JP2020186208A - ジイミドジカルボン酸およびそれを用いたエポキシ樹脂硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた柔軟性と誘電特性を有するエポキシ樹脂硬化物を得ることができるジイミドジカルボン酸の提供。【解決手段】無水トリカルボン酸と炭素数18以上のジアミンとからなる一般式(1)で示されるジイミドジカルボン酸、および、無水トリカルボン酸が、無水トリメリット酸である前記ジイミドジカルボン酸、および、炭素数18以上のジアミンが、ダイマージアミンである前記ジイミドジカルボン酸。(式中、R1は、炭素数18以上の炭化水素基を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、優れた柔軟性と誘電特性を有するエポキシ樹脂硬化物を得ることができるジイミドジカルボン酸およびそれを用いたエポキシ樹脂硬化物に関する。
トリカルボン酸無水物とジアミンとからなるジイミドジカルボン酸は、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド等のポリマーのジカルボン酸原料として工業的に有用である。イミドジカルボン酸は、例えば、特許文献1、2等に開示されている。
特開平4−182466号公報 国際公開2016/061291号パンフレット
しかしながら、特許文献1、2で開示されているジイミドジカルボン酸は、トリカルボン酸無水物と、主に芳香族ジアミンを反応させて得られる化合物であるため、得られるポリマーが脆いという問題があった。また、近年、高周波対応向けに優れた誘電特性を示す樹脂材料が求められているが、前記ポリマーは誘電特性が高く、用途が限定されるという問題があった。
本発明は、優れた柔軟性と誘電特性を有するエポキシ樹脂硬化物を得ることができるジイミドジカルボン酸を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討をおこなった結果、無水トリカルボン酸と炭素数18以上のジアミンとからなるジイミドジカルボン酸を原料として用いることにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
<1>無水トリカルボン酸と炭素数18以上のジアミンとからなる一般式(1)で示されるジイミドジカルボン酸。
(式中、Rは、炭素数18以上の炭化水素基を示す。)
<2>無水トリカルボン酸が、無水トリメリット酸である<1>に記載のジイミドジカルボン酸。
<3>炭素数18以上のジアミンが、ダイマージアミンである<1>または<2>に記載のジイミドジカルボン酸。
<4>無水トリカルボン酸と炭素数18以上のジアミンとを反応させてジイミドジカルボン酸を製造する方法において、無溶媒下で反応させる<1>〜<3>いずれかに記載のジイミドジカルボン酸の製造方法。
<5>メカノケミカル効果を用いて反応させる<4>に記載の製造方法。
<6><1>〜<3>いずれかに記載のジイミドジカルボン酸とエポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物。
<7><1>〜<3>いずれかに記載のジイミドジカルボン酸とエポキシ樹脂と有機溶剤とを含有するエポキシ樹脂溶液。
<8><6>に記載のエポキシ樹脂組成物または請求項7に記載のエポキシ樹脂溶液を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
本発明によれば、優れた柔軟性と誘電特性を有するエポキシ樹脂硬化物を得ることができるジイミドジカルボン酸を提供することができる。
<ジイミドジカルボン酸>
本発明のジイミドジカルボン酸は、一般式(1)で示されるジイミドジカルボン酸であって、無水トリカルボン酸と炭素数18以上のジアミンとから構成される。
一般式(1)において、Rは、炭素数18以上の炭化水素基である。
本発明に用いる無水トリカルボン酸としては、例えば、無水トリメリット酸(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸−1,2−無水物)や1,2,3−ベンゼントリカルボン酸−1,2−無水物が挙げられる。中でも、汎用性が高いことから、無水トリメリット酸が好ましい。
