JP2020186175A - 免疫グロブリンaに結合しているペリオスチン並びに免疫グロブリンaに結合しているペリオスチンに結合する抗体、ペリオスチンの測定方法、ペリオスチンの測定試薬及びペリオスチン測定の正確性の改善方法 - Google Patents

免疫グロブリンaに結合しているペリオスチン並びに免疫グロブリンaに結合しているペリオスチンに結合する抗体、ペリオスチンの測定方法、ペリオスチンの測定試薬及びペリオスチン測定の正確性の改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体、試料に含まれるペリオスチンの抗原抗体反応等を利用した測定における、正確性が改善された測定方法及び測定試薬、並びに測定の正確性の改善方法を提供する。【解決手段】ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、アレルギー疾患や他の疾患のマーカーとなりうるペリオスチン(骨芽細胞特異因子2又はOSF2とも呼ばれる)と免疫グロブリンA(IgA)との結合体並びに免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体、試料に含まれるペリオスチンの測定方法、ペリオスチンの測定試薬、及びペリオスチン測定の正確性の改善方法に関するものである。
本発明は、臨床検査、臨床病理学、免疫学及び医学などの生命科学分野、並びに分析化学などの化学分野等において有用なものである。
ペリオスチンは、細胞外マトリックスタンパク質であり、そのN末端側よりC末端側にかけて順に、EMI領域、R1領域、R2領域、R3領域、R4領域及びC末端領域よりなるものであるが、本発明者の一人である出原は、このペリオスチン遺伝子の発現レベルの測定がアレルギー性疾患の検査方法として有用であることを見出して、アレルギー疾患の検査方法の発明を完成させた(特許文献1及び非特許文献1参照。)。
また、出原は、このペリオスチン遺伝子の発現レベルの測定が特発性間質性肺炎の検査方法としても有用であることを見出した(特許文献2参照。)。
更に、出原らは、ペリオスチンのEMI領域、R1領域、R2領域及びR3領域からなる群から選ばれる少なくとも一つの領域を検出することにより、肺線維症又は間質性肺炎を精度よく検査できることを見出した(特許文献3参照。)。
なお、他に、OSF2(ペリオスチン)に対するポリクローナル抗体、モノクローナル抗体及びこれらの抗体を用いる診断方法等が開示され(特許文献4参照。)、Osf2/Cbfa1と命名される新規造骨細胞特異的転写因子を測定するのに抗OSF2(ペリオスチン)抗体を用いた免疫測定法が開示され(特許文献5参照。)、ヒトペリオスチンに対して結合する精製抗体及びこの抗体を用いる乳癌の骨への転移等を調べる診断アッセイ法等が開示され(特許文献6参照。)、そして、抗細胞接着活性を有するペリオスチンに対する抗体及びこの抗体を用いるペリオスチンの定量方法等が開示されている(特許文献7参照。)。
しかしながら、このように種々の疾患の検査に有用なペリオスチンの測定においては、測定の正確性の改善が望まれていた。
国際公開第02/052006号パンフレット 国際公開第09/148184号パンフレット 国際公開第13/035799号パンフレット 特開平5−268982号公報 特表2002−502250号公報 特表2005−500059号公報 国際公開第07/077934号パンフレット
G.Takayamaら,J.Allergy Clin.Immunol.,118巻,98〜104頁,2006年発行
前述した、試料に含まれるペリオスチンの抗原抗体反応を利用した測定においては、その正確性は十分なものではなかった。
このため、試料に含まれるペリオスチンの測定値を疾患の検査に利用しようとする場合、この疾患の診断を誤らせる可能性があった。
従って、試料に含まれるペリオスチンの抗原抗体反応を利用した測定においては、健常者や他の疾患の罹患者との鑑別のため、更なる正確性の改善が望まれていた。
これに対して、本発明の課題は、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの提供、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体の提供、試料に含まれるペリオスチンの抗原抗体反応等を利用した測定における、正確性が改善された測定方法及び測定試薬を提供すること、並びに測定の正確性の改善方法を提供することである。
本発明者らは、試料に含まれるペリオスチンの測定について検討を重ねたところ、ヒトの血液(血液、血清、血漿)中のペリオスチンの約9割が免疫グロブリンA(IgA)と結合体を形成していて、残りの約1割が遊離状態のペリオスチンであることを初めて見出した。この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンは疾患のマーカーとなる可能性がある。
そして、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンと、遊離のペリオスチンとを同程度の親和性で測定するには、この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明よりなる。
(1) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン。
(2) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体。
(3) ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する、前記(2)に記載の抗体。
(4) ペリオスチンのR4領域に結合する、前記(2)又は(3)に記載の抗体。
(5) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができる、前記(2)〜(4)のいずれかに記載の抗体。
(6) モノクローナル抗体である、前記(2)〜(5)のいずれかに記載の抗体。
(7) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を用いることを特徴とする、ペリオスチンの測定方法。
(8) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する、前記(7)に記載のペリオスチンの測定方法。
(9) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR4領域に結合する、前記(7)又は(8)に記載のペリオスチンの測定方法。
(10) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができる、前記(7)〜(9)のいずれかに記載のペリオスチンの測定方法。
(11) モノクローナル抗体である、前記(7)〜前記(10)のいずれかに記載のペリオスチンの測定方法。
(12) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を含有することを特徴とする、ペリオスチンの測定試薬。
(13) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する、前記(12)に記載のペリオスチンの測定試薬。
(14) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR4領域に結合する、前記(12)又は(13)に記載のペリオスチンの測定試薬。
(15) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができる、前記(12)〜(14)のいずれかに記載のペリオスチンの測定試薬。
(16) モノクローナル抗体である、前記(12)〜(15)のいずれかに記載のペリオスチンの測定試薬。
(17) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を用いることを特徴とする、ペリオスチン測定の正確性の改善方法。
(18) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する、前記(17)に記載のペリオスチン測定の正確性の改善方法。
(19) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR4領域に結合する、前記(17)又は(18)のいずれかに記載のペリオスチン測定の正確性の改善方法。
(20) 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができる、前記(17)〜(19)のいずれかに記載のペリオスチン測定の正確性の改善方法。
(21) モノクローナル抗体である、前記(17)〜(20)のいずれかに記載のペリオスチン測定の正確性の改善方法。
本発明者らは、ヒト血液(血液、血清、血漿)中において、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンを初めて見い出した。この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンは疾患のマーカーとなる可能性がある。
そして、ヒト血液(血液、血清、血漿)中において、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンと、遊離のペリオスチンとが混在することを初めて見い出した。
そして、本発明の免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体、ペリオスチンの測定方法、ペリオスチンの測定試薬、ペリオスチン測定の正確性の改善方法は、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンと、遊離のペリオスチンとを同程度の親和性で測定することができるものである。
これにより、試料中のペリオスチンを正確に測定することができる。
なお、ここで「同程度」とは、好ましくは6倍以内を、より好ましくは5倍以内を、更に好ましくは4倍以内を、特に好ましくは3倍以内を、そして特別に好ましくは2倍以内を意味する。
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの調製及びその同定の方法を示したものである。
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの精製品のタンパク染色及びウエスタンブロッティングの写真を示したものである。
免疫沈降法による免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン精製品からのペリオスチン及び免疫グロブリンAの残存率を示したものである。
〔1〕免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン
[1]総論
本発明者らは、ヒト血液(血液、血清、血漿)中において、ペリオスチン(分子量:約80KDa)と免疫グロブリンA(分子量:約160KDa)との結合体を初めて見い出した。この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンは疾患のマーカーとなる可能性がある。
そして、ヒト血液(血液、血清、血漿)中において、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンと、遊離のペリオスチンとが混在することを初めて見い出した。
[2]免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの調製方法
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンは、ヒトの体液、臓器、又は組織等から調製して得ることができる。
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンは、ヒトの血液、血清又は血漿から精製することが好ましく、ヒトの血清又は血漿から調製して得ることがより好ましい。
以下、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの調製方法の一つの例を記載する。
1.硫酸アンモニウム沈殿による粗精製品の取得
(1) ヒト健常者のプール血清に、1Mリン酸緩衝液(pH7.2)を最終濃度50mMになるように加え、低温庫(5℃)にて撹拌する。
(2) これを撹拌しながら、30%飽和となるように硫酸アンモニウム(硫安)を少しずつ15分間かけて加える。
(3) 硫酸アンモニウムを全部入れ終わってから30分間撹拌を続ける。
(4) 反応後の血清を遠沈管に分取し、4℃、10,000rpmで30分間遠心する。
(5) 遠心後の上清をビーカーに移し、低温庫(5℃)にて撹拌する。
(6) 撹拌しながら、50%飽和となるように硫酸アンモニウムを少しずつ15分かけて加える。
(7) 硫酸アンモニウムを全部入れ終わってから、30分間撹拌を続ける。
(8) 反応後の血清を遠沈管に分取し、4℃、10,000rpmで30分間遠心する。
(9) 遠心後の上清を完全に除去する。
(10) 沈殿物が残留している遠沈管に、0.05%のTween−20を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)の15mLを入れ、沈殿物が浸かるようボトルを斜めに寝かせて、全量が溶解するまで緩やかに振盪する。
(11) 溶解液を全て混合し、その混合液を0.45nm径のフィルターを用いてろ過し、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品を取得する。
2.免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品からのアルブミン及び免疫グロブリンGの除去
硫酸アンモニウム沈殿により取得した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品中のアルブミン及び免疫グロブリンG(IgG)をHiTrap Albumin&IgG Depletionカラムを用いて除去した。
(1) 1mL用のHiTrap Albumin&IgG Depletionカラム[GE Healthcare社(英国)]を20mL以上のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄する。
(2) 前記1の(11)の免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品の全量を、1mL/min以下の流速で、前記(1)のカラムに通す。
(3) 前記(2)により採取した通過画分液を用いて、再度前記(2)の操作を行い、カラムを通過した液を回収し、アルブミン及び免疫グロブリンGを除去した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品を取得する。
3.免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品からの非特異結合タンパク質の除去
非特異結合タンパク質は、コントロールラットIgG結合ビーズを用いて免疫沈降法により除去した。
(A)コントロールラットIgG結合ビーズの作製
NHS−activated Sepharose 4 Fast Flow 1mLに対し、コントロールラットIgG1mgの割合で結合させる。
(a)試薬
・カップリングバッファー:0.2M NaHCO(pH8.3)
・ブロッキングバッファー:0.1M Tris−HCl(pH8.5)
・洗浄バッファーA:0.1M Tris−HCl(pH8.5)
・洗浄バッファーB:0.5M NaClを含む0.1M CHCOONa(pH4.0)
・検体希釈液:100mM NaCl、0.5% カゼインナトリウム及び0.095%NaNを含む50mM Tris−HCl(pH8.0)
(b)操作
(1) コントロールラットIgG溶液を限外ろ過フィルターを用いて前記(a)のカップリングバッファーに置換する。
(2) NHS−activated Sepharose 4 Fast Flow[GE Healthcare社(英国)]のボトルをよく振ってビーズを均一に懸濁し、その懸濁液の2mLを15mLチューブに分取する。
(3) 前記(2)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(4) ビーズが残存しているチューブに1mM HClを10mL加え、NHS基を活性化させる。
(5) 前記(4)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(6) 1mgのコントロールラットIgG液をビーズが残存しているチューブに加え懸濁し、ローテーターにセットして、5℃で一晩回転を続け、コントロールラットIgGをビーズに結合させる。
(7) 15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(8) 上清を除去した15mLチューブに、前記(a)のブロッキングバッファーを10mL加え、懸濁し、ローテーターにセットして5℃で2時間回転し続け、コントロールラットIgGが結合していない活性化NHSをブロッキングする。
(9) 前記(8)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(10) 洗浄バッファーAの10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁する。
(11) 前記(10)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(12) 洗浄バッファーBの10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁する。
(13) 前記(12)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(14) 前記(10)〜(13)の操作を3回ずつ繰り返して行う。
(15) リン酸緩衝生理食塩水(PBS)の10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁する。
(16) 前記(15)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(17) 前記(a)の検体希釈液の5mLを加え、コントロールラットIgG結合ビーズ溶液を取得する。
(B)免疫沈降による非特異成分の除去
(1) 前記(A)において作成したコントロールラットIgG結合ビーズ1mLを新しい15mLチューブに分取し、更に前記2で取得したアルブミン及び免疫グロブリンGを除去した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品の全量を加える。
(2) 15mLチューブをローテーターにセットして5℃で一晩回転し続け、アルブミン及び免疫グロブリンGを除去した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品に含まれている非特異結合タンパク質をビーズ表面及びビーズに結合しているラットIgGに結合させる。
(3) 15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清をビーズが混入しないように回収する。
(4) 回収液を0.45nm径のフィルターを用いてろ過し、アルブミン、IgG及び非特異成分を除去した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品を取得する。
4.粗精製品からの免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの取得
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンは、抗ペリオスチン抗体(SS18A)結合ビーズを用いて、免疫沈降法により取得する。
(A)抗ペリオスチン抗体共有結合ビーズの作製
(1) 抗ペリオスチン抗体(SS18A)溶液を、限外ろ過フィルターを用いて前記3の(A)の(a)のカップリングバッファーに置換する。
(2) NHS−activated Sepharoseのボトルをよく振ってビーズを均一に懸濁し、その2mLを15mLチューブに分取する。
(3) 前記(2)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(4) ビーズが残存しているチューブに、1mM HClを10mL加え、NHS基を活性化させる。
