは、成形方法や用途により設定されるが、測定条件を230℃、2.16kg荷重として測定したMFR値(単位:g/10分)は、通常、0.1以上、好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1以上であり、500以下、好ましくは100以下、さらに好ましくは50以下である。MFRが過小な場合は、ポリマーの流動性が著しく低下し成形が困難となり、また過大な場合は、引張り特性の低下などが発生する。
以下、実施例を用いて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明における各物性値の測定方法を以下に示す。
(1)各種物性の測定
(1−1)MFR
実施例で得られたプロピレン系重合体について、タカラ社製メルトインデクサーを用い、JISK7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠した条件で評価した。
(1)各種物性の測定
(1−1)MFR
実施例で得られたプロピレン系重合体について、タカラ社製メルトインデクサーを用い、JISK7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠した条件で評価した。
(1−2)ポリマー中の核剤濃度
得られたプロピレン系重合体に含まれている予備重合モノマーの重合体、すなわち、ポリトリメチルアリルシラン又はポリビニルシクロヘキサンの含有量は、以下の式にて計算した。
(計算式)
ポリマー中の核剤濃度={予備重合量/(生産性−予備重合量)}×1,000,000[単位:質量ppm(wtppm)]
上記計算式において、予備重合量(g−PTMAS/g−cat)とは、固体触媒成分(A−1)1gあたりのポリトリメチルアリルシラン(PTMAS)の重合量である。また、生産性(g/g−cat)とは、固体触媒成分(A−1)1g当たりのプロピレン重合体の生産量である。
得られたプロピレン系重合体に含まれている予備重合モノマーの重合体、すなわち、ポリトリメチルアリルシラン又はポリビニルシクロヘキサンの含有量は、以下の式にて計算した。
(計算式)
ポリマー中の核剤濃度={予備重合量/(生産性−予備重合量)}×1,000,000[単位:質量ppm(wtppm)]
上記計算式において、予備重合量(g−PTMAS/g−cat)とは、固体触媒成分(A−1)1gあたりのポリトリメチルアリルシラン(PTMAS)の重合量である。また、生産性(g/g−cat)とは、固体触媒成分(A−1)1g当たりのプロピレン重合体の生産量である。
(1−3)β晶分率
本発明におけるβ晶分率は、A. Turner Jones et al, Macromol. Chem., 75, 134(1964)に記載されている方法に従って算出される値であり、K値と称される場合もある。
実施例で得られたプロピレン系重合体を用いてサンプルシートを作成し、当該サンプルシートについてX線回折を行って回折強度を測定し、下記数式からβ晶分率を計算した。
[数式1]
β晶分率=Hβ1/(Hβ1+Hα1+Hα2+Hα3)
(上記式中、Hβ1はβ晶(300)の結晶部の散乱に対応するピークの高さ(強度)、Hα1はα晶(110)の結晶部の散乱に対応するピークの高さ(強度)、Hα2はα晶(040)の結晶部の散乱に対応するピークの高さ(強度)、Hα3はα晶(130)の結晶部の散乱に対応するピークの高さ(強度)である。ただし、いずれの値も非晶部の散乱を差し引いた後のピーク高さである。)
本発明におけるβ晶分率は、A. Turner Jones et al, Macromol. Chem., 75, 134(1964)に記載されている方法に従って算出される値であり、K値と称される場合もある。
実施例で得られたプロピレン系重合体を用いてサンプルシートを作成し、当該サンプルシートについてX線回折を行って回折強度を測定し、下記数式からβ晶分率を計算した。
[数式1]
β晶分率=Hβ1/(Hβ1+Hα1+Hα2+Hα3)
(上記式中、Hβ1はβ晶(300)の結晶部の散乱に対応するピークの高さ(強度)、Hα1はα晶(110)の結晶部の散乱に対応するピークの高さ(強度)、Hα2はα晶(040)の結晶部の散乱に対応するピークの高さ(強度)、Hα3はα晶(130)の結晶部の散乱に対応するピークの高さ(強度)である。ただし、いずれの値も非晶部の散乱を差し引いた後のピーク高さである。)
[X線回折の条件]
X線回折の条件は次のとおりである。
装置:Rigaku社製X−ray diffractmater SmartLab
X線:Cu、Kα、40kV、30mA
測定方法:広角透過法
走査モード:連続
走査幅:2θ
スキャン範囲:5〜40°
スキャンスピード:3°/min
X線回折の条件は次のとおりである。
装置:Rigaku社製X−ray diffractmater SmartLab
X線:Cu、Kα、40kV、30mA
測定方法:広角透過法
走査モード:連続
走査幅:2θ
スキャン範囲:5〜40°
スキャンスピード:3°/min
[サンプルシートの作成]
サンプルシートとしては、30℃プレス成型品と、80℃プレス成型品を作製した。
すなわち、210℃の加熱プレス機において5MPaGの圧力で1分間加熱溶融した後に、30℃に保持された冷却プレス機にて5MPaGの圧力にて1分間冷却プレスすることにより、厚さ1mmの30℃プレスのサンプルシートを成形し、30℃プレスのβ晶分率(k−Low)を測定した。なお、30℃プレスのβ晶分率は、一般的にK値と称される値である。
また、上記と同様の加熱溶融後、80℃に保持された冷却プレス機にて5MPaGの圧力にて1分間冷却プレスすることにより、厚さ1mmの80℃プレスのサンプルシートを成形し、80℃プレスのβ晶分率(k−High)を測定した。
サンプルシートとしては、30℃プレス成型品と、80℃プレス成型品を作製した。
すなわち、210℃の加熱プレス機において5MPaGの圧力で1分間加熱溶融した後に、30℃に保持された冷却プレス機にて5MPaGの圧力にて1分間冷却プレスすることにより、厚さ1mmの30℃プレスのサンプルシートを成形し、30℃プレスのβ晶分率(k−Low)を測定した。なお、30℃プレスのβ晶分率は、一般的にK値と称される値である。