本発明に用いる炭素数18以上のジアミンとしては、例えば、オクタデカンジアミン(炭素数18)、ノナデカンジアミン(炭素数19)、イコサンジアミン(炭素数20)、ヘンイコサンジアミン(炭素数21)、ドコサンジアミン(炭素数22)、トリコサンジアミン(炭素数23)、テトラコサンジアミン(炭素数24)、ペンタコサンジアミン(炭素数25)、ヘキサコサンジアミン(炭素数26)、ヘプタコサンジアミン(炭素数27)、オクタコサンジアミン(炭素数28)、ノナコサンジアミン(炭素数29)、トリアコンタンジアミン(炭素数30)、ヘントリアコンタンジアミン(炭素数31)、ドトリアコンタンジアミン(炭素数32)、トリトリアコンタンジアミン(炭素数33)、テトラトリアコンタンジアミン(炭素数34)、ペンタトリアコンタンジアミン(炭素数35)、ダイマージアミン(炭素数36)が挙げられる。中でも、汎用性が高く、得られるエポキシ樹脂硬化物の柔軟性が向上することから、ダイマージアミン(炭素数36)が好ましい。炭素数18以上のジアミンは、水素添加反応を施したものであってもよいし、二重結合や三重結合を有していてもよい。また、炭素数18以上のジアミンは、分岐を有してもよいし、不飽和結合を有してもよい。炭素数18以上のジアミンは純度が高いものが好ましい。ダイマージアミンの市販品としては、BASFジャパン社製「バーサミン551」、コグニスジャパン社製「バーサミン552」(バーサミン551の水素添加物)、クロ―ダジャパン社製「PRIAMINE1075」、クロ―ダジャパン社製「PRIAMINE1074」が挙げられる。炭素数18以上のジアミンは、上記のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<ジイミドジカルボン酸の製造方法>
一般式(1)で示されるジイミドジカルボン酸の製造方法は特に限定されないが、溶剤回収等の工程を必要としないことから、無水トリカルボン酸と炭素数18以上のジアミンとを、無溶剤下で反応させたのち、加熱イミド化反応をおこなうことが好ましい。無溶剤下で反応させる方法としては、例えば、固体状の無水トリカルボン酸を、得られるジイミドジカルボン酸の融点以下かつ炭素数18以上のジアミンの融点以上の温度に加熱し、無水トリカルボン酸がその固体状態を保つように、液体状態の炭素数18以上のジアミンを添加して反応させる方法や、無水トリカルボン酸と炭素数18以上のジアミンとを、メカノケミカル効果を利用して反応させる方法が挙げられる。
前者の方法の場合、炭素数18以上のジアミンを2回以上に分割し、複数回に分けて添加する方法が好ましく、滴下する方法がより好ましい。
後者のメカノケミカル効果を利用した方法とは、反応に用いる原料化合物を粉砕する際に生じる機械的エネルギーを利用することによりメカノケミカル効果を発現させる方法である。
メカノケミカル効果とは、反応環境下において固体状態にある原料化合物に機械的エネルギー(圧縮力、剪断力、衝撃力、摩砕力等)を付与することにより、当該原料化合物を粉砕し、形成される粉砕界面を活性化させる効果のことである。これにより、官能基同士の反応が起こる。官能基同士の反応は通常、2つ以上の原料化合物分子間で起こる。例えば、官能基同士の反応は化学構造の異なる2つの原料化合物分子間で起こってもよいし、化学構造の同じ2つの原料化合物分子間で起こってもよい。官能基同士の反応は限定的な1組の2つの原料化合物分子間のみで起こるわけではなく、通常は他の組の2つの原料化合物分子間でも起こる。官能基同士の反応により生成した化合物分子と、原料化合物分子との間で、新たに官能基同士の反応が起こってもよい。官能基同士の反応は通常、化学反応であり、これにより、2つの原料化合物分子間で、各原料化合物分子が有する官能基により、結合基(特に共有結合)が形成されて、別の1つの化合物分子が生成する。
本発明において、加熱イミド化反応とは、無水トリカルボン酸と炭素数18以上のジアミンとを、無溶剤下で反応させた後、窒素雰囲気下で、250〜350℃に加熱する方法である。
<エポキシ樹脂溶液>
本発明のエポキシ樹脂溶液は、有機溶剤に、一般式(1)で示されるジイミドジカルボン酸とエポキシ樹脂とを溶解させることにより得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂溶液に用いるエポキシ樹脂は、1分子中、2個以上のエポキシ基を有する有機化合物である。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アクリル酸変性エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、リン変性エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂は、上記のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、100〜3000eq/モルであることが好ましく、150〜300eq/モルであることがより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂溶液に用いる有機溶媒は、硬化剤およびエポキシ樹脂が均一に溶解できれば特に限定されず、環境への影響の観点から非ハロゲン化溶媒が好ましい。このような非ハロゲン化溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド化合物が挙げられる。これらの非ハロゲン化溶媒はいずれも汎用溶媒として有用である。