(5) 前記(4)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(6) 1mgの抗ペリオスチン抗体液(SS18A)をビーズが残存しているチューブに加え懸濁し、ローテーターにセットして5℃で一晩回転し続け、抗ペリオスチン抗体(SS18A)をビーズに結合させる。
(7) 15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(8) 上清を除去した15mLチューブに前記3の(A)の(a)のブロッキングバッファーを10mL加え、懸濁し、ローテーターにセットして5℃で2時間回転し続け、抗ペリオスチン抗体(SS18A)が結合していない活性化NHSをブロッキングする。
(9) 前記(8)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(10) 前記3の(A)の(a)の洗浄バッファーAの10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁する。
(11) 前記(10)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(12) 前記3の(A)の(a)の洗浄バッファーBの10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁する。
(13) 前記(12)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(14) 前記(10)〜(13)の操作を3回ずつ繰り返して行う。
(15) リン酸緩衝生理食塩水(PBS)10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁する。
(16) 前記(15)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(17) 前記3の(A)の(a)の検体希釈液5mLを加え、抗ペリオスチン抗体(SS18A)結合ビーズ溶液を取得する。
(B)免疫沈降による免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの精製
(1) 前記(A)の(17)で取得した抗ペリオスチン抗体(SS18A)結合ビーズ1mLを、新しい15mLチューブに分取し、更に前記3の(B)の(4)において取得したアルブミン、IgG及び非特異成分を除去した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品の全量を加える。
(2) 15mLチューブをローテーターにセットして、5℃で一晩回転し続け、免疫グロブリンAと結合しているペリオスチンをビーズに結合している抗ペリオスチン抗体(SS18A)に結合させる。
(3) 15mLチューブを3000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去する。
(4) 残留したビーズを20mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄する。
(5) 前記(4)のビーズに、0.1% Tween−20を含む0.1M グリシン(pH2.7)の5mLを加えて、抗ペリオスチン抗体(SS18A)に結合している免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンを溶出し回収する。
(6) 回収した溶出液に2.25M Tris−HCl(pH10.0)を加えてpHを7.0〜7.2に中和する。
(7) 0.45nm径のフィルターを用いてろ過し、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの精製品を取得する。
(C)免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの精製品の分離及び同定
前記(B)の(7)において取得した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの精製品を、非還元条件又は還元条件下でSDS−PAGEを行う。そのタンパク染色の結果から、前記精製品の純度は90%であり、そのほとんど全てが免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンであることを確認した。
(D)免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン(240KDa)のウエスタンブロッティング
前記(B)の(7)において取得した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの精製品を、非還元条件又は還元条件下でSDS−PAGEを行った。その後、ゲルをPVDF膜へ転写し、抗ペリオスチン抗体(SS17B)又は抗免疫グロブリンA抗体を用いて免疫染色を行う。その結果、非還元条件下において240KDaにペリオスチン及び免疫グロブリンAが検出された。
(E)240KDaの精製品に含まれるタンパク質の同定
前記(B)の(7)において取得した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの精製品を、非還元条件又は還元条件下でSDS−PAGEを行い、タンパク染色で認められる240KDaのバンドを切り出し、LC/MSにてこのバンド中に含まれるタンパク質を同定する。検出されたタンパク質はペリオスチン及び免疫グロブリンAに由来するペプチドのみであり、この240KDaの複合体は免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンであることを確認した。
[3]免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン
本発明における、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンは、ペリオスチンと免疫グロブリンAとが結合したものであれば、特に限定はない。
この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンは疾患のマーカーとなる可能性がある。
〔2〕免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体
[1]総論
本発明における抗体は、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体である。
なお、本発明において、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合することができる抗体であれば特に限定はない。
本発明における免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体としては、ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができるため、これにより試料中のペリオスチンを正確に測定することができるので、好ましい。
なお、ここで「同程度」とは、好ましくは6倍以内を、より好ましくは5倍以内を、更に好ましくは4倍以内を、特に好ましくは3倍以内を、そして特別に好ましくは2倍以内を意味する。
更に、本発明における免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体としては、ペリオスチンのR4領域に結合する免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、上記と同じ理由により、より好ましい。
この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体としては、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合することができるモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗血清、抗体の断片〔Fab及びF(ab’)など〕、又は一本鎖抗体(scFv)等を挙げることができる。
なお、この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、遺伝子組み換え技術等により免疫原を免疫する動物とは異なる動物種のアミノ酸配列に変化させた抗体(キメラ抗体、ヒト化抗体、又は完全ヒト化抗体等)であってもよい。
そして、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体としては、モノクローナル抗体であることが好ましい。
[2]免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体の調製方法
1.免疫原
本発明における免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を産生させるための免疫原について、以下説明を行う。
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を産生させるための免疫原として、ペリオスチンの全部又は一部を用いることができる。
すなわち、ヒト等由来のペリオスチン、又は遺伝子組み換え操作により得たペリオスチン等のペリオスチンの全部又は一部を用いることができる。
なお、この免疫原が、ペリオスチンの一部である場合は、ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてが好ましく、ペリオスチンのR4領域がより好ましい。
前記のペリオスチンの全部又は一部を免疫原とすることにより、本発明における免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を取得することができる。
なお、この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を産生させるための免疫原は、ペリオスチンのアミノ酸配列の全部又は一部のアミノ酸配列に1ないし数個(通常1〜10個、より好ましくは1〜8個、更に好ましくは1〜6個、特に好ましくは1〜4個、特別に好ましくは1〜2個)のアミノ酸残基の欠失、置換、挿入、付加、又は修飾を施すことにより得られるアミノ酸配列を含むペプチド又はタンパク質等であってもよい。
また、抗体は、3個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を認識できるとの報告(F.Hudeczら,J.Immunol.Methods,147巻,201〜210頁,1992年発行)がある。
よって、本発明における免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体の免疫原のアミノ酸配列の最小単位としては、ペリオスチンのアミノ酸配列の全部若しくは一部のアミノ酸配列、又はこれらのアミノ酸配列の全部若しくは一部のアミノ酸配列に1ないし数個(通常1〜10個、より好ましくは1〜8個、更に好ましくは1〜6個、特に好ましくは1〜4個、特別に好ましくは1〜2個)のアミノ酸残基の欠失、置換、挿入、付加若しくは修飾を施すことにより得られるアミノ酸配列の内、連続する3つのアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列を考えることができるので、これらの連続する3つのアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列からなるトリペプチド、又はこれに他のアミノ酸若しくはペプチドが付加したもの等を、本発明における免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体の免疫原の最小単位として考えることができる。
前記の免疫原としての、ペリオスチンのアミノ酸配列の全部若しくは一部のアミノ酸配列を含むペプチド又はタンパク質等、又はペリオスチンのアミノ酸配列の全部若しくは一部のアミノ酸配列に1ないし数個(通常1〜10個、より好ましくは1〜8個、更に好ましくは1〜6個、特に好ましくは1〜4個、特別に好ましくは1〜2個)のアミノ酸残基の欠失、置換、挿入、付加若しくは修飾を施すことにより得られるアミノ酸配列を含むペプチド又はタンパク質等は、ヒト等の体液、細胞、組織もしくは臓器等より、公知の方法等により抽出、精製等して、取得することができる。
なお、本発明において、ペリオスチンのアミノ酸配列の全部若しくは一部のアミノ酸配列を含むペプチド又はタンパク質を取得する方法としては特に限定はなく、如何なる方法によるものでもよく、例えば、公知の方法により取得することができる。
例えば、ペリオスチンを取得する方法として、次の方法(“G.Takayamaら,J.Allergy Clin.Immunol.,118巻,1号,713〜723頁,2006年発行”)等を挙げることができる。
(a) まず、ペリオスチン(ヌクレオチド配列:核酸データベースGenBankのAccession NumberD13666のヌクレオチド配列;アミノ酸配列:核酸データベースGenBankのAccession NumberBAA02837のアミノ酸配列)にV5/Hisタグを付加させたリコンビナントペリオスチンタンパク質を昆虫細胞であるS2細胞において発現させた上で精製する。
(b) すなわち、具体的には、S2細胞の形質転換体は次のように調製する。
pMT/Bip/V5−HisAプラスミド(Invitrogen社、米国カリフォルニア州Carlsbad)にペリオスチンの上記部分をコードするcDNAを挿入して、これをpMT/Bip/periostin−V5−HisAとする。
S2細胞にpMT/Bip/periostin−V5−HisA及びハイグロマイシン耐性遺伝子を発現するプラスミドであるpAcHygro[Invitrogen社(米国)]を公知の方法で共導入し、形質転換させる。
ハイグロマイシンにより形質転換体を選択し、安定形質転換体を得る。
そして、S2細胞の形質転換体では、カルボキシ末端にV5エピトープ/Hisタグの結合したペリオスチンを発現させる。
(c) S2リコンビナントペリオスチンタンパク質の精製は次のように行う。
ペリオスチン遺伝子安定形質転換体S2細胞の培地に硫酸銅を加えることにより、S2リコンビナントペリオスチンタンパク質の発現を誘導する。
これにより、S2リコンビナントペリオスチンタンパク質は培養上清中に発現分泌される。
この培養上清をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に透析した後、ニッケルレジン(Ni−NTA Agarose)[Qiagen社(ドイツ国)]と混合して、S2リコンビナントペリオスチンタンパク質をレジンに結合させる。
レジンを洗浄して夾雑物を取り除き、イミダゾール含有緩衝液にてS2リコンビナントペリオスチンタンパク質を溶出させる。
溶出されたS2リコンビナントペリオスチンタンパク質をPBS等に透析し、精製されたペリオスチンタンパク質を取得する。
また、ペリオスチンは、次の方法によっても取得することができる。
すなわち、ペリオスチンのcDNAを、GEX−KGベクター(“KL.Guanら,Anal.Biochem.,192巻,262〜267頁,1991年発行”)に組み込んで、大腸菌BL21にトランスフェクションする。
これをアンピシリン入りLB培地にて培養し、菌体よりグルタチオンセファロース4B[GE Healthcare社(英国)]により、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)を付加したペリオスチンを精製する。
これにトロンビンにてGSTを切断し、GSTを付加しないペリオスチンを取得する。
これをブラッドフォード法にて定量して、その量(濃度)が明確となったペリオスチンを取得することができる。
更に、ペリオスチンは、例えば、“I.Takayamaら,J.Biochem.,146巻,5号,713〜723頁,2009年発行”などに記載された方法等によっても取得することができる。
なお、ペリオスチンのEMI領域は、例えば、“I.Kiiら,J.Biol.Chem.,285巻,3号,2028〜2039頁,2010年発行”、又は“T.Maruhashiら,J.Biol.Chem.,285巻,17号,13294〜13303頁,2010年発行”などに記載された方法等により取得することができる。
また、ペリオスチンのR1領域、R2領域、R3領域、又はR4領域はそれぞれ、“I.Takayamaら,J.Biochem,146巻,5号,713〜723頁,2009年発行”などに記載された方法等により取得することができる。
なお、前記の免疫原は、液相法及び固相法等のペプチド合成の方法により合成することができ、更にペプチド自動合成装置を用いてもよく、日本生化学会編「生化学実験講座1 タンパク質の化学IV」,東京化学同人,1975年、泉屋ら「ペプチド合成の基礎と実験」,丸善,1985年、日本生化学会編「続生化学実験講座2 タンパク質の化学 下」,東京化学同人,1987年等に記載された方法に従い合成することができ、前記のアミノ酸配列に、欠失、置換、挿入又は付加を施した変異体を作製することも容易である。
また、非天然型アミノ酸の導入、各アミノ酸残基の化学修飾やシステイン残基を導入することにより分子内を環化させて構造を安定化させる等の修飾を施してもよい。
更に、前記の免疫原は、対応する核酸塩基配列を持つDNA又はRNAより遺伝子工学技術を用いて調製してもよく、日本生化学会編「続生化学実験講座1 遺伝子研究法I」,東京化学同人,1986年、日本生化学会編「続生化学実験講座1 遺伝子研究法II」,東京化学同人,1986年、日本生化学会編「続生化学実験講座1 遺伝子研究法III」,東京化学同人,1987年等を参照して調製すればよい。
ところで、免疫原が低分子物質の場合には、免疫原に担体(キャリア)を結合させたものを動物等に免疫するのが一般的ではあるが、アミノ酸数5のペプチドを免疫原としてこれに対する特異抗体を産生させたとの報告(木山ら,「日本薬学会第112回年会講演要旨集3」,122頁,1992年発行)もあるので、担体を使用することは必須ではない。
なお、抗体を産生させる際に担体(キャリア)を使用する場合の担体としては、スカシガイのヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ニワトリ血清アルブミン、ポリ−L−リシン、ポリアラニルリシン、ジパルミチルリシン、破傷風トキソイド又は多糖類等の担体として公知なものを用いることができる。
免疫原と担体の結合法は、グルタルアルデヒド法、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド法、マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシサクシニミドエステル法、ビスジアゾ化ベンジジン法又はN−サクシミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸法等の公知の結合法を用いることができる。
また、ニトロセルロース粒子、ポリビニルピロリドン又はリポソーム等の担体に免疫原を吸着させたものを免疫原とすることもできる。
3.ポリクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体の調製方法
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、以下の操作により調製することができる。
このポリクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体の産生用の免疫原としては、前記の免疫原を用いることができる。
前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体(キャリア)の結合物を、哺乳動物
(マウス、モルモット、ハムスター、ウサギ、ラット、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、ロバ、若しくはラクダなど)又は鳥類(ニワトリ、アヒル、若しくはダチョウなど)等に免疫する。
なお、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物を免疫する免疫動物としては、その体内でのペリオスチンの生産に関わる遺伝子を不活性化又は欠損させた、すなわちペリオスチンの生産に関わる遺伝子をノックアウトした動物がより好ましい。