また、上記と同様の加熱溶融後、80℃に保持された冷却プレス機にて5MPaGの圧力にて1分間冷却プレスすることにより、厚さ1mmの80℃プレスのサンプルシートを成形し、80℃プレスのβ晶分率(k−High)を測定した。
[実施例1]
(1)β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒の調製
(1−1)固体触媒成分(A−1)の合成
撹拌装置を備えた容量10Lのオートクレーブを充分に窒素で置換し、精製したトルエン2Lを導入した。ここに、室温で、ジエトキシマグネシウム(Mg(OEt)2)を200g、TiCl4を1L添加した。温度を90℃に上げて、フタル酸ジ−n−ブチルを50ml導入した。その後、温度を110℃に上げて3hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiCl4を1L添加し、温度を110℃に上げて2hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。更に、精製したn−ヘプタンを用いて、トルエンをn−ヘプタンで置換し、固体触媒成分(A−1)のスラリーを得た。
(1)β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒の調製
(1−1)固体触媒成分(A−1)の合成
撹拌装置を備えた容量10Lのオートクレーブを充分に窒素で置換し、精製したトルエン2Lを導入した。ここに、室温で、ジエトキシマグネシウム(Mg(OEt)2)を200g、TiCl4を1L添加した。温度を90℃に上げて、フタル酸ジ−n−ブチルを50ml導入した。その後、温度を110℃に上げて3hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiCl4を1L添加し、温度を110℃に上げて2hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。更に、精製したn−ヘプタンを用いて、トルエンをn−ヘプタンで置換し、固体触媒成分(A−1)のスラリーを得た。
(1−2)オレフィン重合用触媒(A)の調製
上記の固体触媒成分(A−1)を、内容積500mLの充分に窒素置換したガラスフラスコに投入した。精製したn−ヘプタンを固体触媒成分(A―1)の濃度が20g/Lとなる様に投入し、成分(A−4)としてジメチルジビニルシランを0.5ml、成分(A−3)としてジイソブチルジメトキシシランを0.18g、成分(A−2)としてトリエチルアルミニウムのn−ヘプタン希釈液をトリエチルアルミニウムとして0.85g添加した。その後、撹拌しながら30℃で2時間保持することで、オレフィン重合用触媒(A)のスラリーを得た。
上記の固体触媒成分(A−1)を、内容積500mLの充分に窒素置換したガラスフラスコに投入した。精製したn−ヘプタンを固体触媒成分(A―1)の濃度が20g/Lとなる様に投入し、成分(A−4)としてジメチルジビニルシランを0.5ml、成分(A−3)としてジイソブチルジメトキシシランを0.18g、成分(A−2)としてトリエチルアルミニウムのn−ヘプタン希釈液をトリエチルアルミニウムとして0.85g添加した。その後、撹拌しながら30℃で2時間保持することで、オレフィン重合用触媒(A)のスラリーを得た。
(1−3)予備重合
上記で得られたオレフィン重合用触媒(A)のスラリーに対し、固体触媒成分(A−1)1gあたり成分(B−1)としてトリメチルアリルシランを2.0gの割合で投入した。その後、温度を50℃まで20分間かけて上昇させ、50℃到達の時点を基点として、温度を保持しながら4時間撹拌することで重合を続けることで、固体触媒成分(A−1)1gあたりポリトリメチルアリルシランが0.7g重合されたβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のスラリーを得た。このβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のポリマー部を除いた部分には、Tiが1.0質量%、ジイソブチルジメトキシシランが8.2質量%含まれていた。
上記で得られたオレフィン重合用触媒(A)のスラリーに対し、固体触媒成分(A−1)1gあたり成分(B−1)としてトリメチルアリルシランを2.0gの割合で投入した。その後、温度を50℃まで20分間かけて上昇させ、50℃到達の時点を基点として、温度を保持しながら4時間撹拌することで重合を続けることで、固体触媒成分(A−1)1gあたりポリトリメチルアリルシランが0.7g重合されたβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のスラリーを得た。このβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のポリマー部を除いた部分には、Tiが1.0質量%、ジイソブチルジメトキシシランが8.2質量%含まれていた。
(1−4)ポリプロピレン系重合体の製造方法
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0Lのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、トリエチルアルミニウムを1414mg、ジイソプロピルジメトキシシランを750mg、及び水素を2250NmL導入し、次いで、液体プロピレンを1000g導入して、内部温度を40℃に合わせた後に、上記のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を、固体触媒成分(A−1)の量が138mgになるように圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ml圧入して重合を停止し、プロピレン系重合体を634g回収した。