有機溶媒は、上記のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂溶液は、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤は特に限定されないが、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン類が挙げられる。硬化促進剤は、上記のうち1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂溶液全量に対して、0.01〜2質量%とすることが好ましく、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性と誘電特性が向上することから、0.01〜1質量%とすることが好ましく、0.05〜0.5質量%とすることがより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂溶液の製造方法は特に限定されないが、例えば、個別溶解法、一括溶解法いずれの方法であってもよい。短時間で均一な樹脂溶液を得る観点から個別溶解法が好ましい。個別溶解法とは、予めジイミドジカルボン酸とエポキシ樹脂をそれぞれ有機溶媒に混合し溶解した後、これらを混合する方法である。一括溶解法とは、ジイミドジカルボン酸およびエポキシ樹脂を同時に有機溶媒に混合し、溶解する方法である。個別溶解法および一括溶解法において、混合温度は特に限定されないが、80〜180℃とすることが好ましく、100〜160℃とすることがより好ましい。上記混合温度を達成するための加熱は、例えば、有機溶媒の還流加熱であってもよい。
本発明のエポキシ樹脂溶液において、ジイミドジカルボン酸の配合量は、得られるエポキシ樹脂硬化物の耐熱性や誘電特性が向上することから、ジイミドジカルボン酸の官能基当量がエポキシ樹脂のエポキシ当量に対して、0.5〜1.5当量比とすることが好ましく、0.7〜1.3当量比とすることがより好ましい。ジイミドジカルボン酸の官能基当量は、カルボキシル基の含有量から算出することができる。
<エポキシ樹脂組成物>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、一般式(1)で示されるジイミドジカルボン酸とエポキシ樹脂とを混合することにより得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂溶液に用いるエポキシ樹脂と同一である。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、硬化促進剤を含んでもよい。エポキシ樹脂組成物に用いる硬化促進剤や配合量は、エポキシ樹脂溶液の場合と同一である。
本発明のエポキシ樹脂組成物におけるイミドジカルボン酸の配合量も、エポキシ樹脂溶液の場合と同一である。
<エポキシ樹脂硬化物>
本発明のエポキシ樹脂溶液やエポキシ樹脂組成物を加熱することにより、ジイミドジカルボン酸とエポキシ樹脂とを反応させ、本発明のエポキシ樹脂硬化物を得ることができる。加熱温度(硬化温度)は、80〜350℃とすることが好ましく、130〜300℃とすることがより好ましい。加熱時間(硬化時間)は、1分〜20時間とすることが好ましく、5分〜10時間とすることがより好ましい。なお、エポキシ樹脂溶液を加熱する場合、加熱により有機溶媒は留去される。
本発明のエポキシ樹脂硬化物の誘電率は、誘電特性の観点から、2.5以下であることが好ましく、2.2以下であることがより好ましく、2.1以下であることがさらに好ましい。また、本発明のエポキシ樹脂硬化物の誘電正接は、誘電特性の観点から、0.016以下であることが好ましく、0.010以下であることがより好ましく、0.006以下であることがさらに好ましい。誘電率が2.5以下で、誘電正接が0.016以下のエポキシ樹脂硬化物は、エポキシ樹脂と、無水トリカルボン酸と炭素数18以上のジアミンを反応させて得られるジイミドジカルボン酸とを硬化することにより得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂硬化物の引張弾性率は、柔軟性の観点から、1700MPa以下であることが好ましく、1400MPa以下であることがより好ましい。引張弾性率が1700MPa以下のエポキシ樹脂硬化物は、エポキシ樹脂と、無水トリカルボン酸と炭素数18以上のジアミンとを反応させて得られるジイミドジカルボン酸を硬化することにより得ることができる。
本発明のジイミドジカルボン酸は、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド等の原料として好適に用いることができる。また、本発明のエポキシ樹脂組成物やエポキシ樹脂溶液やエポキシ樹脂硬化物は、プリント配線板、ビルドアップ積層板、半導体封止材として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、ジイミドジカルボン酸、エポキシ樹脂溶液、エポキシ樹脂硬化物の評価は、以下の方法によりおこなった。