その理由は、その動物の体内で生産されたペリオスチンが、ペリオスチンなどの免疫原等の免疫により体内に産生した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体と結合してしまうことにより、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体の抗体活性が低下してしまう可能性が、前記のノックアウト動物においては低いからである。
また、前記のノックアウト動物においては、その動物の体内でペリオスチンが生産されないため、免疫されたペリオスチンを異物と認識し易く、よって抗体の産生が高くなるためである。
このペリオスチンの生産に関わる遺伝子を不活性化又は欠損させた動物としては、例えば、ペリオスチンについてのノックアウトマウス(“H.Riosら,Molecular and Cellular Biology,25巻,24号,11131〜11144頁,2005年発行”)等を挙げることができる。
ところで、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物の免疫量は、免疫原、担体、免疫動物の種類、免疫注射部位等により決められるものであるが、マウスの場合には一匹当り一回につき0.1μg〜5mgの前記免疫原、又は前記免疫原と担体の結合物を免疫注射するのが好ましい。
なお、この前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物は、アジュバントと添加混合して免疫注射することが好ましい。
アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、水酸化アルミニウムアジュバント、化学合成アジュバント又は百日咳菌アジュバント等の公知のものを用いることができる。
免疫注射は、皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に行えばよい。
初回免疫後、1〜2週間間隔で皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物を追加免疫注射する。
この追加免疫注射の回数としては、2〜6回が一般的である。
この場合も、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物は、アジュバントを添加混合して追加免疫注射することが好ましい。
初回免疫の後、免疫動物の血清中の抗体価の測定をELISA法等により繰り返し行い、抗体価がプラトーに達したら全採血を行い、血清を分離して抗体を含む抗血清を得る。
この抗血清を、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム等による塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過法又はアフィニティークロマトグラフィー等の方法、あるいはこれらの方法を組み合わせて抗体の精製を行い、ポリクローナル抗体を得る。
なお、ここで得られたポリクローナル抗体は、ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合することができるポリクローナル抗体(ポリクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体)と、ペリオスチンのR3領域及びR4領域のいずれにも結合しないポリクローナル抗体を含むものである。
よって、例えば、分離のため、ペリオスチンのR3領域及びR4領域のアミノ酸配列を含むタンパク質又はペプチドをリガンドとして固相に固定化したアフィニティークロマトグラフィーのカラム等に、得られたポリクローナル抗体を通し、接触させる。
これにより、ポリクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、このカラム等のリガンド(ペリオスチンのR3領域及びR4領域のアミノ酸配列を含むタンパク質又はペプチド)を介して固相に結合し、捕集される。
これに対して、ペリオスチンのR3領域及びR4領域のいずれにも結合しないポリクローナル抗体は、このカラム等のリガンド(ペリオスチンのR3領域及びR4領域のアミノ酸配列を含むタンパク質及び/又はペプチド)に結合することなく、このカラム等を素通りする。
このカラム等のリガンド(ペリオスチンのR3領域及びR4領域のアミノ酸配列を含むタンパク質又はペプチド)に結合した、ポリクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を、塩濃度又はpH等を変化させることによりリガンドから分離させ、これを捕集することにより、ポリクローナル抗体であるペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を取得することができる。
なお、得られたポリクローナル抗体であるペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができるため、これにより試料中のペリオスチンを正確に測定することができる抗体である。
なお、ここで「同程度」とは、好ましくは6倍以内を、より好ましくは5倍以内を、更に好ましくは4倍以内を、特に好ましくは3倍以内を、そして特別に好ましくは2倍以内を意味する。
なお、また、得られたポリクローナル抗体は、ペリオスチンのR4領域に結合することができるポリクローナル抗体と、ペリオスチンのR4領域に結合しないポリクローナル抗体を含むものである。
よって、例えば、分離のため、ペリオスチンのR4領域のアミノ酸配列を含むタンパク質又はペプチドをリガンドとして固相に固定化したアフィニティークロマトグラフィーのカラム等に、得られたポリクローナル抗体を通し、接触させる。
これにより、ポリクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、このカラム等のリガンド(ペリオスチンのR4領域のアミノ酸配列を含むタンパク質又はペプチド)を介して固相に結合し、捕集される。
これに対して、ペリオスチンのR4領域に結合しないポリクローナル抗体は、このカラム等のリガンド(ペリオスチンのR4領域のアミノ酸配列を含むタンパク質及び/又はペプチド)に結合することなく、このカラム等を素通りする。
このカラム等のリガンド(ペリオスチンのR4領域のアミノ酸配列を含むタンパク質又はペプチド)に結合した、ポリクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を、塩濃度又はpH等を変化させることによりリガンドから分離させ、これを捕集することにより、ポリクローナル抗体である、ペリオスチンのR4領域に結合する免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を取得することができる。
なお、得られたポリクローナル抗体であるペリオスチンのR4領域に結合する免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができるため、これにより試料中のペリオスチンを正確に測定することができる抗体である。
なお、ここで「同程度」とは、好ましくは6倍以内を、より好ましくは5倍以内を、更に好ましくは4倍以内を、特に好ましくは3倍以内を、そして特別に好ましくは2倍以内を意味する。
ところで、免疫原と担体の結合物を用いて動物等に免疫した場合には、得られたポリクローナル抗体中に、この担体に対する抗体が存在するので、このような担体に対する抗体の除去処理を行うことが好ましい。
この除去処理方法としては、担体を、得られたポリクローナル抗体の溶液中に添加して生成した凝集物を取り除くか、担体を不溶化固相に固定化してアフィニティークロマトグラフィーにより除去する方法等を用いることができる。
4.モノクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体の調製方法
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合することができるモノクローナル抗体、すなわち、モノクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、以下の操作により調製することができる。
このモノクローナル抗体は、ケラーらの細胞融合法(G.Koehlerら,Nature,256巻,495〜497頁,1975年発行)によるハイブリドーマ、又はエプスタン−バーウイルス等のウイルスによる腫瘍化細胞等の抗体産生細胞により得ることができる。
更に、抗体遺伝子のcDNAライブラリーから、マカフェティーらのファージディスプレイ法(M.McCaffertyら,Nature,348巻,552〜554頁,1990年発行)を用いてモノクローナル抗体を作製することも可能である。
なお、例えば、細胞融合法によるモノクローナル抗体の調製は、下記の操作により行うことができる。
(1) まず、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物を、哺乳動物(マウス、ハムスター、ラット、又はラビットなど、例えば近交系マウスのBALB/c)又は鳥類(ニワトリなど)等に免疫する。
なお、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物を免疫する免疫動物としては、その体内でのペリオスチンの生産に関わる遺伝子を不活性化又は欠損させた、すなわちペリオスチンの生産に関わる遺伝子をノックアウトした動物がより好ましい。
その理由は、その動物の体内で生産されたペリオスチンが、ペリオスチンなどの免疫原等の免疫により体内に産生した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体と結合してしまうことにより、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体の抗体活性が低下してしまう可能性が、前記のノックアウト動物においては低いからである。
また、前記のノックアウト動物においては、その動物の体内でペリオスチンが生産されないため、免疫されたペリオスチンを異物と認識し易く、よって抗体の産生が高くなるためである。
このペリオスチンの生産に関わる遺伝子を不活性化又は欠損させた動物としては、例えば、ペリオスチンについてのノックアウトマウス(“H.Riosら,Mol.Cell.Biol.,25巻,24号,11131〜11144頁,2005年発行”)等を挙げることができる。
ところで、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物の免疫量は、免疫動物の種類、免疫注射部位等により適宜決められるものであるが、例えば、マウスの場合には一匹当り一回につき0.1μg〜5mgの前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物を免疫注射するのが好ましい。
なお、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物は、アジュバントを添加混合して免疫注射することが好ましい。
アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、水酸化アルミニウムアジュバント、化学合成アジュバント又は百日咳菌アジュバント等の公知なものを用いることができる。
免疫注射は、皮下、静脈内、腹腔内、足蹠又は背部等の部位に行えばよい。
(2) 初回免疫後、1〜2週間間隔で皮下、静脈内、腹腔内、足蹠又は背部等の部位に、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物を追加免疫注射する。
この追加免疫注射の回数としては2〜6回が一般的である。
この場合も前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物は、アジュバントを添加混合して追加免疫注射することが好ましい。
(3) 初回免疫の後、免疫動物の血清中の抗体価の測定をELISA法等により繰り返し行い、抗体価がプラトーに達したら、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物を生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)に溶解したものを静脈内又は腹腔内に注射し、最終免疫とする。
(4) この最終免疫の3〜5日後に、免疫動物の脾細胞、リンパ節細胞又は末梢リンパ球等の抗体産生能を有する細胞を取得する。
(5) この免疫動物より得られた抗体産生能を有する細胞と哺乳動物等(マウス、ヌードマウス、ラットなど)の骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)とを細胞融合させるのであるが、ミエローマ細胞としてはヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(HGPRT)又はチミジンキナーゼ(TK)等の酵素を欠損した細胞株のものが好ましく、例えば、BALB/cマウス由来のHGPRT欠損細胞株である、P3−X63−Ag8株(ATCC TIB9)、P3−X63−Ag8−U1株(癌研究リサーチソースバンク(JCRB)9085)、P3−NS1−1−Ag4−1株(JCRB 0009)、P3−X63−Ag8・653株(JCRB 0028)又はSP2/O−Ag−14株(JCRB 0029)等を用いることができる。
細胞融合は、各種分子量のポリエチレングリコール(PEG)、リポソームもしくはセンダイウイルス(HVJ)等の融合促進剤を用いて行うか、又は電気融合法により行うことができる。
ミエローマ細胞がHGPRT欠損株又はTK欠損株のものである場合には、ヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジンを含む選別用培地(HAT培地)を用いることにより、抗体産生能を有する細胞とミエローマ細胞の融合細胞(ハイブリドーマ)のみを選択的に培養し、増殖させることができる。
(6) このようにして得られたハイブリドーマの培養上清を、ヒト又は他の動物(ヒトのペリオスチンの測定に用いる場合にはヒト由来のものが好ましい)のペリオスチンの全体長、R3領域及びR4領域、又はR4領域よりなるタンパク質又はペプチド等を用いてELISA法やウエスタンブロット法などの免疫学的測定法等により測定することにより、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を産生するハイブリドーマを選択することができる。
(7) このハイブリドーマ選択方法と限界希釈法等の公知のクローニングの方法を組み合わせて行うことにより、本発明における、モノクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体の産生細胞株を単離して得ることができる。
(8) このモノクローナル抗体産生細胞株を適当な培地で培養して、その培養上清から本発明における、モノクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を得ることができるが、培地としては無血清培地又は低濃度血清培地等を用いてもよく、この場合は抗体の精製が容易となる点で好ましく、DMEM培地、RPMI1640培地又はASF培地103等の培地を用いることができる。
また、このモノクローナル抗体産生細胞株を、これに適合性がありプリスタン等であらかじめ刺激した哺乳動物の腹腔内に注入し、一定期間の後、腹腔にたまった腹水より本発明における、モノクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を得ることもできる。
(9) このようにして得られた、モノクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなどによる塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過法又はアフィニティークロマトグラフィーなどの方法、あるいはこれらの方法を組み合わせること等により、精製された、モノクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を得ることができる。
なお、得られたモノクローナル抗体であるペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができるため、これにより試料中のペリオスチンを正確に測定することができる抗体である。
なお、ここで「同程度」とは、好ましくは6倍以内を、より好ましくは5倍以内を、更に好ましくは4倍以内を、特に好ましくは3倍以内を、そして特別に好ましくは2倍以内を意味する。
また、得られたモノクローナル抗体であるペリオスチンのR4領域に結合する免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができるため、これにより試料中のペリオスチンを正確に測定することができる抗体である。
なお、ここで「同程度」とは、好ましくは6倍以内を、より好ましくは5倍以内を、更に好ましくは4倍以内を、特に好ましくは3倍以内を、そして特別に好ましくは2倍以内を意味する。
(10) なお、前記(6)の通り、得られたハイブリドーマの培養上清を、ヒト又は他の動物のペリオスチンの全体長、R3領域及びR4領域、又はR4領域よりなるタンパク質又はペプチド等を用いてELISA法やウエスタンブロット法などの免疫学的測定法等により測定することにより、モノクローナル抗体である免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を産生するハイブリドーマを選択することができる。
〔3〕ペリオスチンの測定方法
1.総論
本発明のペリオスチンの測定方法は、ペリオスチンの測定方法であって、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を用いることを特徴とするものである。これにより、試料中に含まれるペリオスチンの存在又は存在量を測定することができる。
本発明のペリオスチンの測定方法においては、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合するものであることが好ましい。
その理由は、ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができるため、これにより試料中のペリオスチンを正確に測定することができるからである。
なお、ここで「同程度」とは、好ましくは6倍以内を、より好ましくは5倍以内を、更に好ましくは4倍以内を、特に好ましくは3倍以内を、そして特別に好ましくは2倍以内を意味する。
上記と同じ理由により、本発明のペリオスチンの測定方法においては、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR4領域に結合するものであることがより好ましい。
本発明のペリオスチンの測定方法においては、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができるものが、試料中のペリオスチンを正確に測定することができるため好ましい。
なお、ここで「同程度」とは、好ましくは6倍以内を、より好ましくは5倍以内を、更に好ましくは4倍以内を、特に好ましくは3倍以内を、そして特別に好ましくは2倍以内を意味する。
本発明のペリオスチンの測定方法においては、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、モノクローナル抗体であることが好ましい。
なお、本発明のペリオスチンの測定方法において、例えば、ペリオスチン一分子に二分子の抗体を抗原抗体反応させる場合、少なくともこれらの抗体のいずれか一方が免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体であれば足りる。
例えば、酵素標識抗体と固相化抗体を用いるELISA法のサンドイッチ法においては、試料に含まれていたペリオスチンに結合させる酵素標識抗体及び固相化抗体の少なくともいずれか一方が、この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体であればよい。
ところで、前記の免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、1種類のものだけではなく、複数種類のものを同時に使用してもよい。
なお、この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体の詳細については、前記の「〔2〕免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体」の項に記載した通りである。