ポリマーを90℃にて真空乾燥して秤量し、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0Lのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、トリエチルアルミニウムを1414mg、ジイソプロピルジメトキシシランを750mg、及び水素を2250NmL導入し、次いで、液体プロピレンを1000g導入して、内部温度を40℃に合わせた後に、上記のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を、固体触媒成分(A−1)の量が138mgになるように圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ml圧入して重合を停止し、プロピレン系重合体を634g回収した。ポリマーを90℃にて真空乾燥して秤量し、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1に記載のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のスラリーを使用し、α−オレフィン重合を下記の条件にて実施した。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0Lのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、トリエチルアルミニウムを1131mg、ジイソプロピルジメトキシシランを200mg、及び水素を3000NmL導入し、次いで、液体プロピレンを1000g導入して、内部温度を50℃に合わせた後に、上記のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を、固体触媒成分(A−1)の量が36.8mgになるように圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ml圧入して重合を停止し、プロピレン系重合体を524g回収した。ポリマーを90℃にて真空乾燥して秤量し、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1に記載のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のスラリーを使用し、α−オレフィン重合を下記の条件にて実施した。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0Lのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、トリエチルアルミニウムを1131mg、ジイソプロピルジメトキシシランを200mg、及び水素を3000NmL導入し、次いで、液体プロピレンを1000g導入して、内部温度を50℃に合わせた後に、上記のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を、固体触媒成分(A−1)の量が36.8mgになるように圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ml圧入して重合を停止し、プロピレン系重合体を524g回収した。ポリマーを90℃にて真空乾燥して秤量し、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1に記載のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のスラリーを使用し、α−オレフィン重合を下記の条件に変更して実施した。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0Lのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、トリエチルアルミニウムを283mg、ジイソプロピルジメトキシシランを50mg、及び水素を9000NmL導入し、次いで、液体プロピレンを1000g導入して、内部温度を70℃に合わせた後に、上記のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を、固体触媒成分(A−1)の量が9.2mgになるように圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ml圧入して重合を停止し、プロピレン系重合体を597g回収した。ポリマーを90℃にて真空乾燥して秤量し、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1に記載のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のスラリーを使用し、α−オレフィン重合を下記の条件に変更して実施した。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0Lのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、トリエチルアルミニウムを283mg、ジイソプロピルジメトキシシランを50mg、及び水素を9000NmL導入し、次いで、液体プロピレンを1000g導入して、内部温度を70℃に合わせた後に、上記のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を、固体触媒成分(A−1)の量が9.2mgになるように圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ml圧入して重合を停止し、プロピレン系重合体を597g回収した。ポリマーを90℃にて真空乾燥して秤量し、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)の予備重合方法において、予備重合の時間を2時間へ変更する以外は、実施例1の記載と同様の方法でβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を製造した。
この予備重合触媒には、固体触媒成分(A−1)1gあたりポリトリメチルアリルシランが0.5g重合されていた。