A.原料
(1)無水トリカルボン酸
・無水トリメリット酸:東京化成工業社製
(2)ジアミン
・水添ダイマージアミン:クローダジャパン社製「PRIAMINE1075」
(3)エポキシ樹脂
・ビスフェノールA型:三菱化学社製「jER828」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量184〜194g/eq
・ノボラック型:日本化薬社製「EOCN−1020−55」、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量195g/eq
(4)硬化促進剤
・2−エチル−4−メチルイミダゾール:東京化成工業社製
(5)ジイミドジカルボン酸
合成例1
無水トリメリット酸と水添ダイマージアミンのモル比が66.6/33.4で混合した試料を、大阪ケミカル社製ワンダークラッシャーWC−3Cを用いて、9000rpmの回転速度で1分間混合粉砕することを3回繰り返して、メカノケミカル処理をおこなった。
処理した試料をガラス容器に移し、ヤマト科学社製イナートオーブンDN411Iにて、窒素雰囲気下で300℃2時間イミド化反応をおこない、ジイミドジカルボン酸を得た。
合成例2〜4
ジアミン成分を表1に記載のジアミンに変更する以外は合成例1と同様の操作をおこなって、メカノケミカル処理、イミド化反応をおこない、ジイミドジカルボン酸を得た。
合成例1〜4で得られたジイミドジカルボン酸の組成とその評価を表1に示す。
B.評価
[ジイミドジカルボン酸の評価]
(1)反応の確認
赤外分光法(IR)を用いて、以下の条件で測定し、1778cm−1付近および1714cm−1付近の吸収の有無を確認した。
赤外分光法(IR)
装置:Perkin Elmer社製 System 2000 赤外分光装置
方法:KBr法
積算回数:64スキャン(分解能4cm−1
1778cm−1付近および1714cm−1付近のいずれの吸収も確認できる場合、反応が進行したと評価して「○」とし、いずれかの吸収がない場合、または、いずれの吸収もない場合、反応が進行していないと評価して「×」とした。
(2)分子量
高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS)を用いて、以下の条件で測定し、分子量を求めた。
試料:ジイミドジカルボン酸/DMSO溶液(200μg/mL)
装置:ブルカー・ダルトニクス社製microTOF2−kp
カラム:Cadenza CD−C18 3μm 2mm×150mm
移動相:(移動相A)0.1% ギ酸水溶液、(移動相B)メタノール
グラジエント(B Conc.):0分(50%)−5.7分(60%)−14.2分(60%)−17分(100%)−21.6分(100%)−27.2分(50%)−34分(50%)
イオン化法:ESI
検出条件:Negativeモード
(3)官能基当量
ジイミドジカルボン酸の分子量と官能基数から計算により求めた。
[エポキシ樹脂溶液の評価]
(4)ジイミドジカルボン酸の溶解性
〇:10分間以内に完全に溶解した。
×:完全に溶解したものの、溶解するのに10分を要した。
[エポキシ樹脂硬化物の評価方法]
(5)反応性
各実施例、比較例で得られたエポキシ樹脂溶液をアルミニウム基材に300μmの厚みで塗工し、イナートオーブンにて、窒素雰囲気下、180℃で2時間、続いて200℃で2時間乾燥して、脱溶媒および硬化反応をおこなった。その後、樹脂層を形成したアルミニウム基材からアルミ基材を除去し、エポキシ樹脂硬化物を得た。
得られたエポキシ樹脂硬化物について下記の条件により透過赤外吸収スペクトル(IR)測定をおこない、グリシジル基の吸光度比を求め、反応率を求めた。
グリシジル基に由来する吸収は、通常、900〜950cm−1の波数領域に検出される。これらの波数に検出される吸収ピークの両サイドの基底部を直線的に結んだ線をベースラインとし、ピークの頂点からベースラインに対し垂直に線を引いた時の交点からピークの頂点までの長さを吸光度とし、算出した。
赤外分光法(IR)
装置:Perkin Elmer社製 System 2000 赤外分光装置
方法:KBr法
積算回数:64スキャン(分解能4cm−1
グリシジル基の吸光度比から反応率の算出法の詳細は下記の通りである。
まず、各実施例により得られたエポキシ樹脂硬化物をKBr粉末と混合することによりIR測定用試料を作製し測定をおこなった。得られたスペクトル中で最も高い吸光度を示すピークの強度が吸光度0.8〜1.0の範囲に入ることを確認し、グリシジル基の吸光度αを求めた。次に、この試料をオーブンにて窒素気流下300℃の温度で2時間熱処理して、硬化反応を完全に進行させた。この硬化させた試料について同じ方法によりIR測定をおこない、グリシジル基に起因する波数の吸光度α’を求めた。このとき試料の反応率を次式として求め、以下の基準で評価した。試料の作製に使用したエポキシ樹脂溶液は、製造後、室温(25℃)で48時間放置したものを使用した。