なお、本発明のペリオスチンの測定方法は、測定の正確性を改善することができるものであり、疾患の罹患の有無又はその程度(病状等)の検査のための測定において好適である。
2.抗原抗体反応を利用した測定方法
本発明のペリオスチンの測定方法は、試料に含まれるペリオスチンを抗原抗体反応を利用して測定する測定方法であって、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を用いることを特徴とするものであれば、特にその測定原理に限定されるものではなく、所期の効果を奏するものである。
このペリオスチンを抗原抗体反応を利用して測定する測定方法としては、例えば、酵素免疫測定法(ELISA、EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、放射免疫測定法(RIA)、発光免疫測定法(LIA)、酵素抗体法、蛍光抗体法、イムノクロマトグラフィー法、免疫比濁法、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応測定法、赤血球凝集反応法、粒子凝集反応法等を挙げることができる。
そして、本発明のペリオスチンの測定方法における測定には、サンドイッチ法、競合法又は均一系法(ホモジニアス系法)等のいずれの手法をも、適用することができる。
また、本発明のペリオスチンの測定方法における測定は、用手法により行ってもよく、又は分析装置等の装置を用いて行ってもよい。
3.試料
本発明における試料としては、血液、血清、血漿、尿、髄液、唾液、腹水若しくは羊水などの体液;あるいは血管若しくは肝臓などの臓器、組織又は細胞などの抽出液等、ペリオスチンが含まれる可能性のある生体試料等の試料であれば対象となる。
なお、測定に用いる試料の形態は、液体であることが好ましいので、もし試料が液体でない場合には、抽出処理又は可溶化処理等の前処理を既知の方法に従って行い、液体試料としてもよい。
また、必要に応じて、試料は濃縮処理を行ってもよい。
また、試料は、その測定の前に、希釈液を添加することにより希釈処理を行ってもよい。
例えば、試料を免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体と接触させ、結合させる前に、試料に希釈液を添加することにより希釈処理を行ってもよい。
この希釈液として、各種水系溶媒を用いることができる。
例えば、水、生理食塩水又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液〔Tris緩衝液〕、リン酸緩衝液若しくはリン酸緩衝生理食塩水などの各種緩衝液等の水系溶媒を用いることができる。
なお、この緩衝液のpHについては、pH5〜pH10の範囲にあることが好ましい。
また、試料が血液(全血)である場合、この全血試料を、水又は界面活性剤を含有する水系溶媒等の低張液と混合し、赤血球を破裂させる処理を行うことが、その後の測定を支障なく行う上で、好ましい。
4.測定対象物質
本発明において、測定対象物質はペリオスチンである。
このペリオスチンには、ペリオスチンの一量体、ペリオスチンの二量体、三量体、四量体、・・・などのペリオスチンの多量体、又はペリオスチンの分解物(例えば、分子量約40KDaのペリオスチンの分解物など)等が含まれるが、いずれも本発明における測定対象物質となるものである。
なお、本発明者らは、ヒトの血液(血液、血清、血漿)中のペリオスチンの約9割が免疫グロブリンA(IgA)と結合体を形成していて、残りの約1割が遊離状態のペリオスチンであることを初めて見出した。
本発明のペリオスチンの測定方法においては、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンも、遊離のペリオスチンも、いずれも本発明における測定対象物質となるものである。
5.標識抗体を用いた免疫学的測定方法
本発明のペリオスチンの測定方法における測定を、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法又は発光免疫測定法等の標識抗体を用いた免疫学的測定方法、すなわち標識抗体を用いる抗原抗体反応を利用した測定方法により実施する場合には、サンドイッチ法又は競合法等により行うことができるが、サンドイッチ法により実施するときには、試料に含まれていたペリオスチンに結合させる固相化抗体及び標識抗体の少なくともいずれか一方が、この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体であればよい。
この標識抗体を用いた免疫学的測定方法において用いる固相担体としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルトルエン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ラテックス、リポソーム、ゼラチン、アガロース、セルロース、セファロース、ガラス、金属、セラミックス又は磁性体等の材質よりなるマイクロカプセル、ビーズ、マイクロプレート(マイクロタイタープレート)、試験管、スティック又は試験片等の形状の固相担体を用いることができる。
なお、前記の免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体と固相担体とを物理的吸着法、化学的結合法又はこれらの併用等の公知の方法により吸着、結合させて抗体を固相担体に固定化することができる。
物理的吸着法による場合は、公知の方法に従い、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体と固相担体を緩衝液などの溶液中で混合し接触させたり、又は緩衝液などに溶解した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体と固相担体を接触させること等により行うことができる。
また、化学的結合法により行う場合は、日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊行会,1983年発行;日本生化学会編「新生化学実験講座1 タンパク質IV」,東京化学同人,1991年発行等に記載の公知の方法に従い、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体と固相担体をグルタルアルデヒド、カルボジイミド、イミドエステル又はマレイミド等の二価性の架橋試薬と混合、接触させ、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体と固相担体のそれぞれのアミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基又は水酸基等と反応させること等により行うことができる。
また、更に非特異的反応や固相担体の自然凝集等を抑制するために処理を行う必要があれば、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体を固定化させた固相担体の表面又は内壁面に、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、カゼイン、ゼラチン、卵白アルブミンもしくはその塩などのタンパク質、界面活性剤又は脱脂粉乳等を接触させ被覆させること等の公知の方法により処理して、固相担体のブロッキング処理(マスキング処理)を行ってもよい。
標識物質としては、酵素免疫測定法の場合には、パーオキシダーゼ(POD)、アルカリホスファターゼ(ALP)、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸脱水素酵素又はアミラーゼ等を用いることができる。
また、蛍光免疫測定法の場合には、フルオレセインイソチオシアネート、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、置換ローダミンイソチオシアネート又はジクロロトリアジンイソチオシアネート等を用いることができる。
そして、放射免疫測定法の場合には、トリチウム、ヨウ素125又はヨウ素131等を用いることができる。
また、発光免疫測定法においては、NADH−FMNH−ルシフェラーゼ系、ルミノール−過酸化水素−POD系、アクリジニウムエステル系又はジオキセタン化合物系等を用いることができる。
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体と酵素等の標識物質との結合法は、日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊行会,1983年発行;日本生化学会編「新生化学実験講座1 タンパク質IV」,東京化学同人,1991年発行等に記載の公知の方法に従い、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体と標識物質をグルタルアルデヒド、カルボジイミド、イミドエステル又はマレイミド等の二価性の架橋試薬と混合、接触させ、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体と標識物質のそれぞれのアミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基又は水酸基等と反応させることにより結合を行うことができる。
測定の操作法は公知の方法等(日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊行会,1983年発行;石川榮治ら編「酵素免疫測定法」,第3版,医学書院,1987年発行;北川常廣ら編「蛋白質核酸酵素別冊No.31 酵素免疫測定法」,共立出版,1987年発行)により行うことができる。
例えば、固相化抗体と試料を反応させ、同時に標識抗体を反応させるか、又は洗浄の後に標識抗体を反応させることにより、「固相担体=固相化抗体=ペリオスチン=標識抗体」の複合体を形成させる。
そして、未結合の標識抗体を洗浄分離して、「固相化抗体=ペリオスチン」を介して固相担体に結合した標識抗体の量又は未結合の標識抗体の量より試料に含まれていたペリオスチンの量(濃度)のみを測定することができる。
具体的には、酵素免疫測定法の場合は、例えば抗体に標識した酵素に、その至適条件下で基質を反応させ、その酵素反応生成物の量を光学的方法等により測定する。
また、蛍光免疫測定法の場合には蛍光物質標識による蛍光強度等を、放射免疫測定法の場合には放射性物質標識による放射線量等を測定する。
そして、発光免疫測定法の場合は発光反応系による発光量等を測定する。
6.凝集反応法による免疫学的測定方法
本発明のペリオスチンの測定方法における測定を、免疫比濁法、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法又は粒子凝集反応法等の免疫複合体凝集物の生成を、その透過光や散乱光を光学的方法により測るか、又は目視的に測る測定方法により実施する場合には、すなわち、抗原抗体反応による複合体の凝集物の生成を測る測定方法(凝集反応法)により実施する場合には、試料に含まれていたペリオスチンに結合させる抗体が免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体である必要がある。
また、前記の凝集反応法により測定を行う場合、溶媒として、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液〔Tris緩衝液〕又はグッド緩衝液等を用いることができ、更にポリエチレングリコール等の反応促進剤や非特異的反応抑制剤を含ませてもよい。
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体を固相担体に固定化させて用いる場合には、固相担体としては、ポリスチレン、スチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、ポリアクロレイン、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−グリシジル(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メタクリル酸重合体、アクリル酸重合体、ラテックス、ゼラチン、リポソーム、マイクロカプセル、赤血球、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、金属化合物、金属、セラミックス又は磁性体等の材質よりなる粒子を使用することができる。
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体を固相担体に固定化させる方法としては、物理的吸着法、化学的結合法又はこれらの併用等の公知の方法により行うことができる。
物理的吸着法による場合は、公知の方法に従い、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体と固相担体を緩衝液等の溶液中で混合し接触させたり、又は緩衝液等に溶解した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体と固相担体を接触させること等により行うことができる。
また、化学的結合法により行う場合は、日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊行会,1983年発行;日本生化学会編「新生化学実験講座1 タンパク質IV」,東京化学同人,1991年発行等に記載の公知の方法に従い、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体と固相担体をグルタルアルデヒド、カルボジイミド、イミドエステル又はマレイミド等の二価性の架橋試薬と混合、接触させ、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体と固相担体のそれぞれのアミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基又は水酸基等と反応させること等により行うことができる。
また、更に非特異的反応や固相担体の自然凝集等を抑制するために処理を行う必要があれば、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体を固定化させた固相担体の表面又は内壁面に、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、カゼイン、ゼラチン、卵白アルブミン若しくはその塩などのタンパク質、界面活性剤又は脱脂粉乳等を接触させ被覆させること等の公知の方法により処理して、固相担体のブロッキング処理(マスキング処理)を行ってもよい。
なお、ラテックス比濁法を測定原理とする場合、固相担体として用いるラテックス粒子の粒径については、特に制限はないものの、ラテックス粒子が測定対象物質(ペリオスチン)を介して結合し、凝集塊を生成する程度、及びこの生成した凝集塊の測定の容易さ等の理由より、ラテックス粒子の粒径は、その平均粒径が、0.04〜1μmであることが好ましい。
また、ラテックス比濁法を測定原理とする場合、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体を固定化させたラテックス粒子を含ませる濃度については、試料中のペリオスチンの濃度、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体のラテックス粒子表面上での分布密度、ラテックス粒子の粒径、試料と測定試薬の混合比率等の各種条件により最適な濃度は異なるので一概にいうことはできない。
しかし、通常は、試料と測定試薬が混合され、ラテックス粒子に固定化された「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体」と試料に含まれていた「ペリオスチン」との抗原抗体反応が行われる測定反応時に、「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体」を固定化させたラテックス粒子の濃度が、反応混合液中において0.005〜1%(w/v)となるようにするのが一般的であり、この場合、反応混合液中においてこのような濃度になるような濃度の「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体を固定化させたラテックス粒子」を測定試薬に含ませる。
また、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法又は粒子凝集反応法等の間接凝集反応法を測定原理とする場合、固相担体として用いる粒子の粒径については、特に制限はないものの、その平均粒子径が0.01〜100μmの範囲内にあることが好ましく、0.5〜10μmの範囲内にあることがより好ましい。そして、これらの粒子の比重は、1〜10の範囲内にあることが好ましく、1〜2の範囲内にあることがより好ましい。
なお、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法又は粒子凝集反応法等の間接凝集反応法を測定原理とする場合の測定に使用する容器としては、例えば、ガラス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル又はポリメタクリレートなどからなる、試験管、マイクロプレート(マイクロタイタープレート)又はトレイ等を挙げることができる。
これらの容器の溶液収容部分(マイクロプレートのウェル等)の底面は、U型、V型又はUV型等の底面中央から周辺にかけて傾斜を持つ形状であることが好ましい。
測定の操作法は公知の方法等により行うことができるが、例えば、光学的方法により測定する場合には、試料と免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体、又は試料と「固相担体に固定化させた免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体」を反応させ、エンドポイント法又はレート法により、透過光や散乱光を測定する。
また、目視的に測定する場合には、プレートやマイクロプレート等の前記容器中で、試料と「固相担体に固定化させた免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体」を反応させ、凝集の状態を目視的に測定する。
なお、この目視的に測定する代わりにマイクロプレートリーダー等の機器を用いて測定を行ってもよい。
測定の操作法の例を以下挙げる。
例えば、まず、「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を固定化した固相担体」を含有する測定試薬、又は「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を固定化した固相担体」を含有する測定試薬及び「水系溶媒」を含有する測定試薬等を調製し、準備する。
次に、例えば、「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を固定化した固相担体」を含有する測定試薬と、試料とを混合し、これにより、「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を固定化した固相担体」と試料とを接触させる。
これにより、「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を固定化した固相担体」の「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体」と、試料に含まれていた「ペリオスチン」との、抗原抗体反応を行わせる。
そして、これより生成した、「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を固定化した固相担体」(免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体=固相担体=免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体)と「ペリオスチン」との複合体凝集物(…〔ペリオスチン〕−〔免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体=固相担体=免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体〕−〔ペリオスチン〕−〔免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体=固相担体=免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体〕−〔ペリオスチン〕…)を測定する。