上記β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のスラリーを使用し、α−オレフィン重合を下記の条件に変更して実施した。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0Lのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、トリエチルアルミニウムを283mg、ジイソプロピルジメトキシシランを50mg、及び水素を9450NmL導入し、次いで、液体プロピレンを1000g導入して、内部温度を70℃に合わせた後に、上記のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を、固体触媒成分(A−1)の量が9.3mgになるように圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ml圧入して重合を停止し、プロピレン系重合体を640g回収した。ポリマーを90℃にて真空乾燥して秤量し、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)の予備重合方法において、予備重合の時間を2時間へ変更する以外は、実施例1の記載と同様の方法でβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を製造した。
この予備重合触媒には、固体触媒成分(A−1)1gあたりポリトリメチルアリルシランが0.5g重合されていた。
上記β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のスラリーを使用し、α−オレフィン重合を下記の条件に変更して実施した。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0Lのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、トリエチルアルミニウムを283mg、ジイソプロピルジメトキシシランを50mg、及び水素を9450NmL導入し、次いで、液体プロピレンを1000g導入して、内部温度を70℃に合わせた後に、上記のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を、固体触媒成分(A−1)の量が9.3mgになるように圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ml圧入して重合を停止し、プロピレン系重合体を640g回収した。ポリマーを90℃にて真空乾燥して秤量し、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例4に記載のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のスラリーを使用し、α−オレフィン重合を下記の条件に変更して実施した。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0Lのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、トリエチルアルミニウムを1131mg、ジイソプロピルジメトキシシランを200mg、及び水素を3000NmL導入し、次いで、液体プロピレンを1000g導入して、内部温度を50℃に合わせた後に、上記のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を、固体触媒成分(A−1)の量が37.2mgになるように圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ml圧入して重合を停止し、プロピレン系重合体を540g回収した。ポリマーを90℃にて真空乾燥して秤量し、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4に記載のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のスラリーを使用し、α−オレフィン重合を下記の条件に変更して実施した。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0Lのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、トリエチルアルミニウムを1131mg、ジイソプロピルジメトキシシランを200mg、及び水素を3000NmL導入し、次いで、液体プロピレンを1000g導入して、内部温度を50℃に合わせた後に、上記のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を、固体触媒成分(A−1)の量が37.2mgになるように圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ml圧入して重合を停止し、プロピレン系重合体を540g回収した。ポリマーを90℃にて真空乾燥して秤量し、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)の予備重合方法において、予備重合の時間を1時間へ変更する以外は、実施例1の記載と同様の方法でβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を製造した。
この予備重合触媒には、固体触媒成分(A−1)1gあたりポリトリメチルアリルシランが0.3g重合されていた。
上記β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のスラリーを使用し、α−オレフィン重合を下記の条件に変更して実施した。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0Lのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、トリエチルアルミニウムを283mg、ジイソプロピルジメトキシシランを50mg、及び水素を9450NmL導入し、次いで、液体プロピレンを1000g導入して、内部温度を70℃に合わせた後に、上記のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を、固体触媒成分(A−1)の量が9.1mgになるように圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ml圧入して重合を停止し、プロピレン系重合体を580g回収した。ポリマーを90℃にて真空乾燥して秤量し、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)の予備重合方法において、予備重合の時間を1時間へ変更する以外は、実施例1の記載と同様の方法でβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を製造した。