反応率(%)={1−(α’/α)}×100
◎:90%≦反応率≦100%(最良)
〇:80%≦反応率<90%(良)
×:反応率<80%(不良)
(6)ガラス転移温度
(5)で得られたエポキシ樹脂硬化物を、示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて、以下の条件で測定した。
装置:Perkin Elmer社製 DSC 7
昇温速度:20℃/分
25℃から300℃まで昇温し、降温後、再度25℃から300℃まで昇温し、得られた昇温曲線中の転移温度に由来する不連続変化の開始温度をガラス転移温度とした。
(7)誘電特性(誘電率、誘電正接)
(5)で得られたエポキシ樹脂硬化物を、インピーダンス・アナライザを用いて、以下の条件で誘電率と誘電正接を測定し、以下の基準で評価した。
装置:アジレント・テクノロジー社製E4991A RFインピーダンス/マテリアル・アナライザ
試料寸法:長さ20mm×幅20mm×厚み150μm
周波数:1GHz
測定温度:23℃
試験環境:23℃±1℃、50%RH±5%RH
◎:誘電率≦2.1(最良)
〇:2.1<誘電率≦2.2(良)
×:2.2<誘電率(不良)
◎:誘電正接≦0.006(最良)
〇:0.006<誘電正接≦0.010(良)
×:0.010<誘電正接(不良)
(8)引張弾性率
(5)で得られたエポキシ樹脂硬化物を幅10×長さ100mmに切断して試験片を作製し、ISO 178に準拠して測定し、以下の基準で評価した。
◎:引張弾性率≦1400MPa(最良)
○:1400MPa<引張弾性率≦1700MPa(良)
×:1700MPa<引張弾性率(不良)
実施例1
合成例1で得られたジイミドジカルボン酸とビスフェノールA型エポキシ樹脂を1.0/1.1(当量比)の割合で混合した試料60質量部に対して、2−エチル−4メチルイミダゾール0.2質量部と、ジメチルホルムアミド39.8質量部とを混合し、150℃で0.5時間の還流加熱をおこない、エポキシ樹脂溶液を得た。
実施例1で得られたエポキシ樹脂溶液に含まれるエポキシ樹脂におけるグリシジル基の反応率は10%以下であった。
実施例2〜4、比較例1、2
用いるジイミドジカルボン酸とエポキシ樹脂の種類と配合量を、表2に記載の通りに変更する以外は実施例1と同様の操作をおこなって、エポキシ樹脂溶液を得た。
実施例2〜4、比較例1、2で得られたエポキシ樹脂溶液に含まれるエポキシ樹脂におけるグリシジル基の反応率は10%以下であった。
実施例1〜4、比較例1、2で得られたエポキシ樹脂溶液の組成とその評価およびエポキシ樹脂硬化物の評価を表2に示す。
実施例1〜4のエポキシ樹脂硬化物は、無水トリカルボン酸と炭素数18以上のジアミンとからなるジイミドジカルボン酸を原料として用いたため、引張弾性率が1700MPa以下で柔軟性が高く、誘電率が2.2以下、誘電正接が0.010以下で誘電特性に優れていた。
比較例1、2のエポキシ樹脂硬化物は、無水トリカルボン酸と炭素数18未満のジアミンとからなるジイミドジカルボン酸を原料として用いたため、引張弾性率、誘電率、誘電正接が大きかった。

Claims (8)

  1. 無水トリカルボン酸と炭素数18以上のジアミンとからなる一般式(1)で示されるジイミドジカルボン酸。
    (式中、Rは、炭素数18以上の炭化水素基を示す。)
  2. 無水トリカルボン酸が、無水トリメリット酸である請求項1に記載のジイミドジカルボン酸。
  3. 炭素数18以上のジアミンが、ダイマージアミンである請求項1または2に記載のジイミドジカルボン酸。
  4. 無水トリカルボン酸と炭素数18以上のジアミンとを反応させてジイミドジカルボン酸を製造する方法において、無溶媒下で反応させる請求項1〜3いずれかに記載のジイミドジカルボン酸の製造方法。
  5. メカノケミカル効果を用いて反応させる請求項4に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜3いずれかに記載のジイミドジカルボン酸とエポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項1〜3いずれかに記載のジイミドジカルボン酸とエポキシ樹脂と有機溶剤とを含有するエポキシ樹脂溶液。
  8. 請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物または請求項7に記載のエポキシ樹脂溶液を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
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