この生成した複合体凝集物の測定は、この複合体凝集物が存在する測定反応時の反応混合液の透過光又は散乱光などの吸光度等の測定を、エンドポイント法又はレート法等により行うことにより、実施する。
そして、試料を測定して得た吸光度等の測定値を、標準物質(ペリオスチンの濃度が既知の試料)を測定して得た吸光度等の測定値と比較して、試料中に含まれていたペリオスチンの濃度(定量値)を算出する。
なお、透過光又は散乱光などの吸光度等の測定は、透過光を測定しても、又は散乱光を測定してもよく、そして、1波長測定であっても、又は2波長測定(2つの波長による差又は比)であってもよい。
なお、測定波長は、340nmから1,000nmの中から選ばれるのが一般的である。
なお、本発明におけるペリオスチンの測定は、用手法により行ってもよいし、又は測定装置等の装置を用いて行ってもよい。
測定装置は、汎用自動分析装置であっても、専用の測定装置(専用機)であってもよい。
また、本発明におけるペリオスチンの測定は、1ステップ法(1試薬法)により行ってもよいし、又は2ステップ法(2試薬法)等の複数の操作ステップにより行う方法によって実施してもよい。
なお、以下、ラテックス比濁法を測定原理とする方法によりペリオスチンの測定を行う場合を例にとって、より具体的に説明を行う。
(1) まず、ペリオスチンの測定試薬として、以下のものを調製し、準備する。
第1試薬:
緩衝液(水系溶媒)
第2試薬:
「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を固定化したラテックス粒子」を含有する緩衝液
(2) 血清等の試料の一定量と前記の第1試薬の一定量を混合し、一定温度下で一定時間静置する。
なお、試料と第1試薬の混合比率(量比)は、適宜選択すればよい。
また、前記の静置時の温度は、室温(1℃〜30℃)又は微温(30℃〜40℃)の範囲内の一定温度であることが好ましい。(例えば、37℃等)
(3) 一定時間後、前記の試料と第1試薬との混合液に、前記の第2試薬の一定量を添加、混合し、反応混合液として、一定温度下で一定時間静置する。
これにより、「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を固定化したラテックス粒子」と試料とを接触させる。
なお、第2試薬の添加量は、適宜選択すればよい。
また、前記の静置時の温度は、室温(1℃〜30℃)又は微温(30℃〜40℃)の範囲内の一定温度であることが好ましい。(例えば、37℃等)
そして、前記の静置の時間は、1分以上、かつ10分以下の一定時間であることが好ましく、3分以上、かつ5分以下の一定時間であることがより好ましい。
試料と第1試薬との混合液への第2試薬の添加、混合により、ラテックス粒子に固定化した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体と、試料に含まれていたペリオスチンとの抗原抗体反応を行わせる。
そして、この抗原抗体反応により、「…〔ペリオスチン〕−〔免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体=ラテックス粒子=免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体〕−〔ペリオスチン〕−〔免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体=ラテックス粒子=免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体〕−〔ペリオスチン〕…」等の架橋が形成され、ペリオスチンを介した、「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を固定化したラテックス粒子」同士の複合体凝集物が生成する。
(4) そして、分析装置又は分光光度計等において、反応混合液に光を照射して、生成したラテックス粒子同士の複合体凝集物により生じるシグナルである適当な波長の透過光強度の減少(吸光度の増加)又は散乱光強度の増加を測定することにより、生成した前記複合体凝集物の量、すなわち、試料に含まれていたペリオスチンの量を求める。
(5) そして、「試料の測定を行って得た測定値〔透過光強度の減少(吸光度の増加)又は散乱光強度の増加の値〕」と、「標準液又は標準血清等の標準物質〔濃度既知のペリオスチンを含む試料〕の測定を行って得た測定値〔透過光強度の減少(吸光度の増加)又は散乱光強度の増加の値〕」とを比較することにより、測定を行った試料に含まれるペリオスチンの量(濃度)の算出を行う。
7.測定時の他の成分
本発明のペリオスチンの測定方法においては、溶媒として、各種の水系溶媒を用いることができる。
この水系溶媒としては、例えば、精製水、生理食塩水、又は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液〔Tris緩衝液〕、リン酸緩衝液若しくはリン酸緩衝生理食塩水などの各種緩衝液等を挙げることができる。
この緩衝液のpHについては、適宜適当なpHを選択して用いればよく、特に制限はないものの、通常は、pH3〜pH12の範囲内のpHを選択して用いることが一般的である。
また、本発明のペリオスチンの測定方法においては、前記の免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体、前記の免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体を固定化した固相担体、及び/又は前記の免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体と酵素などの標識物質を結合させた標識抗体等の試薬成分の他に、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、カゼイン若しくはその塩などのタンパク質;各種塩類;各種糖類;脱脂粉乳;正常ウサギ血清などの各種動物血清;アジ化ナトリウム若しくは抗生物質などの各種防腐剤;活性化物質;反応促進物質;ポリエチレングリコールなどの感度増加物質;非特異的反応抑制物質;又は、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤若しくは陰イオン性界面活性剤などの各種界面活性剤等の1種又は2種以上を適宜用いてもよい。
そして、これらを測定に用いる際の濃度は特に限定されるものではないが、0.001〜10%(W/V)が好ましく、特に0.01〜5%(W/V)が好ましい。
なお、前記の界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、フィトスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油若しくはポリオキシエチレンラノリンなどの非イオン性界面活性剤;酢酸ベタインなどの両性界面活性剤;又は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩若しくはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩などの陰イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
〔4〕ペリオスチンの測定試薬
1.総論
本発明のペリオスチンの測定試薬は、ペリオスチンの測定試薬であって、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を含有することを特徴とするものである。これにより、試料中に含まれるペリオスチンの存在又は存在量を測定することができる。
本発明のペリオスチンの測定試薬においては、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合するものであることが好ましい。
その理由は、ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができるため、これにより試料中のペリオスチンを正確に測定することができるからである。
なお、ここで「同程度」とは、好ましくは6倍以内を、より好ましくは5倍以内を、更に好ましくは4倍以内を、特に好ましくは3倍以内を、そして特別に好ましくは2倍以内を意味する。
上記と同じ理由により、本発明のペリオスチンの測定試薬においては、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR4領域に結合するものであることがより好ましい。
本発明のペリオスチンの測定試薬においては、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができるものが、試料中のペリオスチンを正確に測定することができるため好ましい。
なお、ここで「同程度」とは、好ましくは6倍以内を、より好ましくは5倍以内を、更に好ましくは4倍以内を、特に好ましくは3倍以内を、そして特別に好ましくは2倍以内を意味する。
本発明のペリオスチンの測定試薬においては、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、モノクローナル抗体であることが好ましい。
なお、本発明のペリオスチンの測定試薬において、例えば、ペリオスチン一分子に二分子の抗体を抗原抗体反応させる場合、少なくともこれらの抗体のいずれか一方が免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体であれば足りる。
例えば、酵素標識抗体と固相化抗体を用いるELISA法のサンドイッチ法においては、試料に含まれていたペリオスチンに結合させる酵素標識抗体及び固相化抗体の少なくともいずれか一方が、この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体であればよい。
ところで、前記の免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、1種類のものだけではなく、複数種類のものを含有させてもよい。
なお、この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体の詳細については、前記の「〔2〕免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体」の項に記載した通りである。
なお、本発明のペリオスチンの測定試薬は、測定の正確性を改善することができるものであり、疾患の罹患の有無又はその程度(病状等)の検査のための測定において好適である。
2.試料
本発明における試料については、前記「〔3〕ペリオスチンの測定方法」の「3.試料」に記載した通りである。
3.測定対象物質
本発明における測定対象物質については、前記「〔3〕ペリオスチンの測定方法」の「4.測定対象物質」に記載した通りである。
4.抗原抗体反応を利用した測定試薬
本発明のペリオスチンの測定試薬は、試料に含まれるペリオスチンを抗原抗体反応を利用して測定する測定試薬であって、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を含有するものであれば、特にそのペリオスチン測定の測定原理に限定されるものではなく、所期の効果を奏するものである。
本発明のペリオスチンの測定試薬の測定原理としては、例えば、酵素免疫測定法(ELISA、EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、放射免疫測定法(RIA)、発光免疫測定法(LIA)、酵素抗体法、蛍光抗体法、イムノクロマトグラフィー法、免疫比濁法、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応測定法、赤血球凝集反応法、粒子凝集反応法等を挙げることができる。
そして、本発明のペリオスチンの測定試薬による測定は、サンドイッチ法、競合法又は均一系法(ホモジニアス系法)等のいずれの手法をも、適用することができる。
また、本発明のペリオスチンの測定試薬による測定は、用手法により行ってもよいし、又は分析装置等の装置を用いて行ってもよい。
本発明のペリオスチンの測定試薬は、一つの測定試薬よりなるものであってよい。
この場合、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、その一つの測定試薬に含有される。
また、本発明のペリオスチンの測定試薬は、二つ以上の測定試薬より構成されるものであってよい。
この場合、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、二つ以上の測定試薬の内の一つの測定試薬に含有されるものであってもよく、また、二つ以上の測定試薬に含有されるものであってもよい。
例えば、本発明のペリオスチンの測定試薬が、第1試薬及び第2試薬の二つの測定試薬より構成されるものである場合、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、第1試薬にのみ含有させてもよく、また、第2試薬にのみ含有させてもよく、更には、第1試薬と第2試薬の両方に含有させてもよい。
なお、本発明のペリオスチンの測定試薬の溶媒としては、各種の水系溶媒を用いることができる。
この水系溶媒としては、例えば、水、若しくは生理食塩水等を挙げることができ、又は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液〔Tris緩衝液〕、リン酸緩衝液、若しくはリン酸緩衝生理食塩水などの各種緩衝液等を挙げることができる。
この緩衝液のpHについては、適宜適当なpHを選択して用いればよく、特に制限はないものの、通常は、pH5〜pH10の範囲内のpHを選択して用いることが一般的である。
また、本発明のペリオスチンの測定試薬には、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の他に、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、カゼイン若しくはその塩などのタンパク質;カルシウムイオンなどの各種金属イオン;カルシウム塩などの各種塩類;各種糖類;脱脂粉乳;正常ウサギ血清などの各種動物血清;アジ化ナトリウム若しくは抗生物質などの各種防腐剤;活性化物質;反応促進物質;ポリエチレングリコールなどの感度増加物質;非特異的反応抑制物質;又は、非イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤若しくは陰イオン性界面活性剤などの各種界面活性剤等の1種又は2種以上を適宜含有させてもよい。
なお、これらを本発明のペリオスチンの測定試薬に含有させる際の濃度は特に限定されるものではないが、0.001〜10%(W/V)が好ましく、特に0.01〜5%(W/V)が好ましい。
そして、前記の界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、フィトスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油若しくはポリオキシエチレンラノリンなどの非イオン性界面活性剤;酢酸ベタインなどの両性界面活性剤;又は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩若しくはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩などの陰イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
なお、本発明のペリオスチンの測定試薬は、そのもの単独にて、販売し、又は試料に含まれるペリオスチンの測定に使用することができる。
また、本発明のペリオスチンの測定試薬は、他の試薬と組み合わせて、販売し、又は試料に含まれるペリオスチンの測定に使用することもできる。
前記の他の試薬としては、例えば、緩衝液、試料希釈液、試薬希釈液、標識物質を含有する試薬、発色などのシグナルを生成する物質を含有する試薬、又は校正(キャリブレーション)を行うための物質を含有する試薬等を挙げることができる。
なお、本発明のペリオスチンの測定試薬は、水系溶媒を含有する第1試薬と、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を含有する第2試薬とを含む、ペリオスチンの測定試薬であってもよい。
また、本発明のペリオスチンの測定試薬は、測定試薬キットであることが好ましい。
5.標識抗体を用いた免疫学的測定方法を測定原理とする測定試薬
本発明のペリオスチンの測定試薬が、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法又は発光免疫測定法等の標識抗体を用いた免疫学的測定方法、すなわち標識抗体を用いる抗原抗体反応を利用した測定方法を測定原理とする場合には、サンドイッチ法又は競合法等により行うことができるが、サンドイッチ法により実施する時には、試料に含まれていたペリオスチンに結合させる固相化抗体及び標識抗体の少なくともいずれか一方の抗体が免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体である必要がある。
なお、標識抗体を用いる抗原抗体反応を利用した測定方法を測定原理とする本発明のペリオスチンの測定試薬に関し、その標識抗体を用いる抗原抗体反応を利用した測定方法の詳細については、前記「〔3〕ペリオスチンの測定方法」の「5.標識抗体を用いた免疫学的測定方法」に記載した通りである。
6.凝集反応法による免疫学的測定方法を測定原理とする測定試薬
本発明のペリオスチンの測定試薬が、免疫比濁法、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法又は粒子凝集反応法等の免疫複合体凝集物の生成を、その透過光や散乱光を光学的方法により測るか、又は目視的に測る測定方法により実施する場合には、すなわち、抗原抗体反応による複合体の凝集物の生成を測る測定方法(凝集反応法)を測定原理とする場合には、試料に含まれていたペリオスチンに結合させる抗体が免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体である必要がある。
また、前記の凝集反応法を測定原理とする場合、本発明のペリオスチンの測定試薬は、「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体」又は「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を固定化した固相担体」を含有する。
なお、本発明のペリオスチンの測定試薬が二つの測定試薬より構成される場合、「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体」又は「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を固定化した固相担体」は、第2試薬に含有させることが好ましい。
そして、本発明のペリオスチンの測定試薬が二つ以上の測定試薬より構成されるものである場合、「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体」又は「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を固定化した固相担体」を含有する試薬以外の試薬、すなわち、「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体」も「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を固定化した固相担体」も含有しない試薬は、例えば前記の水系溶媒を含有する試薬等であってよい。
なお、例えば、ラテックス比濁法を測定原理とする場合、固相担体として用いるラテックス粒子の粒径については、特に制限はないものの、ラテックス粒子が測定対象物質(ペリオスチン)を介して結合し、凝集塊を生成する程度、及びこの生成した凝集塊の測定の容易さ等の理由より、ラテックス粒子の粒径は、その平均粒径が、0.04〜1μmであることが好ましい。