この予備重合触媒には、固体触媒成分(A−1)1gあたりポリトリメチルアリルシランが0.3g重合されていた。
上記β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のスラリーを使用し、α−オレフィン重合を下記の条件に変更して実施した。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0Lのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、トリエチルアルミニウムを283mg、ジイソプロピルジメトキシシランを50mg、及び水素を9450NmL導入し、次いで、液体プロピレンを1000g導入して、内部温度を70℃に合わせた後に、上記のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を、固体触媒成分(A−1)の量が9.1mgになるように圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ml圧入して重合を停止し、プロピレン系重合体を580g回収した。ポリマーを90℃にて真空乾燥して秤量し、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例6記載のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のスラリーを使用し、α−オレフィン重合を下記の条件に変更して実施した。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0Lのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、トリエチルアルミニウムを1131mg、ジイソプロピルジメトキシシランを200mg、及び水素を3000NmL導入し、次いで、液体プロピレンを1000g導入して、内部温度を50℃に合わせた後に、上記のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を、固体触媒成分(A−1)の量が36.4mgになるように圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ml圧入して重合を停止し、プロピレン系重合体を523g回収した。ポリマーを90℃にて真空乾燥して秤量し、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6記載のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)のスラリーを使用し、α−オレフィン重合を下記の条件に変更して実施した。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0Lのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、トリエチルアルミニウムを1131mg、ジイソプロピルジメトキシシランを200mg、及び水素を3000NmL導入し、次いで、液体プロピレンを1000g導入して、内部温度を50℃に合わせた後に、上記のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を、固体触媒成分(A−1)の量が36.4mgになるように圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ml圧入して重合を停止し、プロピレン系重合体を523g回収した。ポリマーを90℃にて真空乾燥して秤量し、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
予備重合モノマー(B−1)を、トリメチルアリルシランからプロピレンに変更し、予備重合の温度を10℃、予備重合時間を10分間としてオレフィン重合用予備重合触媒を調製した以外は、実施例3と同様の方法にてプロピレン系重合体の製造を行った。
予備重合モノマー(B−1)を、トリメチルアリルシランからプロピレンに変更し、予備重合の温度を10℃、予備重合時間を10分間としてオレフィン重合用予備重合触媒を調製した以外は、実施例3と同様の方法にてプロピレン系重合体の製造を行った。
[比較例2]
予備重合モノマー(B−1)をトリメチルアリルシランからビニルシクロヘキサンに変更してオレフィン重合用予備重合触媒を調製した以外は実施例2と同様の方法にてプロピレン系重合体の製造を行った。
予備重合モノマー(B−1)をトリメチルアリルシランからビニルシクロヘキサンに変更してオレフィン重合用予備重合触媒を調製した以外は実施例2と同様の方法にてプロピレン系重合体の製造を行った。
表1及び表2.プロピレン系重合体の製造条件と各種物性の評価結果
表1において、「⇒」の表示は、左側の欄と同じであることを意味する。
表2において、生産性(g/g−cat)とは、固体触媒成分(A−1)1g当たりのプロピレン重合体の生産量である。
また、表2において、ポリマー中の核剤濃度とは、得られたプロピレン系重合体に含まれている予備重合モノマーの重合体、すなわち、ポリトリメチルアリルシラン又はポリビニルシクロヘキサンの含有量(単位:質量ppm)である。
表2において、生産性(g/g−cat)とは、固体触媒成分(A−1)1g当たりのプロピレン重合体の生産量である。
また、表2において、ポリマー中の核剤濃度とは、得られたプロピレン系重合体に含まれている予備重合モノマーの重合体、すなわち、ポリトリメチルアリルシラン又はポリビニルシクロヘキサンの含有量(単位:質量ppm)である。
[評価]
実施例1〜3から明らかなように、本発明の方法で製造されたプロピレン系重合体は、高分子核剤の濃度が低濃度であっても、β晶核剤をさらに添加することなく、β晶を十分な量で、サンプルシートの冷却条件に影響されずに発生させている。