また、ラテックス比濁法を測定原理とする場合、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体を固定化させたラテックス粒子を含ませる濃度については、試料に含まれるペリオスチンの濃度、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体のラテックス粒子表面上での分布密度、ラテックス粒子の粒径、試料と測定試薬の混合比率等の各種条件により最適な濃度は異なるので一概にいうことはできない。
しかし、通常は、試料と測定試薬が混合され、ラテックス粒子に固定化された「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体」と試料に含まれていた「ペリオスチン」との抗原抗体反応が行われる測定反応時に、「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体」を固定化させたラテックス粒子の濃度が、反応混合液中において0.005〜1%(w/v)となるようにするのが一般的であり、この場合、反応混合液中においてこのような濃度になるような濃度の「免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体等の抗体を固定化させたラテックス粒子」を測定試薬に含ませる。
また、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法又は粒子凝集反応法等の間接凝集反応法を測定原理とする場合、固相担体として用いる粒子の粒径については、特に制限はないものの、その平均粒子径が0.01〜100μmの範囲内にあることが好ましく、0.5〜10μmの範囲内にあることがより好ましい。そして、これらの粒子の比重は、1〜10の範囲内にあることが好ましく、1〜2の範囲内にあることがより好ましい。
なお、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法又は粒子凝集反応法等の間接凝集反応法を測定原理とする場合の測定に使用する容器としては、例えば、ガラス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル又はポリメタクリレートなどからなる、試験管、マイクロプレート(マイクロタイタープレート)又はトレイ等を挙げることができる。
これらの容器の溶液収容部分(マイクロプレートのウェル等)の底面は、U型、V型又はUV型等の底面中央から周辺にかけて傾斜を持つ形状であることが好ましい。
また、本発明のペリオスチンの測定試薬は、水系溶媒を含有する第1試薬と、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を固定化した固相担体を含有する第2試薬とを含む、ペリオスチンの測定試薬であってもよい。
なお、本発明のペリオスチンの測定試薬においては、固相担体がラテックス粒子であることが好ましい。
なお、抗原抗体反応による複合体の凝集物の生成を測る測定方法を測定原理とする本発明のペリオスチンの測定試薬に関し、その抗原抗体反応による複合体の凝集物の生成を測る測定方法の詳細については、前記「〔3〕ペリオスチンの測定方法」の「6.凝集反応法による免疫学的測定方法」に記載した通りである。
〔5〕ペリオスチン測定の正確性の改善方法
1.総論
本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法は、ペリオスチンの測定において、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を用いることを特徴とするものである。
この本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法は、ペリオスチンの測定において、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を用いることにより、ペリオスチン測定の正確性を改善することができる方法である。
なお、本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法において、「ペリオスチンの測定」とは、ペリオスチンについて、その存在を見出すこと、又はその存在量を見出すことをいう。
なお、本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法において、試料に含まれるペリオスチンを測定するのに、例えば、ペリオスチン一分子に二分子の抗体を抗原抗体反応させる場合、これらの抗体のいずれか一方が免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体であれば足りる。
例えば、このペリオスチンの測定が、酵素標識抗体と固相化抗体を用いるELISA法のサンドイッチ法による場合には、試料に含まれていたペリオスチンに結合させる酵素標識抗体及び固相化抗体の少なくともいずれか一方が、この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体である必要がある。
ところで、前記の免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、1種類のものだけではなく、複数種類のものを同時に使用してもよい。
なお、この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体の詳細については、前記の「〔2〕免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体」の項に記載した通りである。
なお、本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法は、ペリオスチン測定の正確性を改善することができるものであり、疾患の罹患の有無又はその程度(病状等)の検査のための測定において好適である。
2.試料
本発明における試料については、前記「〔3〕ペリオスチンの測定方法」の「3.試料」に記載した通りである。
3.測定対象物質
本発明における測定対象物質については、前記「〔3〕ペリオスチンの測定方法」の「4.測定対象物質」に記載した通りである。
4.抗原抗体反応を利用した測定
本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法としては、試料に含まれるペリオスチンの抗原抗体反応を利用した測定において、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を使用するものが好ましいが、この免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を使用するものであれば、特にその測定原理に限定されるものではなく、所期の効果を奏するものである。
本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法におけるペリオスチン測定の測定原理としては、例えば、酵素免疫測定法(ELISA、EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、放射免疫測定法(RIA)、発光免疫測定法(LIA)、酵素抗体法、蛍光抗体法、イムノクロマトグラフィー法、免疫比濁法、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応測定法、赤血球凝集反応法、粒子凝集反応法等を挙げることができる。
そして、本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法におけるペリオスチン測定は、サンドイッチ法、競合法又は均一系法(ホモジニアス系法)等のいずれの手法をも、適用することができる。
また、本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法におけるペリオスチン測定は、用手法により行ってもよいし、又は分析装置等の装置を用いて行ってもよい。
本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法におけるペリオスチン測定は、一つの測定試薬のみを使用するもの(1試薬法、又は1ステップ法)であってよい。
この場合、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、その一つの測定試薬に含有される。
また、本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法におけるペリオスチン測定は、二つ以上の測定試薬を使用するもの(多試薬法、又は多ステップ法)であってもよい。
この場合、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、二つ以上の測定試薬の内の一つの測定試薬に含有されるものであってもよく、また、二つ以上の測定試薬に含有されるものであってもよい。
例えば、本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法におけるペリオスチン測定が、第1試薬及び第2試薬の二つの測定試薬を使用するものである場合、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、第1試薬にのみ含有させてもよく、また、第2試薬にのみ含有させてもよく、更には、第1試薬と第2試薬の両方に含有させてもよい。
なお、本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法におけるペリオスチン測定に使用する溶媒としては、前記の各種の水系溶媒を用いることができる。
なお、本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法におけるペリオスチン測定に関し、標識抗体を用いる抗原抗体反応を利用した測定方法の詳細については、前記「〔3〕ペリオスチンの測定方法」の「5.標識抗体を用いた免疫学的測定方法」に記載した通りである。
また、本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法におけるペリオスチン測定に関し、抗原抗体反応による複合体の凝集物の生成を測る測定方法の詳細については、前記「〔3〕ペリオスチンの測定方法」の「6.凝集反応法による免疫学的測定方法」に記載した通りである。
そして、本発明のペリオスチン測定の正確性の改善方法におけるペリオスチン測定に関し、「測定時の他の成分」の詳細については、前記「〔3〕ペリオスチンの測定方法」の「7.測定時の他の成分」に記載した通りである。
以下、本発明を実施例等により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等により限定されるものではない。
〔参考例1〕(ペリオスチンの調製)
ペリオスチンを調製した。
(1)ペリオスチンの調製
ペリオスチン(ヌクレオチド配列:核酸データベースGenBankのAccession NumberD13666のヌクレオチド配列、アミノ酸配列:核酸データベースGenBankのAccession NumberBAA02837のアミノ酸配列)にV5/Hisタグを付加させたリコンビナントペリオスチンタンパク質を昆虫細胞であるS2細胞において発現させた上で精製した。
具体的には、S2細胞の形質転換体は次のように調製した。
pMT/Bip/V5−HisAプラスミド[Invitrogen社(米国)]にペリオスチンの上記部分をコードするcDNAを挿入して、これをpMT/Bip/periostin−V5−HisAとした。
次に、S2細胞にこのpMT/Bip/periostin−V5−HisA及びハイグロマイシン耐性遺伝子を発現するプラスミドであるpAcHygro[Invitrogen社(米国)]を公知の方法で共導入し、形質転換した。
次に、ハイグロマイシンにより形質転換体を選択し、安定形質転換体を得た。
そして、S2細胞の形質転換体では、カルボキシ末端にV5/Hisタグの結合したペリオスチンを発現させた。
そして、このC末端に6個のヒスチジンが結合したS2リコンビナントペリオスチンタンパク質の精製は次のように行った。
まず、ペリオスチン遺伝子安定形質転換体S2細胞の培地に硫酸銅を加えることにより、S2リコンビナントペリオスチンタンパク質の発現を誘導した。
これにより、S2リコンビナントペリオスチンタンパク質は培養上清中に発現分泌された。
次に、この培養上清をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)〔137mMの塩化ナトリウム、2.68mMの塩化カリウム、1.47mMのリン酸二水素カリウム、及び8.04mMのリン酸水素二ナトリウムを含有する水溶液(pH7.4)〕に透析した後、ニッケルレジン(Ni−NTA Agarose)[Qiagen社(ドイツ国)]と混合して、S2リコンビナントペリオスチンタンパク質をレジンに結合させた。
次に、レジンを洗浄して夾雑物を取り除き、イミダゾール含有緩衝液にてS2リコンビナントペリオスチンタンパク質を溶出することにより、ペリオスチンを取得した。
なお、作成したプラスミドのDNAの配列を確認し、組み込まれた配列が目的通りのものであることを確認した。
〔実施例1〕(免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの調製)
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンは、健常者(N=22)のプール血清(300mL)を用いて調製した。
図1に示した方法により、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの調製及びその同定を行った。
1.硫酸アンモニウム沈殿による粗精製品の取得
(1) ヒト健常者のプール血清300mLをビーカーに移し、スターラーバーを入れ、1Mのリン酸緩衝液(pH7.2)を最終濃度が50mMになるように加え、低温庫(5℃)にて撹拌した。
(2) これを撹拌しながら、30%飽和となるように硫酸アンモニウムを少しずつ15分間かけて加えた。
(3) 硫酸アンモニウムを全部入れ終わってから、30分間撹拌を続けた。
(4) 反応後の血清を遠沈管に分取し、4℃、10,000rpmで30分間遠心した。
(5) 遠心後の上清をビーカーに移し、低温庫(5℃)にて撹拌した。
(6) 撹拌しながら、50%飽和となるように硫酸アンモニウムを少しずつ15分間かけて加えた。
(7) 硫酸アンモニウムを全部入れ終わってから、30分間撹拌を続けた。
(8) 反応後の血清を遠沈管に分取し、4℃、10,000rpmで30分間遠心した。
(9) 遠心後の上清を完全に除去した。
(10) 沈殿物が残留している遠沈管に、0.05%のTween−20を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)の15mLを入れ、沈殿物が浸かるようボトルを斜めに寝かせて、全量が溶解するまで緩やかに振盪した。
(11) 溶解液を全て混合し、その混合液を0.45nm径のフィルターを用いてろ過し、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品を取得した。
2.免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品からのアルブミン及び免疫グロブリンGの除去
硫酸アンモニウム沈殿により取得した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品中のアルブミン及び免疫グロブリンG(IgG)をHiTrap Albumin&IgG Depletionカラムを用いて除去した。
(1) 1mL用のHiTrap Albumin&IgG Depletionカラム[GE Healthcare社(英国)]を20mL以上のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した。
(2) 前記1の(11)の免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品の全量を、1mL/min以下の流速で、前記(1)のカラムに通した。
(3) 前記(2)により採取した通過画分液を用いて、再度前記(2)の操作を行い、カラムを通過した液を回収し、アルブミン及び免疫グロブリンGを除去した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品を取得した。
3.免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品からの非特異結合タンパク質の除去
非特異結合タンパク質は、コントロールラットIgG結合ビーズを用いて免疫沈降法により除去した。
(A)コントロールラットIgG結合ビーズの作製
NHS−activated Sepharose 4 Fast Flow 1mLに対し、コントロールラットIgG1mgの割合で結合させた。
(a)試薬
・カップリングバッファー:0.2M NaHCO(pH8.3)
・ブロッキングバッファー:0.1M Tris−HCl(pH8.5)
・洗浄バッファーA:0.1M Tris−HCl(pH8.5)
・洗浄バッファーB:0.5M NaClを含む0.1M CHCOONa(pH4.0)
・検体希釈液:100mM NaCl、0.5% カゼインナトリウム及び0.095%NaNを含む50mM Tris−HCl(pH8.0)
(b)操作
(1) コントロールラットIgG溶液を限外ろ過フィルターを用いて前記(a)のカップリングバッファーに置換した。
(2) NHS−activated Sepharose 4 Fast Flow[GE Healthcare社(英国)]のボトルをよく振ってビーズを均一に懸濁し、その懸濁液の2mLを15mLチューブに分取した。
(3) 前記(2)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(4) ビーズが残存しているチューブに1mM HClを10mL加え、NHS基を活性化させた。
(5) 前記(4)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(6) 1mgのコントロールラットIgG液を1mLのビーズが残存しているチューブに加え懸濁し、ローテーターにセットして、5℃で一晩回転を続け、コントロールラットIgGをビーズに結合させた。
(7) 15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(8) 上清を除去した15mLチューブに、前記(a)のブロッキングバッファーを10mL加え、懸濁し、ローテーターにセットして5℃で2時間回転し続け、コントロールラットIgGが結合していない活性化NHSをブロッキングした。
(9) 前記(8)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(10) 洗浄バッファーAの10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁した。
(11) 前記(10)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(12) 洗浄バッファーBの10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁した。
(13) 前記(12)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(14) 前記(10)〜(13)の操作を3回ずつ繰り返して行った。
(15) リン酸緩衝生理食塩水(PBS)の10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁した。
(16) 前記(15)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(17) 前記(a)の検体希釈液の5mLを加え、コントロールラットIgG結合ビーズ溶液を取得した。
(B)免疫沈降による非特異成分の除去
(1) 前記(A)において作成したコントロールラットIgG結合ビーズ1mLを新しい15mLチューブに分取し、更に前記2で取得したアルブミン及び免疫グロブリンGを除去した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品の全量を加えた。
(2) 15mLチューブをローテーターにセットして5℃で一晩回転し続け、アルブミン及び免疫グロブリンGを除去した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品に含まれている非特異結合タンパク質をビーズ表面及びビーズに結合しているラットIgGに結合させた。
(3) 15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清をビーズが混入しないように回収した。
(4) 回収液を0.45nm径のフィルターを用いてろ過し、アルブミン、IgG及び非特異成分を除去した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品を取得した。
4.粗精製品からの免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの取得
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンは、抗ペリオスチン抗体(SS18A)結合ビーズを用いて、免疫沈降法により取得する。
(A)抗ペリオスチン抗体共有結合ビーズの作製
(1) F(ab’)2化した抗ペリオスチン抗体(SS18A)の溶液を、限外ろ過フィルターを用いて前記3の(A)の(a)のカップリングバッファーに置換した。
(2) NHS−activated Sepharoseのボトルをよく振ってビーズを均一に懸濁し、その2mLを15mLチューブに分取した。
(3) 前記(2)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(4) ビーズが残存しているチューブに、1mM HClを10mL加え、NHS基を活性化させた。
(5) 前記(4)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(6) 1mgのF(ab’)2化した抗ペリオスチン抗体(SS18A)の溶液を1mLのビーズが残存しているチューブに加え懸濁し、ローテーターにセットして5℃で一晩回転し続け、F(ab’)2化した抗ペリオスチン抗体(SS18A)をビーズに結合させた。
(7) 15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(8) 上清を除去した15mLチューブに前記3の(A)の(a)のブロッキングバッファーを10mL加え、懸濁し、ローテーターにセットして5℃で2時間回転し続け、F(ab’)2化した抗ペリオスチン抗体(SS18A)が結合していない活性化NHSをブロッキングした。
(9) 前記(8)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(10) 前記3の(A)の(a)の洗浄バッファーAの10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁した。
(11) 前記(10)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(12) 前記3の(A)の(a)の洗浄バッファーBの10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁した。
(13) 前記(12)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(14) 前記(10)〜(13)の操作を3回ずつ繰り返して行った。
(15) リン酸緩衝生理食塩水(PBS)10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁した。
(16) 前記(15)の15mLチューブを3,000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(17) 前記3の(A)の(a)の検体希釈液5mLを加え、F(ab’)2化した抗ペリオスチン抗体(SS18A)結合ビーズ溶液を取得した。
(B)免疫沈降による免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの精製
(1) 前記(A)の(17)で取得したF(ab’)2化した抗ペリオスチン抗体(SS18A)結合ビーズ1mLを、新しい15mLチューブに分取し、更に前記3の(B)の(4)において取得したアルブミン、IgG及び非特異成分を除去した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの粗精製品の全量を加えた。
(2) 15mLチューブをローテーターにセットして、5℃で一晩回転し続け、免疫グロブリンAと結合しているペリオスチンをビーズに結合しているF(ab’)2化した抗ペリオスチン抗体(SS18A)に結合させた。
(3) 15mLチューブを3000rpmで30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(4) 残留したビーズを20mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した。
(5) 前記(4)のビーズに、0.1% Tween−20を含む0.1M グリシン(pH2.7)の5mLを加えて、F(ab’)2化した抗ペリオスチン抗体(SS18A)に結合している免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンを溶出し回収した。
(6) 回収した溶出液に2.25M Tris−HCl(pH10.0)を加えてpHを7.0〜7.2に中和した。
(7) 0.45nm径のフィルターを用いてろ過し、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの精製品を取得した。
表1に示すようにプール血清から一連の工程を経てペリオスチン精製品を取得した。
この回収率は元のペリオスチン量に対して約80%であり、十分な回収率を示した。
Figure 2020186175
(C)免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの精製品の分離及び同定
前記(B)の(7)において取得した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの精製品を、非還元条件又は還元条件下でSDS−PAGEを行った。
このSDS−PAGEのタンパク染色の結果を図2に示した。
このタンパク染色の結果から、前記精製品の純度は90%であり、そのほとんど全てが免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンであることを確認した。
(D)免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン(240KDa)のウエスタンブロッティング
前記(B)の(7)において取得した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの精製品を、非還元条件又は還元条件下でSDS−PAGEを行った。
その後、ゲルをPVDF膜へ転写し、抗ペリオスチン抗体(SS19C)又は抗免疫グロブリンA抗体を用いて免疫染色を行った。
このウエスタンブロッティングの結果も図2に示した。
その結果、非還元条件下において240KDaにペリオスチン及び免疫グロブリンAが検出された。
(E)240KDaの精製品に含まれるタンパク質の同定
前記(B)の(7)において取得した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの精製品を、非還元条件下でSDS−PAGEを行い、タンパク染色で認められる240KDaのバンドを切り出し、液体クロマトグラフィー−質量分析法にてこのバンド中に含まれるタンパク質を同定した。
検出されたタンパク質は、ペリオスチン及び免疫グロブリンAに由来するペプチドのみであり、この240KDaの複合体は免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンであることを確認した。
〔実施例2〕(液体クロマトグラフィー−質量分析法による免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの同定)
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン(240KDa)中のタンパク質を、以下の手順に従って、液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS)を用いて同定した。
1.試料の前処理
(1) 前記実施例1で取得した、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン(240KDa)の精製品に、終濃度で20mMになるように100mMジチオトレイトール(DTT)溶液を添加し、95 ℃で10 分間加温した。
(2) 続いて、終濃度で50mMになるように、550mMヨードアセトアミド溶液を添加し、遮光下の室温で30分間静置した。
(3) 総タンパク質量に対して約50分の1重量となるようにトリプシンを添加し、37 ℃で一晩加温した後、終濃度が1%になるようにトリフルオロ酢酸を添加した。
(4) GL−Tip SDB−SCX[ジーエルサイエンス社(日本国)]を用いて、脱塩及び陽イオン交換樹脂による分画を行い、分画物を測定用試料とした。
2.液体クロマトグラフィー測定
(1) 前記1で調製した精製試料から抽出されたペプチドを、液体クロマトグラフィーシステム Prominence UFLC[島津製作所社(日本国)]を用いて分析した。
(2) このシステムでは、サンプルをGL−Tip SDB−SCX[ジーエルサイエンス社(日本国)]で脱塩し、次いでInertsil Peptides C18カラム(2.1mm×150mm、4.0μm)で分離した。
(3) 移動相として、移動相A(HPLCグレードの0.1%ギ酸水溶液)と移動相B(0.1%ギ酸アセトニトリル)を選択した。
(4) 10μLの精製試料をカラムに注入し、以下の勾配速度を用いて0.4mL/分の流速で分離した。
移動相A:移動相B = 99.5:0.5(0分)→ 移動相A:移動相B = 50:50(70分)→ 移動相A:移動相B = 0:100(75分)→ 移動相A:移動相B = 0:100(80分)
3.質量分析測定
(1) 質量分析は、Triple TOF 5600+システム(m/z100−2000[AB SCIEX社(米国)]を、液体クロマトグラフィーシステムに接続し実施した。
(2) エレクトロスプレーイオン化法(ESI法)−正イオンモードで測定した。
(3) 得られたペプチドに対して、MaxQuantパッケージを用いてヒトSwissProtデータベースを用いてタンパク質を同定した。
4.測定結果
液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS)による測定の結果、複数のペプチド由来のピークが得られた。
ペプチドの質量情報を基にタンパク質検索を行った結果、ペリオスチン及び免疫グロブリンAに由来するタンパク質のみが検出された。
これを表2に示す。
Figure 2020186175
よって、前記実施例1で取得した、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン(240KDa)は、確かに免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンであることが確かめられた。
〔実施例3〕(表面プラズモン共鳴法を用いた抗体親和性の検証)
各抗ペリオスチンモノクローナル抗体の遊離ペリオスチン及び免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンそれぞれに対する親和性を、Biacore X−100[GE Healthcare社(英国)]を用いて、表面プラズモン共鳴法により検証した。
1.抗体
この検証には、表3に示した13種類の抗ペリオスチンモノクローナル抗体を用いた。
Figure 2020186175
2.方法
前記1の13種類の抗ペリオスチンモノクローナル抗体の遊離ペリオスチン及び免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンそれぞれに対する親和性を以下に示す方法で測定した。
(1) 遊離ペリオスチンは、リコンビナントペリオスチンモノマー[公知の文献(I.Takayamaら,J.Biochem.,146巻,5号,713〜723頁,2009年発行等)の記載に従い、ペリオスチンのC末端領域のエクソン17、エクソン18及びエクソン21を欠くペリオスチンであって、そのC末端に6個のヒスチジン残基が結合したペリオスチン]を用いた。
また、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンは、前記実施例1で取得したものを用いた。
(2) 全ての結合試験は、25℃で、泳動緩衝液[0.05%Tween − 20を含有するリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)]中で実施した。
(3) 前記リコンビナントペリオスチンモノマー又は免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンを泳動緩衝液で希釈し、2倍希釈系列の抗原を調製した。
(4) Anti−mouse antibody capturing kit[GE Healthcare社(英国)]を使用して、Biacore CM5チップの表面上にウサギ抗マウスポリクローナル抗体(マウス抗体だけではなく、ラット抗体とも結合することができる)[捕捉抗体]をアミンカップリング法により固定した。
(5) 続いて、前記1の13種類の抗ペリオスチンモノクローナル抗体のそれぞれを、5μL/分の流速で1分間注入し、チップ表面上の捕捉抗体に結合させた。
(6) 次に、異なる濃度の抗原(前記リコンビナントペリオスチンモノマー又は免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン)を30μL/分の流速で2分間注入し、前記1の13種類の抗ペリオスチンモノクローナル抗体に対する抗原の結合をそれぞれ測定した。
(7) 続いて、結合した抗原(前記リコンビナントペリオスチンモノマー又は免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン)の抗体(前記1の13種類の抗ペリオスチンモノクローナル抗体)からの解離をそれぞれ3分間観察した。
(8) 操作(6)及び(7)で得られたデータから、シングルサイクル法を用いてセンサーグラムを作成した。
(9) 得られたデータの解析は、解析ソフト(Biacore X100 Evaluation Software バージョン2.0.2)を使用して実施した。
(10) 速度論的パラメータは1:1結合モデルを用いて算出し、結合速度定数(ka)及び解離速度定数(kd)並びに解離定数(KD)を計算した。
3.測定結果
前記1の13種類の抗ペリオスチンモノクローナル抗体の遊離ペリオスチン(リコンビナントペリオスチンモノマー)又は免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに対する結合速度定数(ka)及び解離速度定数(kd)並びに解離定数(KD)を表4に示した。
Figure 2020186175
更に、遊離ペリオスチンと免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに対する親和性の差を比較するために、以下の計算式により、前記1の13種類の抗ペリオスチンモノクローナル抗体の結合速度定数(ka)及び解離速度定数(kd)並びに解離定数(KD)の結合力比を算出し、表5に示した。
結合速度定数結合力比=免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに対する結合速度定数/遊離ペリオスチンに対する結合速度定数
解離速度定数結合力比=免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに対する解離速度定数/遊離ペリオスチンに対する解離速度定数
アフィニティー結合力比=免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに対する解離定数/遊離ペリオスチンに対する解離定数
Figure 2020186175
なお、結合速度定数は、値が大きくなるほど親和性が強いことを示す。
解離速度定数は、値が小さくなるほど親和性が強いことを示す。
解離定数(アフィニティー)は、値が小さくなるほど親和性が強いことを示す。
遊離ペリオスチンと免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに対する抗体のアフィニティー結合力比では、ペリオスチンのR4領域を認識するSS17B抗体、SS19A抗体、及びSS26C抗体のいずれもが2.0以下の値となり、これらの抗ペリオスチンモノクローナル抗体は遊離ペリオスチンと免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに対して同程度の親和性を有していることが示された。
〔実施例4〕(遊離ペリオスチン及び免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに対するELISA測定)
抗ペリオスチン抗体(SS18A)[R1領域を認識]、抗ペリオスチン抗体(SS17B)[R4領域を認識]、抗ペリオスチン抗体(SS19A)[R4領域を認識]、及び抗ペリオスチン抗体(SS16A)[R3領域を認識]をそれぞれ固相化したペリオスチン測定ELISAキットを各々作製し、遊離ペリオスチン及び免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンを測定した。
測定値を比較することで2つの試料の反応性の違いを評価した。
1.測定試料
(a)試料1:前記実施例1で取得した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン
(b)試料2:前記(a)の試料1に終濃度1mMになるようにジチオトレイトール(DTT)を加えて還元して作製した、前記試料1と同濃度の遊離ペリオスチン
2.測定
(a)従来発明による測定[SS18A×SS19C]
(1) 抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS18A)[ペリオスチンのR1領域を認識し結合する抗体]を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)[137mMの塩化ナトリウム、2.68mMの塩化カリウム、1.47mMのリン酸二水素カリウム、及び8.04mMのリン酸水素二ナトリウムを含有する水溶液(pH7.4)]により2μg/mLとなるように希釈し、これを96穴マイクロタイタープレートの各ウェルに100μLずつ注入した後、25℃で18時間静置し、抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS18A)をこのマイクロタイタープレートの各ウェルに固相化した。
(2) 次に、前記(1)のマイクロタイタープレートの各ウェル中に、ブロッキング液[0.5%のカゼイン、100mMの塩化ナトリウム、及び0.1%のアジ化ナトリウムを含有する50mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液〔トリス緩衝液〕(pH8.0)]を250μL注入し、4℃で18時間静置した。
(3) 次に、前記のマイクロタイタープレートの各ウェルを洗浄液[0.05%のTween−20を含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)]で3回洗浄した。
(4) 次に、前記試料1及び試料2を、検体希釈液[0.5%のカゼイン、100mMの塩化ナトリウム、及び0.1%のアジ化ナトリウムを含有する50mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液〔トリス緩衝液〕(pH8.0)]で500倍に希釈した後、その100μLを前記抗体固相化マイクロタイタープレートのウェルに注入し、25℃にて18時間静置し、反応を行わせた。
(5) 次に、前記のマイクロタイタープレートの各ウェルを、前記の洗浄液で5回ずつ洗浄した。