比較例1から明らかなように、プロピレンにて予備重合を行った場合は、β晶形成の効果は得られない。
比較例2から明らかなように、ビニルシクロヘキサンにて予備重合を行った場合も、比較例1と同様にβ晶形成の効果は得られない。
実施例4〜7から明らかなように、本発明の方法で製造されたβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒は、高分子核剤の予備重合量が従来の予備重合触媒より低濃度であっても、β晶核剤をさらに添加することなく、β晶を十分な量で、サンプルシートの冷却条件に影響されずに発生させている。
実施例1〜3から明らかなように、本発明の方法で製造されたプロピレン系重合体は、高分子核剤の濃度が低濃度であっても、β晶核剤をさらに添加することなく、β晶を十分な量で、サンプルシートの冷却条件に影響されずに発生させている。
比較例1から明らかなように、プロピレンにて予備重合を行った場合は、β晶形成の効果は得られない。
比較例2から明らかなように、ビニルシクロヘキサンにて予備重合を行った場合も、比較例1と同様にβ晶形成の効果は得られない。
実施例4〜7から明らかなように、本発明の方法で製造されたβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒は、高分子核剤の予備重合量が従来の予備重合触媒より低濃度であっても、β晶核剤をさらに添加することなく、β晶を十分な量で、サンプルシートの冷却条件に影響されずに発生させている。
Claims (9)
- 下記成分(A−1)、(A−2)、(A−3)及び(A−4)を必須成分として接触させることにより得られたオレフィン重合用触媒(A)の存在下で、下記成分(B−1)をモノマーとして前記成分(A−1)である固体触媒成分(A−1)1質量部に対し0.1質量部以上の比率で重合させることにより、β型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)を調製する工程、及び、
調製されたβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒(B)の存在下で、少なくともプロピレンを含むオレフィンを重合させる工程を含むことを特徴とするβ型結晶含有プロピレン系重合体の製造方法。
成分(A−1):マグネシウム(A−1a)、チタン(A−1b)、ハロゲン(A−1c)及び内部ドナーとしての電子供与性化合物(A−1d)を必須成分として含有してなる固体触媒成分
成分(A−2):有機アルミニウム化合物
成分(A−3):アルコキシシラン化合物
成分(A−4):ビニルシラン化合物
成分(B−1):アリルケイ素化合物 - 前記成分(A−4)であるビニルシラン化合物(A−4)が、ジビニルシランであることを特徴とする請求項1に記載のβ型結晶含有プロピレン系重合体の製造方法。
- 前記成分(B−1)であるアリルケイ素化合物(B−1)が、トリメチルアリルシランであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のβ型結晶含有プロピレン系重合体の製造方法。
- 下記成分(A−1)、(A−2)、(A−3)及び(A−4)を必須成分として接触させることにより得られたオレフィン重合用触媒(A)の存在下で、下記成分(B−1)をモノマーとして前記成分(A−1)である固体触媒成分(A−1)1質量部に対し0.1質量部以上の比率で重合させることを特徴とするβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒の製造方法。
成分(A−1):マグネシウム(A−1a)、チタン(A−1b)、ハロゲン(A−1c)及び内部ドナーとしての電子供与性化合物(A−1d)を必須成分として含有してなる固体触媒成分。
成分(A−2):有機アルミニウム化合物
成分(A−3):アルコキシシラン化合物
成分(A−4):ビニルシラン化合物
成分(B−1):アリルケイ素化合物 - 前記成分(A−4)であるビニルシラン化合物(A−4)が、ジビニルシランであることを特徴とする請求項4に記載のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒の製造方法。
- 前記成分(B−1)であるアリルケイ素化合物(B−1)が、トリメチルアリルシランであることを特徴とする、請求項4又は5に記載のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒の製造方法。
- 下記成分(A−1)、(A−2)、(A−3)及び(A−4)を必須成分として接触させることにより得られたオレフィン重合用触媒(A)、及び、β晶核剤として下記成分(B−1)’を含み、当該成分(B−1)’を、前記成分(A−1)である固体触媒成分(A−1)1質量部に対し、0.1質量部以上の比率で含有することを特徴とするβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒。
成分(A−1):マグネシウム(A−1a)、チタン(A−1b)、ハロゲン(A−1c)及び内部ドナーとしての電子供与性化合物(A−1d)を必須成分として含有してなる固体触媒成分。
成分(A−2):有機アルミニウム化合物
成分(A−3):アルコキシシラン化合物
成分(A−4):ビニルシラン化合物
成分(B−1)’:ポリ(アリルケイ素化合物) - 前記成分(A−4)であるビニルシラン化合物(A−4)が、ジビニルシランであることを特徴とする請求項7に記載のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒。
- 前記成分(B−1)であるアリルケイ素化合物(B−1)がトリメチルアリルシランであることを特徴とする請求項7又は8に記載のβ型結晶含有プロピレン系重合体重合用予備重合触媒。
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- 2020-03-12 JP JP2020042785A patent/JP2020186366A/ja active Pending
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