(6) 次に、POD標識した抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS19C)[ペリオスチンのR2領域を認識し結合する抗体]を、標識抗体希釈液[0.5%のカゼイン、及び100mMの塩化ナトリウムを含有する50mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液〔トリス緩衝液〕(pH8.0)]で200ng/mLとなるように希釈し、その100μLを前記のマイクロタイタープレートの各ウェルに注入し、25℃にて90分間静置し、反応を行わせた。
(7) 次に、前記のマイクロタイタープレートの各ウェルを前記の洗浄液で5回ずつ洗浄した。
(8) 次に、PODの基質液[0.8mMの3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMBZ)、2.5mMの過酸化水素、及び30mMのリン酸水素二ナトリウムを含有する20mMのクエン酸緩衝液]の100μLを、前記のマイクロタイタープレートの各ウェルに注入し、25℃にて15分間静置し、反応を行わせ、発色させた。
(9) その後、前記(8)のマイクロタイタープレートの各ウェルに0.7Nの硫酸を注入し、この反応を停止させた。
(10) 次に、分光光度計を用いて、前記(9)のマイクロタイタープレートの各ウェルについて、450nmにおける吸光度の測定を行った。
(11) 次に、ペリオスチン濃度既知の標準試料について、前記(1)〜(10)の測定操作の通り操作を行って、「ペリオスチン濃度−吸光度」の標準曲線(検量線)を作成した。
(12) 前記(10)において測定したマイクロタイタープレートの各ウェルの吸光度を、前記(11)において作成した「ペリオスチン濃度−吸光度」の標準曲線(検量線)に当てはめ、前記1の(a)の試料1及び前記1の(b)の試料2に含まれていたペリオスチンの濃度を求めた。
(b)本発明による測定[SS17B×SS19C]
前記(a)の(1)における抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS18A)[ペリオスチンのR1領域を認識し結合する抗体]を、抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS17B)[ペリオスチンのR4領域を認識し結合する抗体]に替えること以外は、前記(a)の(1)〜(12)の測定操作の通り操作を行って、前記1の(a)の試料1及び前記1の(b)の試料2に含まれていたペリオスチンの濃度を求めた。
(c)本発明による測定[SS19A×SS19C]
前記(a)の(1)における抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS18A)[ペリオスチンのR1領域を認識し結合する抗体]を、抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS19A)[ペリオスチンのR4領域を認識し結合する抗体]に替えること以外は、前記(a)の(1)〜(12)の測定操作の通り操作を行って、前記1の(a)の試料1及び前記1の(b)の試料2に含まれていたペリオスチンの濃度を求めた。
(d)本発明による測定[SS16A×SS19C]
前記(a)の(1)における抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS18A)[ペリオスチンのR1領域を認識し結合する抗体]を、抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS16A)[ペリオスチンのR3領域を認識し結合する抗体]に替えること以外は、前記(a)の(1)〜(12)の測定操作の通り操作を行って、前記1の(a)の試料1及び前記1の(b)の試料2に含まれていたペリオスチンの濃度を求めた。
3.測定結果
測定結果を表6に示した。
Figure 2020186175
前記2の(a)における従来発明による測定[SS18A×SS19C]の場合、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの測定値を遊離ペリオスチンの測定値で除した値の比率は20%であった。
これに対して、前記2の(b)における本発明による測定[SS17B×SS19C]の場合、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの測定値を遊離ペリオスチンの測定値で除した値の比率は102%であった。
また、前記2の(c)における本発明による測定[SS19A×SS19C]の場合、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの測定値を遊離ペリオスチンの測定値で除した値の比率は99%であった。
更に、前記2の(c)における本発明による測定[SS16A×SS19C]の場合、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの測定値を遊離ペリオスチンの測定値で除した値の比率は110%であった。
これらのことより、ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができることが確かめられた。
これにより試料中のペリオスチンを正確に測定することができる。
また更に、ペリオスチンのR4領域に結合する免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体は、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができることが確かめられた。
これにより試料中のペリオスチンを正確に測定することができる。
〔実施例5〕(ペリオスチンと免疫グロブリンAとの結合様式の検証)
免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンにおけるペリオスチンと免疫グロブリンAとの結合様式を検証した。
抗原特異抗体又はジャカリンを結合させたビーズを用いた免疫沈降法により、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンのペリオスチン及び免疫グロブリンAを吸収させた。
その上清中に残存するペリオスチン及び免疫グロブリンA量から回収率を算出し、結合様式を検証した。
各種抗原特異抗体結合ビーズは下記の方法により調製した。
また、ジャカリン結合ビーズはPierce Jacalin Agarose[Thermo Fisher Scientific社(米国)]を用いた。
1.各種抗原特異抗体共有結合ビーズの作製
(1) 抗ペリオスチン抗体(SS18A)溶液、抗ペリオスチンモノマー抗体(SS19D)溶液、抗免疫グロブリンG(IgG)抗体溶液[Abcam社(英国)]、抗免疫グロブリンM(IgM)抗体溶液[Abcam社(英国)]、及び抗免疫グロブリンA(IgA)抗体溶液[Abcam社(英国)]を、限外ろ過フィルターを用いてカップリングバッファー[0.2M NaHCO(pH8.3)]に置換した。
(2) NHS−activated Sepharoseのボトルをよく振ってビーズを均一に懸濁し、その1mLを15mLチューブに分取した。
(3) 15mLチューブを3000rpm、30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(4) ビーズが残存しているチューブに1mM HClを10mL加え、NHS基を活性化させた。
(5) 15mLチューブを3000rpm、30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(6) 0.5mgの抗ペリオスチン抗体(SS18A)溶液、抗ペリオスチンモノマー抗体(SS19D)溶液、抗免疫グロブリンG抗体溶液、抗免疫グロブリンM抗体溶液、及び抗免疫グロブリンA抗体溶液をそれぞれ個別に、0.5mLのビーズが残存しているチューブに加え懸濁し、ローテーターにセットして5℃で一晩回転し、各抗体をそれぞれビーズに結合させた。
(7) 15mLチューブを3000rpm、30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(8) 上清を除去した15mLチューブにブロッキングバッファー[0.1M Tris−HCl(pH8.5)]を10mL加え、懸濁し、ローテーターにセットして5℃で2時間回転し、抗体が結合していない活性化NHSをブロッキングした。
(9) 15mLチューブを3000rpm、30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(10) 洗浄バッファーA[0.1M Tris−HCl(pH8.5)]の10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁した。
(11) 15mLチューブを3000rpm、30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(12) 洗浄バッファーB[0.5M NaClを含む0.1M CHCOONa(pH4.0)]の10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁した。
(13) 15mLチューブを3000rpm、30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(14) 前記の手順(10)〜(13)の操作を、3回ずつ繰り返し行った。
(15) リン酸緩衝生理食塩水(PBS)10mLを、上清を除去した15mLチューブに加え、ビーズを再懸濁した。
(16) 15mLチューブを3000rpm、30秒間遠心し、遠心後の上清を除去した。
(17) 15mLチューブに検体希釈液[100mM NaCl、0.5% カゼインナトリウム及び0.095%NaNを含む50mM Tris−HCl(pH8.0)]の5mLを加え、抗ペリオスチン抗体(SS18A)、抗ペリオスチンモノマー抗体(SS19D)、抗免疫グロブリンG抗体、抗免疫グロブリンM抗体、及び抗免疫グロブリンA抗体がそれぞれ結合した抗体結合ビーズを各々取得した。
2.免疫沈降
(1) 1mLの検体希釈液[100mM NaCl、0.5% カゼインナトリウム及び0.095%NaNを含む50mM Tris−HCl(pH8.0)]を、1.5mLマイクロテストチューブに分注した。
(2) 6.8μg/mLの免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン溶液100μLを前記(1)の1.5mLのチューブに加えた。
(3) 前記1で作製した抗体結合ビーズ、又はジャッカリン結合ビーズの100μLを、前記(2)のチューブにぞれぞれ個別に加えた。
(4) 前記(3)のチューブをローテーターにセットして、5℃で一晩回転し続け、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンと前記の各種抗体とをそれぞれ反応させた。
(5) 15mLチューブを3000rpm、30秒間遠心し、遠心後の上清をビーズが混入しないように回収した。
(6) 回収した上清中のペリオスチン及び免疫グロブリンA濃度を、ELISA法にて測定した。
3.ELISA測定
免疫沈降処理前後の上清中のペリオスチン濃度は、Periostin ELISA Kit(Human)[シノテスト社(日本国)]を用いて測定した。
また、免疫グロブリンA濃度は、Human IgA ELISA Kit[Abcam社(英国)]を用いて測定した。
4.回収率の算出
免疫沈降後のペリオスチン濃度又は免疫グロブリンA濃度を、免疫沈降前のペリオスチン濃度又は免疫グロブリンA濃度でそれぞれ除することで、特異抗体による回収率を算出した。
5.測定結果
それぞれの特異抗体によって結合した、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの回収率を図3に示す。
抗ペリオスチン抗体(SS18A)により、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンからペリオスチンは完全に除去された。
また、免疫グロブリンAも80%以上が除去されたことから、ペリオスチンは免疫グロブリンAと結合していることが確認された。
抗ペリオスチンモノマー抗体(SS19D)は、ペリオスチンモノマーのみに反応する抗体である。
この抗体を用いた場合は、ペリオスチン及び免疫グロブリンAともに回収率が低かった。
抗免疫グロブリンG抗体や抗免疫グロブリンM抗体を用いた場合は、ペリオスチン及び免疫グロブリンAともに回収されないことから、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン中に免疫グロブリンGや免疫グロブリンMは存在しないことを確認した。
抗免疫グロブリンA抗体を用いた場合、ペリオスチン及び免疫グロブリンAともに80%以上が回収できることが分かった。
また、IgA1を特異的に認識することが出来るジャカリンを用いた場合は、抗免疫グロブリンA抗体による回収率とほぼ同等であった。
以上のことから、前記実施例1で取得した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンは、そのほとんどがペリオスチンと免疫グロブリンAとの結合体であり、免疫グロブリンAのサブクラスはIgA1である。
また、前記実施例1で取得した免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンの分子量(240KDa)から鑑みて、この結合体中のペリオスチン(約80KDa)と免疫グロブリンA(約160KDa)との結合比率は1:1と考えられた。
「抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS17B)」のモノクローナル抗体産生細胞株であるSS17B株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構の特許微生物寄託センター[NPMD](日本国千葉県木更津市かずさ鎌足二丁目5番8号)に、「受領番号:NITE AP−02940」として2019年5月8日付けにて受領されている。
「抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS19A)」のモノクローナル抗体産生細胞株であるSS19A株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構の特許微生物寄託センター[NPMD](日本国千葉県木更津市かずさ鎌足二丁目5番8号)に、「受領番号:NITE AP−02941」として2019年5月8日付けにて受領されている。
「抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS26C)」のモノクローナル抗体産生細胞株であるSS26C株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構の特許微生物寄託センター[NPMD](日本国千葉県木更津市かずさ鎌足二丁目5番8号)に、「受領番号:NITE AP−02942」として2019年5月8日付けにて受領されている。
「抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS27D)」のモノクローナル抗体産生細胞株であるSS27D株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構の特許微生物寄託センター[NPMD](日本国千葉県木更津市かずさ鎌足二丁目5番8号)に、「受領番号:NITE AP−02943」として2019年5月8日付けにて受領されている。
「抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS16A)」のモノクローナル抗体産生細胞株であるSS16A株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構の特許微生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足二丁目5番8号)に、「受領番号:NITE AP−1281」として2012年3月16日付けにて寄託されている。この「抗ペリオスチンモノクローナル抗体(SS16A)」のモノクローナル抗体産生細胞株であるSS16A株については、独立行政法人製品評価技術基盤機構の特許微生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足二丁目5番8号)に対し、2012年7月19日付けにて国内寄託から国際寄託への移管の申請を行い、国際寄託に移管された。[移管日:2012年7月19日](受託番号:NITE BP−1281)

Claims (21)

  1. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン。
  2. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体。
  3. ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する、請求項2に記載の抗体。
  4. ペリオスチンのR4領域に結合する、請求項2又は請求項3に記載の抗体。
  5. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができる、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の抗体。
  6. モノクローナル抗体である、請求項2〜請求項5のいずれかに記載の抗体。
  7. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を用いることを特徴とする、ペリオスチンの測定方法。
  8. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する、請求項7に記載のペリオスチンの測定方法。
  9. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR4領域に結合する、請求項7又は請求項8に記載のペリオスチンの測定方法。
  10. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができる、請求項7〜請求項9のいずれかに記載のペリオスチンの測定方法。
  11. モノクローナル抗体である、請求項7〜請求項10のいずれかに記載のペリオスチンの測定方法。
  12. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を含有することを特徴とする、ペリオスチンの測定試薬。
  13. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する、請求項12に記載のペリオスチンの測定試薬。
  14. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR4領域に結合する、請求項12又は請求項13に記載のペリオスチンの測定試薬。
  15. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができる、請求項12〜請求項14のいずれかに記載のペリオスチンの測定試薬。
  16. モノクローナル抗体である、請求項12〜請求項15のいずれかに記載のペリオスチンの測定試薬。
  17. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体を用いることを特徴とする、ペリオスチン測定の正確性の改善方法。
  18. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR3領域からR4領域にかけてのいずれかに結合する、請求項17に記載のペリオスチン測定の正確性の改善方法。
  19. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、ペリオスチンのR4領域に結合する、請求項17又は請求項18のいずれかに記載のペリオスチン測定の正確性の改善方法。
  20. 免疫グロブリンAに結合しているペリオスチンに結合する抗体が、免疫グロブリンAに結合しているペリオスチン、及び遊離のペリオスチンのそれぞれに対して同程度の親和性で結合することができる、請求項17〜請求項19のいずれかに記載のペリオスチン測定の正確性の改善方法。
  21. モノクローナル抗体である、請求項17〜請求項20のいずれかに記載のペリオスチン測定の正確性の改善方法。
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